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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】電極保持具及びインピーダンス測定装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/254 20210101AFI20240409BHJP
   A61B 5/25 20210101ALI20240409BHJP
   A61B 5/053 20210101ALI20240409BHJP
【FI】
A61B5/254
A61B5/25
A61B5/053
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019068642
(22)【出願日】2019-03-29
(65)【公開番号】P2020163012
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2022-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000133179
【氏名又は名称】株式会社タニタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 朋香
(72)【発明者】
【氏名】上原 克文
(72)【発明者】
【氏名】澤田 康
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-069225(JP,A)
【文献】特開平08-159112(JP,A)
【文献】特開2016-159462(JP,A)
【文献】特開2008-168075(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/05-5/0538
A61B 5/24-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の対象部位に接触する生体用の電極を保持する電極保持具であって、
第1回転支点部を中心として相対回転することで開閉され前記電極を前記対象部位に接触させる第1アーム部及び第2アーム部と、
前記第1回転支点部を中心とした前記第1アーム部と前記第2アーム部との相対回転に伴って伸縮し、前記第1アーム部と前記第2アーム部とが閉じられる方向に付勢力を発揮する付勢部材と、
前記第1回転支点部を介して前記第1アーム部と相対回転可能に連結されると共に、第2回転支点部を介して前記第2アーム部と相対回転可能に連結される連結部材と、を備え、
前記第1アーム部は、前記第2回転支点部を中心として前記連結部材が前記第2アーム部に対して相対回転することで、前記付勢部材を伸縮するように前記第2アーム部に対して前記第1回転支点部と共に相対移動可能に構成される、
ことを特徴とする電極保持具。
【請求項2】
請求項1に記載の電極保持具であって、
記第2アーム部と前記連結部材とを解除可能に係合させる係合部をさらに備え、
前記第1アーム部は、前記対象部位を挟持するための第1爪部を有し、
前記第2アーム部は、前記第1アーム部と共に前記対象部位を挟持するための第2爪部を有し、
前記第1アーム部は、前記第2回転支点部を中心として前記連結部材が前記第2アーム部に対して相対回転することで、前記第1爪部と前記第2爪部とが近接及び離間するように前記第2アーム部に対して相対移動可能に構成され、
前記第2回転支点部を中心とした前記連結部材の回転による、前記第1爪部と前記第2爪部とが近接する方向への前記第2アーム部に対する前記第1アーム部の相対移動は、前記係合部によって前記第2アーム部と前記連結部材とが係合した状態では規制され、前記係合部による前記第2アーム部と前記連結部材との係合が解除された状態では許容される、
ことを特徴とする電極保持具。
【請求項3】
請求項2に記載の電極保持具であって、
前記係合部は、前記第2アーム部と前記連結部材とを係合した状態において、前記第2回転支点部を中心とした前記連結部材の回転のうち、前記第1爪部と前記第2爪部とが近接する方向へ前記第2アーム部に対して前記第1アーム部を相対移動させるような回転のみを規制するラチェット機構を有する、
ことを特徴とする電極保持具。
【請求項4】
請求項3に記載の電極保持具であって、
前記第2回転支点部を中心とした前記連結部材の回転による前記第2アーム部に対する前記第1アーム部の相対移動に伴う前記付勢部材の伸縮量は、前記第1回転支点部を中心とした前記第2アーム部に対する前記第1アーム部の相対回転に伴う前記付勢部材の伸縮量よりも小さい、
ことを特徴とする電極保持具。
【請求項5】
身体の対象部位に接触する生体用の電極を保持する電極保持具であって、
第1回転支点部を中心として相対回転することで開閉され前記電極を前記対象部位に接触させる第1アーム部及び第2アーム部と、
前記第1回転支点部を中心とした前記第1アーム部と前記第2アーム部との相対回転に伴って伸縮し、前記第1アーム部と前記第2アーム部とが閉じられる方向に付勢力を発揮する付勢部材と、を備え、
前記第2アーム部には、前記第1回転支点部が挿入される長穴状の挿入孔が形成され、
前記第1アーム部は、前記付勢部材を伸縮するように前記第2アーム部に対して前記第1回転支点部と共に相対移動可能に構成される、
ことを特徴とする電極保持具。
【請求項6】
対象部位に接触する一対の電流電極と、
前記一対の電流電極に対して交流電流を印加する電流印加部と、
前記一対の電流電極によって形成される電流経路における電圧を測定するための一対の電圧電極と、
前記一対の電圧電極間における電圧降下に基づいてインピーダンスを算出する算出部と、を備え、
前記一対の電流電極及び前記一対の電圧電極のうち少なくとも一つは、請求項1から5のいずれか一つに記載の電極保持具によって保持される、
ことを特徴とするインピーダンス測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極保持具及びインピーダンス測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電極用クリップであって、支軸を介して相互に回動可能に連結され、支軸より先端側にそれぞれ対向面側が凹状に湾曲した挟持部を有する1対の挟持板と、挟持部に当接して該挟持部を近接する方向に押圧付勢するばねと、を備え、ばねの一端を一方の挟持部に固定し、他端を他方の挟持部の外側の面に摺動可能に当接させたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平6-68723号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の電極用クリップは、クリップを開くのに従って、挟持部の外側の面に摺動可能に当接するばねの一端を挟持部の面に沿って移動するように構成することで、ばねの力の一定化を図っている。
【0005】
しかしながら、この電極用クリップでは、ばね力をある程度一定化することはできるものの、クリップが開くのに伴いばねの一端が挟持部の面に沿って移動する構成であるため、ばね力の大きさを調整することは困難である。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、身体の測定対象部位への接触圧を調整可能な電極保持具及びこれを備えるインピーダンス測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様によれば、電極保持具は、第1回転支点部を中心として相対回転することで開閉され電極を対象部位に接触させる第1アーム部及び第2アーム部と、第1回転支点部を中心とした第1アーム部と第2アーム部との相対回転に伴って伸縮し、第1アーム部と第2アーム部とが閉じられる方向に付勢力を発揮する付勢部材と、を備え、第1アーム部は、付勢部材を伸縮するように第2アーム部に対して第1回転支点部と共に相対移動可能に構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この態様によれば、第1アーム部が、第2アーム部に対して第1回転支点部と共に相対移動可能に構成される。このため、第1アーム部と共に第1回転支点部を移動させることで、付勢部材が伸縮し、対象部位への電極の接触圧を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係るインピーダンス測定装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、第1実施形態に係る電極ユニットを示す斜視図である。
図3図3は、第1実施形態に係る電極ユニットを示す分解斜視図である。
図4図4は、第1実施形態に係る電極保持具の第1アーム部を示す側面図である。
図5図5は、第1実施形態に係る電極保持具の第2アーム部を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)とは異なる角度から見た斜視図である。
図6図6は、第1実施形態に係る電極保持具の連結部材を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)とは異なる角度から見た斜視図である。
図7図7は、第1実施形態に係る電極保持具の断面図である。
図8図8は、第1実施形態に係る電極保持具の断面図であり、対象部位を第1アーム部及び第2アーム部によって挟持する作動を説明するための図である。
図9図9は、第1実施形態に係る電極保持具の断面図であり、対象部位への電極の接触圧を調整する作動を説明するための図である。
図10図10は、第2実施形態に係るインピーダンス測定装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図11図11は、第2実施形態に係る電極ユニットを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る電極保持具100及びこれを備えるインピーダンス測定装置101について説明する。
【0011】
まず、図1を参照して、インピーダンス測定装置101の全体構成について説明する。
【0012】
インピーダンス測定装置101は、利用者の体脂肪を測定する体組成計又は腹部脂肪計等、利用者の身体情報を測定する生体データ測定装置に利用される。すなわち、生体データ測定装置が体組成を算出するものである場合、生体データ測定装置は、本実施形態のインピーダンス測定装置101から入力される生体インピーダンスと、図示されていない測定装置から入力される利用者の体重、身長等の身体情報とを用いて、利用者の体組成を算出する。また、生体データ測定装置は、本実施形態のインピーダンス測定装置101および他の測定装置と直接接続されていることは必須ではない。例えば、生体データ測定装置は、本実施形態のインピーダンス測定装置101および他の測定装置が取得する生体インピーダンスと身体情報とを格納する記憶装置から、生体インピーダンスおよび身体情報を取得して、体組成を算出してもよい。さらに、本実施形態のインピーダンス測定装置101自体が利用者の体重、身長等を入力する手段を備えることによって、インピーダンス測定装置101自体が利用者の体組成を算出する生体データ測定装置として機能してもよい。
【0013】
インピーダンス測定装置101は、利用者の身体の一部に装着される一対の電極ユニット101a,101bと、生体インピーダンスを計測するための計測ユニット3と、を備える。
【0014】
一対の電極ユニット101a,101bは、手首又は足首など利用者の身体の一部(対象部位T、図8図9参照)に接触するように装着される。例えば、一方の電極ユニット101aは、利用者の左手首に装着され、他方の電極ユニット101bは、利用者の右手首に装着される。
【0015】
一対の電極ユニット101a,101bは、利用者に装着された状態で手に電流を流すとともに電圧を検出することによって利用者の生体インピーダンスを測定するように構成される。
【0016】
一方の電極ユニット101aは、通電用電極である電流電極1aと、電圧測定用電極である電圧電極2aと、電流電極1a及び電圧電極2aを保持する電極保持具100と、を備える。同様に、他方の電極ユニット101bは、通電用電極である電流電極1bと、電圧測定用電極である電圧電極2bと、電流電極1b及び電圧電極2bを保持する電極保持具100と、を備える。
【0017】
このように、インピーダンス測定装置101は、一対の電極ユニット101a,101bが備える計四つの電極を用いて利用者の生体インピーダンスを測定する四電極タイプの体組成計に適用される。電極ユニット101a,101bの具体的構成については、後に詳細に説明する。
【0018】
計測ユニット3は、測定データを伝達可能なケーブル(図示省略)を介して一対の電極ユニット101a,101bに接続される。
【0019】
計測ユニット3は、一対の電極ユニット101a,101bにおける各電極に電気的に接続される計測部4と、計測部4からの信号に基づき生体インピーダンスを算出する算出部7と、を有する。
【0020】
計測部4は、一対の電流電極1a,1bと電気的に接続され一対の電流電極1a,1bに対して交流電流を印加する電流印加部5と、一対の電圧電極2a,2bと電気的に接続される電圧測定部6と、を有する。
【0021】
電流印加部5は、一対の電流電極1a,1bに対して交流電流を印加することにより、利用者の身体のうち一対の電流電極1a,1b間に形成される電流経路に交流電流を印加する。電流印加部5によって一対の電流電極1a,1bに印加される電流値は、算出部7に出力される。
【0022】
電圧測定部6は、電流経路に生じる電圧を一対の電圧電極2a,2bを介して測定する。電圧測定部6の測定結果は、算出部7に出力される。
【0023】
算出部7は、計測部4によって測定された一対の電圧電極2a,2bの電圧から電流経路における電圧降下を算出し、当該電圧降下と電流印加部5によって印加される電流値とに基づいてインピーダンスを算出する。インピーダンスを算出する方法としては、いわゆるBIA(Bioelectrical impedance analysis;生体電気インピーダンス法)を用いればよく、公知の体組成計と同様で構わない。よって、インピーダンスを算出する方法の詳細な説明は、省略する。
【0024】
次に、図2~9を参照して、電極ユニット101a,101bにおける電極保持具100の具体的構成について説明する。以下では、説明の便宜上、図2に示すように、互いに直交するX,Y及びZの三軸を設定し、電極保持具100の構成について説明する。また、図2に示すように、X軸に沿った方向の一方を「左」、他方を「右」とし、X軸方向に沿った方向を「左右方向」とも称する。また、Y軸に沿った方向の一方を「前」、他方を「後」とし、Y軸方向を「前後方向」とも称する。また、Z軸に沿った方向の一方を「上」、他方を「下」とし、Z軸方向を「上下方向」とも称する。
【0025】
また、一対の電極ユニット101a,101bにおける電極保持具100は、互いに同様の構成を有する。よって、以下では、一方の電極ユニット101aにおける電極保持具100の構成を具体的に説明し、他方の電極ユニット101bにおける電極保持具100の構成については、図示及び詳細な説明を省略する。
【0026】
電極保持具100は、開閉可能に構成される一対のアーム部(第1アーム部10及び第2アーム部20)によって利用者の身体の対象部位T(図8図9参照)を挟持して、一対のアーム部(第1アーム部10及び第2アーム部20)に取り付けられる電流電極1a及び電圧電極2aを対象部位Tに接触させる。一対のアーム部(第1アーム部10及び第2アーム部20)は、上下方向に開閉される。
【0027】
電極保持具100は、図2及び図3に示すように、互いに相対回転することで開閉される第1アーム部10及び第2アーム部20と、第1アーム部10と相対回転可能に連結されると共に第2アーム部20と相対回転可能に連結される連結部材30と、第2アーム部20と連結部材30とを解除可能に係合させる係合部40と、第1アーム部10と第2アーム部20とが閉じられる方向に付勢力を発揮する付勢部材としてのコイルスプリング50(以下、単に「スプリング50」と称する。)と、を備える。
【0028】
また、電極保持具100は、第1アーム部10と連結部材30との回転支点である第1回転支点部としての支軸60と、それぞれスプリング50の両端が取り付けられる第1ばね軸61及び第2ばね軸62と、を備える。
【0029】
第1アーム部10、第2アーム部20、及び連結部材30は、それぞれ樹脂製である。また、第1アーム部10、第2アーム部20、及び連結部材30は、それぞれ左右方向に対称構造を有する。つまり、第1アーム部10、第2アーム部20、及び連結部材30は、X軸に垂直な平面(Y軸及びZ軸により形成される平面)であってそれぞれの左右方向の中央に位置する平面に対して、対称に形成される。
【0030】
第1アーム部10は、図2及び図4に示すように、電流電極1aが取り付けられる第1爪部11と、第1爪部11に接続され前後方向に延びる第1ベース部13と、を有する。
【0031】
第1爪部11は、後述する第2アーム部20の第2爪部21に対向する、円弧状に湾曲した第1対向面11aを有する。第1対向面11aは、第2アーム部20に対して凹となる円弧状に形成される。第1爪部11の第1対向面11aには、当該第1対向面11aに対応するように湾曲して形成された電流電極1aが取り付けられる(図2及び図3参照)。電流電極1aは、第1爪部11と略同一の幅(左右方向の長さ)に形成され、前後方向において第1対向面11aの略全体にわたって設けられる。
【0032】
第1ベース部13は、第1爪部11の後端側から略前後方向に延びる角棒状に形成される。第1ベース部13には、図4に示すように、支軸60(図2及び図3参照)が挿通される第1軸穴13aと、スプリング50の一端が取り付けられる第1ばね軸61(図2及び図3参照)が挿通される第1ばね軸穴13bと、が形成される。支軸60、第1軸穴13a、及び第1ばね軸穴13bは、それぞれ左右方向に沿って設けられる。前後方向における第1ばね軸穴13bの位置は、第1軸穴13aに対して第1爪部11に向けて前方向(図4における左方向)に所定距離だけ離間する。第1軸穴13a及び第1ばね軸穴13bは、それぞれ第1ベース部13を貫通し、第1ベース部13の側面(左右方向に垂直な面)に開口する。
【0033】
第2アーム部20は、図2及び図5に示すように、電圧電極2aが取り付けられる第2爪部21と、第1アーム部10及び連結部材30が取り付けられる第2ベース部23と、を有する。
【0034】
第2アーム部20の第2爪部21は、第1アーム部10の第1爪部11と略同一の幅(左右方向の長さ)に形成される。第2アーム部20の第2爪部21は、第1爪部11の第1対向面11aに対向する第2対向面21aを有する。第2対向面21aは、第1対向面11aと対称となるような円弧状であって、第1対向面11aに対して凹となるように窪む円弧状に形成される。第1爪部11の第1対向面11aと第2爪部21の第2対向面21aとにより、対象部位Tが挿入される略円形の空間が形成される。第2対向面21aは、第1対向面11aと同一の曲率、幅、弧長に形成される。第2対向面21aには、当該第2対向面21aに対応するように湾曲して形成された電圧電極2aが取り付けられる。電圧電極2aは、第2爪部21と略同一の幅に形成され、前後方向において第2対向面21aの略全体にわたって設けられる。
【0035】
第2ベース部23は、左右方向に離間して互いに平行に設けられる一対の平板部24a,24bと、一対の平板部24a,24bを接続する接続部25と、を有する。一対の平板部24a,24b及び接続部25によって、第1アーム部10の第1支持部及び連結部材30が挿入される挿入空間S1が形成される。
【0036】
一対の平板部24a,24bには、スプリング50の他端が取り付けられる第2ばね軸62が挿通される第2ばね軸穴26a,26bと、後述する第2回転支点部としての連結部材30の突起軸36a,36bが挿入される第2軸穴27a,27bと、が形成される。第2ばね軸穴26a,26b及び第2軸穴27a,27bは、左右方向に沿って設けられる。第2ばね軸穴26a,26bは、それぞれ平板部24a,24bを左右方向(平板部24a,24bの厚さ方向)に貫通し、互いに同軸的に設けられる。第2ばね軸穴26a,26bは、第1アーム部10における第1軸穴13aよりも下方に設けられる(図2参照)。第2軸穴27a,27bは、それぞれ平板部24a,24bを左右方向に貫通し、互いに同軸的に設けられる。
【0037】
接続部25は、一対の平板部24a,24bの上部を互いに接続する。接続部25は、平板部24a,24bから第2爪部21とは反対側に向けて後方に突出するように延びる延長部26を有する。接続部25には、挿入空間S1に開口し第1アーム部10の第1ベース部13が挿入されるスリット25aが形成される。接続部25にスリット25aが形成されることで、支軸60を中心とした第1アーム部10の回転が許容され、支軸60を中心として回転した第1アーム部10と第2アーム部20の接続部25との干渉(接触)が回避される。
【0038】
連結部材30は、図2及び図6に示すように、左右方向に離間して互いに平行に設けられる一対の側板部31a,31bと、一対の側板部31a,31bの後端部どうしを接続する基端部32と、基端部32から後方に向けて延びるハンドル部34と、を有する。
【0039】
一対の側板部31a,31bの間には、第1アーム部10の第1ベース部13を収容する収容空間S2が形成される。一対の側板部31a,31bには、それぞれ支軸60(図2及び図3参照)が挿通される第3軸穴35a,35bが形成される。第3軸穴35a,35bは、左右方向に沿って設けられる。第3軸穴35a,35bは、側板部31a,31bを左右方向に貫通し、互いに同軸的に形成される。第1アーム部10と連結部材30とは、第1アーム部10の第1軸穴13aと連結部材30の一対の第3軸穴35a,35bとを挿通する支軸60によって、支軸60を中心として相対回転可能に連結される。
【0040】
また、一対の側板部31a,31bは、第2アーム部20における一対の平板部24a,24b間に位置するように、挿入空間S1(図4参照)に挿入される。一対の側板部31a,31bには、第2アーム部20の一対の平板部24a,24bに形成される第2軸穴27a,27bに挿入される一対の突起軸36a,36bが形成される(図2及び図3参照)。
【0041】
一対の突起軸36a,36bは、図2に示すように、側板部31a,31bを接続する基端部32よりも、前方の位置に設けられる。一対の突起軸36a,36bは、互いに同軸的に形成され、一対の側板部31a,31bから第2アーム部20における一対の平板部24a,24bに形成された第2軸穴27a,27bに向けて左右方向に突出する。第2アーム部20と連結部材30とは、第2アーム部20の第2軸穴27a,27bに挿入される突起軸36a,36bによって、突起軸36a,36bを中心として相対回転可能に連結される。第2アーム部20の側板部31a,31bにおける突起軸36a,36bが、第2回転支点部に相当する。
【0042】
このように、第1アーム部10と第2アーム部20とのそれぞれに相対回転可能に連結される連結部材30により、第1アーム部10と第2アーム部20とが接続される。このため、第1アーム部10は、第2アーム部20に対して支軸60を中心として相対回転可能であると共に、第2アーム部20に対して突起軸36a,36bを中心として連結部材30と共に相対回転可能である。言い換えれば、連結部材30が突起軸36a,36bを中心として第2アーム部20に対して相対回転することで、第1アーム部10は、第2アーム部20に対して上下方向に、より具体的には、第1爪部11と第2爪部21とが互いに近接及び離間するように、相対移動可能である。
【0043】
第1アーム部10が第2アーム部20に対して上下方向に相対移動することにより、第1アーム部10に取り付けられる支軸60も、第2アーム部20に対して上下方向に相対移動する。また、第1アーム部10が第2アーム部20に対して上下方向に相対移動することにより、第1アーム部10に取り付けられる第1ばね軸61と第2アーム部20に取り付けられる第2ばね軸62とが、互いに近接及び離間する。よって、第1アーム部10と第2アーム部20とを上下方向に相対移動させることによって、第1ばね軸61及び第2ばね軸62の間隔を変更して第1ばね軸61及び第2ばね軸62に両端が取り付けられるスプリング50を伸縮させることができる。このように、第1アーム部10は、スプリング50が伸縮するように第2アーム部20に対して支軸60と共に相対移動可能である。
【0044】
係合部40は、図2,5,6に示すように、突起軸36a,36bを中心とした第2アーム部20に対する連結部材30の相対回転のうち一方向への回転を許容し、その反対方向への回転を規制するラチェット機構41と、ラチェット機構41による第2アーム部20と連結部材30との係合を解除するための解除部45と、を有する。
【0045】
ラチェット機構41は、第2アーム部20に設けられるラチェット歯42a,42b(図5参照)と、連結部材30に設けられラチェット歯42a,42bに係止される係止爪43a,43b(図6参照)と、によって構成される。ラチェット歯42a,42bと係止爪43a,43bとが噛み合う(係止する)ことで、第2アーム部20と連結部材30とが係合される。
【0046】
ラチェット歯42a,42bは、図5に示すように、第2アーム部20の平板部24a,24bにおける後端部に複数設けられる。複数のラチェット歯42a,42bは、上下方向、かつ、前後方向に向けて(言い換えれば、X軸に垂直なYZ平面上で)円弧状に並んで配置される。左右のラチェット歯42a,42bは、互いに同一形状であり、第2アーム部20と一体に形成される。
【0047】
解除部45は、図6に示すように、一対の側板部31a,31bにそれぞれ接続される一対の脚部46a,46bと、一対の脚部46a,46bにそれぞれ設けられ利用者によって押圧可能なレバー部47a,47bと、を有する。
【0048】
一対の脚部46a,46bの一端は、それぞれ側板部31a,31bに接続され、他端は、それぞれレバー部47a,47bに接続される。脚部46a,46bと側板部31a,31bとの間には、それぞれ側板部31a,31bに対する脚部46a,46bの左右方向への移動を許容するように隙間が形成される。
【0049】
レバー部47a,47bは、所定の距離を空けて左右方向に互いに略平行に並んで設けられる。レバー部47a,47bは、第2アーム部20の一対の平板部24a,24bに形成されたラチェット歯42a,42b(図2及び図5参照)と前後方向に対向し、ラチェット歯42a,42bに対向する部分に、複数の係止爪43a,43bが形成される。一対の脚部46a,46b、一対のレバー部47a,47b、及び係止爪43a,43bは、連結部材30と一体に形成される。
【0050】
図2に示すように、第2アーム部20の延長部26と連結部材30のハンドル部34とが互いに近づくように押圧されると、ラチェット歯42a,42bと係止爪43a,43bとは係止されずに空転する。よって、係止爪43a,43bがラチェット歯42a,42bを乗り越えながら、ハンドル部34がラチェット歯42a,42bに沿って移動する。これにより、連結部材30が突起軸36a,36bを中心として第2アーム部20に対して相対回転する。このように、ラチェット機構41は、延長部26とハンドル部34とが近づくような方向への突起軸36a,36bを中心とした第2アーム部20に対する連結部材30の相対回転を許容する。
【0051】
一方、第2アーム部20の延長部26と連結部材30のハンドル部34とが互いに離れるように押圧されると、係止爪43a,43bは、ラチェット歯42a,42bを乗り越えることができず、ラチェット歯42a,42bに係止される。よって、延長部26とハンドル部34とが互いに離れるように押圧されても、連結部材30は、第2アーム部20に対して突起軸36a,36bを中心として相対回転しない。このように、ラチェット機構41は、延長部26とハンドル部34とが離れるような方向への突起軸36a,36bを中心とした第2アーム部20に対する連結部材30の相対回転を規制する。
【0052】
以上のように、ラチェット機構41は、突起軸36a,36bを中心とした第2アーム部20に対する連結部材30の一方向への相対回転は許容し、その反対方向への相対回転は規制する。より具体的には、ラチェット機構41は、第2アーム部20と連結部材30とを係合した状態において、突起軸36a,36bを中心とした連結部材30の回転のうち、第1爪部11と第2爪部21とが近接する方向へ第2アーム部20に対して第1アーム部10を相対移動させるような回転のみを規制する。
【0053】
また、解除部45では、一対のレバー部47a,47bが互いに近接するように左右方向に押圧されると、側板部31a,31bに対する脚部46a,46bの接続部分を支点として、レバー部47a,47bが撓むように弾性変形する。これにより、係止爪43a,43bは、左右方向に移動して、ラチェット歯42a,42bとの噛み合いが解除される。よって、この状態では、突起軸36a,36bを中心とした第2アーム部20に対する連結部材30の相対回転は、両方向とも許容される。レバー部47a,47bへの押圧が解放されると、レバー部47a,47bは、自身の弾性により、互いに離間する。よって、係止爪43a,43bは、再びラチェット歯42a,42bに噛み合う。このように、解除部45は、レバー部47a,47bが左右方向に押圧されることで、ラチェット機構41によるラチェット歯42a,42bと係止爪43a,43bとの噛み合い、さらに言えば、係合部40による第2アーム部20と連結部材30との係合を解除するように構成される。
【0054】
次に、図7図9を参照して、対象部位Tへの電極ユニット101aの装着方法及び取り外し方法の一例を説明する。図7図9は、電極ユニット101aの左右方向の中央においてX軸に垂直な平面に沿った断面図である。なお、図7図9では、連結部材30に形成される突起軸36a,36bを二点鎖線によって模式的に示す。また、図8における破線は、図7における第1アーム部10及び連結部材30を示すものであり、図9における破線は、図8における第1アーム部10及び連結部材30を示すものである。また、図7図9では、スプリング50は、簡略化して図示している。
【0055】
図7は、身体の対象部位Tへの電極ユニット101aの装着前の状態を示すものである。対象部位Tへの電極ユニット101aの装着前の状態では、スプリング50の付勢力によって第1アーム部10の第1ベース部13が第2アーム部20のスリット25aの内壁に押し当てられた状態となる。
【0056】
電極ユニット101aを装着するには、まず、レバー部47a,47bを互いに近接するように押圧して、ラチェット機構41による第2アーム部20と連結部材30との係合を解除する。この状態で、図8中矢印Aで示すように、連結部材30のハンドル部34と第2アーム部20の延長部26とが互いに離間するように、突起軸36a,36bを支点として連結部材30を第2アーム部20に対して相対回転させる。このように連結部材30が回転すると、第1アーム部10は、図8中矢印Bで示すように、第1ベース部13と第2アーム部20のスリット25aとの接触点P1を支点として回転し、第1爪部11が第2アーム部20の第2爪部21から上方向に向けて離間する。このようにして第1アーム部10の第1爪部11と第2アーム部20の第2爪部21との間隔を対象部位Tの大きさ程度にまで広げたところで、レバー部47a,47bの押圧を解除して第2アーム部20と連結部材30とを係合させる。その後、第1爪部11と第2爪部21との間に対象部位Tを挿入する。
【0057】
ここで、電極保持具100では、上述のように第1爪部11が第2爪部21から上方向に向けて離間するように第1アーム部10を回転させて第1爪部11と第2爪部21との間隔を広げる際、スプリング50がほとんど伸長しないように構成される。
【0058】
具体的に説明すると、第1アーム部10は、支軸60を中心として回転が可能であると共に、連結部材30が突起軸36a,36bを中心として回転することに伴い、第2アーム部20のスリット25aの内壁との接触点P1を中心としても回転可能である。このような第1アーム部10の回転に伴って、スプリング50の一端が取り付けられる第1ばね軸61も、支軸60を中心として回転すると共に、接触点P1を中心として回転する。
【0059】
図8に示すように、第1アーム部10の第1ベース部13と第2アーム部20のスリット25aの内壁とが接触点P1において接触する状態において、スプリング50の一端が取り付けられる第1ばね軸61の中心軸と接触点P1との距離は、第1アーム部10の回転支点となる支軸60と第1ばね軸61との中心間距離よりも小さい。つまり、接触点P1を中心とする第1ばね軸61の回転半径は、支軸60を中心とする第1ばね軸61の回転半径よりも小さい。したがって、第1アーム部10の単位回転角当たりのスプリング50の伸縮量(言い換えれば、第1ばね軸61の移動量)は、接触点P1を中心として第1アーム部10を回転させる場合の方が、支軸60を中心として第1アーム部10を回転させる場合よりも小さい。言い換えれば、第1爪部11と第2爪部21との間隔の変化の単位長さ当たりのスプリング50の伸縮量は、接触点P1を中心として第1アーム部10を回転させる場合の方が、支軸60を中心として第1アーム部10を回転させる場合よりも小さい。このため、突起軸36a,36bを中心として連結部材30を回転させることで接触点P1を中心として第1アーム部10を回転させ、第1アーム部10の第1爪部11と第2アーム部20の第2爪部21との間隔を広げたとしても、支軸60を中心として第1アーム部10を回転させることで第1爪部11と第2爪部21との間隔を広げる場合と比較して、スプリング50の伸縮量の変化を抑制することができる。これにより、対象部位Tと電流電極1a及び電圧電極2aとを接触させた初期の状態(後述する接触圧の調整前の状態)における接触圧を、対象部位Tの大きさに関わらず、比較的低くすることができる。
【0060】
なお、対象部位Tを挿入する際の第1アーム部10の第1爪部11と第2アーム部20の第2爪部21との間隔は、対象部位Tの大きさに応じて適切に調整すればよい。連結部材30のハンドル部34が第2アーム部20の延長部26から最も離間する位置となるまで連結部材30を回転させる必要はない。第1爪部11と第2爪部21との間隔は、対象部位Tの大きさよりもわずかに広くてもよいし、わずかに狭くてもよい。第1爪部11と第2爪部21との間隔が対象部位Tの大きさよりもわずかに広い場合には、対象部位Tと第1爪部11に取り付けられる電流電極1a及び第2爪部21に取り付けられる電圧電極2aとの間にはわずかな隙間が生じる。第1爪部11と第2爪部21との間隔が対象部位Tの大きさよりもわずかに狭い場合には、スプリング50が自然長からわずかに伸長した状態となるため、対象部位Tは、第1爪部11及び第2爪部21によって挟持され、比較的低い接触圧によって電流電極1a及び電圧電極2aと接触する。
【0061】
次に、対象部位Tへの接触圧を調整する。具体的には、連結部材30のハンドル部34と第2アーム部20の延長部26とを互いに近づける方向に押圧する。これにより、ハンドル部34は、図9中矢印Cで示すように、ラチェット歯42a,42bに沿って上方へ移動し、連結部材30は、突起軸36a,36bを中心として第2アーム部20に対して相対回転する。連結部材30がこのように回転する過程において、対象部位Tと電流電極1a及び電圧電極2aとの間に隙間が生じていた場合には、対象部位Tが電流電極1a及び電圧電極2aの両方と接触する。電流電極1aが対象部位Tに接触した状態で第2アーム部20に対して連結部材30が上昇方向へ相対回転すると、図9中矢印Dで示すように、支軸60が取り付けられる第1ベース部13の後端が、電流電極1aと対象部位Tとの接触点P2を支点として支軸60と共に持ち上げられて、上方へ向けて移動する。これに伴って、スプリング50の一端が取り付けられた第1アーム部10の第1ばね軸61も、図9中矢印Eで示すように、上方へ持ち上げられて第2アーム部20に対して相対移動する。これにより、第1ばね軸61と第2ばね軸62との距離が離れるため、スプリング50が伸長する。従って、スプリング50が発揮する付勢力が大きくなり、対象部位Tへの電流電極1a及び電圧電極2aの接触圧も大きくなる。
【0062】
所定の接触圧となるまで第2アーム部20に対して連結部材30を相対回転させたところで、電極ユニット101aの装着が完了する。
【0063】
ここで、本実施形態では、上述のように、突起軸36a,36bを中心として連結部材30を回転させることで接触点P1を中心として第1アーム部10を回転させ、第1アーム部10の第1爪部11と第2アーム部20の第2爪部21との間隔を広げて、第1爪部11と第2爪部21との間に対象部位Tを挿入する。これにより、対象部位Tの大きさに関わらず、対象部位Tと電流電極1a及び電圧電極2aとを接触させた初期の状態における接触圧を比較的低くすることができる。
【0064】
一方、対象部位と電流電極及び電圧電極とを接触させた初期の状態における接触圧が、対象部位の大きさに応じて大きく異なるような場合では、所望の接触圧とするためには、初期の接触状態から接触圧を増加させるか、又は、低下させるかが対象部位の大きさに応じて異なる。つまり、このような場合では、対象部位の大きさ(接触初期の接触圧の大きさ)に応じて、電極ユニットを装着する際の手順が異なり、電極ユニットの装着作業が煩雑になる。
【0065】
これに対し、本実施形態では、対象部位Tの大きさに関わらず、比較的低い接触圧から接触圧を単調に増加させるようにして接触圧を調整できる。このため、対象部位Tの大きさが異なる場合であっても、突起軸36a,36bを中心とした連結部材30の上方向への回転量を変えることで、所望の接触圧とすることができる。したがって、本実施形態では、対象部位Tの大きさに関わらず、電極ユニット101aの装着方法を共通とすることができ、対象部位Tに対する電極ユニット101aの装着を容易に行うことができると共に、接触圧を適切な大きさに容易に調整することができる。
【0066】
電極ユニット101aを取り外す際は、まず、レバー部47a,47bを互いに近接するように押圧して、ラチェット機構41(図2参照)による第2アーム部20と連結部材30との係合(具体的にはラチェット歯42a,42bと係止爪43a,43bとの噛み合い)を解除する。これにより、連結部材30は、ハンドル部34が第2アーム部20の延長部26から離れる方向に、突起軸36a,36bを中心として第2アーム部20に対して相対回転が可能となる。突起軸36a,36bを中心として連結部材30を下方へ向けて回転させることで、第1アーム部10の第1ばね軸61が下方へ移動し、これに伴いスプリング50が収縮する。これにより、対象部位Tへの電流電極1a及び電圧電極2aの接触圧が低下する。その後、ハンドル部34の押圧を開放し、ラチェット機構41によって第2アーム部20と連結部材30とを再び係合させる。
【0067】
連結部材30を下方に向けて回転させることで、第1アーム部10の第1ベース部13が第2アーム部20のスリット25aと接触点P1において再び接触する(図8参照)。さらに連結部材30を下方に向けて回転させることで、接触点P1を支点として第1アーム部10が回転し、第1爪部11が第2アーム部20の第2爪部21から上方向に向けて再び離間する。これにより、第1アーム部10の第1爪部11と第2アーム部20の第2爪部21との間隔が広がり、対象部位Tから電極ユニット101aを取り外すことができる。
【0068】
このようにして、対象部位Tへの電極ユニット101aの装着と取り外しとが行われる。
【0069】
以上のように、電極保持具100では、第1アーム部10と第2アーム部20によって対象部位Tを挟持した状態で、スプリング50が伸長するように、連結部材30を第2アーム部20に対して回転させることで、対象部位Tに対する電流電極1a及び電圧電極2aの接触圧を調整することができる。よって、対象部位Tの大きさ(例えば手首の太さ)が異なる場合であっても、対象部位Tと電流電極1a及び電圧電極2aとが接触した状態からの第2アーム部20に対する連結部材30の回転量(回転角度)が同一であれば、同一の接触圧とすることができる。別の観点からいえば、対象部位Tと電流電極1a及び電圧電極2aとが接触した状態からの第2アーム部20に対する連結部材30の回転量に応じて任意の接触圧とすることができるため、例えば対象部位Tの種類に応じて、電流電極1a及び電圧電極2aの接触圧を異ならせることもできる。したがって、電極保持具100では、対象部位Tに対する電流電極1a及び電圧電極2aの接触圧の大きさを容易に調整することができると共に、対象部位Tの大きさが異なる場合であっても接触圧を容易に一定に調整することができる。
【0070】
次に、本実施形態における作用効果について説明する。
【0071】
本実施形態によれば、対象部位Tに接触する生体用の電極(電流電極1a,電圧電極2a)を保持する電極保持具100は、第1回転支点部(支軸60)を中心として相対回転することで開閉され電極(電流電極1a,電圧電極2a)を対象部位Tに接触させる第1アーム部10及び第2アーム部20と、第1回転支点部(支軸60)を中心とした第1アーム部10と第2アーム部20との相対回転に伴って伸縮し、第1アーム部10と第2アーム部20とが閉じられる方向に付勢力を発揮する付勢部材(スプリング50)と、を備え、第1アーム部10は、付勢部材(スプリング50)を伸縮するように第2アーム部20に対して第1回転支点部(支軸60)と共に相対移動可能に構成される。これにより、対象部位Tを挟んだ状態で第1アーム部10の基端部分(第1ベース部13)が持ち上げられると、第1回転支点部(支軸60)が移動するので、付勢部材(スプリング50)が伸長し、対象部位Tへの電極(電流電極1a,電圧電極2a)の接触圧を調整することができる。
【0072】
また、電極保持具100は、第1回転支点部(支軸60)を介して第1アーム部10と相対回転可能に連結されると共に、第2回転支点部(突起軸36a,36b)を介して第2アーム部20と相対回転可能に連結される連結部材30と、第2アーム部20と連結部材30とを解除可能に係合させる係合部40と、をさらに備え、第1アーム部10は、対象部位Tを挟持するための第1爪部11を有し、第2アーム部20は、第1アーム部10と共に対象部位Tを挟持するための第2爪部21を有し、第1アーム部10は、第2回転支点部(突起軸36a,36b)を中心として連結部材30が第2アーム部20に対して相対回転することで、第1爪部11と第2爪部21とが近接及び離間する方向に第2アーム部20に対して相対移動可能に構成され、第2回転支点部(突起軸36a,36b)を中心とした連結部材30の回転による、第1爪部11と第2爪部21とが近接する方向への第2アーム部20に対する第1アーム部10の相対移動は、係合部40によって第2アーム部20と連結部材30とが係合した状態では規制され、係合部40による第2アーム部20と連結部材30との係合が解除された状態では許容される。これにより、対象部位Tへの電極保持具100の取り付けが容易になると共に、対象部位Tへの電極の接触圧の調整が容易となる。
【0073】
また、電極保持具100では、係合部40は、第2アーム部20と連結部材30とを係合した状態において、第2回転支点部(突起軸36a,36b)を中心とした連結部材30の回転のうち、第1爪部11と第2爪部21とが近接する方向へ第2アーム部20に対して第1アーム部10を相対移動させる方向の回転のみを規制するラチェット機構41である。これにより、係合部40による第2アーム部20と連結部材30との係合を解除しなくても、付勢部材(スプリング50)を伸長させることができる。したがって、対象部位Tへの接触圧の調整がより一層容易となる。
【0074】
また、電極保持具100では、第2回転支点部(突起軸36a,36b)を中心とした連結部材30の回転による第2アーム部20に対する第1アーム部10の相対移動に伴う付勢部材(スプリング50)の伸縮量は、第1回転支点部(支軸60)を中心とした第2アーム部20に対する第1アーム部10の相対回転に伴う付勢部材(スプリング50)の伸縮量よりも小さい。これにより、第2回転支点部(突起軸36a,36b)を中心として連結部材30を回転させることで、付勢部材(スプリング50)をほとんど伸長させずに第1アーム部10の第1爪部11と第2アーム部20の第2爪部21との間隔を広げて、第1爪部11と第2爪部21との間に対象部位Tを挿入することができる。よって、対象部位Tの大きさに関わらず、対象部位Tと電流電極1a及び電圧電極2aとを接触させた初期の状態における接触圧を比較的低くすることができる。したがって、電極保持具100によれば、比較的低い接触圧から接触圧を大きくするようにして接触圧を調整できるため、対象部位Tの大きさに関わらず電極保持具100(電極ユニット101a)の装着を共通とすることができ、接触圧を適切な大きさに容易に調整することができる。
【0075】
また、本実施形態では、インピーダンス測定装置101は、対象部位Tに接触する一対の電流電極1aと、一対の電流電極1aに対して交流電流を印加する電流印加部5と、一対の電流電極1aによって形成される電流経路における電圧を測定するための一対の電圧電極2aと、一対の電圧電極2a間における電圧降下に基づいてインピーダンスを算出する算出部7と、を備え、一対の電流電極1a及び一対の電圧電極2aは、電極保持具100によって保持される。これによれば、対象部位Tへの一対の電流電極1a及び一対の電圧電極2aの接触圧が電極保持具100によって容易に調整できるため、インピーダンス測定の精度を向上させることができる。
【0076】
(第2実施形態)
次に、図10及び図11を参照して、本発明の第2実施形態に係る電極保持具200及びインピーダンス測定装置201について説明する。以下では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明し、上記第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0077】
上記第1実施形態に係るインピーダンス測定装置101では、二つの電極(電流電極1a及び電圧電極2a、電流電極1b及び電圧電極2b)と当該二つの電極を保持する一つの電極保持具100と、によって二つの電極ユニット101a,101bが構成される。
【0078】
これに対し、第2実施形態に係るインピーダンス測定装置201では、図10に示すように、一つの電極(電流電極1a,1b、電圧電極2a,2b)と当該電極を保持する一つの電極保持具200と、によって電極ユニット201a,201b,201c,201dが構成される。つまり、インピーダンス測定装置201では、一対の電流電極1a及び一対の電圧電極2aの計四つの電極に対応して、四つの電極ユニット201a,201b,201c,201dが構成される。四つの電極ユニット201a,201b,201c,201dは、電極保持具200に取り付けられる電極が互いに異なるのみであって、それぞれが備える電極保持具200の構成は同様である。このため、以下では、電流電極1aが取り付けられる電極保持具200について詳細に説明し、その他三つの電極(電流電極1b、電圧電極2a,2b)を保持する電極保持具200に関しては説明を省略する。
【0079】
電極保持具200は、第1アーム部10の第1爪部110、第2アーム部20の第2爪部120に関する構成が上記第1実施形態に係る電極保持具100と異なる一方、その他は同様の構成を有する。よって、以下では、第1アーム部10の第1爪部110及び第2アーム部20の第2爪部120について詳細に説明する。
【0080】
上記第1実施形態に係る電極保持具100では、第1アーム部10の第1爪部11と第2アーム部20の第2爪部21とは、それぞれ円弧形状の第1対向面11a,21aを有している。第1爪部11の第1対向面11aには電流電極1aが取り付けられ、第2爪部21の第2対向面21aには電圧電極2aが取り付けられている。
【0081】
これに対し、第2実施形態に係る電極保持具200では、図11に示すように、第1アーム部10の第1爪部110は、第1ベース部13に接続され第1ベース部13の一端から第1ベース部13に沿って延びる第1ストレート部111と、第1ストレート部111の先端に設けられ円弧状に湾曲して形成される湾曲部112と、を有する。よって、第1爪部110の第1対向面110aは、平坦面111aと、平坦面111aから湾曲した湾曲面112aと、を有する。
【0082】
第2アーム部20の第2爪部120は、一対の平板部24a,24bに接続され一対の平板部24a,24bから延びる第2ストレート部121と、第2ストレート部121の先端(前端)に形成される円板状の円板部122と、を有する。
【0083】
第2爪部120の円板部122には、金属製の支持板125と、支持板125から第1爪部110に向けて上方に突出して円筒状に形成される金属製の支持部126と、が取り付けられる。電流電極1aは、円板が第1爪部110に向けて隆起した形状に形成され、支持部126に取り付けられる。隆起する電流電極1aの頂部は、平坦に形成される。
【0084】
このような、第2実施形態に係る電極保持具200によれば、第1爪部110の第1対向面110aが平坦面111aを有するため、対象部位Tが身体の平らな部分(例えば手のひら)である場合にも、第1爪部110と対象部位Tとの接触状態が安定する。また、電流電極1aは、隆起形状であって、頂部が平坦であるため、平らな対象部位Tとの接触が安定すると共に、接触面積が充分に確保される。したがって、電極保持具200によれば、身体の平らな部分を対象部位Tとする場合であっても、インピーダンス測定の測定精度を向上させることができる。
【0085】
次に、各実施形態の変形例について説明する。
【0086】
上記各実施形態では、第1アーム部10と第2アーム部20とは、連結部材30によって接続される。連結部材30が第1アーム部10及び第2アーム部20のそれぞれに相対回転可能に連結されることで、第1アーム部10、支軸60、及び第1ばね軸61が、第2アーム部20に対してスプリング50が伸縮する方向に相対移動できる。これに対し、電極保持具100は、第1アーム部10、第1ばね軸61、及び支軸60が第2アームに対して相対移動して、スプリング50が伸縮するように構成される限り、上記構成に限られない。
【0087】
例えば、電極保持具100,200は、連結部材30を有していなくてもよい。この場合、第2アーム部20の第2ベース部23(平板部24a,24b)に支軸60が挿入される挿入孔を形成し、第1アーム部10と第2アーム部20とが支軸60を中心に相対回転するように構成すればよい。さらに、挿入孔を上下方向に延びる長穴とすることで、支軸60を第2アーム部20に対して上下方向に相対移動させることができる。つまり、第1アーム部10、第1ばね軸61、及び支軸60が、スプリング50が伸縮するように、第2アーム部20に対して相対移動することができる。このような変形例であっても、対象部位Tに対する電極の接触圧を容易に調整することができる。また、この変形例の場合には、支軸60と挿入孔とを解除可能に係合するラチェット機構(係合部)を設けることが望ましい。これによれば、連結部材30を備えないこの変形例であっても、上記各実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0088】
また、上記各実施形態では、係合部40は、第2アーム部20の一対の平板部24a,24bに設けられる複数のラチェット歯42a,42bと連結部材30のハンドル部34に設けられる係止爪43a,43bとによって構成されるラチェット機構41を有している。このラチェット機構41によって第2アーム部20と連結部材30が係合することで、連結部材30の回転に伴う第1爪部11と第2爪部21とが近接する方向への第2アーム部20に対する第1アーム部10の相対移動が規制され、その反対方向(スプリング50が伸長する方向)への相対移動は許容される。そして、ラチェット機構41による第2アーム部20と連結部材30との係合が解除されると、第1爪部11と第2爪部21とが近接する方向及び離間する方向のいずれについても、第2アーム部20に対する第1アーム部10の相対移動が許容される。これに対し、係合部40は、支軸60を中心として第1アーム部10を回転させて第1アーム部10と第2アーム部20とを開く際、連結部材30と第2アーム部20とが相対回転しないように構成される限りは、上記構成に限られない。
【0089】
例えば、係合部40は、ラチェット機構41に代えて、それぞれハンドル部34に設けられて平板部24a,24bを挟持するようなクリップ部を備えるものであってもよい。この場合、クリップ部によって平板部24a,24bが挟持されて第2アーム部20と連結部材30とが係合すると、第2アーム部20に対する突起軸36a,36bを中心とした連結部材30の相対回転が、両方向とも規制される。このような変形例において、対象部位Tに電極を接触させて接触圧を調整するには、クリップ部の挟持を解放した状態でハンドル部34を上方に移動させ、所定の接触圧となったところでクリップ部を再び平板部24a,24bに挟持させるようにすればよい。このような変形例においても、対象部位Tに接触する電極の接触圧を調整することができる。
【0090】
また、ラチェット機構41を構成する複数のラチェット歯42a,42bは、円弧状に並んで設けられる。これに対し、複数のラチェット歯42a,42bは、円弧状に限らず、少なくとも上方に向けての並ぶ構成であればよい。複数のラチェット歯42a,42bが円弧状に並ばない場合には、ラチェット歯42a,42bに沿ったハンドル部34の移動に伴う突起軸36a,36bの移動を許容するように、突起軸36a,36bが挿入される第2軸穴27a,27bを長穴状に形成すればよい。
【0091】
また、上記第1実施形態では、第1アーム部10の第1爪部11と第2アーム部20の第2爪部21との幅は、互いに同一である。また、第1爪部11の第1対向面11aと第2爪部21の第2対向面21aとは互いに対応する形状に形成され、これに伴い、電流電極1aと電圧電極2aも互いに対応する形状に形成される。電流電極1a及び電圧電極2aは、それぞれ第1爪部11の第1対向面11aと第2爪部21の第2対向面21aの全体にわたって設けられる。これに対し、第1爪部11、第2爪部21、電流電極1a、及び電圧電極2aの形状は、上記構成に限らず、任意とすることができる。例えば、第1爪部11の幅と第2爪部21の幅とは、互いに異なっていてもよい。また、第1対向面11aの円弧形状と第2対向面21aの円弧形状も互いに異なっていてもよい。また、電流電極1aの幅は、第1対向面11a(第1爪部11)の幅より小さくてもよい。また、電流電極1aは、第1対向面11aの前後方向の全体(弧全体)に設けられるものではなく、一部に設けられるものでもよい。電圧電極2a及び第2対向面21aについても、同様である。
【0092】
また、上記第1実施形態では、第1アーム部10の第1爪部11に電流電極1aが取り付けられ、第2アーム部20の第2爪部21に電圧電極2aが取り付けられる。これに対し、電極保持具100は、上記第2実施形態のように、少なくとも一つの電極を保持するものであればよい。例えば、上記第1実施形態において、第1アーム部10の第1爪部11に電流電極1a又は電圧電極2aが設けられ、第2アーム部20の第2爪部21には、電流電極1a及び電圧電極2aのいずれも設けられない構成でもよい。反対に、互いに電気的に接続された一対の電極が第1爪部11と第2爪部21とに取り付けられ、一対の電極全体として一つの電流電極1a又は電圧電極2aとして機能させてもよい。
【0093】
また、上記各実施形態において、電極は、ゴムなどの弾性部材によって支持されるものでもよい。この場合には、対象部位Tに電極が接触した際、対象部位Tに電極が沿うように弾性部材が変形し、対象部材と電極との接触状態を良好にすることができる。
【0094】
また、上記第2実施形態において、支持部126内に収容され電極を第1爪部110に向けて付勢するスプリング等の第2の付勢部材を設け、電極が第1爪部110に向けて上下方向に進退するように構成されてもよい。この変形例によれば、第1ばね軸61及び第2ばね軸62間に設けられるスプリング50と、第2の付勢部材と、の合力により、電極の接触圧を調整することができる。
【0095】
また、上記各実施形態では、インピーダンス測定装置101,201は、四つの電極を備え、四つの電極それぞれが電極保持具100,200によって保持されるが、この構成は必須のものではない。インピーダンス測定装置101,201は、少なくとも1つの電極が各実施形態に係る電極保持具100,200によって保持されるものであればよい。また、インピーダンス測定装置101,201は、四電極タイプのものに限られず、例えば八つの電極を備える八電極タイプであってもよい。
【0096】
また、上記各実施形態では、第1アーム部10、第2アーム部20、及び連結部材30は、それぞれ樹脂製である。これに対し、第1アーム部10、第2アーム部20、及び連結部材30は、それぞれ樹脂製に限られず、金属等その他の材質によって形成されてもよい。なお、第1アーム部10が金属製であって第1アーム部10に電極が取り付けられる場合には、当該電極と第1アーム部10との間に絶縁部材を設けることが望ましい。第2アーム部20についても同様に、金属製であって電極が取り付けられる場合には、第2アーム部20と電極との間に絶縁部材を設けることが望ましい。
【0097】
また、対象部位Tへの電極ユニット101a,101b,201a,201b,201c,201dの装着は、上記第1実施形態において説明した方法に限られず、以下のような変形例によって行うこともできる。以下では、第1実施形態を例に、電極ユニット101aの装着及び取り外し方法の変形例を説明する。
【0098】
変形例に係る電極ユニット101aの装着方法では、まず、スプリング50の付勢力に抗して支軸60を中心に第1アーム部10を第2アーム部20に対して相対回転させて、電極保持具100の第1アーム部10及び第2アーム部20を押し広げるようにして開く。この際、第1アーム部10と第2アーム部20とを開く力は、第1アーム部10及び支軸60を介して、ハンドル部34が下方へ移動する方向へ連結部材30に作用する。しかしながら、連結部材30は、ラチェット機構41により第2アーム部20と係合しているため、ラチェット機構41の係止爪43a,43bとラチェット歯42a,42bとの係止によって、下方への移動が規制される(図2参照)。よって、第1アーム部10と第2アーム部20を開くと、第1アーム部10が支軸60を中心として連結部材30及び第2アーム部20に対して相対回転し、連結部材30と第2アーム部20とは相対回転しない。つまり、第1アーム部10のみがスプリング50の付勢力に抗して支軸60を支点として回転する。
【0099】
次に、対象部位Tを第1アーム部10と第2アーム部20との間に挿入し、第1アーム部10と第2アーム部20を閉じて、電流電極1a及び電圧電極2aを対象部位Tに接触させる。この状態では、スプリング50は、自然長からわずかに伸長した状態となり、対象部位Tへの電流電極1a及び電圧電極2aの接触圧は比較的低い。次に、対象部位Tへの電流電極1a及び電圧電極2aの接触圧を調整する。対象部位Tへの接触圧の調整は、上記第1実施形態で説明した方法と同様である。以上のような変形例であっても、対象部位Tへの電極ユニット101aの装着を行うことができる。
【0100】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0101】
1a,1b 電流電極
2a,2b 電圧電極
5 電流印加部
7 算出部
10 第1アーム部
20 第2アーム部
30 連結部材
36a,36b 突起軸(第2回転支点部)
40 係合部
41 ラチェット機構
50 コイルスプリング(付勢部材)
60 支軸(第1回転支点部)
100,200 電極保持具
101,201 インピーダンス測定装置
T 対象部位
図1
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