(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】不燃性エアロゾルシステムおよびプレエアロゾル製剤筐体
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20240409BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20240409BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20240409BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/40
A24F40/50
(21)【出願番号】P 2021541281
(86)(22)【出願日】2020-01-07
(86)【国際出願番号】 US2020012458
(87)【国際公開番号】W WO2020150034
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2022-10-21
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517453405
【氏名又は名称】アルトリア クライアント サーヴィシーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】フローラ,ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ホーズ,エリック
(72)【発明者】
【氏名】リー,サン
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-504127(JP,A)
【文献】国際公開第2017/207443(WO,A1)
【文献】特表2018-512141(JP,A)
【文献】国際公開第2014/061477(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不燃性エアロゾルシステムであって、
不燃性エアロゾル形成装置と、プレエアロゾル製剤筐体とを備え、
前記不燃性エアロゾル形成装置は、筐体と、前記筐体の内部に構成される加熱室と、前記加熱室の内部に配置されるヒータと、を含み、
前記ヒータは、
前記不燃性エアロゾル形成装置における
前記加熱室に熱を供給するように構成され、
前記
不燃性エアロゾル形成装置
の前記筐体は、前記筐体の長手方向に平行な側面を有し、前記側面の一部に前記加熱室への開口部を規定し、
前記ヒータは、
前記加熱室の内部において前記筐体の長手方向に直交する方向に延び、前記加熱室から距離を置
いて存在し、
前記
プレエアロゾル製剤筐体は、
第1プレートと、前記第1プレートに対向する第2プレートと、外壁と、を含み、
前記外壁は、前記第1プレートから前記第2プレートまで延在し、
前記プレエアロゾル製剤筐体は、前記不燃性エアロゾル形成装置の前記開口部を通して
前記不燃性エアロゾル形成装置の前記加熱室に挿入されるように構成され、
固体基材を収容するための内部容積を規定し、
複数の内部構造体を含み、
前記複数の内部構造体は、
前記
プレエアロゾル製剤筐体の
前記第1プレートから前記第2プレートまで延び、
前記内部容積を通って延び、
前記ヒータにより供給される熱を前記内部容積に伝導することによって、前記固体基材を加熱してエアロゾルを生成するように構成される、
不燃性エアロゾルシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の不燃性エアロゾルシステムにおいて、
前記
プレエアロゾル製剤筐体
の前記第1プレートは
、
前記不燃性エアロゾル形成装置の前記筐体
の第1端部を規定するように構成され、
前記プレエアロゾル製剤筐体の前記第2プレートは、
前記不燃性エアロゾル形成装置の前記筐体
の第2端部を規定するように構成され、
前記不燃性エアロゾル形成装置の前記筐体の前記第1端部および
前記第2端部は前記筐体の反対側に位置する、
不燃性エアロゾルシステム。
【請求項3】
請求項2に記載の不燃性エアロゾルシステムにおいて、
前記第1プレートおよび前記第2プレートは第1材料であり、
前記複数の内部構造体は第2材料であり、
前記第1材料と前記第2材料は異なる、
不燃性エアロゾルシステム。
【請求項4】
請求項2に記載の不燃性エアロゾルシステムにおいて、
前記第1プレート、前記第2プレート、および前記複数の内部構造体は同じ材料である、
不燃性エアロゾルシステム。
【請求項5】
請求項1に記載の不燃性エアロゾルシステムにおいて
、
前記外壁は
、
固体とメッシュのいずれかである、
不燃性エアロゾルシステム。
【請求項6】
請求項5に記載の不燃性エアロゾルシステムにおいて、
前記外壁は固体であり、
前記不燃性エアロゾルシステムは、
貫通要素を含み、
前記貫通要素は、
前記
プレエアロゾル製剤筐体を貫通して前記エアロゾルの出口を生成するように構成される、
不燃性エアロゾルシステム。
【請求項7】
請求項5に記載の不燃性エアロゾルシステムにおいて、
前記外壁はメッシュであり、前記外壁が前記エアロゾルの出口を提供する、
不燃性エアロゾルシステム。
【請求項8】
請求項5に記載の不燃性エアロゾルシステムにおいて、
前記
プレエアロゾル製剤筐体
の前記第1プレートは
、
前記不燃性エアロゾル形成装置の前記筐体
の第1端部を規定するように構成され、
前記プレエアロゾル製剤筐体の前記第2プレートは、
前記不燃性エアロゾル形成装置の前記筐体
の第2端部を規定するように構成され、
前記不燃性エアロゾル形成装置の前記筐体の前記第1
端部および
前記第2端部は前記筐体の反対側に位置
し、前記外壁は前記第1プレートから前記第2プレートまで延在する、
不燃性エアロゾルシステム。
【請求項9】
請求項8に記載の不燃性エアロゾルシステムにおいて、
前記
プレエアロゾル製剤筐体は円筒形である、
不燃性エアロゾルシステム。
【請求項10】
請求項1に記載の不燃性エアロゾルシステムにおいて、
前記不燃性エアロゾルシステムは、前記
プレエアロゾル製剤筐体に電流を供給しないように構成される、
不燃性エアロゾルシステム。
【請求項11】
請求項1に記載の不燃性エアロゾルシステムにおいて、
前記固体基材は、タバコ葉、再構成タバコ、圧縮タバコロッド、粉末タバコ、それらのサブコンビネーション、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、
不燃性エアロゾルシステム。
【請求項12】
請求項1に記載の不燃性エアロゾルシステムにおいて、
センサと、制御部とをさらに備え、
前記センサは、
前記加熱室における気流を検出するように構成され、
前記制御部は、
検出される前記気流に基づき、前記ヒータに電力を供給するように構成される、
不燃性エアロゾルシステム。
【請求項13】
請求項1に記載の不燃性エアロゾルシステムにおいて、
前記
不燃性エアロゾル形成装置の第1側面に第1出口を、前記
不燃性エアロゾル形成装置の第2側面に第2出口をさらに備える、
不燃性エアロゾルシステム。
【請求項14】
請求項13に記載の不燃性エアロゾルシステムにおいて、
前記第2出口は一方向弁である、
不燃性エアロゾルシステム。
【請求項15】
請求項1に記載の不燃性エアロゾルシステムにおいて、
前記複数の内部構造体は異なる材料である、
不燃性エアロゾルシステム。
【請求項16】
請求項
1に記載の不燃性エアロゾルシステムにおいて、
前記
プレエアロゾル製剤筐体
の前記第1プレートは
、
前記不燃性エアロゾル形成装置の前記筐体
の第1端部を規定するように構成され、
前記プレエアロゾル製剤筐体の前記第2プレートは、
前記不燃性エアロゾル形成装置の前記筐体
の第2端部を規定するように構成され、
前記不燃性エアロゾル形成装置の前記筐体の前記第1
端部および
前記第2端部は前記筐体の反対側に位置
し、前記複数の内部構造体は、前記プレエアロゾル製剤筐体の前記第1プレートから前記第2プレートまで延びる、
不燃性エアロゾルシステム。
【請求項17】
不燃性エアロゾルシステムの操作方法であって、
挿入工程と、作動工程とを有し、
前記挿入工程では、不燃性エアロゾル
形成装置の加熱室に
プレエアロゾル製剤筐体を挿入し、
ここで、前記加熱室は、前記不燃性エアロゾル形成装置の筐体の内部に構成され、
前記不燃性エアロゾル形成装置は、さらに前記加熱室の内部に配置されるヒータ、を含み、
前記ヒータは、前記不燃性エアロゾル形成装置における前記加熱室に熱を供給するように構成され、
前記不燃性エアロゾル
形成装置の
前記筐体は、前記筐体の長手方向に平行な側面の一部に前記加熱室への開口部を規定し
、
前記
プレエアロゾル製剤筐体は、
第1プレートと、前記第1プレートに対向する第2プレートと、外壁と、を含み、
前記外壁は、前記第1プレートから前記第2プレートまで延在し、
前記プレエアロゾル製剤筐体は、
固体基材を収容するための内部容積を規定し、
複数の内部構造体を含み、
前記複数の内部構造体は、
前記
プレエアロゾル製剤筐体の
前記第1プレートから前記第2プレートまで延び、
前記内部容積を通って延び、
前記不燃性エアロゾル形成装置の備える前記ヒータにより供給される熱を前記内部容積に伝導することによって、前記固体基材を加熱してエアロゾルを生成するように構成され、
前記作動工程は、前記不燃性エアロゾル
形成装置を作動させる、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願へのクロスリファレンス]
本出願は、35U.S.C.§119(e)の下、2019年1月18日に出願される米国出願第16/251,452号の優先権を主張するものであり、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
少なくとも1つの実施形態例は、一般的に不燃性エアロゾル装置に関するものである。
【0003】
不燃性エアロゾル装置は、固体基材の燃焼を引き起こすことなく、タバコなどの固体基材を加熱するヒータを備えられ得る。
【0004】
不燃性エアロゾル装置は、装置内に配置される再充電式電池などの電源を含む。電池は、ヒータが固体基材を加熱するようにヒータに電気的に接続される。
【発明の概要】
【0005】
いくつかの実施形態例によって提供される不燃性エアロゾルシステムは、加熱チャンバに熱を供給するように構成されるヒータと、加熱チャンバに挿入されるように構成される筐体とを備え、筐体は、固体基材を含むための内部容積を規定する。
【0006】
いくつかの実施形態例では、タバコ材料は、タバコ属(Nicotiana)の任意のメンバからの材料を含み得る。また、いくつかの実施形態例では、タバコ材料は、2つ以上の異なるタバコ品種のブレンドを含み得る。使用できるタバコ材料の例としては、好ましくは煙道硬化タバコ(flue-cured tobacco)、バーリータバコ(Burley tobacco)、ダークタバコ(Dark tobacco)、メリーランドタバコ(Maryland tobacco)、オリエンタルタバコ(Oriental tobacco)、希少タバコ(rare tobacco)、特殊なタバコ(specialty tobacco)、ならびにこれらのブレンドなどが含まれるが、これらに限定されない。タバコ材料は、任意の適切な形態で提供されてもよく、これには、タバコラミナ、容積拡大タバコまたはパフ付きタバコなどの加工されるタバコ材料、カットロールまたはカットパフ付きステムなどの加工されるタバコステム、再構成されるタバコ材料、ならびにそれらのブレンドなどが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態例では、タバコ材料は、実質的に乾燥したタバコ塊の形態である。
【0007】
いくつかの実施形態例では、タバコ材料は、プロピレングリコール、グリセリン、それらのサブコンビネーション、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つと混合および/または組み合わせてもよい。
【0008】
筐体は、筐体の第1端部から筐体の第2端部まで延びる複数の内部構造体を含み、複数の内部構造体は内部容積を通って延び、複数の内部構造体は、ヒータにより供給される熱を内部容積に伝導することによって、固体基材を加熱してエアロゾルを生成するように構成される。
【0009】
いくつかの実施形態例では、筐体は、筐体の第1端部を規定する第1プレートと、筐体の第2端部を規定する第2プレートとをさらに含み、筐体の第1端部および第2端部は、筐体の反対側に位置する。
【0010】
いくつかの実施形態例では、第1プレートおよび第2プレートは第1材料であり、複数の内部構造体は第2材料であり、第1材料および第2材料は異なる。
【0011】
いくつかの実施形態例では、第1プレート、第2プレート、および複数の内部構造体は、同じ材料である。
【0012】
いくつかの実施形態例では、筐体は、内部容積を規定する外壁をさらに含み、外壁は、固体およびメッシュのいずれかである。
【0013】
いくつかの実施形態例では、外壁は固体であり、不燃性エアロゾルシステムは、筐体を貫通してエアロゾルの出口を生成するように構成される貫通要素を含む。
【0014】
いくつかの実施形態例では、外壁はメッシュであり、かつエアロゾルの出口を提供する。
【0015】
いくつかの実施形態例では、筐体は、筐体の第1端部を規定する第1プレートと、筐体の第2端部を規定する第2プレートとをさらに含み、筐体の第1端部および第2端部は筐体の反対側に位置し、外壁は第1プレートから第2プレートまで延びる。
【0016】
いくつかの実施形態例では、筐体は円筒形である。
【0017】
いくつかの実施形態例では、不燃性エアロゾルシステムは、筐体に電流を供給しないように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態例では、固体基材は、タバコ葉、再構成タバコ、圧縮タバコロッド、粉末タバコ、それらのサブコンビネーション、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含む。
【0019】
いくつかの実施形態例では、不燃性エアロゾルシステムは、エアロゾル形成装置の第1側面に第1出口を、エアロゾル形成装置の第2側面に第2出口をさらに含む。
【0020】
いくつかの実施形態例では、第2出口は一方向弁である。
【0021】
いくつかの実施形態例では、複数の内部構造体は異なる材料である。
【0022】
いくつかの実施形態例では、複数の内部構造体は、エアロゾル形成装置の長手方向の軸を横切る方向に延びる。
【0023】
いくつかの実施形態例では、不燃性エアロゾルシステムは、筐体の第1端部を規定する第1プレートと、筐体の第2端部を規定する第2プレートとをさらに含み、筐体の第1端部および第2端部は筐体の反対側に位置し、複数の内部構造体は第1プレートから第2プレートまで延びる。
【0024】
少なくとも1つの実施形態例は、不燃性エアロゾルシステムの操作方法を含む。前記方法は、挿入工程と、作動工程とを有し、前記挿入工程では、不燃性エアロゾル装置に筐体を挿入し、ここで前記筐体は、固体基材を収容するための内部容積を規定し、複数の内部構造体を含み、複数の内部構造体は、前記筐体の第1端部から前記筐体の第2端部まで延び、前記内部容積を通って延び、ヒータにより供給される熱を前記内部容積に伝導することによって、前記固体基材を加熱してエアロゾルを生成するように構成され、前記作動工程は、前記不燃性エアロゾル装置を作動させる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本明細書内の非限定的な実施形態の種々の特徴および利点は、添付図面と共に詳細な説明を検討すればより明らかになるであり得る。添付図面は、単に例示の目的で提供されてあり、特許請求の範囲を制限すると解釈されるべきではない。添付図面は、特に断りのない限り、一定の比率で描かれていると考えられるべきではない。明瞭にするために、図面の種々の寸法は誇張されている可能性がある。
【0026】
【
図1】
図1は、いくつかの実施形態例による不燃性エアロゾルシステムの側面図である。
【0027】
【
図2】
図2は、いくつかの実施形態例によるプレエアロゾル製剤筐体を示す図である。
【0028】
【
図3】
図3は、
図2の不燃性エアロゾルシステムの断面図である。
【0029】
【
図4】
図4は、いくつかの実施形態例によるプレエアロゾル製剤筐体を示す図である。
【0030】
【
図5】
図5は、いくつかの実施形態例による
図4のプレエアロゾル製剤筐体を用いる不燃性エアロゾルシステムの側面図である。
【0031】
【
図6】
図6は、
図5の不燃性エアロゾルシステムの断面図である。
【0032】
【
図7A】
図7Aは、プレエアロゾル製剤筐体に係るいくつかの実施形態例を示す図である。
【
図7B】
図7Bは、プレエアロゾル製剤筐体に係るいくつかの実施形態例を示す図である。
【
図7C】
図7Cは、プレエアロゾル製剤筐体に係るいくつかの実施形態例を示す図である。
【0033】
【
図8】
図8は、いくつかの実施形態例による不燃性エアロゾルシステムの側面図である。
【0034】
【0035】
【
図10】
図10は、いくつかの実施形態例による不燃性エアロゾルシステムの操作方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
いくつかの詳細な例示的な実施形態が本明細書に開示される。しかしながら、本明細書に開示される特定の構造体および機能の詳細は、本発明の一実施形態を説明する目的のための単なる例示にすぎない。例示的な実施形態は、しかしながら、多くの代替形態で実施することができ、本明細書に記載される実施形態のみに限定されると解釈されるべきではない。
【0037】
したがって、例示的な実施形態は、様々な修正および代替の形態が可能であるが、その実施形態は、図面に例として示され、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、開示される特定の形態に例示的な実施形態を限定する意図はなく、反対に、例示的な実施形態は、例示的な実施形態の範囲内に入るすべての修正、均等物、および代替物を網羅するものであることを理解されるべきである。符号は、図の説明全体を通して同じ要素を指す。
【0038】
ある要素または層が別の要素又は層「上にあり(on)」、「に接続され(connected to)」、「に結合され(coupled to)」、「取り付けられ(attached to)」、「隣接する(adjacent to)」、または「覆っている(covering)」と言及されるとき、それは、他の要素または層に直接、上にあり、接続され、結合され、取り付けられ、隣接し、または覆っていてもよく、介在する要素または層が存在していてもよいことを理解すべきである。一方、ある要素が別の要素または層「上に直接あり(directly on)」、または「に直接接続され(directly connected to)」、または「に直接結合され(directly coupled to)」と言及されるとき、介在する要素や層が存在しないこととなる。符号は、明細書全体を通して同じ要素を指す。本明細書で使用されるように、「および/または(and/or)」なる語は、関連した記載項目のうちの1つ以上の任意および全ての組み合わせを含む。
【0039】
第1、第2、第3等の語は、様々な要素、コンポーネント、領域、層および/または部を説明するためにここで使用されるが、これらの要素、コンポーネント、領域、層および/または部は、これらの用語によって限定されないということを理解すべきである。これらの用語は、単に別の領域、層または部から一つの要素、コンポーネント、領域、層または部を区別するために使用される。このように、以下に説明される第1の要素、コンポーネント、領域、層または部は、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2の要素、コンポーネント、領域、層または部であることができる。
【0040】
また、空間的に相対的な用語(例えば、「下方に(beneath)」、「下方に(below)」、「下方に(lower)」、「上方に(above)」、「上方に(upper)」など)は、図に示されるように、別の要素または特徴に対する一つの要素または特徴の関係を説明するために、本明細書中で容易に使用される。空間的に相対的な用語は、図面に示される方向に加えて、使用又は操作におけるデバイスの異なる向きを包含するように意図されていることが理解されるべきである。例えば、図中のデバイスがひっくり返される場合、他の要素または特徴の「下方(below)」または「下方(beneath)」として説明される要素は、他の要素または特徴の「上方(above)」配向されることになる。したがって、「下方(below)」という用語は、上と下の両方の配向を包含する。デバイスは、配向され(90度回転または他の向き)、本明細書中で使用される空間的に相対的な記述子は、そのように解釈されてもよい。
【0041】
また、本明細書で使用される専門用語は、様々な実施形態のみを説明する目的のためであり、例示的な実施形態を限定することを意図するものではない。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、「the」は、文脈で明らかに他を示さない限り、複数形をも同様に含む意図である。「含む(includes)」、「含む(including)」、「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は、本明細書で使用される場合、述べられた特徴、整数、工程、動作、要素および/またはコンポーネントの存在を特定することが理解される。しかし、1種以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、コンポーネントおよび/またはグループの存在または追加を排除するものではない。
【0042】
また、用語「約(about)」および「実質的に(substantially)」は、数値と関連して本明細書中に使用される場合、他に明示的に定義されていない限り、関連する数値には記載数値の±10%の許容誤差を含むことが意図される。
【0043】
また、特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、例示的な実施形態が属する技術分野の当業者によって、一般に理解されるのと同じ意味を有する。一般に使用される辞書に定義されている語を含む用語は、関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致している意味を持つものとして解釈されるべきある。そして、それらの用語は、本明細書に定義されていない限り、理想化または過度に形式的な意味に解釈されることはない。
【0044】
また、ハードウェアは、1つまたは複数のプロセッサ、1つまたは複数のCPU(Central Processing Unit)、1つまたは複数のマイクロコントローラ、1つまたは複数のALU(Arithmetic Logic Unit)、1つまたは複数のDSP(Digital Signal Processor)、1つまたは複数のマイクロコンピュータ、1つまたは複数のFPGA(Field Programmable Gate Array)、1つまたは複数のSoC(System-on-Chip)、1つまたは複数のプログラマブルロジックユニット(PLU)、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、1つまたは複数のASIC(Application Specific Integrated Circuit)、または定義される方法で命令に応答して実行することができるその他のデバイスなどの処理回路または制御回路を使用して実装することができる。ただし、これらに限定されない。
【0045】
エアロゾル、蒸気、および分散は、互換的に使用される用語であり、請求項に記載される装置およびその等価物によって生成または出力されるあらゆる物質を網羅することを意味する。プレエアロゾル製剤は、プレベーパー製剤またはプレディスパージョン製剤でもよい。
【0046】
図1は、少なくとも1つの実施形態例による不燃性エアロゾルシステムの側面図である。
図1に示すように、不燃性エアロゾルシステム10は、不燃性エアロゾル装置100と、プレエアロゾル製剤筐体200とを備える。プレエアロゾル製剤筐体200には、固体基材であるプレエアロゾル製剤が含まれていてもよい(タバコを用いた実施形態例では、タバコ筐体と呼ばれる)。
【0047】
不燃性エアロゾル装置100には、電源部105と加熱部110とが含まれていてもよい。
図1に示すように、不燃性エアロゾル装置100は、筐体115を含む。少なくとも1つの実施形態例では、筐体115は、概ね正方形の断面を有してもよい。他の実施形態例では、筐体115は、概ね三角形または円形の断面を有していてもよい。
【0048】
図示されるように、電源部105および加熱部110は、筐体115の一体部である。しかし、実施形態例はこれに限定されず、電源部105および加熱部110は、別々の着脱可能な筐体を有してもよいことを理解すべきである。例えば、加熱部110が交換可能なカートリッジであり、電源部105が再利用可能な電池部であってもよい。また、電源部105と加熱部110は、スナップフィット、デテント、クランプ、バヨネット、および/またはクラスプなど、任意のタイプのコネクタによって結合されてもよい。
【0049】
筐体115は、第1端部130と第2端部132との間で長手方向に延びる。
【0050】
少なくとも1つの空気入口120は、筐体115の一部を通って延びる。少なくとも1つの実施形態例では、少なくとも1つの空気入口120は使用中にRTD(Resistance-to-Draw)を制御するために筐体115に形成されてもよい。少なくとも1つの実施形態例では、空気入口120は、それらの直径が厳密に制御され、製造中に1つの不燃性エアロゾル装置100から次の装置に複製されるように、精密工具を用いて筐体115に機械加工されてもよい。
【0051】
少なくとも1つの実施形態例では、空気入口120は、不燃性エアロゾル装置100が20~150mmの水の所望のRTD(Resistance-to-Draw)範囲を有するようなサイズ設定および構成されてもよい。
【0052】
不燃性エアロゾル装置100は、不燃性エアロゾル装置100の第1端部130にマウスピース125を含む。
図1に示すように、加熱部110は不燃性エアロゾル装置100の近位端部135(マウスピース125に相対する)にあり、電源部105は、不燃性エアロゾル装置100の遠位端部134(マウスピース125に相対する)にある。
【0053】
加熱部110における筐体115の少なくとも一つの側面は、不燃性エアロゾル装置100における筐体115内のチャネル空間の開口部140を規定する。いくつかの実施形態例では、開口部140はプレエアロゾル製剤筐体200と同じ形状を有してもよい。開口部140は楕円形であるように図示されているが、実施形態例はこれに限定されない。例えば、開口部140は、円形、長方形、三角形、または他の多角形であってもよい。
【0054】
開口部140は、不燃性エアロゾル装置100のチャネル空間にプレエアロゾル製剤筐体200を受けるように構成されてもよい。
【0055】
図2は、プレエアロゾル製剤筐体200の実施形態例を示す図である。プレエアロゾル製剤筐体200の断面形状は、開口部140と同じ形状を有してもよく、開口部140の直径142に対応する外径を有してもよい。
図2に示すように、プレエアロゾル製剤筐体200は、封入式カプセルであり、第1プレート205、第2プレート210、および横方向の外壁215を含む。外壁215、第1プレート205および第2プレート210は、封入式カプセルを形成する。プレエアロゾル製剤筐体200は円筒形であってもよく、ここで第1プレート205および第2プレート210がそれぞれプレエアロゾル製剤筐体200の円形の端部である。外壁215は、第1プレート205から第2プレート210まで延在し、第1プレート205および第2プレート210の直径に対応する(例えば、同じ)直径を有する内部容積Vを規定する。外壁215は、第1プレート205と第2プレート210との間の内部容積Vを閉じることによって、プレエアロゾル製剤がプレエアロゾル製剤筐体200からの脱出を防ぐ。
【0056】
プレエアロゾル製剤筐体200の第1プレート205および第2プレート210、ならびにプレエアロゾル製剤筐体200が筐体115に挿入されるときにシールを形成する開口部140には、ポリマーなどの柔軟な材料を使用することができる。
【0057】
複数の内部構造体220は、第1プレート205から第2プレート210まで延びる。いくつかの実施形態例では、内部構造体220は細長く、筐体115に挿入されるときに気流方向を横切る長手方向を有する。
図2に示す実施形態例では、内部構造体220は正方形の断面を有する。しかし、内部構造体220は、長方形、楕円形、円形などの任意の断面形状であってもよい。さらに、内部構造体220のそれぞれが、異なる断面形状を有してもよい。
【0058】
内部構造体220は、燃焼が発生することなく、プレエアロゾル製剤筐体200におけるプレエアロゾル製剤を加熱するために熱を伝導する材料で作られる。例えば、ヒータ(例えば、
図3に示す)およびプレエアロゾル製剤筐体200は、プレエアロゾル製剤を100~350℃の範囲の温度に加熱してエアロゾルを生成するように構成される。内部構造体220は、プレエアロゾル製剤とより多くの表面積接触を作り、プレエアロゾル製剤の加熱効率を向上させる。
【0059】
プレエアロゾル製剤筐体200は、熱を伝導できれば、任意の材料で作られてもよい。いくつかの実施形態例では、プレエアロゾル製剤筐体200は金属で作られてもよいため、したがって金属筐体と呼ばれてもよい。内部構造体220は、第1プレート205、第2プレート210および外壁215と同じ材料で作られてもよく、異なる材料で作られてもよい。さらに、内部構造体220は、すべて同じ材料で作られてもよく、内部構造体220のうち少なくとも1つは、残りの内部構造体とは異なる材料で作られてもよい。
【0060】
内部構造体220は、内部構造体220が第1プレート205および第2プレート210からの熱を十分に伝導することができる任意の手段、例えば、はんだ付け、溶接、または雄/雌摩擦嵌合接続などによって、第1プレート205および第2プレート210に取り付けられる。
【0061】
例えば、内部構造体220は、純金属、合金、および/またはポリマーで作られてもよい。
【0062】
第1プレート205および第2プレート210の直径225は、1~20ミリメ-トルであってもよく、プレエアロゾル製剤筐体200の幅227は、1~20ミリメ-トルであってもよい。いくつかの実施形態例では、幅227は、不燃性エアロゾル装置100の長手方向の軸を横切る。幅227は、チャンバ144の長さと同じまたは小さくてもよい。
【0063】
図2に示すように、外壁215は、いくつかの実施形態例ではメッシュであるが、それに限定されない。外壁215がメッシュである場合、生成されるエアロゾルは、メッシュの穴を通ってプレエアロゾル製剤筐体200から脱出し、マウスピース125に流れてもよい。
【0064】
プレエアロゾル製剤筐体200は、第1プレート205、第2プレート210および外壁215が、プレエアロゾル製剤を加熱するためにヒータ148から熱を伝導するように構成されているプレエアロゾル製剤を収容してもよい。
【0065】
図3は、いくつかの実施形態例による不燃性エアロゾル装置10の断面図である。
図3に示すように、開口部140は、不燃性エアロゾル装置100のチャネル空間に、プレエアロゾル製剤筐体200を受けるように構成されてもよい。プレエアロゾル製剤筐体200は、開口部140と同じ形状を有していてもよく、また、開口部140の直径142に対応する外径を有してもよい。いくつかの実施形態例では、プレエアロゾル製剤筐体200は、プレエアロゾル製剤筐体200が開口部140に挿入されるように、直径142よりも小さい外径を有する。プレエアロゾル製剤筐体200は、楕円形の断面(プレエアロゾル製剤筐体200の長手方向の軸に垂直なカット)を有するものとして図示されているが、実施形態例はこれに限定されない。例えば、プレエアロゾル製剤筐体200は、円形、長方形、三角形または他の多角形である断面を有してもよい。
【0066】
開口部140は、チャンバ144へのアクセスを提供する。いくつかの実施形態例では、チャンバ144は開口部140と同じ形状を有する。チャンバ144の直径は、直径142と同じであってもよい。プレエアロゾル製剤筐体200とチャンバ144との特定のサイズと確実な嵌め合いを提供するため、筐体115とプレエアロゾル製剤筐体200との間にシールが形成される。また、シールは、プレエアロゾル製剤筐体200が挿入されると、プレエアロゾル製剤筐体200の前面および背面に圧力を提供するチャンバ144の前面および背面にあるばね式プレート(不図示)によって形成されることができる。
【0067】
いくつかの実施形態例では、プレエアロゾル製剤筐体200の端部は、不燃性エアロゾル装置100に挿入されると、周囲の空気にさらされてもよい。あるいは、不燃性エアロゾル装置100は、プレエアロゾル製剤筐体200が不燃性エアロゾル装置100に挿入されると、開口部140を覆うカバーを含んでもよい。カバーは、ヒンジ式、スライド式、バネ式、または他のタイプのカバーであってもよい。
【0068】
いくつかの実施形態例では、筐体115は開口部140を有する側の反対側に開口部140に対向する開口部を含んでもよい。他の実施形態例では、開口部140を有する側の反対側は開口部を有していない。
【0069】
プレエアロゾル製剤筐体200は、プレエアロゾル製剤筐体200がヒータ148によって生成される熱にさらされるように、開口部140を介してチャンバ144によって画定されるチャネル空間に挿入されてもよい。いくつかの実施形態例では、プレエアロゾル製剤筐体200は、ヒータ148および/または電気源などの熱源に接触しない。むしろ、プレエアロゾル製剤筐体200は、ヒータ148から発生した熱を伝導し、プレエアロゾル製剤筐体200内のプレエアロゾル製剤202(例えば、タバコ)を加熱する材料で作られ、したがって、プレエアロゾル製剤筐体200の電気的加熱は発生しない。
【0070】
プレエアロゾル製剤筐体200は、プレエアロゾル製剤202に含まれるフレーバリング、ニコチンおよび/または成分が少なくとも部分的に抽出(例えば、エアロゾル化)されて、プレエアロゾル製剤202から抽出される下流のエアロゾル350b(およびエアロゾルを含む可能性のあるバイパス気流355)を生成する程度に、ヒータ148によって生成される熱をプレエアロゾル製剤202に伝導してもよい。プレエアロゾル製剤筐体200は、プレエアロゾル製剤202とフレーバリング、ニコチンおよび/またはプレエアロゾル製剤が燃焼温度以下にとどまる程度にプレエアロゾル製剤202を加熱する。すなわち、いくつかの実施形態例では、プレエアロゾル製剤筐体200は、フレーバリング、ニコチンおよび/またはプレエアロゾル製剤を含むプレエアロゾル製剤202におけるいかなる材料も燃焼させない。
【0071】
上記のとおり、プレエアロゾル製剤筐体200は少なくとも外壁215と、プレエアロゾル製剤202を加熱するために熱を伝導する内部構造体220とを含む。内部構造体220は、不燃性エアロゾル装置100の長手方向軸を横切るように図示されているが、実施形態例はこれに限定されず、内部構造体220は、不燃性エアロゾル装置100の長手方向軸に平行であってもよい。
【0072】
いくつかの実施形態例では、ヒータ148は、プレエアロゾル製剤筐体200に接触する。他の実施形態例では、ヒータ148は所望の温度を生成するためにヒータ148からある距離で離れる。
【0073】
電源部105は、不燃性エアロゾル装置100に配置される電源152および回路基板156を含む。電源152および回路基板156は、共通支持体160に取り付けられてもよい。共通支持体160は、非燃焼性エアロゾル装置100の使用時に電源152および回路基板156の移動を排除/低減するために、筐体115内に収まる構造される。
【0074】
電源152は、リチウムイオン電池またはその変形の1つ、例えば、リチウムイオンポリマー電池であってもよい。あるいは、電源152は、ニッケル金属水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウムマンガン電池、リチウムコバルト電池、太陽電池、または燃料電池であってもよい。不燃性エアロゾル装置100は、電源152のエネルギが枯渇するまで、またはリチウムポリマ電池の場合は最小電圧カットオフレベルが達成されるまで使用してもよい。
【0075】
回路基板156は、少なくとも制御回路162と、気流センサ164と、メモリ165とを含んでもよい。また、回路基板156は、携帯電話などの外部機器と無線で通信するための通信回路166(例えば、Bluetooth:商標)などの他の回路を含んでもよい。このように、不燃性エアロゾル装置100は、
図3に示す回路に限定されない。また、メモリ165(例えば、有形の記憶媒体)は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、またはフラッシュメモリ(例えば、USBフラッシュメモリ、メモリカ-ド、メモリスティックなど)であってもよい。実施形態例は、任意の所与の実施形態のこれらの態様によって限定されない。
【0076】
少なくとも1つの実施形態例では、制御回路162は少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。この例では、プロセッサは、メモリ165に格納されるコンピュータ可読命令を実行するように構成される任意の既知の、またはこれから開発されるプロセッサであってよい。メモリ165に記憶されるコンピュータ可読命令の実行は、少なくとも1つのプロセッサを、本明細書に記載される機能を実行するための特別な目的のプロセッサに変換する。メモリ165は、上述のような不燃性エアロゾルシステム10に係る様々な種類の情報を記憶するようにさらに構成されてもよい。
【0077】
プロセッサとメモリについていくつかの事例に説明されたが、少なくともいくつかの実施形態例によれば、制御回路162(または制御回路、あるいは処理回路)は、ハードウェア、ファームウェア、ハードウェア実行ソフトウェア、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい(または含む)。例えば、制御回路162は、1つ以上のCPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)、または、制御回路162の機能を実行するための特別な目的の機械として構成される他の回路を含んでもよい。
【0078】
制御回路162は、カソードコネクタ170aおよびアノードコネクタ170bによって電源152に接続される。制御回路162は、電源152から供給される電力を用い、不燃性エアロゾル装置100の電気部品(例えば、ヒータ148、気流センサ164およびメモリ165)に電力を供給するように構成される。
【0079】
電源部105は、デバイダ172によって加熱部110から分離されてもよい。デバイダ172は、筐体115の内面と実質的に緊密なシールを提供するガスケット(またはシール)であってもよい。デバイダ172は、電源部105と加熱部110との間に配置されるチャネル174を含み、空気が空気入口120を通って引っ張られるとき(例えば、空気がマウスピース125の出口176を通って引っ張られるとき)に電源部105内に負圧を加えることができる。
【0080】
また、デバイダ172は、穴178aおよび178bを含んでもよい。穴178aおよび178bは、ワイヤ180aおよび180bに適合するようなサイズになっている。他の実施形態例では、ワイヤ180aおよび180bの代わりに電気接点を使用してもよい。穴178aおよび178bは、穴178aおよび178bを通って電源部105と加熱部110との間に空気が流れないようなサイズであってもよい。他の実施形態例では、電源部105と加熱部110との間に空気が流れないように、穴178aおよび178bにシールがあってもよい。
【0081】
ヒータ148は、筐体115の対向する壁の間の内部通路182を横方向に延びてもよい。いくつかの実施形態例では、ヒータ148は内部通路182の長手方向の軸に平行に延びてもよい。
【0082】
電源部105は、第2端部132にエンドキャップ151をさらに含んでもよい。エンドキャップ151は、第2端部132を封止してもよい。エンドキャップ151は、ネジ付きコネクタおよび/または摩擦嵌合接続システムなどの既知の接続システムを用い、筐体115に取り付けてもよい。エンドキャップ151は、電源152を充電するための電気接点153aおよび153bを含んでもよい。
【0083】
別の実施形態例では、エンドキャップ151は筐体115の一体部分であってもよい。
【0084】
少なくとも1つの実施形態例では、電源152は再充電可能である。電源部105は、外部充電装置によって電池を充電可能にするように構成される回路を含んでもよい。不燃性エアロゾル装置100を再充電するために、電気接点153aおよび153bに外部充電器を接続することによって、USB充電器または他の適切な充電器アセンブリを使用してもよい。制御回路162は、電気接点153aおよび153bに接続され、電源152への電力の再供給を制御する。
【0085】
ヒータ148は、ワイヤコイル、平面体、セラミック体、単線、抵抗性ワイヤのケージ、または他の任意の適切な形態であってもよい。ヒータ148は、プレエアロゾル製剤を十分な温度に加熱してエアロゾルを生成するように構成される任意のヒータであってよい。
【0086】
少なくとも1つの実施形態例では、ヒータは任意の適切な電気抵抗性材料で形成されてもよい。例えば、ヒータ148は、ステンレス鋼、銅、銅合金、ニッケル-クロム合金、超合金、またはそれらのサブコンビネーション、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含んでもよい。実施形態例では、ヒータ148は、ニッケル-クロム合金または鉄-クロム合金で形成されてもよい。別の実施形態例では、ヒータ148は、その外面に電気抵抗層を有するセラミックヒータであってもよい。
【0087】
少なくとも1つの実施形態例では、ヒータ148は熱伝導によってプレエアロゾル製剤筐体200を加熱してもよい。あるいは、ヒータ148からの熱は熱伝導素子によってプレエアロゾル製剤筐体200に伝導されてもよく、またはヒータ148は使用中に不燃性エアロゾル装置100を通って吸引される流入周囲空気に熱を伝達してもよく、これにより、プレエアロゾル製剤筐体200が対流によって加熱される。
【0088】
プレエアロゾル製剤筐体200は、不燃性エアロゾル装置100によって規定される気流経路350aの中または近傍に存在する。この気流経路350aは、例えば、空気入口120および出口176によって形成されてもよい。気流経路350aは、プレエアロゾル製剤筐体200を横切って通過してもよいし、プレエアロゾル製剤筐体200を直接通過してもよい。不燃性エアロゾル装置100がバイパス気流355を含む場合、バイパス気流355がプレエアロゾル製剤筐体200の露出した表面を横切って通過すると、下流のエアロゾル350b(マトリックスプレエアロゾル製剤筐体200を通過したもの)もエアロゾルを含むのと同様に、このバイパス気流355は巻き込まれたエアロゾルを含んでもよいことを理解すべきである。
【0089】
いくつかの実施形態例では、プレエアロゾル製剤は、植物性材料を含む。例えば、植物性材料は、タバコ材料を含んでもよい。
【0090】
いくつかの実施形態例では、タバコ材料は、タバコ属(Nicotiana)の任意のメンバからの材料を含み得る。また、いくつかの実施形態例では、タバコ材料は、2つ以上の異なるタバコ品種のブレンドを含み得る。使用できるタバコ材料の例としては、好ましくは煙道硬化タバコ(flue-cured tobacco)、バーリータバコ(Burley tobacco)、ダークタバコ(Dark tobacco)、メリーランドタバコ(Maryland tobacco)、オリエンタルタバコ(Oriental tobacco)、希少タバコ(rare tobacco)、特殊なタバコ(specialty tobacco)、ならびにこれらのブレンドなどが含まれるが、これらに限定されない。タバコ材料は、任意の適切な形態で提供されてもよく、これには、タバコラミナ、容積拡大タバコまたはパフ付きタバコなどの加工されるタバコ材料、カットロールまたはカットパフ付きステムなどの加工されるタバコステム、再構成されるタバコ材料、ならびにそれらのブレンドなどが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態例では、タバコ材料は、実質的に乾燥したタバコ塊の形態である。
【0091】
いくつかの実施形態例では、タバコ材料は、プロピレングリコール、グリセリン、それらのサブコンビネーション、およびそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つと混合および/または組み合わせてもよい。
【0092】
実施形態例では、フレーバリング、フレーバレント、またはフレーバシステムは、場合によっては、加熱時および/または気流が不燃性エアロゾル装置100を通過するときを含む動作中にアロマおよび/またはフレーバーを放出するために、プレエアロゾル製剤に含まれる。実施形態例では、フレーバリングは、揮発性タバコフレーバ化合物を含む。また、フレーバリングはタバコ以外のフレーバを含んでもよいし、タバコフレーバに加えてもよい。フレーバリングは、天然フレーバレントまたは人工フレーバレントである少なくとも1つのフレーバレントであってもよい。例えば、少なくとも1つのフレーバレントは、タバコフレーバ、タバコエキス、メンソール、ウィンターグリーン、ペパーミント、ハーブフレーバー、フルーツフレーバー、ナッツフレーバー、リカーフレーバー、ロースト、ミント、セイボリー、シナモン、クローブ、および他の任意の所望のフレーバ、ならびにそれらの組み合わせまたはサブコンビネーションを含んでもよい。いくつかの実施形態例では、タバコ材料を含むプレエアロゾル製剤筐体200は、タバコ要素と呼ばれる。
【0093】
動作時には、組立構成における不燃性エアロゾル装置100を用い、負圧がマウスピース125に加えられてもよい。例えば、負圧は、マウスピース125に引きつけられてもよい。この負圧は、不燃性エアロゾル装置100の内部の内部圧力低下を引き起こし、これにより、入口気流が気流入口120を介して不燃性エアロゾル装置100に流入する。また、内部圧力低下は、空気が空気流入口120を通って吸引される(空気流路を通って加熱部110を貫通する)際に、加熱部110内に内部圧力低下を引き起こしてもよい。
【0094】
気流センサ164は、チャネル174に露出してもよい。実施形態例では、気流センサ164は、内部通路182を通る気流350aの大きさおよび方向を示す出力信号を生成し、制御回路162は、気流センサ164の出力信号を受信し、以下の内部条件が存在するかどうかを決定する:(1)気流350aの方向が、マウスピース125の引き込み(マウスピース125を通って空気の吹き出すに対する)を示す、および/または、(2)気流350aの大きさが閾値を超える。いくつかの実施形態例では、ヒータ148を作動させるのに1つの条件のみが十分な場合があり得るが、他の例では、ヒータを作動させる前に2つの条件またはすべての条件が満たされなければならない場合がある。不燃性エアロゾル装置100のこれらの内部条件が満たされる場合、制御回路162は、電源152をヒータ148に接続するための電気回路を電気的に閉じ、それによってヒータ148に電流を送ってヒータ148を作動させる。実施形態例では、気流センサ164は、センサ106によって感知される圧力低下の大きさと少なくとも部分的に相関する可変出力信号を生成する。
【0095】
気流センサ164は、2015年7月7日に出願された米国特許出願第14/793,453号「電子喫煙装置(Electronic Smoke Apparatus)」に開示されているようなセンサであってもよく、または2015年7月7日に査定された米国特許第9,072,321号「(電子スモーク)Electronic Smoke」に開示されているようなセンサであってもよい。これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。また、気流を検出する他のタイプのセンサを使用してもよい。
【0096】
少なくともいくつかの実施形態例では、不燃性エアロゾル装置100はヒータ148の温度を監視し、感知された温度を制御回路162にフィードバックする温度センサを含んでもよい。制御回路162は、感知された温度および/または感知された圧力低下を用いてヒータ148への電力供給を制御してもよい。
【0097】
ワイヤ180aおよび180bは、ヒータ148に通電するために、ヒータ148に電流を流す。そして、通電されたヒータ148はプレエアロゾル製剤筐体200を加熱する。第1プレート205、第2プレート210、外壁215および内部構造体220は、ヒータ148からの熱を伝導して、プレエアロゾル製剤筐体200内のフレーバ材料を加熱する。プレエアロゾル製剤筐体200は、ヒータ148からの熱を伝導して、フレーバ材料を燃焼させることなくエアロゾルを生成するのに十分な温度に加熱する(例えば、100~300℃)。
【0098】
別の実施形態例では、不燃性エアロゾル装置100は、不燃性エアロゾル装置100を操作し、電源152および制御回路162にヒータ148への電力供給を行わせるための押しボタンを含んでもよい。
【0099】
エアロゾルは、ニコチンおよび/またはタバコ要素を流れに溶出してもよい。エアロゾルとタバコ要素との間には、何らかの熱反応も存在してもよい。
【0100】
図4は、いくつかの実施形態例によるプレエアロゾル製剤筐体を示す。
図4に示すように、プレエアロゾル製剤筐体200aは、固体材料である外壁215aを含む。
【0101】
プレエアロゾル製剤筐体200aを含む実施形態例では、不燃性エアロゾル装置100は、不燃性エアロゾル装置100に挿入されるプレエアロゾル製剤筐体200aに、外壁215a、第1プレート205および第2プレート210のうちの少なくとも1つを貫通する貫通機構を含む。この貫通により、プレエアロゾル製剤筐体200がエアロゾル生成温度(例えば、100~350℃)に加熱されるときに、プレエアロゾル製剤筐体200a内のフレーバ材料で生成されるエアロゾルの出口が生成される。
【0102】
図5は、いくつかの実施形態例による
図4のプレエアロゾル製剤筐体を用いた不燃性エアロゾルシステムの側面図である。
【0103】
図6は、
図5の不燃性エアロゾルシステムの断面図である。
【0104】
図5に示すように、不燃性エアロゾルシステム10aは、不燃性エアロゾル装置100aが第1端部130に貫通構造体を作動させるためのボタン605を含むことを除いて、不燃性エアロゾルシステム10と同じである。
【0105】
図6に示すように、ボタン605はプレエアロゾル製剤筐体200aを貫通するためにピアス構造体610を作動させる。実施形態例では、貫通構造体610は、第1貫通要素615(例えば、ブレード)、第2貫通要素620(例えば、ブレード)、ロッド625a~625c、第1リンク630および第2リンク635を含む。
【0106】
ロッド625aは、不燃性エアロゾル装置100aの長手方向の軸に延び、ボタン605と第1貫通要素615とを結合する。第1リンク630は、ロッド625aをロッド625bの第1端部625b1に結合する。第1リンク630は、ロッド625aおよびロッド625bを通って延び、ロッド625bが第1リンク630の軸に沿って回転することを可能にするピンであってもよい。ロッド625bが回転してもよい第1リンク630の軸は、不燃性エアロゾル装置100aの長手方向の軸に対して横方向であってもよい。他の実施形態例では、第1リンク630は、ロッド625aとロッド625bとの間の位置関係を維持してもよい。
【0107】
ロッド625bは、チャンバ144a上に第1端部625b1から第2端部625b2まで延びる。チャンバ144aは、チャンバ144aが2つの半円部632aおよび632bを含むという点で、チャンバ144と異なってもよい。チャンバ144aの長手方向の軸に沿ったチャンバ144aの少なくとも一部において、半円部632aおよび632bは、半円部632aおよび632bの間に開口部635aおよび635bを規定する。
【0108】
ロッド625bと同様に、ロッド625cはチャンバ144a上に第1端部625c1から第2端部625c2まで延びる。
【0109】
第2リンク635は、ロッド625bの第2端部625b2とロッド625cの第2端部625c2とを結合する。第2リンク635は、ロッド625bの両方が第2リンク635を中心に回転することを可能にするピン(例えば、バネ付勢)であってもよい。
図6の実施形態例に示すように、第2貫通要素620は、ロッド625cと一体である。第1端部625c1は、第2貫通要素620がプレエアロゾル製剤筐体200aに面するように、プレエアロゾル製剤筐体200aに向かって角度が付けられる。しかし、実施形態例はそれに限定されないことを理解すべきである。
【0110】
エアロゾル成人消費者がボタン605を内部通路182に向かって押すと、エアロゾル成人消費者によって加えられた力によって、ロッド625a、より具体的には、第1貫通要素615がプレエアロゾル製剤筐体200aに向かって移動し、プレエアロゾル製剤筐体200aの壁215aを貫通する。第2リンク635は、ロッド625bが方向640に回転することを許容する。第1貫通要素615によってプレエアロゾル製剤筐体200aに加えられた力によって、プレエアロゾル製剤筐体200aは、不燃性エアロゾル装置100aの長手方向の軸と同じ方向、または実質的に類似した方向に移動する。プレエアロゾル製剤筐体200aは、エアロゾル成人消費者がボタン605に力を加えたときに、プレエアロゾル製剤筐体200aを貫通する第2貫通要素620まで移動する。第1貫通要素615および第2貫通要素620による貫通は、プレエアロゾル製剤筐体200aを通って出口176までの気流経路650を作成する。
【0111】
図6は、ボタンで作動する貫通構造体を示しているが、実施形態例はこれに限定されない。例えば、プレエアロゾル製剤の筐体を貫通するために、レバーとリリーススプリングを使用する貫通構造体を使用してもよい。
【0112】
図7Aは、プレエアロゾル製剤筐体の実施形態例を示す。
図7Aに示すように、プレエアロゾル製剤筐体200bは、第1プレート205aおよび第2プレート210が固体の代わりにメッシュであることを除いて、プレエアロゾル製剤筐体200と同じである。メッシュは、純金属、金属合金、またはポリマーからなるスクリーンタイプの材料であってもよい。穴のサイズは、0.001から0.1インチの範囲であってもよい。
図7Aでは、明確にするために壁215は省略される。
【0113】
図7Bは、プレエアロゾル製剤筐体の実施形態例を示す。
図7Bに示すように、プレエアロゾル製剤筐体200cは、内部構造体220aが正方形の断面の代わりに円形の断面を有することを除いて、プレエアロゾル製剤筐体200と同じである。明確にするため、壁215は省略される。
【0114】
図7Cは、プレエアロゾル製剤筐体の実施形態例を示す。
図7Cに示すように、プレエアロゾル製剤筐体200dは、第1プレート205aおよび第2プレート210が円形の代わりに正方形であることを除いて、プレエアロゾル製剤筐体200と同じである。明確にするため、壁215は省略される。壁215は、第1プレート205c、第2プレート210cの4つの縁のそれぞれの周りに延びる。第1プレート205cおよび第2プレート210cの高さ225cは、1~20ミリメートルの間であってもよい。
【0115】
図8は、少なくとも別の実施形態例による不燃性エアロゾル装置の側面図である。
図9は、
図8の不燃性エアロゾル装置の断面図である。
【0116】
図8に示すように、不燃性エアロゾル装置10bは、不燃性エアロゾル装置100bの加熱部110aが嗅覚ポート305を含むことを除いて、不燃性エアロゾル装置10と同様である。
【0117】
図9に示すように、嗅覚ポート305は、チャンバ144とプレエアロゾル製剤筐体200(プレエアロゾル製剤筐体200がチャンバ144に挿入されるとき)の上に配置される。嗅覚ポート305は、加熱部110からある角度で延びる。この角度は、エアロゾル成人消費者が不燃性エアロゾル装置100bによって生成されるエアロゾルを嗅ぐことができるように、0度より大きく90度以下であってもよい。嗅覚ポート305は、気流310によって示されるように、プレエアロゾル製剤筐体200内のフレーバレントにさらされる空気の一部を嗅覚ポート305から流出させる。
【0118】
実施形態例では、嗅覚ポート305は、筐体115aと一体化しており、筐体115aと同じ材料で作られる。
【0119】
実施形態例では、嗅覚ポート305は、RTDに影響を与えないように、一方向弁である。さらに、嗅覚ポート305は、成人消費者が望むように開閉してもよい。例えば、成人消費者による嗅覚ポート305の制御を可能にするために、ニードルバルブやスライドなどのユーザインタフェースを筐体115aに取り付けてもよい。
【0120】
図10は、少なくとも1つの実施形態例による不燃性エアロゾルシステムの操作方法を示す。不燃性エアロゾルシステムは、
図1~
図9のいずれかに記載されるシステムに含まれてもよい。
【0121】
S1005において、エアロゾル成人消費者は、プレエアロゾル製剤筐体を不燃性エアロゾル装置に挿入する。プレエアロゾル製剤筐体は、プレエアロゾル製剤を収容するための内部容積を規定し、筐体の第1端部から筐体の第2端部まで延びる複数の内部構造体を含む。複数の内部構造体は、内部容積を通って延び、ヒータにより供給される熱を内部容積に伝導することによって、プレエアロゾル製剤を加熱してエアロゾルを生成するように構成される。例えば、エアロゾル成人消費者は、プレエアロゾル製剤筐体200を不燃性エアロゾル装置100に挿入してもよい。
【0122】
S1010において、エアロゾル成人消費者は、マウスピースに負圧を加えることによって不燃性エアロゾル装置を作動させる。この負圧により、センサが制御回路に不燃性エアロゾル装置内の圧力を表す信号を送信する。その信号に基づいて、制御回路はヒータを作動させる。プレエアロゾル製剤筐体は、プレエアロゾル製剤におけるフレーバリング、ニコチンおよび/または成分を少なくとも部分的に抽出(例えば、エアゾール化)し、プレエアロゾル製剤から抽出された下流のエアロゾルを生成する程度に、ヒータによって生成された熱をプレエアロゾル製剤に伝導してもよい。
【0123】
最後に、本発明に係る種々の実施形態例を説明したが、これらはその他の様々な形態で実施されることが可能であることを理解すべきである。当該実施形態やその変形は、発明の要旨や範囲を逸脱しないとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。