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  • 特許-リアクトル及びリアクトルの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】リアクトル及びリアクトルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01F 37/00 20060101AFI20240409BHJP
   H01F 27/28 20060101ALI20240409BHJP
   H01F 41/12 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
H01F37/00 J
H01F37/00 F
H01F37/00 M
H01F27/28 152
H01F41/12 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020015825
(22)【出願日】2020-01-31
(65)【公開番号】P2021125490
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】390005223
【氏名又は名称】株式会社タムラ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩太郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 龍太
【審査官】石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-110232(JP,A)
【文献】特開2011-049495(JP,A)
【文献】特開2010-263074(JP,A)
【文献】特開2019-165061(JP,A)
【文献】特開2011-199151(JP,A)
【文献】特開2012-142601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 37/00
H01F 27/28
H01F 41/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形体である部分コアを合わせた環状のコアと、
前記コアに装着されるコイルと、
前記コイルの内部に前記コアを挿入する貫通孔が生じるように、前記コイルを被覆する第1の樹脂部と、
前記コイルに挿入された前記コアの周囲も含めて、前記コアを継ぎ目なく連続して被覆しつつ、前記コイルの外周の前記第1の樹脂部を被覆しない第2の樹脂部と、
を有し、
前記第1の樹脂部には、巻軸に直交する前記コイルの両端面に、巻軸方向に突出した突出部が設けられていることを特徴とするリアクトル。
【請求項2】
前記コイルの引出線に接続されるバスバーを固定する端子台が、前記第1の樹脂部とは別体で構成され、
前記端子台は、前記第2の樹脂部によって、前記第1の樹脂部に固定されていることを特徴とする請求項1記載のリアクトル。
【請求項3】
前記コイルと前記バスバーとの接続箇所が、前記第1の樹脂部の外形よりも内側にあることを特徴とする請求項2記載のリアクトル。
【請求項4】
前記コイルの巻軸に平行な方向の断面で見た場合に、
前記コイルの外周及び内周を覆う前記第1の樹脂部があり、
前記コアを覆う前記第2の樹脂部の周囲の一部は、前記コイルの内周を覆う前記第1の樹脂部で覆われ、
前記コイルの外部に配置された前記コアは、前記第2の樹脂部のみで覆われた部分を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のリアクトル。
【請求項5】
コイルの内部にコアを挿入する貫通孔が生じるように、第1の樹脂部によって、前記コイルを被覆する第1の樹脂部形成工程と、
前記コイルの外周の前記第1の樹脂部を被覆しないように、第2の樹脂部によって、前記コイルに挿入された前記コアの周囲も含めて、前記コアを継ぎ目なく連続して被覆する第2の樹脂部形成工程と、
を含み、
前記第1の樹脂部形成工程において、前記第1の樹脂部には、巻軸に直交する前記コイルの両端面に、巻軸方向に突出した突出部が設けられ、
前記第2の樹脂部形成工程では、前記突出部に金型が接していることを特徴とするリアクトルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リアクトル及びリアクトルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
OA機器、太陽光発電システム、自動車、無停電電源など様々な用途にリアクトルが用いられている。リアクトルは、例えば、出力系への高調波電流の流出を防止するフィルタや、電圧を昇降させる電圧昇降用コンバータなどに用いられる。
【0003】
この種のリアクトルは、コアとコイルとの絶縁を図るために、コアの周囲を樹脂部材によって被覆し、樹脂部材の外周にコイルを装着したものが知られている。一般的に、リアクトルを外部機器と接続させるために、板状の銅やアルミニウム等の導電性部材であるバスバーが用いられる。このバスバーの一方端部がコイルと接続され、他方端部が外部機器の端子と接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-149841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コアは、密度を高めるという観点からは、あらかじめ成形された成形体を用いることが好ましい。但し、成形体によって環状のコアを構成するためには、U字形等の部分コアを接合する必要がある。例えば、一対のU字形の部分コアの接合部分以外を、それぞれ一次モールド樹脂で被覆する。そして、一次モールド樹脂を組み合わせることにより、部分コアの接合部分を合わせて、環状のコアとすることが行われている。
【0006】
しかし、このような構成では、環状のコアにギャップが生じることになり、所望の磁気特性が得られない場合がある。接合部分を接着剤により接着した場合であっても、接着剤が介在することになるので、ギャップの問題は残る。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、部分コアからなる環状コアが、ギャップを生じさせることなく樹脂により被覆されたリアクトル及びリアクトルの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のリアクトルは、成形体である部分コアを合わせた環状のコアと、前記コアに装着されるコイルと、前記コイルの内部に前記コアを挿入する貫通孔が生じるように、前記コイルを被覆する第1の樹脂部と、前記コイルに挿入された前記コアの周囲も含めて、前記コアを継ぎ目なく連続して被覆しつつ、前記コイルの外周の第1の樹脂部を被覆しない第2の樹脂部と、を有し、前記第1の樹脂部には、巻軸に直交する前記コイルの両端面に、巻軸方向に突出した突出部が設けられている。
【0009】
本発明のリアクトルの製造方法は、コイルの内部にコアを挿入する貫通孔が生じるように、第1の樹脂部によって、前記コイルを被覆する第1の樹脂部形成工程と、前記コイルの外周の前記第1の樹脂部を被覆しないように、第2の樹脂部によって、前記コイルに挿入された前記コアの周囲も含めて、前記コアを継ぎ目なく連続して被覆する第2の樹脂部形成工程と、を含み、前記第1の樹脂部形成工程では、前記第1の樹脂部には、巻軸に直交する前記コイルの両端面に、巻軸方向に突出した突出部が設けられ、前記第2の樹脂部形成工程では、前記突出部に金型が接している
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、コアを継ぎ目なく連続して被覆する第2の樹脂部によって、部分コアを互いに密着させてギャップをなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係るリアクトルの全体構成を示す斜視図である。
図2】実施形態に係るリアクトルの分解斜視図である。
図3】実施形態に係るリアクトルの断面図である。
図4】実施形態に係るリアクトルの側面図である。
図5】実施形態に係るリアクトルの正面図である。
図6】実施形態に係るリアクトルの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態に係るリアクトルについて図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係るリアクトル100の全体構成を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係るリアクトル100の分解斜視図である。
【0013】
リアクトル100は、電気エネルギーを磁気エネルギーに変換して蓄積及び放出する電磁気部品であり、電圧の昇降圧等に使用される。本実施形態のリアクトル100は、一対のコイル3が装着された環状のコア2を有する。このようなリアクトル100は、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車の駆動システム等で、昇圧回路の主要部品として使用される。
【0014】
なお、本実施形態において、コイル3の巻軸に平行な方向を奥行方向とする。奥行方向と直交し、2つのコイル3の横並び方向と平行な方向を幅方向とする。奥行方向及び幅方向と直交する方向を高さ方向又は上下方向とする。これらの方向は、リアクトル100の各構成の位置関係を示すための表現であり、リアクトル100が設置対象に設置された際の位置関係及び方向を限定するものではない。
【0015】
[構成]
リアクトル100は、図1及び図2に示すように、コア2、コイル3、第1の樹脂部4、端子台5、バスバー6、第2の樹脂部7を有する。
【0016】
コア2は、磁性材料からなる部材であり、あらかじめ成形された成形体を用いる。コア2は、2つのU字形の部分コア21、22の端面2aを接触させることで、環状を成す環状コアである。コア2としては、例えば、圧粉磁心、フェライト、積層鋼板、メタルコンポジットコア(MCコア)などを用いることができる。
【0017】
コイル3は、導電性の部材を筒状に巻回した部材である。本実施形態では、2つのコイル31、32が、巻軸方向が平行になるように、隙間を介して横並びに配置されている。各コイル31、32は、巻回部分から引き出された引出線3aを有する。この引出線3aは、コイル31、32と外部との電気的な接続用の端部である。
【0018】
第1の樹脂部4は、コイル3の内部にコア2を挿入する貫通孔4aが生じるように、コイル3を被覆する。第1の樹脂部4は、モールド成型により形成されている。貫通孔4aは、2つのコイル31、32に対応して2つ形成されている。図1のA―A部分を高さ方向に切断した断面図である図3に示すように、2つの貫通孔4aには、U字形の部分コア21、22の端部が挿入され、各端面2aが接触することにより、ギャップが生じないように合致している。
【0019】
第1の樹脂部4には、幅方向に平行な両端面、つまりコイル3の巻軸に直交する両端面に、巻軸方向に突出した突出部41が設けられている。突出部41は、貫通孔4aの端部の開口を囲むコの字状に形成されている。なお、第1の樹脂部4の上面及び下面には、モールド成型時に金型とコイル3とのクリアランスを確保するためのスペーサSが配置されている。
【0020】
端子台5は、リアクトル100と外部機器との電気的な接続のための部材を支持する台である。本実施形態では、コイル3の引出線3aの引き出し位置に、2つの端子台51、52が設けられている。2つの端子台51、52は、コア2のコイル3が巻回されていない部分の上部に配置されている。
【0021】
端子台51は、第1の樹脂部4とともに、モールド成型により形成されている。換言すれば、端子台51は、第1の樹脂部4の一部を成し、端子台51と第1の樹脂部4は、継ぎ目なく一続きに形成されている。
【0022】
端子台52は、第1の樹脂部4とは別体で形成されている。つまり、図2では、端子台52は、第1の樹脂部4に付いているが、分解した場合には独立した部材となる。端子台52は、モールド成形により形成されている。端子台52は、直方体形状であり、突出部41の上部に載置されている。
【0023】
バスバー6は、例えば、銅やアルミニウムなどの板状の導電性部材である。バスバー6の一端は、コイル3の引出線3aと溶接により接続された接続端6aである。バスバー6の他端は、外部機器との接続用の端子6bである。
【0024】
本実施形態では、バスバー6は、4つ設けられている。2つのバスバー61は、端子台51からリアクトル100の外側に延び、一端が引出線3aに接続された接続端6aとなっている。バスバー61の他端は、端子台51に固定された端子6bである。バスバー61は、端子台51の上面とバスバー61の上面とが面一となるように、端子台51に埋設されている。
【0025】
他の2つのバスバー62は、リアクトル100の外側でなく、内側、即ち、コイル3の上方に突出し、2回屈曲されて、一端が引出線3aに接続された接続端6aとなっている。このため、平面視で、コイル3とバスバー62との接続箇所が、第1の樹脂部4の外形よりも内側にある。バスバー62の他端は、端子台52に固定された端子6bである。バスバー62は、端子台52の上面とバスバー62の上面とが面一となるように、端子台52に埋設されている。
【0026】
第2の樹脂部7は、コイル3に挿入されたコア2の周囲も含めて、コア2を継ぎ目なく連続して被覆する。第2の樹脂部7は、モールド成型により形成される。但し、第2の樹脂部7は、コイル3の外周の第1の樹脂部4は被覆しない。より具体的には、図3に示すように、第1の樹脂部4の貫通孔4aの内部には、第2の樹脂部7が入り込みコア2の外周が覆われている。
【0027】
また、第1の樹脂部4の外表面においては、第2の樹脂部7は突出部41を超えず、コイル3側に達していない。このような外表面において、第2の樹脂部7が第1の樹脂部4側に超えないラインを、図4の側面図における一点鎖線で示す。
【0028】
また、端子台52は、第2の樹脂部7によって第1の樹脂部4に固定されている。本実施形態では、端子台52は、第2の樹脂部7と第1の樹脂部4との境界に配設されている。この端子台52は、突出部41の上に支持されており、第2の樹脂部7がモールドされることにより、端子台52が第1の樹脂部4及び第2の樹脂部7に固定されている。
【0029】
このようなリアクトル100は、図3のコイル3の巻軸に平行な方向の断面図で見ると、コイル3の外周及び内周を覆う第1の樹脂部4があり、コア2を覆う第2の樹脂部7の周囲の一部は、コイル3の内周を覆う第1の樹脂部4で覆われ、コイル3の外部に配置されたコア2は、第2の樹脂部7のみで覆われた部分を有する。
【0030】
なお、第1の樹脂部4、第2の樹脂部7、端子台52を構成する樹脂の種類としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ウレタン樹脂、BMC(Bulk Molding Compound)、PPS(Polyphenylene Sulfide)、PBT(Polybutylene Terephthalate)等が挙げられる。特に、熱伝導性の高い樹脂を用いることが望ましい。熱伝導性の高い樹脂を用いることで、コア2及びコイル3の熱をリアクトル100の外部に伝達することができる。
【0031】
[リアクトルの製造方法]
以上のような本実施形態のリアクトル100の製造方法は、以下の通りである。
(第1の樹脂部形成工程)
まず、一対のコイル3を、巻軸が平行になるように並べて金型内に収容する。コイル3の底面と金型の内壁との間、コイル3の上面と金型の内壁との間には、スペーサSが配置され、コイル3と金型の内壁との間のクリアランスが確保される。また、コイル3内には、スライド部材が挿入される。また、2つのバスバー61も、金型内に収容する。
【0032】
この状態で、金型内に樹脂を射出して充填する射出成形により、コイル3を被覆する第1の樹脂部4を形成する。コイル3内に挿入されるスライド部材によって、コイル3の内周には貫通孔4aが形成される。但し、スライド部材とコイル3の内周との間に樹脂が流入することにより、コイル3の内周は、第1の樹脂部4によって被覆される。また、2つのバスバー61の端子6bを支持する端子台51が、第1の樹脂部4と継ぎ目なく一続きで形成される。
【0033】
(端子台形成工程)
また、金型内に樹脂を射出して充填する射出成形により、端子台52を形成する。これにより、直方体形状の端子台52が、第1の樹脂部4とは別体で形成される。
【0034】
(第2の樹脂部形成工程)
次に、第1の樹脂部4の貫通孔4aの両端から、U字形の部分コア21、22を、互いの端面2aが接するように挿入し、第1の樹脂部4の両端面に金型を装着する。金型は、端子台51、52、突出部41に接してこれらを囲むように配置される。このような金型の内壁の高さ方向の一断面を、図5の正面図及び図6の背面図に2点鎖線で示す。この状態で、金型内に樹脂を射出して充填する射出成形により、コア2を被覆する第2の樹脂部7を形成する。
【0035】
これにより、第2の樹脂部7によって、コイル3の貫通孔4aから突出したコア2の部分が覆われるとともに、コイル3の貫通孔4a内にも第2の樹脂部7が充填されて、コア2の周囲が被覆される。このとき、樹脂の充填圧力によって、部分コア21、22が、互いの端面2aが圧着する方向に強く付勢されるため、ギャップが生じない。
【0036】
また、金型と端子台51、52によって、第2の樹脂部7が、コイル3の外周の第1の樹脂部4に流入することが阻止される。より具体的には、第2の樹脂部7の樹脂が、図4の一点鎖線を図中白塗りの矢印の方向に越えて、コイル3の外周側に流入することはない。さらに、第1の樹脂部4と別体の端子台52は、第2の樹脂部7によって第1の樹脂部4に固定される。
【0037】
なお、第2の樹脂部7を形成後には、成型品を金型から取り出した後、コイル3の引出線3aとバスバー6の接続端6aを溶接により接続する。以上のような工程によって、コア2を覆う第2の樹脂部7の周囲の一部が、コイル3の内周を覆う第1の樹脂部4で覆われ、コイル3の外部に配置されたコア2が、第2の樹脂部7のみで覆われた部分を有するリアクトル100が製造される。
【0038】
[効果]
本実施形態のリアクトル100は、成形体である部分コア21、22を合わせた環状のコア2と、コア2に装着されるコイル3と、コイル3の内部にコア2を挿入する貫通孔4aが生じるように、コイル3を被覆する第1の樹脂部4と、コイル3に挿入されたコア2の周囲も含めて、コア2を継ぎ目なく連続して被覆しつつ、コイル3の外周の第1の樹脂部4を被覆しない第2の樹脂部7と、を有する。
【0039】
このように、第2の樹脂部7は、部分コア21、22を継ぎ目なく連続して被覆するため、部分コア21、22を互いに密着させて、ギャップをなくすことができる。第2の樹脂部7は、コイル3の外周の第1の樹脂部4を被覆しないため、リアクトル100の高さの拡大を抑制して小型化を図ることができる。また、第2の樹脂部7で被覆されていないスペースを有効活用できる。さらに、第2の樹脂部7の樹脂の使用量を低減できる。
【0040】
コイル3の引出線3aに接続されるバスバー62を固定する端子台52が、第1の樹脂部4とは別体で構成され、端子台52は、第2の樹脂部7によって、前記第1の樹脂部に固定されている。
【0041】
このように、端子台52は、あらかじめ別体で構成されるため、端子台52に設けられるバスバー62の形態の自由度が高い。例えば、コイル3とバスバー62との接続箇所を、リアクトル100の外形よりも内側に配置して、小型化を図ることができる。また、あらかじめ形成された端子台52によって、第2の樹脂部7が、第1の樹脂部4との境界からコイル3の外周側へ入り込むことが防止される。さらに、あらかじめ形成された端子台52を用いるため、バスバー62の下部等に端子台52となるべき部分を金型内にあらかじめ形成しておく必要がなく、金型が複雑とならない。このため、インサート部材を削減でき、コスト削減となる。インサート部材の削減は、可動部分の低減による成形品への異物混入防止にもなる。
【0042】
[変形例]
上記実施形態においては、端子台51は、第1の樹脂部4の一部として形成されていたが、端子台52と同様に、第1の樹脂部4とは別体で構成してもよい。これにより、バスバー61のコイル3との接続箇所を、リアクトル100の外形よりも内側に配置して、さらなる小型化を図ることができる。
【0043】
[他の実施形態]
本明細書においては、本発明に係る実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。上記のような実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0044】
2 コア
2a 端面
21、22 部分コア
3、31、32 コイル
3a 引出線
4 第1の樹脂部
4a 貫通孔
41 突出部
5 端子台
51、52 端子台
6、61、62 バスバー
6a 接続端
6b 端子
7 第2の樹脂部
100 リアクトル
S スペーサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6