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特許7469266操作ジェスチャの入力中に,及び,仮想装置の操作に関連して,複雑な触覚刺激を提供するシステム及び方法
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  • 特許-操作ジェスチャの入力中に,及び,仮想装置の操作に関連して,複雑な触覚刺激を提供するシステム及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】操作ジェスチャの入力中に,及び,仮想装置の操作に関連して,複雑な触覚刺激を提供するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/285 20140101AFI20240409BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240409BHJP
   A63F 13/428 20140101ALI20240409BHJP
   A63F 13/426 20140101ALI20240409BHJP
【FI】
A63F13/285
G06F3/01 560
G06F3/01 570
A63F13/428
A63F13/426
【請求項の数】 6
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021125259
(22)【出願日】2021-07-30
(62)【分割の表示】P 2019027831の分割
【原出願日】2010-07-21
(65)【公開番号】P2021180873
(43)【公開日】2021-11-25
【審査請求日】2021-08-30
(31)【優先権主張番号】61/227,645
(32)【優先日】2009-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500390995
【氏名又は名称】イマージョン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】IMMERSION CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】グラント,ダニー
(72)【発明者】
【氏名】ヒューベル,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】バーンバウム,ディビッド
(72)【発明者】
【氏名】ラムゼイ,エリン
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-352927(JP,A)
【文献】特開2005-332063(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/285
G06F 3/01
A63F 13/428
A63F 13/426
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
触覚効果を生成する方法であって、
ユーザの体の一部によってユーザインタフェース装置へと作用された圧力をセンサによって検出することと、
前記ユーザインタフェース装置へと作用された前記圧力を、プロセッサにより実行可能なジェスチャモジュールで、操作ジェスチャと比較することであって、前記操作ジェスチャは、前記ユーザインタフェース装置の表面上の一つ又は複数の位置に移動する前記ユーザの前記体の一部によって定義されることと、
前記ユーザインタフェース装置へと作用された前記圧力及び前記ユーザの前記体の一部の動きが前記操作ジェスチャと対応する場合には、触覚出力装置で第1の触覚効果を生成することと、
前記ユーザインタフェース装置へと作用された前記圧力及び前記ユーザの前記体の一部の動きが前記操作ジェスチャと対応しない場合には、前記触覚出力装置で、前記第1の触覚効果とは異なる第2の触覚効果を生成することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記ユーザインタフェース装置へと作用された前記圧力及び前記ユーザの前記体の一部の動きは、冒頭ポーション及び中間ポーションを含んでおり、
当該方法は、さらに、
前記ユーザインタフェース装置へと作用された前記圧力及び前記ユーザの前記体の一部の動きの前記冒頭ポーションが、前記操作ジェスチャの冒頭ポーションと対応する場合には、前記触覚出力装置で前記第1の触覚効果を生成することと、
前記ユーザインタフェース装置へと作用された前記圧力及び前記ユーザの前記体の一部の動きの前記中間ポーションが、前記操作ジェスチャの中間ポーションと対応する場合には、前記触覚出力装置で前記第2の触覚効果を生成することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記操作ジェスチャの前記冒頭ポーションは、前記ユーザの前記体の一部と前記ユーザインタフェース装置との間の接触を含み、
前記操作ジェスチャの前記中間ポーションは、所定期間、前記ユーザインタフェース装置との前記接触を維持することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記操作ジェスチャの前記冒頭ポーションは、前記ユーザインタフェース装置上の第1の位置への第1の接触を含み、
前記操作ジェスチャの前記中間ポーションは、前記ユーザインタフェース装置上の第2の位置への第2の接触を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザインタフェース装置へと作用された前記圧力の大きさに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の触覚効果のパラメータを決定すること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザインタフェース装置へと作用された前記圧力の持続期間に少なくとも部分的に基づいて、前記第1の触覚効果のパラメータを決定すること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,複雑な操作ジェスチャの実行中に,及び/又は,仮想装置の操作中に,ユー
ザに対して触覚刺激を提供するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザに触覚刺激を提供する方法が知られている。触覚刺激は物理的な感覚をユーザに
提供するものである。触覚刺激は,ゲーム,仮想世界,及び現実世界の操作システムにお
いて用いられる。かかる触覚刺激は,操作入力が入力されたこと,他のユーザがコマンド
を入力したこと,仮想的な又は現実の物体が衝突,爆発,又は崩壊したこと,周囲に力(
例えば,シミュレートされた又は現実の風,雨,磁力,及び/又はこれら以外の仮想的な
力)が存在していること,及び/又はこれら以外の現象が発生したこと,についてのフィ
ードバックをユーザに提供するために生成されてもよい。従来のシステムにおいては,か
かる刺激のパラメータは静的であることが多く,対応する現象が起きたこと(又はこれか
ら起きるであろうこと)をユーザに伝える単純なメカニズムを提供するものである。
【0003】
ユーザが仮想装置を操作することができるゲーム及び/又は仮想世界システムが従来か
ら知られている。このような従来のシステムにおける仮想装置とのインタラクションのた
めの制御及びフィードバックスキームは限定的であり,対応する現実世界の装置の現実世
界における操作及び/又はフィードバックとの対応は強くものではなかった。
【0004】
携帯型の及びそれ以外のコンピュータ装置において基本的な触覚効果(例えば,振動)
が利用されているが,ユーザの注意を惹きユーザ体験を向上するフィードバックを提供す
るためには開発者にとって多くの問題が存在する。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一態様は,ゲームのユーザに触覚刺激を提供するように構成されたシステムに
関連する。一実施形態において,このシステムは,ユーザインタフェース,アクチュエー
タ,及びコンピュータプログラムモジュールを実行するように構成された一又は複数のプ
ロセッサを備える。このユーザインタフェースは,ユーザのジェスチャに関連する出力信
号を生成するように構成される。アクチュエータは,ユーザへの触覚刺激を生成するよう
に構成される。コンピュータプログラムモジュールは,ジェスチャモジュール,刺激モジ
ュール,及びアクチュエータ制御モジュールを備える。ジェスチャモジュールは,ユーザ
インタフェースの出力信号に基づいて.ユーザによる操作ジェスチャの実行を監視するよ
うに構成される。操作ジェスチャは,ゲームへのコマンド入力に関連付けられたジェスチ
ャであり,冒頭ポーション,第一の中間ポーション,及び終端ポーションを含む。刺激モ
ジュールは,ユーザのために生成される操作ジェスチャに関連付けられた触覚刺激を決定
するために,ジェスチャモジュールから,操作ジェスチャの実行に関連する情報を受信す
るように構成される。触覚刺激は,操作ジェスチャの冒頭ポーションの実行に応答して決
定される第一の刺激,及び,前記第一の刺激と異なり操作ジェスチャの第一の中間ポーシ
ョンの実行に応答して決定される第二の刺激を含む。アクチュエータ制御モジュールは,
アクチュエータを制御して刺激モジュールによって決定された刺激を生成するように構成
される。
【0006】
本発明の他の態様は,ゲームのユーザに触覚刺激を提供する方法に関する。一実施形態
において,この方法は,ユーザによる操作ジェスチャの実行を監視する工程を備える。操
作ジェスチャは,ゲームのコマンド入力に関連付けられたジェスチャであり,冒頭ポーシ
ョン,第一の中間ポーション,及び終端ポーションを含む。本方法は,操作ジェスチャの
実行に関連付けられたユーザのために生成される触覚刺激を決定する工程を備える。この
触覚刺激は,操作ジェスチャの冒頭ポーションの実行に応答して決定される第一の刺激,
及び,前記第一の刺激とは異なり,操作ジェスチャの第一の中間ポーションの実行に応答
して決定される第二の刺激を含む。本方法は,操作ジェスチャの実行時に決定された刺激
を生成する工程を含む。
【0007】
本発明のさらに他の態様は,ゲームのユーザに刺激を提供するように構成されたシステ
ムに関連する。一実施形態において,本システムは,接触感知式電子ディスプレイ,アク
チュエータ,及びコンピュータプログラムモジュールを実行するように構成された一又は
複数のプロセッサを備える。接触感知式電子ディスプレイは,前記ユーザによる使用のた
めにアクセス可能なインタフェース面を有し,接触式ユーザインタフェースは,インタフ
ェース面が作動される位置に関連する出力信号を生成し,インタフェース面を介してユー
ザにゲームの画像表示を提示するように構成されている。インタフェース面により提示さ
れる画像表示は,ユーザによって選択可能なユーザ選択可能部分を有する仮想装置の画像
表示を含み,前記仮想装置の前記画像表示の前記ユーザ選択可能部分において前記インタ
フェース面を作動させることにより前記仮想装置とインタラクトする。アクチュエータは
,ユーザに触覚刺激を生成するように構成される。コンピュータプログラムモジュールは
,装置モジュール,刺激モジュール,及びアクチュエータ制御モジュールを備える。装置
モジュールは,画像表示において前記仮想装置の操作パラメータを決定して前記仮想装置
の操作をシミュレートするように構成される。装置モジュールは,仮想装置の操作パラメ
ータを決定し,及び/又は,仮想装置の画像表示のユーザ選択可能な部分のユーザによる
選択に基づいて仮想装置の操作をシミュレートする。刺激モジュールは,ユーザのために
生成される仮想装置の操作パラメータに関連付けられた触覚刺激を決定し,及び/又は,
前記仮想装置の操作をシミュレートするように構成されている。アクチュエータ制御モジ
ュールは,アクチュエータを制御して刺激モジュールによって決定された刺激を生成する
ように構成される。
【0008】
本発明のさらに他の態様は,ゲームのユーザに刺激を提供する方法に関する。一実施形
態において,本方法は,ゲームの画像表示を,前記ユーザによる使用のためにアクセス可
能な接触感知式電子ディスプレイのインタフェース面を介して提供する工程と,前記イン
タフェース面を介して提示された前記画像表示は,前記ユーザによって選択可能なユーザ
選択可能部分を有する仮想装置の画像表示を含み,前記仮想装置の前記画像表示の前記ユ
ーザ選択可能部分において前記インタフェース面を作動させることにより前記仮想装置と
インタラクトし,前記選択されたユーザ選択可能部分を前記インタフェース面において前
記ユーザが作動することにより,前記ユーザ選択可能部分の一つの選択を受信する工程と
,前記画像表示における前記仮想装置の操作パラメータを決定し,及び/又は,前記受信
した選択に基づいて前記仮想装置の操作をシミュレートする工程と,前記受信した選択に
応答して,前記ユーザのために生成される前記仮想装置の操作パラメータ及び/又は前記
仮想装置のシミュレートされた操作に関連付けられた触覚刺激を決定する工程と,前記決
定された触覚刺激を生成する工程と,を備える
【0009】
本発明の追加的な態様は,一又は複数の携帯型コンピュータ装置においてゲームを提供
するシステム及び方法に関する。仮想物体(例えば,ボール)は,一又は複数の携帯型コ
ンピュータ装置のインタフェースに表示されるゲームの画像表示を進む。仮想物体(又は
複数の仮想物体)の画像表示内の移動に対応する触覚効果は,個別の携帯型コンピュータ
装置に提供される。触覚効果は,仮想物体の移動についての一又は複数のパラメータ(例
えば,速度,方向,加速度など),仮想物体がインタラクトする物体及び/又は構成物(
例えば,壁,フリッパー,ブロック,バンパーなど)の一又は複数のパラメータ,及び/
又はこれら以外のパラメータに基づいて決定される。触覚効果は,触覚効果に対応する仮
想物体を表示していない携帯型コンピュータ装置に提供される触覚効果を含んでもよい。
これにより,別個の携帯型コンピュータ装置で一緒にゲームをプレイするユーザのグルー
プについて,ゲームの双方向性を向上させることができる。
【0010】
本発明の上記及び上記以外の特徴及び性質、並びに、関連する構成要素及び各部分の組
み合わせの動作方法及び機能、及び、製造の経済性については、添付図面を参照しつつ以
下の詳細な説明と添付の特許請求の範囲を検討することによってさらに明らかになる。こ
れらはいずれも本明細書の一部を構成する。本明細書においては、様々な図面において関
連する部分は類似の参照符号によって示される。添付図面は例示及び説明のためのもので
あり、本発明の発明特定事項の定義として用いることは意図されていない。本明細書及び
特許請求の範囲における用法によれば、単数形の"a"、"an"及び"the"には複数のものへの
言及が含まれるが、文脈上別に解すべきことが明白な場合はこの限りでない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一又は複数の実施形態に従ってユーザに触覚刺激を提供するように構成されたシステムを示す。
【0012】
図2】本発明の一又は複数の実施形態に従って仮想装置の一部の画像表示を示す。
【0013】
図3】本発明の一又は複数の実施形態に従って仮想装置の一部の画像表示を示す。
【0014】
図4】本発明の一又は複数の実施形態に従って仮想装置の一部の画像表示を示す。
【0015】
図5】本発明の一又は複数の実施形態に従ってユーザに触覚フィードバックを提供する方法を示す。
【0016】
図6】本発明の一又は複数の実施形態に従ってユーザに触覚フィードバックを提供する方法を示す。
【0017】
図7】本発明の一又は複数の実施形態に従って携帯型コンピュータ装置を示す。
【0018】
図8A】本発明の一又は複数の実施形態に従ってマルチユーザプレイをサポートするゲームの使用例を示す。
【0019】
図8B】本発明の一又は複数の実施形態に従ってマルチユーザプレイをサポートするゲームの使用例を示す。
【0020】
図9】本発明の一又は複数の実施形態に従って二人のユーザについてのプレイエリアの例を複数のインターバルにわたって示す。
【0021】
図10】本発明の一又は複数の実施形態に従って,プレイの例及びプレイエリアの境界で跳ね返される仮想物体を示す。
【0022】
図11】本発明の一又は複数の実施形態に従って連続的な効果をシミュレートする触覚効果の使用を示す。
【0023】
図12】本発明の一又は複数の実施形態に従ってゲームを提供する方法を示す。
【0024】
図13】本発明の一又は複数の実施形態に従って,ゲームのインスタンスに関するインタフェースの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は,ユーザ12へ触覚刺激(haptic stimulation)を提供するように構成されたシス
テム10を示す。一実施形態において,触覚刺激は,ゲーム,機器の現実世界の構成要素や
構成部品,及び/又はこれら以外の実在物などを制御するためにユーザ12によって用いら
れる一又は複数の操作ジェスチャの実行に関連してユーザ12に提供される。この触覚刺激
は,操作ジェスチャが実行されている間に,当該操作ジェスチャに関連付けられた触覚刺
激が操作ジェスチャの進展に応じて変化するようにユーザ12に提供される。一実施形態に
おいて,触覚刺激は,ユーザ12による仮想装置の操作に関連してユーザ12に提供される。
この触覚刺激は,仮想装置を操作する際にシステム10に提供される操作入力に対応する。
一実施形態において,システム10は,一又は複数のユーザインタフェース14,一又は複数
のアクチュエータ16,電子ストレージ18,一又は複数のプロセッサ20,及び/又はこれら
以外のコンポーネントを備える。
【0026】
本開示は,主に,ゲームを操作するために実行される操作ジェスチャに関連した触覚刺
激の提供について説明するが,これに限定されるものではない。この他にも,本明細書の
原理に従った触覚刺激の提供は,ユーザが操作ジェスチャ(例えば,テレビ,コンピュー
タ,自動車,遠隔制御車両又は遠隔制御船舶等の操作)の形態で入力を提供する他の状況
に拡張できる。現実世界のコンポーネントやシステムの操作を含む実施態様においては,
触覚刺激を用いることにより,ユーザによる複雑な操作ジェスチャの実行を改善し,ユー
ザ体験を向上させ,ユーザに操作ジェスチャの実行方法を教え,及び/又は従来の現実世
界を操作するシステムに対して前記以外の改善を提供する。現実世界のコンポーネント又
はシステムの操作を含む実施態様には,ユーザが操作対象コンポーネントの近くにいる場
合(例えば,車内や電子レンジなどの操作パネル),及び/又は,ユーザが操作対象コン
ポーネントから離れている場合が含まれる。現実世界のコンポーネント又はシステムの遠
隔制御は,操作対象コンポーネントの状態をユーザに通知する他の感覚刺激によって実現
できる。かかる他の感覚刺激は,例えば,ユーザに提供されるリアルタイム(又は準リア
ルタイム)の映像,オーディオ,及び/又は静止画像を含むことができる。
【0027】
一部の実施形態においては,ユーザ12が触覚刺激が提供される唯一のユーザとして説明
されるが,これに限定されるものではない。当業者であれば,本明細書の原理及び実施形
態を拡張することができ,単一のユーザの実施形態の説明に基づいて,複数のユーザに同
じ特徴を提供する複数のユーザの実施形態を想到することができる。複数のユーザの実施
形態には,「アクティブユーザ」(例えば,操作ジェスチャを行うユーザ)による操作ジ
ェスチャの実行に関連する「パッシブユーザ」(例えば,操作ジェスチャを行わないユー
ザ)への触覚刺激の提供が含まれる。触覚刺激は,パッシブユーザ及び/又はアクティブ
ユーザに対して,マルチユーザ環境における他の現象のフィードバックを提供することが
できる。
【0028】
本明細書においては,「操作ジェスチャ」は,ユーザによってなされ,単一の又は個別
の操作入力であるジェスチャを指し,別個のポーションを有する。当該「操作ジェスチャ
」に関連付けられた操作入力が有効に行われるためには,当該「操作ジェスチャ」を特定
の順番で及び/又は特定のタイミングで実行しなければならない。個別のポーションを実
行しても,それ自体では,「操作ジェスチャ」に全体として関連付けられた操作入力とは
ならない(例えば,「操作ジェスチャ」は,各々が自身の操作入力に関連付けられた他の
ジェスチャの単なる組み合わせではない)。一部の例において,「操作ジェスチャ」は,
対応する操作入力と正確に対応しない抽象的なジェスチャである。「操作ジェスチャ」の
非限定的な例については後述する。
【0029】
ユーザインタフェース14は,ユーザ12に情報を伝達し,ユーザ12から情報を受け取るよ
うに構成された一又は複数の入力装置及び/又は出力装置を含む。ユーザインタフェース
14は,例えば,コンテンツをユーザ12に配信する一又は複数のコンテンツ配信装置を備え
てもよい。このコンテンツには,オーディオコンテンツ,動画コンテンツ,静止画,及び
/又はこれら以外のコンテンツが含まれる。このコンテンツ配信装置は,例えば,電子デ
ィスプレイ(例えば,タッチスクリーンディスプレイを含む),オーディオスピーカ,及
び/又はこれら以外のコンテンツ配信装置を含んでもよい。ユーザインタフェース14は,
ユーザによるシステム10への入力を示す出力信号を生成するように構成された一又は複数
の操作入力装置を含むことができる。例えば,ユーザインタフェース14は,ゲームコント
ローラ,リモートコントローラ,キーパッド,ボタン,スイッチ,キーボード,つまみ,
レバー,マイク,位置検出装置(例えば,画像センサ,圧力センサ,光学式位置検出器,
超音波位置検出器,接触感知面,及び/又はこれら以外の位置検出装置),加速度計,ジ
ャイロスコープ,デジタルコンパス,及び/又はこれら以外の操作入力装置を含むことが
できる。ユーザインタフェース14は,コンピュータ装置に組み込まれ又は関連付けられて
もよく,制御用周辺装置に組み込まれてもよい。コンピュータ装置には,デスクトップコ
ンピュータ,ラップトップコンピュータ,携帯型コンピュータ,携帯情報端末,スマート
フォン,音楽プレイヤー,携帯型ゲーム機,ゲーム機,及び/又はこれら以外のコンピュ
ータ装置の一又は複数が含まれる。
【0030】
ユーザインタフェース14は,図1において単一の物として記載されているが,これは説
明の便宜に過ぎない。一実施形態において,ユーザインタフェース14には,複数のアクチ
ュエータが含まれる。複数のユーザインタフェース14は,単一の物体又は装置に備えられ
,単一の物体又は装置に収容され,及び/又は単一の物体又は装置に接触するものであっ
てもよい。又は,複数のユーザインタフェース14は,複数の別個の物体又は装置に備えら
れ及び/又は収容されるユーザインタフェースであってもよい。
【0031】
アクチュエータ16は,ユーザ12のために触覚刺激を生成するように構成される。このよ
うに,アクチュエータ16の少なくとも一部は,ユーザインタフェース14を介してユーザに
知覚コンテンツを伝達する際に,ユーザと又はユーザに接触する物体と接触する。非限定
的な例として,一又は複数のアクチュエータ16は,ユーザを支持する床面内又は床面上に
配置されてもよく(例えば,床に設置されたり,床に敷かれたマットに支持されるなど)
,一又は複数のアクチュエータ16は,装具などのユーザに着用されるウェアラブルアイテ
ムであってもよく,一又は複数のアクチュエータ16は,ユーザによって持ち運ばれる物体
に収容されてもよい(例えば,コントローラに収容される),一又は複数のアクチュエー
タ16は,ユーザが座ったり横たわったりする家具に支持されてもよく,一又は複数のアク
チュエータ16は,ユーザインタフェース14によって支持されてもよく,及び/又は,一又
は複数のアクチュエータ16は,ユーザに接触する前記以外の物体によって支持され,その
物体内又は物体上に配置されてもよい。
【0032】
本明細書において,「触覚刺激」という用語は,ユーザに作用する触知性フィードバッ
クを意味する。例えば,かかるフィードバックには,アクチュエータ16及び/又はアクチ
ュエータ16とユーザの両方が接触している物体によってユーザに物理的に作用する振動,
力,及び/又は動きの一又は複数が含まれる。アクチュエータ16には,ユーザに作用する
フィードバックを生成するように構成された任意の装置が含まれる。例えば,アクチュエ
ータ16には,圧電アクチュエータ,空気圧式アクチュエータ,中心質量アクチュエータ,
電気活性高分子アクチュエータ,静電表面アクチュエータ,マクロファイバー複合体アク
チュエータ,及び/又はこれら以外のアクチュエータの一又は複数が含まれる。例えば,
接触感知面(及び/又はこれ以外の表面)は,静電表面アクチュエータによってユーザに
対して移動するように作動される。アクチュエータ16によって作動される表面は,剛体又
は半剛体であってもよく,可撓性を有し,及び/又は変形可能であってもよい。
【0033】
図1にはアクチュエータ16を単一の物として示したが,これは説明の便宜に過ぎない。
一実施形態において,アクチュエータ16は,複数のアクチュエータを含んでもよい。複数
のアクチュエータは,単一の物体又は装置に備えられてもよく,単一の物体又は装置に支
持されてもよく,及び/又は単一の物体又は装置に接触してもよい。又は,複数のアクチ
ュエータは,複数の別個の物体又は装置に備えられ又は支持され,及び/又は複数の別個
の物体又は装置に接触するアクチュエータを含むことができる。
【0034】
一実施形態において,電子ストレージ18には,情報を電子的に記憶する電子記憶媒体が
含まれる。電子ストレージ18の電子記憶媒体は,システム10と一体に設けられた(すなわ
ち,実質的には着脱不能の)システムストレージ及び/又はシステム10に例えばポート(
例えば,USBポート,FireWireポートなど)又はドライブ(例えば,ディスクドライブな
ど)を介して着脱可能に取り付けられた着脱式ストレージの一方又は両方を備えることが
できる。電子ストレージ18は,光学読み取り可能記憶媒体(例えば,光学ディスクなど)
,磁気読み取り可能媒体(例えば,磁気テープ,磁気ハードドライブ,フロッピードライ
ブなど),電気チャージ型の記録媒体(例えば、EEPROM,RAMなど)、半導体記録媒体(
フラッシュドライブなど)、及び/又はこれら以外の電子的に読み取り可能な記録媒体を
少なくとも一つ含むことができる。電子ストレージ18は,ソフトウェアアルゴリズム、プ
ロセッサ20によって決定された情報、ユーザインタフェース14によって受信された情報、
及び/又はシステム10が適切に動作するためのこれら以外の情報を記憶することができる
。電子ストレージ18は,システム10内の別個のコンポーネントであってもよく,電子スト
レージ18は,システム10の一又は複数の他のコンポーネント(例えば,プロセッサ20)と
一体に設けられても良い。
【0035】
プロセッサ20は,システム10において情報処理能力を提供するように構成される。そこ
で,プロセッサ20は,デジタルプロセッサ,アナログプロセッサ,情報を処理するように
構成されたデジタル回路,情報を処理するように構成されたアナログ回路,ステートマシ
ーン,及び/又は電子的情報を処理するこれら以外のメカニズムの一又は複数を含むこと
ができる。プロセッサ20は図1において単一の物として示されているが,これは説明の便
宜に過ぎない。一部の実施態様において,プロセッサ20は,複数の処理ユニットを備えて
いてもよい。これらの処理ユニットは,同じ装置内に配置されていてもよい。プロセッサ
20は,協働する複数の装置の処理機能を代表するものであってもよい。
【0036】
図1に示されているとおり,プロセッサ20は,一又は複数のコンピュータプログラムモ
ジュールを実行するように構成されてもよい。一又は複数のコンピュータプログラムモジ
ュールは,コンテンツモジュール22,ジェスチャモジュール24,刺激モジュール26,装置
モジュール28,アクチュエータ制御モジュール30,及び/又はこれら以外のモジュールの
一又は複数を含むことができる。プロセッサ20は,ソフトウェア,ハードウェア,ファー
ムウェア,ソフトウェア・ハードウェア及び/又はファームウェアの組み合わせ,及び/
又はプロセッサ20に処理能力を設ける前記以外のメカニズムによってモジュール22,24,
26,28,30を実行するように構成される。
【0037】
図1においては,モジュール22,24,26,28,30が単一の処理ユニット内に一緒に配置
されているが,プロセッサ20が複数の処理ユニットを含む実施態様においては,モジュー
ル22,24,26,28,30の一又は複数を他のモジュールと分離して配置することができる。
異なるモジュール22,24,26,28,30によって提供される機能を以下に説明するが,この
説明は便宜上のものに過ぎず,限定的なものではない。モジュール22,24,26,28,30は
,明示されている機能よりも多くの機能又は少ない機能を備えることができる。例えば,
モジュール22,24,26,28,30の一又は複数を除去することもでき,その機能の一部又は
全部は,モジュール22,24,26,28,30のうちの除去したもの以外のモジュールによって
提供されてもよい。他の例として,モジュール22,24,26,28,30の一つに備えられてい
る機能の一部又は全部を実行する一又は複数の追加的なモジュールを実行するようにプロ
セッサ38を構成してもよい。
【0038】
コンテンツモジュール22は,ユーザインタフェース14を介したユーザ12へのコンテンツ
の提供を制御するように構成される。コンテンツがコンピュータによって生成された画像
(ゲーム,仮想世界,シミュレーションなどにおいて)を含む場合には,コンテンツモジ
ュール22は,ユーザインタフェース14を介してユーザ12に表示するための画像及び/又は
画面表示を生成するように構成される。コンテンツが動画及び/又は静止画を含む場合に
は,コンテンツモジュール22は,当該動画及び/又は静止画にアクセスしてユーザインタ
フェース14に表示する当該動画及び/又は静止画の表示画面を生成するように構成される
。コンテンツがオーディオコンテンツを含む場合には,コンテンツモジュール22は,ユー
ザインタフェース14に適当な音声を出力させる電子信号を生成するように構成される。コ
ンテンツモジュール22は,電子ストレージ18から,コンテンツ,又はコンテンツが抽出さ
れる情報を取得することができる。
【0039】
一実施形態において,コンテンツモジュール22によって提供されるコンテンツは,ゲー
ムに関連するコンテンツである。この実施形態において,コンテンツモジュール22は,ユ
ーザインタフェース14を介してユーザ12に表示するためにゲームの表示画像を描画するよ
うに構成される。また,コンテンツモジュール22は,当該ゲームに関連するコンピュータ
読み取り可能なプログラムコードに従って,表示画像に対応するオーディオを提供する。
【0040】
ジェスチャモジュール24は,ユーザ12から受信した操作入力を示すユーザインタフェー
ス14によって生成された一又は複数の出力信号を受信するように構成される。受信した一
又は複数の出力信号に基づいて,ジェスチャモジュール24は,ユーザ12による一又は複数
の操作ジェスチャの実行を監視する。一実施形態において,ジェスチャモジュール24によ
って監視される操作ジェスチャには,冒頭ポーション,一又は複数の中間ポーション,及
び終端ポーションが含まれる。
【0041】
ユーザインタフェース14がユーザ12からの入力を受信する接触感知面を含む実施形態に
おいて,操作ジェスチャの冒頭ポーションは,一又は複数の場所において接触感知面と接
触を開始することを含んでも良い。この操作ジェスチャによって,接触の開始位置(又は
,マルチタッチ操作ジェスチャについては複数の位置),接触が開始された位置の圧力,
及び/又はユーザ12と接触感知面との最初の接触に関する前記以外のパラメータを決定す
ることができる。ユーザ12が接触感知面に既に接触している場合には,操作ジェスチャの
冒頭ポーションには,操作ジェスチャに対応する一又は複数の位置に移動すること,(特
定の位置で,又は大まかに)接触感知面との接触を維持すること,一又は複数の特定の方
向に移動すること,一又は複数の特定の形状を作ること,接触感知面上の一又は複数の位
置における接触を終了すること,及び/又はこれら以外の動作を含むことができる。操作
ジェスチャの一又は複数の中間ポーションは,動くことなく一又は複数の場所において接
触を維持すること,特定の方向に移動すること,特定の形状を作ること,動きを中止する
こと,一又は複数の追加的な位置において接触感知面に接触すること,接触感知面上の一
又は複数の位置において接触を終了すること,接触感知面をより強く又は弱く押すこと,
及び/又はこれら以外の動作の一又は複数を含むことができる。終端ポーションは,接触
感知面上の一又は複数の位置において接触を終了すること,一又は複数の位置において動
作を中止すること,特定の方向に移動すること,特定の形状を作ること,一又は複数の追
加的な位置において接触感知面に接触すること,接触感知面をより強く又は弱く押すこと
,及び/又はこれら以外の動作の一又は複数を含むことができる。
【0042】
位置ベースの操作ジェスチャの冒頭ポーション,一又は複数の中間ポーション,及び/
又は終端ポーションによって決定される動作の一又は複数は,固定された位置(例えば,
常に同じ位置),対応するポーションにおいては変更されない動的な位置(例えば,この
位置は,操作ジェスチャの実行と実行との間で移動するが,当該位置に対応するポーショ
ンが実行されている間は固定されている),対応するポーションにおいても変更される動
的な位置,及び/又はこれら以外の位置のタイプと関連付けられていてもよい。
【0043】
ユーザインタフェース14が接触感知面を含む実施形態において,操作ジェスチャの最も
単純な例の一つは,ユーザ12が接触感知面に接触する冒頭ポーションを含む。中間ポーシ
ョンは,操作ジェスチャの冒頭ポーションにおいてなされた接触を中断することを含んで
も良い。終端ポーションは,操作ジェスチャの冒頭ポーションにおいてなされ,中間ポー
ションにおいて維持された接触を除去することを含んでもよい。
【0044】
ユーザインタフェース14が空間におけるユーザ12の動作を監視するように構成された一
又は複数のセンサ(例えば,画像センサ,圧力センサ,加速度計,及び/又はこれら以外
のセンサ)を含む実施形態においては,操作ジェスチャの冒頭ポーションは,特定の方向
を向くこと,特定の方向に移動し又は動くこと,特定の一又は複数の付属品とともに移動
すること,特定の方法で体の部分を互いに対して配置すること(例えば,特定の配置とな
るように手を握ること,及び/又は体の部分をこれ以外の配置とすること),特定の方向
に移動し又は動くこと,特定の期間だけ動作すること,特定の速度及び/又は加速度で(
又はそれ以上もしくはそれ以下で)動作し又は動くこと,移動又は動きの方向を特定の方
法で変更すること,及び/又はこれら以外の動作の一又は複数を含むことができる。一又
は複数の中間ポーションは,頭及び/又は頭以外の体の部分の向きを特定の方向に変更す
ること,特定の方向に移動し又は動くこと,特定の一又は複数の付属品とともに移動する
こと,体の複数の部分が互いに特定の関係で動くように動作すること,特定の方向に移動
し又は動くこと,特定の期間だけ動作すること,特定の速度及び/又は加速度で(又はそ
れ以上もしくはそれ以下で)動作し又は動くこと,動作又は動きの方向を特定の方法で変
更すること,一又は複数の体の部分による動作又は動きを中止すること,及び/又はこれ
ら以外の動作の一又は複数を含むことができる。操作ジェスチャの終端ポーションは,頭
及び/又は頭以外の体の部分の向きを特定の方向に変更すること,特定の方向に移動し又
は動くこと,特定の一又は複数の付属品とともに移動すること,体の複数の部分が互いに
特定の関係で動くように動作すること,特定の方向に移動し又は動くこと,特定の期間だ
け動作すること,特定の速度及び/又は加速度で(又はそれ以上もしくはそれ以下で)動
作し又は動くこと,動作又は動きの方向を特定の方法で変更すること,一又は複数の体の
部分による動作又は動きを中止すること,及び/又はこれら以外の動作の一又は複数を含
むことができる。
【0045】
ジェスチャモジュール24は,ユーザ12の動き及び/又は動作を示すユーザインタフェー
ス14の出力信号を取得し,ユーザ12の動き及び/又は動作を操作ジェスチャと比較するこ
とによって,操作ジェスチャの実行を監視するように構成される。操作ジェスチャの一又
は複数は,コンテンツモジュール22によってユーザインタフェース14を介してユーザ12に
伝達されるコンテンツの機能である。例えば,操作ジェスチャの一又は複数は,ユーザイ
ンタフェース14を介してユーザ12に伝達されるゲームの機能であってもよい。操作ジェス
チャの一又は複数は,ユーザインタフェース14を介してユーザ12に提供されるコンテンツ
から独立していてもよい。例えば,操作ジェスチャの一又は複数は,ユーザインタフェー
ス14,プロセッサ20,及び/又はこれら以外のコンポーネントの機能を制御することがで
きる。
【0046】
刺激モジュール26は,ジェスチャモジュール24から操作ジェスチャの実行に関連する情
報を受信し,当該操作ジェスチャに関連付けられたユーザ12のために生成すべき触覚刺激
を決定するように構成される。刺激モジュール26によって決定された触覚刺激は,操作ジ
ェスチャが実行されたコンテクストとは別に,操作ジェスチャの実行に対応した触覚刺激
を含む。例えば,ゲームのコンテクストにおいて,操作ジェスチャの実行に対応した触覚
刺激には,操作ジェスチャの実行以外のゲーム内の変数に依存しない触覚刺激が含まれる
【0047】
刺激モジュール26によって定められた触覚刺激は,操作ジェスチャと対応づけられてい
る典型的な触覚刺激よりも複雑でリッチである。例えば,従来のシステムにおいて,操作
ジェスチャと関連付けられる触覚刺激は,操作ジェスチャの際及び/又はその後に提供さ
れる単一の刺激を含むことが多い。この触覚刺激は,操作ジェスチャの確認を提供する。
これとは対照的に,刺激モジュール26によって決定される触覚刺激は,触覚刺激によって
提供される没入型の体験を増大させるために,操作ジェスチャの実行をより綿密に追跡す
る。
【0048】
一実施形態において,刺激モジュール26によって決定される操作ジェスチャに対応する
触覚刺激には,第一の刺激,第二の刺激,及び/又はこれら以外の刺激が含まれる。第一
の刺激は第二の刺激と異なっている。これは,第一の刺激の一又は複数のパラメータが第
二の刺激とは異なることを意味する。一又は複数のパラメータには,例えば,触覚刺激の
周期,力,指向性,位置,及び/又はこれら以外のパラメータの一又は複数が含まれる。
第一の刺激と第二の刺激(及び/又は他の刺激)との間の一又は複数のパラメータの変動
は,なだらかであってもよいし,離散的なもので第一の刺激と第二の刺激との間の触覚刺
激のパラメータに明確な段差を設けるものであってもよい。
【0049】
刺激モジュール26は,第一の刺激及び第二の刺激の供給を,第一の刺激及び第二の刺激
が対応している操作ジェスチャの実行と対応づけるように構成される。一実施形態におい
て,第一の刺激は,操作ジェスチャの冒頭ポーションの実行に応答して刺激モジュール26
によって決定され,第二の刺激は,操作ジェスチャの一又は複数の中間ポーションの実行
に応答して刺激モジュール26によって実行される。刺激モジュール26は,操作ジェスチャ
の終端ポーションに応答して,他の刺激(例えば,第三の刺激)を決定することができ,
又は当該操作ジェスチャに関連付けられた触覚刺激を提供することができる。
【0050】
一実施形態において,刺激モジュール26は,刺激が操作ジェスチャの中間ポーションの
間で異なるように操作ジェスチャに関連付けられた触覚刺激を決定する。これにより,操
作ジェスチャの実行が進行する間,触覚刺激がなだらかに変化し,及び/又は,操作ジェ
スチャの実行が中間ポーションの間で推移するときに,触覚刺激が離散的に変化する。
【0051】
刺激モジュール26によって決定される触覚刺激は,操作ジェスチャの実行に関するフィ
ードバックをユーザ12に与えるために提供される。この触覚刺激には,操作ジェスチャの
一ポーションが開始されたこと,及び/又は,現在も継続中であることをユーザ12に通知
する刺激,操作ジェスチャの次のポーションの開始をユーザ12に促す刺激,及び/又は操
作ジェスチャの実行に関する前記以外の情報をユーザ12に提供する刺激が含まれる。
【0052】
一実施形態において,刺激モジュール26は,操作ジェスチャの実行が失敗したことをユ
ーザ12に示す触覚刺激をユーザ12に提供する。この実施形態において,刺激モジュール26
は,ユーザ12が操作ジェスチャの一ポーションを実行できなかったことに応答して,又は
操作ジェスチャの一ポーションから操作ジェスチャの他のポーションに適切に移行できな
かったことに応答して,ユーザ12に提供するための失敗を示す刺激を決定することができ
る。例えば,この失敗した旨の刺激には,摩擦音(fizzle)及び/又はそれ以外の刺激を
含むことができる。
【0053】
次に,操作ジェスチャ及び対応する触覚刺激の例を説明する。提示される例は,プレイ
ヤー同士の対戦ゲーム及び/又はプレイヤーとノンプレイヤーキャラクタとの対戦ゲーム
において通常見られるゲームキャラクタのクラスに対応する。具体的には,以下に提示さ
れる例は,「魔法使い」,「近距離攻撃職」,及び「遠距離攻撃職」に対応する。これら
のキャラクタのクラスは限定的なものではなく,他のキャラクタのクラス及び/又は複数
のクラスの特徴を含むハイブリッドも本明細書で説明される原理に従って実施可能である
【0054】
「魔法使い」は,戦闘中に呪文を唱える(又は,それ以外の同様の攻撃及び/又は防御
を行う)キャラクタである。魔法使いキャラクタの例には,魔術師,司祭,黒魔術師,工
兵,及び/又はこれら以外のキャラクタが含まれる。魔法使いに呪文を唱えさせる操作を
行うためには,ユーザ12は,当該所定の呪文に対応する操作ジェスチャを実行することが
必要となる。ユーザ12が操作ジェスチャのポーションを進展させるときに,当該操作ジェ
スチャに対応する刺激モジュール26によって決定される触覚刺激は,操作ジェスチャの進
展をユーザ12に通知することができる。また,操作ジェスチャに関連付けられた触覚刺激
は,唱えられる呪文の威力に関する情報も通知することができる(例えば,より大きな力
及び/又はより高速な周期によってより強力な呪文を示すことができる)。
【0055】
一実施形態において,操作ジェスチャのポーション間で操作ジェスチャを進行させるに
つれて,刺激モジュール26によって決定される触覚刺激の力及び/又は速度が増加するよ
うにしてもよい。この増加は操作ジェスチャの進行に伴った緩やかなものでもよく,(例
えば,操作ジェスチャのポーション間の移行において)離散的なものでもよい。本発明は
これに限られず,操作ジェスチャの進展を示すために触覚刺激の他のパラメータが変更さ
れてもよい。触覚刺激は,操作ジェスチャの進行が(今のところ)成功している旨のフィ
ードバックを提供することができ,将来における操作ジェスチャの実行に関してユーザ12
に指示することもできる(例えば,次のポーションに進むこと,現在のポーションを維持
することなど)。操作ジェスチャの最後のポーションが実行されると,刺激モジュール26
は,唱えるのに成功した呪文を示す触覚刺激を決定することができる。一実施形態におい
て,ユーザ12は,放出のために魔法を有効に「蓄積する」ための操作ジェスチャのポーシ
ョンを実行することができる。これにより,魔法を,無限に又は所定の蓄積期間だけ蓄積
しておくことができる。この蓄積の間は,刺激モジュール26は,魔法が現時点で蓄積され
ていることを確認する触覚刺激を決定することができる。蓄積期間が最大蓄積時間を有し
ている場合には,触覚刺激は,最大蓄積時間に対する蓄積時間のステータスを示すことが
できる。
【0056】
「近距離攻撃職」は,接近戦で敵と戦う(例えば,至近距離の戦闘)ように構成された
キャラクタである。かかるキャラクタは,振り回す系の武器(例えば,棍棒やメイスなど
),突き刺す系及び/又は切る系の武器(例えば,ナイフ,斧,剣など),及び/又はこ
れら以外の接近戦用の武器で武装することができる。刺激モジュール26は,ユーザ12がキ
ャラクタを操作して攻撃などを行うときに,かかる攻撃の現実世界における特徴を模した
触覚刺激を決定することができる。例えば,ユーザ12が敵又は物体を突き刺すときには,
第一のフィードバックは,突き刺す感覚及び/又は切る感覚を模すことができる。かかる
攻撃の後にユーザ12が武器を引き抜くときには,第二のフィードバックは,物体又は敵か
らの武器の引き抜きを模すことができる。他の例として,ユーザ12が武器を準備位置にお
いて回転させる(例えば,ボール付きチェーンを振り回す)とき,刺激モジュール26によ
って決定される第一のフィードバックは,かかる動きによって現実に感じられる現実世界
の感覚を模すことができる。その準備位置から武器を開放する(例えば,振り回されたボ
ールで敵又は物体を攻撃する)ことにより,刺激モジュール26によってかかる攻撃を模し
た第二の刺激が決定される。攻撃の強度は,操作ジェスチャ(又はその一部分)の実行時
間の長さ,操作ジェスチャの動作範囲,操作ジェスチャを行う際の動作速度,ユーザとユ
ーザインタフェース14に備えられたタッチスクリーンとの間の接触圧,及び/又は操作ジ
ェスチャに関するこれら以外のパラメータ(又はその一部分)に基づいて定められても良
い。
【0057】
一部の実施態様において,ユーザインタフェース14は,タッチスクリーンを備える。タ
ッチスクリーンには,コンテンツモジュール22によって,ゲームに関連付けられたコンテ
ンツの表示が提供される。かかる実装態様において,操作ジェスチャがなされる位置は,
(ジェスチャを入力したユーザ及び/又はそれ以外のユーザに関して)ゲームの操作方法
及び/又は刺激モジュール26によって決定される触覚刺激に影響を与える。例えば,近距
離攻撃職を操作する際に,ユーザは,攻撃が向けられるべき敵の特定の部分(例えば,脚
,腕,頭,胴など)を示すように攻撃用の操作ジェスチャを入力することができる。同様
に,近距離攻撃職を操作する際に,ユーザは,操作対象キャラクタの防御又はブロックさ
れるべき特定の部分(例えば,脚,腕,頭,胴など)を示すように,防御用又はブロック
用操作ジェスチャを入力することができる。操作ジェスチャの位置に基づく側面は,対応
する制御の成功及び/又は影響を決定する際,及び/又は,操作ジェスチャに対応する触
覚刺激を決定する際に考慮される。ユーザインタフェース14のタッチスクリーン上で複数
の位置に触れることにより複数の攻撃を開始することができる。
【0058】
「遠距離攻撃職」は,遠距離から敵を攻撃するように構成され,そのための武装をした
キャラクタである。この遠距離攻撃職には,例えば,弓,石,弾丸,ロケットなどの発射
体を発射するように武装したキャラクタを含んでもよい。非限定的な例として,ユーザ12
は,弓矢を発射するように遠距離攻撃職を操作することができる。この例においては,矢
をつがえること,弓をひくこと(増加する弦の張力を示すために触覚刺激を変化させるこ
と),弦を開放すること,開放によってキャラクタの前腕に当たる弦,及び/又は矢の発
射に関連付けられる操作ジェスチャの前記以外の部分に関し,刺激モジュール26によって
様々な触覚刺激が決定される。攻撃又は発射体の強度及び/又は速度は,操作ジェスチャ
(又はその一部分)の実行時間の長さ,操作ジェスチャの動作範囲,操作ジェスチャを行
う際の動作速度,ユーザとユーザインタフェース14に備えられたタッチスクリーンとの間
の接触圧,及び/又は操作ジェスチャに関するこれら以外のパラメータ(又はその一部分
)に基づいて定められても良い。
【0059】
遠距離攻撃が向けられる目標及び/又は遠距離攻撃の一部として発射された発射体の経
路は,操作ジェスチャに基づいて決定されてもよい。例えば,ユーザインタフェースがタ
ッチスクリーンを備える場合には,操作ジェスチャを行うユーザは,遠距離攻撃の目標が
表示されるタッチスクリーンの一部分に(例えば,操作ジェスチャの一部として)接触す
ることができる。同様に,ユーザは,遠距離攻撃中に放出された発射体の経路をタッチス
クリーン上でトレースすることができる。発射体の経路のトレースは,攻撃を開始する操
作ジェスチャの少なくとも一部分を構成することができる。操作ジェスチャによって指示
された目標及び/又は経路は,刺激モジュール26によって決定される対応する触覚刺激の
決定に影響を与える。
【0060】
ゲームコンテンツには,箱,部屋,門,乗り物,及び/又はこれら以外の「ロックされ
」操作ジェスチャを実行することによって開けることが必要な物体又はアイテムが含まれ
ても良い。一部の実施態様において,刺激モジュール26は,ユーザがかかる物体又はアイ
テムを選択したことに応答して,選択された物体又はアイテムがロックされていることを
ユーザに示すための触覚刺激を決定することができる。物体又はアイテムを開錠するため
の操作ジェスチャをユーザが実行することによって,当該操作ジェスチャに対応する触覚
刺激が刺激モジュール26によって決定される。
【0061】
一実施形態において,所定の操作ジェスチャに関して刺激モジュール26によって決定さ
れる触覚刺激は,ユーザ12によって操作されるゲームにおけるキャラクタの特徴に基づい
て変化するものであってもよい。例えば,触覚刺激は,キャラクタのスキル,キャラクタ
の疲労度,キャラクタの怪我,武器の種類,武器の破損,及び/又はこれら以外の特徴の
関数として変化してもよい。
【0062】
キャラクタの疲労及び/又は怪我に基づいて触覚刺激を変更することにより,疲労した
又は怪我をしたキャラクタとしてユーザ12にハンディキャップをつけることができる。こ
れには,(例えば,力を増大させることにより)ユーザ12による正確な操作を妨げること
,(例えば,力を減少させ,触覚刺激のうち合図や催促を提供しない部分の力を増大させ
,合図及び/又は催促への応答時間を減少させることなどにより)触覚刺激における合図
や催促の知覚を妨げること,力,周期,及び/又は触覚刺激に関するこれら以外のパラメ
ータを変更すること,及び/又は,これら以外の方法によってユーザ12にハンディキャッ
プをつけることが含まれる。
【0063】
キャラクタのスキルに基づいて触覚刺激を変更することにより,スキル及び能力を緩や
かに及び/又は段階的に「開放」することができる。刺激モジュール26は,所定の能力に
ついてより多くの練習を行い及び/又はより多くのスキルを有するキャラクタに関して,
当該所定の能力に対応する操作ジェスチャを実行するためのより明瞭でより容易に理解で
きるガイドを提供する触覚刺激を決定することができる。例えば,当該キャラクタについ
て刺激モジュール26によって決定される触覚刺激は,キャラクタのスキルが向上するにつ
れて,ユーザ12を操作ジェスチャに導くより明確な合図及び/又は催促を提供することが
できる(例えば,キャラクタの疲労に関する上述の例を参照)。これにより,ユーザ12は
,対応する能力について十分に練習していなくとも操作ジェスチャを用いることができる
が,将来において練習やそれ以外のスキル向上策を行わない場合には,ユーザによる操作
ジェスチャの再現性に影響が生じる。
【0064】
操作ジェスチャについて決定される触覚刺激をキャラクタの装置に基づいて変更するこ
とにより,装置の修理を継続したり,アップグレードされた装置を取得することを強制せ
ずに動機づけることができる。刺激モジュール26は,操作ジェスチャがユーザ12にとって
利用可能か否かのデジタル的な決定の代わりに,「より良い」仮想装置を用いることで,
操作ジェスチャをより容易で及び/又はより楽しいものにする触覚刺激を提供することが
できる。
【0065】
装置モジュール28は,ユーザ12に仮想装置の操作を提供するように構成される。ユーザ
12は,システム10によってユーザ12に提供されるゲームのコンテクストにおいて,例えば
直接に又は仮想装置を使用するキャラクタを通して仮想装置を操作することができる。こ
の場合,コンテンツモジュール22は,ユーザインタフェース14を介してユーザ12に仮想装
置の表示画像を提供する。装置モジュール28は,仮想装置の操作パラメータを決定し,そ
の操作をシミュレートするように構成される。
【0066】
ユーザインタフェース14が接触感知式電子ディスプレイを備える実施形態において,装
置モジュール28は,仮想装置の操作パラメータを決定し,及び/又は,仮想装置の表示画
像のユーザ選択可能な部分のユーザ12の選択に基づいて仮想装置の操作をシミュレートす
る。仮想装置のユーザ選択可能な部分は,装置の操作パラメータを設定し及び/又は装置
を操作するために,現実世界で使用される装置の部分に類似する仮想装置の部分に対応す
る仮想装置の表示画像に配置されてもよい。仮想装置の表示画像のユーザ選択可能な部分
を作動させることにより設定可能な仮想装置の操作パラメータには,砲弾の装填量,破損
の程度,ストッピングパワー,発射体の速度,砲弾の種類,ノイズレベル,及び/又はこ
れら以外の操作パラメータの一又は複数が含まれる。
【0067】
例として,図2は,仮想装置32(例えば,銃)の一部分の表示画像を示す。図2の表示
画像においては,仮想装置32の部分には,複数の選択可能部分34(図2においては,部分
34a,部分34b,部分34c,及び部分34dとして図示されている)が含まれる。ユーザ12は,
部分34aを選択することにより,仮想装置32のハンドル/銃床の部分を設定することがで
きる。ユーザ12は,部分34bを選択することにより,仮想装置32の砲弾部分を設定するこ
とができる。ユーザ12は,部分34cを選択することにより,仮想装置32の照準部分を設定
することができる。ユーザ12は,部分34dを選択することにより,仮想装置32の銃身/銃
口部分を設定することができる。
【0068】
仮想装置32の一部分を設定するために選択可能部分34の一つを選択することには,単に
所望の選択可能部分34を選択し,次に選択した部分34について新しい設定を選択すること
が含まれる。一実施形態においては,タッチアンドドラグのような操作により再設定を行
うことができる。例えば,ユーザ12は,ユーザインタフェース14上の砲弾に対応する領域
を選択し,砲弾を部分34bに「ドラグする」ことにより仮想装置32の一部分を再充填する
ことができる。ユーザ12は,同様に,消音器(及び/又はその他の銃身又は銃口の特徴的
な機構)を選択し仮想装置32の一部分である部分34dにドラグすることで,仮想装置32の
一部分の音の面の特徴(及び/又はそれ以外の特徴)を変更することができる。
【0069】
他の例として,図3は,複数の選択可能部分38(図3には,部分38a,部分38b,部分38
c,及び部分38dとして図示されている)を有する仮想的な銃器36の表示画像を示す。刺激
モジュール26の選択可能部分38は,図2に関して上述したものと類似の方法で選択される
【0070】
さらに他の例として,図4は,ゲームにおける様々なアイテムのユーザ(又は,ユーザ
によって操作されるキャラクタ)との近さを示すように構成された仮想装置40の一部分の
表示画像を示す。仮想装置40の一部分には,複数の選択可能部分42(図4には,部分42a
,部分42b,部分42c,部分42d,及び部分42eとして図示されている)が含まれる。選択可
能部分42の個別の部分は,選択可能部分42の一つを選択することにより仮想装置40の一部
分が選択されたモードに従って動作するように,仮想装置40の一部分の個別のモードに対
応している。例えば,第一のモードにおいては,仮想装置40の一部分は,他のキャラクタ
の近さの表示を提供することができ,第二のモードにおいては,仮想装置40の一部分は,
敵の近さの表示を提供することができ,第三のモードにおいては,仮想装置40の一部分は
,一又は複数のリソース(例えば,金,食料,砲弾,パワーアップアイテムなど)の近さ
の表示を提供することができる。
【0071】
再び図1を参照する。一実施形態において,刺激モジュール26は,ユーザのために生成
される触覚刺激を決定するように構成される。この触覚刺激は,仮想装置の操作パラメー
タ及び/又は仮想装置のシミュレートされた操作に関連付けられている。この触覚刺激の
決定には,例えば,仮想装置の一部分の現在の操作パラメータに基づいて触覚刺激を変更
すること,仮想装置の一部分になされた変更を反映するために仮想装置の一部分の再設定
の間に触覚刺激を決定すること,及び/又は仮想装置の設定及び/又は操作の前記以外の
態様が含まれる。
【0072】
非限定的な例として,刺激モジュール26は,仮想的な銃器がユーザ12によって再充填さ
れる場合には,当該再充填を示す触覚フィードバックを決定する。新しい砲弾は,以前用
いられていた砲弾とは異なるものであり,刺激モジュール26は,銃器が発砲されると,以
前用いられていた砲弾を発砲する際に決定した触覚刺激とは異なる触覚フィードバックを
決定する。
【0073】
一実施形態において,アクチュエータ16は,仮想装置の表示画像をユーザ12に提示する
接触感知式電子ディスプレイを作動するように構成される。この実施形態においては,ユ
ーザ12が接触感知式電子ディスプレイを使用するときに刺激モジュール26によって決定さ
れる触覚刺激をユーザ12に提供することにより,さらに没入型の仮想装置の操作体験を提
供することができる。例えば,ユーザ12が接触感知式ディスプレイを用いて銃を再充填し
又は装置の一部分を切り替えるときには,銃への操作に対応する触覚刺激が接触感知面を
介してユーザ12に提供される。
【0074】
アクチュエータ制御モジュール30は,刺激モジュール26によって決定された触覚刺激を
生成するようにアクチュエータ16を制御するように構成される。これには,プロセッサ22
からアクチュエータ16に生成すべき触覚刺激を伝達することが含まれる。生成すべき触覚
刺激は,有線通信リンク,無線通信リンク,及び/又はプロセッサ22とアクチュエータ16
との間のこれら以外の通信リンクを介して伝達される。
【0075】
図5は,触覚刺激を決定し,及び/又は,触覚刺激をユーザへ提供する方法44を示す。
触覚刺激は,ゲームに関連して,及び/又は,それ以外のコンテクストにおいて決定され
,ユーザに提供される。以下に示される方法44の工程は例示である。一部の実施形態にお
いて,方法44は,説明されていない一又は複数の追加的な工程を用いて,及び/又は,説
明された工程の一又は複数を省略して実現されてもよい。また,図5に示され以下で説明
される方法44の工程の順序は限定的なものではない。
【0076】
一部の実施形態において,方法44は,一又は複数の処理装置(例えば,デジタルプロセ
ッサ,アナログプロセッサ,情報を処理するように構成されたデジタル回路,情報を処理
するように構成されたアナログ回路,ステートマシーン,及び/又は電子的に情報を処理
するこれら以外のメカニズム)において実行される。一又は複数の処理装置は,電子記憶
媒体に電子的に記憶されている命令に応答して方法44の工程の一部又は全部を実行する一
又は複数の装置を含むことができる。一又は複数の処理装置は,ハードウェア,ファーム
ウェア,及び/又は方法44の工程の一又は複数を実行するように構成された専用ソフトウ
ェアによって構成された一又は複数の装置を含むことができる。
【0077】
工程46においては,操作ジェスチャの冒頭ポーションのユーザによる実行が監視される
。操作ジェスチャの冒頭ポーションの実行は,ユーザインタフェース14(上述した図1
示されている)と類似又は同一のユーザインタフェースの出力信号に基づいて監視されて
もよい。一実施形態において,工程46は,ジェスチャモジュール24(上述した図1に示さ
れている)と類似又は同一のジェスチャモジュールによって実行される。
【0078】
工程48においては,操作ジェスチャの冒頭ポーションの実行に応答して,第一の触覚刺
激が決定される。第一の触覚刺激は,操作ジェスチャの冒頭ポーションに対応する。一実
施形態において,工程48は,刺激モジュール26(上述した図1に示されている)と類似又
は同一の刺激モジュール26によって実行される。
【0079】
工程50においては,ユーザのために第一の触覚刺激が生成される。一実施形態において
,工程50は,アクチュエータ16(上述した図1に示されている)と類似又は同一の一又は
複数のアクチュエータによって実行される。
【0080】
工程52においては,操作ジェスチャの第一の中間ポーションがユーザによって実行され
たか否かについての決定がなされる。操作ジェスチャの第一の中間ポーションが実行され
ると,方法44は工程54に進む。一実施形態において,工程52は,ジェスチャモジュール24
(上述した図1に示されている)と類似又は同一のジェスチャモジュールによって実行さ
れる。
【0081】
工程54においては,第二の触覚刺激が決定される。第二の触覚刺激は,操作ジェスチャ
の第一の中間ポーションに対応する。一実施形態において,工程54は,刺激モジュール26
(上述した図1に示されている)と類似又は同一の刺激モジュールによって実行される。
【0082】
工程56においては,ユーザのために第二の触覚刺激が生成される。一実施形態において
,工程56は,アクチュエータ16(上述した図1に示されている)と類似又は同一の一又は
複数のアクチュエータによって実行される。
【0083】
工程52に戻って,操作ジェスチャの第一の中間ポーションが実行されなかった場合には
,方法44は工程58に進み,操作ジェスチャが失敗したか否かの判断がなされる。この判断
は,ユーザインタフェース14(上述した図1に示されている)と類似又は同一のユーザイ
ンタフェースの出力信号に基づいてなされてもよい。操作ジェスチャが失敗したか否かの
判断は,例えば,操作ジェスチャの冒頭ポーションの実行からの経過時間,操作ジェスチ
ャの冒頭ポーションの実行から操作ジェスチャに含まれていない行動が実行されたか否か
,及び/又はこれら以外の要因に基づいてなされてもよい。一実施形態において,工程58
は,ジェスチャモジュール24(上述した図1に示されている)と類似又は同一のジェスチ
ャモジュールによって実行される。
【0084】
工程58において操作ジェスチャが失敗しなかったと判断された場合には,方法44は工程
52に戻る。工程58において操作ジェスチャが失敗したと判断された場合には,方法44は工
程60に進む。工程60においては,操作ジェスチャの失敗を示す触覚刺激が決定される。一
実施形態において,工程60は,刺激モジュール26(上述した図1に示されている)と類似
又は同一の刺激モジュールによって実行される。
【0085】
工程60において触覚刺激が決定されると,工程62において,ユーザのために決定された
触覚刺激が生成される。一実施形態において,工程62は,アクチュエータ16(上述した図
1に示されている)と類似又は同一の一又は複数のアクチュエータによって実行される。
【0086】
工程52に戻って,操作ジェスチャの第一の中間ポーションが実行されたと判断されると
,方法44は工程64に進む。工程64においては,操作ジェスチャの終端ポーションが実行さ
れたか否かについての判断がなされる。操作ジェスチャが終了したという判断がなされる
と,方法44は,操作ジェスチャに関連付けられた触覚刺激の提供を終了する。一実施形態
において,操作ジェスチャの完了に関連付けられた最後の触覚刺激が決定されて生成され
る。一実施形態において,工程64は,ジェスチャモジュール24(上述した図1に示されて
いる)と類似又は同一のジェスチャモジュールによって実行される。
【0087】
工程64において操作ジェスチャの終端ポーションが未だ実行されていないと判断された
場合には,方法44は工程66に進む。工程66においては,操作ジェスチャが失敗したか否か
が判断される。この判断は,ユーザインタフェース14(上述した図1に示されている)と
類似又は同一のユーザインタフェースの出力信号に基づいてなされてもよい。操作ジェス
チャが失敗したか否かの判断は,例えば,操作ジェスチャの第一の中間ポーションの実行
からの経過時間,操作ジェスチャの第一の中間ポーションの実行から操作ジェスチャに含
まれていない行動が実行されたか否か,及び/又はこれら以外の要因に基づいてなされて
もよい。一実施形態において,工程66は,ジェスチャモジュール24(上述した図1に示さ
れている)と類似又は同一のジェスチャモジュールによって実行される。
【0088】
工程66において操作ジェスチャが失敗しなかったと判断された場合には,方法44は,工
程64に戻る。工程66において操作ジェスチャが失敗したと判断された場合には,方法44は
工程60及び工程62に進む。
【0089】
一実施形態において,操作ジェスチャは,二以上の中間ポーションを含む。この実施形
態においては,方法44は,工程52と工程64との間で拡張され,第一の中間ポーションにつ
いて図示及び説明したのと同様の方法で追加的な中間ポーションを監視し,対応する触覚
刺激を生成する
【0090】
図6は,触覚刺激を決定してユーザに提供する方法68を図示する。触覚刺激は,ゲーム
に関連して及び/又は,その他のコンテクストにおいて決定され,ユーザに提供される。
以下に示される方法68の工程は例示である。一部の実施形態において,方法68は,説明さ
れていない一又は複数の追加的な工程を用いて,及び/又は,説明された工程の一又は複
数を省略して実現されてもよい。また,図6に示され以下で説明される方法68の工程の順
序は限定的なものではない。
【0091】
一部の実施形態において,方法68は,一又は複数の処理装置(例えば,デジタルプロセ
ッサ,アナログプロセッサ,情報を処理するように構成されたデジタル回路,情報を処理
するように構成されたアナログ回路,ステートマシーン,及び/又は電子的に情報を処理
するこれら以外のメカニズム)において実行される。一又は複数の処理装置は,電子記憶
媒体に電子的に記憶されている命令に応答して方法68の工程の一部又は全部を実行する一
又は複数の装置を含むことができる。一又は複数の処理装置は,ハードウェア,ファーム
ウェア,及び/又は方法68の工程の一又は複数を実行するように構成された専用ソフトウ
ェアによって構成された一又は複数の装置を含むことができる。
【0092】
工程70においては,仮想装置の画像表示が,接触感知式電子ディスプレイを介してユー
ザに提供される。この画像表示は,画像表示中に示されている仮想装置とインタラクトす
るためにユーザによって選択可能な選択可能部分を含む。一実施形態において,仮想装置
の画像表示は,コンテンツモジュール22(上述した図1に示されている)と類似又は同一
のコンテンツモジュールによって決定される。
【0093】
工程72においては,仮想装置の画像表示の選択可能部分の一つの選択が受信される。こ
の選択は,画像表示を提示する接触感知式電子ディスプレイによって受信される。
【0094】
工程74においては,仮想装置の操作がシミュレートされ,及び/又は,工程72において
受信された選択に基づいて仮想装置の一又は複数のパラメータが調整される。一実施形態
において,工程74は,装置モジュール28(上述した図1に示されている)と類似又は同一
の装置モジュールによって実行される。
【0095】
工程76においては,仮想装置の操作及び/又は工程74において実行された仮想装置の操
作パラメータの調整に関連付けられた触覚刺激が決定される。一実施形態において,工程
76は,刺激モジュール26(上述した図1に示されている)と類似又は同一の刺激モジュー
ルによって実行される。
【0096】
工程78においては,ユーザのために工程76において決定された触覚刺激が生成される。
一実施形態において,工程78は,アクチュエータ16(上述した図1に示されている)と類
似又は同一の一又は複数のアクチュエータによって実行される。
【0097】
上述したように,ジェスチャベースの操作に応答した単一のユーザのための複雑な触覚
刺激の説明は,限定的なものではない。マルチユーザ環境におけるジェスチャベースの操
作に応答して生成される触覚刺激も本発明に含まれる。所定のユーザに提供される触覚刺
激は,他のユーザ及び/又は他の現象のジェスチャベースの操作に応答した触覚フィード
バックを含む。
【0098】
図7は,本発明の一又は複数の態様に従って構成された携帯型コンピュータ装置の例10
0を示す図である。具体的には,タブレットコンピュータ102が図示されている。タブレッ
トコンピュータ102は,本体106に搭載され,ユーザがインタラクトする面を表す上面108
を有するスクリーン104を備える。この例において,上面108は,本体106によって縁取ら
れているが,スクリーン領域はタブレットの端まで伸びていてもよい。タブレットコンピ
ュータ102は,ユーザが表面108又はその近くにいつ触れたかを決定するために,任意の数
又は任意の種類の接触検知技術を用いることができる。例えば,表面108は,抵抗ベース
又は容量ベースの接触検知システム及び/又は光学式接触検知システムを備えてもよい。
【0099】
この例ではタブレットコンピュータを図示したが,任意の接触検知式コンピュータ装置
を用いることができる。例えば,携帯電話又はメディアプレイヤーなどのより小型の装置
が,接触検知式ディスプレイを備えて,本発明の内容に従って触覚出力を提供することが
できる。他の例として,他のコンピュータ装置(例えば,デスクトップコンピュータ又は
サーバコンピュータ)に関連付けられインタフェース接続された触覚的に使用可能な(ha
ptically-enabled)ディスプレイ表面を用いることもできる。例えば,表面108は,その
上や下から画像が投影されるテーブル等のより大きな接触検知式表面であってもよい。本
明細書では平坦な面が示されているが,本発明の内容は,湾曲した表面及び/又は平坦で
はない表面を有する装置に用いることもできる。接触によるコンピュータ(又は他のコン
ピュータ装置)へのジェスチャ入力は,操作ジェスチャであってもよい。接触を含むジェ
スチャについての説明は,本明細書で説明される操作ジェスチャの範囲を限定するもので
はない。操作ジェスチャは,(接触ジェスチャとともに,又は,接触ジェスチャ無しで)
構成要素又は本体の操作(例えば,「傾き」操作),一又は複数のスティックの操作,一
又は複数のボタンの操作,一又は複数のスイッチの操作,及び/又はこれら以外のインタ
フェース機能の操作又はこの機能とのインタラクションを含んでもよい。
【0100】
図7は,コンピュータ装置102のアーキテクチャの例110を示す。コンピュータ装置102
は,コンピュータプログラムモジュールを実行するように構成された一又は複数のプロセ
ッサ112,RAM,ROM,又はこれら以外のメモリ技術などのメモリ114,ディスプレイインタ
フェース116,触覚インタフェース118,I/Oインタフェース120,及びネットワークインタ
フェース122を備える。任意の好適なディスプレイ技術を用いることができ,一部の実施
形態においては,LCDディスプレイを用いることができる。
【0101】
触覚インタフェース118は,触覚効果を再生して装置102のユーザに物理的な感覚を提供
するために用いられる一又は複数のアクチュエータを駆動するために好適な構成要素を含
むことができる。例えば,ディスプレイ104の一部又は全部は,目標となる物理的な出力
をディスプレイの一部分に提供して,ユーザが表面108に触れている間に物理的な効果を
提供できるように内蔵アクチュエータを備えることができる。追加的なアクチュエータを
用いて,側面や表面108と反対側の面(すなわち装置の背面)などのタブレット102の他の
表面を介して触覚出力を提供することができる。所望の物理的効果に対するアクチュエー
タの位置は様々である。例えば,スクリーンの第一の部分において効果を生成するために
,スクリーンの第二の部分(又は,装置内の他の部分)にあるアクチュエータを駆動して
,スクリーン及び/又は装置の介在する構成要素の特徴がスクリーンの第一の部分におけ
る感じ方に影響を与えるようにすることができる。
【0102】
一実施形態において,タブレットは,偏心回転質量モータを有するアクチュエータを備
える。このアクチュエータは,タブレットハウジングの表面に直接に又は間接に結合され
る。モータに給電することにより,ユーザが感じることができる振動を表面に生じさせる
ことができる。前記アクチュエータに送られる信号の強度及び周波数を変更することによ
り,様々な効果が可能となる。他の例として,スクリーンのより高い又はより低い部分に
アクチュエータを用いることにより,尾根,溝,又はこれら以外の特徴を生成することが
できる。さらに別の例として,アクチュエータは,圧電物質を含むことができる。例えば
,シリコン等の無機ポリマー母材に,少なくとも部分的に圧電アクチュエータを内蔵する
ことができる。さらに他の例として,アクチュエータは,マクロファイバー複合体アクチ
ュエータ又は圧電複合体アクチュエータを含むことができる。かかるアクチュエータは,
母材(例えば,エポキシ)に懸濁された圧電ファイバーの薄い層として形成されてもよい
。このファイバーは,ポリイミド電極と電気的に連絡することができる。これ以外にも多
くの種類のアクチュエータを用いることができる。本明細書におけるアクチュエータの説
明は,本発明を限定するものではない。
【0103】
I/Oインタフェース120は,プロセッサ112によって用いられ,任意の好適な構成要素を
用いて,入力を受信し,出力を提供する。例えば,I/Oインタフェース120は,音声入力を
受信し,オーディオ出力を提供するために,スピーカ及び/又はマイクに接続されていて
もよい。他の例として,I/Oインタフェース120は,装置に入力を提供するために用いられ
るマウス又はスタイラスなどの周辺装置又は静止画及び/又は動画を取得するために用い
られる画像センサとの接続を提供することができる。
【0104】
ネットワークインタフェース122は,一又は複数のネットワーク技術を用いて,装置102
をネットワークに接続するために用いられる。例えば,インタフェース122は,IEEE802.1
1(Wi-Fi)又は802.16(Wimax)ネットワークに接続するために好適な構成要素への接続
又は技術を用いた接続を提供することができる。他の例として,インタフェース122は,
電話,イーサネット,又はこれら以外の有線接続を介した通信を可能とし,又は,IRポー
トを介した通信などの上記以外の無線技術をサポートすることができる。
【0105】
コンピュータ装置102は,追加的な構成要素を含むことができる。例えば,一又は複数
の記憶要素(例えば,磁気ハードディスクドライブ又は半導体ハードディスクドライブ)
を含むことができる。コンピュータ装置102が携帯電話を含む場合には,適切なRF要素を
含むことができる。
【0106】
メモリ114は,コンピュータ装置102を所望の方法で動作するように構成する一又は複数
のプログラムコンポーネントを有形的に包含する。例えば,メモリ114は,一又は複数の
アプリケーション,オペレーティングシステムを備えることができ,格納データを含むこ
ともできる。図示のとおり,メモリ114は,後述する一又は複数の態様に従った双方向ゲ
ームを提供するプログラムコンポーネント124を含むこともできる。
【0107】
一般的に,ゲームは,ディスプレイ104によってプレイエリア126を提供し,プレイエリ
アにおける仮想物体128(例えば,ボール)の動きを追跡し,ユーザインタラクションに
応答してプレイ中にラケット130を用いて当該仮想物体を打ったり方向を変えたりするよ
うにコンピュータ装置102を構成することができる。また,前記ゲームは,仮想物体がプ
レイエリアの構成物の間を動いたりその構成物に遭遇したりするときに,触覚効果を再生
するように構成されてもよい。触覚効果は,遭遇する特定の構成物に基づいて変動する感
覚を提供するように選択されてもよい。この例においては,プレイエリアには,上辺T,
底辺B,左辺L,及び右辺Rが含まれる。このゲームは,仮想物体が左辺Lに到達する前にラ
ケット130を用いてその仮想物体の方向を変えるように構成されてもよい。複数のプレイ
ヤーが参加する場合には,当該仮想物体は,一又は複数の辺T,B,又はRに存在し,後述
するように他のユーザのスクリーンに移動するものであってもよい。
【0108】
図8Aは,マルチユーザプレイをサポートするゲームの使用例200Aを図示する。ゲーム
プログラムは,複数のスクリーンを含むプレイエリアにおける仮想物体の位置の追跡を容
易にするために,データを送受信することができる。この例においては,第一の装置202
がネットワーク206を介して第二の装置204と接続されている。ネットワーク206には,ロ
ーカルエリアネットワーク,ワイドエリアネットワークが含まれる。又は,ネットワーク
206は,装置202と装置204との間の直接接続を表すこともできる。ゲームのインスタンス
を実行する複数の装置を接続することにより,ユーザは,仮想物体が他のユーザのスクリ
ーンにおいて構成物と遭遇したときに触覚効果を体験することができる。かかる触覚効果
には,他のユーザのスクリーンにおける操作ジェスチャ入力に従って決定される触覚効果
が含まれる。
【0109】
例えば,図7のプレイエリア126を用いる場合には,仮想物体128は,当該仮想物体128
が第一の装置の右辺Rに存在するときに,前記第二の装置の右辺Rにおいてスクリーンに出
現できる。他の例として,当該装置は,鏡像レイアウトを有することができる。すなわち
,装置204がラケット130を右辺Rに沿って表示するときに,装置202は,ラケット130を左
辺Lに沿って表示することができる。この場合,仮想物体が前記第一の装置のプレイエリ
アの右辺Rに到達するときに,当該仮想物体は,他の装置の左辺Lにおいてプレイエリアに
出現し,右辺Rの方向及び当該他の装置のプレイエリアにおけるラケット130の方向に向か
う。
【0110】
サーバ208は,一部の実施形態において,マルチユーザプレイがサーバによって容易に
実行できることを示すために図示されている。しかしながら,上述のように,一部の実施
形態において,ゲームプログラムは,サーバを必要とせずに他のインスタンスと直接接続
するように構成される。
【0111】
図8Bは,マルチユーザプレイの他の例200Bを示す。この例においては,三つの装置20
2,204,及び210が第一のネットワーク206を介して接続されている。第二のネットワーク
214は,第四の装置212との接続を容易にする。例えば,ネットワーク206は,ローカルエ
リアネットワーク接続を含むことができ,ネットワーク214はワイドエリアネットワーク
接続を含むことができる。コンパス216は,一部の実施形態において,複数のプレイヤー
の相対的位置が考慮されうることを示すために図示されている。例えば,装置202は,左
辺Lにあるラケット130を「最も西にいる」プレイヤーとして含むことができる。装置204
は,装置204は「最も北にいる」ため,上辺Tに位置するラケットを有している。装置210
は,底辺Bに位置するラケットを有し,装置212は,右辺Rに位置するラケットを有してい
る。又は,ラケットは,各ユーザについてスクリーンの同じ辺にあってもよいが,共有プ
レイエリアにおけるユーザの相対的位置を維持するために,これらのラケットは端部間に
おいて適切に配置される。
【0112】
様々な実施形態において,各装置の向きなどの要因,プレイヤーの相対的位置,及びこ
れら以外にスクリーン領域の相対寸法などの考慮事項に基づいて,プレイエリア間の行動
や接続を動的に調整するようにゲームを構成することができる。後述するように,仮想物
体は,プレイエリアの境界に行き当たることに加えて又はそれに代えて,別の方法によっ
て一のスクリーンから他のスクリーンへ移動することができる。
【0113】
図9は,複数のインターバル(I),(II),及び(III)にわたる二人のユーザA及びB
用のプレイエリア302A及び302Bの例を示す。各プレイエリア302は,各々のラケット304を
含む。インターバル(I)において,仮想物体306は,ラケット304Bによって,プレイエリ
ア302Bの境界に向けて打たれたり方向を変えられたりする。インターバル(II)に示され
るように,プレイエリア302Bからの出口308は,プレイエリア302Aの入り口310にマップさ
れている。このマッピングによって,仮想物体はプレイエリア間をすぐに移動することが
でき,又は,プレイヤー間の距離(例えば,GPS及び/又は三角測量又は近接検知技術に
よって決定される)に基づく遅延が存在することもある。いずれにせよ,インターバル(
II)は,仮想物体306がラケット304Aと衝突することを示している。例えば,ユーザAは,
仮想物体306をインターセプトするために,自らの装置のディスプレイ表面において指を
スライドさせることによってラケット304Aを動かすことができる。
【0114】
仮想物体306がラケット304Aと衝突すると,触覚効果H1が選択されて再生される。図示
のとおり,触覚効果H1は,ユーザAがラケット304Aと接触する位置(及び/又はプレイエ
リア302の他の部分)に局所化されている。上述のように,この感覚は,一又は複数のア
クチュエータに動き又は他の効果を提供させることによって生成される。アクチュエータ
は,当該効果を感じさせる場所及び/又はそれ以外の場所に配置される。図9は,効果H1
をプレイエリア302Aにおいて「(((H1)))」で示しており,当該効果はプレイヤーBに対し
ても再生されプレイヤーBの接触位置に局所化されるため,当該効果はプレイエリア302B
においては「(H1)」で示されている。しかしながら,上述のように,効果H1の強度は,プ
レイヤーAとBとの間で異なる。
【0115】
触覚効果は,ゲームのシミュレートされた物理現象に基づいて選択される。例えば,ラ
ケット304は,硬い表面を示すことができ,従って効果H1は,強く,鋭い効果を含むこと
ができる。角度の変更(deflection)は,「ヒット」を表すものであるから,効果H1は,
ゲーム中で最も強い効果とされてもよい。「ヒット」は,ユーザBに対して再生され,仮
想物体が跳ね返されること,及び,ユーザBが到来する仮想物体を打ち返す準備ができる
ことをユーザBに通知する。このヒットは,好適な方向の指示とともにプレイヤーBに対し
て再生されてもよい。例えば,当該効果は,上や下ではなく左から生じたように感じられ
るように構成される。このような効果は,三人以上のユーザが一緒にプレイしているとき
に有用である。
【0116】
異なるプレイヤーのスクリーンで起こった衝突(又は他の出来事)についても触覚効果
を再生することにより,プレイヤーが互いのプレイエリアを見ることができない場合であ
っても,ゲームにおいて,プレイヤーが空間を共有しているという感覚を向上させること
ができる。このように,プレイヤーは,ゲームに没入することができ,魅力的なゲーム体
験を得ることができる。
【0117】
図10は,プレイの他の例を示し,プレイエリアの境界に跳ね返される仮想物体を描写
するものである。具体的には,三つのインターバル(I),(II),及び(III)が再び示
されている。プレイエリア402A及び402Bは,プレイヤーA及びBに対応し,ラケット404及
び仮想物体406も再び図示されている。インターバル(I)において示されているように,
仮想物体406は,プレイエリア402の上方の境界にある地点408に向かう起動で打ち出され
る。インターバル(II)は,仮想物体406が地点408と接触した場合を示す。「跳ね返り」
の触覚効果H2は,プレイヤーA及びBに対して再生され,各々のラケット404A及び404Bとの
接触点に局所化される。
【0118】
この「跳ね返り」はプレイエリア402Bにおいて発生し,ラケット404Aよりもラケット40
4Bに近い位置にあるので,この跳ね返りは,プレイヤーBにとって「より大きい(louder
)」ので,プレイエリア402Bにおいて「((H2))」と表され,プレイエリア402Aにおいて「
(H2)」と表されている。インターバル(III)に示されているように,この跳ね返りの後
,仮想物体はプレイエリア402Aに移動する。跳ね返りへの注意を喚起されているので,プ
レイヤーAは,仮想物体をインターセプトし,ラケット404Aの背後にあるゴール領域への
到達を防ぐことができる。
【0119】
図11は,本発明の主題の他の態様を示す図である。仮想物体の起動を変更するイベン
ト又はそれ以外の「離散的な」イベントに応答する触覚効果に加えて,又はその触覚効果
に代えて,継続的な効果をシミュレートするために触覚効果を再生することもできる。こ
の例においては,二人のプレイヤーA及びB用のプレイエリア502がインターバル(I)及び
インターバル(II)において示されている。説明の便宜上,プレイエリア502は,「縦長
」ではなく「横長」に示されている。各プレイエリアは,各ラケット504を表示しており
,仮想物体506も図示されている。
【0120】
この例の各プレイエリアも点線で表された継ぎ目508を含む。例えば,継ぎ目508は,プ
レイエリアに描かれた木の表面における板材の間の境界を表すことができる。木製パネル
の背景をシミュレートするために,表面を横切って回転する仮想物体に対応する連続的な
低いゴロゴロという音の効果が,継ぎ目508に接触している仮想物体に対応するクリック
効果と組み合わされてもよい。この効果は,図11において「H3」と表されている。イン
ターバル(I)において,仮想物体はラケット504Aよりもラケット504Bに近いので,前述
の効果は,プレイヤーBについて「((H3))」と表されており,プレイヤーAについては「(H
3)」と表されている。インターバル(II)においては,仮想物体506がプレイヤーAの方向
に動いているので,効果H3は,ラケット504Aにとってより大きい。背景効果は継ぎ目508
に関して示されているが,背景効果には,表面のみをシミュレートすること(すなわち,
連続的な表面)を含んでもよく,シミュレートされる背景が変わると(例えば,木の領域
から金属の領域へ,そしてコンクリートの領域へなど)背景効果が変わるようにしてもよ
い。
【0121】
図12は,本発明の主題に従ってゲームを提供する方法600における例示的な工程を示
すフローチャートである。ブロック602は,一又は複数のプレイエリアを設定することを
表す。例えば,二人のユーザがプレイしたい場合には,各プレイエリアが初期化され,共
有されている境界(及び/又はその他の入出点)の間のマッピングが決定される。
【0122】
ブロック604は,プレイが継続している間に発生する。ゲームの少なくとも一つのイン
スタンスは,ラケット,物体,及びゲームの物理現象をシミュレートするモデルに基づく
プレイエリアの構成物とのインタラクションに基づいて,仮想物体の位置及び動作を追跡
することができる。例えば,この方法は,プレイエリア.における仮想物体及び他のアイ
テムのシミュレートされた運動量,質量,及び材料の特徴に基づいて,仮想的な物体の速
度及び方向の変化を提供することができる。
【0123】
ブロック606では,仮想物体の位置及び動作に基づいて,イベントの時,その前,及び
/又はその後において,再生される一又は複数の触覚効果が決定される。例えば,仮想物
体がプレイエリアにおける境界又は他の物体と接触した場合に,仮想物体と境界/物体と
の間の物理的インタラクションに対応づけられた触覚効果が再生のために選択される。境
界/物体が異なると異なる効果が得られる。例えば,境界又はラケットによって「ハード
な」効果が生じる一方,プレイエリアに含まれる障害物は「ソフトな」効果を有すること
ができる。仮想物体のシミュレートされた特徴も考慮される。ゲームは,ハードな(例え
ば,鉄)仮想物体又はソフトな(例えば,ゴム)仮想物体を有するモードをサポートする
ことができる。このとき,触覚出力スキームには適当な変更が加えられる。
【0124】
追加的に又は代替的に,触覚効果は,背景効果に関連していてもよい。例えば,上述の
とおり,シミュレートされる表面において仮想物体の通路をシミュレートする継続的な触
覚効果は,表面の特徴に基づいて提供される。他の例として,表面は,仮想物体が通過す
る際の素材又は障害物を含むことができ,好適な触覚効果が当該素材/障害物を通過する
通路をシミュレートするために提供される。
【0125】
ブロック608において,ゲームは,触覚効果がどのように出力されるかを調整するため
に,触覚伝達点(haptic delivery point (s))に対する仮想物体の位置を決定する。例
えば,触覚伝達点は,ユーザが装置のスクリーンに接触する地点を含むことができる。触
覚効果の「大きさ(loudness)」(すなわち,強度)は,伝達点と仮想物体との距離に逆
比例するものであってもよい。指向性が適用されてもよい。例えば,跳ね返りが他のスク
リーンにおいて発生すると,提供される触覚効果は,方向性の要素を含むことができ,又
は,どこで跳ね返りが起こったかの表示を与えるために提供されてもよい。
【0126】
ブロック610においては,所望のボリュームを有する触覚効果を生成するために,好適
な信号がアクチュエータに送信され,例えば,ゲームは,様々な触覚効果を生成する際に
用いるために信号パターンのライブラリを参照し,当該信号パターンを用いてスクリーン
及び/又は装置の他の部分に内蔵された一又は複数のアクチュエータに指示を送ることが
できる。触覚効果は,音声要素及び/又は視覚要素を含むことができる。
【0127】
マルチユーザプレイに関し,ゲームの各インスタンスは,当該インスタンスのプレイエ
リア内において仮想物体の位置及び動作を決定することができ,その情報を他のインスタ
ンスに提供することができる。仮想物体がプレイエリアから出ると,仮想物体の動作に関
する情報(例えば,方向及び速さを有するベクトル)は,仮想物体を受け取るプレイエリ
アを有するゲームのインスタンスによる追跡を継続するたに用いられる。
【0128】
一部の実施形態において,イベントが発生する場合及び/又は背景効果が提供される場
合には,触覚効果が開始されて当該情報がゲームの他のインスタンスに提供されるときに
,そのプレイエリアが仮想物体を含んでいるゲームのインスタンスによって触覚効果が選
択される。例えば,プレイヤーA及びプレイヤーBを含むゲームにおいては,プレイヤーA
のプレイエリアにおいて仮想物体が障害物,境界,又はラケットと衝突する場合には,プ
レイヤーAの装置におけるゲームのインスタンスは,当該効果のボリューム又は指向性を
決定する際にプレイヤーBの装置におけるゲームのインスタンスによって用いるために,
プレイヤーBの装置に所望の触覚効果を,衝突に関する情報及び衝突位置とともに提供す
ることができる。
【0129】
図13は,本発明の手段の態様に従って構成されたゲームのインスタンスのためのイン
タフェース700の例を示す図である。この例においては,ピンボールのようなゲームが提
供されている。このゲームにおいて,プレイエリア702は,スクリーン境界から内側に伸
びる境界704,706を含む。このゲームの目的は,ラケット710を用いて当該仮想物体の進
行方向を変えることにより,ボール又は他の物体などの仮想物体(不図示)が,708に到
達することを防止することである。プレイを開始するために,仮想物体は,ラケット710
から打ち出され,又は,プレイエリア702内のそれ以外の場所に現れてもよい。
【0130】
インタフェース700は,入力手段及びアクセス手段を提供する複数のコントロールボタ
ン712,714,716,及び718を備える。例えば,ボタン712及び714は,プレイボタン及びポ
ーズボタンを含み,ボタン716は,開始コマンドを提供する。ボタン718は,ゲームを終了
し,ゲームを開始し,又は,設定,セーブ,終了のためのメニューを開始する。一部の実
施形態において,コントロールボタン712-718は,物理ボタンの押下をシミュレートする
好適な触覚効果とともに提供されてもよい。
【0131】
プレイエリア702に関して,視覚体験を向上させるために複数のシミュレートされたラ
イト720を備えても良い。このライトは,障害物として働いてもよいしそうでなくともよ
い。仮想物体は,衝突するとバンパー722によって境界704,706からの跳ね返りとは別の
態様で「跳ね返る」。例えば,境界704,706は,鋭く跳ね返す効果を有するシミュレート
された金属の境界として提示される。バンパー722は,ピンボールマシンのバンパーと類
似の方法で仮想物体に力を与える前に初期量の「ギブ(give)」を提供することができる
。したがって,仮想物体が境界704,706又はバンパー722に接触すると,異なる各々の触
覚効果がユーザがスクリーンに接触した地点において再生され,境界/ボーダーのシミュ
レートされた物理的応答に従った異なる感覚が提供される。また,上述のように,効果の
強度は,ユーザがスクリーンに接触する地点からの距離に応じたものであってもよい。
【0132】
この例は,金属バー724,726,及び728を提示する。この金属バー724,726,及び728は
,仮想物体との衝突に対する追加的な応答を提供することができ,各々の触覚効果が割り
当てられる。矢730は,視覚効果を含み,及び/又は,シロフォン構造732内へ仮想物体を
加速させることができる。この例においては,シロフォン構造732は,複数のキー(732A
,732B,732C)を備える。昇り順のキーの各々は,それ自身の触覚効果を有する。例えば
,仮想物体がキー732Aからキー732Bやキー732Cへ移動する際に,触覚効果は,対応するシ
ロフォン音響効果を提供するとともに音程が上昇する。同時に,仮想物体が遠ざかるにつ
れて,触覚効果の強度が減少してもよい。
【0133】
一部の実施形態において,地点734は,プレイエリアからの出口及び第二のユーザのプ
レイエリアへの入り口を表す。第二のユーザのプレイエリアは,プレイエリア702と同一
である。仮想物体プレイエリア702に入ると,シュート736によって打ち返されるとともに
シュートの通過を表す「ガタガタ音(rattle)」を発生させることができる。上述のよう
に,一のユーザのプレイエリアの触覚効果の各々は,他のユーザの(又は複数のユーザの
)プレイエリアにおいても再生可能であるが,当該触覚効果を発生させるイベントの発生
場所及びユーザのスクリーンとの接触位置からの距離に基づいてそれぞれ強度が減少する
【0134】
実施形態は,符号738で示されているボルテックスの一又は複数のインスタンスを提示
するので,ボルテックス738は,開口部740に向かって仮想物体を引きつけるプレイエリア
702の一部分を備える。仮想物体が開口部740に到達すると,仮想物体は他のプレイエリア
へ移動することができる。仮想物体が最初にボルテックス738に接触すると,ボルテック
スの「吸引(pull)」を示す第一の触覚効果が再生される。この効果は,仮想物体が開口
部740に達するまで(達する場合には)強くなる。このとき,ボルテックスから他のプレ
イエリアへの仮想物体の脱出を表すために,「出口」効果が再生されてもよい。これによ
り,例えば,仮想物体を受け入れるプレイエリアのユーザに自らのラケット710を位置に
つけるように注意喚起することができる。
【0135】
一部の実施形態において,仮想物体がゴール領域708によって方向を変えられなかった
場合には,仮想物体の吸収又は爆発などの領域708への入場を示す触覚効果が提示される
。このとき,ゲームのルールに応じて,他のラウンドのためにラケット710によって再度
発射するために仮想物体が提供される。一部の実施形態において,ゲームは,プレイヤー
が所定のスコア(例えば,7ゴール)及び/又はスコア差(3ゴール差)に達するまで継続
する。他の例として,ポイントの値は,所定の障害物(例えば,バンパー722,バー724,
726,728,ライト720)への衝突又はシロフォン構造732の全てのキーを通過することに関
連付けられても良い。実施形態は,障害物の動き又は破壊に基づいて提供される好適な触
覚効果とともに,プレイ中に障害物を動かし又は破壊すること(例えば,れんがを突き破
ること)をサポートすることができる。
【0136】
一部の実施形態において,コンピュータ装置は,ユーザの指又はスタイラスのタッチス
クリーンからの距離及び/又は接触圧に敏感である。これらの特徴は,ゲームのプレイ中
に及び/又はゲームアプリケーションを設定する際に用いられる。例えば,ユーザがスク
リーン又は他の触覚的に利用可能な領域に触れていないという表示が装置によりなされる
場合には,電力消費を抑えるために触覚効果を止めることができる。他の例として,ユー
ザは,入力を提供するためにホバー(hover)することができる。例えば,ボタン712~71
6が提示されている領域は,つや消し金属として表されることが多いがボタンはユーザが
当該領域にホバリング又は接触することに応答して出願することができる。
【0137】
上記の複数の例において,ゲームプレイは,接触によるラケットの動きに基づいて進行
する。追加的に又は代替的に,ゲームプレイは,傾きセンサ及び/又は加速度計を用いる
こともできる。例えば,ユーザは,自分の装置を傾けたり振ったりして仮想物体の動き及
び/又はラケット位置に影響を与えることができる。触覚効果は,ユーザが各々の装置を
握った位置で提供されてもよい。一部の実施形態において,ゲームは,ユーザごとに複数
のラケットを用いることができ,ラケットをまったく用いずに全ての入力を傾き及び加速
によって行うこともできる。
【0138】
マルチユーザプレイの複数の例を説明した。一部の実施形態において,シングルユーザ
プレイもサポートされる。例えば,プレイエリアは,完全にクローズであってもよく,当
該エリアでは,仮想物体がラケット及びゴール領域に向かって打ち返される。他の例とし
て,シングルユーザプレイは,シミュレートされた一又は複数の他のプレイヤーとともに
進行する。この場合,当該他のプレイヤーは,仮想物体がシミュレートされたプレイエリ
アに進入した場合に,各々のシミュレートされたプレイエリア及び対応する触覚フィード
バックを有する。
【0139】
以上、現時点で最も実用的で望ましいと考えられる態様に基づいて本発明を説明したが
、これらの説明は、本発明の説明のみを目的としたものであり、本発明を開示された実施
形態に限定することを意図したものではない。一方、これらの説明は、請求項の趣旨及び
範囲に含まれる変更及び均等物を含むものである。例えば、任意の実施形態の特徴と他の
実施形態の一又は複数の特徴との組み合わせも可能な限り本発明の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13