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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】相性判定システム及び相性判定方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240409BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020054058
(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公開番号】P2021157229
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100125645
【弁理士】
【氏名又は名称】是枝 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100145609
【弁理士】
【氏名又は名称】楠屋 宏行
(74)【代理人】
【識別番号】100149490
【弁理士】
【氏名又は名称】羽柴 拓司
(72)【発明者】
【氏名】仁野 央孝
(72)【発明者】
【氏名】吉田 隆之
(72)【発明者】
【氏名】関 美緒
(72)【発明者】
【氏名】中畔 慎
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特許第5759084(JP,B1)
【文献】特開2018-063535(JP,A)
【文献】特開2013-073420(JP,A)
【文献】特開2006-099627(JP,A)
【文献】国際公開第2019/176909(WO,A1)
【文献】特開2019-046200(JP,A)
【文献】再公表特許第2016/046873(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融機関の利用者同士の相性度を判定する相性判定システムであって、
各利用者の前記金融機関の預金口座の入出金明細データを取得する取得手段と、
利用者間の入出金明細データの類似度を判定する類似度判定手段と、
第1の利用者と第2の利用者との相性度を、第3の利用者及び前記第1の利用者間の前記類似度、並びに前記第3の利用者と所定の継続的な関係性を有する第4の利用者及び前記第2の利用者間の前記類似度に基づいて判定する相性度判定手段と、
前記相性度判定手段による判定結果を出力する出力手段と
を備える、相性判定システム。
【請求項2】
金融機関の利用者同士の相性度を判定する相性判定システムであって、
各利用者の前記金融機関の利用履歴を取得する取得手段と、
利用者間の利用履歴の類似度を判定する類似度判定手段と、
第1の利用者と第2の利用者との相性度を、第3の利用者及び前記第1の利用者間の前記類似度、並びに前記第3の利用者と所定の継続的な関係性を有する第4の利用者及び前記第2の利用者間の前記類似度に基づいて判定する相性度判定手段と、
前記相性度判定手段による判定結果を出力する出力手段と
を備え
前記相性度判定手段は、前記第3の利用者の配偶者である前記第4の利用者及び前記第2の利用者間の前記類似度に基づいて、前記相性度を判定し、
前記類似度判定手段は、前記第3の利用者の婚姻当初期間における利用履歴に基づいて、前記第3の利用者及び前記第1の利用者間の前記類似度を判定する、
相性判定システム。
【請求項3】
前記類似度判定手段は、前記第4の利用者の婚姻当初期間における利用履歴に基づいて、前記第4の利用者及び前記第2の利用者間の前記類似度を判定する、
請求項2に記載の相性判定システム。
【請求項4】
前記相性度判定手段は、婚姻時の年齢が前記第1の利用者の年齢と近い前記第3の利用者を特定し、その特定した前記第3の利用者の配偶者である前記第4の利用者及び前記第2の利用者間の前記類似度に基づいて、前記相性度を判定する、
請求項2又は3に記載の相性判定システム。
【請求項5】
金融機関の利用者同士の相性度を判定する相性判定システムであって、
各利用者の前記金融機関の利用履歴を取得する取得手段と、
利用者間の利用履歴の類似度を判定する類似度判定手段と、
第1の利用者と第2の利用者との相性度を、第3の利用者及び前記第1の利用者間の前記類似度、並びに前記第3の利用者と所定の継続的な関係性を有する第4の利用者及び前記第2の利用者間の前記類似度に基づいて判定する相性度判定手段と、
前記相性度判定手段による判定結果を出力する出力手段と
を備え
前記相性度判定手段は、前記関係性の継続期間の長さに応じて前記相性度を判定する、
相性判定システム。
【請求項6】
金融機関の利用者同士の相性度を判定する相性判定システムであって、
各利用者の前記金融機関の利用履歴を取得する取得手段と、
利用者間の利用履歴の類似度を判定する類似度判定手段と、
第1の利用者と第2の利用者との相性度を、第3の利用者及び前記第1の利用者間の前記類似度、並びに前記第3の利用者と所定の継続的な関係性を有する第4の利用者及び前記第2の利用者間の前記類似度に基づいて判定する相性度判定手段と、
前記相性度判定手段による判定結果を出力する出力手段と
を備え
前記類似度判定手段は、各利用者の支出割合に基づいて前記類似度を判定する、
相性判定システム。
【請求項7】
金融機関の利用者同士の相性度を判定する相性判定システムであって、
各利用者の前記金融機関の利用履歴を取得する取得手段と、
利用者間の利用履歴の類似度を判定する類似度判定手段と、
第1の利用者と第2の利用者との相性度を、第3の利用者及び前記第1の利用者間の前記類似度、並びに前記第3の利用者と所定の継続的な関係性を有する第4の利用者及び前記第2の利用者間の前記類似度に基づいて判定する相性度判定手段と、
前記相性度判定手段による判定結果を出力する出力手段と
前記相性度の変化に寄与する入出金の種別を特定する種別特定手段と
を備え、
前記出力手段は、前記入出金の種別を含む前記判定結果を出力する、
相性判定システム。
【請求項8】
前記相性度判定手段は、前記第1の利用者との間で前記類似度が高い前記第3の利用者を特定し、その特定した前記第3の利用者と所定の継続的な関係性を有する前記第4の利用者及び前記第2の利用者間の前記類似度に基づいて、前記相性度を判定する、
請求項1乃至7の何れかに記載の相性判定システム。
【請求項9】
前記相性度判定手段は、前記第1の利用者との間で前記類似度が低い前記第3の利用者を特定し、その特定した前記第3の利用者と所定の継続的な関係性を有する前記第4の利用者及び前記第2の利用者間の前記類似度に基づいて、前記相性度を判定する、
請求項1乃至8の何れかに記載の相性判定システム。
【請求項10】
コンピュータを用いて、金融機関の利用者同士の相性度を判定する相性判定方法であって、
前記コンピュータが、
各利用者の前記金融機関の預金口座の入出金明細データを取得し、
利用者間の入出金明細データの類似度を判定し、
第1の利用者と第2の利用者との相性度を、第3の利用者及び前記第1の利用者間の前記類似度、並びに前記第3の利用者と所定の継続的な関係性を有する第4の利用者及び前記第2の利用者間の前記類似度に基づいて判定し、
判定結果を出力する、
相性判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関の利用者間の相性を判定する相性判定システム及び相性判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、クレジットカードの利用履歴に基づいて、結婚情報提供希望者などのマッチング希望者とマッチング対象とのマッチングを行うマッチングシステムが開示されている。このマッチングシステムでは、利用額の高い業種が共通するなど、クレジットカードの利用履歴に共通性を有する者同士は相性が良いものと判断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-63535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、クレジットカードの利用履歴に共通性があることと相性が良いこととの間に明確な相関関係は認められないため、上記の従来技術で適切に相性判定ができるとは言い難い。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、実際に相性が良いと考えられるモデルを参考にすることにより、精度の良い相性判定を行うことができる相性判定システム及び相性判定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一の態様の相性判定システムは、金融機関の利用者同士の相性度を判定する相性判定システムであって、各利用者の前記金融機関の利用履歴を取得する取得手段と、利用者間の利用履歴の類似度を判定する類似度判定手段と、第1の利用者と第2の利用者との相性度を、第3の利用者及び前記第1の利用者間の前記類似度、並びに前記第3の利用者と所定の継続的な関係性を有する第4の利用者及び前記第2の利用者間の前記類似度に基づいて判定する相性度判定手段と、前記相性度判定手段による判定結果を出力する出力手段とを備える。
【0007】
前記態様において、前記取得手段は、各利用者の預金口座の入出金明細データを取得し、前記類似度判定手段は、利用者間の入出金明細データの類似度を判定してもよい。
【0008】
前記態様において、前記相性度判定手段は、前記第1の利用者との間で前記類似度が高い前記第3の利用者を特定し、その特定した前記第3の利用者と所定の継続的な関係性を有する前記第4の利用者及び前記第2の利用者間の前記類似度に基づいて、前記相性度を判定してもよい。
【0009】
また、前記態様において、前記相性度判定手段は、前記第1の利用者との間で前記類似度が低い前記第3の利用者を特定し、その特定した前記第3の利用者と所定の継続的な関係性を有する前記第4の利用者及び前記第2の利用者間の前記類似度に基づいて、前記相性度を判定してもよい。
【0010】
また、前記態様において、前記相性度判定手段は、前記第3の利用者の配偶者である前記第4の利用者及び前記第2の利用者間の前記類似度に基づいて、前記相性度を判定してもよい。
【0011】
また、前記態様において、前記類似度判定手段は、前記第3の利用者の婚姻当初期間における利用履歴に基づいて、前記第3の利用者及び前記第1の利用者間の前記類似度を判定してもよい。
【0012】
また、前記態様において、前記類似度判定手段は、前記第4の利用者の婚姻当初期間における利用履歴に基づいて、前記第4の利用者及び前記第2の利用者間の前記類似度を判定してもよい。
【0013】
また、前記態様において、前記相性度判定手段は、婚姻時の年齢が前記第1の利用者の年齢と近い前記第3の利用者を特定し、その特定した前記第3の利用者の配偶者である前記第4の利用者及び前記第2の利用者間の前記類似度に基づいて、前記相性度を判定してもよい。
【0014】
また、前記態様において、前記相性度判定手段は、前記関係性の継続期間の長さに応じて前記相性度を判定してもよい。
【0015】
また、前記態様において、前記類似度判定手段は、各利用者の支出割合に基づいて前記類似度を判定してもよい。
【0016】
また、前記態様において、前記相性度の変化に寄与する入出金の種別を特定する種別特定手段をさらに備え、前記出力手段は、前記入出金の種別を含む前記判定結果を出力してもよい。
【0017】
また、本発明の一の態様の相性判定方法は、金融機関の利用者同士の相性度を判定する相性判定方法であって、各利用者の前記金融機関の利用履歴を取得し、利用者間の利用履歴の類似度を判定し、第1の利用者と第2の利用者との相性度を、第3の利用者及び前記第1の利用者間の前記類似度、並びに前記第3の利用者と所定の継続的な関係性を有する第4の利用者及び前記第2の利用者間の前記類似度に基づいて判定し、判定結果を出力する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、精度の良い相性判定を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】相性判定装置及びその通信先の構成を示すブロック図。
図2】入出金明細データ分析処理の手順を示すフローチャート。
図3】第1相性判定処理の手順を示すフローチャート。
図4】判定結果画面の一例を示す図。
図5】第2相性判定処理の手順を示すフローチャート。
図6】種別特定処理の手順を示すフローチャート。
図7】判定結果画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0021】
本実施の形態では、特定の二者A1,A2間の相性を判定するにあたって、相性が良いと考えられる他の二者B1,B2を参考にする。例えば、A1及びB1が共通性を有しているとともにA2及びB2が共通性を有している場合、A1及びA2はB1及びB2と同様に相性が良いと判断される。また、A1及びB1が共通性を有している一方でA2及びB2が共通性を有していない場合、A1及びA2は相性が良くないと判断される。
【0022】
本実施の形態において、上記の共通性を有しているか否かの判断は、金融機関の利用履歴の一例である預金口座の入出金明細データに基づいて行われる。入出金明細データが類似していれば、すなわち入出金の傾向が類似していれば、両者は共通性を有していると判断される。他方、入出金明細データが類似していなければ、すなわち入出金の傾向が類似していなければ、両者は共通性を有していないと判断される。
【0023】
[相性判定システムの構成]
図1は、本実施の形態の相性判定装置及びその通信先の構成を示すブロック図である。相性判定装置1は、インターネット101を介して利用者端末2と通信する。また、相性判定装置1は、専用線102を介して金融機関システム3と通信する。本実施の形態では、このように利用者端末2及び金融機関システム3と通信可能な相性判定装置1によって相性判定システムが構成されている。
【0024】
相性判定装置1は、CPU、RAM、及びROMを含む制御部を備えるコンピュータで構成されており、この制御部によって後述する各処理が実行される。また、相性判定装置1は、利用者データベース(DB)11、配偶関係DB12、入出金明細DB13、及び入出金傾向DB14の各データベースを有している。
【0025】
利用者DB11は、預金口座の各利用者に関する各種情報を格納するためのデータベースである。具体的には、各利用者の口座番号、年齢、性別、及び職業等の情報が利用者DB11に格納されている。
【0026】
配偶関係DB12は、預金口座の利用者のうち配偶関係(婚姻関係)を有する者同士の組に関する各種情報を格納するためのデータベースである。具体的には、配偶関係にある利用者の口座番号及び婚姻時期等の情報が配偶関係DB12に格納されている。
【0027】
入出金明細DB13は、金融機関システム3の入出金明細DB31から取得した入出金明細データを格納するためのデータベースである。入出金明細データの詳細については後述する。
【0028】
入出金傾向DB14は、各利用者の預金口座における入出金の傾向を示す入出金傾向データを格納するためのデータベースである。この入出金傾向データは、後述する入出金明細データ分析処理により得られる。
【0029】
利用者端末2は、預金口座の各利用者によって用いられる装置であって、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等の携帯電話機、又はタブレット端末等の携帯型端末で構成される。図1に示すとおり、利用者端末2は、インターネット101を介して相性判定装置1と通信可能に接続されており、相性判定装置1との間で各種のデータを送受信する。
【0030】
金融機関システム3は、各預金口座を管理する金融機関によって運用されるコンピュータシステムである。図1に示すとおり、金融機関システム3は、専用線102を介して相性判定装置1と通信可能に接続されており、相性判定装置1との間で各種のデータを送受信する。
【0031】
金融機関システム3は、各預金口座の入出金明細データを格納する入出金明細DB31を有している。入出金明細データには、入出金の別、取引日、取引額、取引内容、及び取引後の残高等が含まれている。ここで、取引内容には、各種振込、各種振替、キャッシュカード・デビットカードの利用、各種公共料金、及び各種手数料等の取引種別 並びに各取引の取引先名等が含まれる。
【0032】
[相性判定システムの動作]
次に、上述したように構成された相性判定装置1を含む各装置の動作について、フローチャート等を参照しながら説明する。以下では、(1)各利用者の入出金明細データを分析するための入出金データ分析処理、(2)利用者同士の相性を判定するための相性判定処理の各処理について説明する。
【0033】
(1)入出金明細データ分析処理
図2は、相性判定装置1によって実行される入出金明細データ分析処理の手順を示すフローチャートである。この入出金明細データ分析処理は、例えば月毎又は3か月毎等のように、所定の時間間隔で繰り返し実行される。なお、預金口座のすべての利用者を分析対象者としてもよく、一部の利用者(例えば分析対象者となることを予め了承した利用者)のみを分析対象者としてもよい。
【0034】
相性判定装置1はまず、分析対象者全員の預金口座の入出金明細データを金融機関システム3から取得し、入出金明細DB13に保存する(S11)。なお、相性判定装置1は、先に実行された入出金明細データ分析処理によってその時点までの入出金明細データを取得済みである。したがって、相性判定装置1は、その差分のみを金融機関システム3から取得して保存すればよい。
【0035】
次に、相性判定装置1は、分析対象者の中から今回の処理対象者を特定し(S12)、その処理対象者の預金口座の入出金明細データを入出金明細DB13から抽出する(S13)。このとき、相性判定装置1は、ステップS11で取得した入出金明細データの差分を抽出する。
【0036】
次に、相性判定装置1は、抽出した入出金明細データを用いて、処理対象者の入出金の傾向を示す入出金傾向データを生成する(S14)。詳述すると、相性判定装置1は、入出金明細データ中の取引内容に基づいて各入出金を特定のカテゴリー(種別)に分類した上で、各カテゴリーに分類された額が入金額全体に占める割合を算出することにより入出金傾向データを生成する。
【0037】
本実施の形態では、“食費”、“光熱費”、“交際費”、“貯蓄”及び“その他”の5つのカテゴリーが設けられている。ここで、給与などのように所定期間毎の入金額がある場合、その入金額から当該期間の支出額の合計を差し引いた額がカテゴリー“貯蓄”に分類される。また、カテゴリー“食費”、“光熱費”及び“交際費”に該当しない支出額の合計はカテゴリー“その他”に分類される。
【0038】
このように、本実施の形態では取引内容に基づいてカテゴリーが設定されているが、本発明はこれに限定されるわけではない。例えば、取引の日時に基づいてカテゴリーを設定することも可能である。その場合、給与振込時から10日以内、10日経過後から20日迄の間等、特定の日を基準として規定される期間をカテゴリーとすることができる。
【0039】
上記のカテゴリーは例示であって、その他にも種々のもの想定可能であることは言うまでもない。例えば、各種手数料の支払の多寡に着目するためにカテゴリー“手数料”を設けてもよく、クレジットカード・デビットカードの利用の多寡に着目するためにカテゴリー“カード”を設けてもよい。
【0040】
上記のとおり、本実施の形態の入出金傾向データは、入金額に対する各カテゴリーの支出及び貯蓄の割合によって構成される。但し、これは一例であって、種々の入出金傾向データが想定可能である。例えば、貯蓄額を分析対象から除外して、支出割合のみから構成される入出金傾向データを採用してもよい。反対に、支出額を分析対象から除外して、貯蓄割合のみから構成される入出金傾向データを採用してもよい。
【0041】
相性判定装置1は、上述したようにして生成した入出金傾向データを入出金傾向DB14に保存し(S15)、全ての分析対象者について処理したか否かを判定する(S16)。未処理の分析対象者がいると判定した場合(S16でNO)、相性判定装置1はステップS12に戻り、それ以降の処理を繰り返す。他方、全ての分析対象者について処理したと判定された場合(S16でYES)、入出金明細データ分析処理が終了する。
【0042】
上記の入出金明細データ分析処理が繰り返し行われることによって、各分析対象者について、過去から現在までの複数の入出金傾向データが生成されることになる。なお、本実施の形態の場合、ステップS11で取得した入出金明細データの差分を用いて入出金明細データ分析処理が実行されているため、それにより得られる入出金傾向データは、前回の入出金明細データ分析処理実行時から今回の入出金明細データ分析処理実行時までにおける入出金の傾向を示すものとなる。これ以外にも、入出金明細データ分析処理の都度、直近の所定の期間(例えば1年間等)に係る入出金明細データを用いることによって、当該期間における入出金の傾向を示す入出金傾向データを得るようにしてもよい。
【0043】
(2)相性判定処理
相性判定処理では、上記の入出金明細データ分析処理により得られた入出金傾向データを用いて、利用者二者間の相性度の判定が行われる。なお、本実施の形態では、配偶関係を有する者同士は相性が良いと仮定し、それらの者と入出金明細データが類似している者同士の相性も良いものと推定する。ここで、入出金明細データの類似の度合いは入出金傾向データに基づいて判断される。
【0044】
上記のとおり、本実施の形態では、配偶関係を有する二者を参考にして他の二者間の相性判定が行われる。したがって、以下で説明する相性判定は、婚姻を希望している二者間の相性判定として有効に活用することができるため、所謂婚活を支援するものとして捉えることができる。
【0045】
本実施の形態では、不特定多数の利用者との間の相性判定を希望する利用者の要求により実行される第1相性判定処理と、特定の利用者との間の相性判定を希望する利用者の要求により実行される第2相性判定処理とが実行される。以下、各処理に分けて説明する。
【0046】
(2-1)第1相性判定処理
図3は、相性判定装置1及び利用者端末2によって実行される第1相性判定処理の手順を示すフローチャートである。不特定多数の利用者との間の相性判定を希望する利用者(以下「判定希望者」という)は、利用者端末2に対して相性判定装置1へのアクセスを指示する。利用者端末2は、その指示に応じて相性判定装置1にアクセスし、相性判定装置1から取得した情報にしたがって判定希望者入力画面を表示部に表示する(S101)。この判定希望者入力画面には、判定希望者の口座番号を入力するための入力欄が設けられている。
【0047】
判定希望者は、利用者端末2を用いて、自身の口座番号を判定希望者入力画面の入力欄に入力する。利用者端末2は、この入力を受け付けると(S102)、判定希望者の口座番号を含む相性判定要求を相性判定装置1に対して送信する(S103)。
【0048】
相性判定装置1は、利用者端末2から送信された相性判定要求を受信すると(S201)、その相性判定要求に含まれる口座番号によって判定希望者を特定し、その判定希望者に対する比較対象者の候補を、利用者DB11及び配偶関係DB12を用いて特定する(S202)。ここで、比較対象者とは、判定希望者と同性であり且つ配偶関係を有している者のうち、入出金明細データから導出される入出金の傾向が判定希望者と類似する者をいう。ステップS202では、利用者DB11及び配偶関係DB12を用いて、判定希望者と同性であり且つ配偶関係を有している者を抽出し、それらの者を比較対象者の候補とする。なお、これ以外にも、所定の条件で利用者DB11から抽出した利用者を比較対象者の候補としてもよい。具体的には、特定の会の会員であることが利用者DB11に格納されている場合に、その会員のみを抽出して比較対象者の候補としてもよい。その他、何らかのパーティのようなイベントの参加履歴が利用者DB11に格納されている場合に、特定のイベントに参加した者を抽出して比較対象者の候補としてもよい。
【0049】
なお、相性判定装置1は、ステップS202において、婚姻時の年齢が判定希望者の年齢と近い(例えば、5歳差以下など)者を比較対象者の候補とする。これにより、当該判定希望者の相性判定を行うにあたって適切な比較対象者を設定することが可能になる。但し、婚姻時の年齢が判定希望者の年齢から離れている者を比較対象者の候補としても構わない。
【0050】
次に、相性判定装置1は、比較対象者の各候補及び判定希望者の入出金傾向データを入出金傾向DB14から抽出し、それらの入出金傾向データに基づいて、比較対象者の各候補と判定希望者との間の入出金の傾向の類似度を判定する(S203)。
【0051】
ステップS203において、相性判定装置1は、比較対象者の各候補の婚姻当初期間における入出金明細データを用いて生成された入出金傾向データを入出金傾向DB14から抽出し、その入出金傾向データを用いて、判定希望者との間の入出金の傾向の類似度を判定する。これにより、近い時期に婚姻を希望する判定希望者にとって適切な相性判定を行うことができる。
【0052】
また、相性判定装置1は、ステップS203において、各カテゴリーの支出及び貯蓄の割合の類似度に基づいて、入出金の傾向の類似度を判定する。例えば、相性判定装置1は、カテゴリー毎に支出等の割合の差に応じて評価点を定め(その差が小さいほど評価点を高くする等)、その評価点の合計により類似度を判定する。
【0053】
相性判定装置1は、ステップS203の判定結果を用いて、入出金の傾向の類似度が最も高い利用者を特定し、当該利用者を、判定希望者に対する比較対象者として設定する(S204)。なお、当該類似度が最も高い者のみを比較対象者とするのではなく、当該類似度が所定の閾値以上の複数の者を比較対象者としてもよい。
【0054】
次に、相性判定装置1は、配偶関係DB12を参照して比較対象者の配偶者を特定し(S205)、さらに判定希望者の相性判定の対象となる判定対象者の候補を特定する(S206)。この判定対象者は、入出金の傾向が比較対象者の配偶者と類似する者をいう。ステップS206では、利用者DB11及び配偶関係DB12を用いて、比較対象者の配偶者と同性(すなわち、判定希望者と異性)であり且つ配偶関係を有していない者を抽出し、それらの者を判定対象者の候補とする。
【0055】
次に、相性判定装置1は、入出金傾向DB14を用いて、判定対象者の各候補と比較対象者の配偶者との間の入出金の傾向の類似度を判定する(S207)。この処理は、上述したステップS203と同様にして実行される。
【0056】
ステップS207において、相性判定装置1は、比較対象者の配偶者の婚姻当初期間における入出金明細データを用いて生成された入出金傾向データを入出金傾向DB14から抽出し、その入出金傾向データを用いて、判定対象者の各候補との間の入出金の傾向の類似度を判定する。これにより、近い時期に婚姻を希望する判定希望者にとって適切な判定対象者を設定することが可能になる。
【0057】
相性判定装置1は、ステップS207の判定結果を用いて、入出金の傾向の類似度が最も高い利用者から順に所定数の利用者を特定し、それらの複数の利用者を、判定対象者として設定する(S208)。
【0058】
次に、相性判定装置1は、判定希望者と比較対象者との間の入出金の傾向の類似度(以下「第1類似度」という)、及び判定対象者と比較対象者の配偶者との間の入出金の傾向の類似度(以下「第2類似度」という)に基づいて、判定希望者と判定対象者との間の相性度を判定する(S209)。
【0059】
ステップS209における相性度の判定には種々の態様が想定されるが、例えば、相性判定装置1は、第1類似度及び第2類似度の合計に応じてランク付けを行い、そのランクに応じて予め定められている相性度を特定することによって相性度の判定を行う。相性度は、例えば0%から100%までの5パーセント刻みの数値で定められる。
【0060】
上記のとおり、本実施の形態では第1及び第2類似度のみによって相性度が判定されているが、その他の要素も加えて相性度を判定してもよい。例えば、比較対象者及びその配偶者の婚姻期間の長さを判定の基礎にしてもよい。この場合、婚姻期間が長いほど比較対象者及びその配偶者の相性が良いと仮定し、それらの者と入出金の傾向が類似する判定希望者及び判定対象者の相性も良いと判断する。具体的には、比較対象者及びその配偶者の婚姻期間の長さが所定値以上のときは第1類似度及び第2類似度の合計に応じて定められるランクを一つ上のランクにするなどの処理が行われる。
【0061】
次に、相性判定装置1は、複数の判定対象者の入出金の傾向の平均値(各カテゴリーにおける支出の割合の平均値)を算出し(S210)、その平均値及びステップS209で得られた相性度を含む判定結果情報を利用者端末2に対して送信する(S211)。
【0062】
利用者端末2は、相性判定装置1から送信された判定結果情報を受信すると(S104)、その判定結果情報に基づいて生成される判定結果画面を表示部に表示する(S105)。図4は、その判定結果画面の一例を示す図である。
【0063】
図4に示すように、利用者端末2の表示部21に表示される判定結果画面には、判定希望者の入出金の傾向を出力する第1出力欄201と、判定希望者と相性が良い利用者のリストを出力する第2出力欄202と、判定希望者と相性が良い利用者の入出金の傾向の平均値を出力する第3出力欄203と、第2出力欄202に示されている利用者の紹介希望を申請するための紹介希望ボタン204が設けられている。
【0064】
第1出力欄201に出力される情報は、入出金傾向DB14に格納されている判定希望者に係る入出金傾向データである。また、第2出力欄202に出力される情報は、ステップS209にて得られた相性度及び利用者DB11に格納されているデータである。また、第3出力欄203に出力される情報は、ステップS210にて算出された入出金の傾向の平均値である。
【0065】
判定希望者は、第2出力欄202を参照することによって、自身と相性が良いと判定された利用者の存在及びその概要を知ることができる。これらの利用者の紹介を希望する場合、判定希望者は、紹介希望ボタン204をクリックする。これにより、利用者端末2から相性判定装置1に対して紹介希望の旨が伝えられ、これを受けた相性判定装置1が当該利用者のより詳細な情報を利用者端末2に対して送信する。その結果、判定希望者は、関心のある利用者の詳細を知ることができる。
【0066】
また、判定希望者は、第3出力欄203を参照することによって、自身と相性が良いと判定された利用者の入出金の傾向を知ることができる。これは、今後配偶者の候補を探すときの参考情報として活用することができる。
【0067】
(2-2)第2相性判定処理
図5は、相性判定装置1及び利用者端末2によって実行される第2相性判定処理の手順を示すフローチャートである。特定の利用者(以下「判定対象者」という)との間の相性判定を希望する判定希望者は、利用者端末2に対して相性判定装置1へのアクセスを指示する。利用者端末2は、その指示に応じて相性判定装置1にアクセスし、相性判定装置1から取得した情報にしたがって判定希望者入力画面を表示部に表示する(S301)。この判定希望者入力画面には、判定希望者及び判定対象者の両者の口座番号を入力するための入力欄が設けられている。
【0068】
判定希望者は、利用者端末2を用いて、自身及び判定対象者の口座番号を判定希望者入力画面の入力欄に入力する。利用者端末2は、この入力を受け付けると(S302)、判定希望者及び判定対象者の口座番号を含む相性判定要求を相性判定装置1に対して送信する(S303)。
【0069】
相性判定装置1は、利用者端末2から送信された相性判定要求を受信すると(S401)、その相性判定要求に含まれる口座番号によって判定希望者を特定し、その判定希望者に対する比較対象者の候補を、利用者DB11及び配偶関係DB12を用いて特定する(S402)。この特定は、第1相性判定処理におけるステップS202と同様にして行われる。
【0070】
次に、相性判定装置1は、比較対象者の各候補と判定希望者との間の入出金の傾向の類似度を判定し(S403)、その判定結果を用いて、判定希望者に対する比較対象者を設定する(S404)。これらの処理は、第1相性判定処理におけるステップS203及びS204と同様にして行われる。
【0071】
次に、相性判定装置1は、比較対象者の配偶者を特定し(S405)、その配偶者と、ステップS401にて受信した相性判定要求に含まれる口座番号によって特定される判定対象者との間の入出金の傾向の類似度を判定する(S406)。これらの処理は、第1相性判定処理におけるステップS205及びS207と同様にして行われる。
【0072】
次に、相性判定装置1は、判定希望者と比較対象者との間の入出金の傾向の類似度(第1類似度)、及び判定対象者と比較対象者の配偶者との間の入出金の傾向の類似度(第2類似度)に基づいて、判定希望者と判定対象者との間の相性度を判定する(S407)。この判定は、第1相性判定処理におけるステップS209と同様にして行われる。
【0073】
次に、相性判定装置1は、相性度の変化に寄与する入出金のカテゴリーを特定するカテゴリー特定処理を実行する(S408)。図6は、そのカテゴリー特定処理の手順を示すフローチャートである。
【0074】
相性判定装置1はまず、判定希望者及び比較対象者の入出金傾向データを参照し、カテゴリー毎に支出(又は貯蓄)の割合の差を算出する(S501)。次に、相性判定装置1は、その差が最大のカテゴリーを特定し(S502)、相性度を高めるために当該カテゴリーの支出を増やすべきか減らすべきかの別を判定する(S503)。ステップS503において、相性判定装置1は、判定希望者の当該割合が比較対象者の当該割合を下回っている場合は支出を増やすべきと判定し、上回っている場合は支出を減らすべきと判定する。
【0075】
図5に戻り、相性判定装置1は、ステップS407で得られた相性度及びカテゴリー特定処理の処理結果を含む判定結果情報を利用者端末2に対して送信する(S409)。
【0076】
利用者端末2は、相性判定装置1から送信された判定結果情報を受信すると(S304)、その判定結果情報に基づいて生成される判定結果画面を表示部に表示する(S305)。図7は、その判定結果画面の一例を示す図である。
【0077】
図7に示すように、利用者端末2の表示部21に表示される判定結果画面には、判定希望者と判定対象者との相性度を出力する第1出力欄205と、その相性度の変化に寄与するカテゴリーを出力する第2出力欄206と、当該カテゴリーの支出を増やすべきか減らすべきかを示す情報を出力する第3出力欄207とが設けられている。
【0078】
第1出力欄205に出力される情報は、ステップS407で得られた相性度である。また、第2出力欄206及び第3出力欄207に出力される情報は、ステップS502及びS503でそれぞれ得られたものである。
【0079】
判定希望者は、第1出力欄205を参照することによって、自らが特定した判定対象者と自身との相性度を知ることができきる。また、第2出力欄206及び第3出力欄207を参照することによって、その判定対象者との相性度を高めるためには、どのカテゴリーの支出を増やすべきか又は減らすべきかを知ることができ、今後の支出行動を検討するにあたって参考にすることができる。
【0080】
なお、上記のカテゴリー特定処理によって特定されるカテゴリーは、現時点での相性度の変化に寄与するものであるが、将来における相性度の変化に寄与するカテゴリーを特定するようにしてもよい。その場合、カテゴリー特定処理において、比較対象者の婚姻当初期間以降の所定の期間における入出金明細データを用いて上記と同様の処理を行えばよい。その結果、将来における相性度の変化に寄与するカテゴリーが特定された場合、上記の第2出力欄206及び第3出力欄207と同様に、「将来にわたり高い相性度を維持するには、以下の支出を増やす(又は減らす)と良いでしょう。」などのメッセージ、及び特定されたカテゴリーを判定結果画面に表示するようにする。このとき、上記の婚姻当初期間以降の所定の期間の指定を判定希望者から受け付け、その指定された期間における比較対象者の入出金明細データを用いて同様の処理を行うようにしてもよい。
【0081】
預金口座の入出金明細データを分析することにより、貯蓄割合が高く支出割合が少ない貯蓄重視型、支出割合が高い散財型、及び、高額の出費があるもののその頻度が多くない一点豪華主義型等の様々なクラスに各利用者を分類することは可能である。これらのクラスを判定結果画面に出力することにより、判定希望者及び/又は判定対象者がどのクラスに属するのかを把握できるようにしてもよい。但し、このクラスを参照するだけでは、各利用者間の相性判定を行うことは困難である。なぜなら、同じクラスに分類されたからといってそれらの利用者の相性が良いとはいえず、また貯蓄重視型及び散財型のように補い合うことが可能なクラスに分類された者同士であれば相性が良いともいえないからである。本実施の形態の場合、上記のとおり、実際に相性が良いと考えられる夫婦をモデルとして参考にしている。これにより、精度の良い相性判定の実現が期待できる。
【0082】
(その他の実施の形態)
上記の実施の形態では、預金口座の利用者同士の相性度を判定しているが、本発明はこれに限定されるわけではなく、種々の金融機関の利用者同士の相性度判定に摘要可能である。例えば、本発明の相性判定システムが、クレジットカード会員同士の相性度を判定することも可能である。その場合、相性判定システムは、クレジットカードの利用履歴をクレジットカード会社のデータベースから取得し、上記の実施の形態における入出金明細データ分析処理と同様の処理を当該利用履歴に施すことによって、クレジットカードの利用の傾向を示す利用傾向データを取得する。それ以降上記の実施の形態と同様に、相性判定システムは、クレジットカードの利用傾向の類似度を用いて、実際に相性が良いと考えられるモデルを参考にしながら、クレジットカード会員同士の相性度を判定する。このように、本発明の相性判定システムは、利用履歴が取得可能であれば、金融機関の利用者同士の相性度を判定することができる。
【0083】
なお、上記の実施の形態では、各利用者について一つの金融機関における利用履歴を用いて処理を行っているが、複数の金融機関における利用履歴を用いるようにしてもよい。したがって、例えば、各利用者の預金口座の入出金明細データ及びクレジットカードの利用履歴を用いて処理を行ってもよく、この場合に預金口座及び/又はクレジットカードの数が複数であっても構わない。
【0084】
上記のとおり、本発明は種々の金融機関の利用者同士の相性度判定に適用可能であり、例えば、ある金融機関の利用者と他の金融機関の利用者との相性度を判定することも可能である。すなわち、A銀行及びB銀行における入出金明細データを用いることによってA銀行の利用者とB銀行の利用者との相性度を判定することができ、また、A銀行の入出金明細データ及びクレジットカード会社Cの利用履歴を用いることによってA銀行の利用者とクレジットカード会社Cの利用者との相性度を判定することもできる。なお、比較対象者及び比較対象者の配偶者についても同様であり、これらの者がどの金融機関の利用者であっても構わない。
【0085】
また、上記の実施の形態では、配偶関係を有する二者(比較対象者及びその配偶者)を参考にして判定希望者と判定対象者との相性を判定しているが、これに限定されるわけではなく、婚姻関係以外の継続的な関係性を利用することも可能である。例えば、恋愛関係又は友人関係を有する二者を参考にして判定希望者と判定対象者との相性を判定するようにしてもよい。これらの関係を有する者同士も、婚姻関係を有する者同士の場合と同様に、相性が良いものと仮定することができるためである。
【0086】
また、上記の実施の形態では、判定希望者と入出金の傾向が類似する者を比較対象者として設定しているが、その反対に、入出金の傾向が類似しない者を比較対象者として設定してもよい。この場合、比較対象者の配偶者と入出金の傾向が類似する判定対象者と、判定希望者との相性は、良くないものと判定することができる。したがって、不特定多数の利用者の中から判定希望者と相性が良くない者を特定したり、特定の判定対象者と判定希望者との相性の悪さを把握したりすることが可能になる。
【0087】
また、上記の実施の形態では、入出金明細データの類似の度合いが入出金傾向データに基づいて判断されているが、これに限定されるわけではない。例えば、預金口座の利用者が自身の入出金明細データに任意の情報(メモなど)を付与できる場合においては、当該情報の付与の頻度等に基づいて入出金明細データの類似の度合いが判断されてもよい(当該情報の付与の頻度の差が小さい入出金明細データは類似の度合いが高いと判断される等)。
【0088】
なお、上記の各実施の形態では、相性判定装置1が1台のコンピュータによって構成されているが、これに限定されるわけではなく、相性判定装置1が複数のコンピュータによる分散システムによって構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 相性判定装置
11 利用者データベース
12 配偶関係データベース
13 入出金明細データベース
14 入出金傾向データベース
2 利用者端末
21 表示部
3 金融機関システム
31 入出金明細データベース
101 インターネット
102 専用線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7