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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】システム、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 22/00 20060101AFI20240409BHJP
【FI】
G01N22/00 F
G01N22/00 V
G01N22/00 W
【請求項の数】 22
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022011295
(22)【出願日】2022-01-27
(62)【分割の表示】P 2018539839の分割
【原出願日】2017-01-27
(65)【公開番号】P2022064950
(43)【公開日】2022-04-26
【審査請求日】2022-02-25
(31)【優先権主張番号】62/287,598
(32)【優先日】2016-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518264538
【氏名又は名称】ライフ ディテクション テクノロジーズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラングレー,ジョン,ビー.
(72)【発明者】
【氏名】マキロイ,ガイ
【審査官】田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-073251(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0212027(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0074307(US,A1)
【文献】特表2010-504155(JP,A)
【文献】特表2016-506524(JP,A)
【文献】特表2008-541826(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 22/00-22/04
A61B 5/02-5/0295
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象の物体を含む所望の検出領域の周りに電界を生成するべく1つの周波数で共振する共振器を有する電界生成器と、
前記電界生成器に結合され、前記電界生成器の出力を受けて、前記検出領域の周りに前記電界を生み出す外部センサであって、前記外部センサは更に前記電界生成器の前記出力の周波数を監視するように構成され、当該周波数が前記所望の検出領域内の前記物体の特徴に起因して変化する、外部センサと、
前記電界生成器に結合され、前記電界生成器の前記出力の前記周波数における変化を示す信号を出力する復調器であって、前記電界生成器の前記出力と、その位相をシフトしたバージョンとを掛け合せることで前記信号を出力する、復調器と、
を備え、
前記電界生成器が前記外部センサと前記復調器との間に結合される、
システム。
【請求項2】
前記電界生成器の前記出力の前記周波数における前記変化を分析するように構成された信号プロセッサを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記復調器および前記信号プロセッサの間で結合されたローパスフィルタを更に備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記信号プロセッサは、前記復調器の前記出力における複数の信号成分を分離するように構成され、
各信号成分は、前記物体の別個の構成成分に関連する、請求項2または3に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数の信号成分は、呼吸数信号および心拍数信号を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記電界生成器の前記出力の前記周波数における前記変化に基づいて物体の複数の機能特徴を提供するように構成されたディスプレイを更に備え、
前記物体の複数の機能特徴は、血管プロセスおよび呼吸プロセスを含む、請求項1から5の何れか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記電界生成器および前記信号プロセッサの間で結合されたサンプル・ホールドデバイスを更に備える、請求項2から5の何れか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記信号プロセッサが前記復調器を有する、請求項2から5の何れか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記復調器が、前記電界生成器の前記出力と、その位相が90度シフトされたバージョンとを掛け合せることで前記信号を出力する、請求項1から8の何れか一項に記載のシステム。
【請求項10】
監視対象の物体を含む所望の検出領域の周りに電界を生成すべく1つの周波数で共振する共振器を電界生成器により制御する段階であって、前記電界生成器が前記共振器を有する、段階と、
前記電界生成器に結合される外部センサにより、前記電界生成器の出力を受けて前記所望の検出領域の周りに前記電界を生み出し、かつ、前記電界生成器の前記出力の周波数を、監視する段階であって、当該周波数が前記所望の検出領域内の前記物体の特徴に起因して変化する、段階と、
前記電界生成器の前記出力の前記周波数における変化を示す信号を、前記電界生成器に結合された復調器により出力する段階と、
を備え、
前記信号を出力する段階が、前記電界生成器の前記出力と、その位相をシフトしたバージョンとを掛け合せる段階を有し、前記電界生成器が前記外部センサと前記復調器との間に結合される、
方法。
【請求項11】
前記電界生成器の前記出力の前記周波数における前記変化を、信号プロセッサにより分析する段階を更に備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ローパスフィルタを用いて前記復調器の出力をフィルタリングして、フィルタリングされた応答を生成する、段階と、
前記フィルタリングされた応答を前記信号プロセッサへ供給する段階と、
を更に備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記復調器の前記出力における複数の信号成分を分離する段階を更に備え、
各信号成分は、前記物体の別個の構成成分に関連する、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の信号成分は、呼吸数信号および心拍数信号を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記電界生成器の前記出力の前記周波数における前記変化に基づいて物体の複数の機能特徴を提供する段階を更に備え、
前記物体の複数の機能特徴は、血管プロセスおよび呼吸プロセスを含む、請求項10から14の何れか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記電界生成器の前記出力のサンプリングされた応答に基づく信号を前記信号プロセッサへ提供する段階を更に備える、請求項11から14の何れか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記出力が前記信号プロセッサによりなされる、請求項11から14の何れか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記信号を出力する段階が、前記電界生成器の前記出力と、その位相が90度シフトされたバージョンとを掛け合せることで前記信号を出力する段階を有する、請求項10から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
プロセッサにより実行されると、以下の段階を実行する命令を有するプログラムであって、
電界生成器の出力の周波数における変化を示す信号を、復調機能によって出力する段階、
を備え、
前記電界生成器に結合され、前記電界生成器の前記出力を受けた外部センサによって電界が、監視対象の物体を含む所望の検出領域の周りに生み出され
前記信号を出力する段階は、前記電界生成器の前記出力と、その位相をシフトしたバージョンとを掛け合せる段階を有し、前記電界生成器が、前記外部センサと前記復調機能を備えるコンポーネントとの間に結合され、前記外部センサが、前記電界生成器の前記出力の前記周波数を監視し、
前記監視対象の物体の特徴が、前記電界生成器の前記出力の前記周波数における前記変化を引き起こす、
プログラム。
【請求項20】
前記復調機能の出力における複数の信号成分を分離する段階を更に備え、
各信号成分は、前記物体の別個の構成成分に関連する、請求項19に記載のプログラム。
【請求項21】
前記複数の信号成分は、呼吸数信号および心拍数信号を含む、請求項20に記載のプログラム。
【請求項22】
前記電界生成器の前記出力の前記周波数における前記変化に基づいて物体の複数の機能特徴を提供する段階を更に備え、
前記物体の複数の機能特徴は、血管プロセスおよび呼吸プロセスを含む、
請求項19から21の何れか一項に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、参照により全体として本明細書に明示的に組み込まれている、2016年1月27日に出願された米国仮特許出願第62/287,598号に対して、合衆国法典第35編第119条(e)の下での利益を主張している。
【0002】
本出願は、一般に、監視システムの技術分野に関し、より具体的には、物理的接触なしに物理的変化を検出する監視システムに関する。
【背景技術】
【0003】
種々の監視システムの性能は、監視される対象(例えば、成人、ティーン、子供、又は乳児などの人間)に対してセンサ又はその部品がどこに配置されるかによって影響される場合がある。例えば、特定の監視システムは、センサが対象と物理的に接触することを必要とする場合があり、さらに、部品(例えば、電源ケーブル又はデータケーブル)がセンサから監視装置に接続されることを必要とする場合がある。車両の座席の着席の変化を検出するのにセンサが用いられ得る他の状況が存在し得る。この場合、センサは、直接的な物理的接触なしに座席の乗員のバイタルサイン、例えば、脈拍及び/又は呼吸も感知し得る。
【0004】
公知の監視システムは、センサが対象と直接接触することを必要とする。例えば、伝統的な心電図(ECG)は、患者のECG信号を検出するのに外部電極を用いる。外部電極は、ケーブルの端に存在し、患者上に及び患者の心臓の近くに物理的に配置されなければならない。これは、特に比較的活発な患者の長期の監視のための接続及び使用には不便な場合がある導体材料の使用をしばしば必要とする。これらのデバイスは、顕著な制限を有する。例えば、患者は、デバイスに物理的に接続されなければならない。患者がベッドを離れることを望む場合、多くの場合は高度な訓練を受けた職員が、患者からデバイスを取り外し、患者が戻ったら患者に再び取り付ける必要がある。このような監視システムの設置に関連する不便及び遅れはまた、より活発な対象、例えば、ベビーベッドの中の乳児又は車を運転中の人を監視するのにあまり適していない。リストバンド及びアームバンドなどのデバイスに組み込まれた監視システムが存在するが、それらは通常、対象と直接接触することを依然として必要とし、不正確な情報及び限られた機能をしばしば提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、センサが対象と直接接触することを必要としない監視システムが必要とされる。人体の生理的変化を監視することにより対象の健康、フィットネス、睡眠、及び食事の管理を支援することができる監視システムも必要性とされる。対象の変化を感知し、適時の適切な診断情報、予後情報、及び処方情報を提供することができる、長期の使用に適している監視システムもさらに必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、物体との物理的接触又は付着なしに物体内の物理的変化の検出を可能にするシステム及び方法を含む。物体は、他の塊とは別個の物質の塊である。物体の限定ではない例は、例えば、人間の体、動物の体、コンテナ、車、家などを含む。これらの変化は、動物の心機能などの生理学的事象又はサイロの中の穀物などのバルク材料の特性の変化でもあり得る。これらの変化は、動物の器官の機能によって引き起こされるような寸法の変化又は材木の含水量などの材料の組成の変化とすることもできる。
【0007】
この機器に用いられる測定技術の重要な特徴は、複数の現象の変化が同時に観測され得るように広い体積にわたって測定がなされ得ることである。例えば、2つの別個の、しかし関係のある生理的パラメータ(例えば、脈拍及び呼吸)の感知が同時に達成され得る。この機器により感知される領域は、機器内のセンサ要素の設計により変化し得る。バルク感知能力のさらなる拡張は、複合波形から個々の特徴を分離するのにウェーブレットベースの手法などの洗練されたコンピュータ署名認識ソフトウェアを用いることである。
【0008】
本出願は、参照により全体として本明細書に明示的に組み込まれている、2014年10月30日に出願された米国特許第9,549,682号に関連する。本出願はまた、参照により全体として本明細書に明示的に組み込まれている、2013年3月15日に出願された米国特許第9,035,778号に関連する。
【0009】
開示される主題は、一態様では、物体の中の変化を検出及び解析するためのシステムを含む。本システムは、電界を生み出すように構成された電界生成器を含む。本システムは、電界生成器に結合され、電界の物理的変化を検出するように構成された外部センサデバイスを含み、物理的変化は、電界の振幅及び周波数に影響する。本システムは、電界生成器に結合され、電界生成器の出力の周波数の変化を検出し、低周波成分及び高周波成分を含む検出された応答を生み出すように構成された直交復調器を含む。本システムは、直交復調器に結合され、フィルタリングされた応答を生成するべく検出された応答の高周波成分をフィルタリングで除去するように構成されたローパスフィルタを含む。本システムは、振幅基準を提供するように構成された振幅基準ソースを含む。本システムは、振幅基準ソース及び電界生成器に結合され、振幅比較を生成するべく振幅基準と電界の振幅を比較するように構成された振幅比較スイッチを含む。本システムは、ローパスフィルタ及び振幅比較スイッチに結合され、フィルタリングされた応答及び振幅比較応答を解析するように構成された信号プロセッサを含む。
【0010】
開示される主題は、別の態様では、物体の中の変化を検出及び解析するための方法を含む。本方法は、電界生成器で所望の検出領域の周りに電界を確立することを含む。本方法は、直交復調器で電界の周波数を監視することを含む。本方法は、直交復調器で電界の周波数の変化を検出することを含む。方法は、電界の振幅を監視することを含む。本方法は、振幅基準ソースで電界の振幅の変化を検出することを含む。
【0011】
開示される主題は、また別の態様では、装置に電界生成器で所望の検出領域の周りに電界を確立させるように動作可能な実行可能命令を有する非一時的なコンピュータ可読媒体を含む。当該命令は、装置に直交復調器で電界の周波数を監視させるようにさらに動作可能である。当該命令は、装置に直交復調器で電界の周波数の変化を検出させるようにさらに動作可能である。当該命令は、装置に電界の振幅を監視させるようにさらに動作可能である。当該命令は、装置に振幅基準ソースで電界の振幅の変化を検出させるようにさらに動作可能である。
【0012】
本開示と一致する例示的な実施形態を詳細に説明する前に、本開示は、その適用において、以下の説明に記載された又は図面に示された構築の詳細に及び配列に限定されないと理解されるべきである。本開示は、説明されている実施形態に加えて、いくつかの実施形態が可能であり、種々の方法で実施及び実行することが可能である。また、本明細書で並びに要約書で採用される専門語及び用語は、説明の目的のためであって、限定するものとしてみなされるべきではないと理解されるべきである。
【0013】
開示される主題の実施形態のこれらの及び他の能力は、以下の図面、詳細な説明、及び請求項を読むとより十分に理解されるであろう。
【0014】
上記の概要と以下の詳細な説明との両方は、単なる説明であって、特許請求される主題を限定するものではないと理解されるべきである。
【0015】
開示される主題の種々の目的、特徴、及び利点は、同様の参照番号が同様の要素を特定する以下の図面に関連して考察されるときに、開示される主題の以下の詳細な説明を参照すると、より十分に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示の特定の実施形態に係る物体の中の変化を検出及び解析するためのシステムを例示する図である。
図2】本開示の特定の実施形態に係る直交復調器の伝達関数を例示する図である。
図3】本開示の特定の実施形態に係る呼吸信号と心拍数信号との両方を組み合わせる波形を例示する図である。
図4】本開示の特定の実施形態に係る物体の中の変化を検出及び解析するためのシステムを例示する図である。
図5】本開示の特定の実施形態に係る物体の中の変化を検出及び解析するプロセスを例示する図である。
図6】本開示の特定の実施形態に係る直交復調器を例示する図である。
図7】本開示の特定の実施形態に係る信号プロセッサを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
交流(「AC」)回路において材料がとる挙動は、普通は、サイクルごとの材料に蓄積されるエネルギーの量及び材料において散逸されるエネルギーの量の観点で説明される。エネルギーの蓄積は、電流により生じる電界と磁界との両方において起こる。散逸は、材料の電気エネルギーの、熱エネルギー、すなわち熱への変換の際に起こる。これらの特性は、材料に応じて広範囲にわたって変動することがある。多くの材料において、特性は主として1種類である。
【0018】
いくつかの材料での散逸は、材料の磁界特性に、他の場合においては電界特性に起因する場合がある。より一般的なケースでは、これらの機構の両方が存在する。このため、磁界蓄積特性と任意の関係する散逸がベクトル和に組み合わされる規約が存在し、透磁率と呼ばれる。同様に、電界蓄積特性と関連する散逸のベクトル和は、誘電率と呼ばれる。これらのベクトル和は、散逸が真の成分であり界蓄積特性が仮想の成分である複合値として表現される。本開示では、物体の電磁気特性の変化を測定することにより、集約された物体の特性の変化が検出及び定量化される。
【0019】
本明細書で説明される手法は、電磁気特性の変化、すなわち、電気特性と磁気特性との両方の変化を感知することにより作用するが、いくつかの用途では、特性の1つの組においてのみ顕著な変化が生じる。議論をさらに進めるために、本発明の機器は誘電率の変化を検出する。当業者により認識されるどの他の適切な特性又は特性の組み合わせの検出も、開示される主題の精神及び範囲内にある。誘電率の散逸成分は、材料の誘電正接としてしばしば表現され、一方、蓄積という用語は、キャパシタンスと呼ばれる。これらの特性の測定は、電界内の物体の集約された特性によって引き起こされる、機器により発生された電界の位相及び振幅の変化を感知することにより達成される。
【0020】
図1は、本開示の特定の実施形態に係る物体の中の変化を検出及び解析するためのシステム100を例示する。システム100は、外部センサデバイス102、電界生成器104、振幅基準ソース106、直交変調器108、振幅比較スイッチ110、ローパスフィルタ114、信号プロセッサ116、及びディスプレイ118を含む。システム100に含まれるコンポーネントは、1つよりも多いコンポーネントへさらに分解する、及び/又は任意の適切な配列に一緒に組み合わせることができる。さらに、1つ以上のコンポーネントを、再配列、変更、追加、及び/又は除去することができる。いくつかの実施形態では、システム100の1つ以上のコンポーネントは、特定用途向け集積回路(ASIC)により作製することができる。
【0021】
電界生成器104は、所望の検出領域を照射する電界を生み出す。この電界の周波数及び振幅は、観察されている物体の特徴により決定される。いくつかの実施形態では、電界生成器104の周波数を決定する成分、すなわち、誘導性要素、容量性要素、及び抵抗性要素の組み合わせで構成することができる共振回路が、検討されている材料の物体の所望のカバー範囲を提供する電界を生み出す外部デバイスに接続される。いくつかの実施形態では、電界生成器104は、インダクタ-キャパシタ(IC)タンク発振器などの発振器とすることができる。
【0022】
外部センサデバイス102は、多様な材料から作製されてよく、これらの材料の唯一の要件は、それらが導電体であることである。外部センサデバイス102は、所望の領域の適切なカバー範囲を提供するべく多くの異なる機械的構成に構築することができる。例えば、いくつかの実施形態では、外部センサデバイス102は、複数の金属プレートとすることができる。いくつかの実施形態では、外部センサデバイス102の形状及び/又は配向を、必要に応じて変化させることができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、外部センサデバイス102は、検討されている物体と物理的に接触する必要がない。例えば、外部センサデバイス102及び支持電子装置は、運転手の眠気の生理学的指標の変化を検出する、したがって、事故を防ぐための対策を講じるべく、長距離トラックの運転席に設置することもできる。いくつかの実施形態では、感知するプロセスは、普通は、2つの経路で別々に行われ、(1)第1の経路において、ベクトル和の真の成分、例えば、エネルギー散逸の変化が検出され、(2)第2の経路において、仮想の成分、すなわち、それらの中を流れる電流の位相が真の成分における電流と直交するキャパシタンス又はインダクタンスなどの成分に関係する変化が別々に処理される。いくつかの実施形態では、電界の振幅の変化が第1の経路で検出され、電界の周波数の変化が第2の経路で検出される。一般に、当業者には公知のように、電界の位相の変化は、電界の周波数の変化を解析することにより得ることができる。これらの2つの信号は、複合誘電率の変化を再び生み出すために後の信号処理で組み合わせることができ、又は別個の解析のために個々の信号として保つことができる。これらの2つの経路は、別々に後述する。
【0024】
複合誘電率の仮想の成分の変化を検出するために、電界生成器104の出力は、直交復調器108に接続される。直交復調器108は、電界生成器104の出力の周波数の変化を検出し、低周波成分及び高周波成分を含む検出された応答を生み出す。図6は、本開示の特定の実施形態に係る直交復調器108を例示する。直交復調器108は、ミキサ602及び共振回路604を含む。本開示では、ダブル・バランスド・ミキサが説明されるが、他の適切なタイプのミキサも用いることができる。直交復調器108に含まれるコンポーネントは、1つよりも多いコンポーネントへさらに分解するか、且つ/又は任意の適切な配列に一緒に組み合わせることができる。さらに、1つ以上のコンポーネントを、再配列、変更、追加、及び/又は除去することができる。
【0025】
直交復調器108への入力信号は、2つの経路へ分けられる。一方の経路は、ダブル・バランスド・ミキサ602の1つの入力ポートに接続され、他方の経路は、共振回路604に接続される。共振回路604の出力は、ダブル・バランスド・ミキサ602の他の入力ポートに接続される。いくつかの実施形態では、共振回路604は、インダクタ及びキャパシタを含む。いくつかの実施形態では、共振回路604は、インダクタ、キャパシタ、及びレジスタを含む。共振回路604の回路コンポーネントは、直列に、並列に、又は任意の他の適切な構成に接続することができる。共振回路604は、当業者に認識される他の回路構成によっても実装することができる。いくつかの実施形態では、共振回路604は、電界生成器104の公称中心周波数に合わせられる。
【0026】
ダブル・バランスド・ミキサ602は、2つの信号(入力からの1つの信号と、共振回路604からの他の信号)を一緒に掛け合わせる。2つの信号の積は出力において2つの成分を生み出し、一方の成分は2つの入力周波数の差に比例し、別の成分は、2つの入力周波数の和に比例する。2つの信号間に正確に90度の位相差が存在するとき、復調器出力はゼロである。位相差が約+/-90度未満のとき、ダブル・バランスド・ミキサ602の出力にDC成分が存在することになる。
【0027】
直交復調器108からの出力信号は、ローパスフィルタ114に送られる。ローパスフィルタ114は、通常は、直交変調器108の低周波成分を直交変調器108により生成されるはるかにより高い周波成分から分離する、抵抗性要素、誘導性要素、及び/又は容量性要素を含むアナログ回路である。ローパスフィルタのカットオフ周波数は、高周波項を十分に抑制しながら所望の信号成分の低い減衰をもたらすように選択される。フィルタリング後に、信号は、後述する信号プロセッサユニット116に接続される。
【0028】
電界の散逸の変化の検出は、電界の周波数の変化の検出とは若干異なって処理される。図1及び図6では、電界生成器104の出力に、共振回路604により生じるそれ自体の位相シフトバージョンが掛け合わされる。位相/周波数の変化の検出とは異なり、振幅変動は、検討されている材料により変化しない電界生成器104の出力と比較されなければならない。図1を再び参照すると、振幅基準信号が、どのような外部からの影響もない状態での電界生成器104の出力を測定することにより生み出され、振幅基準ソース106の出力レベルを設定するのに用いられる。
【0029】
振幅基準ソース106は、通常は、ダイオードなどの半導体コンポーネントによって提供することができる時間及び温度安定性の電圧基準である。振幅基準ソース106の出力は、振幅比較スイッチ110の1つの入力に送られる。信号プロセッサ116により制御されるスイッチ110は、振幅基準ソース106と電界生成器104の出力を信号プロセッサ116に交互に接続する。十分な較正情報と共に基準信号106と電界生成器104の出力との差を測定することにより、検討中の材料により吸収される、例えば、散逸されるパワーの量が計算され得る。
【0030】
振幅比較スイッチ110は、電界生成器104の出力を電界生成器104の振幅の最も速い変動の少なくとも2倍速いレートでサンプリングし、振幅基準ソース106の値を引くことにより機能する。したがって、振幅比較スイッチ110の出力は、電界生成器104の振幅と振幅基準ソース106の振幅との差に等しい。
【0031】
信号プロセッサ116は、ローパスフィルタ114の出力を受け取り、所望の成分をさらなる使用又は処理のための所望のフォーマットへ抽出する。信号プロセッサ116はまた、電界の振幅の変化を解析するべく振幅比較スイッチ110の出力を受け取る。信号プロセッサ116は、アナログ回路、デジタル回路、又はこれらの組み合わせの回路のいずれかの使用により実装することができる。
【0032】
図7は、本開示の特定の実施形態に係る信号プロセッサ116を例示する。信号プロセッサ116は、サンプル・ホールド回路702、アナログ-デジタル変換器(ADC)704、デジタル信号プロセッサ706、及びマイクロコントローラ708を含む。信号プロセッサ116に含まれるコンポーネントは、1つよりも多いコンポーネントへさらに分解するか、且つ/又は任意の適切な配列に一緒に組み合わせることができる。さらに、1つ以上のコンポーネントを、再配列、変更、追加、及び/又は除去することができる。
【0033】
サンプル・ホールド回路702は、連続時間・連続値信号をサンプリングし、特定の時間にわたって値をホールドするように構成される。典型的なサンプル・ホールド回路702は、キャパシタ、1つ以上のスイッチ、及び1つ以上の演算増幅器を含む。いくつかの実施形態では、他の適切な回路実装も用いることができる。
【0034】
ADC704は、サンプル・ホールド回路702の出力を受信し、これをデジタル信号へ変換する。いくつかの実施形態では、ADC410は、高い分解能を有することができる。多くの可能な用途での電界内の領域全体のバルク誘電率の変化は、比較的遅い、例えば、数百ヘルツ未満であると思われるので、いくつかの実施形態では、これは、5000サンプル/秒の範囲のサンプルレートでADC704により処理することができる短いサンプルを作るべくサンプル・ホールドデバイス406を用いることにより電界生成器404の出力をアンダーサンプリングするのに十分であり得る。24ビットの分解能又は32ビットの分解能をもつADCが容易に入手可能である。いくつかの実施形態では、ADC704は、他の適切な分解能を有することができる。
【0035】
デジタル信号プロセッサ706は、ADC704の出力を処理するように構成することができる。いくつかの実施形態では、デジタル信号プロセッサ706は、マイクロプロセッサとすることができる。
【0036】
マイクロコントローラ708は、信号プロセッサ116の1つ以上のコンポーネントに結合することができる。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ708は、信号プロセッサ116の1つ以上のコンポーネントのサンプリングレート及び/又はクロックレートを制御することができる。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ708は、信号プロセッサ116の1つ以上のコンポーネントにコマンド信号を出すことができる。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ708は、チップ(SOC)製品上の一般的な高性能のローパワーシステムとすることができる。例えば、マイクロコントローラ708は、ARM Cortex-M4コアプロセッサなどのARMベースのプロセッサ又は任意の他の適切なモデルとすることができる。
【0037】
ディスプレイ118を参照すると、ディスプレイ118は、信号プロセッサ116により生成された種々の結果を表示するように構成することができる。ディスプレイ118は、タッチスクリーン、LCDスクリーン、及び/又は任意の他の適切なディスプレイスクリーン又はディスプレイスクリーンの組み合わせとすることができる。いくつかの実施形態では、信号プロセッサ116の出力は、信号の記憶及び/又は処理のためにデータロガーにも送ることもできる。
【0038】
図2は、電界生成器104からの入力信号の電圧出力と周波数との典型的な関係性を示す直交復調器108の伝達関数の一般化バージョンを示す。横軸は、ヘルツ(Hz)の周波数を示し、縦軸は、ボルト(V)の復調器出力を示す。横軸の中央210は、共振回路604の公称共振周波数を示す。例えば、共振回路604の公称共振周波数が80MHzである場合、横軸の中央210は80MHzである。曲線の中央領域202の傾きは、位相/周波数の変化の関数としての出力電圧の観点で同じ感度を与えながら広い周波数範囲にわたる動作を可能にするべく直線状にすることができる。伝達関数は、ダブル・バランスド・ミキサ108への2つの入力間の周波数/位相の関係性にのみ数学的に依存する。これにより、散逸特性に起因する振幅の変化とは別個の材料特性により誘起される位相/周波数の変化の検出において、広く動的な範囲が可能になる。
【0039】
図2は、同じ電界生成器104及び直交復調器108を用いながら2つの異なる用途で採用され得るように動作するセンサを例示する。領域1 204では、DC成分は、周波数及び伝達関数の傾きの正確な値に依存し、例えば、-1.5ボルトであり得る。電界生成器104の周波数の小さな変動が存在する場合、直交復調器の出力電圧の小さい変動も存在するであろう。本明細書での例では、出力変動は、約-1.5ボルトを中心とするであろう。領域2 206では、DC項は、例えば、およそ+1.0ボルトであり得る。しかしながら、伝達関数の傾きは、両方の領域において同じであることに非常に近いので、小さな変動は、0ボルトのあたりを中心とするであろう。
【0040】
これは、ここでとられる手法にとっての重要な利点である。それぞれ電界内で変化する電磁気特性をもつ多様な材料が存在する場合、直交復調器108の集約された出力は、材料特性の小さな変化に関して本質的に一定の伝達関数を依然として維持しながら、電界領域内のすべての材料の寄与により決定される平均DCレベルを有することができる。小さい信号直線性は、検討されている材料の別個の構成成分からの信号成分が線形的に結合されることを可能にする。出力波形における種々の寄与の線形結合は、後の信号処理ですぐに分離することができる。呼吸信号と心拍数(脈拍)信号との両方を示す結合された波形の例が図3に示される。
【0041】
図3は、物体による呼吸の典型であり得る、大きい、低周波の、概ね三角形の波形で構成された信号と、より小さい振幅、より高周波、及びより複雑な波形の心拍においてしばしばみられる信号を示す。図3では、これらの2つの波形の線形加算は、より大きい、より遅い三角形の呼吸成分上に「乗っている」より小さい振幅、より高周波の、より複雑な心拍として示される。
【0042】
前述の主としてアナログの設計に加えて、「ダイレクト対デジタル(direct-to-digital)」手法も可能である。図4は、本開示の特定の実施形態に係る物体の中の変化を検出及び解析するためのシステム400を例示する。システム400は、外部センサデバイス402、電界生成器404、サンプル・ホールドデバイス406、マイクロコントローラ408、ADC410、デジタル信号プロセッサ416、及びディスプレイ418を含む。システム400に含まれるコンポーネントは、1つよりも多いコンポーネントへさらに分解するか、且つ/又は任意の適切な配列に一緒に組み合わせることができる。さらに、1つ以上のコンポーネントを、再配列、変更、追加、及び/又は除去することができる。いくつかの実施形態では、図4に含まれるコンポーネントは、図1及び/又は図7で説明されている対応するコンポーネントと類似している。
【0043】
いくつかの実施形態では、システム400は、図1で説明されているほとんどのアナログコンポーネントをデジタル信号成分又は混合信号成分に置き換える。「ダイレクト対デジタル」概念は、サンプル・ホールドデバイス406により駆動されるADC410を採用する。いくつかの実施形態では、ADC410は、高い分解能を有することができる。多くの可能な用途での電界内の領域全体のバルク誘電率の変化は、比較的遅い、例えば、数百ヘルツ未満であると思われるので、これは、5000サンプル/秒の範囲のサンプルレートでADC410により処理することができる短いサンプルを作るべくサンプル・ホールドデバイス406を用いることにより電界生成器404の出力をアンダーサンプリングするのに十分であり得る。24ビットの分解能をもつこのようなデバイスが容易に入手可能であり、その32ビットバージョンは、顕著により高いコンポーネント価格で入手可能である。このようなシステムでは、信号プロセッサ416は、図1で説明されている直交復調器108により行われる機能を引き継ぐことになる。「ダイレクト対デジタル」機器の特徴は、信号プロセッサ416でのソフトウェアにより決定されることになるので、異なる用途のための特化されたソフトウェアと共に、単一のハードウェアセットをロードすることもできる。「ダイレクト対デジタル」手法のプログラマブル特徴は、規模の経済を可能にし、単位原価を下げ、新しい市場の機会を開くこともできる。いくつかの実施形態では、ADCは、特定用途向け集積回路(ASIC)により作製することができる。
【0044】
図5は、本開示の特定の実施形態に係る物体の中の変化を検出及び解析するプロセス500を例示する流れ図である。プロセス500は、図1に示されたシステム100及び/又は図4に示されたシステム400に関連して例示される。いくつかの実施形態では、プロセス500は、例えば、ステップを再配列、変更、追加、及び/又は除去することにより修正することができる。
【0045】
ステップ502で、所望の検出領域の周りに電界が確立される。所望の検出領域は、通常は、監視されることになる物体の周りである。いくつかの実施形態では、電界は、所望の検出領域を照射する電界を生み出す電界生成器104を用いることにより確立される。次いで、プロセス500はステップ504に進む。
【0046】
ステップ504で、所望の検出領域の電界の周波数及び振幅が監視される。いくつかの実施形態では、物体の周りの及び物体内の領域を監視するのに外部センサデバイス102が用いられる。外部センサデバイス102は、検討されている物体と物理的に接触する必要がない。次いで、プロセス500はステップ506に進む。
【0047】
ステップ506で、所望の検出領域の電界が、あらゆる変化を検出するべく処理及び解析される。プロセス500は、電界の振幅と周波数/位相との両方の変化を検出することができる。例えば、電界の振幅変動を検討されている材料により変化しない電界生成器104の出力と比較することができる。図1を再び参照すると、振幅基準信号が、どのような外部からの影響もない状態での電界生成器の出力を測定することにより生み出され、振幅基準ソース106の出力レベルを設定するのに用いられる。振幅基準ソース106の出力は、振幅比較スイッチ110の1つの入力に送られる。信号プロセッサ116により制御されるスイッチ110は、振幅基準ソース106と電界生成器106の出力を信号プロセッサに交互に接続する。十分な較正情報と共に基準信号と電界生成器104の出力との差を測定することにより、電界の振幅比較応答を決定することができる。
【0048】
図1及び図6に関連して述べた直交復調器構成により電界の周波数/位相の変化を検出及び解析することができる。例えば、いくつかの実施形態では、電界生成器104の出力は、電界生成器104の出力の周波数の変化を検出し、低周波成分及び高周波成分を含む検出された応答を生み出すように構成される直交復調器に接続される。検出された応答は、次いで、フィルタリングされた応答を生成するべく検出された応答の高周波成分をフィルタリングで除去するように構成されるローパスフィルタ114に送られる。いくつかの実施形態では、周波数の変化が検出されると、当業者は位相の変化をすぐに導出することができる。
【0049】
次いで、フィルタリングされた応答及び振幅比較応答を、さらなる解析のために信号プロセッサに供給することができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、図4に関連してシステム400で説明されている「ダイレクト対デジタル」手法の下で電界の変化を解析することができる。電界生成器404の出力を、サンプル・ホールドデバイス406によりサンプリング及びホールドし、ADC410によりデジタル化することができる。次いで、ADC410のデジタル化された出力を、デジタル信号プロセッサ416により解析することができる。次いで、プロセス500はステップ508に進む。
【0051】
ステップ508で、目視検査のために電界を表示することができる。いくつかの実施形態では、電界の変化も表示及び記録することができる。いくつかの実施形態では、誘電率と共に変化する血管プロセス及び状態、呼吸プロセス及び状態、及び他の物体の材料特徴などの特定の物体の機能特徴を提供するべく電界の変化を抽出することができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、システム100又はシステム400は、プロセッサを含むことができ、該プロセッサは、1つ以上のコアを含むことができ、且つ、種々のアプリケーション及びモジュールを動作させるべく1つ以上のスレッドを適応させることができる。ソフトウェアは、コンピュータ命令又はコンピュータコードを実行することができるプロセッサ上で動作することができる。プロセッサは、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル・ロジック・アレイ(PLA)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、又は任意の他の集積回路を用いるハードウェアにおいても実装され得る。
【0053】
プロセッサは、非一時的なコンピュータ可読媒体、フラッシュメモリ、磁気ディスクドライブ、光学ドライブ、PROM、ROM、又は任意の他のメモリもしくはメモリの組み合わせとすることができる、メモリデバイスと結合することができる。
【0054】
プロセッサは、プロセッサに開示される主題において述べられる種々のステップを行わせるように構成されるメモリに格納されたモジュールを動作させるように構成することができる。
【0055】
以下の用途及び/又は方法は、開示される主題の適用の非制限的な例である。
【0056】
いくつかの実施形態では、センサでのアナログデータ削減の必要性を軽減するべくキャパシタの励起周波数の変化を遠隔的に感知することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、圧力「ドーナツ」を用いて物体領域を孤立させ、次いで、圧力を解放し、結果としての血流の戻りを監視することにより血圧を測定することができる。伝統的な手段は、動脈を閉じるべく肢を囲み、圧力が解放される際に動脈が開くときの圧力を監視することである。開示される本発明によれば、毛細血管(「ドーナツ」圧力領域内の)を閉じ、次いで、それらが再び開くときの圧力を監視することにより、血液を除く物体領域を判定することができる。この用途の簡易化は、病院/クリニックの待合室などの席にいる状況で適用することもできる。
【0058】
いくつかの実施形態では、結合された信号から呼吸信号を引いて心拍信号を残すことができるように、心拍及び呼吸の結合された時系列信号において繰返し生じるパターンを見つけ出すのに一次導関数を用いることができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、心拍信号を解析し、心臓のプロセスの特徴付けに関するイベントタイミング情報を抽出するのにエントロピー(H)の数学的概念を用いることができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、高度に可変の周波数成分をもつ複合時系列データを明確にするためにウェーブレット解析を用いることができる。それらの周波数が時間で変化する信号は、高速フーリエ変換(FFT)などの伝統的なデジタル技術を用いる効果的な解析に抵抗する。ウェーブレットは、第1の時系列内でテストパターン又は「ウェーブレット」が見出されるときの時間を示す第2の相関時系列を提供するべく時系列データのスライディングウィンドウに適用することができるショートパターン相関の概念を提供する。
【0061】
いくつかの実施形態では、相関関数におけるパワーレベルのピークサーチのために低分解能FFTを用いることができる。このFFTパワー解析は、次いで、相関カットオフレベルを設定し、したがって、FFTにより提供されるパワーレベルに基づいてより高い分解能に相関する周波数を判定するのに用いられる。FFTは、より強く相関する信号を残すことができるように、特定のパワーレベルを下回る相関を本質的にフィルタリングで除去する。これは、顕著に増加したFFTウィンドウ収集時間によりFFTの分解能を増加させる必要なしに、周波数において比較的近いがパワーにおいて広く分離される低周波信号を分離する試みにおいてパワーレベルを互いに対して効率よく「正規化する」方法を提供する。
【0062】
いくつかの実施形態では、フィルタが高いダイナミックレンジをもつセンサからの高度に可変の信号を正規化する目的で使用できる移動平均を維持する際に時系列において予想される次の値を関係づけるように、時系列データにより示される場合の誘電率の変化の影響を処理するのにカルマンフィルタを用いることができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、物体又は物質の温度の測定値は、前記物体又は物質の誘電率の測定により得ることができ、このような誘電率は、温度に相関し得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、物体、物質、及び/又は液体内の圧力の測定値は、前記物体、物質、及び/又は液体の誘電率の測定により得ることができ、このような誘電率は、圧力に相関し得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、リモートの非接触のバイオメトリックセンサを用いてモーション、心拍特徴、及び呼吸を解析することにより個人のストレスレベルを判定することができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、食品の品質を食品アイテムの測定された誘電率と相関させることにより食品加工及び処理動作での食品の品質を監視することができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、流体(例えば、塗料、血液、試薬、石油製品)の特徴(例えば、乱流、流れ、密度、温度)を流体の目標特徴と相関させることにより流体の特徴を監視することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、固体材料におけるキャビティ及び/又は不純物を見つけ出すことができる。このような用途は、複合材料の剥離、構成材の空隙、混入された汚染物質、及び/又は流体混合品質の検出などの領域で用いることができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、固形物内に封入された禁制品を見つけることができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、ベビーベッド、乳母車、及び/又は車のシートの中の幼児のライフサインを監視することができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、乗員の安全性の向上をもたらす、エアバッグを展開する、及び/又は乳児が放置されることを防ぐ目的で、自動車内にある存在及びライフサインを検出することができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、心拍の変動性を用いることにより運転手の意識を検出することができる。いくつかの実施形態では、頭を縦に振ることによる署名モーションなどのジェスチャである。
【0073】
いくつかの実施形態では、無許可の場所でのライフサイン(例えば、密輸及び/又は不法取引)を発見することができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、厚さの変動、混合不足、及び/又は不純物の混入を検出することによりガラス製造の品質を評価することができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、地下/表面下のテクスチャ及びインフラストラクチャ(パイプなど)の性質を評価することができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される外部センサデバイスは、センサの「融合」を用いて強化されたセンサアプリケーションを提供するべく他のセンサ(例えば、カメラ、反響定位、圧力/質量/加速度計)と組み合わせることができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、特定の体の状態を検出することができる。体の状態は、心肺機能、肺水分レベル、血液の流れ及び機能、大腸及び小腸の状態及びプロセス、膀胱の状態(満/空)及びプロセス(溜まる/空く速度)、浮腫及び関係する流体の状態、骨密度測定、及び任意の他の適切な状態又は状態の組み合わせに関係する体の状態を含む。
【0078】
開示される主題は、その適用において、以下の説明に記載された又は図面に示されたコンポーネントの構築の詳細に及び配列に限定されないと理解されるべきである。開示される主題は、他の実施形態が可能であり、種々の方法で実施及び実行することが可能である。また、本明細書で採用される専門語及び用語は、説明するためのものであって、限定するものとしてみなされるべきではないと理解されるべきである。
【0079】
したがって、この開示が基づく概念は、開示される主題のいくつかの目的を実行するための他の構造、システム、方法、及びメディアの設計のための基礎として容易に用いられ得ることが当業者には分かるであろう。
【0080】
開示される主題が上記の例示的な実施形態で説明及び例示されているが、本開示は、単なる例としてなされていることと、開示される主題の精神及び範囲から逸脱することなく開示される主題の実装の詳細に多くの変化が加えられ得ることが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7