(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】シェード提供装置およびシェード提供方法
(51)【国際特許分類】
A47H 23/00 20060101AFI20240409BHJP
【FI】
A47H23/00 Z
(21)【出願番号】P 2019186238
(22)【出願日】2019-10-09
【審査請求日】2022-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000130824
【氏名又は名称】株式会社サンゲツ
(74)【代理人】
【識別番号】110003052
【氏名又は名称】弁理士法人勇智国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100106725
【氏名又は名称】池田 敏行
(74)【代理人】
【識別番号】100105120
【氏名又は名称】岩田 哲幸
(72)【発明者】
【氏名】竹内 正樹
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-075429(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47H 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付部、可動部および裾部を有する布地と、長手方向に所定のピッチでリング取付部が設けられている長尺状のリングテープを有し、前記リングテープは、前記布地の可動部に上下方向に延在するように取り付けられており、前記可動部は、前記リング取付部が設けられている箇所を境界として前記上下方向に複数の畳み領域に区分けされ、前記複数の畳み領域が水平に畳まれあるいは上下方向に展開されることによって前記可動部の前記上下方向の長さが調節可能なシェードを提供するシェード提供装置であって、
管理手段と、入力手段と、布地グループと、布地選択手段と、リングテープグループと、リングテープ選択手段と、組付手段とを備え、
前記布地グループには、異なる種類の複数の布地が含まれており、
前記リングテープグループには、前記リング取付部が設けられている前記ピッチが異なる複数のリングテープが含まれ、
前記複数のリングテープの前記ピッチとして、前記可動部の異なる可動部丈に対して、前記複数の畳み領域の上下方向の長さの差を所定範囲内とすることができるピッチを選択可能に設定されており、
前記入力手段は、布地の種類と、布地の総丈、取付部の取付丈、裾部の裾丈および可動部の可動部丈のうちの
少なくとも一つの寸法と、を含む入力情報を入力可能であり、
前記管理手段は、
前記入力情報に含まれている前記少なくとも一つの寸法と、「前記総丈は、前記取付丈、前記裾丈および前記可動部丈の和で表される」ことに基づいて、前記可動部丈を判別し、
前記判別した可動部丈に基づいて、前記リングテープグループに含まれている前記複数のリングテープの前記ピッチの中から、前記複数の畳み領域の上下方向の長さの差を前記所定範囲内とすることができるピッチを判別し、
前記判別したピッチを示すピッチ情報を前記リングテープ選択手段に出力し、
前記入力情報に基づいて、布地の種類を示す布地情報を前記布地選択手段に出力し、
前記入力情報に基づいて、前記総丈、前記取付丈、前記裾丈および前記可動部丈のうちの
少なくとも一つの寸法を含む寸法情報を前記組付手段に出力し、
前記布地選択手段は、前記布地グループに含まれている前記複数の布地の中から、前記布地情報で示される種類の布地を選択し、
前記リングテープ選択手段は、前記リングテープグループに含まれている前記複数のリングテープの中から、前記ピッチ情報で示されるピッチで前記リング取付部が設けられているリングテープを選択し、
前記組付手段は、前記選択された布地と前記選択されたリングテープを用い、前記寸法情報に基づいてシェードを組み付けることを特徴とするシェード提供装置。
【請求項2】
取付部、可動部および裾部を有する布地と、長手方向に所定のピッチでリング取付部が設けられている長尺状のリングテープを有し、前記リングテープは、前記布地の可動部に上下方向に延在するように取り付けられており、前記可動部は、前記リング取付部が設けられている箇所を境界として前記上下方向に複数の畳み領域に区分けされ、前記複数の畳み領域が水平に畳まれあるいは上下方向に展開されることによって前記可動部の前記上下方向の長さが調節可能なシェードを提供するシェード提供方法であって、
異なる種類の複数の布地を含む布地グループを用意し、
前記リング取付部が設けられているピッチとして、前記可動部の異なる可動部丈に対して、前記複数の畳み領域の上下方向の長さの差を所定範囲内とすることができるピッチを選択可能な異なるピッチが設定されている複数のリングテープを含むリングテープグループを用意し、
布地の種類と、布地の総丈、取付部の取付丈、裾部の裾丈および可動部の可動部丈のうちの
少なくとも1つの寸法と、が指定されると、
前記指定された前記少なくとも一つの寸法と、「前記総丈は、前記取付丈、前記裾丈および前記可動部丈の和で表される」ことに基づいて、前記可動部丈を判別し、
前記判別した可動部丈に基づいて、前記リングテープグループに含まれている前記複数のリングテープのピッチの中から、前記複数の畳み領域の上下方向の長さの差を前記所定範囲内とすることができるピッチを判別し、
前記複数の畳み領域の上下方向の長さの差を前記所定範囲内とすることができるピッチを複数判別した場合には、(指標1)前記可動部丈の長さが所定長以上であれば最も長いピッチを判別し、前記可動部丈の長さが所定長未満であれば最も短いピッチを判別する、(指標2)前記複数の畳み領域の長さの差の絶対値が最も小さくなるピッチを判別する、(指標3)最上部の畳み領域の長さと最上部の畳み領域以外の畳み領域の長さとの差がマイナスであるピッチを判別し、あるいは、最下部の畳み領域の長さと最下部の畳み領域以外の畳み領域の長さとの差がマイナスであるピッチを判別する、のうちのいずれかに基づいて、前記判別した複数のピッチのうちの1つを判別し、
前記布地グループに含まれている前記複数の布地の中から、前記指定された種類の布地を選択するとともに、前記リングテープグループに含まれている前記複数のリングテープの中から、前記判別したピッチで前記リング取付部が設けられているリングテープを選択し、前記選択した布地と前記選択したリングテープを用いて、前記指定された寸法を有するシェードを組み付けることを特徴とするシェード提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓等の開口部に設けられるシェードに関し、特に、開口部を上下方向に開閉するシェードに関する。
【背景技術】
【0002】
日照、採光、通風等のための窓等の開口部には、日よけ、目隠し等のためにシェードが設けられている。シェードとしては、例えば、開口部の少なくとも一部を覆う布地を有し、布地を水平に畳むことで布地の上下方向の長さ、すなわち、布地の下方に形成される開口領域の上下方向の長さを調節可能なシェードが用いられる。特に、見栄えがすっきりして、部屋のイメージがやわらかくなるプレーンシェード(「ローマンシェード」とも呼ばれる)が用いられている。例えば、
図7に示されているようなプレーンシェード220が、特許文献1(特開2006-75429号公報)に開示されている。特許文献1に開示されているプレーンシェード220は、布地230、布地230の可動部231に、上下方向(縦方向)に延在するように取り付けられている複数の長尺状のリングテープ240を有している。リングテープ240は、長手方向に沿って所定のピッチ(リングピッチ)Pでリング取付部242(
図7には、4個のリング取付部242a~242dが示されている)が設けられている。最下部のリング取付部242(
図7では、リング取付部242a)にはコードアジャスタ260が取り付けられ、最下部以外のリング取付部242(
図7では、リング取付部242b~242d)にはリング250(
図7には、リング250a~250cが示されている)が取り付けられる。昇降コード270は、リング250c~250aの挿通孔を通されるとともに、一端側がコードアジャスタ260に取付けられる。
可動部231は、リング取付部242a~242dが取り付けられている箇所を境界として上下方向に複数の畳み領域231a~231dに区分けされる。
昇降コード270が上方に移動すると、コードアジャスタ260、リング250a~250cが上方に移動する。これにより、可動部231の畳み領域231a~231dは、
図8に示されているように、下方側の畳み領域231aから順に、上下方向略中央の箇所で水平に畳まれる。すなわち、可動部231の上下方向の長さが短くなり、布地230より下方に形成される開口領域の上下方向の長さが長くなる。一方、昇降コード270が下方に移動すると、コードアジャスタ260、リング250a~250cが下方に移動する。これにより、可動部231の畳み領域231a~231dは、上方側の畳み領域231dから順に上下方向に展開される。すなわち、可動部231の上下方向の長さが長くなり、布地230より下方に形成される開口領域の上下方向の長さが短くなる。コードアジャスタ260の位置を調節することにより、開口領域の上下方向の長さを調節することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リング取付部242(242a~242d)を布地230の可動部231に取り付ける基準としては、下基準、上基準、均等割基準が用いられている。
下基準では、
図7に示されているように、最下部のリング取付部242aが、可動部231の下端部(「下端部近傍」を含む)に取り付けられる。下基準を用いた場合、下方の畳み領域231a~231cの畳み状態が一定(「略一定」を含む)であり、見た目が綺麗である。一方、最上部の畳み領域231dの上下方向の長さHdが、可動部丈Cに応じて変わるため、最上部の畳み領域231dの上下方向の長さHdと他の畳み領域231a~231cの上下方向の長さHa~Hc(=ピッチP)との差も変わる。このため、例えば、
図8に示されているように、畳み領域231dの畳み幅Mb(≒1/2*Hd)と畳み領域231a~231cの畳み幅Ma(≒1/2*ピッチP)との差が大きくなり、見た目が低下するおそれがある。
上基準では、最上部のリング取付部242dが、可動部231の上端部(「上端部近傍」を含む)に取り付けられる。上基準を用いた場合、上方の畳み領域231b~231dの畳み状態が一定(「略一定」を含む)であり、見た目が綺麗である。一方、最下部の畳み領域231aの上下方向の長さHaが、可動部丈Cに応じて変わるため、最下部の畳み領域231aの上下方向の長さHaと他の畳み領域231b~231dの上下方向の長さHb~Hd(=ピッチP)との差も変わる。このため、畳み領域231aの畳み幅(≒1/2*Ha)と畳み領域231b~231dの畳み幅(≒1/2*ピッチP)との差が大きくなり、見た目が低下するおそれがある。
なお、下基準および上基準では、定められたピッチでリングが取り付けられているリングテープを用いることができるため、リングテープの製造が容易である。また、布地にリングを取り付ける作業も短時間で行うことができる。これにより、コストを低減することができる。
均等割基準では、リング取付部242a~242dが、可動部231に、上下方向に等間隔に取り付けられる。均等割基準では、畳み領域231a~231dの上下方向の長さHa~Hdが等しいため、畳み領域231a~231dの畳み状態が一定(「略一定」を含む)であり、見た目が綺麗である。均等割基準では、リング取付部242a~242dが手作業で取り付けられる。このため、組み付け作業に時間を要し、また、コストも高くなる。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、布地の可動部丈が異なる場合でも畳み領域の畳み幅の差が小さいシェードを安価に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の対象となるシェードは、布地と、長手方向に所定ピッチでリング取付部が設けられている長尺状のリングテープを有している。
布地としては、公知の種々の布地が用いられる。布地は、取付金具に取り付けられる取付部、開口部を開閉する可動部および裾を形成する裾部を有している。布地の総丈は、取付部の取付丈、可動部の可動部丈および裾部の裾丈の和である。
リングテープは、布地の可動部に上下方向に延在するように取り付けられている。リングテープは、可動部の水平方向(幅方向)に離間する箇所に複数取り付けられる。好適には、リングテープは、水平方向に隣接するリングテープに設けられているリング取付部が、水平方向に並んで配置されるように可動部に取り付けられる。
可動部は、リング取付部が設けられている箇所を境界として上下方向に複数の畳み領域に区分けされる。そして、複数の畳み領域が水平に畳まれあるいは上下方向に展開されることによって可動部の上下方向の長さ、すなわち、可動部の下方に形成される開口領域の上下方向の長さが調節可能である。
第1発明は、シェード提供装置に関する。
第1発明は、管理手段、入力手段、布地グループ、布地選択手段、リングテープグループ、リングテープ選択手段および組付手段を備えている。
布地グループには、異なる種類(例えば、素材や柄)の複数の布地が含まれている。
リングテープグループには、リング取付部が設けられるピッチ(リングピッチ)が異なる複数のリングテープが含まれている。
複数のリングテープのピッチとしては、可動部の異なる可動部丈に対して、複数の畳み領域の上下方向の長さの差を所定範囲内とすることができるピッチを選択可能に設定される。例えば、通常使用される可動部丈の範囲内において指定された可動部丈に対して、各畳み領域を畳んだ時の畳み幅が略等しくなるようなピッチを選択可能に設定される。下基準でリング取付部が可動部に取り付けられる場合には、最上部の畳み領域の長さと他の畳み領域の長さ(=ピッチ)との差が所定範囲内となるピッチを有するリングテープを選択することができ、上基準でリング取付部が可動部に取り付けられる場合には、最下部の畳み領域の長さと他の畳み領域の長さ(=ピッチ)との差が所定範囲内となるピッチを有するリングテープを選択することができるように複数のリングテープのピッチが設定される。「所定範囲」や「リングテープの数(ピッチの種類)」等は、適宜設定可能である。
管理手段は、入力手段から布地の種類と、布地の総丈、取付丈、裾丈および可動部丈のうちの少なくとも1つの寸法と、を含む入力情報が入力されると、入力情報に含まれている少なくとも一つの寸法と、「総丈は、取付丈、裾丈および可動部丈の和で表される」ことに基づいて、可動部丈を判別する。例えば、取付丈および裾丈が予め定められている場合には、総丈と可動部丈の少なくとも一方を入力すればよい。また、取付丈および裾丈が異なる場合には、総丈、取付丈、裾丈および可動丈のうちの少なくとも3つを入力する必要がある。勿論、総丈、取付丈、裾丈および可動部丈すべてを入力してもよい。
そして、判別した可動部丈に基づいて、リングテープグループに含まれている複数のリングテープのピッチの中から、各畳み領域の上下方向の長さの差を所定範囲内とすることができるピッチを判別する。例えば、下基準でリング取付部が可動部に取り付けられる場合には、最上部の畳み領域の長さと他の畳み領域の長さ(=ピッチ)との差が所定範囲内となるピッチを判別し、上基準でリング取付部が可動部に取り付けられる場合には、最下部の畳み領域の長さと他の畳み領域の長さ(=ピッチ)との差が所定範囲内となるピッチを判別する。
なお、複数の畳み領域の上下方向の長さの差を所定範囲内とすることができるピッチを複数判別した場合には、予め定められている指標に基づいて、判別した複数のピッチのうちの1つを選択する。複数のピッチのうちの1つを選択する指標としては、種々の指標を用いることができる。例えば、可動部丈(総丈)の長さ、複数の畳み領域の長さの差、最上部の畳み領域の長さと他の畳み領域の長さとの差あるいは最下部の畳み領域の長さと他の畳み領域の長さとの差等種々の指標を用いることができる。
さらに、布地の種類を示す布地情報を布地選択手段に出力し、判別したピッチを示すピッチ情報をリングテープ選択手段に出力し、総丈、取付丈、裾丈および可動部丈のうちの少なくとも1つの寸法を含む寸法情報を組付手段に出力する。
布地選択手段は、布地グループに含まれている布地の中から、布地情報で示される種類の布地を選択して組付手段に供給する。
リングテープ選択手段は、リングテープグループに含まれているリングテープの中から、ピッチ情報で示されるピッチでリング取付部が設けられているリングテープを選択して組付手段に供給する。
組付手段は、選択された布地と選択されたリングテープを用いて、寸法情報で示される寸法のシェードを組み付ける。
第2発明は、シェード提供方法に関する。
第2発明では、布地グループとリングテープグループを用意する。布地グループには、異なる種類の複数の布地が含まれている。リングテープグループには、リング取付部が設けられるピッチ(リングピッチ)として異なるピッチが設定されている複数のリングテープが含まれている。異なるピッチとしては、可動部の異なる可動部丈に対して、複数の畳み領域の上下方向の長さの差を所定範囲内とすることができるピッチを選択可能に設定される。
布地の種類と、布地の総丈、取付部の取付丈、裾部の裾丈および可動部の可動部丈のうちの少なくとも1つの寸法と、が指定されると、指定された少なくとも一つの寸法と、「総丈は、取付丈、裾丈および可動部丈の和で表される」ことに基づいて、可動部丈を判別する。そして、判別した可動部丈に基づいて、リングテープグループに含まれている複数のリングテープのピッチの中から、複数の畳み領域の長さの差が所定範囲内となるピッチを判別する。
なお、複数の畳み領域の上下方向の長さの差が所定範囲内となるピッチを複数判別した場合には、予め定められている指標に基づいて、判別した複数のピッチのうちの1つを選択する。複数のピッチのうちの1つを選択する指標としては、(指標1)可動部丈の長さが所定長以上であれば最も長いピッチを判別し、可動部丈の長さが所定長未満であれば最も短いピッチを判別する、(指標2)複数の畳み領域の長さの差の絶対値が最も小さくなるピッチを判別する、(指標3)最上部の畳み領域の長さと最上部の畳み領域以外の畳み領域の長さとの差がマイナスであるピッチを判別し、あるいは、最下部の畳み領域の長さと最下部の畳み領域以外の畳み領域の長さとの差がマイナスであるピッチを判別する、のうちのいずれかが用いられる。
さらに、布地グループに含まれている布地の中から、指定された種類の布地を選択するとともに、リングテープグループに含まれているリングテープの中から、判別したピッチでリング取付部が設けられているリングテープを選択し、選択した布地と選択したリングテープを用いて、指定された寸法を有するシェードを組み付ける。
第1発明および第2発明では、布地の可動部丈が異なる場合でも、畳み領域の畳み幅の差が小さく、見栄えが良いシェードを安価に提供することができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明のシェード提供装置およびシェード提供方法を用いることにより、布地の可動部丈が異なる場合でも畳み領域の畳み幅の差が小さいシェードを安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明のシェード提供装置の一実施形態のブロック図である。
【
図2】一実施形態のシェード提供装置あるいは一実施形態のシェード提供方法により提供されるプレーンシェードの一例を示す図である。
【
図3】リングテープおよびリングの一例を示す図である。
【
図5】一実施形態のシェード提供装置あるいは一実施形態のシェード提供方法により提供されるプレーンシェードの一例を折り畳んだ状態を示す図である。
【
図6】一実施形態のシェード提供装置あるいは一実施形態のシェード提供方法により提供されるプレーンシェードの他の例を折り畳んだ状態を示す図である。
【
図8】従来のプレーンシェードを畳んだ状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
先ず、本発明のシェード提供装置およびシェード提供方法で提供されるシェードの一例を、
図2~
図4を参照して説明する。
図2には、一例のプレーンシェード120が示されている。
図3には、リングテープ140とリング150が示され、
図4には、リング150が示されている。
プレーンシェード120は、布地130とリングテープ140を有している。
【0009】
布地130は、取付金具110に取り付けられる取付部(図示省略)、裾を構成する裾部132、上下方向の長さが調節可能な可動部131を有している。
布地130の総丈(上下方向の長さ)Lは、取付部の取付丈A、裾部132の裾丈Bおよび可動部131の可動部丈Cの和で表される。取付丈Aとしては、取付金具110の構成に応じた規定値が設定される。裾丈Bとしては、裾部132の形状等に応じた規定値が設定される。可動部丈Cは、窓等の開口部の上下方向の長さに応じて変わる。
布地130の幅Wは、開口部の幅によって設定される。
【0010】
リングテープ140は、長尺状に形成され、布地130の可動部131に、水平方向(幅方向)に離間した箇所に、上下方向に延在するように取り付けられている。
リングテープ140は、長尺状のテープ部141を有している。テープ部141には、長手方向に所定のピッチPnでリング取付部142(
図2では、4個のリング取付部142a~142d)が設けられている。リング取付部142a~142dは、環状を有し、テープ部141と一体に形成されている。リングテープ140は、熱融着や縫製等によって可動部131に取り付けられる。
テープ部141の幅は、取付性等を考慮して設定される。テープ部141およびリング取付部142は、公知の材質により形成される。
【0011】
リングテープ140のリング取付部142a~142dには、リング150とコードアジャスタ160が取り付けられる。
コードアジャスタ160は、最下部のリング取付部142aに取り付けられる。コードアジャスタは、樹脂等により形成され、リング取付部142aに着脱自在に取り付けられるフック部と、後述するコード170の一端が着脱自在に取り付けられるコード取付部を有している。コードアジャスタ160としては、公知の種々の構成のコードアジャスタを用いることができる。
【0012】
リング150は、最下部のリング取付部142aを除くリング取付部142b~142dに取り付けられる。
リング150は、樹脂等により形成される。リング150は、第1フック部151と第2フック部153を有し、正面から見てS字状に形成されている。
第1フック部151には、第1挿通穴152が形成されている。第1挿通穴152には、開口部155を介してリング取付部142が挿通される。これにより、リング150が、リング取付部142に取り付けられる。なお、第1フック部151には、突部157および158が形成されている。これにより、第1挿通穴152に挿通されたリング取付部142が、開口部155を介して第1挿通穴152から抜け出るのが防止される。
第2フック部153には、第2挿通穴154が形成されている。第2挿通穴154には、昇降コード170が挿通される。なお、昇降コード170は、開口部156を介して第2挿通穴154内に挿入可能である。
コードアジャスタおよびリングは、適宜のタイミングでリング取付部に取り付けられる。例えば、各リング取付部にリングを取り付けた状態でリングテープを可動部に取り付け、その後、最下部のリング取付部に取り付けられているリングを取り外し、コードアジャスタを取り付ける。あるいは、最下部のリング取付部にコードアジャスタを取り付け、最下部のリング取付部を除くリング取付部にリングを取り付けた状態でリングテープを可動部に取り付ける。
昇降コード170を上下方向に移動させるために、操作コード180が設けられる。操作コード180を操作することによって、取付金具110を介して昇降コード170が上下方向に移動する。なお、操作コード180に代えて、ポールチェーンを用いることもできる。あるいは、操作コード180を省略し、電動機等の駆動機構を用いて昇降コード170を上下方向に移動させることもできる。
【0013】
リング150a~150c、コードアジャスタ160が、リングテープ140のリング取付部142a~142dを介して可動部131に取り付けられた状態では、可動部131は、リング取付部142a~142dが設けられている箇所を境界に上下方向に畳み領域131a~131dに区分けされる。
下基準でリング取付部142a~142dを可動部131に取り付ける場合には、
図2に示されているように、最下部のリング取付部142aが、可動部131の下端部(「下端部近傍」を含む)に取り付けられる。この場合、下方側の畳み領域131a~131cの上下方向の長さHa~Hcは、ピッチPnに等しく、最上部の畳み領域131dの上下方向の長さHdは、可動部131の可動部丈CとピッチPnに応じて変わる。すなわち、最上部の畳み領域131dが畳まれた時の畳み幅Mdと他の畳み領域131a~131cが畳まれた時の畳み幅Ma~Mcの差は、可動部丈CとピッチPnに応じて変わる。この畳み幅の差が大きいと、可動部131を畳んだ時の上部の見た目が低下する。
また、上基準でリング取付部142a~142dを可動部131に取り付ける場合には、最上部のリング取付部142dが、可動部131の上端部(「上端部近傍」を含む)に取り付けられる。この場合、上方側の畳み領域131b~131dの上下方向の長さHb~Hdは、ピッチPnに等しく、最下部の畳み領域131aの上下方向の長さHaは、可動部131の可動部丈CとピッチPnに応じて変わる。すなわち、最下部の畳み領域131aが畳まれた時の畳み幅Maと他の畳み領域131b~131dが畳まれた時の畳み幅Mb~Mdの差は、可動部丈CとピッチPnに応じて変わる。この畳み幅の差が大きいと、可動部131を畳んだ時の下部の見た目が低下する。
本発明のシェード提供装置およびシェード提供方法を用いることにより、布地130の可動部131の可動部丈Cが変わった場合でも、畳み領域131a~131dの上下方向の長さHa~Hdの差が小さいプレーンシェード120を提供することができる。
【0014】
本発明のシェード提供装置の一実施形態のブロック図が
図1に示されている。
本実施形態のシェード提供装置は、管理手段10、入力手段20、記憶手段30、表示手段40、布地選択手段50、布地グループ60、リングテープ選択手段70、リングテープグループ80および組付手段90により構成されている。
管理手段10、入力手段20、記憶手段30、表示手段40、布地選択手段50、リングテープ選択手段70および組付手段90間は、LANやインターネット等の通信回線を介して接続することもできる。
【0015】
管理手段10は、CPU等により構成され、プレーンシェード120を提供するための処理等を実行する。
入力手段20は、キーボード等により構成され、管理手段10に種々の入力情報を入力する。なお、入力手段20としては、表示手段40に表示されている表示画面をタッチすることによって種々の入力情報を入力するタッチパネル等を用いることもできる。
記憶手段30は、ROMやRAM等により構成され、プレーンシェード120を提供するための種々の処理を実行するプログラムや種々のデータを記憶している。
表示手段40は、液晶表示装置等により構成され、所望の情報を表示する。
【0016】
布地選択手段50は、布地グループ60に含まれている複数の布地130の中から、指定された布地を選択して組付手段90に搬送する。布地選択手段50は、例えば、布地グループ60に含まれている布地130の中から、指定された布地130を選択する選択手段と、選択した布地130を組付手段90に搬送する搬送手段により構成される。選択手段および搬送手段としては、公知の選択手段および搬送手段を用いることができる。
布地グループ60には、プレーンシェード120として使用可能である、異なる種類の複数の布地130が含まれている。例えば、素材や柄等が異なる複数の布地130が含まれている。
【0017】
リングテープ選択手段70は、リングテープグループ80に含まれている複数のリングテープ140の中から、各畳み領域131a~131dの上下方向の長さを所定範囲内とすることができるピッチでリング取付部が設けられているリングテープ140を選択して組付手段90に搬送する。リングテープ選択手段70は、例えば、リングテープグループ80に含まれているリングテープ140の中から、所望のリングテープ140を選択する選択手段と、選択したリングテープ140を組付手段90に搬送する搬送手段により構成される。選択手段および搬送手段としては、公知の選択手段および搬送手段を用いることができる
リングテープグループ80には、リング取付部142a~142dが設けられているピッチ(リングピッチ)Pnが異なる複数のリングテープ140が含まれている。
複数のピッチ(リングピッチ)Pn(n=1,…,m)としては、可動部丈Cとして、通常使用される範囲内の長さが指定された場合に、複数のピッチPnの中から選択したピッチPkを有するリングテープを可動部131に取り付けることによって、リングテープ140に設けられているリング取付部142a~142dにより区分けされる畳み領域131a~131dの長さHa~Hdの差を所定範囲内とすることができるように設定される。「畳み領域131a~131dの長さの差を所定範囲内とする」という記載は、「畳み領域131a~131dを畳んだ時の畳み幅Ma~Mdの差を、見栄えの低下を防止することができる程度に略等しくする」ことを意味する。
例えば、下基準でリング取付部142a~142dを可動部131に取り付ける場合には、最上部の畳み領域131dの長さHdと他の畳み領域131a~131cの長さHa~Hc(=Pn)との差を所定範囲内とすることができるように、すなわち、畳み領域131dの畳み幅Md(≒1/2*Hd)と畳み領域131a~131cの畳み幅Ma~Mc(≒1/2*Pn)との差を、見栄えの低下を防止することができる程度に略等しくすることができるように設定される。
あるいは、上基準でリング取付部142a~142dを可動部131に取り付ける場合には、最下部の畳み領域131aの長さHaと他の畳み領域131b~131dの長さHb~Hd(=Pn)との差を所定範囲内とすることができるように、すなわち、畳み領域131aの畳み幅Ma(≒1/2*Ha)と畳み領域131b~131dの畳み幅Mb~Md(≒1/2*Pn)との差を、見栄えの低下を防止することができる程度に略等しくすることができるように設定される。
所定範囲や、リングテープの種類(ピッチの数)等は、適宜設定することができる。
【0018】
組付手段90は、布地選択手段50によって、布地グループ60に含まれている布地130の中から選択された布地130と、リングテープ選択手段70によって、リングテープグループ80に含まれているリングテープ140の中から選択されたリングテープ140を用いて、入力情報で指定された寸法(総丈L、取付丈A、裾丈Bおよび可動部丈C)を有するプレーンシェード120を組み付ける。
組付手段90は、例えば、公知の配置手段、取付手段(融着手段、縫製手段)、切断手段等を用いて構成される。
なお、布地選択手段50を、選択した布地130を総丈Lで切断した状態で組付手段90に搬送するように構成することもできる。また、リングテープ選択手段70を、選択したリングテープを可動部丈Cで切断した状態で組付手段90に搬送するように構成することもできる。
【0019】
次に、本実施形態のシェード提供装置を用いてプレーンシェード120を提供する動作を説明する。
先ず、入力手段20から、プレーンシェード120を構成する布地130の種類(素材や柄等)および寸法を含む入力情報を入力する。寸法としては、総丈L、取付丈A、裾丈Bおよび可動部丈Cのうちの少なくとも1つが入力される。総丈Lは、取付丈A、裾丈Bおよび可動部丈Cの和で表される。このため、例えば、取付丈Aと裾丈Bが予め定められている場合には、総丈Lと可動部丈Cの少なくとも一方が入力される。あるいは、取付丈Aと裾丈Bが変化する場合には、総丈L、取付丈A、裾丈Bおよび可動部丈Cのうちの少なくとも3つが入力される。勿論、総丈L、取付丈A、裾丈Bおよび可動部丈Cを入力してもよい。
なお、表示手段40に入力画面が表示されている状態で、入力画面をタッチすることによって布地の種類や寸法を入力(指定)する方法を用いることもできる。
【0020】
管理手段10は、入力情報に基づいて可動部丈Cを判別(算出)する。
取付丈Aは、取付金具110の構成に応じた規定値が設定される。例えば、記憶手段30に、取付金具110を示す金具識別情報に対応させて取付丈Aを記憶させておき、入力手段20から金具識別情報を入力することによって、取付丈Aを設定する方法を用いることができる。あるいは、入力手段20から取付丈Aを入力することによって、取付丈Aを設定する方法を用いることもできる。あるいは、使用する取付金具丈110が定まっている場合には、記憶手段30に記憶されている取付丈Aを読み出す方法を用いることもできる。
裾丈Bは、裾部132の形状等に応じた規定値が設定される。例えば、裾部132の形状を示す裾部識別情報に対応させて裾丈Bを記憶させておき、入力手段20から裾部識別情報を入力することによって、裾丈Bを設定する方法を用いることができる。あるいは、入力手段20から裾丈Bを入力することによって、裾丈Bを設定する方法を用いることもできる。あるいは、裾部132の形状が定まっている場合には、記憶手段30に記憶されている裾丈Bを読み出す方法を用いることもできる。
なお、裾部132が不要である場合には、[総丈L=取付丈A+可動部丈C]により可動部丈Cを判別する。
【0021】
次に、判別した可動部丈Cに基づいて、リングテープグループ80に含まれている複数のリングテープ140のピッチPn(n=1,…,m)の中から、畳み領域131a~131dの長さHa~Hdの差を所定範囲内とすることができるピッチPkを判別する。
この時、複数のピッチが判別された場合には、あらかじめ定められている指標に基づいて、複数のピッチのうちの1つを選択する。
指標としては、種々の指標を用いることができる。例えば、(指標1)可動部丈Cの長さ、(指標2)畳み領域131a~131dの長さHa~Hdの差、(指標3)最上部の畳み領域131dの長さHdと他の畳み領域131a~131cの長さHa~Hc(=ピッチ)との差あるいは最下部の畳み領域131aの長さHaと他の畳み領域131b~131dの長さHb~Hdとの差等を用いることができる。
(指標1)を用いる場合には、例えば、可動部丈Cの長さが所定長以上(可動部丈C≧所定長)であれば、最も長いピッチを選択し、所定長未満(可動部丈C<所定長)であれば、最も短いピッチをピッチPkとして判別する。
(指標2)を用いる場合には、長さHa~Hdの差の絶対値が最も小さくなるピッチをピッチPkとして判別する。
(指標3)を用いる場合には、長さHdとHa~Hc(=ピッチ)との差がマイナス(Hd<Ha~Hc)であるピッチをピッチPkとして判別し、あるいは、長さHaとHb~Hd(=ピッチ)との差がマイナス(Ha<Hb~Hd)であるピッチをピッチPkとして判別する。
なお、複数の指標を用いる場合には、指標に優先順位を設定し、優先順位の高い指標から順に用いるのが好ましい。
【0022】
そして、管理手段10は、入力情報に基づいて、布地の種類を示す布地情報を布地選択手段50に出力し、判別したピッチPkを示すピッチ情報をリングテープ選択手段70に出力し、総丈L、取付丈A、裾丈Bおよび可動部丈Cのうちの少なくとも1つを含む寸法情報を組付手段90に出力する。
なお、判別したピッチPkを有するリングテープ140を示すリングテープ情報をリングテープ選択手段70に出力することもできる。判別したピッチPkを有するリングテープ140を示すリングテープ情報をリングテープ選択手段70に出力する構成は、判別したピッチPkを示すピッチ情報をリングテープ選択手段70に出力する構成と等価である。
【0023】
布地選択手段50は、布地グループ60に含まれている異なる種類の布地130の中から、布地情報で示される種類の布地130を選択して組付手段90に搬送する。
リングテープ選択手段70は、リングテープグループ80に含まれている、異なるピッチPn(n=1,…,m)を有するm種類のリングテープ140の中から、ピッチ情報で示されるピッチPkを有するリングテープ140を選択して組付手段90に搬送する。
【0024】
組付手段90は、布地選択手段50で選択された布地130とリングテープ選択手段70で選択されたリングテープ140を用いて、指定された寸法を有するプレーンシェード120を組み付ける。すなわち、取付丈Aの取付部、裾丈Bの裾部132、可動部丈Cの可動部131、総丈Lを有するプレーンシェード120を組み付ける。なお、裾部132を有しない場合には、取付丈Aの取付部、可動部丈Cの可動部131を有し、総丈がLであるプレーンシェード120を組み付ける。
【0025】
本発明は、以下のようなシェード提供方法として構成することもできる。
「布地と、長手方向に所定ピッチでリング取付部が設けられている長尺状のリングテープを有し、前記リングテープは、前記布地の可動部に上下方向に延在するように取り付けられており、前記可動部は、前記リング取付部が設けられている箇所を境界として前記上下方向に複数の畳み領域に区分けされ、前記複数の畳み領域が水平に畳まれあるいは上下方向に展開されることによって前記可動部の前記上下方向の長さが調節可能なシェードを提供するシェード提供方法であって、
異なる種類の複数の布地を含む布地グループを用意し、
前記リング取付部が設けられているピッチとして、前記可動部の異なる可動部丈に対して、前記複数の畳み領域の上下方向の長さの差を所定範囲内とすることができるピッチを選択可能な異なるピッチが設定されている複数のリングテープを含むリングテープグループを用意し、
布地の種類と、布地の総丈、取付丈、裾丈および可動部丈のうちの少なくとも1つが指定されると、
可動部丈を判別し、
前記判別した可動部丈に基づいて、前記リングテープグループに含まれている前記複数のリングテープのピッチの中から、前記複数の畳み領域の長さの差を前記所定範囲内とすることができるピッチを判別し、
前記布地グループに含まれている布地の中から、前記指定された種類の布地を選択するとともに、前記リングテープグループに含まれているリングテープの中から、前記判別したピッチでリング取付部が設けられているリングテープを選択し、前記選択した布地と前記選択したリングテープを用いて、前記指定された寸法を有するシェードを組み付けることを特徴とするシェード提供方法。」
【0026】
本実施形態のシェード提供装置あるいはシェード提供方法を用いて提供されるプレーンシェード130の一例が
図5に示されている。
図5に示されているプレーンシェード130では、畳み領域131a~131dの畳み幅を略Maとすることができ、畳み幅の差による見栄えの低下を防止することができる。
【0027】
本実施形態のシェード提供装置あるいはシェード提供方法を用いて提供されるプレーンシェード130の他の例が
図6に示されている。
図6に示されているプレーンシェード130では、裾部132の裾丈Bが、畳み領域131a~131dの畳み幅Maより長く設定されている。そして、畳み領域131a~131dが畳まれた時に、畳み領域131a~131dから裾部132に亘って模様が連続するように(「絵羽模様」と呼ばれる)構成されている。これにより、畳み領域131a~131dを畳んだ時の見栄えが良好となる。
【0028】
以上のように、本発明のシェード提供装置およびシェード提供方法を用いることにより、ピッチ(リングピッチ)が予め設定されているリングテープを用いることができる。また、ピッチ(リングピッチ)が予め定められている複数のリングテープの中から選択したリングテープを布地の可動部に取り付ければよいため、シェードの組み付け作業を短時間に、容易に行うことができる。このため、畳み領域の長さの差、すなわち、畳み幅の差が小さいシェードを、安価に提供することができる。
【0029】
本発明は、以下のように構成することもできる。
(態様1)
請求項1に記載のシェード提供装置であって、
前記管理手段は、前記複数の畳み領域の上下方向の長さの差を前記所定範囲内とすることができるピッチを複数判別した場合には、予め定められている指標に基づいて、前記判別した複数のピッチのうちの1つを判別することを特徴とするシェード提供装置。
(態様2)
請求項2に記載のシェード提供方法であって、
前記複数の畳み領域の上下方向の長さの差を前記所定範囲内とすることができるピッチを複数判別した場合には、予め定められている指標に基づいて、前記判別した複数のピッチのうちの1つを判別することを特徴とするシェード提供方法。
複数のピッチのうちの1つを選択する指標としては、種々の指標を用いることができる。例えば、可動部丈(総丈)の長さ、各畳み領域の長さの差、最上部の畳み領域の長さと他の畳み領域の長さとの差あるいは最下部の畳み領域の長さと他の畳み領域の長さとの差等を用いることができる。
【0030】
本発明は、実施形態で説明した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
リングテープグループに含まれる複数のリングテープの異なるピッチ(リングピッチ)としては、実施形態で説明したピッチに限定されず、種々変更可能である。
実施形態では、プレーンシェード(ローマンシェード)を提供する場合について説明したが、本発明は、プレーンシェード以外の種々の構成のシェードを提供する際に用いることができる。
リングテープ、リング取付部およびリングとしては、公知の種々のリングテープ、リング取付部およびリングを用いることができる。
取付丈は、取付金具の構成等に応じて適宜設定可能である。
裾丈は、裾部の形状等に応じて適宜設定可能である。また、裾部を省略することもできる。
昇降コードを上下方向に移動させる取付金具としては、公知の種々の取付金具を用いることができる。
【符号の説明】
【0031】
10 管理手段
20 入力手段
30 記憶手段
40 表示手段
50 布地選択手段
60 布地グループ
70 リングテープ選択手段
80 リングテープグループ
90 組付手段
110、210 取付金具
120、220 プレーンシェード
130、230 布地
131、231 可動部
132、232 裾部
140、240 リングテープ
141、241 テープ部
142、142a~142d、242、242a~242d リング取付部
150、150a~150c、250、250a~250c リング
151 第1フック部
152 第1挿通穴
153 第2フック部
154 第2挿通穴
155、156 開口部
157、158 突部
160、260 コードアジャスタ
170、270 昇降コード
180 操作コード
131a~131d、231a~231d 畳み領域
L 総丈
A 取付丈
B 裾丈
C 可動部丈
Ha~Hd 畳み領域の長さ
Ma、Mb 畳み幅