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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】解反機
(51)【国際特許分類】
   B65H 47/00 20060101AFI20240409BHJP
   B65H 20/06 20060101ALI20240409BHJP
   B65H 20/10 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
B65H47/00 A
B65H20/06
B65H20/10 B
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023193017
(22)【出願日】2023-11-13
【審査請求日】2023-11-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000161057
【氏名又は名称】株式会社ミヤコシ
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(74)【代理人】
【識別番号】100150773
【弁理士】
【氏名又は名称】加治 信貴
(74)【代理人】
【識別番号】100099472
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 猛
(72)【発明者】
【氏名】後藤 和美
(72)【発明者】
【氏名】戸巻 仁
(72)【発明者】
【氏名】大田 信美
(72)【発明者】
【氏名】高橋 一人
(72)【発明者】
【氏名】池田 祥生
(72)【発明者】
【氏名】高橋 利浩
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 祥吾
【審査官】後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-064332(JP,A)
【文献】特開平02-145852(JP,A)
【文献】特開平06-024643(JP,A)
【文献】特開平08-282913(JP,A)
【文献】特開平09-071354(JP,A)
【文献】特開平11-129315(JP,A)
【文献】特開平11-129317(JP,A)
【文献】特開2003-201058(JP,A)
【文献】特開2004-307155(JP,A)
【文献】特開2005-280138(JP,A)
【文献】特開2014-172329(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 47/00
B65H 20/06-20/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムを広げながら搬送する搬送部と、
前記搬送部に前記フィルムを供給する供給部と、
を備えた解反機において、
前記搬送部は、搬送方向下流側の幅が前記フィルムが広げられた単数単列連続フィルムの幅全体を搬送できる幅で、搬送方向上流側の幅は、前記搬送方向下流側の幅より狭く前記単数単列連続フィルムの幅方向中央部のみを搬送する幅で、搬送方向下流側に向けて幅が段階的に、または、順次広くなる搬送コンベア装置と、搬送方向下流側に向けて広がったV字形状で、前記搬送コンベア装置の幅方向両側に沿って設けられ前記フィルムを前記コンベア装置の搬送面に案内するV字状のガイドと、
を備えることを特徴とする解反機。
【請求項2】
請求項1記載の解反機において、
前記搬送部の下流側に後処理部を備え、
前記搬送コンベア装置は、前記フィルムおよび前記単数単列連続フィルムを吸引しながら搬送する機能を有し、
前記フィルムおよび単数単列連続フィルムを吸引しながら前記後処理部に向けて搬送する解反機。
【請求項3】
請求項1記載の解反機において、
前記V字状のガイドは前記フィルムを吸引する吸引口を備えており、前記フィルムを吸引しながら前記搬送コンベア装置の搬送面に案内する解反機。
【請求項4】
請求項1記載の解反機において、
前記搬送部は、前記搬送コンベア装置の搬送面上に、前記単数単列連続フィルムを幅方向に広げる引っ張り力を作用する搬送部押圧ローラを備える解反機。
【請求項5】
請求項1記載の解反機において、
前記供給部は、押しつぶされ上側フィルムと下側フィルムとにより偏平な状態で供給される筒状連続フィルムの上側フィルムを搬送方向に沿ってカットする搬送方向カッタを備え、前記上側フィルムを前記搬送方向カッタで搬送方向に沿ってカットした前記筒状連続フィルムを前記搬送部へ搬送する解反機。
【請求項6】
請求項5記載の解反機において、
前記供給部は、前記上側フィルムをカットした筒状連続フィルムを上から下に向けて搬送するバッファ部を備えている解反機。
【請求項7】
請求項5記載の解反機において、
前記供給部は、前記上側フィルムをカットした筒状連続フィルムを上から下に向けて搬送するバッファ部と、前記バッファ部に設けられ前記上側フィルムを内側から外側へ広げる方向にエアを吹き付ける複数のエア吹き出し口を備えたエア吹き出し装置を備え、
前記エア吹き出し口からのエアによって、前記上側フィルムが広げられながら前記搬送部に搬送されるようにした解反機。
【請求項8】
請求項7記載の解反機において、
前記エア吹き出し口は、バッファ部の幅方向両側の上部と下部にそれぞれ設けられ、上部のエア吹き出し口のエア吹き出し量が、下部のエア吹き出し口のエア吹き出し量よりも多く、
前記複数のエア吹き出し口はハの字形状配置されている解反機。
【請求項9】
請求項7記載の解反機において、
前記バッファ部は、前記上側フィルムと下側フィルムに帯電している静電気を除去する除電装置を備え、
前記除電装置は前記エア吹き出し口に沿って取り付けられ、
前記上側フィルムと前記下側フィルムが前記除電装置によって除電されながら前記搬送部へ搬送される解反機。
【請求項10】
請求項1記載の解反機において、
前記搬送部の下流側に後処理部を備え、
前記後処理部は、前記単数単列連続フィルムを支持しながら搬送方向上流側を支点に搬送方向下流側が上下揺動する首振り装置を備え、前記単数単列連続フィルムを蛇腹状に折り畳むものである解反機。
【請求項11】
請求項1記載の解反機において、
前記搬送部の下流側に後処理部を備え、
前記供給部は、搬送方向に直交する幅方向に沿って前記フィルムをカットする供給部幅方向カッタを備え、
前記後処理部は、搬送方向に直交する幅方向に沿って前記単数単列連続フィルムをカットする後処理部幅方向カッタを備え、
前記フィルムから連続して任意のサイズの組み合わせの複数のカットされた製品を製造する場合に、
通常の前記製品のカットは、前記フィルムの搬送量に応じて前記後処理部幅方向カッタで行い、
製造する最後の前記製品の上流側のカットのみ前記供給部幅方向カッタで行う制御を、
連続して製造する前記製品の長さの合計と、前記供給部幅方向カッタと前記後処理部幅方向カッタ間の長さおよび前記搬送量より算出して行う解反機。
【請求項12】
請求項11記載の解反機において、
前記供給部幅方向カッタのカットのタイミングを決めるための搬送量の算出は供給部駆動ローラの回転量から算出し、
前記後処理部幅方向カッタのカットのタイミングを決めるための搬送量の算出は後処理部駆動ローラの回転量から算出し、
前記供給部幅方向カッタのカットのタイミングを決めるための搬送量は、前記後処理部幅方向カッタまで前記フィルムがセットされ、かつ前記フィルムを連続でカットして製品の製造を開始する前の状態において、
前記供給部から前記後処理部の間で前記フィルムに生じるたるみの量を供給部幅方向カッタのカットのタイミングを決めるための搬送量の算出に加えるようにした解反機。
【請求項13】
請求項11記載の解反機において、
前記の制御中において、任意のタイミングで前記制御を中断し、
中断した時点で前記供給部幅方向カッタによるカットを行い、かつ前記後処理部幅方向カッタは中断前のカットのタイミングでカットを続行し、
前記搬送部に残る前記フィルムの長さが、前記後処理部で中断前のカットのタイミングで製品の製造ができなくなったとき、前記搬送部に残る前記フィルムを後処理部へ払い出すようにした解反機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状で長尺なフィルムである筒状連続フィルムをシート状で長尺なフィルムである単数単列連続フィルムに解反する解反機に関する。
【背景技術】
【0002】
押出機から押し出された円筒状の成形物(筒状連続フィルムに相当)を平板状シート(単数単列連続フィルムに相当)に解反する装置(解反機に相当)が特許文献1に開示されている。
この装置は、押出機から押し出された円筒状の成形物の下側を軸線方向に連続的に切断する切断手段と、切断された成形物を平板状シートに拡開する截頭円錐状のガイド部材と、拡開した平板状シートを外側に引張るガイドロールと、成形物を搬送する引き取り手段を有し、押出機から押し出された円筒状の成形物を平板状シートに解反する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-280138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の装置は、切断手段で切断した円筒状の成形物を截頭円錐状のガイ部材により拡開して平板状シートとするので、平板状シートの幅(搬送方向と直交する方向の寸法)が広くなると截頭円錐状のガイド部材の大きさが大きくなる。截頭円錐状のガイド部材の大きさには製造上の理由などにより限度があるので、製造できる平板状シートの幅に制限があり、幅広い平板状シートを製造できない。
例えば、大型の農業用ビニールハウス用のシートは幅が4500mm以上であり、このように幅が広いシートを製造することができない。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するために為されたもので、その目的は、解反できるフィルムの幅に制限を受けることがなく、幅の広いフィルム、例えば、大型の農業用ビニールハウスに用いる幅が4500mm以上の幅の広いフィルムに解反できる解反機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解反機は、フィルムを広げながら搬送する搬送部と、前記搬送部に前記フィルムを供給する供給部と、を備えた解反機において、前記搬送部は、搬送方向下流側の幅が前記フィルムが広げられた単数単列連続フィルムの幅全体を搬送できる幅で、搬送方向上流側の幅は、前記搬送方向下流側の幅より狭く前記単数単列連続フィルムの幅方向中央部のみを搬送する幅で、搬送方向下流側に向けて幅が段階的に、または、順次広くなる搬送コンベア装置と、搬送方向下流側に向けて広がったV字形状で、前記搬送コンベア装置の幅方向両側に沿って設けられ前記フィルムを前記コンベア装置の搬送面に案内するV字状のガイドと、を備えることを特徴とする解反機である。
【0007】
本発明の解反機においては、前記搬送部の下流側に後処理部を備え、前記搬送コンベア装置は、前記フィルムおよび前記単数単列連続フィルムを吸引しながら搬送する機能を有し、前記フィルムおよび単数単列連続フィルムを吸引しながら前記後処理部に向けて搬送する解反機とすることができる。
この構成の解反機によれば、皺のない状態の単数単列連続フィルムに解反できる。
【0008】
本発明の解反機においては、前記V字状のガイドは前記フィルムを吸引する吸引口を備えており、前記フィルムを吸引しながら前記搬送コンベア装置の搬送面に案内する解反機とすることができる。
この構成の解反機によれば、V字状のガイドに案内されて搬送コンベアの搬送面に搬送されたフィルムに幅方向両側に向かう強い引っ張り力が作用するので、フィルムを安定して搬送できる。
【0009】
本発明の解反機においては、前記搬送部は、前記搬送コンベア装置の搬送面上に、前記単数単列連続フィルムを幅方向に広げる引っ張り力を作用する搬送部押圧ローラを備える解反機とすることができる。
【0010】
本発明の解反機においては、前記供給部は、押しつぶされ上側フィルムと下側フィルムとにより偏平な状態で供給される筒状連続フィルムの上側フィルムを搬送方向に沿ってカットする搬送方向カッタを備え、前記上側フィルムを前記搬送方向カッタで搬送方向に沿ってカットした前記筒状連続フィルムを前記搬送部へ搬送する解反機とすることができる。
この構成の解反機とすることで、カットされた上側フィルムを広げて幅広いフィルムに解反できる。
【0011】
本発明の解反機においては、前記供給部は、前記上側フィルムをカットした筒状連続フィルムを上から下に向けて搬送するバッファ部を備えている解反機とすることができる。
この構成の解反機によれば、カットされた筒状フィルムが縦向きに搬送されるので、カットされた上側フィルムと下側フィルムが自重により重なり合うことがなく、上側フィルムを広げやすい。
【0012】
本発明の解反機においては、前記供給部は、前記上側フィルムをカットした筒状連続フィルムを上から下に向けて搬送するバッファ部と、前記バッファ部に設けられ前記上側フィルムを内側から外側へ広げる方向にエアを吹き付ける複数のエア吹き出し口を備えたエア吹き出し装置を備え、前記エア吹き出し口からのエアによって、前記上側フィルムが広げられながら前記搬送部に搬送されるようにした解反機とすることができる。
この構成の解反機によれば、上側フィルムが広がった状態で搬送コンベア装置に搬送されるので、搬送コンベア装置により容易に広げることができる。
【0013】
本発明の解反機においては、前記エア吹き出し口は、バッファ部の幅方向両側の上部と下部にそれぞれ設けられ、上部のエア吹き出し口のエア吹き出し量が、下部のエア吹き出し口のエア吹き出し量よりも多く、前記複数のエア吹き出し口はハの字形状配置されている解反機とすることができる。
この構成の解反機によれば、エア吹き出し口から吹き出したエアにより上側フィルムを強い力で広げることができ、幅の広い筒状連続フィルムの上側フィルムを広げることができる。
【0014】
本発明の解反機においては、前記バッファ部は、前記上側フィルムと下側フィルムに帯電している静電気を除去する除電装置を備え、前記除電装置は前記エア吹き出し口に沿って取り付けられ、前記上側フィルムと前記下側フィルムが前記除電装置によって除電されながら前記搬送部へ搬送される解反機とすることができる。
この構成の解反機によれば、幅の広い筒状連続フィルムの上側フィルム、下側フィルムに帯電した静電気を確実に除去でき、静電気により上側フィルムが広がりにくくなったりしない。
【0015】
本発明の解反装置においては、前記搬送部の下流側に後処理部を備え、前記後処理部は、前記単数単列連続フィルムを支持しながら搬送方向上流側を支点に搬送方向下流側が上下揺動する首振り装置を備え、前記単数単列連続フィルムを蛇腹状に折り畳むものである解反機とすることができる。
この構成の解反機によれば、蛇腹状に折り畳んだ製品とすることができる。
【0016】
本発明の解反機においては、前記搬送部の下流側に後処理部を備え、前記供給部は、搬送方向に直交する幅方向に沿って前記フィルムをカットする供給部幅方向カッタを備え、前記後処理部は、搬送方向に直交する幅方向に沿って前記単数単列連続フィルムをカットする後処理部幅方向カッタを備え、前記フィルムから連続して任意のサイズの組み合わせの複数のカットされた製品を製造する場合に、通常の前記製品のカットは、前記フィルムの搬送量に応じて前記後処理部幅方向カッタで行い、製造する最後の前記製品の上流側のカットのみ前記供給部幅方向カッタで行う制御を、連続して製造する前記製品の長さの合計と、前記供給部幅方向カッタと前記後処理部幅方向カッタ間の長さおよび前記搬送量より算出して行う解反機とすることができる。
この構成の解反機によれば、供給部幅方向カッタより下流側にフィルムを残すことがないので、ヤレが発生することを防止できる。
【0017】
本発明の解反機においては、前記供給部幅方向カッタのカットのタイミングを決めるための搬送量の算出は供給部駆動ローラの回転量から算出し、前記後処理部幅方向カッタのカットのタイミングを決めるための搬送量の算出は後処理部駆動ローラの回転量から算出し、前記供給部幅方向カッタのカットのタイミングを決めるための搬送量は、前記後処理部幅方向カッタまで前記フィルムがセットされ、かつ前記フィルムを連続でカットして製品の製造を開始する前の状態において、前記供給部から前記後処理部の間で前記フィルムに生じるたるみの量を供給部幅方向カッタのカットのタイミングを決めるための搬送量の算出に加えるようにした解反機とすることができる。
この構成の解反機によれば、供給部幅方向カッタと後処理部幅方向カッタとの間のフィルムのたるみの量に影響を受けることなく供給部幅方向カッタより下流側にフィルムが残らないように製品をカットできる。
【0018】
本発明の解反機においては、前記の制御中において、任意のタイミングで前記制御を中断し、中断した時点で前記供給部幅方向カッタによるカットを行い、かつ前記後処理部幅方向カッタは中断前のカットのタイミングでカットを続行し、前記搬送部に残る前記フィルムの長さが、前記後処理部で中断前のカットのタイミングで製品の製造ができなくなったとき、前記搬送部に残る前記フィルムを後処理部へ払い出すようにした解反機とすることができる。
この構成の解反機によれば、搬送部より下流側で製品を加工しているときに、供給部で供給するフィルムの取り換えなどの次の製品の製造のための準備を並行して行うことができ、作業効率を向上できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の解反機によれば、解反できるフィルムの幅に制限を受けることがなく、大型の農業用ビニールハウスに用いる幅が4500mm以上の幅の広いフィルムに解反できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の解反機による解反動作の一例を示す説明図である。
図2】解反機の全体構成を示す上面図である。
図3】解反機の全体構成を示す側面図である。
図4】供給部の側面図である。
図5】供給部を搬送部側から見た正面図である。
図6】搬送部の上面図である。
図7】搬送コンベアの上面図である。
図8】搬送コンベアの側面図である。
図9】後処理部の側面図である。
図10】後処理部を搬送方向下流側から見た正面図である。
図11】後処理部幅方向カッタの正面図である。
図12】搬送方向カッタの正面図である。
図13】カッタ部の拡大側面図である。
図14】本発明の解反機で複数の製品を製造する場合の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の解反機の実施の形態を説明する。
最初に、本発明の解反機による筒状連続フィルムを単数単列連続フィルムに解反する動作の一例を図1に基づき説明する。図1は本発明の解反機による解反動作の一例を示す説明図であり、後に説明する本発明の解反機の実施の形態による動作と相違する部分がある。
図1(a)に示すように、筒状連続フィルム1を径方向に押し潰された偏平な状態でロール状に巻き取られたロール体2とし、そのロール体2を繰り出すことで偏平な状態の筒状連続フィルム1を搬送面(図示せず)に沿って矢印Aで示すように長手方向に搬送する。
偏平な状態とは、搬送面に対して上側の面である上側フィルム3と、搬送面に対して下側の面である下側フィルム4が重なり合うような状態であるが、図1(a)では理解を容易とするために楕円形状に図示してある。
【0022】
図1(b)に示すように、搬送される筒状連続フィルム1における上側フィルム3の幅方向中心を搬送方向に沿って連続的にカットし、上側フィルム3をカット位置を境として幅方向一側部分3aと幅方向他側部分3bとに分離する。
上側フィルム3の幅方向一側部分3aと下側フィルム4の間に矢印Bで示すようにエアを吹き付け、上側フィルム3の幅方向一側部分3aを矢印Cで示すように幅方向一側に広げ、上側フィルム3の幅方向他側部分3bと下側フィルム4の間に矢印Dで示すようにエアを吹き付け、上側フィルム3の幅方向他側部分3bを矢印Eで示すように幅方向他側に広げることで、上側フィルム3の幅方向一側部分3aと幅方向他側部分3bが広がった状態のフィルム5とする。
【0023】
広がった状態のフィルム5を更に搬送しながら広がった状態のフィルム5に矢印Fで示すように幅方向一側に引っ張る力と矢印Gで示すように幅方向他側に引っ張る力を作用して皺がない状態として単数単列連続フィルム6に解反する。
図1(c)に示すように、単数単列連続フィルム6を搬送方向と直交する幅方向にカットして蛇腹状に折り畳んだ製品7とする。
【0024】
次に、図2図3に基づき本発明の解反機の全体構成を説明する。図2は解反機の全体構成を示す上面図、図3は解反機の全体構成を示す側面図である。
図2図3に示すように、解反機10は供給部20、搬送部30、後処理部40を備え、図1に示すようにして筒状連続フィルム1を単数単列連続フィルム6に解反する。
すなわち、供給部20に、筒状連続フィルム1が巻き取られたロール体2が保持され、ロール体2から引き出された偏平状態の筒状連続フィルム1の上側フィルム3の幅方向中心が図3に示す搬送方向カッタ21で搬送方向に連続してカットされ、エアを吹き付けることで幅方向一側部分3aと幅方向他側部分3bを幅方向一側と幅方向他側にそれぞれ広げられながら搬送部30へ搬送される(図1(b)参照)。
【0025】
搬送部30により後処理部40に向けて搬送されながら幅方向一側に引っ張る力と幅方向他側に引っ張る力が付与されて皺がない状態のフィルムに解反し、単数単列連続フィルム6とする(図1(b)参照)。
単数単列連続フィルム6は後処理部40に搬送され、後処理部40では単数単列連続フィルム6を蛇腹状に折り畳むとともに、任意の搬送量に応じて図3に示す後処理部幅方向カッタ41で幅方向にカットして、蛇腹状に折り畳まれた製品7を製造する(図1(c)参照)。
解反機10で加工された製品7は、大型の農業用ビニールハウスなどで使用される。
【0026】
図4図5に基づいて供給部の構成を説明する。図4は供給部の側面図、図5は供給部を搬送部側から見た正面図である。
図4図5に示すように、供給部20はロール体保持部22、供給部幅方向カッタ23、先に述べた搬送方向カッタ21、供給部搬送装置24、バッファ部25とを筒状連続フィルム1の搬送方向に間隔を置いて備えている。供給部幅方向カッタ23と搬送方向カッタ21と供給部搬送装置24とバッファ部25は供給部フレーム20aに取り付けてある。
ロール体保持部22は、解反機10の設置面8に設けられ、2つの保持ローラ22aを有している。原反であるロール体2は2つの保持ローラ22a上に回転自在に保持され、供給部搬送装置24により引き出しされて搬送される。ロール体2の幅方向の側面は、ロール体保持部22に設けられた図示しない部材によって幅方の位置が固定され、幅方に移動しないようにしてある。
【0027】
供給部幅方向カッタ23はロール体保持部22の搬送方向下流側で搬送方向カッタ21の搬送方向上流側に位置し、搬送方向カッタ21で搬送方向にカットされる以前の筒状連続フィルム1を幅方向にカットするためのものである。供給部幅方向カッタ23の構成、幅方向のカットに関する制御の詳細は後述する。
搬送方向カッタ21は供給部幅方向カッタ23の搬送方向下流側で供給部搬送装置24の搬送方向上流側に位置し、筒状連続フィルム1の上側フィルム3を搬送方向に沿って連続してカットするためのものである。搬送方向カッタ21は、筒状連続フィルム1の上側フィルム3を搬送方向に沿って1箇所カットする場合と、解反した単数単列連続フィルム6の幅を調整するために一定の間隔を置いて2箇所カットする場合とを切り替えて使用できる構成としてある。搬送方向カッタ21の構成の詳細は後述する。
【0028】
搬送方向カッタ21で上側フィルム3の幅方向中心を搬送方向に沿って連続してカットされた筒状連続フィルム1(以下、搬送方向に沿ってカットされた筒状連続フィルム1という)は、供給部搬送装置24でバッファ部25に向けて搬送されるが、搬送方向カッタ21で上側フィルム3の2箇所をカットした場合には、2箇所のカット位置の間の部分のフィルムは供給部搬送装置24に向けて搬送されないので無駄なフィルムとなる。
この無駄なフィルムを排出するために、図4に示すように供給部搬送装置24の搬送方向下流側に設けたコンベアなどの不要部排出機構26により解反機10の外に排出される。
排出された無駄なフィルムは、図示しない巻取装置などによって回収するなど任意の方法で処理される。
【0029】
供給部搬送装置24は搬送方向カッタ21の搬送方向下流側でバッファ部25の搬送方向上流側に位置し、ロール体2から筒状連続フィルム1を引き出すものである。
供給部搬送装置24は、図示しない駆動装置で回転される供給部駆動ローラ24aと、供給部駆動ローラ24aの上方に設けられて供給部駆動ローラ24aとで筒状連続フィルム1をニップする供給部ニップローラ24bで構成される。
供給部駆動ローラ24aは筒状連続フィルム1の幅方向に連続した長尺なローラで、供給部ニップローラ24bは筒状連続フィルム1の幅より短い短尺なローラで筒状連続フィルム1の幅方向に間隔を置いて複数配置されている。
供給部ニップローラ24bは、解反機10の運転状況に応じて、供給部駆動ローラ24aとで筒状連続フィルム1をニップするニップ位置と、供給部駆動ローラ24aと離隔して筒状連続フィルム1をニップしない非ニップ位置となるように位置が制御される。
【0030】
供給部ニップローラ24bの位置の制御の一例を説明する。
偏平な状態の筒状連続フィルム1の幅に応じてニップ位置とする供給部ニップローラ24bを選択する。例えば、偏平な状態の筒状連続フィルム1の幅内に位置する供給部ニップローラ24bをニップ位置とし、幅外に位置する供給部ニップローラ24bを非ニップ位置とする。この動作は幅に応じて自動的に行うことができる。
また、筒状連続フィルム1を搬送するときには供給部ニップローラ24bをニップ位置とし、筒状連続フィルム1の搬送が終了したときには供給部ニップローラ24bを非ニップ位置とする。このようにすれば、筒状連続フィルム1の搬送を再開するときに筒状連続フィルム1を供給部駆動ローラ24aまで引き出してセットする操作がやり易い。この動作を自動的に行うことで更に操作がやり易くなる。
【0031】
例えば、筒状連続フィルム1を搬送するときには供給部ニップローラ24bが自動的にニップ位置となり、供給部幅方向カッタ23で筒状連続フィルム1をカットしてロール体2から筒状連続フィルム1が引き出さない状態で供給部搬送装置24により筒状連続フィルム1を搬送し、筒状連続フィルム1の搬送方向後端が供給部搬送装置24を通過して供給部駆動ローラ24a上からなくなった場合には供給部ニップローラ24bを自動的に非ニップ位置に移動して、次に解反を行う筒状連続フィルム1を供給部搬送装置24まで引き出してセットするための状態とする。
このようにすることで、筒状連続フィルム1を解反する作業性が向上される。
【0032】
バッファ部25は、搬送方向に沿ってカットされた筒状連続フィルム1を上側フィルム3の幅方向一側部分3aと幅方向他側部分3bが幅方向両側に広がった状態のフィルム5としながら搬送部30に向けて搬送(図1の(b)参照)するものである。
バッファ部25は、バッファ部フレーム27の上部に設けた搬送方向上流側の上部搬送ローラ28aと、上下中間部に設けた幅方向一対の中間部搬送ローラ28bと、下部に設けた搬送方向下流側の下部搬送ローラ28cを備えている。
供給部搬送装置24で搬送された搬送方向に沿ってカットされた筒状連続フィルム1は上部搬送ローラ28aに向けて搬送されて下側フィルム4の下面が上部搬送ローラ28aに接触し、上側フィルム3は上部搬送ローラ28aに接触しないので、下側フィルム4が下部搬送ローラ28cに向けて下向きに搬送され、下部搬送ローラ28cから搬送部30に向けて搬送される。
【0033】
上側フィルム3は上部搬送ローラ28aには接触せずに広がることができる状態で、後述するエア吹き出し装置50から吹き出すエアによって幅方向一側部分3a、幅方向他側部分3bが幅方向両側に向けて広がり、中間部搬送ローラ28bにより下向きに搬送される。つまり中間部搬送ローラ28bは上部搬送ローラ28aより搬送方向下流側でかつ下方に位置し、広がった幅方向一側部分3aの下面と幅方向他側部分3bの下面が中間部搬送ローラ28bに接触し、下方に搬送される。
これにより、広がった上側フィルム3の幅方向一側部分3a、幅方向他側部分3bが下側フィルム4に再び重なり合うことを防止できる。
このように、中間部搬送ローラ28bは下側フィルム4と上側フィルム3との間に位置するので、上部搬送ローラ28aよりも短く、バッファ部フレーム27の幅方向中央部において回転可能なように片持ち状態で取り付けてある。
上部搬送ローラ28aから搬送部30までの搬送区間がバッファ部25である。
【0034】
バッファ部25は、エア吹き出し装置50、除電装置60を備えている。
エア吹き出し装置50は、図5に示すように、バッファ部フレーム27の筒状連続フィルム1の搬送方向と直交する方向の幅方向両側に設けたブロアなどの一側エア供給源51、他側エア供給源52と、一側エア供給源51に接続した一側エア配管53、他側エア供給源52に接続した他側エア配管54を備え、一側エア配管53と他側エア配管54が筒状連続フィルム1の搬送方向に沿ってカットされ分離した部分(上側フィルム3の幅方向一側部分3aと幅方向他側部分3bとの間)から下側フィルム4と上側フィルム3の幅方向一側部分3aと幅方向他側部分3bとの間に入り込み、一側エア配管53が2つに分かれ、筒状連続フィルム1の下側フィルム4と上側フィルム3の幅方向一側部分3aとの間にエアを吹き付ける一側上部エア吹き出し口55と一側下部エア吹き出し口56を構成し、他側エア配管54が2つに分かれ、筒状連続フィルム1の下側フィルム4と上側フィルム3の幅方向他側部分3bとの間にエアを吹き付ける他側上部エア吹き出し口57と他側下部エア吹き出し口58を構成する。
【0035】
搬送方向に沿ってカットされた筒状連続フィルム1の上側フィルム3の幅方向一側部分3aと幅方向他側部分3bは搬送されるにしたがって順次広がるから、下側フィルム4との境目は搬送されるにしたがって順次幅方向の両側寄りとなるので、図5に示すように、一側上部エア吹き出し口55と他側上部エア吹き出し口57は筒状連続フィルム1の幅方向の中央寄りに位置し、一側下部エア吹き出し口56と他側下部エア吹き出し口58は筒状連続フィルム1の幅方向の両側寄りに位置するようにしてある。
つまり、4つのエア吹き出し口55、56、57、58は下部に向けて(搬送方向に向けて)ハの字形状となるように配列されている。
4つのエア吹き出し口55、56、57、58は斜め上向きで、かつ幅方向両側に向けて開口し、上側フィルム3の幅方向一側部分3a、幅方向他側部分3bを斜め上方でかつ斜め幅方向外側に向けて押し上げながら広げるようにしている。
また、一側上部エア吹き出し口55、他側上部エア吹き出し口57の大きさ(径)を一側下部エア吹き出し口56、他側下部エア吹き出し口58の大きさ(径)に対して大きく、エア吹き出し量を上部側のエア吹き出し口55、57が下部側のエア吹き出し口56、58に対し多くして、上部側の広げる力を下部側の広げる力に対して強くしてある。
【0036】
したがって、一側上部エア吹き出し口55と一側下部エア吹き出し口56は、バッファ部25を搬送される搬送方向に沿ってカットされた筒状連続フィルム1の下側フィルム4と上側フィルム3の幅方向一側部分3aとの境目近くに位置し、吹き出すエアにより幅方向一側部分3aを大きな力で広げることができ、他側上部エア吹き出し口57と他側下部エア吹き出し口58は、バッファ部25を搬送される搬送方向に沿ってカットされた筒状連続フィルム1の下側フィルム4と上側フィルム3の幅方向他側部分3bとの境目近くに位置し、吹き出すエアにより幅方向他側部分3bを大きな力で広げることができ、幅の広い筒状連続フィルム1の上側フィルム3の幅方向一側部分3aと幅方向他側部分3bを広げることができる。
また、図4に示すように、上部搬送ローラ28aから下部搬送ローラ28cに向けて搬送される下側フィルム4は斜め下向きに搬送されるので、一側上部エア吹き出し口55、他側上部エア吹き出し口57よりも一側下部エア吹き出し口56、他側下部エア吹き出し口58を搬送部30寄りの位置として各エア吹き出し口55、56、57、58と下側フィルム4との間隔が同じとなるようにしてある。
【0037】
このように、上側フィルム3の幅方向一側部分3aと幅方向他側部分3bをエアの吹き付けにより広げるので、筒状連続フィルム1の幅に応じて各エア吹き出し口55、56、57、58の位置を変更したり、吹き出しするエア吹き出し速度、エア吹き出し量を調節することによって広げることができる。したがってフィルムの幅に制限を受けることがなく、幅の広い大型の農業用ビニールハウスに用いるようなフィルムであっても広げることができる。
また、バッファ部25を搬送される筒状連続フィルム1は、上から下に向けて搬送され、上側フィルム3の幅方向一側部分3aと幅方向他側部分3bおよび下側フィルム4は縦向きの姿勢で搬送され、上側フィルム3の幅方向一側部分3a、幅方向他側部分3bが下側フィルム4に自重で接することがないとともに、上側フィルム3の幅方向一側部分3aと幅方向他側部分3bが広がり易く、確実に広げることができる。
【0038】
各エア吹き出し口55、56、57、58のエア吹き出し量は任意に設定することができる。例えば、各エア吹き出し口55、56、57、58の大きさ(径)を変えてエア吹き出し量を設定する。各エア吹き出し口55、56、57、58ごとにエア供給源を設け、エア供給量を変えてエア吹き出し量を設定する。
また、各エア吹き出し口55、56、57、58の角度(吹き出す方向)や、個数、大きさは搬送する筒状連続フィルム1(フィルム)の材質や幅、厚みなどに応じて任意に変更できる。
また、一側上部エア吹き出し口55、他側上部エア吹き出し口57のエア吹き出し角度を、筒状連続フィルム1の下側フィルム4と上側フィルム3の内側において、カット位置に対して幅方向の一方向と他方向に向かう方向から、搬送方向上流側に角度を持たせて設けことができる。この角度とすることで、上部(搬送方向上流側)から搬送されてくる筒状連続フィルム1の下側フィルム4と上側フィルム3の内側に向かい、かつ上側フィルム3を広げる方向にエアが吹き付けられるので、筒状連続フィルム1を円滑に搬送でき、下流側で皺になることを防止できる。
【0039】
一側下部エア吹き出し口56、他側下部エア吹き出し口58のエア吹き出し角度は、一側上部エア吹き出し口55、他側上部エア吹き出し口57のエア吹き出し角度に対して、一側上部エア吹き出し口55、他側上部エア吹き出し口57側に向かうように設けられている。この角度とすることで、一側下部エア吹き出し口56、他側下部エア吹き出し口58からのエアが一側上部エア吹き出し口55、他側上部エア吹き出し口57からのエアを補助するように吹き出しされるので、一側上部エア吹き出し口55、他側上部エア吹き出し口57からのエア吹き出しの効果を高め、筒状連続フィルム1を円滑に搬送でき、下流側で皺になることを防止できる。
また、4つのエア吹き出し口55、56、57、58を搬送方向から見たときに、ハの字形状となるように配列したことで、幅の広い大型の農業用ビニールハウスに用いるフィルムであっても円滑に搬送でき、下流側で皺が発生することを防止できる。
【0040】
除電装置60は、筒状連続フィルム1に帯電している静電気をバッファ部25で搬送される際に除去するものであり、バッファ部フレーム27に取り付けてある。つまり、筒状連続フィルム1は偏平な状態で搬送されるので上側フィルム3と下側フィルム4間で静電気が発生して帯電するので上側フィルム3の幅方向一側部分3a、幅方向他側部分3bと下側フィルム4同士が静電気により張り付き、幅方向一側部分3a、幅方向他側部分3bを広げる妨げとなるので、静電気を除去する除電装置60を備えている。
除電装置60は、長い棒状である幅方向一側除電部材61と長い棒状である幅方向他側除電部材62を有し、幅方向一側除電部材61は下側フィルム4と上側フィルム3の幅方向一側部分3aとの間に位置するように上下方向に向けて取り付けられ、幅方向他側除電部材62は下側フィルム4と上側フィルム3の幅方向他側部分3bとの間に位置するように上下方向に向けて取り付けられている。
【0041】
幅方向一側除電部材61は、上部が幅方向中央寄りで下部が幅方向一側寄りとなるように垂直姿勢に対して幅方向に斜めの姿勢で取り付けられ、幅方向他側除電部材62は、上部が幅方向中央寄りで下部が幅方向他側寄りとなるように垂直姿勢に対して幅方向に斜めの姿勢で取り付けられ、幅方向一側除電部材61と幅方向他側除電部材62は、搬送方向である上方から下方に向けて広がったハの字形状に取り付けてある。
これにより、幅方向一側除電部材61は上側フィルム3の幅方向一側部分3aと下側フィルム4との境目に沿うように位置し、幅方向他側除電部材62は上側フィルム3の幅方向他側部分3bと下側フィルム4との境目に沿うように位置するので、幅方向一側部分3a、幅方向他側部分3bが順次広げられても、上側フィルム3の幅方向一側部分3a、幅方向他側部分3bと下側フィルム4に帯電した静電気を除去できる。
【0042】
また、幅の広い大型の農業用ビニールハウスに用いるフィルムとする幅広い筒状連続フィルム1であっても上側フィルム3と下側フィルム4の間で発生した静電気を除去でき、静電気による上側フィルム3と下側フィルム4同士の張り付きを防止して円滑に搬送して、下流側で皺になることを防止できる。
また、幅方向一側除電部材61、幅方向他側除電部材62は4つのエア吹き出し口55、56、57、58と隣接して設けてあるので、4つのエア吹き出し口55、56、57、58から吹き出したエアの流れに沿って、幅方向一側除電部材61、幅方向他側除電部材62が除電のために発生させたイオンが上側フィルム3の幅方向一側部分3aと下側フィルム4の間、上側フィルム3の幅方向他側部分3bと下側フィルム4との間に向かうので、静電気を効率良く除去できる。
また、筒状連続フィルム1の幅が異なる場合には、幅に応じて幅方向一側除電部材61と幅方向他側除電部材62を幅方向に位置をずらして取り付けることで静電気を除去できるから、幅の広い農業用ビニールハウスに用いるフィルムでも静電気を除去できる。
幅方向一側除電部材61、幅方向他側除電部材62は、イオンを発生させ静電気を除去するイオナイザーなどの公知のものを使用できる。
【0043】
上部搬送ローラ28aと中間部搬送ローラ28bと下部搬送ローラ28cの上下方向の位置を任意に調整できるように構成してある。例えば、供給部フレーム20aにローラ取付部材63とバッファ部フレーム27を上下移動自在にそれぞれ取り付け、ローラ取付部材63に上部搬送ローラ28aを取り付け、バッファ部フレーム27に中間部搬送ローラ28b、下部搬送ローラ28cを取り付ける。このように構成することで、中間部搬送ローラ28b、下部搬送ローラ28cとともにバッファ部フレーム27が上下に移動するので、4つのエア吹き出し口55、56、57、58、除電装置60と中間部搬送ローラ28b、下部搬送ローラ28cの位置関係が変化しないので、先に述べたようにエアによる広げる動作、静電気の除去動作を行うことができる。
また、供給部フレーム20aにローラ取付部材63とバッファ部フレーム27を固定で取り付けして、ローラ取付部材63に上部搬送ローラ28aを上下移動自在に取り付け、バッファ部フレーム27に中間部搬送ローラ28b、下部搬送ローラ28cを上下移動自在にそれぞれ取り付けしてもよい。
この場合には、上部搬送ローラ28a、中間部搬送ローラ28bおよび下部搬送ローラ28cの上下移動に伴って、各エア吹き出し口55、56、57、58および除電装置60の位置を調整する。
ローラ取付部材63とバッファ部フレーム27を上下移動自在にそれぞれ取り付けする場合よりも簡易な構成で上部搬送ローラ28a、中間部搬送ローラ28bおよび下部搬送ローラ28cの位置が調整できる。
解反する筒状連続フィルム1の幅に応じて上部搬送ローラ28a、中間部搬送ローラ28b、下部搬送ローラ28cの上下位置を調整してバッファ部25の筒状連続フィルム1の搬送距離を調整する。
【0044】
例えば、筒状連続フィルム1の幅が広い場合には、上側フィルム3の幅方向一側部分3a、幅方向他側部分3bの幅方向長さが長いので、広げるために必要とする搬送距離が長くなるから、上部搬送ローラ28aと下部搬送ローラ28c間の距離を長くして搬送距離を長くする。
筒状連続フィルム1の幅が狭い場合には、上側フィルム3の幅方向一側部分3a、幅方向他側部分3bの幅方向長さが短く、広げるために必要とする搬送距離が短くてよいから、上部搬送ローラ28aと下部搬送ローラ28c間の距離を短くして搬送距離を短くする。
このようにすれば、幅の広い筒状連続フィルム1を解反できるとともに、幅の狭い筒状連続フィルム1を短時間で解反できる。
以上の説明では中間部搬送ローラ28bを設けたが、中間部搬送ローラ28bを設けなくとも筒状連続フィルム1を搬送することができる。
【0045】
搬送部30は供給部20から搬送された上側フィルム3の幅方向一側部分3aと幅方向他側部分3bが広がった状態のフィルム5(以下、フィルム5という)を、搬送しながら更に広げて下側フィルム4と幅方向一側部分3aと幅方向他側部分3bを一枚のフィルム状に広げ、そのフィルムを皺のない状態として単数単列連続フィルム6とし、その単数単列連続フィルム6を後処理部40に向けて搬送するものである。
図6から図8に基づいて搬送部の構成を説明する。図6は搬送部の上面図、図7は搬送コンベアの上面図、図8は搬送コンベアの側面図である。
図6に示すように搬送部30はフィルムを吸着して搬送する機能を有する搬送コンベア装置31を備え、搬送コンベア装置31の搬送面31aは、図3に示すように供給部20の下部搬送ローラ28cよりも上方に位置している。
【0046】
搬送コンベア装置31は、幅が最も狭い搬送方向上流側部31bと、幅が中間の値である搬送方向中間部31cと、幅が最も広く単数単列連続フィルム6の幅と同じ又は少し広い幅である搬送方向下流側部31dとを有し、各部31b、31c、31dの幅方向中心は一直線状に連続している。つまり、幅が搬送方向上流側から下流側に向けて段階的に広くなる構成である。搬送コンベア装置31の幅方向中心はバッファ部25の幅方向中心と一直線状に連続している。なお、搬送コンベア装置31の幅を搬送方向上流側から下流側に向けて順次広くなるようにしてもよい。
このようであるから、搬送コンベア装置31は、最初に、下部搬送ローラ28cから搬送されたフィルム5の幅方向中央部の幅の狭い部分を搬送し、段階的に幅方向中央部の幅の広い部分を搬送し、最終的には単数単列連続フィルム6の幅方向全域を搬送することになる。
【0047】
搬送コンベア装置31の搬送面31aが供給部20の下部搬送ローラ28cよりも上方に位置しているので、下部搬送ローラ28cから搬送されたフィルム5は、図3に示すように幅方向の両側部(上側フィルム3の幅方向一側部分3a、幅方向他側部分3b)が自重で垂れ下がり、解反機10の設置面8に接触し、幅方向中央部は設置面8と離れて斜め上方に向かう姿勢で搬送コンベア31に向けて搬送される。
そして、最初にフィルム5の幅方向中央部が搬送コンベア装置31の搬送面31aに搬送され、幅方向の両側部は搬送方向下流側に搬送されにつれて搬送コンベア装置31の搬送面31aに順次搬送される。
【0048】
そこで、搬送コンベア装置31の搬送方向上流側端(供給部20と対向する端)に、供給側案内部32を取り付け、解反機10の設置面8のフィルム5が接触する部分に、フィルム5の損傷の防止および静電気が発生することを防止するための帯電防止用のマットやシートなどを任意に設置する。更に、フィルム5と帯電防止用のマットやシートなどの接触抵抗を少なくするために、フィルム5の搬送方向に沿って、上流側から下流側、または下流側から上流側にエアを吹き付けるエア吹付機構を設けてもよい。
供給側案内部32は案内部フレーム32aに図示しないベルトコンベアを設けたもので、そのベルトコンベアの搬送面が供給部20に向けて斜め下向きとなるように取付け、図3に示すようにフィルム5の幅方向中央部が供給側案内部32のベルトコンベアにより搬送コンベア装置31の搬送面31aまで搬送されるようにしてある。
【0049】
このようにすることで、フィルム5の幅方向中央部を搬送コンベア装置31の搬送方向上流側部31bにスムーズに搬送できる。
供給側案内部32の取り付け角度(ベルトコンベアの角度)は、下部搬送ローラ28cと搬送コンベア装置31の搬送面31aの搬送方向上流側端を結ぶ直線の角度と同じ角度である。
その直線の角度は下部搬送ローラ28cから搬送コンベア装置31までの距離に応じて変化するので、供給側案内部32の取り付け角度を調整可能としてある。
例えば、案内部フレーム32aを搬送コンベア装置31の搬送面31aの搬送方向上流側端に上下方に揺動可能に取り付け、任意の角度で固定できるように取り付ける。
供給側案内部32はベルトコンベアを備えずに案内面を有するものとし、フィルム5がその案内面に沿って搬送コンベア装置31の搬送面31aまで移動するものとしてもよい。
【0050】
フィルム5の幅方向中央部は供給側案内部32により搬送コンベア装置31の搬送面31aの幅方向中央部(搬送コンベア装置31の搬送方向上流側部31bの搬送面31a)にスムーズに搬送されるが、フィルム5の供給側案内部32よりも幅方向一側寄りの部分と幅方向他側寄りの部分は、自重により垂れ下がった状態であり、フィルム5の搬送につれて搬送コンベア装置31の搬送面31aの幅方向一側部分と幅方向他側部分に順次持ち上げられるようにして搬送されるので、搬送コンベア装置31の角部などに引っかかりスムーズに搬送できないことがある。
そこで、搬送コンベア装置31の搬送方向上流側部31bの幅方向一側の上流側端と搬送方向下流側部31dの幅方向一側の上流側端に亘って幅方向一側ガイド33を、搬送コンベア装置31の幅方向一側に沿って取り付け、搬送コンベア装置31の搬送方向上流側部31bの幅方向他側の上流側端と搬送方向下流側部31dの幅方向他側の上流側端に亘って幅方向他側ガイド34を、搬送コンベア装置31の幅方向他側に沿って取り付けてある。
【0051】
幅方向一側ガイド33は搬送方向上流側端が幅方向中央寄りで、搬送方向下流側端が幅方向一側寄りとなるように搬送方向と平行に対して搬送方向に斜めとなり、その上面は円弧状で搬送コンベア装置31の搬送面31aと同じ高さである。
幅方向他側ガイド34は搬送方向上流側端が幅方向中央寄りで、搬送方向下流側端が幅方向他側寄りとなるように搬送方向と平行に対して搬送方向に斜めとなり、その上面は円弧状で搬送コンベア装置31の搬送面31aと同じ高さである。
これにより、幅方向一側ガイド33と幅方向他側ガイド34の搬送方向上流側の間隔が狭く、搬送方向下流側の間隔が広くなり、搬送方向下流側に向けて広がるV字状に配置されている。
【0052】
これにより、幅方向一側ガイド33と幅方向他側ガイド34とで搬送コンベア装置31の搬送方向上流側部31b、搬送方向中間部31cの幅方向両側を囲み、上面形状が搬送方向下流側に向けて広がったV字状のガイド(33、34)を構成している。
幅方向一側ガイド33と幅方向他側ガイド34の搬送方向下流側の間隔は、単数単列連続フィルム6の状態に解反したときの幅と同じ、もしくは広くしてあり、V字状のガイド(33、34)は単数単列連続フィルム6の幅全体を案内できる構成である。
これにより、解反したときに幅が広い大型の農業用ビニールハウスに用いるフィルムであっても搬送中のガイドとの摩擦によって皺が生じることがなく単数単列連続フィルム6の状態に解反できる。
【0053】
幅方向一側ガイド33と搬送コンベア装置31の搬送方向上流側部31bの幅方向一側面、搬送方向中間部31cの幅方向一側面との間には隙間があり、広がったフィルム5の供給側案内部32よりも幅方向一側寄りの部分を幅方向一側ガイド33から搬送コンベア装置31の搬送面31aまでスムーズに移動できないことがあるので、その間に幅方向一側案内板35を設け、スムーズに移動できるようにしている。
幅方向他側ガイド34と搬送コンベア装置31の搬送方向上流側部31bの幅方向他側面、搬送方向中間部31cの幅方向他側面との間には隙間があり、広がったフィルム5の供給側案内部32よりも幅方向他側寄りの部分を幅方向他側ガイド34から搬送コンベア装置31の搬送面31aまでスムーズに移動できないことがあるので、その間に幅方向他側案内板36を設け、スムーズに移動できるようにしている。
【0054】
これにより、フィルム5の供給側案内部32よりも幅方向一側寄りの部分と幅方向他側寄りの部分は、フィルム5の搬送につれて幅方向一側ガイド33と幅方向他側ガイド34に沿って順次スムーズに搬送コンベア装置31の搬送面31aまで搬送され、しかもフィルム5の供給側案内部32よりも幅方向一側寄りの部分、幅方向他側寄りの部分は、自重で垂れ下がっているので上から下に向けて直線的な状態であるから、搬送コンベア装置31の搬送面31aにスムーズに搬送される。
また、幅方向一側ガイド33と幅方向他側ガイド34は、搬送方向上流側の間隔が狭く、搬送方向下流側の間隔が広い搬送方向下流側に向けて広がったV字状となるように斜めに配置されているので、フィルム5の供給側案内部32よりも幅方向一側寄りの部分と幅方向他側寄りの部分が両方のガイド33、34に沿って搬送面31aに移動したフィルム5には幅方向一側に向かう引っ張り力と幅方向他側に向かう引っ張り力が働くので、広がったフィルム5は幅方向両側に向けて引っ張られながら搬送されるので、皺の発生を防止できるとともに、安定して搬送される。
しかも、広がったフィルム5の供給側案内部32よりも幅方向一側寄りの部分と幅方向他側寄りの部分が両方のガイド33、34に沿って搬送されるので、幅方向に曲がることなく真直ぐに搬送することができる。
【0055】
幅方向一側ガイド33、幅方向他側ガイド34には複数のエア吸引口(図示せず)が長手方向に一定間隔で形成してあり、そのエア吸引口を図示しないエア吸引源に接続し、エア吸引口からエアを吸引するようにすることで、各ガイド33、34に沿って搬送コンベア装置31の搬送面31aまで移動するフィルム5を吸着し、各ガイド33、34に沿って移動する抵抗が大きくなり、幅方向両側に向けて引っ張る力が強くなり、皺の発生をより防止できるとともに、より安定して搬送される。
搬送コンベア装置31の搬送方向下流側部31dに幅方向一側搬送部押圧ローラ37と幅方向他側搬送部押圧ローラ38が設けてある。
幅方向一側搬送部押圧ローラ37は、幅方向一側端が幅方向他側端よりも搬送方向上流側となるように斜めに設けられた回転軸37aに複数のローラ37bが取り付けてあり、そのローラ37bが搬送方向下流側部31dの搬送面31aに押しつけられるように設けてある。
回転軸37aを図示しない駆動装置で回転することで、搬送方向下流側部31dで搬送されている単数単列連続フィルム6に搬送方向に向かう搬送力と、幅方向一側に向かう引っ張り力が作用する。
【0056】
幅方向他側搬送部押圧ローラ38は、幅方向一側端が幅方向他側端よりも搬送方向下流側となるように斜めに設けられた回転軸38aに複数のローラ38bが取り付けてあり、そのローラ38bが搬送方向下流側部31dの搬送面31aに押しつけられるように設けてある。
回転軸38aを図示しない駆動装置で回転することで、搬送方向下流側部31dで搬送されている単数単列連続フィルム6に搬送方向に向かう搬送力と、幅方向他側に向かう引っ張り力が作用する。
すなわち、幅方向一側搬送部押圧ローラ37と幅方向他側搬送部押圧ローラ38は、搬送方向上流側に向けて広がったハの字形状に配置されて、単数単列連続フィルム6を搬送しながら幅方向両側に向かう引っ張り力を作用する部材を構成している。
これにより、搬送コンベア装置31の搬送方向下流側部31dで搬送されている単数単列連続フィルム6が幅方向両側に向けて引っ張られ、皺のない単数単列連続フィルム6とすることができる。
また、回転軸37aと回転軸38aに駆動装置を設けず、ローラ37bとローラ38bが単数単列連続フィルム6の搬送に従動して回転するようにしてもよい。この場合にも、ローラ37bにより単数単列連続フィルム6に幅方向一側に向かう引っ張り力が作用し、ローラ38bにより単数単列連続フィルム6に幅方向他側に向かう引っ張り力が作用する。
【0057】
このように、本発明の解反機10は、搬送方向に沿ってカットされた筒状連続フィルム1を、エアを吹き付けることで広がったフィルム5とし、その広がったフィルム5を搬送しながら幅方向両側に引っ張って皺のない状態とすることで、単数単列連続フィルム6の状態に解反する構成であるので、解反できる単数単列連続フィルム6の幅に制限を受けることがなく、大型の農業用ビニールハウスに用いる幅が4500mm以上のフィルムを解反できる。
つまり、広がったフィルム5を吸引して搬送可能な搬送コンベア装置31を解反する1枚に広がったフィルム5の幅全体を案内できるように設けることで、解反したときの幅が広い大型の農業用ビニールハウスに用いるフィルムであっても安定して搬送して、皺がない状態の単数単列連続フィルム6の状態に解反できる。
【0058】
実施例では、筒状連続フィルム1は、幅が2300mm~4600mmの農業用ポリオレフィンフィルムで(解反された単数単列連続フィルム6の幅は4600mm~9200mm)、農業用ポリオレフィンフィルムの厚みは、0.05mm、0.075mm、0.1mm、0.13mm、0.15mmとなっているが、上述したように、大型の農業用ビニールハウスに用いるフィルムであっても安定して搬送させ、皺が生じることなく解反できる。
また、実施例での搬送速度は最大24m/min(条件により変動)である。
【0059】
次に、搬送コンベア装置31の構成を説明する。
実施の形態では、搬送コンベア装置31を、一つの搬送コンベア39により搬送方向上流側部31bとし、2つの搬送コンベア39を幅方向に並べて第1の搬送方向中間部31c-1とし、2つの搬送コンベア39を幅方向に並べ、両側に補助搬送コンベア39aをそれぞれ並べて第2の搬送方向中間部31c-2とし、6つの搬送コンベア39を幅方向に並べて搬送方向下流側部31dとしている。
搬送コンベア装置31をこのように構成することで、短い長さで幅狭い小型の搬送コンベア39、39aを並べることで幅広いフィルムを搬送する搬送コンベア装置31を構成でき、搬送コンベア装置31を簡単で、コスト安に製作できる。
搬送コンベア39はフィルム5を吸着して搬送する機能を有している。
V字状のガイド(33、34)と搬送コンベア39は、単数単列連続フィルム6の状態に解反したときに幅全てを案内できるように配置される。搬送コンベア39の個数は実施の形態に限定されず、搬送コンベア39の長さ、幅(大きさ)を変更して、設置する個数を任意に変えてもよい。
【0060】
図7図8に基づき搬送コンベア39の構成を説明する。
搬送コンベア39は、コンベアフレーム70に搬送コンベア上流側ローラ71と搬送コンベア下流側ローラ72が設けてあり、搬送コンベア上流側ローラ71と搬送コンベア下流側ローラ72に亘り2つの吸引搬送ベルト73と3つの搬送ベルト74が幅方向に交互に複数掛け渡してある。実施の形態では、幅方向中央部に1つの搬送ベルト74が掛け渡してあり、その搬送ベルト74の幅方向両側に吸引搬送ベルト73がそれぞれ掛け渡ししてあり、各吸引搬送ベルト73の幅方向外側に1つの搬送ベルト74が掛け渡してある。
搬送コンベア上流側ローラ71と搬送コンベア下流側ローラ72の一方には図示しない駆動装置が設けてあり、その駆動装置により回転される。
【0061】
吸引搬送ベルト73は一定間隔で吸引穴73aが開口されたベルト部材であり、搬送ベルト74は吸引穴73aを持たない通常のベルト部材である。
吸引搬送ベルト73の上下のベルト間には吸引ボックス75が搬送方向に連続して設けてあり、吸引ボックス75は吸引搬送ベルト73の吸引穴73aからエアを吸引するスリット状の穴75aが形成してあるとともに、エア配管76が接続してある。エア配管76はブロア77に接続してあり、ブロア77を駆動してエアを吸引することでエア配管76、吸引ボックス75のスリット状の穴75aを経て吸引穴73aからエアを吸引することで吸引搬送ベルト73がフィルム5を吸引する。つまり、吸引ボックス75とエア配管76とブロア77とで吸引機構を構成している。
【0062】
第1の搬送方向中間部31c-1を構成する搬送コンベア39の吸引搬送ベルト73と第2の搬送方向中間部31c-2を構成する搬送コンベア39の吸引搬送ベルト73は連続し、その吸引搬送ベルト73は搬送方向下流側部31dを構成する搬送コンベア39の吸引搬送ベルト73と連続している。
すなわち、搬送コンベア装置31は、搬送方向上流側の幅方向中央に吸引搬送ベルト73を備え、搬送方向中間の幅方向中間に吸引搬送ベルト73を備え、搬送方向下流側の幅方向に亘って間隔を置いて複数の吸引搬送ベルト73を備えている。
これにより、搬送コンベア装置31は、搬送方向上流から下流までに亘って広がったフィルム5の幅方向中央を吸引して搬送し、搬送方向下流側では幅方向の全体を吸引して搬送する。
【0063】
これにより、搬送コンベア装置31は、搬送方向上流においてはフィルム5の供給側案内部32で搬送された幅方向中央部を吸引して搬送し、搬送方向中間では幅方向両側の中間部を吸引して搬送して、フィルム5の供給側案内部32よりも幅方向両側寄りがV字状のガイド(33、34)を案内として搬送面31aに移動しやすくし、搬送方向下流では幅方向の全域を吸引搬送して皺のない状態にできる。
なお、全ての吸引搬送ベルト73により広がったフィルム5を吸引するようにしてもよいが、任意の吸引搬送ベルト73により吸引するように変更してもよい。
また、搬送コンベア装置31を構成する搬送コンベア39のなかには吸引搬送ベルト73を有していない補助搬送コンベア39aが含まれていてもよい。
すなわち、搬送するフィルム5の材質や幅、厚みなどにより吸引して搬送する部分が異なることがあるので、吸引して搬送する部分に応じて吸引搬送ベルト73の位置などを変更する。
【0064】
また、搬送コンベア装置31を構成する複数の搬送コンベア39の搬送コンベア上流側ローラ71、搬送コンベア下流側ローラ72のいずれかに接続した駆動装置は、搬送コンベア39ごとに独立して制御ができるので、搬送するフィルム5の材質や幅、厚みなどに応じて部分的に搬送速度を変えることで、フィルム5に発生する張力などを調整でき、皺のない状態とすることができる。
また、搬送コンベア39の駆動は、供給部20の供給部搬送装置24や、エア吹き出し装置50、後に説明する後処理部搬送装置42と連動する制御として、フィルム5に発生する張力などを調整してもよい。
また、搬送するフィルム5の幅に応じて広がったフィルム5の搬送をしない搬送コンベア39がある場合は、搬送をしない搬送コンベア39を駆動させないようにして、搬送コンベア39の長寿命化および消費電力の抑制ができる。
また、幅方向の搬送コンベア39の駆動を連結して、制御や駆動装置のコストを抑えた構成としてもよい。
各搬送コンベア39の図示しない駆動装置は、過負荷の検知により停止する機能を備えてもよい。各搬送コンベア39の図示しない駆動装置が停止した場合には、解反機10全体を停止させてもよい。
【0065】
搬送コンベア39のブロア77は、各搬送コンベア39で独立して制御できるので、搬送する広がったフィルム5の材質や幅、厚みなどに応じて部分的に吸引量を変えることで、フィルム5に発生する張力などを調整できる。
ブロア77は、供給部搬送装置24や、エア吹き出し装置50、後処理部搬送装置42と連動する制御として、フィルム5に発生する張力などを調整してもよい。
また、搬送するフィルム5の幅に応じて使用しないブロア77を停止することで、ブロア77の長寿命化および消費電力の抑制ができる。
【0066】
図6に示すように、搬送方向に隣接する搬送コンベア39間、例えば搬送方向上流側部31bを構成する搬送コンベア39と第1の搬送方向中間部31c-1を構成する搬送コンベア39との間に中間案内部78を設けることができるとともに、搬送方向下流側部31dを構成する搬送コンベア39の後処理部40側に下流側案内部79を設けることができる。
中間案内部78、下流側案内部79は、先に述べた供給側案内部32と同様にコンベアベルト(図示せず)を備え、中間案内部78はフィルム5を下流側に搬送し、下流側案内部79は単数単列連続フィルム6を下流側に搬送する。
中間案内部78、下流側案内部79を設けることで、搬送コンベア39の長さを変えずに搬送コンベア装置31の全長を変えることができ、中間案内部78、下流側案内部79は搬送コンベア装置31を配置する間隔を調整するために設けられる。
【0067】
中間案内部78、下流側案内部79を搬送コンベア装置31の搬送面31aに対して下方に稼働できるように構成することで、各部のメンテナンスのための空間を確保することが可能になる。
供給側案内部32、中間案内部78、下流側案内部79のベルトコンベアの駆動は、搬送コンベア装置31を構成する搬送コンベア39の吸引搬送ベルト73、搬送ベルト74の駆動と連動してもよく、独立した駆動装置を設けて制御してもよい。
【0068】
図9図10に基づき後処理部の構成を説明する。図9は後処理部の側面図、図10は後処理部を搬送方向下流側から見た正面図である。
実施の形態では後処理部40は単数単列連続フィルム6を蛇腹状に折り畳む折装置となっている。後処理部40は折装置に限ることはなく、他の装置へ単数単列連続フィルム6を搬送するデリバリー装置など任意の装置とすることができる。
後処理部40は、後処理部搬送装置42、先に述べた後処理部幅方向カッタ41、首振り装置43を備えており、搬送部30で解反されて搬送されてきた単数単列連続フィルム6を畳み、かつ任意の搬送距離に応じて後処理部幅方向カッタ41で幅方向にカットすることで、蛇腹状に複数回折り畳まれた製品7とする。
後処理部搬送装置42は後処理部幅方向カッタ41の搬送方向上流側に位置し、搬送部30から搬送された単数単列連続フィルム6を後処理部幅方向カッタ41に向けて搬送する。
後処理部搬送装置42は、図示しない駆動装置で回転される後処理部駆動ローラ44と、後処理部駆動ローラ44の上方に設けられて後処理部駆動ローラ44とで単数単列連続フィルム6をニップする後処理部ニップローラ45で構成される。
【0069】
後処理部駆動ローラ44は単数単列連続フィルム6の幅方向に連続した長尺なローラで、後処理部ニップローラ45は単数単列連続フィルム6の幅より短い短尺なローラで幅方向に間隔を置いて複数配置されている。
後処理部ニップローラ45は、解反機10の運転状況に応じて、後処理部駆動ローラ44とで単数単列連続フィルム6をニップするニップ位置と、後処理部駆動ローラ44と離隔して単数単列連続フィルム6をニップしない非ニップ位置となるように位置が制御される。
【0070】
後処理部ニップローラ45の制御の一例を説明する。
単数単列連続フィルム6の幅に応じてニップ位置とする後処理部ニップローラ45を選択する。例えば、単数単列連続フィルム6の幅内に位置する後処理部ニップローラ45をニップ位置とし、幅外に位置する後処理部ニップローラ45を非ニップ位置とする。この動作は幅に応じて自動的に行うことができる。
また、単数単列連続フィルム6を搬送するときには後処理部ニップローラ45をニップ位置とし、単数単列連続フィルム6が後処理部駆動ローラ44上からなくなった場合(搬送が終了したとき)には後処理部ニップローラ45を後処理部駆動ローラ44から離隔した非ニップ位置とする。このようにすれば、単数単列連続フィルム6の搬送を再開するときに単数単列連続フィルム6を後処理部搬送装置42にセットする操作がやり易い。
【0071】
この動作を自動的に行うことで更に操作がやり易くなり、作業性が向上される。
例えば、単数単列連続フィルム6を搬送するときには後処理部ニップローラ45が自動的にニップ位置となり、単数単列連続フィルム6の搬送方向後端が後処理部搬送装置42を通過して後処理部駆動ローラ44上からなくなった場合には後処理部ニップローラ45を自動的に非ニップ位置に移動して、次に搬送する単数単列連続フィルム6を後処理部搬送装置42にセットできる状態とする。
このようにすることで、筒状連続フィルム1を解反する作業性が向上される。
後処理部幅方向カッタ41の構成、幅方向のカットに関する制御の詳細は後述する。
【0072】
首振り装置43は、後処理部フレーム40aに幅方向に亘って設けた首振り装置上流側ローラ46と、首振り装置上流側ローラ46を支点として上下方向に揺動する首振り装置搬送面となる板部材47と、板部材47の先端部に設けた首振り装置下流側ローラ48と、両ローラ46、48間に掛け渡された首振り装置ベルト49で構成され、首振り装置ベルト49は首振り装置上流側ローラ46を支点に上下方向に揺動する。
単数単列連続フィルム6は首振り装置ベルト49により搬送方向下流側(下方)に搬送され、首振り装置ベルト49の上下揺動により蛇腹状に折り畳まれて排出される。
また、単数単列連続フィルム6は搬送量に応じて後処理部幅方向カッタ41によって任意に長さにカットされる。
後処理部40により任意の長さでカットされ蛇腹状に折り畳まれた製品7は、農業用ビニールハウスなどに使用される。
【0073】
図11に基づいて後処理部幅方向カッタの構成を説明する。図11は後処理部幅方向カッタの正面図である。
図11に示すように、後処理部幅方向カッタ41はカッタ部80を単数単列連続フィルム6の幅方に移動して幅方向にカットするもので、幅方向にカットされた単数単列連続フィルム6は搬送部30側に保持される上流側部分6aと後処理部40側に切り落としされる下流側部分6bとに分離する。
カッタ部80は、カッタ部保持部81に設けた上回転刃80aと下回転刃80bとを有し、上回転刃80aと下回転刃80bを矢印で示すように反対方向に回転しながらカッタ部保持部81をカッタ部移動装置82により矢印H方向に移動して単数単列連続フィルム6を幅方に連続してカットする。
【0074】
カッタ部移動装置82は、移動部材83とベルト部材84を備え、移動部材83にカッタ部保持部81が取り付けてある。
ベルト部材84は図10に示すように、後処理部フレーム40aの幅方向一側の後処理部駆動ローラ44よりも外側(単数単列連続フィルム6の幅方向一側端よりも外側)に設けた一側ローラ84aと、幅方向他側の後処理部駆動ローラ44よりも外側(単数単列連続フィルム6の幅方向他側端よりも外側)に設けた他側ローラ84bとにベルト84cを掛け渡し、どちらか一方のローラを駆動装置で駆動することでベルト84cが回転する構成である。
移動部材83には複数のローラ83aとベルト固定用下部材83bとベルト固定用上部材83cが設けてあり、各ローラ83aにベルト84cが掛けてあり、ベルト固定用下部材83bとベルト固定用上部材83cとでベルト84cを挟持することにより、ベルト84cが回転することで移動部材83が図示しないガイドに沿って幅方向に移動するように構成してある。
【0075】
このようであるから、カット開始するときにはベルト84cを一方向(図10で時計方向)に回転することで移動部材83とともにカッタ部80を幅方向他側から一側に向けて矢印H方向に移動して単数単列連続フィルム6を幅方にカットし、幅方向一側のカット終了位置まで移動する。
カット終了後にはベルト84cを他方向(図10の反時計方向)に回転することで移動部材83とともにカッタ部80を幅方向一側から幅方向他側に向けて矢印I方向に移動して幅方向他側の待機位置まで移動し、次のカット動作まで待機する。
このようであるから単数単列連続フィルム6をカットしないときには後処理部幅方向カッタ41は単数単列連続フィルム6よりも幅方向外側に位置し、搬送の妨げにはならない。
【0076】
図10に示すように、後処理部フレーム40aの幅方向他側に他側センサ85が設けられている。他側センサ85により、解反機10の運転を開始するときに移動部材83(カッタ部80)を検知し、移動部材83の移動を制御するための基準の位置(原点)を決定する。
なお、図10にはベルト部材84と移動部材83が図示してあるが、他の部材は図示していない。
この他側センサ85により検知した位置を基準に、後処理部幅方向カッタ41を自動的に制御できる。
【0077】
例えば、他側センサ85の検知によりカッタ部80の位置を確認する。
カット開始時期となったらベルト84cを一方向に回転して移動部材83とともにカッタ部80を幅方向一側に向けて移動して単数単列連続フィルム6を幅方向にカットする。
カッタ部80の幅方向の移動量は、前述の一側ローラ84aと他側ローラ84bのどちらか一方のローラに設けた図示しない駆動装置により制御される。図示しない駆動装置としては公知のサーボモータなどを使用できる。
単数単列連続フィルム6を幅方向にカット後、ベルト84cを停止し、他方向に回転して移動部材83とともにカッタ部80を幅方向他側に移動し、ベルト84cを停止してカッタ部80を待機位置で待機する。
待機位置は、単数単列連続フィルム6の幅に応じて、カッタ部80が往復移動する距離が短くなるように位置を制御できる。例えば、単数単列連続フィルム6の幅が短いときの待機位置は、単数単列連続フィルム6の搬送の妨げにならない範囲で幅方向の中央側に近づけた位置にできる。
カッタ部80の待機位置および往復移動する距離は、図示しないセンサで単数単列連続フィルム6の幅を検知して、自動で制御される。このため、単数単列連続フィルム6の幅に応じてユーザが設定を行う必要がなく、作業性を向上し、誤操作を防止できる。
この構成により、カッタ部80の往復移動距離は最小限になるので、カッタ部80およびベルト84cの消耗が抑制され、省エネルギー化、およびカットに要する時間の短縮によって生産性を向上できる。
他側センサ85に換えて後処理部フレーム40aの幅方向一側に一側センサ86を設け、カッタ部80の待機位置を一側センサ86を設けた側としてもよい。
一側センサ86は、他側センサ85と同様に、解反機10の運転を開始するときに移動部材83を検知し、移動部材83の移動を制御するための基準の位置を決定する。この場合にはカッタ部80の向きを、図11で紙面の左側から右側に向けて移動するときにカットする向き(矢印I方向)とする。
【0078】
この実施の形態では、カッタ部80は上回転刃80aと下回転刃80bを使用しているが、これに限ることはなくフィルムを切断できる構成であれば任意のものを使用できる。
単数単列連続フィルム6の幅方向のカットは、単数単列連続フィルム6の搬送を停止した状態で行い、カット後に搬送が再開される。
ベルト84cを回転する図示しない駆動装置は、過負荷の検知により停止する機能を備えてもよい。駆動装置が停止した場合には、解反機10全体の動作を停止させてもよい。
【0079】
供給部幅方向カッタ23は、後処理部幅方向カッタ41と同じ構成であり、ベルト部材84を供給部フレーム20aに後処理部幅方向カッタ41と同じように取り付けてあるが、待機位置を同じ側にして作業性を向上するために、供給部フレーム20aの幅方向一側に一側センサ86を設け、上述したように、カッタ部80の待機位置を一側センサ86を設けた側としている。
カッタ部80は筒状連続フィルム1の幅方向に移動して幅方向に連続してカットし、筒状連続フィルム1をロール体2と連続した上流側部分と供給部搬送装置24で搬送される下流側部分に分離する。
【0080】
図12図13に基づき搬送方向カッタの構成を説明する。図12は搬送方向カッタの正面図、図13はカッタ部の拡大側面図である。
図12に示すように、搬送方向カッタ21は偏平な状態となった筒状連続フィルム1の幅方向中心を搬送方向に沿ってカットするセンターカッタ部21aと、偏平な状態となった筒状連続フィルム1の幅方向他側部を搬送方向に沿ってカットする他側カッタ部21bと、偏平な状態となった筒状連続フィルム1の幅方向一側部を搬送方向に沿ってカットする一側カッタ部21cを備え、センターカッタ部21aで幅方向中心の一箇所をカットするか、または他側カッタ部21bと一側カッタ部21cとで幅方向他側部と幅方向一側部の2箇所を同時にカットする。
【0081】
センターカッタ部21aと他側カッタ部21bと一側カッタ部21cは、カッタ取付フレーム90に取り付けてあり、カッタ取付フレーム90が図4に示す供給部フレーム20aに設けられ、搬送方向カッタ21は供給部20の幅方向中央部に設けてある。
カッタ取付フレーム90は、幅方向に向かう横材90aと、横材90aの幅方向一側寄りに縦向きに設けた一側プレート90cと、横材90aの幅方向他側寄りに縦向きに設けた他側プレート90bとを有し、一側プレート90cと他側プレート90bとに亘って調整軸91が回転可能に設けてあるとともに、上下一対のカッタ部取付バー92が設けてある。
【0082】
センターカッタ部21aは、第1カッタ部取付部材93に筒状連続フィルム1をカットするカッタブレード(切断刃)94と、当て板95と、押え部材96を取り付け、第1カッタ部取付部材93を第2カッタ部取付部材97に上下方向の位置を調整可能に取り付けてある。例えば、第1カッタ部取付部材93に上下方向の長穴93aを形成し、その長穴93aからロックボルト93bを第2カッタ部取付部材97に螺合することで上下方向の位置を調整可能に取り付けてある。
カッタブレード94は第1カッタ部取付部材93に、刃先94aが筒状連続フィルム1に向かうように下向きでかつ垂直な姿勢に対して刃先94aが搬送方向下流側となるように搬送方向に向けて斜めの姿勢で上下にスライドできるように設けてあり、刃先94aの位置を上下に調整可能としてある。
【0083】
例えば、カッタブレード固定用レバー97aを締め付ける方向に回転することでカッタブレード94をスライドしないようにロックでき、カッタブレード固定用レバー97aを弛める方向に回転することでカッタブレード94をスライドできるようにして刃先94aの位置を調整可能としてある。
当て板95はカッタブレード94で筒状連続フィルム1の下側フィルム4をカットしないようにするもので、当て板95は第1カッタ部取付部材93の下部に、尖端形状の先端部が搬送方向上流側に向かうように設けられ、図13に示すように当て板95が搬送される偏平形状の筒状連続フィルム1の下側フィルム4の上面と上側フィルム3の下面との間に入り易くしてある。当て板95の上面にはカッタブレード94の刃先94aが嵌る搬送方向に向かう溝(図示せず)が形成してある。
【0084】
このようであるからカッタブレード94の刃先94aが筒状連続フィルム1の上側フィルム3を貫通して当て板95の溝に嵌ることで、上側フィルム3を確実にカットでき。しかも、カッタブレード94の刃先94aは当て板95よりも下には突出しないので下側フィルム4をカットすることはない。
押え部材96は筒状連続フィルム1の上側フィルム3をカッタブレード94でカットした際に、カットされた上側フィルム3の幅方向一側部分3aと幅方向他側部分3bのバタツキを抑えるもので、押え部材96は板状で当て板95の上方に位置するように設けてあり、押え部材96の搬送方向下流側部分にカッタブレード94の刃先94aが通るスリット(図示せず)が形成してある。
【0085】
センターカッタ部21aの第2カッタ部取付部材97は、上下一対のカッタ部取付バー92に軸方向に移動しないように取り付けてある。例えば、センターカッタ部21aの第2カッタ部取付部材97の上部の上面は、調整軸91に接触しないようになっており、上部の上面から上側のカッタ部取付バー92が嵌合する穴までスリット97cが設けられており、スリット97cにより分離した上部を固定用レバー(図示せず)で締め付けることにより、上側のカッタ部取付バー92に締め付けて、軸方向に移動しないように取り付けられている。
一側カッタ部21cと他側カッタ部21bはセンターカッタ部21aと同じ構成であり、符号を同一として詳細な説明を省略する。
一側カッタ部21c、他側カッタ部21bの第2カッタ部取付部材97はカッタ部取付バー92に沿って幅方に移動可能に取り付けてある。
【0086】
一側カッタ部21cの第2カッタ部取付部材97は調整軸91に、調整軸91が正方向に回転すると幅方向中央に向けて移動し、逆方向に回転すると幅方向一側に向けて移動するように取り付けてある。更に、一側カッタ部21cの第2カッタ部取付部材97には幅方向に円滑に移動するための軸受97bが上下一対に設けられており、一側カッタ部21cの第2カッタ部取付部材97は上下一対の軸受97bを介して上下一対のカッタ部取付バー92に軸方向に移動可能に支持されている。
他側カッタ部21bの第2カッタ部取付部材97は調整軸91に、調整軸91が正方向に回転すると幅方向中央に向けて移動し、逆方向に回転すると幅方向他側に向けて移動するように取り付けてある。更に、他側カッタ部21bの第2カッタ部取付部材97には幅方向に円滑に移動するための軸受97bが上下一対に設けられており、他側カッタ部21bの第2カッタ部取付部材97は上下一対の軸受97bを介して上下一対のカッタ部取付バー92に軸方向に移動可能に支持されている。
例えば、調整軸91の長手方向一方寄りに右ネジ(図示せず)、長手方向他方寄りに左ネジ(図示せず)を形成し、一側カッタ部21cの第2カッタ部取付部材97には右ネジとネジ合するナット部材98を回転しないように設け、他側カッタ部21bの第2カッタ部取付部材97には左ネジとネジ合するナット部材99を回転しないように設ける。
【0087】
これにより、調整機構100により調整軸91を正方向に回転すると一側カッタ部21cと他側カッタ部21bは幅方向中央に向けて近接するようにそれぞれ移動し、幅方向の間隔が狭くなり、調整機構100により調整軸91を逆方向に回転すると一側カッタ部21cと他側カッタ部21bは幅方向両側に向けて離れるようにそれぞれ移動し、幅方向の間隔が広くなる。調整機構100は手動で回転されるハンドル101の回転を歯車を介して調整軸91に伝えて回転する構成であるが、モータなどを用いて調整軸91を回転する構成とすることができる。この構成とすることで図示しない制御装置でモータを駆動制御することで一側カッタ部21cと他側カッタ部21bの位置を自動で制御できる。このようにした場合には、供給部20での筒状連続フィルム1の搬送を止めることなくカットする幅を調整できる。
カッタ取付フレーム90の横材90aには各カッタ部21a、21b、21cの幅方向の位置を確認するための目盛が付してある銘板102が幅方に向けて設けてあり、各カッタ部21a、21b、21cには指針103がそれぞれ取り付けられ、指針103がさす目盛により幅方向の位置を確認できるようにしてある。
【0088】
次に、搬送方向カッタ21により筒状連続フィルム1の幅方向中心を搬送方向に連続してカットする動作を説明する。
センターカッタ部21aの第1カッタ部取付部材93を下方に移動してカッタブレード94の刃先94aを当て板95の溝に嵌るようにする。
一側カッタ部21cと他側カッタ部21bの第1カッタ部取付部材93を上方に移動してカッタブレード94の刃先94aを搬送される筒状連続フィルム1よりも上方の位置とする。
この状態で筒状連続フィルム1を搬送することで、上側フィルム3の幅方向中心を搬送方向に連続してカットして幅方向一側部分3aと幅方向他側部分3bに分離できる。
【0089】
次に、搬送方向カッタ21により筒状連続フィルム1の幅方向両側部の2箇所を搬送方向に連続してカットする動作を説明する。
調整機構100を操作して一側カッタ部21cと他側カッタ部21bを幅方向に近接または離隔する方向に移動し、幅方向の位置を調整して所定の間隔を置いた幅方向2箇所を同時にカットできるようにする。
一側カッタ部21cと他側カッタ部21bの第1カッタ部取付部材93を下方に移動してカッタブレード94の刃先94aを当て板95の溝に嵌るようにする。
センターカッタ部21aの第1カッタ部取付部材93を上方に移動してカッタブレード94の刃先94aを搬送される筒状連続フィルム1よりも上方の位置とする。
この状態で筒状連続フィルム1を搬送することで、上側フィルム3の幅方向両側部の2箇所を搬送方向に連続してカットして幅方向一側部分3aと幅方向他側部分3bに不要な幅方向中部分を残して分離する。
【0090】
このように、搬送方向カッタ21の構成を、搬送される筒状連続フィルム1の幅方向中心の一カ所をカットする構成と、搬送される筒状連続フィルム1の幅方向両側部の2カ所をカットする構成に切り替えできるので、同じ幅の筒状連続フィル1を異なる幅の単数単列連続フィルム6に解反できる。
【0091】
本発明の解反機10では、供給部幅方向カッタ23と後処理部幅方向カッタ41を以下のように連動して使用することで、供給部20上に筒状連続フィルム1が残ることがなく、搬送部30上に単数単列連続フィルム6が残ることがなく、ヤレが発生することを防止できる。ヤレとは、印刷用語であって、例えば、物を作る過程でムダになってしまった基材(紙やフィルム等)のことである。
図14に基づき供給部幅方向カッタ23と後処理部幅方向カッタ41を連動して使用する動作を説明する。図14は本発明の解反機10で、搬送方向の長さが3mでカットされた製品を4つ、搬送方向の長さが4mでカットされた製品を4つの合計8つの製品を製造する場合の模式図である。
【0092】
ここで、供給部幅方向カッタ23による供給部幅方向カット位置と後処理部幅方向カッタ41による後処理部幅方向カット位置の搬送方向の間隔は20mとする。搬送量(搬送された距離)は、供給部20および後処理部40の任意のローラの回転量より算出する。
また、筒状連続フィルム1、広がった状態のフィルム5、単数単列連続フィルム6を区別せずに単にフィルムとする。
図14において、201が最初に製造される3mの製品、202が2番目に製造される3mの製品、203が3番目に製造される3mの製品、204が4番目に製造される3mの製品、205が最初に製造される4mの製品、206が2番目に製造される4mの製品、207が3番目に製造される4mの製品、208が4番目に製造される4mの製品を示している。
【0093】
図14で(a)で示すのは、製品のカットを開始できる状態である。
つまり、供給部駆動ローラ24aを回転してフィルムを後処理部幅方向カッタ41まで搬送した状態である。この場合には供給部駆動ローラ24aの回転量から搬送量を検出し、所定の搬送量となった時点で供給部駆動ローラ24aを停止する。
なお、フィルムを後処理部幅方向カッタ41の下流側まで搬送し、搬送される先頭の任意の長さの不要部分を後処理部幅方向カッタ41でカットして除去するようにしてもよい。
図14で(b)で示すのは、搬送方向の長さが3mでカットされた1つ目の製品201を製造する工程である。この場合には後処理部幅方向カッタ41が、搬送量が図14の(a)で示す状態からの搬送距離が3mになったことを受けて作動する。例えば、後処理部搬送装置42の後処理部駆動ローラ44の回転量から搬送量を検出し、その検出した搬送量が3mとなったときに後処理部駆動ローラ44と供給部駆動ローラ24aを停止し、後処理部幅方向カッタ41を動作してカットする。
【0094】
図14で(c)で示すのは、搬送方向の長さが3mでカットされた2つ目の製品202を製造する工程である。この場合には後処理部幅方向カッタ41が、搬送量が前回の後処理部幅方向カッタ41でのカットから3mになったことを受けて作動する。搬送量の検出は先と同じである。
図14で(d)で示すのは、3mの製品を4つと4mの製品を4つ(計28m)製造した後に、搬送部30上にフィルムが残らないようにするため、製造する製品の残りの製品の合計長さが供給部幅方向カッタ23と後処理部幅方向カッタ41の間隔(20m)に達した場合に、供給部幅方向カッタ23によってカットを行う場合を示している。
この場合の搬送量は供給部搬送装置24の供給部駆動ローラ24aの回転量で検出し、図14の(a)で示す状態からの搬送距離に、図14の(a)で示す状態の時点で搬送済みのフィルムの長さ(供給部幅方向カット位置から後処理部幅方向カット位置の間のフィルムの長さ)を加えた搬送距離が、28mとなったときに、供給部駆動ローラ24aと後処理部駆動ローラ44を停止し、供給部幅方向カッタ23を動作してカットする。
【0095】
つまり、3つ目の長さ3mの製品203の製造のための搬送途中(2m搬送時点)で、製造する製品の残りの全体の長さが20mとなるので、このタイミングで供給部幅方向カッタ23でのカットを行う。
供給部幅方向カッタ23でのカット後、供給部駆動ローラ24aと後処理部駆動ローラ44を回転してフィルムを搬送し、後処理部幅方向カッタ41は、搬送量が前回の後処理部幅方向カッタ41でのカットから3mになったことを受けて作動し、3つ目の長さ3メートルの製品203を製造する。この場合の搬送量は先のように後処理部駆動ローラ44の回転量で検出する。
供給部幅方向カッタ23でのカット後は供給部幅方向カッタ23より上流側のフィルムは搬送されない。
【0096】
図14で(e)で示すのは、搬送方向の長さが3mでカットされた4つ目の製品204を製造する工程である。この場合には後処理部幅方向カッタ41が、搬送量が前回の後処理部幅方向カッタ41でのカットから3mになったことを受けて作動し、4つ目の長さ3mの製品204を製造する。この場合の搬送量は後処理部駆動ローラ44の回転量で検出する。
図14で(f)で示すのは、搬送方向の長さが4mでカットされた5つ目の製品205を製造する工程である。この場合には後処理部幅方向カッタ41が、搬送量が前回の後処理部幅方向カッタ41でのカットから4mになったことを受けて作動し、5つ目の製品205を製造する。この場合の搬送量は後処理部駆動ローラ44の回転量で検出する。
【0097】
図14で(g)で示すのは、搬送方向の長さが4mでカットされた6つ目の製品206を製造する工程である。この場合には後処理部幅方向カッタ41が、搬送量が前回の後処理部幅方向カッタ41でのカットから4mになったことを受けて作動し、6つ目の製品206を製造する。この場合の搬送量は後処理部駆動ローラ44の回転量で検出する。
図14で(h)で示すのは、搬送方向の長さが4mでカットされた7つ目の製品207を製造する工程である。この場合には後処理部幅方向カッタ41が、搬送量が前回の後処理部幅方向カッタ41でのカットから4mになったことを受けて作動し、7つ目の製品207を製造する。この場合の搬送量は後処理部駆動ローラ44の回転量で検出する。
図14で(i)で示すのは、搬送方向の長さが4mでカットされた8つ目の製品208を製造する工程である。この場合には、図14で(d)で示すように供給部幅方向カッタ23でフィルムをカットしているので最後の製品はカットする必要がなく、後処理部幅方向カッタ41は作動せず、後処理部駆動ローラ44の回転により8つ目の製品208の排出のみが行われる。
【0098】
このように、図14で(a)~(i)で示す連続して製造する最後の製品208を製造の途中で供給部幅方向カッタ23によりカットする工程により、全ての製品を製造した後、供給部幅方向カッタ23より下流側にフィルムを残さず、任意の長さの製品を製造できる。
従来の解反機上に残って長時間放置されたフィルムはヤレとして処分されていたが、本発明の供給部幅方向カッタ23と後処理部幅方向カッタ41を使い分ける制御によって、供給部20および搬送部30上にフィルムが残り、ヤレが発生することを防止できる。特に幅が広い大型の農業用ビニールハウスに用いるフィルムの場合には単位長さ当たりの価格が高くなるため、ヤレが発生することを防止できることによる効果が大きい。
【0099】
本発明の解反機10においては、バッファ部25から搬送部30の供給側案内部32の間ではフィルムを搬送する過程で、フィルムにたるみが発生する。このため、連続して製造する製品を供給部幅方向カッタ23と後処理部幅方向カッタ41でカットするすべてのタイミングを、図14で(a)で示すカットを開始する状態で決定するためには、たるみの影響を考慮する必要がある。
実施の形態では、供給部幅方向カッタ23は供給部駆動ローラ24aの回転量より算出した搬送量でカットのタイミングが制御され、後処理部幅方向カッタ41は後処理部駆動ローラ44の回転量より算出した搬送量でカットのタイミングが制御されている。
ここで、供給部幅方向カッタ23と供給部駆動ローラ24a間の間隔と、後処理部幅方向カッタ41と後処理部駆動ローラ44間の間隔分の差は、搬送量の算出において自動的に補正される。
【0100】
以下に、図14で(i)で示す製品の製造が終了した状態から図14で(a)で示す新たな製品を連続して製造可能となる過程を説明する。
供給部幅方向カッタ23を制御するための供給部側搬送量L1は、供給部ニップローラ24bがフィルムを介して供給部駆動ローラ24aにニップする状態になったときを基準に搬送量がカウントされる。
供給部駆動ローラ24aにより搬送されたフィルムは搬送部30を経由して後処理部40の後処理部駆動ローラ44に至る。ここで、上記実施の形態では、供給部幅方向カッタ23と後処理部幅方向カッタ41の間隔は20mであるが、たるみが発生しているため、実際に供給部幅方向カッタ23から後処理部幅方向カッタ41へ至るためにはフィルムを20m以上搬送する必要がある(例えば20m20cm)。
【0101】
たるみの量を含んで搬送されたフィルムが後処理部駆動ローラ44に至ると、後処理部ニップローラ45がフィルムを介して後処理部駆動ローラ44にニップする状態となる。後処理部幅方向カッタ41を制御するための後処理部側搬送量L2は、後処理部ニップローラ45がフィルムを介して後処理部駆動ローラ44にニップする状態になったときを基準に搬送量がカウントされる。
すなわち、図14で(a)で示す状態では、供給部幅方向カッタ23と後処理部幅方向カッタ41の間隔を20m、たるみの量を20cmとすると、供給部駆動ローラ24aの回転量から算出される供給部幅方向カッタ23を制御するための供給部側搬送量L1は20m20cmがカウントされた状態であり、後処理部駆動ローラ44の回転量から算出される後処理部幅方向カッタ41を制御するための後処理部側搬送量L2は0mがカウントされた状態である。
【0102】
このように供給部側搬送量L1と後処理部側搬送量L2をたるみの量を含んで図14で(a)で示す状態で決定し、供給部幅方向カッタ23を供給部側搬送量L1、後処理部幅方向カッタ41を後処理部側搬送量L2で制御することで、たるみの量の影響を受けずに製品のカットするタイミングを図14で(a)で示す状態で決定することができる。
つまり、図14で(d)に示す状態のとき、供給部側搬送量L1はたるみによる距離(20cm)を含んでカウントされているので、供給部側搬送量L1が全ての製品長さの合計(28m)となったときに供給部幅方向カッタ23でフィルムを幅方向にカットすればよい。
【0103】
また、上記制御において、図14で(i)で示す状態から図14で(a)で示す状態にフィルムをセットしたとき、搬送方向下流側の任意の量を製品として使用しないで廃棄することもできる。この場合には任意に指定した廃棄するフィルムの搬送方向長さを上記カットのための設定に含めて供給部側搬送量L1と後処理部側搬送量L2の算出が行われる。
上記の供給部幅方向カッタ23と後処理部幅方向カッタ41の連動した制御は、上記以外の任意のフィルムの長さや製造する数量の組み合わせで使用できる。
供給部幅方向カッタ23によってカットされた後、フィルムの後端が通過した後では、供給部搬送装置24や、エア吹き出し装置50、除電装置60、搬送コンベア39の制御を自動的に停止することができる。
【0104】
一例としては、供給部20と運転中の搬送部30より下流側を独立して制御できるようにすることで、供給部20をフィルムの後端が通過した場合(図14で(d)で示す状態)、供給部20の運転を停止することで搬送部30より下流側で製品7を加工中に供給部20でロール体2の取り換えなどの次の製品の製造のための準備を並行して行うことで、作業効率を向上できる。
搬送部30の搬送コンベア39をフィルムの後端が通過した場合には、フィルムの後端の通過に応じて各搬送コンベア39を順次停止させ、停止した各搬送コンベア39で次の製品の製造のための準備を行うことができる。
また、不要な箇所を自動で停止させることで、解反機10の長寿命化および消費電力の抑制ができる。
【0105】
供給部幅方向カッタ23と後処理部幅方向カッタ41は、上記の連動した制御を行う以外に、それぞれ単独でカットを行う機能を備えてもよい。単独でのカットを可能とすることで、機械の一部が故障した場合などでも製品の製造を継続可能とできる。
一例としては、供給部幅方向カッタ23よりも上流側で不具合があった場合には、不具合による解反機10の運転停止から供給部幅方向カッタ23でフィルムの後端をカットし、供給部幅方向カッタ23より下流側のフィルムの搬送を再開して、供給部幅方向カッタ23より下流の搬送部30上に残ったフィルムを製品7として排出すことができる。
フィルムの搬送を再開後の搬送部30上に残ったフィルムの長さが、搬送を中断する前の後処理部幅方向カッタ41でのカットのタイミングで製品7が製造できない長さになった場合には、搬送部30上に残ったフィルムはヤレとして後処理部40へ払い出しされる。後処理部40は、ヤレを製品7と同様に折り畳んで排出してもよいし、首振り装置47での折り畳みを行わずに後処理部40から排出してもよい。
上記の連動した制御中に供給部幅方向カッタ23の動作を任意に停止させることもできる。この制御は、ロール体2の残量が少ない場合に、搬送部30上にロール体2の残りのフィルムを搬送したい場合に使用される。
ロール体2に解反機10で利用できない長さのフィルムが残ることを防止することで、作業効率の向上およびヤレを低減できる。
【0106】
本発明の解反機10においては、供給部20にロール体2を複数設け、1つのロール体2から供給される筒状連続フィルム1が搬送部30に向けて供給部20に取り付けられている場合に、取り付けられている筒状連続フィルム1を幅方向にカットし、幅方向にカットした筒状連続フィルム1の後端側に、別のロール体2からの筒状連続フィルム1を取り付け、解反機10に供給される筒状連続フィルム1を付け替えるフィルムの継ぎ装置を設けてもよい。フィルムの継ぎ装置を設けることでロール体2を取り換える場合の作業性を向上できる。
【0107】
本発明の解反機10は次のような構成とすることができる。
供給部20を、フィルム成形機などから円筒状で押し潰されていない状態の筒状連続フィルムを受けとり、1箇所又は2箇所を連続してカットして搬送部30へ搬送する構成とする。この構成の場合、筒状連続フィルムの上部をカットしエアを吹き付けて広げるようにしてもよいし、筒状連続フィルムの下部をカットし、V字状のガイド(33、34)を利用して広げるようにしてもよい。
また、供給部20からカットせずに折り畳んだ状態のフィルムを搬送部30に向けて搬送し、V字状のガイド(33、34)を利用して広げながら搬送部30で解反する構成とする。
また、容器などに乱雑な状態で収容されたフィルムを搬送部30に向けて搬送し、V字状のガイド(33、34)を利用して広げながら搬送部30で解反する構成とする。
【0108】
本発明の解反機10によれば次の効果を得ることができる。
エアの吹き付けにより、筒状連続フィルム1の上側フィルム3と下側フィルム4が張り付いた状態で下流側へ搬送されることを防止でき、エア吹き出し口55、56、57、58を搬送方向に沿ってハの字形状に広がる配置で設けたことで、幅の大きい大型の農業用ビニールハウスに用いるフィルムであっても円滑に搬送でき、下流側で皺になることを防止できる。
除電装置60を搬送方向に沿ってハの字形状に広がるように取り付けることで、幅の大きい大型の農業用ビニールハウスに用いるフィルムであっても、フィルム間で発生した静電気を除電でき、静電気によるフィルム同士の張り付きを防止して円滑に搬送して、下流側で皺になることを防止できる。
【0109】
エアを吸引するV字状のガイド(33、34)を単数単列連続フィルム6の幅全体を案内できるように設けることで、解反したときの幅が広い大型の農業用ビニールハウスに用いるフィルムであっても搬送中の搬送部30との摩擦によって皺が生じることなく単数単列連続フィルム6の状態に解反できる。
幅方向一側搬送部押圧ローラ37と幅方向他側搬送部押圧ローラ38が単数単列連続フィルム6を幅方向に広げる方向の引っ張る力を作用し、単数単列連続フィルム6が皺になることを防止する。
供給部20から搬送されたフィルムを吸引して搬送可能な搬送コンベア装置31を解反した単数単列連続フィルム6の幅全体を案内できるように設けることで、解反したときの幅が広い大型の農業用ビニールハウスに用いるフィルムであっても安定して搬送させ、皺が生じることなく単数単列連続フィルム6の状態に解反できる。
【0110】
連続して製造する最後の製品を供給部20側でカットする工程により、製品を製造した後、供給部幅方向カッタ23より下流側にフィルムを残さず、任意の長さの製品を製造できる。従来の解反機上に残って長時間放置されたフィルムはヤレとして処分されていたが、本発明の供給部幅方向カッタ23と後処理部幅方向カッタ41を使い分ける制御によって、供給部20および搬送部30上にフィルムが残り、ヤレが発生することを防止できる。特に幅が広い大型の農業用ビニールハウスに用いるフィルムの場合には単位長さ当たりの価格が高くなるため、ヤレが発生することを防止できる効果が大きい。
【符号の説明】
【0111】
1…筒状連続フィルム、2…ロール体、3…上側フィルム、3a…幅方向一側部分、3b…幅方向他側部分、4…下側フィルム、5…広がった状態のフィルム、6…単数単列連続フィルム、7…製品、10…解反機、20…供給部、21…搬送方向カッタ、21a…センターカッタ部、21b…他側カッタ部、21c…一側カッタ部、23…供給部幅方向カッタ、24…供給部搬送装置、24a…供給部駆動ローラ、24b…供給部ニップローラ、25…バッファ部、28a…上部搬送ローラ、28b…中間部搬送ローラ、28c…下部搬送ローラ、30…搬送部、31…搬送コンベア装置、31a…搬送面、31b…搬送方向上流側部、31c…搬送方向中間部、31d…搬送方向下流側部、33…幅方向一側ガイド、34…幅方向他側ガイド、37…幅方向一側搬送部押圧ローラ、38…幅方向他側搬送部押圧ローラ、39…搬送コンベア、40…後処理部、41…後処理部幅方向カッタ、42…後処理部搬送装置、43…首振り装置、44…後処理部駆動ローラ、45…後処理部ニップローラ、50…エア吹き出し装置、55…一側上部エア吹き出し口、56…一側下部エア吹き出し口、57…他側上部エア吹き出し口、58…他側下部エア吹き出し口、60…除電装置、61…幅方向一側除電部材、62…幅方向他側除電部材、73…吸引搬送ベルト、74…搬送ベルト、80…カッタ部、82…カッタ部移動装置、94…カッタブレード、95…当て板、96…押え部材。
【要約】
【課題】幅が広く皺のないフィルムに解反できる解反機とする。
【解決手段】供給部20から搬送されるフィルムを搬送する搬送部30を、搬送方向下流側の幅が前記フィルムが広げられた単数単列連続フィルム6の幅全体を搬送できる幅で、搬送方向上流側の幅は、前記搬送方向下流側の幅より狭く前記単数単列連続フィルム6の幅方向中央部のみを搬送する幅である搬送コンベア装置31と、前記搬送コンベア装置31の幅方向両側に沿って設けられ前記フィルムを前記搬送コンベア装置31の搬送面31aに案内するV字状のガイドを備え、搬送されたフィルムを広げながら搬送して皺のない状態に解反できる解反機とする。
【選択図】図3
図1
図2
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図5
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図10
図11
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図14