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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20240409BHJP
【FI】
A63F5/04 601C
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022012759
(22)【出願日】2022-01-31
(65)【公開番号】P2023111105
(43)【公開日】2023-08-10
【審査請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】澤田 信次
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 友浩
【審査官】金子 和孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-217505(JP,A)
【文献】特開2008-237743(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属部材と、所定部材と、アース部材と、ネジと、を備えた遊技機であって、
前記金属部材は、第1開口部と、第2開口部と、を備え、
前記所定部材は、突出部を備え、
前記アース部材は、端部に設けられた金具を備え、
前記突出部が、前記第1開口部に挿入され、
前記ネジが、前記金具の孔部と前記第2開口部とに挿入され、前記所定部材に締め付けられ、
前記突出部は、前記アース部材の回転を規制可能な位置に設けられており、
前記金具は、前記アース部材の導体部に固定された固定部を備え、
前記突出部の突出量は、前記固定部の厚さより大きい、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、遊技球(遊技価値)が移動する遊技領域や、遊技球を遊技領域に発射する発射装置等を備えた、パチンコ遊技機が知られている。パチンコ遊技機は、遊技領域に設けられた始動口を備え、始動口への遊技球の進入が検出されると、特別図柄抽選が行われる。特別図柄抽選の結果が大当たりである場合、遊技状態が特別遊技状態に移行し、特別遊技状態において複数回の特別遊技が実行される。各特別遊技では遊技領域に設けられている大入賞口が開状態に動作し、大入賞口への遊技球の進入に基づいて遊技球が払い出される。
【0003】
また、遊技機として、外周面に複数の図柄が配列された複数のリール、スタートレバーおよびストップボタン等を備えた、スロットマシンが知られている。スロットマシンでは、遊技開始操作に基づきリールの回転が開始するとともに、抽選テーブルを用いた内部抽選が行われる。各リールが停止したときに内部抽選に当選した当選役に対応する図柄組合せが表示され、当選役が入賞となると、入賞した当選役に対応する処理として、例えば、メダル(遊技価値)を払い出すメダル払出処理や、メダルを新たに消費することなく再度の遊技を可能とする再遊技処理等が行われる。
【0004】
このような遊技機には、静電気を逃がすためのアース線が設けられたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-86176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、遊技機では、部品の破損を抑制することが求められている。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、部品の破損が抑制された遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明に係る遊技機は、
金属部材と、所定部材と、アース部材と、固定部材と、を備えた遊技機であって、
前記金属部材は、第1開口部と、第2開口部と、を備え、
前記所定部材は、突出部を備え、
前記アース部材は、端部に設けられた金具を備え、
前記突出部が、前記第1開口部に挿入され、
前記固定部材が、前記金具の孔部と前記第2開口部とに挿入され、前記所定部材に締め付けられ、
前記突出部は、前記アース部材の回転を規制可能な位置に設けられている。
【0009】
前記突出部により前記アース部材の回転が規制されるようになっている。このため、前記アース部材の固定位置のばらつき(前記アース部材の移動)を抑えることができる。これにより、他部品と接触する等により前記アース部材が破損するのを抑制できる。
また、前記第1開口部に挿入される前記突出部は、前記金属部材を仮固定する機能と、前記アース部材の回転を規制する機能と、を有している。このため、各機能を実現するための突出部を別々に設けた場合に比べて、部品形状を簡易化することができる。これにより、設計効率を向上させ、製造を容易とすることができ、部品コストを低減できる。また、他部品の配置等に使用可能なスペースを増やすことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、部品の破損を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、正面側から見た斜視図である。
図2】同、筐体内部の構成を示す斜視図である。
図3】同、支持部材とそれに取り付けられている部品を示す、正面側から見た斜視図である。
図4】同、リールユニットを正面側から見た斜視図である。
図5】同、リールユニットの取り付けについて説明するための分解斜視図である。
図6】同、板金部材の取り付けについて説明するための図である。
図7】同、板金部材が支持部材に仮固定されている状態を示す図である。
図8】同、アース線の一端側について説明するための図である。
図9】同、アース線と板金とが支持部材に共締めされている状態を示す図である。
図10】同、アース線と突起部との関係について説明するための概略断面図である。
図11】同、前扉を背面側から見た場合における右上部を示す図である。
図12】本発明の第2の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その斜視図である。
図13】同、遊技盤を正面側から見た図である。
図14】同、遊技機を背面側から見た場合における左下部を示す図である。
図15】同、図14に示すP部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下では遊技機の1つであるスロットマシンについて説明するが、本発明に係る遊技機は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機やメダルレス遊技機等の遊技機であってもよい。
また、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各構成の自由な組み合わせ、あるいは各構成の任意の変形、もしくは各構成の省略が可能である。
【0013】
図1は、スロットマシンXを示す斜視図である。また、図2は、スロットマシンXの筐体1の内部を示す斜視図である。このスロットマシンXは、筐体(遊技機筐体)1を備えている。また、筐体1は、天板2、背板3、底板4および左右の側板5,6を備え、当該筐体1の前面側に開口する前面開口部を有する箱形に形成されている。なお、背板3は、天板2、底板4および左右の側板5,6よりも板厚が薄くなっていてもよい。
【0014】
以下では、天板2の下面、背板3の前面、底板4の上面、左側の側板5の右面および右側の側板6の左面、すなわち天板2、背板3、底板4、側板5または側板6における筐体1の内側を向く板面を「内面」と呼ぶことがある。また、天板2の上面、背板3の背面、底板4の下面、左側の側板5の左面および右側の側板6の右面、すなわち天板2、背板3、底板4、側板5または側板6における筐体1の外側を向く板面を「外面」と呼ぶことがある。筐体1は、木製、合成樹脂製、または金属製等となっている。また、筐体1の材料は1種類に限らず、例えば一部(天板2)が木製であり、その他(背板3、底板4および左右の側板5,6)が樹脂製となっていてもよい。また、例えば天板2が2種類の材料(樹脂と金属)で構成されていてもよい。
【0015】
筐体1の正面側には、筐体1の前面開口部を開閉可能に閉塞する前扉20が設けられている。前扉20は、筐体1にヒンジ29を介して回動可能に連結されており、筐体1の開口部を開閉するようになっている。なお、前扉20は、上側部分と下側部分とで分かれている等、複数の扉に分かれているものであってもよい。また、スロットマシンXは、遊技場における機種の交換時に筐体1、前扉20の下側部分および筐体1内の電源ユニット10やホッパーユニット11等が遊技場の島設備に取り付けられたままで、前扉20の上側部分およびリールユニット14等が交換可能な、いわゆる分離型筐体タイプのものであってもよい。前扉20が、上扉と下扉とに分割されている場合、上扉および下扉はそれぞれ筐体1に対して開閉自在となっている。上扉は、ヒンジ29を介して回動可能に連結され、筐体1の開口上部を開閉するようになっている。また、下扉は、ヒンジ29を介して回動可能に連結され、筐体1の開口下部を開閉するようになっている。
【0016】
前扉20の上部側には、平板状のパネル21が設けられている。パネル21の背面には演出装置としての表示装置(表示手段、液晶ディスプレイ)が設けられている。液晶ディスプレイには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(演出画像)が表示される。また、前扉20の中央部には、透明な表示窓(窓部)22が設けられている。
【0017】
表示窓22の奥には、3個のリール15a~15c(図2参照)が横一列に設けられている。そして、表示窓22を介してリール15a~15cの一部が視認可能となっている。各リール15a~15cの外周面には、複数種類の図柄が周方向に沿って一列に配列されており、リール15a~15cが停止すると、表示窓22を介して1リール当たり3個の連続する図柄(上段図柄、中段図柄および下段図柄)が表示される。また、表示窓22には、リール15a~15cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、リール15a~15cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。本実施形態の遊技機では、第1リール15aの中段と、第2リール15bの中段と、第3リール15cの中段と、によって有効ラインが構成されている。また、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が「3」に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化されるようになっている。3個のリール15a~15cが停止したときに、表示窓22を介して表示される図柄の組み合わせによって当選役が入賞したか否かが表示される。スロットマシンXでは、遊技開始に伴ってリール15a~15cが回転を開始するとともに、内部抽選が実行され、当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。そして、リール15a~15cが停止したときに、当選役抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0018】
前扉20には、演出(報知)等を行う演出装置としての照明装置(照明手段)24,25、スピーカ(音出力手段)等が設けられている。照明装置24は、前扉20のパネル21の上部側に設けられている。また、照明装置25,25は、前扉20の左右両端部に設けられている。これらの照明装置24,25を含む、発光性または非発光性の立体的形状を有する装飾部材26が前扉20の所定部分に設けられ、遊技機の前面側の外形は凹凸を有するものとなっている。すなわち装飾部材26によって、遊技機が装飾されている。
【0019】
スピーカ(図示せず)は、前扉20に複数設けられ、例えば上部および下部に設けられている。スピーカは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種演出用の音(音楽、BGM、効果音、音声等)を出力する。なお、演出装置として、液晶ディスプレイ、照明装置24,25およびスピーカの他に、アクチュエータ等で動作可能な可動役物等が設けられていてもよい。
【0020】
前扉20の上下方向中央部には、スロットマシンXを操作するための操作部30が設けられている。この操作部30には、メダル(遊技媒体、遊技価値)を精算する際に操作される精算ボタン60、遊技を開始させる際に操作されるスタートレバー32、3個のリール15a~15cそれぞれの回転を停止させる際に操作されるストップボタン33(3個のストップボタン33a,33b,33c)、メダルを投入するためのメダル投入口34、メダル投入口34の下方で発生したメダル詰まりを解消する際に操作されるリジェクトボタン70、クレジットされたメダルをベット(投資)する際に操作される(最大の賭数を設定する際に操作される)MAXベットボタン35(ベットボタン)等が設けられている。
なお、ベットボタンとして、3枚(規定枚数)のメダルをベットする際に操作されるMAXベットボタン35(第1ベットボタン)の他に、1枚のメダルをベットする際に操作される1ベットボタン(第2ベットボタン)が設けられていてもよい。
また、前扉20には、演出を進行させる(演出の態様を変化させる)際等に操作される演出ボタン36が設けられている。
【0021】
また、前扉20の下部には、スロットマシン内部よりメダルを排出するためのメダル払出口50と、メダル払出口50から排出されたメダルを溜めておくための受皿38と、が設けられている。また、操作部30と受皿38との間には遊技機の外観を装飾するための下パネル39が設けられている。この下パネル39の背面側には、照明用の光源(LED)が設けられており、この光源からの光によって下パネル39が背後から照らされるようになっている。なお、下パネル39は、押し込み可能に形成され、演出ボタンと同等の機能を有する演出操作部となっていてもよい。
【0022】
図2に示すように、筐体1の内部には、リールユニット14等が設けられている。リールユニット14は、周囲に複数の図柄を表示した3個のリール15a,15b,15cや、リール15a~15cを回転させるための駆動モータ(ステッピングモータ)等を備えている。なお、各リールは、各ステッピングモータの出力軸に固定されている。
【0023】
また、底板4の上面には、各部品に電力を供給する電源ユニット(電源手段)10、メダルを貯蔵するとともにメダルを払い出す払い出し装置としてのホッパーユニット(払出手段)11(メダル払出装置11)、メダル払出装置11に貯蔵されたメダルが一定量に達した際に余剰メダルが送り出されるキャッシュボックス12等が設けられている。なお、筐体1の内部(内側)に電源ユニット10等の部品が配置されたものを、裏箱ユニットと称してもよい。電源ユニット10は、電源スイッチを備えており、電源スイッチがON状態になると、電源ユニット10から各部品に電力が供給されるようになっている。なお、一部の部品には、電源ユニット10がOFF状態でも電力が供給されるようになっていてもよい。
【0024】
前扉20には、ドアキーシリンダ66が設けられており、ドアキーシリンダ66にドアキーを挿入して前扉20を解錠することができるようになっている。具体的には、ドアキーシリンダ66に挿入されたドアキーを初期位置から時計回りに回転させる(捻る)ことにより、前扉20の解錠が行えるようになっている。また、ドアキーシリンダ66に挿入されたドアキーを初期位置から反時計回りに回転させる(捻る)ことにより、エラーの解除操作が行えるようになっている。
【0025】
また、操作部30には、遊技の演出等を選択する際に操作される操作盤57や、遊技情報が表示される表示ユニット58等が設けられている。操作盤57は操作部30の幅方向(左右方向)の略中央部に設けられており、表示ユニット58は、メダル投入口34の右側に設けられている。なお、操作盤57は、例えば、十字キー、決定ボタンおよびキャンセルボタン等を備えている。
【0026】
本実施形態では、メダル投入口34にメダルが投入されると、規定枚数(規定投入数)を限度として、投入されたメダルが投入状態(ベット状態)に設定される。また、本実施形態では、最大で50枚分のメダルをクレジット記憶(貯留記憶)することが可能となっており、遊技機にメダルがクレジット記憶された状態でMAXベットボタン35が操作されると、規定枚数を限度して、クレジット記憶されたメダルが投入状態に設定される。
【0027】
スロットマシンXでは、メダル投入口34を介してメダルが投入され、またはMAXベットボタン35が操作されて規定枚数のメダルがベットされると、スタートレバー32の操作が有効化され、遊技を開始することが可能な状態となる。また、有効化されたスタートレバー32が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リールが回転を開始し、各リールの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン33の操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン33が操作されると、操作されたストップボタン33に対応するリールの回転が停止する。すべてのリールが停止すると、遊技の結果に応じてメダルを払い出す処理やメダルを新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理等が行なわれ、1回の遊技が終了する。
【0028】
スロットマシンXの内部には、主制御基板(主制御手段)と、副制御基板(副制御手段)と、が設けられている。副制御基板は、前扉20の背面側に設けられていてもよい。主制御基板は、MAXベットボタン35、スタートレバー32、ストップボタン33等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種演算を行い、演算結果に基づいてリールユニットや、ホッパーユニット等の出力手段の制御を行う。また、副制御基板は、主制御基板から送られてくる信号(情報)を受けて、演出を実行するための各種演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイおよびスピーカ等の各種演出装置の制御を行う。
【0029】
また、主制御基板と副制御基板とは電気的に接続されており、主制御基板から副制御基板へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、副制御基板から主制御基板へは情報を送信できないようになっている。また、主制御基板や副制御基板等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0030】
主制御基板には、設定変更キーシリンダ(図示せず)や設定変更ボタン(図示せず)等が設けられている。なお、設定変更キーシリンダや設定変更ボタンは、例えば、電源ユニット10に設けられていてもよい。
【0031】
筐体1の内部には樹脂製の支持部材(中板)110(図3)が設けられている。支持部材110は、各種部品を支持可能(取付可能)に形成されている。図3は、リールユニット14などに部品が支持部材110(所定部材)に固定(支持)されている状態を示している。
【0032】
図4は、リールユニット14を示す図であり、図5は、リールユニット14(ケース部材14a)の取り付けについて説明するための分解斜視図である。図4および図5に示すように、リールユニット14は、各リールを内側に収容可能に形成された樹脂製のケース部材14aを備えている。図4に示すようにケース部材14aにおける上側(上縁部)と下側(下縁部)とには、取付穴14bが2箇所ずつ形成されている。リールユニット14は、取付穴14b(合計4箇所)を用いてねじ締めされ、支持部材110に固定される。その際、図5に示すように、リールユニット14は、金属製の板金部材120を介して支持部材110に固定されるようになっている。板金部材120(第1板金部材130および第2板金部材140)は、支持部材110にねじ締め(固定)される部品であり、ケース部材14aは、その板金部材120にねじ締めされるようになっている。板金部材120は、左右に長尺に形成されており、断面が略L字状(略コ字状)となっている。板金部材120は、補強用として設けられており、第1板金部材130と第2板金部材140とが平行(略平行)に配置された状態が保たれるため、リールユニット14が傾いた姿勢となることが抑制されている(リールユニット14の水平な設置が実現されている)。
【0033】
図6は、第1板金部材130および支持部材110の一部(下部側)を示す図である。第1板金部材(金属部材)130には、上記の取付穴14bに対応する位置に取付穴131(リールユニット14の取り付けに用いられる取付穴131)が設けられている。また、第1板金部材130には、第1板金部材130を支持部材110に取り付けるのに用いられる開口B(ネジ穴、ネジ固定用の穴)(開口部B:第2開口部)が設けられている。開口Bは、第1板金部材130における長手方向の一端側と他端側とにそれぞれ1箇所ずつ設けられている。開口Bは、円形の穴(孔)となっている。
【0034】
支持部材110の下端部における左右両側には、上記の開口Bに対応する位置に取付穴112(ネジ穴)が設けられている。また、支持部材110の下端部における左右両側には、前方側に向かって所定の長さ突出する円柱状の突起部111(突出部)(凸部)が設けられている。
【0035】
第1板金部材130には、支持部材110の突起部111に対応する位置に、突起部111を挿通(貫通)可能に形成された開口A(仮固定用の穴)(開口部A:第1開口部)が設けられている。開口Aは、第1板金部材130の長手方向における一端側と他端側とにそれぞれ1箇所ずつ設けられている。開口Aと開口Bとは、左右方向における位置が異なっており、開口Aは、開口Bよりも外側(左右方向外側)に設けられている。また、開口Aと開口Bとは、上下方向における位置が異なっており、開口Aは、開口Bよりも上側に設けられている。一対の開口Aの間隔(左右方向の間隔)は、一対の開口Bの間隔(左右方向の間隔)よりも大きくなっている。また、一対の開口Aの間隔(左右方向の間隔)と、一対の突起部111の間隔(左右方向の間隔)とは同等となっている。
【0036】
図7は、支持部材110の突起部111を、第1板金部材130の開口Aに挿通させた状態を示している。この状態は第1板金部材130が支持部材110に仮固定された状態であり、作業者が手を離しても第1板金部材130が下方に落下しない。このため、作業者は開口Bを用いてのねじ締め作業を容易に行うことができる(作業効率が向上する)。なお、突起部111の先端には面取りが施されており、突起部111を開口Aに挿入させやすくなっている。
【0037】
本実施形態では、一対の開口Aの間隔(左右方向)は、一対の開口Bの間隔(左右方向)よりも大きく、かつ開口A(突起部111の直径)が、開口Bよりも大きくなっている。このため、突起部111を開口Bに挿入させることが困難となっている。したがって、突起部111を間違えて開口Bに挿入し、作業のやり直しが発生するのを防止できる。
【0038】
図6に示すように、開口Aのうち、左側(一方)の開口Aは円形(正円)の穴(孔)となっているが、右側(他方)の開口Aは長穴(長孔)となっている。支持部材110は樹脂製であるため、成形時の収縮等により突起部111の間隔にばらつき(寸法誤差)が生じるが、他方の開口Aを長穴とすることで、突起部111の間隔(寸法)のずれ(ばらつき)を吸収できるようになっている。換言すると、突起部111の間隔がばらついた場合であっても、突起部111を開口Aに挿入し、第1板金部材130を支持部材110に仮固定(組み付け)できるようになっている。
【0039】
図8は、アース線(アース部材)150の一端側を示す図である。アース線150の一端側には、金属製の端子具160(丸形の圧着端子)(金具)が設けられている。アース線150は、銅線等の導体部151と、導体部151を被覆する絶縁性の被覆部152とを備えており、一端側(先端側)において導体部151が所定の長さ露出している(むき出しの状態となっている)。端子具160は、当該露出した導体部151と、被覆部152の一部(端部)とに固定(圧着固定)されている(かしめられている)。換言すると、端子具160は、当該露出した導体部151と、被覆部152の一部と、を挟み込む(くわえ込む)ようにして取り付けられている。端子具160における当該固定部分を固定部161とする。固定部161を、ハーネスとの接続部(連結部)と称してもよい。また、固定部161のうち、導体部151を圧着する部分を導体圧着部とし、被覆部152を圧着する部分を被覆圧着部としてもよい。また、端子具160は、板状に形成され、かつ、ネジを挿通可能な大きさの穴(孔部162a)を有する環状部162を備えている。
【0040】
なお、図示を省略するが、アース線150の他端側も上記の一端側と同様に構成されていてもよい。
【0041】
本実施形態では、開口Bを用いて第1板金部材130を支持部材110(ネジ穴112)にねじ締め固定する際に、図9に示すように、第1板金部材130とアース線150(の端子具160)とが、共締めされるようになっている。アース線150の端子具160は、ネジと第1板金部材130との間に挟まれ、第1板金部材130と接触した状態で固定される。固定部材としてのネジは、アース線150の端子具160の孔部162aと、第1板金部材130の開口Bとに挿入され、支持部材110(ネジ穴112)に締め付けられている。
【0042】
リールユニット14は、回転と停止とを繰り返すリールを備えており、摩擦などによって発生した静電気が比較的帯電しやすくなっている。支持部材110に取り付けられた状態においてリールユニット14と第1板金部材130とは接触し(電気伝導可能となっており)、第1板金部材130と接触するアース線150は、リールユニット14を接地する(電流をグラウンドに逃がす)機能を果たしている。本実施形態では、リールユニット14(第1板金部材130)の左右両側にアース線150が設けられている。当該左右両側とは、前扉20の回転軸側と、当該回転軸側とは反対側(前扉20のロック機構が設けられている側)との両方である。このように左右両側にアース線150を設けることで、ノイズに対する対策を強化することができる。
【0043】
図示を省略するが、一方の(左側の)アース線150の他端側(端子具)は、筐体1の左側面(手前側)に設けられている金属製の部品(例えば回転軸機構を構成する部品)に固定されている。また、当該部品は、筐体1(底部)の板金(金属製部品)と接触(接続)しており(電気伝導可能となっており)、当該板金がグラウンドに接続されている。
また、他方の(右側の)アース線150の他端側(端子具)は、筐体1の右側面(手前側)に設けられている金属製の部品(例えばロック機構を構成する部品)に固定されている。また、当該部品は、筐体1(底部)の板金(金属製部品)と接触(接続)しており(電気伝導可能となっており)、当該板金がグラウンドに接続されている。
【0044】
本実施形態では、開口Bを用いて第1板金部材130およびアース線150をねじ締めする際に電動ドライバが用いられる。このとき、ネジと接触するアース線150(端子具160)に、時計回り方向に回転させる力が加えられる。仮にアース線150の固定位置(回転方向における)がばらつくと、アース線150の経路(配回し)のばらつきも大きいものとなり、アース線150が他部品と接触するおそれがある。また、アース線150は、所定の固定位置を基準とし、その長さが決定(設定)されているため、アース線150の固定位置がばらつくと、長さが不足してアース線150に負荷(力)がかかるという問題や、長さが余ってしまい他部品と接触するという問題などが生じる。つまり、アース線150が破損するという問題が生じ得る。このため、アース線150の固定位置を可能な限り一定にしたいという事情がある。
【0045】
本実施形態では、突起部111がアース線150(ハーネス)の回転(時計回り方向の回転)を規制可能な位置に設けられている。換言すると、突起部111が、アース線150の回転(回転範囲)を規制可能となっている。具体的には、突起部111は、アース線150の端子具160と接触可能な位置に設けられている。換言すると、突起部111は、アース線150における金属部分(比較的固い部分)(被覆部ではない部分)と接触可能な位置に設けられている。
【0046】
ねじ締め時にアース線150が時計回り方向に回転した場合に、アース線150の端子具160が突起部111と接触して当該回転が規制される(当該回転が停止する)。このため、アース線150の固定位置(取付姿勢)がばらつくのを抑えることができる。換言すると、アース線150の固定位置(向き)を一定(略一定)の位置とすることができる。これにより、アース線150の経路(配回し)のばらつきを抑えることができる。また、アース線150の長さが不足し、アース線150に負荷がかかるのを抑制できる。また、アース線150の長さが余り、アース線150が他部品と接触するのを抑制できる。したがって、アース線150が破損するのを抑制できる。
【0047】
図6に示すように、開口Aは、開口Bの近傍に形成されている。開口Aと開口Bとの位置関係(寸法)は、突起部111とアース線150の端子具160とが接触可能な位置関係となっていることが好ましい。換言すると、突起部111は、アース線150の端子具160と接触可能な範囲内(位置)に設けられていることが好ましい。開口Aの中心と開口Bの中心との距離は、例えば約30mmであることが好ましく、約20mmであることがより好ましい。
【0048】
突起部111は、2つの機能として、第1板金部材130を仮固定するための(位置決めするための)機能と、アース線150の回転を規制する機能と、を有している。このため、アース線150の回転を規制するための突起を、例えば第1板金部材130に専用に設ける必要がない。これにより、部品形状を簡易化することができる。
【0049】
突起部111の突出量は、アース線150の回転を規制することが可能な突出量となっている。図10に示すように、突起部111の第1板金部材130からの突出量をαとする。また、ねじ締め固定されているアース線150における端子具160の固定部161の厚さをβとする。本実施形態では、αがβよりも大きくなっている。このため、端子具160が突起部111に接触し、端子具160が突起部111を乗り越えて移動することは困難となっている。
【0050】
また、突起部111とネジの頭部とでは、突起部111の方が、突出量が大きくなっている。突起部111の高さは、第1板金部材130の厚さと、端子具160の環状部162の厚さと、ネジの頭部の高さ(厚さ)と、を合計した寸法よりも大きくなっている。
なお、突起部111の方が、ネジの頭部よりも突出量が小さくなっていてもよい。突起部111は突出量が大きいほど強度が低下し破損しやすくなるため、突出量が小さい場合には当該破損の可能性を低減できる。
【0051】
本実施形態では、リールユニット14の電気を逃がすために設けられたアース線150について説明したが、アース線150は、リールユニット14以外にも、遊技機内部の所定の部品の電気を逃がすために設けられている。本実施形態に係る発明は、遊技機内部の所定の部品に接続されるアース線150の回転規制に適用可能である。
【0052】
図11を用いてその一例を説明する。図11は、前扉20を背面側から見た場合における右上隅部(回転軸側)を示している。前扉20の背面側の外周側には、板金部材220が設けられている。この板金部材220は、所定の部品を取り付け可能(支持可能)とする機能や、前扉20を補強する機能などを果たしている。板金部材220には、開口Aと開口Bとが設けられている。開口Aは長穴となっていて、開口Bは円形の穴となっている。また、前扉20の背面側に設けられている所定部材210には、後方側に向かって所定の長さ突出する円柱状の突起部211が設けられている。
【0053】
突起部211が開口Aに挿入されて板金部材220が仮固定され、ネジが、アース線150の端子具160の孔部と、板金部材220の開口Bとに挿入されて所定部材210に締め付けられている。これにより、アース線150と板金部材220とが所定部材210に共締めされている。
【0054】
突起部211は、アース線150の回転を規制可能な位置(端子具160と接触可能な位置)に設けられている。本例では、固定された状態のアース線150が(反時計回りに)回転して、アース線150が前扉20の外周側に向かって移動するのが防止されている。仮に、アース線150が固定部(ネジ部)を中心として反時計回りに回転し、前扉20の外周側に移動して(飛び出して)、前扉20を閉じた際に前扉20と筐体1とが当接(接触)する部分にまで入り込んだ場合、前扉20を閉じた際にアース線150が挟み込まれて、アース線150が断線するなどのおそれがある。本例では、突起部211がアース線150の回転を規制可能な位置に設けられているため、そのような問題が生じるのを抑制できる。なお、図11に示す例では、突起部211の方が、ネジの頭部よりも突出量が小さくなっている
【0055】
本実施形態の遊技機は、
金属部材(130)と、所定部材(110)と、アース部材(150)と、固定部材(ネジ)と、を備えた遊技機であって、
前記金属部材は、第1開口部(A)と、第2開口部(B)と、を備え、
前記所定部材は、突出部(111)を備え、
前記アース部材は、端部に設けられた金具(160)を備え、
前記突出部が、前記第1開口部に挿入され、
前記固定部材が、前記金具の孔部と前記第2開口部とに挿入され、前記所定部材に締め付けられ、
前記突出部は、前記アース部材の回転を規制可能な位置に設けられている。
【0056】
前記突出部により前記アース部材の回転が規制されるようになっている。このため、前記アース部材の固定位置のばらつき(前記アース部材の移動)を抑えることができる。これにより、他部品と接触する等により前記アース部材が破損するのを抑制できる。
また、前記第1開口部に挿入される前記突出部は、前記金属部材を仮固定する機能と、前記アース部材の回転を規制する機能と、を有している。このため、各機能を実現するための突出部を別々に設けた場合に比べて、部品形状を簡易化することができる。これにより、設計効率を向上させ、製造を容易とすることができ、部品コストを低減できる。また、他部品の配置等に使用可能なスペースを増やすことができる。
【0057】
また、本実施形態の遊技機は、
前扉(20)と、前記前扉の背面側に設けられた、金属部材(220)と、所定部材(210)と、アース部材(150)と、固定部材(ネジ)と、を備えた遊技機であって、
前記金属部材は、第1開口部(A)と、第2開口部(B)と、を備え、
前記所定部材は、突出部(211)を備え、
前記アース部材は、端部に設けられた金具(160)を備え、
前記突出部が、前記第1開口部に挿入され、
前記固定部材が、前記金具の孔部と前記第2開口部とに挿入され、前記所定部材に締め付けられ、
前記突出部は、前記アース部材の回転を規制可能な位置に設けられている。
【0058】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では遊技機の一つであるパチンコ遊技機について説明するが、その他の遊技機であってもよい。図12は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の外観構成を示す斜視図である。本実施形態の遊技機は、遊技場から貸し出された遊技球(遊技価値)を用いて遊技を行うものである。パチンコ遊技機1は、遊技機の外側面を形成する縦長の矩形枠状の外枠2と、左側(左端側)を軸とし、外枠2に対してヒンジ部により開閉自在(開閉可能)に支持された開閉部材80(遊技機本体81および前扉82)を備えている。開閉部材80は、遊技機本体81(内枠)と前扉82とを備えている。遊技機本体81(内枠)は、本体枠と、遊技球が移動する遊技領域4を形成する遊技盤6と、を備えている。前扉82は、前枠10と、遊技盤6を遊技者が視認可能かつ接触不可能にするガラスユニット8(透明板8)と、を備えている。
【0059】
前扉82におけるガラスユニット8を取り囲む部分は、光を透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の前枠ランプ(照明装置)12が設けられている。また、前扉82の上部の左右および下部の左右には、遊技を盛り上げるための演出音などを出力するスピーカ14が設けられている。
【0060】
また、前扉82の下部中央には、遊技球を貯留するための上皿16が設けられており、上皿16の内側側面の左部には、遊技機から遊技者に遊技球を払い出すための払出口18が設けられている。また、遊技機の下部右側には、グリップユニット(ハンドル)20が設けられており、遊技者がグリップユニット20を遊技機に向かって右回りに回転させる操作を行うと、遊技機の内部に設けられた図示しない発射装置が作動して、遊技領域4内に遊技球が発射されるようになっている。なお、本実施の形態の発射装置は、1分間に99個(1秒間に1.65個)の遊技球を発射することができる。
【0061】
上皿16の内側側面の右部には、上皿16から遊技球を発射装置に供給するための供給口22が設けられている。また、上皿16の下方には、上皿16に遊技球を貯留しきれなくなった場合に余剰の遊技球を貯留しておく下皿24が設けられている。
【0062】
上皿16の縁部の手前側には、演出操作装置(演出ボタン)26が設けられており、遊技者が演出操作装置26を操作すると、遊技機で行われる演出が変化する。本実施形態では、演出操作装置26は、押しボタンおよびロータリースイッチ(ジョグダイヤル)を有しており、演出操作装置26を押下する操作と、演出操作装置26を回転させる操作と、を行うことができるようになっている。
【0063】
図13は、遊技盤6の外観構成を示す正面図である。遊技盤6には、円形状に外レール28が設けられており、外レール28に囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域4となっている。また、遊技領域4の左端部には、外レール28に沿うように円弧状に内レール30が設けられており、外レール28と内レール30は、遊技盤6の下方に設けられた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に誘導する。
【0064】
遊技盤6の中央部には、遊技を盛り上げるための演出画像等を表示する液晶ディスプレイ32と、液晶ディスプレイ32を取り囲むように形成されたディスプレイ枠34を備える演出ユニット36が設けられている。
【0065】
本実施の形態では、液晶ディスプレイ32の手前側を遊技球が通過できないようになっており、発射装置から発射された遊技球は、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4か右側の遊技領域4を落下するようになっている。そして遊技領域4には、遊技盤6の表面に交差するように図示しない多数の遊技釘が打ち付けられており、遊技領域4を移動する遊技球の移動方向がランダムに変化するようになっている。
【0066】
ディスプレイ枠34の左部には、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4を落下する遊技球が通過できる開口40が形成されており、この開口40を通過した遊技球はディスプレイ枠34に設けられている通路42を通過して、液晶ディスプレイ32の下方に設けられたステージ44に落下するようになっている。このステージ44の上面は滑らかな曲面となっているとともに、ステージ44とガラスユニット8との間に遊技球がステージ44から下方に落下できる隙間が形成されており、通路42からステージ44上に落下した遊技球がステージ44上を左右に往復移動した後にステージ44の中央部付近から下方に落下するようになっている。
【0067】
ステージ44の中央部の下方には、第1始動入賞口46が設けられている。また、液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4には、通過ゲート48が設けられている。また、通過ゲート48の下方に、第2始動入賞口50が設けられている。この第2始動入賞口50には、第2始動入賞口50に遊技球が進入しにくい縮小状態(進入を補助しない状態・非補助状態)と遊技球が進入しやすい拡大状態(進入を補助する状態・補助状態)との間で動作可能な補助部材を備える普通役物52が設けられている。
【0068】
液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4には、第2始動入賞口50の下方に大入賞口54が設けられている。この大入賞口54には、大入賞口54を塞ぐ可動部材を備える特別役物56が設けられている。特別役物56は、大入賞口54に遊技球が進入不可能な閉状態と、大入賞口54に遊技球が進入可能な開状態との間で動作可能に構成されている(図8は閉状態を示している)。特別役物56は、大当たりが当選すると開始される特別遊技状態において、所定条件下で開状態となるように制御される。
【0069】
大入賞口54の下方には、大入賞通路58が下方に向かって設けられている。大入賞通路58の下端には、通常進入口62が設けられている。また、大入賞通路58の下方には、大入賞通路58の途中から下方に向かって分岐するように特定通路65が設けられている。この特定通路65には、特定通路65を塞ぐ可動部材を備える特定役物66が設けられている。特定役物66は、特定通路65に遊技球が進入不可能な閉状態と、特定通路65に遊技球が進入可能な開状態との間で動作可能に構成されている(図13は閉状態を示している)。特定役物66は、特別遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。特定通路65の下端には、特定進入口68が設けられている。また、遊技領域4の最下部には、いずれの入賞口にも進入せずに遊技領域4を落下した遊技球を遊技機の内部に回収するアウト口69が設けられている。
【0070】
遊技球の発射装置は、グリップユニット20(図12)の回転量を調整することにより遊技球の射出力が変化するように構成されており、グリップユニット20の回転量が少ない場合には液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射され、グリップユニット20の回転量が多い場合には液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射される。
【0071】
遊技者は、遊技状況に応じてグリップユニット20の回転量を調整し、遊技球が左側の遊技領域4を落下して、あるいは開口40と通路42とステージ44を通過して第1始動入賞口46に進入するように遊技球を発射させたり(左打ち)、遊技球が右側の遊技領域4を落下して、通過ゲート48を遊技球が通過するように、あるいは第2始動入賞口50に遊技球が進入するように、あるいは大入賞口54に遊技球が進入するように遊技球を発射させたりする(右打ち)。
【0072】
遊技盤6の右下部であって、遊技領域4の外側には、遊技機の各種状態をランプ等の点灯および消灯により示す状態表示部70が設けられている。本実施形態の遊技機は、主制御基板および副制御基板を含む制御基板によって制御される。そして、主制御基板や副制御基板等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。主制御基板や副制御基板は、遊技機本体81(内枠)に設けられている。
【0073】
主制御基板(主制御手段)は、入力手段(第1始動入賞口センサ、通過ゲートセンサ、第2始動入賞口センサ、大入賞口センサ、通常進入口センサ、特定通路センサ、払出センサ等)からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、出力手段(状態表示駆動装置、普通役物駆動装置、特別役物駆動装置、特定役物駆動装置、払出装置等)の動作制御を行う。
【0074】
副制御基板(副制御手段)は、主制御基板から送られてくるコマンドや、演出操作装置26に対する操作を検出する演出操作センサからの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、演出装置(演出表示装置、音響装置、演出物駆動装置等)の動作制御を行う。
【0075】
図14は、パチンコ遊技機1を背面側(裏側)から見た場合における左下隅部を示す図であり、図15は、図14に示すP部の拡大図である。図15に示すように、遊技機本体81(内枠)の背面側における外周側(左下部)には、板金部材320が設けられている。この板金部材320は、所定の部品を取り付け可能(支持可能)とする機能などを果たしている。また、板金部材320には、開口Aと開口Bとが設けられている。開口Aは長穴となっていて、開口Bは円形の穴となっている。
【0076】
また、内枠には所定部材310(ベース部材)が設けられており、所定部材310には、後方側に向かって所定の長さ突出する円柱状の突起部311が設けられている。
【0077】
突起部311が開口Aに挿入されて板金部材320が仮固定され、ネジが、アース線150の端子具160の孔部と、板金部材320の開口Bとに挿入されて所定部材310に締め付けられている。これにより、アース線150と板金部材320とが所定部材310に共締めされている。なお、本実施形態では、突起部311の方が、ネジの頭部よりも突出量が小さくなっている。
【0078】
突起部311は、アース線150の回転を規制可能な位置(端子具160と接触可能な位置)に設けられている。ねじ締め時にアース線150(端子具160)が時計回り方向に回転した場合に、アース線150の端子具160が突起部311と接触して当該回転が規制される(当該回転が停止する)。また、ねじ締め後に、アース線150が突起部311よりも内側に移動するのが防止される。このため、アース線150の固定位置(取付姿勢)がばらつくのを抑えることができる。換言すると、アース線150の固定位置(向き)を一定(略一定)の位置とすることができる。これにより、アース線150の経路(配回し)のばらつきを抑えることができる。また、アース線150の長さが不足し、アース線150に負荷がかかるのを抑制できる。また、アース線150の長さが余り、アース線150が他部品と接触するのを抑制できる。したがって、アース線150が破損するのを抑制できる。
【0079】
本実施形態の遊技機は、
外枠(2)と、前記外枠に対して開閉可能に設けられた内枠(81)と、を備えた遊技機であって、
前記内枠は、金属部材(320)と、所定部材(310)と、アース部材(150)と、固定部材(ネジ)と、を備え、
前記金属部材は、第1開口部(A)と、第2開口部(B)と、を備え、
前記所定部材は、突出部(311)を備え、
前記アース部材は、端部に設けられた金具(160)を備え、
前記突出部が、前記第1開口部に挿入され、
前記固定部材が、前記金具の孔部と前記第2開口部とに挿入され、前記所定部材に締め付けられ、
前記突出部は、前記アース部材の回転を規制可能な位置に設けられている。
【0080】
前記突出部により前記アース部材の回転が規制されるようになっている。このため、前記アース部材の固定位置のばらつき(前記アース部材の移動)を抑えることができる。これにより、他部品と接触する等により前記アース部材が破損するのを抑制できる。
また、前記第1開口に挿入される前記突出部は、前記金属部材を仮固定する機能と、前記アース部材の回転を規制する機能と、を有している。このため、各機能を実現するための突出部を別々に設けた場合に比べて、部品形状を簡易化することができる。これにより、設計効率を向上させ、製造を容易とすることができ、部品コストを低減できる。また、他部品の配置等に使用可能なスペースを増やすことができる。
【0081】
なお、本発明は、上述した各実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、任意の構成要素の変形または任意の構成要素の省略が可能である。換言すると、遊技機の構成等は上述した各実施の形態のそれに限定されない。また、本発明は、発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせが可能である。
【符号の説明】
【0082】
2 外枠
20 前扉
81 遊技機本体(内枠)
110 支持部材(所定部材)
111 突起部(突出部)
130 第1板金部材(板金部材)
150 アース線(アース部材)
160 端子具(金具)
210 所定部材
211 突起部(突出部)
220 板金部材
310 所定部材
311 突起部(突出部)
320 板金部材(金属部材)
A 第1開口部
B 第2開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15