(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】端末、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/57 20130101AFI20240409BHJP
G06F 21/60 20130101ALI20240409BHJP
【FI】
G06F21/57 370
G06F21/60 320
(21)【出願番号】P 2023005525
(22)【出願日】2023-01-18
(62)【分割の表示】P 2021111443の分割
【原出願日】2016-03-25
【審査請求日】2023-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】薄羽 利光
【審査官】岸野 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-102479(JP,A)
【文献】国際公開第2014/130472(WO,A1)
【文献】米国特許第9158915(US,B1)
【文献】特開2006-011510(JP,A)
【文献】特開2007-122408(JP,A)
【文献】特開2009-015570(JP,A)
【文献】寺田 真敏,製品識別子を用いた脆弱性対策情報データベースと資産管理との連携に関する検討,情報処理学会 研究報告 マルチメディア通信と分散処理,日本,情報処理学会,2016年02月25日,pp.1~8
【文献】成島 佳孝 Yoshitaka Narishima,社会インフラセキュリティ,日立評論 第96巻 第3号,日立評論社,2014年03月01日,第96巻,pp.62~66
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/57
G06F 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末の制御方法であって、
前記端末が、公開日時情報と、調査方法情報と、ソフトウェアに存在する脆弱性に関する情報と、を含む脆弱性情報を受信する受信ステップ
を含み、
前記受信ステップは、前記公開日時情報が示す公開日時前に実行される、
制御方法。
【請求項2】
端末の制御方法であって、
前記端末が、脆弱性情報に含まれる調査方法情報に基づいて、脆弱性の有無を自端末に対して調査する調査ステップ
を含み、
前記調査ステップは、前記脆弱性情報に含まれる公開日時情報を示す公開日時前に実行される、
制御方法。
【請求項3】
端末の制御方法であって、
前記端末が、脆弱性情報に含まれる公開に関する公開情報に基づき調査方法を取得する取得ステップと、
前記端末が、前記脆弱性情報に含まれる調査方法に基づいて、脆弱性の有無を調査する調査ステップと、
を含む、
制御方法。
【請求項4】
前記公開情報は公開日時を示す情報であり、
前記取得ステップは、前記公開日時より前に実行され、
前記調査ステップは、前記公開日時より前に実行される、
請求項3に記載の制御方法。
【請求項5】
前記公開情報は公開日時を示す情報であり、
前記調査ステップは、前記公開日時より後に実行される、
請求項3に記載の制御方法。
【請求項6】
前記公開情報は公開状態を示す情報であり、
前記公開状態が未公開と判断された場合に、
前記取得ステップと前記調査ステップとが実行される、
請求項3に記載の制御方法。
【請求項7】
前記公開情報は公開状態を示す情報であり、
前記公開状態が公開済みと判断された場合に、
前記調査ステップが実行される、
請求項3の制御方法。
【請求項8】
端末の制御方法であって、
前記端末が、脆弱性情報に含まれる公開に関する公開情報に基づく判断を行う判断ステップと、
前記端末が、前記脆弱性情報に含まれる調査方法情報を用いて、脆弱性の有無を自端末に対して調査する調査ステップと、
を含む、
制御方法。
【請求項9】
前記公開情報は公開日時を示す情報であり、
前記判断ステップは、前記公開日時が、現在より後であることを判断し、
前記調査ステップは、前記公開日時より前に実行される、
請求項8に記載の制御方法。
【請求項10】
前記公開情報は公開日時を示す情報であり、
前記判断ステップは、前記公開日時が、現在より前と判断し、
前記調査ステップは、前記公開日時より後に実行される、
請求項8に記載の制御方法。
【請求項11】
前記公開情報は公開状態を示す情報であり、
前記判断ステップは、前記公開状態が、未公開か公開済みかを判断し、
前記公開状態が未公開と判断された場合に、前記調査ステップが実行される、
請求項8に記載の制御方法。
【請求項12】
前記公開情報は公開状態を示す情報であり、
前記判断ステップは、前記公開状態が、未公開か公開済みかを判断し、
前記公開情報が公開済みと判断された場合に、前記調査ステップが実行される、
請求項8に記載の制御方法。
【請求項13】
端末であって、
公開日時情報と、調査方法情報と、ソフトウェアに存在する脆弱性に関する情報と、を含む脆弱性情報を受信する第1手段
を含み、
前記第1手段は、前記公開日時情報が示す公開日時前に前記受信を行う、
端末。
【請求項14】
端末であって、
脆弱性情報に含まれる調査方法情報に基づいて、脆弱性の有無を自端末に対して調査する第1手段
を含み、
前記第1手段は、前記脆弱性情報に含まれる公開日時情報を示す公開日時前に前記調査を行う、
端末。
【請求項15】
端末であって、
脆弱性情報に含まれる公開に関する公開情報に基づき調査方法を取得する第1手段と、
前記脆弱性情報に含まれる調査方法に基づいて、脆弱性の有無を調査する第2手段と、
を含む、
端末。
【請求項16】
前記公開情報は公開日時を示す情報であり、
前記第1手段は、前記公開日時より前に前記取得を行い、
前記第2手段は、前記公開日時より前に前記調査を行う、
請求項15に記載の端末。
【請求項17】
前記公開情報は公開日時を示す情報であり、
前記第2手段は、前記公開日時より後に前記調査を行う、
請求項15に記載の端末。
【請求項18】
前記公開情報は公開状態を示す情報であり、
前記公開状態が未公開と判断された場合に、
前記第1手段は、前記取得を行い、
前記第2手段は、前記調査を行う、
請求項15に記載の端末。
【請求項19】
前記公開情報は公開状態を示す情報であり、
前記公開状態が公開済みと判断された場合に、
前記第2手段は、前記調査を行う、
請求項15の端末。
【請求項20】
端末であって、
脆弱性情報に含まれる公開に関する公開情報に基づく判断を行う第1手段と、
前記脆弱性情報に含まれる調査方法情報を用いて、脆弱性の有無を自端末に対して調査する第2手段と、
を含む、
端末。
【請求項21】
前記公開情報は公開日時を示す情報であり、
前記第1手段は、前記公開日時が、現在より後であることを判断し、
前記第2手段は、前記公開日時より前に前記調査を行う、
請求項20に記載の端末。
【請求項22】
前記公開情報は公開日時を示す情報であり、
前記第1手段は、前記公開日時が、現在より前と判断し、
前記第2手段は、前記公開日時より後に前記調査を行う、
請求項20に記載の端末。
【請求項23】
前記公開情報は公開状態を示す情報であり、
前記第1手段は、前記公開状態が、未公開か公開済みかを判断し、
前記第2手段は、前記公開状態が未公開と判断された場合に、前記調査を行う、
請求項20に記載の端末。
【請求項24】
前記公開情報は公開状態を示す情報であり、
前記第1手段は、前記公開状態が、未公開か公開済みかを判断し、
前記第2手段は、前記公開情報が公開済みと判断された場合に、前記調査を行う、
請求項20に記載の端末。
【請求項25】
端末に、
公開日時情報と、調査方法情報と、ソフトウェアに存在する脆弱性に関する情報と、を含む脆弱性情報を受信する受信手順
を実行させるためのプログラムであって、
前記受信手順は、前記公開日時情報が示す公開日時前に実行される、
プログラム。
【請求項26】
端末に、
脆弱性情報に含まれる調査方法情報に基づいて、脆弱性の有無を自端末に対して調査する調査手順
を実行させるためのプログラムであって、
前記調査手順は、前記脆弱性情報に含まれる公開日時情報を示す公開日時前に実行される、
プログラム。
【請求項27】
端末に、
脆弱性情報に含まれる公開に関する公開情報に基づき調査方法を取得する取得手順と、
前記脆弱性情報に含まれる調査方法に基づいて、脆弱性の有無を調査する調査手順と、
を実行させるためのプログラム。
【請求項28】
端末に、
脆弱性情報に含まれる公開に関する公開情報に基づく判断を行う判断手順と、
前記脆弱性情報に含まれる調査方法情報を用いて、脆弱性の有無を自端末に対して調査する調査手順と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュリティリスク管理システム、サーバ、制御方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業で使用する端末には、ハードウェアやソフトウェアに存在する脆弱性などのセキュリティリスクが存在する。そのため、企業では、企業内の端末の脆弱性を管理する必要がある。最近では、脆弱性の管理を支援するセキュリティリスク管理システムも提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、セキュリティリスク管理システムを利用する企業では、一般的には、以下のようにして、脆弱性の管理を行っている。
企業のセキュリティ管理者は、脆弱性情報の公開後、セキュリティリスク管理システムを利用して、企業内の端末について脆弱性の有無を調査する。
企業のセキュリティ管理者は、調査の結果、脆弱性がある端末が存在する場合、セキュリティリスク管理システムを利用して、脆弱性の対策を立案し、その対策を実行する。
【0005】
しかし、脆弱性情報が公開されると、悪意のある個人または団体から端末が攻撃される危険性があるため、脆弱性の対策を行うまでにかかる時間の短縮化を図る必要がある。
上述の特許文献1に開示された技術は、端末の脆弱性の対処状況を、その脆弱性の種類を示すキーワードと関連付けてデータベースに登録する。すなわち、特許文献1に開示された技術は、端末が実際に行った脆弱性の対処状況をデータベースに登録する技術であり、脆弱性の対策を行うまでの時間の短縮化を図る技術ではない。
【0006】
本発明の目的は、上述した課題を解決し、脆弱性の対策を行うまでの時間の短縮化を図ることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、セキュリティリスク管理システムは、
サーバと、
端末に備えられたエージェント部と、を含み、
前記サーバは、
脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報を前記エージェント部に送信し、
前記エージェント部は、
前記脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の調査方法の情報を基に前記端末の脆弱性の有無を調査し、該調査結果を含む脆弱性調査結果を前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記脆弱性情報の公開日時以降に、前記脆弱性情報および前記脆弱性調査結果を提示する。
【0008】
本発明の一態様によれば、サーバは、
脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報を端末に備えられたエージェント部に送信すると共に、前記エージェント部から、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の調査方法の情報を基に前記エージェント部で調査された前記端末の脆弱性の有無の調査結果を含む脆弱性調査結果を受信する通信部と、
前記脆弱性情報の公開日時以降に、前記脆弱性情報および前記脆弱性調査結果を提示する提示部と、
を備える。
【0009】
本発明の一態様によれば、制御方法は、
サーバの制御方法であって、
脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報を端末に備えられたエージェント部に送信する送信ステップと、
前記エージェント部から、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の調査方法の情報を基に前記エージェント部で調査された前記端末の脆弱性の有無の調査結果を含む脆弱性調査結果を受信するステップと、
前記脆弱性情報の公開日時以降に、前記脆弱性情報および前記脆弱性調査結果を提示する提示ステップと、
を含む。
【0010】
本発明の一態様によれば、プログラムは、
コンピュータに、
脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報を端末に備えられたエージェント部に送信する送信手順と、
前記脆弱性情報の公開日時前に、前記エージェント部から、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の調査方法の情報を基に前記エージェント部で調査された前記端末の脆弱性の有無の調査結果を含む脆弱性調査結果を受信する手順と、
前記脆弱性情報の公開日時以降に、前記脆弱性情報および前記脆弱性調査結果を提示する提示手順と、
を実行させるためのプログラムである。
【0011】
本発明の一態様によれば、プログラムは、
コンピュータに、
脆弱性情報の公開日時前に、サーバから、前記脆弱性情報を受信する受信手順と、
前記脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の調査方法の情報を基に端末の脆弱性の有無を調査する調査手順と、
前記脆弱性情報の公開日時前に、前記調査手順の調査結果を含む脆弱性調査結果を前記サーバに送信する手順と、
を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、脆弱性の対策を行うまでの時間の短縮化を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施の形態1に係るセキュリティシステムの構成例を示す図である。
【
図2】実施の形態1に係る脆弱性情報配布システムおよびセキュリティリスク管理システムのブロック構成例を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態1に係る脆弱性情報配布システム、サーバ、および端末を実現するコンピュータのハードウェア構成の構成例を示す図である。
【
図4】実施の形態1に係る脆弱性情報配布システムにおいて、脆弱性情報送信システムから脆弱性情報を受信し、脆弱性情報データを作成してサーバに送信するまでの動作例を示すフローチャートである。
【
図5】実施の形態1に係る脆弱性情報データの一例を示す図である。
【
図6】実施の形態1に係るサーバにおいて、脆弱性情報配布システムから脆弱性情報データを受信し、エージェント部に脆弱性情報データを送信するまでの動作例を示すフローチャートである。
【
図7】実施の形態1に係るエージェント部において、サーバから脆弱性データを受信し、対応する端末の脆弱性の有無を調査し、脆弱性調査結果をサーバに送信するまでの動作例を示すフローチャートである。
【
図8】実施の形態1に係る脆弱性調査結果の一例を示す図である。
【
図9】実施の形態1に係るサーバにおいて、エージェント部から脆弱性調査結果を受信し、脆弱性調査結果格納部に脆弱性調査結果を格納するまでの動作例を示すフローチャートである。
【
図10】実施の形態1に係るサーバにおいて、脆弱性情報データ格納部の脆弱性情報データを定期的に確認して、公開日時が現在の日時以前の脆弱性情報データを復号し、復号した脆弱性情報データを、再度、脆弱性情報データ格納部に格納する動作例を示すフローチャートである。
【
図11】実施の形態1に係るサーバにおいて、脆弱性情報および脆弱性調査結果を表示する動作例を示すフローチャートである。
【
図12】実施の形態1に係るエージェント部において、脆弱性情報データ格納部の脆弱性情報データを定期的に確認して、公開日時が現在の日時以前の脆弱性情報データを復号し、復号した脆弱性情報データを、再度、脆弱性情報データ格納部に格納する動作例を示すフローチャートである。
【
図13】実施の形態1に係るエージェント部において、脆弱性情報を表示する動作例を示すフローチャートである。
【
図14】実施の形態2に係るセキュリティリスク管理システムのブロック構成例を示すブロック図である。
【
図15】実施の形態2に係るセキュリティリスク管理システムの動作例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(1)実施の形態1
(1-1)実施の形態1の構成
(1-1-1)全体構成
図1に、本実施の形態1に係るセキュリティシステムの構成例を示す。
図2に、本実施の形態1に係る脆弱性情報配布システム210およびセキュリティリスク管理システム305のブロック構成例を示す。
【0015】
図1および
図2を参照すると、本実施の形態1に係るセキュリティシステムは、脆弱性情報提供機関100に設けられた脆弱性情報送信システム110、セキュリティリスク管理システム提供会社200に設けられた脆弱性情報配布システム210、および、セキュリティリスク管理システム利用会社300に設けられたセキュリティリスク管理システム305を備えている。
【0016】
脆弱性情報提供機関100は、脆弱性の概要、調査方法、対策方法などを含む脆弱性情報を提供する機関であり、例えば、CERT(Computer Emergency Response Team)、JPCERT(Japan Computer Emergency Response Team)や、IPA(Information-technology Promotion Agency)などである。セキュリティリスク管理システム提供会社200は、セキュリティリスク管理システム305を提供する会社である。セキュリティリスク管理システム利用会社300は、セキュリティリスク管理システム提供会社200が提供するセキュリティリスク管理システム305を利用する会社である。セキュリティリスク管理システム利用会社300は、セキュリティリスク管理システム305を利用して、自社の端末330の脆弱性を管理する。
【0017】
脆弱性情報提供機関100は、ソフトウェアに脆弱性がある場合、そのソフトウェアを作成したソフトウェアベンダーに対し、調査の目的で、その脆弱性の脆弱性情報を、公開日時前に、提供することがある。脆弱性情報提供機関100がソフトウェアベンダーに提供した脆弱性情報は、セキュリティリスク管理システム提供会社200が利用することができる。ただし、セキュリティリスク管理システム提供会社200は、脆弱性情報が公開日時前の場合、脆弱性情報の利用は自社での利用に限定される。このように、セキュリティリスク管理システム提供会社200は、脆弱性情報提供機関100が公開日時前に提供した脆弱性情報について、自社での利用に限定されるものの、利用することはできる。
【0018】
本実施の形態1は、セキュリティリスク管理システム利用会社300が、脆弱性情報提供機関100が提供した公開日時前の脆弱性情報を利用できることに着目し、公開日時前に、その脆弱性情報を利用して、端末330の脆弱性の有無の調査を完了させるものである。
【0019】
(1-1-2)脆弱性情報送信システム110の構成
脆弱性情報送信システム110は、脆弱性情報配布システム210に脆弱性情報を送信する。なお、脆弱性情報送信システム110は、脆弱性情報配布システム210に脆弱性情報を送信する機能を備えていれば良く、この機能は周知技術で実現可能であるため、詳細なブロック構成の説明は省略する。
【0020】
(1-1-3)脆弱性情報配布システム210の構成
脆弱性情報配布システム210は、脆弱性情報受信部211、脆弱性情報データ作成部212、脆弱性情報データ暗号化部213、共通鍵格納部214、脆弱性情報データ格納部215、および脆弱性情報データ送信部216を備えている。
【0021】
脆弱性情報受信部211は、脆弱性情報送信システム110から脆弱性情報を受信する。脆弱性情報データ作成部212は、脆弱性情報受信部211が受信した脆弱性情報を基にして脆弱性情報データ作成者が行う操作に従い、脆弱性情報データを作成する。脆弱性情報データ暗号化部213は、共通鍵を使用して、脆弱性情報データ作成部212が作成した脆弱性情報データの暗号化を行う。共通鍵格納部214は、脆弱性情報データ暗号化部213が脆弱性情報データを暗号化するときに使用する共通鍵を格納する。脆弱性情報データ格納部215は、脆弱性情報データ作成部212が作成した脆弱性情報データを格納する。脆弱性情報データ送信部216は、脆弱性情報データ格納部215から脆弱性情報データを読み出し、読み出した脆弱性情報データをサーバ310に送信する。
【0022】
(1-1-4)セキュリティリスク管理システム305の構成
セキュリティリスク管理システム305は、サーバ310およびエージェント部320を備えている。エージェント部320は、エージェントソフトウェアあるいはエージェントとも呼ばれるソフトウェアである。エージェント部320は、セキュリティリスク管理システム利用会社300が脆弱性を管理する端末330に対応しており、対応する端末330にインストールされる。
図1においては、複数の端末330があると仮定し、複数の端末330のそれぞれに対応する複数のエージェント部320を設けているが、端末330が1つであれば、エージェント部320も1つとなる。
【0023】
サーバ310は、脆弱性情報の公開日時前に、脆弱性情報配布システム210から脆弱性情報データを受信し、受信した脆弱性情報データをエージェント部320に送信して、脆弱性調査を指示する。また、サーバ310は、エージェント部320から脆弱性調査結果を受信して、脆弱性情報の公開日時以降に、脆弱性情報および脆弱性調査結果を表示する。一方、エージェント部320は、脆弱性情報の公開日時前に、サーバ310から脆弱性情報データを受信して、対応する端末330の脆弱性の有無を調査し、脆弱性調査結果をサーバ310に送信する。また、エージェント部320は、脆弱性情報の公開日時以降に、脆弱性情報を表示する。
【0024】
(1-1-5)サーバ310の構成
サーバ310は、脆弱性情報データ受信部311、脆弱性情報データ格納部312、脆弱性情報データ配布部313、脆弱性調査結果受信部314、脆弱性調査結果格納部315、脆弱性公開日時確認部316、脆弱性情報データ復号部317、共通鍵格納部318、および脆弱性情報・調査結果表示部319を備えている。なお、脆弱性情報データ配布部313および脆弱性調査結果受信部314は、通信部の構成要素の一例である。脆弱性情報・調査結果表示部319は、提示部の一例である。脆弱性情報データ格納部312は、脆弱性情報格納部の一例である。脆弱性公開日時確認部316は、公開日時確認部の一例である。脆弱性調査結果格納部315は、脆弱性調査結果格納部の一例である。
【0025】
脆弱性情報データ受信部311は、脆弱性情報配布システム210から脆弱性情報データを受信する。脆弱性情報データ格納部312は、脆弱性情報データ受信部311が受信した脆弱性情報データを格納する。脆弱性情報データ配布部313は、脆弱性情報データ格納部312から脆弱性情報データを読み出し、読み出した脆弱性情報データをエージェント部320に送信する。脆弱性調査結果受信部314は、エージェント部320から脆弱性調査結果を受信する。脆弱性調査結果格納部315は、脆弱性調査結果受信部314が受信した脆弱性調査結果を格納する。脆弱性公開日時確認部316は、定期的に脆弱性情報データ格納部312から脆弱性情報データを読み出し、公開日時を確認し、公開日時が過ぎている脆弱性情報データを脆弱性情報データ復号部317で復号し、復号した脆弱性情報データを脆弱性情報データ格納部312に書き戻す。脆弱性情報データ復号部317は、脆弱性公開日時確認部316から脆弱性情報データを受け取ると、共通鍵を使用して、その脆弱性情報データの復号を行う。共通鍵格納部318は、脆弱性情報データ復号部317が脆弱性情報データを復号するときに使用する共通鍵を格納する。脆弱性情報・調査結果表示部319は、脆弱性情報データ格納部312から公開日時を過ぎた脆弱性情報データを読み出し、読み出した脆弱性情報データを基に脆弱性調査結果格納部315から該当する脆弱性調査結果を読み出し、読み出した脆弱性調査結果を基に脆弱性情報および脆弱性調査結果を提示する。この提示は、以下では、サーバ310の画面に表示することであるものとする。
【0026】
(1-1-6)エージェント部320の構成
エージェント部320は、脆弱性情報データ受信部321、脆弱性情報データ格納部322、脆弱性調査部323、脆弱性情報データ復号部324、共通鍵格納部325、脆弱性調査結果格納部326、脆弱性調査結果送信部327、脆弱性公開日時確認部328、および脆弱性情報表示部329を備えている。なお、脆弱性情報データ受信部321および脆弱性調査結果送信部327は、通信部の構成要素の一例である。脆弱性情報表示部329は、提示部の一例である。脆弱性情報データ格納部322は、脆弱性情報格納部の一例である。脆弱性公開日時確認部328は、公開日時確認部の一例である。脆弱性調査結果格納部326は、脆弱性調査結果格納部の一例である。
【0027】
脆弱性情報データ受信部321は、サーバ310から脆弱性情報データを受信する。脆弱性情報データ格納部322は、脆弱性情報データ受信部321が受信した脆弱性情報データを格納する。脆弱性調査部323は、脆弱性情報データ格納部322から脆弱性情報データを読み出し、読み出した脆弱性情報データを脆弱性情報データ復号部324で復号し、復号した脆弱性情報データに含まれる調査方法を基に、対応する端末330の脆弱性の有無を調査し、その調査結果を含む脆弱性調査結果を脆弱性調査結果格納部326に格納する。脆弱性情報データ復号部324は、脆弱性調査部323および脆弱性公開日時確認部328から脆弱性情報データを受け取ると、共通鍵を使用して、その脆弱性情報データの復号を行う。共通鍵格納部325は、脆弱性情報データ復号部324が脆弱性情報データを復号するときに使用する共通鍵を格納する。脆弱性調査結果格納部326は、脆弱性調査部323が調査した調査結果を含む脆弱性調査結果を格納する。脆弱性調査結果送信部327は、脆弱性調査結果格納部326から脆弱性調査結果を読み出し、読み出した脆弱性調査結果をサーバ310に送信する。脆弱性公開日時確認部328は、定期的に脆弱性情報データ格納部322から脆弱性情報データを読み出し、公開日時を確認し、公開日時が過ぎている脆弱性情報データを脆弱性情報データ復号部324で復号し、復号した脆弱性情報データを脆弱性情報データ格納部322に書き戻す。脆弱性情報表示部329は、脆弱性情報データ格納部322から公開日時を過ぎた脆弱性情報データを読み出し、読み出した脆弱性情報データを基に脆弱性調査結果格納部326から該当する脆弱性調査結果を読み出し、読み出した脆弱性調査結果を基に脆弱性情報を提示する。この提示は、以下では、対応する端末330の画面に表示することであるものとする。
【0028】
なお、脆弱性情報配布システム210の共通鍵格納部214、サーバ310の共通鍵格納部318、およびエージェント部320の共通鍵格納部325は、共通鍵を共有しており、共有する共通鍵を格納している。
【0029】
(1-1-7)ハードウェア構成
図3に、本実施の形態1に係る脆弱性情報配布システム210を実現するコンピュータ400のハードウェア構成の構成例を示す。
【0030】
図3を参照すると、本実施の形態1に係る脆弱性情報配布システム210は、コンピュータ400で実現することができる。コンピュータ400は、プロセッサ401、メモリ402、ストレージ403、入出力インタフェース(入出力I/F)404、および通信インタフェース(通信I/F)405などを備える。プロセッサ401、メモリ402、ストレージ403、入出力インタフェース404、および通信インタフェース405は、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路で接続されている。
【0031】
プロセッサ401は、例えばCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ402は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。ストレージ403は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、またはメモリカードなどの記憶装置である。また、ストレージ403は、RAMやROM等のメモリであっても良い。
【0032】
ストレージ403は、脆弱性情報配布システム210が備える各処理部(脆弱性情報受信部211、脆弱性情報データ作成部212、脆弱性情報データ暗号化部213、脆弱性情報データ送信部216など)の機能を実現するプログラムを記憶している。プロセッサ401は、これら各プログラムを実行することで、各処理部の機能をそれぞれ実現する。ここで、プロセッサ401は、上記各プログラムを実行する際、これらのプログラムをメモリ402上に読み出してから実行しても良いし、メモリ402上に読み出さずに実行しても良い。また、メモリ402やストレージ403は、共通鍵格納部214および脆弱性情報データ格納部215の役割も果たす。
【0033】
入出力インタフェース404は、表示装置4041や入力装置4042などと接続される。表示装置4041は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイのような、プロセッサ401により処理された描画データに対応する画面を表示する装置である。入力装置4042は、オペレータの操作入力を受け付ける装置であり、例えば、キーボード、マウス、およびタッチセンサなどである。表示装置4041および入力装置4042は一体化され、タッチパネルとして実現されていても良い。
【0034】
通信インタフェース405は、外部の装置との間でデータを送受信する。例えば、通信インタフェース405は、有線ネットワークまたは無線ネットワークを介して外部装置と通信する。
【0035】
なお、サーバ310および端末330も、
図3に示されるコンピュータ400で実現することができる。
例えば、サーバ310をコンピュータ400で実現する場合、ストレージ403は、サーバ310が備える各処理部(脆弱性情報データ受信部311、脆弱性情報データ配布部313、脆弱性調査結果受信部314、脆弱性公開日時確認部316、脆弱性情報データ復号部317、および脆弱性情報・調査結果表示部319など)の機能を実現するプログラムを記憶する。また、メモリ402やストレージ403は、脆弱性情報データ格納部312、脆弱性調査結果格納部315、および共通鍵格納部318の役割も果たす。
【0036】
また、端末330をコンピュータ400で実現する場合、ストレージ403は、エージェント部320が備える各処理部(脆弱性情報データ受信部321、脆弱性調査部323、脆弱性情報データ復号部324、脆弱性調査結果送信部327、脆弱性公開日時確認部328、および脆弱性情報表示部329など)の機能を実現するプログラムを記憶する。また、メモリ402やストレージ403は、脆弱性情報データ格納部322、共通鍵格納部325、および脆弱性調査結果格納部326の役割も果たす。
【0037】
(1-2)実施の形態1の動作
以下、本実施の形態1に係るセキュリティシステムの動作について詳細に説明する。
(1-2-1)まず、脆弱性情報配布システム210において、脆弱性情報送信システム110から脆弱性情報を受信し、脆弱性情報データを作成してサーバ310に送信するまでの動作について、
図4を参照して説明する。
【0038】
図4を参照すると、脆弱性情報配布システム210においては、脆弱性情報受信部211は、脆弱性情報送信システム110から送信された脆弱性情報を受信する(S101)。脆弱性情報は、脆弱性の概要の情報、調査方法の情報、対策方法の情報、および公開日時の情報を含む。脆弱性情報受信部211は、受信した脆弱性情報を脆弱性情報データ作成部212に送る。脆弱性情報データ作成部212は、脆弱性情報データ作成者が脆弱性情報を基にして行う操作に従って、脆弱性情報データを作成する(S102)。
【0039】
脆弱性情報データは、
図5のように、脆弱性情報ID(Identifier)、公開日時の情報、公開フラグ、概要の情報、調査方法の情報、および対策方法の情報を含む形式になっている。脆弱性情報データは、脆弱性情報(脆弱性の概要、調査方法、対策方法、および公開日時)に、脆弱性情報IDおよび公開フラグを付加したものに相当する。脆弱性情報IDには、脆弱性情報データ作成部212が採番し、脆弱性情報を一意に識別するIDをセットする。公開日時には、脆弱性情報に含まれている公開日時の情報をセットする。公開フラグには、公開日時が現在の日時よりも後の場合は未公開を表す0をセットし、公開日時が現在の日時以前の場合は公開済を表す1をセットする。概要、調査方法、および対策方法には、脆弱性情報に含まれている概要、調査方法、および対策方法の情報をそれぞれセットする。
【0040】
脆弱性情報データ作成部212は、脆弱性情報データの公開フラグに未公開を表す0をセットした場合は(S103のYes)、脆弱性情報データを脆弱性情報データ暗号化部213に送る。脆弱性情報データ暗号化部213は、共通鍵格納部214から共通鍵を読み出し、読み出した共通鍵を使用して、脆弱性情報データの概要、調査方法、および対策方法の情報を暗号化し(S104)、暗号化した脆弱性情報データを脆弱性情報データ作成部212に戻す。脆弱性情報データ作成部212は、脆弱性情報データ暗号化部213が暗号化した脆弱性情報データを脆弱性情報データ格納部215に格納する(S105)。一方、脆弱性情報データ作成部212は、脆弱性情報データに公開済を表す1をセットした場合は(S103のNo)、脆弱性情報データを、暗号化することなく、脆弱性情報データ格納部215に格納する(S105)。脆弱性情報データ送信部216は、脆弱性情報データ格納部215から脆弱性情報データを読み出し(S106)、読み出した脆弱性情報データをサーバ310に送信する(S107)。
【0041】
(1-2-2)次に、サーバ310において、脆弱性情報配布システム210から脆弱性情報データを受信し、エージェント部320に脆弱性情報データを送信するまでの動作について、
図6を参照して説明する。
【0042】
図6を参照すると、サーバ310においては、脆弱性情報データ受信部311は、脆弱性情報配布システム210から送信された脆弱性情報データを受信する(S201)。脆弱性情報データ受信部311は、受信した脆弱性情報データを脆弱性情報データ格納部312に格納する(S202)。脆弱性情報データ配布部313は、脆弱性情報データ格納部312から脆弱性情報データを読み出し(S203)、読み出した脆弱性情報データをエージェント部320に送信する(S204)。
【0043】
なお、エージェント部320が複数ある場合、サーバ310は、脆弱性情報データを複数のエージェント部320のそれぞれに送信する。
【0044】
(1-2-3)次に、エージェント部320において、サーバ310から脆弱性データを受信し、対応する端末330の脆弱性の有無を調査し、その調査結果を表す脆弱性調査結果をサーバ310に送信するまでの動作について、
図7を参照して説明する。
【0045】
図7を参照すると、エージェント部320においては、脆弱性情報データ受信部321は、サーバ310から送信された脆弱性情報データを受信する(S301)。脆弱性情報データ受信部321は、受信した脆弱性情報データを脆弱性情報データ格納部322に格納する(S302)。脆弱性調査部323は、脆弱性情報データ格納部322から脆弱性情報データを読み出す(S303)。脆弱性調査部323は、読み出した脆弱性情報データの公開フラグに未公開を表す0がセットされていた場合は(S304のYes)、脆弱性情報データを脆弱性情報データ復号部324に送る。脆弱性情報データ復号部324は、共通鍵格納部325から復号のための共通鍵を読み出し、読み出した共通鍵を使用して、脆弱性情報データの調査方法の情報を復号し(S305)、復号した脆弱性情報データを脆弱性調査部323に戻す。脆弱性調査部323は、脆弱性情報データ復号部324が復号した脆弱性情報データの調査方法の情報を基に、対応する端末330の脆弱性の有無を調査する(S306)。一方、脆弱性調査部323は、読み出した脆弱性情報データの公開フラグに公開済を表す1がセットされていた場合は(S304のNo)、読み出した脆弱性情報データの調査方法の情報は暗号化されていないため、その調査方法の情報を基に、対応する端末330の脆弱性の有無を調査する(S306)。脆弱性調査部323は、対応する端末330の脆弱性の有無の調査結果を表す脆弱性調査結果を作成する(S307)。
【0046】
脆弱性調査結果は、
図8のように、脆弱性情報ID、端末ID、調査日時の情報、および調査結果の情報を含む形式になっている。脆弱性情報IDには、調査を行った脆弱性の脆弱性情報を一意に識別するID、すなわち脆弱性情報データに含まれていた脆弱性情報IDをセットする。端末IDには、調査を行った端末330を識別するIDをセットする。調査日時には、調査を行った日時の情報をセットする。調査結果には、端末330に脆弱性がない場合は0をセットし、端末330に脆弱性がある場合は1をセットする。
【0047】
脆弱性調査部323は、作成した脆弱性調査結果を脆弱性調査結果格納部326に格納する(S308)。脆弱性調査結果送信部327は、脆弱性調査結果格納部326から脆弱性調査結果を読み出し(S309)、読み出した脆弱性調査結果をサーバ310に送信する(S310)。
【0048】
なお、エージェント部320が複数ある場合、複数のエージェント部320のそれぞれが、上述の
図7の動作を行う。
【0049】
(1-2-4)次に、サーバ310において、エージェント部320から脆弱性調査結果を受信し、脆弱性調査結果格納部315に脆弱性調査結果を格納するまでの動作について、
図9を参照して説明する。
【0050】
図9を参照すると、サーバ310においては、脆弱性調査結果受信部314は、エージェント部320から送信された脆弱性調査結果を受信する(S401)。脆弱性調査結果受信部314は、受信した脆弱性調査結果を脆弱性調査結果格納部315に格納する(S402)。
【0051】
なお、エージェント部320が複数ある場合、サーバ310は、複数のエージェント部320のそれぞれから受信した脆弱性調査結果を脆弱性調査結果格納部315に格納する。
【0052】
(1-2-5)次に、サーバ310において、脆弱性情報データ格納部312の脆弱性情報データを定期的に確認して、公開日時が現在の日時以前の脆弱性情報データを復号し、復号した脆弱性情報データを、再度、脆弱性情報データ格納部312に格納する動作について、
図10を参照して説明する。
【0053】
図10を参照すると、サーバ310においては、脆弱性公開日時確認部316は、定期的に(例えば、10分に1回)、公開フラグが未公開を表す0になっている脆弱性情報データが脆弱性情報データ格納部312に格納されているか否かを確認し(S501)、そのような脆弱性情報データが格納されている場合は(S501のYes)、そのうちの脆弱性情報データを1つ読み出す(S502)。脆弱性公開日時確認部316は、読み出した脆弱性情報データの公開日時が現在の日時以前の場合は(S503のYes)、脆弱性情報データを脆弱性情報データ復号部317に送る。脆弱性情報データ復号部317は、共通鍵格納部318から復号のための共通鍵を読み出し、読み出した共通鍵を使用して、脆弱性情報データの概要、調査方法、および対策方法の情報を復号し(S504)、復号した脆弱性情報データを、脆弱性公開日時確認部316に戻す。脆弱性公開日時確認部316は、復号した脆弱性情報データの公開フラグに公開済を表す1をセットする(S505)。脆弱性公開日時確認部316は、復号し公開フラグに1をセットした脆弱性情報データを脆弱性情報データ格納部312に再度格納する(S506)。一方、脆弱性公開日時確認部316は、読み出した脆弱性情報データの公開日時が現在の日時よりも後の場合は(S503のNo)、読み出した脆弱性情報データを脆弱性情報データ格納部312にそのまま再度格納する(S506)。以上でS502で読み出した脆弱性情報データについての処理が終了する。脆弱性公開日時確認部316は、公開フラグが未公開を表す0になっている脆弱性情報データが脆弱性情報データ格納部312に未だ格納されている場合は(S507のYes)、S502の処理に戻る。一方、脆弱性公開日時確認部316は、公開フラグが未公開を表す0になっている脆弱性情報データが脆弱性情報データ格納部312にもう格納されていない場合は(S501のNoおよびS507のNo)、処理を終了する。
【0054】
(1-2-6)次に、サーバ310において、脆弱性情報および脆弱性調査結果を表示する動作について、
図11を参照して説明する。
【0055】
図11を参照すると、サーバ310においては、脆弱性情報・調査結果表示部319は、公開フラグが公開済を表す1になっている脆弱性情報データが脆弱性情報データ格納部312に格納されているか否かを確認し(S601)、そのような脆弱性情報データが格納されている場合は(S601のYes)、そのうちの脆弱性情報データを1つ読み出す(S602)。脆弱性情報・調査結果表示部319は、読み出した脆弱性情報データの脆弱性情報IDと一致し、かつ、調査結果が脆弱性ありを表す1になっている脆弱性調査結果が脆弱性調査結果格納部315に格納されている場合は(S603のYes)、その脆弱性調査結果を全て読み出す(S604)。脆弱性情報・調査結果表示部319は、読み出した脆弱性情報データの概要、対策方法、および、読み出した脆弱性調査結果の端末IDの一覧を、サーバ310の画面に表示する(S605)。一方、脆弱性情報・調査結果表示部319は、読み出した脆弱性情報データの脆弱性情報IDと一致し、かつ、調査結果が脆弱性ありを表す1になっている脆弱性調査結果が脆弱性調査結果格納部315に格納されていない場合は(S603のNo)、サーバ310の画面への表示は行わない。以上でS602で読み出した脆弱性情報データについての処理が終了する。脆弱性情報・調査結果表示部319は、公開フラグが公開済を表す1になっている脆弱性情報データが脆弱性情報データ格納部312に未だ格納されている場合は(S606のYes)、S602の処理に戻る。一方、脆弱性情報・調査結果表示部319は、公開フラグが公開済を表す1になっている脆弱性情報データが脆弱性情報データ格納部312にもう格納されていない場合は(S601のNoおよびS606のNo)、処理を終了する。
【0056】
なお、
図11の動作を開始するタイミングは、定期的なタイミングでも良いし、脆弱性情報および脆弱性調査結果の表示を指示する操作がなされたタイミングでも良い。
【0057】
(1-2-7)次に、エージェント部320において、脆弱性情報データ格納部322の脆弱性情報データを定期的に確認して、公開日時が現在の日時以前の脆弱性情報データを復号し、復号した脆弱性情報データを、再度、脆弱性情報データ格納部322に格納する動作について、
図12を参照して説明する。
【0058】
図12を参照すると、エージェント部320においては、脆弱性公開日時確認部328は、定期的に(例えば、10分に1回)、公開フラグが未公開を表す0になっている脆弱性情報データが脆弱性情報データ格納部322に格納されているか否かを確認し(S701)、そのような脆弱性情報データが格納されている場合は(S701のYes)、そのうちの脆弱性情報データを1つ読み出す(S702)。脆弱性公開日時確認部328は、読み出した脆弱性情報データの公開日時が現在の日時以前の場合は(S703のYes)、脆弱性情報データを脆弱性情報データ復号部324に送る。脆弱性情報データ復号部324は、共通鍵格納部325から復号のための共通鍵を読み出し、読み出した共通鍵を使用して、脆弱性情報データの概要、調査方法、および対策方法の情報を復号し(S704)、復号した脆弱性情報データを、脆弱性公開日時確認部328に戻す。脆弱性公開日時確認部328は、復号した脆弱性情報データの公開フラグに公開済を表す1をセットする(S705)。脆弱性公開日時確認部328は、復号し公開フラグに1をセットした脆弱性情報データを脆弱性情報データ格納部322に再度格納する(S706)。一方、脆弱性公開日時確認部328は、読み出した脆弱性情報データの公開日時が現在の日時よりも後の場合は(S703のYes)、読み出した脆弱性情報データを脆弱性情報データ格納部322にそのまま再度格納する(S706)。以上でS702で読み出した脆弱性情報データについての処理が終了する。脆弱性公開日時確認部328は、公開フラグが未公開を表す0になっている脆弱性情報データが脆弱性情報データ格納部322に未だ格納されている場合は(S707のYes)、S702の処理に戻る。一方、脆弱性公開日時確認部328は、公開フラグが未公開を表す0になっている脆弱性情報データが脆弱性情報データ格納部322にもう格納されていない場合は(S701のNoおよびS707のNo)、処理を終了する。
【0059】
なお、エージェント部320が複数ある場合、複数のエージェント部320のそれぞれが、上述の
図12の動作を行う。
【0060】
(1-2-8)次に、エージェント部320において、脆弱性情報を表示する動作について、
図13を参照して説明する。
【0061】
図13を参照すると、エージェント部320においては、脆弱性情報表示部329は、公開フラグが公開済を表す1になっている脆弱性情報データが脆弱性情報データ格納部322に格納されているか否かを確認し(S801)、そのような脆弱性情報データが格納されている場合は(S801のYes)、そのうちの脆弱性情報データを1つ読み出す(S802)。脆弱性情報表示部329は、読み出した脆弱性情報データの脆弱性情報IDと一致し、かつ、調査結果が脆弱性ありを表す1になっている脆弱性調査結果が脆弱性調査結果格納部326に格納されている場合は(S803のYes)、その脆弱性調査結果を読み出す(S804)。脆弱性情報表示部329は、読み出した脆弱性情報データの概要、対策方法を、対応する端末330の画面に表示する(S805)。一方、脆弱性情報表示部329は、読み出した脆弱性情報データの脆弱性情報IDと一致し、かつ、調査結果が脆弱性ありを表す1になっている脆弱性調査結果が脆弱性調査結果格納部326に格納されていない場合は(S803のNo)、対応する端末330の画面への表示は行わない。以上でS802で読み出した脆弱性情報データについての処理が終了する。脆弱性情報表示部329は、公開フラグが公開済を表す1になっている脆弱性情報データが脆弱性情報データ格納部322に未だ格納されている場合は(S806のYes)、S802の処理に戻る。一方、脆弱性情報表示部329は、公開フラグが公開済を表す1になっている脆弱性情報データが脆弱性情報データ格納部322にもう格納されていない場合は(S801のNoおよびS806のNo)、処理を終了する。
【0062】
なお、
図13の動作を開始するタイミングは、定期的なタイミングでも良いし、脆弱性情報の表示を指示する操作がなされたタイミングでも良い。
また、エージェント部320が複数ある場合、複数のエージェント部320のそれぞれが、上述の
図13の動作を行う。
【0063】
(1-3)実施の形態1の効果
上述したように本実施の形態1によれば、サーバ310は、公開日時よりも前に、暗号化された脆弱性情報をエージェント部320に送信して、端末330の脆弱性の有無の調査を完了させておき、公開日時が過ぎた時点で、脆弱性調査結果を表示する。
そのため、セキュリティリスク管理システム利用会社300のセキュリティ管理者は、脆弱性情報の公開日時に、自社の端末330の脆弱性の有無の調査結果を把握することができ、すぐさま脆弱性の対策を立案するという次のステップに移行することができる。よって、脆弱性の対策を行うまでの時間の短縮化を図ることができるという効果が得られる。
【0064】
なお、本実施の形態1によれば、セキュリティリスク管理システム305の内部では、脆弱性情報の公開日時よりも前に、脆弱性調査のために脆弱性情報を復号している。しかし、復号した脆弱性情報を表示するのは、公開日時以降である。したがって、セキュリティリスク管理システム利用会社300のセキュリティ管理者や社員が、公開日時よりも前に脆弱性情報を見ることはできないため、脆弱性情報の秘匿性は確保される。
【0065】
(2)実施の形態2
本実施の形態2は、上述の実施の形態1の上位概念を抽出した一実施の形態に相当するものである。
図14に、本実施の形態2に係るセキュリティリスク管理システム305のブロック構成例を示す。
【0066】
図14を参照すると、本実施の形態2に係るセキュリティリスク管理システム305は、上述の実施の形態1と同様に、サーバ310およびエージェント部320を備えている。エージェント部320は、脆弱性を管理する端末330(
図1参照)に対応しており、対応する端末330にインストールされる。
図14は、1つの端末330に対応する1つのエージェント部320のみを設けた例であるが、端末330が複数であれば、それに対応して複数のエージェント部320を設ければ良い。
【0067】
サーバ310は、通信部3101および提示部3102を備えている。通信部3101は、上述の実施の形態1の脆弱性情報データ配布部313および脆弱性調査結果受信部314を組み合わせた構成要素に対応する。提示部3102は、上述の実施の形態1の脆弱性情報・調査結果表示部319に対応する。
【0068】
エージェント部320は、通信部3201および調査部3202を備えている。通信部3201は、上述の実施の形態1の脆弱性情報データ受信部321および脆弱性調査結果送信部327を組み合わせた構成要素に対応する。調査部3202は、上述の実施の形態1の脆弱性調査部323に対応する。
【0069】
以下、本実施の形態2に係るセキュリティリスク管理システム305の動作について、
図15を参照して説明する。
図15を参照すると、サーバ310においては、通信部3101は、脆弱性情報の公開日時前に、脆弱性情報をエージェント部320に送信する(S901)。なお、エージェント部320が複数ある場合、サーバ310は、複数のエージェント部320のそれぞれに脆弱性情報を送信する。
【0070】
エージェント部320においては、通信部3201は、脆弱性情報の公開日時前に、サーバ310から送信された脆弱性情報を受信する(S902)。調査部3202は、脆弱性情報の公開日時前に、脆弱性情報に含まれる脆弱性の調査方法を基に、対応する端末330の脆弱性の有無を調査する(S903)。さらに、調査部3202は、脆弱性情報の公開日時前に、端末330の脆弱性の有無の調査結果を含む脆弱性調査結果をサーバ310に送信する(S904)。なお、エージェント部320が複数ある場合、複数のエージェント部320のそれぞれが、上述のS902~S904の動作を行う。
【0071】
サーバ310においては、通信部3101は、脆弱性情報の公開日時前に、エージェント部320から送信された脆弱性調査結果を受信する(S905)。提示部3102は、脆弱性情報の公開日時以降に、脆弱性情報および脆弱性調査結果を提示(例えば、サーバ310の画面に表示)する(S906)。
【0072】
上述したように本実施の形態2によれば、サーバ310は、公開日時よりも前に、脆弱性情報をエージェント部320に送信して、端末330の脆弱性の有無の調査を完了させておき、公開日時が過ぎた時点で、脆弱性調査結果を提示する。
そのため、セキュリティ管理者は、脆弱性情報の公開日時に、端末330の脆弱性の有無の調査結果を把握することができ、すぐさま脆弱性の対策を立案するという次のステップに移行することができる。よって、脆弱性の対策を行うまでの時間の短縮化を図ることができるという効果が得られる。
【0073】
なお、上述の説明では、本実施の形態2に係るサーバ310およびエージェント部320内の構成要素の動作を簡潔に説明したが、本実施の形態2に係るサーバ310およびエージェント部320内の構成要素は、上述の実施の形態1の対応する構成要素と同様の動作を行っても良い。また、本実施の形態2に係るサーバ310およびエージェント部320は、上述の実施の形態1に係るサーバ310およびエージェント部320が備える他の構成要素をさらに備えても良い。
【0074】
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記によって限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0075】
例えば、上述の実施の形態では、エージェント部が、端末の脆弱性の有無を調査していたが、サーバが、端末の脆弱性の有無を調査しても良い。この場合、エージェント部は、端末から、調査に必要な情報のみを収集し、収集した情報をサーバに送信する。サーバは、各エージェント部から収集した情報を基に各端末の脆弱性の有無を調査する。
【0076】
また、上述の実施の形態1では、
図11及び
図13において、まず、公開フラグが公開済になっている脆弱性情報データを読み出し、読み出した脆弱性情報データを基に、脆弱性調査結果を読み出しているが、これには限定されない。例えば、上記とは逆に、まず、調査結果が脆弱性ありになっている脆弱性調査結果を読み出し、読み出した脆弱性調査結果を基に、脆弱性情報データを読み出しても良い。
【0077】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、上述の実施の形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。上述の実施の形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0078】
また、上述の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
サーバと、
端末に備えられたエージェント部と、を含み、
前記サーバは、
脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報を前記エージェント部に送信し、
前記エージェント部は、
前記脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の調査方法の情報を基に前記端末の脆弱性の有無を調査し、該調査結果を含む脆弱性調査結果を前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記脆弱性情報の公開日時以降に、前記脆弱性情報および前記脆弱性調査結果を提示する、
セキュリティリスク管理システム。
(付記2)
前記サーバは、
前記脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の調査方法の情報が暗号化された状態で、前記脆弱性情報を前記エージェント部に送信し、
前記エージェント部は、
前記脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の調査方法の情報を復号し、復号した脆弱性の調査方法の情報を基に前記端末の脆弱性の有無を調査する、
付記1に記載のセキュリティリスク管理システム。
(付記3)
前記サーバは、
前記脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の概要、調査方法、および対策方法の情報が暗号化された状態で、前記脆弱性情報を格納し、
前記脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の概要、調査方法、および対策方法の情報が暗号化された状態で、前記脆弱性情報を前記エージェント部に送信し、
前記エージェント部は、
前記脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の概要、調査方法、および対策方法の情報が暗号化された状態で、前記脆弱性情報を格納する、
付記1または2に記載のセキュリティリスク管理システム。
(付記4)
前記脆弱性情報には、
前記脆弱性情報が未公開または公開済を表す値がセットされる公開フラグが付加され、
前記サーバは、
前記格納した前記脆弱性情報のうち、未公開を表す値がセットされた前記公開フラグが付加された前記脆弱性情報を読み出し、
前記読み出した前記脆弱性情報に含まれる公開日時が現在の日時以前の場合、前記読み出した前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の概要、調査方法、および対策方法の情報を復号すると共に、前記読み出した前記脆弱性情報に付加された前記公開フラグに公開済を表す値をセットした上で、前記読み出した前記脆弱性情報を再度格納する、
付記3に記載のセキュリティリスク管理システム。
(付記5)
前記脆弱性情報には、
前記脆弱性情報を識別する脆弱性情報IDがさらに付加され、
前記脆弱性調査結果には、
調査した脆弱性の前記脆弱性情報を識別する脆弱性情報ID、前記端末を識別する端末ID、および前記端末の脆弱性の有無を示す調査結果が含まれ、
前記サーバは、
前記脆弱性調査結果を格納し、
前記格納した前記脆弱性情報のうち、公開済を表す値がセットされた前記公開フラグが付加された前記脆弱性情報を読み出し、
前記格納した前記脆弱性調査結果のうち、前記読み出した前記脆弱性情報と一致する前記脆弱性情報IDを含み、かつ、前記端末に脆弱性があることを示す調査結果を含む前記脆弱性調査結果を読み出し、
前記読み出した前記脆弱性情報に含まれる概要および対策方法を提示するとともに、前記読み出した前記脆弱性調査結果に含まれる前記端末IDを提示する、
付記4に記載のセキュリティリスク管理システム。
(付記6)
前記脆弱性情報には、
前記脆弱性情報が未公開または公開済を表す値がセットされる公開フラグが付加され、
前記エージェント部は、
前記格納した前記脆弱性情報のうち、未公開を表す値がセットされた前記公開フラグが付加された前記脆弱性情報を読み出し、
前記読み出した前記脆弱性情報に含まれる公開日時が現在の日時以前の場合、前記読み出した前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の概要、調査方法、および対策方法の情報を復号すると共に、前記読み出した前記脆弱性情報に付加された前記公開フラグに公開済を表す値をセットした上で、前記読み出した前記脆弱性情報を再度格納する、
付記3に記載のセキュリティリスク管理システム。
(付記7)
前記脆弱性情報には、
前記脆弱性情報を識別する脆弱性情報IDがさらに付加され、
前記脆弱性調査結果には、
調査した脆弱性の前記脆弱性情報を識別する脆弱性情報ID、前記端末を識別する端末ID、および前記端末の脆弱性の有無を示す調査結果が含まれ、
前記エージェント部は、
前記脆弱性調査結果を格納し、
前記格納した前記脆弱性情報のうち、公開済を表す値がセットされた前記公開フラグが付加された前記脆弱性情報を読み出し、
前記格納した前記脆弱性調査結果の中に、前記読み出した前記脆弱性情報と一致する前記脆弱性情報IDを含み、かつ、前記端末に脆弱性があることを示す調査結果を含む前記脆弱性調査結果がある場合、前記読み出した前記脆弱性情報に含まれる概要および対策方法を提示する、
付記6に記載のセキュリティリスク管理システム。
(付記8)
脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報を端末に備えられたエージェント部に送信すると共に、前記エージェント部から、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の調査方法の情報を基に前記エージェント部で調査された前記端末の脆弱性の有無の調査結果を含む脆弱性調査結果を受信する通信部と、
前記脆弱性情報の公開日時以降に、前記脆弱性情報および前記脆弱性調査結果を提示する提示部と、
を備えるサーバ。
(付記9)
前記通信部は、
前記脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の調査方法の情報が暗号化された状態で、前記脆弱性情報を前記エージェント部に送信する、
付記8に記載のサーバ。
(付記10)
前記脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の概要、調査方法、および対策方法の情報が暗号化された状態で、前記脆弱性情報を格納する脆弱性情報格納部をさらに備え、
前記通信部は、
前記脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の概要、調査方法、および対策方法の情報が暗号化された状態で、前記脆弱性情報を前記エージェント部に送信する、
付記8または9に記載のサーバ。
(付記11)
公開日時確認部をさらに備え
前記脆弱性情報には、
前記脆弱性情報が未公開または公開済を表す値がセットされる公開フラグが付加され、
前記公開日時確認部は、
前記脆弱性情報格納部に格納された前記脆弱性情報のうち、未公開を表す値がセットされた前記公開フラグが付加された前記脆弱性情報を読み出し、
前記読み出した前記脆弱性情報に含まれる公開日時が現在の日時以前の場合、前記読み出した前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の概要、調査方法、および対策方法の情報を復号すると共に、前記読み出した前記脆弱性情報に付加された前記公開フラグに公開済を表す値をセットした上で、前記読み出した前記脆弱性情報を前記脆弱性情報格納部に再度格納する、
付記10に記載のサーバ。
(付記12)
前記脆弱性調査結果を格納する脆弱性調査結果格納部をさらに備え、
前記脆弱性情報には、
前記脆弱性情報を識別する脆弱性情報IDがさらに付加され、
前記脆弱性調査結果には、
調査した脆弱性の前記脆弱性情報を識別する脆弱性情報ID、前記端末を識別する端末ID、および前記端末の脆弱性の有無を示す調査結果が含まれ、
前記提示部は、
前記脆弱性情報格納部に格納された前記脆弱性情報のうち、公開済を表す値がセットされた前記公開フラグが付加された前記脆弱性情報を読み出し、
前記脆弱性調査結果格納部に格納された前記脆弱性調査結果のうち、前記読み出した前記脆弱性情報と一致する前記脆弱性情報IDを含み、かつ、前記端末に脆弱性があることを示す調査結果を含む前記脆弱性調査結果を読み出し、
前記読み出した前記脆弱性情報に含まれる概要および対策方法を提示するとともに、前記読み出した前記脆弱性調査結果に含まれる前記端末IDを提示する、
付記11に記載のサーバ。
(付記13)
サーバの制御方法であって、
脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報を端末に備えられたエージェント部に送信する送信ステップと、
前記エージェント部から、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の調査方法の情報を基に前記エージェント部で調査された前記端末の脆弱性の有無の調査結果を含む脆弱性調査結果を受信するステップと、
前記脆弱性情報の公開日時以降に、前記脆弱性情報および前記脆弱性調査結果を提示する提示ステップと、
を含む制御方法。
(付記14)
前記送信ステップでは、
前記脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の調査方法の情報が暗号化された状態で、前記脆弱性情報を前記エージェント部に送信する、
付記13に記載の制御方法。
(付記15)
前記脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の概要、調査方法、および対策方法の情報が暗号化された状態で、前記脆弱性情報を脆弱性情報格納部に格納するステップをさらに含み、
前記送信ステップでは、
前記脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の概要、調査方法、および対策方法の情報が暗号化された状態で、前記脆弱性情報を前記エージェント部に送信する、
付記13または14に記載の制御方法。
(付記16)
前記脆弱性情報には、
前記脆弱性情報が未公開または公開済を表す値がセットされる公開フラグが付加され、
前記制御方法は、
前記脆弱性情報格納部に格納された前記脆弱性情報のうち、未公開を表す値がセットされた前記公開フラグが付加された前記脆弱性情報を読み出すステップと、
前記読み出した前記脆弱性情報に含まれる公開日時が現在の日時以前の場合、前記読み出した前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の概要、調査方法、および対策方法の情報を復号すると共に、前記読み出した前記脆弱性情報に付加された前記公開フラグに公開済を表す値をセットした上で、前記読み出した前記脆弱性情報を前記脆弱性情報格納部に再度格納するステップと、をさらに含む、
付記15に記載の制御方法。
(付記17)
前記脆弱性情報には、
前記脆弱性情報を識別する脆弱性情報IDがさらに付加され、
前記脆弱性調査結果には、
調査した脆弱性の前記脆弱性情報を識別する脆弱性情報ID、前記端末を識別する端末ID、および前記端末の脆弱性の有無を示す調査結果が含まれ、
前記制御方法は、
前記脆弱性調査結果を脆弱性調査結果格納部に格納するステップと、
前記脆弱性情報格納部に格納された前記脆弱性情報のうち、公開済を表す値がセットされた前記公開フラグが付加された前記脆弱性情報を読み出すステップと、
前記脆弱性調査結果格納部に格納された前記脆弱性調査結果のうち、前記読み出した前記脆弱性情報と一致する前記脆弱性情報IDを含み、かつ、前記端末に脆弱性があることを示す調査結果を含む前記脆弱性調査結果を読み出すステップと、をさらに含み、
前記提示ステップでは、
前記読み出した前記脆弱性情報に含まれる概要および対策方法を提示するとともに、前記読み出した前記脆弱性調査結果に含まれる前記端末IDを提示する、
付記16に記載の制御方法。
(付記18)
コンピュータに、
脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報を端末に備えられたエージェント部に送信する送信手順と、
前記脆弱性情報の公開日時前に、前記エージェント部から、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の調査方法の情報を基に前記エージェント部で調査された前記端末の脆弱性の有無の調査結果を含む脆弱性調査結果を受信する手順と、
前記脆弱性情報の公開日時以降に、前記脆弱性情報および前記脆弱性調査結果を提示する提示手順と、
を実行させるためのプログラム。
(付記19)
前記送信手順では、
前記脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の調査方法の情報が暗号化された状態で、前記脆弱性情報を前記エージェント部に送信する、
付記18に記載のプログラム。
(付記20)
前記コンピュータに、
前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の概要、調査方法、および対策方法の情報が暗号化された状態で、前記脆弱性情報を脆弱性情報格納部に格納する手順をさらに実行させ、
前記送信手順では、
前記脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の概要、調査方法、および対策方法の情報が暗号化された状態で、前記脆弱性情報を前記エージェント部に送信する、
付記18または19に記載のプログラム。
(付記21)
前記脆弱性情報には、
前記脆弱性情報が未公開または公開済を表す値がセットされる公開フラグが付加され、
前記コンピュータに、
前記脆弱性情報格納部に格納された前記脆弱性情報のうち、未公開を表す値がセットされた前記公開フラグが付加された前記脆弱性情報を読み出す手順と、
前記読み出した前記脆弱性情報に含まれる公開日時が現在の日時以前の場合、前記読み出した前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の概要、調査方法、および対策方法の情報を復号すると共に、前記読み出した前記脆弱性情報に付加された前記公開フラグに公開済を表す値をセットした上で、前記読み出した前記脆弱性情報を前記脆弱性情報格納部に再度格納する手順と、をさらに実行させる、
付記20に記載のプログラム。
(付記22)
前記脆弱性情報には、
前記脆弱性情報を識別する脆弱性情報IDがさらに付加され、
前記脆弱性調査結果には、
調査した脆弱性の前記脆弱性情報を識別する脆弱性情報ID、前記端末を識別する端末ID、および前記端末の脆弱性の有無を示す調査結果が含まれ、
前記コンピュータに、
前記脆弱性調査結果を脆弱性調査結果格納部に格納する手順と、
前記脆弱性情報格納部に格納された前記脆弱性情報のうち、公開済を表す値がセットされた前記公開フラグが付加された前記脆弱性情報を読み出す手順と、
前記脆弱性調査結果格納部に格納された前記脆弱性調査結果のうち、前記読み出した前記脆弱性情報と一致する前記脆弱性情報IDを含み、かつ、前記端末に脆弱性があることを示す調査結果を含む前記脆弱性調査結果を読み出す手順と、をさらに実行させ、
前記提示手順では、
前記読み出した前記脆弱性情報に含まれる概要および対策方法を提示するとともに、前記読み出した前記脆弱性調査結果に含まれる前記端末IDを提示する、
付記21に記載のプログラム。
(付記23)
コンピュータに、
脆弱性情報の公開日時前に、サーバから、前記脆弱性情報を受信する受信手順と、
前記脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の調査方法の情報を基に端末の脆弱性の有無を調査する調査手順と、
前記脆弱性情報の公開日時前に、前記調査手順の調査結果を含む脆弱性調査結果を前記サーバに送信する手順と、
を実行させるためのプログラム。
(付記24)
前記受信手順では、
前記脆弱性情報の公開日時前に、前記サーバから、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の調査方法の情報が暗号化された状態で、前記脆弱性情報を受信し、
前記調査手順では、
前記脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の調査方法の情報を復号し、復号した脆弱性の調査方法の情報を基に前記端末の脆弱性の有無を調査する、
付記23に記載のプログラム。
(付記25)
前記受信手順では、
前記脆弱性情報の公開日時前に、前記サーバから、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の概要、調査方法、および対策方法の情報が暗号化された状態で、前記脆弱性情報を受信し、
前記コンピュータに、
前記脆弱性情報の公開日時前に、前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の概要、調査方法、および対策方法の情報が暗号化された状態で、前記脆弱性情報を脆弱性情報格納部に格納する手順をさらに実行させる、
付記23または24に記載のプログラム。
(付記26)
前記脆弱性情報には、
前記脆弱性情報が未公開または公開済を表す値がセットされる公開フラグが付加され、
前記コンピュータに、
前記脆弱性情報格納部に格納された前記脆弱性情報のうち、未公開を表す値がセットされた前記公開フラグが付加された前記脆弱性情報を読み出す手順と、
前記読み出した前記脆弱性情報に含まれる公開日時が現在の日時以前の場合、前記読み出した前記脆弱性情報に含まれる脆弱性の概要、調査方法、および対策方法の情報を復号すると共に、前記読み出した前記脆弱性情報に付加された前記公開フラグに公開済を表す値をセットした上で、前記読み出した前記脆弱性情報を前記脆弱性情報格納部に再度格納する手順と、をさらに実行させる、
付記25に記載のプログラム。
(付記27)
前記脆弱性情報には、
前記脆弱性情報を識別する脆弱性情報IDがさらに付加され、
前記脆弱性調査結果には、
調査した脆弱性の前記脆弱性情報を識別する脆弱性情報ID、前記端末を識別する端末ID、および前記端末の脆弱性の有無を示す調査結果が含まれ、
前記コンピュータに、
前記脆弱性調査結果を脆弱性調査結果格納部に格納する手順と、
前記脆弱性情報格納部に格納された前記脆弱性情報のうち、公開済を表す値がセットされた前記公開フラグが付加された前記脆弱性情報を読み出す手順と、
前記脆弱性調査結果格納部に格納された前記脆弱性調査結果の中に、前記読み出した前記脆弱性情報と一致する前記脆弱性情報IDを含み、かつ、前記端末に脆弱性があることを示す調査結果を含む前記脆弱性調査結果がある場合、前記読み出した前記脆弱性情報に含まれる概要および対策方法を提示する手順と、をさらに実行させる、
付記26に記載のプログラム。
【符号の説明】
【0079】
100 脆弱性情報提供機関
110 脆弱性情報送信システム
200 セキュリティリスク管理システム提供会社
210 脆弱性情報配布システム
211 脆弱性情報受信部
212 脆弱性情報データ作成部
213 脆弱性情報データ暗号化部
214 共通鍵格納部
215 脆弱性情報データ格納部
216 脆弱性情報データ送信部
300 セキュリティリスク管理システム利用会社
305 セキュリティリスク管理システム
310 サーバ
311 脆弱性情報データ受信部
312 脆弱性情報データ格納部
313 脆弱性情報データ配布部
314 脆弱性調査結果受信部
315 脆弱性調査結果格納部
316 脆弱性公開日時確認部
317 脆弱性情報データ復号部
318 共通鍵格納部
319 脆弱性情報・調査結果表示部
3101 通信部
3102 提示部
320 エージェント部
321 脆弱性情報データ受信部
322 脆弱性情報データ格納部
323 脆弱性調査部
324 脆弱性情報データ復号部
325 共通鍵格納部
326 脆弱性調査結果格納部
327 脆弱性調査結果送信部
328 脆弱性公開日時確認部
329 脆弱性情報表示部
3201 通信部
3202 調査部
330 端末
400 コンピュータ
401 プロセッサ
402 メモリ
403 ストレージ
404 入出力インタフェース
4041 表示装置
4042 入力装置
405 通信インタフェース