(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】ヒータを備えたエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/51 20200101AFI20240409BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20240409BHJP
A24F 40/53 20200101ALI20240409BHJP
【FI】
A24F40/51
A24F40/46
A24F40/53
(21)【出願番号】P 2022001509
(22)【出願日】2022-01-07
(62)【分割の表示】P 2021122551の分割
【原出願日】2018-10-29
【審査請求日】2022-02-07
(31)【優先権主張番号】10-2017-0142578
(32)【優先日】2017-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0055652
(32)【優先日】2018-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】リム、フンイル
(72)【発明者】
【氏名】キム、テフン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、チュンホ
(72)【発明者】
【氏名】パク、サンキュ
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-509160(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0267614(US,A1)
【文献】特開2006-292620(JP,A)
【文献】国際公開第2016/124552(WO,A1)
【文献】特表2017-520245(JP,A)
【文献】国際公開第2017/001520(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒータであって、
電気絶縁基質上で第1経路に沿って形成され、第1末端及び第2末端を備えた第1電気伝導性発熱体、
前記電気絶縁基質上で第2経路に沿って形成され、第3末端及び第4末端を備えた第2電気伝導性発熱体、
前記第1電気伝導性発熱体の前記第1末端を前記第2電気伝導性発熱体の前記第3末端と連結する第1連結部であって、前記第1連結部の幅は前記第1電気伝導性発熱体の幅
及び前記第2電気伝導性発熱体の幅よりも大きい、第1連結部、
前記第1電気伝導性発熱体の前記第2末端を前記第2電気伝導性発熱体の前記第4末端と連結する第2連結部であって、前記第2連結部の幅は前記第1電気伝導性発熱体の幅
及び前記第2電気伝導性発熱体の幅よりも大きい、第2連結部、
を含むヒータと、
前記ヒータに電力を供給するバッテリと、
前記バッテリから前記ヒータに供給される前記電力を制御する制御部と、
を含むことを特徴とするエアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記第1経路と前記第2経路との間の領域で第3経路に沿って形成された温度センサトラックを更に含み、
前記第1経路は、前記電気絶縁基質上で前記第3経路の外側に形成され、
前記第2経路は、前記電気絶縁基質上で前記第3経路の内側に形成されることを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記第1経路と前記第2経路との間の領域で第3経路に沿って形成された温度センサトラックを更に含み、
前記制御部は前記温度センサトラックによってセンシングされた温度をモニタリングし、
前記第1電気伝導性発熱体及び前記第2電気伝導性発熱体は、前記電力の供給によって加熱され、
前記温度センサトラックは、前記第1電気伝導性発熱体及び前記第2電気伝導性発熱体の前記加熱による前記ヒータの温度をセンシングすることを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記ヒータは、
前記第1電気伝導性発熱体、前記第2電気伝導性発熱体及び前記温度センサトラックが形成された第1領域と、
前記第1電気伝導性発熱体及び前記第2電気伝導性発熱体の末端が、前記第1連結部と前記第2連結部とを通じて前記バッテリと電気的に連結されるための第2領域と、を含むことを特徴とする請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記温度センサトラックは、前記第1領域又は前記第2領域内において前記第3経路上の第5末端及び第6末端を備え、
前記第5末端は、前記第1領域又は前記第2領域内において前記第1末端と前記第3末端との間に位置し、
前記第6末端は、前記第1領域又は前記第2領域内において前記第2末端と前記第4末端との間に位置することを特徴とする請求項4に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記第1連結部は前記第1末端及び前記第3末端を前記バッテリと連結し、
前記第2連結部は前記第2末端及び前記第4末端を前記バッテリと連結し、
一対のビアホール(via holes)がそれぞれ前記第5末端及び前記第6末端に隣接して形成されていることを特徴とする請求項5に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記温度センサトラックは、
前記第1電気伝導性発熱体及び前記第2電気伝導性発熱体と互いに異なるTCR(Thermal Coefficient Resistance)または互いに異なる抵抗値を有する電気伝導性素子であることを特徴とする請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記第1電気伝導性発熱体及び前記第2電気伝導性発熱体は、1200ないし1800ppm/℃のTCR値を有し、
前記温度センサトラックは、3500ないし4100ppm/℃のTCR値を有することを特徴とする請求項7に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記第1電気伝導性発熱体及び前記第2電気伝導性発熱体は、常温25℃で0.7Ωないし0.85Ωの抵抗値を有し、
前記温度センサトラックは、常温25℃で12Ωないし14Ωの抵抗値を有することを特徴とする請求項7に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記温度センサトラックと前記第1電気伝導性発熱体との間隔及び前記温度センサトラックと前記第2電気伝導性発熱体との間隔は、少なくとも0.5mmであることを特徴とする請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項11】
前記ヒータは、
シガレットの内部に挿入され、前記シガレットを加熱するための内部ヒータ形態、または前記シガレットの外部を加熱するための外部ヒータ形態として具現されることを特徴とする請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項12】
シガレットを加熱してエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成装置用ヒータであって、
電気絶縁基質上で第1経路に沿って形成され、第1末端及び第2末端を備えた第1電気伝導性発熱体と、
前記電気絶縁基質上で第2経路に沿って形成され、第3末端及び第4末端を備えた第2電気伝導性発熱体と、
前記第1電気伝導性発熱体の前記第1末端を前記第2電気伝導性発熱体の前記第3末端と連結する第1連結部であって、前記第1連結部の幅は前記第1電気伝導性発熱体の幅
及び前記第2電気伝導性発熱体の幅よりも大きい、第1連結部と、
前記第1電気伝導性発熱体の前記第2末端を前記第2電気伝導性発熱体の前記第4末端と連結する第2連結部であって、前記第2連結部の幅は前記第1電気伝導性発熱体の幅
及び前記第2電気伝導性発熱体の幅よりも大きい、第2連結部と、
を含むことを特徴とするエアロゾル生成装置用ヒータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒータを備えたエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に係わる需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではない、シガレット内のエアロゾル生成物質が加熱されることにより、エアロゾルを生成する方法に関する需要が増加している。これにより、加熱式シガレットまたは加熱式エアロゾル生成装置に係わる研究が活発に進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多様な実施例は、ヒータを備えたエアロゾル生成装置を提供するところにある。本開示が解決しようとする技術的課題は、前記のような技術的課題に限定されず、以下の実施例からさらに他の技術的課題が類推可能である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一側面によれば、エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成装置に収容されたシガレットを加熱してエアロゾルを生成するために、電気絶縁基質上で第1経路に沿って形成された第1電気伝導性発熱体、前記電気絶縁基質上で第2経路に沿って形成された第2電気伝導性発熱体、及び前記第1経路と前記第2経路との間の領域で第3経路に沿って形成された温度センサトラックを含むヒータと、前記ヒータに電力を供給するバッテリと、前記バッテリから前記ヒータに供給される前記電力を制御し、前記温度センサトラックに沿ってセンシングされた温度をモニタリングする制御部と、を含む。
【0005】
また、前記第1経路は、前記電気絶縁基質上で前記第3経路の外側に形成され、前記第2経路は、前記電気絶縁基質上で前記第3経路の内側に形成される。
【0006】
また、前記第1電気伝導性発熱体及び前記第2電気伝導性発熱体は、前記電力の供給によって加熱され、前記温度センサトラックは、前記第1電気伝導性発熱体及び前記第2電気伝導性発熱体の前記加熱による前記ヒータの温度をセンシングすることができる。
【0007】
また、前記ヒータは、前記第1電気伝導性発熱体、前記第2電気伝導性発熱体及び前記温度センサトラックが形成された領域である発熱領域と、前記第1電気伝導性発熱体、前記第2電気伝導性発熱体及び前記温度センサトラックの末端が前記バッテリと電気的に連結されるための領域である非発熱領域と、を含んでもよい。
【0008】
また、前記第1電気伝導性発熱体は、前記発熱領域内において前記第1経路上の第1末端及び第2末端を備え、前記第2電気伝導性発熱体は、前記発熱領域内において前記第2経路上の第3末端及び第4末端を備え、前記温度センサトラックは、前記発熱領域内において前記第3経路上の第5末端及び第6末端を備え、前記第5末端は、前記発熱領域内において前記第1末端と前記第3末端との間に位置し、前記第6末端は、前記発熱領域内において前記第2末端と前記第4末端との間に位置する。
【0009】
また、前記非発熱領域は、前記第1末端及び前記第3末端を前記バッテリと連結する第1連結部と、前記第2末端及び前記第4末端を前記バッテリと連結する第2連結部と、前記第5末端及び前記第6末端それぞれに形成された一対のビアホール(via holes)を含ん
でもよい。
【0010】
また、前記第1連結部及び前記第2連結部は、前記第1電気伝導性発熱体及び前記第2電気伝導性発熱体のような電気伝導性素子によって作製されて、前記第1電気伝導性発熱体及び前記第2電気伝導性発熱体より広い幅を有するか、または厚い厚さを有するようにも作製される。
【0011】
また、前記温度センサトラックは、前記第1電気伝導性発熱体及び前記第2電気伝導性発熱体と互いに異なるTCR(Thermal Coefficient Resistance)または互いに異なる抵抗値を有する電気伝導性素子でもある。
【0012】
また、前記第1電気伝導性発熱体及び前記第2電気伝導性発熱体は、1200ないし1800ppm/℃のTCR値を有し、前記温度センサトラックは、3500ないし4100ppm/℃のTCR値を有する。
【0013】
また、前記第1電気伝導性発熱体及び前記第2電気伝導性発熱体は、常温25℃で0.7Ωないし0.85Ωの抵抗値を有し、前記温度センサトラックは、常温25℃で12Ωないし14Ωの抵抗値を有する。
【0014】
また、前記温度センサトラックと前記第1電気伝導性発熱体との間隔及び前記温度センサトラックと前記第2電気伝導性発熱体との間隔は、少なくとも0.5mmでもある。
【0015】
また、前記ヒータは、前記シガレットの内部に挿入され、前記シガレットを加熱するための内部ヒータ形態、または前記シガレットの外部を加熱するための外部ヒータ形態として具現される。
【0016】
他の側面によれば、シガレットを加熱してエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成装置用ヒータは、電気絶縁基質上で第1経路に沿って形成された第1電気伝導性発熱体と、前記電気絶縁基質上で第2経路に沿って形成された第2電気伝導性発熱体と、前記第1経路と前記第2経路との間の領域で第3経路に沿って形成された温度センサトラックを含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、電気絶縁基質上で互いに異なる電気伝導性発熱体間の領域に温度センサトラックを配置させることで、温度センサトラックがヒータの発熱部位での温度をさらに均一で正確にセンシングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【
図2】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【
図3】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【
図5】一実施例によるヒーティングシートの平面構造を示す図面である。
【
図6】一実施例によるヒーティングシートの平面構造の詳細図である。
【
図7】
図6のヒーティングシートの平面構造をX-X’ラインに沿って側面から見た断面図である。
【
図8】
図6のヒーティングシートを用いて作製されたヒータを示す図面である。
【
図9】
図6のヒーティングシートを用いて作製されたヒータを示す図面である。
【
図10】温度センサトラックの互いに異なる具現方式による温度センシングのシミュレーション結果を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
一側面によれば、エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成装置に収容されたシガレットを加熱してエアロゾルを生成するために、電気絶縁基質上で第1経路に沿って形成された第1電気伝導性発熱体、前記電気絶縁基質上で第2経路に沿って形成された第2電気伝導性発熱体及び前記第1経路と前記第2経路との間の領域で第3経路に沿って形成された温度センサトラックを含むヒータと、前記ヒータに電力を供給するバッテリと、前記バッテリから前記ヒータに供給される前記電力を制御し、前記温度センサトラックによってセンシングされた温度をモニタリングする制御部と、を含む。
【0020】
他の側面によれば、シガレットを加熱してエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成装置用ヒータは、電気絶縁基質上で第1経路に沿って形成された第1電気伝導性発熱体と、前記電気絶縁基質上で第2経路に沿って形成された第2電気伝導性発熱体と、前記第1経路と前記第2経路との間の領域で第3経路に沿って形成された温度センサトラックを含む。
【0021】
本実施形態で使用される用語は、本発明における機能を考慮しつつ、可能な限り、現在汎用される一般的な用語を選択したが、それは、当業者の意図、判例、あるいは新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本発明で使用される用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とを基に定義されなければならない。
【0022】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載の「...部」、「...モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアまたはソフトウェアとして具現されるか、ハードウェアとソフトウェアとの結合として具現される。
【0023】
以下では、添付図面に基づいて本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態として具現され、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。
【0024】
以下では、図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。
【0025】
図1ないし
図3は、エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【0026】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置10000は、バッテリ11000、制御部12000及びヒータ13000を含む。
図2及び
図3を参照すれば、エアロゾル生成装置10000は、蒸気化器14000をさらに含む。また、エアロゾル生成装置10000の内部空間には、シガレット20000が挿入される。
【0027】
図1ないし
図3に図示されたエアロゾル生成装置10000には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、
図1ないし
図3に図示された構成要素以外に、他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置10000にさらに含まれてもよいということは、本実施例に係わる技術分野において当業者であるならば、理解することができるであろう。
【0028】
また、
図2及び
図3には、エアロゾル生成装置10000にヒータ13000が含まれているように図示されているが、必要に応じて、ヒータ13000は、省略されてもよい。
【0029】
図1には、バッテリ11000、制御部12000及びヒータ13000が一列に配置されているように図示されている。また、
図2には、バッテリ11000、制御部12000、蒸気化器14000及びヒータ13000が一列に配置されているように図示されている。また、
図3には、蒸気化器14000及びヒータ13000が並列に配置されているように図示されている。しかし、エアロゾル生成装置10000の内部構造は、
図1ないし
図3に図示されたところに限定されるものではない。言い換えれば、エアロゾル生成装置10000の設計により、バッテリ11000、制御部12000、ヒータ13000及び蒸気化器14000の配置は、変更される。
【0030】
シガレット20000がエアロゾル生成装置10000に挿入されれば、エアロゾル生成装置10000は、ヒータ13000及び/または蒸気化器14000を作動させ、シガレット20000及び/または蒸気化器14000からエアロゾルを発生させることができる。ヒータ13000及び/または蒸気化器14000によって生じたエアロゾルは、シガレット20000を通過して、ユーザに伝達される。
【0031】
必要に応じて、シガレット20000がエアロゾル生成装置10000に挿入されていない場合にも、エアロゾル生成装置10000は、ヒータ13000を加熱することができる。
【0032】
バッテリ11000は、エアロゾル生成装置10000が動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ11000は、ヒータ13000または蒸気化器14000が加熱されるように電力を供給し、制御部12000の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ11000は、エアロゾル生成装置10000に設けられたディスプレイ、センサ、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0033】
制御部12000は、エアロゾル生成装置10000の動作を全般的に制御する。具体的に、制御部12000は、バッテリ11000、ヒータ13000及び蒸気化器14000のみならず、エアロゾル生成装置10000に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部12000は、エアロゾル生成装置10000の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置10000が動作可能な状態であるか否かを判断することもできる。
【0034】
制御部12000は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリとの組み合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアによっても具現されるということは、本実施例が属する技術分野において当業者であるならば、理解することができるであろう。
【0035】
ヒータ13000は、バッテリ11000から供給された電力によって加熱される。例えば、シガレットがエアロゾル生成装置10000に挿入されれば、ヒータ13000は、シガレットの外部に位置することができる。したがって、加熱されたヒータ13000は、シガレット内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させることができる。
【0036】
ヒータ13000は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ13000には、電気伝導性トラック(track)を含み、電気伝導性トラックに電流が流れることにより、ヒータ13000が加熱される。しかし、ヒータ13000は、上述した例に限定されず、希
望温度まで加熱されるものであれば、制限なしに該当される。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置10000に既設定のものでもあり、ユーザによって所望温度に設定されてもよい。
【0037】
一方、他の例として、ヒータ13000は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的に、ヒータ13000には、シガレットを誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを含み、シガレットは、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタを含んでもよい。
【0038】
例えば、ヒータ13000は、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素または棒状加熱要素を含み、加熱要素の形態により、シガレット20000の内部または外部を加熱することができる。
【0039】
また、エアロゾル生成装置10000には、ヒータ13000が複数個配置されてもよい。この際、複数個のヒータ13000は、シガレット20000の内部に挿入されるように配置され、シガレット20000の外部に配置されてもよい。また、複数個のヒータ13000らのうち、一部は、シガレット20000の内部に挿入されるように配置され、残りは、シガレット20000の外部に配置される。また、ヒータ13000の形状は、
図1ないし
図3に図示された形状に限定されず、多様な形状にも作製される。
【0040】
蒸気化器14000は、液状組成物を加熱し、エアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルは、シガレット20000を通過し、ユーザに伝達される。言い換えれば、蒸気化器14000によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置10000の気流通路に沿って移動し、気流通路は、蒸気化器14000によって生成されたエアロゾルが、シガレットを通過し、ユーザに伝達されるようにも構成される。
【0041】
例えば、蒸気化器14000は、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素を含んでもよいが、それらに限定されるものではない。例えば、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素は、独立したモジュールとして、エアロゾル生成装置10000に含まれてもよい。
【0042】
液体保存部は、液状組成物を保存することができる。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。液体保存部は、蒸気化器14000から脱/付着するようにも作製され、蒸気化器14000と一体として作製されてもよい。
【0043】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、またはビタミン混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含んでもよいが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供することができる成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0044】
液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を加熱要素に伝達することができる。例えば、液体伝達手段は、綿纎維、セラミック纎維、ガラスファイバ、多孔性セラミックのような芯(wick)にもなるが、それらに限定されるものではない。
【0045】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどにもなるが、それらに限定されるものではない。また、加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメント
によっても構成され、該液体伝達手段に巻かれる構造によっても配置される。加熱要素は、電流供給によって加熱され、加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達し、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成される。
【0046】
例えば、蒸気化器14000は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも称されるが、それらに限定されるものではない。
【0047】
一方、エアロゾル生成装置10000は、バッテリ11000、制御部12000、ヒータ13000及び蒸気化器14000以外に汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置10000は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び/または触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置10000は、少なくとも1つのセンサ(パフ感知センサ、温度感知センサ、シガレット挿入感知センサなど)を含んでもよい。また、エアロゾル生成装置10000は、シガレット20000が挿入された状態でも、外部空気が流入されたり、内部気体が流出されたりする構造にも作製される。
【0048】
図1ないし
図3には、図示されていないが、エアロゾル生成装置10000は、別途のクレードルと共に、システムを構成することもできる。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置10000のバッテリ11000の充電に用いられる。またはクレードルとエアロゾル生成装置10000とが結合された状態で、ヒータ13000が加熱されてもよい。
【0049】
シガレット20000は、一般的な燃焼型シガレットと類似している。例えば、シガレット20000は、エアロゾル生成物質を含む第1部分と、フィルタなどを含む第2部分とに区分される。またはシガレット20000の第2部分にも、エアロゾル生成物質が含まれてもよい。例えば、顆粒またはカプセルの形態に作られたエアロゾル生成物質が第2部分に挿入されてもよい。
【0050】
エアロゾル生成装置10000の内部には、第1部分の全体が挿入され、第2部分は、外部に露出される。またはエアロゾル生成装置10000の内部に、第1部分の一部が挿入され、第1部分の全体及び第2部分の一部が挿入されてもよい。ユーザは、第2部分を口にくわえた状態で、エアロゾルを吸入することができる。この際、エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することによって生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過して、ユーザの口に伝達する。
【0051】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置10000に形成された少なくとも1つの空気通路を介しても流入される。例えば、エアロゾル生成装置10000に形成された空気通路の開閉、及び/または空気通路の大きさは、ユーザによっても調節される。これにより、霧化量、喫煙感などがユーザによっても調節される。他の例として、外部空気は、シガレット20000の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を介してシガレット20000の内部に流入されてもよい。
【0052】
以下、
図4に基づいてシガレット20000の一例について説明する。
【0053】
【0054】
図4を参照すれば、シガレット20000は、タバコロッド21000及びフィルタロッド22000を含む。
図1ないし
図3に基づいて上述した第1部分は、タバコロッド21000を含み、第2部分は、フィルタロッド22000を含む。
【0055】
図4には、フィルタロッド22000が単一セグメントとして図示されているが、それらに限定されるものではない。言い換えれば、フィルタロッド22000は、複数のセグメントで構成されてもよい。例えば、フィルタロッド22000は、エアロゾルを冷却する第1セグメント及びエアロゾル内に含まれた所定の成分をフィルタリングする第2セグメントを含んでもよい。また、必要に応じて、フィルタロッド22000には、他の機能を行う少なくとも1つのセグメントをさらに含んでもよい。
【0056】
シガレット20000は、少なくとも1つのラッパ24000によって包装される。ラッパ24000には、外部空気が流入されたり、内部気体が流出されたりする少なくとも1つの孔(hole)が形成される。一例として、シガレット20000は、1つのラッパ24000によって包装される。他の例として、シガレット20000は、2以上のラッパ24000によって重畳的にも包装される。例えば、第1ラッパによってタバコロッド21000が包装され、第2ラッパによってフィルタロッド22000が包装される。そして、個別ラッパによって包装されたタバコロッド21000及びフィルタロッド22000が結合され、第3ラッパによってシガレット20000全体が再包装される。もし、タバコロッド21000またはフィルタロッド22000それぞれが複数のセグメントとして構成されるならば、それぞれのセグメントが個別ラッパによっても包装される。そして、個別ラッパによって包装されたセグメントが結合されたシガレット20000全体が他のラッパによっても再包装される。
【0057】
タバコロッド21000は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち、少なくとも1つを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。また、タバコロッド21000は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含んでもよい。また、タバコロッド21000には、メントールまたは保湿剤などの加香液が、タバコロッド21000に噴射されることによって添加される。
【0058】
タバコロッド21000は、多様によっても作製される。例えば、タバコロッド21000は、シート(sheet)によっても作製され、筋(strand)によっても作製される。また、タバコロッド21000は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによっても作製される。また、タバコロッド21000は、熱伝導物質によっても取り囲まれる。例えば、熱伝導物質は、アルミニウムホイルのような金属ホイルでもあるが、それらに限定されるものではない。一例として、タバコロッド21000を取り囲む熱伝導物質は、タバコロッド21000に伝達する熱を押し並べて分散させ、タバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させ、それにより、タバコ味を向上させることができる。また、タバコロッド21000を取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしての機能を行うことができる。この際、図面に図示されていないが、タバコロッド21000は、外部を取り囲む熱伝導物質以外にも、追加のサセプタをさらに含んでもよい。
【0059】
フィルタロッド22000は、酢酸セルロースフィルタでもある。一方、フィルタロッド22000の形状には、制限がない。例えば、フィルタロッド22000は、円柱状ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ状ロッドでもある。また、フィルタロッド22000は、リセス状ロッドでもある。もし、フィルタロッド22000が複数のセグメントで構成された場合、複数のセグメントのうち、少なくとも一つが、異なる形状にも作製される。
【0060】
フィルタロッド22000は、香味が生じるようにも作製される。一例として、フィルタロッド22000に加香液が噴射され、加香液が塗布された別途の纎維がフィルタロッ
ド22000の内部に挿入されてもよい。
【0061】
また、フィルタロッド22000には、少なくとも1つのカプセル23000が含まれる。ここで、カプセル23000は、香味を発生させる機能を行い、エアロゾルを発生させる機能を行うこともできる。例えば、カプセル23000は、香料を含む液体を被膜で覆い込んだ構造でもある。カプセル23000は、球状または、円筒状の形状を有することができるが、それらに制限されるものではない。
【0062】
もし、フィルタロッド22000に、エアロゾルを冷却するセグメントが含まれる場合、冷却セグメントは、高分子物質または生分解性高分子物質によっても製造される。例えば、冷却セグメントは、純粋なポリラクト酸のみによっても作製されるが、それらに限定されるものではない。または、冷却セグメントは、複数の孔が穿孔された酢酸セルロースフィルタによっても作製される。しかし、冷却セグメントは、上述した例に限定されず、エアロゾル冷却機能が行えるものであれば、制限なしに該当される。
【0063】
一方、
図4には、図示されていないが、一実施例によるシガレット20000は、前段フィルタをさらに含んでもよい。前段フィルタは、タバコロッド21000において、フィルタロッド22000に対向する一側に位置する。前段フィルタは、タバコロッド21000の外部への離脱を防止し、喫煙中、タバコロッド21000から液状化されたエアロゾルがエアロゾル発生装置(
図1ないし
図3の10000)に流れて行くことを防止することができる。
【0064】
以下では、
図1ないし
図3のエアロゾル生成装置10000のヒータ13000を作製するためのヒーティングシートの構造についてさらに詳細に説明させる。したがって、
図1ないし
図3で使用された図面の参照番号は、以下の図面の説明でも同一に使用可能である。
【0065】
図5は、一実施例によるヒーティングシートの平面構造を示す図面である。
【0066】
図1に図示されたように、ヒータ13000は、円柱と円錐とが組み合わせられた形状によって作製されてシガレット20000内に挿入される内部ヒータ形態として具現されるか、または
図2及び
図3に図示されたように、ヒータ13000は、円筒状(またはチューブ状)によって作製されてシガレット20000の外部を加熱する外部ヒータ形態として具現される。
図5は、ヒータ13000(内部ヒータまたは外部ヒータ)を作製するためのヒーティングシート500の平面構造に係わるものである。
【0067】
ヒータ13000は、電気抵抗性素子を用いて具現されたヒータでもある。例えば、ヒータ13000は、電気伝導性トラック(track)のような電気抵抗性発熱体が備えられたヒーティングシート500を含んでもよい。電気抵抗性発熱体は、バッテリ11000から電力が供給されて電気抵抗性発熱体に電流の流れによって加熱される。
【0068】
安定した使用のために、ヒータ13000のヒーティングシート500には、3.2V、2.4A、8Wの規格による電力が供給されるが、それらに限定されるものではない。例えば、ヒータ13000のヒーティングシート500に電力が供給される場合、ヒータ13000の表面温度は、400℃以上に上昇することができる。ヒータ13000への電力供給開始後、15秒が経過する前に、ヒータ13000の表面温度は、約350℃まで上昇する。但し、上昇される温度範囲は、多様に変更される。
【0069】
ヒータ13000のヒーティングシート500の平面構造を参考にすれば、ヒーティングシート500の電気絶縁基質50上には、エアロゾル生成装置10000内に収容され
たシガレット20000を加熱するための電気伝導性トラックである第1電気伝導性発熱体51及び第2電気伝導性発熱体52が形成されており、また電気伝導性発熱体51、52の加熱時にヒータ13000の温度をセンシングするための温度センサトラック53も形成されている。
【0070】
電気絶縁基質50は、セラミック合成物質で構成されたグリーンシート(green sheet)に該当する。または電気絶縁基質50は、紙、ガラス、セラミック、アノーダイジングされた(anodized)金属、コーティングされた金属、またはポリイミド(Polyimide)によっても作製される。すなわち、電気絶縁基質50は、多様な適切な物質によって作製された基質でもある。
【0071】
第1電気伝導性発熱体51及び第2電気伝導性発熱体52は、電気抵抗性素子によって作製されて、抵抗の消費電力によって加熱温度が決定され、第1電気伝導性発熱体51及び第2電気伝導性発熱体52の抵抗の消費電力に基づいて第1電気伝導性発熱体51及び第2電気伝導性発熱体52の抵抗値が設定される。
【0072】
例えば、第1電気伝導性発熱体51及び第2電気伝導性発熱体52の抵抗値は、常温25℃において、0.7Ωないし0.85Ωの値を有するが、これに制限されない。第1電気伝導性発熱体51及び第2電気伝導性発熱体52の抵抗値は、電気抵抗性素子の構成物質、長さ、幅、厚さまたはパターンなどによって多様に設定される。
【0073】
第1電気伝導性発熱体51及び第2電気伝導性発熱体52は、抵抗温度係数特性によって、温度が上昇するほど内部抵抗の大きさが増加する。例えば、所定の温度区間で第1電気伝導性発熱体51及び第2電気伝導性発熱体52の温度と抵抗の大きさは、比例する。
【0074】
第1電気伝導性発熱体51及び第2電気伝導性発熱体52は、タングステン、金、白金、銀銅、ニッケルパラジウム、またはそれらの組合わせによっても作製される。また、第1電気伝導性発熱体51及び第2電気伝導性発熱体52は、適切なドーピング材によってドーピングされ、合金を含んでもよい。
【0075】
図5を参考にすれば、電気絶縁基質50上で第1電気伝導性発熱体51は、第2電気伝導性発熱体52の外側の第1経路に沿って形成される。そして、電気絶縁基質50上で第2電気伝導性発熱体52は、第1電気伝導性発熱体51の内側の第2経路に沿って形成される。すなわち、本実施例によるヒーティングシート500の平面構造は、電気絶縁基質50上に形成された、一対の電気伝導性発熱体51、52を備える。
【0076】
第1電気伝導性発熱体51及び第2電気伝導性発熱体52それぞれは、互いに異なる比率の大きさを有する同じパターンの角張った経路で電気絶縁基質50上に形成される。但し、第1電気伝導性発熱体51及び第2電気伝導性発熱体52の第1経路及び第2経路のパターンまたは形状は、角張った形ではない、湾曲された形態または非定型の形態などで多様に具現される。また、第1電気伝導性発熱体51及び第2電気伝導性発熱体52の第1経路及び第2経路のパターンまたは形状は、互いに異なってよい。しかし、そうであるにしても、電気絶縁基質50上で第1電気伝導性発熱体51は、第2電気伝導性発熱体52よりも大きなパターンまたは形状であって、第2電気伝導性発熱体52の外側に形成されることが望ましい。
【0077】
温度センサトラック53は、電気絶縁基質50上で、第1電気伝導性発熱体51の第1経路及び第2電気伝導性発熱体52の第2経路間の領域で第3経路に沿って形成される。
【0078】
温度センサトラック53は、第1電気伝導性発熱体51及び第2電気伝導性発熱体52
によって加熱されたヒータ13000の温度をセンシングする。従来のセラミックヒータの構造は、発熱体のみ存在し、その発熱体の抵抗変化を用いて温度を予測する方式であった。しかし、かような従来方式は、実際の発熱体温度の正確な予測が困難であった。これと異なって、本実施例によるヒータ13000のヒーティングシート500は、平面構造上で温度センサトラック53を電気伝導性発熱体51、52の間に位置させ、電気伝導性発熱体51、52の温度を均一にセンシングすることで、ヒータ13000の温度を正確に測定することができる。
【0079】
温度センサトラック53は、第1電気伝導性発熱体51及び第2電気伝導性発熱体52と同様に、電気抵抗性素子または電気伝導性素子によっても作製される。例えば、温度センサトラック53は、タングステン、金、白金、銀銅、ニッケルパラジウム、またはそれらの組合わせによって作製され、適切なドーピング材によってドーピングされるか、合金を含んでもよい。
【0080】
ヒーティングシート500の平面構造を参考にすれば、第1電気伝導性発熱体51の第1経路は、電気絶縁基質50上で温度センサトラック53の第3経路の外側に形成され、第2電気伝導性発熱体52の第2経路は、電気絶縁基質50上で温度センサトラック53の第3経路の内側に形成される。
【0081】
温度センサトラック53は、第1電気伝導性発熱体51及び第2電気伝導性発熱体52と互いに異なるTCR(Thermal Coefficient Resistance)または互いに異なる抵抗値を有する電気伝導性素子でもある。
【0082】
具体的に、第1電気伝導性発熱体51及び第2電気伝導性発熱体52は、1200ないし1800ppm/℃のTCR値を有し、温度センサトラック53は、3500ないし4100ppm/℃のTCR値を有する電気伝導性素子(または電気抵抗性素子)でもある。一方、第1電気伝導性発熱体51及び第2電気伝導性発熱体52は、常温25℃で0.7Ωないし0.85Ωの抵抗値を有し、温度センサトラック53は、常温25℃で12Ωないし14Ωの抵抗値を有する電気伝導性素子(または電気抵抗性素子)でもある。
【0083】
電気絶縁基質50上に形成された第1電気伝導性発熱体51と温度センサトラック53との間隔(A1またはA2)は、少なくとも0.5mmでもある。また、電気絶縁基質50上に形成された第2電気伝導性発熱体52と温度センサトラック53との間隔(B1またはB2)も少なくとも0.5mmでもある。但し、これは、例示的な数値に過ぎず、電気伝導性発熱体51、52及び温度センサトラック53の幅、厚さなどのパラメータの変更によって前記間隔は、変更される。
【0084】
一方、ヒーティングシート500の平面構造を参考にすれば、第1電気伝導性発熱体51、第2電気伝導性発熱体52及び温度センサトラック53が形成された領域である発熱領域と、第1電気伝導性発熱体51、第2電気伝導性発熱体52及び温度センサトラック53の末端がバッテリ11000と電気的に連結されるための領域である非発熱領域に区分される。但し、
図5では、説明の便宜のために発熱領域のみ図示されている。
【0085】
発熱領域内で、第1電気伝導性発熱体51は、第1経路上の第1末端511及び第2末端512を備える。発熱領域内で、第2電気伝導性発熱体52は、第2経路上の第3末端521及び第4末端522を備える。発熱領域内で、温度センサトラック53は、第3経路上の第5末端531及び第6末端532を備える。
【0086】
ここで、温度センサトラック53の第5末端531は、発熱領域内で第1電気伝導性発熱体51の第1末端511及び第2電気伝導性発熱体52の第3末端521の間に位置し
、温度センサトラック53の第6末端532は、発熱領域内で第1電気伝導性発熱体51の第2末端512及び第2電気伝導性発熱体52の第4末端522の間に位置する。
【0087】
非発熱領域については、
図6を参考にしてさらに詳細に説明する。
【0088】
図6は、一実施例によるヒーティングシートの平面構造の詳細図である。
【0089】
図6に図示されたヒータ13000のヒーティングシート600の平面構造を参考にすれば、発熱領域と非発熱領域とが区分されて図示されている。ヒーティングシート600の発熱領域には、
図5で説明されたように、第1電気伝導性発熱体51、その内側の温度センサトラック53、またその内側の第2電気伝導性発熱体52が形成されている。
【0090】
ヒーティングシート600の非発熱領域は、
図5で説明された第1末端511及び第3末端521をバッテリ11000と連結する第1連結部61と
図5で説明された第2末端512及び第4末端522をバッテリ11000と連結する第2連結部62を含む。すなわち、第1連結部61及び第2連結部62は、バッテリ11000から供給された電力を第1電気伝導性発熱体51及び第2電気伝導性発熱体52に提供する電気接続端子に該当する。
【0091】
一方、非発熱領域は、
図5で説明された第5末端531及び第6末端532それぞれに形成された一対のビアホール(via holes)63、64をさらに含む。一対のビアホール63、64は、制御部12000に電気的に連結される。すなわち、温度センサトラック53によってセンシングされた温度情報がビアホール63、64を介して制御部12000に伝達することで、制御部12000は、ヒータ13000の温度をモニタリングすることができる。
【0092】
第1連結部61及び第2連結部62は、第1電気伝導性発熱体51及び第2電気伝導性発熱体52のような電気伝導性素子(または電気抵抗性素子)によっても作製される。しかし、第1連結部61及び第2連結部62は、非発熱領域に位置するので、第1連結部61及び第2連結部62は、第1電気伝導性発熱体51及び第2電気伝導性発熱体52よりも広い幅を有するか、または厚い厚さを有するように作製されて、発熱領域よりも温度が低くなるように具現されることが望ましい。
【0093】
図7は、
図6のヒーティングシートの平面構造をX-X’ラインに沿って側面から見た断面図である。
【0094】
図7を参考にすれば、第1電気伝導性発熱体51及び第2電気伝導性発熱体52と温度センサトラック53は、いずれも電気絶縁基質50の上面に形成されている。但し、温度センサトラック53と制御部12000とを電気的に連結するためのビアホール63、64は、電気絶縁基質50を貫通して形成される。
【0095】
図8及び
図9は、
図6のヒーティングシートを用いて作製されたヒータを示す図面である。
【0096】
図8は、
図1で説明された円柱と円錐とが組み合わせられた形状によって作製されて、シガレット20000内に挿入される内部ヒータ形態800に具現されたヒータ13000に係わる図面である。具体的に、内部ヒータ形態800に該当する
図1のヒータ13000は、
図6のヒーティングシート600が円柱と円錐とが組み合わせられた形状の構造体80の外部を取り囲む形態であって、構造体80と一体化して作製される。ここで、
図7で説明された電気絶縁基質50の上面、すなわち電気伝導性発熱体51、52と温度セ
ンサトラック53とが形成された層は、最も外側に向かうように構造体80の外部を取り囲む。
【0097】
図9は、
図2または
図3で説明されたシガレット20000外部を加熱する外部ヒータ形態900として具現されたヒータ13000に係わる図面である。具体的に、外部ヒータ形態900に該当する
図2または
図3のヒータ13000は、
図6のヒーティングシート600が中空円筒状またはチューブ状に巻かれることで、内部空間にシガレット20000を収容して、シガレット20000の外部を加熱するようにも作製される。ここで、
図7で説明された電気絶縁基質50の上面、すなわち電気伝導性発熱体51、52と温度センサトラック53とが形成された層は、内部空間に向かうように巻かれる。
【0098】
図10は、温度センサトラックの互いに異なる具現方式による温度センシングのシミュレーション結果を説明するための図面である。
【0099】
図10を参考にすれば、具現例1001は、最外郭に電気伝導性発熱体を配置し、温度センサトラックを電気伝導性発熱体の内側に配置させた具現方式である。
【0100】
これと異なって、具現例1002は、本実施例によって、
図6で説明されたように、最外郭に第1電気伝導性発熱体を配置させ、温度センサトラックを第1電気伝導性発熱体の内側に配置させ、第2電気伝導性発熱体を温度センサトラックの最内側に追加的に配置させた具現方式(Mパターン)である。
【0101】
発熱領域のうち、距離4~7mmの温度センシング結果1000を見れば、具現例1001の温度センサトラックによってセンシングされた温度は、距離が遠ざかるほど、徐々に下降するようにシミュレーションされることが分かる。言い換えれば、具現例1001の温度センサトラックによってセンシングされた温度は、距離4~7mmの温度分布を均一にセンシングすることができないので、正確なヒータの温度を測定し難い。
【0102】
しかし、本実施例による具現例1002の温度センサトラックは、温度が325℃、320℃、315℃のように多様に設定されたときにも、距離4~7mmの当該温度をほぼ均一にセンシングするということが分かる。すなわち、本実施例による具現例1002の具現方式で電気伝導性発熱体と温度センサトラックを配置させるならば、ヒータの発熱部位での温度がさらに均一で正確にセンシングされるということが分かる。
【0103】
本実施例に係わる技術分野において通常の知識を有する者は、前記記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態として具現される可能性があるということを理解できるであろう。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されなければならない。本発明の範囲は、前記説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本発明に含まれたものと解釈されねばならない。