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特許7469443マルチキャストブロードキャストサービス送信及びスモールデータ送信の受信を処理する装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】マルチキャストブロードキャストサービス送信及びスモールデータ送信の受信を処理する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/06 20090101AFI20240409BHJP
   H04W 4/20 20180101ALI20240409BHJP
   H04W 72/56 20230101ALI20240409BHJP
【FI】
H04W4/06
H04W4/20
H04W72/56
【請求項の数】 26
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022195268
(22)【出願日】2022-12-07
(65)【公開番号】P2023086119
(43)【公開日】2023-06-21
【審査請求日】2023-01-13
(31)【優先権主張番号】63/287,540
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/071,637
(32)【優先日】2022-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509352749
【氏名又は名称】宏碁股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ACER INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】林 榮懋
【審査官】▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-515814(JP,A)
【文献】Sony,Considerations on MBS functions for RRC_IDLE UEs[online],3GPP TSG RAN WG1 #104-e R1-2100873,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_104-e/Docs/R1-2100873.zip>,2021年01月19日
【文献】SONY,Remaining issues of physical layer aspects for SDT[online],3GPP TSG RAN WG1 #106b-e R1-2109771,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_106b-e/Docs/R1-2109771.zip>,2021年10月01日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチキャストブロードキャストサービス(MBS)送信及びスモールデータ送信(SDT)の受信を処理する通信装置であって、
少なくとも1つのトリガ条件が満たされたとき、ネットワークで前記SDTをトリガすることであり、前記少なくとも1つのトリガ条件は、当該通信装置が前記MBS送信に関連づけられた第1の下りリンク(DL)データを受信していないことを含む、ことと、
前記SDTに関連づけられた上りリンク(UL)データを前記ネットワークに送信し、又は前記ネットワークから前記SDTに関連づけられた第2のDLデータを受信することと、
前記ネットワークから無線リソース制御(RRC)メッセージを受信して前記SDTを終了することと、
を含む通信装置。
【請求項2】
当該通信装置は、前記MBS送信に関連づけられた前記第1のDLデータの前記受信の前の時間オフセットの間、前記SDTをトリガしない、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記時間オフセットは、閾値より小さくない、請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
当該通信装置は、前記ネットワークで前記SDTをトリガした後、前記ネットワークにインジケータを送信し、前記インジケータは、前記SDTが、前記MBS送信に関連づけられた前記第1のDLデータの前記受信の前の時間オフセットの間にないことを示す、請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記MBS送信の第1の優先順位と前記SDTの第2の優先順位を構成すること、
をさらに含む、請求項1に記載の通信装置。
【請求項6】
前記SDTに関連づけられた前記第2のDLデータの前記受信は、
前記第1の優先順位及び前記第2の優先順位に従って、前記MBS送信に関連づけられた第1の識別子を無視することと、
前記第1の優先順位及び前記第2の優先順位に従って、前記SDTに関連づけられた第2の識別子を受信することと、
を含む、請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記SDTに関連づけられた前記第2のDLデータの前記受信は、
前記MBS送信に関連づけられた第1の識別子、及び前記SDTに関連づけられた第2の識別子を受信することと、
前記第1の識別子により示される第1のリソースと前記第2の識別子により示される第2のリソースとが重なったとき、前記第1の優先順位及び前記第2の優先順位に従って、前記第1のリソースを無視し、前記第2のリソースを受信することと、
を含む、請求項5に記載の通信装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのトリガ条件は、
当該通信装置が前記SDTをサポートし、前記SDTの有効な構成を有する
ことをさらに含む、請求項1に記載の通信装置。
【請求項9】
前記ネットワークで前記SDTをトリガした後、前記SDTの失敗を検出するためのタイマを開始することと、
前記ネットワークから前記RRCメッセージを受信して前記SDTを終了した後、前記タイマを停止することと、
をさらに含む、請求項1に記載の通信装置。
【請求項10】
マルチキャストブロードキャストサービス(MBS)送信及びスモールデータ送信(SDT)の受信を処理する通信装置であって、
少なくとも1つのトリガ条件が満たされたとき、第1のネットワークで前記SDTをトリガすることと、
前記第1のネットワークからの前記MBS送信及び前記SDTのうちの一方である第1のものに関連づけられた第1の下りリンク(DL)データを無視し、前記第1のネットワークからの前記MBS送信及び前記SDTのうちの他方である第2のものに関連づけられた第2のDLデータを受信することと、
前記第1のネットワークから無線リソース制御(RRC)メッセージを受信して前記SDTを終了することと、
を含む通信装置。
【請求項11】
前記MBS送信及び前記SDTのうちの前記第1のものに関連づけられた第1の識別子を無視することと、
前記MBS送信及び前記SDTのうちの前記第2のものに関連づけられた第2の識別子を受信することと、
をさらに含む、請求項10に記載の通信装置。
【請求項12】
前記MBS送信及び前記SDTのうちの前記第1のものに関連づけられた第1の識別子と、前記MBS送信及び前記SDTのうちの前記第2のものに関連づけられた第2の識別子を受信することと、
前記第1の識別子により示される第1のリソースと前記第2の識別子により示される第2のリソースとが重なったとき、前記第1のリソースを無視し、前記第2のリソースを受信することと、
をさらに含む、請求項10に記載の通信装置。
【請求項13】
第2のネットワークから、無視すべきリソースを示すリリースメッセージを受信すること、
をさらに含み、前記第2のネットワークは前記通信装置のすぐ前のサービングgNB又は前記通信装置のすぐ前のサービングセルを含む、請求項10に記載の通信装置。
【請求項14】
前記リリースメッセージは、前記MBS送信及び前記SDTのうちの前記第1のものに関連づけられた第1の識別子、又は前記MBS送信及び前記SDTのうちの前記第1のものに関連づけられた第1のリソースを無視するように、当該通信装置を構成する構成を含む、請求項13に記載の通信装置。
【請求項15】
当該通信装置は、前記構成に従って前記第1のDLデータを無視する、請求項14に記載の通信装置。
【請求項16】
前記第2のネットワークから前記リリースメッセージを受信する前に、前記第2のネットワークにインジケータを送信すること、
をさらに含む、請求項13に記載の通信装置。
【請求項17】
前記インジケータは、前記MBS送信及び前記SDTのうちの前記第1のものの第1の優先順位が、前記MBS送信及び前記SDTのうちの前記第2のものの第2の優先順位より低いことを示す、請求項16に記載の通信装置。
【請求項18】
当該通信装置は、前記MBS送信及び前記SDTのうちの前記第1のものに関連づけられた第1の識別子、又は前記MBS送信及び前記SDTのうちの前記第1のものに関連づけられた第1のリソースを無視するように構成される、請求項10に記載の通信装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つのトリガ条件は、
当該通信装置が前記SDTをサポートし、前記SDTの有効な構成を有する
ことを含む、請求項10に記載の通信装置。
【請求項20】
少なくとも1つのマルチキャストブロードキャストサービス(MBS)送信及びスモールデータ送信(SDT)の受信を処理する通信装置であって、
少なくとも1つのトリガ条件が満たされたとき、ネットワークで前記SDTをトリガすることと、
少なくとも1つのMBS送信が前記SDTよりも高い優先順位を有することを示すアシスタンス情報に従って前記ネットワークから前記少なくとも1つのMBS送信に関連づけられた少なくとも1つの第1の下りリンク(DL)データを受信することと、
前記ネットワークから無線リソース制御(RRC)メッセージを受信して前記SDTを終了することと、
を含む、通信装置。
【請求項21】
当該通信装置は、少なくとも1つの送信条件が満たされたとき、前記アシスタンス情報を送信する、請求項20に記載の通信装置。
【請求項22】
前記少なくとも1つの送信条件は、少なくとも1つの以下の条件、すなわち、
当該通信装置が、前記少なくとも1つのMBS送信及び前記SDTの並列受信の能力をサポートしていないこと、
前記少なくとも1つのMBS送信の第1の優先順位が、前記SDTの第2の優先順位より高いこと、及び
当該通信装置が、前記少なくとも1つのMBS送信を受信するように構成されていること
を含む、請求項21に記載の通信装置。
【請求項23】
前記アシスタンス情報は、前記少なくとも1つのMBS送信の少なくとも1つのアイデンティティ(ID)、前記少なくとも1つのMBS送信に関連づけられた少なくとも1つの識別子、又は前記少なくとも1つのMBS送信に関連づけられた追加情報ステートメント(SAI)のうちの少なくとも1つを含む、請求項20に記載の通信装置。
【請求項24】
前記アシスタンス情報は、前記少なくとも1つのMBS送信の間に前記ネットワークが前記SDTに関連づけられた第2のDLデータを送信しないことを示すインジケータを含む、請求項20に記載の通信装置。
【請求項25】
前記ネットワークで前記SDTをトリガした後、前記SDTの失敗を検出するためのタイマを開始することと、
前記アシスタンス情報に従って前記ネットワークから前記少なくとも1つの第1のDLデータを受信したとき、前記タイマを中断することと、
前記アシスタンス情報に従って前記ネットワークから前記少なくとも1つの第1のDLデータを受信した後、前記タイマを続行することと、
前記ネットワークから前記RRCメッセージを受信した後、前記タイマを停止することと、
をさらに含む、請求項20に記載の通信装置。
【請求項26】
前記少なくとも1つのトリガ条件は、
当該通信装置が前記SDTをサポートし、前記SDTの有効な構成を有する
ことを含む、請求項20に記載の通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムで使用される装置及び方法に関し、より詳細には、マルチキャストブロードキャストサービス(MBS)送信及びスモールデータ送信(SDT)の受信を処理する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project、3GPP(登録商標)) Rel-8規格及び/又は3GPP(登録商標) Rel-9規格をサポートするロングタームエボリューション(long-term evolution、LTE)システムは、ユニバーサル移動体通信システム(universal mobile telecommunication system、UMTS)の後継として、ユーザの高まるニーズを満たすようにUMTSの性能をさらに強化するために、3GPP(登録商標)により開発されている。LTEシステムは、高データレート、低遅延、パケット最適化、並びに向上したシステム容量及びカバレッジを提供するニューラジオインターフェースとニューラジオネットワークアーキテクチャを含む。
【0003】
LTEアドバンスト(LTE-advanced、LTE-A)システムは、その名が示すように、LTEシステムの進化したものである。LTE-Aシステムは、電力状態間のより高速な切り替えを目標とし、進化型ノードB(evolved Node-B、eNB)のカバレッジエッジにおける性能を向上させ、ピークデータレート及びスループットを増加させ、キャリアアグリゲーション(carrier aggregation、CA)、協調マルチポイント(coordinated multipoint、CoMP)送信/受信、上りリンク(uplink、UL)複数入力複数出力(multiple-input multiple-output)(UL-MIMO)、ライセンス支援アクセス(licensed-assisted access、LAA)(例えば、LTEを使用する)などの高度な手法を含む。
【0004】
次世代無線アクセスネットワーク(next generation radio access network、NG-RAN)は、LTE-Aシステムをさらに強化するために開発されている。NG-RANは、1つ以上の次世代ノードB(gNB)を含み、より広い動作帯域、異なる周波数範囲に対する異なるヌメロロジ、大規模なMIMO、高度なチャネル符号化などの特性を有する。
【0005】
ユーザ装置(user equipment、UE)は、周波数分割多重化(frequency division multiplexing、FDM)又は時分割多重化(time division multiplexing、TDM)を介して、UE能力(例えば、並列受信能力(parallel reception capability、PRC))に従ってスロットにおいてマルチキャストブロードキャストサービス(multicast broadcast service、MBS)送信及びスモールデータ送信(small data transmission、SDT)に関連づけられたデータを受信することができる。しかしながら、UEが、このUE能力をサポートしていない場合、UEは、MBS送信とSDTが重なったときに、MBS送信及びSDTに関連づけられたデータを受信することができない。UEの挙動は、予測不可能になる。したがって、MBS送信及びSDTの受信を処理する方法は、解決すべき重要な問題である。
【発明の概要】
【0006】
したがって、本発明は、上述した問題を解決するために、マルチキャストブロードキャストサービス(MBS)送信及びスモールデータ送信(SDT)の受信を処理する通信装置及び方法を提供する。
【0007】
MBS送信及びSDTの受信を処理する通信装置は、少なくとも1つのトリガ条件が満たされたとき、ネットワークでSDTをトリガすることであり、少なくとも1つのトリガ条件は、当該通信装置がMBS送信に関連づけられた第1の下りリンク(DL)データを受信していないことを含む、ことと、SDTに関連づけられた上りリンク(UL)データをネットワークに送信し、又はネットワークからSDTに関連づけられた第2のDLデータを受信することと、ネットワークから無線リソース制御(RRC)メッセージを受信してSDTを終了することと、を含む。
【0008】
MBS送信及びSDTの受信を処理する通信装置は、少なくとも1つのトリガ条件が満たされたとき、第1のネットワークでSDTをトリガすることと、第1のネットワークからのMBS送信及びSDTのうちの最初のものに関連づけられた第1の下りリンク(DL)データを無視し、第1のネットワークからのMBS送信及びSDTのうちの2番目のものに関連づけられた第2のDLデータを受信することと、第1のネットワークから無線リソース制御(RRC)メッセージを受信してSDTを終了することと、を含む。
【0009】
MBS送信及びSDTの受信を処理する通信装置は、少なくとも1つのトリガ条件が満たされたとき、ネットワークでSDTをトリガすることと、アシスタンス情報に従ってネットワークから少なくとも1つのMBS送信に関連づけられた少なくとも1つの第1の下りリンク(DL)データを受信することと、ネットワークから無線リソース制御(RRC)メッセージを受信してSDTを終了することと、を含む。
【0010】
本発明のこれら及び他の目的は、様々な図及び図面に示される好ましい実施形態についての以下の詳細な説明を読んだ後、当業者に疑いなく明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一例による無線通信システムの概略図である。
図2】本発明の一例による通信装置の概略図である。
図3】本発明の一例によるプロセスのフローチャートである。
図4】本発明の一例によるMBS送信及びSDTの受信の概略図である。
図5】本発明の一例によるプロセスのフローチャートである。
図6】本発明の一例によるプロセスのシーケンス図である。
図7】本発明の一例によるプロセスのシーケンス図である。
図8】本発明の一例によるプロセスのフローチャートである。
図9】本発明の一例によるプロセスのシーケンス図である。
図10】本発明の一例によるプロセスのシーケンス図である。
図11】本発明の一例によるプロセスのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の一例による無線通信システム10の概略図である。無線通信システム10は、ネットワーク12と複数の通信装置14から簡潔に構成されている。無線通信システム10は、時分割複信(time-division duplexing、TDD)モード、周波数分割複信(frequency-division duplexing、FDD)モード、TDD-FDD連帯(TDD-FDD joint)動作モード、非地上系ネットワーク(non-terrestrial network、NTN)モード、又はライセンス支援アクセス(licensed-assisted access、LAA)モードをサポートすることができる。すなわち、ネットワーク12と通信装置14は、FDDキャリア、TDDキャリア、免許要の(licensed)キャリア(免許要のサービングセル)、及び/又は免許不要の(unlicensed)キャリア(免許不要のサービングセル)を介して互いに通信することができる。さらに、無線通信システム10は、キャリアアグリゲーション(CA)をサポートする場合がある。すなわち、ネットワーク12と通信装置14は、プライマリセル(例えば、プライマリコンポーネントキャリア)と1つ以上のセカンダリセル(例えば、セカンダリコンポーネントキャリア)とを含む複数のサービングセル(例えば、複数のサービングキャリア)を介して互いに通信することができる。
【0013】
図1では、無線通信システム10の構造を例示するために、ネットワーク12と通信装置14を単に利用している。実際には、ネットワーク12は、ユニバーサル移動体通信システム(universal mobile telecommunications system、UMTS)において少なくとも1つのノードB(Node-B、NB)を含むユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(universal terrestrial radio access network、UTRAN)でもよい。一例において、ネットワーク12は、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)システム、LTEアドバンスト(LTE-A)システム、LTE-Aシステムの進化したものなどにおいて少なくとも1つの進化型NB(evolved NB、eNB)及び/又は少なくとも1つの中継ノードを含む進化型UTRAN(evolved UTRAN、E-UTRAN)でもよい。一例において、ネットワーク12は、少なくとも1つの次世代ノードB(gNB)及び/又は少なくとも1つの第5世代(5G)基地局(base station、BS)を含む次世代無線アクセスネットワーク(NG-RAN)でもよい。一例において、ネットワーク12のgNB又は5G BSは、NTNゲートウェイ及びNTNペイロードを含んでもよい。一例において、ネットワーク12は、通信装置14と通信するために特定の通信規格に適合する任意のBSであってよい。
【0014】
ニューラジオ(new radio、NR)は、より良い性能を有する統一されたエアインターフェースを提供するために、5Gシステム(又は、5Gネットワーク)に対して定義された規格である。gNBは、拡張モバイルブロードバンド(enhanced Mobile Broadband、eMBB)、超高信頼低遅延通信(Ultra Reliable Low Latency Communications、URLLC)、大規模マシンタイプ通信(massive Machine Type Communications、mMTC)などの高度な特徴をサポートする5Gシステムを実現するために配備される。MBBは、より大きい帯域幅と低/中程度の遅延を有するブロードバンドサービスを提供する。URLLCは、より高い信頼性と低遅延の特性を有するアプリケーション(例えば、エンドツーエンド通信)を提供する。アプリケーションの例には、産業用インターネット、スマートグリッド、インフラストラクチャ保護、遠隔手術、及びインテリジェント交通システム(intelligent transportation system、ITS)が含まれる。mMTCは、数十億個のコネクテッドデバイス及び/又はセンサを含む5Gシステムのモノのインターネット(internet-of-things、IoT)をサポートすることができる。
【0015】
さらに、ネットワーク12は、UTRAN/E-UTRAN/NG-RANの少なくとも1つとコアネットワークを含んでもよく、コアネットワークは、モビリティ管理エンティティ(Mobility Management Entity、MME)、サービングゲートウェイ(Serving Gateway、S-GW)、パケットデータネットワーク(Packet Data Network、PDN)ゲートウェイ(P-GW)、自己組織化ネットワーク(Self-Organizing Networks、SON)サーバ及び/又は無線ネットワークコントローラ(Radio Network Controller、RNC)、アクセス及びモビリティ管理機能(Access and Mobility Management Function、AMF)、セッション管理機能(Session Management Function、SMF)、ユーザプレーン機能(User Plane Function、UPF)、認証サーバ機能(Authentication Server Function、AUSF)などのネットワークエンティティを含むことができる。一例において、ネットワーク12が、通信装置14により送信された情報を受信した後、情報は、UTRAN/E-UTRAN/NG-RANによってのみ処理されてもよく、情報に対応する判断は、UTRAN/E-UTRAN/NG-RANで行われる。一例において、UTRAN/E-UTRAN/NG-RANは、情報をコアネットワークに転送してもよく、情報に対応する判断は、コアネットワークが情報を処理した後、コアネットワークで行われる。一例において、情報は、UTRAN/E-UTRAN/NG-RANとコアネットワークの双方により処理されてもよく、判断は、協調及び/又は協働がUTRAN/E-UTRAN/NG-RANとコアネットワークにより実行された後に行われる。
【0016】
通信装置14は、ユーザ装置(UE)、超小型地球局(Very Small Aperture Terminal、VSAT)、低コストデバイス(例えば、マシンタイプ通信(MTC)デバイス)、デバイス間(device-to-device、D2D)通信装置、狭帯域のモノのインターネット(IoT)(NB-IoT)、携帯電話、ラップトップ、タブレットコンピュータ、電子ブック、ポータブルコンピュータシステム、又はこれらの組み合わせでもよい。さらに、ネットワーク12と通信装置14は、方向(すなわち、送信方向)に従って送信機又は受信機として見ることができ、例えば、上りリンク(UL)では、通信装置14は送信機であり、ネットワーク12は受信機であり、下りリンク(DL)では、ネットワーク12は送信機であり、通信装置14は受信機である。
【0017】
図2は、本発明の一例による通信装置20の概略図である。通信装置20は、図1に示す通信装置14又はネットワーク12でもよいが、本明細書で限定されない。通信装置20は、マイクロプロセッサ又は特定用途向け集積回路(ASIC)などの少なくとも1つの処理回路200と、少なくとも1つの記憶装置210と、少なくとも1つの通信インターフェース装置220を含むことができる。少なくとも1つの記憶装置210は、少なくとも1つの処理回路200によりアクセスされ実行されるプログラムコード214を記憶することができる任意のデータ記憶装置でもよい。少なくとも1つの記憶装置210の例には、これらに限られないが、加入者識別モジュール(SIM)、読取専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、コンパクトディスク読取専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスクROM(DVD-ROM)、Blu-ray(登録商標)ディスクROM(BD-ROM)、磁気テープ、ハードディスク、光学データ記憶装置、不揮発性記憶装置、非一時的コンピュータ読取可能媒体(例えば、有形メディア)などが含まれる。少なくとも1つの通信インターフェース装置220は、好ましくは少なくとも1つのトランシーバであり、少なくとも1つの処理回路200の処理結果に従って信号(例えば、データ、メッセージ、及び/又はパケット)を送信及び受信するために使用される。
【0018】
図3は、本発明の一例によるプロセス30のフローチャートである。プロセス30は、マルチキャストブロードキャストサービス(MBS)送信及びスモールデータ送信(SDT)の受信を処理する(handle)ために、通信装置(例えば、図2の通信装置20)において利用されてもよい。プロセス30は、プログラムコード214にコンパイルされてもよく、以下のステップを含む。
【0019】
ステップ300: 開始。
【0020】
ステップ302: 少なくとも1つのトリガ条件が満たされたとき、第1のネットワークでSDTをトリガし、少なくとも1つのトリガ条件は、通信装置がMBS送信に関連づけられた第1のDLデータを受信していないことを含む。
【0021】
ステップ304: SDTに関連づけられたULデータを第1のネットワークに送信し、又は第1のネットワークからSDTに関連づけられた第2のDLデータを受信する。
【0022】
ステップ306: 第1のネットワークから無線リソース制御(RRC)メッセージを受信してSDTを終了する。
【0023】
ステップ308: 終了。
【0024】
プロセス30に従い、通信装置は、非アクティブモードに入り、第1のネットワークに在圏し(camps on)、少なくとも1つのトリガ条件が満たされたときに第1のネットワークでSDTをトリガする。少なくとも1つのトリガ条件は、通信装置がMBS送信に関連づけられた第1のDLデータを受信していないことを含む。次いで、通信装置は、SDTに関連づけられたULデータを第1のネットワークに送信し、かつ/あるいは第1のネットワークからSDTに関連づけられた第2のDLデータを受信する。通信装置は、第1のネットワークからRRCメッセージを受信してSDTを終了する。通信装置は、RRCメッセージに応答してSDTを終了する。すなわち、通信装置は、MBS送信が実行されているときにSDTをトリガ/実行できず、MBS送信が実行されていないときにSDTをトリガ/実行する。さらに、通信装置は、SDTの間にMBS送信を実行できない。したがって、MBS送信及びSDTの受信を処理する方法の問題を解決することができる。
【0025】
プロセス30の実現は上記説明に限定されない。プロセス30を実現するために、以下の例が適用されてもよい。
【0026】
一例において、通信装置は、MBS送信に関連づけられた第1のDLデータの受信の前の時間オフセット(例えば、ガード時間(GA))の間、SDTをトリガしない。すなわち、少なくとも1つのトリガ条件は、SDTをトリガする時点が、第1のDLデータを受信する時間期間の前の時間オフセットの間でないことをさらに含む。一例において、時間オフセットは、第1の閾値より小さくない。第1の閾値は、第1のネットワークにより構成される。一例において、通信装置は、第1のネットワークでSDTをトリガした後、第1のネットワークにインジケータを送信する。インジケータは、SDTが、MBS送信に関連づけられた第1のDLデータの受信の前の時間オフセット(例えば、GA)の間にないことを示す。すなわち、通信装置は、インジケータを送信することにより、MBS送信が実行されようとしていることを第1のネットワークに通知する。一例において、通信装置は、第1のネットワークからULデータに関連づけられた(又は、SDTに関連づけられた)第2のDLデータを受信する。
【0027】
一例において、通信装置は、MBS送信の第1の優先順位とSDTの第2の優先順位を構成する(例えば、第2の優先順位は、第1の優先順位より高い)。すなわち、通信装置は、それ自身で、MBS送信又はSDT(例えば、第1のDLデータ又は第2のDLデータを受信するため)を実行することを決定する。一例において、通信装置は、第1の優先順位及び第2の優先順位に従って、MBS送信に関連づけられた第1の識別子を無視し(例えば、パスし(passes))、第1の優先順位及び第2の優先順位に従って、SDTに関連づけられた第2の識別子を受信する(例えば、監視する)。第1の識別子は、通信装置がMBS送信に関連づけられた第1のDLデータを受信するための第1のリソース(例えば、物理DL共有チャネル(physical DL shared channel、PDSCH))を示す。第2の識別子は、通信装置がSDTに関連づけられた第2のDLデータを受信するための第2のリソース(例えば、PDSCH)を示す。すなわち、通信装置は、第1の識別子を無視することにより、MBS送信に関連づけられた第1のDLデータを無視し、第2の識別子を受信することにより、SDTに関連づけられた第2のDLデータを受信する。一例において、第1の識別子と第2の識別子は、同じ物理DL制御チャネル(physical DL control channel、PDCCH)に含まれ、あるいは異なるPDCCHに含まれる。一例において、第1の識別子はグループ無線ネットワーク一時識別子(group-radio network temporary identifier、G-RNTI)であり、第2の識別子はセルRNTI(cell-RNTI、C-RNTI)である。
【0028】
一例において、通信装置は、MBS送信に関連づけられた第1の識別子と、SDTに関連づけられた第2の識別子を受信する(例えば、監視する)。次いで、通信装置は、第1の識別子により示される第1のリソースと第2の識別子により示される第2のリソースが重なった(overlap)(例えば、衝突した)とき、第1の優先順位及び第2の優先順位に従って、第1のリソース(例えば、PDSCH)を無視し(例えば、パスし)、第2のリソース(例えば、PDSCH)を受信する。第1の識別子により示される第1のリソースは、通信装置がMBS送信に関連づけられた第1のDLデータを受信するためのものである。第2の識別子により示される第2のリソースは、通信装置がSDTに関連づけられた第2のDLデータを受信するためのものである。すなわち、通信装置は、第1のリソースを無視することにより、MBS送信に関連づけられた第1のDLデータを無視し、第2のリソースを受信することにより、SDTに関連づけられた第2のDLデータを受信する。
【0029】
一例において、少なくとも1つのトリガ条件は、通信装置がSDTをサポートし、SDTの有効な構成を有することをさらに含む。一例において、少なくとも1つのトリガ条件は、少なくとも1つの以下の条件、すなわち、ULデータがSDTのデータ無線ベアラ(data radio bearer、DRB)に属することと、ULデータのボリュームが第2の閾値より小さいことをさらに含む。一例において、通信装置は、第1のネットワークでSDTをトリガした後、SDTの失敗(failure)を検出するためのタイマを開始する。一例において、通信装置は、第1のネットワークからRRCメッセージを受信してSDTを終了した後、タイマを停止する。
【0030】
一例において、通信装置は、並列受信能力(parallel reception capability、PRC)をサポートしない。PRCは、スロット内で複数のPDSCH(例えば、ユニキャストPDSCHとグループ共通PDSCH)を受信する能力である。すなわち、通信装置がPRCをサポートしていない場合、通信装置は、SDT及びMBS送信に関連づけられたDLデータ(例えば、第1のDLデータと第2のDLデータ)を同時に受信することができない。一例において、第1のネットワークは、UEコンテキスト要求メッセージを第2のネットワークに送信し、第2のネットワークからUEコンテキスト応答メッセージを受信する。第1のネットワークは、UEコンテキスト応答メッセージに従って、通信装置がPRCをサポートしているかどうかがわかる。一例において、第1のネットワークは、通信装置のサービングgNB又は通信装置のサービングセルを含む(例えば、該サービングgNB又は該サービングセルである)。一例において、第2のネットワークは、通信装置のすぐ前の(last)サービングgNB又は通信装置のすぐ前のサービングセルを含む(例えば、該すぐ前のサービングgNB又は該すぐ前のサービングセルである)。
【0031】
図4は、本発明の一例によるMBS送信及びSDTの受信の概略図であり、プロセス30を実施するために利用されてもよい。図4では、時間ドメイン上に時間期間(time duration)TD、時間オフセット(time offset)TO、及び時点(time instants)TI1~TI4がある。時間期間TD、時間オフセットTO、及び時点TI1~TI4は、本発明の例を示すために用いられており、本明細書で限定されない。時間期間TDは、通信装置がMBS送信を実行する(例えば、MBS送信に関連づけられた第1のDLデータを受信する)ために使用される。時間オフセットTOは、時間期間TDの前のGAである。時点TI1~TI4は、通信装置がSDTをトリガすることが可能な時点であり、ドットで示されている。通信装置は、時点TI1でSDTをトリガすることができ、なぜならば、時点TI1は、時間期間TD及び時間オフセットTOの間でないためである。少なくとも1つのトリガ条件が、SDTをトリガする時点が時間オフセットTOの間でないことを含む場合、通信装置は、時点TI2でSDTをトリガできず、なぜならば、時点TI2は、時間オフセットTOの間であるためである。通信装置は、時点TI3でSDTをトリガできず、なぜならば、時点TI3は、時間期間TDの間であるためである。通信装置は、時点TI4でSDTをトリガすることができ、なぜならば、時点TI4は、時間期間TD及び時間オフセットTOの間でないためである。すなわち、通信装置では、MBS送信がSDTより高い優先順位を有する。通信装置は、MBS送信を実行する(又は、実行しようとしている)とき、SDTをトリガ/実行しない。
【0032】
図5は、本発明の一例によるプロセス50のフローチャートである。プロセス50は、MBS送信及びSDTの受信を処理するために、通信装置(例えば、図2の通信装置20)で利用されてもよい。プロセス50は、プログラムコード214にコンパイルされてもよく、以下のステップを含む。
【0033】
ステップ500: 開始。
【0034】
ステップ502: 少なくとも1つのトリガ条件が満たされたとき、第1のネットワークでSDTをトリガする。
【0035】
ステップ504: 第1のネットワークからのMBS送信及びSDTのうちの最初のものに関連づけられた第1のDLデータを無視し、第1のネットワークからのMBS送信及びSDTのうちの2番目のものに関連づけられた第2のDLデータを受信する。
【0036】
ステップ506: 第1のネットワークからRRCメッセージを受信してSDTを終了する。
【0037】
ステップ508: 終了。
【0038】
プロセス50に従い、通信装置は、非アクティブモードに入り、第1のネットワークに在圏し、少なくとも1つのトリガ条件が満たされたときに第1のネットワークでSDTをトリガする。次いで、通信装置は、SDTに関連づけられたULデータを第1のネットワークに送信することができる。通信装置は、第1のネットワークからのMBS送信及びSDTのうちの最初のものに関連づけられた第1のDLデータを無視し(例えば、パスし)、第1のネットワークからのMBS送信及びSDTのうちの2番目のものに関連づけられた第2のDLデータを受信する。一例において、MBS送信及びSDTのうちの最初のものはMBS送信であり、MBS送信及びSDTのうちの2番目のものはSDTである。一例において、MBS送信及びSDTのうちの最初のものはSDTであり、MBS送信及びSDTのうちの2番目のものはMBS送信である。通信装置は、第1のネットワークからRRCメッセージを受信してSDTを終了する。通信装置は、RRCメッセージに応答してSDTを終了する。すなわち、MBS送信及びSDTのうちの最初のものの第1の優先順位は、MBS送信及びSDTのうちの2番目のものの第2の優先順位より低い。通信装置は、最初のものと2番目のものが重なった(例えば、衝突した)とき、最初のものでなく2番目のものを実行する(例えば、最初のDLデータではなく2番目のDLデータを受信する)。したがって、MBS送信及びSDTの受信を処理する方法の問題を解決することができる。
【0039】
プロセス50の実現は上記説明に限定されない。プロセス50を実現するために、以下の例が適用されてもよい。
【0040】
一例において、通信装置は、MBS送信及びSDTのうちの最初のものに関連づけられた第1の識別子を無視し(例えば、パスし)、MBS送信及びSDTのうちの2番目のものに関連づけられた第2の識別子を受信する(例えば、監視する)。第1の識別子は、通信装置が第1のDLデータを受信するための第1のリソース(例えば、PDSCH)を示す。第2の識別子は、通信装置が第2のDLデータを受信するための第2のリソース(例えば、PDSCH)を示す。すなわち、通信装置は、第1の識別子を無視することにより第1のDLデータを無視し、第2の識別子を受信することにより第2のDLデータを受信する。一例において、第1の識別子と第2の識別子は同じPDCCHに含まれ、あるいは異なるPDCCHに含まれる。一例において、第1の識別子は、MBS送信に関連づけられたG-RNTIであり、第2の識別子は、SDTに関連づけられたC-RNTIである。一例において、第1の識別子は、SDTに関連づけられたC-RNTIであり、第2の識別子は、MBS送信に関連づけられたG-RNTIである。
【0041】
一例において、通信装置は、MBS送信及びSDTのうちの最初のものに関連づけられた第1の識別子と、MBS送信及びSDTのうちの2番目のものに関連づけられた第2の識別子を受信する(例えば、監視する)。次いで、通信装置は、第1の識別子により示される第1のリソースと第2の識別子により示される第2のリソースが重なった(例えば、衝突した)とき、第1のリソース(例えば、PDSCH)を無視し(例えば、パスし)、第2のリソース(例えば、PDSCH)を受信する。第1の識別子により示される第1のリソースは、通信装置が第1のDLデータを受信するためのものである。第2の識別子により示される第2のリソースは、通信装置が第2のDLデータを受信するためのものである。すなわち、通信装置は、第1のリソースを無視することにより第1のDLデータを無視し、第2のリソースを受信することにより第2のDLデータを受信する。
【0042】
一例において、通信装置は、MBS送信とSDTの優先順位を構成する。一例において、第2のネットワークが、MBS送信とSDTの優先順位を構成する。
【0043】
第2のネットワークがMBS送信とSDTの優先順位を構成するための様々な方法がある。一例において、通信装置は、第2のネットワークからリリースメッセージ(又は、再構成メッセージ)を受信する。リリースメッセージ(又は、再構成メッセージ)は、MBS送信及びSDTのうちの最初のものに関連づけられた第1の識別子、又はMBS送信及びSDTのうちの最初のものに関連づけられた第1のリソースを無視するように、通信装置を構成する構成を含む。第1の識別子は、第1のリソースを示し、第1のリソースは、通信装置が第1のDLデータを受信するためのものである。すなわち、構成は、第1のDLデータを無視するように通信装置に指示する。したがって、通信装置は、構成に従って第1のDLデータを無視する。一例において、通信装置は、第2のネットワークからリリースメッセージ(又は、再構成メッセージ)を受信する前に、第2のネットワークにインジケータを送信する。インジケータは、MBS送信及びSDTのうちの最初のものの第1の優先順位が、MBS送信及びSDTのうちの2番目のものの第2の優先順位より低いことを示し、すなわち、通信装置のプリファレンス(preference)を示す。すなわち、通信装置は、そのプリファレンスを第2のネットワークに通知し、第2のネットワークは、通信装置のプリファレンスに従ってMBS送信とSDTの優先順位を構成する。
【0044】
一例において、通信装置は、MBS送信及びSDTのうちの最初のものに関連づけられた第1の識別子、又はMBS送信及びSDTのうちの最初のものに関連づけられた第1のリソースを(例えば、通信規格に従って)無視するように構成される(例えば、指定される)。第1の識別子は、第1のリソースを示し、第1のリソースは、通信装置が第1のDLデータを受信するためのものである。すなわち、通信装置は、第1の識別子又は第1のリソースを(例えば、通信規格に従って)無視するように構成される(例えば、指定される)ことにより第1のDLデータを無視する。
【0045】
一例において、通信装置が、SDTに関連づけられたDLデータを無視する場合、通信装置は、SDTに関連づけられたDLデータに対応する否定応答(negative acknowledgement、NACK)を第1のネットワークに送信する。第1のネットワークは、通信装置からNACKを(連続的に)受信したとき、通信装置がSDTでなくMBS送信を実行する(例えば、SDTに関連づけられたDLデータではなく、MBS送信に関連づけられたDLデータを受信する)と判断し、SDTに関連づけられたDLデータをバッファリングする。次いで、第1のネットワークは、MBS送信を実行した後、SDTに関連づけられたDLデータを送信する。
【0046】
一例において、少なくとも1つのトリガ条件は、通信装置がSDTをサポートし、SDTの有効な構成を有することを含む。一例において、少なくとも1つのトリガ条件は、少なくとも1つの以下の条件、すなわち、ULデータがSDTのDRBに属することと、ULデータのボリュームが第2の閾値より小さいことをさらに含む。一例において、通信装置は、第1のネットワークから第2のDLデータを受信した後、第1のネットワークから第1のDLデータを受信する。
【0047】
一例において、通信装置は、PRCをサポートしない。PRCは、スロット内で複数のPDSCH(例えば、ユニキャストPDSCHとグループ共通PDSCH)を受信する能力である。すなわち、通信装置がPRCをサポートしていない場合、通信装置は、SDT及びMBS送信に関連づけられたDLデータ(例えば、第1のDLデータと第2のDLデータ)を同時に受信することができない。一例において、第1のネットワークは、UEコンテキスト要求メッセージを第2のネットワークに送信し、第2のネットワークからUEコンテキスト応答メッセージを受信する。第1のネットワークは、UEコンテキスト応答メッセージに従って、通信装置がPRCをサポートしているかどうかがわかる。一例において、第1のネットワークは、通信装置のサービングgNB又は通信装置のサービングセルを含む(例えば、該サービングgNB又は該サービングセルである)。一例において、第2のネットワークは、通信装置のすぐ前のサービングgNB又は通信装置のすぐ前のサービングセルを含む(例えば、該すぐ前のサービングgNB又は該すぐ前のサービングセルである)。
【0048】
図6は、本発明の一例によるプロセス60のシーケンス図である。プロセス60は、通信装置CD(例えば、プロセス50における通信装置)、ネットワークNW1(例えば、プロセス50における第1のネットワーク)、及びネットワークNW2(例えば、プロセス50の例における第2のネットワーク)により実行される。ネットワークNW1は、通信装置CDのサービングgNBであり、ネットワークNW2は、通信装置CDのすぐ前のサービングgNBである。図6では、MBS送信の優先順位がSDTの優先順位よりも低いように構成されている。例えば、通信装置CDは、MBS送信とSDTが重なったとき、MBS送信に関連づけられたG-RNTI又はMBS送信に関連づけられたリソースを無視するように指定されている(図示せず)。例えば、通信装置CDは、そのプリファレンスを示す指標をネットワークNW2に送信することができ(ステップ600)、ネットワークNW2は、通信装置CDにリリースメッセージを送信する(ステップ602)。リリースメッセージは、MBS送信とSDTが重なったときに、MBS送信に関連づけられたG-RNTI又はMBS送信に関連づけられたリソースを無視するように通信装置CDを構成する。
【0049】
通信装置CDは、非アクティブモードに入り(ステップ604)、ネットワークNW1に在圏する(ステップ606)。通信装置CDは、トリガ条件が満たされたとき、SDTをトリガする(ステップ608)。通信装置CDは、SDTに関連づけられたULデータをネットワークNW1に送信する(ステップ610)。並列受信(PR)期間PRDの間(すなわち、MBS送信とSDTが重なったとき)、通信装置CDは、MBS送信に関連づけられたDLデータを無視し(ステップ612)、第1のネットワークNW1からSDTに関連づけられたDLデータを受信し(ステップ614)、なぜならば、通信装置CDは、MBS送信とSDTが重なったとき、MBS送信に関連づけられたG-RNTI又はMBS送信に関連づけられたリソースを無視するように指定され/構成されているためである。ネットワークNW1は、SDTを終了するために、PR期間PRDの後にRRCメッセージを通信装置CDに送信する(ステップ616)。通信装置CDは、RRCメッセージに応答してSDTを終了する(ステップ618)。図6において、ステップ612及び614は逆の順序で実行されてもよい。
【0050】
図7は、本発明の一例によるプロセス70のシーケンス図である。プロセス70は、通信装置CD(例えば、プロセス50における通信装置)、ネットワークNW1(例えば、プロセス50における第1のネットワーク)、及びネットワークNW2(例えば、プロセス50の例における第2のネットワーク)により実行される。ネットワークNW1は、通信装置CDのサービングgNBであり、ネットワークNW2は、通信装置CDのすぐ前のサービングgNBである。図7では、SDTの優先順位がMBS送信の優先順位より低いように構成されている。例えば、通信装置CDは、MBS送信とSDTが重なったとき、SDTに関連づけられたC-RNTI又はSDTに関連づけられたリソースを無視するように指定されている(図示せず)。例えば、通信装置CDは、そのプリファレンスを示す指標をネットワークNW2に送信することができ(ステップ700)、ネットワークNW2は、通信装置CDにリリースメッセージを送信する(ステップ702)。リリースメッセージは、MBS送信とSDTが重なったときに、SDTに関連づけられたC-RNTI又はSDTに関連づけられたリソースを無視するように通信装置CDを構成する。
【0051】
ステップ704~710は、ステップ604~610を参照でき、ここでは述べられない。PR時間PRDの間(すなわち、MBS送信とSDTが重なったとき)、通信装置CDは、ネットワークNW1からMBS送信に関連づけられたDLデータを受信し(ステップ712)、SDTに関連づけられたDLデータを無視し(ステップ714)、SDTに関連づけられたDLデータに対応するNACKをネットワークNW1に送信する(ステップ716)。ネットワークNW1は、通信装置CDからNACKを受信したとき、通信装置CDがSDTでなくMBS送信を実行すると判断し(ステップ718)、SDTに関連づけられたDLデータをバッファリングする(ステップ720)。通信装置CDは、PR期間PRDの後、ネットワークNW1からSDTに関連づけられたDLデータを受信する(ステップ722)。ネットワークNW1は、SDTを終了するために、通信装置CDにRRCメッセージを送信する(ステップ724)。通信装置CDは、RRCメッセージに応答してSDTを終了する(ステップ726)。図7において、ステップ712及び714は逆の順序で実行されてもよい。
【0052】
図8は、本発明の一例によるプロセス80のフローチャートである。プロセス80は、MBS送信及びSDTの受信を処理するために、通信装置(例えば、図2の通信装置20)において利用されてもよい。プロセス80は、プログラムコード214にコンパイルされてもよく、以下のステップを含む。
【0053】
ステップ800: 開始。
【0054】
ステップ802: 少なくとも1つのトリガ条件が満たされたとき、第1のネットワークでSDTをトリガする。
【0055】
ステップ804: アシスタンス情報(assistance information)に従って第1のネットワークから少なくとも1つのMBS送信に関連づけられた少なくとも1つの第1のDLデータを受信する。
【0056】
ステップ806: 第1のネットワークからRRCメッセージを受信してSDTを終了する。
【0057】
ステップ808: 終了。
【0058】
プロセス80に従い、通信装置は、非アクティブモードに入り、第1のネットワークに在圏し、少なくとも1つのトリガ条件が満たされたときに第1のネットワークでSDTをトリガする。通信装置は、SDTに関連づけられたULデータとアシスタンス情報を第1のネットワークに送信することができ、アシスタンス情報に従って第1のネットワークから少なくとも1つのMBS送信に関連づけられた少なくとも1つの第1のDLデータを受信する。通信装置は、アシスタンス情報に従って第1のネットワークから少なくとも1つの第1のDLデータを受信した後、第1のネットワークからSDTに関連づけられた(又は、ULデータに関連づけられた)第2のDLデータを受信することができる。通信装置は、第1のネットワークからRRCメッセージを受信してSDTを終了する。通信装置は、RRCメッセージに応答してSDTを終了する。すなわち、アシスタンス情報は、少なくとも1つのMBS送信がSDTより高い優先順位を有することを構成する。通信装置は、少なくとも1つのMBS送信が実行されているとき、SDTを実行する(例えば、第1のネットワークからSDTに関連づけられた第2のDLデータを受信する)ことができず、少なくとも1つのMBS送信が実行されていないとき、SDTを実行する。したがって、MBS送信及びSDTの受信を処理する方法の問題を解決することができる。
【0059】
プロセス80の実現は上記説明に限定されない。プロセス80を実現するために、以下の例が適用されてもよい。
【0060】
一例において、通信装置は、少なくとも1つの送信条件が満たされたとき、アシスタンス情報を送信する。一例において、少なくとも1つの送信条件は、少なくとも1つの以下の条件、すなわち、通信装置が少なくとも1つのMBS送信及びSDTの並列受信の能力(例えば、PRC)をサポートしていないことと、少なくとも1つのMBS送信の第1の優先順位がSDTの第2の優先順位より高いことと、通信装置が少なくとも1つのMBS送信を受信するように構成されている(例えば、受信することに関心がある)ことを含む。
【0061】
一例において、アシスタンス情報は、少なくとも1つのMBS送信の少なくとも1つのアイデンティティ(ID)(例えば、MBSセッションID)、少なくとも1つのMBS送信に関連づけられた少なくとも1つの識別子(例えば、G-RNTI)、又は少なくとも1つのMBS送信に関連づけられた追加情報ステートメント(statement of additional information、SAI)のうちの少なくとも1つを含む。一例において、アシスタンス情報は、少なくとも1つのMBS送信の間に第1のネットワークがSDTに関連づけられた(又は、ULデータに関連づけられた)第2のDLデータを送信しないことを示すインジケータを含む(例えば、該インジケータである)。すなわち、アシスタンス情報に従い、第1のネットワークは、MBS送信とSDTが重なったとき、SDTを実行せず(例えば、SDTに関連づけられた第2のDLデータを送信/スケジュールしない)、SDTに関連づけられた第2のDLデータをバッファリングする。
【0062】
一例において、通信装置は、第1のネットワークでSDTをトリガした後、SDTの失敗を検出するためのタイマを開始する。一例において、通信装置は、アシスタンス情報に従って第1のネットワークから少なくとも1つの第1のDLデータを受信したとき、タイマを中断する。一例において、通信装置は、アシスタンス情報に従って第1のネットワークから少なくとも1つの第1のDLデータを受信した後、タイマを続行する。一例において、通信装置は、第1のネットワークからRRCメッセージを受信した後、タイマを停止する。
【0063】
一例において、少なくとも1つのトリガ条件は、通信装置がSDTをサポートし、SDTの有効な構成を有することを含む。一例において、少なくとも1つのトリガ条件は、少なくとも1つの以下の条件、すなわち、ULデータがSDTのDRBに属することと、ULデータのボリュームが第2の閾値より小さいことをさらに含む。
【0064】
一例において、通信装置はPRCをサポートしていない。PRCは、スロット内で複数のPDSCH(例えば、ユニキャストPDSCHとグループ共通PDSCH)を受信する能力である。すなわち、通信装置がPRCをサポートしていない場合、通信装置は、SDT及びMBS送信に関連づけられたDLデータ(例えば、少なくとも1つの第1のDLデータと第2のDLデータ)を同時に受信することができない。一例において、第1のネットワークは、第2のネットワークにUEコンテキスト要求メッセージを送信し、第2のネットワークからUEコンテキスト応答メッセージを受信する。第1のネットワークは、UEコンテキスト応答メッセージに従って、通信装置がPRCをサポートしているかどうかがわかる。一例において、第1のネットワークは、通信装置のサービングgNB又は通信装置のサービングセルを含む(例えば、該サービングgNB又は該サービングセルである)。一例において、第2のネットワークは、通信装置のすぐ前のサービングgNB又は通信装置のすぐ前のサービングセルを含む(例えば、該すぐ前のサービングgNB又は該すぐ前のサービングセルである)。
【0065】
図9は、本発明の一例によるプロセス90のシーケンス図である。プロセス90は、通信装置CD(例えば、プロセス80における通信装置)とネットワークNW(例えば、プロセス80における第1のネットワーク)により実行される。ネットワークNWは、通信装置CDのサービングgNBである。図9において、ネットワークNWは、時間期間TD1の間に第1のMBS送信を実行し、時間期間TD2の間に第2のMBS送信を実行するように構成/スケジュールしている。通信装置CDは、非アクティブモードに入り(ステップ900)、ネットワークNWに在圏する(ステップ902)。通信装置CDは、トリガ条件が満たされたとき、SDTをトリガする(ステップ904)。通信装置CDは、送信条件が満たされたとき、SDTに関連づけられたULデータとアシスタンス情報をネットワークNWに送信する(ステップ906)。アシスタンス情報は、第1のMBS送信の情報(例えば、MBSセッションID、G-RNTI、及び/又はSAI)を含む。
【0066】
時間期間TD1の間、ネットワークNWは、アシスタンス情報に従って、第1のMBS送信に関連づけられたDLデータを通信装置CDに送信し(ステップ908)、SDTに関連づけられたDLデータをバッファリングする(ステップ910)。時間期間TD2の間、ネットワークNWは、第2のMBS送信に関連づけられたDLデータを通信装置CDに送信せず(ステップ912)、SDTに関連づけられたDLデータを送信する(ステップ914)。ネットワークNWは、SDTを終了するために、RRCメッセージを通信装置CDに送信する(ステップ916)。通信装置CDは、RRCメッセージに応答してSDTを終了する(ステップ918)。
【0067】
図9において、アシスタンス情報は、第1のMBS送信と重なるSDTに関連づけられたDLデータを送信/スケジュールしないようにネットワークNWに通知する。すなわち、SDT、第1のMBS送信、及び第2のMBS送信の優先順位は、アシスタンス情報に従って決定される。すなわち、アシスタンス情報が第1のMBS送信の情報を含むため、第1のMBS送信の優先順位はSDTの優先順位より高く、アシスタンス情報が第2のMBS送信の情報(例えば、MBSセッションID、G-RNTI、及び/又はSAI)を含まないため、SDTの優先順位は第2のMBS送信の優先順位より高い。
【0068】
図9において、ステップ908及び910は逆の順序で実行されてもよい。ステップ912及び914は逆の順序で実行されてもよい。
【0069】
図10は、本発明の一例によるプロセス100のシーケンス図である。プロセス100は、通信装置CD(例えば、プロセス80における通信装置)とネットワークNW(例えば、プロセス80における第1のネットワーク)により実行される。ネットワークNWは、通信装置CDのサービングgNBである。図10において、ネットワークNWは、時間期間TD1の間に第1のMBS送信を実行し、時間期間TD2の間に第2のMBS送信を実行し、時間期間TD3の間に第3のMBS送信を実行するように構成/スケジュールしている。ステップ1000~1006はステップ900~906を参照でき、ここでは述べられない。アシスタンス情報は、時間期間TD1~TD3の間にネットワークNWがSDTに関連づけられたDLデータを送信しないことを示すインジケータを含む。
【0070】
時間期間TD1の間、ネットワークNWは、アシスタンス情報に従って、第1のMBS送信に関連づけられたDLデータを通信装置CDに送信し(ステップ1008)、SDTに関連づけられたDLデータをバッファリングする(ステップ1010)。時間期間TD2の間、ネットワークNWは、アシスタンス情報に従って、第2のMBS送信に関連づけられたDLデータを通信装置CDに送信し(ステップ1012)、SDTに関連づけられたDLデータをバッファリングする(ステップ1014)。時間期間TD3の間、ネットワークNWは、アシスタンス情報に従って、第3のMBS送信に関連づけられたDLデータを通信装置CDに送信し(ステップ1016)、SDTに関連づけられたDLデータをバッファリングする(ステップ1018)。ネットワークNWは、時間期間TD1~TD3の後、SDTに関連づけられたDLデータを送信する(ステップ1020)。ネットワークNWは、SDTを終了するために、RRCメッセージを通信装置CDに送信する(ステップ1022)。通信装置CDは、RRCメッセージに応答してSDTを終了する(ステップ1024)。
【0071】
図10において、アシスタンス情報は、任意の到来するMBS送信と重なるSDTに関連づけられたDLデータを送信/スケジュールしないようにネットワークNWに通知する。すなわち、SDT、第1のMBS送信、第2のMBS送信、及び第3のMBS送信の優先順位は、アシスタンス情報に従って決定される。すなわち、第1のMBS送信の優先順位は、SDTの優先順位より高く、第2のMBS送信の優先順位は、SDTの優先順位より高く、第3のMBS送信の優先順位は、SDTの優先順位より高い。
【0072】
図10において、ステップ1008及び1010は逆の順序で実行されてもよい。ステップ1012及び1014は逆の順序で実行されてもよい。ステップ1016及び1018は逆の順序で実行されてもよい。
【0073】
図11は、本発明の一例によるプロセス110のシーケンス図である。プロセス110は、通信装置CD(例えば、プロセス80における通信装置)とネットワークNW(例えば、プロセス80における第1のネットワーク)により実行される。ネットワークNWは、通信装置CDのサービングgNBである。図11において、ネットワークNWは、時間期間TDの間にMBS送信を実行するように構成/スケジュールしている。ステップ1100~1106はステップ900~906を参照でき、ここでは述べられない。アシスタンス情報は、MBS送信の情報を含み、あるいは、時間期間TDの間にネットワークNWがSDTに関連づけられたDLデータを送信しないことを示すインジケータを含む。通信装置は、ULデータを第1のネットワークに送信した後、SDTの失敗を検出するためのタイマを開始する(ステップ1108)。
【0074】
通信装置CDは、時間期間TDの始めでタイマを中断する(ステップ1110)。時間期間TDの間、ネットワークNWは、アシスタンス情報に従って、MBS送信に関連づけられたDLデータを通信装置CDに送信し(ステップ1112)、SDTに関連づけられたDLデータをバッファリングする(ステップ1114)。通信装置CDは、時間期間TDの終わりでタイマを続行する(ステップ1116)。ネットワークNWは、時間期間TDの後、SDTに関連づけられたDLデータを送信する(ステップ1118)。ネットワークNWは、SDTを終了するために、RRCメッセージを通信装置CDに送信する(ステップ1120)。通信装置CDは、RRCメッセージに応答して、SDTを終了し、タイマを停止する(ステップ1122)。
【0075】
図11において、アシスタンス情報は、MBS送信と重なるSDTに関連づけられたDLデータを送信/スケジュールしないようにネットワークNWに通知する。すなわち、SDT及びMBS送信の優先順位は、アシスタンス情報に従って決定され、すなわち、MBS送信の優先順位は、SDTの優先順位より高い。さらに、MBS送信が実行されているとき、タイマは一時停止される。したがって、ネットワークNWは、タイマが満了する前に、送信すべきSDTに関連づけられたDLデータを依然として有する。図11において、ステップ1112及び1114は逆の順序で実行されてもよい。
【0076】
上述した「第1の識別子」及び「第2の識別子」の用語は、それぞれ、「第1のDL制御情報(DL control information、DCI)」及び「第2のDCI」の用語で置き換えることができる。上述した「決定する」の動作は、「計算する」、「算出する」、「取得する」、「生成する」、「出力する」、「使用する」、「選ぶ/選択する」、「決める」、又は「するように構成される」の動作で置き換えることができる。上述した「検出する」の動作は、「監視する」、「受信する」、「感知する」、又は「取得する」の動作で置き換えることができる。上述した「~に従って」のフレーズは、「~に応答して」で置き換えることができる。上述した「~に関連づけられた」のフレーズは、「~の」又は「~に対応する」で置き換えることができる。上述した「~を介して」の用語は、「~上で」、「~内で」、又は「~において」で置き換えることができる。上述した「~とき」の用語は、「~すると」、「~の後」、及び「~に応答して」で置き換えることができる。
【0077】
当業者は、上述した説明及び例に対する組み合わせ、修正、及び/又は改変を容易に行うであろう。示唆されたステップを含む上述した説明、ステップ、及び/又はプロセスは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア(ハードウェアデバイスと、ハードウェアデバイス上に読取専用ソフトウェアとして存在するコンピュータ命令及びデータとの組み合わせとして知られる)、電子システム、又はこれらの組み合わせであり得る手段により実現することができる。手段の一例が、通信装置20であり得る。
【0078】
ハードウェアの例には、アナログ回路、デジタル回路、及び/又は混在回路を含むことができる。例えば、ハードウェアは、ASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス、結合されたハードウェアコンポーネント、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。別の例において、ハードウェアは、汎用プロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0079】
ソフトウェアの例には、記憶ユニット、例えば、コンピュータ読取可能媒体に保持されたコードのセット、命令のセット、及び/又は関数のセットを含むことができる。コンピュータ読取可能媒体は、SIM、ROM、フラッシュメモリ、RAM、CD-ROM/DVD-ROM/BD-ROM、磁気テープ、ハードディスク、光学データ記憶装置、不揮発性記憶ユニット、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。コンピュータ読取可能媒体(例えば、記憶ユニット)は、内部的に(例えば、統合される)又は外部的に(例えば、分離される)、少なくとも1つのプロセッサに結合することができる。1つ以上のモジュールを含むことができる少なくとも1つのプロセッサは、コンピュータ読取可能媒体内のソフトウェアを実行することができる(例えば、実行するように構成されてもよい)。コードのセット、命令のセット、及び/又は関数のセットは、少なくとも1つのプロセッサ、モジュール、ハードウェア、及び/又は電子システムに関連するステップを実行させることができる。
【0080】
電子システムの例には、システムオンチップ(system on chip、SoC)、システムインパッケージ(system in package、SiP)、コンピュータオンモジュール(computer on module、CoM)、コンピュータプログラム製品、機器、携帯電話、ラップトップ、タブレットコンピュータ、電子ブック又はポータブルコンピュータシステム、及び通信装置20を含んでもよい。
【0081】
要約すると、本発明の実施形態は、MBS送信及びSDTの受信を処理する通信装置及び方法を提供する。MBS送信及びSDTの優先順位は、通信装置又はネットワークにより(例えば、トリガ条件、リリースメッセージ、又はアシスタンス情報に従って)決定される。通信装置は、MBS送信とSDTが重なったとき、MBS送信及びSDTの優先順位に従って、MBS送信又はSDTに関連づけられたDLデータを受信する。したがって、通信装置の挙動は予測可能である。
【0082】
当業者は、発明の教示を保持しながら、装置及び方法の多数の修正及び改変が行われ得ることを容易に観察するであろう。したがって、上記開示は、添付された特許請求の範囲の境界及び範囲によってのみ制限されると解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11