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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】選別装置及び選別方法
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/342 20060101AFI20240409BHJP
   G01N 21/85 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
B07C5/342
G01N21/85 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019220964
(22)【出願日】2019-12-06
(65)【公開番号】P2021087935
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】503245465
【氏名又は名称】株式会社アーステクニカ
(73)【特許権者】
【識別番号】591133321
【氏名又は名称】トヨキン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118784
【弁理士】
【氏名又は名称】桂川 直己
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼浪 裕智
(72)【発明者】
【氏名】神ノ田 茂紀
(72)【発明者】
【氏名】本郷 明裕
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-250194(JP,A)
【文献】特開2019-048282(JP,A)
【文献】特開2006-150178(JP,A)
【文献】米国特許第10350644(US,B1)
【文献】特開2019-018926(JP,A)
【文献】登録実用新案第3157671(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 5/34
B05C 5/36
B07B 7/00
G01N 21/85
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
選別対象物を搬送し搬送速度を変更可能な第1搬送部と、前記第1搬送部から供給された前記選別対象物を搬送し搬送速度を変更可能な第2搬送部と、を用いて、前記選別対象物を選別位置へ供給する供給部と、
前記第2搬送部により搬送されている前記選別対象物に対して、選別基準を満たすか否か判定するための情報を検出する情報検出部と、
前記供給部が供給した前記選別対象物が前記選別基準を満たすか否かを判定する判定部と、
圧縮空気を噴射する空気噴射部と、
前記選別基準を満たすと前記判定部が判定した前記選別対象物が前記選別位置に到達したときに、前記空気噴射部を制御して圧縮空気を噴射させることで、当該選別対象物を選別する噴射制御部と、
前記空気噴射部が噴射する圧縮空気の空気経路の何れかの位置の空気圧である検出空気圧を検出する空気圧検出部と、
供給制御部と、
を備え、
前記第1搬送部の搬送量に応じて、前記選別対象物が前記第1搬送部に供給され、
前記供給制御部は、前記検出空気圧が第1閾値以下になった場合に、前記第1搬送部の搬送速度をゼロより大きい値まで低下させることで、時間あたりの前記選別位置への前記選別対象物の供給量を低下させ、
前記供給制御部は、前記検出空気圧が前記第1閾値以下になった場合でも、前記第2搬送部の搬送速度を維持する制御を行うことを特徴とする選別装置。
【請求項2】
請求項1に記載の選別装置であって、
前記空気噴射部は、
圧縮空気を貯留する空気貯留部と、
前記空気貯留部の下流側に配置され、圧縮空気の空気圧を調整する圧力調整部と、
を含んでおり、
前記検出空気圧は、前記圧力調整部より下流側の空気圧であることを特徴とする選別装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の選別装置であって、
前記供給制御部は、前記選別対象物の時間あたりの供給量を低下させている間に、前記検出空気圧が第2閾値以上に戻った場合に、前記選別対象物の時間あたりの供給量を元に戻すことを特徴とする選別装置。
【請求項4】
選別対象物を選別位置へ供給する供給部と、
前記供給部が供給した前記選別対象物が選別基準を満たすか否かを判定する判定部と、
圧縮空気を噴射する空気噴射部と、
前記選別基準を満たすと前記判定部が判定した前記選別対象物が前記選別位置に到達したときに、前記空気噴射部を制御して圧縮空気を噴射させることで、当該選別対象物を選別する噴射制御部と、
前記空気噴射部が噴射する圧縮空気の空気経路の何れかの位置の空気圧である検出空気圧を検出する空気圧検出部と、
前記検出空気圧が第1閾値以下になった場合に、前記供給部を制御して、時間あたりの前記選別位置への前記選別対象物の供給量を低下させる供給制御部と、
を備え、
前記供給制御部は、前記選別対象物の時間あたりの供給量を低下させている間に、前記検出空気圧が第2閾値以上に戻った場合であって、かつ、前記検出空気圧が低下する頻度が高いと判定したときは、前記選別対象物の時間あたりの供給量が元の値よりも低くなるように当該供給量を上昇させることを特徴とする選別装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の選別装置であって、
前記供給制御部が前記選別対象物の時間あたりの供給量を低下させた後に、前記検出空気圧が上昇しないと判定した場合に、前記空気噴射部の異常を報知する報知部を備えることを特徴とする選別装置。
【請求項6】
請求項1から5までの何れか一項に記載の選別装置であって、
前記供給制御部は、前記検出空気圧が第1閾値以下になった場合に、前記選別対象物の時間あたりの供給量をゼロより多い第1供給量まで低下させることを特徴とする選別装置。
【請求項7】
選別対象物を搬送し搬送速度を変更可能な第1搬送部と、前記第1搬送部から供給された前記選別対象物を搬送し搬送速度を変更可能な第2搬送部と、を用いて、前記選別対象物を選別位置へ供給する供給工程と、
前記第2搬送部により搬送されている前記選別対象物に対して、選別基準を満たすか否か判定するための情報を検出する情報検出工程と、
前記供給工程で供給した前記選別対象物が前記選別基準を満たすか否かを判定する判定工程と、
前記選別基準を満たすと前記判定工程で判定された前記選別対象物が前記選別位置に到達したときに、空気噴射部を制御して圧縮空気を噴射させることで、当該選別対象物を選別する選別工程と、
前記空気噴射部が噴射する圧縮空気の空気経路の何れかの位置の空気圧である検出空気圧を取得する空気圧取得工程と、
供給量制御工程と、
を含み、
前記第1搬送部の搬送量に応じて、前記選別対象物が前記第1搬送部に供給され、
前記供給量制御工程では、前記検出空気圧が第1閾値以下になった場合に、前記第1搬送部の搬送速度をゼロより大きい値まで低下させることで、時間あたりの前記選別位置への前記選別対象物の供給量を低下させ、
前記検出空気圧が前記第1閾値以下になった場合でも、前記第2搬送部の搬送速度を維持する制御を行うことを特徴とする選別方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、圧縮空気を噴射することで選別対象物を選別する選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、選別基準を満たすか否かに応じて選別対象物を選別する選別装置が知られている。また、選別対象物を選別する方法として圧縮空気を噴射する方法が知られている。特許文献1は、この種の選別装置を開示する。
【0003】
特許文献1の選別装置は、穀粒等の粒状物に含まれる異色粒状物を選別して除去する。この選別装置は、異色粒存在検出手段と、外力付与手段と、圧力検出手段と、シャッター装置と、を備える。異色粒存在検出手段は、落下する粒状物の色彩が所定の条件を満たした場合に検出信号を出力する。外力付与手段は、検出信号が入力された時間に基づいて、電磁開閉弁を開放させて圧縮空気を噴射することで、異色粒状物を不良品収容部まで飛ばす。圧力検出手段は、圧縮空気を貯留する気密タンクの空気圧を検出し、検出した空気圧が特定値以下になると異常信号を出力する。シャッタ装置は、異常信号が入力された場合、全ての粒状物が不良品収容部に入るように、良品収容部を塞ぐ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-150178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の選別装置は、空気圧に関して異常が発生した場合に、選別対象物(粒状物)を全て不良品収容部に収容する。この場合、不良品が良品収容部に収容されることは無いが、良品が不良品収容部に収容される。そのため、選別の成功率(精度)が低下してしまう。また、特許文献1では、空気圧に関する異常を自動的に回復させる方法について記載されていない。
【0006】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、選別の成功率を低下させずに、空気噴射部の空気圧の低下を自動的に回復させることが可能な選別装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0008】
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の選別装置が提供される。即ち、この選別装置は、供給部と、情報検出部と、判定部と、空気噴射部と、噴射制御部と、空気圧検出部と、供給制御部と、を備える。前記供給部は、選別対象物を搬送し搬送速度を変更可能な第1搬送部と、前記第1搬送部から供給された前記選別対象物を搬送し搬送速度を変更可能な第2搬送部と、を用いて、前記選別対象物を選別位置へ供給する。前記情報検出部は、前記第2搬送部により搬送されている前記選別対象物に対して、選別基準を満たすか否か判定するための情報を検出する。前記判定部は、前記供給部が供給した前記選別対象物が選別基準を満たすか否かを判定する。前記空気噴射部は、圧縮空気を噴射する。前記噴射制御部は、前記選別基準を満たすと前記判定部が判定した前記選別対象物が前記選別位置に到達したときに、前記空気噴射部を制御して圧縮空気を噴射させることで、当該選別対象物を選別する。前記空気圧検出部は、前記空気噴射部が噴射する圧縮空気の空気経路の何れかの位置の空気圧である検出空気圧を検出する。前記供給制御部は、前記検出空気圧が第1閾値以下になった場合に、前記供給部を制御して、時間あたりの前記選別位置への前記選別対象物の供給量を低下させる。前記第1搬送部の搬送量に応じて、前記選別対象物が前記第1搬送部に供給される。前記供給制御部は、前記検出空気圧が第1閾値以下になった場合に、前記第1搬送部の搬送速度を低下させることで、時間あたりの前記選別位置への前記選別対象物の供給量を低下させる。前記供給制御部は、前記検出空気圧が前記第1閾値以下になった場合でも、前記第2搬送部の搬送速度を維持する制御を行う。
【0009】
本発明の第2の観点によれば、以下の選別方法が提供される。即ち、この選別方法は、供給工程と、情報検出工程と、判定工程と、選別工程と、空気圧取得工程と、供給量制御工程と、を含む。前記供給工程では、選別対象物を搬送し搬送速度を変更可能な第1搬送部と、前記第1搬送部から供給された前記選別対象物を搬送し搬送速度を変更可能な第2搬送部と、を用いて、前記選別対象物を選別位置へ供給する。前記情報検出工程では、前記第2搬送部により搬送されている前記選別対象物に対して、選別基準を満たすか否か判定するための情報を検出する。前記判定工程では、前記供給工程で供給した前記選別対象物が選別基準を満たすか否かを判定する。前記選別工程では、前記選別基準を満たすと前記判定工程で判定された前記選別対象物が前記選別位置に到達したときに、空気噴射部を制御して圧縮空気を噴射させることで、当該選別対象物を選別する。前記空気圧取得工程では、前記空気噴射部が噴射する圧縮空気の空気経路の何れかの位置の空気圧である検出空気圧を取得する。前記供給量制御工程では、前記空気圧取得工程で取得した空気圧が第1閾値以下になった場合に、時間あたりの前記選別位置への前記選別対象物の供給量を低下させる。前記第1搬送部の搬送量に応じて、前記選別対象物が前記第1搬送部に供給される。前記供給量制御工程では、前記検出空気圧が第1閾値以下になった場合に、前記第1搬送部の搬送速度を低下させることで、時間あたりの前記選別位置への前記選別対象物の供給量を低下させる。前記検出空気圧が前記第1閾値以下になった場合でも、前記第2搬送部の搬送速度を維持する制御を行う。
【0010】
例えば空気噴射部による圧縮空気の噴射が頻繁に行われた結果、空気噴射部の空気圧が低下した場合であっても、上記のように選別対象物の供給量を低下させることで、圧縮空気の噴射量が減らすことができる。従って、空気噴射部の空気圧を回復させることができる。これにより、空気噴射部の空気圧が低下しても選別の成功率が低下しない。また、空気圧の低下を検出するだけでなく、自動的に回復させることができるため、オペレータによる復旧作業の手間を無くしたり、選別装置の稼動率を上げたりすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、選別装置の選別の成功率を低下させずに、空気噴射部の空気圧の低下を自動的に回復させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態の選別装置の構成を示す図。
図2】破砕片に品位を登録する処理を示すフローチャート。
図3】破砕片の品位に応じて空気噴射部を動作させる処理を示すフローチャート。
図4】空気噴射部の空気圧が低下した際に回復させる処理を示すフローチャート。
図5】第2実施形態の選別装置の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は、選別装置の構成を示す図である。
【0014】
選別装置1は、選別対象物である破砕片を添加金属の含有割合に応じて選別する装置である。破砕片は、例えばリサイクル用の金属を破砕機等で処理することで得られる。選別対象物は、金属に限られず、例えば樹脂材又は木材等であってもよい。また、選別対象物は、材料に限られず、例えば樹脂製品又は電子部品等であってもよい。また、選別基準は、選別対象物の素材の含有割合に限られず、例えば重さ又は形状であってもよい。図1に示すように、選別装置1は、供給部10と、情報検出部20と、空気噴射部30と、制御装置40と、を備える。
【0015】
供給部10は、破砕機等で得られた破砕片の選別が行われる位置(以下、選別位置)まで供給する(供給工程)。供給部10は、ホッパ11と、第1搬送部12と、第2搬送部13と、を備える。
【0016】
ホッパ11には、破砕片が供給される供給口と、破砕片を排出する排出口と、が形成されている。破砕機等で処理された破砕片は、直接又はリフティングマグネット等の搬送装置を介して、ホッパ11の供給口へ供給される。ホッパ11へ供給された破砕片は、ホッパ11の排出口から排出される。
【0017】
第1搬送部12は、ホッパ11の排出口の下方に配置されている。本実施形態の第1搬送部12は、振動フィーダである。第1搬送部12は、破砕片が載る部分(搬送面)をモータ等を用いて振動させることで、破砕片を搬送する。また、第1搬送部12のモータの回転周波数を変更することで、搬送面の振動の周波数と振幅を変更することができる。この周波数は、例えば第1搬送部12に設けられた操作部によって変更可能である他、制御装置40の制御によって変更することもできる。本実施形態では、この周波数は、2段階又は3段階に変更可能であるが、それ以上に変更可能であってもよいし、連続的(無段階)に変更可能であってもよい。
【0018】
第2搬送部13は、第1搬送部12に対して、破砕片の搬送方向の下流側に配置されている。第2搬送部13は、第1搬送部12が搬送した破砕片を更に下流側の選別位置まで搬送する。本実施形態の第2搬送部13は、ベルトコンベアである。
【0019】
なお、ホッパ11に代えて、例えば斜面等に沿って破砕片等の選別対象物を搬送するシュート装置を用いてもよい。また、ホッパ11を省略してもよい。第1搬送部12は、振動フィーダに限られず、例えば選別対象物に応じて、例えばベルトコンベア、ローラコンベア、スクリューコンベア又は斜面等であってもよい。第2搬送部13は、ベルトコンベアに限られず、例えば選別対象物に応じて、上記の他のコンベアであってもよい。
【0020】
選別装置1は、供給部10によって供給された破砕片を添加金属の含有割合に応じて選別する。例えば破砕片が鋼であって、マンガン又はクロム等の添加金属が多く含まれている場合、リサイクル用途として鋳鉄に用いることが好ましくない場合がある。例えば、マンガン又はクロムの含有量が多い鋼は、鋳造における凝固時に黒鉛が析出しにくくなったり、チルと称される脆い組織が生成されることがある。従って、本実施形態では添加金属の含有割合が高い破砕片を低品位側に選別し、添加金属の含有割合が低い破砕片を高品位側に選別する。なお、破砕片の組成は鋼に限られず、他の合金(例えば、鋼以外の鉄合金、アルミニウム合金)であってもよいし、添加金属もマンガン又はクロム以外(例えばニッケル)であってもよい。また、合金の種類によっては、添加金属の含有割合が低い破砕片を高品位側に選別してもよい。
【0021】
情報検出部20は、添加金属の含有割合を推定するための情報(言い換えれば、選別基準を満たすか否かを判定するための情報)を取得する。情報検出部20は、第2搬送部13の近傍に配置されており、第2搬送部13によって搬送される破砕片について情報を取得する。情報検出部20は、レーザ装置21と、カメラ22と、を備える。レーザ装置21及びカメラ22が取得した情報は制御装置40へ出力される。
【0022】
情報検出部20は、光切断法により破砕片の高さ形状を検出する。具体的には、レーザ装置21は第2搬送部13によって搬送される破砕片に鉛直方向上側からレーザ光を照射する。カメラ22はレーザ装置21に対して、破砕片の搬送方向の上流側又は下流側に配置されている。カメラ22は、3次元カメラ(プロファイルカメラ)であり、破砕片の斜め上方から破砕片の表面に現れるレーザ光を含む画像を取得する。破砕片の有無及び破砕片の表面の形状(搬送面からの高さ)に応じてレーザ光の位置が異なるため、カメラ22が取得した画像には破砕片の高さ方向(上下方向、コンベアの搬送面に垂直な方向)の情報が含まれている。従って、この画像に基づいて距離画像を作成できる。ここで、添加金属の含有割合と、破砕片の表面形状と、の間には相関性があることが知られている。また、破砕片の表面形状は、距離画像に基づいて判定できる。なお、添加金属の含有割合を判定する方法は、レーザ装置21及びカメラ22を用いた光切断法に限られない。例えば赤外線センサ等を用いて破砕片の材質を検出する方法を用いてもよい。
【0023】
空気噴射部30は、第2搬送部13によって選別位置に供給された破砕片に圧縮空気を噴射することで、破砕片の進路を変更することが可能である。具体的には、空気噴射部30が圧縮空気を噴射した場合、破砕片は圧縮空気によって飛ばされて高品位側搬送部52へ送られる。高品位側搬送部52によって搬送された破砕片は高品位片収容部63に収容される。一方、空気噴射部30が圧縮空気を噴射しない場合、破砕片は第2搬送部13から落下して低品位側搬送部53に送られる。なお、破砕片は、高品位側搬送部52と低品位側搬送部53とを仕切っている仕切り板51に衝突した後に、低品位側搬送部53に落下することもある。低品位側搬送部53によって搬送された破砕片は低品位片収容部64に収容される。なお、本実施形態の構成に代えて、低品位側の破砕片に圧縮空気を噴射して飛ばす構成であってもよい。
【0024】
空気噴射部30は、圧縮空気の流れ方向の上流側から順に、コンプレッサ31と、空気貯留部32と、空気フィルタ33と、圧力調整部34と、電磁弁36と、ノズル37と、を備える。また、以下の空気噴射部30の説明において、コンプレッサ31からノズル37に至る空気経路において、圧縮空気の流れ方向の上流側、下流側を単に上流側、下流側と称することがある。
【0025】
また、空気噴射部30には、コンプレッサ31からノズル37に至る空気経路のうち、圧力調整部34の下流側であって電磁弁36の上流側の圧縮空気の圧力を検出する空気圧検出部35が設けられている。空気圧検出部35は、検出した空気圧(以下、検出空気圧)を制御装置40へ出力する。なお、空気圧検出部35は、圧力調整部34の下流側に限られず、圧縮空気が通る経路(例えば、コンプレッサ31からノズル37までの経路)の何れの位置の空気圧を検出する構成であってもよい。
【0026】
コンプレッサ31は、周囲の空気を吸引して圧縮することで、圧縮空気を生成する。コンプレッサ31が生成した圧縮空気は、空気貯留部32に貯留される。この圧縮空気は、空気フィルタ33によって、ゴミ等が取り除かれることで浄化される。圧力調整部34は、空気フィルタ33を介して供給された圧縮空気の空気圧を調整して、当該圧縮空気を下流側へ送る。具体的には、圧力調整部34には上限圧力が設定されており、空気フィルタ33を介して供給される圧縮空気の空気圧が上限圧力を超えている場合、圧力調整部34は、圧縮空気の空気圧を上限圧力まで低下させた後に、この圧縮空気を下流側へ送る。また、この上限圧力はオペレータの操作及び制御装置40の制御によって変更可能に構成されている。
【0027】
電磁弁36及びノズル37は、第2搬送部13の幅方向(図1の紙面に垂直な方向)に並べて複数設けられている。これらの電磁弁36は、制御装置40の制御によって個別に開閉状態が切り替えられる。これにより、空気噴射部30は、幅方向に並べて配置されるノズル37のうち任意の1つ又は複数から圧縮空気を噴射することができる。
【0028】
制御装置40は、FPGA、ASIC、又はCPU等の演算装置により実現される。制御装置40は、予め作成されたプログラムを読み出して実行することで、選別装置1に関する様々な処理を実行可能に構成されている。これにより、制御装置40は、本実施形態の選別方法を行う。制御装置40は、判定部41と、噴射制御部42と、供給制御部43とを備える。以下、制御装置40の各部が行う処理について説明する。
【0029】
初めに、図2を参照して、破砕片に品位を登録する処理(判定部41が行う処理)について説明する。判定部41は、情報検出部20が取得した情報に基づいて、添加金属の含有割合を算出し、破砕片に高品位又は低品位を登録する処理を行う(判定工程)。
【0030】
判定部41は、第2搬送部13によって搬送される破砕片の距離画像を取得する(S101)。ここで取得する距離画像は、第2搬送部13の搬送面のうち所定の広さの領域を撮影した画像である。従って、この距離画像には、1又は複数の破砕片が含まれ得る。
【0031】
次に、判定部41は、距離画像に含まれている破砕片を特定して、破砕片毎にIDを付与して検出時刻とともに記憶する(S102)。これらの情報は、制御装置40が備える図略の記憶部に記憶される構成であってもよいし、ネットワークを介して制御装置40と接続される記憶部に記憶される構成であってもよい。第2搬送部13の搬送面と破砕片とは高さが異なるため、距離画像に基づいて破砕片の有無を特定できる。
【0032】
次に、判定部41は、IDを特定した破砕片に対して、上述したように、距離画像から得られる破砕片の表面形状に基づいて、この破砕片が選別基準を満たすか否かを判定し、選別基準を満たす場合は高品位を登録し、それ以外(例えば選別基準を満たさない場合や選別対象外である場合)は低品位を登録する。
【0033】
次に、図3を参照して、破砕片に登録した品位に基づいて、破砕片を選別する処理(噴射制御部42が行う処理)について説明する。噴射制御部42は、判定部41の判定結果等に基づいて、何れかの電磁弁36を開閉して圧縮空気の噴射の有無を切り替える処理を行う(選別工程)。
【0034】
噴射制御部42は、第2搬送部13を搬送されて選別位置に到達する破砕片に対して、当該破砕片のIDに対応付けて高品位と登録されているか否かを判定する(S201)。噴射制御部42は、選別対象の破砕片のIDに高品位と登録されている場合、選別対象の破砕片が選別位置(即ち、第2搬送部13と高品位側搬送部52/低品位側搬送部53との間)に差し掛かった時点で、選別対象の破砕片の幅方向の位置に対応した電磁弁36を開放することで、ノズル37から圧縮空気を噴射させる。これにより、落下中の破砕片は、この圧縮空気を受けて吹き飛び、高品位側搬送部52に到達する(S202)。
【0035】
一方、噴射制御部42は、選別対象の破砕片のIDに高品位と登録されていない場合(即ち低品位と登録されている場合)、空気噴射部30に圧縮空気を噴射させない(破砕片に力を加えない)。これにより、選別対象の破砕片は、低品位側搬送部53に到達する(S203)。以上の処理を繰り返すことで、事前に登録した品位に応じて破砕片を選別することができる。
【0036】
次に、図4を参照して、空気噴射部30の空気圧が低下した場合に回復させる処理(主に供給制御部43が行う処理)について説明する。
【0037】
初めに、空気噴射部30の空気圧が低下する状況について説明する。選別装置1の稼動中において、高品位と登録された破砕片が選別位置に到達する毎に、ノズル37から圧縮空気が噴射されるため、圧縮空気が消費される。例えば、破砕片の時間当たりの供給量が多かったり、破砕片に高品位品が多く含まれたりする場合は、時間あたりの圧縮空気の消費量が増加する。もちろん、コンプレッサ31は圧縮空気を随時生成している。しかし、圧縮空気の消費量が、コンプレッサ31による圧縮空気の生成量を超える状況では、圧縮空気の空気圧が低下していく。その結果、ノズル37から噴射する圧縮空気の力が弱くなり、破砕片を十分に吹き飛ばせなくなる。この場合、高品位品が低品位側に選別される等の選別ミスが発生し得る。
【0038】
なお、コンプレッサ31の容量を増加させることで、上記の事態を予防できる。しかし、コンプレッサ31の容量を増加させることで、選別装置1の製造コスト及びメンテナンスコストが増大する。従って、低頻度でしか発生しない状況のために、容量が大きいコンプレッサを配置するのは現実的ではない。
【0039】
本実施形態の選別装置1は、このような空気噴射部30の空気圧の低下時において、それを回復する処理を自動的に行う。以下、具体的に説明する。選別装置1の稼動中において、供給制御部43は、空気圧検出部35から検出空気圧を取得する(S301、空気圧取得工程)。
【0040】
供給制御部43は、検出空気圧が第1閾値以下か否かを判定する(S302)。第1閾値は、短時間の内に選別ミスが生じ得る程度まで空気圧が下がる可能性のある値である。そのため、第1閾値は、選別ミスが生じる空気圧よりは高く、かつ、通常状態での空気圧の変動では達しない程度に低い値であることが好ましい。
【0041】
上述したように、本実施形態では、圧力調整部34の下流側の空気圧を検出する。圧力調整部34の下流側は空気圧が調整された後であり、ノズル37から噴射される圧縮空気の空気圧を示すため、空気圧の検出箇所として好ましい。また、圧力調整部34よりも上流側の空気圧を検出する場合、圧力調整部34よりも下流側に空気漏れ等があっても検出できないことがある。その観点においても、空気経路で比較的下流である圧力調整部34の下流側の空気圧を検出することが好ましい。
【0042】
また、本実施形態では、供給制御部43は、検出空気圧の値だけに基づいて判定を行うが、別の条件を追加してもよい。別の条件としては、例えば、所定時間にわたって連続して第1閾値以下等の時間に関する条件がある。あるいは、検出空気圧の値に加え、検出空気圧の低下速度(時間あたりの検出空気圧の低下量)に関する条件が設定されていてもよい。
【0043】
供給制御部43は、検出空気圧が第1閾値以下であると判定した場合、第1搬送部12のモータの回転周波数を低下させること等により、第1搬送部12の搬送速度を低下させる(S303、供給量制御工程)。第1搬送部12の搬送速度を低下させることで、時間あたりの第2搬送部13への破砕片の供給量が低下する。その結果、時間あたりの選別位置への破砕片の供給量が低下する。これにより、時間あたりの圧縮空気の消費量は、基本的には低くなる。従って、時間の経過に伴い、空気噴射部30の空気圧は回復(上昇)する。
【0044】
本実施形態では、供給制御部43は、第1搬送部12の搬送速度を、元の搬送速度より低く、かつ、ゼロより大きい値まで低下させる。これにより、第1搬送部12が停止しないため、オペレータは、第1搬送部12が異常発生で停止している訳ではないことを一見して判断できる。なお、供給制御部43は、第1搬送部12の搬送速度をゼロにしてもよい。第1搬送部12の搬送速度をゼロにすることで、より短い時間で空気噴射部30の空気圧を回復させることができる。なお、本実施形態では、供給制御部43は、第2搬送部13の搬送速度を変化させない。
【0045】
次に、供給制御部43は、再び検出空気圧を取得し(S304)、検出空気圧が上昇したか否かを判定する(S305)。検出空気圧が上昇したか否かを判定するための基準は様々であるが、例えば、供給制御部43は、ステップS303の処理を行ってから所定時間が経過した後に検出空気圧を取得し、検出空気圧の上昇量が所定の閾値以上か否かを判定する。なお、供給制御部43は、検出空気圧の上昇速度(時間あたりの検出空気圧の上昇量)に基づいて判定を行ってもよい。
【0046】
時間あたりの破砕片の供給量が低下することで、通常は検出空気圧は上昇する。しかし、空気漏れ等が発生している場合は、検出空気圧が上昇しないことがある。従って、供給制御部43は検出空気圧が上昇しないと判定した場合、報知ブザー(報知部)45を制御して、警告音を発生させることで異常の発生を報知する(S306)。また、報知ブザー45に代えて又は加え、選別装置1が備える表示装置、又は、オペレータ又は管理者が所持する端末の画面に警告メッセージを表示してもよい。
【0047】
また、検出空気圧が上昇していると判定した場合、供給制御部43は、検出空気圧が第2閾値以上か否かを判定する(S307)。第2閾値は、第1閾値より大きい値であり、空気圧が十分に回復したことを判定するための閾値である。この判定においても、ステップS302と同様、検出空気圧以外の条件を追加してもよい。
【0048】
供給制御部43は、検出空気圧が第2閾値以上であると判定した場合、検出空気圧の低下頻度が高いか否かを判定する(S308)。検出空気圧の低下頻度とは、選別装置1の稼動中に検出空気圧が大きく低下する頻度である。検出空気圧の低下頻度は、例えば検出空気圧が第1閾値以下と判定された頻度(即ち、ステップS303の処理が行われることで第1搬送部12の搬送速度が低下した頻度)である。供給制御部43は、例えば所定時間内にステップS303が行われた回数が閾値以上である場合、検出空気圧の低下頻度が高いと判定する。なお、検出空気圧の低下頻度の高低は、別の条件で判定してもよい。
【0049】
検出空気圧の低下頻度が低い場合、破砕片の供給量が偶然多かったか、高品位品の割合が偶然高かった等の原因で、検出空気圧が第1閾値以下になったと考えられる。つまり、コンプレッサ31の容量と比較して、圧縮空気の消費量(即ち、第1搬送部12の搬送速度)は、適切であると考えられる。従って、供給制御部43は、第1搬送部12の搬送速度を元の値(ステップS303で低下させる前の値)まで上昇させる(S309)。
【0050】
一方、検出空気圧の低下頻度が高い場合、コンプレッサ31の容量と比較して、圧縮空気の消費量が多過ぎる(即ち、第1搬送部12の搬送速度が速過ぎる)可能性がある。従って、この場合、供給制御部43は、第1搬送部12の搬送速度が元の値よりも低くなるように、搬送速度を上昇させる(S310)。
【0051】
その後、供給制御部43は、再びステップS301以降の処理を行う。以上の処理を行うことにより、空気噴射部30の空気圧が低下した場合であっても、空気圧を自動的に回復させることができる。また、空気噴射部30の空気圧が低下しても選別の成功率が低下しないため、選別の成功率が高くすることができる。
【0052】
次に、図5を参照して、第2実施形態について説明する。
【0053】
第1実施形態の第1搬送部12は振動フィーダである。これに対し、第2実施形態の第1搬送部16は、コンベア14と、トロンメル15と、を備える。コンベア14は、ホッパ11の排出口の下方に配置されており、ホッパ11が排出した破砕片を搬送する。トロンメル15は、第2搬送部13に供給される破砕片を当該破砕片の大きさに基づいて事前に選別する。具体的には、トロンメル15は、筒状部材を備えており、この筒状部材の内部に破砕片が供給される。また、この筒状部材が回転又は振動することで破砕片が下流側へ搬送される。
【0054】
トロンメル15は、図5に示すように、細片選別部15aと、粗片選別部15bと、により破砕片の選別を行う。細片選別部15aには、比較的小さい開口部が複数形成されている。この構成により、第2搬送部13へ供給するには小さ過ぎる細かい破砕片を細片選別部15aの開口部から落下させて、細片収容部61に収容させる。粗片選別部15bには、比較的大きい開口部が複数形成されている。この構成により、第2搬送部13へ供給するのに適した大きさの破砕片を粗片選別部15bから落下させて、第2搬送部13に供給できる。また、この開口部から落下しない大き過ぎる破砕片は別途設けられた開口部から落下し、粗片収容部62に収容される。
【0055】
第2実施形態では、検出空気圧が第1閾値以下となった場合、コンベア14の搬送速度を低下させることが好ましい。これにより、装置全体の破砕片の供給量を低下させることができるからである。
【0056】
以上に説明したように、この選別装置1は、供給部10と、判定部41と、空気噴射部30と、噴射制御部42と、空気圧検出部35と、供給制御部43と、を備える。供給部10は、破砕片を選別位置へ供給する。判定部41は、供給部10が供給した破砕片が選別基準を満たすか否かを判定する。空気噴射部30は、圧縮空気を噴射する。噴射制御部42は、選別基準を満たすと判定部41が判定した破砕片が選別位置に到達したときに、空気噴射部30を制御して圧縮空気を噴射させることで、当該破砕片を選別する。空気圧検出部35は、空気噴射部が噴射する圧縮空気の空気経路の何れかの位置の空気圧である検出空気圧を検出する。供給制御部43は、検出空気圧が第1閾値以下になった場合に、供給部10を制御して、時間あたりの選別位置への破砕片の供給量を低下させる。
【0057】
例えば空気噴射部30による圧縮空気の噴射が頻繁に行われた結果、空気噴射部30の空気圧が低下した場合であっても、上記のように破砕片の供給量を低下させることで、圧縮空気の噴射量が減らすことができる。従って、空気噴射部30の空気圧を回復させることができる。これにより、空気噴射部の空気圧が低下しても選別の成功率が低下しない。また、空気圧の低下を検出するだけでなく、自動的に回復させることができるため、オペレータによる復旧作業の手間を無くしたり、選別装置1の稼動率を上げたりすることができる。
【0058】
また、上記実施形態の選別装置1において、空気噴射部30は、空気貯留部32と、圧力調整部34と、を含んでいる。空気貯留部32は、圧縮空気を貯留する。圧力調整部34は、圧縮空気の空気圧を調整する。検出空気圧は、圧力調整部34より下流側の空気圧である。
【0059】
空気噴射部30は、圧力調整部34で空気圧が調整された後の圧縮空気を噴射する。そのため、圧力調整部34の下流側の空気圧を検出することで、選別ミスが生じ得る空気圧か否かをより確実に判定できる。
【0060】
また、上記実施形態の選別装置1において、供給部10は、第1搬送部12,16と、第2搬送部13と、を備える。第1搬送部12,16は、破砕片を搬送する。第2搬送部13は、第1搬送部12,16から供給された破砕片を搬送する。第1搬送部12,16の搬送量に応じて、破砕片が第1搬送部12,16に供給される。供給制御部43は、検出空気圧が第1閾値以下になった場合に、第1搬送部12,16の搬送速度を低下させることで、時間あたりの装置全体への破砕片の供給量を低下させる。
【0061】
これにより、第2搬送部13に破砕片が蓄積する事態が発生しにくいので、空気圧の回復後に破砕片の供給量を元に戻しても、問題なく処理できる。
【0062】
また、上記実施形態の選別装置1において、この選別装置1は、第2搬送部13により搬送されている破砕片に対して、選別基準を満たすか否か判定するための情報を検出する情報検出部20を備える。供給制御部43は、検出空気圧が第1閾値以下になった場合でも、第2搬送部13の搬送速度を維持する。
【0063】
これにより、第2搬送部13の搬送速度が維持されるため情報検出部20が取得する情報に変化がないため、通常時と同様に、判定部41による判定を行うことができる。
【0064】
また、上記実施形態の選別装置1において、供給制御部43は、破砕片の時間あたりの供給量を低下させている間に、検出空気圧が第2閾値以上に戻った場合に、破砕片の時間あたりの供給量を元に戻す。
【0065】
これにより、選別装置1の選別量を自動的に元に戻すことができる。
【0066】
また、上記実施形態の選別装置1において、供給制御部43は、破砕片の時間あたりの供給量を低下させている間に、検出空気圧が第2閾値以上に戻った場合であって、かつ、検出空気圧が低下する頻度が高いと判定したときは、破砕片の時間あたりの供給量が元の値よりも低くなるように当該供給量を上昇させる。
【0067】
これにより、コンプレッサ31の容量に対して破砕片の供給量(圧縮空気の消費量)が多い場合は、コンプレッサ31の容量に合わせた破砕片の供給量に変更できる。
【0068】
また、上記実施形態の選別装置1において、供給制御部43が破砕片の時間あたりの供給量を低下させた後に、検出空気圧が上昇しないと判定した場合に、空気噴射部30の異常を報知する報知ブザー45を備える。
【0069】
これにより、空気漏れ等の異常を検出してオペレータに知らせることができる。
【0070】
また、上記実施形態の選別装置1において、供給制御部43は、検出空気圧が第1閾値以下になった場合に、破砕片の時間あたりの供給量をゼロより多い第1供給量まで低下させる。
【0071】
これにより、供給部10が停止しないので、不具合の発生ではないことをオペレータが一見して把握できる。
【0072】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0073】
上記実施形態では、供給制御部43は、検出空気圧が第1閾値以下になった場合、第1搬送部12の搬送速度を低下させる。これに代えて、ホッパ11の排出口にシャッタ(又はゲート等)を設け、このシャッタを制御することで、時間あたりの破砕片の排出量(供給量)を低下させてもよい。また、このようなシャッタを設ける場合、第1搬送部12の搬送速度は可変でなくてもよい。そのため、例えば第1搬送部12として斜面を採用してもよい。
【0074】
上記実施形態では、選別対象物である破砕片を高品位側と低品位側の2種類に分類するが、3種類以上に分類する構成であってもよい。
【0075】
図2から図4に示すフローチャートは一例であり、上述の少なくとも1つの処理を省略したり、処理の順序を変更したり、新たな処理を追加したりしてもよい。例えば、別の異常検出手段を有する場合、図4のステップS305及びS306の処理を省略してもよい。
【0076】
上記実施形態では、図4のステップS310で第1搬送部12の搬送速度を低下させてより適切な搬送速度に変更する。その後、検出空気圧の変化状況に基づいて、第1搬送部12の搬送速度(時間あたりの選別位置への破砕片の供給量)を上昇させてもよい。例えば、検出空気圧が常に上限値(圧力調整部34の設定値)又はその近傍を維持している場合、コンプレッサの容量を十分に活用できていない可能性があるため、第1搬送部12の搬送速度を上昇させることが好ましい場合もある。
【0077】
上記実施形態の空気噴射部30は一例であり、圧縮空気を噴射可能であれば、異なる構成であってもよい。例えば、上記実施形態の空気噴射部30はコンプレッサ31を備えるが、外部で生成された圧縮空気が空気噴射部30に供給される構成であってもよい。また、上記実施形態では、圧縮空気をノズル37から噴射して破砕片(選別対象物)に直接当てる構成であるが、圧縮空気を別部材に当てることで別部材を動かし、当該別部材が破砕片を選別する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 選別装置
10 供給部
11 ホッパ
12 第1搬送部
13 第2搬送部
20 情報検出部
30 空気噴射部
40 制御装置
41 判定部
42 噴射制御部
43 供給制御部
図1
図2
図3
図4
図5