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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】周縁部塗布装置および周縁部塗布方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20240409BHJP
   B05D 1/40 20060101ALI20240409BHJP
   B05D 7/00 20060101ALI20240409BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20240409BHJP
   B05D 3/12 20060101ALI20240409BHJP
   B05C 11/08 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
H01L21/30 564C
B05D1/40 A
B05D7/00 P
B05D3/00 D
B05D3/12 Z
B05C11/08
H01L21/30 564D
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020094883
(22)【出願日】2020-05-29
(65)【公開番号】P2021190572
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2022-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 雅博
(74)【代理人】
【識別番号】100098305
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 祥人
(74)【代理人】
【識別番号】100125704
【弁理士】
【氏名又は名称】坂根 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100187931
【弁理士】
【氏名又は名称】澤村 英幸
(72)【発明者】
【氏名】馬渕 康史
(72)【発明者】
【氏名】後藤 茂宏
(72)【発明者】
【氏名】松 泰司
(72)【発明者】
【氏名】ホー リンダ
【審査官】今井 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-110386(JP,A)
【文献】特開2011-119597(JP,A)
【文献】特開2008-124368(JP,A)
【文献】特開2018-121045(JP,A)
【文献】特開2017-092445(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027、21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持して基板の中心軸周りに基板を回転させる回転保持部と、
前記回転保持部により基板が回転している状態で、基板の一面の周縁部に塗布液を供給することにより基板の一面の中央領域を除く周縁部に塗布膜を形成する塗布液供給部と、
前記塗布液供給部により基板の一面の周縁部に塗布膜が形成された後、撹拌動作を2回以上の予め定められた回数繰り返すように前記回転保持部を制御する制御部とを備え、
前記撹拌動作は、
基板の回転速度が増加するように基板を加速させることと、
基板の加速後、基板の回転速度が減少するように基板を減速させることと、
基板の減速後、基板の回転速度を維持することとを含む、周縁部塗布装置。
【請求項2】
前記予め定められた回数は、前記塗布液供給部により基板の一面の周縁部に形成された塗布膜の流動性が喪失することにより塗布膜が乾燥する回数である、請求項1記載の周縁部塗布装置。
【請求項3】
前記制御部は、2回以上繰り返される前記撹拌動作のうち、最後の撹拌動作においては、基板の回転速度の維持の実行を省略するように前記回転保持部を制御する、請求項1または2記載の周縁部塗布装置。
【請求項4】
前記制御部は、各撹拌動作において、基板の回転加速度の絶対値が基板の回転減速度の絶対値以上になるように前記回転保持部を制御する、請求項1~3のいずれか一項に記載の周縁部塗布装置。
【請求項5】
前記塗布液供給部は、塗布液を吐出する塗布ノズルを含み、
前記制御部は、前記塗布ノズルにより吐出された塗布液の供給位置が基板の周縁部の外縁から内縁に移動するように前記塗布ノズルを第1の方向に移動させた後、前記塗布ノズルにより吐出された塗布液の供給位置が基板の周縁部の内縁から外縁に移動するように前記塗布ノズルを前記第1の方向と反対の第2の方向に移動させる、請求項1~4のいずれか一項に記載の周縁部塗布装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2の方向への移動速度が前記第1の方向への移動速度よりも大きくなるように前記塗布ノズルを移動させる、請求項5記載の周縁部塗布装置。
【請求項7】
回転保持部により基板を保持して基板の中心軸周りに基板を回転させるステップと、
前記回転保持部により基板が回転している状態で、塗布液供給部により基板の一面の周縁部に塗布液を供給することにより基板の一面の中央領域を除く周縁部に塗布膜を形成するステップと、
前記塗布液供給部により基板の一面の周縁部に塗布膜が形成された後、前記回転保持部による撹拌動作を2回以上の予め定められた回数繰り返すステップとを含み、
前記撹拌動作は、
基板の回転速度が増加するように基板を加速させることと、
基板の加速後、基板の回転速度が減少するように基板を減速させることと、
基板の減速後、基板の回転速度を維持することとを含む、周縁部塗布方法。
【請求項8】
前記予め定められた回数は、前記塗布液供給部により基板の一面の周縁部に形成された塗布膜の流動性が喪失することにより塗布膜が乾燥する回数である、請求項7記載の周縁部塗布方法。
【請求項9】
2回以上繰り返される前記撹拌動作のうち、最後の撹拌動作においては、基板の回転速度の維持の実行が省略される、請求項7または8記載の周縁部塗布方法。
【請求項10】
各撹拌動作において、基板の回転加速度の絶対値は基板の回転減速度の絶対値以上である、請求項7~9のいずれか一項に記載の周縁部塗布方法。
【請求項11】
前記塗布膜を形成するステップは、前記塗布液供給部の塗布ノズルにより吐出された塗布液の供給位置が基板の周縁部の外縁から内縁に移動するように前記塗布ノズルを第1の方向に移動させた後、前記塗布ノズルにより吐出された塗布液の供給位置が基板の周縁部の内縁から外縁に移動するように前記塗布ノズルを前記第1の方向と反対の第2の方向に移動させることを含む、請求項7~10のいずれか一項に記載の周縁部塗布方法。
【請求項12】
前記第2の方向への前記塗布ノズルの移動速度は前記第1の方向への前記塗布ノズルの移動速度よりも大きい、請求項11記載の周縁部塗布方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の周縁部に塗布膜を形成する周縁部塗布装置および周縁部塗布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス等の製造におけるリソグラフィ工程では、スピンチャックにより水平に支持された基板が回転される。この状態で、基板の被処理面の略中央部にレジスト液が吐出されることにより、基板の被処理面全体にレジスト膜が形成される。また、基板の周縁部にリンス液が吐出されることにより、周縁部のレジスト膜が除去される。その後、基板が露光および現像されることにより、周縁部を除く基板の中央領域にレジストパターンが形成される。近年では、基板の周縁部に環状の塗布膜がさらに形成される(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許5682521号公報
【文献】特許5779168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板の周縁部塗布においては、基板の中央領域のレジストパターンと周縁部内縁の塗布膜との境界部分で、塗布膜の乾燥が早くなる。これにより、塗布膜の厚みが部分的に大きくなり、周縁部内縁において塗布膜が部分的に盛り上がることが判明した。基板の周縁部の塗布膜は、後の工程においてエッチング等により除去される。しかしながら、塗布膜の盛り上がり部分の厚みが大きい場合には、当該部分が残渣として残留することがある。この場合、基板は欠陥となる。そのため、塗布膜の厚みの均一性を向上させることが求められる。
【0005】
本発明の目的は、基板の周縁部に形成される塗布膜の厚みの均一性を向上させることが可能な周縁部塗布装置および周縁部塗布方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)第1の発明に係る周縁部塗布装置は、基板を保持して基板の中心軸周りに基板を回転させる回転保持部と、回転保持部により基板が回転している状態で、基板の一面の周縁部に塗布液を供給することにより基板の一面の中央領域を除く周縁部に塗布膜を形成する塗布液供給部と、塗布液供給部により基板の一面の周縁部に塗布膜が形成された後、撹拌動作を2回以上の予め定められた回数繰り返すように回転保持部を制御する制御部とを備え、撹拌動作は、基板の回転速度が増加するように基板を加速させることと、基板の加速後、基板の回転速度が減少するように基板を減速させることと、基板の減速後、基板の回転速度を維持することとを含む。
【0007】
この周縁部塗布装置においては、回転保持部により基板が保持され、基板の中心軸周りに基板が回転される。回転保持部により基板が回転している状態で、塗布液供給部により基板の一面の周縁部に塗布液が供給されることにより、基板の一面の中央領域を除く周縁部に塗布膜が形成される。塗布液供給部により基板の一面の周縁部に塗布膜が形成された後、回転保持部による撹拌動作が2回以上の予め定められた回数繰り返される。各撹拌動作においては、基板の回転速度が増加するように基板が加速される。基板の加速後、基板の回転速度が減少するように基板が減速される。基板の減速後、基板の回転速度が維持される。
【0008】
各攪拌動作における基板の加速時には、基板の周縁部の塗布液に加わる遠心力が増加し、基板の減速時には、基板の周縁部の塗布液に加わる遠心力が減少する。したがって、上記の構成によれば、攪拌動作が繰り返されることにより、塗布液に加わる遠心力が繰り返し増減する。そのため、塗布液が基板の周縁部で攪拌される。これにより、基板の周縁部の塗布液が均され、形成される塗布膜が平坦に近づく。
【0009】
また、基板が高速度で長時間回転されると、基板の周縁部に塗布液の乾燥を促進する乱流が発生する。この場合、形成される塗布膜の厚みが部分的に大きくなり、塗布膜が部分的に盛り上がる。これに対し、上記の構成によれば、攪拌動作が繰り返されることにより、基板の周縁部に乱流が発生することが抑制され、塗布液の乾燥が促進することが防止される。これらの結果、基板の周縁部に形成される塗布膜の厚みの均一性を向上させることができる。
【0010】
(2)予め定められた回数は、塗布液供給部により基板の一面の周縁部に形成された塗布膜の流動性が喪失することにより塗布膜が乾燥する回数であってもよい。この場合、基板の周縁部に形成される塗布膜の厚みの均一性をより向上させることができる。
【0011】
(3)制御部は、2回以上繰り返される撹拌動作のうち、最後の撹拌動作においては、基板の回転速度の維持の実行を省略するように回転保持部を制御してもよい。この場合、基板の周縁部に形成される塗布膜の厚みの均一性を向上させつつ、基板処理に要する時間を短縮することができる。
【0012】
(4)制御部は、各撹拌動作において、基板の回転加速度の絶対値が基板の回転減速度の絶対値以上になるように回転保持部を制御してもよい。この場合、基板の回転加速度が大きいので、基板が高速で回転する期間を短縮することが可能になる。そのため、塗布液の乾燥が促進することがより容易に防止される。これにより、基板の周縁部に形成される塗布膜の厚みの均一性をより容易に向上させることができる。
【0013】
(5)塗布液供給部は、塗布液を吐出する塗布ノズルを含み、制御部は、塗布ノズルにより吐出された塗布液の供給位置が基板の周縁部の外縁から内縁に移動するように塗布ノズルを第1の方向に移動させた後、塗布ノズルにより吐出された塗布液の供給位置が基板の周縁部の内縁から外縁に移動するように塗布ノズルを第1の方向と反対の第2の方向に移動させてもよい。この場合、基板の一面の中央領域を除く周縁部に塗布膜を容易に形成することができる。
【0014】
(6)制御部は、第2の方向への移動速度が第1の方向への移動速度よりも大きくなるように塗布ノズルを移動させてもよい。基板の中央領域にレジストパターン等が形成されている場合には、レジストパターンと周縁部内縁の塗布膜との境界部分で塗布膜の乾燥が早くなることにより、周縁部内縁において塗布膜が部分的に盛り上がる。このような場合でも、上記の構成によれば、周縁部外縁における塗布膜の厚みを大きくすることができる。そのため、基板の周縁部に形成される塗布膜が平坦に近づく。これにより、基板の周縁部に形成される塗布膜の厚みの均一性を向上させることができる。
【0015】
(7)第2の発明に係る周縁部塗布方法は、回転保持部により基板を保持して基板の中心軸周りに基板を回転させるステップと、回転保持部により基板が回転している状態で、塗布液供給部により基板の一面の周縁部に塗布液を供給することにより基板の一面の中央領域を除く周縁部に塗布膜を形成するステップと、塗布液供給部により基板の一面の周縁部に塗布膜が形成された後、回転保持部による撹拌動作を2回以上の予め定められた回数繰り返すステップとを含み、撹拌動作は、基板の回転速度が増加するように基板を加速させることと、基板の加速後、基板の回転速度が減少するように基板を減速させることと、基板の減速後、基板の回転速度を維持することとを含む。
【0016】
この周縁部塗布方法によれば、回転保持部により基板が保持され、基板の中心軸周りに基板が回転される。回転保持部により基板が回転している状態で、塗布液供給部により基板の一面の周縁部に塗布液が供給されることにより、基板の一面の中央領域を除く周縁部に塗布膜が形成される。塗布液供給部により基板の一面の周縁部に塗布膜が形成された後、回転保持部による撹拌動作が2回以上の予め定められた回数繰り返される。各撹拌動作においては、基板の回転速度が増加するように基板が加速される。基板の加速後、基板の回転速度が減少するように基板が減速される。基板の減速後、基板の回転速度が維持される。
【0017】
各攪拌動作における基板の加速時には、基板の周縁部の塗布液に加わる遠心力が増加し、基板の減速時には、基板の周縁部の塗布液に加わる遠心力が減少する。したがって、上記の構成によれば、攪拌動作が繰り返されることにより、塗布液に加わる遠心力が繰り返し増減する。そのため、塗布液が基板の周縁部で攪拌される。これにより、基板の周縁部の塗布液が均され、形成される塗布膜が平坦に近づく。
【0018】
また、基板が高速度で長時間回転されると、基板の周縁部に塗布液の乾燥を促進する乱流が発生する。この場合、形成される塗布膜の厚みが部分的に大きくなり、塗布膜が部分的に盛り上がる。これに対し、上記の構成によれば、攪拌動作が繰り返されることにより、基板の周縁部に乱流が発生することが抑制され、塗布液の乾燥が促進することが防止される。これらの結果、基板の周縁部に形成される塗布膜の厚みの均一性を向上させることができる。
【0019】
(8)予め定められた回数は、塗布液供給部により基板の一面の周縁部に形成された塗布膜の流動性が喪失することにより塗布膜が乾燥する回数であってもよい。この場合、基板の周縁部に形成される塗布膜の厚みの均一性をより向上させることができる。
【0020】
(9)2回以上繰り返される撹拌動作のうち、最後の撹拌動作においては、基板の回転速度の維持の実行が省略されてもよい。この場合、基板の周縁部に形成される塗布膜の厚みの均一性を向上させつつ、基板処理に要する時間を短縮することができる。
【0021】
(10)各撹拌動作において、基板の回転加速度の絶対値は基板の回転減速度の絶対値以上であってもよい。この場合、基板の回転加速度が大きいので、基板が高速で回転する期間を短縮することが可能になる。そのため、塗布液の乾燥が促進することがより容易に防止される。これにより、基板の周縁部に形成される塗布膜の厚みの均一性をより容易に向上させることができる。
【0022】
(11)塗布膜を形成するステップは、塗布液供給部の塗布ノズルにより吐出された塗布液の供給位置が基板の周縁部の外縁から内縁に移動するように塗布ノズルを第1の方向に移動させた後、塗布ノズルにより吐出された塗布液の供給位置が基板の周縁部の内縁から外縁に移動するように塗布ノズルを第1の方向と反対の第2の方向に移動させることを含んでもよい。この場合、基板の一面の中央領域を除く周縁部に塗布膜を容易に形成することができる。
【0023】
(12)第2の方向への塗布ノズルの移動速度は第1の方向への塗布ノズルの移動速度よりも大きくてもよい。基板の中央領域にレジストパターン等が形成されている場合には、レジストパターンと周縁部内縁の塗布膜との境界部分で塗布膜の乾燥が早くなることにより、周縁部内縁において塗布膜が部分的に盛り上がる。このような場合でも、上記の方法によれば、周縁部外縁における塗布膜の厚みを大きくすることができる。そのため、基板の周縁部に形成される塗布膜が平坦に近づく。これにより、基板の周縁部に形成される塗布膜の厚みの均一性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、基板の周縁部に形成される塗布膜の厚みの均一性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施の形態に係る周縁部塗布装置の概略断面図である。
図2】基板処理工程における基板を示す側面図である。
図3】基板処理工程における基板を示す側面図である。
図4】基板処理工程における基板を示す側面図である。
図5】基板処理工程における基板を示す側面図である。
図6】基板処理工程における基板を示す側面図である。
図7】基板処理後における基板を示す側面図である。
図8】基板の処理工程における基板の回転速度の変化を示す図である。
図9】第1の実施例の測定結果を示すグラフである。
図10】第2の実施例の測定結果を示すグラフである。
図11】第3の実施例の測定結果を示すグラフである。
図12】第4の実施例の測定結果を示すグラフである。
図13】第5の実施例の測定結果を示すグラフである。
図14】第6の実施例の測定結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(1)周縁部塗布装置
以下、本発明の一実施の形態に係る周縁部塗布装置および周縁部塗布方法について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る周縁部塗布装置の概略断面図である。図1に示すように、周縁部塗布装置100は、回転保持部10、カップ20、塗布液供給部30、リンス液供給部40および制御部50を備える。回転保持部10は、スピンチャック11およびモータ12を含む。スピンチャック11は、モータ12の回転軸12aの先端に取り付けられ、基板Wを水平姿勢で保持した状態で鉛直軸の周りで回転駆動される。
【0027】
カップ20は、スピンチャック11に保持された基板Wの周囲を取り囲むように設けられ、基板Wから飛散する塗布液またはリンス液を受け止める。カップ20の上部には、カップ20の内部に基板Wを導入するための開口部21が形成される。また、カップ20の下部には、廃液口22および排気口23が形成される。廃液口22および排気口23は、工場内の廃液設備および排気設備にそれぞれ接続される。
【0028】
塗布液供給部30は、塗布ノズル31、塗布液貯留部32、配管33およびバルブ34を含む。塗布ノズル31は、配管33を介して塗布液貯留部32と接続される。塗布液貯留部32には、塗布液が貯留される。本実施の形態においては、塗布液は感光性レジスト液であるが、実施の形態はこれに限定されない。塗布液は、非感光性レジスト液であってもよいし、樹脂を含む溶液であってもよい。配管33には、バルブ34が介挿される。
【0029】
塗布ノズル31は、基板Wの周縁部の上方の処理位置とカップ20外の待機位置との間で移動可能に設けられ、基板処理時には処理位置に移動する。この状態で、バルブ34が開放されることにより、塗布液貯留部32から配管33を通して塗布ノズル31に塗布液が供給される。これにより、塗布ノズル31から基板Wの周縁部に塗布液が吐出される。ここで、基板Wの周縁部とは、基板Wの外周部から所定の幅だけ内側の領域をいう。
【0030】
リンス液供給部40は、1個以上(本例では2個)のバックリンスノズル41、リンス液貯留部42、配管43およびバルブ44を含む。各バックリンスノズル41は、基板Wの下方に設けられ、配管43を介してリンス液貯留部42と接続される。リンス液貯留部42には、リンス液が貯留される。リンス液は、例えばPGMEA(propyleneglycol monomethyl ether acetate)、PGME(propyleneglycol monomethyl ether)またはシクロヘキサノン(cyclohexanone)を含む。配管43にはバルブ44が介挿される。
【0031】
基板処理時に、バルブ44が開放されることにより、リンス液貯留部42から配管43を通して各バックリンスノズル41にリンス液が供給される。この場合、各バックリンスノズル41から基板Wの裏面(被処理面と反対側の面)にリンス液が吐出される。これにより、基板Wの裏面が洗浄される。
【0032】
制御部50は、例えばCPU(中央演算処理装置)を含み、塗布ノズル31の移動を制御する。また、制御部50は、モータ12の回転速度を制御することにより、スピンチャック11により保持された基板Wの回転速度を制御する。さらに、制御部50は、バルブ34,44の開閉を制御することにより、塗布液およびリンス液の吐出タイミングをそれぞれ制御する。
【0033】
(2)基板処理の概要
図2図6は、基板処理工程における基板を示す側面図である。図2に示すように、基板Wは、被処理面が上方を向くようにスピンチャック11により保持される。ここで、基板Wの周縁部を除く被処理面の中央領域には、図示しないレジストパターンが形成されている。次に、図1のモータ12により基板Wが回転される。
【0034】
続いて、塗布ノズル31が待機位置から基板Wの外上方の位置に移動された後、図2に矢印Aで示すように、基板Wの中心に向かって移動される。以下、基板Wの外方から基板Wの中心に向かって塗布ノズル31が移動されることをスキャンインと呼ぶ。図3に示すように、スキャンインにおいて、塗布ノズル31が基板Wの周縁部の外縁近傍の上方の位置に到達した時点で、塗布ノズル31からの塗布液の吐出が開始される。
【0035】
塗布ノズル31が基板Wの周縁部の内縁近傍の上方の位置まで移動された時点で、図4に矢印Bで示すように、基板Wの外方に向かって移動される。以下、基板Wの中心から基板Wの外方に向かって塗布ノズル31が移動されることをスキャンアウトと呼ぶ。図5に示すように、スキャンアウトにおいて、塗布ノズル31が基板Wの周縁部の上方近傍の位置に到達した時点で、塗布ノズル31からの塗布液の吐出が停止される。その後、塗布ノズル31が待機位置に移動される。
【0036】
基板Wの周縁部の塗布膜が乾燥した後、図6に示すように、バックリンスノズル41からリンス液が基板Wの裏面に吐出される。これにより、基板Wの裏面が洗浄されるとともに、基板Wのベベル部の塗布膜が除去される。その後、リンス液が乾燥されることにより、基板処理が終了する。
【0037】
上記の制御によれば、塗布ノズル31により吐出された塗布液の供給位置が基板Wの周縁部の外縁から内縁に移動するスキャンインの後、塗布液の供給位置が基板Wの周縁部の内縁から外縁に移動するスキャンアウトが実行される。これにより、基板Wの被処理面の中央領域を除く周縁部に塗布膜が形成される。本例では、スキャンアウトにおける塗布ノズル31の移動速度は、スキャンインにおける塗布ノズル31の移動速度よりも大きい。
【0038】
図7は、基板処理後における基板Wを示す側面図である。上記の基板処理においては、基板Wの中央領域のレジストパターンと周縁部内縁の塗布膜との境界部分で、塗布膜の乾燥が早くなる。これにより、図7に示すように、塗布膜の厚みが部分的に大きくなり、周縁部内縁において塗布膜が盛り上がる。この塗布膜における盛り上がった部分をハンプと呼ぶ。基板Wの周縁部の塗布膜は、周縁部塗布装置100の外部で行われる後の工程においてエッチング等により除去される。
【0039】
しかしながら、ハンプの厚みが大きい場合には、ハンプの部分が残渣として残留することがある。この場合、基板Wは欠陥となる。そこで、基板処理においては、塗布膜の平均膜厚h1に対するハンプ厚h2(以下、膜厚比と呼ぶ。)を低減するための撹拌動作が実行される。なお、平均膜厚h1とは、塗布膜におけるハンプを除いた部分の厚みの平均値を意味する。また、ハンプ厚h2とは、ハンプの最大の厚みを意味する。以下、基板処理の詳細について説明する。
【0040】
(3)基板処理の詳細
図8は、基板Wの処理工程における基板Wの回転速度の変化を示す図である。図8に示すように、初期時点t0においては、基板Wは静止している。すなわち、基板Wの回転速度は0rpmである。また、図1のバルブ34,44は閉止されている。まず、基板Wの回転が開始されることにより、基板Wの回転速度が増加され、時点t1で例えば100rpmの一定回転速度に到達する。基板Wの回転速度は、時点t2まで維持される。
【0041】
また、図1の塗布ノズル31のスキャンインおよびスキャンアウトが順次実行される。ここで、時点t1でバルブ34が開放されることにより基板Wの周縁部に塗布液の吐出が開始され、時点t2でバルブ34が閉止されることにより塗布液の吐出が停止される。これにより、基板Wの周縁部に塗布膜が形成される。時点t1から時点t2までの工程を吐出工程と呼ぶ。
【0042】
時点t2で、基板Wの回転速度が急激に増加される。これにより、時点t3で基板Wの回転速度が例えば3000rpmに到達する。時点t2から時点t3までの工程を加速工程と呼ぶ。また、以下、加速工程における基板Wの回転加速度を単に基板Wの回転加速度と呼ぶ。基板Wの回転加速度は、例えば5000rpm/秒以上であり、本例では25000rpm/秒である。
【0043】
時点t3において、基板Wの回転速度が短い時間(例えば0秒よりも大きくかつ1秒以下)維持された後、基板Wの回転速度が急激に減少される。これにより、時点t4で基板Wの回転速度が例えば1000rpm以下(本例では500rpm)に到達する。時点t4で基板Wの回転速度が500rpm未満(例えば0rpm)に減少されてもよい。
【0044】
時点t3から時点t4までの工程を減速工程と呼ぶ。また、以下、減速工程における基板Wの回転減速度を単に基板Wの回転減速度と呼ぶ。本例では、基板Wの回転減速度の絶対値は基板Wの回転加速度の絶対値と略等しいが、実施の形態はこれに限定されない。基板Wの回転減速度の絶対値は、基板Wの回転加速度の絶対値より小さくてもよい。
【0045】
続いて、時点t4から時点t5の間、基板Wの回転速度が一定に維持される。時点t4と時点t5との間の時間は、例えば0.01秒以上10秒以下であり、本例では0.15秒である。時点t4から時点t5までの工程を速度維持工程と呼ぶ。速度維持工程は、基板Wの周縁部に形成された塗布膜の厚みを調整するための工程である。そのため、速度維持工程の時間は、塗布膜の所望の厚みに応じて決定される。
【0046】
加速工程、減速工程および速度維持工程における回転保持部10の一連の動作が撹拌動作となる。時点t5の後、撹拌動作が複数回繰り返される。ここで、撹拌動作の繰り返し回数は、基板Wの周縁部に形成された塗布膜の流動性が喪失することにより塗布膜が乾燥する回数として予め定められている。本例では、撹拌動作の繰り返し回数は5回であるが、撹拌動作の繰り返し回数は2回以上であれば5回でなくてもよい。また、本例では、最後に実行される減速工程の後の速度維持工程の実行は省略される。この場合、基板Wの周縁部に形成される塗布膜の厚みの均一性を向上させつつ、基板処理に要する時間を短縮することができる。
【0047】
最後(本例では5回目)の撹拌動作における減速工程が実行された後、時点t6で基板Wの回転速度が例えば400rpmの一定回転速度に到達する。この状態で、バルブ44が開放されることにより、基板Wの裏面にリンス液の吐出が開始される。これにより、基板Wの裏面が洗浄されるとともに、基板Wのベベル部の塗布膜が除去される。次に、時点t7で基板Wの回転速度が増加され、時点t8で例えば800rpmの一定回転速度に到達する。
【0048】
続いて、時点t9でバルブ44が閉止されることにより、リンス液の吐出が停止される。また、基板Wの回転速度が増加され、時点t10で例えば2000rpmに到達する。これにより、基板Wが乾燥される。その後、時点t11で基板Wの回転速度が減少される。時点t12で基板Wの回転が停止することにより、基板処理が終了する。
【0049】
(4)効果
本実施の形態に係る周縁部塗布装置100においては、回転保持部10により基板Wが保持され、基板Wの中心軸周りに基板Wが回転される。回転保持部10により基板Wが回転している状態で、塗布液供給部30により基板Wの被処理面の周縁部に塗布液が供給されることにより、基板Wの被処理面の中央領域を除く周縁部に塗布膜が形成される。塗布液供給部30により基板Wの被処理面の周縁部に塗布膜が形成された後、回転保持部10による撹拌動作が2回以上の予め定められた回数繰り返される。各撹拌動作においては、基板Wの回転速度が増加するように基板Wが加速される。基板Wの加速後、基板Wの回転速度が減少するように基板Wが減速される。基板Wの減速後、基板Wの回転速度が維持される。
【0050】
各攪拌動作における基板Wの加速時には、基板Wの周縁部の塗布液に加わる遠心力が増加し、基板Wの減速時には、基板Wの周縁部の塗布液に加わる遠心力が減少する。したがって、上記の構成によれば、攪拌動作が繰り返されることにより、塗布液に加わる遠心力が繰り返し増減する。そのため、塗布液が基板Wの周縁部で攪拌される。これにより、基板Wの周縁部の塗布液が均され、形成される塗布膜が平坦に近づく。
【0051】
また、基板Wが高速度で長時間回転されると、基板Wの周縁部に塗布液の乾燥を促進する乱流が発生する。この場合、形成される塗布膜の厚みが部分的に大きくなり、塗布膜が部分的に盛り上がる。これに対し、上記の構成によれば、攪拌動作が繰り返されることにより、基板Wの周縁部に乱流が発生することが抑制され、塗布液の乾燥が促進することが防止される。これらの結果、基板Wの周縁部に形成される塗布膜の厚みの均一性を向上させることができる。
【0052】
各撹拌動作において、基板Wの回転加速度の絶対値は、基板Wの回転減速度の絶対値以上である。この場合、基板Wの回転加速度が大きいので、基板Wが高速で回転する期間を短縮することが可能になる。そのため、塗布液の乾燥が促進することがより容易に防止される。これにより、基板Wの周縁部に形成される塗布膜の厚みの均一性をより容易に向上させることができる。
【0053】
また、スキャンアウトにおける塗布ノズル31の移動速度は、スキャンインにおける移動速度よりも大きい。この場合、基板Wの周縁部外縁における塗布膜の厚みを大きくすることができる。そのため、基板Wの周縁部に形成される塗布膜が平坦に近づく。これにより、基板Wの周縁部に形成される塗布膜の厚みの均一性をより向上させることができる。
【0054】
(5)他の実施の形態
(a)上記実施の形態において、2回以上繰り返される撹拌動作のうち、最後の撹拌動作の速度維持工程の実行は省略されるが、実施の形態はこれに限定されない。最後の撹拌動作の速度維持工程は実行されてもよい。
【0055】
(b)上記実施の形態において、基板Wの回転減速度の絶対値は基板Wの回転加速度の絶対値以下であるが、実施の形態はこれに限定されない。基板Wの回転減速度の絶対値は、基板Wの回転加速度の絶対値よりも大きくてもよい。
【0056】
(c)上記実施の形態において、スキャンアウトにおける塗布ノズル31の移動速度はスキャンインにおける塗布ノズル31の移動速度よりも大きいが、実施の形態はこれに限定されない。スキャンアウトにおける塗布ノズル31の移動速度は、スキャンインにおける塗布ノズル31の移動速度以下であってもよい。また、塗布膜の形成時に塗布ノズル31のスキャンインおよびスキャンアウトが行われず、塗布ノズル31が定位置に固定されてもよい。
【0057】
(d)上記実施の形態において、塗布ノズル31は塗布液の吐出口が下方を向くように直立した状態で設けられるが、実施の形態はこれに限定されない。塗布ノズル31は、塗布液の吐出口が斜め下外方を向くように傾斜した状態で設けられてもよい。
【0058】
(6)実施例
第1の実施例では、速度維持工程の継続時間を変化させた場合の平均膜厚h1、ハンプ厚h2および膜厚比の変化を測定した。図9は、第1の実施例の測定結果を示すグラフである。図9の横軸は速度維持工程の継続時間を示し、縦軸は平均膜厚h1、ハンプ厚h2または膜厚比を示す。なお、第1の実施の形態における撹拌動作の繰り返し工程は5回であり、後述する第3~第6の実施の形態においても同様である。
【0059】
図9に示すように、速度維持工程の継続時間を長くすると、平均膜厚h1は大きくなるように変化し、ハンプ厚h2はほとんど変化しなかった。これらの結果、速度維持工程の継続時間を長くすると、膜厚比は小さくなるように変化した。そのため、速度維持工程の継続時間を長くすることにより、膜厚比を小さくできることが確認された。
【0060】
第2の実施例では、撹拌動作の実行回数を変化させた場合の平均膜厚h1、ハンプ厚h2および膜厚比の変化を測定した。図10は、第2の実施例の測定結果を示すグラフである。図10の横軸は撹拌動作の実行回数を示し、縦軸は平均膜厚h1、ハンプ厚h2または膜厚比を示す。
【0061】
図10に示すように、撹拌動作の実行回数を変化させても、平均膜厚h1はほとんど変化しなかった。一方、撹拌動作の実行回数を増加させるとハンプ厚h2は小さくなるように変化し、撹拌動作の実行回数が一定数以上になるとハンプ厚h2はほとんど変化しなかった。これらの結果、撹拌動作の実行回数を増加させると膜厚比は小さくなるように変化し、撹拌動作の実行回数が一定数以上になると膜厚比はほとんど変化しなかった。そのため、撹拌動作を一定数繰り返すことにより、平均膜厚h1を維持しつつ膜厚比を小さくできることが確認された。
【0062】
第3の実施例では、加速工程後における基板Wの回転速度を変化させた場合の平均膜厚h1、ハンプ厚h2および膜厚比の変化を測定した。図11は、第3の実施例の測定結果を示すグラフである。図11の横軸は加速工程後における基板Wの回転速度を示し、縦軸は平均膜厚h1、ハンプ厚h2または膜厚比を示す。
【0063】
図11に示すように、加速工程後における基板Wの回転速度を大きくすると、平均膜厚h1およびハンプ厚h2は小さくなるように変化した。これらの結果、加速工程後における基板Wの回転速度を大きくしても、膜厚比はほとんど変化しなかった。そのため、加速工程後における基板Wの回転速度は、膜厚比の低減にはほとんど寄与しないことが確認された。
【0064】
第4の実施例では、基板Wの回転加速度を変化させた場合の平均膜厚h1、ハンプ厚h2および膜厚比の変化を測定した。図12は、第4の実施例の測定結果を示すグラフである。図12の横軸は基板Wの回転加速度を示し、縦軸は平均膜厚h1、ハンプ厚h2または膜厚比を示す。
【0065】
図12に示すように、基板Wの回転加速度を増加させると平均膜厚h1は大きくなるように変化し、回転加速度が一定値以上になると平均膜厚h1はほとんど変化しなかった。一方、回転加速度を増加させても、ハンプ厚h2はほとんど変化しなかった。これらの結果、回転加速度を増加させると膜厚比は小さくなるように変化し、回転加速度が一定数以上になると膜厚比はほとんど変化しなかった。そのため、基板Wの回転加速度を一定値以上にすることにより、膜厚比を小さくできることが確認された。
【0066】
第5の実施例では、速度維持工程における基板Wの回転速度を変化させた場合の平均膜厚h1、ハンプ厚h2および膜厚比の変化を測定した。図13は、第5の実施例の測定結果を示すグラフである。図13の横軸は速度維持工程における基板Wの回転速度を示し、縦軸は平均膜厚h1、ハンプ厚h2または膜厚比を示す。
【0067】
図13に示すように、速度維持工程における基板Wの回転速度を大きくすると、平均膜厚h1は小さくなるように変化し、ハンプ厚h2は大きくなるように変化した。これらの結果、速度維持工程における基板Wの回転速度を大きくすると、膜厚比は小さくなるように変化した。そのため、速度維持工程における基板Wの回転速度を小さくすることにより、膜厚比を小さくできることが確認された。
【0068】
第6の実施例では、吐出工程における基板Wの回転速度を変化させた場合の平均膜厚h1、ハンプ厚h2および膜厚比の変化を測定した。図14は、第6の実施例の測定結果を示すグラフである。図14の横軸は吐出工程における基板Wの回転速度を示し、縦軸は平均膜厚h1、ハンプ厚h2または膜厚比を示す。
【0069】
図14に示すように、吐出工程における基板Wの回転速度を大きくしても、平均膜厚h1は変化せず、ハンプ厚h2はほとんど変化しなかった。これらの結果、吐出工程における基板Wの回転速度を大きくしても、膜厚比はほとんど変化しなかった。そのため、吐出工程における基板Wの回転速度は、膜厚比の低減にはほとんど寄与しないことが確認された。
【0070】
(7)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応関係
上記実施の形態において、回転保持部10が回転保持部の例であり、塗布液供給部30が塗布液供給部の例であり、制御部50が制御部の例であり、塗布ノズル31が塗布ノズルの例である。
【符号の説明】
【0071】
10…回転保持部,11…スピンチャック,12…モータ,12a…回転軸,20…カップ,21…開口部,22…廃液口,23…排気口,30…塗布液供給部,31…塗布ノズル,32…塗布液貯留部,33,43…配管,34,44…バルブ,40…リンス液供給部,41…バックリンスノズル,42…リンス液貯留部,50…制御部,100…周縁部塗布装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図14