(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】購買情報管理装置、購買情報管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/016 20230101AFI20240409BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240409BHJP
【FI】
G06Q30/016
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020021770
(22)【出願日】2020-02-12
【審査請求日】2023-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】511252545
【氏名又は名称】株式会社リサーチ・アンド・イノベーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】中岡 邦伸
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-197985(JP,A)
【文献】特開2019-220057(JP,A)
【文献】特開2016-071586(JP,A)
【文献】国際公開第2016/158121(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置から、商品と関連付けられて表示されたコードから読み取られたコード情報と、レシートの画像情報とを取得する取得部と、
前記コード情報に応じて特定される分類情報に基づいて、前記コード情報又は前記画像情報から特定される商品を所定の分類に仕分する仕分部と、
前記仕分された分類の支出に関する情報として、前記特定される商品に関する情報を記録する記録部と
、
前記仕分部が仕分した分類の修正を前記端末装置から受付け、前記端末装置が前記分類を修正した場合に前記仕分された分類を修正する収支管理部と
を備える購買情報管理装置。
【請求項2】
前記分類情報は、階層的に商品を分類する情報を含む、請求項1に記載の購買情報管理装置。
【請求項3】
前記支出に関する情報として記録される情報は、前記画像情報に基づいて特定される商品の価格情報を含む、請求項1又は2に記載の購買情報管理装置。
【請求項4】
前記支出に関する情報として記録される情報は、前記画像情報に基づいて特定される日付情報を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の購買情報管理装置。
【請求項5】
前記支出に関する情報として記録される情報は、前記画像情報に基づいて特定される電話番号を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の購買情報管理装置。
【請求項6】
前記支出に関する情報として記録される情報は、前記画像情報に基づいて特定される店舗名を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の購買情報管理装置。
【請求項7】
前記支出に関する情報として記録される情報は、前記画像情報に基づいて特定される地域情報を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の購買情報管理装置。
【請求項8】
情報処理装置が、
端末装置から、商品と関連付けられて表示されたコードから読み取られたコード情報と、レシートの画像情報とを取得することと、
前記コード情報に応じて特定される分類情報に基づいて、前記コード情報又は前記画像情報から特定される商品を所定の分類に仕分することと、
前記仕分された分類の支出に関する情報として、前記特定される商品に関する情報を記録することと
、
前記仕分された分類の修正を前記端末装置から受付け、前記端末装置が前記分類を修正した場合に前記仕分された分類を修正することと
を有する購買情報管理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
端末装置から、商品と関連付けられて表示されたコードから読み取られたコード情報と、レシートの画像情報とを取得する取得部、
前記コード情報に応じて特定される分類情報に基づいて、前記コード情報又は前記画像情報から特定される商品を所定の分類に仕分する仕分部、
前記仕分された分類の支出に関する情報として、前記特定される商品に関する情報を記録する記録部、
前記仕分部が仕分した分類の修正を前記端末装置から受付け、前記端末装置が前記分類を修正した場合に前記仕分された分類を修正する収支管理部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、購買情報管理装置、購買情報管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの購買履歴を管理する技術が知られている。特許文献1には、レシートを読み取り、商品の購入履歴を家計簿に入力すること、商品を費目や種類などのカテゴリに分類することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術において、レシートに記載の商品名は商品の特徴を的確に表していない場合もある。そのため、レシートに記載の商品名のみから商品のカテゴリを特定し、的確に分類できない場合がある。
【0005】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、ユーザが購入した商品をより的確に分類することに関する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る購買情報管理装置は、商品と関連付けられて表示されたコードの画像情報と、レシートの画像情報とを取得する取得部と、前記コードの画像情報から特定される分類情報に基づいて、前記コードの画像情報又は前記レシートの画像情報から特定される商品を所定の分類に仕分する仕分部と、前記仕分された分類の支出に関する情報として、前記特定される商品に関する情報を記録する記録部とを備える。
【0007】
本発明の一態様に係る購買情報管理方法は、情報処理装置が、商品と関連付けられて表示されたコードの画像情報と、レシートの画像情報とを取得することと、前記コードの画像情報から特定される分類情報に基づいて、前記コードの画像情報又は前記レシートの画像情報から特定される商品を所定の分類に仕分することと、前記仕分された分類の支出に関する情報として、前記特定される商品に関する情報を記録することと、を有する。
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、商品と関連付けられて表示されたコードの画像情報と、レシートの画像情報とを取得する取得部、前記コードの画像情報から特定される分類情報に基づいて、前記コードの画像情報又は前記レシートの画像情報から特定される商品を所定の分類に仕分する仕分部、前記仕分された分類の支出に関する情報として、前記特定される商品に関する情報を記録する記録部、として機能させる。
【0009】
本発明に係るプログラムは、CD-ROM等の光学ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体を通じて、又は通信ネットワークなどを介してダウンロードすることにより、コンピュータにインストール又はロードすることができる。
【0010】
本明細書等において、「部」とは、単に物理的構成を意味するものではなく、その構成が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの構成が有する機能が2つ以上の物理的構成により実現されても、2つ以上の構成の機能が1つの物理的構成により実現されてもよい。
【0011】
また、本明細書において「システム」とは、情報処理装置等から構成される、特定の機能をユーザに提供するためのシステムを含む。例えば、サーバ装置、クラウドコンピューティング形態のもの、ASP(Application Service Provider)、クライアントサーバモデルのもの、などにより構成されるが、これに限られるものではない。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザが購入した商品をより的確に分類することに関する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態における購買情報管理システムの構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態におけるサーバ装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3A】本発明の一実施形態におけるサーバに記憶された商品情報の一例を示す図である。
【
図3B】本発明の一実施形態におけるレシートの一例を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態におけるサーバ装置に記憶された分類情報の一例を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態におけるサーバ装置に記憶された支出情報の一例を示す図である。
【
図6A】本発明の一実施形態における端末装置の表示部に表示される画像の一例を示す図である。
【
図6B】本発明の一実施形態における端末装置の表示部に表示される画像の一例を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態における購買情報管理システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、一実施形態に係る購買情報管理システムについて説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。また、以下においては、理解を容易にするべく、情報処理装置を利用して本発明が実現される実施の形態を例にとって説明するが、上述の如く、本発明はそれに限定されない。
【0015】
図1を参照して、一実施形態に係る購買情報管理システムのハードウェア構成について説明する。購買情報管理システム1は、クライアントサーバシステムであり、サーバ装置10及び端末装置20,21,22を主に備える。サーバ装置10及び端末装置20,21,22は、ネットワークNを介して相互に通信可能に構成されている。なお、
図1に示す購買情報管理システム1は、1台のサーバ装置及び3台の端末装置を含んで構成されているが、購買情報管理システム1に含まれるサーバ装置及び端末装置の数はこれに限定されず、それぞれ任意の数の装置を含めることができる。
【0016】
ネットワークNは、サーバ装置10と端末装置20,21,22との間の通信のための通信ネットワークである。例えば、ネットワークNは、インターネット、LAN、専用線、パケット通信網、電話回線、企業内ネットワーク、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよい。また、ネットワークNは、有線であるか無線であるかを問わない。
【0017】
サーバ装置10は、専用又は汎用の情報処理装置により構成できる。サーバ装置10は、主な構成として、制御部101、通信部104及び記憶部105を有する。サーバ装置10は、図示しないが、一般的なサーバ装置が備える構成をさらに備える。制御部101は、CPU(Central Processing Unit)102及びメモリ103を主に備えて構成される。制御部101では、CPU102は、記憶部105等に記憶されたプログラムをメモリ103に展開して実行することにより、サーバ装置10の構成の動作を制御し、各種の機能を実現する。通信部104は、ネットワークNを介して端末装置20,21,22等の各種情報処理装置と通信するための通信インタフェースである。記憶部105は、ハードディスク等の記憶装置によって構成される。記憶部105は、制御部101における処理の実行に必要な各種プログラムや各種のデータ(情報)、及び制御部101による処理結果により得られた各種のデータを記憶する。なお、サーバ装置10は、単一の情報処理装置により構成されるものであっても、ネットワーク上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。
【0018】
端末装置20,21,22は、携帯電話(スマートフォンを含む)、タブレット、ポータブルメディアプレイヤ、又はラップトップコンピュータなどの情報処理装置として構成される。端末装置20,21,22は、任意の情報処理装置により構成される。以下に端末装置20のハードウェア構成を説明する。なお、端末装置21,22の構成も端末装置20と同様の構成を有するため、説明は省略する。
【0019】
図1に示すように、端末装置20は、制御部201、通信部204、記憶部205、音声出力部206、画像出力部207、操作入力部208、及び撮像部209を主に備える。制御部201は、CPU202及びメモリ203を主に備える。なお、
図1は、端末装置20が備える主要な構成を示しているにすぎず、端末装置20は、一般的な情報処理装置が備える他の構成も備えうる。
【0020】
制御部201は、端末装置20が有する構成の動作を制御する。例えば、制御部201において、CPU202は、記憶部205等に記憶されたプログラムをメモリ203に展開して実行することにより、端末装置20の構成を制御し、端末装置20が有する機能を実現する。制御部201において実行される処理の詳細は後述する。
【0021】
通信部204は、ネットワークNを介してサーバ装置10等の各種の情報処理装置と通信するための通信インタフェースである。通信部204は、例えば、制御部201による処理で使用されるデータをサーバ装置10から受信し、制御部201による処理結果のデータをサーバ装置10に送信する。
【0022】
記憶部205は、半導体記憶装置又はハードディスク等の記憶装置によって構成される。記憶部205は、制御部201における処理の実行に必要な各種プログラムや各種のデータ、及び制御部201による処理結果により得られた各種のデータを記憶する。
【0023】
音声出力部206は、制御部201の制御に応じて、記憶部205に記憶されている(又は通信部204を介して受信した)音声や効果音に関するデータに基づいて、各種の音声を出力する。
【0024】
画像出力部207は、制御部201の制御に応じて、記憶部205に記憶された(又は通信部204を介して受信した)画像データに基づいて、画像を出力表示する。
【0025】
操作入力部208は、端末装置20のユーザ(以下、消費者ともいう。)からの操作入力を受け付け、当該操作入力に応じた制御信号を制御部201に出力する。
【0026】
撮像部209は、カメラにより構成され、ユーザからの操作等に応じて、静止画又は動画の画像情報(画像データ)を取得する。
【0027】
図2を参照して、サーバ装置10が有する機能を説明する。サーバ装置10は、主な機能構成として、データベース110、解析部111、判定部112、仕分部113、及び収支管理部114を有する。
【0028】
データベース110は、サーバ装置10による処理に必要なデータ、サーバ装置10による処理結果のデータ、端末装置20,21,22から受信したデータなど、各種のデータを記憶する。
【0029】
解析部111は、端末装置20(又は、端末装置21若しくは22。以下の説明においても同様。)から受信した購買情報のうち、商品と関連付けられて表示されたコードの画像情報(画像データ)と、レシートの画像情報(画像データ)とを取得する。
【0030】
商品と関連付けられて表示された商品のコードの画像情報とは、例えば、ユーザが購入した商品の表面、商品に取り付けられたタグ、又は商品のパッケージ等に表示されたコード(例えば、バーコードやQRコード(登録商標)などの画像コード)をカメラ(例えば、端末装置20の撮像部209。以下同様。)により撮像することにより得られた画像情報である。レシートの画像情報とは、例えば、ユーザが商品を購入することにより受け取ったレシートをカメラにより撮像することにより得られた画像情報である。
【0031】
購買情報は、ユーザ(消費者)による購買に関する情報であり、端末装置20からサーバ装置10に送信される情報である。購買情報は、例えば、購買をしたユーザの情報(ユーザの識別情報を含む。)と、レシートの画像情報(又はレシートの撮像画像を解析することにより取得されたレシート情報)と、購入された商品に表示されたコードの画像情報とを含む。
【0032】
なお、解析部111は、サーバ装置10ではなく、端末装置20が備えてもよい。この場合、解析部111による処理結果は、サーバ装置10に送信され、サーバ装置10による処理に使用される。
【0033】
解析部111は、レシートの画像情報から当該レシートのテキストデータであるレシート情報を抽出し、解析する。例えば、解析部111は、レシート情報と、データベース110に記憶された情報とに基づいて、ユーザが購買を行った店舗を特定する処理(店舗特定処理)及び商品を特定する処理(管理名特定処理)を実施する。以下に、店舗特定処理と管理名特定処理について詳述する。
【0034】
(店舗特定処理)
解析部111は、店舗を特定するために、まずレシートの画像情報から店舗の電話番号を解析し、レシートが示す購買が行われた店舗を特定する。当該特定のために、予め店舗の電話番号を店舗名(及び店舗ID)と関連付けて店舗に関する情報(店舗情報)をデータベース110に記憶しておく。解析部111は、当該店舗情報を参照して、店舗を特定してもよい。
【0035】
解析部111はさらに、レシート画像から店舗名、店舗のロゴ、又は住所などを解析して、店舗を特定してもよい。例えばレシート画像から電話番号の一部しか解析できなかった場合、解析部122は、さらに店舗名や住所を解析することで得られた情報を使用して(又は補完的に使用して)、店舗を特定してもよい。一例として、レシート画像から市外局番を解析できなかった場合、解析部111は住所から市外局番を推測することが可能である。解析部111が店舗を特定する際に、複数の情報の解析結果を用いることで、解析精度を向上させることができる。なお、解析部111は店舗を特定するにあたり、ユーザから店舗の指定を受け付ける構成でもよい。
【0036】
(管理名特定処理)
管理名特定処理において、解析部111は、データベース110に記憶された商品情報(商品の管理名を含む。)と、商品のレシート表記名との間の関係を示す対応情報を参照して、レシート表記名に対応する商品の管理名(または、商品の管理名に対応するレシート表記名)を特定する。また、解析部111は、データベース110に記憶された上記対応情報を参照して、受信部121が受信した商品コードに対応するレシート表記名又は商品の管理名を特定することができる。レシート表記名とは、レシートに表記され、各店舗での取り扱われている商品名である。管理名とは、データベース110で管理されている商品名である。
【0037】
図3Aは、データベース110に記憶された商品情報の一例を示す図である。
図3Aに示すように、データベース110に記憶された商品情報300は、商品コード、商品名(管理名)、製造者、及び分類コードの項目を含む。市場を流通する商品は、JANコードやバーコード、QRコード(登録商標)といった商品コードによって管理されている。例えば商品コードは、どの事業者(商品の製造元等)のどの商品かを示す世界共通の商品識別番号である。商品コードは、商品のブランドを持つ事業者が、所定の管理センターから貸与された事業者を識別する事業者コードを用いて商品ごとに設定することができる。商品コードが設定された商品は、例えば、JICFS/IFDB(JANコード統合商品情報データベース)等により一元的に管理されている。本実施形態において、データベース110は、商品情報として、商品コードに事業者の情報や商品名(管理名)を対応付けて、記憶管理している。分類コードは、商品の分類の識別情報である。
【0038】
他方、スーパーやコンビニエンスストア等の商品を販売する店舗では、自店舗が取り扱っている商品を管理するために、商品情報300が記憶されたデータベース110とは異なるデータベースを有している。この場合、各店舗は、商品名として、管理名ではなく、例えばPOSシステム上で管理されている名称や、店舗で独自に命名した名称を用いている場合が多い。各店舗で発行されるレシートには、商品名として、管理名ではなく、各店舗での取り扱い名(レシート表記名)が表記される。
図3Bは、レシートの例を示している。
図3Bに示すように、レシート310には、商品のレシート表記名として、例えば、「カレー粉」、「缶ジュース」が表示されている。
【0039】
従って、同一の商品であっても、レシート表記名と管理名とでは名称が異なる場合がある。例えば、
図3Bにおいて、レシート表記名「コーヒー豆」は、データベース110の商品情報300では、「CCプレミアムレギュラーコーヒー豆180g」という管理名で登録されている。
【0040】
よって、商品情報300で商品を管理する管理者はレシートの情報を取得したとしても、商品のレシート表記名は各店舗で管理される名称であるため、レシートに記載されている商品が商品情報300上のどの商品に対応するか判断することができない。また、仮に消費者からレシートに記載されている商品の商品コードを取得できたとしても、レシートには多くの場合、複数の商品が記載されているため、どのレシート表記名がどの商品コードに対応するか、判断するのは困難である。
【0041】
本実施形態に係る購買情報管理システム1において、例えば、解析部111は、データベース110に記憶された上記対応情報と、商品情報330とを参照して、レシート表記名に対応する管理名を特定し、当該管理名に対応する商品コードを特定する。解析部111は、特定した商品コードと、受信した商品コードとが一致するか否かに基づいて、受信した商品コードに対応するレシート表記名を特定する。購買情報管理システム1は、当該特定に基づいて、受信した商品コードとレシート表記名との間の対応関係の情報をデータベース110に記憶する。
【0042】
図2の説明に戻る。判定部112は、サーバ装置10がユーザから端末装置20を介して受信した購買情報が、正規なものであるか否か(購買情報がユーザにより実際に行われた購買に基づくものであるか否か)を判定する。例えば、判定部112は、受信した購買情報に、レシートの画像情報(またはレシート情報)と商品コードの画像情報(又は商品コード)とが含まれているか否かを検証することで、受信した購買情報が正規なものであるか否かを判定することができる。
【0043】
また例えば、判定部112は、解析部111によりレシートの画像情報を解析することにより得られたレシート情報に含まれる商品コードが、データベース110の商品情報に含まれる商品コードと一致するか否かに基づいて、ユーザが商品を購買したか否かを判定してもよい。
【0044】
仕分部113は、まず、解析部111により取得された画像情報から特定される商品コードに基づいて、商品の分類情報を取得する。仕分部113は、取得した分類情報に基づいて、解析部111により取得されたコードの画像情報(又はレシートの画像情報)から特定される商品を所定の分類に仕分する。
【0045】
図3A、
図3B及び
図4を参照して、仕分部113による仕分の処理の詳細な例を説明する。
図4は、データベース110に記憶された分類情報の例を示している。
図4に示すように、分類情報500は、分類コードと、分類名の項目を含む。分類コードは、大(大分類コード)、中(中分類コード)、小(小分類コード)、細(細分類コード)のコードを含む。すなわち、この例において、分類情報500は、商品を階層的に分類する情報を含む。
【0046】
分類情報500は、例えば、分類名「醤油」の大分類コード、中分類コード、小分類コード、細分類コードはそれぞれ、「1」、「1」、「01」、「01」であることを示している。また、分類名「醤油」の分類コードは、(大、中、小、細を組み合わせて)「110101」であることが示されている。さらに、「食品」、「加工食品」、「調味料」の分類コードはそれぞれ、「1」、「11」、「1101」であることが示されている。
【0047】
仕分部113は、まず、解析部111により取得された画像情報から特定される商品コード(例えば、バーコードから特定される商品コード)を取得する。仕分部113は、
図3Aに示す商品情報300を参照し、取得した商品コードに対応付けられた分類コードを取得する。仕分部113はさらに、
図4に示す分類情報500を参照して、取得した分類コードに対応付けられた分類名を特定する。仕分部113は、特定された分類に商品を仕分けする。例えば、解析部111により取得された画像情報から特定される商品コードが「11111」であったとする。この場合、仕分部113は、例えば、商品情報300を参照して、商品コード「11111」と対応付けられた分類コード「110101」を取得する。次に、仕分部113は、分類情報500を参照して、取得した分類コード「110101」に対応付けられた分類名「醤油」を特定する。
【0048】
その後、仕分部113は、特定された分類「醤油」として、商品コード「11111」に対応する商品名(管理名)「ABC薄口醤油」により特定される商品(解析部111により取得されたコードの画像情報から特定される商品)を仕分けしてもよい。または、仕分部113は、特定された分類「醤油」の上位の分類(大分類又は中分類)である「食品」又は「加工食品」として、商品コード「110101」に対応する商品名(管理名)「ABC薄口醤油」により特定される商品を仕分けしてもよい。
【0049】
変形例として、端末装置20から受信した購買情報に含まれるレシートの画像情報がレシート310の画像情報であり、レシート310の画像情報から解析部111により商品名(レシート表記名)「薄口醤油」が特定されたとする。この場合、仕分部113は、解析部111により特定される商品コードに応じて特定される分類に基づいて、解析部111により特定される商品名(レシート表記名)「ABC薄口醤油」に対応する商品を所定の分類に仕分してもよい。このような仕分を行うために、仕分部113は、まず、データベース110を参照して、購買情報に含まれるレシート310の画像情報から特定される商品のレシート表記名と、当該レシート表記名に対応する商品の管理名と、購買情報に含まれる画像情報から特定される商品コードと、当該商品コードに対応する分類コードとの間の対応関係を特定する。仕分部113は、特定された対応関係に基づいて、商品名(レシート表記名)に対応する商品を所定の分類に仕分する。
【0050】
以上のように本実施形態によれば、仕分部113は、解析部111により取得された画像情報から特定される商品コードを取得し、データベース110に記憶された情報(例えば、商品情報300及び分類情報500)を参照して、当該商品コードに対応する分類(分類コード)を特定する。仕分部113は、特定された分類に、商品コード又は商品のレシート表記名から特定される商品を仕分けする。また、一般に、商品名が商品の特徴を表していない場合など、商品名のみから商品を分類することが困難である場合がある。そのため、本実施形態によれば、ユーザが購入した商品をより的確に分類することができる。
【0051】
なお、仕分部113は、サーバ装置10ではなく、端末装置20が備えてもよい。この場合、仕分部113による処理結果は、サーバ装置10に送信され、サーバ装置10による処理に使用される。
【0052】
収支管理部114は、サーバ装置10が端末装置20から受信した情報に基づいて、端末装置20のユーザの収入及び支出の情報をデータベース110へ記録する処理を制御する。例えば、収支管理部114は、仕分部113により仕分された分類の支出に関する情報として、解析部111により特定される商品に関する情報をデータベース110へ記録する。上記の例のように、仕分部113は、商品「薄口醤油」を分類「加工食品」に仕分けしたとする。この場合、収支管理部114は、商品の分類「加工食品」の支出に関する情報として、端末装置20のユーザが商品「薄口醤油」を購入したという支出に関する情報をデータベース110へ記録する。
【0053】
支出に関する情報としてデータベース110に記憶される情報(支出情報)は、レシートの画像情報及びコードの画像情報の解析部111による解析に基づいて特定される情報を含む。また、支出情報は、当該支出に関係するユーザの識別情報と対応付けてデータベース110に記憶される。
【0054】
図5を参照して、データベース110に記憶される支出情報の例を説明する。
図5に示すように、支出情報600は、ユーザID、日付、時間、商品名、分類コード、分類名、価格、電話番号、店舗名、及び地域の項目を含む。
【0055】
ユーザIDは、端末装置20のユーザの識別情報である。日付は、支出(購入)をした日付である。時間は、支出(購入)をした時間である。商品名は、購入をした商品の名称である。分類コードは、購入をした商品の分類コードである。分類名は、購入をした商品の分類名である。価格は、購入をした商品の価格である。電話番号は、商品を購入した店舗の電話番号である。店舗名は、商品を購入した店舗の名称である。地域は、商品を購入した店舗の地域の名称である。
【0056】
図6A及び
図6Bを参照して、ユーザが端末装置20を介して支出情報の登録を要求する方法の例について説明する。
図6A及び
図6Bは、画像出力部207に表示された画像の例を示している。
【0057】
図6Aに示すように、画像700は、領域701、702、703、及び704、並びにボタン705を含む。領域701には、端末装置20のユーザが購入した商品の情報として、商品名、商品の分類、及び商品の価格が表示されている。例えば、領域701には、商品名「コーヒー豆」、分類(大分類)「食費」、分類(中分類)「飲料・酒類」、及び価格「\498」が表示されている。端末装置20が解析部111を備える場合、領域701に表示された商品の情報は、レシートの画像情報及びコード(例えば、バーコード又はその他の画像コード)の画像情報を解析部111が解析することにより取得した情報を含んでもよい。レシートの画像情報及びコードの画像情報は、撮像部209が、商品の購入により発行されたレシート及び購入された商品に表示されたコードを撮像することにより得られる。
【0058】
領域701に表示された商品の情報の右側に表示された「修正」又は「削除」を選択することにより、対応する商品の情報を修正又は削除することができる。
【0059】
領域702に表示された「選択」を選択すると、
図6Bに示す画像710が画像出力部207に表示される。画像710のチェック領域711のうち、変更又は削除したい商品情報の左側に位置する領域を選択し、カテゴリ変更712(分類変更)又は商品削除を選択することにより、選択された商品情報が変更又は削除され、画像出力部207には、画像700が表示される。
【0060】
画像700における一括変更703が選択されると、変更後の分類を選択するための画像が画像出力部207に表示され、領域701に表示された商品情報に係る商品の分類(カテゴリ)の情報を、選択された分類に一括で変更することができる。
【0061】
領域704には、商品の購入(支出)をした日付として「2019/12/01」と表示されている。日付の右側に表示された「変更」ボタンを選択することにより、日付を変更することができる。
【0062】
ボタン705がタップされること等により選択されると、端末装置20のユーザの購買情報が端末装置20からサーバ装置10に送信される。購買情報は、例えば、ユーザ情報(ユーザの識別情報を含む。)と、レシートの画像情報(又はレシートの撮像画像を解析することにより取得されたレシート情報)と、購入された商品に表示されたコードの画像情報とを含む。
【0063】
図7を参照して、購買情報管理システム1により実行される支出情報の記録のための一連の処理の一例を説明する。なお、各処理ステップの詳細は、既に説明しているため、ここでは説明を省略する。
【0064】
ステップS11において、端末装置20は、ユーザによる操作に応じて、商品の購入により発行されたレシートを撮像し、続いて、購入された商品に表示された画像コードを商品ごとに撮像することにより、ユーザが購入した商品のレシートの画像情報及びコードの情報を取得する。
【0065】
ステップS12において、端末装置20は、端末装置20のユーザ情報(ユーザの識別情報を含む。)と、ステップS11で取得したレシートの画像情報及びコードの画像情報と含む購買情報をサーバ装置10へ送信する。サーバ装置10は、端末装置20から購買情報を受信することにより、レシートの画像情報及びコードの画像情報を取得する。
【0066】
ステップS13において、サーバ装置10は、ステップS12において取得されたコードの画像情報を解析することにより得られる商品コードから、又はレシートの画像情報を解析することにより得られる商品名から、商品を特定する。サーバ装置10は、記憶部105に記憶された分類情報に基づいて、上記で特定された商品を所定の分類に仕分けする。
【0067】
ステップS14において、サーバ装置10は、端末装置20から受信した購買情報に基づいて、端末装置20の支出の情報を記憶部105へ記録する。例えば、サーバ装置10は、ステップS13において仕分された分類の支出に関する情報として、ステップS13で特定された商品に関する情報を記憶部105へ記録する。
【0068】
以上のように本実施形態によれば、サーバ装置10は、コードの画像情報から特定される商品コードを取得し、記憶部105に記憶された分類情報を参照して、当該商品コードの少なくとも一部が一致する分類コードの分類名を特定する。サーバ装置10は、特定された分類に、ユーザにより購入された商品を仕分けする。また、一般に、商品名が商品の特徴を表していない場合など、商品名のみから商品を分類することが困難である場合がある。そのため、本実施形態によれば、ユーザが購入した商品をより的確に分類することができる。
【0069】
本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更ないし改良され得るものである。例えば、上述の処理フローにおける各ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で各ステップの一部を省略したり、各処理ステップの順番を任意に変更して又は並列に実行したりすることができる。
【符号の説明】
【0070】
1 購買情報管理システム
10 サーバ装置
20 端末装置
101 制御部
102 CPU
103 メモリ
104 通信部
105 記憶部
201 制御部
204 通信部
205 記憶部
206 音声出力部
207 画像出力部
208 操作入力部
209 撮像部