(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】ハンドケア機能を具備する喫煙物品ケース
(51)【国際特許分類】
A24F 15/12 20060101AFI20240409BHJP
【FI】
A24F15/12
(21)【出願番号】P 2022548466
(86)(22)【出願日】2021-11-12
(86)【国際出願番号】 KR2021016501
(87)【国際公開番号】W WO2022154231
(87)【国際公開日】2022-07-21
【審査請求日】2022-08-19
(31)【優先権主張番号】10-2021-0003797
(32)【優先日】2021-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャ、クワン ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ハン ジン
(72)【発明者】
【氏名】リー、チュル ヒー
(72)【発明者】
【氏名】イム、チャン クン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、キュン ビン
(72)【発明者】
【氏名】チュン、ナエ オー
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2012-0131417(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0056473(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0067727(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 15/00
A24F 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙物品を保管するための内部空間が形成されている胴体部と、
前記胴体部に連結されているカバーと、を含み、
前記胴体部および前記カバーの外面のうち少なくとも一部には、機能性ケアゾーン(care zone)が形成されており、
前記機能性ケアゾーンの少なくとも一部には、機能性物質を含有するマイクロカプセルが塗布されており、
前記機能性物質は、抗菌物質を含
み、
前記機能性ケアゾーンの少なくとも一部にはインクが塗布されており、前記機能性ケアゾーンに塗布されたマイクロカプセルは、前記インクの色または色濃度を変化させる物質をさらに含有し、
前記マイクロカプセルが破砕されて前記インクの色または色濃度を変化させる前記物質が排出されるにつれて、前記インクの色または色濃度が変化する、喫煙物品ケース。
【請求項2】
前記抗菌物質は、グレープフルーツ抽出物、ライムオイル、ユーカリオイル、松葉オイル、オイカリプトール、リモネンおよびプロポリスからなる群から選ばれた一種以上の物質を含む、請求項1に記載の喫煙物品ケース。
【請求項3】
前記機能性ケアゾーンの第1領域には、第1破砕強度を有する第1マイクロカプセルが塗布されており、
前記機能性ケアゾーンの第2領域には、第2破砕強度を有する第2マイクロカプセルが塗布されており、
前記第1破砕強度は、前記第2破砕強度より小さい、請求項1に記載の喫煙物品ケース。
【請求項4】
前記第1領域は、中心領域であり、
前記第2領域は、外郭領域である、請求項
3に記載の喫煙物品ケース。
【請求項5】
前記第1マイクロカプセルの膜材は、セルロース系物質を含み、
前記第2マイクロカプセルの膜材は、メラミン系物質を含む、請求項
3に記載の喫煙物品ケース。
【請求項6】
前記機能性ケアゾーンは、互いに離隔して配置された複数の突出領域を含む、請求項1から
5のいずれか一項に記載の喫煙物品ケース。
【請求項7】
前記複数の突出領域のうち少なくとも一部は、突出程度または離隔距離が他の突出領域と異なる、請求項
6に記載の喫煙物品ケース。
【請求項8】
前記機能性ケアゾーンには、指定されたシンボルを構成するようにインクが塗布されており、
前記指定されたシンボルには、前記機能性ケアゾーンに関する情報がコード化されている、請求項1から
7のいずれか一項に記載の喫煙物品ケース。
【請求項9】
前記機能性ケアゾーンは、突起パターンが形成された突起領域を含む、請求項1から
8のいずれか一項に記載の喫煙物品ケース。
【請求項10】
前記突起領域は、第1突起領域および第2突起領域を含み、
前記第1突起領域には、第1密集度の突起パターンが形成されており、
前記第2突起領域には、前記第1密集度より高い第2密集度の突起パターンが形成されており、かつ、
前記第2突起領域には、前記第1突起領域より濃厚な色濃度のインクが塗布されている、請求項
9に記載の喫煙物品ケース。
【請求項11】
前記機能性ケアゾーンは、第1機能性物質を含有するマイクロカプセルが塗布されている第1機能性ケアゾーンと、前記第1機能性物質と異なる第2機能性物質を含有するマイクロカプセルが塗布されている第2機能性ケアゾーンと、を含み、
前記第1機能性ケアゾーンと前記第2機能性ケアゾーンには、互いに異なる色のインクが塗布されている、請求項1から
10のいずれか一項に記載の喫煙物品ケース。
【請求項12】
前記機能性ケアゾーンは、前記抗菌物質を含有するマイクロカプセルが塗布されている抗菌ゾーンの他に脱臭ゾーンおよび芳香ゾーンをさらに含む、請求項1から
11のいずれか一項に記載の喫煙物品ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ハンドケア機能を具備する喫煙物品ケースに関し、より詳細には、喫煙者の手または指部位の衛生などのための多様なケア機能を具備する喫煙物品ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、喫煙物品は、その形態によってシガレット(cigarette)、葉巻(cigar)などに分類され、このうち、シガレットが消費量の大部分を占めている。シガレットは、加工されたタバコ葉を細かく粉砕した後、シガレットペーパー(cigarette paper)で巻いて形成した円筒形の物品であり、シガレット形態の物品は、一般的に紙で作られたケース内に保管されて販売される。
【0003】
一方、喫煙者の大部分は、指でシガレットを支持して喫煙をすることになるが、そのため、喫煙後に手に不快な臭いが残ることになる。それだけでなく、喫煙行為は、指と口部の接触を増加させるので、喫煙時に汚染された指やシガレットにあった有害菌が口部を通じて身体の内部に浸透することもできる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の幾つかの実施形態を通じて解決しようとする技術的課題は、ハンドケア機能を具備する喫煙物品ケースを提供することにある。
【0005】
本開示の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていない他の技術的課題は、下記の記載から本開示の技術分野における通常の技術者が明確に理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するための、本開示の幾つかの実施形態による喫煙物品ケースは、喫煙物品を保管するための内部空間が形成されている胴体部と、前記胴体部に連結されているカバーと、を含み、前記胴体部および前記カバーの外面のうち少なくとも一部には、機能性ケアゾーン(care zone)が形成されていてもよい。また、前記機能性ケアゾーンの少なくとも一部には、機能性物質を含有するマイクロカプセルが塗布されており、前記機能性物質は、抗菌物質を含んでもよい。
【0007】
幾つかの実施形態において、前記抗菌物質は、グレープフルーツ抽出物、ライムオイル、ユーカリオイル、松葉オイル、オイカリプトール、リモネンおよびプロポリスからなる群から選ばれた一種以上の物質を含んでもよい。
【0008】
幾つかの実施形態において、前記機能性ケアゾーンの少なくとも一部にはインクが塗布されており、前記機能性ケアゾーンに塗布されたマイクロカプセルは、前記インクの色または色濃度を変化させる物質をさらに含有することができる。
【0009】
幾つかの実施形態において、前記機能性ケアゾーンの第1領域には、第1破砕強度を有する第1マイクロカプセルが塗布されており、前記機能性ケアゾーンの第2領域には、第2破砕強度を有する第2マイクロカプセルが塗布されており、前記第1破砕強度は、前記第2破砕強度より小さくてもよい。
【0010】
幾つかの実施形態において、前記機能性ケアゾーンは、互いに離隔して配置された複数の突出領域を含んでもよい。
【0011】
幾つかの実施形態において、前記機能性ケアゾーンには、指定されたシンボルを構成するようにインクが塗布されており、前記指定されたシンボルには、前記機能性ケアゾーンに関する情報がコード化されていてもよい。
【0012】
幾つかの実施形態において、前記機能性ケアゾーンは、突起パターンが形成された突起領域を含んでもよい。
【0013】
幾つかの実施形態において、前記機能性ケアゾーンは、第1機能性物質を含有するマイクロカプセルが塗布されている第1機能性ケアゾーンと、前記第1機能性物質と異なる第2機能性物質を含有するマイクロカプセルが塗布されている第2機能性ケアゾーンと、を含み、前記第1機能性ケアゾーンと前記第2機能性ケアゾーンには、互いに異なる色のインクが塗布されていてもよい。
【0014】
幾つかの実施形態において、前記機能性ケアゾーンは、前記抗菌物質を含有するマイクロカプセルが塗布されている抗菌ゾーンの他に脱臭ゾーンおよび芳香ゾーンをさらに含んでもよい。
【発明の効果】
【0015】
上述した本開示の幾つかの実施形態によれば、喫煙物品ケースの外面に機能性物質を含有するマイクロカプセルが塗布されることによって、機能性ケアゾーンが形成されてもよい。機能性ケアゾーンは、喫煙者の手または指部位との摩擦するとき、機能性物質を排出することによって(すなわち、塗布されたマイクロカプセルが破砕されて機能性物質が排出される)、喫煙者にハンドケア機能を提供することができる。例えば、抗菌物質が機能性物質に用いられた場合、喫煙者の手部位に抗菌ケア機能を提供することができる。
【0016】
また、機能性ケアゾーンにインクが共に塗布されることによって、機能性ケアゾーンの特性情報(e.g.位置、種類など)を喫煙者に視覚的に伝達することができる。
【0017】
また、機能性ケアゾーンに塗布されるマイクロカプセルにインクの色または色濃度を変化させる物質をさらに含有してもよい。この場合、マイクロカプセルが破砕されるにつれて少しずつ機能性ケアゾーンの色または色濃度が浅くなることによって、機能性ケアゾーンの残余使用期間に関する情報を喫煙者に視覚的に伝達することができる。
【0018】
また、機能性ケアゾーンの外郭領域に相対的に破砕強度の大きいマイクロカプセルが塗布され、機能性ケアゾーンの中心領域に相対的に破砕強度の小さいマイクロカプセルが塗布されてもよい。この場合、喫煙者が喫煙物品ケースを所持する間、意図しない摩擦に起因してマイクロカプセルが破砕される問題を緩和することができる。
【0019】
また、機能性ケアゾーンに互いに離隔して配置された複数の突出領域が形成されていてもよいし、突起パターンが形成されていてもよい。この場合、摩擦力の増加によってマイクロカプセルが容易に破砕されることによって、ハンドケア機能をよりスムーズに提供することができる。
【0020】
また、互いに異なる機能性物質を含有するマイクロカプセルが互いに異なる領域に塗布されて、複数の機能性ケアゾーンが形成されてもよい。例えば、抗菌ゾーン、脱臭ゾーン、芳香ゾーンなどのように複数のケアゾーンが形成されてもよいが、この場合、喫煙者に多角的かつ総合的なハンドケア機能を提供することができる。
【0021】
本開示の技術的思想による効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されていない他の効果は、下記の記載から通常の技術者が明確に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本開示の幾つかの実施形態による喫煙物品ケースを概略的に示す例示図である。
【
図2】本開示の幾つかの実施形態による喫煙物品ケースを概略的に示す例示図である。
【
図3】本開示の幾つかの実施形態による喫煙物品ケースを概略的に示す例示図である。
【
図4】本開示の幾つかの実施形態による機能性ケアゾーンの構造を説明するための例示図である。
【
図5】本開示の第1実施形態による機能性ケアゾーンを説明するための例示図である。
【
図6】は、本開示の第2実施形態による機能性ケアゾーンを説明するための例示図である。
【
図7】本開示の第2実施形態による機能性ケアゾーンを説明するための例示図である。
【
図8】本開示の第3実施形態による機能性ケアゾーンを説明するための例示図である。
【
図9】本開示の第4実施形態による機能性ケアゾーンを説明するための例示図である。
【
図10】本開示の第5実施形態による機能性ケアゾーンを説明するための例示図である。
【
図11】本開示の第5実施形態による機能性ケアゾーンを説明するための例示図である。
【
図12】本開示の第5実施形態による機能性ケアゾーンを説明するための例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照して本開示の好ましい実施形態を詳細に説明する。本開示のメリットおよび特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述している実施形態を参照すれば明確になるだろう。しかしながら、本開示の技術的思想は、以下の実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形状に具現でき、単に以下の実施形態は、本開示の技術的思想が完全になるようにし、本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者に本開示の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本開示の技術的思想は、請求項の範疇によって定義されるのみである。
【0024】
各図面の構成要素に参照符号を付加するに際して、同じ構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されても、できるだけ同じ符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本開示を説明するに際して、関連した公知構成または機能に関する具体的な説明が本開示の要旨を不明にすることができると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0025】
別途の定義がない限り、本明細書において使用されるすべての用語(技術および科学的用語を含む)は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に共通して理解され得る意味で使用され得る。また、一般的に使用される辞書に定義されている用語は、明白に特に定義されていない限り、理想的にまたは過度に解析されない。以下の実施形態において使用される用語は、実施形態を説明するためのものであり、本開示を制限しようとするものではない。以下の実施形態において、単数型は、文章において特に言及しない限り、複数型も含む。
【0026】
また、本開示の構成要素を説明するに際して、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用できる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語により当該構成要素の本質や手順または順序などが限定されない。任意の構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素は、当該他の構成要素に直接的に連結されるか、または接続され得るが、各構成要素の間にさらに他の構成要素が「連結」、「結合」または「接続」され得ると理解しなければならない。
【0027】
本開示において使用される「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は、言及された構成要素、段階、動作および/または素子は、一つ以上の他の構成要素、段階、動作および/または素子の存在または追加を排除しない。
【0028】
本開示の多様な実施形態に対する本格的な説明に先立って、実施形態において使用される幾つかの用語について明確にする。
【0029】
以下の実施形態において、「喫煙物品」(smoking article)とは、タバコ、タバコ派生物、膨化処理タバコ(expanded tobacco)、再生タバコ(reconstituted tobacco)またはタバコ代用物に基づくかに関係なく喫煙可能な任意の製品または喫煙体験を提供できる任意の製品を意味し得る。例えば、喫煙物品は、シガレット、葉巻(cigar)および小さい葉巻(cigarillo)などのような喫煙可能製品を含んでもよい。他の例として、喫煙物品は、燃焼型喫煙物品と加熱型喫煙物品を含んでもよい。
【0030】
以下では、本開示の多様な実施形態について添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0031】
図1~
図3は、本開示の幾つかの実施形態による喫煙物品ケース100を概略的に示す例示図である。
【0032】
図1~
図3に示されたように、喫煙物品ケース100は、胴体部200とカバー300を含んでもよい。ただし、
図1~
図3には、本開示の実施形態と関連する構成要素のみが示されている。したがって、本開示の属する技術分野における通常の技術者なら、
図1~
図3に示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素をさらに含んでもよいことが分かる。以下、喫煙物品ケース100の各構成要素について説明する。
【0033】
胴体部200は、喫煙物品ケース100の全般的なフレームを形成する構造物でありうる。また、胴体部200の内部には、一つ以上の喫煙物品(不図示)を保管するための空間が形成されてもよい。胴体部200は、外力から喫煙物品を保護するために堅固な構造を形成できる素材からなることが好ましい。例えば、胴体部200は、剛性の紙素材からなり得る。しかしながら、これに限定されるものではない。
【0034】
次に、カバー300は、胴体部200と連結されて胴体部200のカバーの役割を行う構造物であってもよく、開閉可能な構造からなり得る。喫煙者は、カバー300を開放して胴体部200に保管された喫煙物品200を引き出したり胴体部200の内部空間で喫煙物品を投入することができる。また、喫煙者は、カバー300を閉鎖することによって、喫煙物品200が喫煙物品ケース100に保管されるようにすることができる。また、カバー300は、堅固な構造を形成できる素材からなることが好ましい。例えば、カバー300も、剛性の紙素材からなり得る。しかしながら、これに限定されるものではない。
【0035】
図示のように、胴体部200またはカバー300の外面のうち少なくとも一部には、機能性ケアゾーン400が形成されていてもよい。機能性ケアゾーン400は、機能性物質を用いてハンドケア機能を提供する領域を意味し得る。胴体部200および/またはカバー300が包装フィルムによって包装されている場合、機能性ケアゾーン400は、包装フィルムの外面のうち少なくとも一部に形成されていてもよい。包装フィルムの例としては、放電処理されているOPP(oriented poly propylene)フィルムが挙げられるが、本開示の範囲がこれに限定されるものではない。以下では、説明の便宜上「機能性ケアゾーン400」を「ケアゾーン400」と略称する。
【0036】
幾つかの実施形態において、ケアゾーン400は、喫煙物品ケース100の凹状領域に形成されてもよい。例えば、特定面に凹状領域が形成されるようにカバー300が製造されると、凹状領域内にケアゾーン400が形成されてもよい。ここで、凹状領域は、他の領域に比べて内部方向に凹設した(陥没した)領域を意味し得、凹設した深さは、例えばケアゾーン400の厚さ以上であってもよいが、これに限定されるものではない。この場合、喫煙者が喫煙物品ケース100を所持する間、喫煙者の意図に関係なく、マイクロカプセルが破砕されるなどの問題を緩和することができる。例えば、喫煙者が喫煙物品ケース100をポケットに所持する間、意図しない摩擦に起因してケアゾーン400が毀損されることがあるが、本実施形態によれば、このような問題を大きく緩和することができる。
【0037】
ケアゾーン400は、例えばインクと機能性物質が含有されたマイクロカプセルを塗布することによって形成されてもよい。ここで、インクは、ケアゾーン400の位置、ケア機能の種類などのような特性情報を喫煙者に視覚的に伝達する役割を行うことができ、マイクロカプセルが喫煙者にハンドケア機能を提供することができる。例えば、
図2に示されたように、喫煙者の手または手の一部分(e.g.指)がケアゾーン400と摩擦するとき、マイクロカプセルが破砕されて機能性物質が排出されることができ、排出された機能性物質が自然に喫煙者の手部位に当接することになって、ハンドケア効果を発揮することができる。したがって、機能性物質の種類によってケアゾーン400の具体的なケア機能が決定され、機能性物質の例としては、抗菌物質、脱臭(消臭)物質、芳香物質、消毒物質などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0038】
一方、
図1~
図3は、カバー300の前面または上面にケアゾーン400が形成されたことを例示しているが、本開示の範囲がこれに限定されるものではなく、ケアゾーン400の配置位置は、多様に設計可能である。また、ケアゾーン400の個数、厚さ、サイズおよび/または形なども多様に設計可能である。
【0039】
以下では、
図4以降の図面を参照してケアゾーン400についてより詳細に説明する。
【0040】
図4は、本開示の幾つかの実施形態によるケアゾーン400の構造を説明するための例示図である。特に、
図4は、ケアゾーン400がカバー300の外面に形成されたことを例示している。
【0041】
図4に示されたように、ケアゾーン400は、インク層410とカプセル層420を含んでもよい。ただし、ケアゾーン400は、ただハンドケア機能を提供する領域を概念的に指すものであるから、ケアゾーン400の一部領域にのみインク層410とカプセル層420が形成されてもよく、ケアゾーン400の一部領域には、インク層410とカプセル層420のうちいずれか一つのみが形成されていてもよい。
【0042】
幾つかの実施形態において、インク層410とカプセル層420の間に樹脂層(不図示)が位置してもよい。樹脂層(不図示)は、インク層410を保護し、カプセル層420を固定させる役割を行うことができる。樹脂層(不図示)は、樹脂(resin)を塗布することによって形成されてもよいが、樹脂は、接着特性と固形化特性を有するので、マイクロカプセル430を容易に付着させることができ、製造または過程でスクラッチも防止することができる。樹脂は、例えば、接着性を有するビニル系ポリマー(vinyl-based polymer)、スチレンモノマー(styrene monomer)、メチルスチレンモノマー(α-methyl styrene)、アクリル酸(acrylic acid)の3次元共重合体などを含んでもよいが、これに限定されるものではない。
【0043】
一方、
図4は、ケアゾーン400を形成するインク層410とカプセル層420が明確に区分されているもののように示しているが、これは、ただ理解の便宜を提供するためのものであり、塗布方式によって、インク層410とカプセル層420は、明確に区分されることもでき、そうでない場合もある。例えば、ケアゾーン400は、インク塗布を通じて形成されたインク層410上にマイクロカプセル430を塗布することによって形成されてもよい。ここで、インクとマイクロカプセル430の塗布方式は、いかなる方式であっても関係ない。例えば、インク層410は、インクをオフセット(off-set)印刷方式で印刷することによって形成されてもよいが、これに限定されるものではない。他の例として、ケアゾーン400は、インクとマイクロカプセル430を含む機能性組成物をカバー300に一括塗布することによって形成されてもよい。例えば、前記機能性組成物がオフセット印刷方式で胴体部200および/またはカバー300などに塗布されてもよい。
【0044】
参考として、オフセット印刷方式は、水と油の反発力を利用する間接印刷方式であり、グラビア(Gravure)印刷などの他の印刷方式よりマイクロカプセル430の破れ(破砕)現象を最小化することができ、これによって、喫煙物品ケース100の製造および流通過程で機能性物質が流れ出る現象をあらかじめ防止することができる。
【0045】
前述した例示において、前記機能性組成物は、約5重量%~40重量%のマイクロカプセル430と約60重量%~90%重量のインクを配合することによって組成されることができ、好ましくは、約10重量%~35重量%のマイクロカプセル430と約65重量%~90重量%のインクまたは約10重量%~25重量%のマイクロカプセル430と約75重量%~90重量%のインクを配合することによって組成されることができる。このような数値範囲内で、ケアゾーン400の色鮮明度とハンドケア効果を同時に保障することができる。
【0046】
以下では、インク層410とカプセル層420についてより詳細に説明する。
【0047】
インク層410は、インクを塗布することによって形成されてもよい。上記で説明したように、インク層410は、ケアゾーン400の特性情報を視覚的に伝達する役割を行うことができる。
【0048】
インク層410の形態とカプセル層420の形態は、実質的に同じでも異なっていてもよい。インク層410の色、形態などは、ケアゾーン400が提供するケア機能の種類、デザイン的要素などを考慮して多様に設計可能である。例えば、互いに異なるケア機能(e.g.抗菌、脱臭、芳香など)を提供する複数のケアゾーン400が形成された場合、各ケアゾーン400のインク層410が互いに異なる色または形態に設計可能である。他の例として、ケアゾーン400と関連した機能性物質の種類によってインク層410が互いに異なる色または形態に設計可能である。例えば、ケアゾーン400の機能性物質がリンゴ香を発現する芳香物質である場合、インク層410は、緑色のリンゴ形態で形成されてもよい。または、ケアゾーン400の機能性物質がチョコレート香を発現する芳香物質である場合、インク層410は、茶色、黄土色または黒色の四角形の形態でありうる。インク層410の形態は、シンボル(e.g.文字、記号など)の形態であってもよい。
【0049】
次に、カプセル層420は、マイクロカプセル430を塗布することによって形成されてもよい。カプセル層420は、マイクロカプセル430が破砕されるにつれて内部に含有された機能性物質を排出することによって、喫煙者にハンドケア機能を提供することができる。カプセル層420は、例えば透明な色であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0050】
マイクロカプセル430は、機能性物質(またはこれを含む機能性組成物)とこれを囲む膜を含んでもよい。マイクロカプセル430は、直径約10μm以下の球形であってもよいが、これに限定されるものではない。また、膜の厚さは、約100nm以下であってもよいが、これに限定されるものではない。前記膜を形成する膜材は、例えば、メラミン系物質、セルロース系物質を含んでもよいが、これに限定されるものではない。
【0051】
前記機能性物質は、例えば抗菌物質、脱臭物質、芳香物質、消毒物質などを含んでもよいが、これに限定されるものではない。また、抗菌物質は、例えば、グレープフルーツ抽出物、ライムオイル(lime oil)、ユーカリオイル(eucalyptus oil)、松葉オイル(pine needle oil)、オイカリプトール(eucalyptol)、リモネン(limonene)、プロポリスなどを含んでもよいが、これに限定されるものではない。
【0052】
幾つかの実施形態において、マイクロカプセル430は、機能性物質の他にインクの色または色濃度を変化させることができる物質をさらに含有することができる。例えば、マイクロカプセル430は、インクを希釈させることによって色濃度を変化させることができる希釈物質をさらに含有することができる。この場合、マイクロカプセル430が破砕されるにつれて次第にインクの色または色濃度が変化するので、視覚的変化を通じてケアゾーン400部位のマイクロカプセル430の残余量を直観的に喫煙者に伝達することができる。すなわち、ケアゾーン400の残余使用期間が喫煙者に視覚的に伝達される効果を達成することができる。
【0053】
一方、ケアゾーン400の個数、サイズ、形態、色、配置形態および/または構成様態(e.g.カプセル層420の厚さ、サイズ、マイクロカプセル430の破砕強度、サイズなど)などは、多様に設計可能であり、これは、実施形態によって変わることができる。以下では、
図5以降の図面を参照してケアゾーン400の多様な実施形態について説明する。
【0054】
図5は、本開示の第1実施形態によるケアゾーン400を説明するための図である。以降の図面において、喫煙物品ケース100に対する図示は省略されたが、ケアゾーン400は、喫煙物品ケース100の一部面に形成されているものと理解できる。
【0055】
本実施形態において、ケアゾーン400に含まれた複数の領域別に互いに異なる破砕強度を有するマイクロカプセル430が塗布されてもよい。またはケアゾーン400が複数個である場合、各ケアゾーン400に互いに異なる破砕強度を有するマイクロカプセル430が塗布されてもよい。
【0056】
例えば、
図5に例示されたように、ケアゾーン400の中心領域402に破砕強度の相対的に小さいマイクロカプセル430が塗布され、外郭領域401、403に破砕強度の相対的に大きいマイクロカプセル430が塗布されてもよい。この場合、ケアゾーン400のハンドケア機能が向上することができ、ケアゾーン400き損問題を緩和することができるが、その理由は、次のとおりである。通常、喫煙者の摩擦動作が外郭から中心方向に行われるという点を考慮するとき、中心領域402には、外郭領域401、403より弱い力が作用する可能性が高い。したがって、中心領域402への弱い力にも破砕されやすいマイクロカプセル430が塗布されると、ケアゾーン400の全体領域(e.g.401~403)にわたってマイクロカプセル430が均一に破砕されることによって、機能性物質の排出量が増大することができ、これによって、ケアゾーン400のハンドケア機能が効果的に向上することができる。また、喫煙者が喫煙物品ケース100を所持するとき、外郭領域401、403で意図しない摩擦が起こる可能性が高い。したがって、外郭領域401、403に破砕されにくいマイクロカプセル430を塗布すると、意図せずにマイクロカプセル430が破砕される問題を緩和することができる。
【0057】
他の例として、左側領域(e.g.401)から右側領域(e.g.403)に行くほど塗布されたマイクロカプセル430の破砕強度がさらに大きくなるか、小さくなってもよい。
【0058】
さらに他の例として、喫煙物品ケース100の特定面に形成された第1ケアゾーンには、第1破砕強度のマイクロカプセル430が塗布され、他の面に形成された第2ケアゾーンには、第1破砕強度と異なる第2破砕強度のマイクロカプセル430が塗布されることもできる。
【0059】
さらに他の例として、マイクロカプセル430の破砕強度を通じてケアゾーン400またはケアゾーン400の特定領域のケア強度(または機能性物質の排出量)を調節することもできる。具体的に、ケアゾーン400の第1領域には、破砕強度の小さいマイクロカプセル430が塗布され、第2領域には、破砕強度の大きいマイクロカプセル430が塗布されてもよい。この場合、第1領域では、喫煙者の摩擦動作によって多量の機能性物質が排出されることによって、高強度(または高刺激)のケア機能を提供することができ、第2領域では、少量の機能性物質が排出されることによって、低強度(または低刺激)のケア機能を提供することができる。参考として、本例示において、第1領域と第2領域に異なる色または色濃度のインクが塗布されてもよい。ここで、インクの色または色濃度は、ケア強度に基づいて決定することができる。
【0060】
さらに他の例として、マイクロカプセル430の破砕強度を通じて機能性物質の性能による排出量を制御することもできる。具体的に、高性能(または高刺激)の機能性物質(e.g.抗菌性能の高い物質、発香強度の強い物質など)は、破砕強度の高いマイクロカプセル430に収納されてケアゾーン400の第1領域に塗布され、低性能(または低刺激)の機能性物質(e.g.抗菌性能の低い物質、発香強度の弱い物質など)は、破砕強度の小さいマイクロカプセル430に収納されて第2領域に塗布されてもよい。この場合、喫煙者の摩擦動作によって、第1領域では、高性能の機能性物質が少量排出され、第2領域では、低性能の機能性物質が多量排出されて、ケアゾーン400の各領域が均一なケア強度を有することができる。もちろん、前述した例示のように、ケアゾーン400の各領域に差次的なケア強度を付与するために、高性能の機能性物質が、破砕強度の小さいマイクロカプセル430に収納されてケアゾーン400の特定領域に塗布されてもよい。
【0061】
このように、ケアゾーン400に対する喫煙者の摩擦行為(e.g.摩擦強度、摩擦方向、摩擦動作など)、ケアゾーン400の特性(e.g.ケア強度など)などを考慮して多様な破砕強度を有するマイクロカプセル430が多様な形態で塗布されてもよい。
【0062】
参考として、マイクロカプセル430の破砕強度は、マイクロカプセル430の膜材により調節することができる。膜材は、例えば生分解性高分子物質(e.g.セルロース系物質)、メラミン系物質を含んでもよいが、これに限定されるものではない。実験結果によれば、セルロース系物質が膜材に用いられたマイクロカプセルは、メラミン系物質が膜材に用いられたマイクロカプセルより低い破砕強度と優れた生分解性を有することが確認された。
【0063】
以上では、
図5を参照して本開示の第1実施形態によるケアゾーン400について説明した。以下では、
図6および
図7を参照して本開示の第2実施形態によるケアゾーン400について説明する。
【0064】
図6および
図7は、本開示の第2実施形態によるケアゾーン400を説明するための図である。
【0065】
本実施形態において、
図6に示されたように、ケアゾーン400内に複数の突出領域(e.g.411、412)が互いに離隔して形成されてもよい。または、
図7に示されたように、複数のケアゾーン400-1、400-2が喫煙物品ケース100の外面より突出した状態で離隔して形成されてもよい。突出領域(e.g.411、412)は、喫煙物品ケース100の外部方向に突出している領域を意味し得るが、突出領域(e.g.411、412)は、喫煙者の手部位との摩擦力を増加させることによって、摩擦動作時に滑りを防止し、マイクロカプセル430が破砕されやすいようにすることができる。これによって、ケアゾーン400のハンドケア機能が効果的に向上することができる。
【0066】
突出領域(e.g.411、412)を形成する方式は多様である。例えば、喫煙物品ケース100の特定領域(e.g.411、412)が物理的に突出するように設計および製造することによって、突出領域(e.g.411、412)が形成されてもよい。他の例として、喫煙物品ケース100の特定領域(e.g.411、412)に所定の部材を付着することによって突出領域(e.g.411、412)が形成されてもよい。さらに他の例として、喫煙物品ケース100の特定領域(e.g.411、412)に厚いカプセル層420を配置することによって、突出領域(e.g.411、412)が形成されてもよい。さらに他の例として、上述した例示の組み合わせに基づいて突出領域(e.g.411、412)が形成されてもよい。
【0067】
一方、突出領域(e.g.411、412)の詳細様態(e.g.色、高さ、形態、離隔距離、配置形態など)は、後述するように多様に設計可能である。
【0068】
まず、突出領域(e.g.411、412)の突出程度(すなわち、高さ)は、互いに同じでも異なっていてもよい。例えば、前記高さは、次第に増加する形態、次第に減少する形態、増加減少が繰り返される形態などのように多様に設計可能である。幾つかの例において、突出領域(e.g.411、412)の高さは、約5μm~5000μmであってもよく、好ましくは、約10μm~1000μmまたは約10μm~500μmでありうる。しかしながら、これに限定されるものではない。
【0069】
また、突出領域(e.g.411、412)間の離隔距離または突出領域(e.g.411、412)のサイズも同じでも異なっていてもよい。例えば、前記離隔距離(または前記のサイズ)は、次第に増加する形態、次第に減少する形態、増加減少が繰り返される形態などのように多様に設計可能である。
【0070】
また、突出領域(e.g.411、412)の色も、他の領域と同じでも異なっていてもよい。例えば、突出領域(e.g.411、412)にのみインク層410が形成されてもよい。ここで、突出領域(e.g.411、412)の色または色濃度は、非突出領域と異なっていてもよい。
【0071】
また、突出領域(e.g.411、412)の形態と配置形態も多様である。例えば、
図6に示されたように、突出領域(e.g.411、412)は、矩形の形態を有し、縦方向に配置されてもよい。この場合、横方向への摩擦動作時(
図2参照)に摩擦力がさらに増加することができる。喫煙者の摩擦動作は、主に横方向で行われるので、このような配置は、効果的にハンドケア機能を向上させることができる。ただし、これに限定されるものではなく、突出領域(e.g.411、412)は、網目状に形成されてもよい。
【0072】
また、マイクロカプセル430は、ケアゾーン400の全体にわたって塗布されてもよく、一部にのみ塗布されてもよい。例えば、マイクロカプセル430は、突出領域(e.g.411、412)にのみ塗布されてもよく、突出領域(e.g.411、412)の間にのみ塗布されてもよい。突出領域(e.g.411、412)の間にマイクロカプセル430が塗布される場合、喫煙者が喫煙物品ケース100を所持する間、意図しない摩擦に起因してマイクロカプセル430が破砕される問題を軽減することができる。
【0073】
以上では、
図6および
図7を参照して本開示の第2実施形態によるケアゾーン400について説明した。以下では、
図8を参照して本開示の第3実施形態によるケアゾーン400について説明する。
【0074】
図8は、本開示の第3実施形態によるケアゾーン400を説明するための図である。
【0075】
本実施形態において、
図8に示されたように、ケアゾーン400内に突起パターンが形成されてもよい。前述した第2実施形態と同様に、突起パターンは、喫煙者の手部位との摩擦力を増加させることによって、摩擦動作時に滑りを防止し、マイクロカプセル430が破砕されやすいようにすることができる。これによって、ケアゾーン400のハンドケア機能が効果的に向上することができる。
【0076】
突出パターンの詳細様態(e.g.色、高さ、形態、密集度など)は、後述するように多様に設計可能である。
【0077】
幾つかの例において、ケアゾーン400内で互いに異なる密集度で突起パターンが形成されてもよい。例えば、ケアゾーン400の第1突起領域に相対的に低い密集度の突起パターンが形成され、第2突起領域には、相対的に高い密集度の突起パターンが形成されてもよい。この場合、突起パターンが密集した領域でマイクロカプセル430がさらに多く破砕されるところ、機能性物質の排出(発現)程度を領域別に調節することができる。ここで、第2突起領域に第1突起領域より多い量のマイクロカプセル430が塗布されてもよく、第2突起領域のサイズが第1突起領域より大きくてもよい。または、高性能の機能性物質を含有するマイクロカプセル430が第2突起領域に塗布されてもよく、その反対の場合も可能である。または、第2突起領域に前記第1突起領域より濃厚な色または色濃度のインクが塗布されてもよい。
【0078】
より具体的な例として、
図8に示されたように、中心突起領域422に相対的に高い密集度で突起パターンが形成され、外郭突起領域421、423には、相対的に低い密集度で突起パターンが形成されてもよい。この場合、上記の説明と同様に、全体領域(e.g.421~423)にわたって機能性物質が均一に排出されることができて、ケアゾーン400のハンドケア機能が向上することができる。参考として、中心突起領域422には、外郭突起領域421、423より多い量のマイクロカプセル430が塗布されてもよいが、この場合、中心突起領域422でマイクロカプセル430が集中的に破砕されて、中心突起領域422のケア強度(すなわち、機能性物質の排出量)が向上することができる。
【0079】
以上では、
図8を参照して本開示の第3実施形態によるケアゾーン400について説明した。以下では、
図9を参照して本開示の第4実施形態によるケアゾーン400について説明する。
【0080】
図9は、本開示の第4実施形態によるケアゾーン400を説明するための図である。
【0081】
本実施形態において、
図9に示されたように、ケアゾーン400内で指定されたシンボル430を構成するようにインクが塗布されてもよい。または、インクが塗布された一つ以上のケアゾーン400が指定されたシンボルを構成するように形成(配置)されてもよい(e.g.シンボルの形態で機能性組成物が印刷される)。ここで、シンボルは、例えば文字、数字、記号、ロゴ、マーク、コード、イメージ、イモティコンなどのように表現可能な全てのものを含んでもよい。
【0082】
幾つかの例において、指定されたシンボル430にケアゾーン400に関する情報がコード化されていてもよい。例えば、バーコード(
図9参照)、QRコード(登録商標)のように、所定の規則によってケアゾーン400関連情報がシンボル430の形態でコード化されてもよい。この場合、シンボル430を通じてケアゾーン400に関する情報を喫煙者に提供することができる。例えば、喫煙者は、スキャン装置(e.g.シンボル認識アプリが設置されたスマートフォンなど)を通じて喫煙物品ケース100上のシンボル430をスキャン(認識)することで、ケアゾーン400に関する情報の提供を受けることができる。ケアゾーン400に関する情報は、例えば機能性物質の種類、ハンドケアマニュアル(e.g.好ましい摩擦動作、摩擦回数、摩擦方向など)、例示された情報に関するリンク(e.g.URL)などを含んでもよいが、これに限定されるものではない。
【0083】
以上では、
図9を参照して本開示の第4実施形態によるケアゾーン400について説明した。以下では、
図10~
図12を参照して本開示の第5実施形態によるケアゾーン441~443について説明する。
【0084】
図10~
図12は、本開示の第5実施形態によるケアゾーン441~443を説明するための例示図である。
図10~
図12で、矢印は、例示的な摩擦方向を示す。
【0085】
本実施形態において、
図10に示されたように、喫煙物品ケース100の外面に互いに異なるケア機能を提供する複数のケアゾーン441~443が形成されてもよい。すなわち、互いに異なる機能性物質を含有するマイクロカプセル430が喫煙物品ケース100の互いに異なる位置に塗布されるにつれて複数のケアゾーン441~443が形成されてもよい。この場合、喫煙者に多角的かつ総合的なハンドケア機能(e.g.F1+F2+F3)を提供することができる。
【0086】
各ケアゾーン441、442、443の詳細様態(e.g.個数、種類、形態、サイズ、色など)は、後述するように多様に設計可能である。
【0087】
幾つかの例において、各ケアゾーン441~443には、互いに異なる色(または色濃度)のインクが塗布されてもよい。この場合、各ケアゾーン441~443を視覚的に区別することができ、喫煙者は、各ケアゾーン441~443を選択的に活用することができる。
【0088】
また、幾つかの例において、第1ケアゾーン441は、抗菌物質を含有するマイクロカプセル430を塗布することによって形成された抗菌ゾーンであり、第2ケアゾーン442は、脱臭物質を含有するマイクロカプセル430を塗布することによって形成された脱臭ゾーンであり、第3ケアゾーン443は、芳香物質を含有するマイクロカプセル430を塗布することによって形成された芳香ゾーンでありうる。この場合、抗菌、脱臭および芳香からなる総合的なハンドケア機能を提供することができる。
【0089】
また、幾つかの例において、
図11に示されたように、特定ケアゾーン441、442が互いに交互に形成されてもよい。または特定ケアゾーン441または442が複数個で形成されてもよい。この場合、特定ケア機能(e.g.抗菌、脱臭、芳香)がさらにり強化されて、喫煙者に提供することができる。
【0090】
また、幾つかの例において、ケアゾーン(e.g.441、442、443)の形態または色(または色濃度)を通じて好ましい摩擦方向(またはケア順序)を視覚的に案内することができる。ケアゾーン(e.g.441、442、443)の形態または色は、インク層410により決定することができるが、これに限定されるものではない。具体的な例として、
図12に例示されたように、ケアゾーン(e.g.441、442、443)の全般的な形態が右側方向を案内する形態で形成されてもよい。この場合、喫煙者に好ましい摩擦方向が右側であることを視覚的に案内することができる。他の例として、順次に配置されたケアゾーン(e.g.441、442、443)の色濃度が特定方向に行くほど増加または減少することができる。この場合にも、喫煙者に好ましい摩擦方向が前記特定方向であることを間接的に案内することができる。本例示は、ケアゾーン(e.g.441、442、443)間に好ましいケア順序が存在する場合に効果的でありうる。例えば、第1ケアゾーン(e.g.441)が脱臭ゾーンであり、第2ケアゾーン(e.g.442)が芳香ゾーンである場合、第1ケアゾーン(e.g.441)のケア機能が第2ケアゾーン(e.g.442)より先に提供されることが好ましい。この場合に、本例示が効果的に適用可能である。
【0091】
以上では、
図10~
図12を参照して本開示の第5実施形態によるケアゾーン441~443について説明した。
【0092】
本開示の第1~第5実施形態を区分して説明したが、上述した第1~第5実施形態は、多様な形態で組合わせることができる。例えば、ケアゾーン400の特定領域の性能(すなわち、機能性物質の排出量)を最大化させるために、前記特定領域に密集度の高い突起パターンが形成され、破砕強度の低いマイクロカプセル430が塗布されてもよい。他の例として、互いに異なるケア機能を有する複数のケアゾーン(e.g.441~443)のうち、特定ケアゾーン(e.g.442)の性能を最大化させるために、特定ケアゾーン(e.g.442)に密集度の高い突起パターンが形成され、破砕強度の低いマイクロカプセル430が塗布されてもよい。
【0093】
以下では、実施例および実験例を通じて上述した喫煙物品ケース100の構成および効果についてより詳細に説明する。ただし、本開示の範囲が下記の実施例によって限定されるものではない。
【0094】
実験例1:抗菌物質の選別
下記の実施例に適用される抗菌物質を選別するために、グレープフルーツ抽出物、プロポリス、ユーカリオイル、松葉オイル、ライムオイル、オイカリプトールおよびリモネンを対象に、抗菌性能を測定する実験を進めた。具体的に、中層培地を用いて合計4種の細菌(大腸菌、緑膿菌、枯草菌および黄色ブドウ球菌)を培養して、抗菌物質のローディング時に形成される菌阻止ゾーン(inhibition zone)のサイズ(mm)を測定した。ここで、抗菌物質のローディング量(μl)は、10、25、50に設定され、実験結果は、下記の表1~表3に記載されている。表1は、抗菌物質のローディング量(μl)が10である場合の実験結果を示し、表2および表3は、それぞれ抗菌物質のローディング量(μl)が25、50である場合の実験結果を示す。
【0095】
【0096】
【0097】
【0098】
表1~表3を参照すると、多くの抗菌物質に対して濃度依存的な抗菌活性が示され、グレープフルーツ抽出物とライムオイルの抗菌性能が概して優れていることが示された。ただし、ユーカリオイル、松葉オイル、オイカリプトール、リモネンなども、一定水準以上の抗菌性能を保有していることが示された。リモネンは、ライムオイルの主な成分であるにもかかわらず、ライムオイルより抗菌性能が落ちることが示されたが、これは、ライムオイルに存在するリモネン以外の他の成分も、抗菌活性を有しているためであると判断される。
【0099】
実施例1
グレープフルーツ抽出物を抗菌物質として用いてマイクロカプセルを製造し、マイクロカプセルとインクを含む機能性組成物をオフセット印刷方式でカバーの上面に塗布して、
図1~
図3に例示されたような喫煙物品ケースを製造した。マイクロカプセルの含有量を10重量%(インク90重量%)、15重量%(インク85重量%)、20重量%(インク80重量%)に異ならせて、3種の機能性組成物を配合した。
【0100】
実施例2
ユーカリオイルを抗菌物質に用いた点を除いて、実施例1と同じ喫煙物品ケースを製造した。
【0101】
実施例3
松葉オイルを抗菌物質に用いた点を除いて、実施例1と同じ喫煙物品ケースを製造した。
【0102】
実施例4
ライムオイルを抗菌物質に用いた点を除いて、実施例1と同じ喫煙物品ケースを製造した。
【0103】
実験例2:摩擦動作による抗菌性能の測定
実施例1~4による喫煙物品ケースに対して、摩擦動作による抗菌性能を測定する実験を進めた。具体的に、黄色ブドウ球菌で構成された試料(初期菌数:約1.7×103CFU)を前記喫煙物品ケースの抗菌ゾーンに摩擦させた後(摩擦回数:5回、10回)、試料に残っている残余菌数(CFU)を測定した。残余菌数(CFU)は、合計5回の測定結果に対する平均値として算出され、実験結果は、下記の表4~表6に記載されている。表4は、機能性組成物のマイクロカプセル含有量が10重量%である場合の実験結果を示し、表5および表6は、それぞれ機能性組成物のマイクロカプセル含有量が15重量%、20重量%である場合の実験結果を示す。
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】
表4~表6を参照すると、実施例による喫煙物品ケース(すなわち、ケアゾーン)に摩擦動作が行われるとき、抗菌効果が十分に発揮されることを確認することができる。これを通じて、実施例による喫煙物品ケースがハンドケア機能を提供することができることが分かり、マイクロカプセルに含有される機能性物質の変更時、他の種類のハンドケア機能も十分に提供することができることが分かる。
【0108】
具体的に説明すると、実施例による喫煙物品ケース(すなわち、ケアゾーン)の抗菌性能は、概してマイクロカプセルの含有量に依存的であることが示された。すなわち、機能性組成物のマイクロカプセル含有量が増加するほど摩擦動作による菌減少率も概して増加することが示された。反面、摩擦動作の回数による菌減少率は、大きな差がないことが示された。
【0109】
また、表1~表3の記載と同様に、グレープフルーツ抽出物とライムオイルを含有するマイクロカプセルが塗布された喫煙物品ケース(実施例1、実施例4)の抗菌性能が概して優れていることが示された。具体的に、実施例1および4による喫煙物品ケースは、マイクロカプセルの含有量が約10重量%程度であっても、約70%以上の菌減少率が保障されることが確認された。反面、松葉オイルを含有するマイクロカプセルが塗布された喫煙物品ケース(実施例3)が、約70%以上の菌減少率を保障するためには、マイクロカプセルの含有量が約20重量%以上にならなければならないことが示され、ユーカリオイルを含有するマイクロカプセルが塗布された喫煙物品ケース(実施例2)は、マイクロカプセル含有量が約15重量%程度にならなければならないことが示された。
【0110】
以上では、実施例および実験例を通じて上述した喫煙物品ケース100の構成および効果についてより詳細に説明した。
【0111】
以上、添付の図面を参照して本開示の実施形態を説明したが、本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者は、その技術的思想や必須の特徴を変更することなく、本開示が他の具体的な形態で実施可能であることが理解できる。したがって、以上で記述した実施形態は、すべての面において例示的なものであり、限定的なものでないことを理解しなければならない。本開示の保護範囲は、下記の請求範囲により解されるべきであり、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は、本開示により定義される技術的思想の権利範囲に含まれるものと解されるべきである。