(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
G05B 19/18 20060101AFI20240409BHJP
G05B 19/409 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
G05B19/18 X
G05B19/18 W
G05B19/409 C
(21)【出願番号】P 2022512116
(86)(22)【出願日】2021-03-26
(86)【国際出願番号】 JP2021012860
(87)【国際公開番号】W WO2021200653
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-11-21
(31)【優先権主張番号】P 2020066620
(32)【優先日】2020-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】尾関 真一
【審査官】中田 善邦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/051544(WO,A1)
【文献】特開2003-186510(JP,A)
【文献】特開平06-250722(JP,A)
【文献】特開平04-070907(JP,A)
【文献】特開2011-167876(JP,A)
【文献】特開平06-170649(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B19/18-19/416,19/42-19/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定対象の工作機械における軸数及び系統数の少なくとも1つを含む機械構成に基づいて、前記工作機械における次の加工に対する段取り作業に含まれる複数の作業項目の各々を必須設定又は任意設定として抽出する抽出部と、
前記工作機械に対する作業者による操作の操作内容を検知する操作検知部と、
前記工作機械による直近の加工の完了から現時点までの間の前記工作機械に対する前記段取り作業における操作内容に応じて、必須設定又は任意設定として抽出された前記複数の作業項目の各々について必須設定又は任意設定のいずれかに該当するかを動的に判定
し、前記操作検知部により作業項目に応じた特定の操作が検知された場合、当該作業項目の作業状態を未完了又は未更新の状態から完了又は更新の状態に更新する判定部と、
前記複数の作業項目のうち前記未完了又は未更新の前記必須設定
の作業項目がある場合に、前記工作機械の加工動作を許可しない動作制御部と、
を備える制御装置。
【請求項2】
前記判定部の判定結果に基づいて、前記複数の作業項目の各々を前記必須設定又は前記任意設定のいずれか判別可能に表示部に表示する表示制御部をさらに備える、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記動作制御部が前記工作機械の加工動作を許可しない場合、警告を出力する通知部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記警告を前記表示部に表示する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記動作制御部が前記工作機械の加工動作を許可しない場合、未完了又は未更新の前記必須設定の設定画面に遷移する、請求項2又は請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記複数の作業項目のうち設定が完了又は更新した作業項目を前記必須設定及び前記任意設定と判別可能に表示する、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械に対する段取り作業は、複数の作業項目の設定を複数の画面遷移を行って作業する。
この点、加工選択画面で所望の加工の加工形態を選択させ、選択された加工形態を設定する画面を予め設定された順序に従って表示し、当該加工形態に必要な所要データを順番に入力させることで、自動的に所望の加工プログラムを作成する技術が知られている。例えば、特許文献1参照。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
工作機械の段取りでは、工具の設定やワーク座標の設定等の複数の作業項目の設定を行う必要がある。しかしながら、切削加工等の加工では、設定の順番は特に決まっておらず、各作業者が作業し易いと思う順番で作業が行われる。このため、段取り作業によっては、作業に時間がかかるものがあり、作業者が段取り作業においてあと何の作業が残っているかを記憶しながら作業することは、作業者にとって負担となる。また、必要な作業を残した状態で工作機械を動作させることは、工作機械やワークの破損の原因となる。
【0005】
そこで、段取り作業において、作業者があと何の作業を行わなければならないかを記憶することなく作業状況を容易に確認できることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の制御装置の一態様は、設定対象の工作機械における軸数及び系統数の少なくとも1つを含む機械構成に基づいて、前記工作機械における次の加工に対する段取り作業に含まれる複数の作業項目の各々を必須設定又は任意設定として抽出する抽出部と、前記工作機械による直近の加工の完了から現時点までの間の前記工作機械に対する前記段取り作業における操作内容に応じて、必須設定又は任意設定として抽出された前記複数の作業項目の各々について必須設定又は任意設定のいずれかに該当するかを動的に判定する判定部と、未完了又は未更新の前記必須設定がある場合に、前記工作機械の加工動作を許可しない動作制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
一態様によれば、段取り作業において、作業者があと何の作業を行わなければならないかを記憶することなく作業状況を容易に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る制御システムの機能的構成例を示す機能ブロック図である。
【
図2】表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【
図4】作業項目が判別可能に表示された画面の一例を示す図である。
【
図5】加工プログラムの作成/編集の設定画面を含む画面の一例を示す図である。
【
図6】加工プログラムの選択の設定画面を含む画面の一例を示す図である。
【
図7】ワークの測定及び設定の設定画面を含む画面の一例を示す図である。
【
図8】工具の設定の設定画面を含む画面の一例を示す図である。
【
図9】カスタムマクロ変数の設定の設定画面を含む画面の一例を示す図である。
【
図10】制御装置の設定処理について説明するフローチャートである。
【
図11】ソフトキーの階層表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について図面を用いて説明する。ここでは、段取り作業における作業項目として「加工プログラムの作成/編集」、「加工プログラムの選択」、「ワークの測定及び設定」、「工具の設定」、及び「カスタムマクロ変数の設定」の5つを例示する。なお、本発明は、これらの作業項目に限定されず、上記以外の設定項目についても適用可能である。
<一実施形態>
図1は、一実施形態に係る制御システムの機能的構成例を示す機能ブロック図である。
図1に示すように、制御システム1は、工作機械10、及び制御装置20を有する。
【0010】
工作機械10、及び制御装置20は、図示しない接続インタフェースを介して互いに直接接続されてもよい。なお、工作機械10、及び制御装置20は、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して相互に接続されていてもよい。この場合、工作機械10、及び制御装置20は、かかる接続によって相互に通信を行うための図示しない通信部を備えてもよい。
なお、制御装置20は、工作機械10に含まれてもよい。
【0011】
工作機械10は、当業者にとって公知の工作機械であり、制御装置20の動作指令に基づいて動作する。
なお、工作機械10は、例えば、工作機械10に含まれるHDD(Hard Disk Drive)等の図示しない記憶部に、工作機械10の主軸(図示しない)に取付けられるすべての工具を管理する工具管理テーブル(図示しない)を記憶してもよい。そして、後述する制御装置20は、段取り作業時に加工プログラムに設定された工具番号等に基づいて、工具名、工具径、工具長等を工作機械10の工具管理テーブル(図示しない)から取得してもよい。
また、工作機械10は、例えば、工作機械10の記憶部(図示しない)に、工作機械10の軸数、系統数、パレットチェンジャの有無等の機械構成を示す構成情報を記憶してもよい。そして、後述する制御装置20は、段取り作業時に、工作機械10の軸数、系統数、パレットチェンジャの有無等の機械構成を、工作機械10の構成情報から取得してもよい。
【0012】
<制御装置20>
制御装置20は、当業者にとって公知の数値制御装置である。制御装置20は、制御装置20に含まれるタッチパネル等の入力装置(図示しない)を介して受け付けた作業員からの指示、又は実行する加工プログラムに基づいて動作指令を生成し、生成した動作指令を工作機械10に送信する。これにより、制御装置20は、工作機械10の動作を制御する。
【0013】
図1に示すように、制御装置20は、制御部210、表示部220、及び記憶部230を有する。また、制御部210は、加工完了検知部211、操作検知部212、抽出部213、判定部214、表示制御部215、動作制御部216、及び通知部217を有する。また、記憶部230は、作業項目テーブル231を有する。
【0014】
表示部220は、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置であり、表示装置の前面に配置されたタッチパネル(図示しない)を有する。表示部220は、
図2に示すように、段取り作業の場合、後述する表示制御部215からの制御指示に基づいて、段取り作業に含まれる作業項目「加工プログラムの作成/編集」、「加工プログラムの選択」、「ワークの測定及び設定」、「工具の設定」、「カスタムマクロ変数の設定」の設定画面を含む画面100を表示する。そして、作業項目「加工プログラムの作成/編集」、「加工プログラムの選択」、「ワークの測定及び設定」、「工具の設定」、「カスタムマクロ変数の設定」の各々の設定は、例えば、図示しないタッチパネルを介した作業員の入力操作に基づいて行われてもよい。
【0015】
図2に示す画面100は、例えば、作業者により選択された作業項目の設定画面が表示される領域(以下、「設定表示領域110」ともいう)を有する。また、画面100は、ソフトキー121(1)-121(m)を縦一列に表示する領域(以下、「縦キー表示領域120」ともいう)と、ソフトキー131(1)-131(n)を横一列に表示する領域(以下、「横キー表示領域130」ともいう)とを有する。なお、m、nは、正の整数である。
【0016】
ソフトキー121(1)-121(m)には、例えば、設定表示領域110に表示される段取り作業の「加工プログラムの作成/編集」等の作業項目毎の設定画面を遷移する機能が後述する表示制御部215により割り当てられる。また、ソフトキー131(1)-131(n)には、設定画面毎に応じた画面操作の機能が後述する表示制御部215により割り当てられる。
なお、ソフトキー121(1)-121(m)に、画面操作の機能が割り当てられてもよく、ソフトキー131(1)-131(n)に、作業項目毎の設定画面を遷移する機能が割り当てられてもよい。
以下、m=8及びn=10として説明するが、mが8以外、及びnが10以外の数でも同様に動作する。また、ソフトキー121(1)-121(8)のそれぞれを個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「ソフトキー121」ともいう。また、ソフトキー131(1)-131(10)のそれぞれを個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「ソフトキー131」ともいう。
【0017】
記憶部230は、ROM(Read Only Memory)やHDD等であり、各種の制御用プログラムとともに、作業項目テーブル231を記憶してもよい。
【0018】
<作業項目テーブル231>
図3は、作業項目テーブル231の一例を示す図である。
図3に示すように、作業項目テーブル231は、例えば、工作機械10における直近の加工の完了から現時点までの間の工作機械10における次の加工の段取り作業における「作業項目」を含む。作業項目テーブル231は、各作業項目に対応して「必須/任意」、及び「作業状態」を含む。
作業項目テーブル231内の「作業項目」は、直近の加工の完了から現時点までの間の工作機械10における次の加工の段取り作業において必要となる作業項目が設定される。
図3では、作業項目として、「加工プログラムの作成/編集」、「加工プログラムの選択」、「ワークの測定及び設定」、「工具の設定」、及び「カスタムマクロ変数の設定」等が設定されてもよい。
【0019】
作業項目テーブル231内の「必須/任意」は、後述する抽出部213の抽出結果、又は後述する判定部214の判定結果に基づいて、作業項目の各々の設定が必須の作業項目(以下、「必須設定」ともいう)又は設定が任意の作業項目(以下、「任意設定」ともいう)が格納される。
作業項目テーブル231内の「作業状態」は、後述する判定部214の判定結果に基づいて、未完了若しくは未更新、又は完了若しくは未更新のいずれかが格納される。
【0020】
<制御部210>
制御部210は、CPU(Central Processing Unit)、ROM、RAM、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)メモリ等を有し、これらはバスを介して相互に通信可能に構成される、当業者にとって公知のものである。
CPUは制御装置20を全体的に制御するプロセッサである。CPUは、ROMに格納されたシステムプログラム及びアプリケーションプログラムを、バスを介して読み出し、前記システムプログラム及びアプリケーションプログラムに従って制御装置20全体を制御する。これにより、
図1に示すように、制御部210が、加工完了検知部211、操作検知部212、抽出部213、判定部214、表示制御部215、動作制御部216、及び通知部217の機能を実現するように構成される。RAMには一時的な計算データや表示データ等の各種データが格納される。また、CMOSメモリは図示しないバッテリでバックアップされ、制御装置20の電源がオフされても記憶状態が保持される不揮発性メモリとして構成される。
【0021】
加工完了検知部211は、例えば、工作機械10における1つのワークの加工が完了したことを検知する。
【0022】
操作検知部212は、作業者の工作機械10に対する作業員による操作、及び表示部220のタッチパネル(図示しない)を介した作業員の入力操作等の操作内容を検知する。
具体的には、操作検知部212は、例えば、加工完了検知部211により直近の加工の完了が検知されてから現時点までの間の工作機械10における次の加工の段取り作業に係る操作(例えば、各系統のメインプログラムの選択変更の操作、各系統のメインプログラムの変更の操作、各系統の工具番号(T番号)又は工具オフセット値の変更の操作、ワーク座標の変更の操作、及びカスタムマクロ変数の変更の操作等)の操作内容を検知する。
【0023】
<抽出部213>
抽出部213は、設定対象の工作機械10における軸数及び系統数の少なくとも1つを含む機械構成に基づいて、工作機械10における次の加工に対する段取り作業に含まれる複数の作業項目の各々を設定が必須設定又は設定が任意設定として抽出する。抽出部213は、抽出の結果に基づいて、作業項目テーブル231の「必須/任意」を更新する。
具体的には、抽出部213は、例えば、加工完了検知部211により直近の加工の完了が検知された場合、工作機械10から工作機械10の軸数、系統数、パレットチェンジャの有無等の機械構成を示す構成情報を取得する。抽出部213は、取得した構成情報において工作機械10にパレットチェンジャがある場合、加工毎にワーク座標の測定及び設定が不要となることから、作業項目「ワークの測定及び設定」を「任意設定」として抽出してもよい。一方、抽出部213は、工作機械10にパレットチェンジャがない場合、加工毎にワーク座標の測定及び設定が必要となることから、作業項目「ワークの測定及び設定」を「必須設定」として抽出してもよい。
また、抽出部213は、取得した構成情報の軸数に基づいて、軸数分のワーク座標の設定が必要となることから、作業項目「ワークの測定及び設定」を「必須設定」として抽出してもよい。
また、抽出部213は、取得した構成情報における系統数に基づいて、系統数毎にメインプログラムの設定、及び系統数毎の工具オフセットの設定が必要となることから、作業項目「加工プログラムの選択」、及び「工具の設定」を「必須設定」として抽出してもよい。
【0024】
<判定部214>
判定部214は、抽出部213により段取り作業の各作業項目が必須設定又は任意設定として抽出された後、操作検知部212により検知された段取り作業における操作内容に応じて、必須設定又は任意設定として抽出された段取り作業の作業項目の各々について必須設定又は任意設定のいずれかに該当するかを動的に判定する。
具体的には、判定部214は、操作検知部212により検知された操作内容において各系統のメインプログラムの選択変更がある場合、直近の加工終了時点の設定に対して、工具オフセットの設定が必要となるため、抽出部213により任意設定として抽出されたとしても作業項目「工具の設定」を「必須設定」と判定し、作業項目テーブル231の「必須/任意」を動的に変更する。また、判定部214は、各系統のメインプログラムの選択変更がある場合、直近の加工終了時点の設定に対して、カスタムマクロ変数の変更が必要となるため、抽出部213により任意設定として抽出されたとしても作業項目「カスタムマクロ変数の設定」を「必須設定」と判定し、作業項目テーブル231の「必須/任意」を動的に変更する。
【0025】
また、判定部214は、操作検知部212により検知された操作内容において各系統のメインプログラムの変更がある場合、直近の加工終了時点の設定に対して、工具オフセットの変更が必要でないかもしれないため、抽出部213により必須設定として抽出されたとしても作業項目「工具の設定」を「任意設定」と判定し、作業項目テーブル231の「必須/任意」を動的に変更する。また、判定部214は、各系統のメインプログラムの変更がある場合、直近の加工終了時点の設定に対して、カスタムマクロ変数の変更が必要でないかもしれないため、抽出部213により必須設定として抽出されたとしても作業項目「カスタムマクロ変数の設定」を「任意設定」と判定し、作業項目テーブル231の「必須/任意」を動的に変更する。
【0026】
また、判定部214は、操作検知部212により検知された操作内容において各系統の工具番号(T番号)又は工具オフセット値の変更がある場合、直近の加工終了時点の設定に対して、加工プログラムの変更が必要となるため、抽出部213により任意設定として抽出されたとしても作業項目「加工プログラムの作成/編集」を「必須設定」と判定し、作業項目テーブル231の「必須/任意」を動的に変更する。あるいは、判定部214は、各系統の工具番号(T番号)又は工具オフセット値の変更がある場合、直近の加工終了時点の設定に対して、加工プログラムの選択変更が必要となるため、抽出部213により任意設定として抽出されたとしても作業項目「加工プログラムの選択」を「必須設定」と判定し、作業項目テーブル231の「必須/任意」を動的に変更してもよい。
【0027】
また、判定部214は、操作検知部212により検知された操作内容においてワーク座標の変更がある場合、直近の加工終了時点の設定に対して、加工プログラムの変更が必要でないかもしれないため、抽出部213により必須設定として抽出されたとしても作業項目「加工プログラムの作成/編集」を「任意設定」と判定し、作業項目テーブル231の「必須/任意」を動的に変更する。これは、例えば、微調整のためにワーク座標が変更された場合、加工プログラムの修正は不要となる。このため、判定部214は、作業項目テーブル231の作業項目「加工プログラムの作成/編集」を「任意設定」と変更する。
【0028】
また、判定部214は、操作検知部212により検知された操作内容においてカスタムマクロ変数の変更がある場合、直近の加工終了時点の設定に対して、加工プログラムの変更が必要となるため、抽出部213により任意設定として抽出されたとしても作業項目「加工プログラムの作成/編集」を「必須設定」と判定し、作業項目テーブル231の「必須/任意」を動的に変更する。あるいは、判定部214は、カスタムマクロ変数の変更がある場合、直近の加工終了時点の設定に対して、加工プログラムの選択変更が必要となるため、抽出部213により任意設定として抽出されたとしても作業項目「加工プログラムの選択」を「必須設定」と判定し、作業項目テーブル231の「必須/任意」を動的に変更してもよい。
【0029】
また、例えば、作業項目「加工プログラムの作成/編集」の作業において、操作検知部212が作業員により「保存」のソフトキー131が押下される等の操作を検知し、加工プログラムが作成又は編集された場合、判定部214は、作業項目テーブル231の作業項目「加工プログラムの作成/編集」の「作業状態」を未完了又は未更新の状態から完了又は更新の状態に更新してもよい。
また、作業項目「加工プログラムの選択」の作業において、操作検知部212が作業員により「設定」のソフトキー131が押下される等の操作を検知し、制御装置20にメインプログラムが設定された場合、判定部214は、作業項目テーブル231の作業項目「加工プログラムの選択」の「作業状態」を未完了又は未更新の状態から完了又は更新の状態に更新してもよい。
また、作業項目「ワークの測定及び設定」の作業において、操作検知部212が作業員により「設定」のソフトキー131が押下される等の操作を検知し、制御装置20にワーク座標が設定された場合、判定部214は、作業項目テーブル231の作業項目「ワークの測定及び設定」の「作業状態」を未完了又は未更新の状態から完了又は更新の状態に更新してもよい。
【0030】
また、作業項目「工具の設定」の作業において、操作検知部212が作業員により「設定」のソフトキー131が押下される等の操作を検知し、制御装置20に工具が設定された場合、判定部214は、作業項目テーブル231の作業項目「工具の設定」の「作業状態」を未完了又は未更新の状態から完了又は更新の状態に更新してもよい。
また、作業項目「カスタムマクロ変数の設定」の作業において、操作検知部212が作業員により「設定」のソフトキー131が押下される等の操作を検知し、制御装置20にカスタムマクロ変数が設定された場合、判定部214は、作業項目テーブル231の作業項目「カスタムマクロ変数の設定」の「作業状態」を未完了又は未更新の状態から完了又は更新の状態に更新してもよい。
【0031】
<表示制御部215>
表示制御部215は、作業項目「加工プログラムの作成/編集」、「加工プログラムの選択」、「ワークの測定及び設定」、「工具の設定」、及び「カスタムマクロ変数の設定」の各々を、判定部214の判定結果に基づいて必須設定又は任意設定のいずれか判別可能に動的に変化させて表示部220に表示する。
【0032】
具体的には、表示制御部215は、
図4に示すように、例えば、作業項目「加工プログラムの作成/編集」、「加工プログラムの選択」、「ワークの測定及び設定」、「工具の設定」、及び「カスタムマクロ変数の設定」の各々の機能を割り当てたソフトキー121の表示形態(例えば、枠線の色、種類、太さ、背景の色、効果等)を、判定部214の判定結果に応じて、必須設定又は任意設定のいずれか判別可能に動的に表示する。
以下、作業項目「加工プログラムの作成/編集」、「加工プログラムの選択」、「工具の設定」、及び「カスタムマクロ変数の設定」が判定部214により必須設定と判定され、作業項目「ワークの測定及び設定」が判定部214により任意設定と判定された場合について説明する。ただし、作業項目「加工プログラムの作成/編集」、「加工プログラムの選択」、「ワークの測定及び設定」、「工具の設定」、及び「カスタムマクロ変数の設定」の各々の必須設定又は任意設定が、判定部214の判定結果に応じて動的に変化したとしても同様である。
【0033】
図4に示すように、表示制御部215は、例えば、ソフトキー121(2)-121(6)の各々に、作業項目「加工プログラムの作成/編集」、「加工プログラムの選択」、「ワークの測定及び設定」、「工具の設定」、及び「カスタムマクロ変数の設定」の設定画面に遷移するための機能を割り当て、「編集」、「選択」、「ワーク」、「工具」、「マクロ」等の呼称を表示してもよい。また、表示制御部215は、未設定/未更新の必須設定の表示形態(例えば、ソフトキーの枠線の色、枠線の種類、枠線の太さ、ソフトキーの背景の色等)を、任意設定の表示形態と異なるように表示してもよい。また、表示制御部215は、例えば、ソフトキー121(2)-121(6)の各々に、作業項目「加工プログラムの作成/編集」、「加工プログラムの選択」、「ワークの測定及び設定」、「工具の設定」、及び「カスタムマクロ変数の設定」を示す絵柄等を表示してもよい。
【0034】
また、表示制御部215は、作業項目「加工プログラムの作成/編集」、「加工プログラムの選択」、「工具の設定」、「カスタムマクロ変数の設定」が未完了/未更新の必須設定であることを強調するために、ソフトキー121(2)、121(3)、121(5)、121(6)の枠を太線で表示する。一方、表示制御部215は、工作機械10がパレットチェンジャを有することから、作業項目「ワークの測定及び設定」が未完了/未更新の任意設定であることを強調するために、ソフトキー121(4)の枠を太い破線で表示する。
そうすることで、作業者はあと何の作業をやらなければならないかを記憶する必要な無くなり、作業漏れを防ぐことができる。
なお、表示制御部215は、必須設定及び任意設定に応じて線種を変えて強調表示したが、これに限定されない。例えば、表示制御部215は、未設定/未更新の必須設定の表示形態(例えば、ソフトキーの枠線の色、枠線の種類、枠線の太さ、ソフトキーの背景の色等)を、任意設定の表示形態と異なるように表示してもよい。
【0035】
次に、作業項目「加工プログラムの作成/編集」、「加工プログラムの選択」、「ワークの測定及び設定」、「工具の設定」、及び「カスタムマクロ変数の設定」の各々の設定画面への画面遷移について説明する。以下では、作業項目「加工プログラムの作成/編集」、「加工プログラムの選択」、「ワークの測定及び設定」、「工具の設定」、及び「カスタムマクロ変数の設定」の順に設定画面が遷移する場合を説明するが、各作業者の作業し易い順番で各作業項目の設定画面に遷移してもよい。
【0036】
表示制御部215は、例えば、
図4の画面100において、表示部220のタッチパネル(図示しない)を介して作業員により「編集」のソフトキー121(2)が押下された場合、
図5に示すように、設定表示領域110に作業項目「加工プログラムの作成/編集」の設定画面111を表示する。
表示制御部215は、新規に加工プログラムが作成される場合、新規のまっさらな状態の設定画面111を表示し、表示部220のタッチパネル(図示しない)を介した作業員の入力操作により作成された新規の加工プログラムを設定画面111に表示してもよい。
また、表示制御部215は、例えば、部品の形状が部分的に異なる等のように既存の加工プログラムを一部変更して加工プログラムが作成される場合、表示部220のタッチパネル(図示しない)を介した作業員の入力操作に基づいて、コピーした既存の加工プログラムを設定画面111に表示してもよい。表示制御部215は、表示部220のタッチパネル(図示しない)を介した作業員の入力操作により部分的に変更された加工プログラムを設定画面111に表示してもよい。
なお、工作機械10が1系統の機械の場合、最低1つ以上の加工プログラムが必要であり、工作機械10が2系統以上の機械の場合、系統毎に最低1つ以上の加工プログラムが必要である。
【0037】
次に、表示制御部215は、表示部220のタッチパネル(図示しない)を介して作業員により
図5の画面100の「選択」のソフトキー121(3)が押下された場合、
図5の作業項目「加工プログラムの作成/編集」の設定画面111から、
図6の作業項目「加工プログラムの選択」の設定画面112に遷移した画面100を表示する。また、
図6に示すように、表示制御部215は、作業項目テーブル231において作業項目「加工プログラムの作成/編集」の作業状態が完了又は更新の状態のため、完了済を強調するように作業項目「加工プログラムの作成/編集」のソフトキー121(2)を網掛けで表示してもよい。
なお、表示制御部215は、完了済の作業項目の表示形態(例えば、枠線の色、種類、太さ、背景の色、効果等)を、必須設定及び任意設定の表示形態と異なるように表示することが好ましい。
図6に示すように、表示制御部215は、例えば、設定画面112の左側に各加工プログラムのファイルを格納するフォルダの構成を表示し、設定画面112の右側に系統毎にセットされ制御装置20に登録されている加工プログラムの一覧を表示してもよい。例えば、表示部220のタッチパネル(図示しない)を介した作業員の入力操作に基づいて、系統毎に加工プログラムが選択されてセットされる。
図6の場合、例えば、工作機械10が2系統の機械構成の場合、1系統に加工プログラム「O0022」がメインプログラムとして設定され、2系統に加工プログラム「O0001」がメインプログラムとして設定されてもよい。
【0038】
次に、表示制御部215は、表示部220のタッチパネル(図示しない)を介して作業員により
図6の画面100の「ワーク」のソフトキー121(4)が押下された場合、
図6の作業項目「加工プログラムの選択」の設定画面112から、
図7の作業項目「ワークの測定及び設定」の設定画面113に遷移した画面100を表示する。また、
図7に示すように、表示制御部215は、作業項目テーブル231において作業項目「加工プログラムの作成/編集」及び「加工プログラムの選択」の作業状態が完了又は更新の状態のため、ソフトキー121(2)、121(3)を完了済を示す網掛けで表示してもよい。
図7に示すように、表示制御部215は、例えば、工作機械10が3軸の工作機械の場合、工作機械10に載置されたワークに対して設定されたX軸、Y軸、Z軸それぞれのワーク座標を設定画面113に表示する。
ここで、ワーク座標の設定は、例えば、作業員が工作機械10に取り付けられたタッチセンサ等をハンドル操作で動かし、X、Y、Z方向それぞれのワークの端面に接触させることで、X、Y、Z方向それぞれの値が測定される。制御装置20は、測定されたX、Y、Z方向それぞれの値を、ワーク座標として設定する。
なお、工作機械10は3軸以外の5軸等の工作機械でもよく、ワークの座標は3軸の場合と同様に設定される。
また、工作機械10にパレットチェンジャがない場合、作業項目「ワークの測定及び設定」は、必須設定として、ワークが工作機械10にセットされる毎に必ず設定されなければならない。
【0039】
次に、表示制御部215は、表示部220のタッチパネル(図示しない)を介して作業員により
図7の画面100の「工具」のソフトキー121(5)が押下された場合、
図7の作業項目「ワークの測定及び設定」の設定画面113から、
図8の作業項目「工具の設定」の設定画面114に遷移した画面100を表示する。また、
図8に示すように、表示制御部215は、作業項目テーブル231において作業項目「加工プログラムの作成/編集」、「加工プログラムの選択」、及び「ワークの測定及び設定」の作業状態が完了又は更新の状態のため、ソフトキー121(2)-121(4)を完了済を示す網掛けで表示してもよい。
図8に示すように、表示制御部215は、例えば、設定された工具番号、工具名、工具径、工具長等を設定画面114に表示する。
ここで、工具の設定は、例えば、ツールプリセッタやタッチセンサ等を用いて工具のサイズを測定し、測定した値を工具のオフセット(工具径、工具長)として設定する。
また、工具番号(T番号)は、加工プログラムの記載に合わせなければならない。例えば、加工プログラムで「T1」を使用する設定をしている場合、「T1」は「ドリル」を設定しなければならない。換言すれば、メインプログラムを変更した場合は、必ず各工具番号(T番号)にセットする工具オフセットも変更しなければならない。
また、工具番号(T番号)及び工具名については、例えば、制御装置20が工作機械10の図示しない記憶部に記憶された工具管理テーブル(図示しない)を取得し、取得した工具管理テーブル(図示しない)に基づいて設定されてもよい。
【0040】
次に、表示制御部215は、表示部220のタッチパネル(図示しない)を介して作業員により
図8の画面100の「マクロ」のソフトキー121(6)が押下された場合、
図8の作業項目「工具の設定」の設定画面114から、
図9の作業項目「カスタムマクロ変数の設定」の設定画面115に遷移した画面100を表示する。また、
図9に示すように、表示制御部215は、作業項目テーブル231において作業項目「加工プログラムの作成/編集」、「加工プログラムの選択」、「ワークの測定及び設定」、及び「工具の設定」の作業状態が完了又は更新の状態のため、ソフトキー121(2)-121(5)を完了済を示す網掛けで表示してもよい。
図9に示すように、表示制御部215は、例えば、カスタムマクロ変数(例えば、「500」、「501」、「502」等)毎に設定された値を設定画面115に表示する。
表示制御部215は、作業項目「カスタムマクロ変数の設定」の作業が終了した場合、作業項目テーブル231に基づいて、作業項目「カスタムマクロ変数の設定」のソフトキー121(6)を完了済を示す網掛けで表示してもよい。
なお、カスタムマクロ変数は、加工プログラムの記載に合わせなければならない。すなわち、メインプログラムを変更した場合は、必ずカスタムマクロ変数も変更しなければならない。ただし、カスタムマクロ変数を使用しない加工プログラムの場合は、設定不要である。
【0041】
なお、表示制御部215は、後述する通知部217から未完了又は未更新の必須設定があるため加工動作を許可しない旨の警報を受信した場合、「未完了又は未更新の必須設定があるため加工動作を許可しません」や「加工を開始する前に、必須設定を行ってください」等の警告を表示部220に表示してもよい。また、表示制御部215は、警告を表示部220に表示するとともに、未完了又は未更新の必須設定の設定画面に自動遷移してもよい。
【0042】
動作制御部216は、工作機械10及び制御装置20の動作状態を監視し制御する。
具体的には、動作制御部216は、例えば、工作機械10又は制御装置20に設けられた加工動作の開始ボタン(図示しない)等が作業者により押下される等、加工動作の指示を受けた場合、記憶部230に記憶された作業項目テーブル231に基づいて、未完了又は未更新の必須設定があるか否かを確認する。動作制御部216は、未完了又は未更新の必須設定がある場合に、工作機械10の加工動作を許可しない。そして、動作制御部216は、後述する通知部217に対して未完了又は未更新の必須設定があるため加工動作を許可しない旨の警告を出力させてもよい。
そうすることで、必須設定が作業漏れした場合に、誤って加工実行させることを回避でき、作業ミスによる工作機械10やワークの破損を防ぐことができる。
【0043】
通知部217は、動作制御部216からの指示に基づいて未完了又は未更新の必須設定があるため加工動作を許可しない旨の警告を出力し、表示制御部215を介して、出力した警告を表示部220に表示してもよい。
【0044】
<制御装置20の設定処理>
次に、
図10を参照しながら、制御装置20の設定処理の流れを説明する。
図10は、制御装置20の設定処理について説明するフローチャートである。ここで示すフローは、段取り作業が行われる度に実行される。
【0045】
ステップS11において、抽出部213は、工作機械10の機械構成に基づいて、工作機械10における次の加工に対する段取りの複数の作業項目の各々を必須設定又は任意設定として抽出する。
【0046】
ステップS12において、判定部214は、操作検知部212により検知された直近の加工の完了から現時点までの間の作業員による操作内容に応じて、必須設定又は任意設定として抽出された段取り作業の作業項目の各々について必須設定又は任意設定のいずれかに該当するかを動的に判定する。
【0047】
ステップS13において、表示制御部215は、判定結果に基づいて必須設定又は任意設定のいずれか判別可能に各作業項目のソフトキー121を表示部220に表示する。
【0048】
ステップS14において、表示制御部215は、表示部220のタッチパネル(図示しない)を介して作業員がソフトキー121を押下することで選択された作業項目の設定画面を含む画面100を表示する。
【0049】
ステップS15において、表示制御部215は、ステップS14で選択された作業項目の設定が動作制御部216により完了したと判定される毎に、当該作業項目のソフトキー121を完了済を示す表示形態で表示する。
【0050】
ステップS16において、判定部214は、記憶部230に記憶された作業項目テーブル231に基づいて、未完了又は未更新の作業項目があるか否かを判定する。未完了又は未更新の作業項目がある場合、処理はステップS12に戻る。一方、未完了又は未更新の作業項目がない場合、処理は終了する。
【0051】
なお、ステップS16の処理において、動作制御部216は、作業者から工作機械10の加工動作の指示を受けた場合、記憶部230に記憶された作業項目テーブル231に基づいて、未完了又は未更新の必須設定があるか否かを確認してもよい。そして、動作制御部216は、未完了又は未更新の必須設定がある場合、未完了又は未更新の必須設定があるため加工動作を許可しない旨の警告を通知部217に出力させてもよい。表示制御部215は、通知部217から出力された未完了又は未更新の必須設定があるため加工動作を許可しない旨の警告とともに、未完了又は未更新の必須設定の設定画面に自動遷移してもよい。
そうすることで、作業ミスによる工作機械10やワークの破損を防ぐことができる。
【0052】
以上により、一実施形態の制御装置20は、工作機械10の機械構成に基づいて、工作機械10における次の加工に対する段取り作業の複数の作業項目の各々を必須設定又は任意設定として抽出する。制御装置20は、直近の加工の完了から現時点までの間の工作機械10に対する段取り作業における操作内容に応じて、必須設定又は任意設定として抽出された段取り作業の作業項目の各々について必須設定又は任意設定のいずれかに該当するかを動的に判定する。制御装置20は、必須設定又は任意設定に判定された作業項目の各々を判別可能に動的に表示する。これにより、制御装置20は、段取り作業において、作業者があと何の作業を行わなければならないかを記憶することなく作業状況を容易に確認でき、作業漏れを防ぐことができる。
また、必須設定の設定漏れがある場合、制御装置20は、工作機械10の加工実行を許可しないようにする。これにより、作業ミスによる工作機械10やワークの破損を防ぐことができる。
【0053】
以上、一実施形態について説明したが、制御装置20は、上述の実施形態に限定されるものではなく、目的を達成できる範囲での変形、改良等を含む。
【0054】
<変形例>
上述の実施形態では、制御装置20は、段取り作業の作業項目の各々を縦キー表示領域120のソフトキー121に割り当てたがこれに限定されない。例えば、制御装置20は、作業項目を階層表示してもよい。
図11は、ソフトキー121の階層表示の一例を示す図である。
図11に示すように、制御装置20は、1階層目のソフトキー121のうち、1つのソフトキー121(2)に作業項目を階層表示する「項目選択」の機能を割り当てる。ソフトキー121(2)が作業者により押下された場合、制御装置20は、例えば、2階層目に設定された作業項目のソフトキー121A(1)-121A(8)を縦キー表示領域120に表示してもよい。なお、2階層目のソフトキー121A(1)-121A(8)は、1階層目のソフトキー121(1)-121(8)の各々に対応する。
この場合、1階層目の「項目選択」のソフトキー121(2)は、2階層目の作業項目に未完了又は未更新の必須設定がある場合、未完了又は未更新の必須設定があることを強調するように表示されることが好ましい。また、1階層目の「項目選択」のソフトキー121(2)は、2階層目の作業項目に未完了又は未更新の必須設定がなく、未完了又は未更新の任意設定がある場合、未完了又は未更新の任意設定があることを強調するように表示されることが好ましい。
【0055】
なお、一実施形態における、制御装置20に含まれる各機能は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせによりそれぞれ実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
【0056】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(Non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(Tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(Transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は、無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0057】
なお、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0058】
以上を換言すると、本開示の制御装置は、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
【0059】
(1)本開示の制御装置20は、設定対象の工作機械10における軸数及び系統数の少なくとも1つを含む機械構成に基づいて、工作機械10における次の加工に対する段取り作業に含まれる複数の作業項目の各々を必須設定又は任意設定として抽出する抽出部213と、工作機械10による直近の加工の完了から現時点までの間の工作機械10に対する段取り作業における操作内容に応じて、必須設定又は任意設定として抽出された複数の作業項目の各々について必須設定又は任意設定のいずれかに該当するかを動的に判定する判定部214と、必須設定が未完了又は未更新の場合に、工作機械の加工動作を許可しない動作制御部216と、を備える。
この制御装置20によれば、段取り作業において、作業者があと何の作業を行わなければならないかを記憶することなく作業状況を容易に確認できる。
【0060】
(2) (1)に記載の制御装置20において、判定部214の判定結果に基づいて、複数の作業項目の各々を必須設定又は任意設定のいずれか判別可能に表示部220に表示する表示制御部215をさらに備えてもよい。
そうすることで、制御装置20は、必須設定の設定を確実に行うことができる。
【0061】
(3) (2)に記載の制御装置20において、動作制御部216が工作機械10の加工動作を許可しない場合、警告を出力する通知部217をさらに備え、表示制御部215は、警告を表示部220に表示してもよい。
そうすることで、制御装置20は、作業ミスによる工作機械10やワークの破損を防ぐことができる。
【0062】
(4) (2)又は(3)に記載の制御装置において、表示制御部は、動作制御部216が工作機械10の加工動作を許可しない場合、未完了又は未更新の必須設定の設定画面に遷移してもよい。
そうすることで、制御装置20は、加工動作の前に必須設定の設定を確実に行うことができる。
【0063】
(5) (2)から(4)のいずれかに記載の制御装置20において、表示制御部215は、複数の作業項目のうち設定が完了又は更新した作業項目を必須設定及び任意設定と判別可能に表示してもよい。
そうすることで、制御装置20は、作業漏れをした場合、作業ミスによる工作機械10やワークの破損を防ぐことができる。
【符号の説明】
【0064】
1 制御システム
10 工作機械
20 制御装置
210 制御部
211 加工完了検知部
212 操作検知部
213 抽出部
214 判定部
215 表示制御部
216 動作制御部
217 通知部
220 表示部
230 記憶部
231 作業項目テーブル