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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240409BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20240409BHJP
   F21V 21/00 20060101ALI20240409BHJP
   F21V 3/10 20180101ALI20240409BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240409BHJP
   F21Y 113/13 20160101ALN20240409BHJP
【FI】
F21S2/00 365
F21V33/00 300
F21V21/00 300
F21V3/10 330
F21Y115:10
F21Y113:13
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021146987
(22)【出願日】2021-09-09
(65)【公開番号】P2023039727
(43)【公開日】2023-03-22
【審査請求日】2023-02-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 電気通信回線を通じた公開 令和3年6月15日、https://www.makuake.com/project/exarm_zeta/ 令和3年8月3日、https://www.atpress.ne.jp/news/269813 令和3年8月4日、https://news.yahoo.co.jp/articles/3c71e6dc3115b2e015c24676800f1bf4e189ad1d 令和3年8月25日、https://www.askul.co.jp/p/AX00422/ 令和3年9月1日、https://www.yodobashi.com/product/100000001006458242/、https://www.yodobashi.com/product/100000001006458244/、https://www.yodobashi.com/product/100000001006458243/、 令和3年9月1日、https://paypaymall.yahoo.co.jp/store/aqua-inc/item/87000071/、https://item.rakuten.co.jp/importshopaqua/87000071/、https://www.importshopaqua.com/c/item/87000071 令和3年9月1日、https://swanlighting.stores.jp/items/611f70c3e49433440e3ee589 令和3年9月2日、https://www.amazon.co.jp/dp/B09DPP6Z26?ref=myi_title_dp、https://www.amazon.co.jp/dp/B09DQ3Q9SX?ref=myi_title_dp、https://www.amazon.co.jp/dp/B09DQ5Y8V1?ref=myi_title_dp
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示による公開 令和3年9月7日、ASPLUND CONTRACT Tokyo Showroom(東京都渋谷区恵比寿南3-5-7 デジタルゲートビル2F)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 販売による公開 令和3年6月8日、株式会社ボウス(東京都港区新橋5-25-3 第2一松ビル3階) 令和3年8月30日、アマゾンジャパン合同会社(東京都目黒区下目黒1丁目8-1 アルコタワーアネックス) 令和3年9月1日、株式会社AQUA(神奈川県横浜市戸塚区戸塚町6002-41 TWINS YAMAKI 2ビル 2階) 令和3年9月1日、アスクル株式会社(東京都江東区豊洲3-2-3豊洲キュービックガーデン)
(73)【特許権者】
【識別番号】597024496
【氏名又は名称】スワン電器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148895
【弁理士】
【氏名又は名称】荒木 佳幸
(72)【発明者】
【氏名】新川 聖顕
【審査官】五閑 統一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0353343(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0141564(US,A1)
【文献】実開昭47-011591(JP,U)
【文献】特開2009-032563(JP,A)
【文献】特開2014-099269(JP,A)
【文献】特開2014-056776(JP,A)
【文献】特開2014-137595(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00 - 9/90
F21S 2/00 - 45/70
F21V 21/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
机上面に載置されたコンピュータのディスプレイの上端部に取付けられ、前記机上面に向けて照明光を照射する照明装置であって、
前記ディスプレイの上端部に沿って略水平に延びる基板と、前記基板の表面に配置され前記照明光を出射する複数のLED素子と、を有する光源部と、
前記光源部を収容し、前記ディスプレイの上端部に沿って略水平に延びる本体部と、
前記本体部を前記ディスプレイの表面よりも前方に位置するように支持し、前記ディスプレイの上端部に掛止する掛止部と、
を備え、
前記本体部は、前記机上面と対向し、前記複数のLED素子からの前記照明光を出射する矩形状の出射開口と、前記複数のLED素子の光軸上に配置され、前記複数のLED素子からの前記照明光が透過するカバー部材と、を有し、
前記出射開口を鉛直方向真下に向けたときに、前記複数のLED素子の光軸は、前記出射開口を通ると共に、鉛直方向に対して32°~38°の負の角度で傾斜し、
前記出射開口は、前記出射開口を通る光線の角度が前記複数のLED素子の光軸に対して負の角度方向に最大34.65°~40.65°、正の角度方向に最大35.10°~41.10°となるように規制し、
前記出射開口を前記机上面から40cmの高さに配置し、前記机上面の、前記照明装置の前方41cm~10cm、左右36cmの矩形範囲を照射範囲としたときに、前記照射範囲における均斉度が40%以上であり、
前記カバー部材が、前記照明光がそのまま透過する第1の領域と、前記照明光が拡散されつつ透過する第2の領域と、を有し、
単位面積当たりの、前記第2の領域に対する前記第1の領域の比率が、前記ディスプレイから離れるに従って大きくなる
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記出射開口を前記机上面から40cmの高さに配置し、前記複数のLED素子を4.5Wの消費電力で発光させたときに、前記机上面における前記照明装置の前方半径50cmの1/3円周上の照度が150ルクス以上であり、前方半径30cmの1/3円周上の照度が300ルクス以上であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記カバー部材は、透明な基材と、前記基材の裏面に積層された艶消しインクと、から構成され、
前記第2の領域が、前記艶消しインクによって形成されている
ことを特徴とする請求項又は請求項に記載の照明装置。
【請求項4】
前記複数のLED素子が、白色の光を出射する複数の白色LEDチップと、電球色の光を出射する複数の電球色LEDチップと、から構成されることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記照明装置が、前記コンピュータのUSBポートから供給される電力によって駆動することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、机上面に載置されたコンピュータのディスプレイの上端部に取付けられ、机上面に向けて照明光を照射する照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレワークの普及に伴い、コンピュータを使用したオンライン会議の機会が増加している。このようなオンライン会議においては、コンピュータ(つまり、使用者)が理想的な照明下にあるとは限らず、またコンピュータが設置される環境によっては既存のデスクライトを設置するスペースもないため、会議資料やキーボード等が見難くなることがある。このように、作業環境が暗い場合、使用者の手元(つまり、机上面)を照明する照明装置が使用されている(例えば、非特許文献1)。
【0003】
非特許文献1には、コンピュータのディスプレイの上端部に掛止され、コンピュータのUSBポートからの電力供給によって動作する照明装置が記載されている。この照明装置は、複数のLED素子を内蔵し、ディスプレイの下方の作業領域(つまり、机上面)に対して上方から照明光を照射するように構成されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】"e-Reading Lampモニター掛け式ライト| WiT ScreenBar"、[online]、BenQ Corporation、[令和3年6月20日検索]、インターネット<URL:https://www.benq.com/ja-jp/lighting/screenbar-lamp/screenbar.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非特許文献1の照明装置によれば、作業環境が暗い場合でも使用者の手元が明るく照明されるため、周囲の迷惑とならずに、快適に作業を行うことができる。
また、コンピュータのUSBポートから電力が供給されるため、ACアダプタ等の専用の電源装置を準備する必要もなく、携帯性に優れ、また設置も容易である。
しかしながら、このような従来の照明装置においては、明るい部分と暗い部分の違いが大きく(つまり、照度ムラがあり)、眼が疲れやすいといった問題があった。
【0006】
図14は、従来の照明装置の構成の一例を示す断面図である。図14に示すように、従来の照明装置10は、基板12と、基板12上に配置される複数のLEDチップ15と、LEDチップ15からの光を反射する反射ミラー16と、これらを収容するケース11と、から構成され、反射ミラー16によって反射された光が照明光(光線Lo)として、使用者の手元に向かって出射される。
【0007】
図15は、従来の照明装置10を机上面のディスプレイDの上端部に掛止したときに、机上面から40cmの高さに配置されると仮定し、最大照度で点灯させたときの配光特性(照度)を評価した結果を示す図であり、図15(a)はJIS規格A型基準(JIS C8112)に準じた評価結果であり、図15(b)は北米照明学会基準に準じた評価結果である。
図15(a)に示すように、従来の照明装置10からの照明光は、机上面における照明装置10前方の扇形の範囲を照射範囲R1としたときに、前方半径50cmの1/3円周上(外側の円弧上)の照度が120~290ルクスであり、前方半径30cmの1/3円周上(内側の円弧上)の照度が620~750ルクスであり、照明装置10の近位側が遠位側に対して非常に明るくなり、JIS規格A型基準を満たしていないことが分かった。また、図15(b)に示すように、従来の照明装置10からの照明光は、机上面の、照明装置10の前方41cm~10cm、左右36cmの矩形範囲を照射範囲R2としたときに、照明装置10の近位側が遠位側に対して非常に明るくなり、照射範囲R2における均斉度(最小照度/最大照度)は、130ルクス/1190ルクス=10.9%となった。
【0008】
このように、従来の照明装置10の構成では、明るい部分と暗い部分の違いが大きいため(つまり、照度ムラがあるため)、JIS規格A型基準(JIS C8112)、北米照明学会の均斉度の規格を満たすことができず、眼が疲れやすいことが分かった。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、その目的とするところは、照度ムラを抑制し、眼に優しい照明光を照射可能な照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の照明装置は、机上面に載置されたコンピュータのディスプレイの上端部に取付けられ、机上面に向けて照明光を照射する照明装置であって、ディスプレイの上端部に沿って略水平に延びる基板と、基板の表面に配置され照明光を出射する複数のLED素子と、を有する光源部と、光源部を収容し、ディスプレイの上端部に沿って略水平に延びる本体部と、本体部をディスプレイの表面よりも前方に位置するように支持し、ディスプレイの上端部に掛止する掛止部と、を備え、本体部は、机上面と対向し、複数のLED素子からの照明光を出射する矩形状の出射開口と、複数のLED素子の光軸上に配置され、複数のLED素子からの照明光が透過するカバー部材と、を有し、出射開口を鉛直方向真下に向けたときに、複数のLED素子の光軸は、出射開口を通ると共に、鉛直方向に対して32°~38°の負の角度で傾斜し、出射開口は、出射開口を通る光線の角度が複数のLED素子の光軸に対して負の角度方向に最大34.65°~40.65°、正の角度方向に最大35.10°~41.10°となるように規制し、出射開口を机上面から40cmの高さに配置し、机上面の、照明装置の前方41cm~10cm、左右36cmの矩形範囲を照射範囲としたときに、照射範囲における均斉度が40%以上であり、カバー部材が、照明光がそのまま透過する第1の領域と、照明光が拡散されつつ透過する第2の領域と、を有し、単位面積当たりの、第2の領域に対する第1の領域の比率が、ディスプレイから離れるに従って大きくなることを特徴とする。
【0010】
このような構成の照明装置によれば、出射開口によって照明光の光線が規制されるため、照明光が使用者の眼に直接入射することはなく、またディスプレイにも映り込むこともない。また、机上面の照射範囲内を均一に照射することが可能となる。
【0011】
また、出射開口を机上面から40cmの高さに配置し、複数のLED素子を4.5Wの消費電力で発光させたときに、机上面における照明装置の前方半径50cmの1/3円周上の照度が150ルクス以上であり、前方半径30cmの1/3円周上の照度が300ルクス以上であることが望ましい。
【0012】
また、カバー部材は、透明な基材と、基材の裏面に積層された艶消しインクと、から構成され、第2の領域が、艶消しインクによって形成されていることが望ましい。
【0013】
また、複数のLED素子が、白色の光を出射する複数の白色LEDチップと、電球色の光を出射する複数の電球色LEDチップと、から構成されることが望ましい。
【0014】
また、照明装置が、コンピュータのUSBポートから供給される電力によって駆動することが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明の照明装置によれば、照度ムラの少ない、眼に優しい照明光を照射可能な照明装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置の構成を示す図である。
図2図2は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置から出射される照明光の様子を説明する模式図である。
図3図3は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置の本体部の内部構成を示す分解斜視図である。
図4図4は、図1(c)のA-A線断面図である。
図5図5は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置の光源ユニットの構成を説明する平面図である。
図6図6は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置の電気的な接続を説明するブロック図である。
図7図7は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置がディスプレイの上端部に掛止されたときの状態(姿勢)を示す図である。
図8図8は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置から出射される照明光の光線を示す側面図である。
図9図9は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置から出射される照明光の光線角度を説明する断面図である。
図10図10は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置の配光特性(照度)を評価した結果を示す図である。
図11図11は、本発明の第2の実施形態に係る照明装置の構成を示す図である。
図12図12は、本発明の第2の実施形態に係る照明装置のカバーの構成を説明する図である。
図13図13は、本発明の第2の実施形態に係る照明装置の配光特性(照度)を評価した結果を示す図である。
図14図14は、従来の照明装置の構成の一例を示す断面図である。
図15図15は、従来の照明装置の配光特性(照度)を評価した結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
【0018】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る照明装置1の構成を示す図であり、図1(a)は、照明装置1を斜め前方から見たときの斜視図であり、図1(b)は、照明装置1を斜め後方から見たときの斜視図であり、図1(c)は、照明装置1の底面図である。図2は、照明装置1から出射される照明光の様子を説明する模式図である。
図2に示すように、本実施形態の照明装置1は、机上面に載置されたコンピュータのディスプレイDの上端部に取付けて使用する装置であり、使用者Uの手元(机上面)を照明する照明光L1(第1照明光)と、使用者Uの顔を照明する照明光L2(第2照明光)を出射する(図2(a))。また、照明装置1のX軸方向両端部に配置される拡散板103からは、装飾光(イルミネーション)として機能する照明光L3(第3照明光)が出射される(図2(b))。なお、本明細書においては、図1図2の座標に示すように、後述する白色LEDチップ115及び電球色LEDチップ116の配列方向をX軸方向、鉛直方向をZ軸方向、X軸方向及びZ軸方向に直交する方向をY軸方向と定義して説明する。
【0019】
図1に示すように、本実施形態の照明装置1は、照明光L1~L3を出射する本体部100と、本体部100を支持しディスプレイDの上端部に掛止する掛止部200と、を備えている。
【0020】
図3は、本体部100の内部構成を示す分解斜視図である。また、図4は、図1(c)のA-A線断面図である。
図1図4に示すように、本体部100は、X軸方向に長く延び、断面略菱形のケース101を備えている。ケース101は、底面(Z軸方向-側の面)側に照明光L1が透過して出射されるカバー102(カバー部材)を備え、内部に、光源ユニット110(第1光源)、フェイスLED基板120(第2光源)、MPU(Micro Processor Unit)基板130(制御部)を備えている。ケース101の下面(Z軸方向-側の面)には、机上面と対向し、複数のLED素子からの照明光L1が出射される矩形状の出射開口101aが形成されている。また、ケース101は、X軸方向両端に、拡散板103と、拡散板103の外側を覆うサイドカバー104とを備え、前面に導光板105を備え、上面にセンサーカバー106を備えている。なお、本実施形態の照明装置1は、不図示のコンピュータとUSBケーブルCを介して電気的に接続され、コンピュータのUSBポート(例えば、USB3.1)から最大4.5Wの電力が供給されるようになっている(図4)。
【0021】
図5は、光源ユニット110の構成を説明する平面図である。また、図6は、本実施形態の照明装置1の電気的な接続を説明するブロック図である。
図5に示すように、光源ユニット110は、X軸方向に延びる矩形板状の基板112と、複数(例えば、40個)の白色LEDチップ115(第1LED素子)と、複数(例えば、40個)の電球色LEDチップ116(第1LED素子)と、2個のカラーLEDチップ117(第3光源、第3LED素子)と、MPU118と、を備えている。
白色LEDチップ115は、例えば、青色光を発する青色LEDチップ(不図示)と、青色LEDチップからの青色光のエネルギーを受けて黄色光を発する蛍光体(不図示)から構成されており、青色光と黄色光とが混じり合うことによって、白色LEDチップ115からは、白色光(例えば、約4200K)が出射されるようになっている。
また、電球色LEDチップ116は、例えば、青色光を発する青色LEDチップ(不図示)と、青色LEDチップからの青色光のエネルギーを受けて黄色光を発する蛍光体(不図示)から構成されており、青色光と黄色光とが混じり合うことによって、電球色LEDチップ116からは、電球色の光(例えば、約3000K)が出射されるようになっている。
【0022】
複数の白色LEDチップ115と複数の電球色LEDチップ116は、基板112に垂直な方向に光軸を揃え、X軸方向に所定の間隔をおいて、1つおきに基板112の表面に配置され、基板112と電気的に接続されている。また、2個のカラーLEDチップ117は、光軸をそれぞれ基板112の外側に向けて(つまり、X軸方向+側及び-側に向けて)基板112の左右(X軸方向)両端部に配置され、基板112と電気的に接続されている。また、基板112は、MPU基板130から延びる配線ケーブル(不図示)によって電気的に接続されており、各白色LEDチップ115、各電球色LEDチップ116、各カラーLEDチップ117には、MPU基板130からの駆動電流が供給されるようになっている。
各白色LEDチップ115に駆動電流が供給されると、各白色LEDチップ115からは駆動電流に応じた光量の白色光が出射される。また、各電球色LEDチップ116に駆動電流が供給されると、各電球色LEDチップ116からは駆動電流に応じた光量の電球色の光が出射される。上述したように、本実施形態においては、複数の白色LEDチップ115と複数の電球色LEDチップ116が1つおきに並べられているため、白色LEDチップ115からの白色光と電球色LEDチップ116からの電球色の光は光路中で重なり合って(つまり、ミキシングされて)出射される。そして、各白色LEDチップ115から出射された白色光と各電球色LEDチップ116から出射された電球色の光は、光路中に配置されたカバー102、出射開口101aを通って出射され、使用者Uの手元を照明する。なお、本実施形態においては、白色LEDチップ115の駆動電流及び電球色LEDチップ116の駆動電流は、MPU131の制御によってそれぞれ調整可能に構成されており、これによって照明光L1(白色光と電球色の光のミックス光)の照明色(ホワイトネス)を調整することができるようになっている。
【0023】
2個のカラーLEDチップ117に駆動電流が供給されると、各カラーLEDチップ117からは駆動電流に応じた光量のカラー光(赤色、緑色、青色及びこれらの混色光)が照明光L3として出射される。上述したように、本実施形態においては、光軸をそれぞれ基板112の外側に向けて(つまり、X軸方向+側及び-側に向けて)基板112の左右(X軸方向)両端部に配置されているため、各カラーLEDチップ117から出射されたカラー光は、光路中に配置された拡散板103によって拡散され、拡散板103の端面から出射される。なお、本実施形態においては、拡散板103から出射されるカラー光は、いわゆる装飾光(イルミネーション)として機能するものである。各カラーLEDチップ117の駆動電流は、MPU131からの指示の下、MPU118の制御によって調整可能に構成されており、これによってカラー光の色(つまり、カラーLEDチップ117の発光色)が所定のタイミングで、例えば、「緑→黄→赤→ピンク→紫→青→水色→緑」の順で変化するようになっている。
【0024】
フェイスLED基板120は、X軸方向に延びる矩形板状の基板122と、複数(例えば、3個)の白色LED素子125(第2LED素子)と、を備えている(図3)。複数の白色LED素子125は、X軸方向に所定の間隔をおいて基板122の表面に一列に配置され、基板122と電気的に接続されている。また、基板122は、MPU基板130から延びる配線ケーブル(不図示)によって電気的に接続されており、各白色LED素子125には、MPU基板130からの駆動電流が供給されるようになっている。各白色LED素子125に駆動電流が供給されると、各白色LED素子125からは駆動電流に応じた光量の白色光が照明光L2として出射される。そして、白色LED素子125から出射された白色光は、白色LED素子125の光路中に配置された導光板105によって導光されて出射され、使用者Uの顔を照明する。
このように、本実施形態においては、フェイスLED基板120上の白色LED素子125が点灯することによって、使用者Uの顔が照明されるようになっている。なお、本実施形態においては、白色LED素子125は、MPU131の制御に従って、基準周波数20kHzでPWM(Pulse Width Modulation)駆動され、これによって光量調整されるようになっている。
【0025】
MPU基板130は、光源ユニット110、フェイスLED基板120と電気的に接続され、使用者Uからの入力(操作)に応じて、光源ユニット110の白色LEDチップ115、電球色LEDチップ116、カラーLEDチップ117、及びフェイスLED基板120の白色LED素子125の発光を制御する電子回路である。
図6に示すように、本実施形態のMPU基板130は、MPU131(制御部)、第1センサ132~第4センサ135(操作部)、LEDドライバ136、137、USBコネクタ139を有している。
【0026】
MPU131は、論理演算を実行する演算部(不図示)、データ等が一時的にストアされるRAM(不図示)、制御プログラムが記憶されたROM(不図示)等から構成され、照明装置1全体を制御する機能を備えている。MPU131は、第1センサ132~第4センサ135(操作部)、LEDドライバ136、137と電気的に接続されており照明装置1に電源が入力されると、ROM(不図示)に記憶された制御プログラムを読み出し、これら各部を制御する。
【0027】
第1センサ132~第4センサ135は、使用者Uからの入力を受け付け、MPU131に制御信号を出力するユーザインターフェース(スイッチ)である。本実施形態の第1センサ132は、フォトインタラプタ等で構成された、いわゆるタッチレスセンサであり、また第2センサ133~第4センサ135は、タッチセンサであり、センサーカバー106の直下に配置されている。従って、使用者Uがセンサーカバー106上の、各第1センサ132~第4センサ135に対応する位置に指をかざす、またはタッチすることにより、MPU131が第1センサ132~第4センサ135からの入力を認識し、各第1センサ132~第4センサ135に割り当てられた処理を実行する。
【0028】
本実施形態においては、第1センサ132は、光源ユニット110の白色LEDチップ115及び電球色LEDチップ116のオン/オフを制御するスイッチであり、センサーカバー106上の、第1センサ132に対応する位置に指をかざすことにより、白色LEDチップ115及び電球色LEDチップ116がオン/オフする。
また、第2センサ133は、光源ユニット110から照射される照明光L1の明るさ(照度)を制御するスイッチであり、センサーカバー106上の、第2センサ133に対応する位置をタッチすることにより、白色LEDチップ115と電球色LEDチップ116の光量(発光強度)の合計が段階的に変化する。
また、第3センサ134は、光源ユニット110から照射される照明光L1の色(ホワイトネス)を制御するスイッチであり、センサーカバー106上の、第3センサ134に対応する位置をタッチすることにより、白色LEDチップ115の光量と電球色LEDチップ116の光量(発光強度)のバランス(割合)が段階的に変化し、これによって照明光L1の照明色(ホワイトネス)が変化する。
また、第4センサ135は、フェイスLED基板120から照射される照明光L2の明るさと、光源ユニット110から照射される照明光L1の明るさと、カラーLEDチップ117のオン/オフを制御するスイッチである。センサーカバー106上の、第4センサ135に対応する位置をタッチすることにより、フェイスLED基板120上の白色LED素子125の光量(発光強度)が段階的に変化する。白色LED素子125がオンしたときに、白色LEDチップ115と電球色LEDチップ116がオンしていると、消費電力が多くなり、USBの電力供給能力(4.5W)を超える虞があるため、本実施形態においては、白色LED素子125がオンしたときに、白色LEDチップ115と電球色LEDチップ116の光量(発光強度)を低下させるように(駆動電流を低下させる)制御している。
また、本実施形態においては、センサーカバー106上の、第4センサ135に対応する位置を所定時間継続してタッチする(つまり、長押しする)ことにより、カラーLEDチップ117のオン/オフができるように構成されている。
【0029】
LEDドライバ136、137は、白色LEDチップ115と電球色LEDチップ116にそれぞれ電流を供給する電子回路であり、MPU131の制御に従って白色LEDチップ115と電球色LEDチップ116に所定の電流が供給される。
【0030】
USBコネクタ139は、USBケーブルCと接続されるコネクタであり、コンピュータのUSBポートとUSBコネクタ139を接続することにより、MPU基板130、光源ユニット110、及びフェイスLED基板120に最大4.5Wの電力が供給される。
【0031】
次に、図1図2及び図4に戻り、本実施形態の照明装置1の掛止部200の構成について説明する。
図1図2及び図4に示すように、掛止部200は、照明装置1をディスプレイDに取付けたときに、本体部100をディスプレイDの表面よりも前方に位置するように支持すると共に、ディスプレイDの上端部に掛止する部材であり、内部にバランス用の重りを有するウェイト部210と、ウェイト部210と本体部100との間を接続するアーム部230と、を有する。
【0032】
ウェイト部210は、照明装置1をディスプレイDの上端部に掛止したときに、ディスプレイDの裏面と当接するように配置される部材である。
アーム部230は、照明装置1をディスプレイDの上端部に掛止したときに、ディスプレイDの上端部と係合する板状の部材であり、アーム部230の下面の本体部100側には、ディスプレイDの表面と当接するように下方に突出する舌部232が形成されている。
また、ウェイト部210とアーム部230は、X軸方向に延びる回転軸215(第1回転軸)を介して回動可能に接続されており、回転軸215の周りには、ウェイト部210をアーム部230に対して回転させる(付勢する)トーションばね(不図示)が設けられている。従って、照明装置1をディスプレイDの上端部に掛止すると、ウェイト部210の下端部がディスプレイDの裏面を押圧し、ウェイト部210と舌部232によってディスプレイDが狭持されることとなる。
図7は、照明装置1がディスプレイDの上端部に掛止されたときの状態(姿勢)を示す図であり、図7(a)は、厚形のディスプレイD1に掛止された様子を示し、図7(b)は、一般的な厚さのディスプレイD2に掛止された様子を示し、図7(c)は、薄型のディスプレイD3に掛止された様子を示している。
上述のように、アーム部230の舌部232がディスプレイDの上端部と係合し、ウェイト部210がアーム部230に対して回転するため、ウェイト部210の取付け姿勢はディスプレイDの厚さに応じて異なるものとなるが、ウェイト部210と舌部232によってディスプレイDが狭持されることとなるため、いずれも安定した姿勢で掛止される。
【0033】
また、本実施形態においては、アーム部230と本体部100が、X軸方向に延びる回転軸235(第2回転軸)を介して回動可能に接続されている。
従って、照明装置1をディスプレイDに取付けた後、本体部100を、回転軸235を中心に回転させることにより、照明装置1から使用者Uの手元に向かう照明光L1の向きや、照明装置1から使用者Uの顔に向かう照明光L2の向きを調整することができる。
【0034】
このように、本実施形態の照明装置1は、ディスプレイDの上端部に対して安定して掛止されるように構成されている。
また、上述したように、本実施形態の照明装置1は、使用者Uの手元を照明するのみならず、使用者Uの顔を照明することができるように構成されている。
従って、暗い環境でのオンライン会議でも、手元の会議資料やキーボード等が見易くなると共に、オンライン会議での画質も良好なものとなる。
【0035】
図8は、照明装置1がディスプレイDの上端部に掛止されたときに、照明装置1から出射される照明光L1の光線を示す側面図である。また、図9は、照明装置1から出射される照明光L1の光線角度を説明する断面図である。
【0036】
図8に示すように、本実施形態の照明装置1は、照明装置1の出射開口101aを鉛直方向真下(Z軸方向-側)に向けて、机上面のディスプレイDの上端部に掛止したときに、机上面から40cmの高さに配置されると仮定し、このときに、複数の白色LEDチップ115と複数の電球色LEDチップ116の光軸Axが、ディスプレイDの表面から30cm前方の机上面を向き、使用者U側に向かって最大角度で出射される光線Luが、ディスプレイDの表面から50cm前方に位置する使用者Uの眼に入射しないように構成している。また、ディスプレイD側に向かって最大角度で出射される光線Lmが、ディスプレイDの表面に入射しないように構成している。
【0037】
より具体的には、図9に示すように、照明装置1の出射開口101aを鉛直方向真下に向けたときに、複数の白色LEDチップ115と複数の電球色LEDチップ116の光軸Axは、出射開口101aを通ると共に、鉛直方向に対して32°~38°の負の角度(時計回りの角度)αで傾斜している。また、本実施形態の照明装置1の出射開口101aは、出射開口101aを通る光線の角度が複数の白色LEDチップ115と複数の電球色LEDチップ116の光軸Axに対して負の角度方向(時計回りの角度方向)に最大角度β:34.65°~40.65°、正の角度方向(反時計回りの角度方向)に最大角度γ:35.10°~41.10°となるように規制している。
【0038】
このように、本実施形態においては、出射開口101aによって、照明装置1から出射される光線の角度が規制されるため、照明光L1が使用者Uの眼に入射せず、またディスプレイDに映り込むこともないようになっている。
なお、角度αは、好ましくは33°~37°であり、より好ましくは34°~36°である。また、最大角度βは、好ましくは35.65°~39.65°であり、より好ましくは36.65°~38.65°である。また、最大角度γは、好ましくは36.10°~40.10°であり、より好ましくは37.10°~39.10°である。
【0039】
(照明装置1の照度評価)
図10は、図8に示すように照明装置1を配置し、複数の白色LEDチップ115と複数の電球色LEDチップ116を最大照度(つまり、コンピュータのUSBポートの最大供給電力(4.5W))で点灯させたときの配光特性(照度)を評価した結果を示す図であり、図10(a)はJIS規格A型基準(JIS C8112)に準じた評価結果であり、図10(b)は北米照明学会基準に準じた評価結果である。
図10(a)に示すように、照明装置1からの照明光L1は、机上面における照明装置1前方の扇形の範囲を照射範囲R1としたときに、前方半径50cmの1/3円周上(外側の円弧上)の照度が155~200ルクスとなり、前方半径30cmの1/3円周上(内側の円弧上)の照度が340~450ルクスとなり、JIS規格A型基準(照明装置1の前方半径50cmの1/3円周上:150ルクス以上、前方半径30cmの1/3円周上:300ルクス以上)を満たすものとなった。
また、図10(b)に示すように、照明装置1からの照明光L1は、机上面の、照明装置1の前方41cm~10cm、左右36cmの矩形範囲を照射範囲R2としたときに、照射範囲R2における均斉度(最小照度/最大照度)は、285ルクス/590ルクス=48.3%となり、北米照明学会の均斉度の基準(33%以上)を満たすものとなった。なお、均斉度は、製品のバラツキや測定条件等によって多少変動するが、照射範囲R2において40%以上であることが望ましく、45%であることがさらに望ましい。なお、本実施形態の照明装置1の構成の場合、照射範囲R2における均斉度は45~55%の範囲で変動すると考えられる。
【0040】
図14及び図15(従来の従来の照明装置10)と図9及び図10(本実施形態の照明装置1)とを比較すると分かるように、本実施形態においては、図9に示すように、照明装置1の出射開口101aを鉛直方向真下に向けたときに、複数の白色LEDチップ115と複数の電球色LEDチップ116の光軸Axが、出射開口101aを通る(つまり、複数の白色LEDチップ115と複数の電球色LEDチップ116からの直接光が出射開口101aから出射される)と共に、鉛直方向に対して32°~38°の負の角度(時計回りの角度)αで傾斜するように配置し、出射開口101aを通る光線の角度が複数の白色LEDチップ115と複数の電球色LEDチップ116の光軸Axに対して負の角度方向(時計回りの角度方向)に最大角度β:34.65°~40.65°、正の角度方向(反時計回りの角度方向)に最大角度γ:35.10°~41.10°となるように出射開口101aを配置することで、最大消費電力を4.5Wとしながらも、JIS規格A型基準及び北米照明学会の均斉度の基準を満たすように構成されている。
従って、本実施形態の照明装置1によれは、コンピュータのUSBポートから電力が供給される構成でありながらも(つまり、携帯性に優れ、また設置も容易である構成でありながらも)、机上面の照射範囲R1、R2内での照度ムラが少なく、眼に優しい照明光L1が得られる。
【0041】
以上が本実施形態の説明であるが、本発明は、上記の構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内において様々な変形が可能である。
【0042】
(第2の実施形態)
図11は、本発明の第2の実施形態に係る照明装置2の構成を示す図であり、図11(a)は、照明装置2を斜め前方から見たときの斜視図であり、図11(b)は、照明装置2を斜め後方から見たときの斜視図であり、図11(c)は、照明装置2の底面図である。
図11(c)に示すように、本実施形態の照明装置2は、カバー102に代えて、照明光L1を拡散させつつ透過する、カバー150を備えている点で、第1の実施形態の照明装置1と異なる。
【0043】
第1の実施形態の照明装置1と同様、本実施形態の照明装置2も、白色LEDチップ115と電球色LEDチップ116とを備えるが、各白色LEDチップ115及び各電球色LEDチップ116は、それぞれ青色光を発する青色LEDチップ(不図示)と、青色LEDチップからの青色光のエネルギーを受けて黄色光を発する蛍光体(不図示)とを有する構成となっている。
このような構成では、青色LEDチップから発せられた青色光(励起光)は、光軸方向に対して所定の角度分布をもって蛍光体に入射するため、蛍光体においては、中央部を通る青色光の光路長よりも外周部を通る青色光の光路長が長くなる。このため、蛍光体の中央部よりも外周部の方が蛍光を生じ易くなり、蛍光体から出射される白色光及び電球色の光(つまり、照明光L1)には、いわゆるイエローリングと呼ばれる色むらが発生することがある。
そこで、本実施形態においては、かかる問題を解決するため、白色LEDチップ115からの白色光及び電球色LEDチップ116からの電球色の光が透過するカバー150に、白色光及び電球色の光の一部を拡散させる拡散機能を設けている。
【0044】
図12は、本実施形態のカバー150の構成を示す図であり、図12(a)は、拡大平面図であり、図12(b)は、図12(a)のB-B線断面図である。図12に示すように、カバー150は、矩形板状の透明な樹脂(例えば、ポリカーボネート)製の基材151と、基材151の裏面(光源ユニット110と対向する側の面)に積層された光拡散層152と、を有し、光拡散層152によって、白色光及び電球色の光が拡散されつつ透過する領域S(光拡散層152が形成されている領域)と、白色光及び電球色の光がそのまま透過する領域T(光拡散層152が形成されていない領域)と、が形成されている。
本実施形態においては、光拡散層152は、例えば半透明なマットインク(艶消しインク)を、領域Tを除く領域S全体に印刷(例えば、スクリーン印刷)することによって形成している。
また、図12(a)に示すように、本実施形態の領域Tは、カバー150の長手方向(図12の左右方向)に沿って10列に並び、全体として千鳥状に配置された複数の円形パターン153a~153jから構成されている。
【0045】
本実施形態の照明装置2がディスプレイDの上端部に掛止され、照明装置2から照明光L1が出射されると、第1の実施形態の照明装置1と同様、使用者Uの手元(机上面)が照明されるが、照明装置2からディスプレイD側に向かって出射される光線Lmの方が、照明装置2から使用者U側に向かって出射される光線Luよりも光路長が短くなる(図8図9参照)。このため、照明光L1の照度は使用者U側において小さくなるが、一方、照明光L1の拡散の程度はディスプレイD側において少なくなり、ディスプレイD側においてイエローリングの発生が顕著となる。
そこで、本実施形態においては、ディスプレイD側に向かって出射される照明光L1(光線Lm側)ほどより拡散し、使用者U側に向かって出射される照明光L1(光線Lu側)ほどより透過するように、円形パターン153a~153jの直径がディスプレイDから離れるに従って大きくなるように構成している。つまり、領域Sの割合が大きい(領域Tの割合が小さい)円形パターン153a側が掛止部200側、領域Sの割合が小さい(領域Tの割合が大きい)円形パターン153j側が使用者U側となるように、カバー150をケース101に取り付けている。
より具体的には、本実施形態においては、円形パターン153a、153bの直径が0.2mm、円形パターン153c、153dの直径が0.3mm、円形パターン153e、153fの直径が0.35mm、円形パターン153g、153hの直径が0.45mm、円形パターン153i、153jの直径が0.5mmに設定されている。また、円形パターン153a~153jの、カバー150の短手方向(図12の上下方向)の間隔(つまり、各列の間隔)は、0.7mm、各円形パターン153a~153jの、長手方向の間隔は、1.5mmに設定されている。
【0046】
このように、本実施形態のカバー150においては、円形パターン153a~153jの直径がディスプレイDから離れるに従って徐々に大きくなるように構成され、単位面積当たりの、領域Sに対する領域T(円形パターン153a~153j)の比率が、ディスプレイから離れるに従って大きくなるようになっている。
従って、本実施形態の照明装置2によれば、カバー150によって、ディスプレイD側に向かって出射される照明光L1(光線Lm側)ほど拡散され、使用者U側に向かって出射される照明光L1(光線Lu側)ほどそのまま透過する光量が増えるため、イエローリングの発生を抑えつつも、均一な照明が可能となる。
【0047】
(照明装置2の照度評価)
図13は、図8に示すように照明装置2を配置し、複数の白色LEDチップ115と複数の電球色LEDチップ116を最大照度(つまり、コンピュータのUSBポートの最大供給電力(4.5W))で点灯させたときの配光特性(照度)を評価した結果を示す図であり、図13(a)はJIS規格A型基準(JIS C8112)に準じた評価結果であり、図13(b)は北米照明学会基準に準じた評価結果である。
図13(a)に示すように、照明装置2からの照明光L1は、机上面における照明装置2前方の扇形の範囲を照射範囲R1としたときに、前方半径50cmの1/3円周上(外側の円弧上)の照度が155~210ルクスとなり、前方半径30cmの1/3円周上(内側の円弧上)の照度が320~430ルクスとなり、JIS規格A型基準(照明装置1の前方半径50cmの1/3円周上:150ルクス以上、前方半径30cmの1/3円周上:300ルクス以上)を満たすものとなった。
また、図13(b)に示すように、照明装置2からの照明光L1は、机上面の、照明装置1の前方41cm~10cm、左右36cmの矩形範囲を照射範囲R2としたときに、照射範囲R2における均斉度(最小照度/最大照度)は、260ルクス/500ルクス=52%となり、北米照明学会の均斉度の基準(33%以上)を満たすものとなった。なお、第1の実施形態と同様、均斉度は、製品のバラツキや測定条件等によって多少変動するが、照射範囲R2において40%以上であることが望ましく、45%であることがさらに望ましい。なお、本実施形態の照明装置2の構成の場合、照射範囲R2における均斉度は45~55%の範囲で変動すると考えられる。
このように、本実施形態の照明装置2によれは、第1の実施形態の照明装置1と同様、机上面の照射範囲R1、R2内での照度ムラが少なく、眼に優しい照明光L1が得られる。
【0048】
なお、本実施形態においては、円形パターン153a、153bの直径が0.2mm、円形パターン153c、153dの直径が0.3mm、円形パターン153e、153fの直径が0.35mm、円形パターン153g、153hの直径が0.45mm、円形パターン153i、153jの直径が0.5mmに設定されているとしたが、このような構成に限定されるものではなく、複数の円形パターンの数、サイズ、配置は、イエローリングの強度や求められる仕様(照明光の光量や均斉度)等に応じて適宜変更することができる。
【0049】
なお、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0050】
1 :照明装置
10 :照明装置(従来)
11 :ケース(従来)
12 :基板(従来)
15 :LEDチップ(従来)
16 :反射ミラー(従来)
100 :本体部
101 :ケース
101a :出射開口
102 :カバー
103 :拡散板
104 :サイドカバー
105 :導光板
106 :センサーカバー
110 :光源ユニット
112 :基板
115 :白色LEDチップ
116 :電球色LEDチップ
117 :カラーLEDチップ
118 :MPU
120 :フェイスLED基板
122 :基板
125 :白色LED素子
130 :MPU基板
131 :MPU
132 :第1センサ
133 :第2センサ
134 :第3センサ
135 :第4センサ
136 :LEDドライバ
137 :LEDドライバ
139 :USBコネクタ
150 :カバー
151 :基材
152 :光拡散層
153a :円形パターン
153b :円形パターン
153c :円形パターン
153d :円形パターン
153e :円形パターン
153f :円形パターン
153g :円形パターン
153h :円形パターン
153i :円形パターン
153j :円形パターン
200 :掛止部
210 :ウェイト部
215 :回転軸
230 :アーム部
232 :舌部
235 :回転軸
C :USBケーブル
D :ディスプレイ
D1 :ディスプレイ
D2 :ディスプレイ
D3 :ディスプレイ
Lo :照明光(従来)
L1 :照明光
L2 :照明光
L3 :照明光
U :使用者
S :領域
T :領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15