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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】移動平面を作るための案内モジュール
(51)【国際特許分類】
   B65G 39/18 20060101AFI20240409BHJP
   B65G 47/244 20060101ALI20240409BHJP
   B65G 13/06 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
B65G39/18
B65G47/244
B65G13/06
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019191135
(22)【出願日】2019-10-18
(65)【公開番号】P2020066533
(43)【公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】102018000009647
(32)【優先日】2018-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】517146208
【氏名又は名称】フィーブス イントラロジスティクス ソチエタ ペル アツィオニ コン ソチオ ウニコ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ダリオ グッリェルミ
(72)【発明者】
【氏名】マルコ ザンジローラミ
(72)【発明者】
【氏名】マッシモ ポボロ
(72)【発明者】
【氏名】マリオ カミッロ ラダッリ
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-298321(JP,A)
【文献】国際公開第2016/208736(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 39/00 - 39/20
B65G 47/00 - 47/96
B65G 13/00 ー 13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動平面を作るための案内モジュール(1)であって、
縦軸(Z)を中心として回転可能な回転ユニット(20)と、
前記縦軸(Z)に対して垂直かつ前記回転ユニット(20)に対して固定された横軸(X)を中心として、前記回転ユニット(20)に対して回転可能な作動ピン(31)によって前記回転ユニット(20)に取り付けられたボール(30)と、
前記回転ユニット(20)に作用する第1のアクチュエタ(52)であって、前記縦軸(Z)の周囲で前記回転ユニット(20)を調整可能に動かす第1のアクチュエタ(52)と、
前記ボール(30)の前記作動ピン(31)に作用し、前記ボール(30)を前記横軸(X)を中心として動かす第2のアクチュエータ(54)と、
を備え
前記縦軸(Z)を中心として回転可能であり、前記作動ピン(31)と一体的に回転可能に設けられた伝達ピニオン(32)と噛み合う第1のリングギア(41)を第1の端部に有する伝達ユニット(40)を備え、前記第2のアクチュエータ(54)は、前記第1のリングギア(41)を前記縦軸(Z)を中心として回転するように前記伝達ユニット(40)に作用し、
前記伝達ユニット(40)は、前記第1の端部の反対側の第2の端部又は該第2の端部の近傍において、前記第2のアクチュエータ(54)が作用する作動ピニオン(55)と噛み合う第2のリングギア(42)を備える、案内モジュール(1)。
【請求項2】
前記第2のリングギア(42)は、前記縦軸(Z)に向かって放射状の歯列によって定められ、および/または、前記第1のリングギア(41)は、前記縦軸(Z)に沿って整列した正面を向く歯列によって定められている、請求項に記載の案内モジュール(1)。
【請求項3】
前記伝達ユニット(40)の前記第1の端部は、前記ボール(30)の少なくとも一部を内部に収納する筒型形状を有する、請求項1又は2に記載の案内モジュール(1)。
【請求項4】
前記回転ユニット(20)は、前記縦軸(Z)の周囲に延在して、前記ボール(30)および前記作動ピン(31)が少なくとも部分的に収納される内部空間(V)を定める筒型形状を有する、請求項1~の何れか一項に記載の案内モジュール(1)。
【請求項5】
前記伝達ユニット(40)は前記回転ユニット(20)の内部空間(V)内に収納され、前記縦軸(Z)の周囲に延在する筒型形状を有する、請求項1~4の何れか一項に記載の案内モジュール(1)。
【請求項6】
前記回転ユニット(20)は、前記ボール(30)の前記作動ピン(31)の反対側又は前記作動ピン(31)から離れた遠位の側に、前記第1のアクチュエータ(52)のシャフトと噛み合い、また、記縦軸(Z)に向かって放射状の歯列(22)によって定められた対応する案内歯列(22)を有する、請求項4又は5に記載の案内モジュール(1)。
【請求項7】
前記第1および第2のアクチュエータ(52、54)は互いに並んで、前記縦軸(Z)に沿って整列して取り付けられ、記第1および第2のアクチュエータ(52、54)の各々は、平行軸を中心として、および記縦軸(Z)から外れて回転可能な対応する作動ピニオン(53、55)を備える、請求項1~の何れか一項に記載の案内モジュール(1)。
【請求項8】
前記伝達ユニット(40)は、前記縦軸(Z)を中心として回転可能な中心ピン(43)によって適所に支持されている、請求項1~7の何れか一項に記載の案内モジュール(1)。
【請求項9】
前記回転ユニット(20)と、前記伝達ユニット(40)と、前記ボール(30)の主要部分と、前記ボール(30)の前記作動ピン(31)とを内部に囲繞している筒型形状を有する外側収容本体(10)をさらに備え、前記回転ユニット(20)は、前記外側収容本体(10)によって、ップ型本体(14)の介在によって回転可能に支持されている、請求項1~8の何れか一項に記載の案内モジュール(1)。
【請求項10】
前記外側収容本体(10)は、前記ボール(30)の頂点部分が突出する中央開口部を設けた状の端部キャップ(16)を有し、該端部キャップ(16)は、前記縦軸(Z)に対して垂直な摺動面を定める外面をさらに有する、請求項に記載の案内モジュール(1)。
【請求項11】
前記第1および第2のアクチュエータ(52、54)に接続し、前記縦軸(Z)を中心とする前記ボール(30)の回転の第1の制御信号と、前記横軸(X)を中心とする前記ボール(30)の回転の第2制御信号とを少なくとも受信するように構成された制御ユニットを備え、
該制御ユニットは、前記第1のアクチュエータ(52)を前記第1の制御信号の関数として制御し、また、前記第2のアクチュエータ(54)を前記第2制御信号の関数として制御するように構成され、前記制御ユニットは、前記第1の制御信号の関数として補正された方式で、前記第2のアクチュエータ(54)を制御するようにさらに構成されている、請求項1~10の何れか一項に記載の案内モジュール(1)。
【請求項12】
移動平面を定めるべく、同一の複数のモジュール(1)を所定の方向に従って、共通のマスクに対して接続するように構成された角柱状の結合面を有する、請求項1~11の何れか一項に記載の案内モジュール(1)。
【請求項13】
物品を分類するためのモジュール式移動平面であって、
請求項1~12の何れか一項に記載の案内モジュール(1)であって、複数の案内モジュール(1)と、
前記複数の案内モジュール(1)の前記ボール(30)により係合された摺動面を定めるように、マトリクス構成内で複数の案内モジュール(1)を支持する支持マスクと、
を備える、モジュール式移動平面。
【請求項14】
前記支持マスクは複数のソケットを有し、前記複数の案内モジュール(1)は前記複数のソケットと係合するように構成された複数のプラグ(60)を有し、前記複数の案内モジュール(1)を前記マトリクス構成内に位置決めする際に、前記支持マスクと前記複数の案内モジュール(1)の間の電力供給および/または信号接続を決定する、請求項13に記載のモジュール式移動平面。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は物品を分類するシステムの技術分野に関する。特に、本発明は、物品を分類するモジュール式移動平面を作るための案内モジュールに関する。本発明は、さらに、物品を分類するモジュール式移動平面に関する。
【背景技術】
【0002】
輸送および物流分野において、荷物や他の物品を分類するシステムはとりわけ重要である。
伝統的に、これらのシステムは主コンベアを備え、この主コンベアは、分類対象の荷物や物品を経路に沿って移動させるものであり、また、所定の基準に従って、主コンベアから荷物を受けてそれぞれの配布ステーションへ搬送する様々な副コンベアに接続している。
荷物が主コンベアを離れ、副コンベアに向かう経路に沿って分岐できるようにする様々な解決方法が長年にわたって開発されてきた。
【0003】
これらの解決方法の1つは、荷物を主コンベアに沿って移動させ、さらに、この荷物を所望の副コンベアに向けて案内するべく適時に作動される側方向きローラを装備した特殊なキャリッジの使用を伴う。
【0004】
使用される別のシステムは、主コンベアの上方で移動でき、荷物と側方向に接触または係合して荷物を副コンベアに向かわせるように構成されたユニットを使用する。
【0005】
また、主コンベアの方向に対して横向きまたは傾斜しており、荷物の移動平面に設けられた開口部を通って移動できるローラのシステムも使用される。したがって、ローラは、所定の荷物のみに係合してこれらを所望の動きに基づいて主コンベアからそらすべく、命令に応じて出現させたり、隠したりすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
不利なことに、上で述べたシステムは荷物の分類のみに限定され、それぞれのコンベア上で荷物を位置決めし、移動するためのパラメータを完全且つ/又は正確に制御することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これに関連し、本発明の基礎となる技術目的は、上述した従来技術の欠点のうち少なくともいくつかを克服する、移動平面(movement plane、移動プレイン、移動平面体)を作る案内モジュールならびに関連するモジュール式移動平面を提供することである。
【0008】
より具体的には、本発明の目的は、従来技術の分類システムに関連した荷物を位置決めおよび移動するためのパラメータをより完全および/または正確に制御することが可能な案内モジュールならびに関連するモジュール式移動平面を提供することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、大きさの異なるシステムおよび/または物品に合わせて容易に増減ならびに適合可能な、物品を分類するモジュール式移動平面を提供することである。
【0010】
記述された技術目的および明示された目的は、添付の特許請求の範囲の1つ以上で述べられている技術特徴を備えた案内モジュールならびに関連するモジュール式移動平面によって実質的に達成される。
従属請求項は本発明の実施可能な実施形態に相当する。
【0011】
本発明のさらなる特徴および利点は、以下に示す、案内モジュールならびに関連するモジュール式移動平面の好適な実施形態の非限定的な説明においてより明白となる。
【0012】
この説明は、本発明の範囲を限定しない例証の目的に限って提供される次の添付の図面を参照しながら以下に提示される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明によって作成された案内モジュールの斜視図である。
図2図1の案内モジュールの断面図であり、いくつかの要素を隠して他の要素をよりわかりやすく図解している。
図3図1の案内モジュールの別の断面図を示し、いくつかの要素を隠して他の要素をよりわかりやすく図解している。
図4図1の案内モジュールの分解斜視図であり、いくつかの要素を隠して他の要素をよりわかりやすく図解している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付の図面を参照すると、モジュール式移動平面を作るための案内モジュールの全体を符号1で示しているが、以降ではこれを単に「案内モジュール1」と呼ぶ。
【0015】
案内モジュール1は、以下で述べる案内モジュール1の構成部品のうち少なくともいくつかを保護および/または支持するように位置決めされ、及び構成された筒型形状の外側収容本体10を備える。
【0016】
好適には、外側本体10は、複数の同一の案内モジュール1を所定の向きに従って共有マスクに接続して、モジュール式移動平面を定めることができるように構成された角柱状、好適には六角形の形状をした案内モジュール1を結合するための外面を定める。
【0017】
案内モジュール1は外側本体10の内部に収納された、縦軸「Z」の周囲で回転可能な回転ユニット20を備える。
【0018】
案内モジュール1の好適な使用形態によれば、縦軸「Z」は水平面に対して鉛直方向に向いている。
【0019】
好適には、回転ユニット20は、外側本体10によってこれに対して回転するように支持されている。
【0020】
この好適な実施形態によれば、外側本体10は支持面12を有し、支持面12の上には、外側本体10の内面と一致する形をしたカップ型本体14が配置されている。
【0021】
好適には、回転ユニット20は、縦軸「Z」を中心として外側本体10に対して、外側本体10と擦れ合わずに回転するように、回転ユニット20と外側本体10との間に介在するカップ型本体14によって支持されている。
【0022】
好適には、回転ユニット20は縦軸「Z」を中心とする筒型形状を有し、内部収容空間「V」を定め、その内部には以下に述べる案内モジュールのさらなる構成部品が収納されている。
【0023】
第1の端部にて、回転ユニット20は、縦軸「Z」を通る作動ピン31のための互いに対向した2つの台座を設けている。
【0024】
好適には、台座は、互いに対向し、回転ユニット20の径方向両側の対応する部分に作られた1対の穴21a、21bによって定められている。
【0025】
好適には、作動ピン31のための台座の反対側または遠位にある部分において、回転ユニット20は、縦軸「Z」に向いて、歯が放射方向の内向きに突出する放射状の複数の歯によって定められた案内歯列22を設けている。
【0026】
案内モジュール1は、縦軸「Z」に対して垂直な横軸「X」を中心として回転するように、作動ピン31によって回転ユニット20に回転可能に取り付けられたボール30を備える。
【0027】
好適には、ボール30は、作動ピンがボール30と回転可能に一体化されるように、作動ピン31にキー止めされている。
【0028】
さらに、作動ピン31は、端部において、ボール30を横軸「X」を中心として回転させるように構成された伝達ピニオン32を有している。
【0029】
作動ピン31の向きは横軸方向「X」を定め、この横軸方向「X」は、回転ユニット20に対して固定され、また、回転ユニット20の回転により、案内モジュール1の好適な使用形態における水平面において方位付けられることが可能である。
【0030】
好適には、ボール30の主要部分と作動ピン31全体は外部本体10の内部に位置決めされる一方で、ボール30の頂点部分30aは特に外部本体10から、案内モジュール1の好適な使用形態における上方へ突出する。
【0031】
外側本体10は、ボール30の頂点部分30aが突出する中央開口部を有する実質上環状形の端部キャップ16をさらに設けている。
【0032】
好適には、端部キャップ16は、縦軸「Z」に対して垂直で、好ましくは案内モジュールの好適な使用形態における水平方向に向いた摺動面を定めるように構成された外面を有する。
【0033】
特に、この外面は、同一の案内モジュール1の同様の外面と整列し、これと連携して動作することで、それぞれの案内モジュール1のボール30が突出する共通の摺動面を定めるように構成されている。
【0034】
好適には、上述の頂点部分30aはボール30の半径の10~40%、さらに好適には20~30%の割合で形成される。
【0035】
好適には、案内モジュール1は、縦軸「Z」を中心として回転ユニット20に対して同軸回転することが可能で、ボール30を横軸「X」の周囲で移動させるように構成された伝達ユニット40をさらに備える。
【0036】
好適には、伝達ユニット40は、縦軸「Z」を中心として回転可能で、外側本体10と一体に設けられているかあるいはこれに結合される支持部に連結される中心ピン43によって適所に支持されている。
【0037】
好適には、伝達ユニット40は筒型形状で、回転ユニット20によって定められた内部空間「V」の中に収納されており、さらに、伝達ユニットの中にボール30の主要部分が収納されている。
【0038】
特に、伝達ユニット40の外面は、回転ユニット20の対応する内面と一致する形状になっていることが好適である。
【0039】
さらに、伝達ユニット40は、中心ピン43に接続するために相補的な形状、好ましくは、カップ型の部分44を有することが好適である。
【0040】
伝達ユニット40は、縦軸「Z」を中心とする伝達ユニット40の回転が横軸「X」を中心とするボール30の回転を生じさせるように伝達ピニオン32と噛み合った第1のリングギア41を、第1の端部に、特に案内モジュール1の好適な使用形態における上端に備える。
【0041】
好適には、第1のリングギア41は、縦軸「Z」に沿って整列し、案内モジュール1の好適な使用形態における上向きに延在する、歯が正面側に突出する正面を向く歯列によって形成される。
【0042】
さらに、伝達ユニット40は、第1の端部の反対側の第2の端部又は第2の端部の近傍に、特に、好適な使用形態における下端に、縦軸「Z」を中心とする伝達ユニット40の回転を生じさせるように構成された第2のリングギア42を備える。
【0043】
好適には、第2のリングギア42は、使用形態において縦軸「Z」に向き、好適な使用形態における水平面内に分布している歯が放射方向の内向きに突出する放射状の歯列によって定められている。
【0044】
好適には、回転ユニット40の第2のリングギア42と回転ユニット20の案内歯列22は実質上同軸であり、平行な平面に延在し、互いに並んだ位置にあるが、ここで、案内モジュール1の好適な使用形態においては、第2のリングギア42は案内歯列22の上方に位置決めされている。
【0045】
案内モジュール1は、回転ユニット20に作用してこれを縦軸「Z」を中心として調整可能に動かす第1のアクチュエータ52と、ボール30の作動ピン31に作用してこれを横軸「X」を中心として動かす第2のアクチュエータ54とをさらに備える。
【0046】
好適な実施形態によれば、第1および第2のアクチュエータ52、54は両方とも回転型電動機である。
【0047】
好適には、第1および第2のアクチュエータ52、54は並んで、互いに近接して位置決めされ、また、互いに対して平行に、好ましくは縦軸「Z」に対して平行に配向される。
【0048】
好適には、第1および第2のアクチュエータ52、54の両方は、縦軸「Z」から外れた位置において、ボール30に向かって突出し、かつ縦軸「Z」に対して平行な、それぞれの回転シャフトを有する。
【0049】
第1のアクチュエータ52は、対応するシャフトにキー止めされ、回転ユニット20の案内歯列22と噛み合う作動ピニオン53を備える。
【0050】
同様に、第2のアクチュエータ54は、対応するシャフトにキー止めされ、伝達ユニット40の第2のリングギア42と噛み合うさらなる作動ピニオン55を備える。
【0051】
こうすることで、第1のアクチュエータ52の作動によってボール30が縦軸「Z」を中心として回転する一方で、第2のアクチュエータ54の作動によってボール30が横軸「X」を中心として回転する。
【0052】
第1および第2のアクチュエータ52、54に給電するために、案内モジュール1は、1つ以上のピン60を有し、これらピンはピンをそれぞれの支持マスク内に結合すると対応するソケットと係合する。
【0053】
上で述べた構成では、第1のアクチュエータ52の作動は、ボール30の縦軸「Z」を中心とする回転に加えて、ボール30の横軸「X」を中心とする回転という、第2のアクチュエータ54の効果に代数的に追加された副次効果をもたらす点に留意すべきである。
【0054】
この副次効果は、縦軸「Z」を中心とするボール30の回転に続き、伝達ピニオン32の、伝達ユニット40に対する、またこれと噛み合う動きによってもたらされる。
【0055】
案内モジュール1は、第1および第2のアクチュエータ52、54に接続され、縦軸「Z」を中心とするボール30の回転を制御する第1の制御信号と、横軸「X」を中心とするボール30の回転を制御する第2の制御信号とを少なくとも受信するように構成された制御ユニットをさらに備える。
【0056】
好適には、案内モジュール1は、第1および第2の制御信号を制御ユニットに伝達するために制御ユニットに接続される信号ケーブル用のコネクタ61を設けている。
【0057】
制御ユニットは、第1の制御信号に含まれている命令に従って縦軸「Z」を中心とするボール30の回転を決定するために、第1の制御信号の関数として第1のアクチュエータ52を制御するように構成されている。
【0058】
制御ユニットは、また、第2のアクチュエータ54を、第2の制御信号の関数として、また補正された制御では第1の制御信号の関数として制御するようにも構成されている。
【0059】
言い換えれば、制御ユニットは、上で述べた、ボール30の縦軸「Z」周囲での回転に続いての横軸「X」周囲での回転という副次効果を計算するように、そして、この副次効果を補償し得るように第2のアクチュエータ54を作動させるように構成されている。
【0060】
好適には、案内モジュール1は、角柱状、好適には六角形の結合面を有し、それにより複数の同一の案内モジュール1を所定の向きに従って共有マスクに接続して(特に、ピン60を対応するソケットに挿入することによる)、移動平面を形成することができる。
【0061】
好適には、所定の向きに従って、各案内モジュール1の縦軸「Z」は支持マスクに対して垂直に、また特に、好適な使用形態における鉛直方向に配向される。各案内モジュール1の支持マスク上への位置決めは、ピン60を対応するソケットに挿入するべく機能するように変更することが可能である。
【0062】
本発明の別の目的は、上で述べたタイプの案内モジュール1を複数備えた、物品を分類するためのモジュール式移動平面である。
【0063】
移動平面は、案内モジュール1のボール30により係合された摺動面を定めるように、案内モジュール1をマトリクス構成内に支持するように構成された支持マスクをさらに備える。
【0064】
好適には、支持マスクは、電力供給および/または案内モジュール1との信号接続を行うべく、案内モジュール1のピン60を受容するように構成された複数のソケットを設けている。
【0065】
好適には、ピン60は、マトリクス構成内で案内モジュール1が支持マスク上に位置決めされる際に、支持マスクの対応するソケットに直ちに係合するように構成されている。
【0066】
好適には、案内モジュール1の角柱状の結合面は、マトリクス構成内で接触し合って、もしくは寄りかかり合って位置決めされて、セル状の配列を定める。
【0067】
さらに、ソケットおよびピン60は、使用形態時にそれぞれの案内モジュール1を支持するように好適に構成されており、ここで、それぞれの案内モジュール1は、互いに平行に向き、かつ支持マスクに対して垂直な、それぞれの縦軸「Z」を有する。
【0068】
好適には、移動平面は、それぞれのボール30の回転を整合する形で個々の案内モジュール1の制御ユニットを整合するように構成された、それぞれの制御ユニットを設けている。
【0069】
本発明は、所定の目的を、従来技術の欠点を克服することで達成する。
有利なことに、説明した案内モジュールによれば、大きさ、重量、特徴の異なる物品および荷物に合わせて容易に増減ならびに適合可能な、モジュール式移動平面を製造することができる。
【0070】
さらに、移動平面によれば、物品を分類、整列、搬送、分別すること、ならびに各物品をその軸(すなわち、基本的に、移動する物品の延長面に対して直角な軸)を中心として回転させることを含む、個々の物品の位置決めおよび移動の正確な制御と、タイプの異なる移動の実行とが、様々な案内モジュールどうしを整合させることによって可能になる。
なお、本発明の態様(構成)として以下に示すものがある。
[態様1]
移動平面を作るための案内モジュール(1)であって、
縦軸(Z)を中心として回転可能な回転ユニット(20)と、
前記縦軸(Z)に対して垂直かつ前記回転ユニット(20)に対して固定された横軸(X)を中心として、前記回転ユニット(20)に対して回転可能な作動ピン(31)によって前記回転ユニット(20)に取り付けられたボール(30)と、
前記回転ユニット(20)に作用する第1のアクチュエ―タ(52)であって、前記縦軸(Z)の周囲で前記第1のアクチュエ―タ(52)を調整可能に動かす第1のアクチュエ―タ(52)と、
前記ボール(30)の前記作動ピン(31)に作用し、前記ボール(30)を前記横軸(X)を中心として動かす第2のアクチュエータ(54)と、
を備える、案内モジュール(1)。
[態様2]
前記縦軸(Z)を中心として回転可能であり、前記作動ピン(31)と一体的に回転可能に設けられた伝達ピニオン(32)と噛み合う第1のリングギア(41)を第1の端部に有する伝達ユニット(40)を備え、前記第2のアクチュエータ(54)は、前記第1のリングギア(41)を前記縦軸(Z)を中心として回転するように前記伝達ユニット(40)に作用する、態様1に記載の案内モジュール(1)。
[態様3]
前記伝達ユニット(40)は、前記第1の端部の反対側の第2の端部又は該第2の端部の近傍において、前記第2のアクチュエータ(54)が作用する作動ピニオン(55)と噛み合う第2のリングギア(42)を備える、態様2に記載の案内モジュール(1)。
[態様4]
前記第2のリングギア(42)は、前記縦軸(Z)に向かって放射状の歯列によって定められ、および/または、前記第1のリングギア(41)は、前記縦軸(Z)に沿って整列した正面を向く歯列によって定められている、態様3に記載の案内モジュール(1)。
[態様5]
前記伝達ユニット(40)の前記第1の端部は、前記ボール(30)の少なくとも一部を内部に収納する筒型形状を有する、態様2~4の何れか一項に記載の案内モジュール(1)。
[態様6]
前記回転ユニット(20)は、前記縦軸(Z)の周囲に延在して、前記ボール(30)および前記作動ピン(31)が少なくとも部分的に収納される内部空間(V)を定める筒型形状を有する、態様1~5の何れか一項に記載の案内モジュール(1)。
[態様7]
前記伝達ユニット(40)は前記内部空間(V)内に収納されており、好ましくは、前記縦軸(Z)の周囲に延在する筒型形状を有する、態様5又は6に記載の案内モジュール(1)。
[態様8]
前記回転ユニット(20)は、前記ボール(30)の前記作動ピン(31)の反対側又は前記作動ピン(31)から離れた遠位の側に、前記第1のアクチュエータ(52)のシャフトと噛み合い、また、好ましくは前記縦軸(Z)に向かって放射状の歯列(22)によって定められた対応する案内歯列(22)を有する、態様6又は7に記載の案内モジュール(1)。
[態様9]
前記第1および第2のアクチュエータ(52、54)は互いに並んで、前記縦軸(Z)に沿って整列して取り付けられ、好ましくは、前記第1および第2のアクチュエータ(52、54)の各々は、平行軸を中心として、および好ましくは前記縦軸(Z)から外れて回転可能な対応する作動ピニオン(53、55)を備える、態様1~8の何れか一項に記載の案内モジュール(1)。
[態様10]
前記伝達ユニット(40)は、前記縦軸(Z)を中心として回転可能な中心ピン(43)によって適所に支持されている、態様2~9の何れか一項に記載の案内モジュール(1)。
[態様11]
前記回転ユニット(20)と、前記伝達ユニット(40)と、前記ボール(30)の主要部分と、前記ボール(30)の前記作動ピン(31)とを内部に囲繞している筒型形状を有する外側収容本体(10)をさらに備え、前記回転ユニット(20)は、前記外側収容本体(10)によって、好ましくはカップ型本体(14)の介在によって回転可能に支持されている、態様2~10の何れか一項に記載の案内モジュール(1)。
[態様12]
前記外側収容本体(10)は、前記ボール(30)の頂点部分が突出する中央開口部を設けた実質的に環状の端部キャップ(16)を有し、該端部キャップ(16)は、前記縦軸(Z)に対して垂直な摺動面を定める外面をさらに有する、態様11に記載の案内モジュール(1)。
[態様13]
前記第1および第2のアクチュエータ(52、54)に接続し、前記縦軸(Z)を中心とする前記ボール(30)の回転の第1の制御信号と、前記横軸(X)を中心とする前記ボール(30)の回転の第2制御信号とを少なくとも受信するように構成された制御ユニットを備え、
該制御ユニットは、前記第1のアクチュエータ(52)を前記第1の制御信号の関数として制御し、また、前記第2のアクチュエータ(54)を前記第2制御信号の関数として制御するように構成され、前記制御ユニットは、前記第1の制御信号の関数として補正された方式で、前記第2のアクチュエータ(54)を制御するようにさらに構成されている、態様1~12の何れか一項に記載の案内モジュール(1)。
[態様14]
移動平面を定めるべく、同一の複数のモジュール(1)を所定の方向に従って、共通のマスクに対して接続するように構成された角柱状の結合面を有する、態様1~13の何れか一項に記載の案内モジュール(1)。
[態様15]
物品を分類するためのモジュール式移動平面であって、
態様1~14の何れか一項に記載の案内モジュール(1)と、
前記案内モジュール(1)の前記ボール(30)により係合された摺動面を定めるように、マトリクス構成内で案内モジュール(1)を支持する支持マスクと、
を備える、モジュール式移動平面。
[態様16]
前記支持マスクは複数のソケットを有し、前記案内モジュール(1)は前記ソケットと係合するように構成された複数のプラグ(60)を有し、前記案内モジュール(1)を前記マトリクス構成内に位置決めする際に、前記支持マスクと前記案内モジュール(1)の間の電力供給および/または信号接続を決定する、態様15に記載のモジュール式移動平面。
図1
図2
図3
図4