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特許7469414情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20240409BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022147193
(22)【出願日】2022-09-15
(62)【分割の表示】P 2019230797の分割
【原出願日】2019-12-20
(65)【公開番号】P2022168305
(43)【公開日】2022-11-04
【審査請求日】2022-10-20
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 祐介
【審査官】太田 龍一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-046302(JP,A)
【文献】特開平11-053441(JP,A)
【文献】特開2015-191375(JP,A)
【文献】特開2018-120337(JP,A)
【文献】特開2016-076125(JP,A)
【文献】特開2015-225591(JP,A)
【文献】特開2017-220155(JP,A)
【文献】国際公開第2001/067319(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0106108(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが興味関心を持っているカテゴリを、当該ユーザの商取引に関連する要素に基づいて複数の象限のいずれかに分類する分類部と、
前記ユーザが興味関心を持っているカテゴリが、前記複数の象限のうち所定の象限に属する場合、前記ユーザに対して広告を配信する配信部と
を備え
前記分類部は、前記ユーザの商取引に関連する要素である平均購買回数及び購買ユーザ含有率を縦軸及び横軸とし、前記平均購買回数及び前記購買ユーザ含有率のそれぞれの全体平均を座標軸とする座標平面である象限図において、前記平均購買回数と前記購買ユーザ含有率とに基づいて前記ユーザが興味関心を持っているカテゴリを4つの象限のいずれかに分類する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記分類部は、前記ユーザが興味関心を持っているカテゴリを、前記ユーザの前記商取引に関連する要素のうち、それぞれ異なる第1の要素と第2の要素とに基づいて前記複数の象限のいずれかに分類する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1の要素と前記第2の要素とはそれぞれ、KPIツリーから得られるKPIである
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1の要素は、購買ユーザ一人あたりの購買回数を示す平均購買回数であり、
前記第2の要素は、登録ユーザ全体に占める購買ユーザの割合を示す購買ユーザ含有率である
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1の要素は、コンバージョン数であり、
前記第2の要素は、コンバージョン率である
ことを特徴とする請求項2~4のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記配信部は、前記ユーザが興味関心を持っているカテゴリが、前記第1の要素の全体平均以上であり、かつ前記第2の要素の全体平均以上である第一象限に属する場合、前記第1の要素および前記第2の要素をそれぞれ上昇させるための広告を配信する
ことを特徴とする請求項2~5のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記配信部は、前記ユーザが興味関心を持っているカテゴリが、前記第1の要素の全体平均以上であり、かつ前記第2の要素の全体平均未満である第二象限に属する場合、前記第2の要素を上昇させるための広告を配信する
ことを特徴とする請求項2~6のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記配信部は、前記ユーザが興味関心を持っているカテゴリが、前記第1の要素の全体平均未満であり、かつ前記第2の要素の全体平均以上である第四象限に属する場合、前記第1の要素を上昇させるための広告を配信する
ことを特徴とする請求項2~7のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記複数の象限は、前記第1の要素および前記第2の要素のうち少なくとも一方が変化することで、各象限が変化する
ことを特徴とする請求項2~8のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記広告を入稿した広告主に対して、前記第1の要素および前記第2の要素のうち少なくとも一方の上昇施策の実施結果として、前記第1の要素および前記第2の要素のうち少なくとも一方の変化に関するレポートを提供する提供部
をさらに備えることを特徴とする請求項2~9のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項11】
該情報処理装置が提供する検索サービスに対して前記ユーザが入力した検索キーワードから、前記ユーザが興味関心を持っているカテゴリに関する情報を取得する取得部
をさらに備えることを特徴とする請求項1~10のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記ユーザが興味関心を持っているカテゴリは、複数の前記検索キーワードの組合せである
ことを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記取得部は、ユーザが購買行動をとった時に、前記広告に埋め込まれたコンバージョンタグに基づいて購買数を集計し、集計した購買数を、購買ユーザ数と平均購買回数とに分解する
ことを特徴とする請求項11又は12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記分類部は、前記ユーザが興味関心を持っているカテゴリを、前記ユーザの属性と組み合わせて、前記複数の象限のいずれかに分類する
ことを特徴とする請求項1~13のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記複数の象限は、前記商取引に関連する要素のそれぞれの全体平均により区切られる
ことを特徴とする請求項1~14のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項16】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザが興味関心を持っているカテゴリを、当該ユーザの商取引に関連する要素に基づいて複数の象限のいずれかに分類する分類工程と、
前記ユーザが興味関心を持っているカテゴリが、前記複数の象限のうち所定の象限に属する場合、前記ユーザに対して広告を配信する配信工程と
を含み、
前記分類工程では、前記ユーザの商取引に関連する要素である平均購買回数及び購買ユーザ含有率を縦軸及び横軸とし、前記平均購買回数及び前記購買ユーザ含有率のそれぞれの全体平均を座標軸とする座標平面である象限図において、前記平均購買回数と前記購買ユーザ含有率とに基づいて前記ユーザが興味関心を持っているカテゴリを4つの象限のいずれかに分類する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項17】
ユーザが興味関心を持っているカテゴリを、当該ユーザの商取引に関連する要素に基づいて複数の象限のいずれかに分類する分類手順と、
前記ユーザが興味関心を持っているカテゴリが、前記複数の象限のうち所定の象限に属する場合、前記ユーザに対して広告を配信する配信手順と
をコンピュータに実行させるための情報処理プログラムであって、
前記分類手順では、前記ユーザの商取引に関連する要素である平均購買回数及び購買ユーザ含有率を縦軸及び横軸とし、前記平均購買回数及び前記購買ユーザ含有率のそれぞれの全体平均を座標軸とする座標平面である象限図において、前記平均購買回数と前記購買ユーザ含有率とに基づいて前記ユーザが興味関心を持っているカテゴリを4つの象限のいずれかに分類する
ことを特徴とする情報処理プログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの飛躍的な普及に伴い、インターネットを介した広告配信が盛んに行われている。例えば、広告媒体(ウェブページ)に設定された広告枠に、企業や商品等の広告コンテンツを表示し、かかる広告コンテンツが選択操作(例えば、クリックやタップ)された場合に、広告主のウェブページへ遷移させる広告配信が行われている。
【0003】
また、このような広告配信では、広告コンテンツを掲載する対価として、広告主に課金する課金額である入札単価(CPC:Cost Per Click)が使用される場合がある。例えば、広告コンテンツに対して設定する入札単価を制御する技術として、検索キーワードに基づいて、広告コンテンツのコンバージョン率(CVR:Conversion Rate)に対応した入札単価を広告コンテンツに対して設定する技術が提案されている(特許文献1)。
【0004】
また、入札単価の代わりに、所定の広告コンテンツから商品購買や会員登録等の利益につながる成果を1件獲得するのにかかるコストであるコンバージョン単価(CPA:Cost Per Action)の目標値である目標コンバージョン単価を広告主に設定させることで、かかる目標コンバージョン単価に基づいて、広告コンテンツに対して設定する入札単価を算出する技術(コンバージョンオプティマイズと呼ばれる)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2006-350668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の広告配信技術では、CPA観点ではターゲットになり難い(ターゲットとして優先順位が低い)ユーザ層であっても、購買ユーザや購買回数を拡大する上で有望なユーザ層に対して訴求する積極的かつ効果的な広告配信を行う技術は確立していない。そのため、CPA観点ではターゲットになり難いユーザを取りこぼしてしまう可能性がある。
【0007】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、CPA観点ではターゲットになり難いユーザへの広告配信を拡大する情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願に係る情報処理装置は、ユーザが興味関心を持っているカテゴリを、当該ユーザの商取引に関連する要素に基づいて複数の象限のいずれかに分類する分類部と、前記ユーザが興味関心を持っているカテゴリが、前記複数の象限のうち所定の象限に属する場合、前記ユーザに対して広告を配信する配信部とを備え、前記分類部は、前記ユーザの商取引に関連する要素である平均購買回数及び購買ユーザ含有率を縦軸及び横軸とし、前記平均購買回数及び前記購買ユーザ含有率のそれぞれの全体平均を座標軸とする座標平面である象限図において、前記平均購買回数と前記購買ユーザ含有率とに基づいて前記ユーザが興味関心を持っているカテゴリを4つの象限のいずれかに分類することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
実施形態の一態様によれば、CPA観点ではターゲットになり難いユーザへの広告配信を拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す説明図である。
図2図2は、売上に関するKPIツリーの一例を示す図である。
図3図3は、興味関心カテゴリとKPIとの関係の一例を示す図である。
図4図4は、KPIツリーの変化の一例を示す図である。
図5図5は、4象限の変化に一例を示す図である。
図6図6は、興味関心カテゴリ別の変化の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図9図9は、ユーザ情報記憶部の一例を示す図である。
図10図10は、検索履歴情報記憶部の一例を示す図である。
図11図11は、購買履歴情報記憶部の一例を示す図である。
図12図12は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。
図13図13は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0012】
〔1.情報処理方法の概要〕
まず、図1を参照し、実施形態に係る情報処理装置が行う情報処理方法の概要について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す説明図である。図1の例では、実施形態に係る情報処理装置100が、ユーザが興味関心を持っているカテゴリを、商取引に関連する要素に基づいて複数の象限に分類し、その象限に応じた広告配信を行う処理の一例について説明する。
【0013】
図1に示すように、情報処理システム1は、端末装置10と、情報処理装置100と、広告装置200とを含む。端末装置10、情報処理装置100および広告装置200は、それぞれネットワークN(図7参照)を介して有線または無線で互いに通信可能に接続される。端末装置10は、ユーザUによって使用される情報処理装置である。広告装置200は、広告主によって利用される情報処理装置である。なお、広告主は、広告代理店であってもよい。
【0014】
例えば、ユーザUは、端末装置10を用いて、興味や関心があるカテゴリ(以下、興味関心カテゴリ)について、情報処理装置100が提供する検索エンジン(検索サービス)に対して検索キーワード(検索クエリ)を入力して検索を行う(ステップS1)。
【0015】
興味関心カテゴリは、例えばスポーツやファッション、スマートフォン、自動車、旅行、ドラマ、映画、音楽、アイドル、アニメ・漫画等である。また、スポーツのような大カテゴリに限らず、サッカーや野球、テニス、ゴルフ等のような小カテゴリでもよいし、それらの組合せでもよい。また、組織名(企業名、学校名等)や個人名(芸名、筆名等を含む)、商品名、サービス名等でもよい。
【0016】
本実施形態では、情報処理装置100が検索エンジンを提供しているため、検索エンジンを介してユーザUの興味関心カテゴリに関する情報を堅実かつ効果的に取得することができる。なお、検索キーワード(検索クエリ)は、複数の検索キーワードを組み合わせた検索フレーズでもよい。すなわち、検索キーワードは、単独語でもよいし、複数語でもよい。
【0017】
また、ユーザUは、端末装置10を用いて、取引対象である特定商品についての広告コンテンツから商品購買フォームに移動し、オンラインで商品購買(又は商品予約)を行う。上記の広告コンテンツは、上記の興味関心カテゴリについての検索結果として表示されたWebページであってもよいし、上記の興味関心カテゴリについての検索とは別に独立して表示されたWebページであってもよい。
【0018】
本実施形態では、ユーザUは、情報処理装置100が提供するWebサービスの登録ユーザであり、Web上で購買まで完結する購買ユーザである。ユーザUは、情報処理装置100が提供する広告配信サービスのプロモーション広告を利用する。プロモーション広告にはコンバージョンタグ(CVタグ)が埋め込まれている。一般的に、CVタグは、商品購買フォームの完了ページ(最終画面)等に埋め込まれている。
【0019】
情報処理装置100は、興味関心カテゴリを複数の象限に分類する(ステップS2)。
【0020】
例えば、情報処理装置100は、プロモーション広告のCVタグから、登録ユーザによる特定商品の購買回数を取得する。すなわち、情報処理装置100は、CVタグに基づいて、購買数を集計する。そして、情報処理装置100は、集計した購買数を、購買ユーザ数と平均購買回数とに分解する(購買数=購買ユーザ数×平均購買回数)。なお、購買数の集計のため、プロモーション広告のCVタグがあるアカウントが必要となる。
【0021】
本実施形態では、情報処理装置100は、上記の特定商品について、単位期間(ここでは月)あたりの「平均購買回数」(回数/月)と、「購買ユーザ含有率」(%/月)というKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を設定する。なお、「平均購買回数」および「購買ユーザ含有率」は、商取引に関連する要素の一例に過ぎない。
【0022】
また、情報処理装置100は、ユーザUの興味関心カテゴリを、KPIである「平均購買回数」と「購買ユーザ含有率」とのそれぞれの全体平均を基準(座標軸)とした4象限(2次元の象限)に分類する。すなわち、4象限は、平均購買回数および購買ユーザ含有率のそれぞれの全体平均を座標軸とした座標平面である。興味関心カテゴリは、4象限のうちのいずれかの象限に属する(位置する)。なお、4象限(2次元の象限)は一例に過ぎない、実際には、3つのKPIを設定して3次元の象限としてもよい。また、それ以上の象限でもよい。
【0023】
平均購買回数は、各購買ユーザの購買回数の平均値を示す。すなわち、平均購買回数は、購買ユーザ一人あたりの購買回数を示す。本実施形態では、購入した商品1個につき購買回数を1回とカウントする。例えば、一度に商品を2個購入した場合には、購買回数を2回とカウントする。また、購買ユーザ含有率は、登録ユーザ全体に占める購買ユーザの割合を示す。
【0024】
ここで、図2を用いて、KPIについて説明する。図2は、売上に関するKPIツリーの一例を示す図である。例えば、情報処理装置100は、図2に示す売上に関するKPIツリーのうち、購買数最大化に向けた戦略に基づいて、「平均購買回数」、「購買ユーザ含有率」をKPIとして設定する。
【0025】
図2に示す例では、購買数が「36,000」、購買ユーザ数が「18,000」であるため、「平均購買回数」は「2.0」(=36,000÷18,000)となっている。また、購買ユーザ数が「18,000」、母数となる登録ユーザ数が「1,000,000」であるため、「購買ユーザ含有率」は「1.8%」(=18,000÷1,000,000×100)となっている。ここでは、「購買ユーザ含有率」は百分率で表現している。
【0026】
また、図3を用いて、興味関心カテゴリとKPIとの関係について説明する。図3は、興味関心カテゴリとKPIとの関係の一例を示す図である。情報処理装置100は、興味関心カテゴリごとにKPIを確認する。例えば、情報処理装置100は、特徴を可視化するため、保有する興味関心カテゴリごとに、購買ユーザの「平均購買回数」と「購買ユーザ含有率」を集計する。
【0027】
図3に示す例では、興味関心カテゴリが「スポーツ/サッカー」であるユーザ層は、購買ユーザ含有率が「9.5%」で、平均購買回数が「3.7」である。また、興味関心カテゴリが「スマートフォン/スポーツ/スポーツ用品」であるユーザ層は、購買ユーザ含有率が「8.0%」で、平均購買回数が「3.5」である。また、興味関心カテゴリが「スマートフォン/小売/アパレル」であるユーザ層は、購買ユーザ含有率が「7.4%」で、平均購買回数が「3.6」である。
【0028】
図1に示す例では、情報処理装置100は、平均購買回数の全体平均をX軸、購買ユーザ含有率の全体平均をY軸として、興味関心カテゴリを、第一象限A、第二象限B、第三象限C、第四象限Dの4象限に分類している。
【0029】
第一象限Aは、「平均購買回数」と「購買ユーザ含有率」とが共に全体平均以上である「優良」な購買ユーザの興味関心カテゴリが属する象限である。
【0030】
第二象限Bは、「平均購買回数」は全体平均以上であるが、「購買ユーザ含有率」は全体平均未満である「潜在的」な購買ユーザの興味関心カテゴリが属する象限である。
【0031】
第三象限Cは、「平均購買回数」と「購買ユーザ含有率」とが共に全体平均未満である「非注力」の購買ユーザの興味関心カテゴリが属する象限である。
【0032】
第四象限Dは、「平均購買回数」は全体平均未満であるが、「購買ユーザ含有率」は全体平均以上である「獲得容易」な購買ユーザの興味関心カテゴリが属する象限である。
【0033】
また、広告装置200は、特定商品を扱う広告主の操作又は設定に従って、特定商品についての広告コンテンツを情報処理装置100に入稿する(ステップS3)。
【0034】
例えば、広告装置200は、静止画像、動画像、テキストデータ等に該当する広告コンテンツを情報処理装置100に入稿する。また、例えば、広告装置200は、広告コンテンツが選択操作(例えば、クリックやタップ)された場合に、遷移させる遷移先コンテンツのURL(Uniform Resource Locator)に該当する広告コンテンツを情報処理装置100に入稿する。なお、広告装置200が広告コンテンツを情報処理装置100に入稿するタイミングについては任意である。
【0035】
さらに、広告装置200は、広告主の操作に従って、広告コンテンツから商品購買や会員登録等の利益につながる成果を1件獲得するのに係るコストであるコンバージョン単価(CPA)の目標値である目標コンバージョン単価を対応する広告コンテンツに設定するよう情報処理装置100に指示する。
【0036】
ここでは、目標コンバージョン単価は、所定数(例えば、「10」)以上のコンバージョンが得られている広告コンテンツにのみ設定可能とすることが予め決められている。このため、広告主は、例えば、既に入稿している自身の広告コンテンツが所定数以上のコンバージョンを達成している場合には、かかる広告コンテンツについて、目標コンバージョン単価を設定する。
【0037】
情報処理装置100は、ユーザUの端末装置10からアクセスされた場合に、広告装置200から入稿された広告コンテンツを配信する(ステップS4)。
【0038】
例えば、情報処理装置100は、上記のステップS1のように、ユーザUが検索エンジンに対して検索キーワードを入力して検索を行った時に、ユーザUの興味関心カテゴリに合わせて、広告装置200から入稿された広告コンテンツを配信する。
【0039】
このとき、情報処理装置100は、上記の4象限においてユーザUの興味関心カテゴリが属している象限に応じて、ユーザUを「優良」(第一象限A)、「潜在的」(第二象限B)、「非注力」(第三象限C)又は「獲得容易」(第四象限D)のいずれかに分類する。
【0040】
そして、情報処理装置100は、4象限のうち狙うべき象限と戦略とを確認し、「優良」および「獲得容易」を中心に、プロモーション施策に合わせて「潜在的」に属するユーザUを狙う。「非注力」に属するユーザUは狙わない。すなわち、情報処理装置100は、ユーザUが「優良」、「獲得容易」又は「潜在的」に属する場合に、それぞれに応じた施策に従って広告コンテンツを配信する。
【0041】
平均購買回数の上昇施策として、情報処理装置100は、「獲得容易」なユーザ層について、新規購買ユーザの初回購買、既存購買ユーザの再購買促進を目的に、ダイナミック広告を配信する。例えば、ショッピングページにて「かばん」を閲覧しているユーザに対して、閲覧商品「旅行バッグ」とレコメンド商品「ハンドバッグ」を含む広告を作成して配信する。また。ショッピングページにて「キッチン用品」を閲覧しているユーザに対して、閲覧商品「ステンレス鍋」および「フライパン」を含む広告を作成して配信する。
【0042】
また、平均購買回数の他の上昇施策として、情報処理装置100は、「獲得容易」なユーザ層へのクロスセルを目的に、クリエイティブ(広告素材等)を変更したリターゲティング広告を配信する。例えば、ショッピングページにて「かばん」を購入したユーザに対して、「婦人靴」や「婦人ブラウス」のような関連性の高いクリエイティブを用意して、クロスセル用の広告を作成して配信する。
【0043】
また、購買ユーザ含有率の上昇施策として、「潜在的」なユーザ層への広告配信の拡大を目的に、ターゲットの興味関心カテゴリと、様々なサービスから得られた多様性に富むビッグデータ(マルチビッグデータと称する)とを掛け合わせたディスプレイ広告の配信を行う。なお、ディスプレイ広告は、動的ディスプレイ広告(Dynamic Ads for Display)であってもよい。
【0044】
このように、情報処理装置100は、平均購買回数の上昇施策を実施することで、「獲得容易」なユーザ層の平均購買回数を上昇させ、「優良」なユーザ層に移行することを促進することができる。
【0045】
また、情報処理装置100は、購買ユーザ含有率の上昇施策を実施することで、「潜在的」なユーザ層の購買ユーザ含有率を上昇させ、「優良」なユーザ層に移行することを促進することができる。
【0046】
さらに、情報処理装置100は、「優良」なユーザ層に対して、平均購買回数の上昇施策および購買ユーザ含有率の上昇施策の両方を実施することで、平均購買回数および購買ユーザ含有率のさらなる上昇を促進することができる。
【0047】
また、情報処理装置100は、上記の通り、目標コンバージョン単価の設定を広告主から受け付けることにより、広告主に代わって自動で入札単価を設定する。具体的には、情報処理装置100は、広告コンテンツ毎に、当該広告コンテンツのコンバージョン率と、当該広告コンテンツに対して設定された目標コンバージョン単価とを乗じることにより、当該広告コンテンツが選択された際に課金する金額である入札単価を算出する。そして、情報処理装置100は、算出した入札単価に基づいて、広告配信を行う。
【0048】
例えば、商品購買をコンバージョンとした場合、購買回数はコンバージョン数であり、購買ユーザ含有率はコンバージョン率である。
【0049】
ユーザUは、端末装置10を用いて、情報処理装置100から配信された広告コンテンツに応じて特定商品の購買を行う(ステップS5)。
【0050】
ここで、情報処理装置100から配信された広告コンテンツは、上記の平均購買回数の上昇施策や購買ユーザ含有率の上昇施策に基づいて配信された広告コンテンツである。すなわち、ユーザUは、平均購買回数の上昇施策や購買ユーザ含有率の上昇施策に従って、商品購買行動をとる。
【0051】
情報処理装置100は、広告主の広告装置200に対して、平均購買回数の上昇施策や購買ユーザ含有率の上昇施策の実施後(施策後)のユーザUの購買行動の変化に関するレポート(報告書)を提供する(ステップS6)。
【0052】
まず、図4を用いて、KPIツリーの変化について説明する。図4は、KPIツリーの変化の一例を示す図である。図4に示す例では、集計期間「2019/02」には、購買数が「36,000」、平均購買回数が「2.0」であったのに対し、集計期間「2019/03」には、購買数が「39,600」、平均購買回数が「2.2」に変化している。すなわち、平均購買回数が「+0.2」ポイント上昇したことにより、購買数が「3,600」増加した。
【0053】
次に、図5を用いて、4象限の変化について説明する。図5は、4象限の変化に一例を示す図である。図5に示す例では、平均購買回数の全体平均と購買ユーザ含有率の全体平均とが共に上昇している。すなわち、平均購買回数の上昇施策や購買ユーザ含有率の上昇施策が効果を奏したことを示している。このように、4象限は、KPIである平均購買回数および購買ユーザ含有率のうち少なくとも一方が変化(上昇/下落)することで、それぞれに対応する座標軸の位置が変化(上昇/下落)し、それに伴って各象限が変化する。
【0054】
次に、図6を用いて、興味関心カテゴリ別の変化について説明する。図6は、興味関心カテゴリ別の変化の一例を示す図である。図6に示す例では、興味関心カテゴリ別に、購買ユーザ含有率の上位3つと、平均購買回数の上位3つとを示している。
【0055】
購買ユーザ含有率の上位3つについて説明する。購買ユーザ含有率の最上位(第1位)は、興味関心カテゴリ「スポーツ/サッカー」で、購買ユーザ含有率「9.5%」、平均購買回数「3.7」である。第2位は、興味関心カテゴリ「スマートフォン/スポーツ/スポーツ用品」で、購買ユーザ含有率「8.0%」、平均購買回数「3.5」である。第3位は、興味関心カテゴリ「スマートフォン/小売/アパレル」で、購買ユーザ含有率「7.4%」、平均購買回数「3.6」である。
【0056】
平均購買回数の上位3つについて説明する。平均購買回数の最上位(第1位)は、興味関心カテゴリ「スマートフォン/スポーツ/サッカー/ワールドサッカー」で、購買ユーザ含有率「5.2%」、平均購買回数「4.2」である。第2位は、興味関心カテゴリ「スマートフォン/小売/アパレル/靴」で、購買ユーザ含有率「4.7%」、平均購買回数「4.0」である。第3位は、興味関心カテゴリ「スマートフォン/旅行・交通/海外旅行」で、購買ユーザ含有率「4.9%」、平均購買回数「3.9」である。
【0057】
ここで、情報処理装置100は、「優良」な購買ユーザの興味関心カテゴリについては、購買ユーザ含有率と平均購買回数との両方を継続的に観察する。
【0058】
また、情報処理装置100は、「獲得容易」な購買ユーザの興味関心カテゴリについては、KPIである平均購買回数を中心に変化を確認する。
【0059】
さらに、情報処理装置100は、「潜在的」な興味関心カテゴリに関しては、KPIである購買ユーザ含有率を中心に変化を確認する。
【0060】
そして、情報処理装置100は、施策後のレポートとして、広告主の広告装置200に対して、図4に示したKPIツリーの変化、図5に示した4象限の変化、および図6に示した興味関心カテゴリ別の変化のそれぞれについてのレポートを提供する。
【0061】
このように、本実施形態に係る情報処理装置100は、購買と興味関心カテゴリを活用した広告配信サービスを提供する。例えば、情報処理装置100は、購買回数と購買ユーザ含有率をKPIに設定することで、CPA観点ではターゲットになり難いユーザへの配信拡大につなげる。また、情報処理装置100は、広告主に対しては、広告配信サービスとして、広告からレポートまでをセットで提供する。
【0062】
〔2.情報処理システムの構成例〕
次に、図7を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が含まれる情報処理システム1の構成について説明する。図7は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。図7に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、端末装置10と情報処理装置100とを含む。これらの各種装置は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、LAN(Local Area Network)や、インターネット等のWAN(Wide Area Network)である。
【0063】
また、図7に示す情報処理システム1に含まれる各装置の数は図示したものに限られない。例えば、図7では、図示の簡略化のため、端末装置10や広告装置200をそれぞれ1台のみ示したが、これはあくまでも例示であって限定されるものではなく、2台以上であってもよい。
【0064】
端末装置10は、ユーザUによって使用される情報処理装置である。例えば、端末装置10は、スマートフォンやタブレット端末等のスマートデバイス、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートウォッチ、ウェアラブルデバイス(Wearable Device)、PC(Personal Computer)、その他のネットワーク接続可能な電子機器等である。
【0065】
また、かかる端末装置10は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)等の無線通信網や、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)等の近距離無線通信を介してネットワークNに接続し、情報処理装置100と通信することができる。
【0066】
情報処理装置100は、例えばPCやサーバ装置、あるいはメインフレーム又はワークステーション等である。なお、情報処理装置100は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
【0067】
広告装置200は、広告主によって利用される情報処理装置である。例えば、広告装置200は、PCやサーバ装置等である。また、広告装置200は、スマートフォンやタブレット型端末等のスマートデバイス、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、OA機器(オフィスオートメーション機器)等であってもよい。
【0068】
〔3.情報処理装置の構成例〕
次に、図8を用いて、実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。図8は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。図8に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0069】
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。また、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続される。
【0070】
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図8に示すように、記憶部120は、ユーザ情報記憶部121と、検索履歴情報記憶部122と、購買履歴情報記憶部123と、象限情報記憶部124と、レポート情報記憶部125と、広告情報記憶部126とを有する。
【0071】
(ユーザ情報記憶部121について)
ユーザ情報記憶部121は、ユーザに関する各種情報を記憶する。例えば、ユーザ情報記憶部121は、ユーザの属性等の種々の情報を記憶する。図9は、ユーザ情報記憶部の一例を示す図である。図9に示すように、ユーザ情報記憶部121は、「ユーザID」、「年齢」、「性別」、「自宅」、「勤務地」、「興味」といった項目を有する。
【0072】
「ユーザID」は、ユーザを識別するための識別情報を示す。例えば、ユーザID「U1」により識別されるユーザは、ユーザUに対応する。また、「年齢」は、ユーザIDにより識別されるユーザの年齢を示す。なお、「年齢」は、例えば35歳など、ユーザIDにより識別されるユーザの具体的な年齢であってもよい。また、「性別」は、ユーザIDにより識別されるユーザの性別を示す。
【0073】
また、「自宅」は、ユーザIDにより識別されるユーザの自宅の位置情報を示す。なお、図9に示す例では、「自宅」は、「LC11」といった抽象的な符号を図示するが、緯度経度情報等であってもよい。また、例えば、「自宅」は、地域名や住所であってもよい。
【0074】
また、「勤務地」は、ユーザIDにより識別されるユーザの勤務地の位置情報を示す。なお、図9に示す例では、「勤務地」は、「LC12」といった抽象的な符号を図示するが、緯度経度情報等であってもよい。また、例えば、「勤務地」は、地域名や住所であってもよい。
【0075】
また、「興味」は、ユーザIDにより識別されるユーザの興味を示す。すなわち、「興味」は、ユーザIDにより識別されるユーザが関心の高い対象を示す。なお、図9に示す例では、「興味」は、各ユーザに1つずつ図示するが、複数であってもよい。
【0076】
例えば、図9に示す例において、ユーザID「U1」により識別されるユーザの年齢は、「20代」であり、性別は、「男性」であることを示す。また、例えば、ユーザID「U1」により識別されるユーザは、自宅が「LC11」であることを示す。また、例えば、ユーザID「U1」により識別されるユーザは、勤務地が「LC12」であることを示す。また、例えば、ユーザID「U1」により識別されるユーザは、「スポーツ」に興味があることを示す。
【0077】
図9に示す例では、理解の便宜のため、「U1」、「LC11」および「LC12」といった抽象的な符号を用いて図示するが、「U1」、「LC11」および「LC12」には具体的な情報が記憶されるものとする。以下、他の情報に関する図においても、抽象的な符号を図示する場合がある。
【0078】
なお、ユーザ情報記憶部121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、ユーザ情報記憶部121は、ユーザのデモグラフィック属性に関する情報やサイコグラフィック属性に関する情報を記憶してもよい。例えば、ユーザ情報記憶部121は、氏名、家族構成、職業、職位、収入、資格、居住形態、車の有無、通学・通勤時間、趣味、ライフスタイル等の情報を記憶してもよい。また、ユーザ情報記憶部121は、ユーザUが使用している端末装置10の種別(スマートフォン、デスクトップPC等)や識別情報、アドレス情報等の情報を記憶してもよい。
【0079】
(検索履歴情報記憶部122について)
検索履歴情報記憶部122は、ユーザの検索行動に関する情報を記憶する。図10は、検索履歴情報記憶部の一例を示す図である。図10に示すように、検索履歴情報記憶部122は、「ユーザID」、「検索日時」、「検索クエリ」といった項目を有する。
【0080】
「ユーザID」は、ユーザを識別するための識別情報を示す。ユーザIDは、図9で示した同一の項目に対応する。「検索日時」は、ユーザが検索を行った日時を示す。「検索クエリ」は、ユーザが検索に使用した検索キーワード(検索クエリ)を示す。
【0081】
例えば、図10に示す例において、ユーザID「U1」により識別されるユーザは、検索日時「2019/02/16 15:09」に、検索クエリ「スマートフォン」について検索を行ったことを示す。また、検索日時「2019/02/20 19:37」に、検索クエリ「スポーツ/サッカー」について検索を行ったことを示す。
【0082】
なお、検索履歴情報記憶部122は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、検索履歴情報記憶部122は、ユーザが検索を行った場所や位置、状況に関する情報を記憶してもよい。また、検索履歴情報記憶部122は、検索エンジンに関する情報を記憶してもよい。また、検索履歴情報記憶部122は、ユーザが検索を行った際に表示された広告を識別するための識別情報を記憶してもよい。
【0083】
(購買履歴情報記憶部123について)
購買履歴情報記憶部123は、ユーザの購買行動の履歴に関する情報を記憶する。図11は、購買履歴情報記憶部の一例を示す図である。図11に示すように、購買履歴情報記憶部123は、「ユーザID」、「購買日時」、「商品ID」といった項目を有する。
【0084】
「ユーザID」は、ユーザを識別するための識別情報を示す。ユーザIDは、図9で示した同一の項目に対応する。「購買日時」は、ユーザが購買行動をとった日時を示す。「商品ID」は、ユーザが購入した商品を識別するための識別情報を示す。
【0085】
例えば、図11に示す例において、ユーザID「U1」により識別されるユーザは、購買日時「2019/02/16 15:43」に、商品ID「GD01」で識別される商品を購入したことを示す。また、購買日時「2019/02/20 20:09」に、商品ID「GD02」で識別される商品を購入したことを示す。
【0086】
なお、購買履歴情報記憶部123は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、購買履歴情報記憶部123は、ユーザが商品を購入する際に利用した商品販売サイトの情報等を記憶してもよい。また、購買履歴情報記憶部123は、商品名、商品の属するカテゴリ、商品の性質や成分等を示す情報等を記憶してもよい。また、購買履歴情報記憶部123は、ユーザが一度に注文した商品の量や、購買回数、金額等、購買に関する種々の情報が記憶されてもよい。また、購買履歴情報記憶部123は、ユーザが商品IDで識別される商品を定期的に購買(愛用)していることを示す情報を記憶してもよい。また、購買履歴情報記憶部123は、ユーザが商品の購買に至った広告を識別するための識別情報を記憶してもよい。
【0087】
(象限情報記憶部124について)
象限情報記憶部124は、上記の4象限に関する情報を記憶する。例えば、象限情報記憶部124は、特定商品ごとに、図1に示した4象限の座標平面と、座標軸となる平均購買回数および購買ユーザ含有率のそれぞれの全体平均と、図2に示したKPIツリーと、図3に示した各象限に配置される興味関心カテゴリごとの内容、平均購買回数および購買ユーザ含有率とに関する情報を記憶する。
【0088】
(レポート情報記憶部125について)
レポート情報記憶部125は、広告主の広告装置200に提供するレポートに関する情報を記憶する。例えば、レポート情報記憶部125は、図4に示したKPIツリーの変化についてのレポート、図5に示した4象限の変化についてのレポート、および図6に示した興味関心カテゴリ別の変化についてのレポートのそれぞれに関する情報を記憶する。
【0089】
(広告情報記憶部126について)
広告情報記憶部126は、広告主の広告装置200から入稿された広告コンテンツに関する情報を記憶する。例えば、広告情報記憶部126は、広告コンテンツの素材と、その素材を基に作成された広告コンテンツとに関する情報を記憶する。
【0090】
なお、広告情報記憶部126は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、広告情報記憶部126は、広告コンテンツに掲載された商品や、広告コンテンツを配信する対象となるユーザの属性等に関する情報を記憶してもよい。また、広告情報記憶部126は、広告コンテンツごとのコンバージョン数やコンバージョン率、コンバージョン単価、目標コンバージョン単価等に関する情報を記憶してもよい。
【0091】
図8に戻り、説明を続ける。制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等の記憶領域を作業領域として実行されることにより実現される。図8に示すように、制御部130は、取得部131と、分類部132と、配信部133と、検証部134と、提供部135と、学習部136とを有する。
【0092】
(取得部131について)
取得部131は、通信部110を介して、ユーザごとに各種情報を取得する。すなわち、取得部131は、一人のユーザに限らず、複数のユーザについて各種情報を取得する。
【0093】
例えば、取得部131は、端末装置10を利用するユーザが一つのWebサイト(サービス)においてユーザ登録を行った時に、ユーザに関する情報(ユーザ情報)を取得する。
【0094】
また、取得部131は、ユーザが検索行動をとった時に、ユーザの検索履歴に関する情報(検索履歴情報)を取得する。
【0095】
また、取得部131は、ユーザが購買行動をとった時に、ユーザの購買履歴に関する情報(購買履歴情報)を取得する。これにより、取得部131は、興味関心カテゴリに関する情報や、平均購買回数に関する情報、購買ユーザ含有率に関する情報等を取得する。
【0096】
また、取得部131は、広告主端末20から入稿された広告コンテンツを取得する。
【0097】
(分類部132について)
分類部132は、ユーザが興味関心を持っているカテゴリを、商取引に関連する要素に基づいて複数の象限に分類する。
【0098】
本実施形態では、分類部132は、「平均購買回数」と「購買ユーザ含有率」というKPIを設定し、図1に示すように、ユーザの興味関心カテゴリを、「平均購買回数の全体平均」と「購買ユーザ含有率の全体平均」とをそれぞれ座標軸とする4象限(2次元の象限)に分類する。
【0099】
(配信部133について)
配信部133は、通信部110を介して、ユーザUの端末装置10に対して広告を配信する。例えば、配信部133は、2次元の象限のうち、ユーザが興味関心を持っているカテゴリが属する象限に基づいて、その象限に応じた広告を作成して配信する。
【0100】
本実施形態では、配信部133は、4象限のうち狙うべき象限と戦略とを確認し、ユーザUの興味関心カテゴリが第一象限A(「優良」)、第二象限B(「潜在的」)又は第四象限D(「獲得容易」)に属する場合に、それぞれに応じた広告を作成して配信する。
【0101】
例えば、配信部133は、平均購買回数の上昇施策に従って、「優良」又は「獲得容易」なユーザUに対して、新規購買ユーザの初回購買、既存購買ユーザの再購買促進を目的に、ダイナミック広告を配信する。
【0102】
あるいは、配信部133は、平均購買回数の上昇施策に従って、「優良」又は「獲得容易」なユーザUに対して、クロスセルを目的に、クリエイティブ(広告素材等)を変更したリターゲティング広告を配信する。
【0103】
また、配信部133は、購買ユーザ含有率の上昇施策に従って、「優良」又は「潜在的」なユーザUに対して、ターゲットの興味関心カテゴリと、様々なサービスから得られた多様性に富むビッグデータとを掛け合わせたディスプレイ広告の配信を行う。
【0104】
(検証部134について)
検証部134は、平均購買回数の上昇施策や購買ユーザ含有率の上昇施策の実施後(施策後)のユーザUの購買行動の変化について検証する。すなわち、検証部134は、平均購買回数の上昇施策や購買ユーザ含有率の上昇施策の効果の有無や程度について検証する。
【0105】
例えば、検証部134は、図4に示したKPIツリーの変化、図5に示した4象限の変化、および図6に示した興味関心カテゴリ別の変化のそれぞれについて検証する。
【0106】
(提供部135について)
提供部135は、通信部110を介して、広告主の広告装置200に対して、平均購買回数の上昇施策や購買ユーザ含有率の上昇施策の実施後のユーザUの購買行動の変化についてのレポートを提供する。
【0107】
例えば、提供部135は、広告主の広告装置200に対して、図4に示したKPIツリーの変化、図5に示した4象限の変化、および図6に示した興味関心カテゴリ別の変化のそれぞれについてのレポートを提供する。
【0108】
(学習部136について)
学習部136は、平均購買回数の上昇施策や購買ユーザ含有率の上昇施策の実施後の結果について機械学習を行う。機械学習は、例えばディープニューラルネットワークを利用したディープラーニング(深層学習)等でもよい。また、データマイニングやその他の機械学習アルゴリズムを利用してもよい。
【0109】
例えば、学習部136は、図4に示したKPIツリーの変化、図5に示した4象限の変化、および図6に示した興味関心カテゴリ別の変化のそれぞれについて機械学習を行う。
【0110】
また、学習部136は、ユーザUの属性と興味関心カテゴリとの関係について機械学習を行うようにしてもよい。また、学習部136は、ユーザUの属性および興味関心カテゴリと、ユーザUの購買行動との関係について機械学習を行うようにしてもよい。
【0111】
〔4.処理手順〕
次に、図12を用いて実施形態に係る情報処理装置100による処理手順について説明する。図12は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。なお、以下に示す処理手順は、情報処理装置100の制御部130によって繰り返し実行される。
【0112】
図8に示すように、情報処理装置100の制御部130は、通信部110を介して、ユーザUの端末装置10から検索キーワード(検索クエリ)の入力を受け付け、検索キーワードに基づいて検索を実行し、検索結果を端末装置10に表示させる(ステップS101)。
【0113】
制御部130は、検索キーワードとして、ユーザUの興味関心カテゴリに関する情報を取得する(ステップS102)。なお、制御部130は、検索結果の中からユーザUが選択したWebページのページ名やページタイトルに基づいて、ユーザUの興味関心カテゴリに関する情報を取得してもよい。
【0114】
制御部130は、ユーザUの興味関心カテゴリを複数の象限に分類する(ステップS103)。ここでは、制御部130は、平均購買回数の全体平均をX軸、購買ユーザ含有率の全体平均をY軸として、興味関心カテゴリを、第一象限A、第二象限B、第三象限C、第四象限Dの4象限に分類する。
【0115】
制御部130は、通信部110を介して、ユーザUの端末装置10に対して、広告主の広告装置200から入稿された広告コンテンツを配信する(ステップS104)。このとき、制御部130は、ユーザUの興味関心カテゴリが4象限のうちのいずれの象限に属するかに応じて、ユーザUに対する広告配信の施策を変更する。
【0116】
制御部130は、ユーザUの興味関心カテゴリが4象限のうち第一象限又は第二象限に属しているか判断する(ステップS105)。
【0117】
制御部130は、ユーザUの興味関心カテゴリが4象限のうち第一象限又は第二象限に属していると判断した場合(ステップS105;Yes)、購買ユーザ含有率の上昇施策を実施する(ステップS106)。
【0118】
例えば、制御部130は、購買ユーザ含有率の上昇施策に従って、ユーザUに対して、ターゲットの興味関心カテゴリと、様々なサービスから得られた多様性に富むビッグデータ(マルチビッグデータ)とを掛け合わせたディスプレイ広告の配信を行う。
【0119】
また、制御部130は、ユーザUの興味関心カテゴリが4象限のうち第一象限又は第二象限に属していないと判断した場合(ステップS105;No)、第一象限又は第四象限に属しているか判断する(ステップS107)。
【0120】
制御部130は、ユーザUの興味関心カテゴリが4象限のうち第一象限又は第四象限に属していると判断した場合(ステップS107;Yes)、平均購買回数の上昇施策を実施する(ステップS108)。
【0121】
例えば、制御部130は、平均購買回数の上昇施策に従って、ユーザUに対して、新規購買ユーザの初回購買、既存購買ユーザの再購買促進を目的に、ダイナミック広告を配信する。あるいは、クロスセルを目的に、クリエイティブ(広告素材等)を変更したリターゲティング広告を配信する。
【0122】
なお、制御部130は、ユーザUの興味関心カテゴリが4象限のうち第一象限又は第四象限に属していないと判断した場合(ステップS107;No)、すなわち、第一象限、第二象限および第四象限のいずれにも属しておらず、第三象限に属していると判断した場合には、特に何の施策も実施しない。この場合、制御部130は、ユーザUに対して、通常/既存の広告配信を行ってもよいし、広告配信を行わなくてもよい。
【0123】
制御部130は、平均購買回数の上昇施策や購買ユーザ含有率の上昇施策の実施後(施策後)のユーザUの購買行動の変化について検証する(ステップS109)。
【0124】
すなわち、制御部130は、平均購買回数の上昇施策や購買ユーザ含有率の上昇施策の効果の有無や程度について検証する。例えば、制御部130は、図4に示したKPIツリーの変化、図5に示した4象限の変化、および図6に示した興味関心カテゴリ別の変化のそれぞれについて検証する。
【0125】
制御部130は、通信部110を介して、広告主の広告装置200に対して、平均購買回数の上昇施策や購買ユーザ含有率の上昇施策の実施後(施策後)のユーザUの購買行動の変化に関するレポートを提供する(ステップS110)。
【0126】
〔5.変形例〕
上述した端末装置10および情報処理装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、実施形態の変形例について説明する。
【0127】
上記の実施形態において、情報処理装置100は、特定商品の購買を対象としているが、実際には、特定商品の購買に限らず、特定サービスの申込みを対象としてもよい。例えば、サブスクリプションサービス等の申込みでもよい。また、電子決済サービスの申込みや、オンライン口座開設の申込み等でもよい。また、ブラウザゲームやオンラインゲーム、アプリケーション(アプリ)のダウンロードやユーザ登録等でもよい。また、旅行やホテル、鉄道やバスの乗車券、航空券、レンタカー等の予約申込みでもよい。また、特定サービスを提供する店舗(飲食店、美容室等)への来店予約およびコース選択等でもよい。また、特定商品は、イベント会場の入場券等の電子チケット等でもよい。また、購買は、商取引に関連する行動の一例に過ぎない。実際には、購買に限らず、不動産等の売却や査定の依頼、抽選販売に対する抽選申込等でもよい。
【0128】
また、上記の実施形態において、情報処理装置100は、CVタグに基づいて購買数を集計しているが、購買のキャンセルが発生した場合には、その分だけ購買数を減じてもよい。このとき、ユーザUが購入した全商品をキャンセルした場合には、購買ユーザ数も減じる。キャンセル分をカウントしないことで、より正確な数を把握することができる。また、情報処理装置100は、キャンセルしたユーザUの興味関心カテゴリと、キャンセルした商品と、キャンセルした回数とに関する情報を取得し、レポートを作成するようにしてもよい。
【0129】
また、上記の実施形態において、情報処理装置100は、ユーザUの興味関心カテゴリを4象限に分類しているが、実際には、ユーザUの興味関心カテゴリを、ユーザUの属性と組み合わせて、4象限に分類してもよい。例えば、情報処理装置100は、ユーザUの興味関心カテゴリ「スポーツ/サッカー」を、ユーザUの属性「男性/30代」と組み合わせて、4象限に分類する。これにより、同じ興味関心カテゴリであっても、ユーザの属性ごとに、さらに細分化して分類することができる。また、ユーザUの属性に関する全体平均等(男女比、平均年齢、平均年収等)をさらに座標軸として追加し、ユーザUの興味関心カテゴリを3次元以上の象限に分類してもよい。
【0130】
また、上記の実施形態において、検索方法として通常のキーワード検索を例に説明しているが、実際には、通常のキーワード検索に限らず、その他の色々な検索方法(マイナス検索、AND検索、OR検索等)であってもよい。例えば、情報処理装置100は、マイナス検索においてユーザUにより意識的に除外されたキーワードは、ユーザUの興味関心カテゴリに含めないようにしてもよい。また、検索方法は、文献検索や論文検索、歌詞検索等の特殊な検索方法であってもよい。また、検索方法は、テキスト文字列の検索(文書検索、文字列探索)に限らず、画像データの検索(画像検索)、音声データの検索(音声検索)等であってもよい。なお、画像データには、静止画データに限らず、動画データも含まれる。この場合、情報処理装置100は、画像認識技術や音声認識技術等を用いて、画像入力や音声入力された内容から、ユーザUの興味関心カテゴリを判断してもよい。さらに、情報処理装置100は、検索結果として得られた画像データや音声データの題名(タイトル)や概要説明又はその内容等から、ユーザUの興味関心カテゴリを判断してもよい。
【0131】
また、上記の実施形態において、情報処理装置100は、ユーザUが入力した検索キーワードからユーザUの興味関心カテゴリに関する情報を取得しているが、実際には、ユーザUのブログやSNS(Social Networking Service)の内容等からユーザUの興味関心カテゴリに関する情報を取得してもよい。また、情報処理装置100は、ユーザUがポータルサイトに表示されたリンクやコンテンツを選択操作した時に、そのリンクやコンテンツに表記されたキーワードをユーザUの興味関心カテゴリに関する情報として取得してもよい。
【0132】
〔6.効果〕
上述してきたように、本願に係る情報処理装置100は、分類部132と、配信部133とを備える。分類部132は、ユーザUが興味関心を持っているカテゴリを、商取引に関連する要素に基づいて複数の象限に分類する。配信部133は、複数の象限のうち、ユーザUが興味関心を持っているカテゴリが属する象限に基づいて、象限に応じた広告を配信する。これにより、CPA観点ではターゲットになり難いユーザへの広告配信を拡大することができる。
【0133】
分類部132は、ユーザUが興味関心を持っているカテゴリを、商取引に関連する要素のうち、それぞれ異なる第1の要素と第2の要素とに基づいて複数の象限に分類する。これにより、ユーザUの興味関心カテゴリを、2次元の象限に分類することができる。
【0134】
第1の要素と第2の要素とはそれぞれ、KPIツリーから得られるKPIである。これにより、商取引に関連する要素として、KPIツリーから得られるKPIを設定することができる。
【0135】
第1の要素は、購買ユーザ一人あたりの購買回数を示す平均購買回数である。また、第2の要素は、登録ユーザ全体に占める購買ユーザの割合を示す購買ユーザ含有率である。これにより、平均購買回数と購買ユーザ含有率とに基づく複数の象限を使用することができる。
【0136】
第1の要素は、コンバージョン数である。また、第2の要素は、コンバージョン率である。これにより、コンバージョン数とコンバージョン率とで表現した複数の象限を使用することができる。
【0137】
配信部133は、ユーザUが興味関心を持っているカテゴリが、第1の要素の全体平均以上であり、かつ第2の要素の全体平均以上である第一象限Aに属する場合、第1の要素および第2の要素をそれぞれ上昇させるための広告を配信する。これにより、興味関心カテゴリが第一象限Aに属する「優良」なユーザ層に、平均購買回数の上昇施策と、購買ユーザ含有率の上昇施策とを実施することができる。
【0138】
配信部133は、ユーザUが興味関心を持っているカテゴリが、第1の要素の全体平均以上であり、かつ第2の要素の全体平均未満である第二象限Bに属する場合、前第2の要素を上昇させるための広告を配信する。これにより、興味関心カテゴリが第二象限Bに属する「潜在的」なユーザ層に、購買ユーザ含有率の上昇施策を実施することができる。
【0139】
配信部133は、ユーザUが興味関心を持っているカテゴリが、第1の要素の全体平均未満であり、かつ第2の要素の全体平均以上である第四象限Dに属する場合、前第1の要素を上昇させるための広告を配信する。これにより、興味関心カテゴリが第四象限Dに属する「獲得容易」なユーザ層に、平均購買回数の上昇施策を実施することができる。
【0140】
複数の象限は、第1の要素および第2の要素のうち少なくとも一方が変化することで、各象限が変化する。これにより、平均購買回数の上昇施策や、購買ユーザ含有率の上昇施策の実施結果として、象限の座標平面を区切る座標軸の位置が変化することで、複数の象限の各々に変化を生じさせることができる。
【0141】
また、本願に係る情報処理装置100は、提供部135をさらに備える。提供部135は、広告を入稿した広告主に対して、第1の要素および第2の要素のうち少なくとも一方の上昇施策の実施結果として、第1の要素および第2の要素のうち少なくとも一方の変化に関するレポートを提供する。これにより、広告主に対して、平均購買回数の上昇施策や、購買ユーザ含有率の上昇施策の効果の有無や程度に関するレポートを提供することができる。また、これに応じた広告配信の戦略や施策を提案することができる。
【0142】
また、本願に係る情報処理装置100は、取得部131をさらに備える。取得部131は、情報処理装置100が提供する検索サービスに対してユーザUが入力した検索キーワードから、ユーザUが興味関心を持っているカテゴリに関する情報を取得する。これにより、ユーザUの興味関心カテゴリに関する情報を堅実かつ効果的に取得することができる。
【0143】
ユーザUが興味関心を持っているカテゴリは、複数の検索キーワードの組合せである。これにより、ユーザUの興味関心カテゴリを、より具体的に分類することができる。
【0144】
取得部131は、ユーザUが購買行動をとった時に、広告に埋め込まれたコンバージョンタグに基づいて購買数を集計し、集計した購買数を、購買ユーザ数と平均購買回数とに分解する。これにより、購買ユーザ数と平均購買回数とを効果的に収集することができる。
【0145】
分類部132は、ユーザUが興味関心を持っているカテゴリを、ユーザUの属性と組み合わせて、複数の象限に分類する。これにより、ユーザUの興味関心カテゴリを、ユーザUの属性ごとに、より細分化して分類することができる。
【0146】
複数の象限は、商取引に関連する要素のそれぞれの全体平均により区切られる。これにより、商取引に関連する要素のそれぞれの全体平均を座標軸とした2次元以上の象限を使用することができる。
【0147】
〔7.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る情報処理装置100および端末装置10は、例えば図13に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報処理装置100を例に挙げて説明する。図13は、情報処理装置100および端末装置10の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM(Read Only Memory)1300、HDD(Hard Disk Drive)1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、およびメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0148】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を記憶する。
【0149】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(図7に示したネットワークNに対応)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網500を介して他の機器へ送信する。
【0150】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0151】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に記憶されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、又は半導体メモリ等である。
【0152】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが記憶される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網500を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0153】
〔8.その他〕
以上、本願の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0154】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0155】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0156】
例えば、上述した情報処理装置100は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットホーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティング等で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0157】
また、上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0158】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0159】
1 情報処理システム
10 端末装置
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 ユーザ情報記憶部
122 検索履歴情報記憶部
123 購買履歴情報記憶部
124 象限情報記憶部
125 レポート情報記憶部
126 広告情報記憶部
130 制御部
131 取得部
132 分類部
133 配信部
134 検証部
135 提供部
136 学習部
図1
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