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特許7468950重曹及びクエン酸の分包からなる栄養補助食品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】重曹及びクエン酸の分包からなる栄養補助食品
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/10 20160101AFI20240409BHJP
   A23L 33/21 20160101ALI20240409BHJP
   A23L 33/125 20160101ALI20240409BHJP
   A23L 33/16 20160101ALI20240409BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20240409BHJP
   A23L 2/52 20060101ALI20240409BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20240409BHJP
   A23L 2/40 20060101ALI20240409BHJP
   A23L 2/42 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
A23L33/10
A23L33/21
A23L33/125
A23L33/16
A23L5/00 F
A23L2/00 F
A23L2/40
A23L2/52
A23L2/00 N
A23L2/00 T
A23L2/00 W
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023142374
(22)【出願日】2023-09-01
【審査請求日】2023-10-17
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年9月2日じぶんde株式会社がウェブサイト(https://item.rakuten.co.jp/jibunde-esute/jusobijin_01/)にて、栄養補助食品「重曹美人」を公開し、販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年9月2日じぶんde株式会社がウェブサイト(https://search.rakuten.co.jp/search/mall/)にて、栄養補助食品「重曹美人」を公開し、販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年9月2日じぶんde株式会社がウェブサイト(https://jibunde-esute.com/onlineshop)にて、栄養補助食品「重曹美人」を公開し、販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年9月2日じぶんde株式会社がウェブサイト(https://jibunde-esute.com/onlineshop/products?order=&category_5=5&fpc=121.0.365.5d086aee05314dOG.1723782790669)にて、栄養補助食品「重曹美人」を公開し、販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年9月2日じぶんde株式会社が自社店舗であるじぶんdeエステ渋谷センター街点、新宿アルタ店、有楽町マルイ店、池袋PARCO店、立川ルミネ店、北千住マルイ店、仙台PARCO店、川崎アトレ店、横浜ビブレ店、名古屋PARCO店、梅田ルクア店、心斎橋OPA店、天神PARCO店にて、栄養補助食品「重曹美人」を公開し、販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年1月11日~13日じぶんde株式会社がCOSME Weekにて、栄養補助食品「重曹美人」を公開し、販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年2月15日~17日じぶんde株式会社がギフトショー2023春にて、栄養補助食品「重曹美人」を公開し、販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年3月18日~19日じぶんde株式会社が東京ケアWeekからだEXPOにて、栄養補助食品「重曹美人」を公開し、販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年4月5日~7日じぶんde株式会社がライフスタイルWeek春展ヘルス&ビューティグッズEXPOにて、栄養補助食品「重曹美人」を公開し、販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年5月15日~17日じぶんde株式会社がビューティワールドジャパンイーストにて、栄養補助食品「重曹美人」を公開し、販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年6月28日~30日じぶんde株式会社が第6回Japan Sports Week 2023にて、栄養補助食品「重曹美人」を公開し、販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年7月19日~21日じぶんde株式会社がライフスタイルWeek夏展ヘルス&ビューティグッズEXPOにて、栄養補助食品「重曹美人」を公開し、販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年7月24日~26日じぶんde株式会社がビューティワールドジャパン名古屋にて、栄養補助食品「重曹美人」を公開し、販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年8月2日~4日じぶんde株式会社がスポルティック2023にて、栄養補助食品「重曹美人」を公開し、販売した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年8月18日~20日じぶんde株式会社がジャパンドラッグストアショウにて、栄養補助食品「重曹美人」を公開し、販売した。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501346065
【氏名又は名称】伊藤 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】110000073
【氏名又は名称】弁理士法人プロテック
(74)【代理人】
【識別番号】100108051
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 生央
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 哲也
【審査官】厚田 一拓
(56)【参考文献】
【文献】特開昭55-074778(JP,A)
【文献】特開昭64-086862(JP,A)
【文献】特開2021-187772(JP,A)
【文献】特開2021-108632(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 2/00 - 35/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重炭酸ナトリウムとクエン酸とを分離して分包した栄養補助食品であって、
重炭酸ナトリウムを入れた分包には、
酸が含まれていない原料である、
難消化性デキストリンの顆粒、
香料であるレモン、
キシリトール、
甘味料であるステビア
を配合し、
前記クエン酸を入れた分包には、
イソマルトの顆粒品を
加えた
ことを特徴とする栄養補助食品。
【請求項2】
請求項1に記載された栄養補助食品であって、
前記クエン酸を入れた分包に入れるクエン酸は、カルシウムをコーティングしたクエン酸である
ことを特徴とする栄養補助食品。
【請求項3】
請求項1に記載された栄養補助食品であって、
前記重炭酸ナトリウムを入れた分包に入れる重炭酸ナトリウムは、顆粒品である
ことを特徴とする栄養補助食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重曹及びクエン酸の分包からなる栄養補助食品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、重曹とクエン酸と水とを混合することで炭酸水ができることが知られている。
【0003】
特許文献1には、クエン酸、重曹を主成分とし、PEG等の結合剤・分散剤・滑沢剤・及び流動化剤等を含む錠剤形態であり、この錠剤の水溶時に発生する水素イオン、重炭酸イオンを生体内体液に吸収させることで、体液の酸塩基平衡を図り、生体内部環境の恒常性維持に寄与させることを特徴とするクエン酸・重曹を含む錠剤が開示されている。
クエン酸、重曹を主成分とし、PEG等の結合剤・分散剤・滑沢剤・及び流動化剤等を含む錠剤形態であり、この錠剤の入浴、洗顔、洗髪等における水溶時に発生する水素イオン、重炭酸イオンを生体内体液に吸収させることによる体液の酸塩基平衡を図り、生体の細胞活性化、新陳代謝促進への寄与、クエン酸サイクルへの関与によって生体内部環境の恒常性維持に寄与させることを特徴とするクエン酸・重曹を含む錠剤が開示されている。
クエン酸、重曹を主成分とし、PEG等の結合剤・分散剤・滑沢剤・及び流動化剤等を含む錠剤形態であり、この錠剤の水溶時に発生する水素イオン、重炭酸イオンの長時間供給作用を利用して、医薬品、サプリメント、化粧品、食品、飲用水等との混合によりこれらとの相乗効果を発揮させることを特徴とするクエン酸・重曹を含む錠剤が開示されている。
クエン酸、重曹を主成分とし、PEG等の結合剤・分散剤・滑沢剤・及び流動化剤等を含む錠剤形態であり、この錠剤を生体の局部に当て続けることにより、クエン酸・重曹を含む錠剤から生じる重炭酸イオンを局部内に吸収させ、生体内局部環境の恒常性維持に寄与させることを特徴とするクエン酸・重曹を含む錠剤が開示されている。
クエン酸、重曹を主成分とし、PEG等の結合剤・分散剤・滑沢剤・及び流動化剤等を含む錠剤形態であり、この錠剤を入浴時等において湯水に溶かす時にゆっくりと溶け出すナトリウムイオンとクエン酸との反応により生じるクエン酸ソーダによる皮膚表面の柔軟化作用を利用し、ゆっくりと溶け出す水素イオン、重炭酸イオンを皮膚内に吸収させ、生体内部環境の恒常性維持に寄与させることを特徴とするクエン酸・重曹を含む錠剤が開示されている。
クエン酸、重曹を主成分とし、PEG等の結合剤・分散剤・滑沢剤・及び流動化剤等を含む錠剤形態であり、この錠剤の入浴、洗顔、洗髪等における水溶時に発生する水素イオン、重炭酸イオンを含む残りの湯水を、洗濯水の補助水、植木、野菜等の植物の生育補助水として利用することを特徴とするクエン酸・重曹を含む錠剤が開示されている。
クエン酸、重曹を主成分とし、PEG等の結合剤・分散剤・滑沢剤・及び流動化剤等を含む錠剤形態であり、この錠剤の水溶時に発生する不純物を含まない水素イオン水を、各種物品の洗浄補助水、化石燃料の燃焼補助水として利用することを特徴とするクエン酸・重曹を含む錠剤が開示されている。
クエン酸、重曹を主成分とし、PEG等の結合剤・分散剤・滑沢剤・及び流動化剤等を含む錠剤形態であり、この錠剤の水溶時に発生する炭酸ガスの濃度を、pH5~6.5の水溶性剤又はジェルを補助剤として水溶させることで高めて、生体の血管拡張による血流促進効果を発揮させることを特徴とするクエン酸・重曹を含む錠剤が開示されている。
クエン酸:重曹の重量比が1:3~6であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のクエン酸・重曹を含む錠剤が開示されている。
無水クエン酸粉末と重曹粉末とを主成分とし、PEG等の結合剤・分散剤・滑沢剤を補助剤として混合し打錠して製造することを特徴とするクエン酸・重曹を含む錠剤の製造方法が開示されている。
無水クエン酸と滑沢剤及び流動化剤である無水ケイ酸の一部を加え混合し流動性を向上させ、重曹を混合した原料に、ポリエチレングリコール6000に少量の滑沢剤であるショ糖脂肪酸エステル、溶解補助剤及び結合剤であるPVPを加え、打錠して製造することを特徴とするクエン酸・重曹を含む錠剤の製造方法が開示されている。
無水クエン酸:重曹の重量比が1:3~6であることを特徴とする請求項11に記載のクエン酸・重曹を含む錠剤の製造方法が開示されている。
クエン酸を主成分として、少量のハッカ、オリーブ油等からなる香料を添加したジェルからなる第1の美容用材と、高濃度のHCO3-を含浸させたフェイスマスクからなる第2の美容用材と、を含むことを特徴とする高濃度の重炭酸イオンを含んだ美容用材が開示されている。
クエン酸を主成分として、少量のハッカ、オリーブ油等からなる香料を添加したジェルからなる第1の美容用材をフェイスに塗布し、1~3分そのままとするステップと、高濃度のHCO3-を含浸させたフェイスマスクからなる第2の美容用材をフェイスに貼付し、多量の気泡を発生させるとともに、時間の経過に伴う気泡のなだらかな減衰により高濃度のHCO3-を発生させフェイスの美容効果促進に供するステップと、を含むことを特徴とする高濃度の重炭酸イオンを含んだ美容用材を使用した美容方法が開示されている。
【0004】
特許文献2には、実質的に空気を攪拌作用として使用しない機械式流動層造粒機を使用し、クエン酸とポリエチレングリコールの混合物の粉体温度を60~65℃にあげ、冷却して得た造粒物Aと、同様に炭酸水素ナトリウムとポリエチレングリコールの混合物の粉体温度を60~65℃にあげ、冷却して得た造粒物Bを1対2~1対10の比率で混合して圧縮成型する錠剤の製造方法が開示されている。
実質的に空気を攪拌作用として使用しない機械式流動層造粒機を使用し、クエン酸とポリエチレングリコールの混合物の粉体温度を60~65℃にあげ、冷却して得た造粒物Aと、同様に炭酸水素ナトリウムとポリエチレングリコールの混合物の粉体温度を60~65℃にあげ、冷却して得た造粒物Bを1対4~1対6の比率で混合して圧縮成型する錠剤の製造方法が開示されている。
実質的に空気を攪拌作用として使用しない機械式流動層造粒機を使用し、クエン酸とポリエチレングリコールの混合物にエタノールを添加し、粉体温度を60~65℃にあげ、冷却して得た造粒物Aと、同様に炭酸水素ナトリウムとポリエチレングリコールの混合物にエタノールを添加し、粉体温度を60~65℃にあげ、冷却して得た造粒物Bを1対2~1対10の比率で混合して圧縮成型する錠剤の製造方法が開示されている。
【0005】
特許文献3には、ナトリウムイオン130~145mEq/L、カリウムイオン2~5mEq/L、炭酸水素イオン20~35mEq/L、塩素イオン90~130mEq/L、カルシウムイオン2~5mEq/L、マグネシウムイオン0.5~2.5mEq/L、クエン酸イオン1~7mEq/Lおよびブドウ糖0~5g/Lを含有する注射液を2~60mL/Kg/hrの速度で持続投与することを特徴とする、生体の水電解質代謝および血中の酸塩基平衡を管理する方法が開示されている。
血液ガス分析による測定値を指標として、前記投与速度を変更、または投与中止することを特徴とする、生体の水電解質代謝および血中の酸塩基平衡を管理する方法が開示されている。
血中のHCO3-濃度を22~26mEq/Lの範囲内に保つことを目的に投与速度を調節することを特徴とする前記方法が開示されている。
代謝性アシドーシスを併発した患者の水電解質代謝および血中の酸塩基平衡を管理する、前記方法が開示されている。
熱症患者の水電解質代謝および血中の酸塩基平衡を管理する、前記方法が開示されている。
出血性ショック患者の水電解質代謝および血中の酸塩基平衡を管理する前記方法が開示されている。
多臓器不全患者の水電解質代謝および血中の酸塩基平衡を管理する前記方法が開示されている。
全身性炎症反応患者の水電解質代謝および血中の酸塩基平衡を管理する前記方法が開示されている。
手術患者の水電解質代謝および血中の酸塩基平衡を管理する前記方法が開示されている。
脱水症状を呈する患者の水電解質代謝および血中の酸塩基平衡を管理する前記方法が開示されている。
ナトリウムイオン130~145mEq/L、カリウムイオン2~5mEq/L、炭酸水素イオン20~35mEq/L、塩素イオン90~130mEq/L、カルシウムイオン2~5mEq/L、マグネシウムイオン0.5~2.5mEq/L、クエン酸イオン1~7mEq/Lおよびブドウ糖0~5g/Lを含有する、生体の水電解質代謝および血中の酸塩基平衡管理剤が開示されている。
血中のHCO3-濃度を22~26mEq/Lの範囲内に保つことを目標に、2~60mL/Kg/hrの投与速度を調節するための、生体の水電解質代謝および血中の酸塩基平衡管理剤が開示されている。
クエン酸イオンの供給源がクエン酸ナトリウムであり、炭酸ガスでpH6.5~7.4に調整されていることを特徴とする生体の水電解質代謝および血中の酸塩基平衡管理剤が開示されている。
ガス不透過性フィルムで包装した炭酸ガス透過性プラスチック容器またはガス不透過性プラスチック容器に充填されていることを特徴とする生体の水電解質代謝および酸塩基平衡管理剤が開示されている。
【0006】
特許文献4には、炭酸水素ナトリウム及び/または炭酸ナトリウムと、アジピン酸とから主として成る発泡性浴用剤が開示されている。
また、炭酸水素ナトリウム及び/又は炭酸ナトリウムとアジピン酸の配合モル比が、第1図中のABCDで囲まれた領域内に存在する前記発泡性浴用剤が開示されている。
【0007】
特許文献5には、炭酸塩と酸を含有する入浴剤において、酸として(cu鵞) (COOH)。〔式中、nは0~6の整数(n=2を除く)〕で表わされる有機酸及びその塩よシなる群から選ばれる1種又は2種以上を含有し、かつ該入浴剤を浴湯中に溶解させたときのpiが4~7(0,01重量%水溶液)であること、を特徴とする弱酸性入浴剤が開示されている。
【0008】
特許文献6には、液体歯磨剤の媒体中に有効量の重炭酸イオンを存在させたことを特徴とする液体歯磨剤。
炭酸水素塩を配合し、液体歯磨剤の媒体のPHを7.8~9.0の間に調整することで、有効量の重炭酸イオンを存在させたことを特徴とする液体歯磨剤。
色素を含有する液体歯磨剤において、炭酸水素塩を配合し、液体歯磨剤の媒体のPHを7.8から9.0の間に調整することで、有効量の重炭酸イオンを存在させたことを特徴とする液体歯磨剤。
前記炭酸水素塩が炭酸水素ナトリウムであることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の液体歯磨剤。
液体歯磨剤の組成中にクエン酸とその塩を含まないことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の液体歯磨剤。
液体歯磨剤の組成中にパラヒドロキシ安息香酸エステルを含まないことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の液体歯磨剤。
フェノール基を有する香料を含有したことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の液体歯磨剤が開示されている。
【0009】
特許文献7には、不快な味を有する物質に対して、口腔内溶解時に発泡する発泡剤を配合したことを特徴とする経口用固形製剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2013-129654号公報
【文献】特開2011-105615号公報
【文献】特開2004-149495号公報
【文献】特開昭61-078717号公報
【文献】特開昭60-185710号公報
【文献】特開平10-147511号公報
【文献】特開平04-327526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
発泡を使用前には極力回避する必要があること、製造の際に用いる充填機をうまく使える原料の配合を調整する必要があること、使用時に需要者にとってよく発泡していることがわかるようにすることなど、いくつかの課題がある。
【0012】
本発明は、このような課題を解決し、問題点に対して鑑みなされたものであり、重曹及びクエン酸の分包からなる栄養補助食品及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するため、本発明は、次に記載する構成を備える。
【0014】
重炭酸ナトリウムとクエン酸とを分離して分包した栄養補助食品であって、
重炭酸ナトリウムを入れた分包には、酸が含まれていない原料を選定し配合する
ことを特徴とする。
これにより、使用前に分包内部で発泡してしまうことを防ぐことができる。
【0015】
前記クエン酸を入れた分包に入れるクエン酸は、カルシウムをコーティングしたクエン酸である
ことを特徴とする。
これにより、使用前に分包内部で発泡してしまうことを防ぐことができる。
【0016】
前記重炭酸ナトリウムを入れた分包に入れる重炭酸ナトリウムは、顆粒品である
ことを特徴とする栄養補助食品。
これにより、充填機を用いた重点が円滑になされる。
【0017】
前記クエン酸を入れた分包に、さらにイソマルトの顆粒品を入れた
ことを特徴とする栄養補助食品。
これにより、水を含む率の調整ができた。
【0018】
前記重炭酸ナトリウムを入れた分包に、さらに難消化性デキストリンを入れた
ことを特徴とする栄養補助食品。
これにより、水を含む率の調整ができた。
【0019】
前記重炭酸ナトリウムを入れた分包には、
難消化性デキストリンの顆粒、
香料であるレモン、
キシリトール、
甘味料であるステビア
を加え、
前記クエン酸を入れた分包には、
イソマルトの顆粒品を
加えたことを特徴とする栄養補助食品。
これにより、発泡を使用前には極力回避する、製造の際に用いる充填機に原料がうまく通過できる。使用時に需要者にとってよく発泡していることがわかる。という課題を解決できた。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、上述のように構成されているので、発泡を使用前には極力回避する、製造の際に用いる充填機に原料がうまく通過できる。使用時に需要者にとってよく発泡していることがわかる。という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】試作1回目を示す図である。
図2】試作2回目を示す図である。
図3】試作3回目を示す図である。
図4】開発過程の全体を示す図である。
図5】分離分包の最初の原料配合規格表を示す図である。
図6】分離分包の2度目の原料配合規格表を示す図である。
図7】分離分包の3度目の原料配合規格表を示す図である。
図8】分離分包の4度目の原料配合規格表を示す図である。
図9】実機(量産時の充填機)試作の際の原料配合規格表を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
≪第1回試作までの過程≫(図1参照)
クエン酸と重曹と水分が合わさると化学反応し発泡してしまう。使用前に発泡してしまうと袋が膨れ上がってしまうという問題がある。
一回分ごとに分包された後の化学反応を遅らせるために「重曹」「クエン酸」原料のコーティング品を使用する試作を画策した。
使用時に、水へ溶解した際の発泡の良さも非コーティング品に比べコーティング品のほうが目視上、優れていることがわかった。
分包充填する際も流動性が必要な為コーティング品(顆粒品)を使用すれば造粒工程が省けコスト的にも大きなメリットを提供できる。
第1回目試作
●製品規格
・5,000mg/包
●配合
・デキストリン:700mg
・重炭酸ナトリウム(顆粒品):1500mg
・クエン酸(コーティング品):1500mg
・香料:750mg
・キシリトール:500mg
・甘味料(ステビア):50mg
●製造方法
・倍散混合(混合末の含水値が上昇しないよう室内湿度管理を徹底)
・手詰めにて分包し加速試験実施(37~40℃)
●結果
・加速試験品が5日経過程度で分包が少し膨張し始める。
・反応を遅らせる事は出来るが無くす事は不可であると分かった。
・コーティング品だとしても混合後浸透していくとの見解に達した。
・混合末の含水値を完全に無くすことは出来ない為「重曹」「クエン酸」「水分」が合わさってしまう。
【0024】
≪第2回試作までの過程≫(図2参照)
「重曹」「クエン酸」の配合比率を何パターンか試したが全て膨張した。
何か解決策は無いかとミーティングを重ねた。
「重曹」と「クエン酸」を分離するという案にたどり着く。
「重曹」と「クエン酸」を二つの分包に分ける(一回使用量に分包する)にあたり「重曹」側の配合原料に「酸」が含まれていない原料を選定し配合を分割する。
上記を踏まえたうえで「酸味」「甘味」の調整も実施した。
第2回目試作
●製品規格
・2,750mg/A(重曹)分包、2,250mg/B(クエン酸)分包
●配合
<A(重曹)分包-2.75g/包>
・デキストリン:450mg
・重炭酸ナトリウム(顆粒品):1500mg
・キシリトール:500mg
・甘味料(ステビア):300mg
<B(クエン酸)分包-2.25g/包>
・クエン酸(コーティング品):1,000mg
・クエン酸(通常品):500mg
・香料:750mg
●製造方法
・倍散混合(混合末の含水値が上昇しないよう室内温湿度管理を徹底)
・手詰めにて分包し加速試験実施
●結果
・加速試験品はA、B分包共に変化無し
・味と発泡具合の調整を何度も重ねた結果A分包3.5g、B分包1.5gに辿り着く
・味と発泡具合を考慮し各分包の配合原料も変更
・何度もテスト的な調整を重ね検証
【0025】
≪第3回試作までの過程≫(図3参照)
分離分包にて分包の膨張問題は解決した。
次は使用時の「味」、使用時に水を加えた時の「発泡度」、「スティック充填工程」の選定と検証を重ねた。
前試作内容を踏まえ配合選定しスティック充填テストを行った。
第3回目試作
●製品規格
・3,500mg/A(重曹)分包、1,500mg/B(クエン酸)分包
・スティックサイズ:22mm×130mm/A、22mm×100mm/B
●配合
<A(重曹)分包-3.50g/包>
・デキストリン:450mg
・重炭酸ナトリウム(顆粒品):1500mg
・香料:750mg
・キシリトール:500mg
・甘味料(ステビア):300mg
<B(クエン酸)分包-1.50g/包>
・クエン酸(コーティング品):1,000mg
・難消化性デキストリン:500mg
●製造方法
・倍散混合(混合末の含水値が上昇しないよう室内温湿度管理を徹底)
・実機を使用したスティック充填テスト
●結果
・加速試験品はA、B分包共に変化無し
・AB共にスティック充填時に機械の充填摺動部マス(粉末を定量で落下させる部分)縁に粉末が張り付き安定した充填ができない。
・含水値を下げたり除電装置を使用し充填テストするも改善されず原料の再選定が必要と判断するに至った。
・各原料の物性や配合を見直し何度もテストを繰り返す。
【0026】
≪原料配合の調整≫図4図5図6図7参照
スティック充填時に原料が充填摺動部マスに張り付いてしまい、安定した充填ができないことを回避するために、原料の配合をさまざま変えて、原料の選定を行った。
【0027】
≪第4回試作に向けての過程≫図8参照
◎A分包のデキストリンを難消化性デキストリン(顆粒品)に変更
◎A分包の香料も流動性の良い原料メーカーへ変更
◎A分包のキシリトールも粉末品から結晶品へ変更
◎B分包の難消化性デキストリン(顆粒品)をイソマルト(顆粒品)へ変更
◎各混合末の含水値を調整し再度実機試作開始した。
第4回目試作
●製品規格
・3,500mg/A(重曹)分包、1,500mg/B(クエン酸)分包
・スティックサイズ:22mm×120mm/A、22mm×100mm/B
●配合
<A(重曹)分包-3.50g/包>
・難消化性デキストリン(顆粒品):950mg
・重炭酸ナトリウム(顆粒品):1500mg
・香料:250mg
・キシリトール(結晶品):500mg
・甘味料(ステビア):300mg
<B(クエン酸)分包-1.50g/包>
・クエン酸(コーティング品):1,000mg
・イソマルト:500mg
●製造方法
・倍散混合(混合末の含水値が上昇しないよう室内温湿度管理を徹底)
・実機を使用したスティック充填テスト
●結果
・加速試験品はA、B分包共に変化無し
・AB共にスティック充填工程問題なし
【0028】
≪第5回試作に向けての過程≫図9参照
「味」「発泡度」を担保しつつスティック充填工程をクリアできた。
コストの見直しの為、スティックサイズを変更した。
希望のスティックサイズにて再実機試作を開始した。
第5回目試作
●製品規格
・3,500mg/A(重曹)分包、1,500mg/B(クエン酸)分包
・スティックサイズ:22mm×120mm/A、22mm×80mm/B
●配合
<A(重曹)分包-3.50g/包>
・難消化性デキストリン(顆粒品)(松谷化学工業株式会社 難消化性デキストリン ファイバーソル2AG):950mg
・重炭酸ナトリウム(顆粒品)(磐田化学工業株式会社 重曹顆粒(食品添加物 炭酸水素ナトリウム製剤):1500mg
・香料(高砂香料工業株式会社 レモンミクロンD-911):250mg
・キシリトール(結晶品)(三菱商事フードテック株式会社 キシリット微粉):500mg
・甘味料(ステビア)(日本製紙株式会社 酵素処理ステビア SKスイートZ3):300mg
<B(クエン酸)分包-1.50g/包>
・クエン酸(コーティング品)(磐田化学工業株式会社 食品添加物 クエン酸(無水)製剤 クエン酸CI):1,000mg
・イソマルト(昭和産業株式会社イソマルト900P):500mg
●製造方法
・倍散混合(混合末の含水値が上昇しないよう室内温湿度管理を徹底)
・実機を使用したスティック充填テスト(充填摺動マスに粉末がくっついてしまわないこと)を実施した。
●結果
・加速試験品はA、B分包共に変化無し。
・AB共にスティック充填工程問題なし。
・スティックサイズ縮小したが充填テストをクリアした。
【0029】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態は上述した実施形態に限るものではない。
【要約】
【課題】発泡を使用前には極力回避する、製造の際に用いる充填機に原料がうまく通過できる。使用時に需要者にとってよく発泡していることがわかる。
【解決手段】 重炭酸ナトリウムとクエン酸とを分離して分包した栄養補助食品であって、重炭酸ナトリウムを入れた分包には、酸が含まれていない原料を選定し配合する。前記クエン酸は、カルシウムをコーティングしたクエン酸である。前記重炭酸ナトリウムは、顆粒品である。前記クエン酸を入れた分包に、さらにイソマルトの顆粒品を入れた。前記重炭酸ナトリウムを入れた分包に、さらに難消化性デキストリンを入れた。前記重炭酸ナトリウムを入れた分包には、難消化性デキストリンの顆粒、香料であるレモン、キシリトール、甘味料であるステビアを加え、前記クエン酸を入れた分包には、イソマルトの顆粒品を加えた。
【選択図】図9
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9