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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】半導体装置とその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/872 20060101AFI20240409BHJP
   H01L 29/24 20060101ALI20240409BHJP
   H01L 21/329 20060101ALI20240409BHJP
   H01L 29/861 20060101ALI20240409BHJP
   H01L 29/868 20060101ALI20240409BHJP
   H01L 29/12 20060101ALI20240409BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20240409BHJP
   H01L 21/425 20060101ALI20240409BHJP
   H01L 29/47 20060101ALI20240409BHJP
   H01L 21/477 20060101ALI20240409BHJP
   H01L 21/265 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
H01L29/86 301F
H01L29/86 301D
H01L29/24
H01L29/86 301P
H01L29/91 K
H01L29/91 F
H01L29/91 C
H01L29/91 A
H01L29/78 652T
H01L29/78 653A
H01L29/78 652G
H01L21/425
H01L29/48 D
H01L21/477
H01L21/265 Z
H01L21/265 W
H01L21/265 601A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020157824
(22)【出願日】2020-09-18
(65)【公開番号】P2022051379
(43)【公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(73)【特許権者】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三宅 裕樹
【審査官】石塚 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-200222(JP,A)
【文献】特開2019-14639(JP,A)
【文献】特開2019-67915(JP,A)
【文献】特開2018-137393(JP,A)
【文献】特開2013-56803(JP,A)
【文献】国際公開第2018/150451(WO,A1)
【文献】特開2019-41107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/872
H01L 29/24
H01L 21/329
H01L 29/861
H01L 29/12
H01L 29/78
H01L 21/425
H01L 29/47
H01L 21/477
H01L 21/265
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置であって、
酸化ガリウム系半導体によって構成されているn型の第1半導体層と、
酸化ガリウム系半導体によって構成されており、前記第1半導体層に接しており、前記第1半導体層の電気的アクティブドナー濃度よりも高い電気的アクティブドナー濃度を有するn型の第2半導体層、
を有し、
前記第1半導体層のドナー濃度と前記第2半導体層のドナー濃度との差が、前記第1半導体層の前記電気的アクティブドナー濃度と前記第2半導体層の前記電気的アクティブドナー濃度の差よりも小さく、
前記第1半導体層が、
前記第2半導体層に接している遷移層と、
前記遷移層に接しており、前記遷移層によって前記第2半導体層から分離されているドリフト層、
を有しており、
前記第2半導体層の前記電気的アクティブドナー濃度が、1×10 18 /cm 以上であり、
前記遷移層の電気的アクティブドナー濃度が、1×10 18 /cm 未満であり、
前記ドリフト層の電気的アクティブドナー濃度が、前記遷移層の前記電気的アクティブドナー濃度未満であり、
前記遷移層内の前記電気的アクティブドナー濃度が、前記第2半導体層から前記ドリフト層に向かうにしたがって低下するように分布しており、
前記第2半導体層と前記遷移層と前記ドリフト層の積層方向において、前記遷移層内の前記電気的アクティブドナー濃度の変化率が1μmあたり1×10 15 /cm 以上であり、
前記積層方向において、前記ドリフト層内の前記電気的アクティブドナー濃度の変化率が1μmあたり1×10 15 /cm 未満であり、
前記遷移層の厚さが、0.1μm以上である、
半導体装置。
【請求項2】
半導体装置の製造方法であって、
酸化ガリウム系半導体によって構成されているn型の半導体基板をアニールすることによって前記半導体基板内の一部の領域の電気的アクティブドナー濃度を低下させる工程であって、前記半導体基板内に、前記電気的アクティブドナー濃度が低下した前記領域によって構成される第1半導体層と、前記第1半導体層よりも電気的アクティブドナー濃度が高いとともに前記第1半導体層に接する第2半導体層が形成される工程、
を有し、
前記半導体基板をアニールする前記工程が、
前記半導体基板に酸素イオンを注入する工程と、
前記酸素イオンを注入する前記工程の後に、前記半導体基板をアニールする工程、
を有する、製造方法。
【請求項3】
半導体装置の製造方法であって、
酸化ガリウム系半導体によって構成されているn型の半導体基板をアニールすることによって前記半導体基板内の一部の領域の電気的アクティブドナー濃度を低下させる工程であって、前記半導体基板内に、前記電気的アクティブドナー濃度が低下した前記領域によって構成される第1半導体層と、前記第1半導体層よりも電気的アクティブドナー濃度が高いとともに前記第1半導体層に接する第2半導体層が形成される工程、
を有し、
前記半導体基板をアニールする前記工程が、
H、Li、Be、N、Na、Mg、P、S、K、Ca、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、As、Se、Rb、Sr、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Sb、Te、Cs、Ba、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Fr、Raからなる群から選択される少なくとも1種のイオンを前記半導体基板に注入する工程と、
前記少なくとも1種のイオンを前記半導体基板に注入する前記工程の後に、前記半導体基板をアニールする工程、
を有する、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の技術は、半導体装置とその製造方法に関する。
【0002】
特許文献1には、酸化ガリウム系半導体によって構成された半導体装置が開示されている。この半導体装置は、n型半導体層とi型半導体層を有している。i型半導体層は、n型半導体層上にCVD(chemical vapor deposition)によって形成される。i型半導体層中のドナー濃度は、n型半導体層中のドナー濃度よりも低い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-041107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような酸化ガリウム系半導体においては、半導体層の界面でクラックが生じ易い。また、特許文献1の半導体装置では、ドナー濃度が高いn型半導体層とドナー濃度が低いi型半導体層の間で格子定数の差が大きい。このように格子定数が大きく異なる半導体層同士が接しているため、n型半導体層とi型半導体層の界面に高い応力が生じている。したがって、特許文献1の半導体装置は、n型半導体層とi型半導体層の界面でクラックが生じ易い。例えば、半導体装置の製造中や使用中において、半導体基板の温度が変化するときに、n型半導体層とi型半導体層の界面でクラックが生じる場合がある。本明細書では、酸化ガリウム系半導体により構成された半導体装置において、キャリア濃度が異なる2つの半導体層の界面におけるクラックを抑制する技術を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する半導体装置は、第1半導体層と第2半導体層を有する。第1半導体層は、酸化ガリウム系半導体によって構成されているn型の半導体層である。第2半導体層は、酸化ガリウム系半導体によって構成されており、前記第1半導体層に接しており、前記第1半導体層の電気的アクティブドナー濃度よりも高い電気的アクティブドナー濃度を有するn型の半導体層である。前記第1半導体層のドナー濃度と前記第2半導体層のドナー濃度との差が、前記第1半導体層の前記電気的アクティブドナー濃度と前記第2半導体層の前記電気的アクティブドナー濃度の差よりも小さい。
【0006】
なお、酸化ガリウム系半導体は、ガリウムと酸素を含む化合物により構成された半導体である。酸化ガリウム系半導体には、例えば、Ga、(InAlGa)等が含まれる。
【0007】
また、電気的アクティブドナー濃度とは、半導体中に含まれるドナーのうち電気的にアクティブ(活性)なドナーの濃度を意味する。
【0008】
また、本明細書において、「第1半導体層のドナー濃度と第2半導体層のドナー濃度との差」と「第1半導体層の電気的アクティブドナー濃度と第2半導体層の電気的アクティブドナー濃度の差」は、絶対値を意味する。
【0009】
この半導体装置では、第2半導体層の電気的アクティブドナー濃度が、第1半導体層の電気的アクティブドナー濃度よりも高い。このため、第2半導体層のキャリア濃度が、第1半導体層のキャリア濃度よりも高い。すなわち、この半導体装置では、キャリア濃度が異なる第1半導体層と第2半導体層が互いに接している構造を有している。また、この半導体装置では、第1半導体層のドナー濃度と第2半導体層のドナー濃度との差が、第1半導体層の電気的アクティブドナー濃度と第2半導体層の電気的アクティブドナー濃度の差よりも小さい。すなわち、第1半導体層と第2半導体層の間におけるドナー濃度の差が、これらの間における電気的アクティブドナー濃度の差ほど大きくない。このため、第1半導体層と第2半導体層の間における格子定数の差が小さい。このため、第1半導体層と第2半導体層の間の界面に生じる応力が小さい。したがって、第1半導体層と第2半導体層の界面におけるクラックの発生が抑制される。このように、第1半導体層と第2半導体層の間で電気的アクティブドナー濃度に差を設ける一方でドナー濃度の差を小さくすることで、第1半導体層と第2半導体層の間にキャリア濃度の差を設けながらこれらの間の界面に発生する応力を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】半導体装置10の断面図。
図2】半導体基板12中のドナー濃度及び電気的アクティブドナー濃度の積層方向における分布を示すグラフ。
図3】実施例1の製造方法を示すフローチャート。
図4】加工前の半導体基板12の断面図と、ドナー濃度及び電気的アクティブドナー濃度の積層方向における分布を示すグラフ。
図5】アニールによる電気的アクティブドナー濃度の変化を示すグラフ。
図6】実施例2の製造方法を示すフローチャート。
図7】実施例3の製造方法を示すフローチャート。
図8】比較例の半導体基板中のドナー濃度及び電気的アクティブドナー濃度の積層方向における分布を示すグラフ。
図9】実施形態の構造をジャンクションバリアショットキーダイオードに適用した例を示す断面図。
図10】実施形態の構造をpnダイオードに適用した例を示す断面図。
図11】実施形態の構造をMOSFETに適用した例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書が開示する技術要素を、以下に列記する。なお、以下の各技術要素は、それぞれ独立して有用なものである。
【0012】
本明細書が開示する一例の半導体装置では、前記第1半導体層が、前記第2半導体層に接している遷移層と、前記遷移層に接しているとともに前記遷移層によって前記第2半導体層から分離されているドリフト層を有していてもよい。前記第2半導体層の前記電気的アクティブドナー濃度が、1×1018/cm以上であってもよい。前記遷移層の電気的アクティブドナー濃度が、1×1018/cm未満であってもよい。前記ドリフト層の電気的アクティブドナー濃度が、前記遷移層の電気的アクティブドナー濃度未満であってもよい。前記遷移層内の前記電気的アクティブドナー濃度が、前記第2半導体層から前記ドリフト層に向かうにしたがって低下するように分布していてもよい。前記第2半導体層と前記遷移層と前記ドリフト層の積層方向において、前記遷移層内の前記電気的アクティブドナー濃度の変化率が1μmあたり1×1015/cm以上であってもよい。前記積層方向において、前記ドリフト層内の前記電気的アクティブドナー濃度の変化率が1μmあたり1×1015/cm未満であってもよい。前記遷移層の厚さが、0.1μm以上であってもよい。
【0013】
このように、第1半導体層と第2半導体層の界面に電気的アクティブドナー濃度が変化する遷移層を厚く設けることで、第1半導体層と第2半導体層の界面に生じる応力をより効果的に抑制することができる。
【0014】
本明細書が開示する一例の半導体装置は、下記の製造方法によって製造されてもよい。この製造方法は、酸化ガリウム系半導体によって構成されているn型の半導体基板をアニールすることによって前記半導体基板内の一部の領域の電気的アクティブドナー濃度を低下させる工程を有していてもよい。この工程では、前記半導体基板内に、前記電気的アクティブドナー濃度が低下した前記領域によって構成される第1半導体層と、前記第1半導体層よりも電気的アクティブドナー濃度が高いとともに前記第1半導体層に接する第2半導体層が形成されてもよい。
【0015】
この製造方法によれば、第1半導体層のドナー濃度と第2半導体層のドナー濃度との差を、第1半導体層の電気的アクティブドナー濃度と第2半導体層の電気的アクティブドナー濃度の差よりも小さくすることができる。したがって、第1半導体層と第2半導体層の界面におけるクラックを抑制することができる。
【0016】
本明細書が開示する一例の製造方法では、前記半導体基板をアニールする前記工程が、酸素を含む雰囲気中で前記半導体基板をアニールする工程を有していてもよい。
【0017】
本明細書が開示する一例の製造方法では、前記半導体基板をアニールする前記工程が、前記半導体基板に酸素イオンを注入する工程と、前記酸素イオンを注入する前記工程の後に、前記半導体基板をアニールする工程を有していてもよい。
【0018】
本明細書が開示する一例の製造方法では、前記半導体基板をアニールする前記工程が、H、Li、Be、N、Na、Mg、P、S、K、Ca、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、As、Se、Rb、Sr、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Sb、Te、Cs、Ba、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Fr、Raからなる群から選択される少なくとも1種のイオンを前記半導体基板に注入する工程と、前記少なくとも1種のイオンを前記半導体基板に注入する前記工程の後に、前記半導体基板をアニールする工程を有していてもよい。
【0019】
これらの製造方法によれば、半導体基板内の一部の領域(第1半導体層となる領域)のドナー濃度の低下を抑制しながら、当該領域の電気的アクティブドナー濃度を低下させることができる。
【0020】
本明細書が開示する一例の製造方法では、前記半導体基板が、β型酸化ガリウム系半導体により構成されていてもよい。この場合には、前記第1半導体層と前記第2半導体層の界面が、(001)面または(100)面に沿って伸びていてもよい。
【0021】
β型酸化ガリウム系半導体では、(001)面または(100)面に沿って劈開が生じ易い。上記のように界面が(001)面または(100)面に沿って伸びる第1半導体層と第2半導体層に対して本明細書に開示の技術を適用することで、クラックが生じやすい界面に対する応力の発生を抑制することができる。
【実施例1】
【0022】
図1に示す半導体装置10は、ショットキーバリアダイオードである。半導体装置10は、半導体基板12と、上部電極30と下部電極32を有している。半導体基板12は、β型の酸化ガリウム(β-Ga)によって構成されている。なお、半導体基板12は、他の酸化ガリウム系半導体(例えば、α-Ga、(InAlGa)等)により構成されていてもよい。上部電極30は、半導体基板12の上面12aに接している。下部電極32は、半導体基板12の下面12bに接している。
【0023】
半導体基板12は、第1半導体層21と第2半導体層22を有している。第1半導体層21と第2半導体層22は、n型である。第1半導体層21は第2半導体層22上に配置されている。以下では、第1半導体層21と第2半導体層22の界面を、界面23という。第1半導体層21と第2半導体層22は、ドナーとしてSi(シリコン)とSn(スズ)とGe(ゲルマニウム)の少なくとも一つを含有している。後に詳述するが、第2半導体層22の電気的アクティブドナー濃度は、第1半導体層21の電気的アクティブドナー濃度よりも高い。
【0024】
第2半導体層22は、半導体基板12の下面12bを含む範囲に設けられている。下部電極32は、第2半導体層22にオーミック接触している。第1半導体層21は、遷移層24とドリフト層26を有している。遷移層24は、第2半導体層22上に配置されている。ドリフト層26は、遷移層24上に配置されている。すなわち、遷移層24は、ドリフト層26と第2半導体層22の間に配置されている。遷移層24は、第2半導体層22に接するとともに、ドリフト層26に接している。ドリフト層26は、遷移層24によって第2半導体層22から分離されている。遷移層24の電気的アクティブドナー濃度は、第2半導体層22の電気的アクティブドナー濃度未満である。ドリフト層26の電気的アクティブドナー濃度は、遷移層24の電気的アクティブドナー濃度未満である。ドリフト層26は、半導体基板12の上面12aを含む範囲に設けられている。上部電極30は、ドリフト層26にショットキー接触している。
【0025】
上部電極30と下部電極32と半導体基板12によって、ショットキーバリアダイオードが構成されている。上部電極30の電位を下部電極32の電位よりも高くするとショットキーバリアダイオードがオンし、上部電極30の電位を下部電極32の電位よりも低くするとショットキーバリアダイオードがオフする。ショットキーバリアダイオードがオンすると、上部電極30からドリフト層26、遷移層24及び第2半導体層22を介して下部電極32へ電流が流れる。このように、ショットキーバリアダイオードがオンすると、半導体基板12の厚み方向に電流が流れる。半導体基板12の電気的特性は、電流が流れる方向と半導体基板12の結晶方位との関係によって変化する。半導体基板12の上面12aは、(001)面または(100)面に沿って伸びている。これによって、半導体基板12の厚み方向に流れる電流の経路における損失の発生が抑制される。
【0026】
図2は、第2半導体層22、遷移層24及びドリフト層26の積層方向(以下、単に積層方向という)におけるドナー濃度及び電気的アクティブドナー濃度の分布を示している。なお、ドナー濃度は、半導体基板12中に含まれるドナー(すなわち、SiとSnとGe)の濃度である。半導体基板12中に含まれるドナーには、電気的にアクティブなドナーと電気的に非アクティブなドナーが存在する。電気的にアクティブなドナーは、キャリアとしての電子の発生に寄与しているドナーである。電気的に非アクティブなドナーは、キャリアとしての電子の発生に寄与していないドナーである。電気的アクティブドナー濃度は、半導体基板12中に含まれる電気的にアクティブなドナーの濃度である。図2に示すように、第2半導体層22の電気的アクティブドナー濃度は、1×1018/cm以上であり、第1半導体層21の電気的アクティブドナー濃度は、1×1018/cm未満である。第2半導体層22内では、電気的アクティブドナー濃度が略一定値で分布している。ドリフト層26内では、電気的アクティブドナー濃度は、1×1016/cm付近の値である。ドリフト層26内では、電気的アクティブドナー濃度が略一定値で分布している。このため、積層方向において、ドリフト層26内の電気的アクティブドナー濃度の変化率は1μmあたり1×1015/cm未満である。遷移層24内では、電気的アクティブドナー濃度は、第2半導体層22からドリフト層26に向かうにしたがって低下するように分布している。積層方向において、遷移層24内の電気的アクティブドナー濃度の変化率は1μmあたり1×1015/cm以上である。このように、遷移層24は、ドリフト層26と第2半導体層22の間で電気的アクティブドナー濃度が変化している層である。遷移層24の厚さは、0.1μm以上である。図2中の参照符号ΔCadは、第1半導体層21の電気的アクティブドナー濃度と第2半導体層22の電気的アクティブドナー濃度の差を示している。上述したように、第1半導体層21(特に、ドリフト層26)の電気的アクティブドナー濃度は、第2半導体層22の電気的アクティブドナー濃度よりも遥かに小さい。したがって、電気的アクティブドナー濃度の差ΔCadは大きい。
【0027】
図2に示すように、第2半導体層22、遷移層24及びドリフト層26内において、ドナー濃度は、1×1018/cm以上の略一定の値で分布している。すなわち、第2半導体層22、遷移層24及びドリフト層26の間で、ドナー濃度は略等しい。このため、第1半導体層21のドナー濃度と第2半導体層22のドナー濃度との差ΔCdは略ゼロである。このため、第1半導体層21のドナー濃度と第2半導体層22のドナー濃度との差ΔCdは、第1半導体層21の電気的アクティブドナー濃度と第2半導体層22の電気的アクティブドナー濃度の差ΔCadよりも小さい。第2半導体層22内では、電気的アクティブドナー濃度がドナー濃度と略等しい。第1半導体層21内では、電気的アクティブドナー濃度がドナー濃度よりも低い。
【0028】
上述したように、半導体装置10では、第1半導体層21のドナー濃度と第2半導体層22のドナー濃度との差ΔCdは略ゼロである。このため、第1半導体層21と第2半導体層22の間の格子定数の差が極めて小さい。このため、第1半導体層21と第2半導体層22の界面23(すなわち、遷移層24と第2半導体層22の界面)に生じる応力が小さい。このように、第1半導体層21と第2半導体層22の間でドナー濃度の差ΔCdを小さくしながら電気的アクティブドナー濃度の差ΔCadを大きくすることで、第1半導体層21と第2半導体層22の間で電気的特性に差を設けながら界面23に加わる応力を抑制することができる。このため、界面23にクラックが生じ難い。なお、上述したように、半導体基板12の上面12aは、(001)面または(100)面である。このため、界面23は、(001)面または(100)面に沿って伸びている。β型の酸化ガリウムでは、(001)面または(100)面に沿って劈開が生じ易い。したがって、界面23に応力が加わると、クラックが生じ易い。クラックが生じ易い界面23に加わる応力が抑制されることで、半導体装置10の信頼性が大きく向上する。また、半導体装置10では、界面23において電気的アクティブドナー濃度が大きく変化している遷移層24が0.1μm以上の厚みを有する。このように遷移層24を厚く設けることで、界面23に加わる応力をより効果的に抑制することができる。したがって、界面23においてクラックをより効果的に抑制することができる。
【0029】
次に、半導体装置10の製造方法について説明する。図3に示す実施例1の製造方法では、まず、ステップS2において、β型の酸化ガリウムによって構成された半導体基板12を準備する。ここでは、図4に示すように、半導体基板12の全体において、電気的アクティブドナー濃度とドナー濃度の両方が1×1018/cm以上である半導体基板12を準備する。図4の半導体基板12の全体において、電気的アクティブドナー濃度とドナー濃度は略一定値で分布している。図4の半導体基板12の上面12aは、(001)面または(100)面によって構成されている。
【0030】
次に、ステップS4において、図4の半導体基板12を酸素を含む雰囲気中でアニールする。なお、酸素を含む雰囲気とは、元素として酸素を含む雰囲気を意味する。例えば、酸素ガス、水蒸気等の雰囲気中で半導体基板12をアニールすることができる。ここでは、半導体基板12の上面12aを酸素を含む雰囲気に曝した状態で、半導体基板12をアニールする。すると、酸素が上面12aから半導体基板12内に拡散する。酸化ガリウム半導体中に酸素原子が拡散すると、酸素がドナーに作用し、ドナーがキャリアとしての電子を供給しなくなる。すなわち、酸素によってドナーが非アクティブとなる。これによって、半導体基板12内の酸素が拡散した領域内で、電気的アクティブドナー濃度が低下する。ここでは、半導体基板12の上面12a近傍の領域で、電気的アクティブドナー濃度が低下する。
【0031】
図5は、上述したアニール工程の一例として、半導体基板12を酸素ガス中でアニールした実験の結果を示している。なお、図5の各グラフにおいて、縦軸は、半導体基板12の上面12aからの深さを示しており、横軸は電気的アクティブドナー濃度を示している。図5(a)に示すように、アニール前においては、半導体基板12中の電気的アクティブドナー濃度は約2×1016/cmであった。図5(b)に示すように、1000℃で5分のアニールを行ったサンプルでは、半導体基板12中の電気的アクティブドナー濃度は約7×1015/cmまで低下した。また、図5(c)及び図5(d)に示すように、1000℃で20分のアニールを行ったサンプル及び1000℃で40分のアニールを行ったサンプルでは、半導体基板12中の電気的アクティブドナー濃度は約1×1015/cmまで低下した。また、図5(c)及び図5(d)では、より深い位置まで電気的アクティブドナー濃度が低下した。このように、酸素ガス中のアニールによれば、半導体基板12中の電気的アクティブドナー濃度を低下させることができる。
【0032】
以上に説明したように、酸素を含む雰囲気中で半導体基板12をアニールすることで、半導体基板12中の一部の領域で電気的アクティブドナー濃度を低下させることができる。アニール工程において電気的アクティブドナー濃度が低下した領域が、ドリフト層26となる。また、電気的アクティブドナー濃度が低下しなかった領域が、第2半導体層22となる。また、ドリフト層26と第2半導体層22の間に、電気的アクティブドナー濃度が積層方向に沿って変化する遷移層24が形成される。したがって、図2に示すように、ドリフト層26、遷移層24及び第2半導体層22内の電気的アクティブドナー濃度を分布させることができる。また、このアニール工程では、第1半導体層21中のドナーが非アクティブとなる一方で、非アクティブとなったドナーは第1半導体層21中に残存する。したがって、図2に示すように、第1半導体層21中において、電気的アクティブドナー濃度は低下するものの、ドナー濃度はほとんど低下しない。
【0033】
次に、ステップS6において、半導体基板12の表面に上部電極30と下部電極32を形成する。これによって、半導体装置10が完成する。
【0034】
以上に説明したように、実施例1の製造方法によれば、第1半導体層21(すなわち、ドリフト層26及び遷移層24)内において、ドナー濃度をほとんど低下させることなく電気的アクティブドナー濃度を低下させることができる。したがって、第1半導体層21と第2半導体層22の間でドナー濃度の差がほとんど生じず、第1半導体層21と第2半導体層22の界面23に加わる応力を低減することができる。また、この製造方法によれば、第1半導体層21と第2半導体層22の間で電気的アクティブドナー濃度が比較的緩やかに変化するように電気的アクティブドナー濃度を分布させることができるので、比較的厚く遷移層24を形成することができる。これによって、界面23に加わる応力をより効果的に低減することができる。したがって、実施例1の製造方法によれば、界面23におけるクラックの発生を抑制することができる。
【実施例2】
【0035】
次に、半導体装置10の製造方法として、実施例2の製造方法を説明する。図6に示す実施例2の製造方法では、まず、ステップS2において、実施例1と同様に図4の半導体基板12を準備する。次に、ステップS4aにおいて、半導体基板12の上面12aに酸素イオンを注入する。ここでは、ドリフト層26に相当する深さ範囲に酸素イオンを注入する。次に、ステップS4bにおいて、半導体基板12をアニールする。ステップS4bでは、例えば、半導体基板12を不活性ガス中でアニールすることができる。半導体基板12をアニールすると、ステップS4aにおいて半導体基板12中に注入された酸素がドナーに作用し、ドナーが非アクティブとなる。これによって、酸素が注入された領域内で、電気的アクティブドナー濃度が低下する。
【0036】
以上に説明したように、ステップS4aで半導体基板12に酸素イオンを注入し、ステップS4bで半導体基板12をアニールすることで、半導体基板12中の一部の領域で電気的アクティブドナー濃度を低下させることができる。アニール工程において電気的アクティブドナー濃度が低下した領域が、ドリフト層26となる。また、電気的アクティブドナー濃度が低下しなかった領域が、第2半導体層22となる。また、ドリフト層26と第2半導体層22の間に、電気的アクティブドナー濃度が積層方向に沿って変化する遷移層24が形成される。したがって、図2に示すように、ドリフト層26、遷移層24及び第2半導体層22内の電気的アクティブドナー濃度を分布させることができる。また、このアニール工程では、第1半導体層21中のドナーが非アクティブとなる一方で、非アクティブとなったドナーは第1半導体層21中に残存する。したがって、図2に示すように、第1半導体層21中において、電気的アクティブドナー濃度は低下するものの、ドナー濃度はほとんど低下しない。その後、実施例1と同様にステップS6で上部電極30と下部電極32を形成することで、半導体装置10が完成する。
【0037】
以上に説明したように、実施例2の製造方法によれば、第1半導体層21(すなわち、ドリフト層26及び遷移層24)内において、ドナー濃度をほとんど低下させることなく電気的アクティブドナー濃度を低下させることができる。また、この製造方法によれば、比較的厚く遷移層24を形成することができる。したがって、界面23に加わる応力を低減することができる。このため、実施例2の製造方法によれば、界面23におけるクラックの発生を抑制することができる。
【実施例3】
【0038】
次に、半導体装置10の製造方法として、実施例3の製造方法を説明する。図7に示す実施例3の製造方法では、まず、ステップS2において、実施例1と同様に図4の半導体基板12を準備する。次に、ステップS4cにおいて、半導体基板12の上面12aにイオンを注入する。ここでは、酸化ガリウム系半導体中でアクセプタ的に作用するイオンを注入する。ここで注入するイオンは、H、Li、Be、N、Na、Mg、P、S、K、Ca、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、As、Se、Rb、Sr、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Sb、Te、Cs、Ba、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Fr、Raからなる群から選択される少なくとも1種のイオンである。これらの元素は、酸化ガリウム系半導体中において、アクセプタ的に振る舞う。次に、ステップS4dにおいて、半導体基板12をアニールする。ステップS4dでは、例えば、半導体基板12を不活性ガス中でアニールすることができる。半導体基板12をアニールすると、ステップS4cにおいて半導体基板12中に注入された元素がアクティブ化し、アクセプタ的に作用する。これによって、ステップS4cでイオンが注入された領域内で、電気的アクティブドナー濃度が低下する。
【0039】
以上に説明したように、ステップS4cで半導体基板12にイオンを注入し、ステップS4dで半導体基板12をアニールすることで、半導体基板12中の一部の領域で電気的アクティブドナー濃度を低下させることができる。アニール工程において電気的アクティブドナー濃度が低下した領域が、ドリフト層26となる。また、電気的アクティブドナー濃度が低下しなかった領域が、第2半導体層22となる。また、ドリフト層26と第2半導体層22の間に、電気的アクティブドナー濃度が積層方向に沿って変化する遷移層24が形成される。したがって、図2に示すように、ドリフト層26、遷移層24及び第2半導体層22内の電気的アクティブドナー濃度を分布させることができる。このアニール工程では、図2に示すように、ドリフト層26及び遷移層24内において、ドナー濃度をほとんど低下させることなく電気的アクティブドナー濃度を低下させることができる。その後、実施例1と同様にステップS6で上部電極30と下部電極32を形成することで、半導体装置10が完成する。
【0040】
以上に説明したように、実施例3の製造方法によれば、第1半導体層21(すなわち、ドリフト層26及び遷移層24)内において、ドナー濃度をほとんど低下させることなく電気的アクティブドナー濃度を低下させることができる。また、この製造方法によれば、比較的厚く遷移層24を形成することができる。したがって、界面23に加わる応力を低減することができる。このため、実施例3の製造方法によれば、界面23におけるクラックの発生を抑制することができる。
【0041】
(比較例)
次に、比較例の製造方法について説明する。比較例の製造方法では、図8に示すように、第2半導体層22に相当する半導体基板60を準備し、その半導体基板上にエピタキシャル成長(例えば、CVD)によって、半導体基板60よりもドナー濃度が低いドリフト層26を形成する。この製造方法で半導体装置を製造すると、第2半導体層22及びドリフト層26内において、ドナー濃度と電気的アクティブドナー濃度の分布が略一致する。このため、第2半導体層22とドリフト層26の界面23xにおいて、電気的アクティブドナー濃度だけでなくドナー濃度も急峻に変化する。このため、第2半導体層22とドリフト層26の間で格子定数の差が大きく、界面23xに高い応力が加わる。また、エピタキシャル成長によりドリフト層26を形成する場合には、ドリフト層26と第2半導体層22の間でドナーの相互拡散が生じ難い。このため、ドリフト層26と第2半導体層22の界面23xにおいてドナー濃度の変化率が極めて高くなる。その結果、ドリフト層26と第2半導体層22の間の遷移層24の厚みが極めて薄くなる(図8では、遷移層24の厚みは略ゼロである。)。このため、界面23xに応力がより加わり易い。また、エピタキシャル成長によりドリフト層26を形成する場合には、ドリフト層26と第2半導体層22との間の結晶の連続性がそれほど高くないので、界面23xの強度がそれほど高くない。このように強度が低い界面23xに高い応力が加わるため、比較例の製造方法では界面23xにクラックが生じ易い。上述した実施例1~3の製造方法によれば、第1半導体層21と第2半導体層22の間でドナー濃度に差が生じ難い。また、実施例1~3の製造方法によれば、厚い遷移層24を形成することができる。また、実施例1~3の製造方法では、第2半導体層22からドリフト層26までが連続して形成されたバルク状の半導体であるので、界面23の強度が高い。したがって、実施例1~3の製造方法によれば、比較例の製造方法よりも、界面23におけるクラックの発生を抑制することができる。
【0042】
また、比較例の製造方法では、ドリフト層26をエピタキシャル成長させるのに長時間を要する。また、エピタキシャル成長には高温が必要である。したがって、比較例の製造方法では、半導体装置の製造コストが高い。これに対し、実施例1~3の製造方法では、ドリフト層26の形成にエピタキシャル成長を用いないので、低コストで半導体装置10を製造することができる。
【0043】
また、比較例の製造方法では、ドリフト層26をエピタキシャル成長させるときに、成長方向に沿って結晶欠陥が成長する場合がある。このため、ドリフト層26内にその厚み方向に沿って伸びる欠陥が発生する。これに対し、実施例1~3の製造方法では、ドリフト層26の形成にエピタキシャル成長を用いないので、ドリフト層26内での欠陥の発生を抑制することができる。
【0044】
また、比較例の製造方法では、ドリフト層26をエピタキシャル成長させるときに、面内でドナー濃度にばらつきが生じる場合がある。これに対し、実施例1~3の製造方法では、ドリフト層26の形成にエピタキシャル成長を用いないので、ドリフト層26の面内におけるドナー濃度及び電気的アクティブドナー濃度のばらつきを抑制することができる。
【0045】
なお、上述した実施例では、半導体装置10としてショットキーバリアダイオードについて説明した。しかしながら、他の半導体装置に本明細書に開示の技術を適用してもよい。例えば、図9に示すように、上部電極30に接する範囲に部分的にp型層80を設けることによって、ジャンクションバリアショットキーダイオードを構成してもよい。また、例えば、図10に示すように、上部電極30に接する範囲全体にp型層82を設けることによって、pnダイオードを構成してもよい。また、図11に示すように、ドリフト層26上に、p型のボディ層90、n型のソース層92、ゲート電極94及びソース電極96等を設けることで、MOSFET(metal oxide semiconductor field effect transistor)を構成してもよい。なお、図9~11の半導体装置のp型層は、p型イオン注入や埋め込みエピエピタキシャル成長等により形成することができる。これらのp型層は、ドリフト層26とは異なる材料により構成されていてもよい。また、図11のソース層92は、n型イオン注入により形成してもよいし、不活性雰囲気中で局所アニールを行うことによってドナーを再アクティブ化することで形成してもよい。また、JFET(junction field effect transistor)、HEMT(high electron mobility transistor)等の他の半導体装置に本明細書に開示の技術を適用してもよい。
【0046】
また、上述した実施例では、第1半導体層21と第2半導体層22の間でドナー濃度が等しかった。しかしながら、第1半導体層21のドナー濃度が第2半導体層22のドナー濃度より高くてもよいし、第1半導体層21のドナー濃度が第2半導体層22のドナー濃度より低くてもよい。「第1半導体層21のドナー濃度と第2半導体層22のドナー濃度との差ΔCaが、第1半導体層21の電気的アクティブドナー濃度と第2半導体層22の電気的アクティブドナー濃度の差ΔCadよりも小さい」という条件が満たされる限り、第1半導体層21のドナー濃度が第2半導体層22のドナー濃度はどのように分布していてもよい。
【0047】
また、上述した実施例1~3の製造方向の各工程を組み合わせて実行してもよい。
【0048】
以上、実施形態について詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独あるいは各種の組み合わせによって技術有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの1つの目的を達成すること自体で技術有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0049】
12:半導体基板、21:第1半導体層、22:第2半導体層、24:遷移層、26:ドリフト層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11