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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】コネクターモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/64 20060101AFI20240409BHJP
   H01R 13/66 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
H01R13/64
H01R13/66
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022530691
(86)(22)【出願日】2021-03-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(86)【国際出願番号】 KR2021003631
(87)【国際公開番号】W WO2021225275
(87)【国際公開日】2021-11-11
【審査請求日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】10-2020-0053358
(32)【優先日】2020-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユ、セオン-ウク
【審査官】松原 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-242476(JP,A)
【文献】特開2004-165088(JP,A)
【文献】実開平06-028808(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0098530(KR,A)
【文献】国際公開第2016/185957(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/065432(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/64
H01R 13/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ハウジングと、前記第1ハウジングに収容される第1ターミナルとを備える雄コネクターと、
前記第1ハウジングと嵌合するように設けられる第2ハウジングと、前記第2ハウジングに収容される第2ターミナルとを備える雌コネクターと、
前記第1ハウジングが前記第2ハウジングの中に挿入方向に挿入されることに応じて圧力変化を感知する1または複数の圧力センサーを備え、前記雄コネクターと前記雌コネクターとの接続状態を外部装置に伝送するコネクター接続感知ユニットと、を含み、
前記第2ハウジングは、前記第1ハウジングの挿入口となる開放部と、前記開放部と対向する後面板と、を備え、
前記1または複数の圧力センサーは、前記第2ハウジングの中で前記後面板に取り付けられ、前記第1ハウジングが前記第2ハウジングの中に挿入方向に挿入されると、前記第1ハウジングの少なくとも一側と接触するようになる後面板圧力センサーを含み、
前記第1ハウジングは、前記第2ハウジングの中に挿入されると、前記第1ハウジングの先端部が前記挿入方向において前記後面板圧力センサーと接触
前記後面板圧力センサーは、リング状で前記第2ハウジングの前記後面板の周縁部に沿って配置される、コネクターモジュール。
【請求項2】
前記第2ターミナルは、前記後面板の内外へ通過する、請求項1に記載のコネクターモジュール。
【請求項3】
前記雄コネクターは、前記第1ハウジングと一体で形成され、前記第1ハウジングが前記第2ハウジングの中に挿入されたときに前記第2ハウジングに係合するラッチ部材を含み、
前記第2ハウジングは、前記ラッチ部材の端部が挿入可能に設けられた係止溝を備え、
前記1または複数の圧力センサーは、前記係止溝に介在されている係止溝圧力センサーを含む、請求項1または2に記載のコネクターモジュール。
【請求項4】
第1ハウジングと、前記第1ハウジングに収容される第1ターミナルとを備える雄コネクターと、
前記第1ハウジングと嵌合するように設けられる第2ハウジングと、前記第2ハウジングに収容される第2ターミナルとを備える雌コネクターと、
前記第1ハウジングが前記第2ハウジングの中に挿入されることに応じて圧力変化を感知する1または複数の圧力センサーを備え、前記雄コネクターと前記雌コネクターとの接続状態を外部装置に伝送するコネクター接続感知ユニットと、を含み、
前記雄コネクターは、前記第1ハウジングと一体で形成され、前記第1ハウジングが前記第2ハウジングの中に挿入されたときに前記第2ハウジングに係合するラッチ部材を含み、
前記第2ハウジングは、前記ラッチ部材の端部が挿入可能に設けられた係止溝を備え、
前記1または複数の圧力センサーは、前記係止溝に介在されている係止溝圧力センサーを含む、コネクターモジュール。
【請求項5】
前記第2ハウジングは、前記第2ターミナルが内外へ通過する後面板を備え、
前記1または複数の圧力センサーは、前記第2ハウジングの中で前記後面板に取り付けられ、前記第1ハウジングが前記第2ハウジングの中に挿入方向に挿入されると、前記第1ハウジングの少なくとも一側と接触するようになる後面板圧力センサーを含み、
前記第1ハウジングは、前記第2ハウジングの中に挿入されると、前記第1ハウジングの先端部が前記後面板圧力センサーと接触するように設けられた、請求項に記載のコネクターモジュール。
【請求項6】
前記後面板圧力センサーは、リング状で前記第2ハウジングの前記後面板の周縁部に沿って配置される、請求項に記載のコネクターモジュール。
【請求項7】
前記ラッチ部材は、
前記第1ハウジングの上部から前記第1ハウジングの挿入方向へ延びる水平板と、
前記水平板の端部が折り曲げられ、前記係止溝に一部が挿入されて前記係止溝圧力センサーと接触可能に設けられた係止爪と、を含む、請求項からのいずれか一項に記載のコネクターモジュール。
【請求項8】
前記第2ハウジングは、前記第1ハウジングが挿入方向の反対方向へ動かないように前記第2ハウジングの上面板から突出して形成され、前記係止爪の一側面と当接するように設けられた係止突起をさらに含む、請求項に記載のコネクターモジュール。
【請求項9】
前記コネクター接続感知ユニットは、
前記第2ハウジングの外部に配置され、前記外部装置にコネクターの接続状態情報を伝送するコントローラーと、
前記1または複数の圧力センサーと前記コントローラーとを接続する電線と、を含む、請求項1からのいずれか一項に記載のコネクターモジュール。
【請求項10】
前記1または複数の圧力センサーのそれぞれが、ピエゾ抵抗センサーまたはFSR圧力センサーである、請求項1からのいずれか一項に記載のコネクターモジュール。
【請求項11】
前記雄コネクターは、前記第1ハウジングの後端部から側面方向へ突出して形成されたダミープラグをさらに含み、
前記雌コネクターは、前記第2ハウジングの外側面に備えられ、
前記ダミープラグが挿入可能なソケット形態で設けられセンサー取付部をさらに含
前記1または複数の圧力センサーは、前記センサー取付部の内部に介在されているソケット内圧力センサーを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のコネクターモジュール。
【請求項12】
前記ダミープラグは、前記第1ハウジングが前記第2ハウジングの中に挿入されたときに前記ソケット内圧力センサーと接触するように設けられる、請求項11に記載のコネクターモジュール。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載のコネクターモジュールを含む、バッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクターモジュールに関し、より詳しくは、バッテリーパックの内部において目視で識別できないコネクターの正しい接続状態をリアルタイムで把握可能なコネクターモジュールに関する。
【0002】
本出願は、2020年5月4日出願の韓国特許出願第10-2020-0053358号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
TV、モニター、ノートブックPC、スマートフォン、バッテリーパックなどをはじめとする多様な電気器具は、信号ケーブルやFPCB、FFCなどのような信号伝送手段を用いて構成品同士または回路基板同士のデータを送受信する。コネクターは、信号ケーブルやFPCB、FFCなどを構成品や回路基板に容易に接続されるようにする役割を果たす接続器具であって、データを有線で送受信する電気製品であれば、必須に含まれている付属品といえる。
【0004】
通常、コネクターは、雌コネクターと雄コネクターを一対にして、レセプタクルまたはプラグイン方式で構成される。
【0005】
例えば、雌コネクターは、雌コネクターのハウジングと、コンタクトに当たる複数の雌コネクターピンとを備え、雄コネクターは、雌コネクターのハウジングの中に挿入される雄コネクターのハウジングと、複数の雌コネクターピンとプラグイン方式で接続する複数の雄コネクターターミナルと、を備えるように構成され得る。
【0006】
このような雌コネクター及び雄コネクターのいずれか一つ、例えば、雌コネクターを回路基板に表面実装(SMT,Surface Mounter Technology)し、雄コネクターを雌コネクターに挿入及び固定する。電気的信号は、雌コネクターに雄コネクターが正しく嵌合して雄コネクターターミナルと雌コネクターピンとが接触されたときに回路基板に伝送される。
【0007】
一方、多様な要因によってコネクターの接続状態が正しくないと、信号伝送不能になり、当該電気装置がまともに作動しないことがある。ところが、コネクターの多くは、電気装置の内部に位置している。例えば、バッテリーパックの場合にもバッテリーセルの電圧と温度測定のために、ワイヤとコネクターをBMS回路基板に接続し、パックケースに内部構成品をパッケージングした後にはコネクターの接続状態を目視で確認することができない。この場合、電源をオンオフ(on-off)してデジタル的に信号有無を確認する程度は可能であるが、コネクターの物理的接続状態は、パックケースを分離する前には正確に分からない。
【0008】
例えば、コネクターが完全に分離される直前まではターミナルの通電が維持され得る。しかし、コネクターが不完全に接続された状態では、小さい衝撃や振動にもコネクターの接続が切れることがあって、問題になり得る。
【0009】
また、実際のコネクターの接続状態に問題がなくても電源をオンしたときに信号が捉えられない場合、これがコネクターの接続状態に問題があるか、それとも他の装置に問題があるかを判断しにくいという問題もある。
【0010】
そこで、電源をオンオフする方式とは別にコネクターの正しい接続状態をリアルタイムで感知できる方案が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする技術的課題は、既存の電源オンオフ(on-off)方式とは別にコネクターの正しい接続状態をリアルタイムで感知可能なコネクターモジュールを提供することを目的とする。
【0012】
但し、本発明が解決しようとする技術的課題は、前述の課題に制限されず、言及していないさらに他の課題は、下記する発明の説明から当業者にとって明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によると、第1ハウジングと、第1ハウジングに収容される第1ターミナルを備える雄コネクターと、第1ハウジングと嵌合するように設けられる第2ハウジングと、第2ハウジングに収容される第2ターミナルを備える雌コネクターと、第1ハウジングが第2ハウジングの中に完全に嵌合すると、第1ハウジングの少なくとも一側と接触するようになる圧力センサーを備え、雄コネクターと雌コネクターとの接続状態を外部装置に伝送するコネクター接続感知ユニットと、を含むコネクターモジュールが提供され得る。
【0014】
第2ハウジングは、第2ターミナルが内外へ通過する後面板を備え、圧力センサーは、第2ハウジングの中で後面板に取り付けられ、第1ハウジングは、第2ハウジングの中に完全に嵌合すると、第1ハウジングの先端部が圧力センサーと接触するように設けられ得る。
【0015】
圧力センサーは、リング状で第2ハウジングの後面板の周縁部に沿って配置され得る。
【0016】
コネクター接続感知ユニットは、第2ハウジングの外部に配置され、外部装置にコネクターの接続状態情報を伝送するコントローラーと、圧力センサーとコントローラーとを接続する電線と、を含み得る。
【0017】
圧力センサーは、ピエゾ抵抗センサー(piezo-resistive sensor)またはFSR圧力センサー(Force Sensitive Resisitor)であり得る。
【0018】
雄コネクターは、第1ハウジングと一体で形成され、第1ハウジングが第2ハウジングの中に完全に嵌合したときに第2ハウジングに係合するラッチ部材を含み、第2ハウジングは、ラッチ部材の端部が挿入可能に設けられた係止溝を備え、係止溝に圧力センサーが介在され得る。
【0019】
ラッチ部材は、第1ハウジングの上部から第1ハウジングの挿入方向へ延びる水平板と、水平板の端部が折り曲げられ、係止溝に一部が挿入されて圧力センサーと接触可能に設けられた係止爪と、を含み得る。
【0020】
第2ハウジングは、第1ハウジングが挿入方向の反対方向へ動かないように第2ハウジングの上面板から突出して形成され、係止爪の一側面と当接するように設けられた係止突起をさらに含み得る。
【0021】
雄コネクターは、第1ハウジングの後端部から側面方向へ突出して形成されたダミープラグをさらに含み、雌コネクターは、第2ハウジングの外側面に備えられ、ダミープラグが挿入可能なソケット形態で設けられ、圧力センサーが内部に介在されているセンサー取付部をさらに含み得る。
【0022】
ダミープラグは、第1ハウジングが第2ハウジングの中に完全に嵌合したときに圧力センサーと接触するように設けられ得る。
【0023】
本発明の他の様態によると、前述したコネクターモジュールを含むバッテリーパックが提供され得る。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一面によると、既存の電源オンオフ(on-off)方式とは別にコネクターの正しい接続状態をリアルタイムで感知可能なコネクターモジュールが提供される。
【0025】
より具体的には、本発明によるコネクターモジュールは、雌コネクターと雄コネクターが完全に嵌合したときに雄コネクターによって加えられる圧力変化を圧力センサーで感知し、これを外部装置に提供することでコネクターの正しい接続状態を常に確認することができる。
【0026】
本発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者であれば、本発明による実施例から以上で言及されないさらに他の技術的課題を解決できることは、以下の説明から自明に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施例によるコネクターモジュールの構成を概略的に示した斜視図である。
図2図1の雌コネクターの部分切開斜視図である。
図3】本発明の一実施例による雄コネクターと雌コネクターが正しく接続された状態を概略的に示した断面図である。
図4図2の雌コネクターの正面図である。
図5】本発明の他の実施例によるコネクターモジュールの概略的な斜視図である。
図6図5のVI-VI'によるコネクターモジュールの部分断面図である。
図7】本発明のさらに他の実施例によるコネクターモジュールの概略的な斜視図である。
図8図7のVIII-VIII'によるコネクターモジュールの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0029】
以下で説明する本発明によるコネクターモジュール10は、バッテリーパックの構成品としてバッテリーセルの電圧と温度測定のために信号ワイヤまたはフレキシブルケーブルなどをBMS回路基板の接続に適用し得る。勿論、コネクターモジュール10は、バッテリーパックの構成品に権利範囲が限定されることではない。例えば、コネクターモジュール10は、TV、冷蔵庫、洗濯機、コンピューター、オーディオなどのような電子装置を含めて、信号伝送が必要なその他の機械、器具、装置に適用可能である。
【0030】
図1は、本発明の一実施例によるコネクターモジュールの構成を概略的に示した斜視図であり、図2は、図1の雌コネクターの部分切開斜視図であり、図3は、本発明の一実施例による雄コネクターと雌コネクターが正しく接続された状態を概略的に示した断面図であり、図4は、図2の雌コネクターの正面図である。
【0031】
これらの図面を参照すると、本発明の一実施例によるコネクターモジュール10は、雄コネクター100、雌コネクター200及びコネクター接続感知ユニット300を含み得る。
【0032】
本実施例による雄コネクター100は、信号ケーブル20の一端部に取り付けられ得る。雄コネクター100と信号ケーブル20は、信号ケーブル20の心線と雄コネクター100に備えられる第1ターミナル120との圧着または溶接によって互いに接続され得る。
【0033】
雌コネクター200は、印刷回路基板30の一側に実装され得る。図面に詳しく示してはいないが、雌コネクター200は、フックやボルトで印刷回路基板30にマウントされ、雌コネクター200の第2ターミナル220は、印刷回路基板30の上に備えられる導体パターン(図示せず)にはんだ付けされ得る。導体パターンは、印刷回路基板30の上に実装されているBMSチップ(ASIC,図示せず)と接続されるように構成され得る。
【0034】
雄コネクター100を雌コネクター200の内側に嵌め込むと、第1ターミナル120と第2ターミナル220が接触して通電され、これによって信号ケーブル20の電気信号がコネクターモジュール10を通して印刷回路基板30のBMSチップに伝送され得る。
【0035】
この際、電気信号の安定的な伝送は、雄コネクター100と雌コネクター200が正しく接続されていればこそ可能になるため、コネクターの接続状態を常時モニターする必要がある。
【0036】
特に、コネクターモジュール10が自動車用バッテリーパックの構成品として使用される場合、コネクターモジュール10は、持続的に振動と衝撃が加えられる環境に露出し得るため、その接続状態をリアルタイムで感知する必要性がより大きい。
【0037】
このため、本発明によるコネクターモジュール10は、コネクター接続感知ユニット300を備えていることで、雄コネクター100が雌コネクター200に挿入されたときに雄コネクター100によって加えられる圧力変化を感知することで、目視で確認できない環境でもコネクターの正しい接続状態をリアルタイムで分かるように構成されている。以下、コネクターモジュール10を構成する主要構成をより詳しく説明する。
【0038】
図1及び図3を参照すると、雄コネクター100は、第1ハウジング110と、第1ハウジング110の中に収容される第1ターミナル120と、を含む。
【0039】
第1ハウジング110は、第1ターミナル120を外部衝撃から保護し、相対物である雌コネクター200に接続及び固定可能に設けられた構造体である。第1ハウジング110は、例えば、プラスチック射出成形によって製作され得る。
【0040】
具体的には、本実施例による第1ハウジング110は、ほぼ四角の箱状であり、第1ターミナル120を内側に配置できる内部空間と、内部空間を区切る複数個の隔壁111を備えた形態で構成され得る。隔壁111は、第1ハウジング110の幅方向に等間隔で備えられ、隔壁111同士の間の空間に第1ターミナル120が一つずつ配置されることで第1ターミナル120同士の電気的絶縁性が確保できる。
【0041】
また、隔壁111によって制限された内部空間に第1ターミナル120が配置されることで、各々の第1ターミナル120の固定性が確保でき、雌コネクター200との接続が正確かつ安全にガイドされる。
【0042】
参考までに、本実施例は、第1ハウジング110を四角の箱状で単純に具現したが、第1ハウジング110には、雌コネクター200の外側面に締結可能なフックのような固定構造物がさらに備えられ得る。
【0043】
第1ターミナル120は、電気的信号を伝送するための接続端子として、銅、アルミニウムなどのような金属材質で設けられ得る。
【0044】
具体的には、本実施例の第1ターミナル120は、信号ケーブル20の心線を囲んで圧着できるように設けられた一端部と、一端部から両方へ分岐され、若干の弾性力を有するほぼU字形のコンタクト部を有するように設けられ得る。後述する第2ターミナル220は、コンタクト部に接続され得る。
【0045】
このような第1ターミナル120は、信号ケーブル20の数だけ複数個が備えられ得る。例えば、本実施例は、信号ケーブル20が5本であることから、それに対応する第1ターミナル120も5個である。即ち、信号ケーブル20の本数と配置構造によって第1ターミナル120の個数と配置構造がいくらでも変わり得る。例えば、信号ケーブル20が10本なら、雄コネクター100は、第1ターミナル120が第1ハウジング110の内部で層状に5個ずつ合計10個が配置されるように構成され得る。
【0046】
また、図1図4を参照すると、雌コネクター200は、第2ハウジング210と、第2ハウジング210の中に収容される第2ターミナル220と、を含み得る。
【0047】
第2ハウジング210は、第2ターミナル220を保護し、第1ハウジング110と嵌合するように設けられ得る。第2ハウジング210は、絶縁性を有するプラスチック材質で射出成形によって製作され、印刷回路基板30にフックやボルト(図示せず)によって取り付けられ得る。
【0048】
本実施例による第2ハウジング210は、第1ハウジング110が挿入される内部空間を有するほぼ四角の箱状で構成され得る。より具体的には、第2ハウジング210は、入口となる開放部と、印刷回路基板30に載置される下面板211と、下面板211と対向する上面板212と、第2ハウジング210の両側面を形成する左側面板213及び右側面板214と、開放部と対向する後面板215と、を含む。第2ハウジング210の内部空間は、下面板211、上面板212、左側面板213、右側面板214及び後面板215で囲まれた空間によって特定され得る。後面板215には、第2ターミナル220を通過可能にする通孔がさらに備えられ得る。
【0049】
参考までに、本実施例は、第2ハウジング210をほぼ四角の箱状に単純化したが、これは、内部空間を形成するための一例である。即ち、第2ハウジング210は、本実施例と異なり、多角形状や屈曲と段差を有するように構成されることも可能である。
【0050】
第2ターミナル220は、前述した第1ターミナル120と同様に、電気的信号を伝送するための接続端子であって、銅、アルミニウムなどのような金属材質で設けられ得る。
【0051】
図3に示したように、第2ターミナル220は、第2ハウジング210の中に配置される内部パーツ221と、第2ハウジング210の外に配置される外部パーツ223と、を含み、第2ハウジング210を内外へ通過するように第2ハウジング210に結合し得る。
【0052】
具体的には、内部パーツ221は、後面板215から開放部に向かって真っすぐ延びて設けられることで、第1ターミナル120のU字形のコンタクト部にプラグイン形態で接続され得る。そして、内部パーツ221が第1ターミナル120に接続された後には、第1ターミナル120の弾性によって内部パーツ221と第1ターミナル120との緊密な接触が維持され得る。
【0053】
外部パート223は、印刷回路基板30のランド部にはんだ付けするための部分であって、後面板215の外から下面板211の方向へ折り曲げられて延びた形態で設けられ得る。
【0054】
一方、コネクター接続感知ユニット300は、雄コネクター100と雌コネクター200の正しい接続状態を感知する機能を行う構成であって、圧力センサー310と、コントローラー320と、これらを接続する電線330と、を含み得る。
【0055】
圧力センサー310は、第1ハウジング110が第2ハウジング210の中に所定の深さまで挿入されて完全に嵌合したとき、第1ハウジング110の少なくとも一側と接触する。
【0056】
図2及び図4に示したように、本実施例による圧力センサー310は、第2ハウジング210の後面板215の内側面に取り付けられた状態で第2ハウジング210の中に配置され得る。例えば、圧力センサー310は、四角のリング状で設けられ、第2ハウジング210の後面板215の内側面の周縁部に沿って配置される。このような圧力センサー310に第1ハウジング110の先端部(終端)が接触するようになる。
【0057】
即ち、図3のように、第1ハウジング110が第2ハウジング210の中に完全に嵌合したとき、第1ハウジング110の先端部が四角のリング状の圧力センサー310に接触するようになる。
【0058】
このような圧力センサー310の構成によると、初期から第1ハウジング110が第2ハウジング210の中に最後まで挿入されない不完全な接続状態であるか、またはコネクターの締結は正常に行われているが、以後に衝撃や振動によって第2ハウジング210の中で第1ハウジング110が部分的に分離される場合、圧力センサー310によって雄コネクター100の圧力が感知されない。この際、圧力センサー310によって正常に圧力が感知されないと、コネクターの接続不良であると判断し得る。参考までに、圧力センサー310によって正常に圧力が感知されるが、信号ケーブル20の信号がなければ、これはコネクターの接続不良ではなく信号ケーブルやその他の部品に問題があることが分かる。
【0059】
圧力センサー310としては、ピエゾ抵抗センサー(piezo-resistive sensor)が採用され得る。参考までに、ピエゾ抵抗センサーは、圧力が加えられると、ひずみゲージの抵抗値が圧力に比例して変化することを用いて圧力を電圧に変化させて電池信号で出力する圧力センサーの一種である。勿論、本発明の権利範囲がピエゾ抵抗センサーに限定されることではない。例えば、ピエゾ抵抗センサーは、厚さの薄いフィルム状に製作できるFSR(Force Sensitive Resisitor)圧力センサーのような他の種類の圧力センサーに代替可能である。
【0060】
コントローラー320は、圧力センサー310から出力される値に基づいて、雄コネクター100と雌コネクター200の接続状態を診断し、これを外部装置(図示せず)へ伝送する機能を担当するように構成され得る。ここで、外部装置とは、スマートフォンやデジタルコンピューター、または自動車のECUなどのように無線信号を受信できる装置を包括し得る。
【0061】
コントローラー320は、無線送受信機と、圧力センサー310と、無線送受信機に電源を供給するバッテリーと、を含んで構成され、電線330によって圧力センサー310と接続されて第2ハウジング210の外部に配置され得る。この場合、第2ハウジング210の中に圧力センサー310をコンパクトに介在しやすく、第1及び第2ターミナル120、220との信号ノイズまたは混線を避けることができる。
【0062】
特に、本発明によるコントローラー320は、信号ケーブル20及び印刷回路基板30に供給されるメイン電源とは別に自体電源によって駆動されるものであって、コントローラー320自体にバッテリーが含まれ、バッテリーによって無線送受信機及び圧力センサー310が駆動され得る。この場合、メイン電源のオンオフ(on-off)とは別に圧力センサー310によるコネクターの接続状態を常時感知することができる。
【0063】
以上のように、本発明の一実施例によるコネクターモジュール10の構成と作用によると、コネクターモジュール10が目視で確認不可能な場所に位置してもコネクターの接続状態を感知することができる。また、コネクターモジュール10によると、システム電源をオンオフして電気信号の有無からコネクターの接続状態を確認していた従来のコネクターの問題点、即ち、雌/雄コネクター100が完全に分離する直前まではコネクターの正しい接続状態が正確に分からず、システム電源をオンにした状態で電気信号が捉えられない場合、これがコネクターの接続状態不良から始まったか否かを正確に判別できなかった問題点を解消することができる。
【0064】
図5は、本発明の他の実施例によるコネクターモジュール10の概略的な斜視図であり、図6は、図5のVI-VI'によるコネクターモジュール10の部分断面図である。
【0065】
続いて、図5及び図6を参照して本発明の他の実施例を説明する。前述した実施例と同じ部材符号は同じ部材を示し、同じ部材に対する重複する説明は省略し、前述した実施例との差異を中心にして説明する。
【0066】
本発明の他の実施例による雄コネクター100は、第1ハウジング110と一体で形成され、第2ハウジング210に係合するラッチ部材130をさらに含み、第2ハウジング210は、ラッチ部材130の端部が挿入可能に設けられた係止溝217をさらに含み、圧力センサー310Aは、係止溝217の中に介在されるように構成され得る。
【0067】
ラッチ部材130は、第1ハウジング110の上部から第1ハウジング110の挿入方向へ延びる水平板133と、水平板133の端部から折り曲げられた形態で設けられた係止爪135と、を含み得る。
【0068】
図5のように、水平板133は、第1ハウジング110の縁部から上方へ突出した連結板131によって支持され、第1ハウジング110の上面から一定の高さで離隔しており、第1ハウジング110を第2ハウジング210の中に挿入するとき、第2ハウジング210の上面板212の上に配置され得る。
【0069】
第2ハウジング210の係止溝217は、第2ハウジング210の上面板212から凹んだ形態であり、第1ハウジング110が第2ハウジング210の中に完全に嵌合したとき、ラッチ部材130の係止爪135の位置に対応する位置に設けられ得る。このような係止溝217の中に圧力センサー310が介在され、圧力センサー310とコントローラー320を接続するための電線330は、第2ハウジング210の上面板212と後面板215に埋め込まれ得る。
【0070】
また、第2ハウジング210は、上面板212から突出するように設けられた係止突起218をさらに備え得る。例えば、係止突起218は、係止爪135の端部が係止溝217に挟まれたとき、係止爪135の内側面と当接するように係止溝217の部分と段差をなすように設けられることで、第1ハウジング110が挿入方向の反対方向へ動かないように作用できる。
【0071】
本発明の他の実施例によるコネクターモジュール10の構成によると、ラッチ部材130の係止爪135と第2ハウジング210の係止溝217の中の圧力センサー310Aとの接触有無によってコネクターの正しい接続状態が判別できる。即ち、図5及び図6に示したように、第1ハウジング110が第2ハウジング210の中に完全に嵌合したとき、ラッチ部材130の係止爪135の端部と圧力センサー310Aとが接触できる。圧力センサー310Aはこの際の圧力変化を感知し、コントローラー320は圧力センサー310Aの信号に基づいてコネクターの接続状態を外部装置へ伝送できる。
【0072】
このような本実施例は、圧力センサー310Aの設置が前述した実施例に比べて容易であり、ラッチ部材130を雄コネクター100と雌コネクター200の固定に用いると共に圧力を感知するための手段として活用できるという利点がある。
【0073】
図7は、本発明のさらに他の実施例によるコネクターモジュール10の概略的な斜視図であり、図8は、図7のVIII-VIII'によるコネクターモジュール10の部分断面図である。
【0074】
続いて、図7及び図8を参照して本発明のさらに他の実施例を説明する。前述した実施例と同じ部材番号は同じ部材を示し、同じ部材についての重複する説明は省略する。
【0075】
本発明のさらに他の実施例による雄コネクター100は、第1ハウジング110の後端部から側面方向へ突出して形成されたダミープラグ140をさらに含み、雌コネクター200は、第2ハウジング210の外側面に備えられ、ダミープラグ140が挿入可能なソケット形態で設けられたセンサー取付部230をさらに含み、圧力センサー310Bは、センサー取付部230の内部に介在されるように構成され得る。
【0076】
ダミープラグ140は、第1ハウジング110と一体で形成され、横断面がほぼL字状の構造で第1ハウジング110の側面部から一定の間隔で離隔しており、第1ハウジング110を第2ハウジング210の中に挿入するに際し、第2ハウジング210の外部で第2ハウジング210の側面板と平行に配置され得る。ダミープラグ140は、第1ハウジング110の左側面と右側面に一つずつ2つが設けられ得る。
【0077】
センサー取付部230は、内側にダミープラグを嵌め込み得る空間を備え、その外形は凸状であり得る。そして、センサー取付部230は、第2ハウジング210の左側面と右側面に一つずつ2つが設けられ得る。圧力センサー310Bは、センサー取付部230の内部空間で最も深い所に介在され得る。
【0078】
また、ダミープラグ140とセンサー取付部230内の圧力センサー310Bは、第1ハウジング110が第2ハウジング210の中に完全に嵌合したとき、ダミープラグ140の端部が圧力センサー310Bに接触できるように構成及び位置が決定され得る。
【0079】
本発明のさらに他の実施例によるコネクターモジュール10の構成によると、ダミープラグ140とセンサー取付部230の中の圧力センサー310Bとの接触有無によってコネクターの正しい接続状態が判別できる。即ち、図7及び図8に示したように、第1ハウジング110が第2ハウジング210の中に完全に嵌合したとき、ダミープラグ140の端部と圧力センサー310Bとが接触できる。圧力センサー310Bは、この際の圧力変化を感知し、コントローラー320は圧力センサー310の信号に基づいてコネクターの接続状態を外部装置へ伝送し得る。
【0080】
このような本実施例は、第1の実施例に比べて圧力センサー310の設置が容易であり、第2の実施例に比べて第1ハウジング110が第2ハウジング210に嵌合する方向と同じ方向へダミープラグ140がセンサー取付部230に嵌め込みによって結合するように構成されていることで、より確実な圧力を圧力センサー310に加えることができる。これによって、圧力センサー310の反応信頼性を高めることができるという利点がある。
【0081】
一方、本発明によるバッテリーパックは、前述したコネクターモジュール10、バッテリーセル、BMS(Battery Mangement System)、パックケースを含んで構成され得る。例えば、コネクターモジュール10は、バッテリーセルの電圧と温度測定のための信号ケーブル20またはFFC、FPCなどをBMS回路基板に接続するのに使用可能である。
【0082】
また、バッテリーパックは、バッテリーセルの温度を管理するための冷却装置、電流の流れを制御するための制御装置として、ヒューズ、リレーなどのような電装品をさらに含み得る。
【0083】
以上、本発明の望ましい実施例について図示及び説明したが、本発明は上述した特定の望ましい実施例に限定されず、請求範囲で請求する本発明の要旨から外れることなく当該発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者であれば、だれでも多様に変形できることは言うまでもなく、かかる変形は請求範囲内に含まれる。
【0084】
なお、本明細書において、上、下、左、右、前、後のような方向を示す用語が使用されたが、このような用語は相対的な位置を示し、説明の便宜のためのものであるだけで、対象となる事物の位置や観測者の位置などによって変わり得ることは、当業者にとって自明である。
図1
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