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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】漢方薬材冷凍乾燥の加工装置
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20240409BHJP
【FI】
A61J3/00 300C
A61J3/00 301
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2024003659
(22)【出願日】2024-01-15
【審査請求日】2024-01-15
(31)【優先権主張番号】202311452864.2
(32)【優先日】2023-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524018877
【氏名又は名称】甘粛省薬品検査研究院
(74)【代理人】
【識別番号】100145470
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 健一
(72)【発明者】
【氏名】杜雅娟
(72)【発明者】
【氏名】劉鵬偉
(72)【発明者】
【氏名】王新建
(72)【発明者】
【氏名】包慧琴
(72)【発明者】
【氏名】王愛紅
(72)【発明者】
【氏名】徐▲ろ▼
【審査官】関本 達基
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第216204717(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第111920831(CN,A)
【文献】実公昭47-008302(JP,Y1)
【文献】特開2022-088502(JP,A)
【文献】特表2009-536310(JP,A)
【文献】国際公開第2022/202938(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
漢方薬材冷凍乾燥の加工装置であって、
乾燥ボックス(100)を有し、
トレイ(200)を有し、前記トレイ(200)は前記乾燥ボックス(100)の内部に摺動可能に取り付けられ、前記トレイ(200)の上端面には中空板体(210)が間隔を空けて取り付けられ、かつ、隣接する前記中空板体(210)同士間には連通管(220)が、それぞれ連通され、前記連通管(220)の底端には上円管(230)が連通され、
冷媒輸送管(300)を有し、前記冷媒輸送管(300)は前記乾燥ボックス(100)の内部に取り付けられ、かつ、前記冷媒輸送管(300)には下円管(310)が連通され、かつ、前記下円管(310)の先端には管継手(320)が設けられ、前記上円管(230)は前記管継手(320)の表面に被装されていることを特徴とする漢方薬材冷凍乾燥の加工装置。
【請求項2】
前記乾燥ボックス(100)の片側が透かし彫りに設けられ、かつ、前記乾燥ボックス(100)の透かし彫り側にはボックスドアが取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の漢方薬材冷凍乾燥の加工装置。
【請求項3】
前記トレイ(200)の周囲には突起部が設けられ、前記乾燥ボックス(100)の内壁には突起ブロック(110)が取り付けられ、かつ、前記トレイ(200)の周囲の突起部は前記突起ブロック(110)の表面に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の漢方薬材冷凍乾燥の加工装置。
【請求項4】
前記中空板体(210)は、前記トレイ(200)の上端面において傾斜状をなし、かつ、前記中空板体(210)の間に配置溝を形成することを特徴とする請求項1に記載の漢方薬材冷凍乾燥の加工装置。
【請求項5】
前記連通管(220)は角鋼管であり、かつ、前記連通管(220)の端部が閉じた状態に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の漢方薬材冷凍乾燥の加工装置。
【請求項6】
前記連通管(220)は、前記中空板体(210)の底端に位置し、かつ、前記連通管(220)の上端面と前記トレイ(200)の下端面とが固定接続されていることを特徴とする請求項1に記載の漢方薬材冷凍乾燥の加工装置。
【請求項7】
前記上円管(230)、前記下円管(310)及び前記管継手(320)が同軸に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の漢方薬材冷凍乾燥の加工装置。
【請求項8】
前記冷媒輸送管(300)に接続された冷凍システム(400)をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の漢方薬材冷凍乾燥の加工装置。
【請求項9】
前記冷凍システム(400)は循環ポンプ(410)と冷凍機(420)を含み、前記冷媒輸送管(300)は2つ設けられ、かつ、2つの前記冷媒輸送管(300)はそれぞれ前記循環ポンプ(410)の出力端と入力端に接続され、前記冷凍機(420)は、一つの前記冷媒輸送管(300)に接続されていることを特徴とする請求項8に記載の漢方薬材冷凍乾燥の加工装置。
【請求項10】
前記トレイ(200)の下端面には2つの前記連通管(220)が設けられ、かつ、2つの前記連通管(220)はそれぞれ対応する前記冷媒輸送管(300)に連通され、前記冷凍機(420)は半導体冷凍機であることを特徴とする請求項9に記載の漢方薬材冷凍乾燥の加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は漢方薬材の加工分野に関し、具体的には漢方薬材冷凍乾燥の加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トウキなどの漢方薬材の製造加工過程において、伝統的な硫黄燻製乾燥法は漢方薬材の有効成分をよりよく保存することができるが、漢方薬材の二酸化硫黄が基準を超え、漢方薬材の品質に深刻な影響を与え、しかも保存時間が短い、それに対して漢方薬材の真空冷凍加工技術は、漢方薬材の中のフェルラ酸、多糖及び揮発性油などの多種の薬用と栄養成分の活性を最大限に保存することができるとともに、薬材の外観の品質、色、においをよく維持し、脱水が徹底して、保存時間が長く、他の乾燥技術とは比べものにならない優位性を持っている。
【0003】
一方、トウキなどの漢方薬材を冷凍加工する場合には、トウキなどの漢方薬材をスライスしてトレイ内に置いた後、冷凍乾燥機器に投入して冷凍乾燥処理を行う必要があり、このような冷凍乾燥機器は漢方薬材の両面を同時に冷凍乾燥することが困難であるため、加工効率が低い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の不足を補うために、本願は、漢方薬材冷凍乾燥の加工装置を提供し、加工効率の低い問題点を改善することを目的とする。
【0005】
本願の実施例は漢方薬材冷凍乾燥の加工装置を提供し、乾燥ボックス、トレイ及び冷媒輸送管を有する。前記トレイは前記乾燥ボックスの内部に摺動可能に取り付けられ、前記トレイの上端面には中空板体が間隔を空けて取り付けられ、かつ、前記中空板体の間には連通管が連通され、前記連通管の底端には上円管が連通され、前記冷媒輸送管は前記乾燥ボックスの内部に取り付けられ、かつ、前記冷媒輸送管には下円管が連通され、かつ、前記下円管の先端には管継手が設けられ、前記上円管は前記管継手の表面に被装されている。
【0006】
上述実行過程において、トウキなどの漢方薬材をスライスした後、トレイ表面における隣接する2つの中空板体の間に置き、冷媒輸送管内へ冷媒媒体を輸送し、冷媒媒体は下円管、管継手と上円管を経て連通管内に入った後、中空板体内に輸送し、冷媒媒体により2つの中空板体の間に位置するシート状漢方薬材を冷凍、乾燥することができ、また、シート状の漢方薬は2つの中空板体の間に位置しているため、冷媒媒体が両側からシート状の漢方薬材を冷凍することができるようになり、冷凍の効果を高め、乾燥の速度を大幅に高め、加工時間を効果的に減らし、加工効率を高める。
【0007】
ある特定の実施形態において、前記乾燥ボックスの片側が透かし彫りに設けられ、かつ、前記乾燥ボックスの透かし彫り側にボックスドアが取り付けられている。
【0008】
上述実行過程において、ボックスドアを設けることにより、乾燥ボックスの透かし彫り側を容易に閉じることができ、乾燥ボックスを閉じた後、真空発生器などの設備を用いて乾燥ボックス内部を真空状態にすることができ、漢方薬材の冷凍乾燥により有利である。
【0009】
ある特定の実施形態において、前記トレイの周囲には突起部が設けられ、前記乾燥ボックスの内壁には突起ブロックが取り付けられ、かつ、前記トレイの周囲の突起部は前記突起ブロックの表面に配置されている。
【0010】
上述実行過程において、トレイの周囲の突起部を支持するための突起ブロックを設けることにより、トレイを乾燥ボックス内に架設することができる。
【0011】
ある特定の実施形態において、前記中空板体は、前記トレイの上端面に傾斜状をなし、かつ、前記中空板体の間に配置溝を形成する。
【0012】
上述実行過程において、中空板体をトレイの表面に傾斜して設けることは、垂直に設けることに比べて、中空板体とトレイ全体の高さを効果的に減らすことができ、狭いワーク内でも便利に使用可能である。
【0013】
ある特定の実施形態において、前記連通管は角鋼管であり、かつ、前記連通管の端部が閉じた状態に設けられている。
【0014】
上述実行過程において、端部が閉じた状態に設けられているため、連通管の端部から冷媒媒体が流出するのを回避することができる。
【0015】
ある特定の実施形態において、前記連通管は、前記中空板体の底端に位置し、かつ、前記連通管の上端面と前記トレイの下端面とが固定接続されている。
【0016】
上述実行過程において、該連通管によりトレイを支持し、トレイの圧縮能力を高めることができる。
【0017】
ある特定の実施形態において、前記上円管、前記下円管及び前記管継手が同軸に設けられている。
【0018】
ある特定の実施形態において、前記冷媒輸送管に接続された冷凍システムをさらに備える。
【0019】
上述実行過程において、冷凍システムを設けることにより冷媒輸送管内の冷媒媒体を冷凍する。
【0020】
ある特定の実施形態において、前記冷凍システムは循環ポンプと冷凍機を含み、前記冷媒輸送管は2つ設けられ、かつ、2つの前記冷媒輸送管はそれぞれ前記循環ポンプの出力端と入力端に接続され、前記冷凍機は、一つの前記冷媒輸送管に接続されている。
【0021】
上述実行過程において、冷媒媒体の循環輸送に用いられる循環ポンプを設けることにより、冷媒媒体の使用により有利である。
【0022】
ある特定の実施形態において、前記トレイの下端面には2つの前記連通管が設けられ、かつ、2つの前記連通管はそれぞれ対応する前記冷媒輸送管に連通され、前記冷凍機は半導体冷凍機である。
【0023】
上述実行過程において、2つの連通管を設けることにより、冷媒媒体の循環輸送を容易にする。
【0024】
ある特定の実施形態において、前記管継手は中間の直径が大きく、両端の直径が小さい円筒状の継手であり、かつ、前記管継手は前記下円管に回転可能に接続され、前記管継手の下端部には環状突出部が設けられ、かつ、前記環状突出部は前記下円管の内部に回動可能に係合され、前記下円管の内部には第1遮断板が固定的に取り付けられ、前記管継手の底端には第2遮断板が取り付けられ、かつ、前記第1遮断板及び前記第2遮断板はいずれも半円形の板材であり、前記第1遮断板の上端面と前記第2遮断板の下端面とが密封するように貼り合されている。
【0025】
上述実行過程において、管継手を回転させることにより、第2遮断板を回動させて、さらに第2遮断板と第1遮断板をずらすと、半円形をなす第1遮断板と第2遮断板はそれぞれ下円管の内部両側に位置し、第1遮断板と第2遮断板は下円管を塞ぎ、第1遮断板と第2遮断板は冷媒媒体の流れを遮断した後、上円管を管継手の表面から取り外すことにより、冷媒媒体の漏出を効果的に回避することができる。
【0026】
ある特定の実施形態において、前記上円管の胴体には位置制限ブロックが取り付けられ、かつ、前記位置制限ブロックの表面には円弧板が被覆され、前記位置制限ブロックの外壁と前記円弧板の内壁との間はすきまばめされており、前記円弧板の底端と前記管継手の中央部は固定接続され、前記円弧板の先端には前記位置制限ブロックに対応する位置制限板が取り付けられている。
【0027】
上述実行過程において、上円管を管継手の表面に被せた後、管継手を回転させて、管継手の表面の円弧板により位置制限板を移動させ、円弧板を上円管外壁における位置制限ブロックの表面に被せ、位置制限板が位置制限ブロックの上方に移動するとともに、管継手の底端における第2遮断板が第1遮断板の上方に移動すると、第2遮断板と第1遮断板が重なり、冷媒輸送管から輸送された冷媒媒体は、下円管を経て管継手内に輸送され、さらに上円管内に輸送されることができ、また、位置制限板は位置制限ブロックの移動を制限するため、冷媒媒体の衝撃による上円管が管継手の表面から脱落する可能性を回避することができる。
【0028】
ある特定の実施形態において、前記位置制限ブロックの上端面と前記位置制限板の下端面とが貼り合されている。
【0029】
ある特定の実施形態において、前記連通管の内部にはスライドカバープレートが摺動可能に設けられ、かつ、前記スライドカバープレートは前記上円管の直上に位置し、前記スライドカバープレートの上端面と前記連通管の内部先端との間にはバネが取り付けられ、前記スライドカバープレートの下端面と前記上円管の先端とが密封するように貼り合され、前記管継手の先端には前記スライドカバープレートに対応するプッシュブロックが設けられている。
【0030】
上述実行過程において、上円管を管継手の表面に被せた後、管継手の先端におけるプッシュブロックがスライドカバープレートを押して移動させ、スライドカバープレートを上円管の先端から分離させ、かつ、スライドカバープレートがバネを押し出し、冷媒媒体が管継手を経て上円管内に入ることができ、
一方、上円管を管継手の表面から取り外して、バネの支持によりスライドカバーが上円管の先端に下に移動し、上円管の先端を閉じることで、連通管内の冷凍媒体の排出を回避し、冷媒媒体の漏出の可能性を低減することができる。
【0031】
ある特定の実施形態において、前記スライドカバープレートの下端面にはガイドブロックが取り付けられ、前記上円管の内壁には前記ガイドブロックと合う溝が開設され、前記ガイドブロックの下端部は前記ガイドブロック内壁の溝に摺動可能に挿着され、前記管継手の中心部は前記上円管の底端とが密封するように貼り合わされている。
【0032】
上述実行過程において、該上円管は、ガイドブロックの移動範囲を制限することにより、さらにスライドカバープレートの移動範囲を制限することができ、スライドカバープレートの移動をより安定させることができる。
【発明の効果】
【0033】
有益な効果は以下の通り、本願は、漢方薬材冷凍乾燥の加工装置を提供し、トレイの表面に中空板体を間隔を空けて設けて、冷凍乾燥対象の漢方薬材を隣接する2つの中空板体の間に置いて、中空板体内の冷媒を利用して中空板材の両側から冷凍を行い、冷凍の効果を大幅に高め、加工時間を効果的に削減し、加工効率を高める。
【0034】
取り外し可能な管路を用いて冷媒媒体を搬送する場合、管路が取り外されると、搬送管路が閉鎖されにくくなり、冷媒媒体が漏れる現象が発生しやすく、使用に不利である。
【0035】
本願では、管継手を回転させることにより、第2遮断板を回動させて、さらに第2遮断板と第1遮断板をずらすと、半円形をなす第1遮断板と第2遮断板はそれぞれ下円管の内部両側に位置し、第1遮断板と第2遮断板は下円管を塞ぎ、第1遮断板と第2遮断板は冷媒媒体の流れを遮断した後、上円管を管継手の表面から取り外すことにより、冷媒媒体の漏出を効果的に回避することができる。
【0036】
上円管を管継手の表面に被せた後、管継手を回転させて、管継手の表面の円弧板により位置制限板を移動させ、円弧板を上円管外壁の位置制限ブロックの表面に被せ、位置制限板が位置制限ブロックの上方に移動するとともに、管継手の底端の第2遮断板が第1遮断板の上方に移動すると、第2遮断板と第1遮断板が重なり、冷媒輸送管から輸送された冷媒媒体は、下円管を経て管継手内に輸送され、さらに上円管内に輸送されることができ、また、位置制限板は位置制限ブロックの移動を制限するため、冷媒媒体の衝撃による上円管が管継手の表面から脱落する可能性を回避することができる。
【0037】
トレイをキャリアとし、その表面に冷凍構造を設ける場合、漢方薬材をよく冷凍することができるが、冷凍構造と冷媒輸送管路が分離すると、冷凍構造のポートが閉鎖しにくくなり、冷媒媒体が漏れる現象が発生し、使用に不利である。
【0038】
本願では、上円管を管継手の表面に被せた後、管継手の先端のプッシュブロックがスライドカバープレートを押して移動させ、スライドカバープレートを上円管の先端から分離させ、かつ、スライドカバープレートがバネを押し出し、冷媒媒体が管継手を経て上円管内に入ることができ、
一方、上円管を管継手の表面から取り外すことにより、バネの支持によりスライドカバーが上円管の先端に下に移動し、上円管の先端を閉じることで、連通管内の冷凍媒体の排出を回避し、冷媒媒体の漏出の可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
本願の実施形態の技術的態様をより明確に説明するために、以下に実施形態において使用する必要がある図面を簡単に紹介する。以下の図面は本願のいくつかの実施形態のみを示しているので、範囲の限定とみなすべきではなく、当業者にとっては、創造的な労働を払わずに、これらの図面に基づいて他の関連図面を得ることができることを理解すべきである。
図1】本願の実施形態により提供される漢方薬材冷凍乾燥の加工装置構造の概略図。
図2】本願の実施形態により提供される乾燥ボックスとトレイとの接続構造の概略図。
図3】本願の実施形態により提供される乾燥ボックス内部構造の概略図。
図4】本願の実施形態により提供される中空板体と冷凍システムとの接続構造の概略図である。
図5】本願の実施形態により提供される連通管と冷媒輸送管との接続構造の概略図である。
図6】本願の実施形態により提供される連通管内部構造の概略図である。
図7】本願の実施形態により提供される連通管と下円管との接続構造の概略図である。
図8】本願の実施形態により提供される管継手構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本願の実施形態における技術的手段について、本願の実施形態における図面に基づいて説明する。
【0041】
図1図8を参照すると、本願の実施例は漢方薬材冷凍乾燥の加工装置を提供し、乾燥ボックス100、トレイ200及び冷媒輸送管300を有する。ここで、トレイ200と冷媒輸送管300は何れも乾燥ボックス100内に設けれらる。
【0042】
トレイ200は乾燥ボックス100の内部に摺動可能に取り付けられ、トレイ200の上端面には中空板体210が間隔を空けて取り付けられ、かつ、中空板体210の間には連通管220が連通され、連通管220の底端には上円管230が連通され、
冷媒輸送管300は乾燥ボックス100の内部に取り付けられ、かつ、冷媒輸送管300には下円管310が連通され、かつ、下円管310の先端には管継手320が設けられ、上円管230は管継手320の表面に被装されている。
【0043】
上述実行過程において、トウキなどの漢方薬材をスライスした後、トレイ200表面における隣接する2つの中空板体210の間に置き、冷媒輸送管300内へ冷媒媒体を輸送し、冷媒媒体は下円管310、管継手320と上円管230を経て連通管220内に入った後、中空板体210内に輸送し、冷媒媒体により2つの中空板体210の間に位置するシート状漢方薬材を冷凍、乾燥することができ、また、シート状の漢方薬は2つの中空板体210の間に位置しているため、冷媒媒体が両側からシート状の漢方薬材を冷凍することができるようになり、冷凍の効果を高め、乾燥の速度を大幅に高め、加工時間を効果的に減らし、加工効率を高める。
【0044】
ある特定の実施形態において、乾燥ボックス100の片側が透かし彫りに設けられ、かつ、乾燥ボックス100の透かし彫り側にボックスドアが取り付けられている。
【0045】
上述実行過程において、ボックスドアを設けることにより、乾燥ボックス100の透かし彫り側を容易に閉じることができ、乾燥ボックス100を閉じた後、真空発生器などの設備を用いて乾燥ボックス100内部を真空状態にすることができ、漢方薬材の冷凍乾燥により有利である。
【0046】
ある特定の実施形態において、トレイ200の周囲には突起部が設けられ、乾燥ボックス100の内壁には突起ブロック110が取り付けられ、かつ、トレイ200の周囲の突起部は突起ブロック110の表面に配置されている。
【0047】
上述実行過程において、トレイ200の周囲の突起部を支持するための突起ブロック110を設けることにより、トレイ200を乾燥ボックス100内に架設することができる。
【0048】
ある特定の実施形態において、中空板体210は、トレイ200の上端面に傾斜状をなし、かつ、中空板体210の間に配置溝を形成する。
【0049】
上述実行過程において、中空板体210をトレイ200の表面に傾斜して設けることは、垂直に設けることに比べて、中空板210体とトレイ200全体の高さを効果的に減らすことができ、狭いワーク内でも便利に使用可能である。
【0050】
ある特定の実施形態において、連通管220は角鋼管であり、かつ、連通管220の端部が閉じた状態に設けられている。
【0051】
上述実行過程において、端部が閉じた状態に設けられているため、連通管220の端部から冷媒媒体が流出するのを回避することができる。
【0052】
ある特定の実施形態において、連通管220は、中空板体210の底端に位置し、かつ、連通管220の上端面とトレイ200の下端面とが固定接続されている。
【0053】
上述実行過程において、該連通管220によりトレイ200を支持し、トレイ200の圧縮能力を高めることができる。
【0054】
ある特定の実施形態において、上円管230、下円管310及び管継手320が同軸に設けられている。
【0055】
ある特定の実施形態において、冷媒輸送管300に接続された冷凍システム400をさらに備える。
【0056】
上述実行過程において、冷凍システム400を設けることにより冷媒輸送管300内の冷媒媒体を冷凍する。
【0057】
ある特定の実施形態において、冷凍システム400は循環ポンプ410と冷凍機420を含み、冷媒輸送管300は2つ設けられ、かつ、2つの冷媒輸送管300はそれぞれ循環ポンプ410の出力端と入力端に接続され、冷凍機420は、一つの冷媒輸送管300に接続されている。
【0058】
上述実行過程において、冷媒媒体の循環輸送に用いられる循環ポンプ410を設けることにより、冷媒媒体の使用により有利である。
【0059】
ある特定の実施形態において、トレイ200の下端面には2つの連通管220が設けられ、かつ、2つの連通管220はそれぞれ対応する冷媒輸送管300に連通され、冷凍機420は半導体冷凍機である。
【0060】
上述実行過程において、2つの連通管220を設けることにより、冷媒媒体の循環輸送を容易にする。
【0061】
取り外し可能な管路を用いて冷媒媒体を搬送する場合、管路が取り外されると、搬送管路が閉鎖されにくくなり、冷媒媒体が漏れる現象が発生しやすく、使用に不利である。
【0062】
ある特定の実施形態において、管継手320は中間の直径が大きく、両端の直径が小さい円筒状の継手であり、かつ、管継手320は下円管310に回転可能に接続され、管継手320の下端部には環状突出部321が設けられ、かつ、環状突出部321は下円管310の内部に回動可能に係合され、下円管310の内部には第1遮断板311が固定的に取り付けられ、管継手320の底端には第2遮断板322が取り付けられ、かつ、第1遮断板311及び第2遮断板322はいずれも半円形の板材であり、第1遮断板311の上端面と第2遮断板322の下端面とが密封するように貼り合されている。
【0063】
上述実行過程において、管継手320を回転させることにより、第2遮断板322を回動させて、さらに第2遮断板322と第1遮断板311をずらすと、半円形をなす第1遮断板311と第2遮断板322はそれぞれ下円管310の内部両側に位置し、第1遮断板311と第2遮断板322は下円管310を塞ぎ、第1遮断板311と第2遮断板322は冷媒媒体の流れを遮断した後、上円管230を管継手320の表面から取り外すことにより、冷媒媒体の漏出を効果的に回避することができる。
【0064】
理解できるように、該管継手320と下円管310との接続箇所と、管継手320と上円管230との接続箇所には、何れもシールリングを設けることができ、シールリングは管継手320にのみ固定され、下円管310と上円管230はシールリングの内壁に密着しているだけで、管継手320の回転に影響を与えない前提として、下円管310と上円管230と管継手320との間のシール性を高めることができる。
【0065】
ある特定の実施形態において、上円管230の胴体には位置制限ブロック231が取り付けられ、かつ、位置制限ブロック231の表面には円弧板330が被覆され、位置制限ブロック231の外壁と円弧板330の内壁との間はすきまばめされており、円弧板330の底端と管継手320の中央部は固定接続され、円弧板330の先端には位置制限ブロック231に対応する位置制限板340が取り付けられている。
【0066】
上述実行過程において、上円管230を管継手320の表面に被せた後、管継手320を回転させて、管継手320の表面の円弧板330により位置制限板340を移動させ、円弧板330を上円管230外壁における位置制限ブロック231の表面に被せ、位置制限板340が位置制限ブロック231の上方に移動するとともに、管継手320の底端における第2遮断板322が第1遮断板311の上方に移動すると、第2遮断板322と第1遮断板311が重なり、冷媒輸送管300から輸送された冷媒媒体は、下円管310を経て管継手320内に輸送され、さらに上円管230内に輸送されることができ、また、位置制限板340は位置制限ブロック231の移動を制限するため、冷媒媒体の衝撃による上円管230が管継手320の表面から脱落する可能性を回避することができる。
【0067】
理解できるように、第1遮断板311と位置制限ブロック231は下円管310の内部の同じ側に位置し、第2遮断板322と位置制限板340が管継手320の同じ側に位置すると、位置制限板340が位置制限ブロック231の上方に移動すると、第2遮断板322もちょうど第1遮断板311の真上に移動し、下円管310と管継手320が連通するときに位置制限板340が位置制限ブロック231に係止し、冷媒媒体の搬送時に、上円管230が管継手320の表面から脱落することはない。
【0068】
好ましくは、該位置制限板340の下端面と位置制限ブロック231の上端面の両方に滑り止めゴムパッドを設けて、位置制限板340のと位置制限ブロック231との間の滑り止め効果を高めることができる。
【0069】
ある特定の実施形態において、位置制限ブロック231の上端面と位置制限板340の下端面とが貼り合されている。
【0070】
トレイをキャリアとし、その表面に冷凍構造を設ける場合、漢方薬材をよく冷凍することができるが、冷凍構造と冷媒輸送管路が分離すると、冷凍構造のポートが閉鎖しにくくなり、冷媒媒体が漏れる現象が発生し、使用に不利である。
【0071】
ある特定の実施形態において、連通管220の内部にはスライドカバープレート500が摺動可能に設けられ、かつ、スライドカバープレート500は上円管230の直上に位置し、スライドカバープレート500の上端面と連通管220の内部先端との間にはバネが取り付けられ、スライドカバープレート500の下端面と上円管230の先端とが密封するように貼り合され、管継手320の先端にはスライドカバープレート500に対応するプッシュブロック350が設けられている。
【0072】
上述実行過程において、上円管230を管継手320の表面に被せた後、管継手320の先端におけるプッシュブロック350がスライドカバープレート500を押して移動させ、スライドカバープレート500を上円管230の先端から分離させ、かつ、スライドカバープレート500がバネを押し出し、冷媒媒体が管継手320を経て上円管230内に入ることができ、
一方、上円管230を管継手320の表面から取り外して、バネの支持によりスライドカバー500が上円管230の先端に下に移動し、上円管230の先端を閉じることで、連通管220内の冷凍媒体の排出を回避し、冷媒媒体の漏出の可能性を低減することができる。
【0073】
ある特定の実施形態において、スライドカバープレート500の下端面にはガイドブロック510が取り付けられ、上円管230の内壁にはガイドブロック510と合う溝が開設され、ガイドブロック510の下端部はガイドブロック510内壁の溝に摺動可能に挿着され、管継手320の中心部は上円管230の底端とが密封するように貼り合わされている。
【0074】
上述実行過程において、該上円管230は、ガイドブロック510の移動範囲を制限することにより、さらにスライドカバープレート500の移動範囲を制限することができ、スライドカバープレート500の移動をより安定させることができる。
【0075】
具体的には、該漢方薬材冷凍乾燥の加工装置を使用する際には、トウキなどの漢方薬材をスライスした後、トレイ200表面における隣接する2つの中空板体210の間に置き、冷媒輸送管300内へ冷媒媒体を輸送し、冷媒媒体は下円管310、管継手320と上円管230を経て連通管220内に入った後、中空板体210内に輸送し、冷媒媒体により2つの中空板体210の間に位置するシート状漢方薬材を冷凍、乾燥することができ、また、シート状の漢方薬は2つの中空板体210の間に位置しているため、冷媒媒体が両側からシート状の漢方薬材を冷凍することができるようになり、冷凍の効果を高め、乾燥の速度を大幅に高め、加工時間を効果的に減らし、加工効率を高める。
【0076】
また、上円管230は管継手320の表面に被せることにより、着脱が容易であり、トレイ200を管継手320の表面から取り外しやすく、取り外したトレイ200は反転することができ、トレイ200の表面の凍結乾燥完了したシート状の漢方薬材を容易に注ぎ出すことができる。
【0077】
上記は本願の実施例にすぎず、本願の保護範囲を制限するためには使用されず、当業者にとっては様々な変更や変更が可能である。本願の精神と原則の中で、行ったいかなる修正、等価置換、改善などは、本願の保護範囲に含まれるべきである。なお、類似の符号とアルファベットは次の図において類似項を表しているので、ある項が1つの図に定義されると、次の図においてそれをさらに定義し解釈する必要はない。
【符号の説明】
【0078】
100、乾燥ボックス;110、突起ブロック;200、トレイ;210、中空板体;220、連通管;230、上円管;231、位置制限ブロック;300、冷媒輸送管;310、下円管;311、第1遮断板;320、管継手;321、環状突起部;322、第2遮断板;330、円弧板;340、位置制限板;350、プッシュブロック;400、冷凍システム;410、循環ポンプ;420、冷凍機;500、スライドカバープレート;510、ガイドブロック。
【要約】
本願は漢方薬材冷凍乾燥の加工装置を提供し、漢方薬材の加工分野に関する。該漢方薬材冷凍乾燥の加工装置は、乾燥ボックス、トレイ及び冷媒輸送管を有する。前記トレイは前記乾燥ボックスの内部に摺動可能に取り付けられ、前記トレイの上端面には中空板体が間隔を空けて取り付けられ、かつ、前記中空板体の間には連通管が連通され、前記連通管の底端には上円管が連通され、前記冷媒輸送管は前記乾燥ボックスの内部に取り付けられ、かつ、前記冷媒輸送管には下円管が連通され、かつ、前記下円管の先端には管継手が設けられ、前記上円管は前記管継手の表面に被装されている。本願では、トレイの表面に中空板体を間隔を空けて設けて、冷凍乾燥対象の漢方薬材を隣接する2つの中空板体の間に置いて、中空板体内の冷媒を利用して中空板材の両側から冷凍を行い、冷凍の効果を大幅に高め、加工時間を効果的に削減し、加工効率を高める。
【選択図】図1
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