(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】制御された冷却システムおよびデバイスを安全に使用する方法
(51)【国際特許分類】
A61F 7/00 20060101AFI20240409BHJP
A61F 9/007 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
A61F7/00 300
A61F9/007 120
(21)【出願番号】P 2022568384
(86)(22)【出願日】2021-07-14
(86)【国際出願番号】 KR2021009072
(87)【国際公開番号】W WO2022015066
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2023-01-13
(31)【優先権主張番号】10-2020-0087100
(32)【優先日】2020-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0130588
(32)【優先日】2020-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522435894
【氏名又は名称】レセンスメディカル、インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】515351884
【氏名又は名称】ユニスト(ウルサン ナショナル インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー)
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、グン-ホ
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ジェ バム
(72)【発明者】
【氏名】キム、デ ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】リー、チュル ホ
【審査官】村上 勝見
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-028130(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0276708(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0124971(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0094508(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0114711(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0131352(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 7/00
A61F 9/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手持ち型の冷却デバイスを制御する方法であって、
前記手持ち型の冷却デバイスが、(a)冷却媒体と、(b)接触要素と、(c)入力要素と、(d)前記冷却媒体を冷却するように構成された制御モジュールとを有し、
前記方法が、
スタンバイ温度に達するまで前記冷却媒体を冷却する段階と、
接触スタンバイ時間内の前記接触要素の接触を検出する段
階であって、前記接触スタンバイ時間は、前記冷却媒体が前記スタンバイ温度に達したときに始まる、段階と、
トリガスタンバイ時間内の前記入力要素の作動を検出する段階であって
、前記トリガスタンバイ時間は、前記接触要素の前記接触が検出されたときに始まる、段階と、
前記接触スタンバイ時間内に前記接触が検出され、かつ前記トリガスタンバイ時間内に前記作動が検出された場合に、標的温度まで前記冷却媒体を冷却する段
階であって、前記スタンバイ温度は、前記標的温度よりも高い、又は、前記標的温度に等しい、段階と
を備える、方法。
【請求項2】
前記トリガスタンバイ時間は、前記接触スタンバイ時間よりも短い、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記制御モジュールが、温度センサ、圧力センサ、または静電容量式センサを使用することによって前記接触を検出するように構成されている、請求項
1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記制御モジュールが、温度センサを使用することによって前記接触を検出するように構成されており、前記接触は、前記冷却媒体の温度の瞬間変化率(dT/dt)が予め定められた閾値以上であるときに検出される、請求項1か
ら3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記制御モジュールが、第1の温度センサおよび第2の温度センサを使用することによって前記接触を検出するように構成されており、
前記第1の温度センサが、前記冷却媒体の第1の部分を感知するように構成されており、前記第2の温度センサが、前記冷却媒体の第2の部分を感知するように構成されており
、
前記第1の温度センサが前記接触要素に対して近位に配置されており、前記第2の温度センサが前記接触要素に対して遠位に配置されており、
前記接触が、前記第1の温度センサを通じて取得された第1の温度値と、前記第2の温度センサを通じて取得された第2の温度値とに基づいて検出される、
請求項1か
ら4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記予め定められた閾値が、少なくとも1℃/秒を含む、請求
項4に記載の方法。
【請求項7】
前記入力要素の前記作動が、ボタンを押下すること、ノブを回すこと、またはスイッチを反転させることを含む、請求項1か
ら6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記接触要素が先端部材を有する、請求項1か
ら7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記接触スタンバイ時間が
、1秒から60
秒を含む、請求項1か
ら8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記トリガスタンバイ時間が
、1秒から30秒を含む、請求項1か
ら9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記手持ち型の冷却デバイスが通知モジュールをさらに有し、前記方法は、前記接触スタンバイ時間内に前記接触が検出されたとき、または前記トリガスタンバイ時間内に前記作動が検出されたときに、前記通知モジュールによって通知を送信する段階をさらに備える、請求項1か
ら10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記制御モジュールが、標的冷却時間を受信するようにさらに構成され、前記方法は、前記標的冷却時間にわたって前記冷却媒体を前記標的温度に維持する段階をさらに備える、請求項1か
ら11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記標的冷却時間
が5秒から20秒である、請求
項12に記載の方法。
【請求項14】
前記標的冷却時間に達したときに前記冷却媒体の前記冷却を停止する段階をさらに備える、請求
項12また
は13に記載の方法。
【請求項15】
前記接触スタンバイ時間、前記トリガスタンバイ時間、および前記標的冷却時間の合計
が15秒から60
秒である、請求
項12に記載の方法。
【請求項16】
前記スタンバイ温度が0℃~-20℃から選択される、請求項1か
ら15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記標的温度が-5℃~-60℃から選択される、請求項1か
ら16のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷却システム、およびそれを使用する冷却制御システムに関する。いくつかの実施形態において、標的を安全に冷却するために取り外し可能な冷却先端部を使用する冷却システム、ならびに安全な冷却を実行するための冷却制御システムおよび方法を指す。
【背景技術】
【0002】
高齢者の人口が増え、糖尿病を罹患する人の数が増えるにつれて、失明を引き起こす網膜疾患、例えば、黄斑変性、糖尿病性網膜症、または緑内障が急激に増加している。それに応じて、網膜疾患を治療するための眼科手術の学問および研究が増加している。
【0003】
IVTとも呼ばれる硝子体内注射が広く使用されている。IVTは、様々な網膜疾患のために製造され、それらに対して効果的であることが証明されている薬剤を患者の眼に注入することを伴う。IVTは、薬剤の注入の前に眼の麻酔を用いて実行しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の網膜手術では、麻酔薬を使用して眼の麻酔が実行されるため、麻酔薬と注入される薬剤との間の反応を考慮しなければならない。麻酔効果がみられるまで待機する必要があり、これは、手術の全体の時間に影響を及ぼし、患者に感情的な負荷がかかる。この点から、急速な麻酔効果のために冷却エネルギーを使用して眼を急激に冷却する方法に焦点が当てられている。
【0005】
上記の冷却方法の安全性は未だに解決されておらず、冷却デバイスのより具体的な構造および冷却制御方法が安全性のために必要とされている。また、冷却デバイスを使用するときのユーザの快適さ、および冷却デバイスが安全かつ適切に使用されているというユーザの信用を高めることを将来的に考慮するべきである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの実施形態において、標的表面を安全に冷却するために手持ち型の冷却デバイスの温度を制御する方法が提供され得、方法は、i)前記手持ち型の冷却デバイスを提供する段階であって、前記手持ち型の冷却デバイスが、(a)冷却媒体と、b)標的表面接触要素と、(c)前記標的表面接触要素と前記標的表面との接触を検出するように構成された標的表面接触検出モジュールと、(d)入力要素と、(e)前記入力要素の作動を検出するように構成された入力要素検出モジュールと、(f)スタンバイ温度、スタンバイ接触時間、スタンバイトリガ時間、および標的温度を受信するように構成された制御モジュールとを有する、提供する段階と、ii)前記制御モジュールによって、前記スタンバイ温度、前記スタンバイ接触時間、前記スタンバイトリガ時間、および前記標的温度を受信する段階と、iii)前記スタンバイ温度に達するまで前記冷却媒体を冷却する段階と、iv)前記標的表面接触検出モジュールによって、前記スタンバイ接触時間内の前記標的表面接触要素と前記標的表面との接触を検出する段階と、v)前記入力要素検出モジュールによって、前記スタンバイトリガ時間内の前記入力要素の作動を検出する段階であって、前記接触の前記検出が、前記入力要素の前記作動の前記検出の前に検出される、検出する段階と、vi)前記スタンバイ接触時間内に前記接触が検出され、かつ前記スタンバイトリガ時間内に前記作動が検出された場合に、前記標的温度まで前記冷却媒体を冷却する段階であって、前記標的温度が前記スタンバイ温度より低い、冷却する段階とを含む。
[発明の効果]
【0007】
いくつかの実施形態において、冷却先端が、異なる熱伝導率を有する別個のコンポーネントを有するため、冷却エネルギーが標的に効率的に伝達され得る。
【0008】
いくつかの実施形態において、取り外し可能な冷却先端および冷却デバイスの構成は、冷却先端が冷却デバイスに容易に搭載され、そこから取り外されることを可能にし得る。
【0009】
いくつかの実施形態において、標的は、1つまたは複数の安全条件が満たされたときに冷却され、これにより、冷却の安全性が高められる。また、冷却デバイスは、標的に接触するときに主に冷却を実行するように動作するため、冷却性能の安全性が向上し得る。さらに、冷却デバイスの1つまたは複数のコンポーネントを、まず、スタンバイ温度時間にわたってスタンバイ温度(いくつかの実施形態において、これは標的温度より低い温度である)で冷却し、その後、この条件が満たされた後に、1つまたは複数のコンポーネントが標的温度時間にわたって標的温度まで冷却されることによって、標的の過剰な冷却が防止され得る。
【0010】
いくつかの実施形態において、冷却先端は、汚染を防止するために、封止されて、先端格納部に格納される。
【0011】
いくつかの実施形態において、冷却デバイスのコンポーネントが安全に保護され、冷却デバイスが支持部の上に保持され得るように、冷却デバイスの形状に対応する支持部が提供され得る。
【0012】
本開示の効果は、上記のものに限定されない。含まれている本明細書および図面から、本開示が属する当業者によって、上に列挙されていないものが明確に理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示の様々な態様は、添付の特許請求の範囲に具体的に記載される。本開示の複数の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明および添付の図面の参照により、本開示の複数の特徴および利点についてより良い理解が得られるであろう。
【0014】
【
図1】本開示の例示的な実施形態による冷却システムを示す。
【0015】
【
図2】本開示の例示的な実施形態による冷却デバイスおよび冷却先端の構成を示す。
【0016】
【
図3】本開示の例示的な実施形態による冷却システムにおいて標的を冷却するプロセスを示す。
【0017】
【
図4】本開示の例示的な実施形態による冷却デバイスの内部構成を示す。
【0018】
【
図5】本開示の例示的な実施形態による連結モジュールを示す。
【0019】
【
図6】本開示の例示的な実施形態による冷却モジュールである。
【0020】
【
図7】本開示の例示的な実施形態による、冷却デバイスに搭載され、そこから取り外される冷却先端のパスを示す。
【0021】
【
図8】本開示の例示的な実施形態による、冷却モジュールに搭載されている冷却先端を示す。
【0022】
【
図9】本開示の例示的な実施形態による、冷却デバイスから取り外されている冷却先端を示す。
【0023】
【
図10】本開示の例示的な実施形態による、冷却先端が冷却先端に搭載されている、またはそこから取り外されているときに動いている弾性部材を示す。
【0024】
【
図11】本開示の例示的な実施形態による、冷却先端が冷却先端に搭載されている、またはそこから取り外されているときにその位置を変更する冷却モジュールを示す。
【0025】
【
図12】本開示の例示的な実施形態による、冷却先端および冷却先端の内部構成を示す。
【0026】
【
図13】標的の表面上に押下されたマークを形成するための冷却先端の例示的な編成を示す。
【0027】
【
図14】本開示の例示的な実施形態による冷却制御方法を使用して標的が冷却された場合の、時間経過につれてセンサモジュールによって検出される例示的な温度を示す。
【
図15】本開示の例示的な実施形態による冷却制御方法を使用して標的が冷却された場合の、時間経過につれてセンサモジュールによって検出される例示的な温度を示す。
【0028】
【
図16】本開示の例示的な実施形態による例示的な冷却制御方法のフローチャートを示す。
【
図17】本開示の例示的な実施形態による例示的な冷却制御方法のフローチャートを示す。
【
図18】本開示の例示的な実施形態による例示的な冷却制御方法のフローチャートを示す。
【0029】
【
図19】本開示の例示的な実施形態による、標的が冷却先端を接触したかどうかを決定する方法を示す。
【0030】
【
図20】本開示の例示的な実施形態による、冷却デバイスにおいてセンサを配置する方法を示す。
【0031】
【
図21】本開示の例示的な実施形態による、例示的な先端格納ユニットを示す。
【0032】
【
図22】本開示の例示的な実施形態による、例示的な先端格納部の断面図を示す。
【0033】
【
図23】本開示の例示的な実施形態による、支持部の構造および形状を示す。
【0034】
【
図24】本開示の例示的な実施形態による、冷却デバイスが支持部によって支持されるプロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本明細書の開示には、特定の実施形態において、標的表面を安全に冷却するために手持ち型の冷却デバイスの温度を制御する方法が含まれる。特定の実施形態において、方法は、i)手持ち型の冷却デバイスを提供する段階であって、手持ち型の冷却デバイスが、(a)冷却媒体と、(b)標的表面接触要素と、(c)標的表面接触要素と標的表面との接触を検出するように構成された標的表面接触検出モジュールと、(d)入力要素と、(e)入力要素の作動を検出するように構成された入力要素検出モジュールと、(f)スタンバイ温度、スタンバイ接触時間、スタンバイトリガ時間、および標的温度を受信するように構成された制御モジュールとを有する、提供する段階を含む。方法は、ii)制御モジュールによって、スタンバイ温度、スタンバイ接触時間、スタンバイトリガ時間、および標的温度を受信する段階と、iii)スタンバイ温度に達するまで冷却媒体を冷却する段階と、iv)標的表面接触検出モジュールによって、スタンバイ接触時間内の標的表面接触要素と標的表面との接触を検出する段階と、v)入力要素検出モジュールによって、スタンバイトリガ時間内の入力要素の作動を検出する段階であって、接触の検出が入力要素の作動の検出の前に検出される、検出する段階と、vi)スタンバイ接触時間内に接触が検出され、かつスタンバイトリガ時間内に作動が検出された場合に、標的温度まで冷却媒体を冷却する段階であって、標的温度がスタンバイ温度より低い、冷却する段階とをさらに含む。いくつかの実施形態において、スタンバイトリガ時間は、標的表面接触要素の接触が検出されとときに始まる。いくつかの実施形態において、スタンバイ接触時間は、冷却媒体がスタンバイ温度に達したときに始まる。
【0036】
特定の実施形態において、標的表面接触検出モジュールは、温度センサ、圧力センサ、または静電容量式センサを含む。いくつかの実施形態において、標的表面接触検出モジュールは温度センサを含み、接触の検出は、温度センサによって、冷却媒体の温度の瞬間変化率(dT/dt)が予め定められた閾値以上であることを検出することを含む。いくつかの実施形態において、デバイスは、第2の温度センサをさらに含み、接触の検出は、第2の温度センサによって、冷却媒体の温度の瞬間変化率(dT/dt)を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態において、温度センサは標的表面接触要素に対して近位に配置され、第2の温度センサは標的表面接触要素に対して遠位に配置される。いくつかの実施形態において、予め定められた閾値は少なくとも1℃/秒を含む。いくつかの実施形態において、スタンバイ接触時間は60秒以下を含む。いくつかの実施形態において、スタンバイトリガ時間は20秒以下を含む。
【0037】
いくつかの実施形態において、入力要素の作動は、ボタンを押下すること、ノブを回すこと、またはスイッチを反転させることを含む。いくつかの実施形態において、標的表面接触要素は先端部材を含む。
【0038】
いくつかの実施形態において、手持ち型の冷却デバイスは通知モジュールをさらに含み、方法は、スタンバイ接触時間内に接触が検出されたとき、またはスタンバイトリガ時間内に作動が検出されたときに、通知モジュールによって通知を送信する段階をさらに含む。特定の実施形態において、通知は、聴覚アラート、視覚アラート、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0039】
いくつかの実施形態において、制御モジュールは、標的温度時間を受信するようにさらに構成され、方法は、標的温度時間にわたって冷却媒体を標的温度に維持する段階をさらに含む。いくつかの実施形態において、標的温度時間は60秒以下である。いくつかの実施形態において、方法は、標的温度時間に達したときに冷却媒体の冷却を停止する段階をさらに含む。いくつかの実施形態において、標的表面は眼の領域である。他の実施形態において、標的表面は、下方に網膜を含まない眼の表面領域である。いくつかの実施形態において、標的表面上の冷却麻酔部位の直径は約7mm(10mm、9mm、8mm、7mm、6mm、5mm、4mm、3mm、2mm、1mm、15mm未満など)である。いくつかの実施形態において、眼の領域の標的表面に係合するとき、冷却先端の中央は、角膜縁の端から約3.5mm離れている(約4mm離れている、約4.5mm離れている、約5mm離れている、5.5mm離れているなど)。いくつかの実施形態において、標的表面は角膜縁ではない。いくつかの実施形態において、冷却麻酔部位または標的表面に係合する冷却先端の一部の形状は、任意の好適な形状(例えば、円形、方形、矩形、楕円形、三角形、四辺形、三角形、線形など)であり得る。いくつかの実施形態において、スタンバイ温度は0℃~-20℃から選択される。いくつかの実施形態において、標的温度は-5℃~-60℃から選択される。
【0040】
本願の上記の目的、機能、および利点は、図面に関連する以下の詳細な説明を通じてより明らかとなるであろう。しかしながら、本明細書において様々な変更をなすことができ、様々な実施形態が提供され得る。以下に、具体的な実施形態が図面において例示され、詳細に説明される。
[発明の態様]
【0041】
いくつかの実施形態において、本開示は、取り外し可能な冷却先端を中に有する冷却デバイスを提供する。他の実施形態において、本開示はまた、冷却デバイス内に設置されることにより冷却エネルギーを送達する冷却先端を提供する。いくつかの実施形態において、冷却先端は、それぞれ異なる熱伝導率を有する物質を含む。
【0042】
いくつかの実施形態において、冷却デバイスは、冷却先端の取り付けおよび取り外しを可能にする構造を含む。いくつかの実施形態において、冷却デバイスは、冷却デバイスの外部本体の任意のコンポーネントと、冷却デバイスの外部本体の内部に位置する任意のコンポーネントとの間の衝撃を緩和するための空間をさらに含む。
【0043】
いくつかの実施形態において、冷却デバイスは、冷却デバイスの冷却先端の近くに位置付けられたセンサモジュールを含む。さらなる実施形態において、センサモジュールは、標的の接触を検出するセンサに動作可能に連結される。いくつかの実施形態において、標的は、眼の表面、皮膚、粘液細胞、粘液生成細胞もしくは組織、または皮膚細胞を含む。いくつかの実施形態において、センサは、抵抗式センサ、サーミスタ、熱電対、または赤外(IR)センサを含む。
【0044】
いくつかの実施形態において、本開示は、制御された冷却方法を提供する。いくつかの実施形態において、制御された冷却方法は、1つまたは複数の安全条件が満たされた場合にのみ、特定の温度(例えば、標的温度)で標的を冷却する。これらの安全条件には、冷却デバイスのコンポーネント(例えば、冷却先端、先端部材、冷却媒体など)がスタンバイ温度に達したこと、所与の時間(例えば、スタンバイ接触時間)にわたってスタンバイ温度を維持すること、標的において冷却デバイスのコンポーネント(例えば、冷却先端、先端部材、冷却媒体など)と接触すること、所与の時間(例えば、スタンバイ接触時間)内に接触を検出すること、所与の時間にわたって接触を検出すること、冷却されたコンポーネントの温度が特定の閾値に達したこと(例えば、スタンバイ温度から1℃/秒上昇する)を測定することにより接触を検出すること、冷却デバイス上の要素(例えば、ボタン、トリガなど)をユーザが作動させること、所与の時間(スタンバイトリガ時間)内の要素(例えば、ボタン、トリガなど)の作動を検出すること、一定時間にわたる要素(例えば、ボタン、トリガなど)の作動を検出すること、またはそれらの任意の組み合わせが含まれ得る。いくつかの実施形態において、スタンバイ接触時間は、スタンバイトリガ時間よりも前に満たされなければならない。いくつかの実施形態において、スタンバイトリガ時間は、スタンバイ接触時間よりも前に満たされなければならない。いくつかの実施形態において、安全条件には、(例えば、所与の時間にわたる、および/または所与の時間内の)接触の検出と、(例えば、所与の時間にわたる、および/または所与の時間内の)作動とが、両方とも、所与の時間の前に完了されなければならないことがさらに含まれる。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の安全条件を満たせなかった場合、冷却要素のあらゆる冷却の停止がもたらされ、冷却要素が所望の温度(例えば、室温)まで温まることが可能となる。他の実施形態において、これらの安全条件のうちの1つまたは複数を満たすことにより、所与の時間(例えば、標的温度時間)にわたる、標的温度へのコンポーネントのさらなる冷却がもたらされる。さらなる実施形態において、いったん冷却要素が所与の時間にわたって標的温度で冷却されると、標的温度の維持が自動的に停止され、冷却されたコンポーネントがより高温になることがもたらされる。
【0045】
いくつかの実施形態において、冷却デバイスが標的と接触していないときにスタンバイ温度に達する。いくつかの実施形態において、スタンバイ温度は室温を変化させる。いくつかの実施形態において、スタンバイ温度は、室温からスタンバイ温度に達するまでの時間として決定される。いくつかの実施形態において、スタンバイ温度は0℃~-15℃を含む。いくつかの実施形態において、スタンバイ温度は-10℃~-15℃を含む。いくつかの実施形態において、スタンバイトリガ時間は、2秒~10秒の時間から選択される。いくつかの実施形態において、スタンバイトリガ時間は約5秒である。いくつかの実施形態において、スタンバイトリガ時間は約10秒以下である。いくつかの実施形態において、スタンバイトリガ時間は10秒以下である。いくつかの実施形態において、標的温度は-10℃~-20℃を含む。いくつかの実施形態において、標的温度は約-15℃である。いくつかの実施形態において、標的温度時間は約5秒~約20秒を含む。いくつかの実施形態において、標的温度時間は約7秒~約15秒である。いくつかの実施形態において、標的温度時間は約10秒である。さらなる実施形態において、スタンバイ温度時間、スタンバイ温度、スタンバイトリガ時間、標的温度、標的温度時間のうちのいずれか1つまたは複数は、所与の時間範囲、温度範囲、またはそれらの任意の組み合わせについて予め設定され得る。
【0046】
本開示の別の実施形態において、1つまたは複数の冷却先端を格納するように構成された先端格納キットまたはユニットが提供される。本開示の別の実施形態において、冷却デバイスを保持するための支持部も提供される。
【0047】
本開示の一実施形態によれば、冷却媒体を有する冷却デバイスに設置されることによって標的を冷却するための取り外し可能な冷却先端であって、1)冷却媒体が挿入される内部空間を画定し、冷却デバイスを接続するための接続部分を含む先端本体と、2)先端本体から取り外し可能であり得、冷却媒体から受け取った冷却エネルギーを標的に送達するために先端本体より高い熱伝導率を有する接触部材とを含む、取り外し可能な冷却先端が提供される。これは、接触部材が先端本体内に配置されている間に、接触部材が冷却媒体によって先端本体の中心軸の方向に押下されること、接触部材の係合部分が先端本体と密着していること、および、接触部材の少なくとも一部が、先端本体から突出することによって先端本体上に固定されることを含む。
【0048】
本開示の別の実施形態によれば、標的を冷却するための冷却デバイスであって、1)標的の表面に接触することによって冷却エネルギーを伝達する冷却先端が搭載され、そこから分離される本体と、2)標的を冷却するための冷却媒体と、冷却媒体と熱的に連結することによって冷却媒体の温度を制御するための温度制御部材とを含む冷却モジュールと、3)一端が本体に接続され、他端が冷却モジュールに接続された少なくとも1つの弾性部材であって、冷却先端が初期方向において本体上に搭載されて冷却先端が冷却モジュールを第1の方向に押下すると、弾性部材が増大して、冷却モジュールが第1の位置から第2の位置へと移動する、少なくとも1つの弾性部材とを含む冷却デバイスが提供される。弾性部材が収縮すると、冷却モジュールは第2の位置から第1の位置へと移動し、それにより、第1の方向と逆である第2の方向に冷却先端が本体から分離される。
【0049】
本開示の別の実施形態によれば、標的を冷却するための冷却デバイスであって、本体と、主本体の内部に配置された冷却モジュールであって、冷却エネルギーを標的に提供する冷却媒体、および冷却エネルギーを提供するために冷却媒体に熱的に連結された温度制御部材を含む、冷却モジュールと、ユーザの入力に従ってトリガ信号を生成するトリガボタンと、温度制御部材を制御することによって冷却媒体の温度を制御するための制御モジュールであって、制御モジュールは、冷却媒体の温度が標的温度に達する前に、標的温度とは異なるスタンバイ温度に達するように冷却媒体の温度を制御し、スタンバイ時間の間に冷却媒体の温度をスタンバイ温度に維持し、冷却実行条件を満たさずにスタンバイ時間が経過したときに冷却媒体の温度を上げ、受信したトリガ信号に基づいて冷却実行条件が満たされたかどうかを決定する、制御モジュールとを含む冷却デバイスが提供される。
【0050】
いくつかの実施形態において、冷却先端の汚染を防止するために、標的が冷却されるたびに、搭載された冷却先端が交換され得る。
【0051】
いくつかの実施形態において、標的が冷却されるたびに新しい冷却先端を使用することによって、追加の先端消毒プロセスが省略され得る。
【0052】
用語および定義
【0053】
別途定義されない限り、本明細書において使用される、分野のすべての用語、表記、ならびに他の技術的および科学用語または専門用語は、特許請求される主題が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有することが意図される。いくつかの場合では、一般的に理解される意味を有する用語は、明確性および/または容易な参照のために本明細書において定義され、本明細書におけるそのような定義を含むことは、必ずしも、当技術分野において一般に理解されるものとの本質的な相違を表すものと解釈されるべきではない。
【0054】
本明細書において使用される専門用語は、具体的な事例を説明する目的のみのためであり、限定を意図するものではない。本明細書において使用される場合、「a」、「an」、および「the」で示される単数形は、文脈により別途明確に示されない限り、複数形も含むことが意図されている。さらに、「含む(including)」、「含む(includes)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「有する(with)」などの用語またはそれらの変形例が、詳細な説明および/または請求項において使用される点においては、そのような用語は、「備える(comprising)」という用語と同様の様式で包含的であることが意図される。
【0055】
本明細書において使用される場合、「備える(comprise)」という用語、または「備える(comprises)」もしくは「備える(comprising)」などのその変形例は、任意の他の特徴の除外を伴わずに、任意の記載された特徴の包含を示すものとして読まれるべきである。そのため、本明細書において使用される場合、「備える(comprising)」という用語は包含的であり、追加の記載されていない機能を排除しない。本明細書で提供される構成および方法のいずれかのいくつかの実施形態において、「備える(comprising)」は、「から本質的になる(consisiting essentially of)」または「からなる(consisting of)」と置き換えられ得る。「から本質的になるconsisiting essentially of」という語句は、本明細書において、指定された特徴、ならびに特許請求される開示の特性または機能に物質的に影響を及ぼさないものを必要とするものとして使用される。本明細書において使用される場合、「からなる(consisting)」という用語は、記載された特徴のみの存在を示すように使用される。本明細書において使用される場合、「および/または(and/or)」という用語は、関連付けられた列挙される項目のうちの1つまたは複数の任意のすべての組み合わせを含む。
【0056】
図面において、層および領域の厚さは明確性のために誇張されており、他の要素または層の「上の(on)」または「上の(on)」ものとして言及される要素または層は、それらが他のコンポーネントまたは層の真上にある場合のみでなく、間に他の層または他のコンポーネントが介在している場合も含む。これらの明細書全体を通じて、別途指示がない限り、同じ参照番号は同じ要素を指す。加えて各実施形態の図面に示される同じ思想の範囲内で同じ機能を有するコンポーネントは同じ参照番号を使用して説明され、それらの冗長な説明は省略される。
【0057】
本開示の説明において使用される数字(例えば、第1、第2など)は、あるコンポーネントを他のコンポーネントと区別するための単なる識別記号である。
【0058】
文脈により別途規定されない限り、「連結する(coupled to)」という用語は、直接連結(互いに連結されている2つの要素が互いに接触する)および間接連結(少なくとも1つの追加の要素が2つの要素の間に位置している)の両方を含むことが意図される。したがって、「連結する(coupled to)」および「連結する(coupled with)」という用語は同義語として使用される。そのため、「熱的に連結される(thermally coupled)」という用語は、直接または間接接触(例えば、蒸気、空気、液体、機械的な力など)によって熱が伝達される、2つの材料または物体間の任意の関係を指す。
【0059】
別途具体的に指定されるまたは文脈から明らかでない限り、本明細書において使用される場合、数字または数字の範囲に言及するときに「約(about)」という用語は、指定された数および数の+/-10%、または、範囲について記載される値の場合、記載された下限より10%下および記載された上限より10%上を意味するように理解される。
【0060】
「決定する(determining)」、「測定する(measuring)」、「評価する(evaluating)」という用語は、しばしば、測定の形態を指すように本明細書において互換的に使用される。用語は、要素が存在するかどうかを決定することを含む(例えば、検出)。これらの用語は、定量的、定性的、または定量的および定性的な決定を含み得る。評価することは、相対的または絶対的であり得る。「の存在を検出する(detecting the presence of)」は、文脈に応じて、それが存在しているか不在であるかを決定することに加えて、存在しているものの量を決定することを含み得る。
【0061】
いくつかの実施形態において、「標的(target)」という用語は、冷却システムを使用することによって冷却される物体を指す。例えば、いくつかの実施形態において、標的は、医療処置を受けるために麻酔状態または無痛状態に置くことが意図される標的である。具体的には、標的は、神経を含む身体の一部、例えば、疾患を有する眼、皮膚、または歯肉を含む。別の例では、標的は、冷却を使用した皮膚の美容処置のための標的を含む。具体的には、標的は、局所領域を冷却することによって除去され得る点、いぼ、皮膚硬結などを含む身体の一部、または、除毛、剥離、およびボトックス治療などのレーザ処理中に局所麻酔を必要とする身体の一部を含み得る。いくつかの実施形態において、標的は、科学的実験(例えば、細胞培養、組織培養、培養細胞、培養組織)のための細胞または組織を含み得る。代替的および/または追加的には、標的は、細胞または組織を含む任意の容器(例えば、ガラスバイアル、ガラス基板、ペトリ皿など)を含み得る。
【0062】
本明細書において使用される場合、「冷却する(cooling)」という用語は、冷却されるべき標的の温度を下げることを指す。いくつかの実施形態において、冷却は、冷却されるべき標的に冷却エネルギーを適用し、冷却されるべき標的の熱エネルギーを吸収することによって達成される。いくつかの実施形態において、冷却エネルギーは、冷却により熱が逃げることを指し得、熱エネルギーの減少を表現するための概念として理解され得る。例えば、冷却は、冷却エネルギーが標的に伝達または適用されるように、冷却媒体に冷却エネルギーを適用する(それによりいくつかの実施形態において先端がさらに冷却され得る)ことによって、または、冷却エネルギーを先端に適用し、冷却媒体または冷却された先端を冷却されるべき標的と「接触」させることによって実行され得る。別の例では、冷却は、冷媒または空気ガスを「注入」または噴射して、冷却エネルギーを冷却されるべき標的に適用することによって実行され得る。換言すれば、冷却は、冷却エネルギーを冷却されるべき物体に適用する様々な方法を含む包括的な概念として理解されるべきである。以下、説明の簡便性のために、接触方法による標的の冷却が主要な実施形態として説明されるが、本明細書の技術的思想はそれに限定されない。
【0063】
図面において、説明の簡便性のために、コンポーネントの寸法は誇張または低減され得る。例えば、図面に示される各コンポーネントの寸法および厚さは説明の簡便性のために恣意的に示されており、本開示は、図面が示しているものに必ずしも限定されない。
【0064】
特定の実施形態が異なるように実装され得る場合、具体的なプロセスの順序は、説明される順序とは異なるように実行され得る。例えば、連続して説明される2つのプロセスが同時に実行され得るか、または説明される順序とは逆の順序で実行され得る。
【0065】
本明細書で使用されるセクションの見出しは、組織の目的のみのためのものであり、説明される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0066】
冷却先端
本明細書に提供される本開示は、標的を冷却するための取り外し可能な冷却先端を含み、取り外し可能な冷却先端は、冷却媒体を有する冷却デバイスに設置される。特定の実施形態において、冷却先端は、1)冷却媒体を受容するように構成された内部空間を有し、冷却デバイスに接続するための接続部分を含む先端本体と、2)先端本体から取り外し可能であり、冷却媒体から受け取った冷却エネルギーを標的に送達するために先端本体より高い熱伝導率を有する接触部材とを含む。いくつかの実施形態において、接触部材が先端本体内に配置されている間に、接触部材が冷却媒体によって先端本体の中心軸の方向に押下された場合に、接触部材の係合部分は先端本体と密着し、接触部材は、接触部材の少なくとも一部が先端本体から突出しながら、先端本体内に固定される。
【0067】
以下の実施形態において、フィルム、領域、コンポーネントなどが接続されている場合、フィルム、領域、およびコンポーネントは直接接続されるのみではく、他のフィルム、領域、およびコンポーネントが当該フィルム、領域、およびコンポーネントの間に介在している。これには、間接的に接続されている場合が含まれる。例えば、本開示において、フィルム、領域、コンポーネントなどが電気的に接続されている場合、これには、フィルム、領域、コンポーネントなどが直接、電気的に接続されている場合、および、他のフィルム、領域、コンポーネントなどがそれらの間に介在している場合が含まれる。
【0068】
いくつかの実施形態において、先端本体は、係合突出部分を含み、接触部材の係合部分は、冷却媒体により押下されると、先端本体の係合突出部分と密に接触する。
【0069】
いくつかの実施形態において、標的の表面に接触している接触部材の一方の側は、接触部材に接触している冷却媒体の一端の断面より大きい場合がある。
【0070】
いくつかの実施形態において、冷却媒体が接触部材の内周表面に接触することを防止するために、先端本体の開口の内径は、冷却媒体を支持する冷却デバイスの冷却媒体受容部材の外径に対応する(例えば、それと一致する、実質的に同様である)。いくつかの実施形態において、それらの間の摩耗を防止するために、先端本体の開口の内径は、冷却媒体受容部材の外径よりわずかに大きい。そのような複数の実施形態において、先端本体の開口の内径と冷却媒体の外径との間の差は、最小限に抑えられる、または、熱伝達(接触によるものではない放射、対流)を最大化するのに十分に小さい。
【0071】
いくつかの実施形態において、中心軸の方向における接触部材の長さは、中心軸の方向において冷却媒体受容部材から突出している冷却媒体の部分の長さよりも短い場合がある。
【0072】
いくつかの実施形態において、接触部材の熱容量は、冷却エネルギーを接触部材に提供している部分から予め定められた長さに対応する冷却媒体の部分の熱容量より小さい場合がある。いくつかの実施形態において、接触部材の質量は1g以下であり得る。
【0073】
いくつかの実施形態において、先端本体の端部は、標的が冷却される間に標的の表面に接触することによって、先端本体の少なくとも一部が突出してくぼみを呈する形状を含み、このくぼみは、リング、ドット、およびラインのうちの少なくとも1つによって表され得る。
【0074】
冷却デバイス
本明細書に開示されるものには、標的を冷却するための冷却デバイスも含まれる。いくつかの実施形態において、冷却デバイスは、i)標的の表面に接触して標的に冷却エネルギーを伝達する冷却先端が搭載され、そこから分離される主本体、ii)標的を冷却するための冷却媒体と、冷却媒体と熱的に連結することによって冷却媒体の温度を制御するための温度制御部材とを含む冷却モジュール、および/またはiii)一端が主本体に接続され、他端が冷却モジュールに接続される少なくとも1つの弾性部材を含む。いくつかの実施形態において、冷却先端が第1の方向において主本体上に搭載され、冷却先端が第1の方向において冷却モジュールを押下すると、弾性部材が伸長し、冷却モジュールが第1の位置から第2の位置に移動する。いくつかの実施形態において、弾性部材が収縮すると、冷却モジュールは第2の位置から第1の位置へと移動し、それにより、第1の方向と逆である第2の方向に冷却先端が主本体から分離される。
【0075】
いくつかの実施形態において、弾性部材によって冷却媒体と冷却先端との間に及ぼされる圧力は、0.2MPa以上であり得る。いくつかの実施形態において、弾性部材によって冷却媒体と冷却先端との間に及ぼされる圧力は、0.5~5MPaである。いくつかの実施形態において、弾性部材によって冷却媒体と冷却先端との間に及ぼされる圧力は、2~4MPaである。
【0076】
いくつかの実施形態において、コーティング部材は、挿入中にコーティングを変形させるのに好適または十分な硬度を有し、これはインタフェースにおけるあらゆる表面の粗さに適合し、それにより、先端と冷却媒体との間のエアギャップが除去される。そのようなコーティングにより、先端と冷却媒体との間の熱伝達が向上される。いくつかの実施形態において、硬度2Moh以下の硬度を有するコーティング部材は、冷却媒体と冷却先端との間に配置され得る。
【0077】
いくつかの実施形態において、主本体は、少なくとも1つのラッチを有する連結モジュールを含み、冷却先端は、ラッチによって連結モジュール上に搭載され、そこから分離され得る。
【0078】
いくつかの実施形態において、ラッチは、連結モジュール内で対称的に配置された第1のラッチおよび第2のラッチを有し、冷却先端がハウジング上に搭載されている間に第1のラッチが第1の回転方向に回転すると、第2のラッチは第1の回転方向とは逆の第2の回転方向に回転し、冷却モジュールは、冷却先端が主本体から分離され得るように、弾性部材が収縮するにつれて第2の位置から第1の位置へと移動する。
【0079】
いくつかの実施形態において、連結モジュールは、弾性部材の一端を固定するために第1の挿入方向に挿入された固定ピンと、ラッチを固定(例えば、実質的に不動化させる、安定させるなど)ために第1の挿入方向とは異なる第2の挿入方向に挿入されたラッチピンとを有する。
【0080】
いくつかの実施形態において、冷却モジュールは、温度制御部材と熱的に連結された放熱部材を有する。
【0081】
いくつかの実施形態において、主本体は、冷却モジュールが本体部分内に配置されるように冷却モジュールに対応する形状を有する本体部分と、ユーザによって把持される把持部とを含む。いくつかの実施形態において、把持部は、本体部分とは異なる(例えば、垂直な)平面または軸の上に配置される。いくつかの実施形態において、把持部が本体部分とは異なる平面または軸の上に配置されることにより、ユーザは、デバイスを把持し、デバイスを利用し、あらゆる熱を放散させるファンの表面積を最大化することを同時に行うことが可能となる(デバイスが最適に機能し、放熱および効率的な冷却を向上させることが可能となる)。いくつかの実施形態において、本体部分は、冷却モジュールと本体部分の一端との間の衝突を防止するための衝突防止エリアを有する。いくつかの実施形態において、衝突防止エリアの中心軸の方向における距離が、第1の位置と第2の位置との間の距離より長く設定され得る。
【0082】
いくつかの実施形態において、冷却先端は、i)標的と接触する接触部材と、ii)接触部材が配置される先端本体とを有する。先端本体は主本体と機械的に連結されてよく、接触部材は、冷却モジュールの冷却媒体と熱的に連結されてよい。
【0083】
いくつかの実施形態において、冷却デバイスは、冷却モジュールの温度情報を取得する温度センサを有する。いくつかの実施形態において、温度センサは、冷却媒体に挿入され得る。
【0084】
いくつかの実施形態において、温度センサは、温度センサの中央が、冷却媒体の中央から第2の方向において予め定められた距離に位置するように配置され得る。
【0085】
いくつかの実施形態において、冷却媒体は、温度センサと冷却媒体の一端との間の第1の部分と、温度センサと冷却媒体の他端との間の第2の部分とを有する。第1の部分は、第2の部分より小さい熱容量を有し得る。
【0086】
いくつかの実施形態において、冷却デバイスは、冷却先端が標的の表面が接触または触れたかどうかを検出するタッチセンサを有する。
【0087】
いくつかの実施形態において、タッチセンサは、冷却媒体の電気特性値を取得するために冷却媒体に電気的に接続される。冷却デバイスは、電気特性値(例えば、電圧、容量、または低電流の変化)に基づいて、冷却先端が標的の表面に接触したかどうかを検出し得る。そのような複数の実施形態において、冷却デバイスは、電圧/電流測定要素を含むタッチセンサを含み、および/または電気特性は電圧または電流を意味する。
【0088】
いくつかの実施形態において、冷却デバイスは、弾性部材が伸長しているか、または冷却媒体の位置が変更されているかのうちの少なくとも1つの検出に基づいて、冷却先端が本体上に搭載されているかどうかを検出するセンサを有する。
【0089】
いくつかの実施形態において、本体に接続された弾性部材の一端は、冷却モジュールに接続された弾性部材の他端より冷却先端の近くに位置付けられ得る。
【0090】
本明細書に開示されているものには、標的を冷却するための冷却システムも含まれる。特定の実施形態において、冷却システムは、i)冷却エネルギーを生成するための温度制御部材と、温度制御部材から冷却エネルギーを受け取る冷却媒体とを含む冷却デバイスと、ii)冷却媒体と熱的に連結され、標的の表面に接触することによって、冷却媒体から取得した冷却エネルギーを標的に伝達するように構成された冷却先端と、iii)冷却デバイスがその上に保持され、搭載され、または置かれる支持部とを含む。いくつかの実施形態において、冷却デバイスは、温度制御部材および冷却媒体が中に配置される本体部分と、ユーザによって把持される把持部とを含む。いくつかの実施形態において、支持部は、把持部が上に搭載された支持溝を有する座部と、座部から突出し、外部の衝撃に対して冷却デバイスに搭載された冷却先端を保護するために本体部分を囲む翼部とを含む。
【0091】
いくつかの実施形態において、冷却システムは、冷却デバイスが正常に動作するかどうかを決定するためのテスタを含む。いくつかの実施形態において、テスタは、冷却デバイスの冷却媒体と熱的に連結された挿入部分と、挿入部分における、または挿入部分から取得した温度情報に基づいて、冷却デバイスが正常に動作するかどうかを決定する制御部とを含む。いくつかの実施形態において、支持部の座部は、テスタが中に収容される、格納される、または置かれる格納空間を含む。
【0092】
本明細書に開示されるものには、標的を冷却するための冷却デバイスも含まれる。特定の実施形態において、冷却デバイスは、本体と、冷却エネルギーを標的に提供する冷却媒体、および体の内部に配置されることによって冷却エネルギーを提供するために冷却媒体と熱的に連結された温度制御部材を含む冷却モジュールと、ユーザの入力に従ってトリガ信号を生成するトリガボタンと、温度制御部材を制御することによって冷却媒体の温度を制御するための制御モジュールとを含む。いくつかの実施形態において、制御モジュールは、冷却媒体の温度が標的温度に達する前に、標的温度とは異なるスタンバイ温度に達するように冷却媒体の温度を制御し、スタンバイ時間の間に冷却媒体の温度をスタンバイ温度に維持し、冷却実行条件を満たさずにスタンバイ時間が経過したときに冷却媒体の温度を上げ、受信したトリガ信号に基づいて冷却実行条件が満たされたかどうかを決定する。
【0093】
いくつかの実施形態において、冷却デバイスは、冷却媒体と熱的に連結された温度センサを含み、冷却実行条件は、冷却媒体が標的の表面と熱的に連結されている接触条件を含み、制御モジュールは、温度センサによって測定された温度値に基づいて、接触条件が満たされたかどうかを決定し得る。
【0094】
いくつかの実施形態において、接触条件が満たされていない場合、制御モジュールは、受信したトリガ信号を無視し得る。
【0095】
いくつかの実施形態において、制御モジュールは、冷却実行条件が満たされている場合に、スタンバイ温度とは異なる標的温度となるように冷却媒体の温度を制御するが、接触条件が満たされていない場合、制御モジュールは、標的温度に達するように冷却媒体の温度を制御しない場合がある。
【0096】
制御された冷却方法
本明細書に開示されるものには、標的表面を安全に冷却ために手持ち型の冷却デバイスの温度を制御する方法も含まれる。いくつかの実施形態において、方法は以下を含む。
【0097】
本明細書に開示されるものには、冷却デバイスを使用して標的を冷却するときに、冷却デバイスに含まれる冷却媒体の温度を制御するための冷却制御方法も含まれる。特定の実施形態において、方法は、冷却デバイスに含まれる冷却媒体の温度を、スタンバイ温度に達するように制御する段階と、スタンバイ接触時間に設定されたスタンバイ接触タイマを動作させ、スタンバイ接触時間の間にスタンバイ温度に維持されるように冷却媒体の温度を制御する段階と、1つまたは複数の接触条件が満たされたとき(例えば、冷却先端が標的の表面に接触したとき、スタンバイ接触タイマが終了する前に冷却先端が標的表面に接触したとき、および冷却先端が標的表面に接触して冷却エネルギーを標的に送達したとき、またはそれらの任意の組み合わせ)に、スタンバイトリガ時間に設定されたスタンバイトリガタイマを動作させる段階と、スタンバイトリガタイマの終了前に冷却デバイスによってトリガ信号を受信するための条件が満たされたときに、スタンバイ温度とは異なる標的温度に維持するように冷却媒体の温度を制御する段階と、スタンバイ接触タイマの終了前に接触条件が満たされなかった場合、またはスタンバイトリガタイマの終了前に受信のための条件が満たされなかった場合に、冷却媒体の温度を上げる段階とを含む。
【0098】
本明細書に開示されるものには、冷却デバイスを使用して標的を冷却するための標的温度への標的表面の冷却において、冷却デバイスに含まれる冷却媒体の温度を制御するための冷却制御方法も含まれる。特定の実施形態において、方法は、冷却デバイスを使用することによって標的温度まで標的表面を冷却する前に、標的温度とは異なるスタンバイ温度に達するように冷却媒体の温度を制御する段階と、スタンバイ時間の間にスタンバイ温度に維持するように冷却媒体の温度を制御する段階と、スタンバイ時間が経過する前に冷却実行条件が満たされた場合に、冷却時間の間に標的温度に維持するように冷却媒体の温度を制御する段階と、冷却実行条件を満たさずにスタンバイ時間が経過したときに冷却媒体の温度を上げる段階であって、標的の過剰な冷却を防止するために、スタンバイ時間は安全時間の範囲内に設定される、段階とを含む。いくつかの実施形態において、安全時間の範囲は、60秒以下、70秒以下、80秒以下、または90秒以下を含む。
【0099】
いくつかの実施形態において、冷却実行条件は、冷却デバイスがタイマ動作を指示するトリガ信号を受信する受信条件を含む。
【0100】
いくつかの実施形態において、冷却実行条件は、冷却エネルギーを標的に伝達するために、冷却デバイスに接続された冷却先端が標的の表面に接触する接触条件を含む。
【0101】
いくつかの実施形態において、冷却実行条件は、冷却エネルギーを標的に伝達するために冷却デバイスに接続された冷却先端が標的の表面に接触する接触条件、および/または、冷却デバイスがトリガ信号を受信する受信条件を含む。
【0102】
いくつかの実施形態において、接触条件が満たされたかどうかは、冷却媒体に熱的に連結された温度センサを使用することによって決定され得る。
【0103】
いくつかの実施形態において、接触条件は、温度センサによって測定された経時的な温度値の変化量が、予め定められた値以上であるときに満たされ得る。いくつかの実施形態において、予め定められた値は、少なくとも0.5℃/秒、少なくとも0.6℃/秒、少なくとも0.7℃/秒、少なくとも0.8℃/秒、少なくとも0.9℃/秒、少なくとも1.0℃/秒、少なくとも1.1℃/秒、少なくとも1.2℃/秒、少なくとも1.3℃/秒、少なくとも1.4℃/秒、または少なくとも1.5℃/秒を含む。
【0104】
いくつかの実施形態において、温度センサは、冷却媒体の異なる部分の温度を測定するための第1の温度センサおよび第2の温度センサを含み、接触条件は、第1の温度センサおよび第2の温度センサによって経時的に測定された温度値の変化量に基づいて満たされ得る。いくつかの実施形態において、デバイスの長さ方向に伸びる冷却媒体は、第1の温度センサ(S1)および第2の温度センサ(S2)の2つのセンサを有する。第1の温度センサ(S1)および第2の温度センサ(S2)は、異なる位置で冷却媒体の内表面の温度を測定する。そのような実施形態において、第1の温度センサ(S1)は、その測定値が冷却先端における温度変化に際して変化するように、冷却媒体の一端の近く、またはそれに対して近位に、すなわち、冷却先端の近に設置される。第2の温度センサ(S2)は、冷却先端から遠位に設置される。代替的および/または追加的に、第2の温度センサ(S2)は、冷却媒体の熱容量に起因してその測定値が遅延するように、ペルチェモジュールの近くに設置される。そのような2つの温度センサは、フィードバックメカニズムによって動作し、すなわち、第1の温度センサ(S1)によって感知されたdT/dtが正であるときに、ペルチェ電力が高まり、第2の温度センサ(S2)によって感知されるdT/dtが負になる。第1の温度センサ(S1)によって感知されるdT/dtが正である、標的表面に触れる瞬間において、第2の温度センサ(S2)によって感知されるdT/dtは負に変わる。
【0105】
いくつかの実施形態において、冷却制御方法は、スタンバイ時間がスタンバイ接触時間を含み、かつ、冷却媒体の温度がスタンバイ温度に達した後にスタンバイ接触時間内に接触条件が満たされない場合に、冷却媒体の温度を上げることを含む段階をさらに含む。いくつかの実施形態において、冷却媒体の温度は、受動的な様式で、例えば、ペルチェモジュールの電源をオフにすることによって高められる。いくつかの実施形態において、冷却媒体の温度は、冷却媒体の温度を予め定められた温度またはスタンバイ温度より高い温度に調節する、能動的な様式で高められる。
【0106】
いくつかの実施形態において、方法は、スタンバイ時間がスタンバイトリガ時間を含み、かつ、接触条件がスタンバイ接触時間内に満たされた後に受信条件がスタンバイトリガ時間内に満たされなかった場合に冷却媒体の温度を上ゲルことを含む段階をさらに含む。
【0107】
いくつかの実施形態において、スタンバイトリガ時間は、スタンバイ接触時間より短く設定され得る。いくつかの実施形態において、スタンバイトリガ時間は、3~10秒を含む。いくつかの実施形態において、スタンバイトリガ時間は約5秒である。いくつかの実施形態において、スタンバイトリガ時間は10秒より短い。
【0108】
いくつかの実施形態において、スタンバイトリガ時間は、10秒以下、20秒以下、30秒以下、40秒以下、50秒以下、または60秒以下に設定され得る。
【0109】
いくつかの実施形態において、冷却制御方法は、冷却実行条件が満たされた場合に、冷却時間が経過した後に安全温度に達するように冷却媒体の温度を制御することを含む段階を含む。
【0110】
いくつかの実施形態において、標的温度はスタンバイ温度より低く設定され得、安全温度はスタンバイ温度および標的温度より高く設定され得る。
【0111】
いくつかの実施形態において、安全時間範囲は、90秒以下、80秒以下、70秒以下、60秒以下、50秒以下、40秒以下、30秒以下、20秒以下、10秒以下であり得る。いくつかの実施形態において、スタンバイトリガ時間は、10秒以下、20秒以下、30秒以下、40秒以下、50秒以下、または60秒以下に設定され得る。いくつかの実施形態において、スタンバイ時間と冷却時間との合計は、90秒以内、80秒以内、70秒以内、60秒以内、50秒以内、40秒以内、30秒以内、20秒以内、または10秒以内であり得る。
【0112】
いくつかの実施形態において、冷却制御方法は、冷却実行条件が満たされたときに標的に対して冷却を実行するようユーザに指示するための通知を提供する。いくつかの実施形態において、通知は、機械的通知(例えば、振動)、聴覚通知(例えば、ビープ音)、視覚的な通知(例えば、点滅する光)、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0113】
いくつかの実施形態において、冷却制御方法は、冷却エネルギーを冷却媒体に提供する前に制御を開始するようユーザに指示するための通知を提供する。いくつかの実施形態において、冷却制御方法は、冷却媒体の温度がスタンバイ温度に達したときに冷却の準備を完了するようユーザに指示する通知を提供する。いくつかの実施形態において、冷却制御方法は、冷却実行条件が満たされる第1の時点と、第1の時点から冷却時間が経過した第2の点との間に冷却が実行されていることを示す通知をユーザに提供する。いくつかの実施形態において、冷却制御方法は、冷却デバイスにおいて冷却デバイスから標的に冷却エネルギーを伝達する前、またはスタンバイ温度まで冷却エネルギーを冷却媒体を提供する前に、冷却先端を設置するようユーザに指示するための通知を提供する。いくつかの実施形態において、冷却制御方法は、本明細書で説明される通知の組み合わせを提供する。
【0114】
いくつかの実施形態において、冷却制御方法は、冷却エネルギーを冷却媒体に提供する前に、ユーザが冷却先端(例えば、取り外し可能な)を冷却デバイスに搭載する段階を含む。
【0115】
いくつかの実施形態において、冷却制御方法は、冷却先端が冷却デバイスに適切に搭載されているかどうかを決定する段階を含む。いくつかの実施形態において、冷却制御方法は、冷却エネルギーが標的または冷却媒体に伝達される前に特定の先端が既に使用されたかどうかを決定する段階をさらに含む。いくつかの実施形態において、方法は、冷却先端が既に使用されている場合にユーザに通知を提供する段階を含む。
【0116】
本明細書に開示されるものには、冷却デバイスを使用して標的を冷却するときに、冷却デバイスを使用して冷却デバイスに含まれる冷却媒体の温度を制御する冷却制御方法も含まれる。特定の実施形態において、方法は、冷却媒体が標的の表面と熱的に連結されているかを決定する段階と、冷却媒体が標的の表面と熱的に連結されている場合に、事前に設定された時間内にタイマを動作させるよう指示するトリガが受信されたかどうかを決定する段階と、トリガ信号が予め設定された時間内に受信された場合、標的を冷却するために、冷却時間の間にスタンバイ温度より低い標的温度に冷却媒体の温度を維持する段階とを含む。
【0117】
冷却先端格納部
本明細書に開示されるものには、交換可能な冷却先端を格納するための先端カプセルも含まれる。特定の実施形態において、先端カプセルは、冷却デバイスに搭載され、そこから取り外し可能である先端本体と、標的表面に接触し、冷却デバイスから提供される冷却エネルギーを使用して標的を冷却する接触部分とを含む。いくつかの実施形態において、格納ホールは、冷却先端の形状に対応する形状を有する格納空間と、格納空間から格納ホールの端まで伸びる保護空間とを含む。いくつかの実施形態において、接触部分が格納ホールの端に達することを防止するために、保護空間の深さは、先端本体から突出する接触部分の長さより大きく設定される。
【0118】
いくつかの実施形態において、格納ホールは、格納空間と保護空間とを区別または切り離し、冷却先端の先端本体を支持する段差部分を含み得る。
【0119】
いくつかの実施形態において、冷却先端が格納ホールに挿入されるとき、段差部分は、冷却先端の接触部分に接触しない場合がある。
【0120】
いくつかの実施形態において、格納空間は、冷却先端が挿入される方向に幅が狭くなるテーパ形状を有し得る。
【0121】
いくつかの実施形態において、格納空間の少なくとも一部を画定する内壁の傾きは、先端本体の側面の傾きと等しいまたはそれより小さい場合がある。
【0122】
いくつかの実施形態において、格納空間および保護空間は、冷却先端が挿入される方向に狭まるテーパ形状を有し、格納空間の傾斜は、保護空間の傾斜よりも大きい場合がある。
【0123】
いくつかの実施形態において、先端カプセルは、冷却先端を格納ホール内に詰めるためのシール部材を含み、シール部材は、格納ホールの材料より柔らかい材料で作られ得る。
【0124】
いくつかの実施形態において、接触部分は、冷却デバイスから取得された冷却エネルギーを伝達するために、標的表面に接触し得る。
【0125】
いくつかの実施形態において、先端本体は、内部に係合突出部を含み、接触部分は係合部分を含み、先端本体の係合突出部および接触部分の係合部分は、接触部分の少なくとも一部が先端本体から突出しながら先端本体に固定され得るように、圧入によって連結される。
【0126】
本明細書に開示されるものには、交換可能な冷却先端を格納するための先端格納部であって、冷却デバイスに搭載され、そこから取り外し可能である先端本体と、標的の表面に接触し、冷却デバイスから提供される冷却エネルギーを使用することによって標的を冷却する接触部分とを含む、先端格納部も含まれる。特定の実施形態において、先端格納部は、ケースと、ケースの内部に配置され、冷却先端が中に挿入される格納ホールとを含む。いくつかの実施形態において、各格納ホールは、冷却先端の形状に対応する形状を有する格納空間と、格納空間から格納ホールの端まで伸びる保護空間とを含う。いくつかの実施形態において、接触部分が格納ホールの端に達することを防止するために、保護空間の深さは、先端本体から突出する接触部分の長さより大きく設定される。
【0127】
いくつかの実施形態において、異なる格納ホールは、互いから分離可能であり得る。いくつかの実施形態において、異なる格納ホールは、マーキングによって互いから区別され得る。
【0128】
制御された冷却のためのシステム
本開示は、冷却システムおよびそれを使用する冷却制御システムを提供し、より具体的には、標的を安全冷却するために取り外し可能な冷却先端を使用する冷却システム、および安全な冷却を実行するための冷却制御システムを提供する。
【0129】
標的に対する美容処置または医療処置の前に、標的は、標的を麻酔状態または無痛状態にするために冷却システムを使用することによって冷却されてよく、このとき、過剰な冷却などによる標的へのあらゆる損傷を防止するための制御方法が使用され得ることが企図される。
【0130】
麻酔状態または無痛状態とは、標的に対する処置の前に、標的の神経が一時的に麻痺される、または神経伝達が遮断されることを意味する。例えば冷却システムは、標的表面に接触することによって冷却エネルギーを提供し、提供された冷却エネルギーにより、標的表面の下に分布している神経の温度は、神経が一時的に麻痺されるまたは神経伝達が遮断される温度より低くなる。このようにして、標的は、麻酔状態または無痛状態となり得る。いくつかの実施形態において、冷却システムは、一定期間にわたってそのような麻酔または無痛状態を生成するために、標的表面および標的の内部を適切な温度範囲まで冷却し得る。いくつかの実施形態において、冷却システムは、標的の少なくとも一部を直接破壊するために標的を冷却し得る。例えば、標的が、上記の皮膚のスポット(例えば、皮膚のほくろ)、いぼ、皮膚硬結などを含む身体の一部である場合、冷却システムは、標的表面を通じて標的に冷却エネルギーを提供し、標的内の組織は、提供された冷却エネルギーによって壊死する、または殺滅される。別の例として、冷却システムは、炎症緩和、色素性病変、欠陥病変、および脂肪除去などの処置目的のために使用され得る。以下、説明の簡便性のために、標的が眼球であり、冷却システムにおいて冷却デバイスまたは冷却先端が眼球表面に接触して冷却エネルギーを送達する場合を主要な実施形態として説明するが、本明細書の技術的思想はそれに限定されず、神経を含むあらゆる身体の部位に適用され得る。
【0131】
以下、
図1および
図2を参照して、本開示の一実施形態による冷却システム(10)について説明する。
【0132】
図1は、本開示の例示的な実施形態による冷却システム(10)を示す。
図1を参照すると、冷却システム(10)は、冷却デバイス(1000)と、冷却先端(2000)と、ホルダ(3000)とを含む。
【0133】
冷却デバイス(1000)は、冷却エネルギーを標的に提供することによって標的を冷却し得る。具体的には、冷却デバイス(1000)は、冷却エネルギーを生成し、後に説明するようにそれを標的に提供することによって標的を冷却し得る。
【0134】
冷却デバイス(1000)は、標的を冷却するための冷却先端(2000)に関連付けられ得る。
【0135】
冷却デバイス(1000)は、使用前、使用後、または使用中にホルダ(3000)に搭載され得る。例えば、冷却デバイス(1000)は、オフ状態においてホルダ(3000)に搭載され得る。別の例として、冷却デバイス(1000)は、電力が供給されている間にユーザの都合でホルダ(3000)に搭載され得る。別の実施形態において、冷却デバイス(1000)は、所望のスタンバイ温度に達している間にホルダ(3000)に搭載され得る。他の実施形態において、冷却デバイス(1000)はまた、ホルダ(3000)に搭載されずに所望のスタンバイ温度に達し得る。
【0136】
冷却デバイス(1000)は、ユーザがそれを容易に運ぶことができるように、ポータブルデバイスとして実装されてよく、または、大型デバイスのハンドピースの形態で実装されてよい。
【0137】
冷却先端(2000)は、冷却デバイス(1000)から冷却エネルギーを受信し、それを標的に伝達し得る。具体的には、冷却デバイス(1000)によって生成された冷却エネルギーは、冷却先端(2000)が冷却デバイス(1000)に搭載されている間に冷却先端(2000)が標的表面に接触することによって標的に伝達され得る。
【0138】
冷却先端(2000)は、冷却デバイス(1000)に搭載され、そこから取り外されるように設計され得る。例えば、冷却システム(10)を使用することによって異なる標的を冷却するとき、冷却先端(2000)は、ある標的の疾患または汚染物質が別の標的に伝達されないまたは移らないように、使い捨てまたは交換可能なタイプで提供され得る。この目的で、冷却先端(2000)は、冷却デバイス(1000)に搭載され、そこから取り外され得る。
【0139】
冷却先端(2000)は、後に説明されるように、冷却デバイス(1000)に搭載され、取り外し可能である間に生じ得る冷却デバイス(1000)への損傷を防止する構造で設計され得る。
【0140】
冷却デバイス(1000)は、ホルダ(3000)に搭載され得る。具体的には、ホルダ(3000)は、ユーザが、冷却デバイス(1000)の使用前、使用中、または使用後に冷却デバイス(1000)をホルダ(3000)に搭載し得るように、冷却デバイス(1000)に対応する構造で設計される。
【0141】
ホルダ(3000)は、後に説明するように、冷却デバイス(1000)または冷却先端(2000)の性能をチェックするためのテスタと、外部の衝撃から冷却デバイス(1000)を保護するための形状とを含み得る。ホルダ(3000)の形状は、後に詳細に説明される。
【0142】
冷却システム(10)において、ホルダ(3000)は省略され得る(例えば、含まれない)。
【0143】
図2は、本開示の例示的な実施形態の冷却デバイス(1000)および冷却先端(2000)の構成を示す。
【0144】
図2を参照すると、冷却デバイス(1000)は、冷却モジュール(1100)と、連結モジュール(1200)と、弾性部材(1300)と、センサモジュール(1400)と、ファン(1500)と、入力モジュール(1600)と、出力モジュール(1700)と、制御モジュール(1800)とを含む。
【0145】
以下で、例示的な実施形態の各構成について詳細に説明する。
【0146】
冷却モジュール(1100)は、標的に伝達される冷却エネルギーを生成し、提供し得る。
図2を参照すると、冷却モジュール(1100)は、冷却媒体(1110)と、冷却媒体受容部材(1120)と、温度制御部材(1130)と、放熱部材(1140)とを含み得る。冷却モジュール(1100)は、温度制御部材(1130)を使用することによって冷却媒体(1110)の温度を制御し、冷却媒体(1110)を通じて冷却エネルギーを冷却先端(2000)に提供し得る。
【0147】
冷却媒体(1110)は、冷却エネルギーを提供するために冷却先端(2000)と熱的に連結され得る。具体的には、冷却媒体(1110)は、冷却先端(2000)の接触部材(2100)と表面接触することによって冷却エネルギーを提供し得る。冷却媒体(1110)は、冷却エネルギーを効率的に伝達するために、高い熱伝導率を有する材料で作られ得る。例えば、冷却媒体(1110)は、金(Ag)、銀(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、またはそれらの組み合わせで作られ得る。
【0148】
冷却媒体受容部材(1120)は、冷却媒体(1110)を受け取り得る。例えば、冷却媒体受容部材(1120)は、冷却媒体(1110)を囲んで、冷却デバイス(1000)内で冷却媒体(1110)を支持し得る。
【0149】
加えて、冷却媒体受容部材(1120)は、冷却媒体(1110)が冷却先端(2000)の接触部材(2100)と熱的に連結されるように、冷却先端(2000)の先端本体(2200)と物理的に連結され得る。
【0150】
冷却媒体受容部材(1120)は、冷却媒体によって受け取られた冷却エネルギーまたは冷却媒体(1110)の冷却エネルギーの分散を防止するために、低い熱伝導率を有する材料で作られ得る。例えば、冷却媒体受容部材(1120)は、冷却媒体(1110)の冷却損失を防止するために、プラスチックなどの材料を備み得る。
【0151】
冷却媒体受容部材(1120)は、冷却媒体(1110)が空気と接触することを防止するために、冷却媒体(1110)と密着し得、それにより、冷却に際して冷却媒体(1110)内で凝縮される水分の量を最小限に抑える。
【0152】
温度制御部材(1130)は、冷却媒体(1110)の温度を制御し得る。例えば、温度制御部材(1130)は、冷却エネルギーまたは熱エネルギーを冷却媒体(1110)に提供するために、本明細書で説明される制御モジュール(1800)から制御信号を受信し得る。
【0153】
温度制御部材(1130)は、様々な形態で実装され得る。例えば、温度制御部材(1130)は、一方の側で電流を受け取って熱を吸収し、他方の側で、適用された電流の方向に従って熱を生成するペルチェ効果を使用する熱電素子を含み得る。別の例において、温度制御部材(1130)は、撹拌冷却器、蒸気圧縮冷凍サイクル、または、膨張した気体を使用するジュール・トムソン法などの熱力学サイクルを使用するデバイスまたは要素を有し得る。別の例において、温度制御部材(1130)は、二酸化炭素または液体窒素などの冷媒を使用することによって冷却エネルギーを生成または提供し得る。
【0154】
温度制御部材(1130)は、冷却媒体(1110)と熱的に連結され得る。例えば、温度制御部材(1130)は、冷却媒体(1110)の少なくとも一部と表面接触することによって冷却エネルギーまたは熱エネルギーを提供し得る。以下、説明を容易にするために、説明の大部分は、温度制御部材(1130)がペルチェ効果を使用する熱電素子である場合の実施形態を取り上げるが、本発明の技術的思想はそれに限定されるものではない。
【0155】
放熱部材(1140)は、冷却モジュール(1100)から生成された、または冷却モジュール(1100)の動作によって生成された熱を外部に放出し得る。例えば、放熱部材(1140)は、温度制御部材(1130)が冷却エネルギーを生成するときに生成される熱を受け取り、それを冷却デバイス(1000)の外部に放出し得る。
【0156】
放熱部材(1140)は、熱エネルギーを受け取るために温度制御部材(1130)と熱的に連結され得る。例えば、放熱部材(1140)は、温度制御部材(1130)から生成された熱エネルギーを受け取るために温度制御部材(1130)の少なくとも一部と物理的に接触し得る。具体的には、温度制御部材(1130)は熱電素子であり、放熱部材(1140)は、温度制御部材(1130)から熱を受け取ってそれを外部に放出するために、熱が生成される温度制御部材(1130)の表面と表面接触し得る。
【0157】
放熱部材(1140)は、熱を効率的に放出するために、金属などの熱伝導材で作られ得る。いくつかの実施形態において、放熱部材(1140)は円筒状の構成のフィンを含む。いくつかの実施形態において、フィンの直径は、20mm~100mmの範囲である。いくつかの実施形態において、フィンの長さは、40mm~200mmの範囲である。いくつかの実施形態において、フィンの間の間隔は、1mm~5mmの範囲である。
【0158】
冷却モジュール(1100)に含まれるコンポーネントの例示的な形状または連結が本明細書に詳細に説明される。
【0159】
連結モジュール(1200)は、連結されるべき冷却デバイス(1000)の冷却先端(2000)の要素を指し得る。例えば、冷却先端(2000)は、連結モジュール(1200)を通じて冷却デバイス(1000)に搭載され得る、またはそこから取り外し可能であり得る。
【0160】
連結モジュール(1200)は、冷却デバイス(1000)の内部構成を支持し得る。例えば、冷却モジュール(1100)の冷却媒体(1110)および冷却媒体受容部材(1120)は、冷却モジュール(1100)が冷却デバイス(1000)の内部に配置され得るように、連結モジュール(1200)内に挿入される。
【0161】
さらに、連結モジュール(1200)は、冷却モジュール(1100)に接続され得る。例えば、冷却モジュール(1100)は、連結モジュール(1200)に物理的に搭載、固定、または連結され得る。具体的には、冷却モジュール(1100)は、本明細書に説明される弾性部材(1300)を通じて連結モジュール(1200)に連結され得る。
【0162】
図2を再び参照すると、連結モジュール(1200)は、基部(1210)と連結部材(1220)とを含み得る。
【0163】
基部(1210)は、連結モジュール(1200)の本体を指し得る。例えば、基部(1210)は、冷却モジュール(1100)の冷却媒体受容部材(1120)が挿入され、冷却先端(2000)が搭載される部分を含み得る。加えて、冷却先端(2000)を搭載して取り外すための連結部材(1220)は、基部(1210)に固定され得る。
【0164】
基部(1210)は、弾性部材(1300)を連結モジュール(1200)に物理的に接続するための手段を指し得る。例えば、弾性部材(1300)の一端は、少なくとも1つの固定ピンを通じて基部(1210)に固定され得る。
【0165】
連結部材(1220)は、連結モジュール(1200)に冷却先端(2000)を取り付ける、または連結モジュール(1200)を冷却先端(2000)から取り外すための手段を指し得る。例えば、冷却先端(2000)は、連結部材(1220)の動作に応じて、冷却デバイス(1000)に搭載され得るか、または冷却デバイス(1000)から分離され得る。具体的には、連結部材(1220)は、ねじ継手、機械的ラッチ連結、磁気連結、圧入などを含み得る。
【0166】
連結モジュール(1200)は、弾性部材(1300)および連結部材(1220)を基部(1210)と連結させるための複数の固定ピンを含み得る。
【0167】
弾性部材(1300)は、冷却モジュール(1100)を連結モジュール(1200)に接続し得る。例えば、弾性部材(1300)の一端が連結モジュール(1200)に接続され、他端が冷却モジュール(1100)に接続され得る。
【0168】
弾性部材(1300)は弾性力を提供し得る。例えば、弾性部材(1300)は、冷却モジュール(1100)が冷却先端(2000)を押下し得るように、冷却先端(2000)が冷却デバイス(1000)に搭載されている方向とは逆方向の弾性力を提供し得る。別の例として、弾性部材(1300)は、冷却モジュール(1100)が冷却デバイス(1000)内に位置付けられ得るように、冷却モジュール(1100)の中心軸の方向の弾性力を提供し得る。
【0169】
弾性部材(1300)は、置き換えられ得るまたは省略され得る(例えば、除去されるまたは存在しない)。例えば、冷却モジュール(1100)は、冷却デバイス(1000)と物理的に連結され、冷却デバイス(1000)内の特定の位置に固定され得る。具体的には、冷却モジュール(1100)は、冷却デバイス(1000)の本体部分に提供される複数のリブによって固定され得る。代替的は、冷却モジュール(1100)は、連結モジュール(1200)に挿入されて、ねじなどを通じて固定されることによって、連結モジュール(1200)の内部に配置され得る。
【0170】
センサモジュール(1400)は、冷却デバイス(1000)の物理的特性を検出し得る。具体的には、センサモジュール(1400)は、冷却媒体(1110)の温度または電気特性を検出し得る。例えば、センサモジュール(1400)は、冷却媒体(1110)の電流、電圧、または温度を測定するために、冷却媒体(1110)と直接的または間接的に連結され得る。
【0171】
センサモジュール(1400)は、熱電対、抵抗温度検出器(RTD)、サーミスタ、IC温度センサなどの接触型温度センサ、または、赤外線などを使用する非接触型温度センサを含み得る。代替的には、センサモジュール(1400)は、電流または電圧などの電気特性を測定するためのアナログ回路または電子回路を含み得る。
【0172】
加えて、センサモジュール(1400)は、冷却先端(2000)または冷却デバイス(1000)が標的表面と接触したか、または接触しているかどうかを決定するためのタッチセンサまたは圧力センサを含み得る。
【0173】
センサモジュール(1400)は、冷却先端(2000)が冷却デバイス(1000)に搭載されているか、または冷却デバイス(1000)から取り外されたかを検出し得る。代替的および/または追加的には、センサモジュール(1400)は、冷却デバイス(1000)または冷却先端(2000)によって標的または標的表面に加えられた圧力を測定し得る。この目的のために、センサモジュール(1400)は、圧力センサまたは歪みゲージを含み得る。代替的および/または追加的には、センサモジュール(1400)は、デバイスと標的または標的表面との間の距離を測定し得る。そのような複数の実施形態において、センサモジュール(1400)は、距離を検出することができるセンサ、例えば、赤外(IR)センサ、近接センサ、距離センサなどを含み得る。
【0174】
センサモジュール(1400)は、感知された冷却デバイス(1000)の物理的特性を制御モジュール(1800)に提供し得る。例えば、センサモジュール(1400)は、リアルタイムの温度値、冷却媒体(1110)の電圧/電流値を示す(もしくは反映する)信号、または冷却先端(2000)が冷却デバイス(1000)に搭載されているかもしくは取り外されているかを示す信号を制御モジュール(1800)に提供し得る。
【0175】
ファン(1500)は、冷却デバイス(1000)内の空気の流れを誘導し得る。例えば、ファン(1500)は、冷却デバイス(1000)から、冷却エネルギーを生成するときに生成された内部熱を冷却デバイス(1000)の外部に放出するための制御信号を制御モジュール(1800)から受信する。
【0176】
ファン(1500)は、放熱部材(1140)に隣接して配置され得る。例えば、放熱部材(1140)は、熱を外部に放散させるための放熱フィンを含み得、ファン(1500)は、放熱フィンと接触している空気を外部に移動させるために放熱フィンの近くに配置され得る。いくつかの実施形態において、冷却デバイス(1000)は、冷却デバイス(1000)の長さに沿って複数のファン(1500)を含む。いくつかの実施形態において、複数のファン(1500)は、デバイスの直径を大きくすることなく、フィンの総面積を大きくする。いくつかの実施形態において、放熱部材(1140)は、ファンの両側に配置され得る。
【0177】
入力モジュール(1600)は、ユーザからのユーザ入力を受信し得る。ユーザ入力は、ボタン入力、キー入力、タッチ入力、および音声入力を含む様々な形態であり得る。例えば、入力モジュール(1600)は、ユーザが押下し得るボタン、ユーザのタッチを検出するタッチセンサ、ユーザの音声入力を受け取るマイクロフォン、および様々なタイプのユーザ入力を検出するまたは受け取る様々なタイプの入力手段などの入力手段を含む包括的な概念である。
【0178】
出力モジュール(1700)は、様々なタイプの情報を出力し、それをユーザに提供し得る。出力モジュール(1700)は、画像を出力するディスプレイ、音を出力するスピーカ、振動を生成する触覚デバイス、および他の様々なタイプの出力手段を含む包括的な概念である。
【0179】
制御モジュール(1800)は、冷却デバイス(1000)の動作全体を制御し得る。例えば、制御モジュール(1800)は、冷却モジュール(1100)の動作のためのプログラムをロードおよび実行し得る。別の例において、制御モジュール(1800)は、放熱機能を実行するためにファン(1500)を制御する、または、ユーザ入力に従って制御信号を生成および送信する、もしくは特定の情報をユーザに提供するために入力モジュール(1600)および出力モジュール(1700)を制御する。
【0180】
この例において、制御モジュール(1800)は、ハードウェアもしくはソフトウェアまたはそれらの組み合わせに応じて、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、プロセッサコア、マルチプロセッサ、またはASICなどのデバイスとして実装され得る。制御モジュール(1800)は、ハードウェアによって電気信号を処理することによって制御機能を実行する電子回路の形態で提供されてよく、ソフトウェアを使用するハードウェア回路を駆動するためのプログラムまたはコードの形態で提供されてよい。
【0181】
いくつかの実施形態において、冷却デバイス(1000)は、制御モジュール(1800)においてロードまたは実行される制御プログラムが格納されているメモリと、冷却デバイス(1000)の動作のために必要な電力を供給するための電源部分とをさらに含み得る。
【0182】
図2を再び参照すると、冷却先端(2000)は、接触部材(2100)と先端本体(2000)とを含み得る。
【0183】
接触部材(2100)は、冷却デバイス(1000)から冷却エネルギーを受け取り得る。例えば、接触部材(2100)は、冷却デバイス(1000)の冷却媒体(1110)と表面接触して、冷却エネルギーを受け取り得る。
【0184】
接触部材(2100)は、標的表面と接触することによって冷却エネルギーを送達し得る。例えば、接触部材(2100)は、標的表面と接触して、冷却デバイス(1000)によって提供された冷却エネルギーを伝達し得る。
【0185】
接触部材(2100)は、冷却エネルギーを効率的に伝達するために、高い熱伝導率を有する材料で作られ得る。例えば、接触部材(2100)は、金(Ag)、銀(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、またはそれらの組み合わせで作られ得る。
【0186】
接触部材(2100)は、様々な加工方法を使用することによって製造され得る。例えば、接触部材(2100)は、プレス加工によって製造され得る。具体的には、接触部材(2100)は、金属(この場合では、0.3mmの厚さの銅フィルム(Cu)などの金属薄膜が使用され得る)の剪断加工、曲げ加工、深絞り加工、または引張・引出加工を使用することによって製造され得る。したがって、そのような加工方法により、接触部材(2100)の製造を容易にすることが可能となり、冷却エネルギーがより効率的に伝達されることが可能となる。
【0187】
接触部材(2100)は、先端本体(2200)を通じて冷却デバイス(1000)に搭載され得る、またはそこから取り外され得る。例えば、接触部材(2100)は、冷却デバイス(1000)に搭載され、そこから取り外される先端本体(2200)内に挿入されながら、標的表面と接触し得る。
【0188】
先端本体(2200)は、冷却デバイス(1000)に搭載され得る、またはそこから取り外され得る。例えば、先端本体(2200)は、その端に接続部を含み得、冷却デバイス(1000)の連結モジュール(1200)に搭載され得る、またはそこから取り外され得る。
【0189】
先端本体(2200)は、冷却デバイス(1000)から接触部材(2100)に伝達される冷却エネルギーが分散されないように、低い熱伝導率を有する材料で作られ得る。例えば、先端本体(2200)は、接触部材(2100)の冷却損失を防止するために、プラスチックなどの材料を含み得る。
【0190】
先端本体(2200)は、特定の特性を有する材料で作られ得る。例えば、先端本体(2200)は、オートクレーブなどのプロセスを通じた滅菌を可能にするために、約130℃以上で変形しない材料で作られ得る。別の例として、先端本体(2200)は、一回限りの使用として使用される目的のために、上記の滅菌プロセスの間に変形するように作られてもよい。具体的には、先端本体(2200)は、滅菌により再利用されないように、130℃の上記のオートクレーブプロセスの温度で変形する材料を含み得、好ましくは、先端本体(2200)は、ポリエチレンテレフタレート(PET)材料で作られ得る。
【0191】
以下、
図3を参照して、冷却システム(10)が標的を冷却する例示的なプロセスを詳細に説明する。
【0192】
図3は、本発明の例示的な実施形態による、冷却システム(10)において標的を冷却する例示的なプロセスを示す。
【0193】
図3を参照すると、制御モジュール(1800)は、温度制御部材(1130)およびファン(1500)を制御することによって冷却媒体(1110)の温度を制御し、冷却媒体(1110)は、冷却先端(2000)を通じて冷却エネルギーを標的表面に提供することによって標的を冷却し得る。以下、冷却機能が実行されるプロセスを詳細に説明する。
【0194】
制御モジュール(1800)は、冷却エネルギーを冷却媒体(1110)に提供して、冷却媒体(1110)の温度を予め設定された(または予め定められた)温度に調節するように温度制御部材(1130)を制御し得る。例えば、制御モジュール(1800)は、冷却媒体(1110)の温度を上げるまたは下げるために、温度制御部材(1130)の出力を制御することによって、冷却媒体(1110)の温度を冷却のための温度に制御し得る。制御モジュール(1800)によって冷却媒体(1110)の温度を制御する例示的な方法を以下で説明する。
【0195】
センサモジュール(1400)は、冷却エネルギーが冷却媒体(1110)に送達されるにつれて変化する冷却媒体(1110)の温度を測定することによって温度情報を取得し、取得した温度情報を制御モジュール(1800)に提供し得る。センサモジュール(1400)によって取得された温度情報は、冷却媒体(1110)と熱的に連結された冷却先端(2000)に関する温度情報を指し得る。センサモジュール(1400)によって取得された温度情報は、冷却デバイス(1000)の内部のコンポーネントの温度についての情報、または、冷却デバイス(1000)のスタンバイ温度についての情報を含み得る。この場合、センサモジュール(1400)は、様々な温度情報を取得するための複数のセンサを含み得る。
【0196】
制御モジュール(1800)は、センサモジュール(1400)から取得した温度情報に基づいて温度制御部材(1130)を制御するための制御信号を生成し得る。
【0197】
例えば、制御モジュール(1800)は、センサモジュール(1400)から取得した冷却媒体(1110)に関連する温度情報を使用することによって温度制御部材(1130)に適用される電力を制御するために、フィードバック制御を使用し得る。具体的には、制御モジュール(1800)は、以下に示されるように、以下のPID(比例積分微分)制御方程式を使用することによって冷却媒体(1110)の温度を制御し得る。
【数1】
ここで、P(t)は、温度制御部材(1130)を制御するために制御モジュール(1800)が使用する信号の出力値または制御値を意味し、error(t)は、制御モジュール(1800)が制御する冷却媒体(1110)の温度とセンサモジュール(1400)によって測定された冷却媒体(1110)の温度との差を指し、Cp、Ci、およびCdは、ゲイン値、またはチューニングプロセスにおいて選択されるゲインを指す。他方で、各項は上記の制御の方程式から省略されているため、P、PI、およびPDの制御を使用することができることはもちろんのことである。
【0198】
別の例として、制御モジュール(1800)は、冷却先端(2000)の熱伝導率、冷却先端(2000)と標的表面との間の接触領域、温度制御部材(1130)と冷却媒体(1110)との間の接触領域などを考慮して、冷却媒体(1110)の特定の温度に対応する電力を温度制御部材(1130)に提供し得る。例えば、制御モジュール(1800)は、冷却媒体(1110)の熱容量に起因する時間遅延を補償するために、温度制御部材(1130)への電力の提供において時間差を有し得る。
【0199】
制御モジュール(1800)は、センサモジュール(1400)から取得した温度情報に基づいて、標的の冷却において補助機能を実行し得る。例えば、制御モジュール(1800)は、センサモジュール(1400)から取得した冷却媒体(1110)の温度情報を使用することによって、予備冷却時間(またはスタンバイ接触時間)、ユーザ入力スタンバイ時間(またはスタンバイトリガ時間)、および冷却実行時間(または冷却時間)などを制御し得る。別の例として、制御モジュール(1800)は、センサモジュール(1400)から取得した温度情報を使用することによって、または冷却デバイス(1000)が異常に動作しているかを検出することによって、標的の過剰な冷却を防止するために冷却デバイス(1000)を動作または停止させ得る。標的のための例示的な冷却方法は、後に詳細に説明される。
【0200】
冷却媒体(1110)は、冷却先端(2000)を通じて標的表面と接触し得る。冷却先端(2000)は交換用であり、標的が衛生的に滅菌され得るように標的に汚染物質または有害物質が進入することを防止するために、冷却用麻酔などの手順が実行されるたびに交換される。
【0201】
放熱部材(1140)およびファン(1500)は、温度制御部材(1130)から生成された熱を外部に放出し得る。例えば、放熱部材(1140)は、温度制御部材(1130)の一方の表面と接触して、冷却エネルギーを冷却媒体(1110)に提供する温度制御部材(1130)によって生成された熱を吸収し、ファン(1500)は、外気または内部空気が放熱部材(1140)を一方向に通過することを可能にすることによって、放熱部材(1140)によって吸収された熱を冷却デバイス(1000)の外部に放出し得る。この場合、放熱部材(1140)は、放熱効率性を高めるために、空気との比較的大きい接触領域を有する複数の放熱フィンを含み得、ファン(1500)は、熱が主に放熱フィンから放出されるように熱放散フィンに隣接して配置される。
【0202】
ここで、放熱部材(1140)からの放熱は、冷却媒体(1110)から離間した領域において実行され得る。例えば、放熱部材(1140)は、予め定められた長さを有し、放熱フィンと温度制御部材(1130)とを熱的に連結させる熱管を含み得る。結果として、冷却媒体(1110)は、温度制御部材(1130)から放熱部材(1140)によって吸収された熱により受ける影響が少なく、それにより、効率的な冷却が可能となる。
【0203】
以下、
図4から6を参照して、例示的な冷却デバイス(1000)の構造について説明する。
【0204】
図4は、本開示の一実施形態による冷却デバイス(1000)の内部構成を示す。
図4を参照すると、冷却デバイス(1000)は、本体部分と把持部とを含む本体を含み得、上記の冷却デバイス(1000)のコンポーネントは、本体部分または把持部に配置され得る。
【0205】
冷却デバイス(1000)の本体は、本体部分と把持部とに分割され得る。例えば、冷却デバイス(1000)の本体は、冷却先端(2000)が搭載される本体部分と、ユーザによって把持され得る把持部とを含み得る。ここで、本体部分および把持部は、一体的に実装されてもよく(例えば、オールインワンの実施形態)、または、物理的に分離されているが組み立てを通じて組み合わされて冷却デバイス(1000)を形成してもよい。
【0206】
冷却モジュール(1100)、連結モジュール(1200)、弾性部材(1300)、センサモジュール(1400)、ファン(1500)、および出力モジュール(1700)は、本体部分の内部に配置され得る。具体的には、
図4を再び参照すると、冷却モジュール(1100)、連結モジュール(1200)、弾性部材(1300)、センサモジュール(1400)、ファン(1500)、および出力モジュール(1700)は、中心軸(CA)に沿って本体部分の内部に配置され得る。例えば、冷却モジュール(1100)、連結モジュール(1200)、弾性部材(1300)、およびセンサモジュール(1400)は、本体部分の前端(F)の近くに配置され、ファン(1500)は、本体部分の後端(R)の近くに配置される。出力モジュール(1700)は、複数の出力デバイスを含み、本体の前端(F)または後端(R)のそれぞれの近くに配置され得る。
【0207】
この例において、中心軸(CA)とは、本体部分の中央を通過する長軸方向に形成される軸、またはそれに平行な軸を指し得る。
【0208】
この例において、連結モジュール(1200)は、本体の少なくとも一部を構成し得る。例えば、連結モジュール(1200)は、冷却デバイス(1000)の本体部分の前端(F)に形成され得る。代替的には、連結モジュール(1200)は、本体部分に連結された形態で実装され得る。
【0209】
この例において、冷却先端(2000)は、本体に搭載され得る。例えば、冷却先端(1400)は、本体部分の前端(F)において冷却デバイス(1000)に搭載され得る、またはそこから取り外され得る。具体的には、冷却先端(1400)は、本体部分の前端(F)に形成された連結モジュール(1200)を通じて、冷却デバイス(1000)に搭載され得るか、または冷却デバイス(1000)から取り外され得る。
【0210】
制御モジュール(1800)は、把持部の内部に配置され得る。代替的には、入力モジュール(1600)が把持部の内部に(例えば、把持部分内に)、または外側(例えば、把持部分の外部)に配置され得る。例えば、
図4を再び参照すると、制御モジュール(1800)は、把持部の長手方向に沿って把持部に配置され得る。加えて、タイマ動作のためのボタンなどの入力モジュール(1600)は、ユーザの把持に応じてユーザの指が位置する部分に配置され得る。したがって、ユーザは、タイマを動作させるために、冷却デバイス(1000)を把持しながらボタンを押下することによって、冷却デバイス(1000)の動作を容易に制御し得る。加えて、いくつかの実施形態において、把持部は、電力を冷却デバイス(1000)に供給するための電源部分および充電ポートを含み得る。
【0211】
冷却デバイス(1000)の本体部分および把持部における冷却デバイス(1000)のコンポーネントの配置は上の説明に限定されるものではない。
【0212】
図5は、本開示の例示的な実施形態による連結モジュール(1200)を示す。
【0213】
図5を参照すると、連結モジュール(1200)は、基部(1210)と、連結部材(1220)と、連結部材固定ピン(LP)と、弾性部材固定ピン(SP)と、搭載確認部材(CCM)とを含み得る。冷却先端(2000)は、第1の連結部材(1221)と第2の連結部材(1222)とを含む連結部材(1220)を通じて連結モジュール(1200)に搭載され、そこから取り外され、弾性部材(1300)の一端は、弾性部材固定ピン(SP)を通じて連結モジュール(1200)に固定され得る。
【0214】
冷却モジュール(1100)の少なくとも一部が基部(1210)に挿入され得る。例えば、基部(1210)は、冷却モジュール(1100)に対応する中空をその中に含み、冷却モジュール(1100)は、基部(1210)の中空に挿入され、基部(1210)を通過し、それにより、冷却媒体(1110)は、冷却先端(2000)の接触部材(2100)と熱的に連結され得る。この例において、基部(1210)の中空は、冷却モジュール(1100)内に挿入されるために、冷却媒体受容部材(1120)のものに対応する形状および寸法を有し得る。
【0215】
基部(1210)は、連結部材(1220)の少なくとも一部または弾性部材(1300)の一部が配置される空間を含み得る。例えば、基部(1210)は、連結部材(1220)がその外部に配置される空間と、弾性部材(1300)がその内部に配置される空間とを含み得る。この例において、弾性部材(1300)が冷却モジュール(1100)に物理的に接続され得るため、弾性部材(1300)が配置される空間は、冷却モジュール(1100)が挿入される基部(1210)の中空から拡大した形で実装され得る。
【0216】
基部(1210)は、連結部材(1220)の一端を固定するための固定ピン、または弾性部材(1300)が挿入される挿入ホールを含み得る。例えば、
図5を再び参照すると、基部(1210)は、連結部材固定ピン(LP)および弾性部材固定ピン(SP)が挿入される複数の挿入ホールを含み得る。
【0217】
具体的には、基部(1210)は、弾性部材固定ピン(SP)が、中心軸(CA)に対して垂直な初期挿入方向に挿入される初期挿入ホールと、連結部材固定ピン(LP)が、第1の挿入方向とは異なる第2の挿入方向で挿入される第2の挿入ホールとを含み得る。
【0218】
この例において、弾性部材固定ピン(SP)が挿入される第1の挿入ホールおよび連結部材固定ピン(LP)が挿入される第2の挿入ホールは、それらが基部(1210)において互いに重ならないように配置され得る。例えば、第1の挿入ホールは、第2の挿入ホールよりも、基部(1210)の前端(F)により近く、または後端(R)の方へ遠くに形成され得る。
【0219】
弾性部材固定ピン(SP)および連結部材固定ピン(LP)は、説明された第1および第2の挿入方向とは異なる方向においてそれぞれ基部(1210)に挿入され得、弾性部材固定ピン(SP)および連結部材固定ピン(LP)の数は、連結部材(1220)および弾性部材(1300)の数に応じて異なり得る。また、弾性部材固定ピン(SP)および連結部材固定ピン(LP)は、様々な形態、例えば、平行ピン、テーパピン、スプリットピン、バネピン、ねじなどで実装され得る。
【0220】
冷却先端(2000)を冷却デバイス(1000)に搭載する、または搭載された冷却先端(2000)を冷却デバイス(1000)から取り外すために、連結部材(1220)は基部(1210)に連結され得る。例えば、連結部材(1220)はラッチ部分を含み得、冷却先端(2000)は、ラッチ部分が冷却先端(2000)に含まれる溝に引っ掛かることによって冷却デバイス(1000)に搭載され得る。加えて、冷却先端(2000)が冷却デバイス(1000)に搭載されている間に連結部材(1220)がラッチが冷却先端(2000)の溝から分離されているとき、冷却先端(2000)は、冷却デバイス(1000)から取り外され得る。連結部材(1220)に関連する動作について、連結モジュール(1200)は、弾性体(例えば、バネ)をさらに含み得る。別の例として、連結部材(1220)が弾性体と共に基部(1210)に固定されているとき、連結部材(1220)の一端にはユーザ入力などを介して外力が加えられ、結果として、連結部材(1220)が一方向に回転し、外力が排除される。これが起こると、連結部材(1220)は、弾性体によって、回転してその元の状態に戻り得る。例示的な連結部材(1220)の動作については下で詳細に説明する。
【0221】
連結部材(1220)は複数実装されてよい。例えば、
図5を再び参照すると、基部(1210)は、第1の連結部材(1221)および第2の連結部材(1222)を含み、冷却先端(2000)は、第1の連結部材(1221)および第2の連結部材(1222)を通じて連結モジュール(1200)に搭載され得る、またはそこから取り外され得る。
【0222】
連結部材(1220)は、連結部材固定ピン(LP)を通じて基部(1210)に固定(例えば、実質的に不動化)され得る。例えば、連結部材固定ピン(LP)が連結部材(1220)を貫通する間、連結部材(1220)が基部(1210)に挿入されているときに、基部(1210)の外側に配置された連結部材(1220)は基部(1210)に固定され得る。
【0223】
弾性部材(1300)の一端は、弾性部材固定ピン(SP)を通じて基部(1210)に固定され得る。例えば、弾性部材(1300)の一端が基部(1210)の内部に配置されている状態において、弾性部材固定ピン(SP)は,弾性部材(1300)の一端を貫通し、基部(1210)に挿入され、それにより、弾性部材(1300)の一端を基部(1210)に固定する。
【0224】
連結部材固定ピン(LP)および弾性部材固定ピン(SP)を使用することによって連結部材(1220)および弾性部材(1300)が基部(1210)にそれぞれ固定されていると説明してきたが、本開示の技術的思想はそれに限定されるものではない。連結部材(1220)および弾性部材(1300)は、圧入、ねじ、ラッチ、または磁気連結を使用することによって基部(1210)に固定または連結され得る。
【0225】
搭載確認部材(CCM)は、冷却先端(2000)が連結モジュール(1200)に搭載されているかどうかを検出し得る。例えば、
図5に示されるように、搭載確認部材(CCM)は、冷却先端(2000)が連結モジュール(1200)に搭載されていることを検出し、冷却先端(2000)の搭載に関する情報を制御モジュール(1800)に提供するために、連結モジュール(1200)の内部に配置される。搭載確認部材(CCM)は、冷却先端(2000)が搭載されているかどうかを検出するために、外力によって動作するスイッチ、圧力センサ、タッチセンサ、またはそれらの組み合わせを含み得る。搭載確認部材(CCM)は、冷却媒体(1120)を受容する部材に取り付けられ得る。
【0226】
上記のように、連結モジュール(1200)は、冷却先端(2000)が取り外し可能であり、冷却モジュール(1100)に接続されることを可能にして、冷却が冷却デバイス(1000)の内部に配置されて移動することを可能にするために、連結部材(1220)を含み得る。そのため、連結モジュール(1200)は様々な役割を実行し、それにより、冷却デバイス(1000)の要素の配置が最適化され、冷却デバイス(1000)の組み立てがさらに向上される。加えて、連結モジュール(1200)は、緊急時に標的の冷却が直ちに停止され得るように、ユーザが冷却先端(2000)を冷却デバイス(1000)から容易にかつ迅速に取り外すことを可能にする。
【0227】
図6は、本開示の例示的な実施形態による冷却モジュール(1100)を示す。
【0228】
図6を参照すると、冷却モジュール(1100)は、冷却媒体(1110)と、冷却媒体受容部材(1120)と、温度制御部材(1130)と、いくつかの実施形態において、第1の放熱部材(1141)および第2の放熱部材(1142)を含む放熱部材(1140)と、チューブとを含み得る。
【0229】
冷却媒体(1110)は、温度制御部材(1130)と熱的に連結され得る。例えば、
図6を再び参照すると、冷却媒体(1110)は、第1の温度制御部材(1131)の1つの表面と接触している第1の表面(S1)と、第2の温度制御部材(1132)の1つの表面と接触している第2の表面(S2)とを含み得る。冷却媒体(1110)は、第1の表面(S1)および第2の表面(S2)を通じて第1および第2の温度制御部材(1131、1132)から冷却エネルギーを受け取り得る。
【0230】
この場合、冷却媒体(1110)および温度制御部材(1130)は、冷却エネルギーまたは熱エネルギーを効率的に交換するための形状で実装され得る。例えば、冷却媒体(1110)および温度制御部材(1130)の少なくとも一部は、表面接触のために直方体形状で実装され得る。冷却媒体(1110)および温度制御部材(1130)の形状は、説明された直方体に限定されるものではなく、表面接触のための様々な形状で実装され得る。
【0231】
冷却媒体受容部材(1120)は、冷却媒体(1110)を受容し得る。例えば、冷却媒体(1110)の少なくとも一部は、冷却媒体受容部材(1120)に挿入されて、冷却媒体受容部材(1120)を貫通し得る。この場合、冷却媒体(1110)が冷却媒体受容部材(1120)を貫通して密着する、または冷却媒体(1110)を通過するとき、冷却媒体(1110)が露点より低く冷却されたときに形される水分を最小限に抑えるために、シール部材が使用され得る。加えて、水分の凝縮は、冷却媒体(1110)の表面に疎水性コーティングを塗布することによって最小限に抑えられ得る。
【0232】
冷却媒体受容部材(1120)は、放熱部材(1140)と連結するための連結ホールを含み得る。例えば、冷却媒体受容部材(1120)は、放熱部材(1140)と機械的に連結するために、後に説明される放熱部材(1140)に形成された少なくとも1つのねじ穴に対応する少なくとも1つの連結ホールを含み得る。
【0233】
温度制御部材(1130)は、冷却媒体(1110)および放熱部材(1140)と熱的に連結された状態で固定され得る。例えば、
図6を再び参照すると、第1の温度制御部材(1131)が冷却媒体(1110)と第1の放熱部材(1141)との間に配置される場合、および、第2の温度制御部材(1132)が冷却媒体(1110)と第2の放熱部材(1142)との間に配置される場合、第1の放熱部材(1141)および第2の放熱部材(1142)は、組み合わされて第1および第2の温度制御部材(1131、1132)を押下し、それにより、表面接触を通じて第1の温度制御部材(1131)および第2の温度制御部材(1132)を冷却媒体(1110)に固定し得る。
【0234】
この場合、温度制御部材(1130)は1つの表面と、適用される電流の方向に応じて熱を吸収するまたは熱を放散する別の表面とを含み、温度制御部材1130の1つの表面は冷却媒体(1110)と接触し得、温度制御部材(1130)の他方の表面は放熱部材(1140)と接触し得る。この場合、温度制御部材(1130)は、1つの表面を通じて冷却エネルギーを冷却媒体(1110)に伝達し得、冷却エネルギーの生成に応答して生成された熱エネルギーは、温度制御部材(1130)の他方の表面を通じて放熱部材(1140)に伝達され得る。
【0235】
上記のように、冷却媒体(1110)は、温度制御部材(1130)の動作に応じて冷却エネルギーを受け取り、放熱部材(1140)は、冷却エネルギーに対応する熱エネルギーを受け取り、それを冷却デバイス(1000)の外部に放出する。そうして、冷却デバイス(1000)の冷却効率が高められ得、冷却デバイス(1000)の耐久性が向上され得る。
【0236】
温度制御部材(1130)がその動作を停止または中止すると、放熱部材(1140)は、冷却媒体(1110)の低下した温度を上げるために、冷却媒体(1110)のものとは異なる物理的特性を有し得る。例えば、放熱部材(1140)は、冷却媒体(1110)のものよりも大きい熱容量を有し得、それは好ましくは冷却媒体(1110)の2倍以上である。具体的には、放熱部材(1140)は、冷却媒体(1110)と同じ材料で作られ得るが、大きい質量を有するように実装され得る。代替的には、放熱部材(1140)は、冷却媒体(1110)のものよりも大きい比熱を有する材料で形成され得る。したがって、冷却デバイス(1000)の動作が停止すると、冷却媒体(1110)および冷却先端(2000)を通じて熱的に連結された標的の温度が迅速に、かつ安全に上がり得るように、冷却媒体(1110)から放熱部材(1140)への熱伝達が加速される。
【0237】
放熱部材(1140)は冷却媒体受容部材(1120)と接続され得る。例えば、
図6を再び参照すると、冷却媒体受容部材(1120)は、第1の放熱部材(1141)と第2の放熱部材(1142)との間に配置される。固定ピンまたはねじなどの連結手段は、その後、第1および第2の放熱部材(1141、1142)のねじ穴および冷却媒体受容部材(1120)の連結ホールに挿入され、それにより、放熱部材(1140)および冷却媒体受容部材(1120)を連結する。
【0238】
放熱部材(1140)は、温度制御部材(1130)から提供された熱エネルギーを、冷却媒体(1110)から一定の距離だけ離間した位置に放散するために、熱管および複数の放射ピンを含み得る。
【0239】
上記のように、放熱部材(1140)は、冷却媒体受容部材(1120)に連結された連結部分と、受け取った熱エネルギーを動かすための熱管と、複数の放熱フィンを含む放熱部分とに分割され得る。放熱部材(1140)は、連結部分から熱エネルギーを受け取り、熱管を通じて受け取った熱エネルギーを動かし、放熱部分を通じて熱を外部に放出する。この場合、連結部分、熱管、および放熱部分は、それらが物理的に分離されないようにする方法で統合され得る。それらはまた、物理的に分離されて、組み立てによって放熱部材(1140)を形成し得る。
【0240】
放熱部材(1140)は、後に説明するように、チューブを受容し得る。例えば、第1および第2の放熱部材(1141、1142)が連結されているとき、第1の放熱部材(1141)および第2の放熱部材(1142)はそれぞれ、チューブが挿入される空隙が形成されるように、チューブに対応する溝を含む。
【0241】
弾性部材(1300)の他端は、放熱部材(1140)に固定され得る。例えば、
図6を再び参照すると、第1の放熱部材(1141)および第2の放熱部材(1142)は、複数の連結ピンまたは連結スクリューを通じて連結され得、第1の弾性部材(1310)の他端および第2の弾性部材(1320)の他端は、連結ピンまたは連結スクリューに固定され得る。結果として、弾性部材(1300)の一端は本体に接続され、弾性部材(1300)の他端は冷却モジュール(1100)に接続される。そうして、冷却モジュール(1100)は、弾性部材(1300)の弾力性に起因して、本体の中で移動し得る。
【0242】
弾性部材(1300)の他端は、放熱部材(1140)に加えて、冷却モジュール(1100)の他のコンポーネントに固定され得る。しかしながら、弾性部材(1300)の他端が冷却媒体(1110)に固定されるとき、冷却媒体(1110)の冷却エネルギーの損失が生じ得、弾性部材(1300)の他端が放熱部材(1140)に接続されているとき、それは放熱を支持し得る。結果として、後者の方法が好ましい。
【0243】
センサモジュール(1400)は、冷却媒体(1110)に挿入され得る。例えば、センサモジュール(1400)は、冷却媒体(1110)の温度情報をリアルタイムで取得するために、中心軸(CA)に沿って冷却媒体(1110)に挿入され得る。センサモジュール(1400)は、冷却媒体(1110)に挿入されることなく、冷却媒体(1110)に接触することによって、または接触せずに、冷却媒体(1110)の温度を測定し得る。
【0244】
冷却モジュール(1100)はチューブを含み得る。このチューブは、エネルギー生成のために必要な電力供給ラインまたはセンサモジュール(1400)を通過させ得る。例えば、電力を温度制御部材(1130)に供給するためのワイヤ、または冷却媒体(1110)の温度を測定するための温度センサが、チューブを通過するように配置され得る。この場合、チューブは、冷却媒体(1110)の効果的な断熱のために低い熱伝導率を有するプラスチックなどの材料で作られ得る。
【0245】
上の説明において、冷却モジュール(1100)は、複数の温度制御部材(1130)および複数の放熱部材(1140)が冷却モジュール(1100)の中心軸(CA)に関して対称的に連結されているように実装されている。しかしながら、本発明の技術的思想はそれに限定されるものではない。例えば、温度制御部材(1130)および放熱部材(1140)は、冷却媒体(1110)の1つの表面に順次に配置され、説明される冷却媒体(1110)は冷却媒体受容部材(1120)に挿入される。同様に冷却モジュール(1100)が冷却エネルギーを冷却媒体(1110)に提供し、熱を放出する様々な構造が実装され得る。
【0246】
以下、
図7から11を参照して、冷却デバイス(1000)における冷却先端(2000)の搭載および取り外しのプロセスが説明される。
【0247】
図7は、本開示の一実施形態による、冷却デバイス(1000)に搭載され、そこから取り外される冷却先端(2000)のパスを示す。
【0248】
図7を参照すると、冷却先端(2000)は、冷却デバイス(1000)に搭載され得るか、または冷却デバイス(1000)から取り外され得る。この実施形態において、冷却先端(2000)は、接触部材(2100)と先端本体(2200)とを含む。加えて、冷却先端(2000)において、接触部材(2100)は、先端本体(2200)に搭載され得るか、または先端本体(2200)から取り外され得る。例えば、冷却先端(2000)は、中心軸(CA)に沿って冷却デバイス(1000)に搭載され得る。このとき、冷却先端(2000)は、接触部材(2100)が先端本体(2200)の中央に嵌合または圧入されている間に、冷却デバイス(1000)に搭載され得る、または冷却デバイス(1000)から取り外され得る。
【0249】
冷却先端(2000)は、冷却エネルギーの伝達効率を向上させるために冷却デバイス(1000)に搭載され得る。例えば、冷却先端(2000)が冷却デバイス(1000)に搭載されると、冷却媒体(1110)は、接触部材(2100)と物理的に接触し、冷却媒体受容部材(1120)を通じて先端本体(2200)と接続され得る。換言すれば、冷却媒体(1110)は、冷却先端(2000)の接触部材(2100)に冷却エネルギーを広く提供し得る。
【0250】
図8は、本開示の例示的な実施形態による、冷却モジュール(2000)に搭載された冷却先端を示す。
【0251】
図8を参照すると、先端本体(2200)および接触部材(2100)は、中心軸(CA)に沿って冷却媒体受容部材(1120)および冷却媒体(1110)から取り外され得る。上記のように、冷却デバイス(1000)の冷却効率および耐久性を向上させるために、冷却媒体(1110)、冷却媒体受容部材(1120)、接触部材(2100)、および先端本体(2200)は、互いに対応する形状を有し得る。冷却媒体(1110)は、冷却媒体受容部材(1120)に挿入された挿入部分と、冷却媒体受容部材(1120)から突出する突出部分とを含み得る。
図8を再び参照すると、冷却媒体(1110)は、第1の長さ(L1)を有する挿入部分と、第2の長さ(L2)および第1の幅(W1)を有する突出部分とを含み得る。この場合、挿入部分は、一端の断面が方形であり、他端の断面が円であり、かつ、一端から他端へと幅が狭くなるテーパ形状で実装され得る。突出部分は、円筒形状で実装され得る。
【0252】
冷却媒体受容部材(1120)は、冷却媒体(1110)の挿入部分が中を通る受容部分を含み得る。例えば、冷却媒体受容部材(1120)は、第3の長さ(L3)、第3の幅(W3)、および中空を中に有する受容部分を含み得る。この例において、第3の長さ(L3)は、冷却媒体(1110)の突出部分が予め定められた長さだけ冷却媒体受容部材(1120)から突出するように、冷却媒体(1110)の挿入部分の第1の長さ(L1)に対応し、中空は、冷却媒体(1110)の挿入部分の形状に対応する形状を有し得る。
【0253】
接触部材(2100)は、冷却媒体(1110)の突出部分に対応する形状を有し得る。例えば、
図8を再び参照すると、冷却媒体(1110)の突出部分が、初期幅(W1)および第2の長さ(L2)を有する円筒形状を有する場合、冷却媒体(1110)と接触部材(2100)との間に垂直圧を生み出すために、接触部材(2100)は、第1の幅(W1)より大きいまたはそれに等しい第2の幅(W2)と、第2の長さ(L2)より短いまたはそれに等しい第4の長さ(L4)とを有する円筒形状の内部空間を有し得る。この例において、冷却媒体(1110)の突出部分の第2の長さ(L2)は、接触部材(2100)の内部空間の第4の長さ(L4)より大きいまたはそれに等しいため、冷却媒体(1110)は、接触部材2100を押下して、それを先端本体(2200)に堅く固定し得る。加えて、冷却媒体(1110)の突出部分の第1の幅(W1)が接触部材(2100)の内部空間の第2の幅(W2)より小さいまたはそれに等しいため、冷却先端(2000)は、冷却デバイス1000に容易に搭載され得る、またはそこから取り外され得、設置および取り外しの間の冷却媒体(1110)への損傷が防止され得る。冷却媒体(1110)の突出部分の第1の幅(W1)が接触部材(2100)の内部空間の第2の幅(W2)より小さいまたはそれに等しい場合、標的表面に接触している接触部材(2100)の1つの表面が、接触部材(2100)に接触している冷却媒体(1110)の突出部分の一方の表面より広い面積を有し得る。
【0254】
先端本体(2200)は、冷却媒体受容部材(1120)に対応する形状を有し得る。例えば、冷却媒体収容部材(1120)が、第3の長さ(L3)および第3の幅(W3)を有する円筒形状を有する場合、先端本体(2200)は、第3の幅(W3)より大きいまたはそれに等しい第4の幅(W4)を有し、かつ第3の長さ(L3)より短い第5の長さ(L5)を有する内部空間を有し得る。この例において、第3の幅(W3)は第4の幅(W4)に対応する、または先端本体(2200)の開口の内径は冷却媒体受容部材(1120)の外径に対応するため、冷却媒体(1110)は、冷却媒体(1110)の中心軸および接触部材(2100)が中心軸が互いに対応する状態で、冷却先端(2000)が冷却デバイス(1000)に搭載され、またはそこから取り外されるときに、接触部材(2100)の内周表面と接触しない。そうして、冷却媒体(1110)が摩耗または損傷することが防止され得る。加えて、第5の長さ(L5)は、弾性部材(1300)によって加えられる連結力が冷却媒体(1110)と冷却先端(2000)の接触部材(2100)との間に集中し得、したがって、冷却媒体(1110)と冷却先端(2000)の接触部材(2100)との間の熱伝達の効率が高められ得るように、構成され得る。
【0255】
冷却先端(2000)の搭載に起因する冷却媒体(1110)への損傷を防止するために、冷却先端(2000)の接触部材(2100)と接触する冷却媒体(1110)の突出部分は、耐摩耗材料でコーティングされ得る。例えば、突出部分は、ニッケルまたはクロムなどの金属でコーティングされ得る。代替的には、冷却先端(2000)と冷却媒体(1110)との間にコーティング部材が含まれ得る。この場合、コーティング部材は、冷却先端(2000)の接触部材(2100)の材料より柔らかい材料で作られ得る。具体的には、コーティング部材は、2.5Mohより小さい硬度を有し得、好ましくは、2Moh以下の硬度を有し得る。
【0256】
加えて、上記の冷却媒体(1110)、冷却媒体受容部材(1120)、接触部材(2100)、および先端本体(2200)は、説明される形状または寸法に限定されるものではない。例えば、冷却媒体(1110)の突出部分の断面および冷却先端(2000)の接触部材(2100)の断面は、多角形などの様々な形状で実装され得る。
【0257】
図9は、本開示の例示的な実施形態による、冷却デバイス(1000)から取り外されている冷却先端(2000)を示す。
図9を参照すると、冷却先端(2000)は、冷却先端(2000)が冷却デバイス(1000)に搭載されている間に連結部材(1220)の動作に従って冷却デバイス(1000)から取り外され得る。
【0258】
以下、説明の簡便性のために、連結部材(1220)がラッチ部分を含み、冷却先端(2000)がラッチ部分に対応する溝を含む場合を説明するが、本開示の技術的思想はそれに限定されるものではない。
【0259】
図9を再び参照すると、冷却先端(2000)は、連結部材(1220)によって冷却デバイス(1000)に搭載され得る。具体的には、中心軸(CA)に関して対称的に配置されている第1の連結部材(1221)および第2の連結部材(1222)のラッチ部分が、冷却先端(2000)の溝に係合し、それにより、冷却先端(2000)が冷却デバイス(1000)に搭載される。
【0260】
圧力が連結部材(1220)の一端に加えられると、冷却先端(2000)は、冷却デバイス(1000)から取り外され得る。例えば、
図9を再び参照すると、第1の連結部材(1221)の一端および第2の連結部材(1222)の一端がユーザによってそれぞれ押下されると、第1の連結部材(1221)および第2の連結部材(1222)は、連結部材固定ピン(LP)に関して回転し、そのため、第1および第2の連結部材のラッチ部分が冷却先端(2000)の溝から取り外され、冷却先端(2000)が冷却デバイス(1000)から取り外され得る。この例において、冷却先端(2000)を冷却デバイス(1000)から取り外すために、後に説明される弾性部材(1300)を介した弾性力が中心軸(CA)の方向に加えられ得る。
【0261】
そのため、単純な方法で冷却先端(2000)が冷却デバイス(1000)から容易に取り外され得、ユーザは、緊急事態において冷却を直ちに停止させ得る。このとき、冷却先端は、凍着により標的に取り付けられたままであり、冷却先端(2000)は重量が軽い場合がある。具体的には、冷却先端(2000)の重量は、重力によって標的に対して過剰な力を呈さないように、2g以下、より具体的には1g未満であり得る。
【0262】
図10は、本開示の例示的な実施形態による、冷却先端(2000)が冷却デバイス(1000)に搭載されている、または取り外されているときの弾性部材(1300)の移動を示す。冷却先端(2000)は、冷却デバイス(1000)に搭載されている間に弾性部材(1300)を変形させ得、冷却先端(2000)は、変形した弾性部材(1300)の復元力または弾性力によって冷却デバイス(1000)から取り外され得る。
【0263】
以下、説明の大部分は、弾性部材(1300)が、引張バネを含み、中心軸(CA)に関して対称的に搭載されている場合を取り上げるが、本発明の技術的思想はそれに限定されるものではなく、圧縮バネおよびねじりバネなどの復元力を使用する1つまたは複数の物体が搭載されている場合が同様の方法で適用され得る。
【0264】
弾性部材(1300)は、冷却先端(2000)が冷却デバイス(1000)に搭載される、またはそこから取り外されるときに伸長または収縮し得る。
【0265】
例えば、
図10を参照すると、冷却先端(2000)が中心軸(CA)に沿って第1の方向で冷却デバイス(1000)に搭載されているとき、第1の弾性部材(1310)および第2の弾性部材(1320)は伸長され得る。具体的には、第1の弾性部材(1310)および第2の弾性部材(1320)の一端が弾性部材固定ピン(SP)で連結モジュール(1200)に固定され、冷却先端(2000)が冷却デバイス(1000)に搭載されているとき、第1の弾性部材(1310)および第2の弾性部材(1320)の他端が固定される冷却モジュール(1100)が第1の方向に移動し、それにより、第1の弾性部材(1310)および第2の弾性部材(1320)が伸長する。
【0266】
別の例として、
図9および10を参照すると、連結部材(1220)が冷却先端(2000)から取り外されているとき、第1の弾性部材(1310)および第2の弾性部材(1320)は収縮し得る。具体的には、第1の弾性部材(1310)および第2の弾性部材(1320)が伸長している状態において、第1の連結部材(1221)および第2の連結部材(1222)のラッチ部分は冷却先端(2000)の溝から取り外される。第1の弾性部材(1310)および第2の弾性部材(1320)は収縮し得、そのため、冷却モジュール(1100)が第2の方向に移動するときに、冷却先端(2000)は冷却デバイス(1000)から取り外され得る。
【0267】
この場合、第1の方向とは、冷却デバイス(1000)の前端(F)からユーザまたは冷却デバイス(1000)の内部への近位方向を意味し、第2の方向とは、ユーザまたは冷却デバイス(1000)の内部から前端(F)への遠位方向を指し得る。
【0268】
弾性部材(1300)は、冷却先端(2000)が冷却デバイス(1000)に搭載されているときに冷却媒体(1110)が接触部材(2100)を押下するように、弾性力を提供し得る。例えば、冷却先端(2000)が冷却デバイス(1000)に搭載されているとき、弾性部材(1300)は、第2の方向に弾性力を提供するために上記のように高められ、連結部材(1220)によって固定された冷却先端(2000)の接触部材(2100)と表面接触している冷却媒体(1110)に弾性力の圧力が加えられ得る。このとき、冷却媒体(1110)が接触部材(2100)を押下するため、界面熱抵抗またはカピッツァ抵抗が減少し、それにより、冷却媒体(1110)から接触部材(2100)への冷却エネルギーの伝達効率が上がる。この場合、弾性部材(1300)によって提供される弾性力は、冷却効率を考慮して、0.1MPa以上、0.2MPa以上、または0.5MPa以上に設定され得る。
【0269】
上記の冷却媒体(1110)と接触部材(2100)との間の界面熱抵抗を低減するために、冷却媒体(1110)に接触している接触部材(2100)の一部は、1~10μmのスズコーティングなどの軟質金属コーティングを含み得る。
【0270】
図11は、本開示の一実施形態による、冷却先端(2000)が冷却デバイス(1000)に搭載されているまたはそこから取り外されているときにその位置を変更する冷却モジュール(1200)を示す。冷却モジュール(1100)は、冷却デバイス(1000)内で移動可能である。例えば、冷却先端(2000)が第1の方向において冷却デバイス(1000)に搭載されているとき、冷却モジュール(1100)も第1の方向に移動し得る。具体的には、冷却先端(2000)が冷却デバイス(1000)に搭載されているとき、冷却モジュール(1100)の中央、重心、または任意の点が中心軸(CA)上の第1の位置(P1)から、予め定められた距離だけ第1の位置から離れた第2の位置(P2)まで第1の方向に移動し得る。この場合、放熱フィンおよび熱管を含む放熱部材(1140)などの冷却モジュール(1100)のすべての要素が移動してもよく、または、それらの一部のみが移動してもよい。加えて、第1の位置(P1)と第2の位置(P2)との間の距離は、弾性部材(1100)の伸長の度合い、および冷却デバイス(1000)からの冷却モジュール(1100)の突出の度合いに基づいて決定され得る。例えば、第1の位置(P1)と第2の位置(P2)との間の距離は、1~5mm以内に決定され得る。
【0271】
冷却先端(2000)が冷却デバイス(1000)に搭載される、またはそこから取り外されるときに冷却モジュール(1100)が移動するために、連結モジュール(1200)に接続された弾性部材(1300)の一端は、冷却モジュール(1100)に固定された弾性部材の他端よりも冷却デバイス(1000)の前端(F)の近くに位置付けられ得る。換言すれば、冷却先端(2000)が第1の方向において冷却デバイス(1000)に搭載されているとき、冷却デバイス(1000)内で移動可能な冷却モジュール(1100)に固定された弾性部材(1300)の他端は、冷却デバイス(1000)の本体に固定された弾性部材(1300)の一端から予め定められた距離だけ離れて位置付けられ得る。
【0272】
加えて、冷却モジュール(1100)は、冷却モジュール1100が冷却デバイス(1000)内で移動し得るように、複数のリブを含み得る。例えば、冷却モジュール(1110)の遠位部分の冷却媒体(1100)の中で温度制御部材(1130)と接触するものうち、冷却媒体受容部材(1120)、温度制御部材(1130)、チューブおよび放熱部材(1140)は、弾性部材(1300)を通じて、冷却デバイス(1000)の本体部分によって支持され得、冷却モジュール(1100)の近位部分の熱管および放熱フィンは、冷却デバイス(1000)の本体部分に設置された複数のリブによって支持される。
【0273】
冷却デバイス(1000)は、冷却モジュール(1100)が冷却デバイス(1000)内で移動するときに冷却モジュール(1100)が損傷することを防止するために衝突防止エリアを含み得る。
【0274】
この場合、衝突防止エリアとは、冷却先端(2000)が冷却デバイス(1000)から取り外されている状態における、冷却デバイス(1000)の後端(R)と冷却モジュール(1100)との間の領域を指し得る。例えば、
図11を再び参照すると、冷却デバイス(1000)は、後端(R)に出力モジュール(1700)を含み、衝突防止エリアは、出力モジュール(1700)と冷却モジュール(1100)との間の領域であり得る。
【0275】
衝突防止エリアは、冷却モジュール(1100)と冷却デバイス(1000)の後端(R)との間の空間として解釈され得る。加えて、冷却デバイス(1000)の他のコンポーネントは衝突防止エリア内に配置され得ない。
【0276】
衝突防止エリアは、予め設定された寸法を有し得る。例えば、冷却先端(2000)が冷却デバイス(1000)に搭載されているときに冷却モジュール(1100)が第1の位置(P1)から第2の位置(P2)まで移動する場合、中心軸の方向(CA)における衝突防止エリアの長さは、第1の位置(P1)と第2の位置(P2)との間の距離より大きいまたはそれに等しい場合がある。より具体的には、冷却モジュール(1100)が第1の位置(P1)から第2の位置(P2)まで移動し得る場合、冷却モジュール(1100)は、放熱部材(1140)の熱管が、第1の位置(P1)と第2の位置(P2)との間の距離だけ冷却デバイス(1000)の後端(R)の出力モジュール(1700)から離間するように冷却デバイス(1000)内に配置され得る。このとき、冷却モジュール(1100)が約3mm移動する場合、衝突防止エリアの中心軸(CA)の方向における長さは、3mmより大きいまたはそれに等しい場合がある。
【0277】
外部の衝撃から冷却モジュール(1100)を保護するために、弾性部材(1300)が両方の方向に弾性力を提供し得、例えば、弾性部材(1300)は、圧縮可能な引張バネまたは伸張可能な圧縮バネを含み得る。具体的には、中心軸(CA)の方向に冷却デバイス(1000)に衝撃が加えられると、弾性部材(1300)は、衝撃を軽減するために収縮または伸長し得る。
【0278】
以下、
図12および13を参照して、例示的な冷却先端(2000)の構造が説明される。
【0279】
図12は、本開示の一実施形態による、冷却先端(2000)の内部構造および冷却先端(2000)を示す。
【0280】
図12を参照すると、冷却先端(2000)は、接触部材(2100)と、接触部材(2100)が搭載される先端本体(2200)とを含み得る。
【0281】
接触部材(2100)は、先端本体(2200)に搭載されるべき係合部分(2110)を含み得る。例えば、接触部材(2100)は先端本体(2200)の開口(2210)に挿入され、接触部材(2100)の係合部分(2110)が、後に説明される先端本体(2200)の係合突出部(2220)と密着すると、接触部材(2100)および先端本体(2200)は力により互いに固定され得る。このとき、冷却媒体(1110)は、接触部材(2100)の係合部分(2110)が先端本体(2200)の係合突出部(2220)と密接に接触し得るように、弾性部材(1300)の弾性力によって接触部材(2100)を押下する。
【0282】
接触部材(2100)の係合部分(2110)は、先端本体(2200)の搭載される形状で実装され得る。例えば、接触部材(2100)の係合部分(2110)は、接触部材(2100)が先端本体(2200)に挿入される方向において狭くなるテーパ形状を有し得る。
【0283】
先端本体(2200)は、冷却デバイス(1000)に搭載するための溝(2230)と、接触部材(2100)を搭載するための係合突出部(2220)とを含み得る。例えば、
図12を再び参照すると、冷却デバイス(1000)の連結部材(1220)に係合するための溝(2230)が先端本体(2200)の外部に形成され、接触部材(2100)の係合部分(2110)が搭載されている係合突出部(2220)が先端本体(2200)の内部に形成され得る。
【0284】
本明細書の実施形態において使用される先端本体(2200)の溝(2230)の説明は上に記載されている。
【0285】
係合突出部(2220)は、先端本体(2200)の一端から予め設定された距離だけ離間された位置に形成され得る。例えば、係合突出部(2220)は、上記の接触部材(2100)の第4の長さ(L4)より短い距離だけ先端本体(2200)の一端から離間するように形成され得る。この場合、接触部材(2100)は、先端本体(2200)から突出されて搭載され得、標的を冷却するときに先端本体(2200)より前に標的表面に接触し得る。
【0286】
上において、説明は主に、接触部材(2100)が力によって先端本体(2200)に連結、固定、または搭載されている場合を取り上げたが、本開示の技術的思想はそれに限定されるものではなく、接触部材(2100)および先端本体(2200)は、接着による連結または結合、磁気連結または結合、およびピンによる連結または結合などの他の機械的な方法によって連結される。
【0287】
冷却モジュール(1100)および接触部材(2100)の少なくとも一部は先端本体(2200)に挿入され得る。例えば、
図12を再び参照すると、先端本体(2200)は、冷却媒体受容部材(1120)の少なくとも一部が挿入される初期内部空間(IS1)と、接触部材(2100)の少なくとも一部が挿入される第2の内部空間(IS2)とを含み得る。
【0288】
この例において、第1の内部空間(IS1)は、冷却媒体受容部材(1120)の形状に対応する形状で実装され得る。例えば、冷却媒体受容部材(1120)が、第3の長さ(L3)および第4の幅(W4)を有する円筒形状を有する場合、第1の内部空間(IS1)は、第3の長さ(L3)より短い長さと、第4の幅(W4)に対応する幅とを有する形状で実装され得る。
【0289】
この例において、第2の内部空間(IS2)は、接触部材(1120)の形状に対応する形状で実装され得る。例えば、第2の内部空間(IS2)は、接触部材(2100)が係合突出部(2220)から突出する方向において幅が徐々に大きくなる形状で実装され得る。この場合、接触部材(2100)の側面が、係合突出部(2220)以外の先端本体(2200)の他の部分と接触しないため、冷却効率が高められ得る。加えて、冷却先端(2000)によって標的表面に形成される切欠きは、同心円などの明確な形状を有し得る。
【0290】
第1の内部空間(IS1)および第2の内部空間(IS2)は、係合突出部(2220)に基づいて分割され得るが、本発明の技術的概念はそれに限定されるものではない。
【0291】
図13は、本開示の一実施形態による、標的表面上に切欠き(M)をマーキングするための冷却先端(2000)の形状を示す。
【0292】
図13を参照すると、冷却先端(2000)の少なくとも一部は、標的の表面上絵にマーク(M)を形成するための形状で実装され得る。この場合、マーク(M)は、冷却先端(2000)が標的表面と物理的に接触するときに圧力によって標的表面上に表示され、これは、標的表面に関する冷却先端(2000)の接触位置を示し得る。
【0293】
先端本体(2200)の少なくとも一部は、突出形状を有し得る。例えば、先端本体端部(2240)が部分的に突出して、標的表面上にマーク(M)を形成し得る。具体的には、先端本体端部(2240)は、リング形状またはドット形状で突出して、標的の表面上に圧力を使用してリング形状またはドット形状のマーク(M)を作り得る。先端本体端部(2240)の突出形状は、上記のリング形状またはドット形状に加えて、直線または点線形状などの様々な方法で実装され得る。
【0294】
先端本体端部(2240)は、一般に、先端本体(2200)の一部として構成され得る。しかしながら、先端本体端部(2240)は、先端本体(2200)から取り外し可能であるように構成され得る。加えて、先端本体端部(2240)は、先端本体(2200)と同じコンポーネントもしくは材料で実装されてよく、または、異なるコンポーネントもしくは材料で実装されてよい。
【0295】
先端本体端部(2240)は、標的表面上にマーク(M)を形成するための具体的な長さを有し得る。例えば、
図13に示されるように、先端本体端部(2240)は、第6の長さ(L6)に従って伸びてよい。
【0296】
この例において、第6の長さ(L6)は、先端本体(2200)から突出する接触部材(2100)の長さを考慮して設定され得る。例えば、第6の長さ(L6)は、接触部材(2100)が先端本体(2200)に挿入されているときに、突出の度合いが先端本体端部(2240)より大きいまたはそれに等しくなるように設定され得る。この場合、冷却先端(2000)が標的表面と直ちに接触すると、接触部材(2100)は、先端本体端部(2240)の前またはそれと同時に標的表面と接触し、それにより、冷却効率を維持しながら標的表面上にマーク(M)が形成される。別の例として、第6の長さ(L6)は、先端本体(2200)からの接触部材(2100)の突出の度合いが先端本体端部(2240)より小さくなるように設定され得る。
【0297】
冷却先端(2000)が特定の形状を有するため、マーク(M)は、標的の冷却後に冷却領域が区別され得るように標的表面上に表示される。このようにして、標的または標的表面に対して冷却が実行される領域が区別され、そのため、次の処置で実行されるべき部分が明確となり得る。
【0298】
冷却システム(10)を使用して標的を冷却するプロセスにおいて、標的の固有の特徴またはユーザの不注意に起因して、標的が不安定である間に処置が実行される場合、または標的が損傷している場合があり得る。例えば、冷却デバイス(1000)が、冷却先端(2000)を通じて標的表面と接触する前にトリガを駆動することによって、特定の時間にわたって主冷却を実行し、標的のための十分な冷却が達成されなかった場合、標的に麻酔をかけないで処置を実行する場合がある。別の例として、冷却デバイス(1000)が過剰に長時間にわたって標的表面と接触を保っている場合、過剰な冷却により標的が損傷し得る。別の例として、冷却デバイス(1000)が、適切な圧力で標的と接触しなかった場合、麻酔のために必要とされる十分な冷却が実行されない場合があり、過度に大きい圧力が標的に加えられると標的が損傷し得る。
【0299】
本開示の一実施形態によれば、上記の問題を防止するために、より安全かつより詳細な冷却制御方法が提供され得る。例えば、冷却デバイス(1000)が冷却先端(2000)を通じて標的表面と適切に熱的または物理的に接触したかどうかなど、標的を冷却するのに必要な冷却実行条件が満たされたかどうかを決定することを含む段階を含む冷却制御方法が提供され得る。この冷却制御方法の場合、冷却先端(2000)と標的表面との間の熱的または物理的接触が生じた時間から経過した時間が測定され得、これを通じて、標的に対する冷却実行時間が特定の時間に制限され、結果として、標的は過剰に冷却されない。
【0300】
以下、
図14~
図17を参照して、冷却システム(10)を使用する安全かつ詳細な冷却制御方法が説明される。
【0301】
図14は、本発明の一実施形態による冷却制御方法を使用して標的を冷却する場合において、時間が経過するにつれてセンサモジュール(1400)が検出する温度を示す。
【0302】
図14に示されるように、センサモジュール(1400)によって経時的に感知される温度は、標的に関連する温度であるか、それを指し得るか、またはそれに対応する。例えば、温度は、標的を特定温度まで冷却するための冷却モジュール(1100)の冷却媒体(1110)の温度であるか、それを指し得るか、またはそれに対応する。別の例として、温度は、冷却先端(2000)の接触部材(2100)の温度であるか、それを指し得るか、またはそれに対応する。別の例として、温度は、標的の内部または標的の表面が冷却されるべき温度であるか、それを指し得るか、またはそれに対応する。以下、説明の簡便性のために、説明は主に、センサモジュール(1400)によって経時的に測定される温度が冷却媒体(1110)の温度である場合を取り上げるが、本発明の技術的思想はそれに限定されるものではなく、センサモジュール(1400)によって測定される温度が、接触部材(2100)の温度、標的の内部の温度、または標的表面の温度である場合にも同様に適用され得る。
【0303】
図14を参照すると、冷却システム(10)は、初期から第4の期間(T1、T2、T3、T4)の間の冷却媒体(1110)の温度を制御し得る。各セクションについて以下で詳細に説明する。
【0304】
第1の期間(T1)において、始めに冷却のために冷却システム(10)が準備される。例えば、冷却デバイス(1000)は、初期温度(C1)の冷却媒体(1110)が第2の温度(C2)に達するように、温度制御部材(1130)を制御し得る。
【0305】
この例において、第1の温度(C1)とは、冷却システム(10)が動作する前の冷却媒体(1110)の温度を指し得る。このとき、第1の期間(T1)の長さは、第1の温度(C1)に応じて決定され得る。例えば、第1の温度(C1)は室温と同じであってよく、この場合、電力は温度制御部材(1130)に供給されなくてよい。別の例として、第1の温度(C1)は室温より低く、冷却システム(10)は、温度制御部材(1130)を制御して、第1の期間(T1)の前に冷却媒体(1110)の温度を第1の温度(C1)に調節する。この場合、第1の温度(C1)が室温より低い場合、第1の期間(T1)の長さを短くしてもよい。他方で、第1の温度(C1)が露点より高く維持されてよく、それにより、冷却媒体(1110)上での水分の凝縮が防止され、結果として、第1の期間(T1)の長さが短くなり、ユーザの都合がよくなり得る。具体的には、室温の温度が25℃である場合、第1の温度(C1)が20℃に設定されているとき、冷却媒体(1110)上の水分の凝縮を伴わずに第1の期間(T1)の長さが短くなり、ユーザの待機時間が短くなり得る。
【0306】
この場合、第2の温度(C2)とは、冷却システム(10)が標的に対する冷却を実行する前のスタンバイ温度を指し得る。例えば、第2の温度(C2)は0℃~-20℃に設定され得る。第1の温度(C1)と第2の温度(C2)との間の差は、下で説明される第2の温度(C2)と第3の温度(C3)との間の差より大きくてもよい。
【0307】
冷却システム(10)の制御に従って冷却媒体(1110)の温度を下で説明する標的温度に変更する時間が低減され得るように、冷却システム(10)は、第1の期間(T1)に、冷却媒体(1110)の温度を、スタンバイ温度である第2の温度(C2)に制御する。そのような場合、所定の時間で温度を標的温度まで下げるための電力消費が低減されて、冷却デバイスにおける電力が節約され、これは、ポータブル、無線、および/または電池動作式の手持ち型デバイスにとって有益である。また、標的温度と比較したとき、冷却のために標的表面に接触したときに処置を受ける人物が感じ得る不快間を低減させることが可能であり得る。
【0308】
第2の期間(T2)において、冷却システム(10)は、標的のための冷却実行条件が満たされているかどうかを決定し得る。例えば、冷却システム(10)が冷却媒体(1110)の温度を第2の温度(C2)に維持する間に標的のための冷却実行条件が満たされた場合、冷却システム(10)は、後に説明されるように、第3の期間(T3)の間に標的を冷却し得る。
【0309】
冷却実行条件は、冷却デバイス(1000)がトリガ信号を受信する条件を含み得る。例えば、冷却実行条件は、冷却デバイス(1000)が入力モジュール(1600)からトリガ信号を受信する条件を含み得る。より具体的には、ユーザが、冷却デバイス(1000)の外部に配置されたトリガを動作させ、冷却デバイス(1000)の制御モジュール(1800)がトリガ信号を受信した場合、制御モジュール(1800)は、冷却実行条件が満たされたと決定し得る。この場合、トリガ信号とは、ユーザが、冷却デバイス1000に搭載されたスイッチを含むトリガボタンを押下することによって、または音声入力を使用することによって、タイマの動作を指示するためのタイマ動作信号を指し得る。タイマは、下で説明される冷却時間を設定するために使用され得、下で説明されるスタンバイ時間およびスタンバイトリガ時間などの特定の新しい時間を設定するために使用され得る。
【0310】
加えて、冷却実行条件は、冷却先端(2000)が標的表面と接触する条件を含み得る。例えば、制御モジュール(1800)は、冷却媒体(1110)の温度を示す温度情報をセンサモジュール(1400)から取得し、取得した温度情報に基づいて、冷却先端(2000)が標的表面と接触したかどうかを決定する。冷却先端(2000)が標的表面と接触したと決定した場合、制御モジュール(1800)は、冷却実行条件が満たされたと決定し得る。
【0311】
別の例として、制御モジュール(1800)は、冷却媒体(1110)の電流または電圧に関連する電気信号を取得または検出し得、取得または検出した電気信号に基づいて、冷却実行条件が満たされたかどうかを決定し得る。別の例として、制御モジュール(1800)は、冷却モジュール(1100)に隣接して配置されたタッチセンサまたは圧力センサを使用することによって、冷却実行条件が満たされたかどうかを決定し得る。冷却システム(10)において冷却先端(2000)または冷却先端(2000)を装備した冷却デバイス(1000)が標的表面と接触したかどうかを決定する方法は、下で詳細に説明される。
【0312】
冷却実行条件は、冷却デバイス(1000)の冷却媒体(1110)および標的が互いに熱に連結されている条件を含み得る。例えば、制御モジュール(1800)は、冷却媒体(1110)の温度を示す温度情報をセンサモジュール(1400)から取得し、取得した温度情報に基づいて、冷却先端(2000)が標的表面と接触したかどうかを決定する。冷却媒体(1110)が標的または標的表面と熱的に接触したと決定した場合、制御モジュール(1800)は、冷却実行条件が満たされたと決定し得る。
【0313】
いくつかの実施形態において、冷却実行条件は、説明されたトリガ信号受信条件、冷却先端(2000)の標的表面との接触条件、および熱的連結条件のうちの少なくとも2つ以上を含む。例えば、冷却実行条件は、冷却先端(2000)と標的表面との接触条件、およびトリガ信号受信条件を含み得る。具体的には、第2の期間(T2)において接触条件が満たされ、予め設定期間内にトリガ信号受信条件が満たされた場合、冷却実行条件が満たされ得る。
【0314】
冷却実行条件が異なる条件の組み合わせを含む場合、第2の期間(T2)は複数の期間に分割され得る。例えば、
図15に示されるように、第2の期間T2は、2-1期間(T2-1)と2-2期間(T2-2)とを含み得る。具体的には、第2の期間T2は、2-1期間(T2-1)と2-2期間(T2-2)とに分割され、2-1期間(T2-1)は、冷却媒体(1110)の温度が第2の温度(C2)に達した時点から、冷却先端(2000)と標的表面との間の接触条件が満たされた時点までであり、2-2期間(T2-2)は、接触条件が満たされた時点かあら、トリガ信号受信条件が満たされ、すべての冷却実行条件が満たされた時点までである。
【0315】
冷却媒体1110の温度は、2-1期間(T2-1)および2-2期間(T2-2)でわずかに変化し得る。例えば、冷却実行条件が、標的の表面と冷却先端(2000)との間の接触条件または熱的結合条件を含む場合、
図15に示されるように、冷却媒体(1110)の温度が上がり得る。冷却デバイス(1000)は、冷却媒体(1110)の温度変化を通じて、接触条件または熱的連結条件が満たされたかどうかを決定し得る。冷却媒体(1110)の温度変化を使用することによって冷却実行条件を決定するプロセスは、下で詳細に説明される。
【0316】
2-1期間(T2-1)および2-2期間(T2-2)において、冷却システム(10)は、冷却媒体(1110)の温度が第2の温度(C2)になるように温度制御部材(1130)を制御し得る。
【0317】
複数の冷却実行条件がある場合、冷却システム(10)は、各冷却実行条件が満たされた時点に基づいて、ユーザに通知を提供し得る。例えば、
図15に示されるように、制御モジュール(1800)は、2-1期間(T2-1)に冷却実行条件が満たされたときに、出力モジュール(1700)を使用することによって第2の通知(I2')を提供し得る。具体的には、後に説明されるように2-1期間(T2-1)に冷却先端(2000)が標的の表面と接触したことを制御モジュール(1800)が検出すると、制御モジュール(1800)は、冷却先端(2000)が標的の表面と適切に接触したことを示す視覚的または聴覚的通知をユーザに提供し得る。冷却実行条件が第2の期間(T2)に満たされた場合は、冷却実行条件が2-1期間(T2-1)および2-2(T2-2)期間のそれぞれにおいて満たされた場合の両方を含み得る。換言すれば、第2の期間(T2)において冷却実行条件が満たされなかった場合、これは、2-1期間(T2-1)に対応する冷却実行条件が満たされなかった場合、および2-1期間(T2-1)に対応する冷却実行条件が満たされたが、2-2期間(T2-2)に対応する冷却実行条件が満たされなかった場合を含み得る。
【0318】
いくつかの実施形態において、冷却システム(10)は、各冷却実行条件が満たされなかったまたは失敗した時点に基づいて、通知をユーザに提供し得る。例えば、制御モジュール(1800)は、2-1期間(T2-1)において冷却実行条件が満たされなかったまたは失敗したとき、あるいは、条件を満たすことに失敗しとことに起因してデバイスがリセットされた、またはユーザによるデバイスもしくは動作および/もしくはプロセスの再開を必要とするときに、出力モジュール(1700)を使用することによって第3の通知(I3)を提供し得る。代替的および/または追加的には、制御モジュール(1800)は、2-1期間(T2-1)2-2(T2-2)期間のいずれかにおいて冷却実行条件が満たされなかったまたは失敗したとき、あるいは、条件を満たすことに失敗しとことに起因してデバイスがリセットされた、またはユーザによるデバイスもしくは動作および/もしくはプロセスの再開を必要とするときに、出力モジュール(1700)を使用することによって通知を提供し得る。
【0319】
第2の期間(T2)において説明された冷却実行条件が満たされなかった場合、冷却システム(10)は標的の冷却を停止し得る。例えば、冷却媒体(1110)の温度が第2の温度(C2)に達した時点からのスタンバイ時間内に冷却動作条件が満たされなかった場合、制御モジュール(1800)は、冷却媒体(1110)の温度が上がるように温度制御部材(1130)を使用する。いくつかの実施形態において、冷却動作条件を満たすことに失敗したときに上がる冷却媒体(1110)の温度は、C2よりも少なくとも5℃、少なくとも6℃、少なくとも7度、少なくとも8度、少なくとも9度、少なくとも10℃高い。いくつかの実施形態において、冷却動作条件を満たすことに失敗したときに上がる冷却媒体(1110)の温度は、-10℃以上、-9℃以上、-8℃以上、-7℃以上、-6℃以上、-5℃以上、-4℃以上、-3℃以上、-2℃以上、-1℃以上、0℃以上である。代替的および/または追加的には、冷却動作条件を満たすことに失敗したときに上がる冷却媒体(1110)の温度は、標的表面に対する凍着を防止するのに十分または効果的である。別の例として、第2の期間(T2)において冷却実行条件が満たされなかった場合、制御モジュール(1800)は電源をオフにし得る。
【0320】
別の例として、第2の期間(T2)において冷却実行条件が満たされなかった場合、制御モジュール(1800)は、冷却媒体(1110)の温度を下げなくてもよい。
【0321】
いくつかの実施形態の場合において、スタンバイ時間は、標的に対する損傷を防止するために、予め設定された安全時間範囲内に事前に設定され得る。例えば、スタンバイ時間は60秒以内に設定され得る。他の実施形態において、スタンバイ時間は、5秒、10秒、20秒、30秒、45秒、または60秒に設定され得る。これは、ユーザが冷却先端(2000)を標的表面と接触させ、トリガ信号受信などの冷却実行条件が満たされず、冷却先端(2000)と標的表面との間の接触が継続している状態において、標的に対する損傷のリスクを軽減するためになされ得る。
【0322】
他方で、複数の冷却条件により、冷却システム(10)は、2-1期間(T2-1)、2-2期間(T2-2)、または何らかの他の予め定められた時間のいずれかにおいて1つまたは複数の冷却実行条件が満たされなかった場合に標的の冷却を停止し得る。例えば、冷却媒体(1110)の温度が第2の温度(C2)に達した時点からのスタンバイ時間内に冷却先端(2000)と標的表面との間の接触条件が満たされなかった場合、制御モジュール(1800)は、冷却媒体(1110)の温度を上げるように温度制御部材(1130)を使用するか、または電源をオフにする。別の例において、冷却先端(2000)と標的表面との間の接触条件が満たされた時点からのスタンバイトリガ時間内にトリガ信号受信条件が満たされなかった場合、制御モジュール(1800)は、冷却媒体(1110)の温度を上げるように温度制御部材(1130)を使用するか、または電源をオフにする。
【0323】
この場合、スタンバイ接触時間は、ユーザが冷却先端(2000)を標的の表面と接触させるか、またはそれらを熱的に結合させるのに適切な時間に設定され得る。例えば、スタンバイ接触時間は、60秒以内に設定され得る。より好ましくは、スタンバイ接触時間は、1秒、2秒、3秒、4秒、5秒、7秒、10秒、15秒、20秒、25秒、30秒、または45秒に設定され得る。さらに、冷却先端(2000)が標的の表面に接触したにもかかわらず冷却システム(10)の障害または誤動作に起因して接触条件が満たされていないと決定された場合、スタンバイ接触時間を短く設定することによって、上記のように、標的が過剰に冷却されることが防止され得る。
【0324】
加えて、スタンバイトリガ時間は、冷却先端(2000)が、標的の表面と過度に長く接触すること、またはそれと熱的に連結されることを防止するために、過剰冷却防止時間範囲内に設定され得る。例えば、スタンバイトリガ時間は、30秒以内に設定され得る。より具体的には、スタンバイトリガ時間は、1秒、2秒、3秒、4秒、5秒、10秒、または15秒に設定され得る。スタンバイトリガ時間は、スタンバイ接触時間より短く設定され得る。上記のようにスタンバイトリガ時間を十分に短く設定することによって、冷却先端(2000)により標的が冷却される実際の時間が制限され得、そうして、冷却システム(10)によって標的を過剰に冷却することが防止され得る。
【0325】
安全時間範囲または過剰冷却防止時間範囲は、上の説明に限定されるものではなく、様々に設定され得る。例えば、安全時間範囲または過剰冷却防止時間範囲は、冷却が継続する間に標的において可逆的な損傷が生じた後の時間内に設定され得る。
【0326】
上記のように、冷却システム(10)は、第2の期間T2内に冷却実行条件が満たされたかどうかを決定することによって、標的をより安全に冷却し得、冷却実行条件は、説明された条件に限定されるものではない。
【0327】
第3の期間(T3)において、冷却システム(10)は、標的に対する主冷却を実行する。例えば、冷却システム(10)は、冷却媒体(1110)の温度を第3の温度(C3)に変更して維持し得る。
【0328】
この例において、第3の温度(C3)とは、標的に対して冷却が実行される間に標的が麻酔状態または無痛状態になる標的温度を指し得る。例えば、第3の温度(C3)は、-60℃~―5℃に設定され得る。この場合、第3の温度(C3)は、第2の温度(C2)以下に設定され得る。
【0329】
第3の期間(T3)において、冷却システム(10)は、冷却時間の間に標的を冷却し得る。この場合、冷却時間の長さは、標的に対する冷却麻酔効果が生じる範囲内に設定され得る。例えば、冷却時間の長さは、5~20秒の間で設定され得る。別の例として、冷却システム(10)が、冷却麻酔に加えて冷却処置などの他の目的のために冷却を実行する場合、第3の期間(T3)は、20秒より長く設定され得る。
【0330】
第3の期間(T3)において、冷却システム(10)は、ユーザに通知を提供し得る。例えば、
図14に示されるように、制御モジュール(1800)は、出力モジュール(1700)を通じて、第3の期間(T3)が開始されたことを示す第3の通知(I3)をユーザに提供し得る。加えて、制御モジュール1800は、出力モジュール(1700)を通じて、ユーザが第3の期間(T3)の中央にいることを示す第4の通知(I4)を提供し得る。
【0331】
冷却システム(10)は、第3の期間(T3)内の冷却時間の間に冷却媒体(1110)の温度を標的温度に制御することによって標的を冷却し、そうして、標的は麻酔状態または無痛状態となり得る。
【0332】
第4の期間(T4)において、冷却システム(10)は、冷却媒体(1110)の温度を制御して、標的表面から冷却デバイス(1000)を取り外し得る。例えば、標的表面から冷却デバイス(1000)を取り外すとき、凍着に起因して標的の少なくとも一部が冷却先端(2000)に固着することを防止するために、冷却システム(10)は、冷却媒体(1110)の温度を第4の温度(C4)に変更し得る。
【0333】
この場合、第4の温度(C4)とは、冷却先端(2000)と標的との間の凍着現象のリスクが生じない、防止される、または低減する、安全温度を指し得る。例えば、第4の温度(C4)は、-10℃~10℃に設定され得る。
【0334】
冷却システム(10)は、標的を冷却した後に冷却先端(2000)または冷却デバイス(1000)が標的表面から安全に取り外され得る(例えば、凍着現象が生じることなく、など)ように、第4の期間(T4)内に冷却媒体(1110)の温度を第4の温度(C4)を変更し得る。代替的および/または追加的には、凍着を生じることなく標的表面からの冷却先端(2000)または冷却デバイス(1000)の取り外しが緊急に必要とされる場合、冷却先端(2000)は、冷却先端(2000)に連結された1つまたは2つのラッチを移動させることによって、冷却先端から物理的に除去され得る。代替的および/または追加的には、冷却媒体(1110)および/または冷却先端(2000)の温度を上げ、凍着を生じることなく標的表面から冷却先端(2000)または冷却デバイス(1000)を安全に取り外すために、冷却デバイス(1000)はオフにされ得る。
【0335】
例えば、冷却システム(10)は、分離のための準備時間の間に冷却媒体(1110)の温度が一定速度または可変速度で第4の温度(C4)となるように、温度制御部材(1130)を制御し得る。このとき、冷却システム(10)は、冷却媒体(1110)の温度が第4の温度(C4)に達したこと、または冷却先端(2000)が標的の表面から安全に分離し得ることを示す第5の通知(I5)を提供し得る。この場合、第5の通知(I5)は、標的に対する冷却プロセスにおける特定の条件に従って冷却システム(10)が冷却を停止したとき、またはユーザが冷却デバイス(1000)を操作して冷却を停止させたときでも提供され得る。具体的には、標的が冷却されている間に緊急事態が生じ、ユーザが冷却を停止(または冷却デバイスの動作を停止)させた場合、冷却システム(10)は、冷却媒体(1110)の温度が第4の温度(C4)に達したときに第5の通知(I5)を提供し得る。第5の通知(I5)の提供により、ユーザは、冷却先端(2000)を標的の表面から安全に取り外し得る。
【0336】
第4の期間(T4)は、第3の期間(T3)から区別され得る。例えば、冷却デバイス(1000)は、第3の期間(T3)および第4の期間(T4)においてそれぞれ複数のタイマまたは異なるタイマを駆動し得る。具体的には、冷却デバイス(1000)は、第3の期間(T3)内の冷却時間に設定されたタイマを駆動することによって冷却時間の間に標的温度で維持するように冷却媒体(1110)の温度を制御し得、安全温度に変更するように冷却媒体(1110)の温度を制御し得る。換言すれば、第3の期間(T3)は、冷却デバイス(1000)によって冷却デバイス(1000)を安全温度に変更するための制御を含まない場合があり、それにより、標的の冷却のための十分な時間が保証される。
【0337】
いくつかの実施形態において、冷却デバイス(1000)は、冷却先端(2000)が不注意に冷却デバイス(1000)からずれたもしくはに対して不適切に位置しているとき、または、冷却先端(2000)が誤ってもしくは偶然に標的表面からずれたもしくは取り外されたときに、冷却先端(2000)が冷却デバイス(1000)から電源をオフにする、またはオフになるように設定される。
【0338】
これまで、説明の簡便性のために、第1~第4の温度(C1、C2、C3、C4)が特定の範囲内から選択される特定温度を示すことが説明されてきたが、本発明の技術的思想はそれに限定されるものではない。例えば、第1~第4の温度(C1、C2、C3、C4)は、上記の各温度範囲内から選択される特定温度に基づいて、誤差範囲(例えば、±1℃、±2℃、±3℃、±4℃、±5℃)以内を示し得る。別の例として、第1~第4の温度C1、C2、C3、およびC4は、上記のそれぞれの温度範囲内から選択される温度範囲を示し得る。
【0339】
説明されたスタンバイ時間、スタンバイ接触時間、スタンバイトリガ時間、冷却時間、および分離準備時間は、標的の冷却に起因する標的への損傷を防止するために、適切な範囲内に設定され得る。例えば、冷却システム(10)は、第2の期間(T2)および第3の期間(T3)内のスタンバイ時間および冷却時間の間に冷却エネルギーを標的に提供し得、そのため、スタンバイ時間および冷却時間の合計は、設定された時間範囲内に設定され得る。具体的には、スタンバイ時間および冷却時間の合計は、60秒以内、より好ましくは15秒~30秒以内に設定され得る。
【0340】
同様に、複数の冷却条件がある場合、冷却システム(10)は、2-2期間(T2-2)および冷却時間の間に冷却エネルギーを標的に提供し得、そのため、スタンバイトリガ時間およいb冷却時間の合計は、予め設定された時間範囲内に設定され得る。具体的には、スタンバイトリガ時間および冷却時間の合計は、60秒以内、いくつかの実施形態において、15秒~30秒以内に設定され得る。さらに、スタンバイ接触時間、スタンバイトリガ時間、および冷却時間の合計は、60秒未満となるように設定され得る。
【0341】
別の例として、標的を冷却するのにかかる時間であるスタンバイ時間と、冷却時間と、分離準備時間との合計は、60秒未満となるように設定され得る。
【0342】
別の例として、冷却システム(10)が、冷却麻酔に加えて、標的を選択的に破壊するまたは治療する目的のために使用される場合、スタンバイ時間および冷却時間の合計は60秒以上に設定され得る。
【0343】
冷却システム(10)は、第1~第4の期間(T1、T2、T3、T4)の始点、進行点、または終点をユーザに知らせるための通知を提供し得る。代替的には、冷却システム(10)は、2-1および2-2期間(T2-1、T2-2)の始点、進行点、または終点をユーザに知らせるための通知を提供し得る。例えば、
図14を参照すると、冷却デバイス(1000)は、出力モジュール(1700)を使用して、第1~第5の通知(I1、I2、I3、I4、I5)をユーザに提供し得る。別の例として、
図15に示されるように、冷却デバイス(1000)は、第1~第5の通知(I1、I2、I3、I4、I5)に加えて、第2の通知(I2')をユーザにさらに提供し得る。冷却プロセスの間にユーザに提供される通知は後に詳細に説明される。
【0344】
図16および17は、本開示の一実施形態による冷却制御方法を示す。
【0345】
図16および17を参照すると、冷却制御方法は、初期通知(I1)を提供する段階(S1100)と、スタンバイ温度になるように冷却媒体(1110)の温度を制御する段階(S1200)と、第2の通知(I2)を提供する段階(S1300)と、スタンバイ時間の間に冷却媒体(1110)の温度をスタンバイ温度に維持する段階(S1400)と、スタンバイ時間内に冷却実行条件が満たされたかどうかを決定する段階(S1500)と、冷却を停止する段階(S1600)と、主冷却を実行する段階(S2000)とを含む。
【0346】
各段階を下で詳細に説明する。しかしながら、上の
図14を参照して説明した内容と重複する説明は省略される。
【0347】
冷却システム(10)は、初期通知(I1)をユーザに提供し得る(S1100)。この場合、初期通知(I1)は、予備冷却の開始を示す通知を含み得る。例えば、ユーザが、冷却デバイス(1000)の電源をオンにすること、または冷却開始ボタンを押下することなどによって、冷却デバイス(1000)を駆動すると、制御モジュール(1800)は、出力モジュール(1700)を通じて通知(I1)を出力し得る。ユーザは、第1の通知(I1)を通じて、冷却デバイス(1000)の冷却モジュール(1100)が動作し、温度制御部材(1130)が、スタンバイ温度になるように冷却媒体(1110)の温度を制御していることを認識し得る。
【0348】
冷却制御方法は、第1の通知(I1)がユーザに提供される前、後、または提供されたときに、冷却先端(2000)が再利用されているかを確認することを含む段階をさらに含み得る。
【0349】
例えば、冷却システム(10)は、初期通知(I1)をユーザに提供する前に、ユーザが冷却先端(2000)の再利用を望むかどうかを尋ね得る。具体的には、冷却システム(10)は、視覚的通知または聴覚的通知を通じて、冷却デバイス(1000)に搭載された冷却先端(2000)が再利用されているかどうかをユーザに尋ね得、ユーザの応答に基づいて、冷却先端(2000)が再利用されていないと決定した場合、冷却システム(10)は、初期通知(I1)を提供する段階および後に説明する段階を実行し得る。この場合、ユーザの応答は、冷却デバイス(1000)に含まれる、冷却開始ボタンの入力、トリガボタンの入力、音声入力などを通じてなされ得る。
【0350】
別の例として、冷却システム(10)は、冷却先端(2000)を格納している格納部またはカプセルから再利用についての情報を取得することによって、それが再利用されているかどうかを決定し得る。具体的には、冷却デバイス(1000)は、冷却先端(2000)を封止するシール部材に印字もしくは取り付けられたバーコードを認識することによって冷却先端(2000)が新品であるかどうかを決定するか、または、冷却先端(2000)の少なくとも一部が損傷しているかどうかを決定する。冷却先端(2000)が再利用されていないと決定すると、冷却デバイス(1000)は、初期通知(I1)を提供し、後に説明する段階を実行し得る。
【0351】
冷却システム(10)は、スタンバイ温度になるように冷却媒体(1110)の温度を制御し得る(S1200)。冷却媒体(1110)の温度がどのようにしてスタンバイ温度に変更されるかの説明は、本明細書の他の箇所での説明と一致するため、ここでは省略する。
【0352】
冷却システム(10)は、第2の通知(I2)をユーザに提供し得る(S1300)。この場合、第2の通知(I2)は、冷却媒体(1110)の温度がスタンバイ温度に達したことを示す通知を含み得る。例えば、センサモジュール(1400)から取得された冷却媒体(1110)の温度情報がスタンバイ温度を示す場合、制御モジュール(1800)は、出力モジュール(1700)を通じて第2の通知(I2)を提供し得る。ユーザは、第2の通知(I2)を通じて、冷却デバイス(1000)が、標的表面と接触することが可能な状態にあることを認識し得、冷却デバイス(1000)を標的表面と接触させ得る。
【0353】
冷却システム(10)は、スタンバイ温度に冷却媒体(1110)の温度を維持し得る(S1400)。例えば、制御モジュール(1800)は、冷却媒体(1110)の温度がスタンバイ温度に達した時点から予め設定されたスタンバイ時間(例えば、20秒)にわたってスタンバイ温度に冷却媒体(1110)の温度を維持するために温度制御部材(1130)を制御し得る。この場合、後に説明されるように、ユーザからのアクションが何もないままスタンバイ時間が経過すると、冷却が停止または停止され得るため、制御モジュール(1800)は、スタンバイ時間が経過する前に、追加の通知をユーザに提供し得る。
【0354】
冷却システム(10)は、スタンバイ時間内に冷却実行条件が満たされたかどうかを決定し得る(S1500)。冷却実行条件、および冷却実行条件が満たされたかどうかを冷却システム(10)が決定する方法の説明は、本明細書の他の箇所における説明と一致するため、ここでは省略する。
【0355】
冷却システム(10)は、スタンバイ時間内に冷却実行条件が満たされなかった場合に冷却を停止し得る(S1600)。例えば、制御モジュール(1800)は、冷却媒体(1110)の温度がスタンバイ温度に達した後に、スタンバイ時間内に冷却実行条件が満たされなかった場合に、標的の冷却を停止し得る。具体的には、制御モジュール(1800)は、温度制御部材(1130)を制御することによって、冷却媒体(1110)の温度を上げ得る、または冷却デバイス(1000)の電源をオフにし得る。冷却実行条件がスタンバイ時間内に満たされなかった場合、冷却システム(10)は、標的の冷却を停止し得、それにより、標的が損傷を受けることが防止される。
【0356】
冷却システム(10)は、冷却実行条件を満たしたことに従って、標的の冷却のためのタイマを動作させ得る。例えば、制御モジュール(1800)は、トリガ信号を受信したとき、または冷却先端(2000)が標的表面と接触したときに、特定の時間に設定されたタイマを動作させ、制御モジュール(1800)は、タイマが切れたときに標的の冷却を停止し得る。この場合、タイマによって設定される特定の時間は、本明細書の他の箇所で説明される冷却時間であり得る、または、安全時間範囲内に設定され得る。冷却システム(10)は冷却実行条件を満たしたことに従って独立してタイマを駆動するため、過剰な冷却に起因する標的の損傷が防止され得る。
【0357】
この場合、複数の冷却条件がある場合、冷却条件のうちの1つ他の冷却条件に対して優先され得、冷却システム(10)は、少なくとも1つのタイマを動作させ得る。
【0358】
例えば、冷却実行条件が、トリガ信号受信条件、および冷却先端(2000)と標的表面との間の接触条件を含む場合、接触条件がトリガ信号受信条件に対して優先され得る。
【0359】
例えば、接触条件が満たされ、次に、予め設定された時間またはスタンバイトリガ時間内にトリガ信号受信条件が満たされた場合にのみ、冷却実行条件が満たされ得る。具体的には、冷却媒体(1110)の温度がスタンバイ温度に達する間に冷却先端(2000)がスタンバイ時間内に標的表面と接触した場合、タイマは予め設定された時間(例えば、スタンバイトリガ時間)にわたって動作し、タイマが終わる前に制御モジュール(1800)がトリガ信号を受信した場合、冷却媒体(1110)の温度は標的温度に変更されて維持される。タイマが終わる前に制御モジュール(1800)がトリガ信号を受信しない場合、標的の冷却が停止され得る。
【0360】
別の例として、順番に接触条件が満たされ、スタンバイトリガ時間が経過した後にトリガ信号受信条件が満たされた場合、制御モジュール(1800)は、接触条件が満たされたときにタイマを動作させ得、トリガ信号受信条件が満たされた場合にもタイマまたは追加のタイマを新たに動作させない場合がある。代替的には、トリガ信号受信条件が満たされた後に接触条件が満たされた場合、制御モジュール(1800)は、トリガ信号受信条件が満たされたときにタイマを動作させ、接触条件が満たされたときにタイマを再び動作させる、または追加のタイマを動作させる。これは、接触条件に従ったタイマ動作が完了し、標的の冷却が停止され得ることを意味する。
【0361】
別の例として、トリガ信号受信条件は、上の場合において接触条件に対して部分的に優先され得る。具体的には、接触条件が満たされた後にトリガ信号受信条件が満たされた場合、制御モジュール(1800)は、接触条件が満たされたときにタイマを動作させ、トリガ信号受信条件が満たされたときに、再びタイマを動作させる、または追加のタイマを動作させる。代替的には、制御モジュール(1800)は、スタンバイ時間以内に接触条件が満たされたがトリガ信号受信条件が満たされなかった場合に、標的の冷却を停止させ得る。
【0362】
複数の冷却条件がある場合、冷却制御方法は、冷却条件が満たされたかどうかを決定する段階と、追加の通知を提供する段階とをさらに含み得る。例えば、
図17を参照すると、冷却制御方法は、上記のスタンバイ時間内に冷却実行条件が満たされたかどうかを決定する段階(S1500)の代わりに、スタンバイ接触時間内に接触条件が満たされたかどうかを決定する段階(S1510)と、第2の通知(I2')を提供する段階と、スタンバイトリガ時間内にトリガ信号受信条件が満たされたかどうかを決定する段階(S1530)とをさらに含み得る。説明は、簡便性のために、主に、複数の冷却条件がある場合、および冷却先端(2000)が標的表面と接触した後にトリガ信号受信条件が満たされた場合を取り上げるが、本発明の技術的思想はそれに限定されるものではない。
【0363】
冷却システム(10)は、スタンバイ接触時間内に接触条件が満たされたかどうかを決定し(S1510)、接触条件が満たされたときに第2の通知I2を提供し(S1520)、スタンバイトリガ時間内にトリガ信号受信条件が満たされたかどうかを決定し(S1530)、トリガ信号受信条件が満たされたときに標的の主冷却を実行し得る。この場合、接触条件がスタンバイ接触時間内に満たされなかった、またはトリガ信号受信条件がスタンバイトリガ時間内に満たされなかった場合、冷却システム(10)は冷却を停止させ得る(S1600)。複数の冷却条件がある場合の冷却制御方法の詳細な説明は、本明細書の他の箇所で説明されているので省略する。冷却システム(10)は、冷却実行条件が満たされたときに標的に対する主冷却を実行し得る(S2000)。
図18を再び参照すると、冷却システム(10)によって標的の主冷却を実行することを含む段階(S2000)は、第3の通知(I3)を提供する段階(S2100)と、冷却時間の間に標的温度に冷却媒体(1110)の温度を変更して維持する段階(S2200)と、安全温度に冷却媒体(1110)の温度に変更する段階(S2300)とを含み得る。
【0364】
いくつかの実施形態において、冷却システムは、冷却デバイス(1000)の適切な動作の障害に起因する標的表面の意図しない損傷を防止する、追加の安全性対策または機能を提供する。例えば、冷却デバイス(1000)は、冷却動作の任意の段階において、またはその間に、冷却処置を終了させなければならない場合に、手動でオフにされ得る。いくつかの実施形態において、冷却デバイス(1000)は、冷却デバイス(1000)のボタンまたはスイッチ(例えば、オン/オフボタン、オン/オフボタンとは別個の緊急ボタンなど)を押下することによって、手動でオフにされ得る。いくつかの実施形態において、標的表面のさらなる冷却を防止するために、排出または切り離された冷却先端(2000)の温度が上がるように、冷却デバイス(1000)の動作は、冷却媒体(1110)から冷却先端(2000)を排出または切り離すことによって(例えば、冷却デバイス(1000)上のラッチを押下することなどによって)中断され得る。いくつかの実施形態において、冷却動作のそのような中断は、冷却処置を自動的にもしくは手動で終了し損なった、または、冷却デバイス(1000)が自動的にもしくは手動でオフにされ損なった場合に使用され得る。いくつかの実施形態において、(冷却デバイス(1000)から分離されているまたは取り付けられている)冷却先端(2000)は、凍着を防止するのに十分な期間(例えば、少なくとも3秒、少なくとも5秒、少なくとも10秒、少なくとも15秒など)にわたって標的表面上に留まり得る。
【0365】
以下、主冷却実行段階(S2000)を含む各段階を詳細に説明する。
【0366】
冷却システム(10)は、第3の通知(I3)をユーザに提供し得る。この場合、第3の通知(I3)は、冷却実行条件がスタンバイ時間またはスタンバイトリガ時間内に満たされ、それにより主冷却が実行されること示す通知を含み得る。例えば、制御モジュール(1800)は、冷却媒体(1110)の温度がスタンバイ温度に達した後に待機時間またはトリガ待機時間内にトリガ信号を受信したとき、または、センサモジュール(1400)から取得された温度情報もしくは電気信号に基づいて、冷却先端(2000)が標的表面と接触したと決定したときに、出力モジュール(1700)を通じて第3の通知(I3)を出力し得る。第3の通知(I3)を通じて、ユーザは、標的に対する主冷却が開始されたこと、または冷却先端(2000)が標的表面と接触したことを認識し得る。
【0367】
冷却システム(10)は、冷却時間の間に標的温度に冷却媒体(1110)の温度を変更して維持し得る(S2200)。例えば、制御モジュール(1800)は、冷却実行条件が満たされた時点から冷却時間にわたって標的温度に冷却媒体(1110)の温度を変更して維持し得る。この場合、制御モジュール(1800)は、主冷却が実行されている時間に応じて、標的が冷却されていることを示す第4の通知(I4)をユーザに提供し得る。具体的には、制御モジュール(1800)は、冷却時間が半分経過したとき、または冷却時間が経過したときに、通知をユーザに提供し得る。代替的には、制御モジュール(1800)は、予め定められた時間ごと(例えば、2秒、3秒、4秒、5秒など)に通知をユーザに提供し得る。
【0368】
冷却システム(10)は、安全温度に冷却媒体(1110)の温度を変更し得る(S2300)。例えば、制御モジュール(1800)は、冷却媒体(1110)の温度が安全温度となるように温度制御部材(1130)を制御し得る。このとき、冷却媒体(1110)の温度が安全温度に達すると、制御モジュール(1800)は、標的の分離および冷却デバイス(1000)が安全であることを示す第5の通知(I5)をユーザに提供し得る。
【0369】
冷却制御方法は、一時停止する段階を含み得る。例えば、冷却システム(10)は、上記の冷却制御方法の段階のうちの少なくとも1つが実行されている間に一時停止条件が満たされた場合に、冷却制御方法を停止させ得る。具体的には、冷却デバイス(1000)は、冷却制御方法が実行されている間に、冷却デバイス(1000)が、冷却開始ボタンもしくはトリガボタンに対応する制御信号を受信したとき、または特定のユーザの音声信号を受信したときに、温度制御部材(1130)に提供される電力を遮断し得る、または、冷却媒体(1110)の温度を使用して冷却媒体(1110)の温度を上げ得る。この場合、冷却媒体(1110)の温度が安全温度に達すると、冷却デバイス(1000)は、冷却先端(2000)が標的表面から安全に取り外され得ることを示す通知をユーザに提供し得る。この即時の一時停止機能を通じて、ユーザは、冷却先端(2000)を装備した冷却デバイス(1000)または冷却先端(2000)を標的表面から迅速に切り離すまたは除去し得、上記の連結モジュール(1200)のラッチの組み合わせが使用され得る。
【0370】
様々な方法によって第1~第5の通知(I1、I2、I2'、I3、I4、I5)が与得られ得る。例えば、第1~第5の通知(I1、I2、I2'、I3、I4、I5)は、点滅するLEDなどの視覚的な通知、ビープ音または音声出力などの聴覚的通知、および微振動などの触覚的な通知のうちの少なくとも1つを含み得る。加えて、第1~第5の通知(I1、I2、I2'、I3、I4、I5)は、同じであってもよいし、異なる方法で実装されてもよい。加えて、第1~第5の通知(I1、I2、I2'、I3、I4、I5)は、一時的であってもよいし、対応する期間の少なくとも一部にわたって連続的であってもよい。
【0371】
以下、
図19を参照して、冷却先端(2000)が標的表面と接触したかどうかを決定する方法が説明される。
【0372】
図19は、本開示の一実施形態による、標的表面が冷却先端(2000)と接触したかどうかを決定する方法を示す。
【0373】
図19を参照すると、冷却システム(10)は、センサモジュール(1400)から取得した感知情報に基づいて、冷却先端(2000)を装備した冷却デバイス(1000)が標的表面と接触したかどうかを決定し得る。
【0374】
別の例として、冷却先端(2000)および標的表面が互いに接触しているかどうかは、冷却媒体(1110)の温度の経時的な変化に基づいて決定され得る。
【0375】
例えば、センサモジュール(1400)から取得された冷却媒体(1110)の温度の瞬間変化量(dT/dt)が予め設定された値より大きいまたはそれに等しい場合、制御モジュール(1800)は、冷却先端(2000)が標的表面と接触したと決定し得る。
図19を再び参照すると、冷却先端(2000)が標的表面と接触していない場合、冷却媒体(1110)の温度の瞬間変化は基準値を超えず、冷却先端(2000)が標的表面と接触した場合、冷却媒体(1110)の温度値は瞬間的に上がり、冷却媒体(1110)の温度の瞬間変化量が基準値を超え得る。
【0376】
この場合、制御モジュール(1800)は、異なる時点でセンサモジュール(1400)から取得された冷却媒体(1110)の温度情報に基づいて、冷却媒体(1110)の温度の瞬間変化を参照し得る。例えば、次式(1)が使用され得る:
【数2】
この場合、grad(i)とは、冷却媒体(1110)の温度の瞬間変化を指し得、data(i)とは、任意の第1の時点(時間(i))における冷却媒体(1110)の温度値を指し得、data(i+1)とは、第1の時点の後の第2の時点(時間(i+1))における冷却媒体(1110)の温度値を指し得る。制御モジュール(1800)は、冷却媒体(1110)の温度の瞬間変化の取得において次式をさらに使用し得る:
【数3】
Data(i-1)とは、初期の時点より前の第3の時点における冷却媒体(1110)の温度値を指し、wは、重みであり、冷却媒体(1110)の温度値を補正するために0と1の間で選択される。
【0377】
別の例として、制御モジュール(1800)は、任意の第1の時点およびその後の第2の時点における冷却媒体(1110)の温度の値の差である温度変化量が予め設定された値以上である場合に、冷却先端(2000)が標的の表面と接触していると決定し得る。
【0378】
別の例として、制御モジュール(1800)は、任意の時間間隔における冷却媒体(1110)の温度の瞬間変化量または温度変化量が予め設定された値以上である場合に、冷却先端(2000)が標的の表面と接触していると決定し得る。
【0379】
別の例として、制御モジュール(1800)は、冷却媒体(1110)の温度が予め設定された値を超えた場合に、冷却先端(2000)が標的の表面と接触していると決定し得る。
【0380】
別の例として、制御モジュール(1800)は、勾配×時間の積分値である温度変化値の時間に対する関数の底面積が、予め設定された値を超え、冷却先端(2000)が標的の表面と接触していることを決定し得る。
【0381】
別の例として、接触を的確に決定するために、後に説明するように、スタンバイ時間またはスタンバイトリガ時間の間に、比較的高い温度の精度を有する制御が使用され得る。例えば、上で言及されたPID制御が使用され得、特に、定数値Cp、Ci、Cdは、他の間隔のものとは異なるように呈され得、より具体的には、Cd値は、比較的大きくなるように設定され得る。別の例として、スタンバイ時間またはスタンバイトリガ時間の間に、定数値を有する電力が温度制御部材(1130)に適用され得る。具体的には、予め定められた時間の間にPID制御を通じて冷却媒体(1110)に適用される電力P(t)の平均値が計算され得、この平均値が、スタンバイ時間またはスタンバイトリガ時間の間に温度制御部材(1130)に適用され得る。
【0382】
冷却先端(2000)が標的んお表面と接触しているかどうかは、冷却媒体(1110)の各部分の温度に基づいて決定され得る。具体的には、冷却媒体(1110)が予め定められた体積を有する限り、冷却媒体(1110)における、標的表面に比較的近い部分およびそこから比較的遠い部分の温度は異なるように変化し得、冷却先端(2000)が標的の表面と接触しているかどうかは、各部分の温度の変化を使用することによって決定され得る。
【0383】
例えば、接触がなされたかおづかは、冷却先端(2000)に近い冷却媒体(1110)の部分の温度および温度制御部材(1130)に近い冷却媒体(1110)の部分の温度に基づいて決定され得る。具体的には、冷却媒体において冷却先端の近くの初期領域に配置されたセンサによって取得された初期温度値と、温度制御部材(1130)の近くの第2の領域に配置されたセンサによって取得された第2の温度値との差が予め設定された範囲を満たすとき、第1の温度値の瞬間変化量と第2の温度値の第2の瞬間変化量との差が予め設定された範囲を満足す場合、または、時間に応じた第1の温度値の変化速度と第2の温度値の変化速度との差の基部領域値が予め設定された範囲を満たす場合、冷却先端(2000)および標的表面が接触していると決定され、冷却媒体(1110)の各部分の温度値または温度値の瞬間変化量の取得において、上で言及された計算プロセスが使用され得る。
【0384】
上記のように、冷却媒体(1110)の各部分の温度を使用することによって冷却先端(2000)および標的表面の接触がなされたかどうかを決定するために、冷却デバイス(1000)は、冷却媒体(1110)の異なる各部分における温度を測定する複数の温度センサを含み得る。例えば、冷却デバイス(1000)は、冷却媒体(1110)の一端から予め設定された距離に配置された第1の温度センサと、冷却媒体(1110)の中心軸に沿って第1の温度センサから予め設定された距離に配置された第2の温度センサとを含み得る。別の例として、冷却デバイス(1000)は、温度制御部材(1130)に隣接するように配置され、冷却媒体(1110)の少なくとも一部の温度を測定する第3の温度センサと、第3の温度センサよりも温度制御部材(1130)から遠くに配置され、冷却媒体(1110)の少なくとも一部の温度を測定する第4の温度センサとを含み得る。
【0385】
いくつかの実施形態において、冷却デバイス(1000)は、冷却媒体(1110)の一端の温度変化(例えば、標的表面に対する冷却先端(2000)の接触に起因する温度変化)および冷却媒体(1110)の別の端部の温度変化(例えば、冷却媒体温度のメンテナンスのためのフィードバック制御に起因する温度変化)を測定する2つの温度センサを含む。例えば、第1の温度センサは、冷却先端(2000)の近位にある冷却媒体(1110)の一端に配置され、第2の温度センサは、冷却先端(2000)の遠位にある冷却媒体(1110)の別の端部に配置される。そのような複数の実施形態第1の温度センサは、標的表面に対する冷却先端(2000)の接触からもたらされる、冷却先端(2000)に近位の冷却媒体(1110)の温度の瞬間変化率を検出する。温度変化が冷却媒体(1110)の一端で生じると、制御モジュール(1800)は、フィードバック制御を使用して、冷却媒体(1110)の温度を予め設定された温度に維持するように温度制御部材(1130)に適用される電力を制御し得る。フィードバックメカニズムは、冷却先端(2000)の遠位にある冷却媒体(1110)の温度変化をもたらし、第2の温度センサは、冷却先端(2000)の遠位にある冷却媒体(1110)のそのような温度の瞬間変化率を検出する。いくつかの実施形態において、冷却先端(2000)と標的表面との間の接触は、第1または第2のセンサによって検出された温度変化(例えば、温度の瞬間変化率)のうちの1つ、または第1および第2のセンサのそれぞれによって検出された両方の温度変化(例えば、温度の瞬間変化率)によって決定され得る。詳細には、冷却先端(2000)と標的表面との間の接触は、第1のセンサによって検出された温度の瞬間変化率が正であり、第2のセンサによって検出された温度の瞬間変化率が負であるときに決定され得る。
【0386】
上で言及したように、冷却先端(2000)および標的表面が互いに接触しているかどうかは、冷却媒体(1110)の温度に基づいて決定されるが、本発明の技術的思想はそれに限定されるものではなく、標的表面および冷却先端(2000)が接触しているかどうかの決定は、冷却先端(2000)の温度または標的表面の温度に基づいてなされ得る。
【0387】
別の例として、冷却先端(2000)および標的の表面が互いに接触しているかどうかは、冷却媒体(1110)の電気特性の変化に基づいて決定され得る。具体的には、制御モジュール(1800)またはセンサモジュール(1400)は、冷却媒体(1110)と電気的に接続された回路を含み得、制御モジュール(1800)は、任意の時点、およびその前後の時点において冷却媒体(1110)またはセンサモジュール(1400)から冷却媒体(1110)の電流、電圧、または電流値などの情報を取得し、冷却媒体(1110)の電流、電圧、または電流値の変動量が予め定められた値である場合に、冷却先端(2000)が標的の表面と接触していると決定し得る。
【0388】
別の例として、冷却先端(2000)および標的の表面が互いに接触しているかどうかを決定するために、制御モジュール(1800)は、タッチセンサを使用することによって、冷却先端(2000)および標的の表面が互いに接触しているかどうかを決定し得る。この場合、容量変化を感知する静電容量式タッチセンサ、または抵抗式タッチセンサを使用することができる。
【0389】
別の例として、冷却先端(2000)および標的の表面が互いに接触しているかどうかは、冷却デバイス(1000)に加えられる圧力に基づいて決定され得る。具体的には、センサモジュール(1400)は圧力センサを含み得、制御モジュール(1800)は、センサモジュール(1400)から、冷却モジュール(1100)に加えられる圧力値を指示する圧力情報を取得し、圧力値が予め設定された値を超える場合に、冷却先端(2000)が標的の表面と接触していると決定し得る。さらに、冷却デバイス(1000)は、圧力センサから取得した圧力値が、標的が損傷しない安全範囲内にある、または、標的への損傷を引き起こす圧力値を超える場合に、安全通知または危険通知をそれぞれユーザに提供し得る。
【0390】
冷却システム(10)は、冷却先端(2000)および標的の表面が互いに接触しているときに通知をユーザに提供し、冷却時間に設定されたタイマを動作させ得、または、冷却先端(2000)および標的の表面の互いに接触しているときにトリガ信号がスタンバイトリガ時間内に受信された場合に、冷却デバイス(1000)は、通知をユーザに提供し得、冷却時間までタイマを動作させ得る。
【0391】
上の説明は、主に、冷却先端(2000)が標的表面と接触する場合を取り上げるが、本発明の技術的思想はそれに限定されるものではない。例えば、上の説明は、冷却媒体(1110)が標的表面と接触する、または冷却媒体(1110)が標的表面と熱的に連結されるときに同様に適用され得る。
【0392】
冷却先端(2000)および標的の表面が互いに接触しているかどうかを迅速にかつ正確に決定するために、センサモジュール(1400)の感知情報が正確にかつ迅速に取得されるべきである。以下、迅速にかつ正確に感知情報を取得するためのセンサモジュール(1400)の配置位置が説明される。
【0393】
図20は、本開示の一実施形態による、冷却デバイス(1000)においてセンサモジュール(1400)を配置するための方法を示す。以下、説明は、そのセンサモジュール(1400)が冷却媒体(1110)に挿入されている温度センサの場合を取り上げるが、本発明の技術的思想はそれに限定されるものではない。
【0394】
図20を参照すると、センサモジュール(1400)は、冷却媒体(1110)の内部に挿入され、冷却媒体(1110)の温度を感知することによって取得された温度情報を制御モジュール(1800)に提供し得る。例えば、センサモジュール(1400)は、センサモジュール(1400)内の温度を感知するための感知部分と、冷却媒体の一端との間の距離が予め設定された分離距離(D)であるように、冷却媒体(1110)内に配置され得る。
【0395】
この場合、感知部分とは、冷却媒体(1110)の温度情報を取得するために冷却媒体(1110)と接触している、または接触していない、少なくとも単一の一部を指し得る。
【0396】
加えて、分離距離(D)とは、冷却媒体(1110)の一端から、センサモジュール(1400)の感知部分の中央または感知部分の一端までの距離を指し得る。
【0397】
分離距離(D)は、センサモジュール(1400)の感知部分が標的の表面の十分に近くなるように設定され得る。例えば、
図20を参照すると、分離距離(D)は、冷却媒体(1110)の突出部分の第2の長さ(L2)に等しいまたはそれより短くなるように設定され得る。別の例として、分離距離(D)は、冷却先端(2000)の接触部材(2100)の第4の長さ(L4)より短くなるように設定され得る、または、第4の長さ(L4)に等しいもしくはそれより長く、かつ冷却先端(2000)の先端本体(2200)の第5の長さ(L5)に等しいもしくはそれより短くなるように設定され得る。より具体的には、分離距離(D)は、10mm以内に設定され得る。この場合、感知部分の中央と標的の表面との間の距離を最小限に抑えるために、分離距離(D)の方向における接触部材(2100)の厚さは1mm以下であり得る。
【0398】
分離距離(D)は、冷却媒体(1110)の部分的な熱容量を考慮して設定され得る。例えば、
図20を参照すると、冷却媒体(1110)は、センサモジュール(1400)の感知部分において初期部分(R1)および第2の部分(R2)に分割されている場合、分離距離(D)は、初期部分(R1)の熱容量が第2の部分の熱容量より小さくなるように設定され得る。具体的には、分離距離(D)は、第1の部分(R1)の質量が第2の部分(R2)の質量より小さくなるように、または第1の部分(R1)の比熱が第2の部分(R2)の比熱より小さくなるように設定され得る。この場合、中心軸(CA)に対して垂直であり、感知部分の中央を含む面に基づいて、手術の間に冷却媒体(1110)において標的の表面に近い部分が初期部分(R1)であり、標的の表面から遠い部分が第2の部分(R2)であると解釈され得るが、本開示の技術的思想はそれに限定されるものではない。冷却先端(2000)の接触部材(2100)の熱容量は、第1の部分(R1)の熱容量より小さくなるように設定され得、冷却先端(2000)の接触部材(2100)の質量は、1g未満、具体的には0.5g未満になるように設定され得る。
【0399】
上記のように、分離距離(D)が設定されるとき、冷却システム(10)における標的の冷却の主要素の1つである冷却媒体(1110)の温度は的確に制御され得、冷却先端(2000)および標的の表面の接触は、冷却媒体(1110)の温度変化を迅速に感知することによって、正確にかつ迅速に決定され得、それにより、冷却システムの冷却効率および安全性が高められる。
【0400】
冷却システム(10)において標的を安全に冷却するために、冷却先端(2000)は使い捨てであり得、そのため、手術または処置ごとに変えられ得る。この場合、ユーザが手術または処置のために冷却システム(10)を使用するときにユーザが冷却先端(2000)を冷却デバイス(1000)に容易に搭載し得るように、複数の冷却先端(2000)が安全に格納される先端格納部(4000)が必要とされる。
【0401】
以下、
図21および
図22を参照して、上記の冷却先端(2000)を格納するための先端格納部(4000)が説明される。
【0402】
図21は、本開示の一実施形態による先端格納部を示す。
図21を参照すると、先端格納部(4000)は、ケース(4100)と格納部材(4200)とを含み得る。
【0403】
格納部材(4200)は、ケース(4100)内に配置され得る。
【0404】
ケース(4100)は、カバーを含み、ポータブルであるように実装され得、直方体形状を有することが好ましいが、本発明の技術的思想はそれに限定されるものではなく、様々な形状が実装され得る。
【0405】
格納部材(4200)は、複数の冷却先端(2000)を収容し得る。例えば、格納部材(4200)は、冷却先端(2000)を格納するための複数の格納ホール(4210)を有し得、複数の格納ホール(4210)は尾の各々が分割または分離され得る。例えば、ユーザが格納ホール(4210)を個々に容易に切り離し得るように、各異なる格納ホール(4210)の間に点線などの切断ガイドがマーキングされるか、または薄い材料が形成される。
【0406】
ケース(4100)および格納部材(4200)は、物理的に分離され得るか、または一体的に実装され得る。
【0407】
図22は、本発明の一実施形態による先端格納部(4000)の断面図を示す。
図22を参照すると、先端格納部(4000)は、冷却先端(2000)が挿入される格納ホール(4210)と、梱包のためのシール部材(4220)とを含み得る。シール部材は、格納ホール(4210)の材料よりも柔らかい材料で準備され得る。
【0408】
格納ホール(4210)は、冷却先端(2000)を収容し得る。例えば、冷却先端(2000)は、その接触部材(2100)が格納ホール(4210)の端部と向き合うように格納ホール(4210)に挿入され得る。
【0409】
格納ホール(4210)は、冷却先端(2000)に対応する形状で実装され得る。例えば、格納ホール(4210)は、格納ホール(4210)の端に向けて狭くなるテーパ形状で実装され得る。加えて、格納ホール(4210)は、後に説明される少なくとも1つの段差部分を含み得る。
【0410】
格納ホール(4210)は、冷却先端(2000)を格納するための格納空間(4211)と、冷却先端(2000)を保護するための保護空間(4212)とを含み得、格納空間(4211)および保護空間(4212)は、格納ホール(4210)の内壁によって画定され得る。
【0411】
格納空間(4211)および保護空間(4212)は、冷却先端(2000)が格納ホール(4210)に挿入されている状態に応じて分割され得る。例えば、格納空間(4211)および保護空間(4212)は、冷却先端(2000)の挿入方向に対して垂直である格納ホール(4210)のいずれか1つの表面によって分割され得る。例えば、格納空間(4211)および保護空間(4212)は、格納ホール(4210)の表面のうち、先端本体(2200)の一端の外径に対応する直径を有する表面によって分割され得る。別の例として、格納空間(4211)とは、冷却先端が位置付けられている、格納ホール(4210)の内部空間の領域を指し得、保護空間(4212)とは、冷却先端(2000)の接触部材(2100)と格納ホール(4210)の端との間の、格納ホール(4210)の内部空間の領域、または、格納空間(4211)から格納ホール(4210)の端まで膨張する領域を指し得る。
【0412】
冷却先端(2000)の先端本体(2200)は、格納空間(4211)内で支持され得る。例えば、
図22を参照すると、格納空間(4211)は、先端本体(2200)に対応する形状で実装され、先端格納部(4000)に挿入されることによって圧入の方法で固定され得、それにより、先端本体(2200)を格納空間(4211)内に支持する。
【0413】
具体的には、格納空間(4211)の少なくとも一部を画定する内壁は、先端本体(2200)の側面の勾配と等しいまたはそれより緩やかな勾配を有し得る。別の例として、冷却先端(2000)の先端本体(2200)は、格納空間(4211)内に形成された段差部分によって支持され得る。
【0414】
格納空間(4212)は、冷却先端(2000)が格納ホール(4210)と接触することを防止するために、予め設定された深さで形成され得る。例えば、保護空間(4212)の深さは、先端本体(2200)からの冷却先端(2000)の接触部材(2100)の突出長より長くなるように設定され得る。保護空間(4121)が存在するため、冷却先端(2000)の接触部材(2100)は、格納ホール(4210)と接触しない場合があり、そのため、滅菌状態に維持され得る。
【0415】
保護空間(4212)は様々な形状を有し得る。例えば、
図22を参照すると、保護空間(4212)は、円筒、円錐台、直方体などの形状を有し得、格納ホール(4210)は、冷却先端(2000)を支持するための段差部分を含み得る、または、冷却先端(2000)の挿入の方向に対して垂直な保護空間(4212)の断面は、圧入によって冷却先端(2000)を格納するために、格納空間(4211)の断面より小さい場合がある。
【0416】
保護空間(4212)の内壁は、冷却先端(2000)の先端本体(2200)を支持するために、格納空間(4211)の内壁の勾配とは異なる勾配を有し得る。例えば、保護空間(4212)の内壁および格納ホール(4210)の中心軸によって形成される角度は、格納空間(4211)の内壁および格納ホール(4210)の中心軸によって形成される角度より大きい場合がある。
【0417】
シール部材(4220)は、冷却先端(2000)に格納された格納ホール(4210)を封止することによって、冷却先端(2000)の滅菌状態を維持し得る。
【0418】
説明は、複数の格納ホール(4000)を含む形態を有する先端格納部(4000)が、冷却先端(2000)を格納するための容器として提供され得る場合を取り上げるが、本発明の技術的思想はそれに限定されるものではなく、1つの冷却先端(2000)を格納するためのカプセル形態を有する先端格納部(4000)が、冷却先端(2000)を格納するための容器として提供されてもよい。具体的には、冷却システム(10)は、1つの冷却先端(2000)が格納される少なくとも1つのカプセルを含み得、各カプセルは、上記の格納空間(4211)および保護空間(4212)およびシール部材(4220)を含む格納ホール(4210)を含み得る。
【0419】
ユーザが冷却デバイス(1000)を使用するとき、ユーザは、標的を冷却する前、間、または後に、冷却デバイス(1000)を任意の場所に置き得る。この目的で、冷却システム(10)は、ホルダ(3000)を含み得、ユーザは、冷却デバイス(1000)をホルダ(3000)上に置いてよく、ホルダ(3000)は、冷却デバイス(1000)または冷却先端(2000)に対する損傷のの生成を防止するために、特定の形状で実装され得る。
【0420】
以下、
図23および
図24を参照して、冷却デバイス(1000)または冷却先端(2000)に対する損傷を防止するための構造および形状を有する支持が説明される。
【0421】
図23は、本開示の一実施形態によるホルダ(3000)の構造および形状を示す。冷却デバイス(1000)は、冷却先端(2000)が搭載されているまたは分離されている間に支持部の上に置かれ得る。
【0422】
図23を参照すると、冷却デバイス(1000)はホルダ(3000)の上に置かれ得る。例えば、本体部分、および冷却デバイス(1000)の把持部の一端は、ホルダ(3000)の前部(FP)の上に置かれ得、冷却デバイス(1000)の把持部の他端は、支持部の後部(RP)の上に置かれ得る。
【0423】
図23を参照すると、ホルダ(3000)の前部(FP)は、冷却デバイス(1000)の把持部の一端が置かれる初期配置部分(3100)と、第1の配置部分(3100)から伸びて、冷却媒体(1110)または冷却デバイス(1000)の冷却先端(2000)を保護するブレード部分(3200)とを含み得る。
【0424】
この場合、第1の配置部分(3100)は、冷却デバイス(1000)の把持部の一端が置かれる初期支持溝を含み得る。例えば、冷却デバイス(1000)の把持部が円筒形状を有する場合、第1の配置部分(3100)は、U字形に凹んだ溝を有し得、冷却デバイス(1000)の把持部内に配置された入力モジュール(1700)が挿入される溝をさらに含み得る。
【0425】
加えて、ブレード部分(3200)は、初期配置部分(3100)から突出する初期ブレード部分(3210)および第2のブレード部分(3220)を含み得、冷却デバイス(1000)の本体部分のための空間が第1のブレード部分(3210)と第2のブレード部分(3220)との間に形成され得る。ブレード部分の形状は、下で具体的に説明される。
【0426】
図23を参照すると、ホルダ(3000)の後部(RP)は、冷却デバイス(1000)の把持部の他端が置かれる第2の配置部分(3300)と、テスタが受容されるテスタ受容部分(3400)とを含み得る。
【0427】
この実施形態において、第2の配置部分(3300)は、冷却部分(1000)の把持部の他端を置くために、第2の支持溝を含み得る。例えば、冷却デバイス(1000)の把持部が円筒形状を有する場合、第2の配置部分(3300)は、置かれた冷却デバイス(1000)をユーザが容易に把持し得るように、U字形に凹んだ溝と把持空間とを有し得る。冷却デバイス(1000)は、上記の第1の配置部分(3100)および第2の配置部分(3300)の上に載置され得、ホルダ(3000)の上に置かれ得、ユーザは、第1の配置部分(3100)と第2の配置部分(3300)との間に配置された把持空間において冷却デバイス(1000)を把持することによって、冷却デバイス(1000)をホルダ(3000)の上に置き得る、または、冷却デバイス(1000)をホルダ(3000)から切り離し得る。
【0428】
この実施形態において、テスタ受容部分(3400)はテスタを受容し得る。例えば、テスタ受容部分(3400)は、テスタの形状に対応する受容空間を含み得、テスタは、テスタ受容部分(3400)の受容空間に挿入され得る。
【0429】
テスタは、標的の冷却の実行の前に、冷却デバイス(100)の動作または性能のテストを行い得る。この目的で、テスタは、冷却媒体(1110)または冷却先端(2000)が中に搭載された冷却デバイス(1000)の一部が挿入される挿入部分と、冷却媒体(1110)または冷却デバイス(1000)の冷却先端(2000)の温度を測定するためのセンサ部分と、センサ部分から取得された感知情報を使用することによって、冷却デバイス(1000)が正常に動作しているかどうかをチェックするための制御部とを含み得る。テスタは、冷却デバイス(1000)が、上記の冷却制御方法に従って動作しているかどうか、または、冷却デバイス(1000)が予め設定された時間内に特定温度に達するもしくは特定温度に達するかどうかをテストし得る。加えて、テスタは、視覚、聴覚、または触覚的な通知を通じて、冷却デバイス(1000)に対するテスト結果をユーザに提供し得る。テスタを使用する場合、テスト用の別個の冷却先端が使用され得る。
【0430】
図24は、本発明の一実施形態による、冷却デバイスがホルダ(3000)の上に置かれ得るプロセスを示す。
図24を参照すると、ホルダ(3000)に置かれるプロセスにおいて、冷却デバイス(1000)は、ホルダ(3000)に鉛直に進入し得る、または、予め定められた角度で傾斜した状態でホルダ(3000)に進入し得る。冷却デバイス(1000)がホルダ(3000)に傾斜した状態で進入する場合、冷却媒体(1110)または冷却先端(2000)は、ホルダ(3000)に衝突するまたはそれによって擦れることによって損傷し得る。
【0431】
上記冷却デバイス(1000)または冷却先端(2000)に対する損傷を防止するために、ホルダ(3000)は、特定の高さを有するブレード部分(3200)を含み得る。
図24を参照すると、冷却デバイス(1000)、または冷却デバイス(1000)に搭載された冷却先端(2000)は、冷却デバイス(1000)の傾きによって形成された移動線(ML)に沿って移動し得、配置部分(3100)から突出するブレード部分(3200)は、移動線(ML)より低い高さを有し得る。具体的には、冷却デバイス(1000)または冷却先端(2000)の端が旋回軸に関して初期の点(Pt1)から第2の点(Pt2)を通って第3のポイント(Pt3)に移動すると、第1のブレード部分(3210)の高さは、第1の点(Pt1)より低く設定され得、第2のブレード部分(3220)の高さは、第3のポイント(Pt3)より低く設定され得る。この場合、移動線(ML)は、冷却デバイス(1000)と配置部分(3100)との接触点(CP)によって設定され得る。
【0432】
ブレード部分(3200)は、冷却デバイス(1000)または冷却先端(2000)に対する損傷を伴わない様々な形状で実装され得る。例えば、ブレード部分(3200)は曲面を含み得、そのため、ブレード部分(3200)の高さは一定でない場合がある。この場合、ブレード部分(3200)の形状は、ブレード部分(3200)のうち、冷却デバイス(1000)または冷却先端(2000)の端の移動線(ML)から予め設定された範囲内に位置付けられた部分の高さが移動線(ML)より低くなるように実装され得る。別の例として、ブレード部分(3200)は、冷却デバイス(1000)または冷却先端(2000)の端の移動線(ML)から予め設定された範囲と重複しない形状で実装され得る。
【0433】
上記のように、ホルダ(3000)は、冷却デバイス(1000)がどの方向で挿入されても冷却媒体(1110)または冷却先端(2000)が支持部(300)に触れないように特定の形状で実装され得、そのため、冷却デバイス(1000)は、損傷を伴わずにより安全にホルダ(3000)上の置かれ得る。
【0434】
上の実施形態において説明された機能、構造、および効果などは、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ得、必ずしも1つの実施形態に限定されるものではない。さらに、各実施形態において例証した機能、構造、および効果などが属する分野における組み合わせまたは変更を通じて、別の実施形態が当業者によって実践され得る。したがって、そのような組み合わせおよび修正に関する説明は、本発明の範囲に含まれるものとして解釈されるべきである。
【0435】
加えて、実施形態が上で説明されてきたものの、これらは単に例であり、本発明を限定するものではなく、本発明が属する当業者は、上に示されていない様々な修正および用途が、本実施形態の本質的特徴の範囲内にあり得ることを理解するであろう。つまり、実施形態において具体的に示される各構成要素は、修正されて実装され得る。また、これらの修正および用途に関する相違点は、請求項の範囲において定義される本発明の範囲に含まれるものとして解釈されるべきである。
【0436】
実施例1:硝子体内注射処置の間のBobの眼の麻酔のための眼用冷却デバイスの使用医師であるDr.Johnsonが、患者であるBobの眼の硝子体内注射処置を開始する。Dr.Johnsonは、注射処置の間に患者Bobの眼を麻痺させるように、手持ち型の眼用冷却デバイスを使用して、眼の表面の局所温度を冷却することを意図する。Dr.Johnsonにとって処置が円滑に進むことが重要である。具体的には、Dr.Johnsonは、処置により、凍着のリスク、および、新しい滅菌冷却先端を使用することによって軽減される眼内炎などの他の安全性の懸念を最小限に抑えながら、患者Bobの眼の適切な麻酔効果が急速な時間内に適切に達成されることを保証することを望む。この場合、これは、デバイスに備えられた安全性および温度制御機能を通じて達成される。
【0437】
Dr.Johnsonは、デバイスをオンにし、所望の温度および時間の設定に取り組む。具体的には、Dr.Johnsonは、スタンバイ温度を-13℃に設定し、スタンバイ接触時間を20秒に設定し、スタンバイトリガ時間を5秒に設定し、標的温度を-15℃に設定し、冷却時間を10秒に設定し、安全温度を-3℃に設定する。
【0438】
Dr.Johnsonが冷却差動入力を作動させると、冷却デバイスは、「新しい先端を挿入した?」というメッセージをそのスクリーン上に示す。Dr.Johnsonが新しい滅菌冷却先端を挿入した場合、Dr.Johnsonは再び冷却差動入力を作動させ、その後、まず、冷却デバイスの冷却媒体が-13℃のスタンバイ温度まで冷却される。いったんスタンバイ温度に達すると、冷却デバイスはビープ音を生成し、冷却された状態、およびデバイスが患者Bobの眼と接触する準備が出来ていることをDr.Johnsonに通知する。聴覚通知を生成することに加えて、冷却デバイスは、予め設定された20秒のスタンバイ接触時間をカウントダウンするタイマを開始させる。このタイマは、デバイス上のスクリーンを通じて表示され、Dr.Johnsonが見るために可視である。
【0439】
スタンバイ接触時間のタイマが動作している間、Dr.Johnsonは冷却デバイスを保持し、デバイスの冷却先端を患者Bobの眼と接触させる。Dr.Johnsonは、スタンバイ温度に達した15秒後に患者Bobの眼に接触する。また、冷却先端が患者の眼に触れると、眼表面のより高い温度に起因して、冷却媒体の温度が1.5℃/秒上昇する。冷却媒体温度のこの変化が、眼用冷却デバイスのセンサによって検出される。この変化が予め定められた閾値を超え、20秒のスタンバイ接触時間の満了前にこの変化が検出されたため、デバイスは、点滅光およびトーン1のビープ音を生成し、この視覚的な通知は、デバイスが標的表面と適切に接触したことをDr.Johnsonに知らせる。ここで、接触条件が満たされている。それに応じて、デバイスは、冷却先端と熱的に連結された冷却媒体の冷却を継続して、スタンバイ温度を維持する。
【0440】
接触条件を満たした後、タイマは、予め設定された5秒のスタンバイトリガ時間を表示するように変更され、この新しい時間をカウントダウンし始める。この新しいカウントダウンを始めて3秒で、Dr.Johnsonは眼用デバイスの麻酔トリガを押下する。Dr.Johnsonは、眼用デバイスの冷却先端が適切な眼の領域と適切に接触したこと(例えば、結膜が角膜縁からおよそ3.5mm離れており、冷却先端は角膜縁事態と直接接触していない)を確認した後にこれを行う。この麻酔トリガの押下は、眼用冷却デバイスの別のセンサによって検出される。この麻酔トリガの押下が5秒のスタンバイトリガ時間内に検出されたため、トリガ条件が満たされ、デバイスは、冷却麻酔の開始を示すビープ音を生成する。接触条件およびトリガ条件の両方が満たされ、それぞれの通知がDr.Johnsonに送信されたため、Dr.Johnsonは、デバイスが適切に機能しており、適切な接触がなされたことを確信する。
【0441】
トリガ条件を満たした後、デバイスは、冷却媒体を予め設定された-15℃の標的温度までさらに冷却することに進む。デバイスは既にスタンバイ温度にある、またはそれに近いため、この-15℃の標的温度に達するのに長くはかからない。また、タイマは、予め設定された10秒の冷却時間を表示するように変更され、この新しい時間をカウントダウンし始める。この10秒の冷却時間の間、Dr.Johnsonは、デバイスと患者Bobの眼との接触の維持を継続する。加えて、この10秒の冷却時間の間、冷却デバイスは、カウントダウンタイマを示すビープ音を2秒ごとに生成する。2秒のカウントダウン時間間隔はまた、前もって変更されてもよい。デバイスは、いったん標的温度に達すると、別の通知を送信する。いったん冷却時間が完了すると、患者Bobの眼の所望の一時的な麻酔効果が達成され、冷却媒体の冷却が自動的に止まり、患者Bobの眼とのデバイスの接触からもたらされる麻酔効果を維持しながら、凍着の懸念を伴わずにDr.Johnsonが患者の眼の表面からデバイスを安全に除去することができるように、冷却媒体の温度が予め設定された-3度に上げられる。冷却デバイスは、冷却麻酔処置が完了したことを通知する終了ビープ音を生成する。Dr.Johnsonは、Bobの眼の温度が回復するときに30秒以内に硝子体内注射を実行し得、したがって、麻酔効果は時間と共に減少する。
【0442】
実施例2:硝子体内注射処置の間のJaneの眼の麻酔のための眼用冷却デバイスの使用
Dr.Jonesは、同様の手持ち型デバイスを使用して患者Janeの眼の硝子体内注射処置を開始することを望む。Dr.Jonesは、デバイスをオンにし、まず、デバイスの温度センサによって検出された周囲温度をチェックし、それが22~24℃の範囲であることに気づき、これに対し、Dr.Jonesは許容可能な誤差範囲を表す。Dr.Jonesはまた、デバイスに設定されているスタンバイ温度、スタンバイ接触時間、スタンバイトリガ時間、標的温度、および安全温度の予め設定された値をチェックする。デバイスと動作可能に連結された別個のコンピュータは、スタンバイ温度について-13℃、スタンバイ接触時間について20秒、スタンバイトリガ時間について5秒、標的温度について-15℃、冷却時間について10秒、および安全温度について-3℃と表示しており、これらはすべて所望のパラメータである。Dr.Jonesは、予め設定された値に対して更新をなす必要はないと判断する。新しい滅菌先端は固有シリアルナンバを有し、デバイスは、新しい滅菌先端のシリアルナンバを読み取り、先端が未使用であることを確かめ、Dr.Jonesがデバイスの冷却機能を作動させることを可能にする。
【0443】
デバイスの冷却媒体が、スタンバイ温度について予め設定された-13℃に達する。いったんスタンバイ温度に達すると、冷却デバイスは振動して、冷却状態、およびデバイスが患者Janeの眼と接触する準備が出来ていることをDr.Jonesに通知する。機械的通知を生成することに加えて、デバイスと動作可能に連結されたタイマが、予め設定された30秒のスタンバイ接触時間をカウントダウンを開始する。このタイマは、別個のコンピュータ上のスクリーンを通じて表示され、Dr.Jonesが見るために可視である。
【0444】
スタンバイ接触時間のためのタイマが動作している間、Dr.Jonesは冷却デバイスを保持する。しかし、Dr.Jonesが装置の冷却媒体を患者Janeの眼と接触させる機会を有する前に、Dr.Jonesは気が散って、予め設定された20秒のスタンバイ接触時間内に患者Bobの眼と接触し損なう。接触がなされたという確認をデバイスが受信しなかった場合、冷却媒体の冷却は自動的に停止され、温度は、-13℃のスタンバイ温度から自動的に上げられる。Dr.Jonesはここで、プロセスを最初からやり直さなければならない。デバイスは、適切な接触の生成に失敗したことを認識し、別の新しい滅菌先端の新しいシリアルナンバを必要としない。
【0445】
このとき、処置が再び開始される。デバイスは、再び、スタンバイ温度について予め設定された-13℃に達し、デバイスは再び振動して、冷却状態についてDr.Jonesに通知し、タイマが再び20秒からカウントダウンを開始する。しかしながら、今回、Dr.Jonesは、タイマが開始してたったの10秒後に患者Janeの眼と接触し、デバイス内の標的表面接触検出要素が患者Janeの眼とのデバイスの接触を登録する。冷却媒体および冷却先端と電気的に連結されたデバイスのタッチセンサは、冷却先端がJaneの眼と接触したことを検出する。接触条件が満たされ、デバイスは、冷却媒体の冷却を継続して、スタンバイ温度に維持する。通知により、接触条件が満たされたことがDr.Jonesに警告される。
【0446】
接触条件を満たした後、タイマは、予め設定された10秒のスタンバイトリガ時間を表示するように変更され、この時間をカウントダウンし始める。しかしながら、Dr.Jonesは再び気が散り、5秒のトリガ時間内にデバイス上のトリガを押下し忘れる。このトリガの押下が5秒のスタンバイトリガ時間内に検出されなかったため、トリガ条件は満たされず、デバイスは再び、冷却媒体の冷却を自動的に停止させる。デバイスの冷却モジュールの電源がオフになり、冷却先端の温度が上昇する。
【0447】
Dr.Jonesは処置を通じて十分に従事していなかったにもかかわらず、接触条件およびトリガ条件を通じて利用可能とされた安全機能により、標的表面の不必要な冷却に関するあらゆる懸念が軽減される。
【0448】
今回は、Dr.Jonesは成功裏に接触条件、トリガ条件を満たし、Janeの眼の冷却を保っていた。しかしながら、Dr.Jonesは、デバイスを不適切に保持し、-3℃の安全温度を通知する完了ビープ音の前に、誤って冷却先端を除去した。しかしながら、デバイスの冷却先端は、標的表面における接着力と比較して冷却先端への接着力が弱いコーティングを有するため、冷却先端のこの誤った除去はJaneの眼に対して損傷を引き起こさなかった。それにもかかわらず、Dr.Jonesは、緊急の除去が必要な場合には、単にボタンをクリックすることでデバイスから冷却先端を除去することができる。
【0449】
実施例3:眼用冷却デバイスを使用するための例示的な指示ユーザには、処置の前に眼用冷却デバイスをどのように設定するかの指示が与えられる。
【0450】
冷却先端を眼用冷却デバイスに設置する前に、ユーザは、眼用冷却デバイスが清潔であり、冷却先端が消毒され、および/または滅菌カバーもしくはバリアで適切に覆われていることを保証するように指示される。ユーザは、電源ボタンを押下することによって眼用冷却デバイスの電源をオンにするように指示される。ユーザはまた、デバイスのLCDディスプレイまたはLEDインジケータを参照して、デバイスが使用のための正常な状態にあるかどうかをチェックするように指示される。その後、ユーザは、先端格納部の滅菌カバーを開いて、冷却先端に触れることなく、眼用冷却デバイスのラッチが冷却先端と十分に係合するまで、先端格納部内で冷却先端に圧力を加えることによって、冷却先端を眼用冷却デバイスに設置するように指示される。
【0451】
所望の冷却温度および冷却時間、ならびに所望の安全温度も、制御ボタンを押下することによって設定され得る。
【0452】
その後、ユーザは、ポピドンヨードなどの消毒液を用いて患者の眼表面を除菌するように指示される。その後、ユーザは、電源ステータス光がオンである、またはそのLCDスクリーンに「電源オン」と表示されていることを確認することによって、眼用冷却デバイスが冷却を開始する準備が出来ていることを確認して、冷却作動ボタンを押下し、眼用冷却デバイスのスクリーン上の「新しい先端が挿入された?」というメッセージを待つように指示される。ユーザは、確認のために、再び冷却作動ボタンを押下し得る。新しい先端が挿入されていない場合、ユーザは、新しい冷却先端を眼用冷却デバイスに挿入し、その後、冷却作動ボタンを押下して進むよう指示される。その後、ユーザは、冷却先端が患者の眼表面に向けられるように眼用冷却デバイスを保持するように指示される。その後、ユーザは、冷却先端の温度がスタンバイ温度に達したことを示す単一のビープ音の通知を待つように指示される。ユーザは、その「準備完了」ステータスと共に、スタンバイ接触時間のタイマを表示している眼用冷却デバイスのスクリーンを見ることになり、タイマが動作を開始する。その後、ユーザは、スタンバイ接触時間が切れる前に冷却先端を患者の眼表面に置くように指示される。いったん冷却先端が眼表面の領域に触れると、冷却先端が眼表面に凍着し得、電源をオフにするかまたはプロセスをやり直さずに眼表面の別の領域に位置付けし直すことができないため、ユーザは、標的とする眼表面の領域を選択するときに注意を払わなければならないことを警告される。冷却先端がスタンバイ接触時間内に眼表面と適切に接触し損なった場合、冷却デバイスは、冷却先端の温度が室温まで上昇するように、そのLCDスクリーン上の「リセット」の表示と共に自動的にリセットされることがユーザに知らされ得る。その後、ユーザは、冷却先端が眼表面上に適切に置かれていることを示す、点滅光、および1秒ごとのトーン1のビープ音を待ち、その後、冷却作動ボタンを押下して進むように指示される。ユーザは、「接触済み」というステータスと共に、スタンバイトリガ時間のタイマを表示している眼用冷却デバイスのスクリーンを見ることになり、タイマが動作を開始する。ユーザは、スタンバイトリガ時間が切れる前に眼用冷却デバイスのトリガボタンを押下するように指示される。ユーザは、冷却トリガが押下されると、眼用冷却デバイスのスクリーンが「処理中」というステータスと共に、冷却時間のタイマを表示するのを見ることになり、タイマが動作を開始する。ユーザはまた、トリガボタンが押下されると、眼用冷却麻酔デバイスが、トーン1→トーン2の2トーンのビープ音を生成することを知らされる。トーン2は、トーン1よりも高いピッチを有し得る。ユーザがスタンバイ接触時間内にトリガボタンを押下しない場合、冷却先端の温度が室温まで上昇するように、冷却デバイスは、そのスクリーン上の「リセット」の表示と共に自動的にリセットされる。ユーザは、冷却時間全体にわたって、患者の眼表面に対する冷却先端の接触を維持するように指示される。ユーザは、冷却処置の完了を示すビープ音を待つように指示される。いったん冷却処置が完了すると、冷却先端の温度は安全温度まで上げられる。その後、ユーザは、冷却先端を患者の眼表面から伸長に除去する前に、冷却先端の温度が安全温度に達したことを示す、次のトーン2→トーン1の2トーンのビープ音を待つように指示される。眼用冷却デバイスのLCDディスプレイには、「完了」または「リセット中」と表示される。
【0453】
いったん冷却処置が完了すると、ユーザは、消毒薬を眼表面に塗布するように指示される。その後、ユーザは、冷却麻酔効果が弱まる前に、特定の時間ウィンドウ内に硝子体内注射を投与するように指示される。ユーザが時間ウィンドウ内にIVTを実行し損なった場合、ユーザは、別の麻酔処置を実行するように指示される。
【0454】
いったん処置が完了すると、ユーザは、冷却先端が地上に向けられるように眼用冷却デバイスを保持し、眼用冷却デバイス上のラッチを押下して冷却先端を眼用冷却デバイスから切り離すように指示される。その後、ユーザは、地域の要件およびプロトコルに従って、除去した冷却先端を破棄するように指示される。
【0455】
事前にプログラミングされたサイクルが完了する前に冷却処置を終わらせなければならない場合には、ユーザは、電源ボタンを押下することによって、または眼用冷却デバイスのトリガボタンを1秒押さえることによって、いつでも冷却処置を停止させるように指示され得る。冷却先端が眼表面上に既に置かれている場合、冷却先端を患者の眼表面から除去する前に、少なくとも10秒待つ。眼用冷却麻酔デバイスは、先端の温度が安全温度であることを示す、トーン2→トーン1の2トーンのビープ音を生成し得る。冷却処置を終わらせ損なった場合、ユーザは、ラッチを押下して処置を停止させることによって、冷却先端を眼用冷却デバイスから切り離すことができる。冷却先端が眼表面上に既に置かれている場合、冷却先端を患者の眼表面から除去する前に、少なくとも10秒待つ。
【0456】
本開示の好ましい実施形態を本明細書において示し、説明したが、そのような実施形態は、専ら例として提供されたことが当業者には明らかであろう。当業者は、本開示から逸脱することなく、多くの変形形態、変更形態、および代替形態に直ちに想到するであろう。本明細書において説明される、本開示の実施形態に対する様々な代替形態は、本開示を実践する場合に用いられ得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲は、本開示の範囲を規定し、これらの特許請求の範囲の方法および構造、ならびにその均等物は、それにより包含されることが意図される。
(項目1)
標的表面を安全に冷却するために手持ち型の冷却デバイスの温度を制御する方法であって、上記方法は、
i)上記手持ち型の冷却デバイスを提供する段階であって、上記手持ち型の冷却デバイスが、(a)冷却媒体と、(b)標的表面接触要素と、(c)上記標的表面接触要素と上記標的表面との接触を検出するように構成された標的表面接触検出モジュールと、(d)入力要素と、(e)上記入力要素の作動を検出するように構成された入力要素検出モジュールと、(f)スタンバイ温度、スタンバイ接触時間、スタンバイトリガ時間、および標的温度を受信するように構成された制御モジュールとを有する、提供する段階と、
ii)上記制御モジュールによって、上記スタンバイ温度、上記スタンバイ接触時間、上記スタンバイトリガ時間、および上記標的温度を受信する段階と、
iii)上記スタンバイ温度に達するまで上記冷却媒体を冷却する段階と、
iv)上記標的表面接触検出モジュールによって、上記スタンバイ接触時間内の上記標的表面接触要素と上記標的表面との接触を検出する段階と、
v)上記入力要素検出モジュールによって、上記スタンバイトリガ時間内の上記入力要素の作動を検出する段階であって、上記接触の上記検出が、上記入力要素の上記作動の上記検出の前に検出される、検出する段階と、
vi)上記スタンバイ接触時間内に上記接触が検出され、かつ上記スタンバイトリガ時間内に上記作動が検出された場合に、上記標的温度まで上記冷却媒体を冷却する段階であって、上記標的温度が上記スタンバイ温度より低い、冷却する段階と
を備える、方法。
(項目2)
上記スタンバイトリガ時間は、上記標的表面接触要素の上記接触が検出されたときに始まる、項目1に記載の方法。
(項目3)
上記スタンバイ接触時間は、上記冷却媒体が上記スタンバイ温度に達したときに始まる、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
上記標的表面接触検出モジュールが、温度センサ、圧力センサ、または静電容量式センサを有する、項目1から3のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
上記標的表面接触検出モジュールが上記温度センサを有し、上記接触の上記検出が、上記温度センサによって、上記冷却媒体の温度の瞬間変化率(dT/dt)が予め定められた閾値以上であることを検出することを含む、項目4に記載の方法。
(項目6)
上記手持ち型の冷却デバイスが第2の温度センサをさらに有し、上記接触の上記検出が、上記第2の温度センサによって、上記冷却媒体の温度の瞬間変化率(dT/dt)を検出することをさらに含む、項目5に記載の方法。
(項目7)
上記温度センサが上記標的表面接触要素に対して近位に配置され、上記第2の温度センサが上記標的表面接触要素に対して遠位に配置される、項目6に記載の方法。
(項目8)
上記予め定められた閾値が、少なくとも1℃/秒を含む、項目5に記載の方法。
(項目9)
上記入力要素の上記作動が、ボタンを押下すること、ノブを回すこと、またはスイッチを反転させることを含む、項目1から8のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
上記標的表面接触要素が先端部材を有する、項目1から9のいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
上記スタンバイ接触時間が、60秒以下を含む、項目1から10のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
上記スタンバイトリガ時間が、20秒以下を含む、項目1から11のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
上記手持ち型の冷却デバイスが通知モジュールをさらに有し、上記方法は、上記スタンバイ接触時間内に上記接触が検出されたとき、または上記スタンバイトリガ時間内に上記作動が検出されたときに、上記通知モジュールによって通知を送信する段階をさらに備える、項目1から12のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
上記通知が、聴覚アラート、視覚アラート、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
上記制御モジュールが、標的温度時間を受信するようにさらに構成され、上記方法は、上記標的温度時間にわたって上記冷却媒体を上記標的温度に維持する段階をさらに備える、項目1から14のいずれか一項に記載の方法。
(項目16)
上記標的温度時間が60秒以下である、項目15に記載の方法。
(項目17)
上記標的温度時間に達したときに上記冷却媒体の上記冷却を停止する段階をさらに備える、項目15または16に記載の方法。
(項目18)
上記標的表面が眼の領域である、項目1から17のいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
上記スタンバイ温度が0℃~-20℃から選択される、項目1から18のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
上記標的温度が-5℃~-60℃から選択される、項目1から19のいずれか一項に記載の方法。