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特許7469284アクチビン2型受容体結合タンパク質及びその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】アクチビン2型受容体結合タンパク質及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20240409BHJP
   C12N 15/11 20060101ALI20240409BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20240409BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20240409BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20240409BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20240409BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20240409BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20240409BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20240409BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20240409BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20240409BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240409BHJP
   C12Q 1/6876 20180101ALI20240409BHJP
   A61K 38/16 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 19/10 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
C12N15/13
C12N15/11 Z ZNA
C12N15/62 Z
C12N15/63 Z
C07K16/28
C07K16/46
C07K19/00
C12P21/08
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12Q1/6876 Z
A61K38/16
A61P1/16
A61P3/00
A61P3/04
A61P3/10
A61P9/00
A61P9/04
A61P9/12
A61P11/00
A61P17/02
A61P19/00
A61P19/10
A61P25/00
A61P25/28
A61P27/02
A61P29/00
A61P35/00
A61P37/06
A61P43/00 111
A61K39/395 D
A61K39/395 N
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2021194152
(22)【出願日】2021-11-30
(62)【分割の表示】P 2018547941の分割
【原出願日】2017-03-10
(65)【公開番号】P2022058340
(43)【公開日】2022-04-12
【審査請求日】2021-12-27
(31)【優先権主張番号】62/306,354
(32)【優先日】2016-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517194542
【氏名又は名称】アクセレロン ファーマ インコーポレーテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】513010789
【氏名又は名称】アディマブ, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クマール,ラビンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ベルク,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】グリンバーグ,アシャ
(72)【発明者】
【氏名】サコ,ダイアン
(72)【発明者】
【氏名】カストングアイ,ロゼリン
【審査官】山本 匡子
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-525128(JP,A)
【文献】特表2014-523902(JP,A)
【文献】国際公開第2015/022658(WO,A2)
【文献】特表2014-502260(JP,A)
【文献】Mol.Cell.Biol.,Vol.34, No.4,p.606-618
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-90
C07K
C12Q
MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/CAPLUS/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下を含むアクチビン受容体II型(ActRII)結合タンパク質であって:
(i)配列番号145で表されるアミノ酸配列を有するVH-CDR1、配列番号146で表されるアミノ酸配列を有するVH-CDR2及び配列番号147で表されるアミノ酸配列を有するVH-CDR3を含み、配列番号144で表されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するVH;及び
(ii)配列番号152で表されるアミノ酸配列を有するVL-CDR1、配列番号153で表されるアミノ酸配列を有するVL-CDR2及び配列番号154で表されるアミノ酸配列を有するVL-CDR3を含み、配列番号151で表されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するVL;を含み、
前記タンパク質は、ActRIIBと結合する、
ActRII結合タンパク質。
【請求項2】
以下を含むActRII結合タンパク質であって:
(i)配列番号144で表されるアミノ酸配列を有するVH、及び
(ii)配列番号151で表されるアミノ酸配列を有するVL;
前記タンパク質は、ActRIIBと結合する、
請求項1に記載のActRII結合タンパク質。
【請求項3】
前記ActRII結合タンパク質が、配列番号157で表されるアミノ酸配列NANWELERT及び配列番号158で表されるアミノ酸配列VKKGCWLDDにマッピングされた結合エピトープによって、配列番号139で表されるActRIIB上の2つの配列ストレッチにわたって結合する、請求項1または2に記載のActRII結合タンパク質。
【請求項4】
前記ActRII結合タンパク質が、ActRII活性を拮抗する、請求項1~3のいずれか1項に記載のActRII結合タンパク質。
【請求項5】
前記結合タンパク質が、
(a)ActRIIB及び/またはActRIIAに結合するために、アクチビンA、アクチビンB、BMP7、BMP9、BMP10、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、またはNodalと競合すること;
(b)ActRIIBまたはActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA)の存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIAを発現する細胞における1つ以上のSmadのリン酸化を減少させること;
(c)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンドの存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIA並びにALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させること;及び
(d)≦1nM及び≧1pMのKDで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIB及び/またはActRIIAに結合すること
からなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のActRII結合タンパク質。
【請求項6】
前記ActRII結合タンパク質が、ActRIIに特異的に結合する抗体である、請求項1~5のいずれか1項に記載のActRII結合タンパク質。
【請求項7】
前記抗体が、モノクローナル抗体、組換え抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、二重特異性抗体、多重特異性抗体、またはActRII結合抗体断片である、請求項6に記載のActRII結合タンパク質。
【請求項8】
前記ActRII結合抗体断片が、Fab断片、Fab'断片、F(ab')2断片、Fv断片、ダイアボディ、または一本鎖抗体分子からなる群から選択される、請求項7に記載のActRII結合タンパク質。
【請求項9】
前記抗体が、
(a)ヒトIgA定常ドメイン;
(b)ヒトIgD定常ドメイン;
(c)ヒトIgE定常ドメイン;
(d)ヒトIgG1定常ドメイン;
(e)ヒトIgG2定常ドメイン;
(f)ヒトIgG3定常ドメイン;
(g)ヒトIgG4定常ドメイン;及び
(h)ヒトIgM定常ドメイン
からなる群から選択される重鎖免疫グロブリン定常ドメインをさらに含む、請求項6~8のいずれか1項に記載のActRII結合タンパク質。
【請求項10】
前記抗体が、
(a)ヒトIgカッパ定常ドメイン;及び
(b)ヒトIgラムダ定常ドメイン
からなる群から選択される軽鎖免疫グロブリン定常ドメインをさらに含む、請求項6~9のいずれか1項に記載のActRII結合タンパク質。
【請求項11】
前記抗体が、ヒトIgG1重鎖定常ドメイン及びヒトラムダ軽鎖定常ドメインをさらに含む、請求項6~10のいずれか1項に記載のActRII結合タンパク質。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載のActRII結合タンパク質をコードする、核酸分子または核酸分子セット。
【請求項13】
請求項12に記載の核酸分子を含む、ベクター。
【請求項14】
請求項12に記載の核酸分子、または請求項13に記載のベクターを含む、宿主細胞。
【請求項15】
前記ActRII結合タンパク質を生成するのに適切な条件下で、請求項14に記載の宿主細胞を培養することを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載のActRII結合タンパク質の作製方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法を用いて生成された、ActRII結合タンパク質。
【請求項17】
請求項1~11のいずれか1項に記載のActRII結合タンパク質を含む、医薬組成物。
【請求項18】
薬学的に許容可能な担体をさらに含む、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
ActRII発現または上昇したActRIIシグナル伝達と関連する疾患または状態を治療及び/または改善するための、請求項17または18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記疾患または状態が、退行性筋疾患、筋ジストロフィー、筋萎縮、筋肉消耗、線維症状態(肝、肺、血管、または眼の線維症状態)、心筋線維症、特発性肺線維症、代謝性疾患、II型糖尿病、肥満、炎症性疾患、自己免疫疾患、眼疾患、加齢黄斑変性症、心血管疾患、鬱血性心不全、高血圧、肺疾患、筋肉骨格疾患、骨格系疾患、骨粗鬆症、神経筋疾患、変性疾患、創傷治癒、及びがんからなる群から選択されるメンバーである、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
標識基またはエフェクター基をさらに含む、請求項17または18に記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記エフェクター基が、放射性同位体、放射性核種、毒素、治療剤、及び化学療法剤からなる群から選択される、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
対象におけるActRII活性を低下させるための、請求項17~22のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電子的に提出された配列表の参照
本出願とともに出願された、ASCIIテキストファイル3174_003PC01_SeqListing.txt(サイズ:177キロバイト;及び作成日:2017年3月10日)によって電子提出された配列表の内容は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
トランスフォーミング増殖因子-β(TGF-β)ファミリーは、脊椎動物及び無脊椎動物の両方において、非常に多くの細胞タイプに対して生物学的効果を発揮することが知られている種々の増殖因子を含む。TGF-βファミリーのメンバーは、パターン形成及び組織明確化における胚発生の間に重要な機能を発揮し、種々の分化プロセス(脂肪生成、筋発生、軟骨形成、心臓発生、造血、神経発生、及び上皮細胞分化が挙げられる)に影響を及ぼし得る。ファミリーは、成長分化因子(GDF)、骨形成タンパク質(BMP)、アクチビン、及びインヒビンとして様々に記載されるタンパク質を含む。
【0003】
TGF-βファミリーメンバーは、多段階プロセスを含む機序を介してシグナルを伝達する。多段階プロセスでは、TGF-βファミリーメンバーは、細胞表面上に発現したII型セリン/スレオニンキナーゼ受容体と結合し、II型受容体は、同種I型受容体と異種複合体を形成し、リン酸化を介してI型受容体を活性化し、活性化されたI型受容体は、Smadタンパク質をリン酸化して活性化し、活性化されたSmadタンパク質が細胞質から核にシグナルを伝達し、核SmadオリゴマーがDNAと結合し、転写因子と関連付けて、標的遺伝子の発現を調節する。
【0004】
2種の関連するII型TGF-β受容体ファミリーメンバーである、ActRIIB及びActRIIAは、アクチビンA及びアクチビンB、及び他のTGF-βファミリーメンバー(例えば、BMP7、BMP9、BMP10、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、及びNodal)のII型受容体として同定されている(Yamashita et al.,J.Cell Biol.130:217-226(1995);Lee et al.,PNAS 98:9306-9311(2001);Yeo et al.,Mol.Cell 7:949-957(2001);及びOh et al.,Genes Dev.16:2749-54(2002))。ALK4及びALK7は、それぞれ、アクチビンA及びアクチビンBの主要なI型TGF-β受容体ファミリーメンバー受容体である。
【0005】
TGF-βリガンド及び受容体ファミリーのメンバーの発現及び活性の変化は、筋肉、骨、神経及び代謝性障害及び状態、並びにがんを含む種々の障害及び状態と関連していることが提唱されている。本開示の目的は、ActRII拮抗薬、及びActRII及び/またはActRIIリガンドと関連する疾患または状態の診断及び治療、防止、及び/または改善におけるActRII拮抗薬の使用を提供する。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、アクチビン受容体II型(ActRII)結合タンパク質、及びActRII結合タンパク質の使用方法を提供する。特定の態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIが1つ以上の同種ActRIIリガンド及び/または1つ以上の同種ActRI受容体に結合することを阻害または遮断することができる。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIがActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)に結合することを阻害または遮断することができる。また、本開示は、ActRII発現及び/または上昇したActRII媒介シグナル伝達と関連する疾患または状態の診断、または治療、防止、及び/または改善のためのActRII結合タンパク質の使用方法を提供する。かかる疾患または状態としては、筋肉障害、例えば、退行性筋疾患、筋ジストロフィー、筋萎縮、または筋肉消耗障害;線維症状態;炎症性、自己免疫、心血管、肺、筋骨格系、骨格系、眼、神経、または代謝性疾患または状態;肥満;創傷治癒;及びがんが挙げられるが、これらに限定されない。
【0007】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBに特異的に結合する。さらなる態様では、提供されるActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIBに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIBリガンド(例えば、アクチビンA及び/またはGDF8(ミオスタチン))の存在下で、ActRIIB及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIBリガンド(例えば、アクチビンA及び/またはGDF8)の存在下で、ActRIIBを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIBに結合する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、ActRIIBとの結合に対して、本明細書に開示されるActRIIB結合VH及びVL対を有する抗体と競合する。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、抗ActRIIB抗体またはActRIIB結合抗体断片である。
【0008】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAに特異的に結合する。さらなる態様では、提供されるActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIB及び/またはActRIIAに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA及び/またはGDF8(ミオスタチン))の存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIA、及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA及び/またはGDF8)の存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIAを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIBに結合する。いくつかの態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAとの結合に対して、本明細書に開示されるActRIIB及びActRIIA結合VH及びVL対を有する抗体と競合する。さらなる態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、抗ActRIIB及びActRIIB抗体、またはActRIIB及びActRIIB結合抗体断片である。
【0009】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIAに特異的に結合する。さらなる態様では、提供されるActRII結合タンパク質は、ActRIIAと特異的に結合し、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIAに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA及び/またはGDF8(ミオスタチン))の存在下で、ActRIIA及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA及び/またはGDF8)の存在下で、ActRIIAを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIAに結合する。いくつかの態様では、ActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。さらなる態様では、ActRIIA結合タンパク質は、ActRIIAとの結合に対して、本明細書に開示されるActRIIA結合VH及びVL対を有する抗体と競合する。さらなる態様では、ActRIIA結合タンパク質は、抗ActRIIA抗体またはActRIIA結合抗体断片である。
【0010】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、相補性決定領域(CDR)セット:重鎖可変領域(VH)-CDR1、VH-CDR2、VH-CDR3、軽鎖可変領域(VL)-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含み、CDRは、表1に開示される重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)対に存在する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択されるVH及びVL対に存在するCDRセットを含む:(a)配列番号2、16、22、28、34、または40のVH配列、及び配列番号9のVL配列、タンパク質は、ActRIIBと結合し、(b)配列番号63または77のVH配列、及び配列番号70のアミノ酸配列を有するVL、タンパク質は、ActRIIBと結合し;(c)配列番号45または57のVH配列、及び配列番号50のVL配列、タンパク質は、ActRIIBと結合し;(d)配列番号84、98、105、112、または119のVH配列、及び配列番号91のVL配列、タンパク質は、ActRIIB及びアクチビン受容体IIA型(ActRIIA)と結合し、(e)配列番号125のVH配列、及び配列番号132のVL配列、タンパク質は、ActRIIAに結合する。
【0011】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号144のアミノ酸配列を有するVH、及び配列番号151のアミノ酸配列を有するVLに存在するCDRセットを含み、タンパク質は、ActRIIBに結合する。
【0012】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号165のアミノ酸配列を有するVH、及び配列番号172のアミノ酸配列を有するVLに存在するCDRセットを含み、タンパク質は、ActRIIA及びActRIIBに結合する。
【0013】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIと特異的に結合し、CDRセット:VH-CDR1、VH-CDR2、VH-CDR3、VL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含み、CDRセットは、CDRの参照セットと同一であるかまたはCDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10未満のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する。CDRの参照セットは、(a)(i)VH-CDR1が、配列番号3、17、23、29、35、または41のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号4、18、24、30、または36のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(b)(i)VH-CDR1が、配列番号64または78のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号65または79のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号66または80のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号71のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号72のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号73のアミノ酸配列を有し;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(c)(i)VH-CDR1が、配列番号3または58のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号4または59のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号46のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号51のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号52のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号53のアミノ酸配列を有し;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(d)(i)VH-CDR1が、配列番号85、99、106、または113のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号86、100、107、114、または120のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号87、101、108、115、または121のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;または(e)(i)VH-CDR1が、配列番号126のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号127のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号128のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号133のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号134のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号135のアミノ酸配列を有し;タンパク質は、ActRIIAに結合する。
【0014】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、CDRセット:VH-CDR1、VH-CDR2、VH-CDR3、VL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含み、CDRセットは、CDRの参照セットと同一であるかまたはCDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10未満のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する。CDRの参照セットは、(i)VH-CDR1が、配列番号145のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号146のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号147のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号152のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号153のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号154のアミノ酸配列を有する。
【0015】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIA及びActRIIBと特異的に結合し、CDRセット:VH-CDR1、VH-CDR2、VH-CDR3、VL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含み、CDRセットは、CDRの参照セットと同一であるかまたはCDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10未満のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する。CDRの参照セットは、(i)VH-CDR1が、配列番号166のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号167のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号168のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号173のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号174のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号175のアミノ酸配列を有する。
【0016】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIと特異的に結合し、(a)(i)VH-CDR1が、配列番号3、17、23、29、35、または41のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号4、18、24、30、または36のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(b)(i)VH-CDR1が、配列番号64または78のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号65または79のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号66または80のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号71のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号72のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号73のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(c)(i)VH-CDR1が、配列番号3または58のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号4または59のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号46のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号51のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号52のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号53のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(d)(i)VH-CDR1が、配列番号85、99、106、または113のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号86、100、107、114、または120のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号87、101、108、115、または121のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;または(e)(i)VH-CDR1が、配列番号126のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号127のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号128のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号133のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号134のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号135のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIAに結合する、CDRセットを含む。
【0017】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、(i)VH-CDR1が、配列番号145のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号146のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号147のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号152のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号153のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号154のアミノ酸配列を有する、CDRセットを含む。
【0018】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIA及びActRIIBと特異的に結合し、(i)VH-CDR1が、配列番号166のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号167のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号168のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号173のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号174のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号175のアミノ酸配列を有する、CDRセットを含む。
【0019】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIと特異的に結合し、CDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するCDRセットを含む。CDRセットは、(a)(i)VH-CDR1が、配列番号3のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2は、配列番号4のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(b)(i)VH-CDR1が、配列番号17のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号18のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(c)(i)VH-CDR1が、配列番号23のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号24のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(d)(i)VH-CDR1が、配列番号29のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2は、配列番号30のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(e)(i)VH-CDR1が、配列番号35のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号36のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(f)(i)VH-CDR1が、配列番号41のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号18のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(g)(i)VH-CDR1が、配列番号64のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号65のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号66または80のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号71のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号72のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号73のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;及び(h)(i)VH-CDR1が、配列番号78のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号79のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号80のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号71のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号72のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号73のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(i)(i)VH-CDR1が、配列番号3のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号4のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号46のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号51のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号52のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号53のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(j)(i)VH-CDR1が、配列番号58のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号59のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号46のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号51のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号52のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号53のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(k)(i)VH-CDR1が、配列番号85のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号86のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号87のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(l)(i)VH-CDR1が、配列番号99のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号100のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号101のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(m)(i)VH-CDR1が、配列番号106のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号107のアミノ酸配列を有し、(iii)VH-CDR3が、配列番号108のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(n)(i)VH-CDR1が、配列番号113のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号114のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号115のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(o)(i)VH-CDR1が、配列番号113のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号120のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号121のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;または(p)(i)VH-CDR1が、配列番号126のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号127のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号128のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号133のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号134のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号135のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIAに結合する。
【0020】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、CDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するCDRセットを含み、CDRの参照セットは、(i)VH-CDR1が、配列番号145のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2は、配列番号146のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号147のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号152のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号153のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号154のアミノ酸配列を有する。
【0021】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActIIRA及びActRIIBと特異的に結合し、CDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するCDRセットを含み、CDRの参照セットは、(i)VH-CDR1が、配列番号166のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号167のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号168のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号173のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号174のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号175のアミノ酸配列を有する。
【0022】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIと特異的に結合し、以下のものからなる群から選択されるVH及びVL対を含む:(a)(i)配列番号2、16、22、28、34、または40に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び(ii)配列番号9に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、タンパク質は、ActRIIBと結合し;(b)(i)配列番号45または57に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び(ii)配列番号50に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、タンパク質は、ActRIIBと結合し;(c)(i)配列番号63または77に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び(ii)配列番号70に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、タンパク質は、ActRIIBと結合し;(d)(i)配列番号84、98、105、112、または119のアミノ酸配列を有するVH、及び(ii)配列番号91のアミノ酸配列を有するVL、タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;及び(e)(i)配列番号125に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び(ii)配列番号132に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、タンパク質は、ActRIIAに結合する。
【0023】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、配列番号144に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号151に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVLを含む。
【0024】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActIIRA及びActRIIBと特異的に結合し、配列番号165に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号172に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVLを含む。
【0025】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択されるVH及びVL対を含む:(a)配列番号2、16、22、28、34、または40のVH配列、及び配列番号9のVL配列;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(b)配列番号45または57のVH配列、及び配列番号50のVL配列;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(c)配列番号63または77のVH配列、及び配列番号70のVL配列;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(d)配列番号84、98、105、112、または119のVH配列、及び配列番号91のVL配列;タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;及び(e)配列番号125のVH配列、及び配列番号132のVL配列タンパク質は、ActRIIAに結合する。
【0026】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIとの結合に対して、本明細書に開示されるVH及びVL配列対を含む抗体と競合する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、本明細書に開示されるActRII結合タンパク質と同じエピトープに結合する。
【0027】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、(a)ActRIIBのアミノ酸残基NANWELERT(配列番号157);(b)ActRIIBのアミノ酸残基CCEGNFCNER(配列番号159);(c)ActRIIAのアミノ酸残基CCEGNMCNEK(配列番号161);及び(d)ActRIIAのアミノ酸残基ECLFFNANWEKD(配列番号162)からなる群から選択されるポリペプチドに結合する。
【0028】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号144のVH配列及び配列番号151のVL配列を含み;タンパク質は、ActRIIBに結合する。
【0029】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号165のVH配列及び配列番号172のVL配列を含み;タンパク質は、ActIIRA及びActRIIBに結合する。
【0030】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、(a)配列番号2のVH配列及び配列番号9のVL配列;(b)配列番号16のVH配列及び配列番号9のVL配列;(c)配列番号22のVH配列及び配列番号9のVL配列;(d)配列番号28のVH配列及び配列番号9のVL配列;(e)配列番号34のVH配列及び配列番号9のVL配列;(f)配列番号40のVH配列及び配列番号9のVL配列;(g)配列番号45のVH配列及び配列番号50のVL配列;(h)配列番号57のVH配列及び配列番号50のVL配列;(i)配列番号63のVH配列及び配列番号70のVL配列;(j)配列番号77のVH配列及び配列番号70のVL配列;(k)配列番号84のVH配列及び配列番号91のVL配列;(l)配列番号98のVH配列及び配列番号91のVL配列;(m)配列番号105のVH配列及び配列番号91のVL配列;(n)配列番号112のVH配列及び配列番号91のVL配列;(o)配列番号119のVH配列及び配列番号91のVL配列;及び(p)配列番号125のVH配列及び配列番号132のVL配列からなる群から選択されるVH及びVL対を含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号144の配列を有するVH及び配列番号151の配列を有するVLを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号165の配列を有するVH及び配列番号172の配列を有するVLを含む。
【0031】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択されるVH及びVL対を含む:(a)(i)配列番号2、16、22、28、34、または40からなる群から選択される参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVH配列、及び(ii)配列番号9の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVL配列、タンパク質は、ActRIIBと結合し;(b)(i)配列番号45または57の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVH配列、及び(ii)配列番号50の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVL配列、タンパク質は、ActRIIBと結合し;(c)(i)配列番号63または77の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVH配列、及び(ii)配列番号70の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVL配列、タンパク質は、ActRIIBと結合し;(d)(i)配列番号84、98、105、112、または119からなる群から選択される参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVH配列、及び(ii)配列番号91の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVL配列、タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(e)(i)配列番号125の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVH配列、及び(ii)配列番号132の参照VLから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVL配列、タンパク質は、ActRIIAに結合する。
【0032】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号144の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVH配列、及び配列番号151の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVL配列を含み、タンパク質は、ActRIIBに結合する。
【0033】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号165の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVH配列、及び配列番号172の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVL配列を含み、タンパク質は、ActIIRA及びActRIIBに結合する。
【0034】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、VH及びVL対を含み、(a)VH配列は、配列番号2の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号9の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(b)VH配列は、配列番号16の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;VL配列は、配列番号9の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(c)VH配列は、配列番号22の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号9の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(d)VH配列は、配列番号28の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号9の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(e)VH配列は、配列番号34の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号9の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(f)VH配列は、配列番号40の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号9の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(g)配列は、配列番号45の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号50の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(h)VH配列は、配列番号57の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号50の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(i)VH配列は、配列番号63の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号70の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(j)VH配列は、配列番号77の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号70の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(k)配列は、配列番号84の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号91の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(l)VH配列は、配列番号98の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号91の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(m)VH配列は、配列番号105の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号91の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(n)VH配列は、配列番号112の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号91の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(o)VH配列は、配列番号119の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号91の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;または(p)VH配列は、配列番号125の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号132の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIAに結合する。
【0035】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、VH及びVL対を含み、VH配列は、配列番号144の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し、及びVL配列は、配列番号151の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIBに結合する。
【0036】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、VH及びVL対を含み、VH配列は、配列番号165の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し、及びVL配列は、配列番号172の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIA及びActRIIBに結合する。
【0037】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIに特異的に結合する抗体である。さらなる態様では、抗体は、モノクローナル抗体、組換え抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、二重特異性抗体、または多重特異性抗体である。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRII結合抗体断片である。いくつかの態様では、抗体は、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、ダイアボディ、DART、及び一本鎖抗体分子(例えば、BiTE)からなる群から選択される抗体断片である。
【0038】
ActRII結合タンパク質をコードする核酸及び核酸セットも提供される。核酸及び核酸セットを含有するベクター及びベクターセット、並びに核酸及びベクターで形質転換された宿主細胞をさらに提供する。いくつかの態様では、宿主細胞は、ハイブリドーマまたは哺乳動物宿主細胞、例えば、NS0マウス骨髄腫細胞、PER.C6(登録商標)ヒト細胞、またはチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である。ActRII結合タンパク質を産生する哺乳動物宿主細胞及びハイブリドーマを含む宿主細胞も提供される。
【0039】
ActRII結合タンパク質を作製する方法も提供される。いくつかの態様では、方法は、タンパク質を発現し、かつ、発現したActRII結合タンパク質を必要に応じて単離するための適切な条件下で、ActRII結合タンパク質を発現することができる宿主細胞を培養することを含む。本明細書に開示されるかまたはあるいは当該技術分野において公知の方法を用いて調製及び/または単離されたActRII結合タンパク質も提供される。
【0040】
ActRII結合タンパク質及び薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物をさらに提供する。いくつかの態様では、本開示は、上昇したActRII発現またはActRII媒介シグナル伝達と関連する対象における状態を治療及び/または改善する方法を提供する。いくつかの態様では、方法は、対象におけるActRII媒介シグナル伝達を減少させる。医薬の製造または調製における本明細書に提供されるActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRIIB及び/またはActRIIA結合抗体)の使用も提供される。いくつかの実施形態では、医薬は、上昇したActRII発現またはActRII媒介シグナル伝達と関連する対象における状態を治療及び/または改善するためである。さらなる実施形態では、本開示は、本明細書に記載される疾患または状態を治療するための医薬の製造における、本明細書に提供されるActRII結合タンパク質の使用を提供する。
【0041】
提供される方法を用いて、対象において治療及び/または改善され得る状態としては、筋肉障害、例えば、退行性筋疾患、筋ジストロフィー、筋萎縮、または筋肉消耗障害;線維症状態(例えば、肝、肺、血管及び/または眼の線維症状態、例えば、心筋線維症、及び特発性肺線維症(IPF));代謝性疾患(例えば、インスリン抵抗性のII型糖尿病、高血糖、及び肥満);炎症性疾患または状態、自己免疫疾患、心血管疾患(例えば、鬱血性心不全、及び高血圧);眼疾患、例えば、加齢黄斑変性症;肺疾患、筋肉骨格疾患、骨格系疾患、例えば、骨粗鬆症;神経疾患;神経筋疾患、変性疾患、創傷治癒;体重減少;及びがん(例えば、癌腫、骨髄腫、骨誘導損失癌、下垂体癌、及び消化管癌)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
いくつかの態様では、本開示の方法は、有効量のActRII結合タンパク質を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、単独で投与される。他の態様では、ActRII結合タンパク質は、併用療法として投与される。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、標準ケア治療/療法に対する併用療法として投与される。
【0043】
ActRII活性(例えば、リガンド結合及び/またはシグナル伝達)を遮断または減少させる方法も提供される。いくつかの態様では、方法は、ActRII結合タンパク質と、ActRIIを発現する細胞を接触させることを含む。場合によっては、方法は、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA)の存在下で、ActRII結合タンパク質と、ActRIIを発現する細胞を接触させることを含む。いくつかの態様では、方法は、インビボで行う。他の態様では、方法は、インビトロで行う。いくつかの態様では、遮断または減少させた、ActRII活性は、ActRIのリン酸化である。さらなる態様では、リン酸化されたActRIは、ALK4及び/またはALK7である。さらなる態様では、遮断または減少させたActRII活性は、Smad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化である。いくつかの態様では、本開示は、有効量のActRII結合タンパク質を、それを必要とする対象に投与することを含む、対象におけるActRII活性を遮断または減少させる方法を提供する。いくつかの態様では、有効量のActRIIA結合タンパク質を、それを必要とする対象に投与することを含む、対象におけるActRIIA活性を減少させる方法を提供する。いくつかの態様では、有効量のActRIIB結合タンパク質を、それを必要とする対象に投与することを含む、対象におけるActRIIB活性を減少させる方法を提供する。
【0044】
増加したActRII発現及び/またはActRIIシグナル伝達と関連する病理学的状態、またはActRIIリガンドの活性を減少または阻害することによって治療及び/または改善することができる病理学的状態におけるActRII活性を遮断または減少させる方法も提供される。場合によっては、方法は、ActRII結合タンパク質を、ActRIIまたはActRIIリガンドの増加発現を有する対象に投与することを含む。いくつかの態様では、病理学的状態は、筋肉障害である。さらなる態様では、筋肉障害は、萎縮または筋ジストロフィーである。いくつかの態様では、病理学的状態は、肥満またはII型糖尿病などの代謝性状態である。いくつかの態様では、病理学的状態は、肺または肝臓の線維症状態である。さらなる態様では、病理学的状態は、がんである。さらなる態様では、がんは、骨髄線維症、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫)、下垂体癌、乳癌、消化管癌、または癌腫である。さらなる態様では、病理学的状態は、骨誘導損失癌(例えば、前立腺及び乳癌)である。いくつかの態様では、本開示は、がん治療誘発性骨量減少と関連する病理学的状態におけるActRII活性を遮断または減少させる方法を提供する。
【0045】
いくつかの態様では、本開示は、筋肉障害を治療及び/または改善する方法を提供する。場合によっては、方法は、ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体)を、筋肉障害を有する対象に投与することを含む。筋肉障害の治療または改善のための医薬の製造における本明細書に提供されるActRII結合タンパク質の使用をさらに提供する。さらなる態様では、筋肉障害は、萎縮または筋ジストロフィーである。他の態様では、対象は、筋肉障害を発症するリスクがある。さらなる態様では、対象は、萎縮または筋ジストロフィーを発症するリスクがある。
【0046】
いくつかの態様では、本開示は、線維症状態を治療及び/または改善する方法を提供する。場合によっては、方法は、ActRII結合タンパク質(例えば、本明細書に記載される医薬組成物における)を、線維症状態を有する対象に投与することを含む。他の態様では、対象は、線維症状態を発症するリスクがある。いくつかの態様では、線維症状態は、慢性である。線維症状態の治療または改善のための医薬の製造における本明細書に提供されるActRII結合タンパク質の使用をさらに提供する。
【0047】
いくつかの態様では、本開示は、対象における線維症を減少させる方法を提供する。場合によっては、方法は、ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体、例えば、完全長ActRII抗体またはActRII結合抗体断片、並びにその変異体及び誘導体)を、線維症を有する対象に投与することを含む。いくつかの態様では、線維症は、肝または肺線維症である。線維症の治療または改善のための医薬の製造における本明細書に提供されるActRII結合タンパク質の使用をさらに提供する。
【0048】
別の態様では、本開示は、対象における線維症によって引き起こされた肝または肺機能の喪失を減少させる方法を提供する。いくつかの態様では、方法は、ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体、例えば、完全長ActRII抗体及びそのActRII結合断片)を、それを必要とする対象に投与することを含む。いくつかの態様では、方法は、対象における肝機能の喪失を減少させる。いくつかの態様では、方法は、対象における肺機能の喪失を減少させる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1-1】図1A~1Nは、37℃でのBIACORE(登録商標)に基づく解析によって決定される、hActRIIB及びhActRIIAに結合するA01系列抗体の動力学的特徴付けを示す。単量体または二量体hActRIIBまたはhActRIIAをチップ上で捕捉した後、A01系列抗体の濃度に曝露した。図1A~1Dは、ActRIIBモノマー(図1A)、ActRIIBダイマー(図1B)、ActRIIAモノマー(図1C)、及びActRIIAダイマー(図1D)に結合する抗体A01(親)の特徴付けを示す。図1E及び1Fは、ActRIIBモノマー(図1E)及びActRIIBダイマー(図1F)に結合する抗体B01の特徴付けを示す。図1G~1Hは、ActRIIBモノマー(図1G)及びActRIIBダイマー(図1H)に結合する抗体C01を示す。図1I~1Jは、ActRIIBモノマー(図1I)及びActRIIBダイマー(図1J)に結合する抗体D01を示す。図1K~1Lは、ActRIIBモノマー(図1K)及びActRIIBダイマー(図1L)に結合する抗体E01を示す。図1M~1Nは、ActRIIBモノマー(図1M)及びActRIIBダイマー(図1N)に結合する抗体F01を示す。
図1-2】図1-2は図1-1の続きである。
図2】細胞ベースのレポーター遺伝子アッセイにおけるA01系列抗体の中和活性を示す。アクチビンA単独(2ng/ml)、及び50ng/mlのA01系列抗体A01、B01、C01、D01、E01、及びF01と併用したアクチビンAによるアッセイ応答が含まれる。
図3図3A~3Fは、37℃でのBIACORE(登録商標)に基づく解析によって決定される、hActRIIB及びhActRIIAに結合するG02系列抗体の動力学的特徴付けを示す。単量体または二量体hActRIIBまたはhActRIIAをチップ上で捕捉した後、G01系列に曝露した。図3A~3Dは、ActRIIBモノマー(図3A)、ActRIIBダイマー(図3B)、ActRIIAモノマー(図3C)、及びActRIIAダイマー(図3D)に結合する抗体G01の特徴付けを示す。図1E及び1Fは、ActRIIBモノマー(図3E)及びActRIIBダイマー(図3F)に結合する抗体H01の特徴付けを示す。
図4】細胞ベースのレポーター遺伝子アッセイにおけるG01親及びH01最適化抗体の中和活性を示す。アクチビンAの不在下、アクチビンA単独(2ng/ml)、及び50ng/mlのG01系列抗体G01またはH01と併用したアクチビンAによるアッセイ応答が含まれる。
図5-1】図5A~5Pは、37℃でのBIACORE(登録商標)に基づく解析によって決定される、hActRIIB及びhActRIIAに結合するA02系列抗体の動力学的特徴付けを示す。単量体または二量体hActRIIBまたはhActRIIAをチップ上で捕捉した後、A02系列抗体に曝露した。図5A~5Dは、ActRIIBモノマー(図5A)、ActRIIBダイマー(図5B)、ActRIIAモノマー(図5C)、及びActRIIAダイマー(図5D)に結合する抗体A02(親)の特徴付けを示す。図5E~5Hは、ActRIIBモノマー(図5E)、ActRIIBダイマー(図5F)、ActRIIAモノマー(図5G)、及びActRIIAダイマー(図5H)に結合する抗体B02の特徴付けを示す。図5I~5Lは、ActRIIBモノマー(図5I)、ActRIIBダイマー(図5J)、ActRIIAモノマー(図5K)、及びActRIIAダイマー(図5L)に結合する抗体C02の特徴付けを示す。図5M~5Pは、ActRIIBモノマー(図5M)、ActRIIBダイマー(図5N)、ActRIIAモノマー(図5O)、及びActRIIAダイマー(図5P)に結合する抗体D02の特徴付けを示す。図5Q~5Tは、ActRIIBモノマー(図5Q)、ActRIIBダイマー(図5R)、ActRIIAモノマー(図5S)、及びActRIIAダイマー(図5T)に結合する抗体D03の特徴付けを示す。
図5-2】図5-2は図5-1の続きである。
図5-3】図5-3は図5-2の続きである。
図6図6A~6Bは、細胞ベースのレポーター遺伝子アッセイにおけるA02系列抗体の中和活性を示す。アクチビンAの不在下、アクチビンA単独(2ng/ml)、及び50ng/mlのA02系列抗体と併用したアクチビンAによるアッセイ応答が含まれる。図6Aは、A02(親)、B02、C02、及びD02の中和活性を示す。図6Bは、D02及びD03の中和活性を示す。
図7図7A~7Fは、37℃でのBIACORE(登録商標)に基づく解析によって決定される、hActRIIB及びhActRIIAに結合するE02親及びF02変異体抗体の動力学的特徴付けを示す。単量体または二量体hActRIIBまたはhActRIIAをチップ上で捕捉した後、E02及びF02に曝露した。図7A~7Dは、ActRIIBモノマー(図7A)、ActRIIBダイマー(図7B)、ActRIIAモノマー(図7C)、及びActRIIAダイマー(図7D)に結合するE02親の特徴付けを示す。図7E及び7Fは、ActRIIBモノマー(図7E)、及びActRIIBダイマー(図7F)に結合する抗体F02の特徴付けを示す。
図8図8A~8Dは、37℃でのBIACORE(登録商標)に基づく解析によって決定される、hActRIIB及びhActRIIAに結合する抗体G02の動力学的特徴付けを示す。単量体または二量体hActRIIBまたはhActRIIAをチップ上で捕捉した後、評価された抗hActRII抗体に曝露した。図8A~8Dは、ActRIIBモノマー(図8A)、ActRIIBダイマー(図8B)、ActRIIAモノマー(図8C)、及びActRIIAダイマー(図8D)に結合する抗体G02の特徴付けを示す。
図9】細胞ベースのレポーター遺伝子アッセイにおけるActRIIB結合E02親及びF02変異体抗体及びActRIIA結合抗体G02の中和活性を示す。アクチビンAの不在下、アクチビンA単独(2ng/ml)、及び50ng/mlの抗体E02、F02、またはG02と併用したアクチビンAによるアッセイ応答が含まれる。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本開示は、単離された組換えActRII結合タンパク質を提供する。ある特定の態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及び/またはActRIIAに特異的に結合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、抗ActRII抗体である。ActRII結合タンパク質をコードする核酸、核酸を含有するベクター及び宿主細胞、及びActRII結合タンパク質を作製し、使用する方法も提供される。提供されるActRII結合タンパク質は、増加したActRII発現及び/またはシグナル伝達と関連する疾患及び状態を診断、治療、及び/または改善するのに使用する。かかる使用としては、筋肉障害、例えば、退行性筋疾患、筋ジストロフィー、筋萎縮または筋肉消耗障害;線維症状態(例えば、肝、肺、血管及び/または眼の線維症状態、例えば、心筋線維症、及び特発性肺線維症(IPF));代謝性疾患(例えば、II型糖尿病及び肥満);炎症性疾患または状態、自己免疫疾患、心血管疾患(例えば、鬱血性心不全、及び高血圧);眼疾患、例えば、加齢黄斑変性症;肺疾患、筋肉骨格疾患、骨格系疾患、神経疾患、例えば、骨粗鬆症;創傷治癒;体重減少;及びがん(例えば、癌腫、骨髄腫、骨誘導損失癌、下垂体癌、及び消化管癌)を防止及び/または改善することが挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
定義
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての科学技術用語は、本開示が関係する技術分野の当業者が一般に理解するのと同じ意味を有する。例えば、Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology,Juo,Pei-Show,2nd ed.,2002,CRCPress;The Dictionary of Cell and Molecular Biology,3rd ed.,1999,Academic Press;及びOxford Dictionary Of Biochemistry And Molecular Biology,Revised,2000,Oxford University Pressが、本開示で使用される用語の多くの一般的な辞書を当業者に提供する。本明細書に提供される見出しは、本明細書を全体として参照することによって有され得る種々の態様の限定ではない。従って、この直後に定義する用語は、本明細書を全体として参照することによってさらに十全に定義される。
【0052】
用語「a」、「an」及び「the」は、それらの用語が使用される文脈上特に明確に指示されない限り複数の指示対象を含む。用語「a」(または「an」)、並びに用語「1つ以上」及び「少なくとも1つ」は、本明細書では交換可能に使用することができる。さらに、「及び/または」は、本明細書で使用される場合、2つ以上の指定される特徴または構成要素の各々の、他方を伴うまたは伴わない具体的な開示と解釈されるべきである。従って、用語「及び/または」は、本明細書で「A及び/またはB」などの語句で用いられるとき、「A及びB」、「AまたはB」、「A」(単独)、及び「B」(単独)を含むことが意図される。同様に、用語「及び/または」は、「A、B、及び/またはC」などの語句で用いられるとき、以下の態様の各々を包含することが意図される:A、B、及びC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);及びC(単独)。
【0053】
用語「comprise(~を含む)」は、1つ以上の特徴または構成要素の存在を容認することを含むという意味で一般に使用される。本明細書において態様が言語「comprising (~を含む)」を用いて記載される場合は常に、「consisting of(~からなる)」及び/または「consisting essentially of(~から本質的になる)」の用語で記載される他の類似の態様も提供される。
【0054】
本明細書及び特許請求の範囲を通じた数値と関連して使用される用語「約」及び「おおよそ」は、当業者に馴染みがありかつ許容可能なある区間の正確度を示す。一般に、かかるある区間の正確度は、±10%である。あるいは、かつ、特に生物系では、用語「約」及び「おおよそ」は、所与の値のある桁以内、好ましくは≦5倍、及びより好ましくは≦2倍の値を意味し得る。
【0055】
数値範囲は、その範囲を定義する数を含む。
【0056】
ActRII結合タンパク質は、ActRII(すなわち、ActRIIB及び/またはActRIIA)と特異的に結合し、好ましくは、ActRIIの細胞外ドメインに結合するタンパク質を指す。
【0057】
用語「ActRIIアクチビン受容体II型」及び「ActRII」は、交換可能に使用され、その用語が使用される文脈上特に明確に指示されない限り、アクチビン受容体IIA型(ActRIIA)及び/またはアクチビン受容体IIB型(ActRIIB)を指す。
【0058】
用語「アクチビン受容体IIA型」、「ActRIIA受容体」、及び「ActRIIA」は、本明細書では交換可能に使用され、ActRIIAを指す(文献において、ACVR2A、ActRIIA、ActRII、及びEC 2.7.11.30とも呼ばれる)。ヒトActRIIAの参照配列は、参照配列番号:NP_001607.1で提供される。提供されるActRIIA結合タンパク質は、配列番号138のアミノ酸配列に対応するActRIIAの細胞外ドメインに結合する。
【0059】
用語「アクチビン受容体IIB型、「ActRIIB受容体」、及び「ActRIIB」は交換可能に使用され、ActRIIBを指す(文献において、ACVR2B、ActRIIB、HTX4、ErbB3受容体、及びEC 2.7.11.30とも呼ばれる)。ヒトActRIIBの参照配列は、NCBI参照配列NP_001097で提供される。提供されるActRIIB結合タンパク質は、配列番号139のアミノ酸配列に対応するActRIIBの細胞外ドメインに結合する。
【0060】
用語「compete(競合する)」または「competes(競合する)」は、ActRII結合タンパク質(例えば、中和抗体)の文脈において使用される場合、試験下の抗原結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体またはそのActRII結合断片)が、共通抗原(例えば、ActRIIAまたはActRIIB細胞外ドメインまたはその断片)への参照抗原結合タンパク質(例えば、リガンド、または参照抗体)の特異的結合を防止または阻害するアッセイによって決定される抗原結合タンパク質間の競合を意味する。数多くのタイプの競合的結合アッセイを使用することができる。例えば、固相直接または間接ラジオイムノアッセイ(RIA)(例えば、Moldenhauer et al.,Scand.J.Immunol.32:77-82(1990)及びMorel et al.,Molec.Immunol.25:7-15(1988)を参照されたい)、固相直接または間接酵素イムノアッセイ(EIA)、固相直接ビオチン-アビジンEIA(例えば、Cheung et al,Virology 176:546-552(1990)及びKirkland et al.,J.Immunol.137:3614-3619(1986))、及びサンドイッチ競合アッセイ(例えば、Stahli et al.,Methods in Enzymology 92:242-253(1983)を参照されたい)。典型的には、かかるアッセイは、これら非標識試験抗原結合タンパク質及び標識参照抗原結合タンパク質のうちのいずれかを担持する固体表面または細胞に結合した精製抗原の使用を伴う。
【0061】
競合阻害は、試験抗原結合タンパク質の存在下で固体表面または細胞に結合した標識の量を決定することによって測定することができる。通常、試験抗原結合タンパク質は、過剰に存在する。(抗原結合タンパク質と競合する)競合アッセイによって同定される抗原結合タンパク質には、参照ActRII結合タンパク質と同じエピトープに結合するActRII結合タンパク質、並びに参照ActRII結合タンパク質によって結合したエピトープに対して立体障害が起こるほど十分に近接する隣接エピトープに結合するActRII結合タンパク質が含まれる。通常、競合ActRII(例えば、ActRIIAまたはActRIIB)結合タンパク質が過剰に存在する場合には、参照ActRII結合タンパク質ActRII(例えば、ActRIIAまたはActRIIB)の特異的結合を少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%または75%阻害するであろう。場合によっては、競合抗原結合タンパク質は、参照ActRII結合タンパク質の特異的結合を少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%阻害する。
【0062】
用語「エピトープ」は、ActRIIタンパク質の文脈で使用される場合、本開示のActRII結合タンパク質(例えば、抗体)に結合することができるActRII(例えば、ヒトActRIIA、ヒトActRIIB、マウスActRIIAまたはマウスActRIIA)タンパク質決定基を指す。エピトープは、通常、アミノ酸または糖側鎖などの分子の化学的に活性な表面基からなり、通常、特定の三次元構造特性、並びに特定の電荷特性を有する。立体構造及び非立体構造エピトープは、変性溶媒の存在下、後者ではなく前者との結合が失われることで区別される。ActRII結合タンパク質によって結合したActRIIエピトープは、当該技術分野において公知の技術を用いて容易に決定することができる。
【0063】
本明細書に開示される抗ActRII結合抗体などの抗原結合タンパク質、及びそれらのActRII結合断片、変異体、または誘導体は、抗原、例えば、それらが認識するかまたはそれらに特異的に結合する標的ポリペプチドのエピトープ(複数可)または部分(複数可)の観点から説明または特定することができる。例えば、本明細書に開示されるActRII結合タンパク質の抗原結合ドメインと特異的に相互作用するActRIIの部分は、「エピトープ」である。「エピトープ」は、連続アミノ酸、またはタンパク質の三次折り畳みによって並置された非連続アミノ酸の両方から形成することができる。連続アミノ酸から形成されたエピトープは、典型的には、変性溶媒への曝露によっても保持され、一方、三次折り畳みによって形成されたエピトープは、典型的には、変性溶媒での処理によって失われる。エピトープ決定基は、化学的に活性な表面分子群、例えば、アミノ酸、糖側鎖、ホスホリル、またはスルホニル基を含み得、特定の3次元構造特性及び/または特定の電荷特性を有し得る。エピトープは、典型的には、固有の空間的立体配座において、少なくとも3、4、5、6、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35個のアミノ酸を含む。エピトープは、当該技術分野において公知の方法を用いて常法で決定することができる。
【0064】
用語「阻害する」、「遮断する」、「reduce(減少させる)」、「decrease(減少させる)」、「抑制する」、「拮抗する」、及び「中和する」は、交換可能に使用され、活性の完全な遮断を含め、活性(例えば、ActRIIリガンド結合及びActRIIシグナル伝達)の任意の統計学的に有意な減少を指す。例えば、「阻害」または「抑制」は、対照と比較して、活性の約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%の減少を指し得る。
【0065】
いくつかの態様では、用語「減少させる」は、抗体またはそのActRII結合断片などのActRII結合タンパク質が、ActRII結合タンパク質と接触させない場合の細胞におけるSmadリン酸化の程度と比較して、ActRII及びI型受容体を発現する細胞をアクチビンAなどのActRIIリガンドと接触させることで誘発された1つ以上のSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を統計的に有意に(例えば、0.05以下のp値で)減少させる能力を指し得る。ActRII(例えば、ActRIIB及び/またはActRIIA)を発現する細胞は、自然発生細胞または細胞株であり得、またはActRII(例えば、ActRIIB及び/またはActRIIA)をコードする核酸を宿主細胞に導入することによって組換え的に産生することができる。一態様では、ActRII結合タンパク質、例えば、ActRII抗体またはそのActRII結合断片は、本明細書に記載されるまたは他の当該技術分野において公知の標準技術及び条件を用いて、例えば、ウエスタンブロッティングの後に、抗ホスホチロシン抗体でプローブすることで、またはELISAによって決定される場合、1つ以上のSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のActRIIリガンド媒介リン酸化を少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%、または約100%減少させる。
【0066】
いくつかの態様では、ActRIIA結合タンパク質は、本明細書に記載されるまたは他の当該技術分野において公知の技術を用いて、例えば、ウエスタンブロッティングの後に、抗ホスホチロシン抗体でプローブすることで、またはELISA(例えば、P-Smad ELISA)もしくはSmad依存性レポーター遺伝子アッセイによって決定される場合、1つ以上のSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA)媒介リン酸化を少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%、または約100%減少させる。
【0067】
さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、本明細書に記載されるまたは他の当該技術分野において公知の標準技術及び条件を用いて、例えば、ウエスタンブロッティングの後に、抗ホスホチロシン抗体でプローブすることで、またはELISA(例えば、P-Smad ELISA)もしくはSmad依存性レポーター遺伝子アッセイによって決定される場合、1つ以上のSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のActRIIBリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)媒介リン酸化を少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%、または約100%減少させる。
【0068】
用語「抗体」または「免疫グロブリン」は、本明細書では交換可能に使用され、全(完全長)抗体及びその抗原結合断片もしくは一本鎖を含む。典型的な抗体は、ジスルフィド結合によって相互に接続した少なくとも2本の重(H)鎖及び2本の軽(L)鎖を含む。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではVHと省略する)及び重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2、及びCH3を含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではVLと省略する)及び軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は、1つのドメイン、CLを含む。VH及びVL領域は、フレームワーク領域(FW)と呼ばれるより保存された領域が間に入った、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変領域にさらに細分することができる。各VH及びVLは、アミノ末端からカルボキシ末端に以下の順番:FW1、CDR1、FW2、CDR2、FW3、CDR3、FW4で並んだ3つのCDRと4つのFWとを含む。重鎖及び軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含有する。抗体の定常領域は、種々の免疫系細胞(例えば、エフェクター細胞)及び古典的補体系の第1成分(C1q)を含めた宿主組織または因子に対する免疫グロブリンの結合を媒介することができる。例示的な抗体としては、典型的な抗体、scFv、及びそれらの組み合わせが挙げられ、ここで、例えば、scFvは、典型的な抗体の重鎖及び/または軽鎖のいずれかのNまたはC末端に共有結合している(例えば、ペプチド結合もしくは化学リンカーを介して)か、あるいは、典型的な抗体の重鎖及び/または軽鎖中に挿入されている。
【0069】
用語「抗体」及び「免疫グロブリン」は、無傷なポリクローナル抗体、無傷なモノクローナル抗体、抗体断片(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)、及びFv断片)、一本鎖Fv(scFv)誘導体及び突然変異体、二重特異性抗体などの多重特異性抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、抗体の抗原決定部分を含む融合タンパク質、並びに抗体が所望の結合活性を呈示する限りにおいて抗原認識部位を含む他のあらゆる修飾免疫グロブリン分子を包含する。抗体は、それぞれα、δ、ε、γ、及びμと称されるその重鎖定常ドメインの同一性に基づいて、5つの主要な免疫グロブリンクラス:IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM、またはそのサブクラス(アイソタイプ)(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2)のいずれかのものであり得る。異なる免疫グロブリンクラスは、異なる周知のサブユニット構造及び三次元配置を有する。抗体は、裸であってもよく、または毒素、放射性同位体などの他の分子にコンジュゲートすることができる。用語「IgG」は、認識された免疫グロブリンγ遺伝子によって実質的にコードされる抗体のクラスに属するポリペプチドを指す。ヒトでは、このクラスは、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4を含む。マウスでは、このクラスは、IgG1、IgG2a、IgG2b、及びIgG3を含む。
【0070】
用語「ActRII抗体」、「ActRIIに結合する抗体」、または「抗ActRII抗体」は、抗体がActRIIB及び/またはActRIIAをそれぞれ標的化する治療剤または診断試薬として有用であるように、ActRII(例えば、ActRIIB及び/またはActRIIA)と十分な親和性で結合することができる抗体を指す。
【0071】
「特異的に結合する」とは、ActRIIタンパク質の文脈において使用する場合、抗体などの結合タンパク質が、結合タンパク質が無関係の対照タンパク質に結合するよりも大きな親和性で、ActRII(例えば、ActRIIB及び/またはActRIIA、好ましくは、ヒトActRIIA及び/またはヒトActRIIB、好ましくは、ActRIIB及び/またはActRIIAの細胞外ドメイン)に結合する能力を一般的に意味する。いくつかの態様では、対照タンパク質は、ニワトリ卵白リゾチームである。好ましくは、結合タンパク質は、対照タンパク質に対する親和性よりも少なくとも100、500、または1000倍大きな親和性を有するActRIIに結合する。好ましくは、結合タンパク質は、当該技術分野において公知の結合アッセイによって計測するときの≦1×10-7Mまたは≦1×10-8のヒトActRIIに対する結合親和性を有する。いくつかの態様では、結合親和性は、ラジオイムノアッセイ(RIA)またはBIACORE(登録商標)(例えば、解析物としてActRII(例えば、ActRIIB及び/またはActRIIA)、及びリガンドとしてActRII結合タンパク質、またはその逆)を用いて測定される。
【0072】
いくつかの態様では、無関係の非ActRIIタンパク質に対するActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体)の結合の程度は、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)、BIACORE(登録商標)(解析物として組換えActRII及びリガンドとしてActRII結合タンパク質を使用するか、またはその逆)、結合平衡除外アッセイ(KINEXA(登録商標))、または当該技術分野において公知の他の結合アッセイによって計測するときのActRIIに対するActRII結合タンパク質の結合の約10%未満である。ある特定の態様では、ActRII結合タンパク質は、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦10pM、≦1pM、または≦0.1pMの解離定数(K)を有する完全長抗体またはActRII結合抗体断片である。
【0073】
用語「抗原結合抗体断片」(例えば、「ActRII結合抗体断片」、「ActRIIA結合抗体断片」、及び「ActRIIB結合抗体断片」)は、無傷な抗体の抗原結合可変領域(例えば、CDR3)の全てまたは部分を含有する断片を指す。抗体の抗原結合機能が完全長抗体の断片によって行われ得ることは公知である。抗体断片の例としては、Fab、Fab’、F(ab’)、及びFv断片、直鎖状抗体、一本鎖抗体、及び1本以上の抗体断片で形成される多重特異性抗体が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの態様では、本開示は、抗体断片が、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)断片、Fv断片、ダイアボディ、または一本鎖抗体分子である、ActRII結合抗体断片を提供する。
【0074】
Fc領域は、最初の定常領域免疫グロブリンドメインを除く抗体の定常領域を含むポリペプチドを含む。従って、Fcとは、IgA、IgD、及びIgGの最後2つの定常領域免疫グロブリンドメイン、及びIgE及びIgMの最後3つの定常領域免疫グロブリンドメイン、並びにこれらのドメインのN末端の可動性ヒンジを指す。IgA及びIgMについては、Fcは、J鎖を含み得る。IgGについては、Fcは、免疫グロブリンドメインCγ2及びCγ3、並びにCγ1及びCγ2との間のヒンジを含む。Fc領域の境界は様々であり得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常、そのカルボキシル末端に残基C226またはP230を含むように定義される(ここで付番は、Kabat(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991))に規定されるEUインデックスに従う)。Fcとは、独立してこの領域を指し得るか、または全抗体、抗体断片、もしくはFc融合タンパク質の文脈においてこの領域を指し得る。EUインデックスによって付番するときの270、272、312、315、356、及び358位を含むがこれらに限定されない多くの異なるFc位置に多型が観察されており、従って、提示される配列と先行技術の配列との間には少しの差異が存在し得る。
【0075】
「モノクローナル抗体」は、単一の抗原決定基またはエピトープの高度に特異的な認識及び結合に関与する均一な抗体集団を指す。これは、典型的には異なる抗原決定基に対する異なる抗体を含むポリクローナル抗体と対照的である。用語「モノクローナル抗体」は、無傷及び完全長モノクローナル抗体の両方、並びに抗体断片(Fab、Fab’、F(ab’)、Fvなど)、一本鎖(scFv)突然変異体、及び抗体部分を含む融合タンパク質、及び抗原認識部位を含む任意の他の修飾免疫グロブリン分子を包含する。モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ、ファージ選択、組換え発現、及びトランスジェニック動物によることを含むがこれらに限定されない任意の数の方法で作製され得る。
【0076】
用語「キメラ抗体」は、免疫グロブリン分子のアミノ酸配列が2つ以上の種に由来する抗体を指す。典型的には、軽鎖及び重鎖の両方の可変領域は、所望の抗原結合特異性、親和性、及び/または能力を有する哺乳動物の1つの種(例えば、マウス、ラット、ウサギなど)に由来する抗体の可変領域に対応し、一方、定常領域が、別の種(通常はヒト)に由来する抗体の配列と同種であり、その種における免疫応答の誘発が回避される。
【0077】
用語「ヒト化抗体」は、より少ない、好ましくは、最小限の非ヒト(例えば、マウス)配列を含有するように遺伝子操作された非ヒト(例えば、マウス)免疫グロブリンに由来する抗体を指す。典型的には、ヒト化抗体は、所望の抗原結合特異性、親和性、及び/または能力を有する非ヒト種(例えば、マウス、ラット、ウサギ、またはハムスター)のCDRの残基によってCDRの残基が置き換えられているヒト免疫グロブリンである(Jones,Nature 321:522-525(1986);Riechmann,Nature 332:323-327(1988);Verhoeyen,Science 239:1534-1536(1988))。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FW)残基が、所望の抗原結合特異性、親和性、及び/または能力を有する非ヒト種由来の抗体の対応する残基で置き換えられる。ヒト化抗体は、抗体の特異性、親和性、及び/または能力を洗練して最適化するため、Fvフレームワーク領域にあるか、及び/または置き換えられた非ヒト残基内にあるさらなる残基の置換によってさらに修飾することができる。一般に、ヒト化抗体は、非ヒト免疫グロブリンに対応するCDR領域の全てまたは実質的に全てを含有する少なくとも1つ、典型的には2つまたは3つの可変ドメインの実質的に全てを含むことになり、一方、FR領域の全てまたは実質的に全ては、ヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである。ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域またはドメイン(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンのそれの少なくとも一部分も含み得る。ヒト化抗体の作成に用いられる方法の例は、米国特許第5,225,539号または同第5,639,641号に記載される。
【0078】
用語「ヒト抗体」は、ヒトによって産生される抗体、または当該技術分野において公知の任意の技術を用いて作製されるヒトによって産生される抗体に対応するアミノ酸配列を有する抗体を意味する。用語「ヒト抗体」は、無傷(完全長)の抗体、その断片、及び/または少なくとも1つのヒト重鎖及び/または軽鎖ポリペプチドを含む抗体、例えば、マウス軽鎖及びヒト重鎖ポリペプチドを含む抗体などを含む。
【0079】
「アンタゴニスト」、「遮断」、または「中和」結合タンパク質は、ActRIIB及び/またはActRIIAなどの、それが結合する抗原の活性を阻害または減少させるものである。いくつかの態様では、アンタゴニストActRII結合タンパク質は、アクチビンAなどのActRIIAリガンドによって、ActRIIAに結合することを減少または阻害する。いくつかの態様では、アンタゴニストActRII結合タンパク質は、アクチビンAなどのActRIIBリガンドによって、ActRIIBに結合することを減少または阻害する。ある特定の態様では、アンタゴニストActRII結合タンパク質は、ActRIIの活性を実質的または完全に阻害する。いくつかの態様では、ActRII活性は、10%、20%、30%、50%、70%、80%、90%、95%、または100%減少させる。ある特定の態様では、アンタゴニストActRII結合タンパク質は、抗ActRIIA抗体、例えば、完全長抗体またはActRIIA結合抗体断片である。さらなる態様では、アンタゴニスト抗ActRIIA抗体は、ActRIIAの活性を少なくとも10%、20%、30%、50%、70%、80%、90%、95%、あるいは100%阻害または減少させる。さらなる態様では、アンタゴニストActRII結合タンパク質は、抗ActRIIB抗体、例えば、完全長抗体またはActRIIB結合抗体断片である。さらなる態様では、アンタゴニスト抗ActRIIB抗体は、ActRIIBの活性を少なくとも10%、20%、30%、50%、70%、80%、90%、95%、あるいは100%阻害または減少させる。
【0080】
「結合親和性」は、概して、分子(例えば、抗体)の単一の結合部位とその結合パートナー(例えば、抗原)との間の非共有結合性相互作用の総和の強度を指す。特に指示がない限り、「結合親和性」は、結合対(例えば、抗体と抗原)のメンバー間の1:1相互作用を反映する固有の結合親和性を指す。分子XのそのパートナーYに対する親和性は、概して、解離定数(K)によって表すことができる。親和性は、本明細書に記載されるものを含め、当該技術分野において公知の一般的な方法によって計測することができ、本開示の目的に使用することができる。
【0081】
「効力」は、所与の強度の効果を生成するのに必要な化合物の量で表現された化合物の薬理活性の尺度である。効力は、規定された生物学的効果を達成するのに必要な化合物の量を指し;必要な用量が少ないほど、薬物の効力はより高い。効力は、通常、特に指定されない限り、nM単位のIC50値として表現される。IC50は、ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRIIAまたは抗ActRIIB抗体)の阻害濃度中央値である。機能アッセイでは、IC50は、生物学的反応をその最大値の50%低下させる濃度である。リガンド受容体結合試験では、IC50は、リガンド受容体結合を最大特異的結合レベルの50%低下させる濃度である。IC50は、当該技術分野において公知の任意の数の手段によって計算することができる。参照抗ActRII抗体または他のActRII結合タンパク質と比較したときの本明細書に提供される抗体または他の結合タンパク質の効力の改善倍数は、少なくとも2倍、4倍、6倍、8倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、100倍、110倍、120倍、130倍、140倍、150倍、160倍、170倍、または少なくとも180倍であり得る。
【0082】
「抗体依存性細胞媒介性細胞傷害」または「ADCC」は、ある種の細胞傷害性細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球、及びマクロファージ)に存在するFc受容体(FcR)に結合した分泌Igによってそれらの細胞傷害性エフェクター細胞が抗原担持標的細胞に特異的に結合し、続いてその標的細胞を細胞毒で死滅させることが可能になる細胞傷害の一形態を指す。標的細胞の表面に向かう特異的高親和性IgG抗体は、細胞傷害性細胞を「武装」し、かかる死滅に不可欠である。標的細胞の溶解は、細胞外であって、直接的な細胞間接触が必要であり、補体は関与しない。抗体に加えて、ActRII担持標的細胞に特異的に結合する能力を有するFc領域を含む他のタンパク質、具体的にはFc融合タンパク質は、細胞媒介性細胞傷害を達成可能であると考えられる。簡単にするため、Fc融合タンパク質の活性によって生じる細胞媒介性細胞傷害も本明細書ではADCC活性と呼ばれる。
【0083】
「単離されている」ActRII結合タンパク質(例えば、ActRII抗体(それらのActRII結合断片、変異体、及び誘導体を含む))、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、または組成物は、自然界に見られない形態であるタンパク質(例えば、抗体)、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、または組成物である。単離されたタンパク質、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞または組成物には、もはや自然界に見られる形態ではない程度にまで精製されているものが含まれる。いくつかの態様では、単離されたタンパク質、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、または組成物は、実質的に純粋である。単離されたタンパク質及び単離された核酸は、それらに天然に付随している物質、例えばその天然環境、またはかかる調製物がインビトロまたはインビボで実施される組換えDNA技術に基づく場合には、それらが調製される環境(例えば細胞培養)中で、それらとともに見出される他のポリペプチドまたは核酸を含まないかまたは実質的に含まない。タンパク質及び核酸は、希釈剤またはアジュバントとともに製剤化することができ、依然として実用的な目的のために単離されている-例えば、タンパク質は、イムノアッセイで使用するためのマイクロタイタープレートをコーティングするために使用されるならば、通常ゼラチンまたは他の担体と混合され、診断または治療で使用される場合、薬学的に許容可能な担体または希釈剤と混合される。
【0084】
用語「対象」、「個体」、「動物」、「患者」、及び「哺乳動物」は、その診断、予後、または治療が望まれる、任意の対象、特に哺乳動物の対象を指す。哺乳動物対象としては、これらに限定されないが、ヒト、非ヒト霊長類、家畜動物、農場動物、齧歯類などを含み、特定の治療のレシピエントとなるべきものである。
【0085】
用語「医薬組成物」は、活性成分の生物学的活性が有効となるのを可能にするような形態の調製物であって、その組成物を投与しようとする対象にとって許容できない毒性がある濃度で追加的な構成成分を含有しない調製物を指す。かかる組成物は、無菌であり得る。
【0086】
本明細書に開示されるポリペプチド、例えば、抗体を含む抗原結合タンパク質の「有効量」は、具体的に記載される目的の実行に十分な量である。「有効量」は、記載される目的に関して実験的に常法で決定することができる。用語「治療有効量」は、対象(例えば、ヒトなどの哺乳動物)の疾患または状態を「治療」するのに有効な、ポリペプチド、例えば、抗体を含む抗原結合タンパク質、または他の薬物の量を指し、疾患または状態を有する対象にある程度の改善または利益をもたらす。従って、「治療上有効な」量は、ActRII媒介疾患または状態の臨床症状のうちの少なくとも1つのある程度の緩和、軽減、及び/または減少をもたらす量である。本開示の方法によって治療することができる疾患または状態と関連する臨床症状は周知である。さらに、ある程度の利益が対象に付与される限り、治療効果が完全または治癒的である必要はない。いくつかの実施形態では、用語「治療上有効」は、それを必要とする患者においてActRII活性を減少させることができる治療剤の量を指す。実際の投与量並びに投与率及び投与の時間的経過は、治療を受けているものの特性及び重症度に依る。治療の処方、例えば、投与量の決定などは、一般開業医及び他の医師の責任の範囲内である。抗体及びその抗原結合断片の適切な用量は、一般的に知られており;Ledermann et al.Int.J.Cancer 47:659-664(1991);Bagshawe et al.Ant,Immun.and Radiopharm.4:915-922(1991)を参照されたい。
【0087】
「十分量」またはActRII媒介疾患または状態を有する患者において特定の結果を達成する「ために十分な量」は、必要に応じて(すなわち、治療有効量の投与による)治療効果である所望の効果をもたらすのに有効である治療剤(例えば、本明細書に開示される抗体を含む抗原結合タンパク質)の量を指す。いくつかの実施形態では、かかる特定の結果は、それを必要とする患者におけるActRII活性の減少である。
【0088】
用語「標識」は、抗ActRII抗体などの部分に直接または間接的にコンジュゲートし、それにより「標識」部分を生じさせる検出可能な化合物または組成物を指す。標識は、それ自体が検出可能であってもよく(例えば、放射性同位体標識または蛍光標識)、または酵素標識の場合、検出可能な基質化合物または組成物の化学的修飾を触媒することができる。
【0089】
「治療する」または「治療」または「治療すること」または「改善する」または「改善すること」などの用語は、(a)診断された病的状態または障害を治癒し、減速させ、その症状を和らげ、及び/またはその進行を止める治療手段、及び(b)標的とする疾患または状態の発症を防止及び/または遅らせる防止または防御手段との両方を指す。従って、治療を必要としている対象には、疾患または状態を既に有する対象;疾患または状態を発症する危険性がある対象;及び疾患または状態を防止すべき対象が含まれる。ある特定の態様では、対象は、その対象が、例えば、疾患または状態と関連する症状の完全、部分、または一時的な改善または排除を示す場合、本明細書に提供される方法による「治療」に成功している。いくつかの態様では、本開示は、疾患または不使用による筋肉消耗などの筋肉障害を治療する方法を提供する。さらなる態様では、本開示は、筋肉障害、例えば、退行性筋疾患、筋ジストロフィー、筋萎縮、または筋肉消耗障害;線維症状態(例えば、肝、肺、血管及び/または眼の線維症状態、例えば、心筋線維症、及び特発性肺線維症(IPF));代謝性疾患(例えば、II型糖尿病及び肥満);炎症性疾患または状態、自己免疫疾患、心血管疾患(例えば、鬱血性心不全、及び高血圧);眼疾患、例えば、加齢黄斑変性症;肺疾患、筋肉骨格疾患、骨格系疾患、神経疾患、例えば、骨粗鬆症;創傷治癒;体重減少;及びがん(例えば、癌腫、骨髄腫、骨誘導損失癌、下垂体癌、及び消化管癌)から選択される疾患または状態を治療する方法を提供する。さらなる態様では、本開示は、上記の疾患または状態のうちの1つ以上の治療または改善のための医薬の製造において、本明細書に提供されるActRII結合タンパク質の使用を提供する。
【0090】
本明細書で使用される場合、「と併用して」または「併用療法」は、追加療法(例えば、第2、第3、第4など)が体内でまだ効果的であるような投与の任意の形態を指す(例えば、複数の化合物は、対象において同時に効果的であり、それらの化合物の相乗効果を含み得る)。有効性は、血液、血清、または血漿中における薬剤の測定可能な濃度に相関しない場合がある。例えば、異なる治療化合物は、同じ製剤または別個の製剤のいずれか、付随的または連続的のいずれか、及び異なるスケジュールで投与することができる。従って、かかる治療を受ける対象は、異なる療法の併用効果から恩恵を受けることができる。本開示の1つ以上のActRII結合タンパク質は、1つ以上の他の付加剤及び/または支持療法と同時に、前に、または引き続いて投与することができる。一般に、各々の治療剤は、該特定の薬剤について決定された用量及び/またはタイムスケジュールで投与される。レジメンで使用するための特定の組み合わせは、本開示の拮抗薬と治療との相溶性、及び/または所望の結果を考慮する。
【0091】
本開示の方法及び技術は一般的に、別途示されない限り、本開示全体を通して引用され説明される、種々の一般的かつより具体的な参考文献に記載されるような、公知の従来の方法に従って行われる。例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3rd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(2001)、及びAusubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing Associates(1992)、及びHarlow and Lane Antibodies:A Laboratory Manual Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor,N.Y.(1990)を参照されたい;これらは全て参照により本明細書に組み入れられる。
【0092】
用語「がん」、「腫瘍」、「がん性」、及び「悪性」は、典型的には調節されない細胞成長によって特徴付けられる哺乳動物の生理的状態を指し、またはそれを記述する。がんの例としては、腺癌を含む癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、黒色腫、肉腫、及び白血病が挙げられるが、これらに限定されない。かかるがんのより特定の例としては、扁平上皮癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、消化管癌、ホジキン及び非ホジキンリンパ腫、膵臓癌、膠芽細胞腫、神経膠腫、子宮頸癌、卵巣癌、肝臓の癌腫及び肝細胞癌などの肝臓癌、膀胱癌、乳癌(ホルモン媒介性乳癌を含む、例えば、Innes et al.,Br.J.Cancer 94:1057-1065(2006)を参照されたい)、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、骨髄腫(多発性骨髄腫など)、唾液腺癌、基底細胞癌、黒色腫、前立腺癌、外陰癌、甲状腺癌、睾丸癌、食道癌、様々なタイプの頭頸部癌、並びに粘液性卵巣癌、及び胆管癌(肝臓)などの粘液起源のがんが挙げられる。特定の態様では、がんは、骨髄線維症、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫)、または下垂体癌である。別の態様では、がんは、乳癌、消化管癌、または癌腫(例えば、基底及び扁平上皮細胞癌)である。さらなる態様では、がんは、骨喪失誘導癌である。
【0093】
用語「ポリヌクレオチド」及び「核酸」は、交換可能に使用され、単数形並びに複数形の核酸を包含することを意図し、単離された核酸分子または構築物、例えば、メッセンジャーRNA(mRNA)、相補的DNA(cDNA)、またはプラスミドDNA(pDNA)を指す。ある特定の態様では、ポリヌクレオチドは、従来のホスホジエステル結合または非従来の結合(例えば、ペプチド核酸(PNA)中に見出されるようなアミド結合)を含む。用語「核酸」は、ポリヌクレオチド中に存在する任意の1つ以上の核酸セグメント、例えば、DNA、cDNA、またはRNA断片を指す。核酸またはポリヌクレオチドに適用する場合、用語「単離された」は、その天然環境から取り除かれた核酸分子、DNAまたはRNAを指し、例えば、ベクターに含まれる抗原結合タンパク質をコードする組換えポリヌクレオチドは、本開示の目的のために単離されたと考えられる。単離ポリヌクレオチドのさらなる例としては、異種宿主細胞内で維持されるか、または溶液中の他のポリヌクレオチドから(部分的または実質的に)精製される組換えポリヌクレオチドが含まれる。単離RNA分子は、インビボまたはインビトロで本開示のポリヌクレオチドのRNA転写物を含む。本開示による単離ポリヌクレオチドまたは核酸は、合成産出されたかかる分子をさらに含む。加えて、ポリヌクレオチドまたは核酸は、プロモーター、エンハンサー、リボソーム結合部位、または転写終了シグナルなどの調節因子を含み得る。
【0094】
用語「ベクター」は、宿主細胞に1つ以上の目的の遺伝子または配列を送達し、一部の態様では発現させる能力を有する構築物を意味する。ベクターの例としては、ウイルスベクター、裸のDNAまたはRNA発現ベクター、プラスミド、コスミドまたはファージベクター、カチオン性縮合剤に関連するDNAまたはRNA発現ベクター、リポソームに封入されたDNAまたはRNA発現ベクター、及びある特定の真核細胞、例えば、プロデューサー細胞が挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
用語「宿主細胞」は、組換え核酸を内部に持つかまたは内部に持つことができる細胞または細胞集団を指す。宿主細胞は、原核(例えば、E.coli)、または真核であり得る。宿主細胞は、Saccharomyces cerevisiae、Pichia pastoris、またはSchizosaccharomyces pombeなどの酵母を含む真菌細胞であり得る。宿主細胞はまた、種々の動物細胞、例えば、昆虫細胞(例えば、Sf-9)または哺乳動物細胞(例えば、HEK293F、CHO、COS-7、NIH-3T3、NS0、PER.C6(登録商標)、及びハイブリドーマ)のいずれかである。さらなる態様では、宿主細胞は、CHO-K、CHO-0、CHO-Lec10、CHO-Lec13、CHO-Lec1、CHO Pro5、及びCHO dhfrからなる群から選択されるCHO細胞である。特定の態様では、宿主細胞は、ハイブリドーマである。
【0096】
用語「ポリペプチド」、「ペプチド」、及び「タンパク質」は、本明細書では、任意の長さのアミノ酸のポリマーを指すために交換可能に使用される。ポリマーは、線状または分枝状であってもよく、それは修飾アミノ酸を含んでもよく、かつ非アミノ酸によって分断されていてもよい。用語はまた、天然でまたは介入によって修飾されている;例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、または任意の他の操作または修飾、例えば、標識成分とのコンジュゲーションなど、アミノ酸ポリマーも包含する。また、この定義内には、例えば、アミノ酸の1つ以上の類似体(例えば、非天然アミノ酸などを含む)、並びに当該技術分野において公知の他の修飾を含有するポリペプチドも含まれる。いくつかの態様では、提供されるActRII結合タンパク質は、抗体に基づいているため、ActRII結合タンパク質は、一本鎖または会合鎖として存在し得ることが理解される。
【0097】
「組換え」ポリペプチド、タンパク質、または抗体は、組換えDNA技術によって産生されるポリペプチド、タンパク質、または抗体を指す。宿主細胞で発現する組換え産生ポリペプチド、タンパク質、及び抗体は、任意の好適な技術によって分離され、分画され、または部分的もしくは実質的に精製されている天然または組換えポリペプチドと同様に、本開示の目的のために単離されたと見なされる。
【0098】
また、本開示で含まれるのは、ポリペプチドの断片、変異体、または誘導体、及びそれらの任意の組み合わせである。用語「断片」は、ポリペプチド及びタンパク質を参照する場合、参照ポリペプチドまたはタンパク質の特性の少なくともいくつかを保持する任意のポリペプチドまたはタンパク質を含む。ポリペプチドの断片は、タンパク質分解断片、並びに欠失断片を含む。
【0099】
用語「変異体」は、少なくとも1つのアミノ酸修飾に基づいて親抗体またはポリペプチド配列のものとは異なる抗体またはポリペプチド配列を指す。抗体またはポリペプチドの変異体は、断片、並びにアミノ酸置換、欠失、または挿入による変化したアミノ酸配列を有する抗体またはポリペプチドも含む。変異体は、自然に発生し得るか、または非自然的に生じている場合もある。非自然発生変異体を、当該技術分野で知られている突然変異誘発技術を使用して産生し得る。変異体ポリペプチドは、保存的もしくは非保存的アミノ酸置換、欠失、または付加を含み得る。
【0100】
用語「誘導体」は、抗体またはポリペプチドに適用する場合、天然の抗体またはポリペプチドには見られない追加の特性を示すように変化されている抗体またはポリペプチドを指す。「誘導体」抗体の一例は、第2ポリペプチドまたは別の分子(例えば、PEG、発色団、または蛍光団などのポリマー)または原子(例えば、放射性同位体)との融合体またはコンジュゲートである。
【0101】
用語「アミノ酸置換」は、親配列に存在するアミノ酸残基を別のアミノ酸残基に置き換えることを指す。アミノ酸は、親配列において、例えば、化学的ペプチド合成を介して、または公知の組換え方法を介して置換することができる。従って、「X位での置換」または「X位での置換」と言うときは、X位に存在するアミノ酸を代替的なアミノ酸残基で置換することを指す。いくつかの実施形態では、置換パターンは、スキーマAXYに従って記述することができ、ここで、Aは、天然でX位に存在するアミノ酸に対応する一文字コードであり、Yは、置換するアミノ酸残基である。他の態様では、置換パターンは、スキーマXYに従って記述することができ、ここで、Yは、天然でX位に存在するアミノ酸を置換するアミノ酸残基に対応する一文字コードである。
【0102】
「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が、同様の側鎖を有するアミノ酸残基で置き換えられるものである。同様の側鎖を有するアミノ酸残基ファミリーは、以前に定義されており、塩基性側鎖(例えば、Lys、Arg、His)、酸性側鎖(例えば、Asp、Glu)、非荷電極性側鎖(例えば、Gly、Asp、Gln、Ser、Thr、Tyr、Cys)、非極性側鎖(例えば、Ala、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、Met、Trp)、β分枝側鎖(例えば、Thr、Val、Ile)、及び芳香族側鎖(例えば、Tyr、Phe、Trp、His)が含まれる。従って、ポリペプチドのアミノ酸が同じ側鎖ファミリーの別のアミノ酸に置き換えられる場合、この置換は保存的であると見なされる。別の態様では、一続きのアミノ酸残基を、側鎖ファミリーメンバーの順番及び/または組成が異なる構造的には同様の一続きによって保存的に置き換えることができる。
【0103】
非保存的置換は、(a)電気陽性側鎖を有する残基(例えば、Arg、His、またはLys)が電気陰性残基(例えば、GluまたはAsp)に代えて、またはそれによって置換されているか、(b)親水性残基(例えば、SerまたはThr)が疎水性残基(例えば、Ala、Leu、Ile、Phe、またはVal)に代えて、またはそれによって置換されているか、(c)CysまたはProが任意の他の残基に代えて、またはそれによって置換されているか、または(d)嵩高い疎水性または芳香族側鎖を有する残基(例えば、Val、His、Ile、またはTrp)がより小さい側鎖を有するもの(例えば、AlaまたはSer)または側鎖を有しないもの(例えば、Gly)に代えて、またはそれによって置換されているものを含む。
【0104】
他の置換は、容易に同定することができる。例えば、アミノ酸アラニンについて、置換は、D-Ala、Gly、β-Ala、L-Cys、及びD-Cysのいずれか1つから選ぶことができる。リジンについて、置換は、D-Lys、Arg、D-Arg、homo-Arg、Met、D-Met、オルニチン、またはD-オルニチンのいずれか1つであってもよい。概して、単離されたポリペプチドの特性の変化を引き起こすと予想し得る機能的に重要な領域の置換は、(a)極性残基(例えば、SerまたはThr)が疎水性残基(例えば、Leu、Ile、Phe、またはAla)に代えて(またはそれによって)置換されるか;(b)Cys残基が任意の他の残基に代えて(またはそれによって)置換されるか;(c)電気陽性側鎖を有する残基(例えば、Lys、Arg、またはHis)が電気陰性側鎖を有する残基(例えば、GluまたはAsp)に代えて(またはそれによって)置換されるか;または(d)嵩高い側鎖を有する残基(例えば、Phe)が、かかる側鎖を有しないもの(例えば、Gly)に代えて(またはそれによって)置換されるものである。前述の非保存的置換のうちの1つがタンパク質の機能特性を変化させ得る可能性はまた、タンパク質の機能的に重要な領域に対する置換の位置にも相関する:一部の非保存的置換は、生物学的特性に対する効果をほとんどまたは全く有しない。
【0105】
用語「アミノ酸挿入」は、親配列に存在する2つのアミノ酸残基の間に新規アミノ酸残基を導入することを指す。アミノ酸は、例えば、化学的ペプチド合成を介して、または当該技術分野において公知の組換え方法を介して親配列に挿入することができる。従って、語句「X位とY位との間への挿入」または「Kabat X位とY位との間への挿入」(ここで、X及びYは、アミノ酸位置に対応する)(例えば、239位と240位との間へのシステインアミノ酸残基挿入)は、X位とY位との間へのアミノ酸の挿入を指し、核酸配列における、X位及びY位のアミノ酸をコードするコドン間への、あるアミノ酸をコードするコドンの塩基配列への挿入も指す。
【0106】
2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列間の「パーセント配列同一性」または「パーセント同一性」という用語は、2つの配列の最適アラインメントのため導入しなければならない付加または欠失(すなわちギャップ)を考慮した、比較ウィンドウにわたって配列が共有される同一のマッチ位置の数を指す。マッチ位置は、標的配列と参照配列との両方で同一のヌクレオチドまたはアミノ酸が提供される任意の位置である。ギャップはヌクレオチドまたはアミノ酸ではないため、標的配列に提供されるギャップはカウントしない。同様に、カウントするのは標的配列のヌクレオチドまたはアミノ酸であり、参照配列のヌクレオチドまたはアミノ酸ではないため、参照配列に提供されるギャップもカウントしない。配列同一性のパーセンテージは、両方の配列に同一のアミノ酸残基または核酸塩基が存在する位置の数を決定してマッチ位置の数を求め、そのマッチ位置の数を比較ウィンドウ内の位置の総数で除し、その結果に100を乗じて配列同一性パーセンテージを求めることにより計算される。2つの配列間の配列の比較及びパーセント配列同一性の決定は、容易に利用可能なソフトウェアプログラムを用いて達成することができる。好適なソフトウェアプログラムは、様々な供給元から、タンパク質配列及びヌクレオチド配列の両方のアラインメントについて利用可能である。パーセント配列同一性を決定するための1つの好適なプログラムは、米国政府の国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)のBLASTウェブサイト(blast.ncbi.nlm.nih.gov)から入手可能なBLASTプログラムスイートの一部であるbl2seqである。bl2seqは、BLASTNまたはBLASTPのいずれかのアルゴリズムを使用して2つの配列間の比較を行う。BLASTNは、核酸配列の比較に用いられ、一方、BLASTPは、アミノ酸配列の比較に用いられる。他の好適なプログラムは、例えば、EMBOSSバイオインフォマティクスプログラムスイートの一部であって、かつ、欧州バイオインフォマティクス研究所(European Bioinformatics Institute:EBI)、www.ebi.ac.uk/Tools/psaからも入手可能なニードル(Needle)、ストレッチャー(Stretcher)、ウォーター(Water)、またはマッチャー(Matcher)である。
【0107】
CDRまたはCDRセットを運ぶための構造は、一般には、CDRまたはCDRセットが、再配列免疫グロブリン遺伝子によってコードされる自然発生VH及びVL抗体可変ドメインのCDRまたはCDRセットに対応する場所に位置する抗体重鎖または軽鎖配列またはその実質的な部分であろう。免疫グロブリン可変ドメイン及びそれらのCDRの構造及び場所は、プログラム、及びChothia、Chothia+などの公知の可変ドメイン残基ナンバリングシステムを用いて、当業者によって容易に決定することができ、Kabatは、全体として参照により本明細書に組み込まれるKabat(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest.4th Edition.U.S.DHHS.1987、及びインターネット上で利用可能なツール(例えば、at bioinf.org.uk/abysis/sequence_input/key_annotation/key_annotation.html;及びimmuno.bme.nwu.edu))を参照することで常法で決定することができる。
【0108】
CDRは、フィブロネクチン、シトクロムB、アルブミン(例えば、ALBUdAb(Domantis/GSK)及びALB-Kunitz(Dyax))、3または6アミノ酸の非構造化反復配列(例えば、PASylation(登録商標)技術及びXTEN(登録商標)技術)、及びエラスチン様反復ドメインを含む配列(例えば、全体として参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第61/442,106号を参照されたい)などの他の足場によって運ぶこともできる。
【0109】
本明細書に実質的に記載されるCDRアミノ酸配列は、ヒト可変ドメインまたはその実質的な部分におけるCDRとして運ぶことができる。本明細書に実質的に記載されるHCDR3配列は、本開示の実施形態を表し、これらの各々は、ヒト重鎖可変ドメインまたはその実質的な部分におけるHCDR3として運ぶことができる。
【0110】
本開示で利用される可変ドメインは、任意の生殖系列または再配列ヒト可変ドメインから得ることができ、または公知のヒト可変ドメインのコンセンサス配列に基づく合成可変ドメインであってもよい。CDR配列(例えば、CDR3)は、組換えDNA技術を用いて、CDR(例えば、CDR3)が欠けている可変ドメインのレパートリーに導入することができる。
【0111】
例えば、Marks et al.(全体として参照により本明細書に組み込まれるBio/Technology 10:779-783(1992))は、可変ドメイン領域の5’末端に方向付けられる、またはそれに隣接するコンセンサスプライマーが、CDR3が欠けているVH可変ドメインのレパートリーを提供するために、ヒトVH遺伝子の第3のフレームワーク領域へのコンセンサスプライマーと併せて使用される、抗体可変ドメインのレパートリーを産生する方法を提供する。Marks et al.は、どのようにこのレパートリーが特定の抗体のCDR3と組み合わせられ得るかをさらに説明している。類似の技術を使用して、本開示のCDR3由来配列は、CDR3が欠けているVHまたはVLドメインのレパートリーとシャッフルされてもよく、シャッフルされた完全なVHまたはVLドメインは、抗原結合タンパク質を提供するように、同種VLまたはVHドメインと組み合わせられてもよい。次いで、好適な抗原結合タンパク質が選択され得るように、レパートリーは、国際出願公開第WO92/01047号、またはKay et al.,(1996)Phage Display of Peptides and Proteins:A Laboratory Manual,San Diego:Academic Pressを含む、文献のその後の大部分のいずれかのファージ提示系などの、好適な宿主系で提示することができる。レパートリーは、10個以上の個別のメンバー、例えば、10~10、または1010個のメンバーからなってもよい。他の好適な寄主系には、酵母ディスプレイ、細菌ディスプレイ、T7ディスプレイ、及びリボゾームディスプレイが含まれる。リボソームディスプレイの概説については、これらの各々は全体として参照により本明細書に組み込まれるLowe et al.,Curr.Pharm.Biotech.517-527(2004)及び国際出願公開第WO92/01047号を参照されたい。類似のシャッフリングまたはコンビナトリアル技術もβ-ラクタマーゼ遺伝子に関連する技術について記載しているが、そのアプローチが抗体生成のために使用できることを観察しているStemmer(Nature 370:389-391(1994)(全体として参照により本明細書に組み込まれる))によっても開示されている。
【0112】
ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRIIA抗体及び抗ActRIIB抗体)は、ActRII結合タンパク質が、ActRIIへの参照分子の結合をある程度まで遮断する程度に、ActRII結合タンパク質がActRIIに結合する場合、ActRII(例えば、それぞれ、ActRIIB及び/またはActRIIA)に結合するために、参照分子と「競合する」と言われる。タンパク質が、ActRIIに結合するために競合することで、ActRIIに結合している1つのアンカーを干渉する、遮断する、または「交叉遮断する」能力は、例えば、競合ELISAアッセイ、表面プラズモン共鳴(SPR;BIACORE(登録商標)、Biosensor、Piscataway、N.J.)を含む、当該技術分野において公知の任意の標準競合的結合アッセイ、またはScatchard et al.(Ann.N.Y.Acad.Sci.51:660-672(1949))に記載の方法に従って決定することができる。ActRII結合タンパク質は、ActRIIへの参照分子の結合を、例えば、少なくとも90%、少なくとも80%、少なくとも70%、少なくとも60%、または少なくとも50%競合的に阻害すると言われている。いくつかの態様によれば、ActRII結合タンパク質は、ActRIIAへの参照分子の結合を、例えば、少なくとも90%、少なくとも80%、少なくとも70%、少なくとも60%、または少なくとも50%競合的に阻害する。他の態様によれば、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBへの参照分子の結合を、例えば、少なくとも90%、少なくとも80%、少なくとも70%、少なくとも60%、または少なくとも50%競合的に阻害する。
【0113】
ActRII結合タンパク質
ActRIIに特異的に結合するタンパク質を提供する。
【0114】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、TGF-β受容体ファミリーメンバーではない対照タンパク質に対するActRII結合タンパク質の親和性よりも少なくとも100、500、または1000倍以上である親和性でActRIIに結合する。ある特定の態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIと結合し、かつ、<1μM、<100nM、<10nM、<1nM、<0.1nM、<10pM、<1pM、または<0.1pMの解離定数(K)を有する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、≦1μM~≧0.1pM、≦100μM~≧0.1pM、または≦100μM~≧1pMの範囲内でヒトActRIIに対するKを有する。
【0115】
いくつかの態様では、BIACORE(登録商標)解析は、ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体)が、参照ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体)によってActRIIタンパク質に結合することを競合/遮断する能力を決定するために使用される。BIACORE(登録商標)機器(例えば、BIACORE(登録商標)3000)は、製造業者の推奨に従って操作されるさらなる態様では、ActRII-Fc融合タンパク質は、予め結合された抗niFc IgGによってCM5 BIACORE(登録商標)チップ上で捕捉されて、ActRII被覆表面を生成する。典型的には、ActRII-Fc(ダイマー)の200~800の共鳴ユニットは、チップに結合される(容易に測定可能な結合のレベルを与えるが、使用される試験試薬の濃度によって容易に飽和可能である量)。
【0116】
互いに競合/遮断する能力についてアッセイされるべき2種のActRII結合タンパク質(A及びBと示される)は、試験混合物を作るために適した緩衝液中で結合部位の1:1モル比で混合される。結合部位ベースで濃度を計算する場合、ActRII結合タンパク質の分子量は、ActRII結合タンパク質の総分子量を、そのActRII結合タンパク質上のActRIIA結合部位の数で除算したものであると仮定される。試験混合物中の各ActRII結合タンパク質の濃度(すなわち、A及びB)は、BIACORE(登録商標)チップ上で捕捉されたActRII-Fc分子に対するそのActRII結合タンパク質の結合部位を容易に飽和させるために十分高くなければならない。混合物中のActRII結合タンパク質のA及びBは、(結合ベースで)同じモル濃度において存在し、その濃度は、典型的には、(結合部位ベースで)1.00~1.5マイクロモル濃度の間である。ActRII結合タンパク質Aのみ、及びActRII結合タンパク質Bのみを含む別個の溶液も調製される。これら溶液中のActRII結合タンパク質A及びActRII結合タンパク質Bは、試験混合物と同じ緩衝液中及び同じ濃度で存在しなければならない。試験混合物は、ActRII-Fc被覆BIACORE(登録商標)チップ上を通過させ、結合の総量が記録される。チップは、次いで、チップ結合ActRII-Fcに損傷を与えずに結合したActRII結合タンパク質を除去するような方法において処理される。典型的には、これは、30mM HClで60秒間チップを処理することによって行われる。次いで、ActRII結合タンパク質A単独の溶液を、ActRII-Fc被覆表面の上に通過させ、結合量を記録する。チップを再び処理して、チップに結合したActRII-Fcに損傷を与えることなく、上記結合した抗体を除去する。次いで、ActRII結合タンパク質B単独の溶液を、ActRII-Fc被覆表面の上に通過させ、結合量を記録する。ActRII結合タンパク質A及びActRII結合タンパク質Bの混合物の最大の理論的結合を、次に計算する。これは、ActRII表面の上に単独で通過させた場合には、各ActRII結合タンパク質の結合の合計である。混合物の実際に記録された結合が、この理論的最大値より低い場合、上記2種のActRII結合タンパク質は、互いに競合/遮断している。従って、一般に、ブロッキングActRII結合タンパク質は、アッセイの間に、及びActRII結合タンパク質の存在下で、記録された結合が、組み合わせにおける2種のActRII結合タンパク質の理論的最大結合のうちの80%~0.1%の間(例えば、80%~4%)、具体的には、理論的最大結合のうちの75%~0.1%の間(例えば、75%~4%)、及びより具体的には、理論的最大結合のうちの70%~0.1%の間(例えば、70%~4%)(直前で定義されるとおり)であるように、上記のBIACORE(登録商標)ブロッキングアッセイにおいてActRIIに結合するものである。
【0117】
上記のBIACORE(登録商標)アッセイは、抗ActRII抗体などの2種のActRII結合タンパク質が、互いに競合/遮断して、ActRIIに結合するかどうかを決定するために使用される例示的なアッセイである。稀な場合には、特定のActRII結合タンパク質は、抗Fc IgGを介してCM5 BIACORE(登録商標)チップと結合されたActRII-Fcに結合しなくてもよい(これは、ActRII上の関連する結合部位が、FcへのActRII連結によってマスクされるかもしくは破壊される場合に起こり得る)。このような場合、ブロッキングは、ActRIIのタグ付きバージョン(例えば、C末端Hisタグ付きActRII)を使用して決定され得る。この特定の形式において、抗His抗体は、BIACORE(登録商標)チップに結合され、次いで、Hisタグ付きActRIIは、チップの表面の上に通過させられ、抗His抗体によって捕捉される。交叉ブロッキング解析は、本質的に、各チップ再生サイクル後に、新たなHisタグ付きActRIIが、抗His抗体で被覆された表面に戻って負荷されることを除いて、上記に記載されるとおりに行われる。さらに、当該技術分野において公知である、種々の他のタグ及びタグ結合タンパク質の組み合わせが、このようなブロッキング解析のために使用され得る(例えば、HAタグと抗HA抗体;FLAGタグと抗FLAG抗体;ビオチンタグとストレプトアビジン)。以下は、一般に、ActRII結合タンパク質が、ActRIIへの参照ActRII結合タンパク質の結合を遮断するかまたは遮断することができるかを決定するためのELISAアッセイを記載する。
【0118】
いくつかの態様では、ELISAは、ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体)が、ActRIIタンパク質に結合するために、参照ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体またはActRIIリガンド)と競合する能力を決定するために使用される。かかるアッセイの一般原理は、参照ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体)が、ELISAプレートのウェルに被覆されることである。過剰量の第2の潜在的に遮断する試験ActRII結合タンパク質は、溶液中に添加される(すなわち、ELISAプレートに結合されない)。次いで、制限された量のActRII(あるいは、ActRII-Fc)が、ウェルに添加される。被覆された参照ActRII結合タンパク質及び溶液中の試験ActRII結合タンパク質は、制限された数のActRII(または、ActRII-Fc)分子の結合について競合する。プレートは、被覆された参照ActRII結合タンパク質によって結合されなかったActRIIを除去するため、試験の溶液相のActRII結合タンパク質、及び試験の溶液相のActRII結合タンパク質とActRIIとの間で形成されたいかなる複合体をも除去するために洗浄される。次いで、結合したActRIIの量は、適切なActRII検出試薬を使用して測定される。被覆された参照ActRII結合タンパク質がActRIIに結合することを遮断することができる溶液中の試験ActRII結合タンパク質は、ActRII分子の数の低下を引き起こすことができる。というのは、被覆された参照ActRII結合タンパク質は、被覆された参照ActRII結合タンパク質が第2の溶液相の試験ActRII結合タンパク質の非存在下で結合し得るActRII分子の数に比例して結合し得るからである。アッセイについてのバックグラウンドシグナルは、被覆された参照ActRII結合タンパク質、溶液相の試験ActRII結合タンパク質、ActRII緩衝液のみ(すなわち、ActRIIなし)、及びActRII検出試薬とともにウェル中で得られたシグナルとして定義される。アッセイについての陽性対照シグナルは、被覆された参照ActRII結合タンパク質、溶液相の試験ActRII結合タンパク質緩衝液のみ(すなわち、溶液相の試験ActRII結合タンパク質なし)、ActRII、及びActRII検出試薬とともにウェル中で得られたシグナルとして定義される。ELISAアッセイは、バックグラウンドシグナルの少なくとも3倍の陽性対照シグナルを有するような様式において行われる。方法論的アーティファクトについての対照として、交叉ブロッキングアッセイは、直前で記載される形式において行われ得るか、また、逆にされ得る(試験ActRII結合タンパク質が被覆された抗体として、及び参照ActRII結合タンパク質が溶液相の抗体として)。
【0119】
いくつかの態様では、レポーター遺伝子アッセイは、ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体)がActRII(例えば、ActRIIB)を中和する能力を決定するために使用される。いくつかの態様では、レポーター遺伝子アッセイは、ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体)がActRII(例えば、ActRIIB)活性を中和する能力を決定するために、組換えA204細胞を用いて行われる。このアッセイは、トランスフェクション効率を制御するために、(CAGA)12モチーフを含有するpGL3(CAGA)12プラスミド(例えば、Dennler et al.,EMBO 17:3091-3100(1998)及び米国特許第8,765,385号を参照されたい、これらの各々は、全体として参照により本明細書に組み込まれる)、並びにReniUaレポータープラスミド(pRLCMV)でトランスフェクトしたヒト横紋筋肉腫細胞株に基づいている。CAGA12モチーフは、TGF-β応答遺伝子(PAI-1遺伝子)に存在するため、このベクターは、Smad2及びSmad3を介してシグナル伝達する因子に一般に有用である。このアッセイを用いて候補タンパク質のActRIIB結合活性の測定に関して、A204細胞株は、ActRIIBよりもActRIIAを主に発現するため、ActRIIB中和能力の可能性について抗体を直接試験することはできない。代わりに、このアッセイは、試験ActRIIタンパク質結合候補が、ActRIIB及びActRIIAの両方と高親和性で結合することができるリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF11)によって内因性ActRIIAの活性化における可溶性融合タンパク質ActRIIB-Fcの阻害効果を中和する能力を検出するために設計される。従って、このアッセイでは、ActRIIAのリガンド媒介活性化は、ActRIIB結合が中和されるとActRIIB-Fcの存在に関わらずに生じる。
【0120】
アッセイの最初の日に、A204細胞(ATCC HTB-82)を、48ウェルプレート中で、10細胞/ウェルにおいて分配する。2日目に、10μg pGL3(CAGA)12、1μg pRLCMV、30μl Fugene 6(Roche Diagnostics)、及び970μl OptiMEM(Invitrogen)を含有する溶液を、30分間にわたって予備インキュベートし、次いで、McCoyの増殖培地に添加し、これを、室温において一晩のインキュベーションにわたってプレートした細胞(500μl/ウェル)に適用する。3日目に、培地を除去し、細胞を、6時間にわたって37℃において、後述されるように調製されたリガンドと阻害剤の混合物とともに、インキュベートする。
【0121】
一態様によれば、抗ActRII抗体などのActRII結合タンパク質の中和能力は、試験タンパク質の段階希釈を48ウェルプレートで作製することによって、200μl容量のアッセイ緩衝液(McCoyの培地+0.1%のBSA)中で評価する。候補タンパク質がActRIIB活性を中和する能力を評価するアッセイでは、アッセイ緩衝液中に等しい容量のActRIIB-Fc(200μg/ml)を次いで添加する。試験溶液を37℃で30分間インキュベートした後、400μlのアクチビンA(10ng/ml)を全てのウェルに添加し、350μlのこの混合物をA204細胞の48ウェルプレートの各ウェルに添加する。各濃度の試験タンパク質を重複して試験する。候補タンパク質がActRIIB活性を中和する能力を評価するアッセイでは、ActRIIB-Fcの最終濃度は、50ng/mlである(これは、アクチビンAの最終濃度が5ng/mlである場合のアクチビンAシグナル伝達の阻害剤に対するIC50である)。試験溶液で6時間インキュベーション後、細胞を0.1%のBSAを含有するリン酸緩衝生理食塩水ですすぎ、次いで、受動溶解緩衝液(Promega E1941)で溶解し、-70℃で一晩貯蔵する。4日目及び最終日に、プレートを、室温へと穏やかに撹拌しながら加温する。細胞溶解物を、化学発光プレート(96ウェル)に重複して移し、Dual-Luciferase Reporter Assayシステム(Promega E1980)の試薬でルミノメーターにおいて解析して、正規化したルシフェラーゼ活性を決定する。
【0122】
ActRIIBシグナル伝達に依存する薬物動態パラメーターは、ActRIIBを中和しかつ治療上の利益を提供し得るこれらの結合タンパク質を同定するために、ActRIIBの結合タンパク質のインビボ試験のためのエンドポイントとして測定され得る。ActRIIB中和結合剤は、ビヒクル治療動物と比較して、このような薬物動態パラメーターにおいて統計的に有意な変化を引き起こし得るものとして定義される。このようなインビボ試験は、任意の適切な哺乳動物(例えば、マウス、ラット、またはサル)において行われ得る。
【0123】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、TGF-β受容体ファミリーメンバーではない対照タンパク質に対するActRII結合タンパク質の親和性よりも少なくとも100、500、または1000倍以上である親和性でActRIIAに結合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、TGF-β受容体ファミリーメンバーではない対照タンパク質に対するActRII結合タンパク質の親和性よりも少なくとも100、500、または1000倍以上である親和性でActRIIAに結合する。ある特定の態様では、ActRIIA結合タンパク質は、ActRIIAと結合し、かつ、<1μM、<100nM、<10nM、<1nM、<0.1nM、<10pM、<1pM、または<0.1pMの解離定数(K)を有する。いくつかの態様では、ActRIIA結合タンパク質は、≦1μM~≧0.1pM、≦100μM~≧0.1pM、または≦100μM~≧1pMの範囲内でヒトActRIIAに対するKを有する。
【0124】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、TGF-βファミリーメンバーではない対照タンパク質に対するActRII結合タンパク質の親和性よりも少なくとも100、500、または1000倍以上である親和性でActRIIBに結合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、TGF-β受容体ファミリーメンバーではない対照タンパク質に対するActRII結合タンパク質の親和性よりも少なくとも100、500、または1000倍以上である親和性でActRIIBに結合する。ある特定の態様では、ActRIIB結合タンパク質は、ActRIIBと結合し、かつ、<1μM、<100nM、<10nM、<1nM、<0.1nM、<10pM、<1pM、または<0.1pMの解離定数(K)を有する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、≦1μM~≧0.1pM、≦100μM~≧0.1pM、または≦100μM~≧1pMの範囲内でヒトActRIIBに対するKを有する。
【0125】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、TGF-βファミリーメンバーではない対照タンパク質に対するActRII結合タンパク質の親和性よりも少なくとも100、500、または1000倍以上である親和性でActRIIB及びActRIIAに結合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、TGF-β受容体ファミリーメンバーではない対照タンパク質に対するActRII結合タンパク質の親和性よりも少なくとも100、500、または1000倍以上である親和性でActRIIB及びActRIIAに結合する。ある特定の態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し、かつ、<1μM、<100nM、<10nM、<1nM、<0.1nM、<10pM、<1pM、または<0.1pMの解離定数(K)を有する。いくつかの態様では、ActRIIA及びActRIIB結合タンパク質は、≦1μM~≧0.1pM、≦100μM~≧0.1pM、または≦100μM~≧1pMの範囲内でヒトActRIIB及びActRIIAに対するKを有する。
【0126】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIに特異的に結合する抗体である。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、完全長抗ActRIIA抗体または完全長抗ActRIIB抗体である。さらなる態様では、抗体は、モノクローナル抗体、組換え抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、二重特異性抗体、多重特異性抗体、またはActRII結合抗体その断片である。さらなる態様では、抗体は、ActRIIB及び/またはActRIIAに特異的に結合する。
【0127】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体及びActRII結合抗体断片)は、生物種間のActRII分子に結合することができる。
【0128】
ヒトActRIIA(配列番号138)の成熟ActRIIA細胞外ドメインは、2つの保存されたアミノ酸置換(すなわち、K19R及びV72I)だけがマウスActRIIAオルソログ(Ref.P27038)のものと異なる。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ヒトActRIIA(hActRIIA)及びマウスActRIIA(murActRIIA)に結合することができる。ある特定の態様では、ActRII結合タンパク質は、BIACORE(登録商標)またはKINEXA(登録商標)によって決定される10-8M未満、10-9M未満、または10-10M未満の解離定数またはKでActRIIA(例えば、hActRIIAまたはmurActRIIA)に特異的に結合することができる抗ActRIIA抗体(例えば、完全長ActRIIA抗体、及びそれらのActRIIA結合抗体断片、及び変異体並びに誘導体)である。さらなる態様では、抗ActRIIA抗体は、<1nMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)ActRIIAに結合する。さらなる態様では、抗ActRIIA抗体は、1nMの一桁内または1nMの二桁内のKでActRIIAに結合する。いくつかの態様では、ActRIIA結合タンパク質は、≦1μM~≧0.1pM,≦100μM~≧0.1pM、または≦100μM~≧1pMの範囲内でヒトActRIIAに対するKを有する。
【0129】
ヒトActRIIB(配列番号139)の成熟細胞外ドメインは、1つのアミノ酸置換(すなわち、A95P)だけがマウスActRIIBオルソログ(NCBI参照配列NP031423)の対応する配列と異なる。ある特定の態様では、ActRII結合タンパク質は、BIACORE(登録商標)またはKINEXA(登録商標)によって決定される10-8M未満、10-9M未満、または10-10M未満の解離定数またはKでActRIIB(例えば、hActRIIB及びmurActRIIB)に特異的に結合する抗ActRIIB抗体(例えば、完全長ActRIIB抗体、及びそれらのActRIIB結合抗体断片、及び変異体並びに誘導体)である。さらなる態様では、抗ActRIIB抗体は、BIACORE(登録商標)またはKINEXA(登録商標)解析によって決定される<1nMのKでActRIIBに結合する。さらなる態様では、抗ActRIIB抗体は、1nMの一桁内または1nMの二桁内のKでActRIIBに結合する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、≦1μM~≧0.1pM,≦100μM~≧0.1pM、または≦1nM~≧1pMの範囲内でヒトActRIIBに対するKを有する。
【0130】
いくつかの態様では、抗ActRII抗体は、ActRII結合抗体断片である。いくつかの態様では、ActRII結合抗体断片は、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv断片、ダイアボディ、または一本鎖抗体分子である。さらなる態様では、ActRII抗体は、Fd、一本鎖Fv(scFv)、ジスルフィド結合Fv、V-NARドメイン、IgNar、細胞内抗体(intrabody)、IgGΔCH2、ミニボディ、F(ab’)、四重特異性抗体、三重特異性抗体、二重特異性抗体、単一ドメイン抗体、DVD-Ig、Fcab、mAb、(scFv)、scFv-Fc、またはbis-scFvを含む。
【0131】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、VH及びVLを含む抗体である。いくつかの態様では、抗ActRII抗体は、重鎖定常領域またはその断片をさらに含む。いくつかの態様では、抗体は、(a)ヒトIgA定常領域またはその断片;(b)ヒトIgD定常領域またはその断片;(c)ヒトIgE定常ドメインまたはその断片;(d)ヒトIgG1定常領域またはその断片;(e)ヒトIgG2定常領域またはその断片;(f)ヒトIgG3定常領域またはその断片;(g)ヒトIgG4定常領域またはその断片;及び(h)ヒトIgM定常領域またはその断片からなる群から選択される重鎖免疫グロブリン定常領域を含む。ある特定の態様では、ActRII結合タンパク質は、重鎖定常領域またはその断片、例えば、ヒトIgG定常領域またはその断片を含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、エフェクター機能及び/または半減期が変化しているかまたは変化するように突然変異している重鎖免疫グロブリン定常ドメインを含む。
【0132】
特定の態様では、ActRII結合タンパク質は、エフェクター機能を減少させる突然変異を含有するIgG1重鎖定常領域を含む抗体である(例えば、Idusogie et al.,J.Immunol.166:2571-2575(2001);Sazinsky et al.,PNAS USA 105:20167-20172(2008);Davis et al.,J.Rheumatol.34:2204-2210(2007);Bolt et al.,Eur.J.Immunol.23:403-411(1993);Alegre et al.,Transplantation 57:1537-1543(1994);Xu et al.,Cell Immunol。200:16-26(2000);Cole et al.,Transplantation 68:563-571(1999);Hutchins et al.,PNAS USA 92:11980-11984(1995);Reddy et al.,J.Immunol.164:1925-1933(2000);WO97/11971、及びWO07/106585;米国出願公開第2007/0148167A1号;McEarchern et al.,Blood 109:1185-1192(2007);Strohl,Curr.Op.Biotechnol.20:685-691(2009);及びKumagai et al.,J.Clin.Pharmacol.47:1489-1497(2007)(これらの各々は、全体として参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。
【0133】
いくつかの態様では、重鎖定常領域またはその断片は、野生型IgG定常ドメインと比べて1つ以上のアミノ酸置換を含み、修飾IgGは、野生型IgG定常ドメインを有するIgGの半減期と比較してADCCが減少している。ADCCを減少させる提供される抗体に含まれるFc配列エンジニアリング修飾の例としては、IgG1-K326W、E333S;IgG2-E333S;IgG1-N297A;IgG1-L234A、L235A;IgG2-V234A、G237A;IgG4-L235A、G237A、E318A;IgG4-S228P、L236E;IgG2-EU配列118-260;IgG4-EU配列261-447;IgG2-H268Q、V309L、A330S、A331S;IgG1-C220S、C226S、C229S、P238S;IgG1-C226S、C229S、E233P、L234V、L235A;及びIgG1-L234F、L235E、P331Sに対応する1つ以上の修飾が挙げられ、位置の付番は、Kabatと同様にEUインデックスに従う。
【0134】
ある特定の態様では、ActRII結合タンパク質は、CDC活性が減少しているかまたは減少するように突然変異している重鎖免疫グロブリン定常ドメインを含む。特定の態様では、ActRII結合タンパク質は、CDC活性を減少させる突然変異を含有するIgG1重鎖定常領域を含む抗体である(例えば、WO97/11971及びWO07/106585;米国出願公開第2007/0148167A1号;McEarchern et al.,Blood 109:1185-1192(2007);Hayden-Ledbetter et al.,Clin.Cancer 15:2739-2746(2009);Lazar et al.,PNAS USA 103:4005-4010(2006);Bruckheimer et al.,Neoplasia 11:509-517(2009);Strohl,Curr.Op.Biotechnol.20:685-691(2009);及びSazinsky et al.,PNAS USA 105:20167-20172(2008)(これらの各々は、全体として参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。CDCを減少させる抗ActRII抗体に含まれるFc配列エンジニアリング修飾の例としては、IgG1-S239D、A330L、I332E;IgG2 EU配列118-260;IgG4-EU配列261-447;IgG2-H268Q、V309L、A330S、A331S;IgG1-C226S、C229S、E233P、L234V、L235A;IgG1-L234F、L235E、P331S;及びIgG1-C226S、P230Sに対応する1つ以上の修飾が挙げられる。
【0135】
さらなる態様では、重鎖定常領域またはその断片は、野生型IgG定常ドメインと比べて1つ以上のアミノ酸置換を含み、修飾IgGは、野生型IgG定常ドメインを有するIgGの半減期と比較して増加した半減期を有する。例えば、IgG定常ドメインは、251~257位、285~290位、308~314位、385~389位、及び428~436位(アミノ酸位の付番は、Kabatに記載されるとおりのEUインデックスに従う)にアミノ酸残基の1つ以上のアミノ酸置換を含むことができる。ある特定の態様では、IgG定常ドメインは、Tyr、Phe、Trp、またはThrによるKabat252位のアミノ酸の置換;ThrによるKabat254位のアミノ酸の置換;Ser、Arg、Gln、Glu、Asp、またはThrによるKabat256位のアミノ酸の置換;LeuによるKabat257位のアミノ酸の置換;ProによるKabat309位のアミノ酸の置換;SerによるKabat311位のアミノ酸の置換;Thr、Leu、Phe、またはSerによるKabat428位のアミノ酸の置換;Arg、Ser、Iso、Pro、またはGlnによるKabat433位のアミノ酸の置換;またはTrp、Met、Ser、His、Phe、またはTyrによるKabat434位のアミノ酸の置換のうちの1つ以上を含み得る。より具体的には、IgG定常ドメインは、TyrによるKabat252位のアミノ酸の置換、ThrによるKabat254位のアミノ酸の置換、及びGluによるKabat256位のアミノ酸の置換を含む、野生型ヒトIgG定常ドメインと比べてアミノ酸置換を含有し得る。
【0136】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、軽鎖免疫グロブリン定常領域を含む抗体である。さらなる態様では、抗体は、ヒトIgカッパ定常領域またはヒトIgラムダ定常領域を含む。
【0137】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、CDRセット:VH-CDR1、VH-CDR2、VH-CDR3、VL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含み、CDRは、表1に開示されるVH及びVL対に存在する。さらなる実施形態では、ActRII結合タンパク質は、CDRセットを含み、CDRは、(a)配列番号2、16、22、28、34、または40のVH配列、及び配列番号9のVL配列、タンパク質は、ActRIIBと結合し、(b)配列番号63または77のVH配列、及び配列番号70のアミノ酸配列を有するVL、タンパク質は、ActRIIBと結合し;(c)配列番号45または57のVH配列、及び配列番号50のVL配列、タンパク質は、ActRIIBと結合し;(d)配列番号84、98、105、112、または119のVH配列、及び配列番号91のVL配列、タンパク質は、ActRIIAと結合し、及び(e)配列番号125のVH配列、及び配列番号132のVL配列、タンパク質は、ActRIIAに結合する、からなる群から選択されるVH及びVL対に存在する。
【0138】
さらなる実施形態では、ActRII結合タンパク質は、CDRセットを含み、CDRは、(a)配列番号144のVH配列、及び配列番号151のVL配列を有するVH及びVL対に存在し、タンパク質は、ActRIIBに結合する。
【0139】
さらなる実施形態では、ActRII結合タンパク質は、CDRセットを含み、CDRは、(a)配列番号165のVH配列、及び配列番号172のVL配列を有するVH及びVL対に存在し、タンパク質は、ActIIRA及びActRIIBに結合する。
【0140】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、CDRセット:(a)VH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3、または(b)VL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含み、CDRセットは、本明細書に開示されるCDRの参照セットと同一であるかまたはCDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10未満のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、CDRセットを含み、CDRセットは、表1に開示されるVHまたはVL配列中のCDRの参照セットと同一であるかまたはCDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10未満のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する。
【0141】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、CDRセット:VH-CDR1、VH-CDR2、VH-CDR3、VL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含み、CDRセットは、本明細書に開示されるCDRの参照セットと同一であるかまたはCDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10未満のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、CDRセットを含み、CDRセットは、表1に開示されるVHまたはVL配列中のCDRの参照セットと同一であるかまたはCDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10未満のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する。
【0142】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIと特異的に結合し、CDRセット:VH-CDR1、VH-CDR2、VH-CDR3、VL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含み、CDRセットは、CDRの参照セットと同一であるかまたはCDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10未満のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する。CDRの参照セットは、(a)(i)VH-CDR1が、配列番号3、17、23、29、35、または41のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号4、18、24、30、または36のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(b)(i)VH-CDR1が、配列番号64または78のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号65または79のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号66または80のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1は、配列番号71のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号72のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号73のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(c)(i)VH-CDR1が、配列番号3または58のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号4または59のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号46のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号51のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号52のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号53のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(d)(i)VH-CDR1が、配列番号85、99、106、または113のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号86、100、107、114、または120のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号87、101、108、115、または121のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;または(e)(i)VH-CDR1が、配列番号126のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号127のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号128のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号133のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号134のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号135のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIAに結合する。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIリガンドの存在下で、ActRII及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIに結合する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0143】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIと特異的に結合し、CDRセット:VH-CDR1、VH-CDR2、VH-CDR3、VL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含み、CDRセットは、CDRの参照セットと同一であるかまたはCDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10未満のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する。CDRの参照セットは、(i)VH-CDR1が、配列番号145のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号146のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号147のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号152のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号153のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号154のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBに結合する。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIリガンドの存在下で、ActRII及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIに結合する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0144】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIと特異的に結合し、CDRセット:VH-CDR1、VH-CDR2、VH-CDR3、VL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含み、CDRセットは、CDRの参照セットと同一であるかまたはCDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10未満のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する。CDRの参照セットは、(i)VH-CDR1が、配列番号166のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号167のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号168のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号173のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号174のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号175のアミノ酸配列を有し;タンパク質は、ActIIRA及びActRIIBに結合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIリガンドの存在下で、ActRII及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIに結合する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0145】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIと特異的に結合し、CDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するCDRセットを含む。CDRセットは、(a)(i)VH-CDR1が、配列番号3のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号4のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(b)(i)VH-CDR1が、配列番号17のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号18のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(c)(i)VH-CDR1が、配列番号23のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号24のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(d)(i)VH-CDR1が、配列番号29のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号30のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(e)(i)VH-CDR1が、配列番号35のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号36のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(f)(i)VH-CDR1が、配列番号41のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号18のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(g)(i)VH-CDR1が、配列番号64のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号65のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号66のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号71のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号72のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号73のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;及び(h)(i)VH-CDR1が、配列番号78のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号79のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号80のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号71のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号72のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号73のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(i)(i)VH-CDR1が、配列番号3のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号4のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号46のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号51のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号52のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号53のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(j)(i)VH-CDR1が、配列番号58のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号59のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号46のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号51のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号52のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号53のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(k)(i)VH-CDR1が、配列番号85のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号86のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号87のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(l)(i)VH-CDR1が、配列番号99のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号100のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号101のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(m)(i)VH-CDR1が、配列番号106のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号107のアミノ酸配列を有し、(iii)VH-CDR3が、配列番号108のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(n)(i)VH-CDR1が、配列番号113のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号114のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号115のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(o)(i)VH-CDR1が、配列番号113のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号120のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号121のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;または(p)(i)VH-CDR1が、配列番号126のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号127のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号128のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号133のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号134のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号135のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIAに結合する。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIリガンドの存在下で、ActRII及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIに結合する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0146】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、CDRセット:VH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3を含み、CDRセットは、CDRの参照セットと同一であるかまたはCDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10未満のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する。CDRの参照セットは、(a)(i)VH-CDR1が、配列番号3、17、23、29、35、または41のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号4、18、24、30、または36のアミノ酸配列を有し;及び(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;(b)(i)VH-CDR1が、配列番号3または58のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号4または59のアミノ酸配列を有し;及び(iii)VH-CDR3が、配列番号46のアミノ酸配列を有し;または(c)(i)VH-CDR1が、配列番号64または78のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号65または79のアミノ酸配列を有し;及び(iii)VH-CDR3が、配列番号66または80のアミノ酸配列を有する。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIBに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIBリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIBを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIBリガンドの存在下で、ActRIIB及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIBに結合する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0147】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、CDRセット:VH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3を含み、CDRセットは、CDRの参照セットと同一であるかまたはCDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10未満のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する。CDRの参照セットは、(a)(i)VH-CDR1が、配列番号3のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号4のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(b)(i)VH-CDR1が、配列番号17のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号18のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(c)(i)VH-CDR1が、配列番号23のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号24のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(d)(i)VH-CDR1が、配列番号29のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号30のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(e)(i)VH-CDR1が、配列番号35のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号36のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(f)(i)VH-CDR1が、配列番号41のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号18のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(g)(i)VH-CDR1が、配列番号64のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号65のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号66のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(h)(i)VH-CDR1が、配列番号78のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号79のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号80のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(i)(i)VH-CDR1が、配列番号3のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号4のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号46のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;または(j)(i)VH-CDR1が、配列番号58のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号59のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号46のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBに結合する。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIBに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIBリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIBを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIBリガンドの存在下で、ActRIIB及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIBに結合する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0148】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、CDRセット:VL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含み、CDRセットは、CDRの参照セットと同一であるかまたはCDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10未満のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する。CDRの参照セットは、(a)(i)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;(ii)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び(iii)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(b)(i)VL-CDR1が、配列番号71のアミノ酸配列を有し;(ii)VL-CDR2が、配列番号72のアミノ酸配列を有し;及び(iii)VL-CDR3が、配列番号73のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;または(c)(i)VL-CDR1が、配列番号51のアミノ酸配列を有し;(ii)VL-CDR2が、配列番号52のアミノ酸配列を有し;及び(iii)VL-CDR3が、配列番号53のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBに結合する。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIBに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIBリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIBを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIBリガンドの存在下で、ActRIIB及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIBに結合する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0149】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、CDRセット:VH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3を含み、CDRセットは、CDRの参照セットと同一であるかまたはCDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10未満のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する。CDRの参照セットは、VH-CDR1が、配列番号85、99、106、または113のアミノ酸配列を有し;VH-CDR2が、配列番号86、100、107、114、または120のアミノ酸配列を有し;及びVH-CDR3が、配列番号87、101、108、115、または121のアミノ酸配列を有する。さらなる態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIB及び/またはActRIIAに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIAを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンドの存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIA及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIB及び/またはActRIIAに結合する。いくつかの態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0150】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、CDRセット:VH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3を含み、CDRセットは、CDRの参照セットと同一であるかまたはCDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10未満のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する。CDRの参照セットは、(a)(i)VH-CDR1が、配列番号85のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号86のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号87のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(b)(i)VH-CDR1が、配列番号99のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号100のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号101のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(c)(i)VH-CDR1が、配列番号106のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号107のアミノ酸配列を有し、(iii)VH-CDR3が、配列番号108のアミノ酸配列を有し;タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(d)(i)VH-CDR1が、配列番号113のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号114のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号115のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;または(e)(i)VH-CDR1が、配列番号113のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号120のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号121のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAに結合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIB及び/またはActRIIAに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIAを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンドの存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIA及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIB及び/またはActRIIAに結合する。いくつかの態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0151】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、CDRセット:VL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含み、CDRセットは、CDRの参照セットと同一であるかまたはCDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10未満のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する。CDRの参照セットは、VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;(ii)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び(iii)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAに結合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIB及び/またはActRIIAに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIAを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンドの存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIA及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIB及び/またはActRIIAに結合する。いくつかの態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0152】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIAと特異的に結合し、CDRセット:VH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3を含み、CDRセットは、CDRの参照セットと同一であるかまたはCDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10未満のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する。CDRの参照セットは、VH-CDR1が、配列番号126のアミノ酸配列を有し;VH-CDR2が、配列番号127のアミノ酸配列を有し;VH-CDR3が、配列番号128のアミノ酸配列を有する。さらなる態様では、ActRIIA結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、またはNodal)と競合する;(b)ActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA)の存在下で、ActRIIAを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIAリガンドの存在下で、ActRIIA及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIAに結合する。いくつかの態様では、ActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0153】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIAと特異的に結合し、CDRセット:VL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含み、CDRセットは、CDRの参照セットと同一であるかまたはCDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10未満のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する。CDRの参照セットは、VL-CDR1が、配列番号133のアミノ酸配列を有し;VL-CDR2が、配列番号134のアミノ酸配列を有し;VL-CDR3が、配列番号135のアミノ酸配列を有する。さらなる態様では、ActRIIA結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、またはNodal)と競合する;(b)ActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA)の存在下で、ActRIIAを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIAリガンドの存在下で、ActRIIA及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIAに結合する。いくつかの態様では、ActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0154】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、CDRセット:VH-CDR1、VH-CDR2、VH-CDR3、VL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含み、CDRセットは、CDRの参照セットと同一であるかまたはCDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10未満のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する。CDRの参照セットは、(a)(i)VH-CDR1が、配列番号3、17、23、29、35、または41のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号4、18、24、30、または36のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;または(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;(b)(i)VH-CDR1が、配列番号3または58のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号4または59のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号46のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号51のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号52のアミノ酸配列を有し;または(vi)VL-CDR3が、配列番号53のアミノ酸配列を有し;または(c)(i)VH-CDR1が、配列番号64または78のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号65または79のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号66または80のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号71のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号72のアミノ酸配列を有し;または(vi)VL-CDR3が、配列番号73のアミノ酸配列を有する。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、VH及びVLを含む。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIBに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIBリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIBを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIBリガンドの存在下で、ActRIIB及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIBに結合する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0155】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、CDRセット:VH-CDR1、VH-CDR2、VH-CDR3、VL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含み、CDRセットは、(a)(i)VH-CDR1が、配列番号3、17、23、29、35、または41のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号4、18、24、30、または36のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;または(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;(b)(i)VH-CDR1が、配列番号3または58のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号4または59のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号46のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号51のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号52のアミノ酸配列を有し;または(vi)VL-CDR3が、配列番号53のアミノ酸配列を有し;または(c)(i)VH-CDR1が、配列番号64または78のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号65または79のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号66または80のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号71のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号72のアミノ酸配列を有し;または(vi)VL-CDR3が、配列番号73のアミノ酸配列を有する。さらなる態様では、ActRIIB-結合タンパク質は、VH及びVLを含む。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIBに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIBリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIBを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIBリガンドの存在下で、ActRIIB及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIBに結合する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0156】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、CDRセット:VH-CDR1、VH-CDR2、VH-CDR3、VL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含み、CDRセットは、CDRの参照セットと同一であるかまたはCDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10未満のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する。CDRの参照セットは、(a)VH-CDR1が、配列番号85、99、106、または113のアミノ酸配列を有し;(b)VH-CDR2が、配列番号86、100、107、114、または120のアミノ酸配列を有し;(c)VH-CDR3が、配列番号87、101、108、115、または121のアミノ酸配列を有し;(d)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;(e)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;または(f)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIB及び/またはActRIIAに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIAを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンドの存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIA及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIB及び/またはActRIIAに結合する。いくつかの態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0157】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、CDRセット:VH-CDR1、VH-CDR2、VH-CDR3、VL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含み、CDRセットは、(a)VH-CDR1が、配列番号85、99、106、または113のアミノ酸配列を有し;(b)VH-CDR2が、配列番号86、100、107、114、または120のアミノ酸配列を有し;(c)VH-CDR3が、配列番号87、101、108、115、または121のアミノ酸配列を有し;(d)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;(e)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;または(f)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIB及び/またはActRIIAに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIAを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンドの存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIA及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIB及び/またはActRIIAに結合する。いくつかの態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0158】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIAと特異的に結合し、CDRセット:VH-CDR1、VH-CDR2、VH-CDR3、VL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含み、CDRセットは、CDRの参照セットと同一であるかまたはCDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10未満のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する。CDRの参照セットは、(a)VH-CDR1が、配列番号126のアミノ酸配列を有し;(b)VH-CDR2が、配列番号127のアミノ酸配列を有し;(c)VH-CDR3が、配列番号128のアミノ酸配列を有し;(d)VL-CDR1が、配列番号133のアミノ酸配列を有し;(e)VL-CDR2が、配列番号134のアミノ酸配列を有し;または(f)VL-CDR3が、配列番号135のアミノ酸配列を有する。さらなる態様では、ActRIIA結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、またはNodal)と競合する;(b)ActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA)の存在下で、ActRIIAを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIAリガンドの存在下で、ActRIIA及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIAに結合する。いくつかの態様では、ActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0159】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIAと特異的に結合し、CDRセット:VH-CDR1、VH-CDR2、VH-CDR3、VL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含み、CDRセットは、(a)VH-CDR1が、配列番号126のアミノ酸配列を有し;(b)VH-CDR2は、配列番号127のアミノ酸配列を有し;(c)VH-CDR3が、配列番号128のアミノ酸配列を有し;(d)VL-CDR1が、配列番号133のアミノ酸配列を有し;(e)VL-CDR2が、配列番号134のアミノ酸配列を有し;または(f)VL-CDR3が、配列番号135のアミノ酸配列を有する。さらなる態様では、ActRIIA結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、またはNodal)と競合する;(b)ActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA)の存在下で、ActRIIAを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIAリガンドの存在下で、ActRIIA及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIAに結合する。いくつかの態様では、ActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0160】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIと特異的に結合し、CDRセットを含み、CDRセットは、(a)(i)VH-CDR1が、配列番号3、17、23、29、35、または41のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号4、18、24、30、または36のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(b)(i)VH-CDR1が、配列番号64または78のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号65または79のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号66または80のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号71のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号72のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号73のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(c)(i)VH-CDR1が、配列番号3または58のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号4または59のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号46のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号51のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号52のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号53のアミノ酸配列;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(d)(i)VH-CDR1が、配列番号85、99、106、または113のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号86、100、107、114、または120のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号87、101、108、115、または121のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;または(e)(i)VH-CDR1が、配列番号126のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号127のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号128のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号133のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号134のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号135のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIAに結合する。
【0161】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、CDRセットを含み、CDRセットは、(a)(i)VH-CDR1が、配列番号3のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号4のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(b)(i)VH-CDR1が、配列番号17のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号18のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(c)(i)VH-CDR1が、配列番号23のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号24のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(d)(i)VH-CDR1が、配列番号29のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号30のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(e)(i)VH-CDR1が、配列番号35のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号36のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(f)(i)VH-CDR1が、配列番号41のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号18のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(g)(i)VH-CDR1が、配列番号64のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号65のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号66のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号71のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号72のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号73のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;及び(h)(i)VH-CDR1が、配列番号78のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号79のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号80のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号71のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号72のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号73のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(i)(i)VH-CDR1が、配列番号3のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号4のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号46のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号51のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号52のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号53のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(j)(i)VH-CDR1が、配列番号58のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号59のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号46のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号51のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号52のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号53のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIBと結合し;(k)(i)VH-CDR1が、配列番号85のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号86のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号87のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(l)(i)VH-CDR1が、配列番号99のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号100のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号101のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3は、配列番号94のアミノ酸配列を有し;タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(m)(i)VH-CDR1が、配列番号106のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号107のアミノ酸配列を有し、(iii)VH-CDR3が、配列番号108のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(n)(i)VH-CDR1が、配列番号113のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号114のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号115のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2は、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;または(o)(i)VH-CDR1が、配列番号113のアミノ酸配列を有し;(ii)VH-CDR2が、配列番号120のアミノ酸配列を有し;(iii)VH-CDR3が、配列番号121のアミノ酸配列を有し;(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAに結合する。
【0162】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、本明細書に開示されるVH-CDR3またはVL-CDR3配列を含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、表1に開示されるVH-CDR3またはVL-CDR3配列を含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、本明細書に開示されるVH-CDR3及びVL-CDR3配列を含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、表1に開示されるVH-CDR3及びVL-CDR3配列を含む。
【0163】
さらなる態様では、本開示は、配列番号5、46、66、または80のアミノ酸配列を有するVH-CDR3を含むActRIIB結合タンパク質を提供する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号5のアミノ酸配列を有するVH-CDR3を含む。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号5のアミノ酸配列を有するVH-CDR3、及び配列番号4、18、24、30、または36のアミノ酸配列を有するVH-CDR2を含む。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号5のアミノ酸配列を有するVH-CDR3、配列番号4、18、24、30、または36のアミノ酸配列を有するVH-CDR2、及び配列番号3、17、23、29、35、または41のアミノ酸配列を有するVH-CDR1を含む。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号46のアミノ酸配列を有するVH-CDR3を含む。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号46のアミノ酸配列を有するVH-CDR3、及び配列番号4または59のアミノ酸配列を有するVH-CDR2を含む。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号46のアミノ酸配列を有するVH-CDR3、配列番号4または59のアミノ酸配列を有するVH-CDR2、及び配列番号3または58のアミノ酸配列を有するVH-CDR1を含む。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号66のアミノ酸配列を有するVH-CDR3を含む。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号66のアミノ酸配列を有するVH-CDR3、及び配列番号65のアミノ酸配列を有するVH-CDR2を含む。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号66のアミノ酸配列を有するVH-CDR3、配列番号65のアミノ酸配列を有するVH-CDR2、及び配列番号64のアミノ酸配列を有するVH-CDR1を含む。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号80のアミノ酸配列を有するVH-CDR3を含む。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号80のアミノ酸配列を有するVH-CDR3、及び配列番号79のアミノ酸配列を有するVH-CDR2を含む。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号80のアミノ酸配列を有するVH-CDR3、配列番号79のアミノ酸配列を有するVH-CDR2、及び配列番号78のアミノ酸配列を有するVH-CDR1を含む。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIBに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIBリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIBを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIBリガンドの存在下で、ActRIIB及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIBに結合する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0164】
さらなる態様では、本開示は、配列番号12、53、または73のアミノ酸配列を有するVL-CDR3を含むActRIIB結合タンパク質を提供する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号12のアミノ酸配列を有するVL-CDR3を含む。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号12のアミノ酸配列を有するVL-CDR3、及び配列番号11のアミノ酸配列を有するVL-CDR2を含む。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号12のアミノ酸配列を有するVL-CDR3、配列番号11のアミノ酸配列を有するVL-CDR2、及び配列番号10のアミノ酸配列を有するVL-CDR1を含む。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号53のアミノ酸配列を有するVL-CDR3を含む。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号53のアミノ酸配列を有するVL-CDR3、及び配列番号52のアミノ酸配列を有するVL-CDR2を含む。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号53のアミノ酸配列を有するVL-CDR3、配列番号52のアミノ酸配列を有するVL-CDR2、及び配列番号51のアミノ酸配列を有するVL-CDR1を含む。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号73のアミノ酸配列を有するVL-CDR3を含む。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号73のアミノ酸配列を有するVL-CDR3、及び配列番号72のアミノ酸配列を有するVL-CDR2を含む。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号73のアミノ酸配列を有するVL-CDR3、配列番号72のアミノ酸配列を有するVL-CDR2、及び配列番号71のアミノ酸配列を有するVL-CDR1を含む。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIBに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIBリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIBを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIBリガンドの存在下で、ActRIIB及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIBに結合する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0165】
さらなる態様では、本開示は、配列番号87、101、108、115、または121のアミノ酸配列を有するVH-CDR3を含むActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質を提供する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号87、101、108、115、または121のアミノ酸配列を有するVH-CDR3、及び配列番号86、100、107、114、または120のアミノ酸配列を有するVH-CDR2を含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号87、101、108、115、または121のアミノ酸配列を有するVH-CDR3、配列番号86、100、107、114、または120のアミノ酸配列を有するVH-CDR2、及び配列番号85、99、106または113のアミノ酸配列を有するVH-CDR1を含む。いくつかの態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、配列番号87のアミノ酸配列を有するVH-CDR3を含む。さらなる態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、配列番号87のアミノ酸配列を有するVH-CDR3、及び配列番号86のアミノ酸配列を有するVH-CDR2を含む。さらなる態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、配列番号87のアミノ酸配列を有するVH-CDR3、配列番号86のアミノ酸配列を有するVH-CDR2、及び配列番号85のアミノ酸配列を有するVH-CDR1を含む。いくつかの態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、配列番号101のアミノ酸配列を有するVH-CDR3を含む。さらなる態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、配列番号101のアミノ酸配列を有するVH-CDR3、及び配列番号100のアミノ酸配列を有するVH-CDR2を含む。さらなる態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、配列番号101のアミノ酸配列を有するVH-CDR3、配列番号100のアミノ酸配列を有するVH-CDR2、及び配列番号99のアミノ酸配列を有するVH-CDR1を含む。いくつかの態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、配列番号108のアミノ酸配列を有するVH-CDR3を含む。さらなる態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、配列番号108のアミノ酸配列を有するVH-CDR3、及び配列番号107のアミノ酸配列を有するVH-CDR2を含む。さらなる態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、配列番号108のアミノ酸配列を有するVH-CDR3、配列番号107のアミノ酸配列を有するVH-CDR2、及び配列番号106のアミノ酸配列を有するVH-CDR1を含む。いくつかの態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、配列番号115のアミノ酸配列を有するVH-CDR3を含む。さらなる態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、配列番号115のアミノ酸配列を有するVH-CDR3、及び配列番号114のアミノ酸配列を有するVH-CDR2を含む。さらなる態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、配列番号115のアミノ酸配列を有するVH-CDR3、配列番号114のアミノ酸配列を有するVH-CDR2、及び配列番号113のアミノ酸配列を有するVH-CDR1を含む。さらなる態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、配列番号121のアミノ酸配列を有するVH-CDR3、配列番号120のアミノ酸配列を有するVH-CDR2、及び配列番号113のアミノ酸配列を有するVH-CDR1を含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIB及び/またはActRIIAに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIAを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンドの存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIA及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIB及び/またはActRIIAに結合する。いくつかの態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0166】
さらなる態様では、本開示は、配列番号94のアミノ酸配列を有するVL-CDR3を含むActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質を提供する。いくつかの態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、配列番号94のアミノ酸配列を有するVL-CDR3、及び配列番号93のアミノ酸配列を有するVL-CDR2を含む。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号94のアミノ酸配列を有するVL-CDR3、配列番号93のアミノ酸配列を有するVL-CDR2、及び配列番号92のアミノ酸配列を有するVL-CDR1を含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIB及び/またはActRIIAに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIAを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンドの存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIA及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIB及び/またはActRIIAに結合する。いくつかの態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0167】
さらなる態様では、本開示は、配列番号142のアミノ酸配列を有するVH-抗原結合ドメイン3(ABD3)を含むActRIIB及び/またはActRIIA結合タンパク質を提供する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号142のアミノ酸配列を有するVH-ABD3、及び配列番号141のアミノ酸配列を有するVH-抗原結合ドメイン2(VH-ABD2)を含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号133のアミノ酸配列を有するVH-ABD3、配列番号141のアミノ酸配列を有するVH-ABD2、及び配列番号140のアミノ酸配列を有するVH-抗原結合ドメイン1(VH-ABD1)を含む。さらなる態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIBまたはActRIIAに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA)の存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIAを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンドの存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIA及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIB及び/またはActRIIAに結合する。いくつかの態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0168】
さらなる態様では、本開示は、配列番号128のアミノ酸配列を有するVH-CDR3を含むActRIIA結合タンパク質を提供する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号128のアミノ酸配列を有するVH-CDR3、及び配列番号127のアミノ酸配列を有するVH-CDR2を含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号128のアミノ酸配列を有するVH-CDR3、配列番号127のアミノ酸配列を有するVH-CDR2、及び配列番号126のアミノ酸配列を有するVH-CDR1を含む。さらなる態様では、ActRIIA結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、またはNodal)と競合する;(b)ActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA)の存在下で、ActRIIAを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIAリガンドの存在下で、ActRIIA及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIAに結合する。いくつかの態様では、ActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0169】
さらなる態様では、本開示は、配列番号135のアミノ酸配列を有するVL-CDR3を含むActRIIA結合タンパク質を提供する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号135のアミノ酸配列を有するVL-CDR3、及び配列番号134のアミノ酸配列を有するVL-CDR2を含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号135のアミノ酸配列を有するVL-CDR3、配列番号134のアミノ酸配列を有するVL-CDR2、及び配列番号133のアミノ酸配列を有するVL-CDR1を含む。さらなる態様では、ActRIIA結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、またはNodal)と競合する;(b)ActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA)の存在下で、ActRIIAを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIAリガンドの存在下で、ActRIIA及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIAに結合する。いくつかの態様では、ActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0170】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、本明細書に開示される参照VHまたはVLと比較して、合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVHまたはVLを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、表1に開示される参照VHまたはVLと比較して、合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVHまたはVLを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、本明細書に開示される参照VH及びVL対と比較して、合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVH及びVL対を含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、表1に開示される参照VH及びVL対と比較して、合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVH及びVL対を含む。
【0171】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択されるVH及びVL対を含む:(a)(i)配列番号2、16、22、28、34、または40からなる群から選択される参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVH配列、及び(ii)配列番号9の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVL配列、タンパク質は、ActRIIBと結合し;(b)(i)配列番号45または57の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVH配列、及び(ii)配列番号50の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVL配列、タンパク質は、ActRIIBと結合し;(c)(i)配列番号63または77の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVH配列、及び(ii)配列番号70の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVL配列、タンパク質は、ActRIIBと結合し;(d)(i)配列番号84、98、105、112、または119からなる群から選択される参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVH配列、及び(ii)配列番号91の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVL配列、タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;及び(e)(i)配列番号125の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVH配列、及び(ii)配列番号132の参照VLから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVL配列、タンパク質は、ActRIIAに結合する。
【0172】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、(i)配列番号144の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVH配列、及び(ii)配列番号151の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVL配列、タンパク質は、ActRIIBに結合する、を有するVH及びVL対を含む。
【0173】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、(i)配列番号165の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVH配列、及び(ii)配列番号172の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVL配列、タンパク質は、ActIIRA及びActRIIBに結合する、を有するVH及びVL対を含む。
【0174】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、VH及びVL対を含み、VH配列は、配列番号2の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;VL配列は、配列番号9の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(b)VH配列は、配列番号16の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;VL配列は、配列番号9の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(c)VH配列は、配列番号22の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号9の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(d)VH配列は、配列番号28の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号9の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(e)VH配列は、配列番号34の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号9の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(f)VH配列は、配列番号40の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号9の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(g)配列は、配列番号45の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号50の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(h)VH配列は、配列番号57の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号50の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(i)VH配列は、配列番号63の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号70の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(j)VH配列は、配列番号77の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号70の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(k)配列は、配列番号84の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号91の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(l)VH配列は、配列番号98の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号91の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(m)VH配列は、配列番号105の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号91の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(n)VH配列は、配列番号112の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号91の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(o)VH配列は、配列番号119の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号91の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;または(p)VH配列は、配列番号125の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号132の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;タンパク質は、ActRIIAに結合する。
【0175】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、VH及びVL対を含み、VH配列は、配列番号144の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号151の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し、タンパク質は、ActRIIBに結合する。
【0176】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、VH及びVL対を含み、VH配列は、配列番号165の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及びVL配列は、配列番号172の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し、タンパク質は、ActIIRA及びActRIIBに結合する。
【0177】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、本明細書に開示される参照VHまたはVLに対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVHまたはVLを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、表1に開示される参照VHまたはVLに対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVHまたはVLを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、本明細書に開示される参照VH及びVLに対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH及びVLを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、表1に開示される参照VH及びVLに対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH及びVLを含む。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIリガンドの存在下で、ActRII及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIに結合する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0178】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIと特異的に結合し、以下のものからなる群から選択されるVH及びVL対を含む:(a)(i)配列番号2、16、22、28、34、または40に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び(ii)配列番号9に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、タンパク質は、ActRIIBと結合し;(b)(i)配列番号45または57に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び(ii)配列番号50に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、タンパク質は、ActRIIBと結合し;(c)(i)配列番号63または77に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び(ii)配列番号70に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、タンパク質は、ActRIIBと結合し;(d)(i)配列番号84、98、105、112、または119のアミノ酸配列を有するVH、及び(ii)配列番号91のアミノ酸配列を有するVL、タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;及び(e)(i)配列番号125に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び(ii)配列番号132に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、タンパク質は、ActRIIAに結合する。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIリガンドの存在下で、ActRII及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIに結合する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0179】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと結合し、(i)配列番号144に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び(ii)配列番号151に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、タンパク質は、ActRIIBに結合する、から選択されるVH及びVL対を含む。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIリガンドの存在下で、ActRII及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIに結合する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0180】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと結合し、配列番号165に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び(ii)配列番号172に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、タンパク質は、ActIIRA及びActRIIBに結合する、を含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIリガンドの存在下で、ActRII及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIに結合する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0181】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIと特異的に結合し、(a)配列番号2、16、22、28、34、または40のVH配列、及び配列番号9のVL配列;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(b)配列番号45または57のVH配列、及び配列番号50のVL配列;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(c)配列番号63または77のVH配列、及び配列番号70のVL配列;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(d)配列番号84、98、105、112、または119のVH配列、及び配列番号91のVL配列;タンパク質は、ActRIIBと結合し;及び(e)配列番号125のVH配列、及び配列番号132のVL配列タンパク質は、ActRIIAに結合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択されるVH及びVL対を含む:(a)配列番号2のVH配列及び配列番号9のVL配列;(b)配列番号16のVH配列及び配列番号9のVL配列;(c)配列番号22のVH配列及び配列番号9のVL配列;(d)配列番号28のVH配列及び配列番号9のVL配列;(e)配列番号34のVH配列及び配列番号9のVL配列;(f)配列番号40のVH配列及び配列番号9のVL配列;(g)配列番号45のVH配列及び配列番号50のVL配列;(h)配列番号57のVH配列及び配列番号50のVL配列;(i)配列番号63のVH配列及び配列番号70のVL配列;(j)配列番号77のVH配列及び配列番号70のVL配列;(k)配列番号84のVH配列及び配列番号91のVL配列;(l)配列番号98のVH配列及び配列番号91のVL配列;(m)配列番号105のVH配列及び配列番号91のVL配列;(n)配列番号112のVH配列及び配列番号91のVL配列;(o)配列番号119のVH配列及び配列番号91のVL配列;及び(p)配列番号125のVH配列及び配列番号132のVL配列からなる群から選択されるVH及びVL対を含む。
【0182】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIと特異的に結合し、配列番号144のVH配列及び配列番号151のVL配列を含み、タンパク質は、ActRIIBに結合する。
【0183】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIと特異的に結合し、配列番号165のVH配列及び配列番号172のVL配列を含み、タンパク質は、ActIIRA及びActRIIBに結合する。
【0184】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択されるVH及びVL対を含む:(a)配列番号2に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号9に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVLタンパク質は、ActRIIBと結合し;(b)配列番号16に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号9に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVLタンパク質は、ActRIIBと結合し;(c)配列番号22に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号9に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、タンパク質は、ActRIIBと結合し;(d)配列番号28に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号9に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、タンパク質は、ActRIIBと結合し;(e)配列番号34に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号9に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、タンパク質は、ActRIIBと結合し;(f)配列番号40に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号9に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、タンパク質は、ActRIIBと結合し;(g)配列番号45に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号50に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、タンパク質は、ActRIIBと結合し;(h)配列番号57に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号50に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、タンパク質は、ActRIIBと結合し;(i)配列番号63に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号70に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、タンパク質は、ActRIIBと結合し;(j)配列番号77に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号70に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL;タンパク質は、ActRIIBと結合し;(k)配列番号84に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号91に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL1、タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(l)配列番号98に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号91に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(m)配列番号105に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号91に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL1、タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(n)配列番号112に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号91に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL1、タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;(o)配列番号119に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号91に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL1、タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;及び(p)配列番号125に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号132に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、タンパク質は、ActRIIAに結合する。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIリガンドの存在下で、ActRII及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIに結合する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0185】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号144に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号151に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVLを含み;タンパク質は、ActRIIBに結合する。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIリガンドの存在下で、ActRII及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIに結合する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0186】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号165に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号172に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVLを含み;タンパク質は、ActIIRA及びActRIIBに結合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIリガンドの存在下で、ActRII及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIに結合する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0187】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、(a)配列番号2のVH配列及び配列番号9のVL配列;(b)配列番号16のVH配列及び配列番号9のVL配列;(c)配列番号22のVH配列及び配列番号9のVL配列;(d)配列番号28のVH配列及び配列番号9のVL配列(e)配列番号34のVH配列及び配列番号9のVL配列;(f)配列番号40のVH配列及び配列番号9のVL配列;(g)配列番号45のVH配列及び配列番号50のVL配列;(h)配列番号57のVH配列及び配列番号50のVL配列;(i)配列番号63のVH配列及び配列番号70のVL配列;(j)配列番号77のVH配列及び配列番号70のVL配列;(k)配列番号84のVH配列及び配列番号91のVL配列;(l)配列番号98のVH配列及び配列番号91のVL配列;(m)配列番号105のVH配列及び配列番号91のVL配列;(n)配列番号112のVH配列及び配列番号91のVL配列;(o)配列番号119のVH配列及び配列番号91の配列;及び(p)配列番号125のVH配列及び配列番号132の配列からなる群から選択されるVH及びVL対を含む。
【0188】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号144のVH配列及び配列番号151のVL配列を含む。
【0189】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号165のVH配列及び配列番号172のVL配列を含む。
【0190】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、配列番号2、16、22、28、34、40、45、57、63、または77に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVHを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号2に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVHを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号16に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVHを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号22に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVHを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号28に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVHを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号34に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVHを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号40に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVHを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号45に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVHを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号57に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVHを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号63に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVHを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号77に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVHを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、配列番号9、50、または70に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVLを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、配列番号2、16、22、28、34、または40に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号9に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVLを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、配列番号45または57に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVHを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、配列番号50に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVLを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、配列番号45または57に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号50に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVLを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、VH及びVLを含み、VHは、配列番号63または77に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有し;及びVLは、配列番号70に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、配列番号63または77に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号70に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVLを含む。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIBに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIBリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIBを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIBリガンドの存在下で、ActRIIB及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIBに結合する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0191】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、配列番号144に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVHを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、配列番号151に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVLを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、VH及びVLを含み、VHは、配列番号144に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有し;及びVLは、配列番号151に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、配列番号144のアミノ酸配列を有するVH及び配列番号151のアミノ酸配列を有するVLを含む。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIBに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIBリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIBを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIBリガンドの存在下で、ActRIIB及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIBに結合する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0192】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActIIRA及びActRIIBと特異的に結合し、配列番号165に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVHを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActIIRA及びActRIIBと特異的に結合し、配列番号172に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVLを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActIIRA及びActRIIBと特異的に結合し、VH及びVLを含み、VHは、配列番号165に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有し;及びVLは、配列番号172に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActIIRA及びActRIIBと特異的に結合し、配列番号165のアミノ酸配列を有するVH、及び配列番号172のアミノ酸配列を有するVLを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIA及び/またはActRIIBに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIA及び/またはActRIIBリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIA及び/またはActRIIBを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIA及び/またはActRIIBリガンドの存在下で、ActRIIA及び/またはActRIIB及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIA及びActRIIBの各々に結合する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0193】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、配列番号84、98、105、112、または119に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVHを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、配列番号84に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVHを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、配列番号98に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVHを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、配列番号105に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVHを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、配列番号112に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVHを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、配列番号119に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVHを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、配列番号91に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVLを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、配列番号84、98、105、112、または119に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号91に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVLを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、配列番号84に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号91に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVLを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、配列番号98に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号91に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVLを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、配列番号105に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号91に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVLを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及び/またはActRIIAと特異的に結合し、配列番号112に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号91に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVLを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、配列番号119に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号91に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVLを含む。さらなる態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIB及びActRIIAに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIAを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンドの存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIA及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKDで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIB及び/またはActRIIAに結合する。いくつかの態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0194】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIAと特異的に結合し、配列番号125に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVHを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIAと特異的に結合し、配列番号132に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVLを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIAと特異的に結合し、VH及びVLを含み、VHは、配列番号125に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有し;及びVLは、配列番号132に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する。さらなる態様では、ActRIIA結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、またはNodal)と競合する;(b)ActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA)の存在下で、ActRIIAを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIAリガンドの存在下で、ActRIIA及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKDで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIAに結合する。いくつかの態様では、ActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0195】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIとの結合に対して、本明細書に開示されるVH及びVL配列対を含む抗体と競合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIとの結合に対して、表1に開示されるVH及びVL配列対を含む抗体と競合する。ある特定の態様では、ActRII結合タンパク質は、本明細書に開示されるActRII結合タンパク質と同じエピトープに結合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、表1に開示されるActRII結合タンパク質と同じエピトープに結合する。ActRII結合タンパク質が参照ActRII結合タンパク質とActRII上の同じエピトープとの結合に競合する及び/またはエピトープに結合する能力は、本明細書に開示されるまたはあるいは当該技術分野において公知の技術を用いて容易に決定することができる。
【0196】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、配列番号2、16、22、28、34、40、45、57、63、または77のVHを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、配列番号9、50、または70のVLを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、配列番号2、16、22、28、34、40、45、57、63、または77のVH;及び配列番号9、50、または70のVLを含む。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、配列番号144のVHを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、配列番号151のVLを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、配列番号144のVH及び配列番号151のVLを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBに特異的に結合するが、ActRIIAとは特異的に結合しない。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIAと特異的に結合し、ActRIIB及び配列番号165のVHを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIAと特異的に結合し、ActRIIB及び配列番号172のVLを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIAと特異的に結合し、ActRIIB及び配列番号165のVH及び配列番号172のVLを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIA及びActRIIBに特異的に結合する。
【0197】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基NANWELERT(配列番号157)に結合する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基NANWELERT(配列番号157)に結合するが、AcRIIAと結合しない。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基VKKGCWLDD(配列番号158)に結合するが、AcRIIAと結合しない。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基NANWELERT(配列番号157)及びアミノ酸残基VKKGCWLDD(配列番号158)に結合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基NANWELERT(配列番号157)及びアミノ酸残基VKKGCWLDD(配列番号158)に結合するが、ActRIIAと結合しない。
【0198】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、(a)ActRIIBのアミノ酸残基NANWELERT(配列番号157);(b)ActRIIBのアミノ酸残基CCEGNFCNER(配列番号159);(c)ActRIIAのアミノ酸残基CCEGNMCNEK(配列番号161);及び(d)ActRIIAのアミノ酸残基ECLFFNANWEKD(配列番号162)からなる群から選択されるポリペプチドに結合する。
【0199】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ポリペプチドまたは以下のものからなる群から選択されるポリペプチドセットに結合する:(a)ActRIIBのアミノ酸残基NANWELERT(配列番号157)及びアミノ酸残基CCEGNFCNER(配列番号159);(b)ActRIIBのアミノ酸残基NANWELERT(配列番号157)及びアミノ酸残基VKKGCWLDD(配列番号158);(c)ActRIIBのアミノ酸残基NANWELERT(配列番号157)、アミノ酸残基CCEGNFCNER(配列番号159)、及びアミノ酸残基GCWLDDFNCYDR(配列番号160);(d)ActRIIBのアミノ酸残基NANWELERT(配列番号157)及びActRIIAのアミノ酸残基ECLFFNANWEKD(配列番号162);(e)ActRIIBのアミノ酸残基NANWELERT(配列番号157)、アミノ酸残基GCWLDDFNCYDR(配列番号160)、及びアミノ酸残基VKKGCWLDD(配列番号158);(f)ActRIIBのアミノ酸残基CCEGNFCNER(配列番号159)及びActRIIAのアミノ酸残基CCEGNMCNEK(配列番号161);(g)ActRIIAのアミノ酸残基CCEGNMCNEK(配列番号161)、アミノ酸残基ECLFFNANWEKD(配列番号162)、及びアミノ酸残基CWLDDINCYDRT(配列番号163);(h)ActRIIBのアミノ酸残基NANWELERT(配列番号157)、アミノ酸残基CCEGNFCNER(配列番号159)、及びアミノ酸残基GCWLDDFNCYDR(配列番号160)、及びActRIIAのアミノ酸残基CCEGNMCNEK(配列番号161)、アミノ酸残基ECLFFNANWEKD(配列番号162)、及びアミノ酸残基CWLDDINCYDRT(配列番号163)。
【0200】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBとの結合に対して、配列番号2、16、22、28、34、40、45、57、63、77、または144のVH、及び配列番号9、50、70、または151のVLを含む抗体と競合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号2、16、22、28、34、40、45、57、63、77、または144のVH、及び配列番号9、50、70、または151のVLを含む抗体とActRIIB及び/またはActRIIA上の同じエピトープに結合する。
【0201】
いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質(例えば、抗ActRIIB抗体)は、配列番号2のVH及び配列番号9のVLを含む。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、ActRIIBとの結合に対して、配列番号2のVH及び配列番号9のVLを含む抗体と競合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号2のVH及び配列番号9のVLを含む抗体とActRIIBの同じエピトープに結合する。
【0202】
いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号16のVH及び配列番号9のVLを含む。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、ActRIIBとの結合に対して、配列番号16のVH及び配列番号9のVLを含む抗体と競合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号16のVH及び配列番号9のVLを含む抗体とActRIIBの同じエピトープに結合する。
【0203】
いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号22のVH及び配列番号9のVLを含む。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、ActRIIBとの結合に対して、配列番号22のVH及び配列番号9のVLを含む抗体と競合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号22のVH及び配列番号9のVLを含む抗体とActRIIBの同じエピトープに結合する。
【0204】
いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号28のVH及び配列番号9のVLを含む。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、ActRIIBとの結合に対して、配列番号28のVH及び配列番号9のVLを含む抗体と競合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号28のVH及び配列番号9のVLを含む抗体とActRIIBの同じエピトープに結合する。
【0205】
いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号34のVH及び配列番号9のVLを含む。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、ActRIIBとの結合に対して、配列番号34のVH及び配列番号9のVLを含む抗体と競合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号34のVH及び配列番号9のVLを含む抗体とActRIIBの同じエピトープに結合する。
【0206】
いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号40のVH及び配列番号9のVLを含む。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、ActRIIBとの結合に対して、配列番号40のVH及び配列番号9のVLを含む抗体と競合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号40のVH及び配列番号9のVLを含む抗体とActRIIBの同じエピトープに結合する。
【0207】
いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号45のVH及び配列番号50のVLを含む。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、ActRIIBとの結合に対して、配列番号45のVH及び配列番号50のVLを含む抗体と競合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号45のVH及び配列番号50のVLを含む抗体とActRIIBの同じエピトープに結合する。
【0208】
いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号57のVH及び配列番号50のVLを含む。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、ActRIIBとの結合に対して、配列番号57のVH及び配列番号50のVLを含む抗体と競合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号57のVH及び配列番号50のVLを含む抗体とActRIIBの同じエピトープに結合する。
【0209】
いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号63のVH及び配列番号70のVLを含む。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、ActRIIBとの結合に対して、配列番号63のVH及び配列番号70のVLを含む抗体と競合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号63のVH及び配列番号70のVLを含む抗体とActRIIBの同じエピトープに結合する。
【0210】
いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号77のVH及び配列番号70のVLを含む。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、ActRIIBとの結合に対して、配列番号77のVH及び配列番号70のVLを含む抗体と競合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号77のVH及び配列番号70のVLを含む抗体とActRIIBの同じエピトープに結合する。
【0211】
いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号144のVH及び配列番号151のVLを含む。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、ActRIIBとの結合に対して、配列番号144のVH及び配列番号151のVLを含む抗体と競合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号144のVH及び配列番号151のVLを含む抗体とActRIIBの同じエピトープに結合する。
【0212】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号165のVH及び配列番号172のVLを含む。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、ActRIIBとの結合に対して、配列番号165のVH及び配列番号172のVLを含む抗体と競合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号165のVH及び配列番号172のVLを含む抗体とActRIIBの同じエピトープに結合する。
【0213】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号165のVH及び配列番号172のVLを含む。いくつかの態様では、ActRIIA結合タンパク質は、ActRIIAとの結合に対して、配列番号165のVH及び配列番号172のVLを含む抗体と競合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号165のVH及び配列番号172のVLを含む抗体とActRIIAの同じエピトープに結合する。
【0214】
いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基NANWELERT(配列番号157)との結合に対して、配列番号144のVH及び配列番号151のVLを含む抗体と競合する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基VKKGCWLDD(配列番号158)に結合するために、配列番号144のVH及び配列番号151のVLを含む抗体と競合する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基NANWELERT(配列番号157)及びアミノ酸残基VKKGCWLDD(配列番号158)に結合するために、配列番号144のVH及び配列番号151のVLを含む抗体と競合する。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、ActRIIAと特異的に結合しない。
【0215】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及び/またはActRIIAとの結合に対して、配列番号84、98、105、112、または119のVH及び配列番号91のVLを含む抗体と競合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号84、98、105、112、または119のVH;及び配列番号91のVLを含む抗体とActRIIB及び/またはActRIIAの同じエピトープに結合する。
【0216】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基CCEGNFCNER(配列番号159)に結合する。
【0217】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基GCWLDDFNCYDR(配列番号160)に結合する。
【0218】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基NANWELERT(配列番号157)に結合する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基NANWELERT(配列番号157)及びアミノ酸残基GCWLDDFNCYDR(配列番号160)に結合する。いくつかの実施形態では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基NANWELERT(配列番号157)及びアミノ酸残基CCEGNFCNER(配列番号159)に結合する。さらなる実施形態では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基NANWELERT(配列番号157)、アミノ酸残基CCEGNFCNER(配列番号159)、及びアミノ酸残基GCWLDDFNCYDR(配列番号160)に結合する。
【0219】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIAのアミノ酸残基CCEGNMCNEK(配列番号161)に結合する。
【0220】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIAのアミノ酸残基ECLFFNANWEKD(配列番号162)に結合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIAのアミノ酸残基CCEGNMCNEK(配列番号161)及びアミノ酸残基ECLFFNANWEKD(配列番号162)に結合する。
【0221】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIAのアミノ酸残基CWLDDINCYDRT(配列番号163)に結合する。さらなる実施形態では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIAのアミノ酸残基CCEGNMCNEK(配列番号161)、アミノ酸残基ECLFFNANWEKD(配列番号162)、及びアミノ酸残基CWLDDINCYDRT(配列番号163)に結合する。
【0222】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基CCEGNFCNER(配列番号159)及びActRIIAのアミノ酸残基CCEGNMCNEK(配列番号161)に結合する。
【0223】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基NANWELERT(配列番号157)及びActRIIAのアミノ酸残基ECLFFNANWEKD(配列番号162)に結合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基CCEGNFCNER(配列番号159)及びアミノ酸残基NANWELERT(配列番号157)、及びActRIIAのアミノ酸残基CCEGNMCNEK(配列番号161)及びアミノ酸残基ECLFFNANWEKD(配列番号162)に結合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基CCEGNFCNER(配列番号159)、アミノ酸残基NANWELERT(配列番号157)、及びActRIIAのアミノ酸残基GCWLDDFNCYDR(配列番号160)及びアミノ酸残基CCEGNMCNEK(配列番号161)、アミノ酸残基ECLFFNANWEKD(配列番号162)、及びアミノ酸残基CWLDDINCYDRT(配列番号163)に結合する。
【0224】
いくつかの態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、配列番号84のVH及び配列番号91のVLを含む。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAとの結合に対して、配列番号84のVH及び配列番号91のVLを含む抗体と競合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号84のVH及び配列番号91のVLを含む抗体とActRIIB及びActRIIAの同じエピトープに結合する。
【0225】
いくつかの態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、配列番号165のVH及び配列番号172のVLを含む。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAとの結合に対して、配列番号165のVH及び配列番号172のVLを含む抗体と競合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号165のVH及び配列番号172のVLを含む抗体とActRIIB及びActRIIAの同じエピトープに結合する。
【0226】
いくつかの態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基CCEGNFCNER(配列番号159)との結合に対して、配列番号84のVH及び配列番号91のVLを含む抗体と競合する。いくつかの態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基NANWELERT(配列番号157)との結合に対して、配列番号84のVH及び配列番号91のVLを含む抗体と競合する。さらなる態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基CCEGNFCNER(配列番号159)及びアミノ酸残基NANWELERT(配列番号157)に結合するために、配列番号84のVH及び配列番号91のVLを含む抗体と競合する。
【0227】
いくつかの態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基CCEGNFCNER(配列番号159)との結合に対して、配列番号165のVH及び配列番号172のVLを含む抗体と競合する。いくつかの態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基NANWELERT(配列番号157)との結合に対して、配列番号165のVH及び配列番号172のVLを含む抗体と競合する。さらなる態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基CCEGNFCNER(配列番号159)及びアミノ酸残基NANWELERT(配列番号157)に結合するために、配列番号165のVH及び配列番号172のVLを含む抗体と競合する。
【0228】
いくつかの態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基GCWLDDFNCYDR(配列番号160)に結合するために、配列番号84のVH及び配列番号91のVLを含む抗体と競合する。
【0229】
いくつかの態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基GCWLDDFNCYDR(配列番号160)に結合するために、配列番号165のVH及び配列番号172のVLを含む抗体と競合する。
【0230】
いくつかの態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基CCEGNFCNER(配列番号159)、アミノ酸残基NANWELERT(配列番号157)、及びアミノ酸残基GCWLDDFNCYDR(配列番号160)に結合するために、配列番号84のVH及び配列番号91のVLを含む抗体と競合する。
【0231】
いくつかの態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、ActRIIBのアミノ酸残基CCEGNFCNER(配列番号159)、アミノ酸残基NANWELERT(配列番号157)、及びアミノ酸残基GCWLDDFNCYDR(配列番号160)に結合するために、配列番号165のVH及び配列番号172のVLを含む抗体と競合する。
【0232】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、配列番号84、98、105、112、または119のVHを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、配列番号91のVLを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、配列番号84、98、105、112、または119のVH;及び配列番号91のVLを含む。
【0233】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、配列番号165のVHを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、配列番号172のVLを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、配列番号165のVH;及び配列番号172のVLを含む。
【0234】
いくつかの態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、配列番号84のVH及び配列番号91のVLを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号84のVH及び配列番号91のVLを含む抗体とActRIIB及びActRIIAの同じエピトープに結合する。
【0235】
いくつかの態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、配列番号98のVH及び配列番号91のVLを含む。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAとの結合に対して、配列番号98のVH及び配列番号91のVLを含む抗体と競合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号98のVH及び配列番号91のVLを含む抗体とActRIIB及びActRIIAの同じエピトープに結合する。
【0236】
いくつかの態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、配列番号105のVH及び配列番号91のVLを含む。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAとの結合に対して、配列番号105のVH及び配列番号91のVLを含む抗体と競合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号105のVH及び配列番号91のVLを含む抗体とActRIIB及びActRIIAの同じエピトープに結合する。
【0237】
いくつかの態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、配列番号112のVH及び配列番号91のVLを含む。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAとの結合に対して、配列番号112のVH及び配列番号91のVLを含む抗体と競合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号112のVH及び配列番号91のVLを含む抗体とActRIIB及びActRIIAの同じエピトープに結合する。
【0238】
いくつかの態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、配列番号119のVH及び配列番号91のVLを含む。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAとの結合に対して、配列番号119のVH及び配列番号91のVLを含む抗体と競合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号119のVH及び配列番号91のVLを含む抗体とActRIIB及びActRIIAの同じエピトープに結合する。
【0239】
いくつかの態様では、ActRIIA結合タンパク質は、配列番号125のVH及び配列番号132のVLを含む。いくつかの態様では、ActRIIA結合タンパク質は、ActRIIAとの結合に対して、配列番号125のVH及び配列番号132のVLを含む抗体と競合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、配列番号125のVH及び配列番号132のVLを含む抗体とActRIIAの同じエピトープに結合する。
【0240】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、CDRセット:VH-CDR1、VH-CDR2、及びVH-CDR3を含み、CDRセットは、CDRの参照セットと同一であるかまたはCDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10未満のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する。CDRの参照セットは、(a)VH-CDR1が、配列番号3または58のアミノ酸配列を有し;(b)VH-CDR2が、配列番号4または59のアミノ酸配列を有し;または(c)VH-CDR3が、配列番号46のアミノ酸配列を有する。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIBに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIBリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIBを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIBリガンドの存在下で、ActRIIB及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≦1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIBに結合する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0241】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、CDRセット:VL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含み、CDRセットは、CDRの参照セットと同一であるかまたはCDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10未満のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する。CDRの参照セットは、(a)VL-CDR1が、配列番号51のアミノ酸配列を有し;(b)VL-CDR2が、配列番号52のアミノ酸配列を有し;または(c)VL-CDR3が、配列番号53のアミノ酸配列を有する。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIBに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIBリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIBを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIBリガンドの存在下で、ActRIIB及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIBに結合する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0242】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、CDRセット:VH-CDR1、VH-CDR2、VH-CDR3、VL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含み、CDRセットは、CDRの参照セットと同一であるかまたはCDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または10未満のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する。CDRの参照セットは、(a)VH-CDR1が、配列番号3または58のアミノ酸配列を有し;(b)VH-CDR2が、配列番号4または59のアミノ酸配列を有し;(c)VH-CDR3が、配列番号46のアミノ酸配列を有し;(d)VL-CDR1が、配列番号51のアミノ酸配列を有し;(e)VL-CDR2が、配列番号52のアミノ酸配列を有し;または(f)VL-CDR3が、配列番号53のアミノ酸配列を有する。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIBに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIBリガンド(例えば、アクチビンAまたはGDF8)の存在下で、ActRIIBを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIBリガンドの存在下で、ActRIIB及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIBに結合する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0243】
さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、VH抗原結合ドメイン(ABD)セット:VH-ABD1、VH-ABD2、VH-ABD3、VL-ABD1、VL-ABD2、及びVL-ABD3を含み、ABDセットは、(a)VH-ABD1が、配列番号140のアミノ酸配列を有し;(b)VH-ABD2が、配列番号141のアミノ酸配列を有し;(c)VH-ABD3が、配列番号142のアミノ酸配列を有し;(d)VL-ABD1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;(e)VL-ABD2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;または(f)VL-ABD3が、配列番号94のアミノ酸配列を有する。さらなる態様では、ActRIIB結合タンパク質は、VH及びVLを含む。さらなる態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIBまたはActRIIAに結合するために、ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、BMP7、BMP9、またはBMP10)と競合する;(b)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA)の存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIAを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンドの存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIA及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIB及び/またはActRIIAに結合する。いくつかの態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0244】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIAと特異的に結合し、VH及びVLを含み、VH配列は、配列番号125の参照VH配列と同一であるかまたは配列番号125の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する。VL配列は、配列番号132の参照VL配列と同一であるかまたは配列番号132の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0、アミノ酸置換、付加、及び/または欠失を有する。さらなる態様では、ActRIIA結合タンパク質は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、またはNodal)と競合する;(b)ActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA)の存在下で、ActRIIAを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIAリガンドの存在下で、ActRIIA及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIAに結合する。いくつかの態様では、ActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。
【0245】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIに特異的に結合する抗体である。いくつかの態様では、抗ActRIIは、ActRIIB及び/またはActRIIAに特異的に結合する。いくつかの態様では、抗ActRII抗体は、マウス抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、組換え抗体、多重特異性抗体、またはそれらの任意の組み合わせである。いくつかの態様では、抗ActRII抗体は、Fv断片、Fab断片、F(ab’)断片、Fab’断片、dsFv断片、scFv断片、またはsc(Fv)断片である。
【0246】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRII(例えば、ActRIIA及び/またはActRIIB)と特異的に結合し、ActRII-リガンド(例えば、GDF8(ミオスタチン)及び/またはアクチビン)の活性を遮断する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIに特異的に結合する(例えば、ActRIIリガンド(例えば、GDF8(ミオスタチン及び/またはアクチビン)の活性と関連する筋肉形成の阻害または脂肪形成の増加を減少させる)。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIと特異的に結合し、筋肉障害または代謝性障害と関連する1つ以上の状態を治療または改善する。いくつかの態様では、筋肉障害は、疾患または不使用による筋肉消耗である。いくつかの態様では、代謝性障害は、糖尿病、肥満、高血糖、または骨量減少である。
【0247】
特定の態様では、ActRIIB結合タンパク質(例えば、抗ActRIIB抗体または抗ActRIIB及びActRIIA抗体)は、GDF8(ミオスタチン)またはGDF8媒介のActRIIB Smadシグナル伝達によってActRIIBの結合を阻害または減少させる。別の態様では、ActRIIB結合タンパク質は、筋肉形成の阻害または脂肪形成の増加を減少させる。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質は、ActRIIBと結合し、筋肉障害または代謝性障害と関連する1つ以上の状態を阻害または減少させる。いくつかの態様では、筋肉障害は、疾患または不使用による筋肉消耗である。いくつかの態様では、代謝性障害は、糖尿病、肥満、高血糖、または骨量減少であり、対象における筋肉量または筋力を増加させる。
【0248】
ある特定の態様では、本明細書に記載されるActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRIIB抗体及び抗ActRIIA抗体)によるActRII(例えば、ActRIIB及び/またはActRIIA)活性の遮断は、筋肉障害、例えば、筋肉消耗と関連する1つ以上の状態を阻害または減少させる。さらなる態様では、ActRIIの遮断は、疾患または不使用による筋肉消耗と関連する1つ以上の状態を阻害または減少させる。特定の態様では、ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRIIB抗体または抗ActRIIB及びActRIIA抗体)は、GDF8によってActRIIBとの結合を阻害または減少させる。別の態様では、ActRIIB結合タンパク質は、Smad依存性経路によって筋肉分化の阻害を阻害または減少させる。
【0249】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、ActRIIBリガンド媒介活性を遮断する。GDF-8などのいくつかのActRIIBリガンドは、骨格筋組織の負の調節因子であることが知られており、ミオスタチンシグナル伝達は、筋肉量につながることが知られている。ActRIIBリガンド媒介シグナル伝達は、筋肉特異的酵素(例えば、クレアチンキナーゼ)の産生を調節し、筋芽細胞の増殖を刺激し、前脂肪細胞の脂肪細胞への分化を調節することもできる。増加したミオスタチン活性は、筋肉消耗障害、不活性による筋力低下、及び代謝性障害、例えば、糖尿病、肥満、高血糖、及び骨量減少と関連している。増加したActRIIBリガンド媒介活性は、脂肪/筋肉比の加齢による増加、及び加齢による筋委縮とも関連している。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、いくつかのActRIIBリガンドの活性と関連する筋肉形成の阻害または脂肪形成の増加を減少させる。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIBと特異的に結合し、筋肉障害または代謝性障害と関連する1つ以上の状態を治療または改善する。いくつかの態様では、筋肉障害は、疾患または不使用による筋肉消耗である。いくつかの態様では、代謝性障害は、糖尿病、肥満、高血糖、または骨量減少である。ActRIIBリガンド媒介活性は、当該技術分野で認識された方法、例えば、本明細書に記載されるものを用いて決定することができる。
【0250】
ある特定の態様では、本明細書に記載されるActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRIIB抗体及び抗ActRIIA抗体)によるActRII(例えば、ActRIIB及び/またはActRIIA)活性の遮断は、線維症と関連する1つ以上の状態を減少させる。特定の態様では、ActRIIB結合タンパク質は、線維性の病変のActRIIB媒介発症、体重減少または他の臨床症状の低下、及び/または線維症状態の発症と関連する生体分子(例えば、mRNAまたはタンパク質発現)の発現変化を阻害または減少させる。特定の態様では、ActRIIA結合タンパク質は、線維性の病変のActRIIA媒介発症、体重減少または他の臨床症状の低下、及び/または線維症状態の発症と関連する生体分子(例えば、mRNAまたはタンパク質発現)の発現変化を阻害または減少させる。
【0251】
上述のとおり、ActRIIに結合するVH及び/またはVLアミノ酸配列を含有するActRII結合タンパク質(例えば、完全長ActRIIB抗体及びActRII結合抗体断片、並びにそれらの変異体及び誘導体)は、本明細書に示される配列と少なくとも85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有し得る。いくつかの態様では、ActRIIに結合するVH及び/またはVLアミノ酸配列(複数可)は、本明細書に示される配列と比べて8、7、6、5、4、3、2、1個のアミノ酸付加、置換(例えば、保存的置換)、または欠失を含む。さらなる態様では、ActRIIに結合するVH及び/またはVLアミノ酸配列は、本明細書に示される配列と比べて1、2、3、4、5個以上のアミノ酸付加、置換(例えば、保存的置換)、または欠失を含む。あるVH領域またはVL領域と特定のパーセント類似性を有するか、または1つ以上の置換、欠失及び/または挿入(例えば、保存的置換)を有するVH及びVL領域を含有する抗ActRII抗体は、本明細書に記載されるVH及び/またはVL領域をコードする核酸分子の突然変異誘発(例えば、部位特異的またはPCR媒介性突然変異誘発)と、続くActRIIとの結合に関するコードされた改変抗体の試験、及び、必要に応じて、本明細書に記載される機能アッセイまたは保持機能を試験するため常法で改良し得る当該技術分野において公知のアッセイを用いた保持機能に関する試験によって得ることができる。
【0252】
抗ActRIIB抗体(例えば、完全長ActRIIB抗体及びActRII結合抗体断片、並びにそれらの変異体及び誘導体)などのActRII結合タンパク質のhActRIIB、murActRIIBに対する親和性またはアビディティは、当該技術分野において公知の任意の好適な方法、例えば、フローサイトメトリー、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、またはラジオイムノアッセイ(RIA)、または動態学(例えば、BIACORE(登録商標)またはKINEXA(登録商標)解析)を用いて実験的に決定することができる。直接結合アッセイ並びに競合的結合アッセイフォーマットは、容易に用いることができる。(例えば、Berzofsky et al.,“Antibody-Antigen Interactions,”In Fundamental Immunology,Paul,W.E.,Ed.,Raven Press:New York,N.Y.(1984);Kuby,Immunology,W.H.Freeman and Company:New York,N.Y.(1992);及び本明細書に記載される方法を参照されたい)。特定の抗体抗原相互作用についての計測される親和性は、異なる条件下(例えば、塩濃度、pH、温度)で計測された場合には変動し得る。従って、親和性及び他のActRII結合パラメーター(例えば、KまたはKd、Kon、Koff)の計測は、ActRII結合タンパク質及びActRIIの標準溶液で行われ、測定は、本明細書に記載されるまたはあるいは当該技術分野において公知の標準化条件及び方法を用いて行われる。
【0253】
本開示は、本明細書に記載されるとおりの抗ActRIIB抗体及び/または抗ActRIIA抗体などのActRII結合タンパク質をさらに提供し、ActRII結合タンパク質は、異種薬剤にコンジュゲートされている。ある特定の態様では、異種薬剤は、抗菌剤、治療剤、プロドラッグ、ペプチド、タンパク質、酵素、脂質、生物学的反応修飾物質、医薬品、リンホカイン、異種抗体または抗体断片、検出可能標識、またはポリエチレングリコール(PEG)である。ヘテロコンジュゲートActRII結合タンパク質については、本明細書の他の部分でさらに詳細に考察する。
【0254】
ある特定の態様では、ActRII結合タンパク質は、抗ActRII抗体ではない。タンパク質標的に高親和性で結合する非抗体ポリペプチドを同定及び作製する種々の方法が当該技術分野において公知である。例えば、Skerra,Curr.Opin.Biotech.18:295-304(2007);Hosse et al.,Protein Science 15:14-27(2006);Gill et al.,Curr.Opin.Biotechnol.17:653-658(2006);Nygren,FEBS J.275:2668-2676(2008);及びSkerra,FEBS J.275:2677-83(2008)(これらの各々は、全体として参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。いくつかの態様では、ファージディスプレイ技術を用いて、ActRII結合タンパク質を同定/作製することができる。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、VASPポリペプチド、トリ膵臓ポリペプチド(aPP)、テトラネクチン(CTLD3に基づく)、アフィリン(γB-クリスタリン/ユビキチンに基づく)、ノッチン、SH3ドメイン、PDZドメイン、テンダミスタット、トランスフェリン、アンキリンコンセンサス反復ドメイン(例えば、DARPins)、リポカリンタンパク質折畳み(例えば、アンチカリン及びデュオカリン)、タンパク質エピトープ模倣物(PEM)、マキシボディ/アビマー、ドメイン抗体、フィブロネクチンドメイン(例えば、10Fn3、例えば、米国出願公開第2003/0170753号及び同第20090155275号(これらの各々は、全体として参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)、タンパク質A(例えば、アフィボディ)のドメイン、及びチオレドキシンからなる群から選択されるタイプに基づくタンパク質足場を含む。
【0255】
いくつかの態様では、本開示は、ActRIIAとの結合に対して、本明細書に提供される抗ActRIIA抗体と競合するActRIIA結合タンパク質(例えば、抗ActRIIA抗体、例えば、完全長抗ActRIIA抗体、及びActRIIA結合抗体断片)を提供する。いくつかの態様では、本開示は、本明細書に提供されるActRIIA結合タンパク質とActRIIAの同じエピトープに結合するActRIIA結合タンパク質を提供する。
【0256】
いくつかの態様では、本開示は、ActRIIBとの結合に対して、本明細書に提供される抗ActRIIB抗体と競合するActRIIB結合タンパク質(例えば、抗ActRIIB抗体、例えば、完全長抗ActRIIB抗体、及びActRIIB結合抗体断片)を提供する。いくつかの態様では、本開示は、本明細書に提供されるActRIIB結合タンパク質とActRIIBの同じエピトープに結合するActRIIB結合タンパク質を提供する。試験ActRII結合タンパク質が、例えば、抗体を含む配列番号40のVH配列及び配列番号9のVL配列、または配列番号119のVH配列及び配列番号91のVL配列を含む抗体などの参照結合タンパク質の、ActRIIBへの結合を阻害する能力は、試験ActRII結合タンパク質が、参照抗体に結合するために、ActRIIBと競合し得ることを実証している。かかるActRIIB結合タンパク質は、非限定的な理論によれば、それが競合するActRIIB参照抗体とActRIIB上の同じまたは関連する(例えば、構造的に類似しているか、または空間的に近接した)エピトープに結合することができる。一態様では、ActRIIB結合タンパク質は、配列番号40のVH配列及び配列番号9のVL配列を含む抗体とActRIIB上の同じエピトープに結合する。
【0257】
ActRII受容体、例えば、ActRIIB及びActRIIAは、ActRIコレセプター(例えば、Alk4及びAlk7)をリン酸化し、Smad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を介してシグナル伝達することが知られている。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRIIB抗体及び抗ActRIIA抗体)は、その同種ActRI受容体のActRII媒介リン酸化を減少させることができる。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質(例えば、抗ActRIIB抗体)は、ALK4及び/またはALK7のActRIIB媒介リン酸化を減少させることができる。いくつかの態様では、ActRIIA結合タンパク質(例えば、抗ActRIIA抗体)は、ALK4及び/またはALK7のActRIIA媒介リン酸化を減少させることができる。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRII2発現細胞におけるActRII媒介Smad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)リン酸化を阻害することができる。いくつかの態様では、ActRIIB結合タンパク質(例えば、抗ActRIIB抗体)は、ActRIIBを発現する細胞におけるActRIIB媒介Smad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)リン酸化を減少させることができる。いくつかの態様では、ActRIIA結合タンパク質(例えば、抗ActRIIA抗体)は、ActRIIAを発現する細胞におけるActRIIA媒介Smad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)リン酸化を減少させることができる。いくつかの態様では、ActRII受容体を発現する細胞は、ヒトである。
【0258】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、以下のものから選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIA及び/またはActRIIBに結合するために、アクチビンAと競合する;(b)ActRIIA及び/またはActRIIBリガンド(例えば、アクチビンA)の存在下で、ActRIIA及び/またはActRIIBを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンドの存在下で、ActRIIA及び/またはActRIIB及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)BIACORE(登録商標)またはKINEXA(登録商標)によって決定される≦1nM及び≧1pMのKで、ActRIIA及び/またはActRIIBに結合する。
【0259】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体)は、細胞ベースアッセイを用いて測定されたとおり、ActRIIを発現する細胞におけるActRI受容体(例えば、ALK4及び/またはALK7)のActRII媒介リン酸化、またはSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を抑制する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、細胞ベースアッセイを用いて測定されたとおり、500pM未満、350pM未満、250pM未満、150pM未満、100pM未満、75pM未満、60pM未満、50pM未満、40pM未満、30pM未満、20pM未満、15pM未満、10pM未満、または5pM未満のIC50でActRII媒介リン酸化を抑制する。
【0260】
ActRII結合タンパク質の調製
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRII(例えば、ActRIIB及びActRIIA)の細胞外ドメインに結合する。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、抗ActRIIA抗体及び/または抗ActRIIB抗体、例えば、完全長抗ActRIIA抗体及び完全長抗ActRIIB抗体及びActRII結合抗体断片、並びにその変異体及び誘導体である。
【0261】
ActRII結合タンパク質は、公知の技術を用いて容易に調製することができる。モノクローナル抗ActRII(例えば、ActRIIB及びActRIIA)抗体は、例えば、Kohler and Milstein,Nature 256:495-497(1975)に記載されているようなハイブリドーマ法を含む当該技術分野において公知の技術を用いて調製することができる。ハイブリドーマ法を用いて、マウス、ハムスター、または他の適切な宿主動物を、前述のように免疫化して、免疫化抗原に特異的に結合する抗体のリンパ球による産生を誘導する。リンパ球はインビトロでも免疫化され得る。免疫化後、リンパ球を単離し、好適な骨髄腫細胞株と融合してハイブリドーマ細胞を形成し、次いでこれは未融合リンパ球及び骨髄腫細胞から分離して選択され得る。hActRIIB及びhActRIIAなどのActRIIに対して特異的に指向することが免疫沈降法、免疫ブロッティング法、またはインビトロ結合アッセイ法(例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA);酵素結合免疫測定法(ELISA))によって決定されたモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを、標準的な方法(例えば、Goding,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,Academic Press,1986を参照されたい)を用いたインビトロ培養または動物中の腹水腫瘍としてインビボで増やすことができる。次いで、上記ポリクローナル抗体について記載したように、培養培地または腹水液からモノクローナル抗体を精製することができる。
【0262】
提供されるモノクローナル抗体は、米国特許第4,816,567号に記載されているように組換えDNA法を用いて作製することもできる。モノクローナル抗体をコードするポリヌクレオチドは、成熟B細胞またはハイブリドーマ細胞から、例えば、抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子を特異的に増幅するオリゴヌクレオチドプライマーを用いるRT-PCRによって単離し、それらの配列を公知の手順を用いて決定する。次いで、重鎖及び軽鎖をコードする単離されたポリヌクレオチドは、そうしなければ免疫グロブリンタンパク質を産生しない宿主細胞、例えば、E.coli細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、Per.C6細胞、または骨髄腫細胞にトランスフェクトされた場合に、宿主細胞によってモノクローナル抗体が産生される好適な発現ベクターにクローニングする。組換え抗ActRIIモノクローナル抗体は、公知の技術を用いて、所望の種のCDRを発現するファージディスプレイライブラリーから容易に単離することもできる(例えば、McCafferty et al.,Nature 348:552-554(1990);Clackson et al.,Nature 352:624-628(1991);及びMarks et al.,J.Mol.Biol.222:581-597(1991)を参照されたい)。
【0263】
抗ActRII抗体は、必要に応じて、ヒト化され、表面再構成され、及び遺伝子操作され、ActRII抗原(例えば、ActRIIB及びActRIIA)に対する高親和性、及び他の好ましい生物学的特性を示すことができる。例えば、ヒト化(またはヒト)抗ActRII抗体は、一般に利用可能な三次元免疫グロブリンモデリング、及びフレームワーク(FW)残基、コンセンサス配列、及び生殖系列配列を選択する公知の手順を用いて、容易に設計して調製し、所望の抗体特性、例えば、ActRIIに対する増加した親和性をもたらすことができる。
【0264】
親和性成熟戦略及び鎖シャッフリング戦略は、当該技術分野において公知であり、本明細書に開示されるActRII結合タンパク質の高親和性の抗ActRII(例えば、抗ActRIIA及び/または抗ActRIIB)抗体、並びに誘導体及び変異体を作製するのに利用することができる。例えば、全体として参照により本明細書に組み込まれるMarks et al.,Bio/Technology 10:779-783(1992)を参照されたい。本明細書に開示されるActRII結合タンパク質の高親和性の抗ActRII(例えば、抗ActRIIA及び/または抗ActRIIB)抗体、並びに誘導体及び変異体を作製するさらなる戦略は、全可変ドメイン内に変異を生じさせるために、1つ以上の選択されたVH及び/またはVL遺伝子のランダム突然変異誘発を用いて、本開示のCDR由来配列を担う新規のVHまたはVL領域を生成させる。エラープローンPCRを使用するかかる技術は、Gram et al.(PNAS USA 89:3576-3580(1992))に記載される。いくつかの実施形態では、1つまたは2つのアミノ酸置換をVH CDR及び/またはVL CDRのセット内に作製する。さらなる戦略は、本明細書に開示される抗ActRII抗体をコードするVHまたはVL遺伝子CDR領域に定方向突然変異誘発を用いた。かかる技術の例は、Barbas et al.(PNAS USA 91:3809-3813(1994))及びSchier et al.(J.Mol.Biol.263:551-567(1996))に記載される。
【0265】
本開示の抗ActRII抗体のヒト化、表面再構成、または遺伝子操作は、Jones et al.,Nature 321:522(1986);Riechmann et al.,Nature 332:323(1988);Verhoeyen et al.,Science 239:1534(1988))、Sims et al.,J.Immunol.151:2296(1993);Chothia et al.,J.Mol.Biol.196:901(1987)、Carter et al.,PNAS USA 89:4285(1992);Presta et al.,J.Immunol.151:2623(1993)、米国特許第5,639,641号、同第5,723,323号;同第5,976,862号;同第5,824,514号;同第5,817,483号;同第5,814,476号;同第5,763,192号;同第5,723,323号;同第5,766,886号;同第5,714,352号;同第6,204,023号;同第6,180,370号;同第5,693,762号;同第5,530,101号;同第5,585,089号;同第5,225,539号;同第4,816,567号、同第7,557,189号;同第7,538,195号;及び同第7,342,110号;国際出願第PCT/US98/16280号;同第PCT/US96/18978号;同第PCT/US91/09630号;同第PCT/US91/05939号;同第PCT/US94/01234号;同第PCT/GB89/01334号;同第PCT/GB91/01134号;同第PCT/GB92/01755号;国際出願公開第WO90/14443号;同第WO90/14424号;同第WO90/14430号;及び欧州特許公開第EP229246号に記載されるものを含むが、これらに限定されない任意の公知の方法を用いて行うことができ;これらの各々は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。同様に、公知のアッセイは、望ましい特性を示すActRII抗体を容易に選択するために利用可能である(例えば、ActRIIに対する結合親和性を決定するためのアッセイ;本明細書に記載されるBIACORE(登録商標)に基づくヒトActRII結合タンパク質競合的結合アッセイなどの交叉ブロッキングアッセイ)。
【0266】
非ヒトまたはヒト抗体を遺伝子操作し、ヒト化し、または表面再構成するための方法も使用することができ、当該技術分野において公知である。ヒト化された、表面再構成された、または同様に遺伝子操作された抗体は、非ヒト(例えば、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、または他の哺乳動物を含むが、これに限定されない)である材料由来の1つ以上のアミノ酸残基を有し得る。これらの非ヒトアミノ酸残基は、しばしば、「インポート」残基と呼ばれ、典型的には、公知のヒト配列の「インポート」可変、定常、または他のドメインから採られている残基によって置換される。このようなインポートされた配列は、当該技術分野において公知のように、免疫原性を低減するか、または、結合性、親和性、オン・レート、オフ・レート、アビディティ、特異性、半減期、もしくは任意の他の適切な特性を、低減するか、高めるか、もしくは改善するために使用することができる。好ましくは、非ヒトまたはヒトCDR配列の一部または全部は維持されるが、可変及び定常領域の非ヒト配列は、ヒトまたは他のアミノ酸で置換することができる。
【0267】
ActRII結合タンパク質、例えば、完全長抗ActRIIAまたは抗ActRIIB抗体をコードする核酸(複数可)は、別の抗体を生成するための組換えDNA技術を用いて複数の異なる様式でさらに修飾することができる。いくつかの態様では、例えば、マウスモノクローナル抗体の、軽鎖及び重鎖の定常ドメインをコードする核酸(複数可)は、(a)例えば、ヒト抗体のそのコード領域で置換されて、キメラ抗体を作製することができ、または(b)核酸(複数可)をコードする非免疫グロブリンで置換されて、融合抗体を作製することができる。いくつかの態様では、定常領域が切り詰められるか除去されて、モノクローナル抗体の所望の抗体断片が作製される。可変領域コード配列の部位特異的または高密度突然変異誘発を用いて、モノクローナル抗体の特異性、親和性などを最適化することができる。
【0268】
抗ActRIIヒト抗体は、当該技術分野において公知の種々の技術を用いて直接調製することができる(例えば、Cole et al.,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,p.77(1985);Boemer et al.,J.Immunol.147(1):86-95(1991);及び米国特許第5,750,373号を参照されたい)。同様に、ヒト抗ActRII抗体は、インビトロで免疫化されたまたは免疫化された個体から単離された、ActRII(例えば、ActRIIB及びActRIIA)に対する抗体を産生する不死化ヒトBリンパ球から容易に得ることができる。
【0269】
ヒト抗ActRII抗体は、例えば、Vaughan et al.,Nat.Biotech.14:309-314(1996)、Sheets et al.,PNAS 95:6157-6162(1998)、Hoogenboom and Winter,J.Mol.Biol.227:381(1991)、及びMarks et al.,J.Mol.Biol.222:581(1991)に記載されているようにヒト抗体を発現するファージライブラリーから選択することもできる。抗体ファージライブラリーを生成し、スクリーニングする技術は、米国特許第5,969,108号、同第6,172,197号、同第5,885,793号、同第6,521,404号;同第6,544,731号;同第6,555,313号;同第6,582,915号;同第6,593,081号;同第6,300,064号;同第6,653,068号;同第6,706,484号;及び同第7,264,963号;並びにRothe et al.,J.Mol.Biol.376(4):1182-1200(2008)(これらの各々は、全体として参照により本明細書に組み込まれる)にも記載されている。
【0270】
ヒト抗ActRII抗体は、免疫化された時に内因的な免疫グロブリン産生の非存在下でヒト抗体を産生することができるヒト免疫グロブリン遺伝子座を含むトランスジェニックマウス中で作製することもできる。このアプローチは、例えば、米国特許第5,545,807号;同第5,545,806号;同第5,569,825号;同第5,625,126号;同第5,633,425号;及び同第5,661,016号に記載されている。
【0271】
ヒト抗ActRII抗体は、例えば、WO012/009568;WO09/036379;WO10/105256;WO03/074679、及び米国出願公開第US2002/0177170号(それらの各々の内容は、全体として参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるような酵母ベースの抗体提示ライブラリーから選択及び/または単離することもできる。かかるライブラリーは、ヒトの免疫前レパートリーによってもたらされる多様性を反映するようにインシリコで設計される。
【0272】
あるいは、抗ActRII抗体は、酵母ディスプレイ抗体ライブラリーから選択してもよい。例えば:Blaise et al.,Gene 342(2):211-218(2004);Boder et al.,Nat Biotechnol.15(6):553-557(1997);Kuroda et al.,Biotechnol.Lett.33(1):1-9(2011).Review;Lauer et al.,J.Pharm.Sci.101(1):102-15(2012);Orcutt K.D.及びWittrup K.D.Antibody Engineering,yeast display and selectios(2010),207-233;Rakestraw et al.,Protein Eng.Des.Sel.24(6):525-30(2011);及び米国特許第6,423,538号;同第6,696,251号;及び同第6,699,658号を参照されたい。
【0273】
抗原結合抗体断片を生産するための種々の技術が公知である。従来より、これらの断片は、無傷の抗体のタンパク質消化に由来する(例えば、Morimoto et al.,J.Biochem.Biophys.Meth.24:107-117(1993);及びBrennan et al.,Science 229:81(1985))を参照されたい)。ある特定の態様では、ActRII結合抗体断片は、組換えにより作製される。Fab、Fv、及びscFv抗体断片は全て、E.coliまたは他の宿主細胞中で発現させて分泌させることができるため、これらの断片の大量生産が可能である。かかるActRII結合抗体断片は、前述の抗体ファージライブラリーからさらに単離することができる。いくつかの態様では、ActRII結合抗体断片は、米国特許第5,641,870号に記載されているように直鎖状抗体である。抗原結合抗体断片を生産するための他の技術は、当該技術分野において公知である。
【0274】
公知の技術は、ActRIIに結合する単鎖抗体の生産に容易に適用することができる(例えば、米国特許第4,946,778号を参照されたい)。加えて、公知の方法を常法で適用して、Fab発現ライブラリーを構築して(例えば、Huse et al.,Science 246:1275-1281(1989)を参照されたい)、所望のActRII特異性を有するモノクローナルFab断片の迅速かつ効果的な同定を可能にすることができる。ActRII結合抗体断片は、当該技術分野において公知の技術により生産することができ、かかる技術としては、限定されるものではないが、(a)抗体のペプシン消化により産生されたF(ab’)断片;(b)F(ab’)断片のジスルフィド架橋を還元することによって生成されたFab断片;(c)パパイン及び還元剤で抗ActRII抗体を処理することによって生成されたFab断片、及び(d)Fv断片が含まれる。
【0275】
ある特定の態様では、ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRIIA抗体及び/または抗ActRIIB抗体)は、その血清半減期を増加させるために修飾することができる。これは、例えば、ActRII結合タンパク質の適切な領域の突然変異によりサルベージ受容体結合エピトープをActRII結合タンパク質中に組み込むことによって、またはサルベージ受容体エピトープをペプチドタグ中に組み込んだ後、(例えば、DNAまたはペプチド合成により)ActRIIB結合タンパク質のいずれかの末端または中央に融合することによって達成することができる。ActRII結合タンパク質の血清半減期を増加させる他の方法、例えば、PEGなどの異種分子へのコンジュゲーションは、当該技術分野において公知である。
【0276】
ヘテロコンジュゲートActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRIIB抗体、例えば、完全長抗ActRIIB抗体、及びそれらのActRIIB結合抗体断片、及び変異体、及び誘導体)も本開示の範囲内である。ヘテロコンジュゲートActRII結合タンパク質は、共有結合的に連結された2つのタンパク質で構成される。ヘテロコンジュゲートActRII結合タンパク質は、架橋剤を伴うものを含む、合成タンパク質化学において公知の方法を用いてインビトロで調製することができると考えられる。例えば、免疫毒素は、ジスルフィド交換反応を用いてまたはチオエーテル結合の形成によって構築することができる。この目的に適した試薬の例としては、イミノチオラート及びメチル-4-メルカプトブチルイミダートが含まれる。
【0277】
ActRII結合タンパク質は、抗体とActRII(例えば、ActRIIB及びActRIIA)とを会合させる任意の種類の可変領域を含み得る。かかる可変領域は、ActRII抗原に対する体液性反応の開始及び免疫グロブリンの生成を誘導できる任意の哺乳動物を含み得る、またはこれに由来し得る。抗ActRII抗体の可変領域は、例えば、ヒト、マウス、非ヒト霊長類(例えば、カニクイザル、マカクなど)、またはオオカミ起源であり得る。いくつかの態様では、修飾抗ActRII抗体の可変及び定常領域の両方がヒトである。他の態様では、適合性抗体の可変領域(通常、非ヒト供給源に由来する)は、分子の結合特性を向上させるためまたは免疫原性を低減するために、遺伝子操作または特異的に適応され得る。この点に関して、本開示で有用な可変領域は、ヒト化され得、あるいは本明細書に記載されるまたはあるいは当該技術分野で知られる親和性成熟、突然変異誘発手順、鎖シャッフリング戦略、及び/または他の方法を用いて、インポートされたアミノ酸配列を含めることにより変更され得る。
【0278】
ある特定の態様では、抗ActRII抗体の重鎖及び軽鎖の両方の可変ドメインは、1つ以上のCDRの少なくとも一部の置換によって、及び/または部分的フレームワーク領域置換及び配列変化によって変更される。CDRはフレームワーク領域が由来する抗体と同じクラスまたはサブクラスの抗体に由来し得るが、CDRが、異なるクラスの抗体に由来すること、及びある特定の態様では、異なる種の抗体に由来し得ることも予期される。1つの可変ドメインの抗原結合能を別の可変ドメインに移すためにCDRの全てをドナー可変領域の完全CDRで置換することが常に必要であるわけではない。むしろ、抗原結合部位の活性を維持するために必要な残基を移すことだけが必要である。免疫原性の低下した機能的抗体を常法で得ることは、当業者の能力の十分な範囲内である。例えば、米国特許第5,585,089号、同第5,693,761号、及び同第5,693,762号を参照されたい。
【0279】
可変領域への変更に関わらず、本開示の修飾抗ActRIIは、天然または無変化の定常領域を含むほぼ同じ免疫原性の抗体と比べた時にADCCの減少または血清半減期の増加などの所望の生化学的特徴が付与されるように定常領域ドメインの1つ以上の少なくとも一部が欠失あるいは変化している抗体を含むことが当業者には理解される。いくつかの態様では、修飾抗ActRII抗体の定常領域は、ヒト定常領域を含む。定常領域への修飾には、1つ以上のドメイン中における1つ以上のアミノ酸の付加、欠失、または置換が含まれ得る。本明細書に開示される修飾抗ActRII抗体は、3つの重鎖定常ドメイン(CH1、CH2、またはCH3)のうちの1つ以上及び/または軽鎖定常ドメイン(CL)への変更または修飾を含み得る。いくつかの態様では、修飾抗ActRII抗体は、定常領域を含み、1つ以上のドメインは、部分的にまたは全体的に欠失された定常領域が予期される。いくつかの態様では、修飾抗ActRII抗体は、CH2ドメイン全体が除去されたドメイン欠失構築物または変異体(ΔCH2構築物)を含む。いくつかの態様では、取り除かれた定常領域ドメインは、存在しない定常領域によって通常は付与される分子的柔軟性の一部を提供する短いアミノ酸スペーサー(例えば、10残基)で置換することができる。
【0280】
定常領域はいくつかのエフェクター機能を仲介することが一般的に知られている。例えば、抗体への補体のC1成分の結合は、補体系を活性化する。補体の活性化は、オプソニン作用及び病原細胞の溶解に重要である。補体の活性化はさらに、炎症反応を刺激し、自己免疫過敏症にも関与し得る。さらに、抗体は、Fc領域を介して、抗体Fc領域上のFc受容体部位が細胞上のFc受容体(FcR)に結合して、細胞に結合する。IgG(ガンマ受容体)、IgE(エータ受容体)、IgA(アルファ受容体)、及びIgM(ミュー受容体)を含む、異なるクラスの抗体に特異的な複数のFc受容体がある。細胞表面上のFc受容体への抗体の結合は、抗体被覆粒子の貪食及び破壊、免疫複合体のクリアランス、キラー細胞による抗体被覆標的細胞の溶解(抗体依存性細胞媒介性細胞傷害またはADCCと呼ばれる)、炎症性メディエーターの放出、胎盤移行、並びに免疫グロブリン生産の制御を含む、複数の重要かつ多様な生物学的反応を引き起こす。
【0281】
ある特定の態様では、抗ActRII抗体は、変化したエフェクター機能を有し、これが、投与された抗ActRII抗体の生物学的プロファイルに影響を与える。例えば、(点突然変異または他の手段による)定常領域ドメインの欠失または不活化は、循環している修飾抗体のFc受容体結合を低減し得る。他の場合には、定常領域修飾は、補体結合を緩和することで、血清半減期及びコンジュゲートされた細胞毒素との非特異的会合を低減し得る。定常領域のさらに他の修飾を用いて、抗原特異性または抗体柔軟性の増大により局在化の強化を可能にするジスルフィド結合またはオリゴ糖部分の除去が可能である。同様に、本開示による定常領域の修飾は、当業者に周知の生化学的または分子工学的技術を用いて容易に行うことができる。
【0282】
いくつかの態様では、本明細書に提供されるActRIIB結合タンパク質は、1つ以上のエフェクター機能を有しないActRII抗体である。例えば、いくつかの態様では、抗ActRII抗体は、抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性及び/または補体依存性細胞障害(CDC)活性を有しない。ある特定の態様では、抗ActRII抗体は、Fc受容体及び/または補体因子に結合しない。ある特定の態様では、抗ActRII抗体は、エフェクター機能を有しない。ADCC及び/またはCDC活性、及びFc受容体及び/または補体因子結合を減少または排除するFc配列の遺伝子操作修飾の例は、本明細書に記載されており、あるいは、それを試験するためのアッセイ及び手順として当該技術分野で知られている。
【0283】
いくつかの態様では、抗ActRII抗体は、CH3ドメインがそれぞれの修飾抗体のヒンジ領域に直接融合するように遺伝子操作される。他の構築物では、ペプチドスペーサーは、ヒンジ領域と修飾CH2及び/またはCH3ドメインとの間に挿入される。例えば、CH2ドメインが欠失されており、かつ、残りのCH3ドメイン(修飾または非修飾)が5~20アミノ酸のスペーサーでヒンジ領域に結合している適合構築物が発現され得る。かかるスペーサーは、例えば、定常ドメインの調節エレメントが自由かつ接近可能であるようにするためまたはヒンジ領域の柔軟性を維持することを確実にするために付加され得る。アミノ酸スペーサーは、場合によっては、免疫原性であることを証明し、構築物に対する望まれない免疫応答を誘導することができる。従って、ある特定の態様では、構築物に付加される任意のスペーサーは、修飾抗ActRIIの所望の生化学的品質が維持されるように、比較的非免疫原性であり得るか、あるいは完全に取り除かれ得る。
【0284】
さらなる態様では、抗ActRII抗体は、定常領域における部分的欠失または数個もしくは1個のアミノ酸の置換によって修飾される。例えば、CH2ドメインの選択された領域中における1個のアミノ酸の突然変異は、Fc結合性を実質的に低下させるのに十分であり得る。同様に、エフェクター機能(例えば、補体C1Q結合)を制御する1つ以上の定常領域ドメインは、完全にまたは部分的に欠失させることができる。かかる定常領域の部分的欠失は、対応する定常領域ドメインに関連する他の望ましい機能は損なわずに、抗ActRII抗体の選択された特徴(例えば、血清半減期)を向上させ得る。いくつかの態様では、抗ActRII抗体の定常領域は、得られる構築物のプロファイルを高める1つ以上のアミノ酸の突然変異または置換を介して修飾される。この点に関して、修飾抗ActRII抗体の立体配置及び免疫原性プロファイルを実質的に維持しながら、保存された結合部位により与えられる活性(例えば、Fc結合)を破壊することが可能であり得る。また、本開示は、エフェクター機能を低減もしくは増大する、または1つ以上の細胞毒素、標識、もしくは炭水化物部分に対する付着部位を提供するなどの所望の特性を高めるため、定常領域への1つ以上のアミノ酸の付加を含む、抗ActRII抗体を提供する。かかる態様では、選択された定常領域ドメインに由来する特異的配列を挿入または複製することが望ましいことがある。
【0285】
また、本開示は、本明細書に提供されるActRIIB及びActRIIA結合タンパク質に対する変異体(例えば、マウス、キメラ、ヒト化、及びヒトのActRII結合タンパク質)であるActRII結合タンパク質を提供する。特定の態様では、ActRII結合タンパク質の変異体は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する:(a)ActRIIB及び/またはActRIIAに結合するために、アクチビンAと競合する;(b)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA)の存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIAを発現する細胞におけるSmad(例えば、Smad2及び/またはSmad3)のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンドの存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIA及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIBまたはActRIIAに結合する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。さらなる態様では、変異体は、本明細書に提供されるActRII結合タンパク質と比較して、保存的アミノ酸残基置換突然変異を含有する。
【0286】
提供されるActRII結合タンパク質、例えば、抗ActRII抗体は、ActRII結合タンパク質の溶解度、生物学的半減期、バイオアベイラビリティを改善する、あるいはActRII結合タンパク質の安定性、製剤、及び/または治療特性を改善するための当該技術分野において公知の追加的な化学部分を含むように誘導体化することができる。かかる部分の完全に網羅されていない概要は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、20th ed.,Mack Publishing Co.,Easton,PA(2000)に見出すことができる。
【0287】
ActRII結合タンパク質をコードする核酸及びそれらの発現
ActRII結合タンパク質をコードする核酸分子及び核酸分子の組み合わせも提供される。いくつかの態様では、核酸分子は、抗ActRII抗体、例えば、完全長抗ActRII抗体及びActRII結合抗体断片をコードする。さらなる態様では、本開示は、本明細書に提供される完全長抗ActRII抗体またはActRII結合抗体断片の変異体または誘導体をコードする核酸分子を提供する。
【0288】
本明細書に開示される核酸分子は、RNAの形態またはDNAの形態であり得る。DNAは、cDNA、ゲノムDNA、及び合成DNAを含み;二本鎖または一本鎖であり得、一本鎖の場合、コード鎖または非コード(アンチセンス)鎖であり得る。ある特定の態様では、核酸分子は、単離されている。さらなる態様では、核酸分子は、実質的に純粋である。いくつかの態様では、核酸は、cDNAである、またはcDNA由来である。いくつかの態様では、核酸は、組換え産生される。
【0289】
いくつかの態様では、核酸分子は、宿主細胞またはインビトロでのコード配列の発現を制御する制御配列に作動可能に連結されるActRII結合タンパク質コード配列を含む。特定の態様では、コード配列は、cDNAである。本開示は、宿主細胞またはインビトロでのコード配列の発現を制御する制御配列に作動可能に連結されるActRII結合タンパク質コード配列を含む核酸分子を含有するベクターにも関する。
【0290】
いくつかの態様では、核酸分子は、異種ポリヌクレオチド配列に同じ読み枠で融合した成熟ActRII結合タンパク質のコード配列を含む。いくつかの態様では、異種ポリヌクレオチド配列は、ActRII結合タンパク質をコードする核酸分子(複数可)で形質転換された宿主細胞から発現したタンパク質の分泌を促進するリーダーペプチド配列をコードする。リーダー配列を含有するタンパク質は、プレタンパク質と呼ばれ、宿主細胞によってリーダー配列が切断されて成熟形態のActRII結合タンパク質を形成することができる。かかるリーダーペプチド配列、及び宿主細胞における組換えタンパク質の分泌を促進するためのそれらの使用は、一般的に、当該技術分野において公知である。さらなる態様では、異種ポリヌクレオチド配列は、組換え発現されたActRII結合タンパク質の精製を促進し、かつ、組換え発現されたActRII結合タンパク質のタンパク質の安定性及び/または治療または診断特性を付加するかまたは改善するように機能し得る追加的な5’アミノ酸残基をコードする。
【0291】
いくつかの態様では、本開示は、ハイブリダイゼーションプローブ、PCRプライマー、または配列決定プライマーとして使用するのに十分な、ActRII結合タンパク質をコードするcDNA断片などの単離された核酸を提供する。
【0292】
いくつかの態様では、核酸分子は、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有するActRII結合タンパク質をコードする:(a)ActRIIに結合するために、ActRIIリガンドと競合する;(b)ActRIIリガンドの存在下で、ActRII及び同種ActRIを発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIリガンドの存在下で、ActRIIを発現する細胞における1つ以上のSmadのリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIに結合する。いくつかの態様では、コードされたActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、コードされたActRII結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。いくつかの態様では、コードされたActRII結合タンパク質は、ActRIIとの結合に対して、本明細書に開示されるActRII結合VH及びVL対を有する抗体と競合する。さらなる態様では、コードされたActRII結合タンパク質は、本明細書に開示される抗体とActRIIの同じエピトープに結合する。
【0293】
いくつかの態様では、核酸分子は、ActRIIAと特異的に結合し、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有するActRII結合タンパク質をコードする:(a)ActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、またはNodal)と競合する;(b)ActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA)の存在下で、ActRIIA及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIAリガンドの存在下で、ActRIIAを発現する細胞における1つ以上のSmadのリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIAに結合する。いくつかの態様では、コードされたActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、コードされたActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。いくつかの態様では、コードされたActRIIA結合タンパク質は、ActRIIAとの結合に対して、本明細書に開示されるActRIIA結合VH及びVL対を有する抗体と競合する。さらなる態様では、コードされたActRIIA結合タンパク質は、本明細書に開示される抗体とActRIIAの同じエピトープに結合する。さらなる態様では、核酸分子は、ActRIIと特異的に結合し、かつ、VH及びVLを含むActRIIA結合タンパク質をコードする。
【0294】
いくつかの態様では、核酸分子は、ActRIIBと特異的に結合し、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有するActRII結合タンパク質をコードする:(a)ActRIIBに結合するために、アクチビンA及び/またはGDF8と競合する;(b)ActRIIBリガンド(例えば、アクチビンA及び/またはGDF8)の存在下で、ActRIIB及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIBリガンドの存在下で、ActRIIBを発現する細胞における1つ以上のSmadのリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIBに結合する。いくつかの態様では、コードされたActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、コードされたActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。いくつかの態様では、コードされたActRIIB結合タンパク質は、ActRIIBとの結合に対して、本明細書に開示されるActRIIB結合VH及びVL対を有する抗体と競合する。さらなる態様では、コードされたActRIIB結合タンパク質は、本明細書に開示される抗体とActRIIBの同じエピトープに結合する。さらなる態様では、核酸分子は、ActRIIBと特異的に結合し、かつ、VH及びVLを含むActRIIB結合タンパク質をコードする。
【0295】
いくつかの態様では、核酸分子は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有するActRII結合タンパク質をコードする:(a)ActRIIB及びActRIIAに結合するために、アクチビンA及び/またはGDF8と競合する;(b)ActRIIA及び/またはActRIIBリガンド(例えば、アクチビンA及び/またはGDF8)の存在下で、ActRIIA及び/またはActRIIB及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させる;(c)ActRIIA及び/またはActRIIBリガンドの存在下で、ActRIIA及び/またはActRIIBを発現する細胞における1つ以上のSmadのリン酸化を減少させる;及び(d)≦1nM及び≧1pMのKで(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIAまたはActRIIBに結合する。いくつかの態様では、コードされたActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、上記の特徴のうちの2つ、3つ、または4つを有する。いくつかの態様では、コードされたActRIIB結合タンパク質は、上記の特徴のうちの少なくとも2つまたは少なくとも3つを有する。いくつかの態様では、コードされたActRIIB及びActRIIA結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAとの結合に対して、本明細書に開示されるActRIIB及びActRIIA結合VH及びVL対を有する抗体と競合する。さらなる態様では、コードされたActRIIB結合タンパク質は、本明細書に開示される抗体とActRIIAまたはActRIIBの同じエピトープに結合する。さらなる態様では、核酸分子は、ActRIIB及びActRIIAと特異的に結合し、かつ、VH及びVLを含むActRIIB及びActRIIA結合タンパク質をコードする。
【0296】
また、本開示は、本明細書に提供されるActRIIB結合タンパク質をコードする核酸及び核酸セットを含有するベクター及びベクターセットを提供する。これらの核酸、核酸セット、ベクター、及びベクターセットで形質転換された宿主細胞も提供され、ActRII結合タンパク質を用いて作製する方法と同様である。
【0297】
いくつかの態様では、本開示は、核酸分子または核酸分子の組み合わせを含む宿主細胞、または上記で提供されるようなベクターを提供し、宿主細胞は、場合によっては、ActRIIに特異的に結合するActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体、例えば、完全長ActRIIB抗体及びActRII結合抗体断片)を発現することができる。さらなる態様では、本開示は、核酸分子または核酸分子の組み合わせで形質転換された宿主細胞、または上記で提供されるようなベクターを提供し、宿主細胞は、場合によっては、ActRIIに特異的に結合するActRII結合タンパク質を発現することができる。かかる宿主細胞は、本明細書に提供されるActRII結合タンパク質を作製する方法で利用することができ、方法は、(a)宿主細胞を培養すること、及び(b)宿主細胞から発現したActRII結合タンパク質を単離することを含む。
【0298】
また、本開示は、適切な条件下でActRII結合タンパク質を発現することができる宿主細胞(例えば、ハイブリドーマまたは形質転換された哺乳動物宿主細胞)を培養することを含むActRII結合タンパク質を作製する方法を提供し、必要に応じて、宿主細胞から分泌されたActRII結合タンパク質を単離する方法を提供する。本開示は、本開示の方法を用いて単離されたActRII結合タンパク質をさらに提供する。
【0299】
ある特定の態様では、ポリヌクレオチドは、例えば、コードされたポリペプチドの精製を可能にするマーカー配列に同じ読み枠で融合した成熟ActRII結合タンパク質(複数可)(例えば、ActRII抗体、例えば、完全長抗体及びActRII結合抗体断片)のコード配列(複数可)を含む。例えば、マーカー配列は、細菌宿主の場合にマーカーに融合した成熟ポリペプチドを精製するための、pQE-9ベクターによって供給されるヘキサヒスチジンタグであり得、または、マーカー配列は、哺乳動物宿主(例えば、COS-7細胞)を使用する場合、インフルエンザ赤血球凝集素タンパク質に由来する赤血球凝集素(HA)タグであり得る。
【0300】
抗ActRII抗体及びActRII結合抗体断片などのActRII結合タンパク質をコードする核酸変異体も提供される。核酸変異体は、コード領域、非コード領域、またはその両方に変更を含み得る。いくつかの態様では、核酸変異体は、サイレント置換、付加、または欠失を生じるものの、コードされるポリペプチドの特性または活性は変えない変更を含む。いくつかの態様では、核酸変異体は、遺伝子コードの縮重に起因するサイレント置換によって作製される。核酸変異体は、種々の理由で、例えば、特定の宿主用にコドン発現を最適化するため(ヒトmRNAのコドンをE.coliなどの細菌宿主が選好するものに変化させるため)作製され得る。本明細書に記載される核酸を含むベクター及び細胞も提供される。
【0301】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体、例えば、完全長抗体及びActRII結合抗体断片)をコードする核酸配列は、オリゴヌクレオチド合成機を使用した化学合成によって構築される。かかるオリゴヌクレオチドは、所望のポリペプチドのアミノ酸配列、及び宿主細胞の好みに基づくコドン最適化に基づいて設計することができる。標準方法を常法で適用して、ActRII結合タンパク質をコードする単離ポリヌクレオチド配列を合成することができる。
【0302】
アセンブル後(合成、部位特異的突然変異誘発または別の方法による)、ActRII結合タンパク質をコードする核酸配列は、所望の宿主におけるActRII結合タンパク質の発現に適切な制御配列に常法で作動可能に連結されることができる。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質をコードする核酸配列は、発現ベクターに挿入され、所望の宿主におけるタンパク質の発現に適切な制御配列に作動可能に連結される。宿主におけるトランスフェクトした遺伝子の高い発現レベルを達成するために、その遺伝子を、選択された発現宿主で機能する転写及び翻訳発現制御配列に作動可能に連結するかまたは関連付けることができる。
【0303】
ある特定の態様では、組換え発現ベクターを使用して、ActRII結合タンパク質、例えば、抗ActRIIB抗体、抗ActRIIA抗体、ActRIIB結合抗体断片、またはActRIIA結合抗体断片をコードするDNAを増幅し、発現させる。組換え発現ベクターは、哺乳動物、微生物、ウイルス、または昆虫遺伝子に由来する好適な転写または翻訳調節エレメントに作動可能に連結された、ActRII結合タンパク質のポリペプチド鎖をコードする合成またはcDNA由来のDNA断片を有する複製可能なDNA構築物である。転写単位は、概して、以下に詳細に記載するとおり、(1)遺伝子発現において調節的役割を有する1つまたは複数の遺伝エレメント、例えば、転写プロモーターまたはエンハンサーと、(2)mRNAに転写され、かつ、タンパク質に翻訳される構造またはコード配列と、(3)適切な転写及び翻訳開始及び終結配列との集合を含む。かかる調節エレメントは、転写を制御するためオペレーター配列を含み得る。一般に、複製起点によって付与される宿主における複製能、及び形質転換体の認識を促進する選択遺伝子が、さらに組み込まれ得る。DNA領域は、それらが機能上互いに関係している場合、作動可能に連結している。例えば、シグナルペプチド(分泌リーダー)のDNAは、それがポリペプチドの分泌に関与する前駆体として発現する場合、そのポリペプチドのDNAに作動可能に連結している;プロモーターは、それが配列の転写を制御する場合、コード配列に作動可能に連結している;またはリボソーム結合部位は、それが翻訳を可能にするような位置にある場合、コード配列に作動可能に連結している。酵母発現系での使用が意図される構造エレメントは、宿主細胞による翻訳タンパク質の細胞外分泌を可能にするリーダー配列を含む。あるいは、組換えタンパク質がリーダー配列または輸送配列なしに発現する場合、そのタンパク質は、N末端メチオニン残基を含み得る。この残基は、必要に応じて、後に発現した組換えタンパク質から切断されて、最終タンパク質を提供し得る。ある特定の態様では、本開示は、上述または本明細書の他の箇所に記載されるような核酸またはベクターを含む、必要に応じて、1つ以上の担体、希釈剤、賦形剤、または他の添加剤をさらに含む、組成物、例えば、医薬組成物を提供する。
【0304】
本明細書に開示される核酸分子またはcDNA分子及び/またはベクターで形質転換された宿主細胞も提供される。また、本開示は、制御配列に作動可能に連結され、かつ、必要に応じて、ベクターに挿入された本開示の核酸分子または分子で形質転換された宿主細胞を提供する。いくつかの態様では、宿主細胞は、哺乳動物宿主細胞である。さらなる態様では、哺乳動物宿主細胞は、NS0マウス骨髄腫細胞、PER.C6(登録商標)ヒト細胞、またはチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である。他の態様では、宿主細胞は、ハイブリドーマである。
【0305】
さらなる態様では、本開示は、ActRII結合タンパク質を生成するのに適切な条件下で、本明細書に開示される形質転換された宿主細胞またはハイブリドーマを培養することを含む、本明細書に提供されるActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体、例えば、完全長ActRII抗体及びActRII結合抗体断片、並びにその変異体及び誘導体)を作製する方法を提供する。本開示は、必要に応じて、宿主細胞から分泌されたActRII結合タンパク質を単離することを提供する。また、本開示は、必要に応じて、この方法を用いて生成されたActRII結合タンパク質、及びActRII結合タンパク質及び薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物を提供する。
【0306】
発現制御配列及び発現ベクターの選択は、宿主の選択に依存することになる。幅広い種類の発現宿主/ベクターの組み合わせを用いることができる。真核生物宿主に有用な発現ベクターとしては、例えば、SV40、ウシパピローマウイルス、アデノウイルス、及びサイトメガロウイルス由来の発現制御配列を含むベクターが挙げられる。細菌宿主に有用な発現ベクターとしては、pCR1、pBR322、pMB9、及びそれらの誘導体を含めたE.coli由来のプラスミドなどの公知の細菌プラスミド、M13及び繊維状一本鎖DNAファージなどのより広い宿主域のプラスミドが挙げられる。
【0307】
ActRII結合タンパク質の発現に好適な宿主細胞には、適切なプロモーターの制御下にある原核生物、酵母、昆虫、または高等真核生物細胞が含まれる。原核生物には、グラム陰性またはグラム陽性生物、例えば、E.coliまたは桿菌が含まれる。高等真核生物細胞には、以下に記載するとおりの哺乳動物起源の樹立細胞株が含まれる。無細胞翻訳系も用いることができる。抗体産生を含めたタンパク質産生の方法に関するさらなる情報については、例えば、米国出願公開第2008/0187954号、米国特許第6,413,746号、同第6,660,501号、及び国際出願公開第WO04/009823号(これらの各々は、全体として参照により本明細書に組み込まれる)で見出すことができる。
【0308】
種々の哺乳動物または昆虫細胞培養系も、組換えActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体、例えば、完全長ActRII抗体及びActRII結合抗体断片、並びにその変異体及び誘導体)の発現に有利に用いることができる。哺乳動物細胞における組換えActRII結合タンパク質の発現を実施することができ、なぜならかかるタンパク質は、概して正しく折り畳まれ、適切に修飾され、かつ、完全に機能性であるためである。好適な哺乳動物宿主細胞株の例としては、HEK-293及びHEK-293T、Gluzman(Cell 23:175,1981)によって記載されるサル腎細胞のCOS-7株、及び他の細胞株、例えば、L細胞、C127、3T3、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)、HeLa、及びBHK細胞株が挙げられる。哺乳動物発現ベクターは、非転写エレメント、例えば、複製起点、発現させる遺伝子に連結した好適なプロモーター及びエンハンサー、及び他の5’または3’フランキング非転写配列、及び5’または3’非翻訳配列、例えば、必須リボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライス供与・受容部位、及び転写終結配列などを含み得る。昆虫細胞における異種タンパク質の産生用のバキュロウイルス系は、Luckow and Summers,BioTechnology 6:47(1988)によって概説されている。
【0309】
形質転換された宿主細胞またはハイブリドーマによって産生されるActRII結合タンパク質は、任意の好適な方法によって精製することができる。かかる標準方法には、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親和性及びサイジングカラムクロマトグラフィー)、遠心分離、溶解度差、または任意の他の標準的なタンパク質精製技術によるものが含まれる。ヘキサヒスチジン、マルトース結合ドメイン、インフルエンザコート配列及びグルタチオン-S-トランスフェラーゼなどの親和性タグをタンパク質に付加すると、適切な親和性カラムに通過させることによる容易な精製が可能となり得る。ActRII結合タンパク質はまた、タンパク質分解、核磁気共鳴、及びX線結晶学などの技術を用いて物理的に特徴付けることもできる。
【0310】
例えば、組換えActRII結合タンパク質を培養培地中に分泌する系からの上清を、初めに市販のタンパク質濃縮フィルター、例えば、AmiconまたはMillipore Pellicon限外ろ過ユニットを使用して濃縮し得る。この濃縮ステップの後、濃縮物を好適な精製マトリックスに適用し得る。あるいは、陰イオン交換樹脂、例えば、ペンダントジエチルアミノエチル(DEAE)基を有するマトリックスまたは基質を用いてもよい。マトリックスは、アクリルアミド、アガロース、デキストラン、セルロース、またはタンパク質精製において一般的に用いられる他のタイプであってもよい。あるいは、陽イオン交換ステップが用いられてもよい。好適な陽イオン交換体としては、スルホプロピル基またはカルボキシメチル基を含む種々の不溶性マトリックスが挙げられる。最後に、疎水性RP-HPLC媒体、例えば、ペンダントメチル基または他の脂肪族基を有するシリカゲルを用いる1つ以上の逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)ステップを用いて、ActRII結合タンパク質をさらに精製することができる。均一な組換えActRII結合タンパク質を提供するため、前述の精製ステップの一部または全てを様々に組み合わせて常法で用いることもできる。
【0311】
細菌培養で産生された組換えActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体、例えば、完全長ActRII抗体及びActRII結合抗体断片、並びにその変異体及び誘導体)は、例えば、細胞ペレットからの初期抽出と、続く1つ以上の濃縮、塩析、水性イオン交換、またはサイズ排除クロマトグラフィーステップによって単離することができる。最終精製ステップには、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いることができる。組換えタンパク質の発現に用いられる微生物細胞は、凍結融解サイクル処理、音波処理、機械的破壊、または細胞溶解剤の使用を含む、任意の好都合な方法によって破壊することができる。
【0312】
標的結合タンパク質、例えば、完全長抗体及び抗原結合抗体断片を精製するための当該技術分野において公知の方法としてはまた、例えば、米国出願公開第2008/0312425号、同第2008/0177048号、及び同第2009/0187005号(これらの各々は、本明細書によって全体として参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるものも挙げられる。
【0313】
ある特定の態様では、ActRII結合タンパク質は、抗体ではない。タンパク質標的に高親和性で結合する非抗体ポリペプチドを同定及び作製する種々の方法が知られている。例えば、Skerra,Curr.Opin.Biotechnol.18:295-304(2007),Hosse et al.,Protein Science 15:14-27(2006),Gill et al.,Curr.Opin.Biotechnol.17:653-658(2006),Nygren,FEBS J.275:2668-2676(2008)、及びSkerra,FEBS J.275:2677-2683(2008)(これらの各々は、全体として参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。ある特定の実施形態では、ファージディスプレイ技術を用いてActRII結合タンパク質を同定/作製する。ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、プロテインA、リポカリン、フィブロネクチンドメイン(例えば、III型フィブロネクチン(Fn3))、アンキリンコンセンサス反復ドメイン、及びチオレドキシンからなる群から選択される種類のタンパク質足場を含む。
【0314】
使用方法及び医薬組成物
提供されるActRII結合タンパク質(抗体、免疫複合体、及びポリペプチドを含む)は、ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRIIB及びActRIIA抗体)で種々の疾患及び状態を診断する方法、及び治療及び/または改善する方法を含むが、これらに限定されない種々の用途に有用である。ActRII(例えば、ActRIIB及び/またはActRIIA)シグナル伝達及び/または増加したActRII発現と関連する疾患または状態を有する対象を治療するためにActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体、例えば、完全長ActRIIに特異的に結合する抗体及びActRII結合抗体断片、並びにその変異体及び誘導体)を使用するための方法を提供する。さらなる態様では、本開示は、本明細書に提供されるActRII結合タンパク質、及び薬学的に許容可能な担体を含有する医薬組成物を提供する。いくつかの態様では、本開示は、医薬として使用される、本明細書に提供されるActRII結合タンパク質、及び薬学的に許容可能な担体を含有する医薬組成物を提供する。また、本開示は、ActRII、増加したActRII発現、及び/または増加したActRIIシグナル伝達と関連する疾患または状態を治療及び/または改善するための本明細書に開示される医薬組成物の使用を提供する。いくつかの態様では、本明細書に提供される医薬組成物を用いて治療される疾患または状態は、筋肉障害、例えば、疾患または不使用による筋肉消耗である。さらなる態様では、本明細書に提供される医薬組成物を用いて治療される疾患または状態は、線維症状態(例えば、肝、肺、血管及び/または眼の線維症状態);炎症性、心血管、肺、筋骨格系、神経、または代謝性疾患または状態;創傷治癒;またはがんである。
【0315】
いくつかの態様では、医薬組成物は、ActRII結合タンパク質(例えば、ActRIIBに特異的に結合する完全長抗体、及びActRIIAに特異的に結合する完全長抗体)、及び薬学的に許容可能な担体を含み、標識基またはエフェクター基をさらに含む。「標識」は、スクリーニングでの検出を可能にするため付加される1つ以上のエレメント、同位体、または化学的化合物を指す。標識は、概して3つのクラスに分類される:(a)同位体標識(これは、放射性同位体または重同位体であり得る)、(b)小分子標識(これには、蛍光色素及び比色定量色素、または他の標識方法を可能にするビオチンなどの分子が含まれ得る)、及び(c)免疫標識(これは、抗体によって認識される融合パートナーとして組み込まれたエピトープであり得る)。「標識基」は、任意の検出可能標識を指す。いくつかの態様では、標識基は、潜在的な立体障害を低下させるためスペーサー(例えば、ペプチドスペーサー)を介してActRII結合タンパク質にカップリングされる。標識は、化合物に任意の位置で組み込むことができ、タンパク質発現中にインビトロまたはインビボで組み込むことができる。タンパク質を標識するための様々な方法が当該技術分野において公知であり、提供される方法の実施に用いることができる。さらなる態様では、標識基は、同位体標識、磁気標識、酸化還元活性部分、光学色素、ビオチン化基、及び二次レポーターによって認識されるポリペプチドエピトープからなる群から選択される。いくつかの態様では、標識基は、緑色蛍光タンパク質またはその誘導体(例えば、高感度GFP、青色蛍光タンパク質またはその誘導体(例えば、EBFP(高感度青色蛍光タンパク質)、EBFP2、Azurite、mKalama1、シアン蛍光タンパク質またはその誘導体(例えば、ECFP(高感度シアン蛍光タンパク質)、Cerulean、CyPet)、黄色蛍光タンパク質またはその誘導体(例えば、YFP、Citrine、Venus、YPet)などの蛍光タンパク質である。いくつかの態様では、ポリペプチド エピトープは、ビオチンシグナル伝達ペプチド、ヒスチジンペプチド(his)、ヘマグルチニン(HA)、Flag、金結合ペプチドから選択されるメンバーである。さらなる態様では、エフェクター基は、放射性同位体、放射性核種、毒素、治療薬、及び化学療法剤からなる群から選択される。
【0316】
本開示のActRII結合タンパク質は、インビトロ及びインビボでの診断的及び治療的有用性において応用される。例えば、ActRII結合タンパク質は、種々の疾患または状態を治療、防止、または診断するために、例えば、インビトロまたはインビボで培養中の細胞、または対象における細胞に投与することができる。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ヒト抗体、マウス抗体、またはヒト化抗体である。
【0317】
ActRII活性を遮断する方法も提供される。いくつかの態様では、方法は、ActRIIをActRII結合タンパク質と接触させることを含む。場合によっては、方法は、インビボで行う。他の例では、方法は、インビトロで行う。いくつかの態様では、遮断されたActRII活性は、(a)ActRIIリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、GDF3、BMP9、またはBMP10)による結合;(b)アクチビンAの存在下で、ActRIIを発現する細胞における1つ以上のSmadのリン酸化;(c)ActRIIリガンドの存在下で、ActRII、及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化から選択される。
【0318】
いくつかの態様では、ActRIIA活性を遮断する方法を提供する。さらなる態様では、方法は、ActRIIAをActRIIA結合タンパク質と接触させることを含む。場合によっては、方法は、インビボで行う。他の例では、方法は、インビトロで行う。いくつかの態様では、遮断されたActRIIA活性は、(a)ActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF1、GDF3、またはNodal)による結合;(b)アクチビンAの存在下で、ActRIIAを発現する細胞における1つ以上のSmadのリン酸化;(c)ActRIIAリガンドの存在下で、ActRIIA、及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化から選択される。
【0319】
いくつかの態様では、ActRIIB活性を遮断する方法を提供する。さらなる態様では、方法は、ActRIIBをActRIIB結合タンパク質と接触させることを含む。場合によっては、方法は、インビボで行う。他の例では、方法は、インビトロで行う。いくつかの態様では、遮断されたActRIIB活性は、(a)ActRIIBリガンド(例えば、アクチビンA、アクチビンB、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、BMP6、GDF3、BMP9、またはBMP10)による結合;(b)アクチビンAの存在下で、ActRIIAを発現する細胞における1つ以上のSmadのリン酸化;(c)ActRIIBリガンドの存在下で、ActRIIA、及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化から選択される。
【0320】
一態様では、本開示は、ActRII結合タンパク質(例えば、ActRIIBに特異的に結合する完全長抗体、及びActRIIAに特異的に結合する完全長抗体)を、ActRII発現及び/または上昇したActRIIシグナル伝達と関連する疾患または状態を有するかまたは疾患または状態を発症するリスクがある対象に投与することを含む、疾患または状態の治療、防止、及び/または改善を提供する。別の態様では、治療は、ActRII結合タンパク質を、対象から単離された組織または細胞に投与することを含み、対象は、ActRII発現またはActRIIシグナル伝達と関連する疾患または状態を有する、または疾患または状態を発症するリスクがある。ActRII発現またはActRIIシグナル伝達と関連する疾患または状態の治療のための医薬の製造における本明細書に提供されるActRII結合タンパク質の使用をさらに提供する。
【0321】
本開示は、ActRII結合タンパク質及び薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物を提供する。本明細書に提供されるActRII結合タンパク質を含む医薬組成物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、対象におけるActRII(例えば、ActRIIAまたはActRIIB)媒介活性と関連する状態を治療及び/または改善する方法も提供される。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、単独で投与される。他の態様では、ActRII結合タンパク質は、併用療法として投与される。有効量のActRII結合タンパク質を、それを必要とする対象に投与することを含む、対象におけるActRII活性を減少させる方法も提供される。
【0322】
また、本開示は、筋肉障害と関連する疾患または状態を治療及び/または改善する方法を提供する。いくつかの態様では、筋肉障害は、萎縮である。さらなる態様では、萎縮は、疾患または不使用に起因する。いくつかの態様では、方法は、ActRII結合タンパク質(例えば、ActRIIBに特異的に結合する抗体、ActRIIAに特異的に結合する抗体、またはActRIIB及びActRIIAに特異的に結合する抗体)を含む医薬組成物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、単独または併用療法として投与される。
【0323】
いくつかの態様によれば、本開示は、対象における骨格筋の形成を誘発する方法を提供する。いくつかの態様では、方法は、ActRIIB結合タンパク質(例えば、抗ActRIIB抗体、例えば、完全長ActRIIB抗体及びActRIIB結合抗体断片)を、それを必要とする対象に投与することを含む。いくつかの態様では、方法は、対象における筋肉量または筋力を増加させる。
【0324】
また、本開示は、対象における筋肉障害、例えば、退行性筋疾患、筋ジストロフィー、筋萎縮、または筋肉消耗障害;線維症状態(例えば、肝、肺、血管及び/または眼の線維症状態、例えば、心筋線維症、及び特発性肺線維症(IPF));代謝性疾患(例えば、インスリン抵抗性のII型糖尿病、高血糖、及び肥満);炎症性疾患または状態、自己免疫疾患、心血管疾患(例えば、鬱血性心不全、及び高血圧);眼疾患、例えば、加齢黄斑変性症;肺疾患、筋肉骨格疾患、骨格系疾患、例えば、骨粗鬆症;神経疾患;創傷治癒;体重減少;及びがん(例えば、癌腫、骨髄腫、骨誘導損失癌、下垂体癌、及び消化管癌)と関連する疾患または状態を治療及び/または改善する方法を提供する。いくつかの態様では、方法は、ActRII結合タンパク質(例えば、ActRIIBに特異的に結合する抗体、ActRIIAに特異的に結合する抗体、またはActRIIB及びActRIIAに特異的に結合する抗体)を含む医薬組成物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む。さらなる態様では、ActRII結合タンパク質は、単独または併用療法として投与される。ActRII発現またはActRIIシグナル伝達と関連する疾患または状態の使用、または疾患または状態を発症するリスクをさらに提供する。
【0325】
また、本開示は、対象におけるシグナル伝達などのActRII(例えば、ActRIIAまたはActRIIB)活性を減少させる方法を提供する。いくつかの態様では、方法は、ActRII結合タンパク質(例えば、ActRIIBに特異的に結合する抗体、ActRIIAに特異的に結合する抗体、またはActRIIB及びActRIIAに特異的に結合する抗体)の有効量、またはActRII結合タンパク質を含む医薬組成物の有効量を、それを必要とする対象(例えば、筋肉消耗;線維症状態(例えば、肝、肺、血管及び/または眼の線維症状態);炎症性、心血管、肺、筋骨格系(すなわち、骨及び/または筋肉)、神経、または代謝性疾患または状態;創傷治癒;またはがんと診断された対象)に投与することを含む。
【0326】
一態様では、本開示は、対象における筋肉障害を治療及び/または改善する方法を提供する。場合によっては、方法は、ActRII結合タンパク質(例えば、ActRIIBに特異的に結合する抗体、ActRIIAに特異的に結合する抗体、またはActRIIB及びActRIIAに特異的に結合する抗体)を、筋肉障害を有する対象に投与することを含む。他の態様では、対象は、筋肉障害を発症するリスクがある。いくつかの態様では、筋肉障害または状態は、筋萎縮である。さらなる態様では、筋萎縮は、グルココルチコイド治療、例えば、コルチゾール、デキサメタゾン、βメタゾン、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、またはプレドニゾロンによる治療と関連する状態である。さらなる態様では、筋萎縮は、神経外傷、または退行性、代謝性、または炎症性ニューロパチー(例えば、ギラン・バレー症候群、末梢ニューロパチー、または環境毒素または薬物への曝露)の結果と関連する状態である。さらなる態様では、筋萎縮は、成人運動ニューロン疾患、乳児脊髄性筋萎縮、筋萎縮性側索硬化症、少年脊髄筋萎縮、多病巣性の神経ブロックによる自己免疫運動ニューロパチー、卒中または脊髄損傷による麻痺、心的外傷による骨格固定、長期床上安静、自発的な不活性、不随意な不活性、代謝性ストレスまたは栄養不足、がん、AIDS、断食、甲状腺障害、糖尿病、良性先天性低緊張症、中心コア病、熱傷、慢性閉塞性肺疾患、肝臓疾患(線維症、硬変などの例)、敗血症、鬱血性心不全、老化、宇宙旅行または無重力環境で費やした時間と関連する状態である。
【0327】
いくつかの態様では、治療及び/または改善した筋肉障害は、ミオパチーと関連する筋萎縮である。さらなる態様では、ミオパチーは、ミトコンドリアミオパチー;例えば、グリコーゲンまたは脂質蓄積症に起因する代謝性ミオパチー、先天性ミオパチー、例えば、ネマリンミオパチー、マルチ/ミニコアミオパチー及び筋細管(中心核)ミオパチー;ミオトニー;家族性周期性四肢麻痺;及び炎症性ミオパチーからなる群から選択される。さらなる態様では、ミオパチーは、筋ジストロフィー症候群、例えば、デュシェンヌ型、ベッカー型、筋強直性、顔面肩甲上腕、福山型、肢帯、肩甲上腕骨、エメリー・ドレフュス型、眼咽頭型、シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)、先天性筋ジストロフィー、または遺伝性遠位型ミオパチーと関連する状態である。提供されるActRII結合タンパク質は、封入体筋炎、ミオグロビン尿症、横紋筋融解症、骨化性筋炎、多発性筋炎、もしくは皮膚筋炎を治療するために使用され得る。加えて、提供されるActRII結合タンパク質は、グルココルチコイド治療、筋肉減少症、長期床上安静、骨格固定、敗血症、もしくは鬱血性心不全から生じる筋萎縮を治療もしくは防止し得る。
【0328】
別の態様では、本開示は、筋ジストロフィーを治療及び/または改善する方法を提供する。用語「筋ジストロフィー」は、骨格筋(並びにときおり、心臓及び呼吸筋)が徐々に弱って、劣化することによって特徴付けられる退行性の筋疾患の群を指す。ActRII結合タンパク質及び本明細書に提供される医薬組成物で治療及び/または改善することができる例示的な筋ジストロフィーとしては、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)、エメリー・ドレフュス型筋ジストロフィー(EDMD)、肢帯型筋ジストロフィー(LGMD)、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHもしくはFSHD)(ランドゥジー・デジュリン型としても知られる)、筋強直性筋ジストロフィー(MMD)(シュタイネルト病としても知られる)、眼球咽頭型筋ジストロフィー(OPMD)、遠位型筋ジストロフィー(DD)、先天性筋ジストロフィー(CMD)、及び肩甲上腕型筋ジストロフィー(SMD)が挙げられる。
【0329】
別の態様では、本開示は、線維症状態(例えば、線維症)を治療及び/または改善する方法を提供する。場合によっては、方法は、ActRII結合タンパク質(例えば、ActRIIBに特異的に結合する抗体、ActRIIAに特異的に結合する抗体、またはActRIIB及びActRIIAに特異的に結合する抗体)を、線維症状態を有する対象に投与することを含む。他の態様では、対象は、線維症状態を発症するリスクがある。さらなる態様では、線維症状態は、DNである。いくつかの態様では、治療した線維症状態は、原発性の線維症である。一態様では、治療した線維症状態は、特発性である。いくつかの態様では、線維症状態は、慢性である。いくつかの態様では、治療した線維症状態は、全身性である。他の態様では、治療した線維性疾患または状態は、疾患(例えば、感染性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、悪性またはがん性疾患、及び/または結合組織病);毒素;障害(例えば、環境危害(例えば、アスベスト、炭塵、多環芳香族炭化水素類)、喫煙、創傷);または治療(例えば、外科的切開、化学療法または放射線)と関連する(例えば、に二次的な)状態である。
【0330】
本明細書に提供されるActRII結合タンパク質で治療及び/または改善することができる線維症状態としては、線維症、肝損傷(例えば、アルコール、及びB型及びC型肝炎感染などのウイルス感染に起因する肝損傷)、肺線維症(例えば、嚢胞性線維症、喫煙に起因するIPFまたは肺線維症、環境危害、及びブレオマイシンなどの化学療法薬)、放射線誘発線維症、注射線維症、血管線維症、アテローム性動脈硬化症、膵線維症、筋肉骨格線維症(例えば、筋肉線維症)、心臓線維症、皮膚線維症、強皮症、眼の線維症(例えば、加齢黄斑変性、糖尿病性黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、及びドライアイ疾患)、進行性全身性硬化症(PSS)、慢性移植片対宿主病、ペイロニー病、膀胱鏡検査後の尿道狭窄症、後腹膜線維症、縦隔線維症、進行性塊状線維症、増殖性線維症、新生物性線維症、デュピュイトラン病、狭窄、胸膜線維症、サルコイドーシス、脊髄損傷/線維症、及び骨髄線維症が挙げられるが、これらに限定されない。
【0331】
対象における線維症を減少させる方法も提供される。いくつかの態様では、本開示は、ActRII結合タンパク質(例えば、本明細書に記載される医薬組成物における)を、線維症を有する対象に投与することを含む、対象における線維症を減少させる方法を提供する。かかる減少した線維症は、例えば、減少線維症に反映させることができ、例えば、線維性の病変の発症の減少、体重減少または他の臨床症状の低下、及び/または治療される線維症状態の発症と関連する生体分子(例えば、mRNAまたはタンパク質発現)の発現変化を含む、線維症と関連する兆候または状態を減少させる。いくつかの態様では、線維症は、肝、筋肉、または肺の線維症である。線維症の治療のための医薬の製造における本明細書に提供されるActRII結合タンパク質の使用をさらに提供する。
【0332】
別の態様では、本開示は、細胞または組織における線維症を減少させる方法を提供する。方法は、線維性細胞または組織をActRII結合タンパク質(例えば、単剤として、または別の薬剤または治療法と併用して)と線維症を減少または阻害するのに十分な量で接触させることを含む。これらの方法は、インビトロまたはインビボで実施することができる。一態様では、方法は、インビボ、例えば、哺乳動物対象(例えば、動物モデル)において実施される。一態様では、対象は、ヒトである。いくつかの態様では、線維症を減少させることには、(a)組織線維症の形成または堆積を減少または阻害すること;(b)線維性の病変のサイズ、細胞充実度(例えば、線維芽細胞または免疫細胞数)、組成物;または細胞内含有量を減少させること;(c)線維性の病変のコラーゲンまたはヒドロキシプロリン含有量を減少させること;(d)1つ以上の線維形成タンパク質の発現または活性を減少させること;及び/または(e)炎症反応と関連する線維症を減少させることが含まれる。いくつかの態様では、線維症を減少させることには、(a)組織線維症の形成または堆積を減少または阻害すること;(b)線維性の病変のサイズ、細胞充実度(例えば、線維芽細胞または免疫細胞数)、組成物;または細胞内含有量を減少させること;(c)線維性の病変のコラーゲンまたはヒドロキシプロリン含有量を減少させること;(d)1つ以上の線維形成タンパク質の発現または活性を減少させること;及び/または(e)炎症と関連する線維症を減少させることが含まれる。
【0333】
いくつかの態様によれば、本開示は、対象における肝または肺機能の喪失を減少させる方法を提供する。いくつかの態様では、方法は、ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体、例えば、完全長ActRII抗体及びActRII結合抗体断片)を、それを必要とする対象に投与することを含む。いくつかの態様では、方法は、対象における肝機能の喪失を減少させる。さらなる態様では、方法は、肝線維症を減少させることを通じて対象における肝機能の喪失を減少させる。いくつかの態様では、方法は、対象における肺機能の喪失を減少させる。いくつかの態様では、方法は、肺線維症を減少させることを通じて対象における肺機能の喪失を減少させる。いくつかの態様では、方法は、特発性肺線維症(IPF)を有するかまたは発症するリスクがある対象における肺機能の喪失及び/または肺線維症を減少させる。
【0334】
対象における線維症を減少させることによって、肝または肺機能を改善する方法をさらに提供する。場合によっては、方法は、ActRII結合タンパク質、例えば、抗ActRII抗体、例えば、完全長ActRII抗体及びActRII結合抗体断片、並びにその変異体及び誘導体)または本明細書に提供される医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。いくつかの態様では、肝または肺機能の喪失を減少させること、または肝または肺機能を改善することには、(a)対応する臓器における組織線維症の形成または堆積を減少または阻害すること;(b)対応する臓器における線維性の病変のサイズ、細胞充実度(例えば、線維芽細胞または免疫細胞数)、組成物;または細胞内含有量を減少させること;(c)対応する臓器における線維性の病変のコラーゲンまたはヒドロキシプロリン含有量を減少させること;(d)対応する臓器における1つ以上の線維形成タンパク質(例えば、フィブリノゲン及びコラーゲン)の発現または活性を減少させること;(d)対応する臓器における発現細胞外マトリックス及び/またはEMTを減少させること;及び/または(e)対応する臓器における炎症反応と関連する線維症を減少させることが含まれる。
【0335】
人体は、心的外傷及び瘢痕によって損傷に応答する。過度の瘢痕化によって特徴付けられる障害の一種である線維症は、正常な創傷治癒反応が乱れた場合に起こる。線維症の間、創傷治癒反応は、コラーゲンの過剰な産生及び堆積を引き起こし続ける。別の態様では、本開示は、治療有効量のActRII結合タンパク質(例えば、ActRIIBに特異的に結合する抗体またはActRIIAに特異的に結合する抗体)を、それを必要とする対象に投与することを含む、線維症を治療する方法を提供する。
【0336】
いくつかの態様では、本開示は、肝または肺機能の喪失を減少させる、または肝または肺機能を改善する方法を提供する。いくつかの態様では、方法は、(a)対応する臓器における組織線維症の形成または堆積を減少または阻害すること;(b)対応する臓器における線維性の病変のサイズ、細胞充実度(例えば、線維芽細胞または免疫細胞数)、組成物;または細胞内含有量を減少させること;(c)対応する臓器における線維性の病変のコラーゲンまたはヒドロキシプロリン含有量を減少させること;(d)対応する臓器における1つ以上の線維形成タンパク質(例えば、フィブリノゲン及びコラーゲン)の発現または活性を減少させること;(d)対応する臓器における発現細胞外マトリックス及び/またはEMTを減少させること;及び/または(e)対応する臓器における炎症反応と関連する線維症を減少させることをもたらす。
【0337】
また、本開示は、肺の線維症状態を治療及び/または改善する方法を提供する。いくつかの態様では、方法は、ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体、例えば、ActRIIに特異的に結合する抗体、及びそれらの断片及び変異体及び誘導体)を、肺の線維症状態を有するかまたは発症するリスクがある対象に投与することを含む。いくつかの態様では、肺線維症は、特発性、薬理学的誘発性、放射線誘発性、慢性の閉塞性肺疾患(COPD)、または慢性喘息である。治療され得る肺の線維症状態には、通常間質性肺炎(UIP)、間質性肺疾患、特発線維性肺胞炎(CFA)、及び気管支拡張症からなる群の1つ以上のメンバーが含まれる。いくつかの態様では、治療した肺の線維症状態は、肺の炎症性障害、例えば、喘息、及び/または慢性閉塞性肺疾患(COPD)と関連する状態である。
【0338】
特定の態様では、本開示は、ActRII結合タンパク質を、肺線維症を有するかまたは発症するリスクがある対象に投与することを含む、肺線維症を治療及び/または改善する方法を提供する。肺線維症の治療または改善のための医薬の製造における本明細書に提供されるActRII結合タンパク質の使用をさらに提供する。
【0339】
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質(例えば、及び抗ActRIIA抗体、及び抗ActRIIB抗体)で治療した肺の線維症状態は、急性呼吸窮迫症候群、慢性喘息、急性肺症候群、気管支肺異形成症、肺高血圧(例えば、特発性肺高血圧(IPH))、ヒスチオサイトーシスX、塵肺、カプラン病、リウマチ様疾患、及び全身性硬化症からなる群から選択されるメンバーである。
【0340】
いくつかの態様では、本明細書に提供されるActRII結合タンパク質(例えば、及び抗ActRIIA抗体及び抗ActRIIB抗体)で治療した肺の線維症状態は、自己免疫結合組織障害と関連する状態である。いくつかの態様では、自己免疫結合組織障害は、サルコイドーシス、関節リウマチ、強皮症及び全身性エリテマトーデス(SLE)からなる群から選択される。さらなる態様では、肺の線維症状態は、疾患、毒素、障害、または治療と関連する状態である。従って、いくつかの態様では、肺の線維症状態は、毒素及び刺激物への曝露、例えば、吸入作業場所の危険(例えば、粉塵、アスベスト、シリカ、ボーキサイト、鉄、綿、タルク、及び炭塵)、毒素(例えば、アミオダロン、カルムスチン、クロラムフェニコール、ヘキサメトニウム)、タバコの煙、及び環境汚染物質からなる群の1つ以上のメンバーと関連する状態である。さらなる態様では、治療した肺の線維症状態は、感染性疾患と関連する状態である。特定の態様では、感染性疾患は、慢性感染症と関連する状態である。
【0341】
さらなる態様では、治療した肺の線維症状態は、治療と関連する状態である。特定の態様では、治療は、外科手術、放射線療法、及び薬物療法から選択される。さらなる態様では、薬物療法は、化学療法である。さらなる態様では、化学療法は、ブレオマイシン、メトトレキサート、アミオダロン、ブスルファン、ニトロソウレア、及びニトロフラントインからなる群から選択される化学療法剤の投与を伴う。
【0342】
肺高血圧または特発性肺線維症(IPF)を治療及び/または改善する方法も提供される。場合によっては、方法は、ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体、例えば、完全長ActRII抗体及びActRII結合抗体断片、並びにその変異体及び誘導体)を、肺高血圧またはIPFを有するかまたは発症するリスクがある対象に投与することを含む。場合によっては、ActRII結合タンパク質またはActRII結合タンパク質を含む医薬組成物は、肺高血圧を治療、防止、及び/または改善するために投与される。場合によっては、ActRII結合タンパク質またはActRII結合タンパク質を含む医薬組成物は、IPFを治療、防止、及び/または改善するために投与される。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質またはActRII結合タンパク質を含む医薬組成物は、肺高血圧またはIPFを有するかまたは発症するリスクがある対象に投与される。
【0343】
また、本開示は、肝臓の線維症状態を治療及び/または改善する方法を提供する。いくつかの態様では、方法は、ActRII結合タンパク質またはActRII結合タンパク質を含む医薬組成物の有効量を、肝臓の線維症状態を有するかまたは発症するリスクがある対象に投与することを含む。肝臓の線維症状態の治療または改善のための医薬の製造における本明細書に提供されるActRII結合タンパク質の使用をさらに提供する。本明細書に提供されるActRII結合タンパク質を用いて治療され得る肝臓の線維症状態には、脂肪症(例えば、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)、脂肪肝疾患、胆汁うっ滞性肝疾患(例えば、原発性胆汁性肝硬変(PBC))、肝硬変、アルコール誘発性の肝線維症、感染誘発性の肝線維症、胆管損傷、胆管線維症、先天性肝線維症、自己免疫肝炎、及び胆管症からなる群の1つ以上のメンバーが含まれる。さらなる態様では、感染誘発性の肝線維症は、細菌誘発性またはウイルス誘発性である。
【0344】
さらなる態様では、本明細書に提供されるActRII結合タンパク質で治療され得る肝臓の線維症状態は、ウイルス感染(例えば、肝炎(C型、B型、及びD型肝炎)と関連する肝線維症、自己免疫肝炎、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、進行性塊状線維症、アルコール依存症、及び毒素または刺激物への曝露(例えば、アルコール、医薬品、及び環境毒素)からなる群の1つ以上のメンバーである。
【0345】
また、本開示は、心臓線維症を治療及び/または改善する方法を提供する。いくつかの態様では、方法は、ActRII結合タンパク質またはActRII結合タンパク質を含む医薬組成物の有効量を、心血管系の線維症状態を有するかまたは発症するリスクがある対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、心臓線維症は、心内膜心筋線維症または特発性心筋症である。いくつかの実施形態では、皮膚線維症は、強皮症、心的外傷後、手術皮膚の瘢痕、ケロイド、または皮膚のケロイド形成である。いくつかの実施形態では、眼の線維症は、緑内障、眼の硬化症、結膜の瘢痕化、角膜瘢痕、または翼状片である。いくつかの実施形態では、後腹膜線維症は、特発性、薬理学的誘発性、または放射線誘発性である。いくつかの実施形態では、嚢胞性線維症は、膵臓の嚢胞性線維症または肺の嚢胞性線維症である。いくつかの実施形態では、注射線維症は、筋肉内注射の合併症として起こる。心血管系の線維症状態の治療または改善のための医薬の製造における本明細書に提供されるActRII結合タンパク質の使用をさらに提供する。
【0346】
ActRII結合タンパク質を、それを必要とする対象に投与することを含む、眼疾患または状態を治療及び/または改善する方法も提供される。特定の態様では、眼疾患または状態は、緑内障である。いくつかの態様では、眼疾患は、網膜症である。さらなる態様では、眼疾患は、糖尿病性網膜症である。
【0347】
さらなる態様では、本開示は、眼の線維症状態(例えば、眼の線維症、眼科線維症、及び網膜機能不全と関連する線維症)を治療及び/または改善する方法を提供する。従って、場合によっては、方法は、ActRII結合タンパク質を、眼の線維症状態を有するかまたは発症するリスクがある対象に投与することを含む。心血管系の線維症状態の治療または改善のための医薬の製造における本明細書に提供されるActRII結合タンパク質の使用をさらに提供する。
【0348】
本明細書に提供される方法に従って治療され得る眼の線維症状態は、損傷、例えば、機械的創傷(例えば、アルカリ熱傷と関連する線維症)または種々の代謝性機能不全(例えば、炎症、虚血、及び変性疾患に対する応答を含む)に反応して起こり得る。いくつかの態様では、本開示は、眼の外科手術と関連する線維症を治療する方法を提供する。さらなる態様では、線維症は、眼の状態における術後の瘢痕と関連する状態である。さらなる態様では、術後の瘢痕は、網膜復位、白内障摘出、またはドレナージ術を伴う外科手術と関連する状態である。
【0349】
いくつかの態様では、本開示は、黄斑浮腫(例えば、糖尿病性黄斑浮腫)、ドライアイ疾患、レンズの線維症、角膜実質または内皮の線維症、角膜及び結膜における瘢痕、線維血管性瘢痕、網膜線維症、及び網膜神経膠症からなる群の1つ以上のメンバーと関連する眼の線維症状態を治療及び/または改善する方法を提供する。
【0350】
いくつかの態様では、本開示は、黄斑変性症と関連する眼の線維症状態を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、治療した線維症状態は、加齢黄斑変性症と関連する状態である。いくつかの実施形態では、治療した状態は、滲出型黄斑変性症と関連する状態である。他の実施形態では、治療した状態は、乾燥黄斑変性症と関連する状態である。
【0351】
いくつかの態様では、本開示は、ActRII結合タンパク質を、それを必要とする対象に投与することを含む、炎症性疾患または状態を治療及び/または改善する方法を提供する。炎症性疾患または状態の治療または改善のための医薬の製造における本明細書に提供されるActRII結合タンパク質の使用をさらに提供する。いくつかの態様では、炎症性疾患または状態は、炎症性癌、線維症と関連する炎症、アテローム性動脈硬化症と関連する炎症、喘息、または自己免疫障害である。
【0352】
心血管疾患または状態を治療及び/または改善する方法をさらに提供する。心血管疾患または状態の治療または改善のための医薬の製造における本明細書に提供されるActRII結合タンパク質の使用をさらに提供する。場合によっては、方法は、ActRII結合タンパク質を、それを必要とする対象に投与することによって、心血管疾患または状態を治療または改善することを含む。いくつかの態様では、心血管疾患または状態は、貧血、鬱血性心不全、心室機能不全、血管石灰化、肺高血圧、動脈再狭窄、または心筋線維症である。
【0353】
いくつかの態様では、本開示は、ActRII結合タンパク質を、それを必要とする対象に投与することを含む、肺疾患または状態を治療及び/または改善する方法を提供する。肺疾患または状態の治療または改善のための医薬の製造における本明細書に提供されるActRII結合タンパク質の使用をさらに提供する。
【0354】
いくつかの態様では、本開示は、有効用量のActRII結合タンパク質を、それを必要とする対象に投与することを含む、筋肉骨格疾患または状態を治療及び/または改善する方法を提供する。筋肉骨格疾患または状態の治療または改善のための医薬の製造における本明細書に提供されるActRII結合タンパク質の使用をさらに提供する。有効用量のActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRIIB抗体)に投与することによって治療及び/または改善され得る例示的なActRIIB関連状態としては、神経筋疾患(例えば、筋ジストロフィー及び筋萎縮)、うっ血性閉塞性肺疾患または肺気腫(及び関連する筋肉消耗)、筋肉消耗症候群、サルコペニア、悪液質、脂肪組織障害(例えば、肥満)、2型糖尿病、及び骨変性疾患(例えば、骨粗鬆症)が挙げられる。これらの疾患または状態の各々の治療または改善のための医薬の製造における本明細書に提供されるActRII結合タンパク質の使用は、本明細書に提供される。
【0355】
有効用量のActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRIIB抗体)に投与することによって治療及び/または改善され得る他の例示的なActRII関連状態としては、筋変性及び神経筋疾患、及び骨粗鬆症が挙げられる。
【0356】
提供されるActRII結合タンパク質は、他の神経筋疾患または筋肉成長を必要とする状態、例えば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)における筋肉量を増加させるための有効な手段を提供する。ActRII結合タンパク質が有用であり得る他の神経筋疾患には、脊髄損傷または卒中による麻痺;心的外傷または退行性、代謝性、または炎症性ニューロパチーによる除神経;成人運動ニューロン疾患;多病巣性の神経ブロックによる自己免疫運動ニューロパチー;及び幼児または少年脊髄筋萎縮が含まれる。
【0357】
他の態様では、本開示は、骨及び/または軟骨形成を誘発する、骨量減少を防止する、骨石灰化を増加させる、または骨の脱灰を防止する方法を提供する。例えば、提供されるActRII結合タンパク質は、対象(例えば、ヒト及び他の動物)における骨粗鬆症の治療、及び骨折及び軟骨欠損の治癒において使用する。いくつかの態様では、本開示は、対象における骨折または軟骨を治癒する方法を提供する。別の態様では、提供される方法及び組成物は、骨粗鬆症、副甲状腺機能亢進症、クッシング病、甲状腺中毒症、慢性下痢状態または吸収不良、または神経性無食欲症などの骨量減少を引き起こす状態を治療するために投与される。
【0358】
さらなる態様では、本開示は、ActRII結合タンパク質を、それを必要とする対象に投与することを含む、神経障害または状態を治療する方法を提供する。神経障害または状態の治療または改善のための医薬の製造における本明細書に提供されるActRII結合タンパク質の使用をさらに提供する。いくつかの態様では、神経障害または状態は、神経細胞死と関連する。いくつかの態様では、神経障害または状態は、パーキンソン病、ALS;脳萎縮、または痴呆である。
【0359】
さらなる態様では、本開示は、ActRII結合タンパク質を、それを必要とする対象に投与することを含む、代謝性障害または状態を治療する方法を提供する。代謝性障害または状態の治療または改善のための医薬の製造における本明細書に提供されるActRII結合タンパク質の使用をさらに提供する。いくつかの態様では、代謝性障害または状態は、糖尿病と関連する状態である。いくつかの態様では、代謝性障害または状態は、肥満である。さらなる態様では、代謝性障害または状態は、肥大肥満である。いくつかの態様では、代謝性障害または状態は、がん悪液質または筋肉消耗である。
【0360】
他の態様では、本開示は、対象における体脂肪含量を調節する、それに関する状態を治療または防止する、特に、それに関する健康妥協状態の位置及び方法を提供する。
【0361】
本明細書に提供されるように、(対照)体重を調節することは、体重を減少または増加させること、体重増加率を減少または増加させること、または体重減少率を増加または減少させることを指し得、(例えば、あるいは体重を増加または減少させ得る外部または内部の影響に対する)体重を積極的に維持する、または著しく変化させないことも含む。一態様によれば、本開示は、本明細書に提供されるActRII結合タンパク質を、それを必要とする対象(例えば、ヒト)に投与することによって、体重を調節する方法を提供する。一態様では、本開示は、対象における体重を減少させる、及び/または体重増加を減少させる、特に、肥満のリスクがあるかまたは罹患している患者における肥満を治療または改善する方法を提供する。別の態様では、本開示は、体重を増やすかまたは保つことができない対象(例えば、萎縮症候群を有する動物)を治療する方法及び化合物を提供する。かかる方法は、体重及び/または質量を増加させる、または体重及び/または質量損失を減少させる、または望ましくないくらい低い(例えば、不健康な)体重及び/または質量と関連するかまたは起因する状態を改善させるために有効である。提供されるActRIIB結合タンパク質は、II型糖尿病及び代謝性症候群の発症を減速または防止する治療剤としてさらに使用され得る。
【0362】
特定の態様では、本開示は、ActRII結合タンパク質を、糖尿病及び/または糖尿病と関連する状態を有するかまたは発症するリスクがある対象に投与することを含む、糖尿病と関連する状態を治療及び/または改善する方法を提供する。糖尿病または糖尿病と関連する状態の治療または改善のための医薬の製造における本明細書に提供されるActRII結合タンパク質の使用をさらに提供する。一態様では、糖尿病と関連する状態は、糖尿病性ニューロパチー、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性血管障害、または糖尿病性細小血管症である。
【0363】
さらなる態様では、本開示は、ActRII結合タンパク質を、それを必要とする対象に投与することを含む、創傷治癒を促進する方法を提供する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、創傷治癒と関連する瘢痕形成を減少させるために対象に投与される。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、肥厚性瘢痕またはケロイドを発症するリスクがある対象に投与される。
【0364】
ActRII発現及び/またはActRIIシグナル伝達と関連する病理学的状態におけるActRII活性を拮抗する方法をさらに提供する。場合によっては、方法は、ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体、例えば、完全長抗ActRII抗体またはActRII結合抗体断片)を、それを必要とする対象に投与することを含む。いくつかの態様では、病理学的状態は、筋肉骨格疾患または障害、例えば、筋萎縮である。いくつかの態様では、病理学的状態は、例えば、肺または肝臓の線維性疾患である。さらなる態様では、病理学的状態は、糖尿病である。いくつかの態様では、病理学的状態は、肥満(例えば、肥大肥満)である。さらなる態様では、病理学的状態は、肺高血圧または特発性肺線維症(IPF)である。いくつかの態様では、病理学的状態は、眼疾患、例えば、糖尿病性網膜症である。いくつかの態様では、病理学的状態は、がん、例えば、癌腫(例えば、皮膚の基底及び扁平上皮細胞癌、頭頸部癌、及び腎細胞癌)、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫)、大腸癌、または骨誘導損失癌である。
【0365】
ActRIIB発現及び/または増加したActRIIBシグナル伝達と関連する病理学的状態におけるActRIIB活性を拮抗する方法も提供される。場合によっては、方法は、ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体、例えば、完全長抗ActRIIB抗体、及びそれらのActRIIB結合抗体断片、及び変異体、及び誘導体)を、それを必要とする対象に投与することを含む。いくつかの態様では、病理学的状態は、筋肉骨格疾患または障害、例えば、筋萎縮である。いくつかの態様では、病理学的状態は、例えば、肺または肝臓の線維性疾患である。さらなる態様では、病理学的状態は、糖尿病である。いくつかの態様では、病理学的状態は、肥満(例えば、肥大肥満)である。さらなる態様では、病理学的状態は、肺高血圧または特発性肺線維症(IPF)である。いくつかの態様では、病理学的状態は、眼疾患、例えば、糖尿病性網膜症である。いくつかの態様では、病理学的状態は、がん、例えば、癌腫(例えば、皮膚の基底及び扁平上皮細胞癌、及び頭頸部癌)、骨髄腫、腎細胞癌、大腸癌、または骨誘導損失癌である。
【0366】
ActRIIA発現及び/または増加したActRIIAシグナル伝達と関連する病理学的状態におけるActRIIA活性を拮抗する方法をさらに提供する。場合によっては、方法は、ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体、例えば、完全長抗ActRIIA抗体またはActRIIA結合抗体断片)を、それを必要とする対象に投与することを含む。いくつかの態様では、病理学的状態は、筋肉骨格疾患または障害、例えば、筋萎縮である。一態様では、病理学的状態は、線維性疾患である。いくつかの態様では、病理学的状態は、例えば、肺または肝臓の線維性疾患である。さらなる態様では、病理学的状態は、肺または肝臓の線維性疾患である。さらなる態様では、病理学的状態は、糖尿病である。いくつかの態様では、病理学的状態は、肥満(例えば、肥大肥満)である。さらなる態様では、病理学的状態は、肺高血圧または特発性肺線維症(IPF)である。いくつかの態様では、病理学的状態は、眼疾患、例えば、糖尿病性網膜症である。いくつかの態様では、病理学的状態は、がん、例えば、癌腫(例えば、皮膚の基底及び扁平上皮細胞癌、頭頸部癌)、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫)、大腸癌、または骨誘導損失癌である。
【0367】
ActRIIB及び/またはActRIIA発現、及び/または増加したActRIIB及び/またはActRIIAシグナル伝達と関連する病理学的状態におけるActRIIB及びActRIIA活性を拮抗する方法をさらに提供する。場合によっては、方法は、ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体、例えば、完全長抗ActRII抗体またはActRII結合抗体断片)を、それを必要とする対象に投与することを含む。いくつかの態様では、病理学的状態は、筋肉骨格疾患または障害、例えば、筋萎縮である。一態様では、病理学的状態は、線維性疾患である。いくつかの態様では、病理学的状態は、例えば、肺または肝臓の線維性疾患である。さらなる態様では、病理学的状態は、肺または肝臓の線維性疾患である。さらなる態様では、病理学的状態は、糖尿病である。いくつかの態様では、病理学的状態は、肥満(例えば、肥大肥満)である。さらなる態様では、病理学的状態は、肺高血圧または特発性肺線維症(IPF)である。いくつかの態様では、病理学的状態は、眼疾患、例えば、糖尿病性網膜症である。いくつかの態様では、病理学的状態は、がん、例えば、癌腫(例えば、皮膚の基底及び扁平上皮細胞癌、頭頸部癌)、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫)、大腸癌、または骨誘導損失癌である。
【0368】
さらなる態様では、本開示は、ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体またはそのActRII結合断片)を、それを必要とする対象に投与することを含む、がんまたはがんと関連する状態またはその治療を治療及び/または改善する方法を提供する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、抗ActRIIB抗体またはそのActRIIB結合断片である。がんまたはがんと関連する状態の治療または改善のための医薬の製造における本明細書に提供されるActRII結合タンパク質の使用をさらに提供する。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、抗ActRIIA抗体またはそのActRIIA結合断片である。いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質は、ActRIIB及びActRIIA、またはそのActRIIB及びActRIIA ActRIIB結合断片に結合する抗体である。いくつかの態様では、対象は、黒色腫、子宮癌、肺癌、卵巣癌、乳癌、大腸癌、膵癌、及び肉腫からなる群から選択される癌を有する。特定の態様では、対象は、癌腫(例えば、皮膚の基底及び扁平上皮細胞癌、及び頭頚部癌)、骨髄腫、大腸癌、または骨誘導損失癌を有する。
【0369】
いくつかの態様では、方法は、がん細胞、腫瘍関連間質細胞、またはActRII(例えば、ActRIIB及び/またはActRIIA)を発現する内皮細胞を、ActRIIに特異的に結合するActRII結合タンパク質を接触させることを含む。場合によっては、方法は、アクチビンAをActRII結合タンパク質と接触させることを含む。さらなる態様では、腫瘍細胞は、骨髄線維症、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫)、下垂体癌からなる群から選択されるがん由来である。別の態様では、がんは、乳癌、消化管癌、または癌腫(例えば、基底及び扁平上皮細胞癌)である。さらなる態様では、がんは、骨喪失誘導癌である。いくつかの態様では、腫瘍細胞は、がん系由来である。
【0370】
本開示は、治療有効量のActRII結合タンパク質を、単独または1つ以上の追加療法(例えば、1つ以上のさらなる治療剤)と併用して、線維症状態を有するかまたは発症するリスクがある対象に投与することを含む方法を提供する。本開示は、ActRII媒介疾患及び/または状態(例えば、筋肉障害、例えば、退行性筋疾患、筋ジストロフィー、筋萎縮、または筋肉消耗障害;線維症状態(例えば、肝、肺、血管及び/または眼の線維症状態、例えば、心筋線維症、及び特発性肺線維症(IPF));代謝性疾患(例えば、インスリン抵抗性のII型糖尿病、高血糖、及び肥満);炎症性疾患または状態、自己免疫疾患、心血管疾患(例えば、鬱血性心不全、及び高血圧);眼疾患、例えば、加齢黄斑変性症;肺疾患、筋肉骨格疾患、骨格系疾患、例えば、骨粗鬆症;神経疾患;創傷治癒;体重減少;及びがん(例えば、癌腫、骨髄腫、骨誘導損失癌、下垂体癌、及び消化管癌))の治療(例えば、防止)、及び/または改善に使用するための、ActRII結合タンパク質を単独または1つ以上の医薬の調製のための別の薬剤と併用して使用する組成物をさらに提供する。
【0371】
また、臨床試験手順の一環として血液または組織中のタンパク質レベル(例えば、ActRIIB及び/またはActRIIAレベル)を診断的にモニタリングして、例えば、所与の治療レジメンの有効性を判定するための、本明細書に提供されるActRII結合タンパク質の使用も提供される。例えば、ActRII結合タンパク質を検出可能な物質にカップリングすることにより、検出を促進することができる。検出可能な物質の例としては、種々の酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質、生物発光物質、及び放射性物質が挙げられる。好適な酵素の例としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼが挙げられ;好適な補欠分子族複合体の例としては、ストレプトアビジン/ビオチン及びアビジン/ビオチンが挙げられ;好適な蛍光物質の例としては、ウンベリフェロン、フルオレセイン、イソチオシアン酸フルオレセイン、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、塩化ダンシル、またはフィコエリトリンが挙げられ;発光物質の例としては、ルミノールが挙げられ;生物発光物質の例としては、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、及びエクオリンが挙げられ;及び好適な放射性物質の例としては、125I、131I、35S、またはHが挙げられる。
【0372】
医薬組成物及び投与方法
ActRII結合タンパク質を調製して、それを必要としている対象に投与する方法は、当業者に公知であり、または当業者によって容易に決定される。ActRII結合タンパク質の投与経路は、例えば、経口、非経口、吸入によるものまたは局所であり得る。用語の非経口は、例えば、静脈内、動脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、直腸、または腟内投与を含む。これらの投与形式の全てが、明らかに本開示の範囲内にあるものとして企図されるが、投与形式の別の例を挙げれば、注射用、詳細には、静脈内もしくは動脈内注射または点滴用の溶液であり得る。通常、好適な医薬組成物は、緩衝液(例えば、酢酸塩、リン酸塩、またはクエン酸塩緩衝液)、界面活性剤(例えば、ポリソルベート)、必要に応じて、安定剤(例えば、ヒトアルブミン)などを含み得る。本明細書の教示と適合性のある他の方法では、本明細書に提供されるActRII結合タンパク質は、線維症または腫瘍の臓器及び/または部位に直接送達し、それにより治療剤への罹患組織の曝露を増加させることができる。一態様では、投与は、例えば、吸入または鼻腔内投与によって気道に直接である。
【0373】
本明細書で考察するとおり、ActRII結合タンパク質は、筋肉障害、例えば、退行性筋疾患、筋ジストロフィー、筋萎縮、または筋肉消耗障害;線維症状態(例えば、肝、肺、血管及び/または眼の線維症状態、例えば、心筋線維症、及び特発性肺線維症(IPF));代謝性疾患(例えば、インスリン抵抗性のII型糖尿病、高血糖、及び肥満);炎症性疾患または状態、自己免疫疾患、心血管疾患(例えば、鬱血性心不全、及び高血圧);眼疾患、例えば、加齢黄斑変性症;肺疾患、筋肉骨格疾患、骨格系疾患、例えば、骨粗鬆症;神経疾患;創傷治癒;体重減少;及びがん(例えば、癌腫、骨髄腫、骨誘導損失癌、下垂体癌、及び消化管癌を含むが、これらに限定されない、ActRII媒介疾患及び状態のインビボ治療に薬学的に有効な量で投与することができる。この点で、本開示のActRII結合タンパク質は、投与が促進されかつ活性薬剤の安定性が増進するように製剤化され得ることは理解されるであろう。本開示による医薬組成物は、生理食塩水、非毒性緩衝液、保存剤などの薬学的に許容可能な非毒性の無菌担体を含み得る。本願の目的上、コンジュゲートしたまたはコンジュゲートしていないActRII結合タンパク質の薬学的に有効な量とは、ActRIIとの有効な結合を達成し、かつ利益を達成する、例えば、疾患または状態の症状を改善したり、または物質もしくは細胞を検出したりするのに十分な量を意味する。本明細書に開示される治療法における使用に好適な製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Co.)16th ed.(1980)に記載されている。
【0374】
本明細書に提供されるある特定の医薬組成物は、例えば、カプセル、錠剤、水性懸濁液剤、または液剤を含む、許容可能な剤形で経口投与することができる。特定の医薬組成物はまた、鼻エアロゾルまたは吸入によって投与することもできる。かかる組成物は、ベンジルアルコールまたは他の好適な保存剤、バイオアベイラビリティを増強する吸収促進剤、及び/または他の従来の可溶化剤もしくは分散剤を用いて、生理食塩水中の溶液として調製することができる。
【0375】
単一の剤形を作製するため担体材料と組み合わせることのできるActRII結合タンパク質(例えば、ActRIIB及び/またはActRIIAに特異的に結合する抗体)の量は、治療対象及び詳細な投与方法に応じて変わり得る。組成物は、単一用量、複数用量として、または決められた期間にわたって注入で投与することができる。投薬レジメンもまた、最適な所望の反応(例えば、治療的または予防的反応)がもたらされるように調整することができる。
【0376】
本明細書に提供されるActRII結合タンパク質は、前述の治療方法に従って、治療効果を生じさせるのに十分な量でヒトまたは他の対象に投与することができる。本明細書に提供されるActRII結合タンパク質は、公知の技術に従ってActRII結合タンパク質を従来の薬学的に許容可能な担体または希釈剤と組み合わせることによって調製される従来の剤形で、かかるヒトまたは他の動物に投与することができる。薬学的に許容可能な担体または希釈剤の形態及び特性は、それと組み合わせる活性成分の量、投与経路、及び他の周知の変動要因に左右され得る。1つ以上の異なるActRII結合タンパク質を含むカクテルも使用することができる。
【0377】
退行性筋疾患、筋ジストロフィー、筋萎縮、または筋肉消耗障害;線維症状態;炎症性、自己免疫、心血管、肺、筋骨格系、骨格系、眼、神経、または代謝性疾患または状態;肥満;創傷治癒;及びがんなどのActRII媒介疾患または状態を治療するためのActRII結合組成物の治療有効用量は、投与手段、標的部位、対象の生理学的状態、対象がヒトか、それとも動物か、投与される他の薬物療法、及び治療が予防的か、それとも治療的かを含めた多くの異なる要因に応じて変わる。通常、対象はヒトであるが、トランスジェニック哺乳動物を含む非ヒト哺乳動物もまた治療され得る。治療投薬量は、安全性及び有効性を最適化するため、当業者に公知の常法を用いて漸増することができる。
【0378】
ActRII結合タンパク質の投与によって特定の疾患または状態の症状を改善するとは、永久的か、それとも一時的か、持続性か、それとも一過性かに関わらず、ActRII結合タンパク質の投与に帰することのできる、またはそれに関連付けることのできる何らかの軽減を指す。
【0379】
また、本開示は、例えば、退行性筋疾患、筋ジストロフィー、筋萎縮、または筋肉消耗障害;線維症状態;炎症性、自己免疫、心血管、肺、筋骨格系、骨格系、眼、神経、または代謝性疾患または状態;肥満;創傷治癒;及びがんを治療するための医薬の製造における抗ActRII抗体などのActRII結合タンパク質の使用を提供する。
【0380】
併用療法
いくつかの態様では、ActRII結合タンパク質(例えば、抗ActRII抗体、例えば、完全長ActRII抗体及びActRII結合抗体断片、並びにその変異体及び誘導体)は、1つ以上の他の療法と併用して投与される。かかる療法には、さらなる治療剤、並びに他の医学的介入が含まれる。本明細書に提供されるActRII結合タンパク質と併用して投与することのできる例示的な治療剤としては、抗SDI繊維化剤、コルチコステロイド、抗炎症剤、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシン受容体遮断薬、利尿剤、抗糖尿病薬、免疫抑制剤、化学療法剤、代謝拮抗物質、及び免疫調節剤が挙げられるが、これらに限定されない。種々の態様では、ActRII結合タンパク質は、外科的切除/除去手順の前、中、後に対象に投与される。
【0381】
診断
また、本開示は、ActRII媒介疾患及び状態(例えば、筋肉障害、例えば、退行性筋疾患、筋ジストロフィー、筋萎縮、または筋肉消耗障害;線維症状態(例えば、肝、肺、血管及び/または眼の線維症状態、例えば、心筋線維症、及び特発性肺線維症(IPF));代謝性疾患(例えば、インスリン抵抗性のII型糖尿病、高血糖、及び肥満);炎症性疾患または状態、自己免疫疾患、心血管疾患(例えば、鬱血性心不全、及び高血圧);眼疾患、例えば、加齢黄斑変性症;肺疾患、筋肉骨格疾患、骨格系疾患、例えば、骨粗鬆症;神経疾患;創傷治癒;体重減少;及びがん(例えば、癌腫、骨髄腫、骨誘導損失癌、下垂体癌、及び消化管癌))の診断において有用な診断方法を提供し、これには、個体からの組織または血清などの体液におけるActRII(例えば、ActRIIAまたはActRIIB)タンパク質の発現レベルの計測、及び計測した発現レベルと正常組織または体液における標準ActRII(例えば、ActRIIAまたはActRIIB)発現レベルとの比較が関わり、それによって、標準と比較したActRII発現レベルの増加が、本明細書に提供されるとおりの完全長抗ActRIIB抗体及び抗原結合抗体断片など、本明細書に提供されるActRII結合タンパク質によって治療可能な障害の指標となる。
【0382】
抗ActRII抗体(例えば、完全長ActRII抗体及びActRII結合抗体断片、並びにその変異体及び誘導体)など、本明細書に提供されるActRII結合タンパク質は、当業者に公知の古典的な免疫組織学的方法を用いた生物学的試料中のActRII(例えば、ActRIIB及びActRIIA)レベルのアッセイに使用することができる(例えば、Jalkanen,et al.,J.Cell.Biol.101:976-985(1985);Jalkanen et al.,J.Cell Biol.105:3087-3096(1987)を参照されたい)。ActRII(例えば、ActRIIB及びActRIIA)タンパク質発現の検出に有用な他の抗体ベースの方法としては、イムノアッセイ、例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫沈降、またはウエスタンブロッティングが挙げられる。
【0383】
「ActRIIタンパク質の発現レベルをアッセイする」とは、第1の生物学的試料中のActRIIタンパク質レベルを直接(例えば、絶対タンパク質レベルを決定または推定することによる)、あるいは相対的に(例えば、第2の生物学的試料中の疾患関連ポリペプチドレベルと比較することによる)、定性的または定量的に計測または推定することが意図される。第1の生物学的試料中のActRIIタンパク質発現レベルを計測または推定して標準ActRIIタンパク質レベルと比較することができ、この標準は、障害を有しない個体から得た第2の生物学的試料から取られるか、または障害を有しない個体集団の平均レベルによって決定される。当該技術分野では理解されるであろうとおり、一旦「標準」ActRIIタンパク質レベルが分かれば、それを比較用の標準として繰り返し使用することができる。
【0384】
「生物学的試料」とは、潜在的にActRIIを発現する個体、細胞株、組織培養物、または他の細胞供給源から得られる任意の生物学的試料が意図される。哺乳動物から組織生検及び体液を得る方法は、当該技術分野において公知である。
【0385】
ActRII結合タンパク質を含むキット
本開示は、好適な包装内にあるActRII結合タンパク質(例えば、ActRIIに特異的に結合する抗体、例えば、完全長ActRII抗体及びActRII結合抗体断片、並びにその変異体及び誘導体)と、本明細書に記載される方法の実施に使用し得る文書とを含むキットをさらに提供する。文書には、以下の情報:使用説明書、臨床試験の考察、副作用一覧、科学文献、添付文書資料、臨床試験結果、及び/またはそれらの要約などのうちの任意のものが含まれ得る。文書は、組成物の活性及び/または利点を指示または確立し、及び/または用量決定、投与、副作用、薬物相互作用、または医療ケア提供者に有用な他の情報を記載し得る。かかる情報は、様々な試験、例えば、インビボモデルが関わる実験動物を使用した試験及び/またはヒト臨床試験に基づく試験の結果に基づき得る。キットは、別の療法(例えば、別の薬剤)及び/または他の療法(例えば、他の薬剤)に関する情報を提供する働きをする上記に記載されるものなどの文書をさらに含み得る。
【0386】
ある特定の態様では、キットは、1つ以上の容器に少なくとも1つの精製されたActRII結合タンパク質を含む。いくつかの態様では、キットは、全ての対照、アッセイの実施についての指図、並びに結果の解析及び発表に必要な任意のソフトウェアを含め、検出アッセイの実施に必要及び/または十分な全ての構成要素を含む。
【0387】
イムノアッセイ
ActRII結合タンパク質(例えば、ActRIIに特異的に結合する抗体、及びActRIIに特異的に結合する抗体のActRII結合断片、並びにその変異体または誘導体)は、当該技術分野において公知の任意の方法によって免疫特異的結合に関してアッセイすることができる。使用することのできるイムノアッセイとしては、ウエスタンブロット、ラジオイムノアッセイ(REA)、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降反応、ゲル内拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体結合アッセイ、イムノラジオメトリックアッセイ、蛍光イムノアッセイ、プロテインAイムノアッセイなどの技術を用いる競合及び非競合アッセイシステムが挙げられるが、これらに限定されない。かかるアッセイは常法であり、当該技術分野において公知である(例えば、Ausubel et al.,eds,(1994)Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley & Sons,Inc.,NY)Vol.1(全体として参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。
【0388】
本明細書に提供されるActRII結合タンパク質(例えば、ActRIIに特異的に結合する抗体及びActRIIに特異的に結合する抗体のActRII結合断片、並びにその変異体または誘導体)は、免疫蛍光法、免疫電子顕微鏡法、または非免疫学的アッセイのように、ActRII(例えば、ActRIIB及びActRIIA)またはその保存された変異体もしくはペプチド断片のインサイチュー検出のため組織学的に用いることができる。インサイチュー検出は、当該技術分野において公知の方法に従って達成することができる。当業者は、ルーチンの実験を用いて各決定に有効かつ最適なアッセイ条件を決定することができるであろう。ActRII結合タンパク質の結合特性の決定に好適な方法は、本明細書に記載されているかあるいは当該技術分野において公知である。かかる動態学的解析用に設計された機器及びソフトウェアは市販されている(例えば、BIACORE(登録商標)、BIAevaluation(登録商標)ソフトウェア、GE Healthcare;KINEXA(登録商標)ソフトウェア、Sapidyne Instruments)。
【0389】
特に指示されない限り、本開示の実施には、細胞生物学、細胞培養、分子生物学、トランスジェニック生物学、微生物学、組換えDNA、及び免疫学の従来技術が用いられ、それらは当該技術分野の範囲内にある。
本発明は以下の実施形態にも関する。
[1] CDRセット:VH-CDR1、VH-CDR2、VH-CDR3、VL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含み、
前記CDRは、
(a)(i)配列番号165のVH配列、及び
(ii)配列番号172のVL配列、及び
前記タンパク質は、アクチビン受容体IIB型(ActRIIB)と結合し;
(b)(i)配列番号2、16、22、28、34、または40のVH配列、及び
(ii)配列番号9のVL配列、及び
前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(c)(i)配列番号63または77のVH配列、及び
(ii)配列番号70のアミノ酸配列を有するVL、及び
前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(d)(i)配列番号45または57のVH配列、及び
(ii)配列番号50のVL配列、及び
前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(e)(i)配列番号144のVH配列、及び
(ii)配列番号151のVL配列、及び
前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(f)(i)配列番号84、98、105、112、または119のVH配列、及び
(ii)配列番号91のVL配列、及び
前記タンパク質は、ActRIIB及びアクチビン受容体IIA型(ActRIIA)と結合し;及び
(g)(i)配列番号125のVH配列、及び
(ii)配列番号132のVL配列、及び
前記タンパク質は、ActRIIAに結合する、
からなる群から選択される重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)対に存在する、単離されたアクチビン受容体II型(ActRII)結合タンパク質。
[2] CDRセット:VH-CDR1、VH-CDR2、VH-CDR3、VL-CDR1、VL-CDR2、及びVL-CDR3を含み、
前記CDRセットは、
(a)(i)VH-CDR1が、配列番号166のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号167のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号168のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号173のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号174のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号175のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(b)(i)VH-CDR1が、配列番号3、17、23、29、35、または41のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号4、18、24、30、または36のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(c)(i)VH-CDR1が、配列番号64または78のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号65または79のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号66または80のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号71のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号72のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号73のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(d)(i)VH-CDR1が、配列番号3または58のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号4または59のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号46のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号51のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号52のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号53のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(e)(i)VH-CDR1が、配列番号145のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号146のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号147のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号152のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号153のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号154のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(f)(i)VH-CDR1が、配列番号85、99、106、または113のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号86、100、107、114、または120のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号87、101、108、115、または121のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;または
(g)(i)VH-CDR1が、配列番号126のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号127のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号128のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号133のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号134のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号135のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質は、ActRIIAに結合する、
CDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する、単離されたActRII結合タンパク質。
[3](a)(i)VH-CDR1が、配列番号166のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号167のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号168のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号173のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号174のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号175のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(b)(i)VH-CDR1が、配列番号3、17、23、29、35、または41のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号4、18、24、30、または36のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(c)(i)VH-CDR1が、配列番号64または78のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号65または79のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号66または80のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号71のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号72のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号73のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(d)(i)VH-CDR1が、配列番号3または58のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号4または59のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号46のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号51のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号52のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号53のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(e)(i)VH-CDR1が、配列番号145のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号146のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号147のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号152のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号153のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号154のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(f)(i)VH-CDR1が、配列番号85、99、106、または113のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号86、100、107、114、または120のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号87、101、108、115、または121のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;または
(g)(i)VH-CDR1が、配列番号126のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号127のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号128のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号133のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号134のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号135のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIAに結合する、
CDRセットを含む、上記[2]に記載の単離されたActRII結合タンパク質。
[4] 前記CDRセットが、
(a)(i)VH-CDR1が、配列番号166のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号167のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号168のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号173のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号174のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号175のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(b)(i)VH-CDR1が、配列番号3のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号4のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(c)(i)VH-CDR1が、配列番号17のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号18のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(d)(i)VH-CDR1が、配列番号23のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号24のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(e)(i)VH-CDR1が、配列番号29のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号30のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(f)(i)VH-CDR1が、配列番号35のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号36のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(g)(i)VH-CDR1が、配列番号41のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号18のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(h)(i)VH-CDR1が、配列番号64のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号65のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号66のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号71のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号72のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号73のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(i)(i)VH-CDR1が、配列番号78のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号79のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号80のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号71のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号72のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号73のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(j)(i)VH-CDR1が、配列番号3のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号4のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号46のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号51のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号52のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号53のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(k)(i)VH-CDR1が、配列番号58のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号59のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号46のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号51のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号52のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号53のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(l)(i)VH-CDR1が、配列番号145のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号146のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号147のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号152のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号153のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号154のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(m)(i)VH-CDR1が、配列番号85のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号86のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号87のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;
(n)(i)VH-CDR1が、配列番号99のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号100のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号101のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;
(o)(i)VH-CDR1が、配列番号106のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号107のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号108のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;
(p)(i)VH-CDR1が、配列番号113のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号114のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号115のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;
(q)(i)VH-CDR1が、配列番号113のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号120のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号121のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;または
(r)(i)VH-CDR1が、配列番号126のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号127のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号128のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号133のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号134のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号135のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIAに結合する、
CDRの参照セットから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有する、上記[2]に記載のActRII結合タンパク質。
[5](a)(i)VH-CDR1が、配列番号166のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号167のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号168のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号173のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号174のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号175のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(b)(i)VH-CDR1が、配列番号3のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号4のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(b)(i)VH-CDR1が、配列番号17のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号18のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(c)(i)VH-CDR1が、配列番号23のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号24のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(d)(i)VH-CDR1が、配列番号29のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号30のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(e)(i)VH-CDR1が、配列番号35のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号36のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(f)(i)VH-CDR1が、配列番号41のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号18のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号5のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号10のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号11のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号12のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(g)(i)VH-CDR1が、配列番号64のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号65のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号66のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号71のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号72のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号73のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(h)(i)VH-CDR1が、配列番号78のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号79のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号80のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号71のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号72のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号73のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(i)(i)VH-CDR1が、配列番号3のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号4のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号46のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号51のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号52のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号53のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(j)(i)VH-CDR1が、配列番号58のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号59のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号46のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号51のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号52のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号53のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(k)(i)VH-CDR1が、配列番号145のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号146のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号147のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号152のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号153のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号154のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(l)(i)VH-CDR1が、配列番号85のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号86のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号87のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;
(m)(i)VH-CDR1が、配列番号99のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号100のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号101のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;
(n)(i)VH-CDR1が、配列番号106のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号107のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号108のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;
(o)(i)VH-CDR1が、配列番号113のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号114のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号115のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;
(p)(i)VH-CDR1が、配列番号113のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号120のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号121のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号92のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号93のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号94のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;または
(q)(i)VH-CDR1が、配列番号126のアミノ酸配列を有し;
(ii)VH-CDR2が、配列番号127のアミノ酸配列を有し;
(iii)VH-CDR3が、配列番号128のアミノ酸配列を有し;
(iv)VL-CDR1が、配列番号133のアミノ酸配列を有し;
(v)VL-CDR2が、配列番号134のアミノ酸配列を有し;及び
(vi)VL-CDR3が、配列番号135のアミノ酸配列を有し;
かつ前記タンパク質が、ActRIIAに結合する、
CDRセットを含む、上記[4]に記載のActRII結合タンパク質。
[6](a)(i)配列番号165に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び
(ii)配列番号172に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、かつ前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(b)(i)配列番号2、16、22、28、34、または40に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び
(ii)配列番号9に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、かつ前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(c)(i)配列番号45または57に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び
(ii)配列番号50に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、かつ前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(d)(i)配列番号63または77に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び
(ii)配列番号70に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、かつ前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(e)(i)配列番号144に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び
(ii)配列番号151に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、かつ前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(f)(i)配列番号84、98、105、112、または119のアミノ酸配列を有するVH、及び
(ii)配列番号91のアミノ酸配列を有するVL、及び
前記タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;及び
(g)(i)配列番号125に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び
(ii)配列番号132に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、かつ前記タンパク質が、ActRIIAに結合する、 からなる群から選択されるVH及びVL対を含む、ActRII結合タンパク質。
[7] 前記VH及びVL対が、
(a)配列番号165のVH配列、及び配列番号172のVL配列、前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(b)配列番号2、16、22、28、34、または40のVH配列、及び配列番号9のVL配列、前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(c)配列番号45または57のVH配列、及び配列番号50のVL配列、前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(d)配列番号63または77のVH配列、及び配列番号70のVL配列、前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(e)配列番号144のVH配列、及び配列番号151のVL配列、前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(f)配列番号84、98、105、112、または119のVH配列、及び配列番号91のVL配列、前記タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;及び
(g)配列番号125のVH配列、及び配列番号132のVL配列、前記タンパク質は、ActRIIAに結合する、
からなる群から選択される、上記[6]に記載のActRII結合タンパク質。
[8] 前記VH及びVL対が、
(a)配列番号165に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号172に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(b)配列番号2に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号9に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(c)配列番号16に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号9に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(d)配列番号22に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号9に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(e)配列番号28に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号9に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(f)配列番号34に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号9に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(g)配列番号40に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号9に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(h)配列番号45に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号50に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(i)配列番号57に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号50に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(j)配列番号63に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号70に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(k)配列番号77に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号70に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL;かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(l)配列番号145に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号151に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL;かつ前記タンパク質が、ActRIIBと結合し;
(m)配列番号84に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号91に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、かつ前記タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;
(n)配列番号98に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号91に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、かつ前記タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;
(o)配列番号105に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号91に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、かつ前記タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;
(p)配列番号112に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号91に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、かつ前記タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;
(q)配列番号119に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号91に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、かつ前記タンパク質が、ActRIIB及びActRIIAと結合し;及び
(r)配列番号125に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVH、及び配列番号132に対して少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するVL、かつ前記タンパク質が、ActRIIAに結合する、
からなる群から選択される、上記[7]に記載のActRII結合タンパク質。
[9] 前記VH及びVL対が、
(a)配列番号165のVH配列、及び配列番号172のVL配列;
(b)配列番号2のVH配列、及び配列番号9のVL配列;
(c)配列番号16のVH配列、及び配列番号9のVL配列;
(d)配列番号22のVH配列、及び配列番号9のVL配列;
(e)配列番号28のVH配列、及び配列番号9のVL配列;
(f)配列番号34のVH配列、及び配列番号9のVL配列;
(g)配列番号40のVH配列、及び配列番号9のVL配列;
(h)配列番号45のVH配列、及び配列番号50のVL配列;
(i)配列番号57のVH配列、及び配列番号50のVL配列;
(j)配列番号63のVH配列、及び配列番号70のVL配列;
(k)配列番号77のVH配列、及び配列番号70のVL配列;
(l)配列番号144のVH配列、及び配列番号151のVL配列;
(m)配列番号84のVH配列、及び配列番号91のVL配列;
(n)配列番号98のVH配列、及び配列番号91のVL配列;
(o)配列番号105のVH配列、及び配列番号91のVL配列;
(p)配列番号112のVH配列、及び配列番号91のVL配列;
(q)配列番号119のVH配列、及び配列番号91のVL配列;及び
(r)配列番号125のVH配列、及び配列番号132のVL配列
からなる群から選択される、上記[8]に記載のActRII結合タンパク質。
[10](a)(i)配列番号165からなる群から選択される参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVH配列、及び
(ii)配列番号172の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVL配列、かつ前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(b)(i)配列番号2、16、22、28、34、または40からなる群から選択される参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVH配列、及び
(ii)配列番号9の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVL配列、かつ前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(c)(i)配列番号45または57の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVH配列、及び
(ii)配列番号50の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVL配列、かつ前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(d)(i)配列番号63または77の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVH配列、及び
(ii)配列番号70の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVL配列、かつ前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(e)(i)配列番号144の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVH配列、及び
(ii)配列番号151の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVL配列、かつ前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(f)(i)配列番号84、98、105、112、または119からなる群から選択される参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVH配列、及び
(ii)配列番号91の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVL配列、かつ前記タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;及び
(g)(i)配列番号125の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVH配列、及び
(ii)配列番号132の参照VLから合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有するVL配列、かつ前記タンパク質は、ActRIIAに結合する、
からなる群から選択されるVH及びVL対を含む、ActRII結合タンパク質。
[11](a)前記VH配列は、配列番号165の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及び前記VL配列は、配列番号172の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;かつ前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(b)前記VH配列は、配列番号2の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及び前記VL配列は、配列番号9の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;かつ前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(c)前記VH配列は、配列番号16の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;前記VL配列は、配列番号9の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;かつ前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(d)前記VH配列は、配列番号22の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及び前記VL配列は、配列番号9の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;かつ前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(e)前記VH配列は、配列番号28の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及び前記VL配列は、配列番号9の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;かつ前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(f)前記VH配列は、配列番号34の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及び前記VL配列は、配列番号9の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;かつ前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(g)前記VH配列は、配列番号40の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及び前記VL配列は、配列番号9の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;かつ前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(h)前記VH配列は、配列番号45の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及び前記VL配列は、配列番号50の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(i)前記VH配列は、配列番号57の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及び前記VL配列は、配列番号50の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(j)前記VH配列は、配列番号63の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及び前記VL配列は、配列番号70の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;かつ前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(k)前記VH配列は、配列番号77の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及び前記VL配列は、配列番号70の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;かつ前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(l)前記VH配列は、配列番号144の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及び前記VL配列は、配列番号151の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;かつ前記タンパク質は、ActRIIBと結合し;
(m)前記VH配列は、配列番号84の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及び前記VL配列は、配列番号91の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;かつ前記タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;
(n)前記VH配列は、配列番号98の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及び前記VL配列は、配列番号91の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;前記タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;
(o)前記VH配列は、配列番号105の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及び前記VL配列は、配列番号91の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;前記タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;
(p)前記VH配列は、配列番号112の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及び前記VL配列は、配列番号91の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;かつ前記タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;
(q)前記VH配列は、配列番号119の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及び前記VL配列は、配列番号91の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;かつ前記タンパク質は、ActRIIB及びActRIIAと結合し;または
(r)前記VH配列は、配列番号125の参照VH配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;及び前記VL配列は、配列番号132の参照VL配列から合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15未満、または0のアミノ酸置換、欠失、及び/または挿入を有し;かつ前記タンパク質は、ActRIIAに結合する、
VH及びVLを含む、ActRII結合タンパク質。
[12](a)ActRIIBのアミノ酸残基NANWELERT(配列番号157);(b)ActRIIBのアミノ酸残基CCEGNFCNER(配列番号159);
(c)ActRIIAのアミノ酸残基CCEGNMCNEK(配列番号161);及び
(d)ActRIIAのアミノ酸残基ECLFFNANWEKD(配列番号162)
からなる群から選択されるポリペプチドに結合する、ActRII結合タンパク質。
[13] 上記[1]~[12]のいずれかに記載のActRII結合タンパク質と同じエピトープに結合する、ActRII結合タンパク質。
[14] ActRIIとの結合に対して、上記[1]~[13]のいずれかに記載のActRII結合タンパク質と競合する、ActRII結合タンパク質。
[15] 前記ActRII結合タンパク質が、ActRII活性を拮抗する、上記[1]~[14]のいずれかに記載のActRII結合タンパク質。
[16] 前記結合タンパク質が、
(a)ActRIIB及び/またはActRIIAに結合するために、アクチビンA、アクチビンB、BMP7、BMP9、BMP10、GDF8(ミオスタチン)、GDF11、またはNodalと競合すること;
(b)ActRIIBまたはActRIIAリガンド(例えば、アクチビンA)の存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIAを発現する細胞における1つ以上のSmadのリン酸化を減少させること;
(c)ActRIIB及び/またはActRIIAリガンドの存在下で、ActRIIB及び/またはActRIIA及びALK4及び/またはALK7を発現する細胞におけるALK4及び/またはALK7のリン酸化を減少させること;及び
(d)≦1nM及び≧1pMのK D で(例えば、BIACORE(登録商標)解析によって決定される)、ActRIIB及び/またはActRIIAに結合すること
からなる群から選択される少なくとも1つの特徴を有する、上記[1]~[15]のいずれかに記載のActRII結合タンパク質。
[17] 前記ActRII結合タンパク質が、ActRIIに特異的に結合する抗体である、上記[1]~[16]のいずれかに記載のActRII結合タンパク質。
[18] 前記抗体が、モノクローナル抗体、組換え抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、二重特異性抗体、多重特異性抗体、またはActRII結合抗体断片である、上記[17]に記載のActRII結合タンパク質。
[19] 前記ActRII結合抗体断片が、Fab断片、Fab'断片、F(ab') 2 断片、Fv断片、ダイアボディ、または一本鎖抗体分子からなる群から選択される、上記[18]に記載のActRII結合タンパク質。
[20] 前記抗体が、
(a)ヒトIgA定常ドメイン;
(b)ヒトIgD定常ドメイン;
(c)ヒトIgE定常ドメイン;
(d)ヒトIgG1定常ドメイン;
(e)ヒトIgG2定常ドメイン;
(f)ヒトIgG3定常ドメイン;
(g)ヒトIgG4定常ドメイン;及び
(h)ヒトIgM定常ドメイン
からなる群から選択される重鎖免疫グロブリン定常ドメインをさらに含む、上記[17]~[19]のいずれかに記載のActRII結合タンパク質。
[21] 前記抗体が、
(a)ヒトIgカッパ定常ドメイン;及び
(b)ヒトIgラムダ定常ドメイン
からなる群から選択される軽鎖免疫グロブリン定常ドメインをさらに含む、上記[17]~[20]のいずれかに記載のActRII結合タンパク質。
[22] 前記抗体が、ヒトIgG1重鎖定常ドメイン及びヒトラムダ軽鎖定常ドメインをさらに含む、上記[17]~[21]のいずれかに記載のActRII結合タンパク質。
[23] 上記[1]~[22]のいずれかに記載のActRII結合タンパク質をコードする、単離された核酸分子または核酸分子セット。
[24] cDNAである、上記[23]に記載の単離された核酸分子または核酸分子セット。
[25] 上記[22]または[23]に記載の核酸分子または核酸分子セットまたはその相補体の断片であるハイブリダイゼーションプローブ、PCRプライマー、または配列決定プライマーとして使用するのに十分な、単離ポリヌクレオチドまたはcDNA分子。[26] 前記核酸分子が、制御配列に作動可能に連結される、上記[22]、[23]、または[29]に記載の核酸分子またはcDNA分子。
[27] 上記[22]、[24]、または[25]に記載の核酸分子を含む、ベクター。
[28] 上記[22]、[24]、または[25]に記載の核酸分子、または上記[31]に記載のベクターを含む、宿主細胞。
[29] 前記宿主細胞が、哺乳動物宿主細胞である、上記[27]に記載の宿主細胞。[30] 前記宿主細胞が、NS0マウス骨髄腫細胞、PER.C6(登録商標)ヒト細胞、またはチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である、上記[28]に記載の哺乳動物宿主細胞。
[31] 前記ActRII結合タンパク質を生成するのに適切な条件下で、上記[27]、[28]、または[29]に記載の宿主細胞を培養することを含む、上記[1]~[21]のいずれかに記載のActRII結合タンパク質の作製方法。
[32] 前記宿主細胞から分泌されたActRII結合タンパク質を単離することをさらに含む、上記[30]に記載の方法。
[33] 上記[30]または[31]の方法を用いて生成された、ActRII結合タンパク質。
[34] 上記[1]~[20]または[21]のいずれかに記載のActRII結合タンパク質、及び薬学的に許容可能な担体を含む、医薬組成物。
[35] 医薬として使用される、上記[33]に記載の医薬組成物。
[36] ActRII発現または上昇したActRIIシグナル伝達と関連する疾患または状態を治療及び/または改善するための、上記[34]に記載の医薬組成物の使用。[37] 前記疾患または状態が、退行性筋疾患、筋ジストロフィー、筋萎縮、筋肉消耗、線維症状態(肝、肺、血管、または眼の線維症状態)、心筋線維症、特発性肺線維症、代謝性疾患、II型糖尿病、肥満、炎症性疾患、自己免疫疾患、眼疾患、加齢黄斑変性症、心血管疾患、鬱血性心不全、高血圧、肺疾患、筋肉骨格疾患、骨格系疾患、骨粗鬆症、神経筋疾患、変性疾患、創傷治癒、及びがんからなる群から選択されるメンバーである、上記[35]に記載の使用。
[38] 標識基またはエフェクター基をさらに含む、上記[33]に記載の医薬組成物。
[39] 前記エフェクター基が、放射性同位体、放射性核種、毒素、治療剤、及び化学療法剤からなる群から選択される、上記[37]に記載の医薬組成物。
[40] 上記[1]~[20]または[21]のいずれかに記載のActRII結合タンパク質、または上記[33]に記載の医薬組成物を含む組成物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、対象におけるActRII発現または上昇したActRII媒介シグナル伝達と関連する疾患または状態を治療及び/または改善する方法。
[41] 前記疾患または状態が、退行性筋疾患、筋ジストロフィー、筋萎縮、筋肉消耗、線維症状態(肝、肺、血管、または眼の線維症状態)、心筋線維症、特発性肺線維症、代謝性疾患、II型糖尿病、肥満、炎症性疾患、自己免疫疾患、眼疾患、加齢黄斑変性症、心血管疾患、鬱血性心不全、高血圧、肺疾患、筋肉骨格疾患、骨格系疾患、骨粗鬆症、神経筋疾患、変性疾患、創傷治癒、及びがんからなる群から選択されるメンバーである、上記[39]に記載の方法。
[42] 前記ActRII結合タンパク質または医薬組成物が、単体または併用療法として投与される、上記[40]に記載の方法。
[43] 上記[1]~[21]または[37]のいずれかに記載のActRII結合タンパク質、または上記[39]、[42]、または[43]に記載の医薬組成物の有効量を投与することを含む、対象におけるActRII活性の低下方法。
【0390】
以下の例は、限定としてではなく、例示として提供される。
【実施例
【0391】
具体的な実施形態についての前述の説明は、本開示の概略的な本質を十全に明らかにするものであるため、他の者は、当該技術分野の範囲内にある知識を適用することにより、過度の実験を行うことなく、本開示の概略的な概念から逸脱することなく、容易にかかる具体的な実施形態を改良し、及び/または様々な適用に適合させることができるであろう。従って、かかる適合及び改良は、本明細書に提供される教示及び指針に基づけば、本開示の実施形態の均等物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書における表現法または用語法は、限定ではなく、説明を目的としていることが理解されるべきであり、本明細書の用語法または表現法は、当業者によって教示及び指針を踏まえて解釈されるべきである。
【0392】
本開示の広さ及び範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれによっても制限されるものではなく、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物に従ってのみ定義されるものである。
【0393】
本出願に引用される全ての刊行物、特許、特許出願、及び/または他の文書は、個々の刊行物、特許、特許出願、及び/または他の文書が各々、あらゆる目的から参照によって組み込まれることを個々に示されたものとするのと同程度に、あらゆる目的から全体として参照によって組み込まれる。
【0394】
実施例1.ActRII結合抗体の選択、特徴付け、及び作製
マルチラウンド選択手順を用いて、高親和性でActRIIに結合し、ヒトActRIIの結合に対してアクチビンAと競合するヒトIgG抗体を選択した。これを以下に詳述する。
【0395】
材料及び方法
Pierce製のEZ-Link Sulfo-NHS-Biotinylation Kitを用いて、抗原(ActRIIA、ActRIIB、ActRIIA-Fc、及びActRIIB-Fc)をビオチン化した。ヤギ抗ヒトF(ab’)カッパ-FITC(LC-FITC)、エクストラビジン-PE(EA-PE)及びストレプトアビジン-633(SA-633)は、Southern Biotech、Sigma、及びMolecular Probesからそれぞれ入手した。ストレプトアビジンマイクロビーズ及びMACS LC分離カラムは、Miltenyi Biotecから購入した。
【0396】
ナイーブ発見
以前に記載されているように8つのナイーブヒト合成酵母ライブラリーが各々約10個の多様性に増殖した(例えば、WO09/036379;WO10/105256;WO12/009568を参照されたい)。最初の2ラウンドの選択では、Miltenyi MACsシステムを利用した磁気ビーズソーティング技術を、記載の通りに行った(例えば、Siegel et al.,J.Immunol.Meth.286(1-2):141-153(2004)を参照されたい)。簡潔には、酵母細胞(約1010個の細胞/ライブラリー)をFACS洗浄緩衝液(リン酸緩衝生理食塩水(PBS)/0.1%ウシ血清アルブミン(BSA))中、室温で15分間、3mlの10nMビオチン化単量体ActRII-Fc抗原(ActRIIB-FcまたはActRIIA-Fc)とインキュベートした。50mlの氷冷洗浄緩衝液で1回洗浄した後、細胞ペレットを40mlの洗浄緩衝液に再懸濁し、ストレプトアビジンマイクロビーズ(500μl)を酵母に加えて、4℃で15分間インキュベートした。次に、酵母をペレット化し、5mlの洗浄緩衝液に再懸濁し、Miltenyi LSカラムの上にロードした。5mlをロードした後、カラムを3mlのFACS洗浄緩衝液で3回洗浄した。次いで、カラムを磁場から除去し、酵母を5mlの増殖培地で溶出した後、一晩増殖した。次ラウンドのソーティングは、フローサイトメトリーを使用して行った。おおよそ1×10個の酵母をペレット化し、洗浄緩衝液で3回洗浄し、平衡状態下、ビオチン化単量体またはActRII-Fc融合抗原(100から1nMへ)濃度を下げながら室温でインキュベートした。次いで、酵母を2回洗浄し、LC-FITC(1:100に希釈)で染色し、SA-633(1:500に希釈)またはEA-PE(1:50に希釈)の第2試薬のいずれかで4℃、15分間染色した。氷冷洗浄緩衝液で2回洗浄した後、細胞ペレットを0.4mlの洗浄緩衝液に再懸濁し、ストレーナーキャップ付ソートチューブに移した。ソーティングは、FACS ARIAソーター(BD Biosciences)を使用して行い、ソートゲートを割り当てて、バックグラウンド対照に対する特定の結合剤を選択した。その後の選択ラウンドは、CHO細胞由来の可溶性膜タンパク質を利用して非特異的試薬結合剤の数を減少させて(例えば、WO14/179363及びXu et al.,Protein Eng.Des.Sel.26(10):663-670(2013)を参照されたい)、かつ、ActRII-Fc(それぞれ、ActRIIB-Fc及びActRIIA-Fc抗原)を用いてActRII(ActRIIBまたはActRIIA)への親和性が改善された結合剤を同定するために使用した。最終ラウンドのソーティング後、酵母を平板培地に置き、個別のコロニーを選択し、親和性成熟に対するクローンを特徴付けて、指定した。
【0397】
親和性成熟
ナイーブクローンの結合最適化は、3つの成熟戦略:軽鎖多様化;CDRH及びCDRH2の多様化;及びシーケンシャルVH及びVL突然変異誘発の実行を利用して実施した。
【0398】
軽鎖多様化:重鎖プラスミドをナイーブ出力(上述)として抽出し、軽鎖ライブラリーに形質転換し、1×10個の多様性を得た。1ラウンドのMACSソーティングで上述のように選択を行い、2ラウンドのFACSソーティングを行い、それぞれのラウンドで10nMまたは1nMのビオチン化ActRII-Fc抗原(ActRIIB-FcまたはActRIIA-Fc)を用いた。
【0399】
CDRH1及びCDRH2選択:軽鎖多様化手順から選択されるクローン由来のCDRH3を、1×10個の多様性をもつCDRH1及びCDRH2変異体で予め作製したライブラリーに組み換えて、ActRIIB及びActRIIA抗原をそれぞれ用いる平行選択を行った。上述のように、異なる時間量に対し、ビオチン化抗原抗体酵母複合体を非ビオチン化抗原でインキュベートすることによって親和性圧力を適用し、最も高い親和性抗体を選択した。
【0400】
VHmut/VKmut選択:CDRH1及びCDRH2選択手順から得られたクローンに、重鎖及び/または軽鎖のエラープローンPCRに基づく突然変異誘発を介した追加のラウンドの親和性成熟を施した。選択は、一般的に上記のような抗原としてActRIIBまたはActRIIAを用いるが、全ての選択ラウンドに対してFACSソーティングの使用を加えて行った。抗原濃度を低下させて、冷却抗原競合時間を増やして、さらに圧力をかけて、最適な親和性を得た。
【0401】
抗体産生及び精製
さらなる特徴付けのために選択された抗体の十分量を産生するために、酵母クローンを飽和まで増殖させた後、撹拌しながら30℃で48時間誘発させた。誘発後、酵母細胞をペレット化し、上清を収穫して、精製した。IgGは、プロテインAカラムを用いて精製し、酢酸、pH2.0で溶出した。Fab断片は、パパイン消化によって生成し、KappaSelect(GE Healthcare LifeSciences)で精製した。
【0402】
ForteBio K測定
選択された抗体のForteBio親和性測定は、一般的に前述されるように行った(例えば、Estep et al.,Mabs、5(2):270-278(2013)を参照されたい)。簡潔には、ForteBio親和性測定は、IgGをオンラインでAHQセンサーにロードすることによって行った。センサーをオフラインでアッセイ緩衝液中にて30分間平衡にした後、オンラインで60秒間監視し、ベースラインを確立した。IgGをロードしたセンサーを100nM抗原に5分間暴露した後、アッセイ緩衝液に5分間移して、オフ速度を測定した。速度論を、1:1結合モデルを用いて解析した。
【0403】
MSD-SET K測定
選択された抗体の平衡親和性測定は、一般的に前述されるように行った(Estep et al.,Mabs 5(2):270-278(2013))。簡潔には、溶液平衡力価測定(SET)は、PBS+0.1%のIgGを含まないBSA(PBSF)中で行い、抗原(ActRIIBモノマーまたはActRIIAモノマー)を10~100pMで一定に保持し、FabまたはmAbsの3~5倍段階希釈でインキュベートし、10pM~10nMで開始した。抗体(PBS中で20nM)を標準結合MSD-ECLプレート上に4℃で一晩または室温で30分間被覆した。その後、プレートを700rpmで振盪させながらBSAによって30分間ブロックした後、洗浄緩衝液(PBSF+0.05%のTween20)で3回洗浄した。SET試料をプレートに塗布し、700rpmで振盪させながら150秒間インキュベートした後、1回洗浄した。プレート上で捕捉した抗原を、プレート上で3分間のインキュベーションによって、PBSF中の250ng/mLのスルホタグ標識ストレプトアビジンで検出した。プレートを洗浄緩衝液で3回洗浄した後、界面活性剤を含む1×リードバッファTを用いて、MSD Sector Imager 2400機器上で読み取った。遊離抗原のパーセントを滴定抗体の関数としてPrismでプロットし、二次方程式にフィッティングして、KDを抽出した。スループットを改善するため、SET試料調製を含むMSD-SET実験全体を通して液体処理ロボットを使用した。
【0404】
Octet Red384エピトープビニング/リガンドブロッキング
選択された抗体エピトープビニング/リガンドブロッキングは、標準サンドイッチ形式の交叉ブロッキングアッセイを用いて行った。対照抗標的IgGをAHQセンサー上にロードし、センサー上の非占有Fc結合部位を無関係のヒトIgG1抗体でブロックした。次に、センサーを100nMの標的抗原、その後、第2の抗標的抗体またはリガンドに暴露した。ForteBioのデータ解析ソフトウェア7.0を用いてデータを処理した。抗原会合後の第2の抗体またはリガンドによるさらなる結合は、非占有エピトープ(非競合)を示す一方、結合なしは、エピトープブロッキング(競合またはリガンドブロッキング)を示す。
【0405】
サイズ排除クロマトグラフィー
TSKgel SuperSW mAb HTPカラム(22855)を、6分/ランのサイクル時間で0.4mL/分にて、酵母で産生されたmAbの高速SEC解析に使用した。200mMのリン酸ナトリウム及び250mMの塩化ナトリウムを移動相として使用した。
【0406】
動的走査蛍光定量法
10uLの20×Sypro Orangeを20uLの0.2~1mg/mL mAbまたはFab溶液に添加した。RT-PCR機器(BioRad CFX96 RT PCR)を使用して、試料プレート温度を0.5℃の増分で40℃~95℃まで傾斜させ、各温度で2分平衡させた。生データの一次導関数の負を使用して、Tmを抽出した。
【0407】
前述の解析に基づいて、好ましい特徴をもつ8つのナイーブActRII結合抗体の配列を確認し、上述の成熟戦略を用いた結合最適化のために選択した。
【0408】
実施例2.ActRII結合ナイーブ及び最適化抗体の特徴付け
前述の実施例に従って生成された例示的なナイーブ及び結合最適化ActRII結合タンパク質を、配列、SPR、及び細胞ベースのレポーターアッセイ解析によってさらに特徴付けた。
【0409】
実施例1に記載の方法に従って生成された例示的なナイーブ及び結合最適化ActRII結合抗体の配列を表1に提示する(例示的なCDR配列には、下線を引く)。
【0410】
【表1】
【0411】
SPR(BIACORE(登録商標)基づく解析)及び細胞ベースのレポーターアッセイを用いて、表1に記載のActRII結合タンパク質の結合をさらに詳しく特徴付けた。
【0412】
A01系列抗体
単量体及び二量体hActRIIB及びhActRIIAに結合するA01抗体系列(A01(ナイーブ親)、B01、C01、D01、E01及びF01)の動力学的特徴付けは、37℃での標準BIACORE(登録商標)に基づく解析を用いて行った。簡単に言えば、抗体を抗hFcIgG Biacoreチップ上で捕捉し、異なる濃度の二量体及び単量体ActRIIBまたはActRIIAを、捕捉された抗体及び対照表面の上に二重に注入した。運動速度定数を得るため、データを二重参照し、BiaEvaluationソフトウェア(GE Healthcare)を用いて、1:1相互作用モデルにフィッティングさせた。平衡結合定常Kは、結合速度定数比k/kによって決定された。
【0413】
A01系列抗体A01~F01の結合パラメーター解析の結果を表2及び図1A~1Nに提示する。
【0414】
【表2】
【0415】
最適化されたA01系列抗体B01、C01、D01、E01、及びF01の各々は、A01親抗体上のActRIIBモノマー及びダイマー結合に対する平衡解離定数(KD)動態パラメーターの改善を示した。
【0416】
A01系列抗体A01、B01、C01、D01、E01、及びF01のActRIIB中和能力は、293FT細胞のCRISPE-Cas9修飾によって得られたF2.35(IIAノックアウト)細胞における細胞ベースのアクチビンAシグナル伝達アッセイで評価した。細胞を、Smad2/3反応要素pGL3(CAGA)12を含有する実験ルシフェラーゼレポータープラスミド、及び対照ルシフェラーゼレポータープラスミドpRL-CMVと同時にトランスフェクトした。翌日、mAbの段階希釈を作製し、トランスフェクト細胞に添加し、30分間インキュベートした後、アクチビンAなどの活性化因子を添加し(最終濃度5ng/ml)、さらに6時間インキュベーションした。細胞をPBS中で1×で洗浄し、溶解し、製造者の指示に従ってデュアルルシフェラーゼレポーターアッセイシステム(Promega)を用いて評価した。Infinite M200プレートリーダーを用いて化学発光を測定した。実験レポーターのルシフェラーゼ活性は、対照レポーターから得られたルシフェラーゼ活性によって正規化した。抗ActRIIA中和活性を評価するため、A204細胞を同じレポーター遺伝子でトランスフェクトした。A204は、ActRIIA、及び低レベルの内因性ActRIIBを発現する。トランスフェクト細胞を上記のように評価した。
【0417】
最適化されたA01系列抗体B01、C01、D01、E01、及びF01の各々は、A01親抗体と比較して、A01親抗体上のActRIIB媒介シグナル阻害の増加を示した。図2を参照されたい。
【0418】
G01系列抗体
単量体及び二量体hActRIIB及びhActRIIAに結合するG01(ナイーブ親)及び最適化H01抗体の動力学的特徴付けは、37℃での標準BIACORE(登録商標)に基づく解析を用いて行った。
【0419】
G01及びH01抗体の結合パラメーター解析の結果を表3及び図3A~3Fに提示する。
【0420】
【表3】
【0421】
H02最適化抗体は、G01親抗体上のActRIIBモノマー及びダイマー結合に対する平衡解離定数(KD)動態パラメーターの改善を示した。
【0422】
親G01及び最適化H01抗体のActRIIB中和能力は、F2.35(IIAノックアウト)細胞における細胞ベースのアクチビンAシグナル伝達アッセイで評価した。H01最適化抗体は、G01親抗体と比較して、ActRIIB媒介シグナル阻害の増加を示した。図4を参照されたい。
【0423】
A02系列抗体
単量体及び二量体hActRIIB及びhActRIIAに結合するA02抗体系列(A01(ナイーブ親)、B02、C02、D02、及びD03)の動力学的特徴付けは、37℃での標準BIACORE(登録商標)に基づく解析を用いて行った。
【0424】
A02系列抗体A02~D02の結合パラメーター解析の結果を表4及び図5A~5Tに提示する。
【0425】
【表4】
【0426】
最適化A02系列抗体B02、C02、D02、及びD03の各々は、A02親抗体上の結合ActRIIB及びActRIIAモノマー、及びActRIIAダイマーに対する平衡解離定数(KD)の改善を示した。
【0427】
抗体A02、B02、C02、D02、及びD03のActRIIB中和能力は、F2.35(IIAノックアウト)細胞における細胞ベースのアクチビンAシグナル伝達アッセイで評価した。最適化抗体B02、C02、D02、及びD03の各々は、A02親抗体と比較して、ActRIIB媒介シグナル阻害の増加を示した。図6A~6Bを参照されたい。
【0428】
E02系列抗体
単量体及び二量体hActRIIB及びhActRIIAに結合するE02(ナイーブ親)及び最適化F02抗体の動力学的特徴付けは、37℃での標準BIACORE(登録商標)に基づく解析を用いて行った。
【0429】
E02及びF02抗体の結合パラメーター解析の結果を表5及び図7A~7Fに提示する。
【0430】
【表5】
【0431】
F02最適化抗体は、E02親抗体上のActRIIBモノマー及びダイマー結合に対する平衡解離定数(KD)動態パラメーターの改善を示した。
【0432】
E02及びF02抗体のActRIIB中和能力は、F2.35(IIAノックアウト)細胞における細胞ベースのアクチビンAシグナル伝達アッセイで評価した。図9は、アッセイにおけるE02親抗体及びF02変異体抗体の中和活性を示す。実証されているように、F02抗体は、E02と比較して、シグナル阻害の増加を示した。
【0433】
G02抗体
単量体及び二量体hActRIIB及びhActRIIAに結合するG02抗体の動力学的特徴付けは、37℃での標準BIACORE(登録商標)に基づく解析を用いて行った。図8A~8Dは、37℃でのBIACORE(登録商標)ベース解析によって決定される単量体及び二量体hActRIIB及びhActRIIA(図8A~8D、それぞれ)に結合するG02抗体の動力学的特徴付けを示す。G02抗体の結合パラメーター解析の結果を表6に提示する。
【0434】
【表6】
【0435】
実施例3.A204細胞におけるレポーター遺伝子アッセイ
A204細胞中のレポーター遺伝子アッセイを使用して、抗ActRII Fab及び組換え抗体などのActRII結合タンパク質がActRII(例えば、ActRIIB)を中和する能力を決定することができる。このアッセイは、トランスフェクション効率を制御するため、pGL3(CAGA)12レポータープラスミド(Dennler et al.,EMBO 17:3091-3100(1998))、並びにReniUaレポータープラスミド(pRLCMV)でトランスフェクトしたヒト横紋筋肉腫細胞株に基づくことができる。CAGA12モチーフは、TGF-β応答遺伝子(PAI-1遺伝子)に存在するため、このベクターは、Smad2及びSmad3を介してシグナル伝達する因子に一般に有用である。A204細胞株はActRIIBよりもむしろActRIIAを主に発現するので、潜在的なActRIIB中和能力について抗体を直接試験することはできない。代わりに、ActRIIB及びActRIIAの両方に高親和性で結合することができるリガンド(例えば、アクチビンA、GDF11、またはミオスタチン)によって、内因性ActRIIAの活性化における可溶性融合タンパク質ActRIIB-Fcの阻害効果を試験物が中和する能力を検出するように、このアッセイを設計することができる。
【0436】
従って、このアッセイでは、ActRIIAのリガンド媒介活性化は、抗ActRIIB Fabまたは抗体が中和されていれば、ActRIIB-Fcの存在に関わらず生じる。アッセイの最初の日に、A204細胞(ATCC HTB-82)を、48ウェルプレート中で、10細胞/ウェルにおいて分配する。2日目に、10μg pGL3(CAGA)12、1μg pRLCMV、30μl Fugene 6(Roche Diagnostics)、及び970μl OptiMEM(Invitrogen)を含有する溶液を、30分間にわたって予備インキュベートし、次いで、McCoyの増殖培地に添加し、これを、室温において一晩のインキュベーションにわたってプレートした細胞(500μl/ウェル)に適用する。3日目に、培地を除去し、細胞を、6時間にわたって37℃において、後述されるように調製されたリガンドと阻害剤の混合物とともに、インキュベートする。
【0437】
試験ActRII結合タンパク質の中和能力を評価するため、試験物の段階希釈を、200μl容量のアッセイ緩衝液(McCoyの培地+0.1%のBSA)中で48ウェルプレートにて作製する。アッセイ緩衝液中に等しい容量のActRIIB-Fc(200μg/ml)を次いで添加する。試験溶液を37℃で30分間インキュベートした後、400μlのGDF11(10ng/ml)またはアクチビンA(10ng/ml)を全てのウェルに添加し、350μlのこの混合物をA204細胞の48ウェルプレートの各ウェルに添加する。各濃度の試験ActRII結合タンパク質を重複して試験する。ActRIIB-Fcの最終濃度は、50ng/mlである(これは、アクチビンAの最終濃度が5ng/mlである場合のアクチビンAシグナル伝達の阻害剤に対するIC50である)。試験溶液で6時間インキュベーション後、細胞を0.1%のBSAを含有するリン酸緩衝生理食塩水ですすぎ、次いで、受動溶解緩衝液(Promega E1941)で溶解し、-70℃で一晩貯蔵する。4日目及び最終日に、プレートを、室温へと穏やかに撹拌しながら加温する。細胞溶解物を、化学発光プレート(96ウェル)に重複して移し、Dual-Luciferase Reporter Assayシステム(Promega E1980)の試薬でルミノメーターにおいて解析して、正規化したルシフェラーゼ活性を決定する。試験物と試験物が不在である対照との間のルシフェラーゼ活性の差は、試験物の存在から得られる細胞のシグナル伝達の差を反映する。
【0438】
実施例4.精密エピトープマッピング
抗体によって認識されたActRIIB及びActRIIA ECDエピトープのマッピングは、特注のペプチドライブラリーを用いたPepscan Presto BVによって行った。ヒトActRIIB及びActRIIAのECDの配列は、コンビナトリアル・マトリックスの設計を用いて、直鎖の15マーと環状の15マーCLIPSが重複するライブラリーに変換した。CLIPS(足場へのペプチドの化学結合)技術は、定義された三次元構造(一重、二重、三重などのループ)にペプチドを構造的に修正し、複雑な結合部位の機能的模倣体を生成する。ペプチドは、固体支持体上で合成した。抗体の合成ペプチドの各々への結合は、ELISAによって試験し、結合親和性を定量化した。正しい立体構造における不連続なエピトープの両方の部分を表すペプチド構築物は、特定の抗体と最も高い親和性で結合する。不完全なエピトープを提示しているペプチド構築物は、特定の抗体と低い親和性で結合する一方、正しいエピトープを含まない構築物は、全く結合しなかった。各ペプチドには、親和性に基づいてスコアを与えた。
【0439】
抗体D04は、結合エピトープを配列番号138のアミノ酸残基9~20(ECLFFNANWEKD(配列番号162))、アミノ酸残基58~69(CWLDDINCYDRT(配列番号163))及びアミノ酸残基84~93(CCEGNMCNEK(配列番号161))にマッピングした状態でAcRIIA上の3つの配列ストレッチにわたって結合することが決定された。
【0440】
抗体D04は、結合エピトープを配列番号138のアミノ酸9~17(NANWELERT(配列番号157))、アミノ酸52~63(GCWLDDFNCYDR(配列番号160))、及びアミノ酸79~88(CCEGNFCNER(配列番号59))の結合部位にマッピングした状態でAcRIIB上の3つの配列ストレッチにわたって結合することも決定された。
【0441】
抗体I01は、結合エピトープを配列番号139のアミノ酸9~17(NANWELERT(配列番号157))及びアミノ酸49~63(VKKGCWLDD(配列番号158))にマッピングした状態でAcRIIB上の2つの配列ストレッチにわたって結合することが決定された。
図1-1】
図1-2】
図2
図3
図4
図5-1】
図5-2】
図5-3】
図6
図7
図8
図9
【配列表】
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