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特許7469278コンピュータシステム、制御方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】コンピュータシステム、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20240409BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20240409BHJP
【FI】
G06T7/00 660A
G06Q30/0601 330
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021170316
(22)【出願日】2021-10-18
(62)【分割の表示】P 2021149376の分割
【原出願日】2020-01-31
(65)【公開番号】P2022009212
(43)【公開日】2022-01-14
【審査請求日】2023-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】505300841
【氏名又は名称】株式会社ZOZO
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 正裕
【審査官】佐藤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/029963(WO,A1)
【文献】特開2004-038918(JP,A)
【文献】国際公開第2018/008138(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00
G06Q 30/0601
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを撮影したユーザ撮影画像と、モデル毎に化粧後の当該モデルの化粧後モデル画像を当該化粧に用いた化粧品の情報である化粧品情報と対応付けて記憶する記憶部に記憶された前記化粧後モデル画像を用いたアイコン画像と、について比較的に前記ユーザ撮影画像を大きく表示し前記アイコン画像を小さい画像として並べて表示した選択画面を前記ユーザに提示する制御を行い、前記選択画面に表示された前記アイコン画像の中から選択候補画像を前記ユーザの選択操作に従って選択する制御を行う選択候補画像特定制御手段と、
前記ユーザ撮影画像に基づいて、前記選択候補画像に対応する前記化粧品を用いた化粧後の前記ユーザのシミュレーション画像を生成する所定のメイクシミュレーション処理の実行を制御するシミュレーション処理手段と、
前記選択候補画像に対応する前記化粧品情報を前記ユーザに提示する制御を行う化粧品情報提示制御手段と、
を備えるコンピュータシステム。
【請求項2】
前記選択候補画像特定制御手段は、前記選択画面において前記アイコン画像を画面下部に並べて表示する制御を行う、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記シミュレーション処理手段は、前記ユーザ撮影画像と、前記選択候補画像に対応する前記化粧品について予め設定された色情報と、の何れかに基づく所定のカラーキャリブレーションを行って前記メイクシミュレーション処理を実行する、
請求項1又は2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記選択画面に表示された前記アイコン画像に対する前記ユーザの所定操作に応じて、当該アイコン画像に対応する前記化粧後モデル画像を拡大表示して前記ユーザに提示する制御を行うモデル画像拡大表示制御手段、
を更に備える請求項1~3の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記化粧品情報提示制御手段は、前記ユーザに提示する前記選択候補画像に対応する前記化粧品情報に係る化粧品を所定のオンラインショッピングサービスを利用して購入するための指示操作を受け付ける受付制御を行う、
請求項1~4の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記記憶部は、モデル毎に、複数の前記化粧モデル画像を、当該化粧に用いた化粧品の情報である化粧品情報と対応付けて記憶しており、
前記選択候補画像特定制御手段は、
前記モデルの中から選択モデルを選択する1次選択と、
前記選択モデルに関する複数の前記化粧モデル画像の中から前記選択候補画像を前記ユーザの選択操作に従って選択する2次選択と、
を行う制御を実行する、
請求項1~の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
コンピュータシステムが、
ユーザを撮影したユーザ撮影画像と、モデル毎に化粧後の当該モデルの化粧後モデル画像を当該化粧に用いた化粧品の情報である化粧品情報と対応付けて記憶する記憶部に記憶された前記化粧後モデル画像を用いたアイコン画像と、について比較的に前記ユーザ撮影画像を大きく表示し前記アイコン画像を小さい画像として並べて表示した選択画面を前記ユーザに提示する制御を行い、前記選択画面に表示された前記アイコン画像の中から選択候補画像を前記ユーザの選択操作に従って選択する制御を行う選択候補画像特定制御ステップと、
前記ユーザ撮影画像に基づいて、前記選択候補画像に対応する前記化粧品を用いた化粧後の前記ユーザのシミュレーション画像を生成する所定のメイクシミュレーション処理の実行を制御するシミュレーション処理ステップと、
前記選択候補画像に対応する前記化粧品情報を前記ユーザに提示する制御を行う化粧品情報提示制御ステップと、
を実行する制御方法。
【請求項8】
コンピュータを、
ユーザを撮影したユーザ撮影画像と、モデル毎に化粧後の当該モデルの化粧後モデル画像を当該化粧に用いた化粧品の情報である化粧品情報と対応付けて記憶する記憶部に記憶された前記化粧後モデル画像を用いたアイコン画像と、について比較的に前記ユーザ撮影画像を大きく表示し前記アイコン画像を小さい画像として並べて表示した選択画面を前記ユーザに提示する制御を行い、前記選択画面に表示された前記アイコン画像の中から選択候補画像を前記ユーザの選択操作に従って選択する制御を行う選択候補画像特定制御手段、
前記ユーザ撮影画像に基づいて、前記選択候補画像に対応する前記化粧品を用いた化粧後の前記ユーザのシミュレーション画像を生成する所定のメイクシミュレーション処理の実行を制御するシミュレーション処理手段、
前記選択候補画像に対応する前記化粧品情報を前記ユーザに提示する制御を行う化粧品情報提示制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧をする者、特に日常的に化粧をする者にとっては、自分に合った化粧品或いは希望する化粧を実現するための化粧品選びは日々のことであり、重要である。ユーザは、自らが蓄積した化粧に関する知識、インターネット等から得た情報、店頭の化粧品売り場の売場員から聞いたアドバイス、等を参考にして化粧品を選択・購入することが多い。化粧品を選択するためのコンピュータシステムの技術としては、データベースに登録されている化粧品の中から、ユーザの肌の色に基づいて推奨化粧品を提示する推奨システム(例えば、特許文献1を参照)の技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-195619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、コンピュータシステムが推奨化粧品を提示するためには、如何にしてユーザの肌の正しい色情報を得るかが重要となる。特許文献1の技術では、ユーザの肌の色を取得するために、特殊な制御照明環境や特殊な撮影機材を用意してユーザを撮影する必要がある。一般ユーザにとっては、例えば、自宅でメークを落とした時に自身のスマートフォンを使って簡単に撮影をすることで推奨化粧品の提示サービスを自身1人で利用したいという要望があるであろうが、特許文献1の技術で実現することは甚だ困難である。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、特殊な制御照明環境や特殊な撮影機材を必要とすることなく、ユーザの顔の色情報を手軽且つ正確に取得するための技術を提供すること、である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するための第1の発明は、メガネを装着したユーザを撮影した第1の画像データ、及び、前記メガネを装着しない前記ユーザを撮影した第2の画像データ、に基づいて、コンピュータシステムが前記ユーザの顔の各位置の色を判定する際に用いる前記メガネであって、位置判定用のマーカ(例えば、図3のマーカ13(13a,13b,…))を予め定められた位置に有し、予め定められた色(例えば、色パターン14の色)が予め定められた位置に配色されており、前記コンピュータシステムが、前記マーカ及び前記配色を用いて、前記第1の画像データ及び前記第2の画像データから前記ユーザの顔の各位置の色を判定する、メガネである。
【0007】
ここで言う「メガネ」は、レンズの無い、いわゆる伊達メガネでもよい。
第1の発明のメガネは、ユーザの顔の各位置の色を判定するための予め定められた色(色パターン:色判定のための基準色)と、当該色がメガネの何処に配色されているかの相対位置を判定のためのマーカと、を有している。
ユーザがこのメガネを掛けた状態の第1の画像データでは、色判定の対象である顔と色判定の基準となる色パターンとが隣り合っている。また、第1の画像データにおける環境光の状態と、第2の画像データにおける環境光の状態とは、厳密には同じとは言えないケースもあり得るが、前者と後者との間にあるのはユーザがメガネを外すわずかな動作だけであり、第1の画像データの撮影からそのまま連続的な段取りで第2の画像データの撮影が可能であり、両者の環境光の状態はほとんど同じと言える。
【0008】
従って、ユーザが自宅でスマートフォンのカメラで自顔を撮影するような撮影環境であっても、メガネを外す前後の環境光の当たり具合はほぼ同じであり、「色パターンが写った部分から読み取られる色でキャリブレーションを行い、顔が写った部分から顔の色情報を読み取る」ことで、正確な色の読み取りが可能になる。つまり、特殊な制御照明環境や特殊な撮影機材を必要とすることなく、ユーザの顔の色情報を手軽且つ正確に取得することができる。
【0009】
第2の発明は、前記マーカを有し、前記配色が施されたフレーム(例えば、図3のフレーム12)を備えた、第1の発明のメガネである。
【0010】
ここで言う「フレーム」は、一般に使用されるメガネの“フレーム”の意味であり、レンズ以外の構造物を指す。一般的なメガネで言えば、リム、ブリッジ、智、鼻当てパッド、パッドアーム、ヒンジ、テンプル、モダン、ヒンジの代わりとなるベルト、ベルト装着部、などが該当する。
【0011】
第2の発明によれば、第1の発明のマーカおよび配色が施されたフレームを有するメガネを構成することができる。このことは、レンズ無しのメガネとしても本発明が成立することをも意味する。
【0012】
第3の発明は、メガネと、コンピュータシステムと、を具備した推奨化粧品提示制御システムであって、前記メガネは、位置判定用のマーカ(例えば、図3のマーカ13(13a,13b,…))を予め定められた位置に有し、予め定められた色が予め定められた位置に配色されており、前記コンピュータシステムは、前記メガネを装着したユーザを撮影した第1の画像データ(例えば、図17のメガネあり動画データ710、メガネあり正面顔画像データ712、メガネあり非正面顔画像データ714)及び、前記メガネを装着しない前記ユーザを撮影した第2の画像データ(例えば、図17のメガネなし動画データ730、メガネなし正面顔画像データ732、メガネなし非正面顔画像データ734)を取得する画像取得手段(例えば、図1のサーバシステム1100、図14のサーバ処理部200s、推奨化粧品提示制御部210、画像取得制御部212、図17の進行管理データ700、図19のステップS30~S40)と、
前記マーカ及び前記配色を用いて、前記第1の画像データ及び前記第2の画像データから前記ユーザの顔の各位置の色を判定する判定手段(例えば、図1のサーバシステム1100、図14のサーバ処理部200s、推奨化粧品提示制御部210、顔関連色判定部214、図10の提示用基礎データ740、顔色情報760、図20のステップS70)と、
所定の化粧品データベースのなかから前記ユーザに推奨する化粧品をカテゴリー別に、前記判定手段の判定結果に基づいて選択して提示する制御を行う提示制御手段(例えば、図1のサーバシステム1100、図14のサーバ処理部200s、推奨化粧品提示制御部210、提示制御部230、図20のステップS110)と、を備えた、推奨化粧品提示制御システムである。
【0013】
ここで言う「コンピュータシステム」とは、単数のコンピュータは勿論、複数のコンピュータが連携して実現されるものでもよい。
第3の発明によれば、第1の発明と同様の効果を奏するシステムとして、特殊な制御照明環境や特殊な撮影機材を必要とすることなく、ユーザの顔の色情報を手軽且つ正確に取得するシステムであって、ユーザの顔の各位置の色を用いて推奨化粧品をユーザに提示するシステムを実現できる。
【0014】
第4の発明は、前記メガネが、前記マーカを有し、前記配色が施されたフレーム、を備えた、第3の発明の推奨化粧品提示制御システムである。
【0015】
第4の発明によれば、第2の発明と同様の効果を奏する。
【0016】
第5の発明は、前記第1の画像データは、前記メガネを装着した前記ユーザを顔の向きを変えて撮影したデータであり、前記判定手段は、前記第1の画像データに含まれる前記ユーザの顔の向きが異なる画像に基づいて、前記フレームの撮影画像部分に対する第1テカリ対処処理を行う手段(例えば、図14の第1テカリ対処処理部220、図6のステップS40)、を有し、前記第1テカリ対処処理後の前記フレームの撮影画像部分の色と、前記フレームの前記配色との色の違いを用いて、前記ユーザの顔の各位置の色を判定する、第4の発明の推奨化粧品提示制御システム、である。
【0017】
ここで言う「テカリ」とは、物体の表面に光が当たると、物体表面の屈折や反射、拡散によって、物体表面に局所的に生じる相対的な高輝度領域や、輝度のバラツキが撮影画像中に生じることを言う。ハイライト、写り込みなどと呼ばれる現象がこれに該当する。テカリが生じると、その物体本来の色を正しく読み取る事ができなくなる。ユーザが自宅でスマートフォンのカメラで自身の顔を撮影するような撮影環境では、環境光の偏りがあるケースが多く、テカリが発生し易い。一方で、テカリは、撮影アングルを変えると、発生の有無、発生位置、テカリの度合が変化する。
【0018】
第5の発明によれば、第1の画像データを顔の向きを変えた複数のデータとし、第1テカリ処理を実行することで、推奨化粧品提示制御システムは、1枚目の第1の画像データで、ある場所にテカリが生じている場合でも、当該場所にテカリが生じていない別の第1の画像データから当該場所の色を読み取りできるようになる。
【0019】
第6の発明は、前記第2の画像データが、前記メガネを装着していない前記ユーザを顔の向きを変えて撮影したデータであり、前記判定手段は、前記第2の画像データに含まれる前記ユーザの顔の向きが異なる画像に基づいて、前記ユーザの顔の各撮影画像部分に対する第2テカリ対処処理を行う手段(例えば、図14の第2テカリ対処処理部222、図9のステップS70)、を有する、第4又は第5の発明の推奨化粧品提示制御システムである。
【0020】
テカリは、ユーザの肌でも生じる。
第6の発明によれば、第2の画像データを顔の向きを変えた複数のデータとし、第2テカリ処理を実行することで、推奨化粧品提示制御システムは、1枚目の第2の画像データで、ある顔の部位にてテカリが生じている場合でも、当該部位にテカリが生じていない別の第2の画像データから当該部位の色を読み取りできるようになる。
【0021】
第7の発明は、前記判定手段が、更に、前記ユーザの髪の色を判定し(例えば、図11の顔色情報760、色読取結果データ761の位置ID762「髪」)、前記提示制御手段は、前記判定手段により判定された髪の色に基づいて化粧品を選択して提示する制御を行う(例えば、図20のステップS92)、第3~第6の何れかの発明の推奨化粧品提示制御システム、である。
【0022】
第7の発明によれば、推奨化粧品提示制御システムは、髪の色と顔の部位の色との両方とを考慮して化粧品を選択・提示できるようになる。
【0023】
第8の発明は、前記提示制御手段が、モデル毎に、当該モデルに適用された化粧品の情報を対応付けて記憶したモデルデータベース(例えば、図12のモデルデータベース540)のなかから、前記判定手段の判定結果と所定の適合条件を満たすモデルを選択し(図20のステップS94)、当該モデルに対応付けられた化粧品を提示する制御を行う(図20のステップS96~ステップS102)、第3~第7の何れかの発明の推奨化粧品提示制御システムである。
【0024】
また、第9の発明は、前記モデルデータベースが、前記モデルが化粧前の状態で前記画像取得手段による画像データの取得及び前記判定手段による判定が行われた結果である、当該判定結果のデータ(以下「化粧前モデルデータ」という;例えば、図12の顔特徴量543,顔色情報544,素顔画像データ545)を、当該モデルと対応付けて記憶しており、前記提示制御手段は、前記化粧前モデルデータが、前記ユーザに関する前記判定手段の判定結果と前記適合条件を満たすモデルを選択し、当該モデルに対応付けられた化粧品を提示する制御を行う、第8の発明の推奨化粧品提示制御システム、である。
【0025】
第8又は第9の発明によれば、推奨化粧品提示制御システムは、化粧が施された人物すなわちモデルと、その化粧に使用されている化粧品の情報とを登録したモデルデータベースから、顔の部位の色がユーザのそれと適合するモデルの化粧に係る化粧品を選択して提示することができる。実際の人(モデル)にお手本となってもらい、そのモデルの化粧に使用された化粧品の組み合わせをもとに化粧品を選択・提示することで、ユーザにとって分かり易くなる。つまり、ユーザにとっての利便性を向上できる。
【0026】
第10の発明は、前記判定手段が、撮影画像中の前記マーカの位置に基づいて前記ユーザの顔及び顔パーツに係る大きさ、形状、位置に関する顔特徴量を判定する顔特徴量判定手段(例えば、図14の顔特徴量判定部218、図9のステップS73、図10の顔特徴量750)、を有し、前記モデルデータベースは、前記モデルの顔特徴量のデータを、当該モデルと対応付けて記憶しており、前記提示制御手段は、前記モデルの顔特徴量のデータが、前記顔特徴量判定手段の判定結果と前記適合条件を満たすモデルを選択し、当該モデルに対応付けられた化粧品を提示する制御を行う、第8又は第9の推奨化粧品提示制御システム、である。
【0027】
第10の発明によれば、推奨化粧品提示制御システムは、ユーザと顔立ちの似ているモデルの化粧に使用された化粧品を提示できるようになる。ユーザにとってみれば、提示された化粧品で、化粧後に自分がどのような見栄えを得られるか分かり易くなる。つまり、ユーザにとっての利便性を更に向上できる。
【0028】
第11の発明は、コンピュータシステムが、メガネを装着したユーザを撮影した撮影画像を用いて前記ユーザに推奨する化粧品を提示する制御を行うための推奨化粧品提示制御方法であって、前記メガネは、位置判定用のマーカを予め定められた位置に有し、予め定められた色が予め定められた位置に配色されており、前記メガネを装着した前記ユーザを撮影した第1の画像データ、及び、前記メガネを装着しない前記ユーザを撮影した第2の画像データを取得する画像取得ステップ(例えば、図19のステップS30~S40)と、
前記マーカ及び前記配色を用いて、前記第1の画像データ及び前記第2の画像データから前記ユーザの顔の各位置の色を判定する判定ステップ(例えば、図20のステップS70)と、
所定の化粧品データベースのなかから前記ユーザに推奨する化粧品をカテゴリー別に、前記判定ステップでの判定結果に基づいて選択して提示する制御を行う提示制御ステップ(例えば、図20のステップS100~ステップS110)と、
を含む推奨化粧品提示制御方法である。
【0029】
第11の発明によれば、コンピュータに、第3の発明と同様の効果が得られる制御を実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】推奨化粧品提示制御システムの構成例を示す図。
図2】ユーザ端末の構成例を示す正面図。
図3】メガネの正面図。
図4】メガネ登録データのデータ構成例を示す図。
図5】推奨化粧品提示サービスについて説明するための図(その1)。
図6】推奨化粧品提示サービスについて説明するための図(その2)。
図7】メガネ色読取結果データのデータ構成例を示す図。
図8】テカリ判定について説明するための図。
図9】推奨化粧品提示サービスについて説明するための図(その3)。
図10】提示用基礎データのデータ構成例を示す図。
図11】「読取色基準推奨」について説明するための図。
図12】「モデル基準推奨」について説明するための図。
図13】提示画面の表示例を示す図。
図14】第1実施形態におけるサーバシステムの機能構成例を示す機能ブロック図。
図15】第1実施形態におけるサーバ記憶部が記憶するプログラムやデータの例を示す図。
図16】ユーザ管理データのデータ構成例を示す図。
図17】進行管理データのデータ構成例を示す図。
図18】第1実施形態におけるユーザ端末の機能構成例を示す機能ブロック図。
図19】推奨化粧品提示サービスに係るサーバシステム及びユーザ端末における処理の流れを説明するためのフローチャート。
図20図19より続くフローチャート。
図21】第2実施形態におけるユーザ端末の機能構成例を示す機能ブロック図。
図22】第2実施形態における推奨化粧品提示サービスに係るサーバシステム及びユーザ端末の処理の流れを説明するためのフローチャート。
図23図22より続くフローチャート。
図24】メガネの変形例を示す図。
図25】メガネ登録データの変形例を示す図。
図26】提示再現用データの利用の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態の一例を説明するが、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限られないことは勿論である。
【0032】
〔第1実施形態〕
図1は、推奨化粧品提示制御システムの構成例を示す図である。
推奨化粧品提示制御システム1000は、ネットワーク9を介して相互にデータ通信が可能なサーバシステム1100とユーザ端末1500とを含む。そして、推奨化粧品提示制御システム1000は、ユーザ端末1500とメガネ10とを使用するユーザ2に向けて、(1)メイクアップ化粧品(以下、単に「化粧品」と言う。)をユーザに提示する推奨化粧品提示サービスと、(2)提示された化粧品をオンライン購入するオンラインショッピングサービスと、(3)SNS(Social Network Service)と、を提供するコンピュータシステムである。勿論、推奨化粧品提示制御システム1000は、付加的にその他のサービスの提供を行ってもよい。
【0033】
ネットワーク9は、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、ネットワーク9とは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0034】
サーバシステム1100は、例えば、本体装置1101と、キーボード1106と、タッチパネル1108と、ストレージ1140とを有し、本体装置1101には制御基板1150を搭載する。
【0035】
制御基板1150には、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153が搭載されている。なお、制御基板1150の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
【0036】
そして、サーバシステム1100は、制御基板1150が所定のプログラム及びデータに基づいて演算処理することにより、推奨化粧品提示サービスと、オンラインショッピングサービスと、SNSと、を提供する機能を実現する。その中には、それらのサービスの提供に係り、ユーザ端末1500にて実行可能なプログラムや、プログラムの実行に必要となる各種データの提供も含まれる。
【0037】
なお、図1では、ユーザ端末1500を1台のみ描いているが、実際のシステム運用においては、同時に複数のユーザ端末1500がサーバシステム1100にアクセス可能である。
【0038】
また、サーバシステム1100を、1台のサーバ装置であるかのように描いているが、複数の装置で実現する構成であってもよい。例えば、サーバシステム1100は各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であっても良い。また、サーバシステム1100を構成するハードウェアの設置場所は問わない。離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、ネットワーク9を介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であっても良い。
【0039】
図2は、ユーザ端末1500の構成例を示す正面図である。
ユーザ端末1500は、登録手続を経たユーザが、本実施形態の推奨化粧品提示制御システム1000を利用するために使用するコンピュータシステムであって、ネットワーク9を介してサーバシステム1100にアクセスできる電子装置(電子機器)である。なお、ユーザ端末1500は、いわゆるスマートフォンに分類されるが、コンピュータであれば、スマートウォッチなどのウェアラブルコンピュータや、携帯型ゲーム装置、タブレット型コンピュータ、パソコン、などでもよい。スマートフォンと、当該スマートフォンに通信接続されたスマートウォッチとの組み合わせといった複数の電子機器が有機的に結びついて1つの機能を果たす場合には、これらの複数の電子機器をもって一つのユーザ端末1500とみなすことができる。
【0040】
ユーザ端末1500は、方向入力キー1502と、ボタンスイッチ1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、内蔵バッテリー1509と、スピーカ1510と、マイク1512と、カメラ1520と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540からデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542と、を備える。その他、図示されていない電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。また、推奨化粧品提示制御システム1000の利用対価等の支払いが可能なICカード型のクレジットカードやプリペイドカードに対して非接触にデータの読み書きが行えるICカード読取装置などを設けるとしてもよい。
【0041】
カメラ1520は、イメージセンサモジュールで実現できる。
【0042】
制御基板1550は、(1)CPU1551や、GPU,DSPなどの各種マイクロプロセッサ、(2)VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、(3)ネットワーク9に接続する携帯電話基地局や無線LAN基地局などと無線通信するための無線通信モジュール1553、(4)インターフェース回路1557、などを搭載する。
【0043】
インターフェース回路1557には、(1)タッチパネル1506のドライバ回路、方向入力キー1502及びボタンスイッチ1504からの信号を受信する回路、(2)スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、(3)マイク1512で集音した音声の信号を生成する入力信号生成回路、(4)カメラ1520で撮影された画像の画像データを入力する回路、(5)メモリカード読取装置1542への信号入出力回路、などが含まれている。
【0044】
制御基板1550に搭載されているこれらの要素は、バス回路などを介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1550の一部又は全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。そして、制御基板1550は、ユーザ端末としての機能を実現させるためのプログラムや各種データをICメモリ1552に記憶する。
【0045】
なお、本実施形態では、ユーザ端末1500はプログラムや各種の設定データをサーバシステム1100からダウンロードする構成としているが、別途入手したメモリカード1540などの記憶媒体から読み出す構成としても良い。
【0046】
図3は、メガネ10の正面図である。なお、テンプルやモダンはリムに隠れて見えていないが存在する。
メガネ10は、透光部11と、フレーム12と、を有する。
透光部11は、レンズや視力調整力のない透光材又は単なる空間である。単なる空間とする場合には、メガネ10は、レンズの無いいわゆる伊達メガネとなる。
フレーム12は、透光部11の外周部を形成する部分である。一般的な二枚レンズ構成の視力調整用メガネの構成でいうところのリム・ブリッジ・智・鼻パッドに該当する部位が、フレーム12に該当する。リムレスメガネの形態を取る場合には、透光部11の外周部をフレーム12と見なすことができる。
【0047】
フレーム12は、正面に少なくとも2つのマーカ13(13a,13b,…)を有する。図3の例では、フレーム12の上部左右両端部にそれぞれ第1マーカ13aと第2マーカ13bとを有する。また、フレーム12は、ブリッジの左右それぞれに第3マーカ13cと第4マーカ13dとを有し、鼻パッド部の左右それぞれに第5マーカ13eと第6マーカ13fとを有する。
【0048】
マーカ13(13a,13b,…)は、画像認識によって個別に認識される固有の文様と所定サイズを有しており、所定の幾何的位置関係でフレーム12へ塗装や印刷によって設けられている。又は、マーカ13はシールとして貼り付けて実現される。
【0049】
マーカ13は、メガネ10を撮影した画像を画像認識する際の位置や距離などの幾何的位置関係を判定するための基準点とされる。また、メガネ10の向きや姿勢を判定するための基準点とされる。
例えば、第1マーカ13aから第6マーカ13fのサイズ及び相互の実距離は所定値に定まっているので、撮影された画像に写っているマーカ13のサイズと、マーカ間の画像座標系距離とから、幾何的にカメラ光軸(撮影された画像の奥行き方向)に対するメガネ10の傾きや、カメラからメガネ10までの距離、メガネ10と画像に写っている物体の寸法を求めることができる。また、撮影された画像に写っているマーカ13の大きさや歪み、マーカ13同士の位置関係によって、メガネ10の傾きを知ることができる。
【0050】
フレーム12は、複数の色パターン14を有し、予め定められた色が予め定められた位置に配色されている。
具体的には、フレーム12は、素材としては黒色のセルフレームであり、リムに沿って複数の略矩形領域に区分けして複数の色パターン14を形成しているが、区分けの位置関係や形状は予め定められている。色パターン14の着色は、例えば印刷やシールの貼り付けにより実現することができる。色樹脂の一体成形によって実現してもよい。因みに図3の例では、色の違いをハッチングパターンの違いで表現している。
【0051】
メガネ10は、図3で示すデザインの他に、複数種類用意することができ、その種類は、マーカ13の組合せで判別できるようになっている。そして、ユーザ2は、好みのデザインのメガネ10を使用することができる。
【0052】
図4は、メガネ登録データ530のデータ構成例を示す図である。
メガネ登録データ530は、メガネ10の種類毎に用意され当該種類のメガネ10に紐付けられる各種情報を格納し、サーバシステム1100にて記憶されている。メガネ登録データ530は、固有のメガネ種類531と、マーカ定義データ532と、配色設定データ533と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0053】
マーカ定義データ532は、当該登録データに紐付けられるメガネ10のマーカの種類と相対的な位置関係とを定義するデータを格納する。具体的には、マーカ13別に、当該マーカを画像認識するためのいわゆる辞書データの役割を示すデータ(図4中ではマークそのもので描いている)と、撮影された画像の画像座標系における位置座標値とを、対応付けて格納している。マーカ13は、位置判定用の基準であり且つメガネの種類判定用の情報を兼ねているので、マーカ定義データ532は、位置判定及び種類判定用のデータであるとも言える。
【0054】
なお、撮影された画像の画像座標系の設定は適宜可能であるが、例えば次のように設定することができる。すなわち、第1マーカ13a→第3マーカ13c→第4マーカ13d→第2マーカ13bが直線状に配置されているものとして、これら4つのマーカを通る直線が、撮影された画像の画像座標系のX軸(図4中のXf)と平行であるとする。そして、画像座標系のX軸(Xf)から第5マーカ13e、第6マーカ13fの有る側を画像座標系のY軸(図4中のYf)とし、これら2軸による右手座標系として画像座標系のZ軸を設定する。
【0055】
配色設定データ533は、色パターン14別に、色パターン名534と、画像座標系における相対位置座標535と、当該色パターンの色を定義する設定値536(RGB値)と、を対応づけて格納する。設定値536が示す色が、カラーキャリブレーション用の基準色となる。
【0056】
次に、推奨化粧品提示サービスについて説明する。
当該サービスは、ユーザ端末1500で撮影されたユーザ2の顔画像から自動的にユーザ2の顔の各位置の色を読み取り(色を判定し)、化粧品を自動検索して当該ユーザへ提示するサービスである。
【0057】
ユーザ2が、ユーザ端末1500にて所定の推奨化粧品提示サービスの開始操作を入力すると、図5に示すように、ユーザ端末1500にてフレーム確認用画面W5が表示される。
【0058】
ユーザ端末1500は、フレーム確認用画面W5が表示されている間、カメラ1520で撮影している画像データを、サーバシステム1100へ送信し続ける。サーバシステム1100は、当該画像データに対して画像認識処理を行って顔部分とマーカ13とを検出する。そして、サーバシステム1100は、検出結果から撮影フレームの適正判定をする。具体的には、全てのマーカ13と、所定の顔部分(例えば、髪・両眉・両目・鼻・口・両耳)とが認識されれば、適正な撮影フレームであると判定する。
【0059】
もし、マーカや顔部分に認識不足があれば、サーバシステム1100は、ユーザ端末1500とユーザ2との間の距離を調整するように促すか、ズームを調整するように促す適正化案内をユーザ端末1500にて表示させる。そして、サーバシステム1100は、適正な撮影フレームであれると判定したならば、ユーザ端末1500にて所定の完了通知を表示させて、第1画像データの取得に関する処理(図5中、第1画像撮影ステップ)を実行する。
【0060】
第1画像データの取得に関する処理は、図6に示すように、カラーキャリブレーションに必要とされるメガネ10をつけたユーザ2の画像の取得・保存に係る各種処理を含む。
具体的には、ユーザ端末1500にて第1画像撮影用画面W6a,W6bが表示される。第1画像撮影用画面W6a,W6bでは、ユーザ2に向けて、メガネ10を掛けた状態でユーザ端末1500に向かって左右に首振りするように、またメガネ10を掛けた状態でユーザ端末1500に向かって上下に首振りするように促し、所定のカウントダウンの後にその様子を動画撮影する。撮影された「メガネあり動画」が、カラーキャリブレーション用の素材となる。
【0061】
「メガネあり動画」が撮影されたならば、サーバシステム1100は、第1テカリ対処処理を実行する(ステップS40)。同処理において、サーバシステム1100は、「メガネあり動画」から「メガネありの正面顔画像」をキャプチャし(ステップS42)、キャプチャした顔画像から各色パターン14の色を読み取る(ステップS44)。各色パターン14の読み取りは、当該画像に写っているマーカ13からメガネ種類531を判定し、当該種類の配色設定データ533の相対位置座標535が示すピクセルの色を判定することで実現される。
【0062】
読み取った結果は、例えば図7に示すような、メガネ色読取結果データ720としてサーバシステム1100に保存される。メガネ色読取結果データ720は、色パターン名721毎に、読み取った色の情報である読取値722と、読取完了フラグ723と、を対応づけて格納する。
【0063】
読取完了フラグ723は、カラーキャリブレーション用の基準色として適当な読み取りができた場合に「1」に設定される。ここで言う「カラーキャリブレーション用の基準色として適当」とする判定は、その色パターン14にテカリ4が発生しているか否かに応じて判定する。
【0064】
ここで言う「テカリ」とは、物体の表面に光が当たると、物体表面の屈折や反射、拡散によって、物体表面に局所的に生じる相対的な高輝度領域や輝度のバラツキを言う。ハイライト、写り込みなどと呼ばれる現象がこれに該当する。テカリ4が生じると、その物体本来の色を正しく読み取る事ができなくなる。ユーザが自宅でスマートフォンのカメラで自身の顔を撮影するような撮影環境では、環境光の偏りがあるケースが多く、テカリ4が発生し易い。一方で、テカリ4は、撮影アングルを変えると、発生の有無、発生位置、テカリ4の度合が変化する。
【0065】
具体的には、図8に示すように、サーバシステム1100は、全ての色パターン14の色を読み取ると、各色パターン14の設定値536(図4参照)と読取値722(図7参照)とのRGB各成分の輝度差ΔR・ΔG・ΔBを求め、それらを各軸成分とする3軸座標系にプロットする(グラフ中の白丸がプロットを表す)。
【0066】
テカリ4が生じている色パターン14の輝度差は、テカリが生じていない他の色パターン14(適正色読取群7)のそれよりも、高い輝度差となるように有意差が生まれる。よって、テカリ4が生じて正しく色を読み取れない色パターン14を識別できる。或いは、輝度差に適当な色読取適正範囲6を設定しておいて、当該範囲内に輝度差ΔR・ΔG・ΔBが収まらない色パターン14を、テカリ4が発生していると判定するとしてもよい。
【0067】
図6に戻って、「メガネありの正面顔画像」からの色の読み取りが完了したならば、サーバシステム1100は、別アングルの顔画像を動画からキャプチャする必要があるか判定する(ステップS46)。当該判定は、例えば「メガネありの正面顔画像」から所定数の色パターン14の読み取りができたか、又は全ての色パターン14の読み取りができたで判定する。
【0068】
もし、当該判定が肯定の場合(ステップS46のYES)、サーバシステム1100は「メガネあり動画」から別アングルの静止画(非正面顔画像)をキャプチャし(ステップS48)、正しく色が読み取られていない色パターン14の色を読み取る(ステップS44)。
【0069】
もし、別アングルの顔画像を動画からキャプチャする必要が無ければ(ステップS46のNO)、つまり十分カラーキャリブレーション用の基準色として色パターン14の色読取ができていれば、サーバシステム1100は、第1テカリ対処処理を抜け、色パターン14の読取値722をそれぞれの設定値536と一致又は必要十分に近似させるカラーキャリブレーション用の色補正値を色補正設定として決定する。図6の例では、色補正設定を一組のRGB値として設定する例を示しているが、色補正設定は一組の値を画像全域に適用する場合に限らない。例えば、顔の部位別や、顔に設定される領域別(例えば、顔を正面からみて左・中央・右など)に色補正値を設定してもよい。
【0070】
そして、色補正設定が決まったならば、サーバシステム1100は、第2画像データの取得に関する処理(図6中、第2画像撮影ステップ)を実行する。
【0071】
図9は、第2画像データの取得に関する処理を説明するための図である。
当該処理は、メガネ10をつけていないユーザ2の画像の取得・保存に係る処理である。具体的には、ユーザ端末1500にて第2画像撮影用画面W9a,W9bが表示される。第2画像撮影用画面W9a,W9bでは、ユーザ2に向けて、メガネ10を掛けずにユーザ端末1500に向かって左右に首振りするように、またメガネ10を掛けずにユーザ端末1500に向かって上下に首振りするように促し、所定のカウントダウンの後にその様子を動画撮影する。撮影された「メガネなし動画」が、ユーザ2の顔の各位置の色を読み取る(色を判定する)ための素材となる。
【0072】
「メガネなし動画」が撮影されたならば、サーバシステム1100は、第2テカリ対処処理を実行する(ステップS70)。同処理において、サーバシステム1100は、「メガネなし動画」から「メガネなしの正面顔画像」をキャプチャする(ステップS71)。そして、サーバシステム1100は、ユーザ2の顔特徴量を算出し(ステップS73)、顔の所定部位それぞれについて色を読み取る(ステップS75)。
【0073】
色を読み取る位置は、顔特徴点から予め決められた相対位置或いは当該相対位置を中心とした所定範囲とする。また、色の読み取りに際しては、先に設定した色補正設定を適用する。具体的には、読み取り対象の画像に色補正設定を施した後に色を読み取る、或いは読み取った色に色補正設定を施す。
【0074】
メガネをしていないユーザの顔画像(第2の画像データ)から読み取った情報は、例えば図10に示すような提示用基礎データ740として保存される。提示用基礎データ740は、固有の基礎データID741と、ユーザアカウント743と、顔特徴量750と、顔色情報760と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0075】
顔特徴量750は、ユーザ2の「顔のつくり」「顔立ち」を分類し類似性を判定するための情報である。例えば、顔特徴量750として、顔パーツの特徴点を所定順にリスト化した特徴点座標リスト751、特徴点間ベクトルリスト752、特徴点三角形特徴リスト753、顔3次元モデル754、などを用いることができる。これらのデータから、必要に応じてユーザ2の顔及び顔パーツに係る大きさ、形状、顔パーツの顔全体における位置関係、相対比率、などを知ることができる。どの情報を顔特徴量750として用いるかは、分類や顔の類似性を判定用として採用するアルゴリズムに応じて適宜選択可能である。
【0076】
顔色情報760は、キャプチャされたユーザ2の顔画像から読み取った顔の色情報を格納する。例えば、読み取った位置ID762と、当該位置から読み取った色(判定された色)である読取色763と、読取完了フラグ764と、を含む。
【0077】
読取完了フラグ764は、初期値が「0(読取未完の意)」であり、当該位置にテカリが生じていない状態で色の読取(色の判定)が行われると「1(読取完了の意)」に設定される。顔の各位置の色読取におけるテカリは、局所的な輝度の立ち上がりで囲まれた領域として認識できる。
【0078】
例えば、色を読み取る位置を含む周囲所定範囲の肌の輝度で、ラプラシアンヒストグラムを作成し、当該位置が輝度の立ち上がり領域に含まれていれば、そこにはテカリが生じており、正しい色が読み取れないと判断し、読取完了フラグ764は現状の「0」を維持する。テカリが生じていなければ、読み取った色は正しいと推測されるので読取完了フラグ764を「1」にする。勿論、テカリの認識はこれ以外の考え方で検出するとしてもよい。
【0079】
図9に戻って、サーバシステム1100は、別アングルの顔画像をメガネなし動画からキャプチャする必要があるか判定する(ステップS77)。当該判定は、例えば「メガネなしの正面顔画像」から読み取るべき全ての顔の部位において、テカリなしで色の読み取りができたかで判定する。
【0080】
もし、当該判定が肯定の場合(ステップS77のYES)、サーバシステム1100は「メガネなし動画」から別アングルの静止画をキャプチャし(ステップS79)、新たにキャプチャした顔画像から正しく色が読み取られていない顔の位置の色を読み取る(ステップS75)。
もし、別アングルの顔画像を動画からキャプチャする必要が無ければ、サーバシステム1100は、第2テカリ対処処理を抜け、ユーザが望む化粧例の選択に係る処理(図9中、化粧例選択ステップ)に進む。
【0081】
化粧品の選択は、複数のカテゴリー(例えば、ファンデーション、コンシーラ、チーク、口紅、…)に及ぶが、どのカテゴリーまで必要とするかはユーザによる。また、日常的な化粧では、ファンデーションは使用者の肌の色に合っていることが好適とされるが、演出的な化粧では、必ずしもそうとは言えず、意図的に肌とは異なる色が望まし場合もある。また、ファンデーションの色は同じでも、最終的にどのような化粧を目指すかによって、選ぶべき口紅やチーク、アイシャドウなど選ぶべき色は変わる。また、ユーザによっては、お気に入りのメーカ、お気に入りのモデルや芸能人を真似た化粧がしたいケースもある。
【0082】
そこで、推奨化粧品提示サービスでは、顔の部位の色に合わせることを主たる目的とした「読取色基準推奨」と、ユーザが選択した顔モデルへの化粧例を基準とする「モデル基準推奨」と、の2通りの推奨形態を採用する。ユーザが望む化粧例の選択に係る処理は、後者のための処理である。
【0083】
図11は、「読取色基準推奨」について説明するための図である。
サーバシステム1100は、「読取色基準推奨」を決定するためにはユーザ2に好み等の選択を求めない。サーバシステム1100は、化粧品のカテゴリー別に、(1)そのカテゴリーの化粧品が施される顔の各位置の色に、類似色の化粧品を化粧品データベース510から第1推奨として選択し、(2)類似色よりも明るめになる明側類似色の化粧品を化粧品データベース510から第2推奨として選択し、(3)類似色よりも暗めの暗側類似色の化粧品を化粧品データベース510から第3推奨として選択し、それらを「読取色基準推奨」の化粧品として提示する。
【0084】
ここで言う、「類似色」は、必ずしも最も類似している色に限らず、ある程度の許容幅に含まれる類似色を含むとしてもよい。従って、近似する所定範囲の色とすることもできる。また、「明側類似色」及び「暗側類似色」は、所与の明度差で段階的に設定しても良いし、色の類似を明度差で化粧品を検索・ソートした後に、類似色に近い順に所定数を選択するとしてもよい。
【0085】
類似色・明側類似色・暗側類似色は、そのカテゴリーに予め対応付けられている塗布顔部位に対応する読取色763に基づいて決定する。塗布顔部位が複数の色読取位置に及ぶ場合には、該当する顔位置の読取色763の統計値(例えば、平均値、最頻度値、など)を求めてこれを用いる。勿論、別途決定アルゴリズムを用意してそれに従うとしてもよい。なお、塗布顔部位は、特徴点三角形で定義し、特徴点三角形輝度統計値リスト765を参照して、類似色・明側類似色・暗側類似色を決定するとしてもよい。
【0086】
化粧品データベース510は、サーバシステム1100により管理されている。化粧品データベース510は、化粧品の種別に化粧品登録データ511を有している。一つの化粧品登録データ511には、品番、カテゴリー、メーカ、製品名、色情報、などの各種情報が格納されている。
【0087】
「読取色基準推奨」を決定するには、そのカテゴリーの化粧品を、メーカを問わず抽出し、それらの色情報と、類似色・明側類似色・暗側類似色との類似検索によって第1推奨、第2推奨、第3推奨の化粧品を選択する。
【0088】
選択結果は、読取色基準推奨化粧品リスト771として、サーバシステム1100で記憶される。具体的には、読取色基準推奨化粧品リスト771にて、カテゴリー772別に参照位置ID773と、第1推奨から第3推奨の各リスト(符号774、775、…)とが対応づけて格納される。参照位置ID773は、当該カテゴリーの化粧品を選択する際に、顔のどの位置の読取色を参照し、登録されているどの化粧品の色と類似判定するべきかを示しており、予め定められているものとする。
【0089】
図12は、「モデル基準推奨」について説明するための図である。
サーバシステム1100は、複数の顔モデル登録データ541を有したモデルデータベース540を記憶・管理している。顔モデル登録データ541は、実際に化粧を施した人物(顔モデル)の登録データであって、顔モデル毎に作成されている。
【0090】
一つの顔モデル登録データ541は、固有の顔モデルID542と、顔特徴量543と、顔色情報544と、未化粧の素顔のメガネなし顔画像である素顔画像データ545と、単数又は複数の化粧例登録データ550と、を含む。勿論、顔モデル登録データ541には、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0091】
顔特徴量543及び顔色情報544は、顔モデルが化粧前の状態でメガネなしの顔画像(第1の画像データ)の取得、及び顔の各位置の色の読取(色の判定)が行われた結果であり、「化粧前モデルデータ」ともいうべきデータである。
つまり、顔特徴量543及び顔色情報544は、ユーザ2について求められた提示用基礎データ740(図10参照)の顔特徴量750及び顔色情報760と同様のデータ構成を有し、類似検索時に参照される。
【0092】
化粧例登録データ550は、顔モデルに施された化粧のタイプ別に用意され、当該化粧に関する各種情報を格納する。一つの化粧例登録データ550は、固有の化粧例ID551と、当該化粧のテーマや分類のための単語を登録した化粧テーマタグ552と、当該化粧が施された顔画像である化粧画像データ553と、当該化粧に使用された化粧品の識別情報(例えば、品番、名称など)を格納する使用化粧品リスト554と、当該化粧に使用された化粧用具やアイテム(例えば、特殊なメークアップブラシや、つけまつげ、など)の識別情報を格納する使用用具リスト555と、を含む。勿論、化粧例登録データ550には、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0093】
サーバシステム1100は、「モデル基準推奨」に係り推奨化粧品を選択する際、先ず、ユーザ2と顔のつくりや顔の部位の色が類似している顔モデルを検索する。
具体的には、サーバシステム1100は、顔モデル毎に、顔特徴量543及び顔色情報544と、ユーザ2の提示用基礎データ740の顔特徴量750及び顔色情報760と、を比較して類似検索する。検索でヒットすることとする顔モデル数は適宜設定可能である。
【0094】
そして、サーバシステム1100は、ユーザ端末1500にてユーザ2に顔モデルに施された化粧例のなかから好みの化粧を選択させる。
具体的には、サーバシステム1100は、ユーザ端末1500にて好み選択画面W12を表示せ、当該画面にて単数又は複数の選択操作アイコン20を表示させる。各選択操作アイコン20は、それぞれ類似検索した顔モデルの化粧例登録データ550と1対1に対応づけられており、そのアイコン画像には化粧画像データ553が用いられる。なお、選択操作アイコン20は、対応する化粧画像データ553を、ユーザ端末1500にて大きく表示させる拡大表示操作アイコンを兼ねていても良い。
【0095】
サーバシステム1100は、ユーザ端末1500からユーザ2による選択操作アイコン20の操作情報を取得すると、例えば図13に示すように、ユーザ端末1500にて提示画面W13を表示させる。
【0096】
提示画面W13には、「読取色基準推奨」と「モデル基準推奨」それぞれに対応づけられるタブ22(22a,22b)が用意されており、ユーザ2はタブ22をタッチして選択操作することで、推奨される化粧品の基準を切り換えることができる。そして、その時選択されているタブ22に対応する基準推奨の結果が、推奨表示部24にて、化粧品のカテゴリー別に分類され、化粧品毎の化粧品アイコン26(26a,26b,…)で表示される。そして、化粧品アイコン26は、対応する化粧品の詳細情報及び購入手続を開始させる操作アイコンを兼ねている。
【0097】
具体的には、サーバシステム1100は、「読取色基準推奨」のタブ22aが選択されている場合には、読取色基準推奨化粧品リスト771(図11参照)の第1推奨リスト774等の化粧品を推奨表示部24にて提示する。
「モデル基準推奨」のタブ22bが選択されている場合には、好み選択画面W12(図12参照)においてユーザ2が選択した好みの顔モデルの化粧例の使用化粧品リスト554の化粧品を推奨表示部24にて提示する。勿論、化粧例の使用用具リスト555の用具も一緒に提示するとしてもよい。
【0098】
次に、こうした推奨化粧品提示サービスを実現するための機能構成について説明する。
図14は、サーバシステム1100の機能構成例を示す機能ブロック図である。サーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、音出力部390sと、画像表示部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
【0099】
操作入力部100sは、サーバの管理のための各種操作を入力するための手段である。図1のキーボード1106がこれに該当する。
【0100】
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路となるプロセッサの他、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、ユーザ端末1500などから受信したデータ、等に基づいて各種の演算処理を実行して、サーバシステム1100の動作を統合的に制御する。
【0101】
そして、サーバ処理部200sは、ユーザ管理部202と、SNSに係る制御を担うSNS管理部204と、オンラインショッピング管理部206と、推奨化粧品提示制御部210と、計時部280sと、音生成部290sと、画像生成部292sと、通信制御部294sとを含む。勿論、これら以外の機能部も適宜含めることができる。
【0102】
ユーザ管理部202は、ユーザ登録手続きに係る処理及びユーザアカウントに紐付けられる各種情報の記憶管理を行う。具体的には、ユーザ管理部202は、(1)登録ユーザへの固有のユーザアカウントの付与、(2)ユーザアカウント別に個人情報を登録管理する登録情報管理、(3)SNSの利用に係る情報(例えば、フレンド登録など)の管理、(4)オンラインショッピングでのアイテム等の購入履歴の管理、(5)オンラインショッピングで使用する電子決済用情報の管理、などを行う。勿論、これら以外のアカウントに紐付けられる他のデータの管理機能も適宜含めることができる。
【0103】
ここで言う「電子決済用情報」とは、推奨化粧品提示制御システム1000が提供するサービスに対する対価を電子決済で支払うために使用される情報である。例えば、クレジットカードやプレイペイドカード番、会員カードを用いた電子決済を採用する構成では、カード番号、暗証番号などがこれに該当する。また、予めユーザが購入手続して登録する仮想通貨や仮想アイテム、ポイントを消費することで決済する構成を採用するのであれば、その仮想通貨や仮想アイテム、ポイントの残高がこれに該当する。
【0104】
オンラインショッピング管理部206は、化粧品や化粧用品を始めとする様々な品のオンラインショッピングに関する制御を担う。
【0105】
推奨化粧品提示制御部210は、推奨化粧品提示サービスに係る各種制御を行う。具体的には、推奨化粧品提示制御部210は、画像取得制御部212と、顔関連色判定部214と、提示制御部230と、を有する。
【0106】
画像取得制御部212は、メガネ10を装着したユーザ2を撮影した第1の画像データ、及び、メガネ10を装着しないユーザを撮影した第2の画像データを取得する制御を行う。ユーザ端末1500から、メガネあり動画(図6参照)とメガネなし動画(図9参照)のデータを取得するための制御がこれに該当する。
【0107】
顔関連色判定部214は、マーカ13及び色パターン14による配色を用いて、第1の画像データ及び第2の画像データからユーザの顔の各位置の色を判定する制御を行う。顔の各位置の色の読み取りが、これに該当する(図9のステップS75参照)。
そして、顔関連色判定部214は、顔認識制御部216と、第1テカリ対処処理部220と、第2テカリ対処処理部222と、を含む。
【0108】
顔認識制御部216は、画像内に写っている顔パーツを認識する制御を行う。また、顔認識制御部216は、顔特徴量判定部218を有し、撮影画像中のメガネ10のマーカ13の位置に基づいてユーザ2の顔及び顔パーツに係る大きさ、形状、位置に関する顔特徴量を判定する。
【0109】
第1テカリ対処処理部220は、第1の画像データに含まれるユーザの顔の向きが異なる画像に基づいて、メガネ10のフレーム12の撮影画像部分に対する第1テカリ対処処理を行う(図6参照)。顔関連色判定部214は、第1テカリ対処処理後のフレームの撮影画像部分の色と、フレーム12の配色との色の違いを用いて、ユーザの顔の各位置の色を判定する。
【0110】
第2テカリ対処処理部222は、第2の画像データに含まれるユーザの顔の向きが異なる画像に基づいて、ユーザの顔の各撮影画像部分に対する第2テカリ対処処理を行う(図9参照)。
【0111】
提示制御部230は、所定の化粧品データベース510(図11参照)のなかからユーザに推奨する化粧品をカテゴリー別に、顔関連色判定部214の判定結果に基づいて選択して提示する制御を行う。顔関連色判定部214は、顔の各位置の色の一つとして髪の色を判定するので、提示制御部230は、顔関連色判定部214により判定された髪の色に基づいて化粧品を選択して提示する制御を行うとも言える。
【0112】
また、提示制御部230は、モデル毎に、当該モデルに適用された化粧品の情報を対応付けて記憶したモデルデータベース540(図12参照)のなかから、顔関連色判定部214の判定結果と所定の適合条件を満たすモデルを選択し、当該モデルに対応付けられた化粧品を提示する制御を行う。ここで言う「適合条件を満たすモデル」の選択には、図12に係り、顔特徴量と顔色情報とがユーザのそれと類似するモデルを検索する類似検索が該当する。
【0113】
計時部280sは、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
【0114】
音生成部290sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理や各サービス提供時の操作音や効果音、BGMなどの音声データを生成或いはデコードする。そして、システム管理に関する音声信号は音出力部390sへ出力する。
【0115】
音出力部390sは、音声信号を放音する。図1の例では本体装置やタッチパネル1108が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
【0116】
画像生成部292sは、画像の生成、画像の合成、画像表示部392sにそれらを表示させる画像信号の出力を行う。本実施形態では、サーバシステム1100のシステム管理に関する画像や、ユーザ端末1500にて推奨化粧品提示サービス等の各種サービスに係る画面(又はそれらを表示させるためのデータ)などを生成する機能の一部を担う。
【0117】
画像表示部392sは、フラットパネルディスプレイや、ヘッドマウントディスプレイ、プロジェクターなど、画像を表示させる装置で実現される。図1の例では、タッチパネル1108がこれに該当する。
【0118】
通信制御部294sは、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394sを介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0119】
通信部394sは、ネットワーク9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。図1の例では通信装置1153が該当する。
【0120】
サーバ記憶部500sは、サーバ処理部200sにサーバシステム1100を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また、サーバ処理部200sの作業領域として用いられ、サーバ処理部200sが各種プログラムに従って実行した演算結果などを一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVDなどの光学ディスク、オンラインストレージなどによって実現される。図1の例では本体装置が搭載するICメモリ1152やハードディスクなどの記憶媒体、及びストレージ1140がこれに該当する。
【0121】
図15は、本実施形態におけるサーバ記憶部500sが記憶するプログラムやデータの例を示す図である。本実施形態におけるサーバ記憶部500sは、サーバプログラム501と、配信用クライアントプログラム503と、SNS管理データ506と、オンラインショッピング管理データ509と、化粧品データベース510(図11参照)と、色読取位置定義データ520と、メガネ登録データ530(図4参照)と、モデルデータベース540(図12参照)と、を記憶する。
【0122】
また、サーバ記憶部500sは、逐次生成・管理されるデータとして、ユーザ管理データ600と、進行管理データ700と、現在日時800と、を記憶する。サーバ記憶部500sは、その他のプログラムやデータ(例えばタイマや、カウンタ、各種フラグなど)も適宜記憶する。
【0123】
サーバプログラム501は、サーバ処理部200sが読み出して実行することで、ユーザ管理部202、SNS管理部204、オンラインショッピング管理部206、推奨化粧品提示制御部210、としての機能を実現させるためのプログラムである。
配信用クライアントプログラム503は、ユーザ端末1500へ提供されるクライアントプログラムのオリジナルである。
【0124】
色読取位置定義データ520は、ユーザ2の顔画像の何処の色を読み取るか(色を判定するか)を指定するデータであって、読取位置毎に用意される。一つの色読取位置定義データ520は、固有の読取位置IDと、位置定義データとを対応づけて格納する。位置定義データは、単数又は複数の顔特徴点を基準とする相対位置座標又は相対位置座標の範囲で定義される。範囲で定義する場合には、当該範囲の色情報から当該範囲を代表する色をどのように決定するか(例えば、平均値を取る、最頻度値を取る、など)を指定するデータも適宜色読取位置定義データ520に格納する。
【0125】
ユーザ管理データ600は、所定の登録手続をしたユーザ毎に用意され、当該ユーザに係る各種データを格納する。1つのユーザ管理データ600は、例えば図16に示すように、固有のユーザアカウント601と、SNSのフレンドリスト603と、電子決済用媒体情報605と、オンラインショッピング購入履歴データ607と、提示再現用データ610と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0126】
提示再現用データ610は、過去に提供された推奨化粧品提示サービスの結果を再現可能とするための各種データを格納する。推奨化粧品提示サービス毎に追加される。
具体的には、提示再現用データ610は、提示日時611と、色補正設定データ612と、メガネなし正面顔画像データ613と、提示用基礎データ614と、読取色基準推奨化粧品リスト615と、ユーザ選択化粧例ID616と、モデル基準推奨化粧品リスト617と、を含む。色補正設定データ612~モデル基準推奨化粧品リスト617のデータは、それぞれ進行管理データ700に含まれる同名のデータの写しである。
【0127】
図15に戻って、進行管理データ700は、推奨化粧品提示サービスの進行管理に係る各種データを格納する。具体的には、例えば図17に示すように、固有のサービスID701と、提示先のユーザ2を示すユーザアカウント703と、顔認識制御に係る各種データを格納する顔認識制御用データ705と、メガネあり動画データ710と、メガネあり正面顔画像データ712と、メガネあり非正面顔画像データ714と、メガネ色読取結果データ720(図7参照)と、色補正設定データ728(図6,8参照)と、メガネなし動画データ730と、メガネなし正面顔画像データ732と、メガネなし非正面顔画像データ734と、提示用基礎データ740(図10参照)と、推奨化粧品選択制御データ770と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0128】
推奨化粧品選択制御データ770は、提示する推奨化粧品の選択過程に係る各種データを格納する。具体的には、推奨化粧品選択制御データ770は、読取色基準推奨化粧品リスト771(読み取った顔色情報760を基準に類似検索された化粧品データベース510の化粧品のリスト)と、類似顔モデルID776と、ユーザ選択化粧例ID777(好み選択画面W12で選択された化粧例のID)と、モデル基準推奨化粧品リスト778と、を含む。
【0129】
図18は、ユーザ端末1500の機能構成例を示す機能ブロック図である。ユーザ端末1500は、操作入力部100と、撮影部120と、端末処理部200と、音出力部390と、画像表示部392と、通信部394と、端末記憶部500と、を備える。
【0130】
操作入力部100は、ユーザによってなされた各種の操作入力に応じた操作入力信号を端末処理部200に出力する。図2の方向入力キー1502や、ボタンスイッチ1504、タッチパネル1506、などがこれに該当する。
【0131】
撮影部120は、外部の様子を撮影し、その画像データを生成して端末処理部200へ出力する。図2のカメラ1520すなわちイメージセンサモジュールがこれに該当する。
【0132】
端末処理部200は、例えばCPUやGPU等のマイクロプロセッサや、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や端末記憶部500を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて各種の演算処理を実行して、ユーザ端末1500の動作を制御する。図2の制御基板1550がこれに該当する。
【0133】
そして、本実施形態における端末処理部200は、ユーザ端末演算部260と、計時部280と、音生成部290と、通信制御部294と、を有する。
【0134】
ユーザ端末演算部260は、ユーザ端末1500をサーバシステム1100と通信するクライアント装置としての機能を実現させる制御を行う。具体的には、ユーザ端末演算部260は、操作信号送信制御部261と、表示制御部262と、を含む。
【0135】
操作信号送信制御部261は、操作入力部100へなされた操作に応じて、各種データやリクエストをサーバシステム1100へ送信するための処理を実行する。
【0136】
表示制御部262は、サーバシステム1100から受信した各種データ等に基づいてサービスに係る各種画面等を表示するための制御を行う。そして、それらの画像を表示させるための画像信号の生成出力などを画像表示部392へ出力する。
【0137】
画像表示部392は、表示制御部262から入力される画像信号に基づいて各種画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。本実施形態では、図2のタッチパネル1506がこれに該当する。
【0138】
なお、ユーザに提供される各種サービスに係る画面の画像をサーバシステム1100にて生成する構成とするが、ユーザ端末1500で生成する構成も可能である。その場合、表示制御部262は、例えば3DCGを生成するための仮想3次元空間に配置されたオブジェクトの制御など、画面を生成するための各種制御、画像合成処理などを実行することとなる。
【0139】
計時部280は、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
【0140】
音生成部290は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成ICなどのプロセッサ、音声ファイルを再生可能なオーディオコーデック等によって実現され、楽曲や効果音、各種操作音の音信号を生成し、音出力部390に出力する。
【0141】
音出力部390は、音生成部290から入力される音信号に基づいて音出力(放音)する装置によって実現される。図2のスピーカ1510がこれに該当する。
【0142】
通信制御部294は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部394を介して外部装置とのデータのやりとりを実現する。
【0143】
通信部394は、ネットワーク9と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、図2の無線通信モジュール1553がこれに該当する。
【0144】
端末記憶部500は、端末処理部200に所与の機能を実現させるためのプログラムや、各種データ等を記憶する。また、端末処理部200の作業領域として用いられ、端末処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作入力部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。こうした機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVDなどの光学ディスクなどによって実現される。図2の制御基板1550が搭載するICメモリ1552やメモリカード1540がこれに該当する。オンラインストレージを利用する構成も可能である。
【0145】
具体的には、端末記憶部500は、端末処理部200をユーザ端末演算部260として機能させるためのクライアントプログラム502と、操作入力データ690と、現在日時800と、を記録する。勿論、これら以外のデータも適宜記憶できる。
【0146】
図19図20は、推奨化粧品提示サービスに係るサーバシステム1100及びユーザ端末1500における処理の流れを説明するためのフローチャートである。ここで説明する処理の流れは、クライアントプログラム502が実行されているユーザ端末1500が、サーバプログラム501が実行されているサーバシステム1100へ通信接続することで実現される。ユーザ2がユーザ端末1500を操作すると、操作入力はサーバシステム1100へ送信される。
【0147】
図19に示すように、ユーザ端末1500とサーバシステム1100は、ログイン手続の処理を行う(ステップS2,S4)
ログインの後、ユーザ端末1500は、所定の「推奨化粧品提示サービス開始操作」の入力を検出すると、サーバシステム1100へ当該サービスのリクエストを送信する(ステップS6)。
【0148】
サーバシステム1100は、当該リクエストを受信すると、推奨化粧品提示サービスの進行管理処理を開始する(ステップS8)。これに伴い、進行管理データ700が作成される(図17参照)。そして、サーバシステム1100は、ユーザ端末1500へ撮影開始リクエストを送信する(ステップS10)。
【0149】
ユーザ端末1500は、撮影開始リクエストを受信すると、フレーム確認ステップを実行する(ステップS20)。これにより、ユーザ端末1500にてフレーム確認用画面W5が表示され、カメラ1520で撮影された画像のデータが、サーバシステム1100へ送信されるようになる(図5参照)。
【0150】
サーバシステム1100は、ユーザ端末1500で撮影されている画像から、メガネ10のマーカ13の検出や顔パーツの検出を行って、撮影フレームの適正チェックを行う(ステップS22)。必要に応じて、サーバシステム1100とユーザ端末1500との間で、撮影フレームを適正化するための案内表示制御と表示とが行われる(ステップS24,S26)。そして、撮影フレームが適正であると判断されると、サーバシステム1100は、ユーザ端末1500へ適正チェックの完了通知を行う(ステップS28)。
【0151】
当該完了通知は移行指示を兼ねており、ユーザ端末1500は、第1画像撮影ステップ、すなわちメガネあり動画の撮影処理を開始する(ステップS30)。ユーザ端末1500では、第1画像撮影用画面W6a,W6bが表示され(図6参照)、撮影された「メガネあり動画」のデータはサーバシステム1100へ送信される。
【0152】
サーバシステム1100、メガネあり動画データ710(図17参照)を保存し(ステップS32)、第1テカリ対処処理を実行する(ステップS40;図6参照)。当該処理の中で、メガネ10の各色パターン14の色が読み取られ、サーバシステム1100は、カラーキャリブレーション用の色補正値を決定し(ステップS60)、ユーザ端末1500へ所定の移行指示を送信する(ステップS62)。
【0153】
当該移行指示を受信すると、ユーザ端末1500は、第2画像撮影ステップすなわちメガネなし動画の撮影処理を開始する(ステップS64)。ユーザ端末1500では、第2画像撮影用画面W9a,W9bが表示され(図9参照)、撮影された「メガネなし動画」のデータはサーバシステム1100へ送信される。
【0154】
図20に移って、サーバシステム1100は、メガネなし動画データ730(図17参照)を保存し(ステップS66)、第2テカリ対処処理を実行する(ステップS70;図9参照)。そして、サーバシステム1100は、第2テカリ対処処理で得たユーザ2の顔特徴量750や顔色情報760といった情報を提示用基礎データ740として保存し(ステップS90;図10参照)。
【0155】
次いで、サーバシステム1100は、推奨化粧品の選択に係る処理を実行する(ステップS92~ステップS102)。
具体的には、サーバシステム1100は、読取色基準推奨の化粧品を選択し(ステップS92;図11参照)、その結果を読取色基準推奨化粧品リスト771として保存する。
次いで、サーバシステム1100は、ユーザ2の顔と類似する顔モデルを選択し、選択結果を、類似顔モデルID776として保存する(ステップS94)。
そして、サーバシステム1100は、ユーザ端末1500へ所定の移行指示と、顔モデルの化粧画像データ553(図12参照)を提供する(ステップS96)。
【0156】
当該移行指示を受信したユーザ端末1500は、化粧例選択ステップの処理を実行し、好み選択画面W12を表示し、ユーザ2による選択結果をサーバシステム1100へ送信する(ステップS100)。
【0157】
サーバシステム1100は、受信したユーザ選択の結果に対応する化粧例の使用化粧品リスト554(図12参照)をもって、モデル基準推奨の推奨化粧品を決定し、モデル基準推奨化粧品リスト778として保存する(ステップS102;図17参照)。
そして、サーバシステム1100は、所定の移行指示と推奨化粧品の画像とをユーザ端末1500へ送信し(ステップS104)、ユーザ2のユーザ管理データ600に新たな提示再現用データ610を追加する(ステップS106)。
【0158】
一方、ステップS104の移行指示等を受信したユーザ端末1500は、提示画面W13(図13参照)を表示して、ユーザ2へ推奨化粧品を提示する(ステップS110)。提示画面W13の化粧品サムネイル画像26cは、対応する化粧品の詳細情報及び購入手続を開始させる操作アイコンを兼ねているので、ユーザ端末1500は、化粧品サムネイル画像26cへのタッチ操作を検出すると、当該サムネイル画像に対応する化粧品の情報提供及び購入手続のリクエストをサーバシステム1100へ送信する(ステップS112)。
【0159】
サーバシステム1100は、購入手続のリクエストを受信すると、リクエストされた化粧品をオンラインショッピングサービスを利用して購入するための処理を実行する(ステップS114)。
【0160】
以上、本実施形態によれば、メガネ10を用いることで、カラーキャリブレーション用の基準色と、色を読み取る対象物とが、同じ画像内にしかも近距離に写るので、例えばユーザが自宅でスマートフォンのカメラで自顔を撮影するような撮影環境であっても、ユーザの顔の色情報を手軽且つ正確に取得することが可能になる。
【0161】
カラーキャリブレーションを第1の画像データ(メガネあり動画及びこれからキャプチャされる画像)で行い、第2の画像データ(メガネ動画及びこれからキャプチャされた画像)で顔の色を読み取る(色を判定する)2段階構成としていることで、メガネに隠れて見えない部分の色の読み取りも可能になるし、メガネの印影の影響を受けない読取が可能になる。
【0162】
実際の運用場面においては、厳密には、第1の画像データにおける環境光の状態と、第2の画像データにおける環境光の状態とが同じとは言えないケースもあり得るが、前者と後者との間にあるのはユーザがメガネを外すわずかな動作だけであり、第1の画像データの撮影からそのまま連続的な段取りで第2の画像データの撮影が可能であり、両者の環境光の状態はほとんど同じと言える。
【0163】
ユーザからすると、インターネットとスマートフォンを利用して、ユーザが自宅などに居ながらにして自分に合った化粧品の推奨を受けて、居ながらにして推奨された化粧品を購入することも可能になる。よって、従来よりも利便性に優れた推奨化粧品を推奨するシステムを実現できる。
【0164】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態と第1実施形態とを比較すると、第1実施形態では、推奨化粧品提示制御部210の機能をサーバシステム1100にて実現しているが、第2実施形態ではこれらをユーザ端末1500にて実現している点が異なる。なお、以降では、主に第1実施形態との差異について述べることとし、第1実施形態と同様の構成要素については、第1実施形態と同じ符号を付与して重複する説明は省略する。
【0165】
図21は、本実施形態におけるユーザ端末1500Bの機能構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態のユーザ端末1500Bは、第1実施形態のユーザ端末演算部260に推奨化粧品提示制御部210を含む。
【0166】
これに対応して、特に図示しないが、本実施形態のサーバシステム1100の機能構成からは、推奨化粧品提示制御部210が省略されている。また、本実施形態のクライアントプログラム502Bは、端末処理部200に推奨化粧品提示制御部210としての機能を実現させる要素を含んでいる。そして、端末記憶部500には、進行管理データ700が記憶される。
【0167】
図22図23は、第1実施形態の図19図20に相当するフローチャートである。
これらの図に示すように、推奨化粧品提示制御部210に係るステップは、主にユーザ端末1500Bにて実行される。但し、データベース及び各種定義データは、本実施形態でもサーバシステム1100にて記憶・管理されており、ユーザ端末1500Bは、それらの参照が必要な時は適宜参照リクエストをサーバシステム1100へ送信し、サーバシステム1100はその都度、参照対応処理を実行する(例えば、ステップS36、S88)。
【0168】
参照対応処理では、サーバシステム1100は、参照リクエストされた情報の提供をユーザ端末1500Bへ送信・提供する。具体的には、本実施形態のステップS34に対応して、サーバシステム1100は、参照対応処理としてメガネ登録データ530をユーザ端末1500Bへ送信する(ステップS36)。また、本実施形態のステップS70に対応して、サーバシステム1100は、色読取位置定義データ520をユーザ端末1500Bへ送信する(ステップS88)。
【0169】
読取色基準推奨の化粧品の選択は、ユーザ端末1500Bが提示用基礎データ740をサーバシステムに選択リクエストともに送信すると(ステップS91)、サーバシステム1100が読取色基準推奨の化粧品を選択して(ステップS92)、選択結果をユーザ端末1500Bへ提供する(ステップS93)。
【0170】
図23に移って、ユーザ端末1500は、サーバシステム1100から推奨化粧品の画像の提供を受けると、提示再現用データ610(図16参照)のコピー元データをサーバシステム1100へ送信する(ステップS105)。サーバシステム1100は、受信したデータに基づいて提示再現用データ610を追加する(ステップS106)。
【0171】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0172】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は上記形態に限定されるものではなく適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0173】
(変形例その1)
例えば、第1実施形態では、推奨化粧品提示制御部210の機能を全てサーバシステム1100にて実現し、第2実施形態では同機能を全てユーザ端末1500Bにて実現する例を示したが、その中間の構成も可能である。すなわち、推奨化粧品提示制御部210の機能をサーバシステム1100とユーザ端末1500とで分担させる構成も可能である。
【0174】
(変形例その2)
また、上記実施形態では、読取色基準推奨及びモデル基準推奨の化粧品の選択方法は、メガネ10の種類に係わらず同じであったが、メガネ10の種類に応じて、読取色基準推奨及びモデル基準推奨の化粧品の選択に特別な条件を付加する構成も可能である。
【0175】
例えば、図24のメガネ10Bは、化粧品メーカと推奨化粧品提示制御システム1000の運営者とのコラボレーションにより作成された専用のハーフリムタイプ(或いはブロータイプ)のデザインを有する。
【0176】
そして、メガネ10Bに対応するメガネ登録データ530には、図25に示すように、読取色基準推奨化粧品制限設定データ537と、モデル基準推奨化粧品制限設定データ538とを含める。読取色基準推奨化粧品制限設定データ537としては、コラボレーション先の化粧品メーカ名、コラボレーション先の化粧品メーカの化粧品のシリーズ名、コラボレーション先の化粧品メーカの製品のリスト、を設定する。モデル基準推奨化粧品制限設定データ538としては、コラボレーション先の化粧品メーカが用意した顔モデル登録データ541の顔モデルID542のリスト(図12参照)とする。
【0177】
そして、読取色基準推奨の化粧品の選択ステップ(例えば、図20のステップS92)では、メガネ10Bを使用している場合には、化粧品データベース510に登録されている化粧品のうち、読取色基準推奨化粧品制限設定データ537が示す内容に適合する化粧品を抽出し、その中から選択する。更には、メガネ10Bを使用していない場合には、反対に読取色基準推奨化粧品制限設定データ537が示す内容に適合する化粧品を除外したなかから、推奨化粧品を選択するとしてもよい。
【0178】
同様に、顔モデルの選択ステップ(例えば、図20のステップS94)では、メガネ10Bを使用している場合には、モデル基準推奨化粧品制限設定データ538が示す内容に適合する顔モデルを抽出し、その中から類似する顔モデルを選択する。更には、メガネ10Bを使用していない場合には、反対にモデル基準推奨化粧品制限設定データ538が示す内容に適合する顔モデルを除外したなかから、顔モデルを選択するとしてもよい。
【0179】
つまり、ある特定のメガネ10Bを使用した場合に、そのメガネのコラボレーション先のメーカの化粧品群の中から推奨化粧品が選択されるような構成を追加したり、メガネ10Bを使用した場合に限って、ユーザ2が限定の化粧例の中から好みの化粧例を選択することで推奨化粧品が選ばれるような構成も可能である。
【0180】
(変形例その3)
また、ユーザ管理データ600の提示再現用データ610(図16参照)は、当該データに対応づけられているユーザが、サーバシステム1100が提供する他のサービスの利用時に参照可能な構成とすることができる。
【0181】
例えば、サーバシステム1100が、メイクシミュレーションサービスを提供する場合、サーバ処理部200sが、メイクシミュレーションに係る制御を実行するメイクシミュレーション管理部を担い、推奨化粧品提示サービスで推奨された化粧品を、提示を受けたユーザに用いた場合のシミュレーション画像を生成しユーザに提示する。
【0182】
そして、サーバシステム1100は、シミュレーション画像を生成する際には、メガネなし正面顔画像データ613(図16参照)に、読取色基準推奨化粧品リスト615及びモデル基準推奨化粧品リスト617の化粧品の色を合成して生成する。その際、サーバシステム1100が、色補正設定データ612を用いて、メガネなし正面顔画像データ613と読取色基準推奨化粧品リスト615及びモデル基準推奨化粧品リスト617の化粧品の色とを何れかに合わせてカラーキャリブレーションするとしてもよい。当該構成によれば、正しい化粧品の色でシミュレーション画像を生成できる。
【0183】
(変形例その4)
また例えば、図26に示すように、提示再現用データ610の利用をオーナユーザに限らず、当該オーナユーザのフレンドユーザも利用可能とすることができる。
【0184】
具体的には、第1実施形態をベースにして例示すると、ユーザ端末1500が、所定の再提示操作入力を検出すると(ステップS150)、所定の再提示リクエストをサーバシステム1100へ送信する(ステップS152)。サーバシステム1100は、当該リクエストを受信すると、リクエストしたユーザと、当該ユーザのフレンドユーザ(フレンドリスト603に登録されているユーザ;図16参照)とのそれぞれの提示再現用データ610を検索可能に提供する(ステップS154)。
【0185】
ユーザ端末1500は、提示再現用データ610とユーザアカウントとのセットを取得すると、それらのうちどの提示を再現するかを選択可能にユーザに提示し(ステップS156)、選択された提示再現用データ610に基づいて、提示画面W13(図13参照)で推奨化粧品を再提示する(ステップS158)。
【0186】
提示画面W13の化粧品サムネイル画像26cが、対応する化粧品の詳細情報及び購入手続を開始させる操作アイコンを兼ねているのは、第1実施形態と同様である。
従って、ユーザが、再提示された化粧品サムネイル画像26cへのタッチ操作を検出すると、ユーザ端末1500は、当該サムネイル画像に対応する化粧品の情報提供及び購入手続のリクエストをサーバシステム1100へ送信し(ステップS160)、サーバシステム1100は、購入手続のリクエストを受信すると、リクエストされた化粧品をオンラインショッピングサービスを利用して購入するための処理を実行する(ステップS162)。
【0187】
当該構成によれば、提示再現用データ610のオーナユーザのフレンドユーザが、当該オーナユーザへの推奨化粧品をプレゼントとして購入することも可能になる。
【0188】
(変形例その5)
また、上記実施形態では、顔の各位置の色を「メガネなし顔画像」から読み取る(判定する)構成としている。これは、メガネ10で隠れる部位が無いように、またメガネ10の影や光の反射が色の読み取りに影響を与える可能性を除去するためである。しかし、色を読み取る位置を、こうした懸念が生じない位置に限定する場合にはこの限りでは無い。その場合、「メガネなし動画」の取得、当該動画からの「メガネなし顔画像」のキャプチャ、そして「メガネなし顔画像」からの色の読み取りといった、第2の画像データに係る構成要素を省略することができる。
【0189】
(変形例その6)
また、上記実施形態を、化粧品販売店での店頭販売のシステムとして用いることができる。具体的には、上記実施形態ではユーザ端末1500をユーザが有するスマートフォンとして例示したが、ユーザ端末1500と同様の機能を有する店舗据え置きの情報端末(例えば、大型スマートフォンを化粧鏡のようにして用いるいわゆる「スマートミラー」など)とする。そして、サーバシステム1100が、化粧品を販売する店舗毎の在庫情報を管理する在庫データベースを記憶管理する在庫管理サーバを兼ね、推奨化粧品を選択する際に、化粧品データベース510からの選択とは別に、在庫データベースにおいて「在庫あり」商品の中から選択して提示する、としてもよい。
【0190】
また、上記実施形態を店頭販売のシステムとして用いる場合、カメラを有する店舗据え置きのメイン情報端末と、店舗スタッフが身につけるサブ情報端末との二つで上記実施形態におけるユーザ端末1500を構成するとしてもよい。そして、お客さまであるユーザの「メガネあり画像」「メガネなし画像」は、メイン情報端末で撮影し、推奨化粧品の提示はサブ情報端末にて行う構成とすることができる。この場合、店舗スタッフに推奨化粧品、しかも在庫のある商品を提示できるので販売促進効果に優れる。
【0191】
なお、店舗間での客先情報の管理は、サーバシステム1100にて一元管理されることになるので、店舗据え置きの情報端末で、お客さまであるユーザの「メガネあり画像」から顔認証して、当該ユーザのユーザ管理データ600を読み出すことで、店舗が異なっても過去のデータを利用したり、同様のサービスが受けられるようにできる。因みに、顔認証用の辞書データとしては、提示用基礎データ614や、メガネなし正面顔画像データ613を利用できる(図16参照)。勿論、ユーザ管理データ600を読み出すための顔認証は、ユーザ別にユーザ登録カードを発行し、当該カードによる認証で代替してもよい。
【符号の説明】
【0192】
2…ユーザ
4…テカリ
10…メガネ
12…フレーム
13…マーカ
14…色パターン
200s…サーバ処理部
210…推奨化粧品提示制御部
212…画像取得制御部
214…顔関連色判定部
216…顔認識制御部
218…顔特徴量判定部
220…第1テカリ対処処理部
222…第2テカリ対処処理部
230…提示制御部
500s…サーバ記憶部
501…サーバプログラム
502…クライアントプログラム
510…化粧品データベース
520…色読取位置定義データ
530…メガネ登録データ
532…マーカ定義データ
533…配色設定データ
534…色パターン名
540…モデルデータベース
541…顔モデル登録データ
543…顔特徴量
544…顔色情報
545…素顔画像データ
550…化粧例登録データ
552…化粧テーマタグ
553…化粧画像データ
554…使用化粧品リスト
600…ユーザ管理データ
701…サービスID
710…メガネあり動画データ
720…メガネ色読取結果データ
728…色補正設定データ
730…メガネなし動画データ
740…提示用基礎データ
750…顔特徴量
760…顔色情報
761…色読取結果データ
770…推奨化粧品選択制御データ
771…読取色基準推奨化粧品リスト
774…モデル基準推奨化粧品リスト
776…類似顔モデルID
778…モデル基準推奨化粧品リスト
1000…推奨化粧品提示制御システム
1100…サーバシステム
1500…ユーザ端末
1520…カメラ
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