(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】駆動制御回路及び家電機器
(51)【国際特許分類】
H01H 47/04 20060101AFI20240409BHJP
H01H 47/18 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
H01H47/04
H01H47/18 B
H01H47/18 E
(21)【出願番号】P 2021556828
(86)(22)【出願日】2019-05-24
(86)【国際出願番号】 CN2019088289
(87)【国際公開番号】W WO2020191914
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-09-21
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-29
(31)【優先権主張番号】201910224249.3
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517344192
【氏名又は名称】広東美的制冷設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA AIR-CONDITIONING EQUIPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Lingang Road,Beijiao,Shunde,Foshan,Guangdong,China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】邱禹
(72)【発明者】
【氏名】文先仕
(72)【発明者】
【氏名】曾賢杰
(72)【発明者】
【氏名】黄招彬
【合議体】
【審判長】小川 恭司
【審判官】尾崎 和寛
【審判官】内田 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-106026(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102664126(CN,A)
【文献】特開2000-113788(JP,A)
【文献】特開平9-322184(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 47/04
H01H 47/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動接点が電力網システムに組み込まれ、負荷に給電するように前記電力網システムを制御することができるラッチングリレーと、
前記ラッチングリレーの制御端にパルス信号を出力するように配置され、前記パルス信号が高レベルパルス信号又は低レベルパルス信号であるブリッジ回路と、
前記ブリッジ回路に対して電流制限保護を行うように配置される第1の限流抵抗器と、
を含み、
前記ラッチングリレーの第1の制御端が前記高レベルパルス信号を受信し、且つ前記ラッチングリレーの第2の制御端が前記低レベルパルス信号を受信すると、前記ラッチングリレーの前記可動接点が動作切換を行い、次のパルス信号を受信するまで、前回の前記動作切換後の状態を保持し、
前記動作切換はオンからオフに切り替え、又はオフからオンに切り替えることであり、
前記ブリッジ回路には4つのブリッジアームが設けられ、
前記4つのブリッジアームは、順次接続される第1のブリッジアーム、第2のブリッジアーム、第3のブリッジアーム及び第4のブリッジアームであり、前記第1のブリッジアームと前記第2のブリッジアームとの間の共通端は前記ラッチングリレーの前記第1の制御端に接続され、前記第3のブリッジアームと前記第4のブリッジアームとの間の共通端は前記ラッチングリレーの前記第2の制御端に接続され、前記第1のブリッジアームと前記第4のブリッジアームとの間の共通端は前記直流電源に接続され、前記第2のブリッジアームと前記第3のブリッジアームとの間の共通端は前記グラウンドに接続され、
前記第1の限流抵抗器は、前記第1のブリッジアームと前記第4のブリッジアームとの間の共通端と直流電源との間に直列接続され、及び/又は前記第2のブリッジアームと前記第3のブリッジアームとの間の共通端とグラウンドとの間に直列接続される、駆動制御回路。
【請求項2】
いずれか1つの前記ブリッジアームには1つのスイッチユニットが設けられ、
前記スイッチユニットがオンになると、対応するブリッジアームがオンになり、
前記スイッチユニットがオフになると、対応するブリッジアームがオフになる、請求項1に記載の駆動制御回路。
【請求項3】
前記第1のブリッジアームがオンになり、且つ前記第2のブリッジアームがオフになると、前記第1の制御端は前記高レベルパルス信号を受信し、
前記第1のブリッジアームがオフになり、且つ前記第2のブリッジアームがオンになると、前記第1の制御端は前記低レベルパルス信号を受信し、
前記第4のブリッジアームがオンになり、且つ前記第3のブリッジアームがオフになると、前記第2の制御端は前記高レベルパルス信号を受信し、
前記第4のブリッジアームがオフになり、且つ前記第3のブリッジアームがオンになると、前記第2の制御端は前記低レベルパルス信号を受信する、請求項2に記載の駆動制御回路。
【請求項4】
前記第1のブリッジアームにおけるスイッチユニットと前記第2のブリッジアームにおけるスイッチユニットのうちの一方がP型
スイッチチューブである場合、前記第1のブリッジアームにおけるスイッチユニットと前記第2のブリッジアームにおけるスイッチユニットのうちの他方がN型スイッチチューブであり、
前記第3のブリッジアームにおけるスイッチユニットと前記第4のブリッジアームにおけるスイッチユニットのうちの一方がP型スイッチチューブである場合、前記第3のブリッジアームにおけるスイッチユニットと前記第4のブリッジアームにおけるスイッチユニットのうちの他方がN型スイッチチューブである、請求項3に記載の駆動制御回路。
【請求項5】
前記スイッチユニットは、金属酸化物半導体素子、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ及び三極真空管のうちの少なくとも1つを含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の駆動制御回路。
【請求項6】
前記金属酸化物半導体素子のゲート、ソース及びドレインのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、及び/又は前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのベース、エミッタ及びコレクタのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、及び/又は前記三極真空管のベース、エミッタ及びコレクタのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、前記スイッチユニットに対して電流制限保護を行うために用いられる第2の限流抵抗器をさらに含む、請求項5に記載の駆動制御回路。
【請求項7】
1つの第1の駆動信号出力端が設けられ、前記第1のブリッジアームの駆動端と前記第2のブリッジアームの駆動端が前記第1の駆動信号出力端に接続される第1の駆動デバイスをさらに含み、
前記第1の駆動信号出力端は、前記第1のブリッジアームの駆動端及び前記第2のブリッジアームの駆動端に高レベル駆動信号を出力し、又は、
前記第1の駆動信号出力端は、前記第1のブリッジアームの駆動端及び前記第2のブリッジアームの駆動端に低レベル駆動信号を出力する、請求項3に記載の駆動制御回路。
【請求項8】
前記第1の駆動デバイスは、金属酸化物半導体素子、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ及び三極真空管のうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の駆動制御回路。
【請求項9】
前記金属酸化物半導体素子のゲート、ソース及びドレインのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、及び/又は前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのベース、エミッタ及びコレクタのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、及び/又は前記三極真空管のベース、エミッタ及びコレクタのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、前記第1の駆動デバイスに対して電流制限保護を行うために用いられる第3の限流抵抗器をさらに含む、請求項8に記載の駆動制御回路。
【請求項10】
1つの第2の駆動信号出力端が設けられ、前記第3のブリッジアームの駆動端と前記第4のブリッジアームの駆動端が前記第2の駆動信号出力端に接続される第2の駆動デバイスをさらに含み、
前記第2の駆動信号出力端は、前記第3のブリッジアームの駆動端及び前記第4のブリッジアームの駆動端に高レベル駆動信号を出力し、又は、
前記第2の駆動信号出力端は、前記第3のブリッジアームの駆動端及び前記第4のブリッジアームの駆動端に低レベル駆動信号を出力する、請求項3に記載の駆動制御回路。
【請求項11】
前記第2の駆動デバイスは、金属酸化物半導体素子、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ及び三極真空管のうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の駆動制御回路。
【請求項12】
前記金属酸化物半導体素子のゲート、ソース及びドレインのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、及び/又は前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのベース、エミッタ及びコレクタのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、及び/又は前記三極真空管のベース、エミッタ及びコレクタのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、前記第2の駆動デバイスに対して電流制限保護を行うために用いられる第4の限流抵抗器をさらに含む、請求項11に記載の駆動制御回路。
【請求項13】
前記ラッチングリレーに並列接続され、前記電力網システムに入力された電気エネルギーに対して電流制限処理を行うように配置される正温度係数の感温抵抗をさらに含み、
前記ラッチングリレーの可動接点がオフ状態にあるとき、前記電力網システムに入力された電気エネルギーが前記正温度係数の感温抵抗を介して前記負荷に給電し、又は、
前記ラッチングリレーの可動接点がオン状態にあるとき、前記電力網システムに入力された電気エネルギーが前記ラッチングリレーの可動接点を介して前記負荷に給電する、請求項1~4のいずれか一項に記載の駆動制御回路。
【請求項14】
前記ラッチングリレーと前記負荷との間に組み込まれ、前記電力網システムから出力された交流電気信号を直流電気信号に変換するように配置され、前記直流電気信号が前記負荷に給電するように配置される整流素子をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の駆動制御回路。
【請求項15】
前記整流素子の出力端と前記負荷の入力端との間に設けられ、前記整流素子と前記負荷との間の交流信号をフィルタリングして除去するために用いられる容量素子をさらに含む、請求項14に記載の駆動制御回路。
【請求項16】
前記負荷は、直流モーター、交流モーター、ランプ管、ディスプレイ及びブザーのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の駆動制御回路。
【請求項17】
負荷と、
前記電力網システムと前記負荷との間に組み込まれ、電力網システムを制御して負荷に給電させるように配置される請求項1~16のいずれか一項に記載の駆動制御回路とを含む、家電機器。
【請求項18】
前記家電機器は、エアコン、冷蔵庫、ファン、調理器具、照明機器、視聴覚機器及びクリーニング機器のうちの少なくとも1つを含む、請求項17に記載の家電機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年03月22日に中国特許庁に提出された、出願番号が201910224249.3であり、発明の名称が「駆動制御回路及び家電機器」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容のすべてを援用することにより本願に取り入れる。
【0002】
本願は、回路技術の分野に関し、具体的には、駆動制御回路及び家電機器に関する。
【背景技術】
【0003】
制御コンポーネントとしてのリレーは、自動調整、安全保護、回路変換などの役割を果たすために駆動制御回路で広く使用されている。
【0004】
例えば、インバーターエアコンシステムの室外機の駆動制御回路において、電源投入時に交流電流が過大に入力されて容量に衝撃を与えることを避けるために、従来のリレーを使用して充電電流を制限することが多く、すなわちリレーの通電又は遮断を制御することにより、駆動制御回路の給電状態を変更する。
【0005】
関連技術では、従来のリレーは、制御回路が作業しているときは閉じた状態にあり、つまり、通電し続ける必要があり、これには、少なくとも次のような技術的問題がある。
(1)通電し続けて駆動制御回路の給電状態を制御する必要があるため、駆動制御回路の消費電力が増加する。
(2)リレーの負荷は、通常、周波数50Hz、実効値220Vの交流信号であるため、リレーに通電し続けると、漏電の危険がある。
(3)リレーへの通電操作及び遮断操作が頻繁に行われると、駆動制御回路でサージ信号やリップル信号などの干渉パルスが発生し、駆動制御回路の一部のコンポーネントが急激に発熱し、さらに焼損することになり、これは、ローカルデバイスの信頼性に影響を与えるだけでなく、駆動制御回路の熱クロストークも増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、上記の従来技術又は関連技術における技術的課題の少なくとも1つを解決することを目的とする。
【0007】
そのため、本願の1つの目的は、駆動制御回路を提供することである。
【0008】
本願のもう1つの目的は、家電機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を実現するために、本願の第1の態様の実施例により提供される駆動制御回路は、可動接点が電力網システムに組み込まれ、負荷に給電するように電力網システムを制御することができるラッチングリレーと、ラッチングリレーの制御端にパルス信号を出力するように配置され、パルス信号は高レベルパルス信号又は低レベルパルス信号であるブリッジ回路とを含み、ラッチングリレーの第1の制御端が高レベルパルス信号を受信し、且つラッチングリレーの第2の制御端が低レベルパルス信号を受信すると、ラッチングリレーの可動接点は動作切換を行い、次のパルス信号を受信するまで、前回の動作切換後の状態を保持し、動作切換はオンからオフに切り替え、又はオフからオンに切り替えることである。
【0010】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、駆動制御回路にラッチングリレーが設けられ、ラッチングリレーが機械式リレーであるため、通電した後、通電し続けなくても、その機械的構造を介してラッチングすることができる。長時間に作業状態にある場合、消費電力が大幅に削減され、その作業時間が長ければ長いほど、平均消費電力が少なくなり、また、漏電やデバイス発熱による損傷のリスクが低減され、これにより上記駆動制御回路における各コンポーネントの耐用年数を延ばす。
【0011】
また、ブリッジ回路を採用してラッチングリレーの制御端にパルス信号を出力することにより、駆動制御回路の消費電力をさらに削減するのに役立つだけでなく、ラッチングリレーがオン状態又はオフ状態に入ることの信頼性を向上させるのにも役立つ。
【0012】
具体的に、従来のブリッジ回路は一般的に抵抗、容量又はインダクタンスを含むが、ブリッジ回路の信頼性及び消費電力に対する要求がますます高くなるため、低消費電力のスイッチ素子をブリッジ回路のブリッジアームに組み込むことは、消費電力を削減し、信頼性を向上させるのに役立つだけでなく、ブリッジ回路の応答時間をさらに短縮するのにも役立ち、且つ、多数の実験的検証により、全てのタイプのブリッジ回路は本願の応用要求を満たすことができる。
【0013】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、ブリッジ回路には4つのブリッジアームが設けられ、いずれか1つのブリッジアームには1つのスイッチユニットが設けられ、スイッチユニットがオンになると、対応するブリッジアームがオンになり、スイッチユニットがオフになると、対応するブリッジアームがオフになる。
【0014】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、ブリッジ回路における各ブリッジアームにスイッチユニットを設けることにより、スイッチユニットの消費電力がより低くなるだけでなく、ブリッジ回路がより信頼性の高い高レベルパルス信号及び低レベルパルス信号を出力し、さらにブリッジ回路によるラッチングリレーへの制御の信頼性を向上させる。
【0015】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、4つのブリッジアームは、順次接続される第1のブリッジアーム、第2のブリッジアーム、第3のブリッジアーム及び第4のブリッジアームであり、第1のブリッジアームと第2のブリッジアームとの間の共通端はラッチングリレーの第1の制御端に接続され、第3のブリッジアームと第4のブリッジアームとの間の共通端はラッチングリレーの第2の制御端に接続され、第1のブリッジアームと第4のブリッジアームとの間の共通端は直流電源に接続され、第2のブリッジアームと第3のブリッジアームとの間の共通端はグラウンドに接続され、第1のブリッジアームがオンになり、且つ第2のブリッジアームがオフになると、第1の制御端は高レベルパルス信号を受信し、第1のブリッジアームがオフになり、且つ第2のブリッジアームがオンになると、第1の制御端は低レベルパルス信号を受信し、第4のブリッジアームがオンになり、且つ第3のブリッジアームがオフになると、第2の制御端は高レベルパルス信号を受信し、第4のブリッジアームがオフになり、且つ第3のブリッジアームがオンになると、第2の制御端は低レベルパルス信号を受信する。
【0016】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、4つのブリッジアームは順次接続される第1のブリッジアーム、第2のブリッジアーム、第3のブリッジアーム及び第4のブリッジアームであり、且つ上記接続方法に従ってブリッジ回路をラッチングリレーに接続し、ここで、第1のブリッジアームと第2のブリッジアームとの間の共通端は第1の制御端に接続され、第3のブリッジアームと第4のブリッジアームとの間の共通端は第2の制御端に接続され、すなわち4つのブリッジアームのオフ又はオンを制御することによりラッチングリレーの動作切換を調整し、これにより、消費電力を削減することができるだけでなく、また、ラッチングリレーのアクション遅延への制御を短縮することができ、負荷に対する過電流保護の信頼性及び適時性をさらに向上させる。
【0017】
さらに、4つのブリッジアームのうちの対向する2つのブリッジアームのオン状態が同じ(いずれもオン又はオフ)であり、且つ、隣接する2つのブリッジアームのオン状態が逆である場合(1つのブリッジアームがオンになると、もう1つのブリッジアームがオフになる)、ラッチングリレーの2つの制御端は高レベルパルス信号と低レベルパルス信号をそれぞれ受信することができ、つまり、動作切換を行うことができる。
【0018】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、ブリッジ回路と直流電源との間に直列接続され、及び/又はブリッジ回路とグラウンドとの間に直列接続され、ブリッジ回路に対して電流制限保護を行うように配置される第1の限流抵抗器をさらに含む。
【0019】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、第1の限流抵抗器を設けてブリッジ回路に対して電流制限保護を行うことにより、一方では、電力網システムにおける過電流信号によるブリッジ回路への衝撃を低減するのに役立ち、他方では、ブリッジ回路におけるいずれかのブリッジアームに短絡故障が発生する時、短絡電流によるスイッチユニットへの衝撃を低減することができる。
【0020】
例えば、第1のブリッジアーム及び第2のブリッジアームが同時にオンになり、上記2つのブリッジアームと直列接続される限流抵抗器がない場合、直流電源とグラウンドとの間の電位差は、第1のブリッジアームにおけるスイッチユニット及び第2のブリッジアームにおけるスイッチユニットをブレークダウンするのに十分であり、ブリッジ回路の故障だけでなく、ラッチングリレーの失効にもつながり、ラッチングリレーは負荷に対する交流過電流保護の役割を失ってしまう。
【0021】
ここで、直流電源の電圧値は通常5V、12V又は24Vであるが、これに限定されず、第1の限流抵抗器の値は0.1オーム~30オーム(端点を含む)であるが、これに限定されず、ブリッジ回路を流れる電流がスイッチ素子の過電流よりも小さくなるように第1の限流抵抗器を設定すればよい。
【0022】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、第1のブリッジアームにおけるスイッチユニットと第2のブリッジアームにおけるスイッチユニットのうちの一方がP型スイッチチューブである場合、第1のブリッジアームにおけるスイッチユニットと第2のブリッジアームにおけるスイッチユニットのうちの他方がN型スイッチチューブであり、第3のブリッジアームにおけるスイッチユニットと第4のブリッジアームにおけるスイッチユニットのうちの一方がP型スイッチチューブである場合、第3のブリッジアームにおけるスイッチユニットと第4のブリッジアームにおけるスイッチユニットのうちの他方がN型スイッチチューブである。
【0023】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、第1のブリッジアーム及び第2のブリッジアームを反転スイッチチューブとして設定し、第3のブリッジアーム及び第4のブリッジアームを反転スイッチチューブとして設定することにより、まず、スイッチチューブは低オン電圧、低消費電力及び低遅延などの顕著な利点を備え、ブリッジ回路によるラッチングリレーへの制御の信頼性及び適時性を向上させ、また、駆動制御回路の消費電力をさらに削減する。
【0024】
好ましくは、1つの制御ポートを採用して第1のブリッジアーム及び第2のブリッジアームに制御信号を同時に出力することができ、2つのブリッジアームが反転スイッチチューブとして設定されるため、例えば、制御信号が高レベル信号である場合、第1のブリッジアームと第2のブリッジアームの一方のみがオンになり、もう一方のブリッジアームがオフになり、同様に1つの制御ポートを採用して第3のブリッジアーム及び第4のブリッジアームに制御信号を同時に出力することができ、回路設計の複雑さとハードウェアコストを簡素化するだけでなく、第1のブリッジアームと第2のブリッジアームが直接接続され、第3のブリッジアームと第4のブリッジアームが直接接続される可能性を効果的に低減させる。
【0025】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、スイッチユニットは、金属酸化物半導体素子、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ及び三極真空管のうちの少なくとも1つを含む。
【0026】
本願の実施例に係る駆動制御回路は、金属酸化物半導体素子はMetal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistorを意味し、MOSFETと略称され、絶縁ゲートバイポーラトランジスタはInsulated Gate Bipolar Translatorを意味し、IGBTと略称され、金属酸化物半導体素子、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ及び三極真空管を含むスイッチチューブはいずれも高速低消費電力スイッチチューブである。
【0027】
好ましくは、MOSFET(通常はエンハンスメントタイプとデプレッションタイプを含む)はリーク電流がより小さく、且つ信頼性が高いため、一実施例では、第1のブリッジアームのスイッチチューブをP型MOSFETとし、第2のブリッジアームのスイッチチューブをN型MOSFETとし、第4のブリッジアームのスイッチチューブをP型MOSFETとし、第3のブリッジアームのスイッチチューブをN型MOSFETとする。
【0028】
ここで、N型MOSFETについては、Vgs≧Vtである限り、チャネルが形成でき、その時にドレイン-ソース間に順方向電圧Vdsを印加する限り、ドレイン電流が発生でき、ここで、Vgsはゲートソース電圧であり、Vtはターンオン電圧であり、Vdsはソースドレイン電圧である。
【0029】
同様に、P型MOSFETについては、Vgs≦Vtである限り、チャネルが形成でき、その時にドレイン-ソース間に負電圧Vdsを印加する限り、ドレイン電流が発生でき、ここで、Vgsはゲートソース電圧であり、Vtはターンオン電圧であり、Vdsはソースドレイン電圧である。
【0030】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、金属酸化物半導体素子のゲート、ソース及びドレインのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、及び/又は絶縁ゲートバイポーラトランジスタのベース、エミッタ及びコレクタのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、及び/又は三極真空管のベース、エミッタ及びコレクタのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、スイッチユニットに対して電流制限保護を行うために用いられる第2の限流抵抗器をさらに含む。
【0031】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、第2の限流抵抗器を上記の方法に従って、いずれかのブリッジアームのスイッチチューブに組み込むことにより、ブリッジアームがブレークダウンされる可能性を効果的に低減することができ、また、ブリッジ回路によるラッチングリレーへのトリガ制御の信頼性及び適時性をさらに向上させる。
【0032】
また、駆動制御回路の消費電力をさらに削減する観点から考えると、第2の限流抵抗器の値は0.1オーム~30オーム(端点を含む)とするが、これに限定されない。
【0033】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、1つの第1の駆動信号出力端が設けられ、第1のブリッジアームの駆動端と第2のブリッジアームの駆動端が第1の駆動信号出力端に接続される第1の駆動デバイスをさらに含み、第1の駆動信号出力端は、第1のブリッジアームの駆動端及び第2のブリッジアームの駆動端に高レベル駆動信号を出力し、又は、第1の駆動信号出力端は、第1のブリッジアームの駆動端及び第2のブリッジアームの駆動端に低レベル駆動信号を出力する。
【0034】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、第1の駆動信号出力端が1つの制御ポートとして第1のブリッジアーム及び第2のブリッジアームを同時に駆動し、すなわち1つの第1の駆動デバイスを設けることにより、上記一実施例において、第1のブリッジアーム及び第2のブリッジアームは反転スイッチチューブを含み、第1の制御端は、高レベルパルス信号又は低レベルパルス信号を受信することができる。
【0035】
例えば、第1のブリッジアームのスイッチチューブはP型MOSFETであり、第2のブリッジアームのスイッチチューブはN型MOSFETであり、且つ第1のブリッジアームのP型MOSFETのドレインは直流電源に接続され、P型MOSFETのソースは第2のブリッジアームのN型MOSFETのドレインに接続され、第2のブリッジアームのN型MOSFETのソースはグラウンドに接続され、第1の駆動信号出力端が第1のブリッジアームのP型MOSFETと第2のブリッジアームのN型MOSFETに高レベル駆動信号を出力する場合、第1のブリッジアームがオフになり、第2のブリッジアームがオンになり、ラッチングリレーの第1の制御端は低レベルパルス信号を受信し、同様に、第1の駆動信号出力端が第1のブリッジアームのP型MOSFETと第2のブリッジアームのN型MOSFETに低レベル駆動信号を出力する場合、ラッチングリレーの第1の制御端は高レベルパルス信号を受信する。
【0036】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、第1の駆動デバイスは、金属酸化物半導体素子、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ及び三極真空管のうちの少なくとも1つを含む。
【0037】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、第1の駆動デバイスを上記スイッチチューブとして設けることにより、駆動制御回路の消費電力及び応答遅延をさらに低減するのに役立ち、また、回路の信頼性を向上させるのにも役立つ。
【0038】
好ましくは、第1の駆動デバイスは絶縁ゲートバイポーラトランジスタとして選択される。
【0039】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、金属酸化物半導体素子のゲート、ソース及びドレインのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、及び/又は絶縁ゲートバイポーラトランジスタのベース、エミッタ及びコレクタのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、及び/又は三極真空管のベース、エミッタ及びコレクタのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、第1の駆動デバイスに対して電流制限保護を行うために用いられる第3の限流抵抗器をさらに含む。
【0040】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、第3の限流抵抗器を第1の駆動デバイスの3端に設けることにより、過電流信号が第1の駆動デバイスを干渉やブレークダウンする可能性を効果的に低減することができ、また、ブリッジ回路に係るラッチングリレーへの制御の信頼性をさらに向上させる。
【0041】
また、駆動制御回路の消費電力をさらに削減する観点から考えると、第3の限流抵抗器の値は0.1オーム~30オーム(端点を含む)とするが、これに限定されない。
【0042】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、1つの第2の駆動信号出力端が設けられ、第3のブリッジアームの駆動端と第4のブリッジアームの駆動端が第2の駆動信号出力端に接続される第2の駆動デバイスをさらに含み、第2の駆動信号出力端は、第3のブリッジアームの駆動端及び第4のブリッジアームの駆動端に高レベル駆動信号を出力し、又は、第2の駆動信号出力端は、第3のブリッジアームの駆動端及び第4のブリッジアームの駆動端に低レベル駆動信号を出力する。
【0043】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、第2の駆動信号出力端は1つの制御ポートとして第3のブリッジアーム及び第4のブリッジアームを同時に駆動し、すなわち1つの第2の駆動デバイスを設けることにより、上記一実施例において、第3のブリッジアーム及び第4のブリッジアームは反転スイッチチューブを含み、第2の制御端は高レベルパルス信号又は低レベルパルス信号を受信することができる。
【0044】
例えば、第4のブリッジアームのスイッチチューブはP型MOSFETであり、第3のブリッジアームのスイッチチューブはN型MOSFETであり、且つ第4のブリッジアームのP型MOSFETのドレインは直流電源に接続され、P型MOSFETのソースは第3のブリッジアームのN型MOSFETのドレインに接続され、第3のブリッジアームのN型MOSFETのソースはグラウンドに接続され、第2の駆動信号出力端が第4のブリッジアームのP型MOSFETと第3のブリッジアームのN型MOSFETに高レベル駆動信号を出力する場合、第4のブリッジアームがオフになり、第3のブリッジアームがオンになり、ラッチングリレーの第2の制御端は低レベルパルス信号を受信し、同様に、第2の駆動信号出力端が第4のブリッジアームのP型MOSFETと第3のブリッジアームのN型MOSFETに低レベル駆動信号を出力する場合、ラッチングリレーの第2の制御端は高レベルパルス信号を受信する。
【0045】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、第2の駆動デバイスは、金属酸化物半導体素子、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ及び三極真空管のうちの少なくとも1つを含む。
【0046】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、第2の駆動デバイスを上記スイッチチューブとして設けることにより、駆動制御回路の消費電力及び応答遅延をさらに低減するのに役立ち、また、回路の信頼性を向上させるのにも役立つ。
【0047】
好ましくは、第2の駆動デバイスは絶縁ゲートバイポーラトランジスタとして選択される。
【0048】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、金属酸化物半導体素子のゲート、ソース及びドレインのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、及び/又は絶縁ゲートバイポーラトランジスタのベース、エミッタ及びコレクタのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、及び/又は三極真空管のベース、エミッタ及びコレクタのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、第2の駆動デバイスに対して電流制限保護を行うために用いられる第4の限流抵抗器をさらに含む。
【0049】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、第4の限流抵抗器を第2の駆動デバイスの3端に設けることにより、過電流信号が第2の駆動デバイスを干渉やブレークダウンする可能性を効果的に低減することができ、また、ブリッジ回路によるラッチングリレーへの制御の信頼性をさらに向上させる。
【0050】
また、駆動制御回路の消費電力をさらに削減する観点から考えると、第4の限流抵抗器の値は0.1オーム~30オーム(端点を含む)とするが、これに限定されない。
【0051】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、ラッチングリレーに並列接続され、電力網システムに入力された電気エネルギーに対して電流制限処理を行うように配置される正温度係数の感温抵抗をさらに含み、ここで、ラッチングリレーの可動接点がオフ状態にあるとき、電力網システムに入力された電気エネルギーが正温度係数の感温抵抗を介して負荷に給電し、又はラッチングリレーの可動接点がオン状態にあるとき、電力網システムに入力された電気エネルギーがラッチングリレーの可動接点を介して負荷に給電する。
【0052】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、正温度係数は通常、Positive Temperature Coefficientを意味するため、正温度係数の感温抵抗は通常、PTCと略称される。つまり、ラッチングリレーの可動接点がオフ状態にある場合、電力網システムに入力された電気エネルギーがPTCを介して負荷に給電することができ、電気エネルギーが大きすぎると、PTCの温度が急激に上昇し、過電流信号を遮断するようにPTCの抵抗が増加し、ラッチングリレーの可動接点がオン状態にある場合、電力網システムに入力された電気エネルギーが、ラッチングリレーの可動接点を介して負荷に給電し、且つラッチングリレーの可動接点を介した電気エネルギーの消費電力は非常に低く、給電効率を向上させるのに役立つ。
【0053】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、ラッチングリレーと負荷との間に組み込まれ、電力網システムから出力された交流電気信号を直流電気信号に変換するように配置され、直流電気信号は負荷に給電するように配置される整流素子をさらに含む。
【0054】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、整流素子をラッチングリレーと負荷との間に組み込むことにより、交流電気信号を直流電気信号に変換し、負荷の動作周波数及び作業効率を調整するように直流電気信号の力率をさらに調整することができる。
【0055】
ここで、整流素子は一般的にブリッジ構造であり、且つ各ブリッジアームは1つのダイオードを含み、いずれかのダイオードのカソードは隣接するダイオードのアノードに接続され、及びいずれかのダイオードのアノードは他の隣接するダイオードのカソードに接続される。
【0056】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、整流素子の出力端と負荷の入力端との間に設けられ、整流素子と負荷との間の交流信号をフィルタリングして除去するために用いられる容量素子をさらに含む。
【0057】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、容量素子を整流素子と負荷の入力端との間に設けることにより、一方では、容量素子は電源投入プロセスにおけるリップル信号による負荷への衝撃を低減させるのに役立ち、他方では、容量素子は一般的にエネルギー貯蔵機能を備え、そのため、容量素子における負荷電位差が十分に大きい時、負荷を起動することができる。
【0058】
ここで、容量素子は1つ又は複数の容量であってもよく、直列接続/又は並列接続の方法で組み込まれ、例えば、容量素子は1つの電解容量であってもよく、フィルム容量であってもよいが、これに限定されない。
【0059】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、負荷は、直流モーター、交流モーター、ランプ管、ディスプレイ及びブザーのうちの少なくとも1つを含む。
【0060】
本願の第2の態様の実施例によれば、家電機器をさらに提供し、該家電機器は、負荷と、上記いずれか一項の技術的手段に記載の駆動制御回路とを含み、該駆動制御回路は、電力網システムと負荷との間に組み込まれ、電力網システムを制御して負荷に給電させるように配置される。
【0061】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、家電機器は、エアコン、冷蔵庫、ファン、調理器具、照明機器、視聴覚機器及びクリーニング機器のうちの少なくとも1つを含む。
【0062】
本願の実施例に係る家電機器によれば、上記の駆動制御回路の全ての技術的効果を有するため、ここで繰り返さない。
【0063】
本願の付加的な態様及び利点は下記の説明に示され、一部は下記の説明により明瞭になるか、本願を実施することで理解される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【
図1】本願の一実施例に係る駆動制御回路の概略図である。
【
図2】本願の他の実施例に係る駆動制御回路の概略図である。
【
図3】本願の他の実施例に係る駆動制御回路の概略図である。
【
図4】本願の他の実施例に係る駆動制御回路の概略図である。
【
図5】本願の他の実施例に係る駆動制御回路の概略図である。
【
図6】本願の他の実施例に係る駆動制御回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
本願の上記目的、特徴及び利点をより明確に理解できるようにするために、以下は図面及び具体的な実施形態を参照し、本願をより詳細に説明する。なお、矛盾がない場合、本願の実施例及び実施例の特徴は、互いに組み合わせることができる。
【0066】
本願を十分に理解するために以下の説明において多くの具体的な詳細を説明するが、本願はまたここで説明した以外の他の形態を採用して実施することができ、したがって、本願の範囲は以下に開示された具体的な実施例に限定されるものではない。
【0067】
以下、
図1から
図6を参照しながら、本願の実施例に係る駆動制御回路について具体的に説明する。
【0068】
図1から
図6に示すように、本願の実施例に係る駆動制御回路は、可動接点が電力網システムACに組み込まれ、負荷に給電するように電力網システムACを制御することができるラッチングリレーと、ブリッジ回路はラッチングリレーの制御端にパルス信号を出力するように配置され、パルス信号は高レベルパルス信号又は低レベルパルス信号であるブリッジ回路とを含み、ラッチングリレーの第1の制御端P
i1が高レベルパルス信号を受信し、且つラッチングリレーの第2の制御端P
i2が低レベルパルス信号を受信すると、ラッチングリレーの可動接点は動作切換を行い、次のパルス信号を受信するまで、前回の動作切換後の状態を保持し、動作切換はオンからオフに切り替え、又はオフからオンに切り替えることである。
【0069】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、駆動制御回路にラッチングリレーが設けられ、ラッチングリレーが機械式リレーであるため、通電した後、通電し続けなくても、その機械的構造を介してラッチングすることができる。長時間に作業状態にある場合、消費電力が大幅に削減され、その作業時間が長ければ長いほど、平均消費電力が少なくなり、また、漏電やデバイス発熱による損傷のリスクが低減され、これにより上記駆動制御回路における各コンポーネントの耐用年数を延ばす。
【0070】
また、ブリッジ回路を採用してラッチングリレーの制御端にパルス信号を出力することにより、駆動制御回路の消費電力をさらに削減するのに役立つだけでなく、ラッチングリレーがオン状態又はオフ状態に入ることの信頼性を向上させるのにも役立つ。
【0071】
具体的に、従来のブリッジ回路は一般的に抵抗、容量又はインダクタンスを含むが、ブリッジ回路の信頼性及び消費電力に対する要求がますます高くなるため、低消費電力のスイッチ素子をブリッジ回路のブリッジアームに組み込むことは、消費電力を削減し、信頼性を向上させるのに役立つだけでなく、ブリッジ回路の応答時間をさらに短縮するのにも役立ち、且つ、多数の実験的検証により、全てのタイプのブリッジ回路は本願の応用要求を満たすことができる。
【0072】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、ブリッジ回路には4つのブリッジアームが設けられ、いずれか1つのブリッジアームには1つのスイッチユニット(
図1~
図6に示すM
1、M
2、M
3及びM
4である)が設けられ、スイッチユニットがオンになると、対応するブリッジアームがオンになり、スイッチユニットがオフになると、対応するブリッジアームがオフになる。
【0073】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、ブリッジ回路における各ブリッジアームにスイッチユニットを設けることにより、スイッチユニットの消費電力がより低くなるだけでなく、ブリッジ回路がより信頼性の高い高レベルパルス信号及び低レベルパルス信号を出力し、さらにブリッジ回路によるラッチングリレーへの制御の信頼性を向上させる。
【0074】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、4つのブリッジアームは順次接続される第1のブリッジアーム、第2のブリッジアーム、第3のブリッジアーム及び第4のブリッジアームであり、第1のブリッジアームと第2のブリッジアームとの間の共通端Po1はラッチングリレーの第1の制御端Pi1に接続され、第3のブリッジアームと第4のブリッジアームとの間の共通端Po2はラッチングリレーの第2の制御端Pi2に接続され、第1のブリッジアームと第4のブリッジアームとの間の共通端は直流電源VCCに接続され、第2のブリッジアームと第3のブリッジアームとの間の共通端はグラウンドGNDに接続され、ここで、第1のブリッジアームがオンになり、且つ第2のブリッジアームがオフになると、第1の制御端Pi1は高レベルパルス信号を受信し、第1のブリッジアームがオフになり、且つ第2のブリッジアームがオンになると、第1の制御端Pi1は低レベルパルス信号を受信し、第4のブリッジアームがオンになり、且つ第3のブリッジアームがオフになると、第2の制御端Pi2は高レベルパルス信号を受信し、第4のブリッジアームがオフになり、且つ第3のブリッジアームがオンになると、第2の制御端Pi2は低レベルパルス信号を受信する。
【0075】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、4つのブリッジアームは順次接続される第1のブリッジアーム、第2のブリッジアーム、第3のブリッジアーム及び第4のブリッジアームであり、且つ上記接続方法に従ってブリッジ回路をラッチングリレーに接続し、ここで、第1のブリッジアームと第2のブリッジアームとの間の共通端Po1は第1の制御端Pi1に接続され、第3のブリッジアームと第4のブリッジアームとの間の共通端Po2は第2の制御端Pi2に接続され、すなわち4つのブリッジアームのオフ又はオンを制御することによりラッチングリレーの動作切換を調整し、これにより、消費電力を削減することができるだけでなく、また、ラッチングリレーのアクション遅延への制御を短縮することができ、負荷に対する過電流保護の信頼性及び適時性をさらに向上させる。
【0076】
さらに、4つのブリッジアームのうちの対向する2つのブリッジアームのオン状態が同じ(いずれもオン又はオフ)であり、且つ、隣接する2つのブリッジアームのオン状態が逆である場合(1つのブリッジアームがオンになると、もう1つのブリッジアームがオフになる)、ラッチングリレーの2つの制御端は高レベルパルス信号と低レベルパルス信号をそれぞれ受信することができ、つまり、動作切換を行うことができる。
【0077】
(実施例1)
図2に示すように、本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、第1の限流抵抗器はブリッジ回路と直流電源VCCとの間のR
dに直列接続され、ブリッジ回路に対して電流制限保護を行うために用いられる。
【0078】
(実施例2)
図3に示すように、本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、第1の限流抵抗器はブリッジ回路とグラウンドGNDとの間のR
gに直列接続され、ブリッジ回路に対して電流制限保護を行うために用いられる。
【0079】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、第1の限流抵抗器を設けてブリッジ回路に対して電流制限保護を行うことにより、一方では、電力網システムACにおける過電流信号によるブリッジ回路への衝撃を低減するのに役立ち、他方では、ブリッジ回路におけるいずれかのブリッジアームに短絡故障が発生する時、短絡電流によるスイッチユニットへの衝撃を低減することができる。
【0080】
例えば、第1のブリッジアーム及び第2のブリッジアームが同時にオンになり、上記2つのブリッジアームと直列接続される限流抵抗器がない場合、直流電源VCCとグラウンドGNDとの間の電位差は、第1のブリッジアームにおけるスイッチユニット及び第2のブリッジアームにおけるスイッチユニットをブレークダウンするのに十分であり、ブリッジ回路の故障だけでなく、ラッチングリレーの失効にもつながり、ラッチングリレーは負荷に対する交流過電流保護の役割を失ってしまう。
【0081】
ここで、直流電源VCCの電圧値は通常5V、12V又は24Vであるが、これに限定されず、第1の限流抵抗器の値は0.1オーム~30オーム(端点を含む)であるが、これに限定されず、ブリッジ回路を流れる電流がスイッチ素子の過電流よりも小さくなるように第1の限流抵抗器を設定すればよい。
【0082】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、第1のブリッジアームにおけるスイッチユニットと第2のブリッジアームにおけるスイッチユニットのうちの一方がP型スイッチチューブである場合、第1のブリッジアームにおけるスイッチユニットと第2のブリッジアームにおけるスイッチユニットのうちの他方がN型スイッチチューブであり、第3のブリッジアームにおけるスイッチユニットと第4のブリッジアームにおけるスイッチユニットのうちの一方がP型スイッチチューブである場合、第3のブリッジアームにおけるスイッチユニットと第4のブリッジアームにおけるスイッチユニットのうちの他方がN型スイッチチューブである。
【0083】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、第1のブリッジアーム及び第2のブリッジアームを反転スイッチチューブとして設定し、第3のブリッジアーム及び第4のブリッジアームを反転スイッチチューブとして設定することにより、まず、スイッチチューブは低オン電圧、低消費電力及び低遅延などの顕著な利点を備え、ブリッジ回路によるラッチングリレーへの制御の信頼性及び適時性を向上させ、また、駆動制御回路の消費電力をさらに削減する。
【0084】
好ましくは、1つの制御ポートを採用して第1のブリッジアーム及び第2のブリッジアームに制御信号を同時に出力することができ、2つのブリッジアームが反転スイッチチューブとして設定されるため、例えば、制御信号が高レベル信号である場合、第1のブリッジアームと第2のブリッジアームの一方のみがオンになり、もう一方のブリッジアームがオフになり、同様に1つの制御ポートを採用して第3のブリッジアーム及び第4のブリッジアームに制御信号を同時に出力することができ、回路設計の複雑さとハードウェアコストを簡素化するだけでなく、第1のブリッジアームと第2のブリッジアームが直接接続され、第3のブリッジアームと第4のブリッジアームが直接接続される可能性を効果的に低減させる。
【0085】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、スイッチユニットは、金属酸化物半導体素子、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ及び三極真空管のうちの少なくとも1つを含む。
【0086】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、金属酸化物半導体素子はMetal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistorを意味し、MOSFETと略称され、絶縁ゲートバイポーラトランジスタはInsulated Gate Bipolar Translatorを意味し、IGBTと略称され、金属酸化物半導体素子、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ及び三極真空管を含むスイッチチューブはいずれも高速低消費電力スイッチチューブである。
【0087】
好ましくは、MOSFET(通常はエンハンスメントタイプとデプレッションタイプを含む)はリーク電流がより小さく、且つ信頼性が高いため、一実施例では、第1のブリッジアームのスイッチチューブをP型MOSFETとし(
図1~
図6に示すM
1である)、第2のブリッジアームのスイッチチューブをN型MOSFETとし(
図1~
図6に示すM
2である)、第4のブリッジアームのスイッチチューブをP型MOSFETとし(
図1~
図6に示すM
4である)、第3のブリッジアームのスイッチチューブをN型MOSFETとする(
図1~
図6に示すM
3である)。
【0088】
ここで、N型MOSFETについては、Vgs≧Vtである限り、チャネルが形成でき、その時にドレイン-ソース間に順方向電圧Vdsを印加する限り、ドレイン電流が発生でき、ここで、Vgsはゲートソース電圧であり、Vtはターンオン電圧であり、Vdsはソースドレイン電圧である。
【0089】
同様に、P型MOSFETについては、Vgs≦Vtである限り、チャネルが形成でき、その時にドレイン-ソース間に負電圧Vdsを印加する限り、ドレイン電流が発生でき、ここで、Vgsはゲートソース電圧であり、Vtはターンオン電圧であり、Vdsはソースドレイン電圧である。
【0090】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、金属酸化物半導体素子のゲート、ソース及びドレインのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、及び/又は絶縁ゲートバイポーラトランジスタのベース、エミッタ及びコレクタのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、及び/又は三極真空管のベース、エミッタ及びコレクタのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、スイッチユニットに対して電流制限保護を行うために用いられる第2の限流抵抗器をさらに含む。
【0091】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、第2の限流抵抗器を上記方法に従って、いずれかのブリッジアームのスイッチチューブに組み込むことにより、ブリッジアームがブレークダウンされる可能性を効果的に低減することができ、また、ブリッジ回路によるラッチングリレーへのトリガ制御の信頼性及び適時性をさらに向上させる。
【0092】
また、駆動制御回路の消費電力をさらに削減する観点から考えると、第2の限流抵抗器の値は0.1オーム~30オーム(端点を含む)とするが、これに限定されない。
【0093】
(実施例3)
図4に示すように、第1のブリッジアームのスイッチチューブM
1はP型MOSFETであり、第2のブリッジアームのスイッチチューブM
2はN型MOSFETであり、第4のブリッジアームのスイッチチューブM
4はP型MOSFETであり、第3のブリッジアームのスイッチチューブM
3はN型MOSFETであり、1つの第2の限流抵抗器R
s1は、スイッチチューブM
1のソースとスイッチチューブM
2のドレインとの間に組み込まれ、もう1つの第2の限流抵抗器R
s2は、スイッチチューブM
4のソースとスイッチチューブM
3のドレインとの間に組み込まれる。
【0094】
(実施例4)
図5に示すように、第1のブリッジアームのスイッチチューブM
1はP型MOSFETであり、第2のブリッジアームのスイッチチューブM
2はN型MOSFETであり、第4のブリッジアームのスイッチチューブM
4はP型MOSFETであり、第3のブリッジアームのスイッチチューブM
3はN型MOSFETであり、1つの第2の限流抵抗器R
z1は、スイッチチューブM
1のソースとスイッチチューブM
2のドレインとの間に組み込まれ、もう1つの第2の限流抵抗器R
z2は、スイッチチューブM
4のソースとスイッチチューブM
3のドレインとの間に組み込まれる。
【0095】
(実施例5)
図5に示すように、第1のブリッジアームのスイッチチューブM
1はP型MOSFETであり、第2のブリッジアームのスイッチチューブM
2はN型MOSFETであり、第4のブリッジアームのスイッチチューブM
4はP型MOSFETであり、第3のブリッジアームのスイッチチューブM
3はN型MOSFETであり、1つの第2の限流抵抗器R
k1は、スイッチチューブM
1のドレインと直流電源VCCとの間に組み込まれ、もう1つの第2の限流抵抗器R
k2は、スイッチチューブM
4のドレインと直流電源VCCとの間に組み込まれる。
【0096】
(実施例6)
図6に示すように、第1のブリッジアームのスイッチチューブM
1はP型MOSFETであり、第2のブリッジアームのスイッチチューブM
2はN型MOSFETであり、第4のブリッジアームのスイッチチューブM
4はP型MOSFETであり、第3のブリッジアームのスイッチチューブM
3はN型MOSFETであり、1つの第2の限流抵抗器R
e1は、スイッチチューブM
2のソースとグラウンドとの間に組み込まれ、もう1つの第2の限流抵抗器R
e2は、スイッチチューブM
3のソースとグラウンドとの間に組み込まれる。
【0097】
(実施例7)
上記いずれの実施例において、スイッチチューブM1のゲートは、第2の限流抵抗器Rg1の一端に組み込まれ、この第2の限流抵抗器Rg1の他端Pc1と直流電源VCCとの間に分圧抵抗器Rc1が組み込まれる。
【0098】
(実施例8)
上記いずれの実施例において、スイッチチューブM2のゲートは、第2の限流抵抗器Rg2の一端に組み込まれ、この第2の限流抵抗器Rg2の他端Pc1と直流電源VCCとの間に分圧抵抗器Rc1が組み込まれる。
【0099】
(実施例9)
上記いずれの実施例において、スイッチチューブM3のゲートは、第2の限流抵抗器Rg3の一端に組み込まれ、この第2の限流抵抗器Rg3の他端Pc2と直流電源VCCとの間にも分圧抵抗器Rc2が組み込まれる。
【0100】
(実施例10)
上記いずれの実施例において、スイッチチューブM4のゲートは、第2の限流抵抗器Rg4の一端に組み込まれ、この第2の限流抵抗器Rg4の他端Pc2と直流電源VCCとの間にも分圧抵抗器Rc2が組み込まれる。
【0101】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、1つの第1の駆動信号出力端が設けられ、第1のブリッジアームの駆動端と第2のブリッジアームの駆動端が第1の駆動信号出力端に接続される第1の駆動デバイスQ1をさらに含み、第1の駆動信号出力端は第1のブリッジアームの駆動端及び第2のブリッジアームの駆動端に高レベル駆動信号を出力し、又は、第1の駆動信号出力端は第1のブリッジアームの駆動端及び第2のブリッジアームの駆動端に低レベル駆動信号を出力する。
【0102】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、第1の駆動信号出力端は1つの制御ポートとして第1のブリッジアーム及び第2のブリッジアームを同時に駆動し、すなわち1つの第1の駆動デバイスQ1を設けることにより、上記一実施例において、第1のブリッジアーム及び第2のブリッジアームは反転スイッチチューブを含み、第1の制御端Pi1は高レベルパルス信号又は低レベルパルス信号を受信することができる。
【0103】
例えば、第1のブリッジアームのスイッチチューブはP型MOSFETであり、第2のブリッジアームのスイッチチューブはN型MOSFETであり、且つ第1のブリッジアームのP型MOSFETのドレインは直流電源VCCに接続され、P型MOSFETのソースは第2のブリッジアームのN型MOSFETのドレインに接続され、第2のブリッジアームのN型MOSFETのソースはグラウンドGNDに接続され、第1の駆動信号出力端が第1のブリッジアームのP型MOSFETと第2のブリッジアームのN型MOSFETに高レベル駆動信号を出力する場合、第1のブリッジアームがオフになり、第2のブリッジアームがオンになり、ラッチングリレーの第1の制御端Pi1は低レベルパルス信号を受信し、同様に、第1の駆動信号出力端が第1のブリッジアームのP型MOSFETと第2のブリッジアームのN型MOSFETに低レベル駆動信号を出力する場合、ラッチングリレーの第1の制御端Pi1は高レベルパルス信号を受信する。
【0104】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、第1の駆動デバイスQ1は、金属酸化物半導体素子、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ及び三極真空管のうちの少なくとも1つを含む。
【0105】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、第1の駆動デバイスQ1を上記スイッチチューブとして設けることにより、駆動制御回路の消費電力及び応答遅延をさらに低減するのに役立ち、また、回路の信頼性を向上させるのにも役立つ。
【0106】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、金属酸化物半導体素子のゲート、ソース及びドレインのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、及び/又は絶縁ゲートバイポーラトランジスタのベース、エミッタ及びコレクタのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、及び/又は三極真空管のベース、エミッタ及びコレクタのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、第1の駆動デバイスQ1に対して電流制限保護を行うために用いられる第3の限流抵抗器をさらに含む。
【0107】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、第3の限流抵抗器を第1の駆動デバイスQ1の3端に設けることにより、過電流信号が第1の駆動デバイスQ1を干渉やブレークダウンする可能性を効果的に低減することができ、また、ブリッジ回路によるラッチングリレーへの制御の信頼性をさらに向上させる。
【0108】
上記いずれかの実施例において、好ましくは、第1の駆動デバイスQ1は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタとして選択され、且つNPN三極真空管であり、第1の駆動デバイスQ1のコレクタは、第1の駆動信号出力端(すなわち、端Pc1)に接続され、第1の駆動デバイスQ1のエミッタはグラウンドGNDに接続され、第1の駆動デバイスQ1のベースはコントローラの出力ポートPd1に接続され、出力ポートPd1と第1の駆動デバイスQ1のベースとの間に1つの第3の限流抵抗器Rb1が組み込まれ、第1の駆動デバイスQ1のベースとエミッタとの間にもう1つの第3の限流抵抗器Rbe1が組み込まれる。
【0109】
上記コントローラは駆動制御回路の全体コントローラ又は単独でリレーで構成されたコントローラであってもよく、例えば、MCU、CPU、組み込み機器及び論理演算器などであるが、これに限定されない。
【0110】
また、駆動制御回路の消費電力をさらに削減する観点から考えると、第3の限流抵抗器の値は0.1オーム~30オーム(端点を含む)とするが、これに限定されない。
【0111】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、1つの第2の駆動信号出力端が設けられ、第3のブリッジアームの駆動端と第4のブリッジアームの駆動端が第2の駆動信号出力端に接続される第2の駆動デバイスQ2をさらに含み、第2の駆動信号出力端は第3のブリッジアームの駆動端及び第4のブリッジアームの駆動端に高レベル駆動信号を出力し、又は、第2の駆動信号出力端は第3のブリッジアームの駆動端及び第4のブリッジアームの駆動端に低レベル駆動信号を出力する。
【0112】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、第2の駆動信号出力端は1つの制御ポートとして第3のブリッジアーム及び第4のブリッジアームを同時に駆動し、すなわち1つの第2の駆動デバイスQ2を設けることにより、上記一実施例において、第3のブリッジアーム及び第4のブリッジアームは反転スイッチチューブを含み、第2の制御端Pi2は高レベルパルス信号又は低レベルパルス信号を受信することができる。
【0113】
例えば、第4のブリッジアームのスイッチチューブはP型MOSFETであり、第3のブリッジアームのスイッチチューブはN型MOSFETであり、且つ第4のブリッジアームのP型MOSFETのドレインは直流電源VCCに接続され、P型MOSFETのソースは第3のブリッジアームのN型MOSFETのドレインに接続され、第3のブリッジアームのN型MOSFETのソースはグラウンドGNDに接続され、第2の駆動信号出力端が第4のブリッジアームのP型MOSFETと第3のブリッジアームのN型MOSFETに高レベル駆動信号を出力する場合、第4のブリッジアームがオフになり、第3のブリッジアームがオンになり、ラッチングリレーの第2の制御端Pi2は低レベルパルス信号を受信し、同様に、第2の駆動信号出力端が第4のブリッジアームのP型MOSFETと第3のブリッジアームのN型MOSFETに低レベル駆動信号を出力する場合、ラッチングリレーの第2の制御端Pi2は高レベルパルス信号を受信する。
【0114】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、第2の駆動デバイスQ2は、金属酸化物半導体素子、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ及び三極真空管のうちの少なくとも1つを含む。
【0115】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、第2の駆動デバイスQ2を上記スイッチチューブとして設けることにより、駆動制御回路の消費電力及び応答遅延をさらに低減するのに役立ち、また、回路の信頼性を向上させるのにも役立つ。
【0116】
好ましくは、第2の駆動デバイスQ2は絶縁ゲートバイポーラトランジスタとして選択される。
【0117】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、金属酸化物半導体素子のゲート、ソース及びドレインのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、及び/又は絶縁ゲートバイポーラトランジスタのベース、エミッタ及びコレクタのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、及び/又は三極真空管のベース、エミッタ及びコレクタのうちの少なくとも1つの電極に設けられ、第2の駆動デバイスQ2に対して電流制限保護を行うために用いられる第4の限流抵抗器をさらに含む。
【0118】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、第4の限流抵抗器を第2の駆動デバイスQ2の3端に設けることにより、過電流信号が第2の駆動デバイスQ2を干渉やブレークダウンする可能性を効果的に低減することができ、また、ブリッジ回路によるラッチングリレーへの制御の信頼性をさらに向上させる。
【0119】
上記いずれかの実施例において、好ましくは、第2の駆動デバイスQ2は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタとして選択され、且つNPN三極真空管であり、第2の駆動デバイスQ2のコレクタは、第2の駆動信号出力端(すなわち、端Pc2)に接続され、第2の駆動デバイスQ2のエミッタはグラウンドGNDに接続され、第2の駆動デバイスQ2のベースはコントローラの出力ポートPd2に接続され、出力ポートPd2と第2の駆動デバイスQ2のベースとの間に1つの第3の限流抵抗器Rb2が組み込まれ、第2の駆動デバイスQ2のベースとエミッタとの間にもう1つの第3の限流抵抗器Rbe2が組み込まれる。
【0120】
第1の駆動デバイスQ1と同様に、上記コントローラは駆動制御回路の全体コントローラ又は単独でリレーで構成されたコントローラであってもよく、例えば、MCU、CPU、組み込み機器及び論理演算器などであるが、これに限定されない。
【0121】
また、駆動制御回路の消費電力をさらに削減する観点から考えると、第4の限流抵抗器の値は0.1オーム~30オーム(端点を含む)とするが、これに限定されない。
【0122】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、ラッチングリレーに並列接続され、電力網システムACに入力された電気エネルギーに対して電流制限処理を行うように配置される正温度係数の感温抵抗Rptcをさらに含み、ここで、ラッチングリレーの可動接点がオフ状態にあるとき、電力網システムACに入力された電気エネルギーが正温度係数の感温抵抗Rptcを介して負荷に給電し、又はラッチングリレーの可動接点がオン状態にあるとき、電力網システムACに入力された電気エネルギーがラッチングリレーの可動接点を介して負荷に給電する。
【0123】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、正温度係数は通常、Positive Temperature Coefficientを意味し、したがって、正温度係数の感温抵抗Rptcは通常、PTCと略称される。つまり、ラッチングリレーの可動接点がオフ状態にある場合、電力網システムACに入力された電気エネルギーがPTCを介して負荷に給電することができ、電気エネルギーが大きすぎると、PTCの温度が急激に上昇し、過電流信号を遮断するようにPTCの抵抗が増加し、ラッチングリレーの可動接点がオン状態にある場合、電力網システムACに入力された電気エネルギーが、ラッチングリレーの可動接点を介して負荷に給電し、且つラッチングリレーの可動接点を介した電気エネルギーの消費電力は非常に低く、給電効率を向上させるのに役立つ。
【0124】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、ラッチングリレーと負荷との間に組み込まれ、電力網システムACから出力された交流電気信号を直流電気信号に変換するように配置され、直流電気信号が負荷に給電するように配置される整流素子をさらに含む。
【0125】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、整流素子をラッチングリレーと負荷との間に組み込むことにより、交流電気信号を直流電気信号に変換し、負荷の動作周波数及び作業効率を調整するように直流電気信号の力率をさらに調整することができる。
【0126】
ここで、整流素子は一般的にブリッジ構造であり、且つ各ブリッジアームは1つのダイオードを含み、いずれかのダイオードのカソードは隣接するダイオードのアノードに接続され、及びいずれかのダイオードのアノードは他の隣接するダイオードのカソードに接続される。
【0127】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、整流素子の出力端と負荷の入力端との間に設けられ、整流素子と負荷との間の交流信号をフィルタリングして除去するために用いられる容量素子Cをさらに含む。
【0128】
本願の実施例に係る駆動制御回路によれば、容量素子Cを整流素子と負荷の入力端との間に設けることにより、一方では、容量素子Cは電源投入プロセスにおけるリップル信号による負荷への衝撃を低減させるのに役立ち、他方では、容量素子Cは一般的にエネルギー貯蔵機能を備え、そのため、容量素子Cにおける負荷電位差が十分に大きい時、負荷を起動することができる。
【0129】
ここで、容量素子Cは1つ又は複数の容量であってもよく、直列接続/又は並列接続の方法で組み込まれ、例えば、容量素子Cは1つの電解容量であってもよく、フィルム容量であってもよいが、これに限定されない。
【0130】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、負荷は、直流モーター、交流モーター、ランプ管、ディスプレイ及びブザーのうちの少なくとも1つを含む。
【0131】
本願の第2の態様の実施例によれば、さらに家電機器を提供し、負荷と、上記いずれか一項の技術的手段に記載の駆動制御回路とを含み、駆動制御回路は、電力網システムACと負荷との間に組み込まれ、駆動制御回路は電力網システムACを制御して負荷に給電させるように配置される。
【0132】
本願の上記実施例に係る駆動制御回路によれば、好ましくは、家電機器は、エアコン、冷蔵庫、ファン、調理器具、照明機器、視聴覚機器及びクリーニング機器のうちの少なくとも1つを含む。
【0133】
以上は図面を参照して本願の技術的手段を詳細に説明し、関連技術における技術的問題を考慮して、本願は駆動制御回路及び家電機器を提供し、駆動制御回路にラッチングリレーが設けられ、ラッチングリレーは機械式リレーであるため、通電した後、通電し続けなくても、その機械的構造を介してラッチングすることができる。長時間に作業状態にある場合、消費電力が大幅に削減され、その作業時間が長ければ長いほど、平均消費電力が少なくなり、また、漏電やデバイス発熱による損傷のリスクを低減し、これにより上記駆動制御回路における各コンポーネントの耐用年数を延ばす。
【0134】
本願の実施例の方法におけるステップは実際の必要に応じて順序調整、合併及び削除を行うことができ、本願の実施例における部品は実際の必要に応じて合併、分割及び削除を行うことができる。上記内容は、本願の好ましい実施例にすぎず、本願を限定するためのものではなく、当業者にとって、本願において各種の変更及び変形が可能である。本願の原理及び趣旨を逸脱しない範囲でなされる変更、均等な差替え、改良などは、いずれも本願の保護範囲に含まれるものとする。