(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】自動誘導車の制御方法及びその方法を実行するように構成される制御システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/00 20060101AFI20240409BHJP
B66F 9/24 20060101ALI20240409BHJP
G05D 1/43 20240101ALI20240409BHJP
【FI】
B65G1/00 501D
B66F9/24 A
G05D1/43
(21)【出願番号】P 2022552241
(86)(22)【出願日】2021-02-26
(86)【国際出願番号】 EP2021054935
(87)【国際公開番号】W WO2021170852
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-11-30
(31)【優先権主張番号】102020105334.7
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522341425
【氏名又は名称】ナブフレックス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Navflex Inc.
【住所又は居所原語表記】12334 Tamarac Street, Thornton, CO 80602 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スラバ トレチャコフ
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-088906(JP,A)
【文献】特開2015-172878(JP,A)
【文献】国際公開第2019/054208(WO,A1)
【文献】特開2011-253414(JP,A)
【文献】特許第3443829(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/43
B66F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの荷物を、荷受け領域から対応する荷積み領域内の前記少なくとも2つの荷物が配置されるべき動作領域に輸送するように車両を自動的に制御する方法であって、
少なくとも、荷受け位置と、輸送対象の前記荷物の量及び寸法と、についての情報を取得するステップと、
前記少なくとも2つの荷物を前記動作領域に輸送する前に少なくとも前記荷積み領域の空間寸法を識別するために前記動作領域をスキャンするステップと、
前記少なくとも2つの荷物を前記動作領域に輸送する前のスキャンされた前記動作領域の情報を用いて、前記荷受け領域から前記荷積み領域への前記少なくとも2つの荷物の輸送のための1つの荷積みパターンを生成するステップであって、前記荷積みパターンは、前記少なくとも2つの荷物をそれぞれ輸送するための少なくとも2つのパターンを含み、前記荷積みパターンは、順次到達されるべき前記車両の目標位置及び目標向きを含む、生成するステップと、
前記少なくとも2つの荷物を前記動作領域に輸送する荷積みタスクの完了まで、前記荷積みパターンを実行するステップと、を備え、
前記動作領域をスキャンするステップは、前記少なくとも2つの荷物がその内部に配置されるべき多角形を画定する少なくとも3つの角部に関する情報を取得するステップを備え、任意選択的に、前記動作領域の前記多角形は、前記荷受け領域から前記荷積み領域への前記少なくとも2つの荷物の前記輸送のための前記荷積みパターンを生成する前に、前記荷受け領域に追加され、
前記多角形を画定する前記少なくとも3つの角部に関する情報を取得するステップは、横断が可能である荷積み領域を所定の精度で決定するためのフィルタリング技術を使用するステップを備え、任意選択的に、レンジデータ処理又は画像データ処理が、前記少なくとも2つの荷物のうちの少なくとも1つが配置されるべき前記動作領域の前記多角形に関する少なくとも1つの壁を決定するために使用される、方法。
【請求項2】
前記荷積みパターンを生成するステップの前に、前記多角形
を画定する前記少なくとも3つの角部のうちの2つの角部が、前記動作領域と前記荷受け領域との間の傾斜(α)と、任意選択で、前記動作領域と前記荷受け領域との間の2次元シフト(dx、dy)と、を決定するために使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも2つの荷物を、荷受け領域から対応する荷積み領域内の前記少なくとも2つの荷物が配置されるべき動作領域に輸送するように車両を自動的に制御する方法であって、
少なくとも、荷受け位置と、輸送対象の前記荷物の量及び寸法と、についての情報を取得するステップと、
前記少なくとも2つの荷物を前記動作領域に輸送する前に少なくとも前記荷積み領域の空間寸法を識別するために前記動作領域をスキャンするステップと、
前記少なくとも2つの荷物を前記動作領域に輸送する前のスキャンされた前記動作領域の情報を用いて、前記荷受け領域から前記荷積み領域への前記少なくとも2つの荷物の輸送のための1つの荷積みパターンを生成するステップであって、前記荷積みパターンは、前記少なくとも2つの荷物をそれぞれ輸送するための少なくとも2つのパターンを含み、前記荷積みパターンは、順次到達されるべき前記車両の目標位置及び目標向きを含む、生成するステップと、
前記少なくとも2つの荷物を前記動作領域に輸送する荷積みタスクの完了まで、前記荷積みパターンを実行するステップと、を備え、
前記動作領域をスキャンするステップは、前記少なくとも2つの荷物がその内部に配置されるべき多角形を画定する少なくとも3つの角部に関する情報を取得するステップを備え、任意選択的に、前記動作領域の前記多角形は、前記荷受け領域から前記荷積み領域への前記少なくとも2つの荷物の前記輸送のための前記荷積みパターンを生成する前に、前記荷受け領域に追加され、
前記荷積みパターンを生成するステップの前に、前記多角形
を画定する前記少なくとも3つの角部のうちの2つの角部が、前記動作領域と前記荷受け領域との間の傾斜(α)と、任意選択で、前記動作領域と前記荷受け領域との間の2次元シフト(dx、dy)と、を決定するために使用される、方法。
【請求項4】
前記荷積みタスクの完了時に、前記荷積みタスクの実行の成功が前記車両によって報告され、前記車両が所定の待機位置に操縦される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記荷積みパターンの実行中に障害が発生した場合、前記障害を修正するための回復動作が実行され、前記障害の修正が失敗した場合、前記障害がサーバ又はフリート管理システムに報告される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記荷積みパターンは、軌道の形態のサブ計画を含み、
前記サブ計画のそれぞれは、荷物に対する荷下ろしアクションで終了する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも2つの荷物を、荷受け領域から対応する荷積み領域内の前記少なくとも2つの荷物が配置されるべき動作領域に輸送するように車両を自動的に制御する方法であって、
前記車両を用いて前記荷受け領域内の第1の荷物を受け取るステップと、
前記荷受け領域から前記動作領域に誘導する手段によって前記第1の荷物を有する前記車両を誘導するステップと、
前記第1の荷物を対応する前記荷積み領域内に配置する前に対応する前記荷積み領域内の前記少なくとも2つの荷物がその内部に配置されるべき前記動作領域内の仮想境界をマッピングするために、前記車両を前記動作領域内で移動させるステップと、
前記第1の荷物を対応する前記荷積み領域内に配置する前のマッピングされた前記動作領域内の前記仮想境界内の対応する前記荷積み領域内に前記少なくとも2つの荷物を配置するための1つの荷積みパターンを生成するステップであって、前記荷積みパターンは、前記少なくとも2つの荷物をそれぞれ配置するための少なくとも2つのパターンを含む、前記荷積みパターンを生成するステップと、
前記少なくとも2つの荷物を前記対応する荷積み領域内に配置するために、前記車両が前記少なくとも2つの荷物のそれぞれを有して走行しなければならない走行軌道を生成するステップと、
生成された前記荷積みパターンと前記第1の荷物に対して生成された前記走行軌道とに基づいて、前記対応する荷積み領域内に前記第1の荷物を配置するステップと、
前記第1の荷物が前記対応する荷積み領域内に配置された状態で前記動作領域をマッピングし、少なくとも1つのさらなる荷物が前記荷積みパターンに従って配置可能であるように、前記対応する荷積み領域内の前記第1の荷物が前記荷積みパターンに対応するか否かを検証するステップと、
前記少なくとも1つのさらなる荷物が前記荷積みパターンに従って配置可能であるように、前記対応する荷積み領域内の前記第1の荷物が前記荷積みパターンに対応しない場合、前記第1の荷物の位置及び/又は向きを、前記少なくとも1つのさらなる荷物が前記荷積みパターンに従って配置可能であるように修正するステップと、を備え、
任意選択的に、前記車両を前記動作領域内で移動させるステップと前記荷積みパターンを生成するステップとは、前記第1の荷物を配置するステップ中に生じる、方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される、制御システム。
【請求項9】
少なくとも2つの荷物を、荷受け領域から対応する荷積み領域内の前記少なくとも2つの荷物が配置されるべき動作領域に自動的に輸送可能な車両であって、
前記車両を用いて前記荷受け領域内の第1の荷物を受け取る手段と、
前記荷受け領域から前記動作領域に誘導する手段によって前記第1の荷物を有する前記車両を誘導する手段と、
前記対応する荷積み領域において、前記第1の荷物を対応する前記荷積み領域内に配置する前に前記少なくとも2つの荷物がその内部に配置されるべき前記動作領域内の仮想境界をマッピングするために、前記第1の荷物の配置動作の間に、前記車両を前記動作領域内で移動させる手段と、
前記第1の荷物の前記配置動作の間に、前記第1の荷物を対応する前記荷積み領域内に配置する前のマッピングされた前記動作領域内の前記仮想境界内の前記対応する荷積み領域内に前記少なくとも2つの荷物を配置するための1つの荷積みパターンを生成すると共に、前記対応する荷積み領域内に前記少なくとも2つの荷物を配置するために、前記少なくとも2つの荷物のそれぞれを有して前記車両が走行しなければならない走行軌道を生成する手段であって、前記荷積みパターンは、前記少なくとも2つの荷物をそれぞれ配置するための少なくとも2つのパターンを含む、生成する手段と、
生成された前記荷積みパターンと前記第1の荷物に対して生成された前記走行軌道とに基づいて、前記第1の荷物を前記対応する荷積み領域内に配置する手段と、
前記第1の荷物が前記対応する荷積み領域内に配置された状態で前記動作領域をマッピングし、少なくとも1つのさらなる荷物が前記荷積みパターンに従って配置可能であるように、前記対応する荷積み領域内の前記第1の荷物が前記荷積みパターンに対応するか否かを検証する手段と、
前記少なくとも1つのさらなる荷物が前記荷積みパターンに従って配置可能であるように、前記対応する荷積み領域の前記第1の荷物が前記荷積みパターンに対応しない場合、前記第1の荷物の位置及び/又は向きを、前記少なくとも1つのさらなる荷物が前記荷積みパターンに従って配置可能であるように修正する手段と、を備える、車両。
【請求項10】
少なくとも2つの荷物を、荷受け領域から対応する荷積み領域内の前記少なくとも2つの荷物が配置されるべき動作領域に自動的に輸送可能な車両であって、
少なくとも、荷受け位置と、輸送対象の前記荷物の量及び寸法と、前記荷積み領域と、に関する情報を取得する手段と、
前記少なくとも2つの荷物を前記動作領域に輸送する前に前記荷積み領域の少なくとも空間寸法を識別するために前記荷積み領域をスキャンする手段と、
前記少なくとも2つの荷物を前記動作領域に輸送する前のスキャンされた前記動作領域の情報を用いて、前記荷受け領域から前記荷積み領域への前記少なくとも2つの荷物の輸送のための1つの荷積みパターンを生成する手段であって、前記荷積みパターンは、前記少なくとも2つの荷物をそれぞれ輸送するための少なくとも2つのパターンを含み、前記荷積みパターンは、順次到達されるべき前記車両の目標位置及び目標向きを含む、生成する手段と、
荷積みタスクが完了するまで、前記少なくとも2つの荷物を前記動作領域に自動的に輸送するための前記荷積みパターンを実行する手段と、を備える、車両。
【請求項11】
前記荷積みパターンを実行する手段は、少なくとも1つの3Dレンジカメラ又は光学カメラ(207a、207b)を使用することにより、不適切な荷物の配置又は荷物の挿入に問題があることを認識することが可能である、請求項10に記載の車両。
【請求項12】
前記荷積みパターンを実行する手段は、荷物の配置が不適切又は荷物の挿入に問題がある場合、荷物の配置の修正を試みることが可能であり、修正が失敗した場合、修正の失敗をサーバ又は監視フリート管理システムに通信することができるように構成される、請求項11に記載の車両。
【請求項13】
前記荷積みタスクを実行する間、運搬される前記荷物及び/又は隣接する荷物上の視点を変化させるために、前記少なくとも1つの3Dレンジカメラ又は光学カメラ(207a、207b)が作動可能または後退可能である、請求項11又は12に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、トラック又はコンテナ内に物品を配置(荷積み)し、又はそこから物品を取り除く(荷下ろしする)ために、後方からトラックに入る際の、自律フォークリフト又はその他の自律車両を用いたトラック又はコンテナへの物品の積み込み及び荷下ろしに関する。より具体的には、無人フォークリフト荷積み機によって、後端がパレットに乗せられた物品を貨物トラック又はコンテナに自動的に積み降ろすための装置及び方法が提供される。トラック及びコンテナに加えて、本発明は、トレーラ又は貨物ワゴンのような他の種類の貨物輸送手段にも適用可能である。貨物輸送手段は、トラックの場合のように後側から入るか、荷積みドックのように荷積みゾーンにおいて入るかのいずれかである。積み降ろしの際、物品又は商品は、貨物輸送手段に積み込まれるか、貨物輸送手段から取り出される。さらに、物品又は商品は、無人フォークリフト機が貨物輸送手段から積み降ろすことができるように、パレットに置かれていることが好ましい。
【背景技術】
【0002】
現在、生産エリア又は保管エリア内のある場所から別の場所に物品を輸送することができる、様々な自動化された自律輸送システムが既に存在する。これは、パレット上に置かれた物品を輸送することを含む。これらの自動輸送システムには、車両の前側又は後側に取り付けられたフォーク、すなわちフォークリフトを含むものもある。また、トラックが荷積みゲートにドッキングされたときに、トラック内部の物品を側部から、又は後部入口からも積み降ろすことができるフォークリフトも知られている。後者は解決策を提供するが、その解決策は、2つの荷物を同時に輸送することができ、壁に平行にのみ移動するときに荷物を側方に移動させるための傾斜及び側方シフト機構を備える、特別に設計されたフォークリフト用に主に設計されている。これらのフォークリフトは釣り合っている。さらに、提示されたアプローチは、荷物を配置するために、荷物が列内の別の荷物又は端部前壁に衝突する場合を感知する、モータ電流センサ又は圧力センサに依存する。感知の限界を克服するために、このような解決策は、通常、トレーラ内の列を完全に埋めるために、パレットの長い方の辺から受け取られる2つの荷物(フォーク上にホイールを有しない釣合いのとれた車両についてのみ可能である)を取るが、同じ列において間又は隣にパレットを配置する必要がある状況に対処しない。このような車両は、重い荷物を取り扱う時、トレーラの表面に高い圧力を加え、これがトレーラの損傷につながる可能性がある。また、そのような自動化車両は、荷物が荷受けのため特別に準備されることを必要とし、したがって、インフラへの投資を必要とするが、空間の不足又は既存の自動化ラインが原因で、常に可能であるとは限らない。
【0003】
実際には、単一の荷物のみを運搬することができ、傾斜機構、特にシフト機構を有さないフォークリフトが使用される場合が多い。さらに、荷物が適切に形成されておらず、2つを超えることが多い荷物の列に互いに近接して配置される必要がある場合、荷物は頻繁に動かなくなり、修正が必要となる。この場合、電流センサ又はは圧力センサに依存すると、荷積みタスクが完了しないことになる。同じことは、逆の操作、すなわち、トラックの後側から、同様に配置された物品を荷下ろしすることを含む。積み下ろし動作に使用されるより単純なフォークリフトは、より安価であり、手動で首尾よくかつ効率的に使用される。多くの場合、荷物は、パレットの短い方の辺から受け取られ、そこには、フォーク上にホイールを備える釣り合いのとれていないフォークリフトも、荷物と係合するように動作することを可能にするポケットが存在する。その結果、そのような荷物は、トレーラを完全に満たすために、トレーラ内の3つの列に配置されなければならない。貨物列車のようなより大規模な輸送では、パレットが受け取られる辺にかかわらず、そのような列は、さらに大きくなり得る。そのような場合における一般的な問題は、パレットを互いに隣接して緊密に配置することであり、これは精度の高さだけでなく、高度な検知技術及び荷物の取り扱い技術も必要とする。荷物は、適切に形成することができず、動かなくなる可能性があり、その場合、修正を必要とし得る。かなり多くの場合、パレット間の空間は、ほぼ0mmに制限される。
【0004】
上記の問題に加えて、パレット自体を荷積みすることにも課題がある。操作は、ほとんど手動で実行されるが、精度及びパレットを互いに非常に接近させて配置する一定レベルの経験を必要とする。非常に多くの場合、パレット間の空間はほぼ0mmに制限され、パレット上の荷物は完璧には形成されていない。これらはすべて、非常に多くの場合力を入れて、パレットを押し、パレットを出し入れする特別な技術を必要とする。
【0005】
加えて、列が最初から適切に形成されていない場合、フォークリフトの操作者は、ほとんどすべての列が形成され、最後の列が適合しないという非常に遅い段階で、このことを認識する。その結果、ドアを閉じることができない。この場合、全ての荷物を取り出し、トラック又はコンテナ内に新たに配置しなければならない。
【0006】
時点では、ほとんどの製造施設または物流施設において、最終目的地にむけ運搬車両(トラック又はコンテナ)に物品を積み込むか、そのような車両から物品を受け取って降ろすことは、依然として、手動作で、又は、例えばhttps://www.youtube.com/watch?v=pbpvyZqZgL0&list=PL2kviFOXIFHZAt1UHiaYuvZe5RzmABCJk&index=10&t=0sに示すように、そのようなトラック又はコンテナの内部に設置された積み降ろしのための複雑な機械装置の助けを借りて行われている。
【0007】
米国特許第8,192,137号には、標準的な垂直シフト(リフティング)に加えて水平向きにシフト及び傾斜させることができる2対のフォークを有するフォークリフト用に主に設計されたシステム及び方法が開示されている。一対のフォークを有する車両は、荷物を密に配置するためにサイドシフト機構を必要とする。この文献による方法は、輸送手段の内側の壁に平行な直線のみを走行させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、輸送容器に対する物品の荷積み及び/又は荷下ろし中の効率が向上した装置及び方法を提供することである。さらに、トラック及び/又はコンテナの改造を行わず、好ましくは特別な機械装置を設置する必要がない、高効率の無人装置及び方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、請求項1、6、11、12、13、15及び16の主題によって解決される。さらなる態様は、従属請求項において定義される。
【0010】
本発明の第1の態様によれば、自動誘導車(AGV)又は自律移動ロボット(AMR)を制御して、少なくとも2つの荷物を、荷受け領域から対応する荷積み領域内の少なくとも2つの荷物が配置されるべき動作領域に搬送する方法が提供される。方法は、AGVを用いて荷受け領域内の第1の荷物を受け取るステップと、荷受け領域から動作領域に誘導する手段によって第1の荷物を有するAGVを誘導するステップと、対応する荷積み領域の少なくとも2つの荷物がその内部に配置されるべき動作領域内の仮想境界をマッピングするために、AGVを動作領域内で移動させるステップと、動作領域内の仮想境界内の対応する荷積み領域内に少なくとも2つの荷物を配置するための荷積みパターンを生成するステップと、少なくとも2つの荷物を対応する荷積み領域内に配置するために、AGVが少なくとも2つの荷物のそれぞれを有して走行しなければならない走行軌道を生成するステップと、生成された荷積みパターンと第1の荷物に対して生成された走行軌道とに基づいて、対応する荷積み領域内に第1の荷物を配置するステップと、第1の荷物が対応する荷積み領域内に配置された状態で動作領域をマッピングするステップと、少なくとも1つのさらなる荷物が荷積みパターンに従って配置可能であるように、対応する荷積み領域の第1の荷物が荷積みパターンに対応するか否かを検証するステップと、少なくとも1つのさらなる荷物が荷積みパターンに従って配置可能であるように、対応する荷積み領域内の第1の荷物が荷積みパターンに対応しない場合、第1の荷物の位置及び/又は向きを、少なくとも1つのさらなる荷物が荷積みパターンに従って配置可能であるように修正するステップと、を備える。動作領域の代わりに、貨物輸送手段の領域を使用することができる。
【0011】
第1の態様の方法では、第1の荷物を配置する動作の間に、車両を動作領域内で移動させるステップ、及び荷積みパターンを生成するステップが行われてもよい。
【0012】
第1の態様に従属する第2の態様によれば、AGVを制御するための方法が提供され、AGVを誘導するステップは、位置同期チェックポイントを通って誘導するステップと、後部入口又は荷積みゲートを通って動作領域が画定される閉じられた空間に入るステップと、を備える。このようにして、AGVを高速の状態で荷積みすることが可能である。
【0013】
第3の態様によれば、第1の態様の方法を実行するように適合される制御システムが提供される。
【0014】
第4の態様によれば、第3の態様に係る制御システムを備える自動誘導車が提供される。
【0015】
第5の態様によれば、非自動誘導車に設置されるように適合され、そのような車両が第1の態様の方法を自動で実行することを可能にする、制御キットが提供される。
【0016】
本発明の技術によれば、配置密度を自動的に監視することができる。その結果、荷積みタスクの効率が高まり、時間を節約することができる。さらに、本発明の解決策では、最終ステップの生産自動化が行われる。
【0017】
提案された解決策は、特別な装置を設置したり、ナチュラルナビゲーションに起因して荷物輸送コンテナ又は動作環境に対して任意の種類の修正を実行したりする必要性を排除し、後方を通って物品コンテナ又はトラックに入ることが可能なサイズの無人フォークリフト又は他の無人輸送車両を用いて、物品を完全に自律的に積み降ろすことを可能にする。この場合、トラックは、荷積みゲートに通常ドッキングされ、荷積みのために、通常は斜面を経由して内部領域へ直接アクセスできるようにし、コンテナは、地上に配置されるか、コンテナ輸送トラック上に積み込まれ、また、物流施設の荷積みゲート又は生産施設の発送/荷受け領域にドッキングされ得る。
【0018】
荷積みタスクの場合、必要な感知及びコンピューティングハードウェアを備え、かつ自律ナビゲーション及びアプリケーションソフトウェアを実行する自動フォークリフトは、コンテナが積み込みゲートにおいて完全に真っ直ぐにドッキングされていないか、予想位置からシフトされている場合、物品コンテナの内部領域を感知し、その寸法、向き、及びオフセットを識別することができる。サーバから受信され、荷積み領域から荷積みされる物品の寸法及びその量に関する情報を含む荷積みタスクに基づいて、荷積みプログラムが計算され、荷積みパターン及び経路、すなわち計画が計算され、実行される。荷積みタスクの実行中、物品は、規定された位置から受け取られ、トラックコンテナ内で互いに密接して荷積みされる。物品が、空間にしっかりと適合するように適切に形成されていない場合、システムは、そのことを検出することができる。検出は、荷積みタスク中と同様に、受け取りタスク中に好ましいように機能する。パレットの受け取り中に、荷物がどの程度良好に形成されているかが識別される。荷物が成形不良の場合、パレットは拒否され、タスクは一時停止される。その後、監視システム/サーバに通知される。
【0019】
物品の各配置の間及びその後に、配置品質が自動的に制御され、結果が満足いくものでない場合、修正が試みられ得る。「各配置の間」のより良い理解のために、ここでは、荷物が動かない状況が検出された場合、すなわち、フォークリフトが荷物を所望の荷物位置に押し込むことができず、バックアップして修正を試みる必要がある場合を意味する。
【0020】
荷下ろしタスクのために、荷下ろし地点(又はゲート)における、ドッキングした又は配置されたコンテナの寸法、向き、及びオフセットが自動的に識別され、荷積みされた物品パターンが、動作領域の仮想境界と共に、自動フォークリフト(AGV)の車載感知及びコンピューティング機器の助けを借りて、自動的に認識され、マッピングされる。したがって、荷降ろし計画は、後部/荷降ろし入口を通って荷物輸送コンテナ/トラックから荷物が受け取られるように計算され、実行される。これは、荷物を受け取り、サーバから受信した命令場所に運ぶためにコンテナ/トラック領域に入ることを含む。その命令は、荷降ろしタスクにおいて定義される。フリート管理ソフトウェアは、以下の方法で作用する。フリート管理ソフトウェアは、荷物についての情報、例えば、最小値としてのパレットの数、利用可能な場合はその構成及び寸法、ゲート番号又はコンテナ位置情報、並びに荷下ろし位置又は初期座標及び所望の格納パターンのみを送信する。残りはすべてAGVの回路基板上で計算されるため、フリート管理ソフトウェアには監視する役割しかない。
【0021】
本発明による無人自動化車両を用いて荷物の積み下ろしタスクを自動化する主な利点は、トラック運転者の休憩時間の最適化であり、トラック運転者は、物品が並行して荷積みされるのを待つ間、次の走行前に必要な休憩時間を得ることができる。さらに、予測可能な決定論的プロセスを通じて、輸送の待機時間及び荷積みゲート使用を最適化することができる。これは、無人トラックを含む輸送チェーン又は物流チェーン全体の自動化のために、追加的に実施される必要がある配送プロセス自動化のステップである。これは、無人トレーラ又は他の無人貨物輸送手段の登場を含む。輸送チェーン自動化のこのステップは、できるだけ多くの場合に役立つよう、適切に実装される必要がある。
【0022】
本発明の第1の追加の態様によれば、自動化された物品/商品の積み降ろしのためのシステムを提供することができ、これは、自己完結型かつ自動駆動のロボット式物品取り扱い車両を含む。この車両は以下を含む。
a) 自動制御及び手動制御によるドライブバイワイヤ動作。
b)位置決定サブシステム。
c)近接障害物検出及び回避サブシステム。
d)積み下ろしシーケンス、パターン、及び軌道プランナ。
e)軌道追跡実行コントローラ。
f)荷物配置認識及び監視サブシステム。
g)積み下ろしタスク要求クライアント。
h)積み下ろしタスク管理サブシステム。
【0023】
第1の追加の態様に依存する、第2の追加の態様によるシステムでは、マップは、より高い計画実行精度で領域を動的に変更するタスクを含むことができ、計画は、荷積みタスクの各荷物に対する複数の中間地点からなるサブ計画のリストである。
【0024】
他の追加の態様のうちの1つに従属する、第3の追加の態様によるシステムでは、マップは、位置エラー除去のための位置同期マーカを含む、2つ以上のより高精度な計画実行領域を含むことができる。
【0025】
他の追加の態様のうちの1つに従属する、第4の追加の態様によるシステムでは、車両のデータベースは、車両ミッションプラン、追跡データ、及び車両の状態を含む。
【0026】
他の追加の態様のうちの1つに従属する、第5の追加の態様によるシステムは、物品を取扱う車両が、トラック又はコンテナの内部のような閉じた環境内を進むことを可能にする(センサキットと呼ばれる)センサ及び処理電子機器を備えることができ、後方入口又は荷積みゲートを通って進入し、位置同期チェックポイントを通って進むことを含む。
【0027】
他の追加の態様のうちの1つに従属する、第6の追加の態様によるシステムは、フォーク又は物品または商品を輸送する他の手段を装備した、既存の商用物品取扱車両に設置可能な(センサキットと呼ばれる)センサ及び処理電子機器を備えることができる。
【0028】
他の追加の態様のうちの1つに従属する、第7の追加の態様によるシステムは、(センサキットと呼ばれる)センサ及び処理電子機器を備えることができ、物品取扱車両の幅は、取り扱う物品の幅以下であることを必要とする。
【0029】
他の追加の態様のうちの1つに従属する、第8の追加の態様によるシステムは、トラック又はコンテナの内部のような閉じた環境内を進むことを可能にするセンサ及び処理電子機器を備える自動駆動のロボット式物品取扱車両を備えることができ、後方入口又は荷積みゲートを通って進入し、位置同期チェックポイントを通って進むことを含む。
【0030】
他の追加の態様のうちの1つに従属する、第9の追加の態様によるシステムは、自律フォーク及びパレットトラックの形態の、センサ及び処理電子機器を有する自動駆動のロボット式物品取扱車両を備えることができる。
【0031】
他の追加の態様のうちの1つに依存する、第10の追加の態様によるシステムは、共通の位置決定アーキテクチャ内のモジュール式のミッション固有のセットアップに、(センサキットと呼ばれる)センサ及び処理電子機器を備えることができる。
【0032】
他の追加の態様のうちの1つに従属する、第11の追加の態様によるシステムは、共通の位置決定アーキテクチャ内に、モジュール式のミッション固有のセンサ及び処理電子機器を有する、自動駆動のロボット式物品取扱車両を備えることができる。
【0033】
他の追加の態様のうちの1つに従属する、第12の追加の態様によるシステムでは、以下のセンサのうちの1つ又は複数が、共通の位置決定アーキテクチャに融合される。
IMU。
磁力計。
(磁気又は光学エンコーダを介する)微分走行距離測定。
視覚的基準。
2Dレンジファインダ(2D LIDAR)。
3Dレンジファインダ(3D LIDAR)。
単一測定レンジセンサ。
光学センサ(単一カメラ又はステレオの対)。
受動的又は深度/レンジ計算を内蔵した発光システムを備える光学センサ(単一カメラ又はステレオの対)。
【0034】
第12の追加の態様によるシステムは、微分走行距離測定に限定されず、他の走行距離測定を使用することもできる。視覚的基準及び光学センサは、任意選択であってもよい。
【0035】
他の追加の態様のうちの1つに従属する、第13の追加の態様によるシステムは、位置及び他の関連データを基準として符号化して屋内位置を決定する視覚コードを読み取り、解釈するための(センサキットと呼ばれる)センサ及び処理電子機器を備えることができる。
【0036】
他の追加の態様のうちの1つに従属する、第14の追加の態様によるシステムは、位置及び他の関連データを基準として符号化して屋内位置を決定する視覚コードを読み取り、解釈するためのセンサ及び処理電子機器を備える自動駆動のロボット式物品取扱車両を備えることができる。
【0037】
第15の追加の態様による方法は、少なくとも2つの荷物を、荷受け領域から対応する荷積み領域内の少なくとも2つの荷物が配置されるべき動作領域に輸送するように車両を自動的に制御する方法であって、この方法は、少なくとも、荷受け位置と、輸送対象の荷物の量及び寸法と、についての情報、及び任意選択で荷積み領域についての情報を取得するステップと、少なくとも荷積み領域の空間寸法を識別するために動作領域をスキャンするステップと、荷受け領域から荷積み領域への少なくとも2つの荷物の輸送のための荷積みパターンを生成するステップであって、荷積みパターンは、順次到達されるべき車両の目標位置及び目標向きを含む、生成するステップと、少なくとも2つの荷物を動作領域に輸送する荷積みタスクの完了まで、荷積みパターンを実行するステップと、を備える。このようにして、最小限の制御構造を必要としながら、少なくとも2つの荷物の輸送を効率的に実行することができる。
【0038】
他の追加の態様のうちの1つに従属する、第16の追加の態様による方法では、荷積みタスクの完了時に、荷積みタスクの実行の成功が車両によって報告され、車両は、所定の待機位置に操縦される。その結果、荷積みプロセスは、利用可能な荷物をさらに輸送するための適切な情報を保有しつつ、短時間内に終了することができる。
【0039】
第15又は第16の追加の態様に従属する、第17の追加の態様による方法では、荷積みパターンの実行中に障害が発生した場合、障害を修正するための回復動作が実行され、障害の修正が失敗した場合、障害がサーバ又はフリート管理システムに報告される。このような方法では、正しく荷積みするための適切なアクションを即座に行うことができる。
【0040】
第15~第17の追加の態様に従う、第18の追加の態様による方法では、荷積み領域をスキャンすることは、荷受け領域と動作領域との間のオフセットdx、dyに関する情報と、任意選択で、荷受け領域と動作領域との間の配向差の角度αに関する情報と、を含む。その結果、最小限の受信した情報で、荷積みパターンの効率的な生成が可能となる。
【0041】
第15~第17の追加の態様に従属する第18の追加の態様の代替形態では、動作領域をスキャンするステップは、少なくとも2つの荷物が配置されるべき多角形を画定する少なくとも3つの角部に関する情報を取得し、任意選択で、動作領域の多角形が、荷受け領域から荷積み領域への少なくとも2つの荷物の輸送のための荷積みパターンを生成する前に、荷受け領域に追加される、取得するステップを備える方法が提供される。このようにして、輸送システムの全周を効率的な方法で決定することができる。
【0042】
第18の追加の態様に対するこの代替形態では、多角形を画定する少なくとも3つの角部に関する情報を取得するステップは、横断が可能である荷積み領域を所定の精度で決定するためのフィルタリング技術を使用するステップを備えていてもよく、任意選択で、範囲又は画像データの処理が、少なくとも2つの荷物のうちの少なくとも1つが配置されるべき動作領域の多角形に関する少なくとも1つの壁を決定するために使用されてもよい。これらの情報を用いて、安全に横断可能な領域が適切に定義され、輸送システムに関する情報の抽出及び検証を効率的な方法で行うことができる。
【0043】
さらに、第18の追加の態様に関連して、荷積みパターンを生成する前に、多角形の2つの角部を使用して、動作領域と荷受け領域との間の傾斜を、及び任意選択で、動作領域と荷受け領域との間の2次元シフトを決定することができる。これは、最小限の計算努力で動作領域を計算することを可能にする。
【0044】
第15~第18の追加の態様に従属する、第19の追加の態様による方法では、荷積みパターンは、軌道の形態のサブ計画を含み、各サブ計画は、荷物に対する荷下ろしアクションで終了する。この細分化により、一度得られた情報を効率的に利用することができる。
【0045】
第20の追加の態様による車両は、少なくとも2つの荷物を、荷受け領域から対応する荷積み領域内の少なくとも2つの荷物が配置されるべき動作領域に自動的に輸送可能な車両であって、車両は、少なくとも荷受け位置に関する情報と、輸送対象の荷物の量及び寸法に関する情報と、荷積み領域に関する情報と、を取得する手段と、荷積み領域の少なくとも空間寸法を識別するために荷積み領域をスキャンする手段と、荷受け領域から荷積み領域への少なくとも2つの荷物の輸送のための荷積みパターンを生成する手段であって、荷積みパターンは、順次到達されるべき車両の目標位置及び目標向きを含む、生成する手段と、荷積みタスクが完了するまで、少なくとも2つの荷物を動作領域に自動的に輸送するための荷積みパターンを実行する手段と、を備える。このような車両は、第15の追加の態様による方法の効率的な実行を可能にする。
【0046】
第20の追加の態様による車両は、少なくとも2つの荷物を、荷受け領域から対応する荷積み領域内の少なくとも2つの荷物が配置されるべき動作領域に自動的に輸送可能な車両であって、車両は、車両を用いて荷受け領域内の第1の荷物を受け取る手段と、荷受け領域から動作領域に誘導する手段によって第1の荷物を有する車両を誘導する手段と、対応する荷積み領域において、少なくとも2つの荷物がその内部に配置されるべき動作領域内の仮想境界をマッピングするために、第1の荷物の配置動作の間に、車両を動作領域内で移動させる手段と、第1の荷物の配置動作の間に、動作領域内の仮想境界内の対応する荷積み領域内に少なくとも2つの荷物を配置するための荷積みパターンを生成し、対応する荷積み領域内に少なくとも2つの荷物を配置するために、少なくとも2つの荷物のそれぞれを有する車両が走行しなければならない走行軌道を生成する手段と、生成された荷積みパターンと第1の荷物に対して生成された走行軌道とに基づいて、第1の荷物を対応する荷積み領域内に配置する手段と、第1の荷物が対応する荷積み領域内に配置された状態で動作領域をマッピングし、少なくとも1つのさらなる荷物が荷積みパターンに従って配置可能であるように、対応する荷積み領域の第1の荷物が荷積みパターンに対応するか否かを検証する手段と、少なくとも1つのさらなる荷物が荷積みパターンに従って配置可能であるように、対応する荷積み領域の第1の荷物が荷積みパターンに対応しない場合、第1の荷物の位置及び/又は向きを、少なくとも1つのさらなる荷物が荷積みパターンに従って配置可能であるように修正する手段と、を備える。このような車両は、第1の態様に係る方法を効率的に実行することを可能にする。
【0047】
第20の追加の態様に従属する、第21の追加の態様による車両では、荷積みパターンを実行する手段は、少なくとも1つの3Dレンジカメラ又は光学カメラを使用することにより、不適切な荷物の配置や荷物の挿入に問題があることを認識することが可能である。したがって、荷積み問題の認識が早い時点で可能であり、さらなる荷積み問題が発生する前に適切な修正を始めることができる。
【0048】
第21の追加の態様に従属する、第22の追加の態様による車両では、荷積みパターンを実行する手段は、荷物の配置が不適切又は荷物の挿入に問題が伴う場合、荷物の配置の修正を試みることが可能であり、修正が失敗した場合、修正の失敗をサーバ又は監視フリート管理システムに通信することができるように構成される。この修正の試みは、不必要な情報の転送を回避し、可能な限り長くかつ有用な車両の自律動作を可能にする。
【0049】
第21又は第22の追加の態様に従属する、第23の追加の態様による車両では、荷積みタスクを実行する間、運搬される荷物及び/又は隣接する荷物上の視点を変化させるために、少なくとも1つの3Dレンジカメラ又は光学カメラは、作動可能または後退可能である。これにより、車両の側面からも見ることが可能になり、荷物が、載置されるパレットに対して適切に成形、傾斜、又はシフトされていない場合に、考えられる衝突点を決定し、衝突を防止することができる。
【0050】
逆の動作、すなわち、荷下ろしは、上記で特定されたものと同じセンサ及び同じアプローチで行うことができる。しかしながら、輸送システムは、第1の荷物を輸送する間、AGV/AMRによってスキャンされないであろう。第1の荷物は空である必要があるが、同じ方法でスキャンされる。荷積みパターンは、例えば、荷下ろし動作を開始する前にサーバから受信されるなどして知られているか、認識又は推測される必要があり、その場合にも生成される。他のすべてのステップは同じである。全周の角部が識別され、パターンがサーバから来るか、推測される場合、輸送機関の全周に適合するように、すでに説明されたように角部の周りを回転され、そして、全く同じ情報(到達すべき軌道、最終位置、及び配向のセット)を含む現在の荷下ろし計画が生成される。これは、今度は反対にされる。荷物は輸送システムから移動し、輸送システムに向かっては移動しない。
【0051】
これらの状況は、対応する荷積み領域内の、少なくとも2つの荷物がすでに置かれている動作領域から荷物目的地領域まで、少なくとも2つの荷物を、好ましくは荷下ろしのために自動的に輸送することができる、第24の追加の態様による以下の車両に反映され、車両は、少なくとも荷物目的地領域に関する情報と、輸送対象の荷物の量及び寸法に関する情報と、荷積み領域に関する情報と、を取得する手段と、荷積み領域の少なくとも空間寸法を識別するために荷積み領域についての情報をスキャンまたは取得する手段と、荷積み領域から荷物目的地領域までの少なくとも2つの荷物の輸送のための荷積みパターンを生成する手段であって、荷積みパターンは、順次到達されるべき車両の目標位置及び目標向きを含む、生成する手段と、荷積みタスクが完了するまで、少なくとも2つの荷物を目的地領域まで自動的に輸送するように、荷積みパターンを実行する手段と、を備える。
【0052】
第25の追加の態様によれば、対応する荷積み領域内の、少なくとも2つの荷物が既に配置されている動作領域から荷物目的地領域に少なくとも2つの荷物を輸送するように車両を自動的に制御する方法であって、少なくとも荷物目的地領域についての情報と、輸送対象の荷物の量及び寸法についての情報と、荷積み領域についての情報と、を取得するステップと、荷積み領域の少なくとも空間寸法を識別するために動作領域についての情報をスキャン又は取得する手段と、荷積み領域から目的地領域への少なくとも2つの荷物の輸送のための荷積みパターンを生成するステップであって、荷積みパターンは、順次到達されるべき車両の目標位置及び目標向きを含む、生成するステップと、荷積みタスクが完了するまで、少なくとも2つの荷物を目的地領域まで自動的に輸送するように、荷積みパターンを実行するステップと、を備える。
【0053】
添付の図面及び対応する詳細な説明を参照して、本発明の前述の目的を、その他の目的、特徴、及び利点と共により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1A】本発明による、センサキットを備える自動誘導車(AGV)を斜視図で示す。
【
図1B】センサが接続されたAGVのコンピューティングユニットを示す。
【
図2】第2実施形態による、
図1の車両の下部領域におけるレンジファインダの視野及び測定オーバーレイを示す。
【
図3】荷受け領域及び荷下ろし領域の考えられるシナリオを示す。
【
図4A】荷積み領域が画定される仮想境界を有する動作領域を示す。
【
図4B】荷積み領域が画定される仮想境界を有する動作領域を示す。
【
図6A】本発明による、センサキットを備える自動誘導車(AGV)の、第3実施形態による斜視図を示す。
【
図6B】本発明による、センサキットを備えた自動誘導車(AGV)の、第3実施形態による側面図を示す。
【
図7】本発明の第4実施形態による、センサキットを備える自動誘導車(AGV)を斜視図で示す。
【
図8】荷受け領域及び荷下ろし領域の考えられるシナリオを示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本発明は、輸送機関の領域に入るときに、トラック又はコンテナの内部に物品/商品を自動で荷積みすることにある。トラック又はコンテナの代わりに、トレーラ又は貨物列車のような他の貨物輸送手段が使用されてもよい。通常、物品又は商品のためのリフティング車両(多くの場合、フォークリフトであるが、様々な種類の自動輸送プラットフォームでもある)は、物品を高密度で積むために、後側を通って、例えば、ゲートにドッキングされたトラックを通ってアクセスする。本発明の別の態様では、トレーラ又は貨物列車は、ゲート又はプラットフォームにドッキングされてもよい。リフティング車両は、荷積みされる商品/物品と同じ幅であるか、それより狭いことが好ましい。また、本発明は、同じ条件下での逆の動作、すなわち、荷下ろし動作も対象とする。このアプローチは、そのような用途のために特別に設計された自動リフティングプラットフォームに加えて、センサキットの一体化(レトロフィット)を介して、既存の輸送プラットフォームを使用することを可能にする。輸送プラットフォーム及びリフティングプラットフォームの代わりに、物品取扱プラットフォームが使用されてもよい。
【0056】
このシステムは、物品を持ち上げて輸送するためのフォーク又は他の機構を有する車両を備え、これは通常、パレット上に配置されるか、他の方法で、好ましくは長方形の角柱形状にしっかりと固定される。車両は、周囲の環境を感知して動作領域内で車両を位置特定し、荷物の配置を制御する、車両の様々な領域内に配置されたレンジセンサ及び光学センサを備えるセンサ及びコンピューティング機器(センサキット)と、位置特定、ナビゲーションアルゴリズム計算及びサーバ/フリート管理システム通信のためのコンピューティングユニットと、を備える。好ましくは、車両は、自己完結型であり、その動作を制御する外部監督者や任意の外部追跡センサの設置を必要としない。車両は、監視システム又はサーバからタスク命令のみを受信し、タスクの完了又は、該当する場合には実行の失敗を報告する。失敗の場合、車両は、手動制御されることができ、手動制御は遠隔手動制御を含む。
【0057】
以下、
図1を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。安全に進んで車両1の周囲の環境を感知するために、好ましくは距離センサであるレンジセンサ2a、2b、2cが、車両1の両方の進行方向を完全にカバーするように設置される。1方向につき1つのセンサではオクルージョンが原因で必要な視野を提供することができない場合をカバーするために、重複する複数のセンサが使用される。LIDARと類似又はより良好な精度が提供できれば、感知技術は基礎となる制御ロジックに影響を及ぼさない。あるいは、センサは、安全な運行及び必要とされる適用精度を保証する精度で使用することができる。これは、画像処理によって導出される範囲測定値又はポーズ推定値が上述の要件を満たすことができる場合、カメラをレンジセンサとして使用することもできることを意味する。
【0058】
図1Bは、センサが接続される第1実施形態のAGVのコンピューティングユニットを示す。コンピューティングユニット及びセンサは、本発明による自動化キットの一部であり、以下の機能を果たすことができる。最小限の機能設定のためには、以下のセンサが必要である。
1.前方LIDAR及び後方LIDAR。
前方LIDARは、フォークの対の反対側に位置し、主に荷物なしでの高速走行又は長距離での荷物の運搬に使用される。
後方LIDARは、荷物の上方で、フォークの対側に位置する。これは、主に、荷物と共にトラック又はコンテナに入るときの荷積み動作において使用される。
両方のLIDARは、動作領域における車両のポーズ推定を改善するために互いに補完する。
両方のLIDARは、2D若しくは3Dとすることができ、又は2D若しくは3DのLIDARと同様の品質のレンジデータを送ることが可能な他のセンサによって置換することができる。
別の実施形態では、安全規制は、荷物の輸送時に視界が遮られないことを保証するために、フォークの下に設置された1つ又は1対の後方を向くLIDARがあり得ることを要求する。あるいは、LIDARは、地面(2b)に対して角度をつけて荷物の上方に設置することができる。それらは、輸送・荷積み機能のためではなく、むしろ、他のAGV又は人間がその領域で作業しているときに荷物/フォークと共に前方に移動するために必要とされる。
2.RGB-Dカメラとしても知られているレンジカメラは、画像ピクセルの高密度な距離測定に関連すると共に、光学画像データを送る装置である。カメラは、主に、荷物配置を監視するために、すなわち、輸送中に、フォーク上の荷物と隣接する荷物との間の隙間を測定するために使用される。さらに、カメラを使用して、荷物の形状を識別し、配置後の荷物間の残りの隙間を測定することができる。
カメラは、フォーク上の荷物の端部及び隣接する物体を明確に見ることができるように方向付けられる。使用される自動化車両の種類に応じて、それは固定位置に配置されるか、作動され得る。例えば、側方に空間があるときは車両の側部まで延長され、車両が輸送機関(7a、7b)の壁に近接して動作しているときには、安全な位置まで取り除かれ得る。それは、車両の前方の領域をフォークの方向に見るのに十分な広さの視野を有し、床や壁の縁部及びそれらが接続される場所のような、車両の幾何学的特性を識別する。壁がない場合でも、プラットフォームの縁部を識別して、計画作成及びポーズ計算を支援することが可能である。
別の実施形態では、レンジカメラは、当技術分野で周知の、範囲データをアルゴリズム的に導出できる一対の光学カメラ(別名ステレオペア)に置き換えることができる。あるいは、前述の一対のカメラは、当該技術分野で知られている、カメラから荷物までの距離を測定して、規模を識別すると共に範囲データを導出する距離センサを備える単一のカメラであってもよい。例えば、距離センサの有無にかかわらず、自動化車両の各側に一対のカメラを設けることもできる。
3.ジャイロスコープと、加速度計と、そして多くの場合、それぞれ3自由度の磁気センサと、を組み合わせる、慣性計測ユニット(IMU)303(
図6Bを参照)。IMUは、センサ融合アルゴリズムに使用されて、環境内の車両のポーズ推定を改善する。
4.ホイール及びステアリングエンコーダは、通常、商用車を自動化する際のシステムの一部である。それらがない場合は、設置する必要がある。ホイールエンコーダは、通常、走行方向に応じて増減する増分ティックを提供している。ティックは、エンコーダ分解能及びホイール直径を考慮して、速度に変換されることができる。ステアリングエンコーダはまた、絶対増分ティック、又はステアリングホイールの絶対ステアリング角に変換することができる別の信号のいずれかを提供する。絶対とは、システムがシャットダウンされた場合でも、データを常にステアリング角度に変換できることを意味する。
5.電流センサは、フォーク上の荷物が別の荷物又は運搬装置の壁に接触したときに、システムの過負荷を検出するために使用される。非常に重要なことに、それはまた、荷物を適切な位置に配置しようとする際に、荷物が動かない場合も検出することを可能にする。電流センサは、通常、車両の一部であり、通常、駆動コントローラによる駆動モータ相電流のRMS測定を介して、直接的又は間接的に、システム内に存在する。
別の実施形態では、技術的な理由で駆動モータ電流を測定することができないとき、荷物が障害物に接触しているか、動かないときの圧力の増加を測定するのと同じ目的で、フォーク上の荷物と車両との間に圧力センサを設置することができる。
6.車両を推進するために、誘導システムは、望ましい速度を計算し、速度コントローラが理解可能な信号でそれを伝達する。これにより、車両の線速度が制御される。
差動駆動システムが、独立して駆動される2つのホイールと共に使用される別の実施形態では、所望の速度が計算され、対応する速度コントローラに伝達され、したがって、車両の線速度および角速度の両方を制御する。
7.ステアリングホイールを用いて車両を操縦するために、誘導システムは、所望のステアリング角を計算してステアリングコントローラが理解可能な信号で通信し、したがって、車両の角速度を制御する。
8.荷物を受け取って配置するために、誘導システムは、リフティングコマンドを計算して、リフティングコントローラが理解可能な信号で通信する。
フォークの高さが特定の荷積み動作のために測定される必要がある場合、リニアエンコーダ又は図に示されていない任意の他のタイプのセンサが、設置され得る。
【0059】
図2は、本発明の第2実施形態に関し、車両10の両側に配置されたフォーク側センサ12d,12eが視野方向においてオクルージョンに直面しているときのレンジセンサ12c,12e,12dの視野範囲を示している。1方向につき1つのセンサではオクルージョンが原因で必要な視野を提供することができない場合をカバーするために、同一方向を向き側方距離のために任意選択されるセンサ12dおよび12eによって
図2に例示される、重複する複数のセンサが使用される。ここで、安全なナビゲーションのためには、センサ12d,12eが車両10の下側にホイールの高さで設置され、上側に設置されたセンサがより具体的なニーズに応えることが重要である。同じ目的を達成するために、同様のアプローチを他のセンサ位置に使用することができる。必要とされる最小垂直視野は、平面2Dであるが、3Dレンジセンサ又は同等のもの、例えば、RGBDカメラが使用される場合、より高い垂直角度に拡張することができる。
【0060】
図2は、
図1の車両の下部領域におけるレンジファインダの視野14a、14b、14c、14d、14e及び測定オーバーレイ16a、16b、16c、16d、16eを示す。
【0061】
第1実施形態では、車両1に荷物が載置されたときに前方を視認できる位置に、車両の上側に位置するレンジセンサ2aが配置されている。また、第2実施形態においても、第1実施形態のレンジセンサ2aと同様のレンジセンサを設置することができる。
【0062】
レンジセンサ2aが2Dであるか、十分な垂直視野を有していない場合、
図6A及び
図6Bの第の実施形態におけるような傾斜機構が、荷物配置の十分な垂直スキャンを可能にするために、及び、機能的安全基準を満たす必要がある場合には、荷物を前方に誘導するときの垂直方向の障害物/物体の検出も可能にするために、提供され得る。傾斜機構の代わりに、又はそれに加えて、RGBDカメラ又はToF(飛行時間)カメラ(2f)のような光学センサ又は3Dレンジセンサを、より狭い視野で使用することができる。この能力は、荷積み動作のために荷物がトラック又はコンテナ内に正しく配置されることを確実にし、荷積みタスク又は荷下ろしタスクを実行するときに荷物の配置及び必要に応じてフォークポケッ及び荷物のフォーメーションを識別するために有益である。荷物の上方においてセンサが位置する位置は、荷積み又は荷降ろしのために取り扱われる荷物の長さ及び高さに依存し、手動又は自動で調整することができる。
【0063】
任意選択の傾斜機構を有する第1実施形態の上方レンジセンサ2aは、少なくとも1つの水平面において水平視オクルージョンを有さない。これは、水平視野がセンサ特性によって定義され、通常、360度に達することができることを意味する。このようにして、視野が十分に広い場合、完全な補助の(二次)位置特定センサを提供することができる。機能安全要件に応じて、上方センサ2aは、主な計算に対して一定の時間間隔でクロスチェックされる独立した位置特定計算に使用されることができる。閾値を超える不一致の場合、操作エラーが通知され得る。
【0064】
第1実施形態による車両を使用してコンテナ又はトラックに入る場合、上方レンジセンサ2aは、トラック/コンテナ領域内の正確な位置特定のための主要センサである。コンテナの荷物の高さより上の高さにセンサ2aを配置することにより、コンテナの内部空間の全周を遮られずに見ることができる。様々な高さの荷物を確実に取り扱うことができるようにするために、センサ2aは、好ましくは、トラック又はコンテナの内部に入ることができる最大高さに配置され、これは、通常、2.2m以下の高さを意味する。
【0065】
フォーク又は運搬プラットフォーム上に適切に荷物/パレットを配置することを確実にするために、追加の光学センサ2f又は一対のセンサを上側に設置することができる。このセンサまたは一対のセンサは、上述の最大許容高さの増加を回避する一方、頂部から荷物を完全に見ることが保証されるように設置される。
【0066】
パレットや荷物を受けとるために第1実施形態の車両1と共にフォーク機構が使用される場合、好ましくは、2つのレンジ/距離センサ3a及び3bが、車両の下側かつ荷物の下に、例えば、フォークを備えたリフティング車両のフォークの端部に設けられる。センサ3a及び3bは、レンジオンリーであってもよいし、光学技術と範囲/距離測定技術との組み合わせを有してもよい。これらのレンジセンサ3a及び3bは、任意選択的にカメラを有することができる。光学センサは、接近する物体に対する距離を測定することに加えて、輪郭及び開口部(例えば、フォークポケット)をより良好な方法で識別できるようにする。
【0067】
第1実施形態の上方レンジセンサ2a、2fが、コンテナ又はトラックの側面までの距離測定のための十分な精度を提供することができない場合、補助の範囲/距離測定センサ5aおよび5bを、車両の幅寸法内でリフティング車両1の両側に設置することができる。センサ5a及び5bは、リフティング車両の側面がコンテナ/トラックの壁に接触しているときであっても、コンテナ/トラックの側面の一方に沿って移動することにより有効な範囲測定ができるように設置される。
【0068】
車両の大域的なポーズの推定、すなわち動作空間の座標におけるポーズの推定をサポートするために、ホイールエンコーダ6a、6b、及びIMU7のような追加のセンサが使用される。ポーズは、位置と向きとに関連する。これらのセンサ6a、6b、及び7の情報は、互いに融合されると、好ましくは、所望の大域的フレームに変換され得るロボット座標フレームにおける、局所的に一貫したポーズ推定を送る。センサ6a及び6bは、好ましくは、ホイールと一体化されたホイールエンコーダである。あるいは、車体に取り付けられたエンコーダを備える、別個のホイールを設けることができる。車両が、組み合わされたステアリング・プロぺリングホイールを有し、余剰のホイールエンコーダを要求する厳格な安全要件がない場合、センサ6a及び6bを省略することができ、代わりに、
図6Bの代替の実施形態に示される306、307のようなステアリング及びホイールエンコーダを使用することができる。
【0069】
このポーズ推定値は、時間とともに徐々に変化するが、大域的ポーズ推定値によって修正される。センサ6a及び6bは、好ましくは車両1の両側にある光学エンコーダ又は磁気エンコーダであってもよく、センサ7は、コンピューティングモジュールに統合され得るか、第1又は第2実施形態の車両1の他の好適な位置に配置され得るIMU(慣性測定ユニット)である。
【0070】
車両は、車載レンジセンサ2a、2b、2c又は同等のセンサと、光学又は磁気エンコーダ6a、6bと、及びIMU7の助けを借りて、その位置及びその向きを維持、すなわち、動作環境内の自身の位置を特定する。
IMUは、コンピューティングモジュールを含む車両の任意の部分に配置することができる。
【0071】
環境の内部表現(マップ)は、サーバからロードされるか、動作準備プロセス中に取得される。動作領域は、位置特定及び位置を維持するための異なる精度要件を要求する、いくつかの部分にコンピュータ上で分割される。
図3に示す最大の領域は、(A)で示され、自動化車両のための一般的な動作精度要件を有する一般的な動作領域である。
【0072】
図3の領域(B)及び(C)は、要求される精度がより高い領域である。これらの領域(B)及び(C)は、受け取り(荷下ろし)領域及び荷下げ(荷積み)領域である。領域(B)と(C)との間には、それらがタスクに応じて、例えば、荷積み動作又は荷下ろし動作が実行されるかどうかに応じて互換性があるので、原則的な違いはない。
【0073】
1つの好ましい原則は、荷物をある場所から正確に受け取り、他の場所に正確に配置する必要があることである。
図3の領域(B)は、コンテナ又はトラック領域であり、角度(α)は、積み込みゲートにいるトラック又はコンテナ積み込み場所にあるコンテナが、ゲートの壁/ドアに対して厳密に垂直に配置されていないことを示す。マップが作成される際、ゲートは通常閉じられているため、コンテナ又はトラックの寸法に加えて角度(α)を知ることが役立つ場合がある。しかしながら、第1実施形態は、角度(α)を知ることに限定されない。
【0074】
ゲートにドッキングされた長距離輸送車両を用いて荷積み動作又は荷下ろし動作が実行される場合、ゲート座標は事前にわかっている。結果として、角度(α)が存在する場合には角度(α)と、横向きのオフセットと、コンテナ/トラックの幅及び長さと、を推定することで十分である。実際、コンテナ/トラックの長さ及び幅のリストは、通常、事前にわかっているので、一致するもののみを見つければよい。コンテナがゲートに配置されていない場合、X座標及びY座標が追加的に提供又は確立される必要があるが、ほとんどの場合、X座標及びY座標は事前にわかっており、又は、必要であれば、オフセットが自動的に識別され得る。常に、一致するものが見つからない場合、コンテナ/トラック領域をマッピングすることができ、仮想境界110は、1つ又は複数の壁がない場合であっても、動作境界を厳密に定義するように与えられる。
【0075】
(B)又は(C)の領域において位置特定及びナビゲーションに必要な精度に到達できることを確実にするために、領域(B)のための特定のポーズ同期マーカ30a、30bと、領域(C)のための特定のポーズ同期マーカ32a、32bを、それらの領域の入口点に近い床又は壁に設置することができる。これらのマーカ30a、30b及び32a、32bは、例えばS. Garrido-Jurado, R. Munoz-Salinas, F. J. Madrid-Cuevas及びM. J. Marin-Jimenez.らによる2014年のPattern Recogn. 47, 6 (June 2014), 2280-2292.に記載の「Automatic generation and detection of highly reliable fiducial markers under occlusion」DOI=10.1016/j.patcog.2014.01.005、及びArUco: a minimal library for Augmented Reality applications based on OpenCV、http://www.uco.es/investiga/grupos/ava/node/26.に示されるような正方形の基準マーカであり得る、視覚マーカであることが好ましい。あるいは、画像処理アルゴリズムを介して車両の相対的なポーズ推定(座標X、Y、及び向き)を可能にする他のマーカを使用することができる。
【0076】
大域的動作座標フレームにおけるマーカの位置は、車両のシステムに知られている。マーカ30a、30b及び/又は32a、32bを検出するために、マーカが領域(B)及び/又は(C)に近い床に設置されている場合、カメラ8を使用することができる。あるいは、マーカ30a、30b及び/又は32a、32bを容易に検出できる車両1の位置にカメラを設置することができる。カメラがレンジセンサ3a、3bと組み合わせて使用される場合、壁のマーカの検出も、追加のカメラを設置することなく可能であり得る。
【0077】
続いて、荷積み動作と荷下ろし動作についてより詳細に説明する。
【0078】
荷積み動作は、サーバ又はフリート管理システムから取得されたタスク順序で開始される。その他の情報は、荷受け位置と、積まれる商品/物品の量及び寸法と、荷積みゲート番号又はコンテナ場所と、に関する情報である。荷積み動作を開始する前に、ゲートにあるコンテナ又はトラックを自動的にスキャンして、空間寸法と、任意選択で角度(α)及びオフセットと、を識別する。識別されたコンテナ/トラックの寸法及び商品/物品の寸法とそれらの量に基づいて、荷積みパターン、すなわち計画が生成される。全体計画は、生成された荷積みパターンに基づいて、荷受け場所からトラック又はコンテナ内の適切な場所に運ばれる個々の荷物ごとの、好ましくは軌道の形態の、サブ計画のリストである。各サブ計画は、順次到達されるべき車両の目標位置及び向きを記述する点のセット、すなわちポーズのセットである。各サブ計画の実行を進めると、荷受けアクションが定義される。各サブ計画は、荷下ろしアクションで終了する。全体的な計画の実行は、タスク管理アルゴリズムによって管理され、失敗は、サーバ又はフリート管理システムに報告され、可能であれば、回復動作が実行される。荷積みタスクが完了すると、車両は、実行の成功を報告し、定義された待機位置に進む。
【0079】
コンテナ又はトラックの内部のように、精度要件が高い閉じられた空間(B)の内部でのナビゲーションの場合、第1実施形態の上方に位置するレンジセンサ2aは、コンテナ/トラックの既知の形状に基づいて、正確な相対位置を計算するために使用される。上述のようなセンサ2aのための傾斜機構の代わりに、又はそれに加えて、3Dレンジカメラが設置される場合、この3Dレンジカメラは、そのような正確な局所推定を助けるための補助センサとして使用され得る。次いで、位置推定値は、適切な荷積み計画を実行するために大域的なフレームに変換される。
【0080】
コンテナ又はトラックの内部の各荷物配置は、傾斜機構と共に、又は、傾斜機構の代わり又は傾斜機構に加えて設置された3Dレンジカメラと共に、第1実施形態の上方レンジセンサ2aの助けを借りて、各荷下ろし/配置動作の後に検証される。荷物の配置が不適切な場合、修正が試みられる。修正が失敗した場合、荷積みタスクは一時停止され、失敗は、サーバ又は監視フリート管理システムに通信される。手動修正を試みることができ、その後、リスト内の次の荷物で荷積み計画を再開することができる。
【0081】
計画の実行中、走行方向上の領域は、障害物の有無について監視される。障害物が衝突の可能性のある領域に現れた場合、計画の実行は一時停止される。障害物が定義された期間に無くならず、かつ動かない場合、再計画が試みられる。再計画が失敗した場合、又は新しい計画(例えば、軌道)に正確に従うことができない場合、荷積み動作が停止され、失敗が報告される。
【0082】
荷下ろし動作は、荷下ろしゲート番号又はコンテナ位置に関する情報と、量及び寸法を含む荷物に関する情報と、荷下ろし位置と、を含むタスク命令がサーバ又はフリート管理システムから受信されることにより、荷積み動作と同様の方法で開始する。トラック又はコンテナは、該当する場合、角度(α)及びオフセットを見つけ、内部空間の寸法を検証するためにスキャンされる。次いで、上方レンジセンサ2aと、傾斜機構又はそれに代えて若しくはそれに加えて設置される3Dレンジカメラ2fとの助けを借りて、荷物がスキャンされる。配置認識アルゴリズムは、範囲データ及び/又は追加の画像データに基づいて荷物の配置を識別し、この荷物の配置をサーバから受信した情報と比較する。次に、車両は、上記の荷積み動作で説明したように、個々の荷物ごとの輸送軌道を構成するサブ計画などからなる荷下ろし計画を計算する。
【0083】
図3において、領域B及びCは、互換可能な荷受け(荷下ろし)領域および荷下ろし(荷積み)領域として示されている。
【0084】
図4A及び
図4Bには、仮想境界110を有する荷積み領域100が示されている。
仮想境界110は、荷物を配置することができる境界を示す。この例では、3つの列を有する第1の行が示されている。これは、荷積み領域120、122及び124が、並んで、かつ本発明による自動誘導車(AGV)によって適切な荷物を配置することができるように画定されることを意味する。荷積み領域120、122及び124は、仮想境界110の前部112の近くに画定され、好ましくは、前部112の全体にわたって延在するように画定される。
【0085】
荷物をそれぞれの荷積み領域120、122及び124に輸送するために、軌道130、132及び134が
図4Bに示されている。これらの軌道は、本発明によるAGVが荷積み領域120、122及び124に荷物を配置することを可能にする。
【0086】
図5に、AGVを制御して、荷物を荷受け領域から、少なくとも2つの荷物が配置される動作領域に輸送する方法の一例を示す。この方法は、以下のようにして実行される。
【0087】
ステップS10において方法を開始した後、AGVは、荷受け領域まで進む(ステップS20)。AGVが荷受け領域内にあるとき、AGVは、受け取って動作領域へ輸送するタスクが荷物の寸法に関する情報を含むかどうかを検証する(ステップS30)。タスクが荷物の寸法に関する情報を含まない場合、ステップS40において荷受け領域内の荷物の寸法が識別され、方法はステップS50に進む。タスクが荷物の寸法に関する情報を含む場合、方法は直ちにステップS50に進む。このステップS50において、AGVは、荷物を受け取る。その後、荷物はAGVによって運搬可能になる。
【0088】
次のステップS60において、動作領域のマップが輸送空間を含むように拡張されているかどうかが検証され、荷積み計画が存在するかどうかも検証される。ステップS60において、動作領域のマップが輸送空間を含むように拡張され、荷積み計画も存在すると決定された場合、方法はステップS150に進む。動作領域のマップが輸送空間を含むように拡張されていないか、荷積み計画が存在しない場合、方法は、ステップS70に進み、そこでAGVは、未知の空間内を進んでその領域をマップ化するタスクを受信する。言い換えれば、AGVは、領域のマップを得るために、荷物が配置されるべき動作領域内を進む。
【0089】
続くステップS80において、動作領域のマップは、取得された観測値を用いて拡張され、ステップS90において、荷積み領域を確定する仮想境界が識別され、割り当てられる。続くステップS100において、AGVの位置又はAGVの向きの追跡を支援するための領域の幾何学的特性が識別され、続くステップS110において、AGVが荷物を荷受け領域から荷下ろし領域に輸送することを可能にする荷積みパターン及び走行軌道が生成される。
【0090】
無効な荷積み計画では荷積み領域に荷物を効率的に積むことが不可能であるため、続くステップS120では、荷積み計画が有効であるか否かが検証される。
【0091】
ステップS120における検証が、荷積み計画が有効でないことを示す場合、安全距離のバックアップが生成されるか、荷積み領域の任意選択の同期マーカ、例えば、
図3の同期マーカ30a及び30bが見えるまで後退する。ステップS130の後、ステップS70の前にジャンプして戻り、ステップS70~S110で領域のマッピング処理が繰り返される。
【0092】
ステップS120の後に任意選択のステップ140があり、ここでは将来の動作又は他の車両のために利用可能な状態にするために、生成されたマップ及び計画をフリート管理のサーバに通信してもよい。あるいは、方法は、ステップS120からステップS150にすぐ進んでもよい。
【0093】
ステップS120又はステップS140の後、
図4Bにおいて参照符号130、132、134を例にして示す、生成された軌道を正確にたどりながら、荷受け領域からの荷物を配置するステップS150が実行される。大域的ポーズ推定は、荷積み領域の識別された幾何学的特性を使用しながら、マップ上でサポートされる。
【0094】
ステップS150において荷物を配置した後、ステップS160において、荷物が正しく配置されているかどうかが推定される。このステップS160のテストが否定的である場合、すなわち、荷物が正しく配置されていないか、動かなくなった場合、荷物を修正しようと試みるステップS170が実行される。
【0095】
ステップS160の結果が肯定的である場合、ステップS180において、計画が完全に実行されたかどうかが推定される。計画が完全に実行されていない場合、方法は、AGVはが荷受け領域内の次の荷物を受け取ることができるように、ステップS180からステップS20の前に戻る。
【0096】
ステップS180の終了時に、計画が完了したことが判明した場合、ステップS190において、AGVは待機位置に進み、ステップS200において、手順は終了する。
【0097】
この方法を用いると、AGVは、効率的な方法で、かつ自動的に、荷物を荷受け領域から仮想境界内の荷積み領域に輸送することができる。
【0098】
既存の自動誘導車に追加されなければならない制御は、自動誘導車の既存のセンサに接続することができる制御であってもよく、又は、自動誘導車及び非自動誘導車が本発明の方法を実行することを可能にするために、既存の自動誘導車及び非自動誘導車に追加することができる独自のセンサを持ってくることができる制御であってもよい。
【0099】
あるいは、荷受け領域から荷物が配置されるべき荷積み領域に荷物を輸送するように自動誘導車を制御するオペレータは、方法を実行するために必要な、製造段階で既に組み込まれている全ての装置及び手段を有することができる。
【0100】
図5A及び
図5Bに示される方法ステップは、
図6A及び
図6Bに示される第3実施形態による車両で実行することもできる。
図6Bに示されるような車両は、好ましくは、AGVを推進及び操縦するために使用されるステアリング及び駆動機構を備える。
図6Bでは、ステアリング及び駆動ホイールは、ステアリング/ドライブホイールの隣側にある受動キャスタ支持ホイールと組み合わされている。フォーク上の受動ホイールは、フォークが上方位置にあるときを含む、荷物を輸送する間、車両を支持する。
【0101】
他の実施形態は、分離されたステアリング・ドライブホイールと、受動支持ホイールを有する操縦不可能かつ個別に制御されるドライブホイールの対(差動駆動)を備えることができる。ステアリング・ドライブホイールは、センサ、コンピューティングモジュール及び制御インターフェースを備える誘導システムに結合され、AGVを推進及び操縦するために、また好ましくは、一対のフォークを備えるリフティング機構を移動させるために使用される。センサ、コンピューティングモジュール及び制御インターフェースは、
図1Bのものであることが好ましい。
【0102】
図5A及び
図5Bに示される方法ステップに関して、以下の情報を考慮することができる。この荷積みアルゴリズムでは、荷積み動作を開始する前に、AGVは、主要動作領域のマップを有し、それに位置を特定することができると想定される。「主要動作領域」とは、トラック/コンテナ空間を除く領域を意味する。
図3によれば、これらは、AGVが有する一般マップの一部である領域A+Cであり、Bは、荷積み動作の前には知られていない。この領域Bは荷積み動作中にマッピングされるので、一般マップは領域Bを含むように拡張される。この「主要動作領域」の理解は、トラック/コンテナの内部空間の意味も含むことができる「動作領域」という用語とは異なる。
【0103】
「位置を特定する」という用語は、領域のマップ(大域的ポーズ推定値)に対する車両の現在の位置及び向き(ポーズとも呼ばれる)を計算し、連続的に更新する能力を意味する。車両はまた、計画システムによって提供される軌道を正確にたどることができる。軌道は、個々の荷物を受け取り、配置するための個々の軌道からなる全体的な荷積み(及び同様の荷下ろし)計画を構成する。各軌道は、目標/目的ポーズに到達するために従うべき連続的なポーズのセットである。(計画又はサブ計画とも呼ばれ得る)各軌道について、誘導システムは、軌道上に留まるために、すなわち、計算され提供された軌道を正確にたどるために、所望の線速度及び角速度(又はステアリング角コマンド)を計算する。
【0104】
車両の位置特定システムは、より合意のとれた現在のポーズを計算するために、複数のセンサからの情報を利用する。主なセンサ(大域的センサとも呼ばれる)は、移動の両方向にあるLIDAR301A及び301B(又は第1実施形態の2a、2c)である。LIDARは、2D又は3Dが望ましいが、センサ301A及び301Bは、カメラ、ソナー又はレーダーのような他の光学又は周波数技術のものでもよい。荷物より上方にLIDAR301Aを取り付けることが望ましい。任意選択のLIDAR305(又は第1実施形態の2b)は、他のAGV又は人間の近くで作動する場合、荷物の下又はフォーク下の荷物捕捉機構の側部に設置することができる。LIDAR301Bは、好ましくは、進行方向とは逆向きにある2D又は3DのLIDARであり、安全センサとしても機能する。
【0105】
参照符号305は、好ましくは、進行方向に完全な(遮蔽されていない)視野を有さなければならない、正面を向いた安全LIDARを示している。あるいは、
図2に示すように、LIDARの重なり合う対を使用することができる。安全要件が低減されている場合、これらのセンサを除外してもよい。
【0106】
(車両座標フレームにおける)局所ポーズ推定値は、IMU303とホイール及びステアリングエンコーダ306、307の助けを借りて計算され、(マップ基準フレームにおける)一貫した、ドリフトのない大域的ポーズ推定値を有するように大域的推定値と融合される。
【0107】
荷積みタスクが受信されると、AGVは、既知の受け取り位置に進み、好ましくは一対のフォークである、荷物捕捉機構と荷物を係合させる。荷物は、好ましくはフォークポケットを有する。荷物受け取り位置の精度を保証することができない場合、又は寸法が通信されない場合、荷物はカメラ302で概形が分析され、フォークポケットが識別される。その後、AGVは、エレベータ機構を下降させて荷物に係合させる。荷物が捕捉されると、エレベータ機構は上昇し、荷物をさらに輸送し輸送機関又はコンテナ内へ配置することを可能にする。
【0108】
輸送機関に関する情報がまだ得られず(内部空間のマップが得られず)、荷積み計画(荷積みパターン)がまだ生成されていない場合、AGVは、壁又はプラットフォームの端まで安全な距離を保って輸送機関に入ることを試みる。この初期の段階のゆっくり入る過程の間に、マップの更新処理が可能となり、カメラ302とLIDAR301Aからの観測結果が、主要な動作マップに組み込まれる。カメラ302は、荷物の配置を検証する目的を有し、動作領域に関して最良の視野を有するように上部領域の任意の位置に配置することができる。カメラ302は、規模を把握するための、単一レンジカメラ(別名RGB-D又は3D)、ステレオペアを構成する2つのカメラ、又は任意選択の下向きの距離センサを有する1つのカメラのみであり得る。カメラ302は、上方LIDAR及び/又は傾斜ユニットと同じ場所に配置することもできる。3Dカメラの代わりに、傾斜ユニット又は傾斜ユニットと2D又は3Dカメラとの組合せを設けることができる。
【0109】
それは、十分な情報を蓄積し、湾岸/動作ホール領域と輸送機関又はコンテナとを接続する荷積み傾斜面を乗り越えた後、マップを好ましくは数十センチメートル拡張するために、輸送機関の内部において数十センチメートル~1又は2メートルの移動を必要とする場合がある。このステップの間、輸送機関内の局所的なポーズ推定を支援するために使用される幾何学的特性(特徴とも呼ばれる)、例えばフロアの境界、壁、及びそれらの交差箇所が識別される。
【0110】
マップが拡張された後、荷積み領域は仮想境界で拡張され、荷積みパターン(荷積み計画)が生成される。車両は、生成された荷積み軌道に基づいて、荷物を目標位置に移動させ配置することを続ける。目標位置に到達し、隣接する荷物又は壁との間が距離閾値未満であることが確認されると、AGVは、荷物を配置するためにエレベータ機構を下降させる。その後、AGVは、計画が完了するまで、次の荷物などを用いて荷積み計画に従う。
【0111】
荷物の配置動作中、荷物の形態が不適切であること又はその他の理由で、所望の距離閾値が達成され得ないことが起こり得る。誘導システムは、駆動モータの電流をさらに監視するか、電流センサを設置できない場合、荷物と車両との間の圧力センサを監視して、荷物が他の荷物又は壁に接触している場合を識別する。閾値に達しておらず、車両は目標ポーズに到達しようとしているが、電流又は圧力センサが値の増加が高いことを伝達している場合、これは、荷物が動かない場合として解釈され、修正動作が試みられる。
【0112】
加えて、新たな輸送を伴うマップ拡張ステップ中に、マップの無効性、輸送機関にある予期しない物体、又は望ましい荷物容量に関して荷物が輸送機関の寸法に合わないために、荷積み計画を生成することができない場合、荷積みタスクはキャンセルされ、AGVは輸送機関から戻る。エラー事例に基づいて、手動での介入が必要とされ得るか、車両は、輸送領域のマッピング処理を繰り返そうと試み得る。
【0113】
マップ又は輸送機関の全周を取得する第1のステップを含む荷積み計画とは無関係に、AGVは、その周囲の障害物を認識し、静的物体の場合はその周囲の経路/軌道を再計画し、動的物体の場合は経路が明確になるまで待機することによって、それらの障害物のダイナミクスに応じて反応する。
【0114】
したがって、AGVが、その内側領域についての事前情報を有さずに輸送機関に入ることも安全である。
【0115】
フォークリフト設計に関連して理解することができる、最大2列(rоw)当たりのパレット密度を好ましくは考慮する発明を提示する、先行技術文献の米国特許第8,192,137号とは対照的である。その提示された発明によれば、ゲートにおいて予想される輸送機関の配置からのオフセット及び角度を推定するために、輸送機関に入る前に、輸送機関の壁及び外形を知ることができる。
【0116】
本願発明は、単一の荷物を輸送することができ、サイドシフト機構を備えていない、単一の対のフォークを有するAGVまたは他のAGVのための従来技術の制限を克服することに焦点を当てており、3つ以上の荷物の列(rоw)を含む任意の配置で所望の荷物を配置することができる。本発明はまた、荷物の配置中に荷物が動かなくなる問題に対処する。先行技術はこの場合を識別することができず、駆動電流又は圧力が増加すると負荷をかけるのみであろう。
【0117】
従来技術との比較における本発明の別の重要な違いは、輸送機関に入る前に輸送機関の配置のオフセット及び角度を直接識別する必要がないことである。これらのパラメータが自然に存在することは、マップ拡張処理ステップ及び仮想境界の計算の理由/トリガに過ぎず、アルゴリズムの主要な検査目的ではない。輸送機関に壁があることは、本発明による荷積み方法にとって利点であるが、厳密には要求されず、本方法は、壁が全くない輸送機関、又はゲート上に配置されていない輸送機関、例えば、動作領域内の地面上に配置されたコンテナにおいてでさえも、機能する。
【0118】
本発明において提案される解決策は、プラットフォームの外形とその規模、及び壁がない場合の隣接する荷物、壁又は仮想境界に対する荷物の配置を感知し、識別することができる追加の光学センサを有することができる。
【0119】
フォークの方向において荷物の上方に設置されたレンジセンサは、誘導システムのマップを新しい輸送手段又はコンテナに拡張するために使用され、荷積み動作中に輸送機関内のAGVの位置と、重要なことには向きを追跡することをサポートする。
【0120】
輸送機関に壁がない場合、補助的サポートが限定されることがあるが、光学センサとその他方に位置するおよび第2のレンジセンサとを組み合わせて、位置及び向きの追跡タスクを難なく実行することができる。
【0121】
ナチュラルナビゲーション(当技術分野で周知の用語)に基づいて動作全体に使用される単一の誘導システムのみが存在し、特別な外部機器の設置又は環境の修正を必要としない。位置及び向きの追跡に対する前述した支援は、マルチセンサ融合法に補助入力できるようにすることによって達成され、これは、輸送機関内部の主誘導システムの全体的なポーズ推定の精度を高め、異なる方法間で切り替えることを必要としない。
【0122】
輸送機関に入る途中で、位置特定エラーを取り消すか、最小限に抑える必要がある、困難な場合があり得る。この場合、任意の光学マーカは、輸送機関に入る途中、例えばゲートの壁又は他の場所に設置することができる。その結果、AGVを停止又はルートから外れさせることなく光学マーカを容易に見ることができる。
【0123】
AGVがサイドシフト機構を有していないときに、輸送機関内に荷物を適切に配置する際の主な問題は、1つ以上の荷物が列に配置されている場合、特に2つ以上の場合、荷物を側壁又は別の荷物に近接して配置するために、AGVが壁又は荷物に向かって回転して移動し、次いで、再びすぐに回転する必要があることである。
【0124】
非常に多くの場合、荷物は完全には形成されず、そのような動作は、荷物が動かなくなるか、十分に接近して配置されないことにつながる可能性がある。荷積み動作を継続することは、全ての計画された荷物を輸送機関又はコンテナの内部に配置することができないという状況につながり得る。
【0125】
したがって、このような状況を検出し、荷物配置を検証し、修正ステップを有する本発明による方法が有用であり、このような解決策もまた、本発明において提案される。
【0126】
要約すると、本発明によれば、輸送又はコンテナ積載用に特別に設計されたAGV(自動誘導車)を製造することが可能である。さらに、本発明によれば、自動化キットを搭載することによって、荷積みタスクのために使用される既存の非自動化車両を自動化することも可能である。このようにして、センサ及びコンピューティングモジュールは、速度を制御し、ホイールを操縦し、AGVのリフティング機構を制御することができるように、車両の駆動電子機器に組み込まれる。
【0127】
以下、
図7を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態は、第1~第3実施形態の特徴、好ましくは第1実施形態の特徴を使用することができ、以下の状況が追加的に考慮される。
【0128】
安全に進んで車両201周辺の環境を感知するために、望ましくは距離センサであるレンジセンサ202a、202bと202c及び/又は202dが、車両201の移動の両方向を完全にカバーするように設置される。1つの方向につき1つのセンサでは、オクルージョンが原因で必要な視野を提供することができない場合をカバーするために、重複する複数のセンサを、例えば安全基準が必要とする場合に、使用することができる。LIDARと類似又はより良好な精度が提供できれば、感知技術は基礎となる制御ロジックに影響を及ぼさない。あるいは、センサは、安全な運行及び必要とされる適用精度を保証する精度で使用することができる。これは、画像処理によって導出される範囲測定値又はポーズ推定値が上述の要件を満たすことができる場合、カメラをレンジセンサとして使用することもできることを意味する。
【0129】
第4実施形態を考慮した最低限の機能設定のために、以下のセンサが必要とされる。
前方・後方LIDAR。
前方LIDAR(202c)は、フォークの対の反対側に位置し、主に荷物なしでの高速走行又は長距離での荷物の運搬に使用される。
後方LIDAR(202a)は、荷物の上方で、フォークの対側に位置する。これは、主に、荷物と共にトラック又はコンテナに入るときの荷積み動作において使用される。
両方のLIDARは、動作領域における車両のポーズ推定を改善するために互いに補完する。
両方のLIDARは、2D若しくは3Dとすることができ、又は2D若しくは3DのLIDARと同様の品質の範囲データを送ることが可能な他のセンサによって置換することができる。
【0130】
安全要件が低い場合、又は代替の安全センサもしくは安全対策と組み合わせれば、センサの水平方向の妨害されない視野がフォークの方向に180度以上である限り、単一の2D若しくは3DのLIDAR又は同等のセンサを有することでも十分である。IMU204は、センサ融合アルゴリズムにおいて使用されて、環境内の車両のポーズ推定を改善する。ホイール及びステアリングエンコーダ203a、203bは、通常、商用車を自動化する際のシステムの一部である。
【0131】
荷物を持ち上げる前に、フォーク上に荷物が適切に存在することを確実にするために、存在センサ205a,205bが設置される。それは、範囲、容量測定値、又は確実な荷物の存在についてのバイナリ論理信号を提供する単一のセンサ又は一対のセンサであり得る。車両を推進するために、コンピューティングユニット206の誘導システムは、所望の速度を計算し、それらを自動車両の速度コントローラが理解可能な信号で通信する。
これにより、車両の線速度が制御される。
【0132】
フォーク又は運搬プラットフォーム上に適切に荷物/パレットを配置することを確実にするために、追加の光学センサ又はセンサ208a、208bの対を上方に設置することができる。このセンサ又は一対のセンサは、上述の最大許容高さの増加を回避する一方、頂部から荷物を完全に見ることが保証されるように設置される。
【0133】
自動化された車両の大域的なポーズ推定、すなわち動作空間の座標(しばしばワールド座標フレーム又は大域的フレームと呼ばれる)の中におけるポーズ推定をサポートするために、ホイールエンコーダ203a、203b及びIMU204のような追加のセンサが使用される。ポーズは位置と向きとに関係する。これらのセンサ203a、203b及び204の情報は、互いに融合されると、好ましくは、所望の大域的なフレームに変換され得るロボット座標フレームにおける、局所的に一貫した推定値をもたらす。センサ203a及び203bは、好ましくは、ホイールと一体化されたホイールエンコーダ(車両のキネマティクスに応じたホイール及びステアリング角度エンコーダ又は二つのホイールエンコーダ)である。あるいは、車体に取り付けられたエンコーダを備える、別個のホイールを設けることができる。
【0134】
このポーズ推定値は、時間とともに徐々に変化するが、大域的ポーズ推定値によって修正される。センサ203a及び203bは、光学又は磁気エンコーダであってもよく、差動駆動キネマティクスの場合には車両201の両側にあり、三輪又はアッカーマンキネマティクスの場合にはドライブ及びステアリングモータ上にあることがあることが好ましく、センサ204は、コンピューティングモジュールに統合可能であるか、車両201の別の都合の良い位置に位置することができるIMU(慣性計測ユニット)である。
【0135】
車両は、車載レンジセンサ202a、202b、202c、202d又はそれに相当するセンサ、光学又は磁気エンコーダ203aと203b及びIMU204の助けを得てその位置及びその向きを維持し、即ち、動作環境内の自身の位置を特定する。IMUは、コンピューティングモジュールを含む車両の任意の部分に配置することができる。
【0136】
環境の内部表現(マップ)は、サーバからロードされるか、動作するすべての新しい環境に対して通常1回行われる動作準備プロセス中に取得されるかのいずれかである。動作領域は、既知の静的領域A(
図8参照)と、事前に知られていないか、完全には決定されていない領域B(
図8)の2つの部分からなる。
【0137】
図8の領域Bは、輸送機関区域(コンテナ、トレーラ、又はワゴン)であり、角度αは、荷積みゲートにおけるトレーラ又はコンテナ荷積み場所におけるコンテナが、ゲートの壁/ドアに対して厳密に垂直に配置されていないことを示す。dx及びdyは、予想される輸送位置からの横方向及び縦方向の変位を示す。これらの変数は、輸送機関のいくつかの特性(例えば予想される寸法のリスト)が知られている場合、輸送機関の正確な位置が確実でないことを説明する。システムが動作領域(マップ)を未知の領域に向かって拡張するための最低限の要件は、輸送機関の入口点の予想座標、例えば、荷積みゲートの中心位置、コンテナの予想される入口座標、又は同様のものである。換言すれば、車両(AGV/AMR)は、搭載されたセンサを用いて輸送機関の内部空間を観察することを可能にする位置で、何らかの形で入口点に到達する必要がある。dx、dy及びαの変位はマッピング処理に影響しない。
【0138】
事前に知られている情報との一致が見つからない場合、常に、輸送機関の領域をマッピングすることができ、
図4Bの仮想境界110は、1つ又は複数の壁がない場合であっても、動作境界を厳密に定義するように与えられる。マッピング処理自体は、適切な荷積みパターン割り当てのために、輸送機関の全周及びその幾何学的特性を識別する処理である。処理は、通常、第1の荷物と共に輸送機関に入る前に一度実行され、関連するナビゲーション情報が更新される。これは、識別された輸送機関の領域をマップに付加することを含む。これは、第1~第4の実施形態に適用可能である。
【0139】
次に、
図8に基づいて、全周を識別するプロセスと、それが荷積みパターン生成にどのように関連するかを説明する。
【0140】
通常、輸送システムのプラットフォームは、輸送される荷物が置かれる矩形の内部空間を有する。輸送機関の全周を画定する最良の方法は、この例では、線をひくことができる4つの角部C1~C4を見つけ、したがって全周を画定する描かれるべき多角形を見つけることによるものである。次いで、この多角形は、荷受け領域のマップに、または少なくとも、車両が輸送機関内で完全に位置特定し、計画し、進むことを可能にする計画のために使用される荷受け領域のマップに追加される。
【0141】
4つの角部はまた、輸送システムのさらなる幾何学的特性を、幅、長さ、及び角度αとして、例えば輸送機関が荷積みゲートにまっすぐではなくドッキングされる場合に、完全に決定することを可能にする。これらのパラメータは荷物配置パターンを計画するために有用であり、見つけられた角度αは、例えば4つの角部のうちの1つ、例えばC2であり得るピボット点を中心にパターンを回転させて、パターンを輸送システムの向きに適切に適合させるために使用され得る。さらに、輸送プラットフォームの仮想の左右壁を画定する角部C1、C2、及びC3、C4は、荷物の積み降ろし動作中に安全な距離を計画及び維持することを可能にする。
【0142】
一例では、パターン計算は、左上角部C2に対するものであり、導出された向きαは、トレーラの向きに一致するように角部C2の周りでパターンを回転させるために使用される。さらなる例では、任意の他の角部C1~C4を使用することができる。
【0143】
動作の精度は、どの程度正確にそれらの角部を決定することができるかに依存する。角部の位置が適切に決定されることを確実にし、安全に横断可能な領域を反映するために、様々なフィルタリング技法を使用することができる。輸送システムは、壁上に様々な構造を有することができ、又は1つ若しくは複数の壁が存在しなくてもよい。様々な範囲データ又は画像データ処理方法を介して、プラットフォームの壁若しくは縁部を、例えば並列処理により抽出し、検証することができ、又は、完全に観察されない場合であっても、より多くの観察が行われるにつれて、角部を画定する交差を見つけ、さらに精緻化することができる。
【0144】
次に、第4実施形態の荷物の積み降ろし動作について、より詳細に説明する。
【0145】
荷積み動作は、サーバ又はフリート管理システムから取得されたタスク順序で開始される。他の情報は、荷受け位置、積まれる商品/物品の量と寸法、及び荷積みゲート番号、コンテナ位置、又は他の輸送入口座標に関する情報である。第1の荷物を配置する前に、輸送機関は、角部C1、C2、C3、及びC4、並びに任意選択で角度α及びdx、dyオフセットに関して上述したように、空間寸法を識別するために自動的にスキャンされる。識別された輸送機関の寸法、商品/物品の寸法及びそれらの量に基づいて、荷積みパターンまたは荷積み計画、すなわち、完全な荷積み計画が生成される。荷積み計画は、生成された荷積みパターンに基づいた、荷受け位置から輸送機関内の適切な位置まで運ばれるべき個々の荷物ごとの、好ましくは軌道の形態のサブ計画のリストである。各サブ計画は、順次到達されるべき車両の目標位置及び向き、すなわちポーズのセットを記述する点のセットである。各サブ計画の実行を進めると、荷物の受け取り、荷下ろし、フォークの完全又は部分的な昇降などの、用途固有のアクションが定義される。各サブ計画は、荷下ろしアクションで終了する。全体的な計画の実行は、タスク管理アルゴリズムによって管理され、失敗は、サーバ又はフリート管理システムに報告され、可能であれば、回復動作が実行される。荷積みタスクが完了すると、車両は、実行成功を報告し、定義された待機位置に進む。
【0146】
単一又は二重セットアップで作動している3Dレンジ又は光学カメラ207a、207bと、取り扱われる荷物の種類に応じて単一又は二重セットアップである任意選択のカメラ208a及び208bの助けを借りて、また、任意選択で上方レンジセンサ202a及び202bの助けを借りて、各荷下ろし/配置動作の間及びその後に、輸送機関内部の各荷物の配置が検証される。荷物の配置が不適切であるか、荷物の挿入に問題がある場合、修正が試みられる。修正が失敗した場合、荷積みタスクは一時停止され、失敗は、サーバ又は監視フリート管理システムに通信される。手動修正を試みることができ、その後、リスト内の次の荷物で荷積み計画を再開することができる。
【0147】
作動している3Dレンジカメラ又は光カメラは、固体LIDAR207a、207bも含むことができ、これらは配置プロセスの間、運搬される荷物及び隣接する荷物を最も良く見ることができる位置に設置される。例えば、特に荷物が載置されるパレットに対して適切に成形、傾斜、又はシフトされない場合に、考えられる衝突点を決定し、荷物が衝突するのを防止するために、荷物の形状に応じて、人間が見るのと同様に、例えば側方から見るように視点を拡張することが必要とされ得る。荷積み/荷下ろし動作の詳細が原因で、また、輸送機関の壁に非常に近接してタスクを行うことが原因で、車両においてそのようなカメラの固定位置を有することが常に可能であるとは限らない。したがって、作動する、及び/又は任意選択で後退可能なカメラが使用可能であり、これらのカメラは、必要なときに視点を拡張することができ、また、損傷を受ける可能性がある場合に後退することができる。
【0148】
計画実行中、移動方向上の領域は、障害物の存在に関して監視される。障害物が衝突の可能性のある領域に現れた場合、計画の実行は一時停止される。障害物が定義された期間に無くならず、かつ動かない場合、再計画が試みられる。再計画が失敗した場合、又は新しい計画(例えば、軌道)に正確に従うことができない場合、荷積み動作が停止され、失敗が報告される。
【0149】
荷下ろし動作は、荷下ろしゲート番号又はコンテナ位置に関する情報と、量及び寸法を含む荷物に関する情報と、荷下ろし位置を含むタスク命令がサーバ又はフリート管理システムから受信されることにより、荷積み動作と同様の方法で開始する。該当する場合、角度α及びオフセットを見つけ、内部空間寸法を検証するために、又は輸送機関の全周を識別するために、トラック又はコンテナがスキャンされる。その後、上方レンジセンサ202a、202b、作動された207a及び207bセンサ、及び任意選択で208a及び208bカメラの助けを借りて、荷物をスキャンする。配置認識アルゴリズムは、範囲データ及び/又は追加の画像データに基づいて荷物の配置を識別し、この荷物の配置をサーバから受信した情報と比較する。次に、車両は、上記の荷積み作業で説明されたように、個々の荷物ごとの輸送軌道及びアクションを構成するサブ計画からなる荷下ろし計画を計算する。
【0150】
図8において、領域A及びBは、交換可能な荷受け(荷下ろし)領域及び荷下ろし(荷積み)領域として示されている。
【0151】
フォークの方向かつ荷物の上方に設置されたレンジセンサは、誘導システムのマップを到着した輸送機関まで拡張するために使用され、荷積み動作中の輸送機関内部のAGVの位置と、重要なことには向きを追跡することをサポートし、輸送空間のすべての制約を考慮した複雑な運行操作の実行及び軌道計画を可能にする。
【0152】
輸送機関に壁がない場合、補助サポートが限定され得るが、他方の側に位置する光学センサ及び第2のレンジセンサと組み合わせて、位置及び向きの追跡タスクを難なく実行することができる。
【0153】
ナチュラルナビゲーション(当技術分野で周知の用語)に基づいて動作全体に使用される単一の誘導システムのみが存在し、特別な外部機器の設置又は環境の修正を必要としない。位置及び向きの追跡に対する前述した支援は、マルチセンサ融合法に補助入力できるようにすることによって達成され、これは、輸送機関内部の主誘導システムの全体的なポーズ推定の精度を高め、異なる方法間で切り替えることを必要としない。そうでない場合、位置及び向きは、主要領域での動作と異ならないように追跡される。
【符号の説明】
【0154】
1 車両
2a、2b、2c センサ
3a、3b センサ
5a、5b センサ
6a、6b センサ
7 センサ及びコンピューティングユニット
10 車両
12c、12d、12e センサ
14a、14b、14c、14d、14e レンジファインダの視野
16a-16e 測定オーバーレイ
(A)、(B)、(C) 領域
30a、30b ポーズ同期マーカ
32a、32b ポーズ同期マーカ
100 荷積み領域
110 仮想境界
112 前部
130 軌道
132 軌道
134 軌道
201 車両
202a、202b、202c、202d センサ
203a、203b センサ
204 センサ/IMU
205a、205b センサ
206 コンピューティングユニット
207a、207b センサ
208a、208b センサ
301A、301B LIDAR
302 カメラ
303 IMU
304 コンピューティングユニット
305 LIDAR
306、307 ステアリング及びホイールエンコーダ