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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】エアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/465 20200101AFI20240409BHJP
【FI】
A24F40/465
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021078469
(22)【出願日】2021-05-06
(62)【分割の表示】P 2018517134の分割
【原出願日】2016-10-21
(65)【公開番号】P2021121199
(43)【公開日】2021-08-26
【審査請求日】2021-06-03
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-20
(31)【優先権主張番号】15190937.1
(32)【優先日】2015-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ロホ-カルデロン ノエリア
【合議体】
【審判長】鈴木 充
【審判官】水野 治彦
【審判官】岩▲崎▼ 則昌
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0223292(US,A1)
【文献】国際公開第2015/101479(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F4/465
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型エアロゾル発生システムであって、
-基部と前記基部から延びる少なくとも1つの側壁を備えるシェルを備えるカプセルであって、前記カプセルはシールされたカプセルを形成するための前記少なくとも1つの側壁上にシールされた壊れやすいリッドをさらに含み、前記シェルはエアロゾル形成基体を含み、そして前記基部および前記シェルの前記少なくとも1つの側壁は前記シェル内で前記エアロゾル形成基体を加熱するためのサセプタ材料からなる、カプセルと、
-負荷ネットワークに接続された電源であって、前記負荷ネットワークは前記シェルの前記サセプタ材料に誘導結合するためのインダクタを含む、電源と、
-前記インダクタと前記カプセルを受けるためのくぼみを含む前記エアロゾル発生装置のハウジングとを含むエアロゾル発生装置であって、前記エアロゾル発生装置は前記カプセルの前記壊れやすいリッドを貫通するための貫通部材を備えるマウスピースを備える、エアロゾル発生装置と、
を備える、携帯型エアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記シェルの内側の少なくとも一部はサセプタ材料で被覆または裏張りされる、請求項1に記載の携帯型エアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記マウスピースは少なくとも1つの空気入口と少なくとも1つの空気出口を含み、前記マウスピースを取り付けた状態において、気流経路は前記空気入口から、前記カプセルを通り、前記空気出口まで形成される、請求項1~2のいずれか1項に記載の携帯型エアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記エアロゾル発生装置の前記ハウジングは断熱層を備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の携帯型エアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記断熱層は前記カプセルと前記インダクタの間に配置される、請求項4に記載の携帯型エアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記エアロゾル発生装置は少なくとも1つの空気入口および少なくとも1つの空気出口を含むマウスピースを備え、前記貫通部材は前記少なくとも1つの空気入口と前記貫通部材の遠位端との間に延びる少なくとも1つの第一のコンジットを含み、前記マウスピースは前記貫通部材の前記遠位端と前記少なくとも1つの空気出口との間に延びる少なくとも1つの第二のコンジットをさらに含み、使用時にユーザーが前記マウスピースを吸った時に、空気が、前記少なくとも1つの空気入口から、前記少なくとも1つの第一のコンジットを通り、前記カプセルの一部分を通り、前記少なくとも1つの第二のコンジットを通り、前記少なくとも1つの空気出口を出るように延びる気流経路に沿って流れる、請求項1~5のいずれか1項に記載の携帯型エアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記エアロゾル形成基体はニコチンおよびエアロゾル形成体を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の携帯型エアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記エアロゾル形成基体は粒子、ストリップ、皺寄せまたは折り畳まれたシート、ペレット、粘性のある材料の形態である、請求項1~7のいずれか1項に記載の携帯型エアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の携帯型エアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記エアロゾル形成基体はストリップに切断され、前記ストリップは0.2ミリメートル~2ミリメートルの幅を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の携帯型エアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記ストリップはエアロゾル形成体を含む均質化したたばこ材料の切断されたシートである、請求項10に記載の携帯型エアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記リッドは20パーセント未満の強磁性材料または常磁性材料を含む材料からなる、請求項1~11のいずれか1項に記載の携帯型エアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記リッドは強磁性材料または常磁性材料を含まない、請求項1~11のいずれか1項に記載の携帯型エアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記カプセルは前記シェル内に配置されたサシェを備え、前記サシェは前記エアロゾル形成基体を含む多孔性の容器を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の携帯型エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアロゾル発生システムに関連する。
【背景技術】
【0002】
カプセルを備えたエアロゾル発生システムが周知である。具体的なシステムの1つが、国際特許公報第WO2009/079641号に開示される。システムは、粘性のある蒸発させることができる材料を含むカプセルを備える。シェルは、カプセルがシステム内に含まれるエアロゾル発生装置の内部に挿入された時に、使用時にカプセルを通した気流が許容されるように、貫通されうるリッドでシールされる。装置は、シェルの外部表面を最高約200℃の温度に加熱するように構成されているヒーターを備える。こうしたシステムでは、ヒーターは装置の外部壁に近接している。このことは、装置を保持するユーザーにとっては望ましくない場合がある、高温の外部温度につながり得る。さらに、装置の初回吸煙までの時間は、最長30秒以上であることが分かっている。このように、周知のカプセル加熱式エアロゾル発生システムは、数多くの問題を提示する。従って、本発明の1つの目的は、こうした問題を改善し、加熱効率を向上させるエアロゾル発生システムを提供することである。
【発明の概要】
【0003】
本発明の態様によれば、エアロゾル発生システムが提供されている。エアロゾル発生システムは、基部と基部から延びる少なくとも1つの側壁を含むシェルを含むカプセルを備える。カプセルは、シールされたカプセルを形成するための少なくとも1つの側壁上にシールされたリッドをさらに含む。シェルは、エアロゾル形成基体を含み、さらに、シェルは、シェル内のエアロゾル形成基体を加熱するためのサセプタ材料を含む。システムは、負荷ネットワークに接続された電源をさらに備える。負荷ネットワークは、シェルのサセプタ材料に誘導結合するためのインダクタを備える。この点では、サセプタ材料を備えるシェルとは、シェルが一部または全体がサセプタ材料からなるものと理解される。
【0004】
インダクタは、カプセルのサセプタ材料に誘導結合される、変動電磁場を発生させる1つ以上のコイルを備え得る。コイルまたは複数のコイルが、エアロゾル発生装置のカプセル受け入れくぼみを囲ってもよく、くぼみには、カプセルの使用時にカプセルが配置される。好ましくは、インダクタは装置のハウジングの一部である。例えば、1つまたはいくつかの誘導コイルを非常に省スペースに装置のハウジング内に埋め込んでもよい。
【0005】
作動する時、高周波の交流電流が、インダクタの一部を形成する巻線コイルを通過する。カプセルがカプセル受け入れくぼみ内に正しく位置付けられた時、カプセルのサセプタ材料はこの変動電磁場内に位置する。変動場は、結果として加熱されるサセプタ材料内に、渦電流またはヒステリシス損失を発生させる。加熱されたサセプタ材料はエアロゾルを形成するのに十分な温度まで、例えば約180℃~220℃に、カプセル内のエアロゾル形成基体を加熱する。
【0006】
エアロゾルは、マウスピースを通してカプセルから下流に引き出され、マウスピースによってエアロゾル発生装置を出る。
【0007】
サセプタ材料をカプセルのシェル材料として提供することは、エアロゾル形成基体の非常に直接的な加熱を許容する。熱は、ヒーターからからカプセルへの熱接触と熱移動を必要とすることなく、カプセル壁内で生成される。所要電力が減少し、ヒーターにおいて、カプセルを加熱してカプセル内の全てのエアロゾル形成基体に最低温度を提供するのに通常必要とされる最大温度が低下し得る。
【0008】
こうして、基体のより効率的な使用により、基体の総量が減少され得る。結果として、材料およびコストの浪費が減少され得る。
【0009】
改良された熱管理は、エアロゾル形成基体を高速で加熱し、起動時間の短時間化、および装置の使用準備を整えるのに必要なエネルギーの減少につながり得る。熱損失および加熱エネルギーの量が減少され得るので、それは特に、装置の長い動作時間の観点から、または電子的加熱装置の電池容量または電池サイズの観点から有利であり得る。
【0010】
加熱をエアロゾル形成基体により近接させて移動させると、エアロゾル発生装置の外部温度の増大も減少する。これはユーザー経験を向上させる一方で、動作温度の増大も許容し得る。後者は、エアロゾル形成に適切な材料におけるさらなるフレキシビリティを提供し得る。
【0011】
本発明によるエアロゾル発生システムの負荷ネットワークは、単一の誘導コイルを含むことが好ましい。これは、有利なことに単純な装置の構造および電子装置および装置の動作を提供する。さらに、カプセルを用いた使用のためのエアロゾル発生装置は、誘導加熱に適合され得る。そのような装置には、例えば、インダクタを含む電子装置および負荷ネットワークが提供されうる。従って、例えば、Kapton(登録商標)ヒーターを備える、従来のように加熱される装置よりも必要な電力が少なくてすみ、且つ、無接触式加熱の全ての利点(例えば、カプセルをくぼみ内に締りばめする必要がないことで、大きな製造公差、過熱要素からの電子装置の分離が許容される)が与えられる、そのような装置が製造され得る。
【0012】
「サセプタ」という用語は本明細書で使用される時、電磁エネルギーを熱に変換することが可能な材料を意味する。交流電磁場内に位置するとき、典型的にサセプタ内で渦電流が誘導され、且つ、ヒステリシス損失が生じ、これはサセプタの加熱の原因となり得る。サセプタがエアロゾル形成基体と熱接触する位置にあるか、または熱的に近接した位置にあるときにエアロゾルが形成されるようにそのサセプタによってその基体が加熱される。サセプタはエアロゾル形成基体と少なくとも部分的に直接物理接触して配置されることが好ましい。
【0013】
サセプタは、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度に誘導加熱され得るあらゆる材料から形成され得る。好ましいサセプタは金属または炭素を含む。好ましいサセプタは、例えばフェライト鉄、強磁性鋼またはステンレス鋼などの強磁性合金、フェライトなどの強磁性材料を含んでよく、またはその強磁性材料からなっていてもよい。適切なサセプタはアルミニウムであってよく、またはアルミニウムを含んでよい。
【0014】
好ましいサセプタは、金属サセプタ、例えばステンレス鋼である。ただし、サセプタ材料には、グラファイト、モリブデン、炭化ケイ素、アルミニウム、ニオブ、インコネル合金(オーステナイトニッケル-クロム基超合金)、金属化フィルム、例えばジルコニアなどのセラミック、例えば、Fe、Co、Niなどの遷移金属、または、例えばB、C、Si、P、Alなどの半金属元素も含まれ得る。
【0015】
サセプタは、5%超の、好ましくは20%超の、好ましくは50%または90%超の強磁性または常磁性の材料を含むことが好ましい。好ましいサセプタは250℃を超える温度に加熱され得る。適切なサセプタは非金属コアとその非金属コア上に配置された金属層、例えば、セラミックコアの表面に形成される金属帯を備え得る。
【0016】
本発明のシステムでは、基部とカプセルの少なくとも1つの側壁がサセプタ材料を含み得る。基部と少なくとも1つの側壁がサセプタ材料を含むことが好ましい。有利には、シェルの少なくとも一部がサセプタ材料からなる。ただし、シェルの内側の少なくとも一部も、サセプタ材料で被覆されるか、これで裏張りされてもよい。裏張りは、例えばシェルの一体部分を形成するために、シェルに取り付けられるか、固定されることが好ましい。
【0017】
エアロゾル発生システムは、シェルのサセプタ材料を少なくとも部分的に囲む断熱層を含み得る。断熱層は、例えば、少なくとも部分的にカプセルの周りに配置され得る。断熱層は、少なくとも1つの側壁とシェルの基部の周りに延びるよう配置され得る。
【0018】
カプセルのシェルがサセプタ材料からなっておらず、例えばサセプタ材料によってその内側に被覆または裏張りされる場合、断熱層は、カプセルのシェル内部に組み込まれてもよい。例えば、シェルは、断熱性材料から少なくとも部分的になってもよく、またはこれを含んでもよい。こうした実施形態では、断熱性材料は、カプセルの内部を基準にしてサセプタ材料から外方に配置される。このように、断熱層は、カプセルとは分離した、またはこれに一体化された材料層である。
【0019】
断熱層は、カプセルが使用されるエアロゾル発生装置内に配置されることが好ましく、装置のカプセル受け入れくぼみを少なくとも部分的に囲むことが好ましい。このように、断熱性は、装置で使用されるカプセルの設計とは独立して装置に提供される。
【0020】
断熱性によって、カプセル内に発生した熱がカプセル内に保たれる。環境に対するより少ないまたは全くない熱損失は、熱伝導性を通じて得られる。さらに、エアロゾル発生装置のハウジングの加熱が、制限されまたは回避されうる。
【0021】
断熱層は、装置のハウジング内に、例えばインダクタとカプセルとの間に配置され得る。これはまた、インダクタの外部に、例えば、インダクタを少なくとも部分的に囲んで配置されてもよい。
【0022】
有利には、断熱層は、シェルの少なくとも1つの側壁とインダクタとの間に少なくとも部分的に配置される。これによって、シェルのサセプタ材料で生成された熱が、さらに外部に進むことが防止される。詳細には、熱が装置のハウジングに半径方向に伝導することが防止されるか制限されて、さらなる装置部品、特に、ユーザーによって接触される装置のハウジングの外側の、加熱を防止する。
【0023】
本発明のエアロゾル発生システムではKapton(登録商標)ヒーターなどの外部ヒーターを必要としないため、公知のエアロゾル発生装置においてこうしたヒーターのために必要な空間は、本発明のシステムで使用される装置内では省かれるか、または追加の空間を必要とすることなく断熱に使用され得る。
【0024】
熱伝導率は、熱を伝導することに対する材料の属性である。熱伝達は、高い熱伝導率の材料を横切るときよりも低い熱伝導率の材料を横切るときに、低いレートで起こる。材料の熱伝導率は、温度に依存しうる。
【0025】
本発明で断熱性のために使用されるような断熱性材料は、1ワット毎(メートル×ケルビン)未満、好ましくは0.1ワット毎(メートル×ケルビン)未満、例えば1~0.01ワット毎(メートル×ケルビン)の熱伝導率を持つことが好ましい。
【0026】
カプセルのリッドは、壊れやすいことが好ましい。壊れやすいリッドは、気流をカプセルに通すことを許容するために使用する際に、例えばエアロゾル発生装置の任意の適切な貫通部材によって貫通または穿孔され得る。
【0027】
リッドは、ポリマー、または金属で製造されることが好ましく、アルミニウムで製造されることがより好ましい。リッドは、シール能力を向上させるために積層されてもよい。リッドは、積層された、食品グレードのアルマイトからなることが好ましい。
【0028】
リッドは、リッドが誘導加熱可能となるまたは誘導加熱可能とはならない材料を含むか、これからなってもよい。好ましくは、リッドは、リッドが加熱工程に加わらないかまたは大きくは加わらないような材料からなるか、あるいはこれを含む。例えば、リッドは、強磁性材料または常磁性材料を含まないか、あるいは制限された量の強磁性材料または常磁性材料を含む材料で形成され得る。詳細には、リッドは、20パーセント未満、特に10パーセント未満または5パーセント未満または2パーセント未満の強磁性材料または常磁性材料を含んでもよい。
【0029】
本発明のシステムに含まれるエアロゾル発生装置は、貫通部材を備えてもよい。貫通部材は、破断させる、例えば、カプセルのリッドを貫通または穿孔するよう構成される。
【0030】
エアロゾル発生装置は、少なくとも一つの空気入口と少なくとも1つの空気出口を含むことが好ましいマウスピースを備え得る。貫通部材は、少なくとも1つの空気入口と貫通要素の遠位端との間に延びる少なくとも1つの第一のコンジットを含むことが好ましい。
【0031】
マウスピースは、貫通要素の遠位端と少なくとも1つの空気出口との間に延びる少なくとも1つの第二のコンジットをさらに含むことが好ましい。従ってマウスピースは、使用時に、ユーザーがマウスピースを吸った時、空気が少なくとも1つの空気入口から延びる気流経路に沿って、少なくとも1つの第一のコンジットを通り、カプセルの一部分を通り、少なくとも1つの第二のコンジットを通り、少なくとも1つの出口を出るように配置されることが好ましい。
【0032】
こうしたコンジットを提供することで、装置を通した気流が改善できるようになり、エアロゾルがユーザーにより簡単に送達されうるようになる。
【0033】
カプセル内のエアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出することが可能な基体であることが好ましい。揮発性化合物はエアロゾル形成基体の加熱により放出される。
【0034】
エアロゾル形成基体は固体でも液体でもよく、固体および液体の両方の成分を含んでもよい。好ましい実施形態では、エアロゾル形成基体は固体である。
【0035】
エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。ニコチンを含有するエアロゾル形成基体はニコチン塩マトリクスであってもよい。エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体はたばこを含んでもよいが、たばこ含有材料は揮発性のたばこ風味化合物を含むことが好ましく、これが加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される。エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。
【0036】
均質化したたばこ材料は、粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。存在する場合、均質化したたばこ材料のエアロゾル形成体含有量は、乾燥重量基準で5パーセント以上であり、乾燥質量基準で5重量パーセント~30重量パーセントであることが好ましい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0037】
エアロゾル形成基体は少なくとも1つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に、密度が高く安定したエアロゾルの形成を促進し、エアロゾル発生装置の動作温度で熱分解に対して実質的に耐性のある任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物であってもよい。
【0038】
エアロゾル形成体はまた、基質がたばこ粒子を含むたばこ由来の製品で構成されている時にエアロゾル形成基体内に望ましいレベルの水分を維持するのに役立つ、湿潤タイプの属性を持ち得る。特に、一部のエアロゾル形成体は、湿潤剤として機能する吸水性材料、すなわち、基体が湿潤剤を含んだ状態に保つのに役立つ材料である。
【0039】
適切なエアロゾル形成体はポリオール、グリコールエーテル、ポリオールエステル、エステル、および脂肪酸から選択されてよく、且つ、次の化合物、すなわちグリセリン、エリスリトール、1,3-ブチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、プロピレンカーボネート、ラウリン酸エチル、トリアセチン、メソ-エリスリトール、ジアセチン混合物、ジエチルスベリン酸塩、クエン酸トリエチル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、バニリン酸エチル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリル酸、ミリスチル酸、およびプロピレングリコールのうちの1つ以上を含んでよい。
【0040】
1つ以上のエアロゾル形成体を組み合わせてそれらの組み合わせたエアロゾル形成体の1つ以上の特性を利用してもよい。例えば、有効成分を運ぶトリアセチンの能力とグリセリンの保湿性を利用するためにトリアセチンをグリセリンおよび水と組み合わせてもよい。
【0041】
エアロゾル形成基体の改善された加熱効率により、高温の動作温度が許容される。そのより高い動作温度のため、公知のシステムにおいて使用されるエアロゾル形成体と比較して改善されたエアロゾルを提供するエアロゾル形成体として、例えば、グリセリンを使用することが可能になる。
【0042】
エアロゾル形成基体は、その他の添加物およびニコチンまたは風味剤などの成分を含んでもよい。
【0043】
エアロゾル形成基体はニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含むことが好ましい。
【0044】
エアロゾル形成基体は、粘性のあるペースト状材料であってもよく、シェル内に遊離させて配置されてもよい。例えば、エアロゾル形成基体のストリップまたは粒子は、例えば基体とシェルの型嵌合によって、カプセル内に遊離させて配置されても、その位置に固定されてもよい。
【0045】
エアロゾル形成基体のシートは、例えば、皺寄せ、折り畳みまたはストリップに切断されて、その後に、シェルをシールする前にシェル内に挿入されてもよい。
【0046】
例えばたばこ材料とエアロゾル形成体を含むエアロゾル形成基体のシートの厚さは、0.1ミリメートル~2ミリメートル、好ましくは0.3ミリメートル~1.5ミリメートル、例えば、0.8ミリメートルとしてもよい。エアロゾル形成基体のシートは、製造上の許容範囲のために最大約30パーセントの厚さの偏差を有し得る。
【0047】
エアロゾル形成基体シート、特に、均質化したたばこ材料シートは、例えば、0.2ミリメートル~2ミリメートル、より好ましくは0.4ミリメートル~1.2ミリメートルの幅を有するストリップに細断または切断されてもよい。ストリップの幅は、例えば0.9ミリメートルとし得る。
【0048】
別の方法として、エアロゾル形成基体、特に均質化したたばこ材料は、球形化を使用して球形に形成してもよい。球の平均直径は0.5ミリメートル~4ミリメートルであることが好ましく、0.8ミリメートル~3ミリメートルであることがより好ましい。
【0049】
原則として、本明細書を通して値が述べられる時はいつでも、その値が明示的に開示されることが理解される。しかし、値は技術的考慮のために厳密に特定の値ではなくてもよいことも理解される。値は、例えば、厳密な値±20パーセントに対応する値の範囲を、含んでいてもよい。
【0050】
エアロゾル形成基体は、公知の充填手段でシェル内に充填されてもよい。エアロゾル形成基体は、サシェ内に予め充填されてもよく、このサシェはその後シェル内に挿入される。
【0051】
従って、カプセルは、シェル内に配置されたサシェを備える。サシェは、エアロゾル形成基体を含む多孔性の容器を備える。
【0052】
サシェは、メッシュから形成されることが好ましい。メッシュは、発生したエアロゾルに対して多孔性であることが好ましく、エアロゾルはサシェから放出されることができる。メッシュは、例えば材料を編むことなどの適切な任意のプロセスによって、または歯付きのローラーもしくはそれに類するものを使用して切断してから、歯付きのローラーの軸に直角に力をかけて材料を広げることで、形成されてもよい。
【0053】
サシェは、燃焼することなく、または望ましくない風味がエアロゾル内に与えられることなく、使用時に高温に耐える能力のある適切な任意の材料から形成されうる。特に、サシェの形成には、天然繊維であるサイザル麻およびラミーが特にふさわしい。別の方法として、サシェはセラミック繊維または金属から形成されてもよい。
【0054】
サシェは、強磁性材料もしくは常磁性材料を含まない、または制限された量の強磁性材料もしくは常磁性材料を含む材料で形成されることが好ましい。詳細には、サシェは、20パーセント未満、特に10パーセント未満または5パーセント未満または2パーセント未満の強磁性材料または常磁性材料を含んでもよい。
【0055】
サシェを形成するために使用される材料は、50マイクロメートル~約300マイクロメートルの厚さであってもよい。薄い材料を使用したサシェを提供することで、材料のコストと無駄を減少させ得る。サシェを形成するために使用される材料の繊維サイズは、10マイクロメートル~30マイクロメートルであってもよい。
【0056】
サシェの容器内のエアロゾル形成基体は、好ましくは、0.2~0.35の空隙率を有する。空隙率は、0.24~0.35であることがより好ましい。空隙率は、容器内部にある空隙の体積分率として定義される。従って、空隙率100パーセントは容器が基体を含まないことを意味し、空隙率0パーセントは、容器が完全に基体で満たされ、空隙が全くないことを意味する。
【0057】
カプセルは、エアロゾル形成基体によって完全にまたは一部分だけが充填されてもよい。充填レベルは、特定のユーザー経験、または所定の吸煙数に相当するよう選択および適合されてもよい。
【0058】
カプセルは、150ミリグラム~400ミリグラムのエアロゾル形成基体で充填されることが好ましく、200ミリグラム~300ミリグラムのエアロゾル形成基体であることがより好ましく、好ましい1つの実施形態では250ミリグラムのエアロゾル形成基体である。
【0059】
上述の通り、エアロゾル形成基体は液体でもよい。こうした実施形態において、カプセルには、使用時にカプセルからの液体エアロゾル形成基体の漏れを実質的に阻止するための高い液体保持性の材料が提供され得る。高い液体保持性の材料は、スポンジ様の材料でもよい。例えば、高い保持性の材料は、ガラス、セルロース、セラミック、ステンレス鋼、アルミニウム、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリ(シクロヘキサンジメチレンテレフタラート)(PCT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)およびBAREX(登録商標)のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0060】
カプセルは、適切な任意の方法を使用して製造されうる。例えば、シェルは、深絞りまたは成形プロセスを使用して製造され得る。エアロゾル形成基体は次に、任意のその他の適切な手段を使用してシェル内部に充填され得る。シェルは次に、リッドでシールされる。リッドは、エポキシ接着剤などの接着剤、ヒートシール、超音波溶接、およびレーザー溶接を含む、任意の適切な方法を使用してカプセルのシェルにシールされてもよい。
【0061】
本明細書で使用される場合、「長手方向」という用語は、カプセルの近位(またはリッド)端および向かい合った遠位(または基部)端の間の方向を意味し、本発明のシステム中に含まれるエアロゾル発生装置の近位(またはマウスピース)端および遠位端の間の方向を意味する。
【0062】
シェルの基部は、実質的に円形であることが好ましい。カプセルの基部の半径は、3ミリメートル~6ミリメートルであることが好ましく、4ミリメートル~5ミリメートルであることがより好ましく、特に好ましい実施形態では基部の半径は4.5ミリメートルである。
【0063】
少なくとも1つの側壁の長手方向の長さは、基部の半径の少なくとも2倍であることが好ましい。有利には、こうした寸法を持つシェルは、ユーザーに良好なユーザー体験を提供するために十分なエアロゾル形成基体を含むだけの十分な容積をカプセル内に提供し得る。
【0064】
カプセルの長手方向の長さは、7ミリメートル~13ミリメートルであることが好ましく、9ミリメートル~11ミリメートルであることがより好ましく、特に好ましい実施形態においてカプセルの長手方向の長さは10.2ミリメートルである。
【0065】
シェルは、0.1ミリメートル~0.5ミリメートルの壁厚を持つことが好ましく、0.2ミリメートル~0.4ミリメートルであることがより好ましく、特に好ましい実施形態では、シェルの壁厚は0.3ミリメートルである。
【0066】
薄い壁のシェルを提供することで、材料のコストおよびカプセル廃棄の無駄を減少させ得る。
【0067】
シェルは、一体形成させることが好ましい。シェルまたはシェルの一部を形成するのに非金属を使用する場合、例えば任意の適切なポリマーなどのポリマー材料は、サセプタ材料の動作温度に耐えることができる。
【0068】
シェルまたはたのカプセル部品に適切な材料は、例えば医療ツールおよび装置に対するFDAによって承認された材料などの、食品安全性材料とし得る。
【0069】
カプセル、シェル、およびリッドは、エアロゾル形成基体の成分に対して耐性のある、例えば、耐ニコチンまたは耐エアロゾル形成体の、1つ以上の材料から形成され得る。
【0070】
カプセル、シェル、およびリッドは、エアロゾル形成基体の成分に対して耐性のある、1つ以上の材料で被覆されてもよい。
【0071】
本発明についてはさらに、実施形態に関して説明するが、これを下記の図表によって例示する。
【図面の簡単な説明】
【0072】
図1図1は、誘導加熱可能なエアロゾル発生システムの断面を概略的に示す。
図2図2は、図1のシステムで使用されるカプセルの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0073】
図1は、以下に記載するエアロゾル発生装置7およびカプセル1を含む、誘導加熱可能なエアロゾル発生システム8の断面図を示す。エアロゾル発生装置7は、再充電可能電池などの電源700と、制御電子回路701と、例えばインダクタコイルであるインダクタ702とを収容するよう適合された外部ハウジング70を備える。ハウジング70は、カプセル1を受けるくぼみ703をさらに備える。インダクタ702は、くぼみ703を囲むハウジング70の近位部分に埋め込まれ、カプセル1はくぼみ703内に配置される。
【0074】
エアロゾル発生装置7は、装置のハウジング70の近位端に取付け可能なマウスピース71をさらに備える。マウスピース71は、くぼみ703に対して方向づけられた貫通部分710を備える。マウスピース71は、マウスピース71内に配置された2つの気流コンジットである、入口コンジット711および出口コンジット712をさらに備える。
【0075】
カプセル1がハウジング70のくぼみ703内に位置する場合、カプセル1内に含まれる活性基体2のサセプタ材料は、インダクタコイル702によって誘導加熱可能である。
【0076】
使用時に、ユーザーは、カプセル1をエアロゾル発生装置7のくぼみ703に挿入してから、マウスピース71をハウジング70に取り付ける。マウスピースを取り付けることにより、貫通部分710がカプセル1のリッドを貫通し、空気入口からカプセル1を通して空気出口への気流経路を形成する。カプセル1に入る気流経路714の部分、およびカプセル1を出る気流経路715の部分を矢印で示す。ユーザーは次に、例えばボタン(図示せず)を押して、装置7を起動する。装置の起動においては、インダクタ702に、電源700から制御電子回路701によって電力が供給される。カプセル1の中身の温度が例えば約220℃~約240℃の動作温度に達した時、インジケータ(図示せず)の手段によってユーザーは装置の使用準備が整い、ユーザーがマウスピース71を吸うことができる旨の通知を受けてもよい。ユーザーがマウスピースを吸う時、空気は空気入口に入り、マウスピース71内にあるコンジット711を通ってカプセル1内に進み、蒸発したエアロゾル形成基体を混入してから、マウスピース71内の出口コンジット712を経由してカプセル1を出る。
【0077】
図2は、エアロゾル形成基体2を含むカプセル1を示す。カプセル1は、リッド11にシールされるシェル10を含む。シェル10は、リッド11をシェル10に接着させるためのフランジ12を備える。シェル10は、基部101と側壁100とを備える。カプセル1のシェル10またはカプセル1全体は、カプセル1内のエアロゾル形成基体2を加熱して蒸発させるためなどのために誘導加熱することが可能なサセプタ材料からなってもよい。シェル10は、ステンレス鋼からなることが好ましい。シェルは異なる材料からなるか、これを備えてもよいが、シェルは、5パーセント超の、好ましくは20パーセント超の、好ましくは50パーセントまたは90パーセント超の強磁性もしくは常磁性の材料を含むことが好ましい。
【0078】
リッド11は、強磁性材料もしくは常磁性材料を含まない材料または制限された量の強磁性材料もしくは常磁性材料を含む材料で形成されることが好ましい。
【0079】
カプセル1のシェル10は通常、食品安全性材料を含むが、多くの場合、カプセル1は生成されたエアロゾルの吸入がエアロゾル形成基体を蒸発させるための装置において使用される。ステンレス鋼の次に、いくつかの食品安全性材料のさらなる例には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、非結晶性ポリエチレンテレフタレート(APET)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン、ポリスチレン、およびポリカーボネートが含まれる。一部の場合、特にシェルの材料がサセプタ材料を含まない場合、シェル10は、サセプタ材料または食品安全性サセプタ材料で裏張りされてシェル10の誘導加熱を許容し、エアロゾル形成基体2の乾燥を防止し、そしてエアロゾル形成基体2を保護する。
【0080】
カプセル1のシェル10は、例えばヒートシール性の施蓋フィルムで施蓋されて、取り囲まれた気密なカプセル1をなしてもよい。シールされたカプセルは、中身の新鮮さを保存し、移動またはユーザーによる操作の間にカプセル1内で活性材料が漏れることを防止する。
【0081】
カプセル1は、誘導加熱装置のくぼみ内への挿入が容易であるように、そして好ましくは例えば本発明の一例の、かつ本明細書に記載の装置のくぼみ内にぴったりと嵌合するように、形成かつ形状されることが好ましい。
【0082】
カプセル1のリッド11は、様々な材料からなってもよい。通常、リッドは食品安全性材料を含む。リッド11は、活性基体2がカプセル1内に充填された後にカプセル1上にシールされてもよい。リッド11をカプセル1のシェル10上にシールするための多くの方法は、当業者に公知である。リッドをフランジ12を含むカプセルのシェル上にシールするための方法の1つの例は、ヒートシールである。好ましくは、カプセル1のリッド11は、少なくとも約350℃に対して食品安全性であると考えらえる。リッド11は、しばしばデュアルオーブナブルと称される(電子レンジおよび従来のオーブンに対して)、従来のオーブン中で調理される食品で使用するための市販のフィルムとし得る。デュアルオーブナブルフィルムは通常、PET(ポリエチレンテレフタレート)系層とAPET(非結晶性ポリエチレンテレフタレート)ヒートシール層とを備える。APETヒートシール層は、その後、カプセル1のシェル10のフランジ12と接触するようになる。こうした施蓋フィルムは、水分、酸素および他のガスに関するフィルムのバリア性能を改善するのに先立って容易に金属化される、または箔化されてもよい。
【0083】
カプセル1の材料、特にシェル10は、充填材料の新鮮さを保存し、カプセルの貯蔵寿命を増大させるよう機能し得る。カプセルまたはリッドあるいはシェルは、カプセル1の視覚的アピールおよび知覚される価値を改善し得る。カプセルの材料は、ブランドまたは風味剤の標識などの製品情報の改善された印刷および視覚化を許容する。
【0084】
カプセル1は、穴またはベント(図示せず)を有してもよい。これらの穴は、カプセル1内の中身が環境へのアクセスを有することを許容し得る。カプセル1は、材料から構成されてもよく、あるいは、カプセル1の中身を蒸発させることが可能な装置内に置かれるときに、貫通または開口され得るリッドを含むことが好ましい。例えば、カプセル1が特定の温度にまで加熱される場合、中身が蒸発し、装置によって生成された穴または複数の穴は蒸気が加熱されたカプセル1から放出することを許容する。カプセル1はまた、カプセル1が装置内に挿入される直前に、開く、例えば剥がすことが可能なリッド11またはシールを備えてもよい。
【0085】
好ましくは、カプセル1は、単回の使用が所期され、使用後に新たなものと交換されてもよい。カプセル1内に含まれる製品のタイプが、カプセル上にマークされてもよく、カプセル1の色、サイズ、または形状によって標識されてもよい。
【0086】
エアロゾル化が可能であってかつユーザーによって吸引可能な任意の材料を、本発明の装置またはカプセル1に使用し得る。こうした材料には、これに限られないが、たばこを含むもの、天然または人口風味剤、コーヒー粉またはコーヒー豆、ミント、カモミール、レモン、ハチミツ、茶葉、ココア、および他の植物由来の非たばこ代用品が含まれ得る。比較的低温度で蒸発(または揮発)可能であって、好ましくは有害な分解物を有さない化合物を使用し得る。化合物の例には、これに限られないが、メンソール、カフェイン、タウリン、およびニコチンが含まれる。
【0087】
好ましくは、たばこ、またはたばこ材料がカプセル1内に充填される。ここで、たばこまたはたばこ材料は、たばこを含む天然および合成材料の任意の組み合わせと定義される。カプセルは、乾燥したたばこ、グリセリンまたはプロピレングリコールおよび香味などのエアロゾル形成体を用いて調製され得る。例えば、たばこを微細片(例えば、2ミリメートル未満、好ましくは1ミリメートル未満の直径)に細かく刻み、他の成分を添加して、さらなる粘度が達成されるまで混合してもよい。エアロゾル形成基体2はまた、例えば、粒径が1ミリメートル未満のペースト状の粘度へと処理されてもよい。こうしたペースト状の基体またはスラリーは、カプセル1の充填処理を容易にし得る。
【0088】
スラリーを含むたばこは、広げられて乾燥され、キャストリーフと呼ばれるシートを形成してもよい。乾燥したリーフは、皺寄せして折り畳んだ形態でカプセル内に挿入されてもよい。
【0089】
たばこシート、例えばキャストリーフは約0.5ミリメートル~約2ミリメートルの範囲、例えば1ミリメートルの好ましい厚さを有し得る。最大約30パーセントの厚さの偏差が製造上の許容範囲のために生じ得る。
【0090】
キャストリーフは、例えば、シートを例えば幅が1~2ミリメートルの細片またはストリップに細かく刻むことで処理されてもよい。
【0091】
活性基体の容積は、例えば、カプセル1について約0.25立方センチメートルの活性基体を含む。
【0092】
1. エアロゾル発生システムであって、
基部と前記基部から延びる少なくとも1つの側壁を含むシェルを備えるカプセルであって、前記カプセルはシールされたカプセルを形成するための前記少なくとも1つの側壁上にシールされたリッドをさらに含み、前記シェルはエアロゾル形成基体を含み、そして前記シェルは前記シェル内で前記エアロゾル形成基体を加熱するためのサセプタ材料を含む、カプセルと、
負荷ネットワークに接続された電源であって、前記負荷ネットワークは前記シェルの前記サセプタ材料に誘導結合するためのインダクタを含む、電源と、を備える、エアロゾル発生システム。
2. 前記基部と前記カプセルの前記少なくとも1つの側壁がサセプタ材料を含む、1に記載のシステム。
3. 前記シェルの少なくとも一部はサセプタ材料からなる、1~2のいずれかに記載のシステム。
4. 前記シェルの内側の少なくとも一部はサセプタ材料で被覆または裏張りされる、1~3のいずれかに記載のシステム。
5. 前記シェルの前記サセプタ材料を少なくとも部分的に囲む断熱層を備える、1~4のいずれかに記載のシステム。
6. 前記インダクタと前記カプセルを受けるためのくぼみを含む装置のハウジングとを含むエアロゾル発生装置を備える、1~5のいずれかに記載のシステム。
7. 前記装置のハウジングは、前記断熱層を備える、6に記載のシステム。
8. 前記断熱層は、前記カプセルと前記インダクタとの間に配置される、5~7のいずれかに記載のシステム。
9. 前記カプセルの前記リッドは壊れやすい、1~8のいずれかに記載のシステム。
10. 前記エアロゾル発生装置が、前記カプセルの前記リッドを貫通するための貫通部材を備える、6~9のいずれかに記載のシステム。
11. 前記エアロゾル発生装置が少なくとも1つの空気入口および少なくとも1つの空気出口を含むマウスピースを備え、前記貫通部材が、前記少なくとも1つの空気入口と前記貫通要素の遠位端との間に延びる少なくとも1つの第一のコンジットを含み、前記マウスピースが、前記貫通要素の前記遠位端と前記少なくとも1つの空気出口との間に延びる少なくとも1つの第二のコンジットをさらに含み、使用時にユーザーが前記マウスピースを吸った時に、空気が、前記少なくとも1つの空気入口から、前記少なくとも1つの第一のコンジットを通り、前記カプセルの一部分を通り、前記少なくとも1つの第二のコンジットを通り、前記少なくとも1つの出口を出るように延びる気流経路に沿って流れる、10に記載のシステム。
12. 前記エアロゾル形成基体が、ニコチンおよびエアロゾル形成体を含む、1~11のいずれかに記載のシステム。
13. 前記エアロゾル形成基体は、粒子、ストリップ、皺寄せまたは折り畳まれたシート、ペレット、粘性のある材料の形態である、1~12のいずれかに記載のシステム。
14. 前記カプセルは、前記シェル内に配置されたサシェを備え、前記サシェは前記エアロゾル形成基体を含む多孔性の容器を含む、1~13のいずれかに記載のシステム。
図1
図2