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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】吐出装置
(51)【国際特許分類】
   B05C 11/10 20060101AFI20240409BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20240409BHJP
   A47K 5/12 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
B05C11/10
B05C5/00 101
A47K5/12 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021131405
(22)【出願日】2021-08-11
(65)【公開番号】P2023025937
(43)【公開日】2023-02-24
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 寛孝
【審査官】清水 晋治
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-283469(JP,A)
【文献】特開2019-017672(JP,A)
【文献】特開2010-144496(JP,A)
【文献】特開2012-211838(JP,A)
【文献】特開2012-211878(JP,A)
【文献】特開2010-144494(JP,A)
【文献】特開2006-275689(JP,A)
【文献】特開2014-118798(JP,A)
【文献】特開2011-043335(JP,A)
【文献】特表2018-512272(JP,A)
【文献】特開2010-144497(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 12/00-12/14
13/00-13/06
B05C 5/00-21/00
A47K 5/12
E03C 1/00-1/10
A61L 2/00-2/28
11/00-12/14
G01V 3/08
G01B 7/00
G01S 13/00-13/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に充填された内容物を、前記容器と接続された吐出口から吐出する吐出手段と、
利用者が前記吐出口に手を近付けたことを検知する検知手段と、
前記検知手段の検知結果に基づいた、前記利用者が前記吐出口に手を近付ける速さに応じて、前記吐出手段による前記内容物の吐出量を制御し、前記利用者が前記吐出口に手を近付ける速さ、及び、手を遠ざける速さがゼロであったとき、前記吐出量を維持するように制御する制御手段と、
を備える吐出装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記利用者が前記吐出口に手を近付ける速さが大きくなるほど、前記吐出量をより大きく増加させる
ことを特徴とする請求項1に記載の吐出装置。
【請求項3】
前記検知手段は、前記利用者が前記吐出口から手を遠ざけたことをさらに検知し、
前記制御手段は、前記検知手段の検知結果より得られた、前記利用者が前記吐出口に手を遠ざける速さに応じて、前記吐出手段による前記内容物の前記吐出量を制御する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の吐出装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記利用者が前記吐出口に手を遠ざける速さが大きくなるほど、前記吐出量をより大きく減少させる
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の吐出装置。
【請求項5】
前記速さと前記吐出量との組み合わせを設定した対応テーブルを記憶する記憶手段をさらに備え、
前記制御手段が、前記速さに応じた前記吐出量を前記記憶手段から取得して前記吐出量を制御する
ことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の吐出装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記吐出量の制御に加えて、前記速さに応じて吐出時間を制御する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の吐出装置。
【請求項7】
前記速さと前記吐出量の組み合わせの設定を変更する設定変更手段
をさらに備える請求項1乃至6のいずれかに記載の吐出装置。
【請求項8】
前記検知手段は、前記利用者が前記吐出口に手を近付けることを、所定時間ごとに検知する
ことを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、内容物を吐出する吐出装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
内容物を吐出する吐出装置において、センサを用いて非接触で内容物を吐出させる吐出装置が知られている。
【0003】
吐出装置の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1には、吐出量及び吐出速度を、内用液によって適切に調整する吐出装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、センサが手を検出した検出信号に基づいて、手を検出している間、液体を噴射し、利用者が手をかざす時間の長さを調整することで、所定の液量内で、液体の吐出量の調整をすることができる技術が開示されている。
【0005】
さらに、特許文献3には、手の速度を検出して、吐水を開始するタイミングを制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-017672号公報
【文献】特開2018-083133号公報
【文献】特開2010-144473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1乃至3に記載の技術では、利用者による手の動きに応じて適切な吐出量に調整したいという要求を満たすことができない。
【0008】
本開示は、より適切な吐出量で内容物を吐出する吐出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様における吐出装置は、容器に充填された内容物を、容器に設けられた吐出口から吐出する吐出部と、利用者が吐出口に手を近付けたことを検知する検知部と、検知部の検知結果に基づいた、利用者が吐出口に手を近付ける速さに応じて、吐出部による内容物の吐出量を制御する制御部と、を備える。
【0010】
本開示の一態様における吐出制御方法は、利用者が吐出装置の吐出口に手を近付けたことを検知し、検知された情報から得られた、利用者が吐出装置に手を近付ける速さに応じてディスペンサの吐出量を制御する。
【発明の効果】
【0011】
本開示による効果の一例は、より適切な吐出量で内容物を吐出できることである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、第一実施形態の吐出装置100の構成を示すブロック図である。
図2図2は、第一実施形態における吐出装置100の吐出動作を示すフローチャートである。
図3図3は、第二実施形態の吐出装置200の構成を示すブロック図である。
図4図4は、第二実施形態の吐出量制御の対応テーブルである。
図5図5は、第二実施形態における吐出装置200の吐出動作を示すフローチャートである。
図6図6は、第三実施形態の吐出装置300の構成を示すブロック図である。
図7図7は、変形例における吐出量制御の対応テーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態における吐出装置100の構成を示すブロック図である。図1を参照すると、吐出装置100は、検知部101と、制御部102と、吐出部103と、を備える。
【0015】
検知部101は、利用者が吐出装置100の吐出口に手を近付けたことを検知する。また、検知部101は、利用者が吐出口から手を遠ざけることを検知してもよい。検知部101は、例えば、静電容量センサまたは赤外線センサなどの各種のセンサである。検知部101は、利用者が吐出口周辺に手を近づけたこと又は手を遠ざけることを検知可能な位置に設置される。検知部101によって得られる検知結果は、利用者が吐出口に手を近付けたことによって検出される物理量の検出値である。物理量は、例えば、検知部101が静電容量センサである場合は静電容量であるが、これに限られず、センサの種類に応じた物理量であればよい。検出値は、例えば、利用者が吐出装置100の吐出口に手を近付けるほど、増加する。また、検知部101は、検知結果を制御部102に出力する。
【0016】
制御部102は、検知部101から得た検知結果に基づいた、利用者が吐出口に手を近付ける速さに応じて、吐出部103による内容物の吐出量を制御する。さらに、制御部102は、利用者が吐出口から手を遠ざける速さに応じて、吐出量を制御してもよい。制御部102は、利用者が吐出口に手を近付ける速さ、および手を遠ざける速さを、例えば、静電容量センサで検知される静電容量の単位時間当たりの変化量によって判断してよい。つまり、制御部102は、必ずしも物理量としての速さ、すなわち単位時間あたりに動いた距離を算出しなくてもよい。
【0017】
例えば、制御部102は、検知部101の検知結果に基づいて、単位時間あたりの静電容量の増加量を検出することによって、利用者が吐出口に手を近付ける速さを検知してよい。また、制御部102は、検知部101の検知結果に基づいて、静電容量が減少することを検出することによって、利用者が吐出口から手を遠ざけることを検知してよい。さらに、制御部102は、静電容量が減少している場合に、単位時間あたりの静電容量の減少量を検出することによって、利用者が吐出口から手を遠ざける速さを検知してよい。したがって、制御部102は、静電容量の単位時間あたりの変化量に基づいて、利用者が吐出口に手を近付ける速さ、利用者が吐出口から手を遠ざける動作、及び利用者が吐出口から手を遠ざける速さを検知することができる。このような制御部102の動作は、検知部101が検知する物理量が、静電容量以外の場合でも同様である。
【0018】
具体的に、吐出量の制御において、制御部102は、利用者が吐出口に手を近付ける速さが大きいほど吐出量の増加量を大きくし、利用者が吐出口に手を近付ける速さが小さいほど、吐出量の増加量を小さくする。
【0019】
また、制御部102は、例えば、利用者が吐出口に手を近付ける速さが大きくなるほど、吐出量をより大きく増加させる。例えば、制御部102は、手を近付ける速さに応じて単位時間あたりの吐出量の増加量を大きくする。あるいは、制御部102は、利用者が吐出口から手を遠ざける速さが大きくなるほど、吐出量をより大きく減少させる。例えば、制御部102は、利用者が吐出口から手を遠ざける速さに応じて、単位時間あたりの吐出量の減少量を大きくする。
【0020】
さらに、制御部102は、利用者が吐出口に手を近付ける速さ、及び利用者が吐出口から手を遠ざける速さがゼロであったとき、吐出部103が内容物を吐出する吐出量を維持するように制御してもよい。手を近付ける速さ、及び手を遠ざける速さがゼロであるときとは、利用者が吐出口に手を近付けたまま静止したとき、または、手が近付いていないときである。利用者が吐出口に手を近付けたまま静止していれば、制御部102は、手を近付ける速さによって制御された吐出量を維持する。また、手が近付いていないときは、吐出部103が内容物を吐出していないので、制御部102は、吐出量をゼロで維持する。
【0021】
制御部102は、例えば、マイクロプロセッサ及びメモリを含むコンピュータによってその機能が実現される。
【0022】
吐出装置100は、液体等の内容物を充填する容器を含んでよい。吐出部103は、容器に接続された吐出口と、制御部102によって制御される吐出機構と、を備えてよい。
【0023】
容器は、吐出装置100から取り外し可能、または交換可能なものであってもよいし、内容物が直接注ぎ込まれるものであってもよい。内容物は、例えば、消毒液、またはシャンプー、ボディソープ、食器用洗剤などの洗剤、あるいは化粧水、ファンデーションなどの肌用化粧料である。また、容器に接続された吐出口は、容器との接続部分を含んでもよい。容器との接続部分には、内容物の流路が形成される。吐出口は、吐出機構によって容器から内容物を吐出する。
【0024】
吐出部103の吐出機構は、例えば、内容物を吐出口に送り出す小型電動ポンプである。小型電動ポンプの種類によって、吐出機構は、内容物を液体のまま吐出したり、空気を含ませて泡状にして吐出したりすることができる。吐出機構は、制御部102の制御信号によって制御され、吐出量、すなわち小型電動ポンプから送り出される内容物の量を調節して吐出する。あるいは、吐出機構は、一般的なディスペンサに使用される機械式ポンプを備える吐出ノズルと、吐出ノズルを操作する電磁式シリンダを備えてもよい。さらに、吐出機構は、容器内の圧力を制御するポンプでもよい。この場合に、吐出機構は、制御部102によりポンプが制御され、容器内の圧力を高めることによって、内容物を吐出できるよう構成されてもよい。
【0025】
次に、吐出装置100の動作について、図2に示すフローチャートを参照して説明する。
【0026】
図2に示すように、まず、検知部101は、利用者が吐出口に手を近付けたことを検知し、検知結果を制御部102に出力する(ステップS101)。
【0027】
次に、制御部102は、検知部101が検知した検知結果に基づいた、利用者が吐出口に手を近付ける速さに応じて、吐出部103の吐出量を制御する(ステップS102)。
【0028】
次に、吐出部103は、制御部102に制御された吐出量で内容物を吐出口から吐出する(ステップS103)。
【0029】
以上で、吐出装置100は、吐出動作を終了する。
【0030】
上述した本実施形態における吐出装置100は、検知部101が、利用者が吐出口に手を近付けたことを検知する。そして、制御部102が、検知結果に基づいた、利用者が手を近付ける速さに応じて内容物を吐出する吐出量を制御する。その結果、吐出装置100は、利用者が手を吐出装置の吐出口に近付ける速さに応じて、より適切な吐出量で内容物を吐出することができる。
【0031】
[第二実施形態]
次に、本開示の第二実施形態について図面を参照して詳細に説明する。以下、本実施形態の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0032】
図2は、本開示の第二実施形態に係る吐出装置200の構成を示すブロック図である。
【0033】
図2を参照すると、本実施形態における吐出装置200は、第一実施形態のそれと比べて、検知部101の代わりに検知部201、制御部102の代わりに制御部202を備える。さらに、吐出装置200は、上記構成に加えて記憶部204を備える。
【0034】
検知部201は、静電容量センサであるとする。検知部201は、吐出口付近の静電容量を検知する。そして、検知部201は、検知結果を制御部202に出力する。
【0035】
制御部202は、検知部201の検知結果に基づいた、利用者が吐出口に手を近付ける速さに応じて、吐出部103による内容物の吐出量を制御する。例えば、利用者が手をゆっくり吐出口に近付けたとき、利用者がゆっくり吐出量を増やしたいものであると想定し、制御部202は、吐出量を小さく増加させる。あるいは、利用者が素早く吐出口に手を近付けたとき、利用者が素早く吐出量を増やしたいものであると想定し、制御部202は、吐出量を大きく増加させる。すなわち、手を近付ける速さが大きくなるほど吐出量をより大きく増加させる。
【0036】
また、同様に、制御部202は、利用者が手を遠ざける動作に応じて、吐出部103による内容物の吐出量を制御する。具体的に、制御部202は、例えば、手を遠ざける速さが大きくなるほど吐出量をより大きく減少させる。
【0037】
記憶部204は、手を近付ける速さと手を遠ざける速さに応じた吐出量の制御を制御部202が行うためのデータを格納する。例えば、後に説明する吐出量制御の対応テーブルを格納する。
【0038】
制御部202による、手を近付ける速さと手を遠ざける速さに応じた吐出量の制御の具体例について説明する。
【0039】
まず、記憶部204には、吐出量制御の対応テーブルが格納されている。例えば、吐出量制御の対応テーブルには、利用者が吐出口に手を近付ける速さ及び手を遠ざける速さと、手を近付ける速さに応じた吐出量との組み合わせが設定される。吐出量制御の対応テーブルの一例を、図4に示す。図4の吐出量制御の対応テーブルでは、静電容量の変化量と、吐出量とが対応付けられて格納されている。吐出量制御の対応テーブルの内容は、これに限らず、静電容量の変化量と、吐出量を実現するための制御信号等とが対応付けられて格納されてもよい。
【0040】
制御部202は、検知部201の検知結果に基づいて、静電容量の変化を監視する。静電容量の変化量は、手を近付ける速さと手を遠ざける速さの指標となる。制御部202は、静電容量の変化があったとき、静電容量の変化量を算出する。静電容量の変化量に応じて、記憶部204の吐出量制御の対応テーブルを参照して、該当する吐出量で内容物を吐出する制御を行う。なお、静電容量の変化量を含め、図4に示す値は、検知部201に用いられる静電容量センサの特性、吐出部103の吐出機構の性能によって決められればよく、図4の例に限られない。
【0041】
図4の例では、例えば、静電容量の単位時間あたりの変化量が+1F(ファラッド)であったとき、手を近付ける速さが小さかったと想定される。このとき、制御部202は、図4の吐出量制御の対応テーブルを参照して、吐出量を0.01L/min(リットル/分)増加させる制御を行う。静電容量の変化量における単位時間は、例えば、0.5秒である。単位時間は0.5秒に限らず、他の時間でもよい。また、静電容量の単位時間あたりの変化量が+10Fであったとき、手を近付ける速さが大きかったと想定される。このとき、制御部202は、図4の吐出量制御の対応テーブルを参照して、吐出量を0.08L/min増加させる制御を行う。このように、制御部202は、例えば、利用者が吐出口に手を近付ける速さが大きくなるほど、吐出量をより大きく増加させる。逆に、制御部202は、例えば、利用者が吐出口に手を近付ける速さが小さくなるほど、吐出量をより小さく増加するように制御してもよい。
【0042】
さらに、静電容量の単位時間あたりの変化量が-1Fであったとき、手を遠ざける速さが小さかったと想定される。このとき、制御部202は、図4の吐出量制御の対応テーブルを参照して、吐出量を-0.01L/min減少させる制御を行う。また、制御部202は、利用者が吐出口から手を遠ざける速さが大きくなるほど、吐出量をより大きく減少させてもよい。制御部202は、利用者が吐出口から手を遠ざける速さに応じて単位時間あたりの吐出減少量を大きくする。
【0043】
次に、吐出装置200の動作について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0044】
図5に示すように、まず、検知部201が、静電容量を検知する(ステップS201)。
【0045】
ステップS201でYESのとき、すなわち、静電容量の変化があったとき、制御部202が、検知部201から出力された検知結果に基づいて、静電容量の変化量を算出する(ステップS202)。
【0046】
次に、制御部202は、ステップS202で算出した静電容量の変化量に応じた吐出量を記憶部204から取得する(ステップS203)。例えば、記憶部204に、図4の吐出量制御の対応テーブルが格納されていれば、吐出量制御の対応テーブルを参照して、算出した静電容量の変化量に応じた吐出量を取得する。
【0047】
そして、制御部202は、ステップS203で取得した吐出量で、吐出部103に内容物を吐出させる制御を行う(ステップS204)。
【0048】
また、ステップS201でNOのとき、すなわち、静電容量の変化がなかったとき、吐出装置200は吐出を行わない。
【0049】
図5に示すフローチャートでは、ステップS205でNOのとき、吐出装置200は動作を終了するが、吐出装置200は、ステップS205でNOのとき、所定時間後に再び検知部201が静電容量を検知するように設定されてよい。検知部201が再び検知を行うまでの所定時間は、例えば1秒または10秒などと設定されてよい。例えば、所定時間が短い場合、吐出装置200は、利用者の手の動きへの対応をより適切に行うことができ、所定時間が長い場合、吐出装置200は節電できる。また、他の実施形態の検知部101も、所定時間ごとに検知するように設定されてよい。
【0050】
以上で、吐出装置200は、吐出動作を終了する。
【0051】
上述した本実施形態における吐出装置200は、検知部201が、利用者が吐出口に手を近付けたことを静電容量の変化を監視することにより検知する。そして、制御部202が、静電容量の変化量を算出し、静電容量の変化量、すなわち、利用者が手を近付ける速さに応じた吐出量を記憶部204から取得して、内容物を吐出する吐出部103の吐出量を制御するからである。その結果、吐出装置200は、利用者が手を吐出装置の吐出口に近付ける速さに応じて、より適切な吐出量で内容物を吐出することができる。
【0052】
なお、第二実施形態における制御部202の動作は、検知部201が静電容量センサである場合について説明したが、検知部201で検出される物理量が、静電容量以外の場合でも適用されてよい。
【0053】
[第三実施形態]
次に、本開示の第三実施形態について図面を参照して説明する。以下、本実施形態の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
【0054】
図6は、本開示の第三実施形態に係る吐出装置300の構成を示すブロック図である。
【0055】
図6を参照すると、本実施形態における吐出装置300は、第一実施形態のそれと比べて、制御部102の代わりに制御部302を備える。さらに、制御部302は、設定変更部305を備える。
【0056】
設定変更部305は、吐出装置300に設けられたボタンやタッチパネルに対する利用者の操作に応じて、吐出装置300の設定を変更する。この構成を加えることにより、手を近付ける速さに応じた吐出量、または、後述の変形例において説明する吐出時間の設定を、利用者が任意に設定できる。あるいは、設定変更部305は、吐出装置と通信可能に接続されたスマートフォン等のコンピュータの操作によって設定を変更するように構成されてもよい。
【0057】
制御部302は、設定変更部305の設定に基づいて、吐出部103による内容物の吐出
を制御する。
【0058】
[変形例]
第一実施形態、第二実施形態、及び第三実施形態において、それぞれの制御部は、手を近付ける速さに応じて、吐出量に加えて吐出時間を制御してもよい。例えば、手を近付ける速さが大きくなるほど、制御部は吐出時間をより短くする。より具体的には、利用者が吐出口に手を近付ける速さが大きかった場合、利用者は手を素早く吐出口に近付けている。この場合、利用者が素早く吐出させたいものであると想定し、制御部は吐出量を大きく増加させ、さらに吐出時間を短くする。あるいは、利用者が吐出口に手を近付ける速さが小さかった場合、利用者は手をゆっくりと吐出口に近付けている。この場合、利用者がゆっくり吐出させたいものであると想定し、制御部は吐出量を小さく増加させ、さらに吐出時間を長くする。
【0059】
例えば、第二実施形態において、制御部202が吐出量及び吐出時間を制御するとき、制御部202は、記憶部204に格納された図7の吐出量制御の対応テーブルを参照して、静電容量の変化量、すなわち手を近付ける速さに応じた吐出量と吐出時間を取得する。そして、制御部202は、取得した吐出量及び吐出時間で内容物を吐出する制御を行う。
【0060】
以上、各実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解しえる様々な変更をすることができる。
【0061】
例えば、複数の動作をフローチャートの形式で順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の動作を実行する順番を限定するものではなく、また各動作が繰り返されてもよい。このため、各実施形態を実施するときには、その複数の動作の順番を内容的に支障しない範囲で変更することができる。
【符号の説明】
【0062】
100 吐出装置
101 検知部
102 制御部
103 吐出部
200 吐出装置
201 検知部
202 制御部
204 記憶部
300 吐出装置
302 制御部
305 設定変更部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7