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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】ポジティブ型感光性樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/023 20060101AFI20240409BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20240409BHJP
   G03F 7/075 20060101ALI20240409BHJP
   G03F 7/022 20060101ALI20240409BHJP
   G02F 1/1339 20060101ALI20240409BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
G03F7/023
G03F7/004 501
G03F7/075 501
G03F7/022 601
G02F1/1339 500
G02F1/1368
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019198679
(22)【出願日】2019-10-31
(65)【公開番号】P2020079937
(43)【公開日】2020-05-28
【審査請求日】2022-10-24
(31)【優先権主張番号】10-2018-0131442
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515068085
【氏名又は名称】ドンジン セミケム カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DONGJIN SEMICHEM CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健次郎
(72)【発明者】
【氏名】イ サンフン
(72)【発明者】
【氏名】ユン ヒョクミン
(72)【発明者】
【氏名】ヨ タイフン
(72)【発明者】
【氏名】パク ジョンヒョク
【審査官】中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-151099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/023
G03F 7/004
G03F 7/075
G03F 7/022
G02F 1/1339
G02F 1/1368
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)i)不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、またはこれらの混合物5~40重量部
ii)エポキシ基含有不飽和化合物10~70重量部、および
iii)オレフィン系不飽和化合物20~50重量部を共重合させて得られた、アクリル系共重合体100重量部
b)下記の化学式1および3で表される繰り返し単位を含下記の化学式4の共重合体5~100重量部
c)1,2-キノンジアジド化合物5~100重量部;および
d)溶媒;を感光性樹脂組成物中の固形分含有量が10~50重量%となるように含む
感光性樹脂組成物:
【化1】
【化2】
【化3】
前記化学式1および4において、aおよびcは、各モノマー間のモル比(mole ratio)を示すもので、aは、1~の整数であり、cは、~9の整数であり、a+c=10であり、nは、1~10の整数であり、Rは、HまたはCHである。
【請求項2】
前記a)i)不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、またはこれらの混合物が、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メタコン酸、イタコン酸、およびこれらの不飽和ジカルボン酸の無水物からなる群より1種以上選択されるものである、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項3】
前記a)ii)のエポキシ基含有不飽和化合物が、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α-エチルアクリル酸グリシジル、α-n-プロピルアクリル酸グリシジル、α-n-ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸-βメチルグリシジル、メタクリル酸-βメチルグリシジル、アクリル酸-βエチルグリシジル、メタクリル酸-βエチルグリシジル、アクリル酸-3,4-エポキシブチル、メタクリル酸-3,4-エポキシブチル、アクリル酸-6,7-エポキシヘプチル、メタクリル酸-6,7-エポキシヘプチル、α-エチルアクリル酸-6,7-エポキシヘプチル、o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、メタクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシル、メタクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシルメチル、アクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシル、およびアクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシルメチルからなる群より1種以上選択されるものである、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項4】
前記a)iii)のオレフィン系不飽和化合物が、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、sec-ブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレートメチルアクリレートイソプロピル、アクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2-メチルシクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、1-アダマンチルアクリレート、1-アダマンチルメタクリレート、3-ヒドロキシ1-アダマンチルメタクリレート、3-ヒドロキシ1-アダマンチルアクリレート、5-ヒドロキシ1-アダマンチルメタクリレート、5-ヒドロキシ1-アダマンチルアクリレート、3,5-ヒドロキシ1-アダマンチルメタクリレート、3,5-ヒドロキシ1-アダマンチルアクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチルメタクリレート、イソボロニルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2-メチルシクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレート、フェニルメタクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、スチレン、σ-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ビニルトルエン、p-メトキシスチレン、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル1,3-ブタジエン、2-[メタアクリロイルオキシ]エチル6-ヒドロキシヘキサネート、4-ビニルフェノール、4-ビニルシクロヘキサノール、4-ヒドロキシベンジルメタクリレート、[[4-ヒドロキシメチル]シクロヘキシル]メチルメタクリレート、3-ヒドロキシ-1-メタアクリロイルオキシアダマンタン、2-オキソテトラヒドロフラン-3-イルメタクリレート、および4-ヒドロキシクロヘキシルメタクリレートからなる群より1種以上選択されるものである、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項5】
前記a)のアクリル系共重合体のポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が、3,000~20,000である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項6】
前記a)のアクリル系共重合体100重量部に対して、b)の共重合体を5~60重量部を含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項7】
前記c)の1,2-キノンジアジド化合物が、1,2-キノンジアジド4-スルホン酸エステル、1,2-キノンジアジド5-スルホン酸エステル、および1,2-キノンジアジド6-スルホン酸エステルからなる群より1種以上選択されるものである、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項8】
前記d)の溶媒が、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ブチレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコールモノエチルエーテル、ジブチレングリコールジメチルエーテル、ジブチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールターシャリーブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールメチルヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールブチルメチルエーテルジプロピレングリコールエチルヘキシルエーテル、およびジプロピレングリコールメチルヘキシルエーテルからなる群より1種以上選択されるものである、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項9】
前記a)のアクリル系共重合体100重量部に対して、e)シランカップリング剤0.1~50重量部をさらに含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項10】
前記e)シランカップリング剤が、(3-グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)トリエトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)ジメチルエトキシシラン、3,4-エポキシブチルトリメトキシシラン、3,4-エポキシブチルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリ-N-(1,3ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-2(アミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2(アミノエチル)3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2(アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、および(3-イソシアネートプロピル)トリエトキシシランからなる群より1種以上選択されるものである、請求項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の硬化体を含むことを特徴とするディスプレイ素子。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いたディスプレイ素子のパターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポジティブ型感光性樹脂組成物に関し、より詳細には、解像度、フォト工程マージン、耐熱性などに優れたポジティブ型感光性樹脂組成物に関する。特に、本発明は、感度と透明性に優れ、接着力を顕著に向上させて、LCDおよびOLED製造工程の層間絶縁膜およびPDL(Pixel Define Layer)カラムスペーサ(Column Spacer)などを形成するのに適したポジティブ型感光性樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
TFT型液晶表示装置(LCD)と有機発光表示装置(OLED)製造工程時、層間に配置される配線の間を絶縁するために層間絶縁膜を用いている。
【0003】
しかし、最近、高速応答、高解像度装置(Device)の開発に伴って高開口率および低抵抗配線技術が要求されることにより、回路の幅は低減し、厚さを高く形成することでTFTの段差が大きくなる傾向を示す。この場合、平坦化度のために適用される層間絶縁膜の厚さが上昇するが、これは、感度、透明性の低下を起こす原因となって、表示装置パネルの生産性および品質を低下させる。
したがって、感度、透明性などに優れた絶縁膜の開発が切実に要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、解像度、フォト工程マージン、耐熱性に優れ、特に、感度、透明性に優れ、接着力を顕著に向上させて、LCDおよびOLED製造工程の層間絶縁膜およびPDL、カラムスペーサなどを形成するのに適した感光性樹脂組成物を提供する。
【0005】
また、本開示は、感光性樹脂組成物の硬化体を含むLCDとOLED基板を提供する。さらに、本開示は、感光性樹脂組成物を用いたディスプレイ基板のパターン形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示される感光性樹脂組成物は、
a)i)不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、またはこれらの混合物、
ii)エポキシ基含有不飽和化合物、および
iii)オレフィン系不飽和化合物を共重合させて得られた、アクリル系共重合体;
b)下記の化学式1~3で表される繰り返し単位を下記式で定義されるa、b、およびcのモル比で含む共重合体;
c)1,2-キノンジアジド化合物;および
d)溶媒;を含む感光性樹脂組成物を提供する:
【化1】
【化2】
【化3】
前記化学式1~3において、a、b、およびcは、各モノマー間のモル比(mole ratio)を示すもので、aは、1~10の整数であり、bおよびcは、それぞれ独立してまたは同時に0~9の整数であり、a+b+c=10であり、nは、1~10の整数であり、Rは、HまたはCHである。
【0007】
また、本明細書では、パターン形成方法により形成された前記ポジティブ型感光性樹脂組成物の硬化体を含むディスプレイ素子(display device)を提供する。
【0008】
さらに、本明細書では、前記ポジティブ型感光性樹脂組成物を用いたTFT-LCD、TSP(Touch Screen Panel)、OLED、O-TFT、EPD、EWDなどのディスプレイ素子のパターン形成方法を提供する。
その他、本発明の側面の具体的な事項は以下の詳細な説明に含まれている。
【発明の効果】
【0009】
実施形態によれば、ポジティブ型感光性樹脂組成物は、解像度、フォト工程マージン、耐熱性に優れ、特に、感度、透過性に優れ、接着力を顕著に向上させて、LCDおよびOLED製造工程の層間絶縁膜およびPDL、カラムスペーサなどを形成するのに適する。また、本明細書により、ポジティブ型感光性樹脂組成物の硬化体を含むLCDとOLED基板および感光性樹脂組成物を用いたディスプレイ基板のパターン形成方法を提供する。前記方法で形成されたパターンは、TFT-LCD、TSP(Touch Screen Panel)、OLED、O-TFT、EPD、EWDなどの保護絶縁膜、ゲート絶縁膜、平坦化膜、カラムスペーサ、隔壁などの材料として使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、実施例について詳細に説明する。実施例は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する具体的な実施例に限定されない。本発明は、液晶表示装置(LCD)と有機発光表示装置(OLED)などのディスプレイ素子の層間に配置される層間絶縁膜、保護絶縁膜、ゲート絶縁膜、オーバーコート、カラムスペーサ、PDL隔壁などの多様な分野に使用できるポジティブ型感光性樹脂組成物に関する。
【0011】
発明の一実施形態による、ポジティブ型感光性樹脂組成物は、
a)i)不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、またはこれらの混合物、
ii)エポキシ基含有不飽和化合物、および
iii)オレフィン系不飽和化合物を共重合させて得られた、アクリル系共重合体;
b)下記の化学式1~3で表される繰り返し単位を下記式で定義されるa、b、およびcのモル比で含む共重合体 ;
c)1,2-キノンジアジド化合物;および
d)溶媒;を含む。
【化4】
【化5】
【化6】
前記化学式1~3において、a、b、およびcは、各モノマー間のモル比(mole ratio)を示すもので、aは、1~10の整数であり、b、およびcは、それぞれ独立してまたは同時に0~9の整数であり、a+b+c=10であり、nは、1~10の整数であり、Rは、HまたはCHである。
【0012】
前記a)のアクリル系共重合体は、i)不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、またはこれらの混合物、ii)エポキシ基含有不飽和化合物、およびiii)オレフィン系不飽和化合物を単量体として、溶媒および重合開始剤の存在下でラジカル反応して合成する。
【0013】
前記a)i)の不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、またはこれらの混合物は、アクリル酸(acrylic acid)、メタクリル酸(methacrylic acid)などの不飽和モノカルボン酸;マレイン酸(maleic acid)、フマル酸(fumaric acid)、シトラコン酸(citraconic acid)、メタコン酸(methaconic acid)、イタコン酸(itaconic acid)などの不飽和ジカルボン酸;またはこれらの不飽和ジカルボン酸の無水物などを単独または2種以上混合して使用することができる。特に、前記a)i)単量体は、アクリル酸、メタクリル酸、または無水マレイン酸を使用する方が、共重合反応性と現像液のアルカリ水溶液に対する溶解性を高めることができる。また、前記a)i)の不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、またはこれらの混合物は、全体の総単量体に対して、5~40重量部、さらに10~30重量部混合できる。その含有量が5重量部未満の場合には、アルカリ水溶液に溶解しにくく、40重量部を超える場合には、アルカリ水溶液に対する溶解性が過度に大きくなりうる。
【0014】
a)ii)のエポキシ基含有不飽和化合物は、アクリル酸グリシジル(glycidyl acrylate)、メタクリル酸グリシジル、α-エチルアクリル酸グリシジル、α-n-プロピルアクリル酸グリシジル、α-n-ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸-βメチルグリシジル(acrylate-β glycidyl)、メタクリル酸-βメチルグリシジル、アクリル酸-βエチルグリシジル、メタクリル酸-βエチルグリシジル、アクリル酸-3,4-エポキシブチル(3,4-epoxybutyl acrylate)、メタクリル酸-3,4-エポキシブチル、アクリル酸-6,7-エポキシヘプチル、メタクリル酸-6,7-エポキシヘプチル、α-エチルアクリル酸-6,7-エポキシヘプチル、o-ビニルベンジルグリシジルエーテル(o-vinyl benzyl glycidyl ether)、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、またはp-ビニルベンジルグリシジルエーテル、メタクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシル(3,4-epoxy cyclohexyl methacrylate)、メタクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシルメチル、アクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシル、およびアクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシルメチルなどを単独または2種以上混合して使用することができる。前記a)ii)単量体は、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸-βメチルグリシジル、メタクリル酸-6,7-エポキシヘプチル、o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、またはメタクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシルなどを使用する方が、共重合反応性および得られるパターンの耐熱性を向上させることができる。前記エポキシ基含有不飽和化合物は、全体の総単量体に対して、10~70重量部、さらに20~50重量部含まれる。その含有量が言及した範囲内の場合、有機絶縁膜の耐熱性および感光性樹脂組成物の保存安定性を同時に満足させることができる。
【0015】
a)iii)のオレフィン系不飽和化合物は、メチルメタクリレート(methylmethacrylate)、エチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、sec-ブチルメタクリレート、tert-ブチルメタクリレート、メチルアクリレート(methyl acrylate)、イソプロピルアクリレート(isopropyl acrylate)、シクロヘキシルメタクリレート(cyclohexyl methacrylate)、2-メチルシクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、1-アダマンチルアクリレート(1-adamantyl acrylate)、1-アダマンチルメタクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチルメタクリレート(dicyclopentanyl oxyethyl methacrylate)、イソボロニルメタクリレート(isoboronyl methacrylate)、シクロヘキシルアクリレート、2-メチルシクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチルアクリレート、イソボロニルアクリレート、フェニルメタクリレート(phenyl methacrylate)、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート(benzyl acrylate)、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(2-hydroxy ethyl methacrylate)、スチレン(styrene)、σ-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ビニルトルエン(vinyl toluene)、p-メトキシスチレン、1,3-ブタジエン、イソプレン(isoprene)、2,3-ジメチル1,3-ブタジエン(2,3-dimethyl-1,3-butadiene)、2-[メタアクリロイルオキシ]エチル6-ヒドロキシヘキサネート、4-ビニルフェノール、4-ビニルシクロヘキサノール、4-ヒドロキシベンジルメタクリレート、[[4-ヒドロキシメチル]シクロヘキシル]メチルメタクリレート、3-ヒドロキシ-1-メタアクリロイルオキシアダマンタン、2-オキソテトラヒドロフラン-3-イルメタクリレート(2-oxotetrahydrofuran-3-yl methacrylate)、4-ヒドロキシクロヘキシルメタクリレートなどであってもよい。言及された化合物を単独または2種以上混合して使用することができる。オレフィン系不飽和化合物は、全体の総単量体に対して、5~70重量部、さらに20~50重量部含まれる。その含有量が範囲内の場合、現像後、膨潤(Swelling)が生じなくなり、現像液のアルカリ水溶液への溶解性を理想的に維持することができる。
【0016】
前記単量体を溶液(Solution)重合するための溶媒は、メタノール、テトラヒドロキシフラン、トルエン、ジオキサンなどを使用することができる。溶液重合するために使用される重合開始剤は、ラジカル重合開始剤を用いることができ、具体的には、2,2-アゾビスイソブチロニトリル(2,2-azobisisobutyronitrile)、2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2-アゾビス(4-メトキシ2,4-ジメチルバレロニトリル)、1,1-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、またはジメチル2,2’-アゾビスイソブチレート(2,2’-azobisisobutylate)などを使用することができる。
【0017】
前記単量体を溶媒と重合開始剤の存在下でラジカル反応させ、沈殿およびろ過、真空乾燥(Vacuum Drying)工程により未反応単量体を除去して得られたアクリル系共重合体は、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が3,000~20,000であってもよい。ポリスチレン換算重量平均分子量が3,000未満の層間絶縁膜(有機絶縁膜)の場合、現像性、残膜率などが低下したり、パターン現像、耐熱性などが低下し、20,000を超える層間絶縁膜の場合には、パターン現像が低下することがある。
【0018】
一方、本発明では、感度と耐熱性の向上に寄与できる特定のb)共重合体を含ませることを特徴とする。このようなb)共重合体は、下記の化学式1~3で表される繰り返し単位を下記式で定義されるa、b、およびcのモル比で含む共重合体となることができる。
【0019】
このとき、a、b、およびcは、b)の共重合体に含まれている繰り返し単位を示し、各モノマー間のモル比(mole ratio)を示すもので、aは、1~10の整数であり、bおよびcは、それぞれ独立してまたは同時に0~9の整数であり、a+b+c=10である。また、b)の共重合体において、nは、1~10の整数であり、Rは、HまたはCHである。
【化7】
【化8】
【化9】
より具体的な前記b)の共重合体の構造の一例を挙げると、前記b)の共重合体は上記の化学式1および3で表される繰り返し単位を含む下記の化学式4の共重合体となることができる。
【0020】
【化10】
前記の化学式4において、aは、1~9の整数であり、cは1~9の整数であり、a+c=10であり、nは1~10の整数であり、Rは、HまたはCHである。
また、前記b)共重合体の重量平均分子量の一例を挙げると、1,000~30万、あるいは1,000~50,000になることができる。
【0021】
前記b)の共重合体は、a)アクリル系共重合体100重量部に対して、5~100重量部あるいは5~60重量部で含まれる。その含有量が5重量部未満の場合には、感度が遅い問題点がある。その含有量が100重量部を超える場合には、耐熱変色性マージンが低下する問題がある。このとき、前記b)の共重合体の含量が5~60重量部であるとき、感度および耐熱変色性の低下をより最小化することができる。
【0022】
前記b)共重合体中、各モノマー間のモル比(mole ratio)を示すa、b、およびcにおいて、aは、1~10の整数であり、b、cは、それぞれ独立してまたは同時に0~9の整数であり、a+b+c=10である。この時、前記モル比は、共重合体の全体モル数を基準とする。もし、b)の共重合体のモル比が前記範囲を満足しない場合には、感度低下、白濁発生などの問題が発生することがある。
【0023】
前記c)1,2-キノンジアジド化合物は、1,2-キノンジアジド4-スルホン酸エステル、1,2-キノンジアジド5-スルホン酸エステル、および1,2-キノンジアジド6-スルホン酸エステルからなる群より1種以上選択された物質が使用できる。1,2-キノンジアジド化合物(Photo Active Compound:PAC)は、1,2-キノンジアジドスルホン酸ハロゲン化合物とフェノール化合物を弱塩基下で反応させて製造することができる。
【0024】
1,2-キノンジアジド化合物は、a)アクリル系共重合体100重量部に対して、5~50重量部、さらに10~40重量部含まれる。その含有量が5重量部未満の場合には、露光部と非露光部の溶解度の差が小さくなってパターン形成が困難になりうる。その含有量が50重量部を超える場合には、短時間光を照射する時、未反応1,2-キノンジアジド化合物が多量残存して、現像液のアルカリ水溶液に対する溶解度が過度に低くなって現像が困難になりうる。
【0025】
d)の溶媒は、感光性樹脂組成物を基板などにコーティングするために使用し、具体例としては、ジエチレングリコールジメチルエーテル(Diethylene glycol dimethyl ether)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(propylene glycol methyl ether acetate)、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート(Propylene glycol methyl ether propionate)、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ブチレングリコールモノメチルエーテル(butylene glycol monomethyl ether)、ブチレングリコールモノエチルエーテル、ジブチレングリコールジメチルエーテル、およびジブチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールターシャリーブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールメチルヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールブチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルヘキシルエーテル、およびジプロピレングリコールメチルヘキシルエーテルなどを使用することができ、単独または2種以上混合して使用することができる。
【0026】
d)の溶媒は、ポジティブ型感光性樹脂組成物の固形分含有量が10~50重量%となるように含まれる。他の例として、前記溶媒は、ポジティブ型感光性樹脂組成物の固形分含有量が10~25重量%あるいは25~50重量%となるように含まれる。固形分含有量が10重量%未満の場合には、コーティング厚さが薄くなり、コーティング均一性(Uniformity)が低下することがあり、50重量%を超える場合には、コーティング厚さが厚くなり、コーティング時、コーティング装備に無理を与えることがある。全体組成物の固形分含有量が10~25重量%の場合、スリットコーター(Slit Coater)で使用することが容易であり、25~50重量%の場合、スピンコーター(Spin Coater)やスリットアンドスピンコーター(Slit&Spin Coater)で使用することが容易である。
【0027】
また、ポジティブ型感光性樹脂組成物は、必要に応じて、a)のアクリル系共重合体100重量部に対して、e)シランカップリング剤0.1~50重量部をさらに含んでもよい。
【0028】
前記e)シランカップリング剤は、(3-グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)トリエトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、(3-グリシドキシプロピル)ジメチルエトキシシラン、3,4-エポキシブチルトリメトキシシラン、3,4-エポキシブチルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリ-N-(1,3ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-2(アミノエチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-2(アミノエチル)3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2(アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、および(3-イソシアネートプロピル)トリエトキシシランからなる群より1種以上選択されるものを使用することができる。
【0029】
前記ポジティブ型感光性樹脂組成物は、固形分濃度を10~50重量%として、0.1~0.2μmのミリポアフィルタ(Millipore Filter)などでろ過した後に使用するのが良い。
【0030】
一実施形態によるポジティブ型感光性樹脂組成物は、ディスプレイ素子(Display device)の製造工程で絶縁膜をパターンを形成する時に使用できる。
したがって、本発明の他の実施形態により、前記感光性樹脂組成物の硬化体を含むことを特徴とするディスプレイ素子が提供できる。
また、本発明の他の実施形態により、前記感光性樹脂組成物を用いたディスプレイ素子のパターン形成方法が提供できる。
【0031】
具体的に説明すれば、まず、ポジティブ型感光性樹脂組成物をスピンコーティング、スリットアンドスピンコーティング、スリットコーティング、ロールコーティングなどでディスプレイパネル基板の表面に塗布し、プリベークによって溶媒を除去して塗布膜を形成する。この時、プリベークは、100~120℃の温度で1~3分間実施することができる。その後、予め準備されたパターンにより、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線などを形成された塗布膜に照射し、現像液で現像して不要な部分を除去することによって所定のパターンを形成する。
【0032】
現像液は、アルカリ水溶液を使用するのが良いし、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムなどの無機アルカリ類;エチルアミン、n-プロピルアミンなどの1級アミン類;ジエチルアミン、n-プロピルアミンなどの2級アミン類;トリメチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエチルアミン、トリエチルアミンなどの3級アミン類;ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルコールアミン類;またはテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドなどの4級アンモニウム塩の水溶液などを使用することができる。この時、現像液は、アルカリ性化合物を0.1~10重量部の濃度で溶解させて使用され、メタノール、エタノールなどのような水溶性有機溶媒および界面活性剤を適正量添加してもよい。
【0033】
また、このような現像液で現像した後、超純水で30~90秒間洗浄して不要な部分を除去し、乾燥してパターンを形成し、形成されたパターンに紫外線などの光を照射した後、パターンをオーブンなどの加熱装置によって、150~400℃の温度で30~90分間加熱処理して最終パターンを得ることができる。
【0034】
実施形態によるポジティブ型感光性樹脂組成物は、平坦化度、透過度、アウトガス(Outgas)に優れ、特に、感度に優れ、高温、高湿での接着力、明暗比、耐薬品性を顕著に向上させて、LCDおよびOLED製造工程の層間絶縁膜およびPDL隔壁などを形成するのに適する。
【0035】
例えば、本発明で提供される感光性樹脂組成物を用いたパターンまたはフィルムは、液晶表示装置(LCD)と有機発光表示装置(OLED)などのディスプレイ素子の層間に配置される層間絶縁膜、保護絶縁膜、ゲート絶縁膜、オーバーコート、カラムスペーサ、PDL隔壁などの多様な分野に使用することができる。
【0036】
以下、本発明の理解のために好ましい実施例を提示するが、下記の実施例は本発明を例示するものに過ぎず、本発明の範囲が下記の実施例に限定されるものではない。
【0037】
[合成例1]アクリル系共重合体(A)の製造
冷却器と撹拌機が備えられたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート400重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート30重量部、メタクリル酸20重量部、スチレン20重量部、およびグリシジルメタクリレート30重量部の混合溶液を投入した。液状組成物を混合容器にて600rpmで十分に混合した後、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)15重量部を添加した。重合混合溶液を55℃までゆっくり上昇させて、この温度で24時間維持後に常温に冷却し、重合禁止剤としてヒドロベンゾフェノンを500ppm添加して、固形分濃度が25重量%の重合体溶液を得た。アクリル系共重合体の重量平均分子量は6,000であった。この時、重量平均分子量は、GPCを用いて測定したポリスチレン換算平均分子量である。
【0038】
[合成例2]アクリル系共重合体(B)の製造
冷却器と撹拌機が備えられたフラスコに、テトラヒドロフラン400重量部、メタクリル酸30重量部とスチレン30重量部、およびグリシジルメタクリレート40重量部の混合溶液を投入した。液状組成物を混合容器にて600rpmで十分に混合した後、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)10重量部を添加した。重合混合溶液を55℃までゆっくり上昇させて、この温度で24時間維持後に常温に冷却し、重合禁止剤としてヒドロベンゾフェノンを500ppm添加して、固形分濃度が30重量%の重合体溶液を得た。
【0039】
重合体溶液の未反応単量体を除去するために、n-ヘキサンを添加して重合体生成物を沈殿させ、未反応単量体を溶解させた。つまり、n-ヘキサン(n-Hexane)1000重量部に対して重合体溶液100重量部内の固体を沈殿させる。沈殿後、メッシュ(Mesh)を用いたろ過(Filtering)工程により、未反応物が溶解した貧溶媒(Poor solvent)を除去する。その後、ろ過工程後にも残っている未反応単量体が含有された溶媒を除去するために、30℃以下で真空乾燥により前記溶媒を完全に除去して、アクリル系共重合体を製造した。
アクリル系共重合体の重量平均分子量は10,000であった。この時、重量平均分子量は、GPCを用いて測定したポリスチレン換算平均分子量である。
【0040】
[合成例3]アクリル系共重合体(C)の製造
冷却器と撹拌機が備えられたフラスコに、テトラヒドロフラン400重量部、メタクリル酸30重量部とスチレン30重量部、およびグリシジルメタクリレート40重量部の混合溶液を投入した。液状組成物を混合容器にて600rpmで十分に混合した後、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)5重量部を添加した。重合混合溶液を55℃までゆっくり上昇させて、この温度で24時間維持後に常温に冷却し、重合禁止剤としてヒドロベンゾフェノンを500ppm添加して、固形分濃度が30重量%の重合体溶液を得た。
【0041】
重合体溶液の未反応単量体を除去するために、n-ヘキサンを添加して重合体生成物を沈殿させ、未反応単量体を溶解させた。つまり、n-ヘキサン(n-Hexane)1000重量部に対して重合体溶液100重量部内の固体を沈殿させる。沈殿後、メッシュを用いたろ過工程により、未反応物が溶解した貧溶媒を除去する。その後、ろ過工程後にも残っている未反応単量体が含有された溶媒を除去するために、30℃以下で真空乾燥により前記溶媒を完全に除去して、アクリル系共重合体を製造した。
アクリル系共重合体の重量平均分子量は16,000であった。この時、重量平均分子量は、GPCを用いて測定したポリスチレン換算平均分子量である。
【0042】
[合成例4]1,2-キノンジアジド化合物の製造
下記の化学式5で表される4,4’-[1-[4-[1-[4-ヒドロキシフェニル]-1-メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール1モルと、1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホン酸[クロライド]2.0モルとを縮合反応させて、4,4’-[1-[4-[1-[4-ヒドロキシフェニル]-1-メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホン酸エステルを製造した。
【化11】
b)共重合体の製造(合成例5~15)
【0043】
[合成例5]共重合体(A)の製造
冷却器と撹拌機が備えられたフラスコに、4-アセトキシスチレンを投入し、自由ラジカル重合反応させて、15,000の重量平均分子量を有する4-アセトキシスチレン重合体を形成させた。この後、4-アセトキシスチレン重合体を加水分解させて、14,000の重量平均分子量を有する4-ヒドロキシスチレン重合体を製造した。
【0044】
[合成例6]共重合体(B)の製造
冷却器と撹拌機が備えられたフラスコに、4-アセトキシスチレンを投入し、自由ラジカル重合反応させて、11,000の重量平均分子量を有する4-アセトキシスチレン重合体を形成させた。
この後、前記4-アセトキシスチレン重合体を加水分解させて、10,000の重量平均分子量を有する4-ヒドロキシスチレン重合体を製造した。
【0045】
[合成例7]共重合体(C)の製造
冷却器と撹拌機が備えられたフラスコに、4-アセトキシスチレンを投入し、自由ラジカル重合反応させて、7,000の重量平均分子量を有する4-アセトキシスチレン重合体を形成させた。
この後、前記4-アセトキシスチレン重合体を加水分解させて、6,000の重量平均分子量を有する4-ヒドロキシスチレン重合体を製造した。
【0046】
[合成例8]共重合体(D)の製造
冷却器と撹拌機が備えられたフラスコに、4-アセトキシスチレン50重量部とスチレン50重量部を投入し、自由ラジカル重合反応させて、15,000の重量平均分子量を有する4-アセトキシスチレン、スチレン共重合体を形成させた。
【0047】
この後、4-アセトキシスチレン、スチレン共重合体を加水分解させて、14,000の重量平均分子量を有する4-ヒドロキシスチレン、スチレン共重合体を製造した。
【0048】
[合成例9]共重合体(E)の製造
冷却器と撹拌機が備えられたフラスコに、4-アセトキシスチレン50重量部とスチレン50重量部を投入し、自由ラジカル重合反応させて、11,000の重量平均分子量を有する4-アセトキシスチレン、スチレン共重合体を形成させた。
【0049】
この後、前記4-アセトキシスチレン、スチレン共重合体を加水分解させて、10,000の重量平均分子量を有する4-ヒドロキシスチレン、スチレン共重合体を製造した。
【0050】
[合成例10]共重合体(F)の製造
冷却器と撹拌機が備えられたフラスコに、4-アセトキシスチレン50重量部とスチレン50重量部を投入し、自由ラジカル重合反応させて、7,000の重量平均分子量を有する4-アセトキシスチレン、スチレン共重合体を形成させた。
【0051】
この後、前記4-アセトキシスチレン、スチレン共重合体を加水分解させて、6,000の重量平均分子量を有する4-ヒドロキシスチレン、スチレン共重合体を製造した。
【0052】
[合成例11]共重合体(G)の製造
冷却器と撹拌機が備えられたフラスコに、4-アセトキシスチレン80重量部とヒドロキシエチルメタクリレート20重量部を投入し、自由ラジカル重合反応させて、15,000の重量平均分子量を有する4-アセトキシスチレン、ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体を形成させた。
【0053】
4-アセトキシスチレン、ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体を加水分解させて、14,000の重量平均分子量を有する4-ヒドロキシスチレン、ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体を製造した。
【0054】
[合成例12]共重合体(H)の製造
冷却器と撹拌機が備えられたフラスコに、4-アセトキシスチレン80重量部とヒドロキシエチルメタクリレート20重量部を投入し、自由ラジカル重合反応させて、11,000の重量平均分子量を有する4-アセトキシスチレン、ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体を形成させた。
【0055】
この後、前記4-アセトキシスチレン、ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体を加水分解させて、10,000の重量平均分子量を有する4-ヒドロキシスチレン、ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体を製造した。
【0056】
[合成例13]共重合体(I)の製造
冷却器と撹拌機が備えられたフラスコに、4-アセトキシスチレン80重量部とヒドロキシエチルメタクリレート20重量部を投入し、自由ラジカル重合反応させて、7,000の重量平均分子量を有する4-アセトキシスチレン、ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体を形成させた。
【0057】
この後、4-アセトキシスチレン、ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体を加水分解させて、6,000の重量平均分子量を有する4-ヒドロキシスチレン、ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体を製造した。
【0058】
[合成例14]共重合体(J)の製造
冷却器と撹拌機が備えられたフラスコに、4-アセトキシスチレン70重量部とヒドロキシエチルメタクリレート30重量部を投入し、自由ラジカル重合反応させて、15,000の重量平均分子量を有する4-アセトキシスチレン、ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体を形成させた。
【0059】
この後、前記4-アセトキシスチレン、ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体を加水分解させて、14,000の重量平均分子量を有する4-ヒドロキシスチレン、ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体を製造した。
【0060】
[合成例15]共重合体(K)の製造
冷却器と撹拌機が備えられたフラスコに、4-アセトキシスチレン70重量部とヒドロキシエチルメタクリレート30重量部を投入し、自由ラジカル重合反応させて、11,000の重量平均分子量を有する4-アセトキシスチレン、ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体を形成させた。
【0061】
この後、4-アセトキシスチレン、ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体を加水分解させて、10,000の重量平均分子量を有する4-ヒドロキシスチレン、ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体を製造した。
【0062】
[合成例16]共重合体(L)の製造
冷却器と撹拌機が備えられたフラスコに、4-アセトキシスチレン70重量部とヒドロキシエチルメタクリレート30重量部を投入し、自由ラジカル重合反応させて、7,000の重量平均分子量を有する4-アセトキシスチレン、ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体を形成させた。
【0063】
この後、前記4-アセトキシスチレン、ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体を加水分解させて、6,000の重量平均分子量を有する4-ヒドロキシスチレン、ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体を製造した。
【0064】
[比較合成例1]アクリル系共重合体(D)の製造
冷却器と撹拌機が備えられたフラスコに、テトラヒドロフラン400重量部、メタクリル酸30重量部とスチレン30重量部、およびグリシジルメタクリレート40重量部の混合溶液を投入した。液状組成物を混合容器にて600rpmで十分に混合した後、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)18重量部を添加した。重合混合溶液を55℃までゆっくり上昇させて、この温度で24時間維持後に常温に冷却し、重合禁止剤としてヒドロベンゾフェノンを500ppm添加して、固形分濃度が30重量%の重合体溶液を得た。
【0065】
重合体溶液の未反応単量体を除去するために、n-ヘキサンを添加して重合体生成物を沈殿させ、未反応単量体を溶解させた。つまり、n-ヘキサン(n-Hexane)1000重量部に対して重合体溶液100重量部内の固体を沈殿させる。沈殿後、メッシュを用いたろ過工程により、未反応物が溶解した貧溶媒を除去する。その後、ろ過工程後にも残っている未反応単量体が含有された溶媒を除去するために、30℃以下で真空乾燥により完全に除去して、アクリル系共重合体を製造した。
アクリル系共重合体の重量平均分子量は2,500であった。この時、重量平均分子量は、GPCを用いて測定したポリスチレン換算平均分子量である。
【0066】
[比較合成例2]アクリル系共重合体(E)の製造
冷却器と撹拌機が備えられたフラスコに、テトラヒドロフラン400重量部、メタクリル酸30重量部とスチレン30重量部、およびグリシジルメタクリレート40重量部の混合溶液を投入した。液状組成物を混合容器にて600rpmで十分に混合した後、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1.5重量部を添加した。重合混合溶液を55℃までゆっくり上昇させて、この温度で24時間維持後に常温に冷却し、重合禁止剤としてヒドロベンゾフェノンを500ppm添加して、固形分濃度が30重量%の重合体溶液を得た。
【0067】
重合体溶液の未反応単量体を除去するために、n-ヘキサンを添加して重合体生成物を沈殿させ、未反応単量体を溶解させた。つまり、n-ヘキサン(n-Hexane)1000重量部に対して重合体溶液100重量部内の固体を沈殿させる。沈殿後、メッシュを用いたろ過工程により、未反応物が溶解した貧溶媒を除去する。その後、ろ過工程後にも残っている未反応単量体が含有された溶媒を除去するために、30℃以下で真空乾燥により完全に除去して、アクリル系共重合体を製造した。
アクリル系共重合体の重量平均分子量は22,000であった。この時、重量平均分子量は、GPCを用いて測定したポリスチレン換算平均分子量である。
【0068】
[実施例1]ポジティブ感光性樹脂組成物の製造
合成例1で製造したアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、合成例5で製造したb)の共重合体(A)15重量部、合成例4で製造した4,4’-[1-[4-[1-[4-ヒドロキシフェニル]-1-メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホン酸エステル30重量部、およびシランカップリング剤として(3-グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン3重量部を、全体混合物の固形分含有量が20重量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させた後、0.1μmのミリポアフィルタでろ過して、ポジティブ感光性樹脂組成物を製造した。
【0069】
[実施例2]ポジティブ感光性樹脂組成物の製造
実施例1において、合成例5の共重合体(A)の代わりに合成例6の共重合体(B)を用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で感光性樹脂組成物を製造した。
【0070】
[実施例3]ポジティブ感光性樹脂組成物の製造
実施例1において、合成例5の共重合体(A)の代わりに合成例7の共重合体(C)を用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で感光性樹脂組成物を製造した。
【0071】
[実施例4]ポジティブ感光性樹脂組成物の製造
実施例1において、合成例5の共重合体(A)の代わりに合成例8の共重合体(D)を用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で感光性樹脂組成物を製造した。
【0072】
[実施例5]ポジティブ感光性樹脂組成物の製造
実施例1において、合成例5の共重合体(A)の代わりに合成例9の共重合体(E)を用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で感光性樹脂組成物を製造した。
【0073】
[実施例6]ポジティブ感光性樹脂組成物の製造
実施例1において、合成例5の共重合体(A)の代わりに合成例10の共重合体(F)を用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で感光性樹脂組成物を製造した。
【0074】
[実施例7]ポジティブ感光性樹脂組成物の製造
実施例1において、合成例5の共重合体(A)の代わりに合成例11の共重合体(G)を用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で感光性樹脂組成物を製造した。
【0075】
[実施例8]ポジティブ感光性樹脂組成物の製造
実施例1において、合成例5の共重合体(A)の代わりに合成例12の共重合体(H)を用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で感光性樹脂組成物を製造した。
【0076】
[実施例9]ポジティブ感光性樹脂組成物の製造
実施例1において、合成例5の共重合体(A)の代わりに合成例13の共重合体(I)を用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で感光性樹脂組成物を製造した。
【0077】
[実施例10]ポジティブ感光性樹脂組成物の製造
実施例1において、合成例5の共重合体(A)の代わりに合成例14の共重合体(J)を用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で感光性樹脂組成物を製造した。
【0078】
[実施例11]ポジティブ感光性樹脂組成物の製造
実施例1において、合成例5の共重合体(A)の代わりに合成例15の共重合体(K)を用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で感光性樹脂組成物を製造した。
【0079】
[実施例12]ポジティブ感光性樹脂組成物の製造
実施例1において、合成例5の共重合体(A)の代わりに合成例16の共重合体(L)を用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で感光性樹脂組成物を製造した。
【0080】
[実施例13]ポジティブ感光性樹脂組成物の製造
実施例1において、合成例1のアクリル系共重合体(A)の代わりに合成例2のアクリル系共重合体(B)を用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で感光性樹脂組成物を製造した。
【0081】
[実施例14]ポジティブ感光性樹脂組成物の製造
実施例1において、合成例1のアクリル系共重合体(A)の代わりに合成例3のアクリル系共重合体(C)を用いたことを除けば、実施例1と同様の方法で感光性樹脂組成物を製造した。
【0082】
[実施例15]ポジティブ感光性樹脂組成物の製造
合成例1で製造したアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、合成例5で製造した共重合体(A)5重量部を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で感光性樹脂組成物を製造した。
【0083】
[実施例16]ポジティブ感光性樹脂組成物の製造
合成例1で製造したアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、合成例5で製造した共重合体(A)30重量部を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で感光性樹脂組成物を製造した。
【0084】
[実施例17]ポジティブ感光性樹脂組成物の製造
合成例1で製造したアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、合成例5で製造した共重合体(A)40重量部を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で感光性樹脂組成物を製造した。
【0085】
[実施例18]ポジティブ感光性樹脂組成物の製造
合成例1で製造したアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、合成例5で製造した共重合体(A)50重量部を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で感光性樹脂組成物を製造した。
【0086】
[比較例1]ポジティブ感光性樹脂組成物の製造
合成例1で製造したアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、合成例4で製造した4,4’-[1-[4-[1-[4-ヒドロキシフェニル]-1-メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホン酸エステル30重量部、およびシランカップリング剤として(3-グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン3重量部を、混合物の固形分含有量が20重量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させた後、0.1μmのミリポアフィルタでろ過して、感光性樹脂組成物を製造した。
【0087】
[比較例2]ポジティブ感光性樹脂組成物の製造
比較例1において、合成例1のアクリル系共重合体(A)の代わりに合成例2のアクリル系共重合体(B)を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で感光性樹脂組成物を製造した。
【0088】
[比較例3]ポジティブ感光性樹脂組成物の製造
比較例1において、合成例1のアクリル系共重合体(A)の代わりに合成例3のアクリル系共重合体(C)を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で感光性樹脂組成物を製造した。
【0089】
[比較例4]ポジティブ感光性樹脂組成物の製造
比較例1において、合成例1のアクリル系共重合体(A)の代わりに比較合成例1のアクリル系共重合体(D)を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で感光性樹脂組成物を製造した。
【0090】
[比較例5]ポジティブ感光性樹脂組成物の製造
比較例1において、合成例1のアクリル系共重合体(A)の代わりに比較合成例2のアクリル系共重合体(E)を用いたことを除けば、比較例1と同様の方法で感光性樹脂組成物を製造した。
【0091】
[比較例6]ポジティブ感光性樹脂組成物の製造
合成例1で製造したアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、合成例5で製造した共重合体(A)3重量部、合成例4で製造した4,4’-[1-[4-[1-[4-ヒドロキシフェニル]-1-メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホン酸エステル30重量部、およびシランカップリング剤として(3-グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン3重量部を、混合物の固形分含有量が20重量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させた後、0.1μmのミリポアフィルタでろ過して、感光性樹脂組成物を製造した。
【0092】
[参考例1]ポジティブ感光性樹脂組成物の製造
合成例1で製造したアクリル系共重合体(A)100重量部に対して、合成例5で製造した共重合体(A)105重量部、合成例4で製造した4,4’-[1-[4-[1-[4-ヒドロキシフェニル]-1-メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホン酸エステル30重量部、およびシランカップリング剤として(3-グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン3重量部を、全体の混合物の固形分含有量が20重量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させた後、0.1μmのミリポアフィルタでろ過して、感光性樹脂組成物を製造した。
【0093】
[実験例]
実施例1~18、比較例1~6、および参考例1について、感度、解像度、硬化工程マージン、透過度、耐熱変色性、接着力、耐熱性などの物性を測定して、下記表1に示した。ガラス(glass)基板上に、スピンコーターを用いて、実施例1~18、比較例1~6および参考例1の感光性樹脂組成物を塗布した後、100℃で2分間ホットプレート上でプリベークして、厚さが3.0μmの膜を形成した。
【0094】
1)感度-このように形成された膜に、所定のパターンマスク(pattern mask)を用いて、Broadbandにおける強度が20mW/cmの紫外線を、感度が10μmのContact Hole CDベースのDose量を照射した後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38重量%の水溶液で23℃で1分間現像した後、超純水で1分間洗浄した。
【0095】
その後、現像されたパターンに365nmにおける強度が20mW/cmの紫外線を400mJ/cm照射し、オーブン中にて230℃で30分間硬化させて、厚さが3.0μmのパターン膜を得た。
2)解像度-1)の感度測定時に形成された10μmのContact Holeパターン(Pattern)の最小大きさで測定した。
【0096】
3)硬化工程マージン-1)の感度測定時と同様の方法でパターン(Pattern)膜を形成しかつ、10μmのContact Hole CDベースで硬化前後のCD変化率を測定した。この時、変化率が0~10%の場合を○、10~20%の場合を△、20%を超える場合を×と表示した。
【0097】
4)透過度-透過度評価は、1)の感度測定時に形成されたパターン(Pattern)膜を、分光光度計を用いて、パターン膜の400nmの透過率を測定した。この時の透過率が90%以上の場合を○、85~90%の場合を△、80%未満の場合を×と表示した。
【0098】
5)耐熱変色性-4)の透明性評価時の測定基板に、追加的に230℃のオーブンにて30分ずつ2回硬化して、硬化前後におけるパターン(Pattern)膜の400nmの透過率変化によって耐熱変色性を評価した。この時の変化率が3%未満の場合を○、3~5%の場合を△、5%を超える場合を×と表示した。
【0099】
6)接着力-1)の感度測定時に形成されたパターン(Pattern)膜を、Scopeを用いて、パターン流失の有無により接着力を評価した。
プリベーク温度が95℃以上で接着力が確保される場合を○、100~105℃で接着力が確保される場合を△、105℃超過で接着力が確保されたり、パターンが流失する場合を×と表した。
【0100】
7)耐熱性-耐熱性はTGAを用いて測定した。1)の感度測定時に形成されたパターン(Pattern)膜をサンプリングした後、TGAを用いて、常温から900℃まで1分あたり10℃ずつ昇温した。5重量%のLoss温度が300℃超過の場合を○、5重量%のLoss温度が280~300℃の場合を△、5重量%のLoss温度が280℃未満の場合を×と表した。
【0101】
【表1】
表1を通して、本発明により実施例1~18で製造したポジティブ型感光性絶縁膜組成物は、b)の共重合体化合物を本願による比率で使用することによって、感度、解像度、硬化工程マージン、透過度、耐熱変色性、接着力、耐熱性などの性能がすべて優れていた。
【0102】
これに対し、比較例1~6および参考例1は、実施例1~18と比較した時、感度が低下し、比較例4は、硬化工程マージンと接着力、耐熱性が低下し、比較例5は、接着力が低下していた。比較例6は、b)共重合体の含有量が5%未満で感度が低下する結果を示した。また、参考例1は、本願のb)共重合体の含有量範囲である100重量部を超えて耐熱変色性マージンが低下する結果を示した。
【0103】
したがって、実施例1~18は、感度が比較例1~6および参考例1と比較して優れることによって、工程時間(tact)を短縮することができ、解像度、接着力、耐熱性が良好で優れた工程(Process)マージンを確保することができた。これによって、多様なディスプレイ工程で本明細書による感光性樹脂組成物が適用可能であることが分かった。