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特許7469470動的に制御されるマイクロLEDピクセルアレイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】動的に制御されるマイクロLEDピクセルアレイ
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/10 20200101AFI20240409BHJP
   H05B 45/345 20200101ALI20240409BHJP
   H05B 45/325 20200101ALI20240409BHJP
   H05B 45/20 20200101ALI20240409BHJP
【FI】
H05B45/10
H05B45/345
H05B45/325
H05B45/20
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022530977
(86)(22)【出願日】2020-11-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-03
(86)【国際出願番号】 US2020062452
(87)【国際公開番号】W WO2021108735
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-07-25
(31)【優先権主張番号】62/941,123
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ボンヌ,ロナルド ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ジー フゥア
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/113316(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0139499(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第103175624(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/10
H05B 45/345
H05B 45/325
H05B 45/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光ダイオードクセル(LEDピクセル)であって、各LEDピクセルが、動的に調整可能な電源電圧を生成する電源から電源電圧を受けとるように構成されている、複数のLEDピクセル、及び、数のLEDピクセルを駆動する少なくとも1つの電流源を備える発光ダイオードアレイ(LEDアレイ)と、
前記電源に結合されるように構成された制御ブロックであって、前記制御ブロックは、前記LEDアレイの少なくとも1つの動作条件に基づいて、前記電源によって生成される前記電源電圧を調整し、前記動作条件は、温度及び前記電流源から供給される電流の振幅のうちの少なくとも1つを含み、前記LEDアレイのうちの全ての前記LEDピクセル又は前記LEDアレイの所与のブロックのうちの全ての前記LEDピクセルに対して、駆動電流の同一の電流振幅を設定し、前記全てのLEDピクセルの各々に対して、駆動電流の一意のデューティサイクルを設定する、制御ブロックと、
を備える、照明システム。
【請求項2】
記制御ブロックは、
前記LEDアレイの前記動作条件を示すデータを受信し、かつ
前記LEDアレイの前記動作条件に基づいて、前記電源電圧を決定するように、構成されている、
請求項1記載の照明システム。
【請求項3】
前記動作条件は温度であって、
前記照明システムはさらに、前記LEDアレイの温度をセンシングする少なくとも1つの温度センサを備える、
請求項2記載の照明システム。
【請求項4】
前記照明システムはさらに、前記LEDアレイと関連するプロセスデータを格納するメモリであって、前記プロセスデータは、LEDアレイの製造変動に基づいてLEDアレイごとに変化する、前記少なくとも1つの動作条件の下での前記複数のLEDピクセルの特性を記述する、メモリを備え、
前記少なくとも1つの動作条件は前記プロセスデータの少なくとも一部を含む、
請求項1記載の照明システム。
【請求項5】
前記プロセスデータは、ベースライン温度における前記LEDピクセルの順方向電圧を含み、
前記制御ブロックは、
前記ベースライン温度における前記LEDピクセルの前記順方向電圧に基づいて動作温度における前記LEDピクセルの順方向電圧を決定し、
前記動作温度において前記LEDピクセルの決定された前記順方向電圧に基づいて前記電源電圧を設定する、ように構成されている、
請求項記載の照明システム。
【請求項6】
前記プロセスデータは、ベースライン電流振幅における前記LEDピクセルの順方向電圧を含み、
前記制御ブロックは、
前記ベースライン電流振幅における前記LEDピクセルの前記順方向電圧に基づいて、動作電流振幅における前記LEDピクセルの順方向電圧を決定し、
前記動作電流振幅における前記LEDピクセルの決定された前記順方向電圧に基づいて前記電源電圧を設定する、ように構成されている、
請求項5記載の照明システム。
【請求項7】
前記複数のEDピクセルの各々は、パルス幅変調スイッチ(PWMスイッチ)を備え、前記PWMスイッチは、PWM信号を受けとり、前記PWM信号に基づいて前記LEDピクセルを交互にオン・オフスイッチするように構成されている、
請求項1記載の照明システム。
【請求項8】
前記LEDアレイ内の前記LEDピクセルに対応する画像データを受信し、
前記画像データに基づいて前記複数のLEDピクセルを駆動する電流振幅を設定し、
前記画像データに基づいて前記複数のLEDピクセルの少なくとも一部に対する動作電流のデューティサイクルを設定する、
ように構成された制御ブロックをさらに備え、
前記LEDアレイに対する前記少なくとも1つの動作条件は前記電流振幅を含む、
請求項1記載の照明システム。
【請求項9】
発光ダイオード(LED)アレイのための電源電圧を設定する方法であって、
複数のLEDピクセルを備えるLEDアレイの動作条件を記述する動作条件データを受信するステップと、
LEDアレイと関連するプロセスデータを取り出すステップであって、前記プロセスデータは、LEDアレイの製造変動に基づいて、LEDアレイごとに変化することができる、少なくとも1つの動作条件の下での前記複数のLEDピクセルに対する順方向電圧を記述する、ステップと、
前記動作条件及び前記プロセスデータに基づいて、電源電圧を決定して前記LEDアレイを給電し、前記動作条件は、温度及び電流のうちの少なくとも1つを含み、前記LEDアレイのうちの全ての前記LEDピクセル又は前記LEDアレイの所与のブロックのうちの全ての前記LEDピクセルに対して、駆動電流の同一の電流振幅を設定し、前記全てのLEDピクセルの各々に対して、駆動電流の一意のデューティサイクルを設定する、ステップと、
を含む方法。
【請求項10】
前記LEDアレイに供給される電源を決定された前記電源電圧に設定するように電源に命令を伝送するステップをさらに含む、
請求項記載の方法。
【請求項11】
前記動作条件データは前記LEDアレイの温度を含む、
請求項記載の方法。
【請求項12】
前記プロセスデータは、ベースライン温度における前記LEDピクセルの順方向電圧を含み、
前記電源電圧を決定するステップは、
前記ベースライン温度における前記LEDピクセルの順方向電圧に基づいて、動作温度における前記LEDピクセルの順方向電圧を決定するステップと、
前記動作温度において前記LEDピクセルの決定された前記順方向電圧に基づいて前記電源電圧を決定するステップと、を含む、
請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記プロセスデータは、ベースライン電流振幅における前記LEDピクセルの順方向電圧を含み、
前記電源電圧を決定するステップは、
前記ベースライン電流振幅における前記LEDピクセルの前記順方向電圧に基づいて、動作電流振幅における前記LEDピクセルの順方向電圧を決定するステップと、
前記動作電流振幅において前記LEDピクセルの決定された前記順方向電圧に基づいて前記電源電圧を決定するステップと、を含む
請求項記載の方法。
【請求項14】
請求項1乃至8いずれか1項記載の照明システムのための発光ダイオードアレイ(LEDアレイ)であって、
マトリクスに配置された複数の発光ダイオードピクセル(LEDピクセル)であって、各LEDピクセルは、供給電圧に結合された少なくとも1つのLEDと、電流振幅を有する動作電流において前記少なくとも1つのLEDを駆動する電流源と、動作電流で前記少なくとも1つのLEDを交互に駆動するパルス幅変調(PWM)スイッチと、を有する、複数のLEDピクセル、及び
温度をセンシングする少なくとも1つの温度センサであって、前記複数のLEDピクセルの少なくとも1つのすぐ近くに位置する少なくとも1つの温度センサ、を備える、
LEDアレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年11月27日に出願された米国仮出願第62/941,123号の利益及び優先権を主張するものであり、その開示は、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
技術分野
本開示は、概して、マイクロLED画素アレイにおける動的電源の使用及び制御に関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロ発光ダイオード(マイクロLED)アレイは、現在、照明及びディスプレイ用途に使用するために開発されている。マイクロLED制御システムは、能動的に発光し個々に制御される数千から数百万の微小なLEDピクセルのアレイをサポートすることができる。バックライトLED技術と比較して、マイクロLEDアレイは、より高い輝度及びエネルギ効率を有することができ、テレビ、自動車ヘッドライト、携帯電話、住宅用照明、商用照明、又は建築用照明などの様々な用途のために魅力的である。画像を表示するために、アレイ上の異なる位置におけるマイクロLEDピクセルの電流レベルは、特定の画像、光強度、又はカラープロファイルによって個別に調整され得る。
【0004】
マイクロLED照明システムは、n個のLEDピクセルを有するLEDアレイマトリクスを含むことができ、その各々は、直列又は並列に接続された1つ以上のLEDを有する。画像を表示するために、アレイマトリクス上の異なる位置における個々のマイクロLEDピクセルの電流レベルは調整される。LED制御システムは、調光及びカラーチューニング機能のためにパルス幅変調(PWM)制御を使用することができる。PWM制御は、特定の周波数においてピクセルをオン・オフ切り替えによって機能し、実際には、導通時間と、周期又はサイクル時間との間の比、デューティサイクルとも称される、を調整する。ピクセルを通る平均DC電流は、電流振幅とデューティサイクルとの積である。
【0005】
従来のPWMに基づくの画像化技術では、システム制御ユニットは、受信した画像に基づいて各ピクセルのデューティサイクル値を決定する。電流振幅は、所与の画像に対する全てのピクセルに対して同一に維持され得るが、電流振幅は、異なる画像間で変化し得る。したがって、個々のデューティサイクルは、画像のパターンを設定し、電流振幅は、アレイ全体の輝度を調整する定数又は集合変数のいずれかであり、広域の調光を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本開示のいくつかの実施形態による、マイクロLEDアセンブリを含む例示的な車両ヘッドランプシステムのブロック図である。
図2図2は、本開示のいくつかの実施形態によるマイクロLEDアセンブリ及び電力システムの例を示す図である。
図3図3は、本開示のいくつかの実施形態による、マイクロLEDアセンブリ及び電力システムの代替構成を示す図である。
図4図4は、本開示のいくつかの実施形態による、2つの例示的な画素アセンブリを示するブロック図である。
図5図5は、順方向電流と順方向電圧との関係の例を示すグラフである。
図6図6は、本開示のいくつかの実施形態による、LEDアレイの電源を動的に調整するためのプロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
概要
本開示のシステム、方法、及びデバイスはそれぞれ、いくつかの革新的な側面を有し、そのうちの1つが、本明細書に開示される望ましい属性のすべてに対して単独で責任を負うものではない。本明細書に記載されている主題の1つ以上の実装の詳細は、以下の説明及び添付の図面に記載される。
【0008】
本明細書に記載されるLEDピクセルアセンブリを説明する目的で、PWM制御を有するマイクロLEDアセンブリにおいて作用する可能性のある現象を理解することは有用であろう。以下の基礎的な情報は、本開示を適切に説明する根拠とみなすことができる。かかる情報は、説明の目的のためだけに提供されるものであり、したがって、本開示の範囲及びその潜在的な適用を制限するように解釈されるべきではない。
【0009】
PWM制御を使用する既存のマイクロLEDアレイは、典型的には、各ピクセルにおいて、マイクロLED、PWMスイッチ、及びマイクロLEDの電流源として作用するトランジスタを含む。トランジスタは、そのゲートにおいて電流信号を受信し、電流信号は、マイクロLEDの電流振幅を設定するために用いられる。マイクロLEDは、マイクロLEDに給電するための固定の供給電圧を受け取る。典型的なPWM制御マイクロLEDアレイでは、マイクロLEDの全てが同じ電流制御信号を受信し、マイクロLEDの全てが同じ供給電圧を受け取る。電源電圧は一般に固定又は一定である。
【0010】
しかしながら、動作において、マイクロLEDアレイに対する最小必要供給電圧は一定ではない。代わりに、それはマイクロLEDアレイのプロセス拡散関数であり、例えば、生産の変動によって引き起こされる、LED順方向電圧及び電流源電圧のプロセス拡散の関数である。さらに、LED順方向電圧は温度に基づいて変化する。付加的に、異なる電流源振幅が使用される場合、LED順方向電圧及び電流源電圧もまた、選択された電流源振幅に基づいて変化する。LEDアレイと動作条件の間のすべての変動をカバーするために、以前のマイクロLEDアレイでは、動作を保証するために、電源電圧が最悪の場合の条件のために最大値に設定されていた。ただし、特定の動作条件のために実際に必要な電圧よりも高い過度に高い電源電圧を使用するには、余分な電圧を損失の形態で電流源スイッチに吸収させる必要がある。これらの損失は、システムの電力効率を低下させ、また、過熱又は他の熱問題を招く可能性がある。
【0011】
本開示の実施形態は、可変電源及び電源の動的制御を提供する。電源制御ブロックは、LEDアレイの順方向電圧特性及びLEDアレイの動作条件、例えば温度及び電流振幅を記述する条件データを取り出す(retrieves)。LEDアレイは、一組のベースライン試験条件下での最小供給電圧などのLED順方向電圧及び/又は電流源電圧を記述するプロセス拡散データを取得するために、製造中に試験され得る。プロセス拡散データは、電流及び/又は温度に基づいて最小供給電圧がどのように変化するかを記述するデータをさらに含み得る。電源制御ブロックは、リアルタイムの動作条件データを受信し、動作条件に基づいてLEDアレイ固有の電源電圧を決定する。電源制御ブロックは、動作条件が経時的に変化するにつれて、電源がLEDアレイに供給する電源電圧を動的に調整する。これは、LEDアレイの効率を向上させ、過剰な電力損失によってもたらされるLEDアレイの熱問題を回避する。
【0012】
一態様では、照明システムは、LEDアレイ及び制御ブロックを有する。LEDアレイは、複数のLEDピクセルを含み、各LEDピクセルは、動的に調整可能な電源電圧を生成する電源から電源電圧を受けとるように調整されている。LEDアレイはさらに、複数のLEDを駆動する少なくとも1つの電流源を備える。制御ブロックは、電源に結合されるように構成されており、かつ、LEDアレイの少なくとも1つの条件に基づいて電源によって生成される電源電圧を調整するように構成されている。
【0013】
他の態様では、LEDアレイのための電源電圧を設定する方法は、複数のLEDピクセルを備えるLEDアレイの動作条件を記述する動作条件データを受信するステップと、LEDアレイと関連するプロセスデータを取り出すステップであって、プロセスデータは、少なくとも1つの動作条件の下で、複数のLEDピクセルに対する順方向電圧を記述する、ステップと、電源電圧を決定して、動作条件及びプロセスデータに基づいてLEDアレイを給電する、ステップと、を含む。
【0014】
さらに別の態様では、LEDアレイは、マトリクスに配置された複数のLEDピクセルと、LEDアレイの温度をセンシングする少なくとも1つの温度センサと、を備える。各LEDピクセルは、供給電圧に結合された少なくとも1つのLEDと、電流振幅を有する動作電流において少なくとも1つのLEDを駆動する電流源と、動作電流で少なくとも1つのLEDを交互に駆動するためのパルス幅変調(PWM)スイッチと、を備える。少なくとも1つの温度センサは、複数のLEDピクセルの少なくとも1つのすぐ近くに位置する。
【0015】
当業者によって理解されるように、本開示の態様、特に、本明細書に記載される動的に制御される電源を有するマイクロLEDピクセルアレイの態様は、種々の態様、例えば、方法、システム、コンピュータプログラム製品、又はコンピュータ可読記憶媒体として具体化され得る。したがって、本開示の態様は、完全にハードウェアの実施態様、完全にソフトウェアの実施態様(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード、回路設計などを含む)、又は、本明細書で一般的に「回路」、「モジュール」又は「システム」と称され得るソフトウェア及びハードウェアの態様を組み合わせた実施態様の形態をとり得る。本開示に記載の機能は、1つ以上のコンピュータの1つ以上のハードウェア処理ユニット、例えば1つ以上のマイクロプロセッサによって実行されるアルゴリズムとして実装され得る。様々な実施形態では、本明細書に記載される各方法のステップの異なるステップ及び部分は、異なる処理ユニットによって実行され得る。さらに、本開示の態様は、1つ以上のコンピュータ読取可能媒体内に具現化された好ましくは非一時的な、その上に格納された、コンピュータ読取可能プログラムコードを有する、コンピュータプログラム製品の形態をとり得る。様々な実施形態では、かかるコンピュータプログラムは、例えば、既存のデバイス及びシステムにダウンロード(更新)され、又は、それらのデバイス及びシステムの製造時に保存し得る。
【0016】
以下の詳細な説明では、例示的な実施の種々の態様を、当業者にその仕事の内容を他の当業者に伝えるために当業者によって一般的に使用される用語を用いて説明することができる。例えば、「接続(connecte)」という用語は、中間デバイスを介さずに接続された物の間の直接的な電気的又は磁気的接続を意味し、一方、「結合(coupled)」という用語は、接続された物の間の直接的な電気的又は磁気的接続、又は、1つ以上の受動又は能動中間デバイスを介した間接的な接続を意味する。用語「回路」は、所望の機能を提供するために互いに協働するように配置された1つ以上の受動的及び/又は能動的構成要素を意味する。用語「実質的に」、「ほぼ」、「約」、「近似」及び「ほとんど」は、一般に、本明細書中に記載される特定の値の文脈に基づいて、又は当技術分野で公知であるように、目標値の+/20%、好ましくは+/10%以内であることを意味する。同様に、種々の要素の配向を示す用語、例えば、「同一平面(coplanar)」、「垂直」、「直交」、「平行」、又は要素間の任意の他の角度は、一般に、本明細書に記載された特定の値の文脈に基づいて、又は当技術分野で公知であるように、目標値の+/-5~20%以内であることを指す。
【0017】
本明細書で使用される「上方(over)」、「下方(under)」、「間(between)」及び「上(on)」などの用語は、他の層又は構成要素に関する1つの材料層又は構成要素の相対的位置を指す。例えば、別の層の上方又は下方に配置された1つの層は、他の層と直接接触することができ、又は1つ以上の介在層を有することができる。さらに、2つの層の間に配置された1つの層は、2つの層のうちの1つ又は両方と直接接触することができ、又は1つ又は複数の介在層を有することができる。対照的に、第2層の「上(on)」にあると記載された第1層は、第2層と直接接触している層を指す。
同様に、明示的に別段の記載がない限り、2つのフィーチャの間に配置される1つのフィーチャは、隣接するフィーチャと直接接触することができ、又は1つ以上の介在層を有することができる。
【0018】
本開示の目的において、「A及び/又はB」という語句は、(A)、(B)又は(A及びB)を意味する。本開示の目的において、「A、B及び/又はC」という語句は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)又は(A、B及びC)を意味する。「間」という用語は、測定範囲に関連して使用される場合、測定範囲の末端を含む。本明細書で使用される場合、「A/B/C」という語句は、(A)、(B)、及び/又は(C)を意味する。
【0019】
説明では、「一実施形態において」又は「実施形態において」という語句を使用し、各語は、同一又は異なる実施形態のうちの1つ以上を指す。さらに、用語「備える」、「含む」、「有する」などは、本開示の実施形態に関して使用される場合、同義語である。本開示は、「上方」、「下方」、「頂部」、「底部」、及び「側部」などの斜視ベースの説明に使用されることができ、かかる説明は、議論を容易にするために使用され、開示された実施形態の適用を制限することを意図しない。共通のオブジェクトを記述するための序数形容詞「第1」、「第2」及び「第3」等の使用は、特に指定しない限り、単に、類似のオブジェクトの異なるインスタンスが参照されていることを示し、そのように記述されたオブジェクトが、時間的に、空間的に、ランク付けにおいて、又は他の方法で、所与のシーケンスになければならないことを意味するものではない。
【0020】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面を参照し、例示として、実施可能な実施形態のいくつかを示す。図面では、同一の参照符号は、同一の又は類似の要素/材料を指すので、特に断らない限り、図面の1つの文脈で提供される所定の参照符号を有する要素/材料の説明は、同一の参照符号を有する要素/材料を図示することができる他の図面にも適用可能である。便宜上、異なる文字で指定された図面の集合体、例えば、図2A~2Cが存在する場合、そのような集合は、例えば、「図2」のような文字なしで本明細書において参照することができる。添付の図面は、必ずしも縮尺通りに描かれていない。さらに、特定の実施形態は、図面に示されるよりも多くの要素を含むことができ、特定の実施形態は、図面に示される要素のサブセットを含むことができ、特定の実施形態は、2つ以上の図面からの特徴の任意の適切な組み合わせを組み込むことができることが理解されるであろう。
【0021】
様々な動作は、クレームされた主題を理解するのに最も役立つ方法で、順番に複数の個別のアクション又は動作として説明することができる。しかしながら、説明の順序は、これらの動作が必然的に順序に依存することを意味すると解釈されるべきではない。特に、これらの動作は、提示の順序で実行される必要はない。説明された動作は、説明された実施形態とは異なる順序で実行されても得る。様々な追加の動作が実行されてもよく、及び/又は、説明された動作が追加の実施形態において省略され得る。
【0022】
本明細書で提供されるいくつかの例において、相互作用は、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の電気的構成要素の観点から記載することができる。しかしながら、これは、明確さと例示の目的のためだけに行われてきた。ここに記載されるデバイス及びシステムは、任意の適切な方法で統合され得ることが理解されるべきである。類似の設計の代替案に沿って、添付の図面の図示された構成要素、モジュール、及び要素のいずれも、様々な可能な構成で組み合わせることができ、これらの全ては、明らかに、本開示の広範な範囲内にある。特定の場合には、限定された数の電気的要素のみを参照することによって、所与のフローのセットの1つ以上の機能を記載することがより容易であり得る。
【0023】
以下の詳細な説明は、特定の実施形態の様々な説明を提供する。しかしながら、本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、構造的又は論理的な変更を行うことができることは理解されるべきである。一般に、本明細書に記載される革新は、例えば、特許請求の範囲及び/又は選択された実施例によって定義及びカバーされるような、多数の異なる方法で具体化することができ、以下の詳細な説明は、限定的な意味では行われない。
【0024】
マイクロLEDアレイのためのシステムの実施例
【0025】
マイクロLEDアレイは、光分布の微細粒度、空間的及び時間的制御から利点を受ける用途をサポートする。例えば、マイクロLEDアレイは、ピクセルブロック又は個々のピクセルから放射された光の正確な空間パターン形成を提供することができる。アプリケーションに応じて、放出された光は、スペクトル的に区別され、経時的に適応し(adaptive overtime)及び/又は環境に反応し得る。マイクロLEDアレイは、種々の強度、空間的、又は時間的パターンで予めプログラムされた光分布を提供することができる。放射された光は、少なくとも部分的には、受信されたセンサデータに基づくことができる。関連する光学系は、ピクセル、ピクセルブロック、又はデバイスレベルで別個であることができる。例示的なマイクロLEDアレイは、関連する共通光学系を有する高強度ピクセルの共通に制御された中央ブロックを有するデバイスと、個々の光学系を有するエッジピクセルとを含む。マイクロLEDアレイによってサポートされるいくつかの用途には、ビデオ照明、自動車ヘッドライト、建築用照明及びエリア照明、街路照明、ならびに情報ディスプレイが含まれる。
【0026】
車両のヘッドランプ又はヘッドライトは、マイクロLEDアレイの用途の一例である。マイクロLEDで構成される車両ヘッドランプは、多数のピクセルを含み、高いデータリフレッシュレートを有する。道路の選択された部分のみを能動的に照射する自動車ヘッドライトは、対向するドライバーのグレア又はまぶしさに関連する問題を軽減するために使用することができる。たとえば、赤外線カメラをセンサとして使用すると、マイクロLEDアレイは、道路を照らすのに必要なピクセルのみをアクティブにし、歩行者や対向車のドライバーを眩惑させ得るピクセルを非アクティブにすることができる。別の例として、マイクロLEDアレイを使用して、オフロードの歩行者、動物又は標識を選択的に照明することができ、ドライバーの環境認識(environmental awareness)を向上させる。マイクロLEDアレイのピクセルがスペクトル的に別個である場合、光の色温度は、昼光、黄昏、又は夜のそれぞれの条件に応じて調整できる。いくつかのピクセルは、光無線の車両対車両の通信のために使用され得る。
【0027】
図1は、マイクロLEDアセンブリを含む例示的な車両ヘッドランプシステム100のブロック図である。車両ヘッドランプシステム100は、電子制御ユニット(ECU)110及びヘッドランプ130を含む。1つのヘッドランプ130が図1に示されているが、車両はヘッドランプ130に類似した2つ以上のヘッドランプを含んでおり、他のヘッドランプはヘッドランプ130に類似しており、同様の方法で動作することが理解されるべきである。さらに、他の車両灯(例えば、走行灯、フォグライトなど)は、図1に示されたヘッドランプ130と同様に構成され、同様に動作することができる。
【0028】
ECU110は、ヘッドランプ130を含む車両の電気システム又はサブシステムを制御する車両内の埋め込みシステムである。ヘッドランプの制御に加えて、ECU110は、例えば、エンジン構成要素、パワートレイン構成要素、ドア、ブレーキ、テレマティクス、バッテリー管理等のための制御装置を含むことができる。ECU110は、エンジンルーム内又はその近傍に配置されることができる。ECU110は、例えば、異なる設定又はアプリケーションで使用される異なるヘッドランプ画像を格納するECU110にアクセス可能なメモリから画像データ105を受信する。ECU110の車両マイクロプロセッサ115は、ヘッドランプ130の画像を生成又は選択することができる。例えば、車両マイクロプロセッサ115は、1つ以上の環境センサからデータを受信し、センシングされた環境に基づいてヘッドランプ130の画像を選択し、選択された画像の画像データ105を取り出す。車両マイクロプロセッサ115は、選択された画像に基づいてヘッドランプ130のための制御信号を生成し、制御信号をシリアライザ120に送信する。シリアライザ120は、制御信号をシリアル化し、シールドされていないツイストペア(UTP)又は同軸接続などのシリアル接続を介して伝送する。シリアライザ120は、制御信号を低電圧差動信号(LVDS)方式に変換することができる。ECU110とヘッドランプ130との間の物理的接続及びデータフォーマットは、制御信号が車両を通して確実に伝達されるように選択され、これは、広い温度変動、水分、ノイズ、及び他の不利な条件を経験し得る。
【0029】
ヘッドランプ130は、制御信号を再フォーマットし、制御信号をマイクロLEDアセンブリ155に送信するデシリアライザ135を含む。例えば、マイクロLEDアセンブリ155に提供される制御信号は、垂直同期信号、ピクセルクロック、ピクセルイネーブル信号、及び多数のピクセルデータラインを含むことができる。マイクロLEDアセンブリ155は、制御信号にしたがって画像を出力する。マイクロLEDアセンブリ155は、図2及び3にさらに詳細に示され、ピクセルアセンブリの例は、図4に示される。
【0030】
ヘッドランプ130はまた、ヘッドランプマイクロプロセッサ140、DC/DCコンバータ145、及び電源150を含む。デシリアライザ135は、制御信号をヘッドランプマイクロプロセッサ140に提供し、ヘッドランプマイクロプロセッサ140からのフィードバック(例えば、エラー情報)を受信してECU110に戻すことができる。この構成では、ヘッドランプマイクロプロセッサ140は、1つの出力ラインを介してDC/DCコンバータ145に、及び、第2出力ラインを介してマイクロLEDアセンブリ155に電力を供給する電源150を制御する。
電源150によってマイクロLEDアセンブリ155に供給される電圧は、VLED160と称され、LEDピクセルに電力を供給するために使用される。DC/DCコンバータに送られる電圧は、ヘッドランプ130の内部ロジック、例えば、ヘッドランプマイクロプロセッサ140及びマイクロLEDアセンブリ155の内部ロジックに電力を供給するために使用される。DC/DCコンバータ145は、電源から受け取った直流(DC)信号を、ヘッドランプマイクロプロセッサ140及びマイクロLEDアセンブリ155論理回路に給電するために使用される異なる電圧に変換する。DC/DCコンバータ145は、変換されたDC電圧をヘッドランプマイクロプロセッサ140及びマイクロLEDアセンブリ155に分配する。また、ヘッドランプマイクロプロセッサ140は、マイクロLEDアセンブリ155とのインターフェースを有し、例えば、データを交換し、クロック制御を提供し、故障時にマイクロLEDアセンブリ155から故障データを受信する。
【0031】
車両ヘッドランプシステム100は、マイクロLEDアレイの一例の適用例に過ぎないことが理解されるべきである。別の用途では、マイクロLEDアセンブリ155は、改善された視覚的表示のために、又は照明コストを低減するために、建物又は環境を選択的かつ適応的に照明するために、照明設備において使用される。例えば、追跡センサ及び/又はカメラと共に、マイクロLEDアレイを使用して、歩行者の周囲の領域を選択的に照明することができる。別の例として、マイクロLEDアレイは、装飾的な動き又はビデオ効果のためにメディアファサードを投影するために使用される。スペクトル的に異なるピクセルを使用して、照明の色温度を調節することができ、また、波長特異的園芸照明をサポートすることができる。
【0032】
街路照明は、マイクロLEDアレイの使用から利益を得る別の適用例である。単一タイプの発光アレイは、種々の街路光タイプを模倣するために使用され得、例えば、選択されたピクセルの適切なアクティブ化又は非アクティブ化によって、タイプI直線街路光とタイプIV半円街路光との間のスイッチングを可能にする。街路照明のコストは、環境条件又は使用時間に応じて光ビーム強度又は分布を調整することにより、低下させることができる。例えば、歩行者がいない場合には、光の強さと分布面積が小さくなる。マイクロLEDアレイのピクセルがスペクトル的に別個である場合、光の色温度は、昼光、黄昏、又は夜のそれぞれの条件に応じて調整できる。
【0033】
マイクロLEDアレイは、また、直接的又は投影的なディスプレイを必要とする用途をサポートするのにも適している。例えば、警告サイン、緊急サイン、又は情報サインの全てを、マイクロLEDアレイを用いて表示又は投影することができる。これにより、例えば、色変更又はフラッシュ出口標識(flashing exit signs)を投影することができる。マイクロLEDアレイが多数のピクセルから構成されている場合、テキスト情報又は数値情報が提供されることができる。方向矢印又は類似のインジケータもまた、提供され得る。
【0034】
マイクロLEDアレイは、単独で又はレンズ若しくはリフレクタを含む一次光学系又は二次光学系と共に使用され得る。全体的なデータ管理要件を低減するために、マイクロLEDアレイ内のピクセルの一部又は全部を、オン/オフ機能又は比較的少ない光強度レベルの間のスイッチングに制限することができる。光強度のフルピクセルレベル制御は必ずしもサポートされていない。
【0035】
動作において、マイクロLEDアレイ内のピクセルに対応する画像データが、マイクロLEDアレイ内の対応するピクセルの応答を画定するために使用され、ピクセルの強度及び空間変調は、(1つ以上の)画像に基づいている。データレートの問題を低減するために、いくつかの実施形態では、ピクセルのグループ(例えば、5×5ブロック)を単一ブロックとして制御することができる。例えば30Hzと100Hzとの間、例えば60Hzのレートにおいて、連続する画像からのピクセル値を画像シーケンス中の連続するフレームとしてロードすることができる、高速及び高データレート動作をサポートすることができる。パルス幅変調モジュールと共に、ピクセルモジュール内の各ピクセルは、画像フレームバッファ内に保持された画像に少なくとも部分的に依存する強度を有するパターンの光を放射するように動作することができる。
【0036】
マイクロLEDアセンブリ及び電力システムの実施例
【0037】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、マイクロLEDアセンブリ155及び電力システムの一例を示す。電力システムは、電源150と、電源150によってマイクロLEDアセンブリ155に供給される電圧VLED160を設定する制御ブロックである電力コントローラ280とを含み、マイクロLEDに給電する。
マイクロLEDアセンブリ155及び電力システムは、車両のヘッドランプ用途、上述の他の用途のいずれか、又はLEDアレイの他の潜在的用途に使用することができる。マイクロLEDアセンブリ155、電源150、及び電力コントローラ280は、図2に示す構成とは異なる構成を有してもよい。いくつかの実施形態では、電力コントローラ280は、マイクロLEDアセンブリ155、例えばマイクロLEDコントローラ210に組み込まれる。いくつかの実施形態では、電力コントローラ280は、電源150に組み込まれる。いくつかの実施形態では、電力コントローラ280は、図1に示すヘッドランプマイクロプロセッサ140の構成要素である。いくつかの実施形態では、マイクロLEDアセンブリ155は、集積電源を有し、電源150及び電力コントローラ280は、両方とも、マイクロLEDアセンブリ155に含まれる。いくつかの実施形態では、メモリ240は、マイクロLEDアセンブリ155の外側、例えば電力コントローラ280内に配置される。
【0038】
マイクロLEDアセンブリ155は、マイクロLEDコントローラ210のためのブロックと、ピクセルアレイ260とを含む。マイクロLED制御210は、パルス幅変調器220、電流コントローラ230、及びメモリ240を含む。ピクセルアレイ260は、マトリクス内に配列されるピクセルアセンブリ265、例えばピクセルアセンブリ265a及び265bを含む。各ピクセルアセンブリ265は、能動的に光を放射し、マイクロLED制御装置210によって個別に制御されることができる。25の例示的なピクセルアセンブリ265が図2に示されているが、ピクセルアレイ260は、数千から数百万の微小LEDピクセルアセンブリを含むことができる。画像の表示をもたらすパターン又はシーケンス内の光を放射するために、アレイ上の異なる位置におけるピクセルアセンブリ265内のマイクロLEDの電流レベルが、特定の画像に従って個別に調整される。これは、特定の周波数でピクセルをオン・オフするパルス幅変調(PWM)を使用して達成することができる。PWM動作中、ピクセルを通る平均DC電流は、電流振幅とPWMデューティサイクルの積であり、これは伝導時間と周期又はサイクル時間との比である。
【0039】
パルス幅変調器220は、ピクセルアレイ260に出力されるPWM信号225を生成し、ピクセルのPWMデューティサイクルを制御する。いくつかの実施形態では、パルス幅変調器220は、ピクセルアレイ260内の各ピクセルについて、個々のPWM信号225を生成する。他の実施形態において、1つのPWM信号は、複数のピクセル、例えば、ピクセルアレイ260内のピクセルの特定のサブセットを制御することができる。図1に関して説明する車両のヘッドランプの例では、パルス幅変調器220は、デシリアライザ135からの画像制御信号を受信し、画像制御信号に基づいてPWM信号225を生成する。他の実施形態では、マイクロLEDアセンブリ155内又は別のシステム内の別の制御ブロックが、パルス幅変調器220にフィードされる画像データを生成することができる。
【0040】
電流コントローラ230は、ピクセルアレイ260に提供される電流信号235を生成する。より詳細には、電流信号235は、各ピクセルアセンブリ265内のマイクロLEDに対して順方向電流を生成する各ピクセルアセンブリ265内の電流源に供給される。各ピクセルアセンブリ265は、一意のPWM信号225を受信するが、全ピクセルアレイ260、又はピクセルアレイ260内の複数のピクセルアセンブリ265のブロックは、同じ電流信号235を受信して、ピクセルアレイ260にわたって、又はピクセルアセンブリ265の所与のブロックにわたって、同じ順方向電流を設定することができる。電流コントローラ230は、デシリアライザ135(車両ヘッドランプの例)又は他のデジタル制御インターフェース(例えば、内蔵回路インターフェース(I2C))から電流レベルを示す制御信号を受信する。ピクセルアセンブリ265内のマイクロLEDは、電流信号235及びPWM信号225に基づいて光を放射する。ピクセルの構造及び動作は、図4に関してより詳細に説明される。
【0041】
メモリ240は、電力コントローラ280によって取り出される処理データ245を格納する。プロセスデータ245は、1つ以上の動作条件下でピクセルアセンブリ265をオンにするのに必要な供給電圧を記述する。プロセスデータ245は、製造変動に基づいて、1つのピクセルアレイ260から別のピクセルアレイまで変化することができる。特に、最小供給電圧は、マイクロLEDの順方向電圧のプロセス拡散、及び、ピクセルアセンブリ265内の他の回路素子にわたる電圧降下におけるプロセス拡散、例えば、各ピクセルアセンブリ265内の電流源にわたる電圧に基づいてアレイ毎に変化する。ピクセルアセンブリ265が加工された後、試験手順が、ピクセルアレイ260についてのプロセスデータ245を決定するために実行され得、このプロセスデータ245は、メモリ240内に格納される。メモリ240は、製造プロセス中にプログラムされた不揮発性メモリであってもよい。
【0042】
最小必要電源電圧は、異なるピクセルアレイ間で変化するだけでなく、所与のピクセルアレイの異なる動作条件間でも変化する。最小要求電源電圧は、ピクセルアレイ260に対する電流源の振幅及びピクセルアレイ260の温度などの複数の変数の関数である。特に、ピクセルアセンブリ265内のマイクロLEDの温度の変動はLED順方向電圧に影響し、電流振幅の変動はLED順方向電圧と電流源電圧の両方に影響する。LED順方向電流、LED順方向電圧、及び温度の間の関係を示す例示的な曲線を図5に示す。
【0043】
プロセスデータ245は、動作条件のベースラインセット、例えば、LED温度25℃及び電流振幅4mAに対する最小供給電圧を決定する生産試験から得ることができる。いくつかの実施形態では、プロセスデータ245は、種々の異なる動作条件の下で必要とされる最小供給電圧を記述する。例えば、プロセスデータ245は、温度及び電流振幅の異なる組み合わせ、例えば、最大及び最小電流振幅並びに最高及び最低動作温度のための供給電圧レベルを含むことができる。いくつかの例では、プロセスデータ245は、温度及び/又は電流振幅に基づいて供給電圧VLED160を計算するための1つ以上の式を含む。他の実施形態では、動作条件に基づいて供給電圧VLED160を調整するための式は、一組のマイクロLEDアセンブリ155にわたって同じであると仮定され、式は、電力コントローラ280内又は他の場所に格納されてもよい。例えば、電力コントローラ280は、ベースライン温度に対して温度が1℃上昇するごとに供給電圧を-2mVだけ減少させるか、又はベースライン温度に対して温度が1℃低下するごとに供給電圧を+2mV増加させるようにプログラムすることができる。
【0044】
また、所与のピクセルアレイ260上の個々のピクセルアセンブリ265間にプロセス拡散があることもでき、例えば、ピクセルアセンブリ265aは、別のピクセルアセンブリ265bよりも50 mV高い最小供給電圧を有することができる。しかしながら、ピクセルアレイ260にわたって同じ供給電圧VLED160及び電流信号235が使用されるので、ピクセルアレイ260にわたる最も高い最小供給電圧(the highest minimum supply voltage)は、一般に、ピクセルアレイ260に供給される供給電圧VLED160を指示する。したがって、メモリ240は、ピクセルアレイ260にわたる最も高い最小供給電圧、すなわち、上述のように、ピクセルアセンブリ265の全て又はほぼ全てを、ベースラインセットの条件及び/又は他のセットの条件に対してオンにさせる供給電圧を格納することができる。他の実施形態では、プロセスデータ245は、各個々のピクセルアセンブリ265について個別化されたデータを含む。
【0045】
電力コントローラ280は、メモリ240からプロセスデータ245を受信する。図2に示す例では、電力コントローラ280はまた、ピクセルアレイ260から動作データ275を受信する。他の実施形態では、例えば図3に示すように、動作データ275の一部又は全部をマイクロLED制御ブロック310から受信することができる。動作データ275は、動作電流振幅、例えば、電流信号235によって指定される電流振幅、又はピクセルアセンブリ265によって生成され、ピクセルアレイ260上で測定される電流振幅(理想的には、生成された電流振幅は、電流信号235によって命令される電流振幅と同じである)を含む。
【0046】
動作データ275は、さらに、ピクセルアレイ260に含まれる1つ以上の温度センサ270からのデータを含むことができる。温度センサ270は、ピクセルアレイ260上又はピクセルアレイ260の周囲の種々の位置の温度をセンシングする。図2に示されるように、2つの例示的な温度センサ270a及び270bは、ピクセルアセンブリ265のマトリクスのエッジ付近、特に、ピクセルアレイ260の対向するコーナー上に示される。第3の例示的温度センサ270cは、ピクセルアセンブリ265のマトリクス内に、特に、ピクセルのうちの2つの間に配置される。他の例では、追加の温度センサ270は、例えば、ピクセルアレイ260の他のコーナーに、ピクセルアレイ260のエッジに沿って、又はピクセルアレイ260内の1つ以上の追加の又は代替の位置に含まれることができる。電力コントローラ280は、複数の温度センサ270からの温度読み取り値を処理することができ、ピクセルアレイ260にわたる平均又は最大温度を決定し得るか、又はアレイの幾何学的形状に基づいてピクセルアレイ260にわたる温度を推定し得る。いくつかの実施形態において、電力コントローラ280は、さらに、画像データ(例えば、PWM信号225又はデシリアライザ135からの画像データ)を受信することができ、センシングされた(1つ以上の)温度と組み合わせた画像データに基づいて、ピクセルアレイ260にわたる温度を推定し得る。
【0047】
電力コントローラ280は、プロセスデータ245及び動作データ275に基づいて、電源150の電圧設定、すなわち、ピクセルアレイ260内のマイクロLEDを現条件下でオンにさせるVLED160を決定する。例えば、電力コントローラ280は、プロセスデータ245からピクセルアレイ260のためのベースライン供給電圧を取得し、動作データ275に基づいてベースラインからの供給電圧を調整する。電力コントローラ280は、電源150に結合され、電圧信号285を電源150に出力する。電圧信号285は、電源150に決定された電圧設定でVLED160を出力するように指示する。多くの又はほとんどの条件において、決定されたVLED160は、全ての動作条件下で全てのピクセルアレイにわたって作用する固定されたVLEDよりも小さい。所与のピクセルアレイ260及び所与の動作条件のセットに対して十分大きいVLED160を動的に選択することによって、電力コントローラ280及び可変電源150は、エネルギ使用量を削減し、過度に高い固定されたVLEDによって引き起こされるであろう過熱を防止する。
【0048】
プロセスデータ245が個々のピクセル265に対するデータを含む場合、電力コントローラ280は、各ピクセルに対する最小電圧を決定することができ、決定された最小電圧値を画像データ(例えば、所与の画像に対してどのピクセルがオンにされるか)と比較することができ、ピクセルアレイ260に対する電圧設定を決定することができる。例えば、電力コントローラ280は、所与の画像での回切り替えられる(turned)ピクセルの最小電圧の最大値を選択する。電力コントローラ280がアレイにわたる異なる位置又はピクセルについての推定温度をさらに決定する場合、電力コントローラ280は、各ピクセルについての推定温度を使用して、ピクセルについての最小電圧を決定することができる。
【0049】
図3は、本開示のいくつかの実施形態に対するマイクロLEDアセンブリ155及び電力システムの代替構成を示す。
電力システムは、電源150と、電源150によってマイクロLEDアセンブリ155に供給される電圧VLED160を設定する電力コントローラ380とを含み、マイクロLEDに給電する。電力コントローラ380は、上述の電力コントローラ280と同様である。マイクロLEDアセンブリ155は、マイクロLED制御310のためのブロックと、上述のピクセルアレイ260と同様の、複数のピクセルアセンブリ365と、複数の温度センサ370とを含むピクセルアレイ360とを含む。マイクロLED制御310は、上述のパルス幅変調器220及び電流コントローラ230と同様のパルス幅変調器320及び電流コントローラ330を含む。パルス幅変調器320はPWM信号325を生成し、電流コントローラ330は電流信号335を生成する。
【0050】
マイクロLED制御310は、さらに、ワンタイムプログラマブル(OTP)メモリ340及びランダムアクセスメモリ(RAM)350を含む。OTPメモリ340は、上述のメモリ240の一例である。OTPメモリ340は、プロセスデータ345を格納するために、ピクセルアレイ360の製造中又は製造後にプログラムされる。プロセスデータ345は、上述のプロセスデータ245と同様である。プロセスデータ345は、一般に、その寿命を通して、ピクセルアレイ360に対して固定されるか、又は固定されると考えられる。
【0051】
マイクロLED制御310は、ピクセルアレイ360から動作データ375を受信する。動作データ375は、上述の動作データ275と同様であることができる。特に、動作データ375は、温度センサ370によってセンシングされた温度測定値と、ピクセルアセンブリ365に対する電流振幅とを含む。マイクロLED制御310は、動作データ375をRAM350内に格納する。いくつかの実施形態では、電流信号335によって示され、電流コントローラ330又はマイクロLEDコントローラ310の別の構成要素によって供給される電流振幅は、RAM350内に動作データ375とともに格納されることができる。追加の電流データは、ピクセルアレイ360から受信されるか又は受信されないことができる。
【0052】
この例では、電力コントローラ380は、図2に示すようにピクセルアセンブリ260からではなく、マイクロLEDコントローラ310のRAM350から動作データ375にアクセスする。電力コントローラ380は、動作データ375及び処理データ345を処理して、図2に関して上述したようにVLED160の設定を決定する。いくつかの例では、電力コントローラ380は、マイクロLEDコントローラ210又は310からの動作データ、及びピクセルアレイ260又は360からの他の動作データを受信する。
【0053】
ピクセルアセンブリの実施例
【0054】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、2つのピクセルアセンブリの実施例を示す回路図である。図4は、図2に示す2つのピクセルアセンブリ265a及び265bの回路図の例を示しており、これらは、図3に示すピクセルアセンブリ365a及び365bの例であることもできる。マイクロLEDアレイ内の付加的なピクセルアセンブリも同様に構成することができる。電気的接続はノードを使用して示されており、ノードを持たない交差は電気的に接続されていない。
【0055】
各ピクセルアセンブリ265は、LED 410、PWMスイッチ420、及び電流源トランジスタ430を含む。LED410は、マイクロLED又は別のタイプのLEDであってもよい。この実施例では、LED410は、共通アノードLEDである。他の実施形態では、LED410は、共通カソードLEDであり、電流源トランジスタ430及びPWMスイッチ420は、それに応じて再構成される。図4の各ピクセルアセンブリ265には1つのLED410が示されているが、他の実施形態では、各ピクセルアセンブリ265は、直列及び/又は並列に接続された複数のLED410を含む。LED410は、電源150によって供給され、電力コントローラ280によって調整されるLED供給電圧VLED160を受けとるように構成される。LED電流、例えばピクセルアセンブリ1 165aのI1、がLED410aを通過すると、LED410aは、図4の矢印によって示されるように、光を発する。
【0056】
PWMスイッチ420は、パルス幅変調器からPWM信号225を受信し、例えば、ピクセルアセンブリ1 265a内のPWMスイッチ420aは、パルス幅変調器220によって提供されるPWM信号225の1つであるPWM信号1225aを受信する。この例では、各PWMスイッチ420は、個々のPWM信号225を受信し、例えば、PWMスイッチ1 420aは、PWM信号1 225aを受信し、PWMスイッチ2 420bは、PWM信号2 225bを受信する。PWMスイッチ420は、受信したPWM信号225にしたがって、LED410のオンとオフを交互に切り替える。特に、PWMスイッチ420は、電流源トランジスタ430をLED410に結合し、LED電流(例えば、II又はI2)を供給してLED410をオンにし、電流源トランジスタ430をLED410から切り離してLED410をオフにする。
【0057】
電流源トランジスタ430は、LED410を駆動するためのLED電流(例えば、I1又はI2)を生成する。電流源トランジスタ430は、電流信号235に結合されたゲートと、グラウンドに接続されたソースと、LED410に結合されたドレインとを有するn型金属酸化物半導体(NMOS)トランジスタである。電流源トランジスタ430によって生成されるLED電流の振幅は、電流信号235の電圧に基づいて変化する。この例では、PWMスイッチ420は、電流源トランジスタ430のドレインとLED 410との間に位置するが、他の実施形態では、PWMスイッチ420は、電流源トランジスタ430のゲートと電流信号235との間に位置する。PWMスイッチ442は、PWM信号にしたがって開閉される。
【0058】
ピクセルアセンブリの実施例
【0059】
図5は、3つの例示的な温度条件下でのLED順方向電流とLED順方向電圧との関係の例を示すグラフである。LED順方向電流は、電流信号235に基づいて電流源トランジスタ430によって生成される電流である。LED順方向電圧は、LED410がオンにされたときのLED410にわたる電圧である。3つのライン510、520、及び530がプロットされる。一般に、LED順方向電流が増加するにつれて、LED順方向電圧は増加する。これは、ピクセルアレイ260に対する電流が増加するとき、より高いVLED160が使用されることを意味する。例えば、ライン510に沿って、3mA電流は、LED410にわたって3.3Vの順方向電圧を有し、4mA電流は、LED410にわたって3.4Vの順方向電圧を有し、6mA電流は、LED410にわたって3.5Vの順方向電圧を有する。VLED160は、他の回路素子、例えば、PWMスイッチ420及び電流源トランジスタ430にわたる電圧を説明するために、一般にLED410の順方向電圧よりも高いことに留意されたい。また、PWMスイッチ420と電流源トランジスタ430とにわたる電圧は、電流振幅が増加するにつれて増加する、同様の方法で電流に基づいて変化し得る。
【0060】
ライン510は、ベースライン動作温度、例えば25℃における、順方向電圧曲線であることができる。ライン510の上のライン520は、より低い温度、例えば-40℃の最低動作温度における、順方向電圧曲線を示す。ライン510の下のライン530は、より高い温度、例えば、85℃の最高動作温度における、順方向電圧曲線を示す。これらの曲線によって示されるように、温度は、一般に、LED順方向電圧に対して負の関係を有するので、より低い動作温度では、より高いVLED160が使用され、より高い動作温度では、より低いVLED160が使用され得る。
【0061】
電力コントローラ280は、VLED160を所与の動作条件に十分な高さに設定する。例えば、動作温度が線510に対応する25℃であり、電流信号235によって指定される順方向電流が4mAに設定される場合、電力コントローラ280は、LED410にわたる3.4Vの順方向電圧を可能にするVLED160を選択する。供給電圧VLED160は、例えば、各ピクセルアセンブリ内の他の構成要素(例えば、PWMスイッチ420及び電流ソーストランジスタ430)にわたる電圧が、4mA電流に対して0.6Vである場合、3.4V+0.6V=4.0Vとすることができる。別の例として、動作温度が線530に対応する85℃であり、電流信号235によって指定される順方向電流が6mAに設定される場合、電力コントローラ280は、LED410にわたる3.4Vの順方向電圧を可能にするVLED160を選択する。各ピクセルアセンブリ内の他の構成要素(例えば、PWMスイッチ420及び電流ソーストランジスタ430)にわたる電圧が、6mA電流に対して0.8Vである場合、供給電圧VLED160は、例えば、3.4V+0.8V=4.2Vであることができる。
【0062】
動的電力制御のないシステムでは、VLED160は、典型的には、ピクセルアレイ260の動作条件にわたって必要とされる最大可能電圧に設定される。この例では、最低動作温度が(ライン520に対応する)-40℃であり、最大電流が6mAである場合、VLED160は、LED410にわたる3.6Vの順方向電圧及び他のピクセルアセンブリ構成要素にわたる電圧(例えば、0.8V)を説明するのに十分に高く、結果として、一定4.4VのVLEDとなる。動的電力制御を提供することによって、電力システムは、マイクロLEDアセンブリ155による電力消費を大幅に削減することができる。
【0063】
電源調整プロセスの実施例
【0064】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、LEDアレイの電源を動的に調整するためのプロセスを示す。
【0065】
電力コントローラ280は、LEDアレイの動作条件を記述するの動作条件データを受信する610。特に、電力コントローラ280は、1つ以上の温度センサ270からの温度データと、LEDピクセルアセンブリ265を駆動する電流振幅を記述する電流データとを受信する。
【0066】
電力コントローラ280は、LEDアレイのためのプロセスデータを取り出す(retrieves)620。例えば、電力コントローラ280は、1つ以上の条件下、例えば一組のベースライン動作条件下で、LED及び他の素子を通る順方向電圧を記述するデータを取り出す。
【0067】
電力コントローラ280は、動作条件及びプロセスデータに基づいて、ピクセルアレイに対する供給電圧VLEDを決定する630。例えば、プロセスデータは、生産テストに基づいて取得されるLEDアレイに対するベースライン電圧設定を提供し、電力コントローラ280は、動作条件に基づいてベースライン電圧設定から供給電圧VLEDを調整し、例えば、動作温度がテスト温度より高い場合には供給電圧を低下させるか、又は電流振幅がテスト振幅よりも高い場合には供給電圧を上昇させる。
【0068】
電力コントローラ280は、電源150に、決定された電源電圧VLEDを生成するように指示する640。電源150は、この電圧VLEDをピクセルアレイに供給する。
【0069】
その他の実装上の注意、変形例、適用
【0070】
本明細書に記載される任意の特定の実施形態によって、必ずしもすべての目的又は利点が達成され得るわけではないことが理解されるべきである。したがって、例えば、当業者は、特定の実施形態が、本明細書で教示される1つの利点または利点のグループを達成または最適化する方法で、本明細書で教示又は示唆され得る他の目的又は利点を必ずしも達成することなく、動作するように構成され得ることを認識するであろう。
【0071】
添付の図面及びその教示の電気回路は、容易に拡張可能であり、多数の構成要素、ならびにより複雑/精巧な構成及び構成を収容することができることを理解されたい。したがって、提供される実施例は、無数の他のアーキテクチャに潜在的に適用される電気回路の範囲を限定したり、広範な教示を抑制したりすべきではない。
【0072】
いくつかの実施形態では、添付図面の任意の数の電気回路を、関連する電子デバイスの基板上に実装することができる。基板は、電子デバイスの内部電子システムの種々の構成要素を保持し、さらに、他の周辺機器のためのコネクタを提供することができる一般的な回路基板とすることができる。より具体的には、基板は、システムの他の構成要素が電気的に通信することができる電気的接続を提供することができる。任意の適切なプロセッサ(デジタル信号プロセッサ、マイクロプロセッサ、サポートチップセットなどを含む)、コンピュータ読取り可能な非一時メモリ素子などは、特定の構成ニーズ、プロセス要求、コンピュータ設計などに基づいて、基板に適切に結合することができる。外部ストレージ、追加センサ、オーディオ/ビデオ表示のためのコントローラ、及び周辺デバイスなどの他の構成要素は、プラグインカードとして、ケーブルを介して、又はボード自体に一体化してボードに取り付けることができる。種々の実施形態において、本明細書に記載の機能は、これらの機能をサポートする構造に配置された1つ以上の構成可能(例えば、プログラム可能)要素内で実行されるソフトウェア又はファームウェアとしてエミュレーション形式で実装され得る。エミュレーションを提供するソフトウェア又はファームウェアは、プロセッサがそれらの機能を実行することを可能にする命令を含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上に提供され得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、添付図面の電気回路は、スタンドアロンモジュール(例えば、特定のアプリケーション又は機能を実行するように構成された関連部品及び回路を有するデバイス)として実装されてもよく、又は電子デバイスの特定のハードウェアのプラグインモジュールとして実装されてもよい。本開示のいくつかの実施形態は、システムオンチップ(SOC)パッケージに、部分的に、又は全体的に、容易に含まれ得ることに留意されたい。SOCは、コンピュータ又は他の電子システムの構成要素を単一のチップに集積する集積回路(IC)を表す。デジタル、アナログ、混合信号、及びしばしば無線周波数機能が含まれることができ、それらの全てが単一のチップ基板上に提供されてもよい。他の実施形態は、単一の電子パッケージ内に配置され、電子パッケージを介して互いに密接に相互作用するように構成された複数の別個のICを備えたマルチチップモジュール(MCM)を含み得る。
【0074】
当業者には、多数の他の変更、置換、変形、改変、及び改変が確認され得、本開示は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれるように、すべてのそのような変更、置換、変形、改変、及び改変を包含することが意図される。本明細書に記載される装置及びシステムのいずれかの任意の特徴は、本明細書に記載される方法又はプロセスに関して実施されてもよく、実施例の詳細は、1つ以上の実施形態のどこでも使用されてもよいことに留意されたい。
【0075】
選択的実施例
【0076】
実施例1は、LEDアレイ及び制御ブロックを有する照明システムを提供する。LEDアレイは、複数のLEDピクセルを含み、各LEDピクセルは、動的に調整可能な電源電圧を生成する電源から電源電圧を受けとるように構成されている。LEDアレイはさらに、複数のLEDを駆動する少なくとも1つの電流源を備える。制御ブロックは、電源に結合されるように構成されており、かつ、LEDアレイの少なくとも1つの条件に基づいて電源によって生成される電源電圧を調整するように構成されている。
【0077】
実施例2は、実施例1による照明システムを含み、少なくとも1つの条件は動作条件を含み、制御ブロックは、LEDアレイの動作条件を示すようにデータを受けとるように、かつLEDアレイの動作条件に基づいて、電源電圧を決定するように、構成されている。
【0078】
実施例3は、実施例2による照明システムを含み、動作条件は温度であって、照明システムは、LEDアレイの温度をセンシングする少なくとも1つの温度センサをさらに備える。
【0079】
実施例4は、実施例3又は4による照明システムを含み、動作条件は、少なくとも1つの電流源によって供給される電流の振幅である。
【0080】
実施例5は、先行する実施例のいずれかによる照明システムを含み、LEDアレイのプロセスデータを格納するメモリをさらに備え、少なくとも1つの条件はプロセスデータの少なくとも一部を含む。
【0081】
実施例6は、実施例5による照明システムを含み、プロセスデータは、ベースライン温度におけるLEDピクセルの順方向電圧を含み、制御ブロックは、ベースライン温度におけるLEDピクセルの順方向電圧に基づいて動作温度におけるLEDピクセルの順方向電圧を決定し、動作温度においてLEDピクセルの決定された順方向電圧に基づいて電源電圧を設定する、ように構成されている。
【0082】
実施例7は、実施例5又は6による照明システムを含み、プロセスデータは、ベースライン電流振幅におけるLEDピクセルの順方向電圧を含み、制御ブロックは、ベースライン電流振幅におけるLEDピクセルの順方向電圧に基づいて、動作電流振幅におけるLEDピクセルの順方向電圧を決定し、動作電流振幅におけるLEDピクセルの決定された順方向電圧に基づいて電源電圧を設定する、ように構成されている。
【0083】
実施例8は、先行する実施例のいずれかによる照明システムを含み、複数のLEDピクセルの各々は、PWMスイッチを備え、PWMスイッチは、PWM信号を受けとり、PWM信号に基づいて前記LEDを交互にオン・オフスイッチするように構成されている。
【0084】
実施例9は、先行する実施例のいずれかによる照明システムを提供し、さらに、画像データを受信し、画像データに基づいて複数のLEDを駆動する電流振幅を設定し、画像データに基づいて複数のLEDピクセルの少なくとも一部に対するデューティサイクルを設定し、LEDアレイに対する少なくとも1つの条件は電流振幅を含む、ように構成された制御ブロックを備える。
【0085】
実施例10は、LEDアレイのための電源電圧を設定する方法を提供し、複数のLEDピクセルを有するLEDアレイの動作条件を記述する動作条件データを受信するステップと、LEDアレイと関連するプロセスデータを取り出すステップであって、プロセスデータは、少なくとも1つの動作条件の下で、複数のLEDピクセルに対する順方向電圧を記述する、ステップと、電源電圧を決定して、動作条件及びプロセスデータに基づいて前記LEDアレイを給電する、ステップと、を含む。
【0086】
実施例11は、実施例10による方法を提供し、さらに、LEDアレイに供給される電源を決定された電源電圧に設定するように電源に命令を伝送するステップをさらに含む。
【0087】
実施例12は、実施例10又は11による方法を含み、動作条件データはLEDアレイの温度を含む。
【0088】
実施例13は、実施例12による方法を含み、プロセスデータは、ベースライン温度におけるLEDピクセルの順方向電圧を含み、電源電圧を決定するステップは、ベースライン温度におけるLEDピクセルの順方向電圧に基づいて、動作温度におけるLEDピクセルの順方向電圧を決定するステップと、動作温度においてLEDピクセルの決定された順方向電圧に基づいて電源電圧を決定するステップと、を含む。
【0089】
実施例14は、実施例10乃至13のいずれかによる方法を含み、動作条件データは、複数のLEDピクセルに供給される電流の振幅を含む。
【0090】
実施例15は、実施例14による方法を含み、プロセスデータは、ベースライン電流振幅におけるLEDピクセルの順方向電圧を含み、電源電圧を決定するステップは、ベースライン電流振幅におけるLEDピクセルの順方向電圧に基づいて、動作電流振幅におけるLEDピクセルの順方向電圧を決定するステップと、動作電流振幅においてLEDピクセルの決定された順方向電圧に基づいて電源電圧を決定するステップと、を含む。
【0091】
実施例16は、LEDアレイを提供し、LEDアレイは、マトリクスに配置された複数の発光ダイオードピクセル(LEDピクセル)と、LEDアレイの温度をセンシングする少なくとも1つの温度センサと、を備える。各LEDピクセルは、供給電圧に結合された少なくとも1つのLEDと、電流振幅を有する動作電流において少なくとも1つのLEDを駆動する電流源と、動作電流で少なくとも1つのLEDを交互に駆動するためのパルス幅変調(PWM)スイッチと、を備える。少なくとも1つの温度センサは、複数のLEDピクセルの少なくとも1つのすぐ近くに位置する。
【0092】
実施例17は、実施例16によるLEDアレイを備え、LEDアレイは、各々がLEDピクセルのマトリクスのエッジに沿って配置された複数の温度センサを備える。
【0093】
実施例18は、実施例16又は17によるLEDアレイを備え、LEDアレイは、LEDピクセルのマトリクス内に位置する少なくとも1つの温度センサを備え、温度センサは、LEDピクセルの少なくとも2つの間に位置する。
【0094】
実施例19は、実施例16乃至18のいずれかによるLEDアレイを備え、LEDアレイはさらに、動作電流の電流振幅を測定し、測定された電流振幅を電力コントローラに提供するように構成されており、電力コントローラは、測定された電流振幅に基づいて供給電圧を調整するように構成されている。
【0095】
実施例20は、実施例16乃至19のいずれかによるLEDアレイを備え、センシングされた温度を受信し、センシングされた温度に基づいて供給電圧を調整するように構成された電力コントローラをさらに備える、
図1
図2
図3
図4
図5
図6