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特許7469512ヒートポンプのための冷媒漏洩検出センサおよびその冷媒漏洩検出センサを備える空気調和装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】ヒートポンプのための冷媒漏洩検出センサおよびその冷媒漏洩検出センサを備える空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/04 20060101AFI20240409BHJP
   F24F 11/89 20180101ALI20240409BHJP
【FI】
G01M3/04 T
F24F11/89
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022564553
(86)(22)【出願日】2021-04-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-02
(86)【国際出願番号】 JP2021016408
(87)【国際公開番号】W WO2021215526
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2022-10-24
(31)【優先権主張番号】20171306.2
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】510048875
【氏名又は名称】ダイキン ヨーロッパ エヌ.ヴイ.
【氏名又は名称原語表記】DAIKIN EUROPE N.V.
【住所又は居所原語表記】Zandvoordestraat 300,Oostende 8400,Belgium
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】ペテル,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】チェスキー,ヨセフ
(72)【発明者】
【氏名】トライカル,ミカル
【審査官】岡村 典子
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-274003(JP,A)
【文献】特開2008-175711(JP,A)
【文献】特開2016-090109(JP,A)
【文献】特開2002-318217(JP,A)
【文献】特開2021-014963(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 3/04
F24F 11/89
G01N 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ・ケーシング(2)と、
前記センサ・ケーシング(2)によって囲まれる回路基板(3)と、
前記回路基板(3)に実装される気体センサ(4)と、
を備えるヒートポンプのための冷媒漏洩検出センサ(1)であって、
前記気体センサ(4)は、
ハウジング(5)と、
気体状冷媒が前記ハウジング(5)に入っていくのを可能にするよう前記ハウジング(5)の端部に配置される冷媒受入領域(6)と、
前記ハウジング(5)内に配置される検出素子と、
を有しており、
前記冷媒受入領域(6)が前記センサ・ケーシング(2)の外部に配置されるとともに前記検出素子が前記センサ・ケーシング(2)の内部に配置されるよう、前記ハウジング(5)は前記センサ・ケーシング(2)の開口部(7)において突出し、
前記センサ・ケーシング(2)は、前記センサ・ケーシング(2)を構造要素に取り付けるための取付面(8)を有し、
前記開口部(7)は、前記センサ・ケーシング(2)の第一壁(2a)に配置され、
前記センサ・ケーシング(2)は、前記センサ・ケーシング(2)を前記取付面(8)に接続する2つの脚部(9)を有し、開口両端部を有する通路が前記第一壁(2a)及び前記2つの脚部(9)によって形成される、
冷媒漏洩検出センサ。
【請求項2】
記気体センサ(4)の前記ハウジング(5)は前記取付面(8)側へと向かって突出する、
請求項1に記載の冷媒漏洩検出センサ(1)。
【請求項3】
リップ(10)が前記第一壁(2a)の外周の自由端に配置されており、
前記リップ(10)は前記取付面(8)に向かって突出している、
請求項またはに記載の冷媒漏洩検出センサ(1)。
【請求項4】
前記開口部(7)を有する前記第一壁(2a)の第一部分が、前記第一壁(2a)の第二部分よりも前記取付面からさらに離間して配置されている、
請求項のいずれか1項に記載の冷媒漏洩検出センサ(1)。
【請求項5】
前記第一壁(2a)の前記第一部分および前記第一壁(2a)の前記第二部分は、傾斜面によって接続される、
請求項に記載の冷媒漏洩検出センサ(1)。
【請求項6】
通孔(12)が、前記センサ・ケーシング(2)の第二壁(2b)に形成されており、これにより、絶縁電気ケーブル(13)を前記第二壁(2b)を貫通させて前記回路基板に、封止状態で、接続する、
請求項1~のいずれか1項に記載の冷媒漏洩検出センサ(1)。
【請求項7】
前記第二壁(2b)の前記貫通孔(12)は、前記センサ・ケーシング(2)の外側に向かって漸減している、
請求項に記載の冷媒漏洩検出センサ(1)。
【請求項8】
前記絶縁電気ケーブル(13)の端部におけるプラグ(15)またはソケットを取り外し可能に接続するためのソケット(14)またはプラグが前記回路基板(3)に実装されており、
前記回路基板(3)上の前記ソケット(14)またはプラグは、前記センサ・ケーシング(2)内には前記第一壁(2a)に面する前記回路基板(3)の側に収容されている、
請求項またはに記載の冷媒漏洩検出センサ(1)。
【請求項9】
貫通孔(12)が、前記センサ・ケーシング(2)の第二壁(2b)に形成されており、これにより、絶縁電気ケーブル(13)を前記第二壁(2b)を貫通させて前記回路基板に、封止状態で、接続し、
前記貫通孔(12)を有する前記第二壁(2b)は、前記第一壁(2a)の前記第一部分よりも前記第一壁(2a)の前記第二部分の近くに配置されている、
請求項4又は請求項5に記載の冷媒漏洩検出センサ(1)。
【請求項10】
前記気体センサ(4)の前記ハウジング(5)は、封止状態で前記センサ・ケーシング(2)の前記開口部(7)において突出している、
請求項1~のいずれか1項に記載の冷媒漏洩検出センサ(1)。
【請求項11】

前記センサ・ケーシング(2)は、本体(16)と、前記本体(16)に着脱可能に取り付けられる蓋部(17)と、を有しており、
前記本体(16)と前記蓋部(17)との合わせ面は、固定方向に対して垂直な方向において重なり合っている、
請求項1~10のいずれか1項に記載の冷媒漏洩検出センサ(1)。
【請求項12】
前記回路基板(3)は、前記センサ・ケーシング(2)内において、第一壁(2a)と平行に、前記第一壁(2a)とは反対側の第三壁(2c)よりも前記第一壁(2a)から離間して配置されている、
請求項1~11のいずれか1項に記載の冷媒漏洩検出センサ(1)。
【請求項13】
前記センサ・ケーシング(2)は、少なくとも部分的に、断熱部材(20)によって、断熱されている、
請求項1~12のいずれか1項に記載の冷媒漏洩検出センサ(1)。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の冷媒漏洩検出センサ(1)を備える空気調和装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヒートポンプのための冷媒漏洩検出センサに関する。さらに、本開示は、そのような冷媒漏洩検出センサを備える空気調和装置に、特にヒートポンプの室内ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許出願公開第3396261号公報(EP3396261A1)に記載されている空気調和装置の室内ユニットは、筐体(ケーシング)と、ケーシング内に設けられ負荷側熱交換器で発生する凝縮水を受けるドレインパンと、筐体内であってドレインパンよりも下方に設けられる冷媒検出ユニット99と、を備えている。冷媒検出ユニット99は、冷媒の漏れを検出するよう構成されるセンサ200と、センサ200をそのセンサの前面側から覆うよう構成されるセンサカバー230と、を有する。センサカバー230は、センサの上方に配置される屋根(ルーフ)部231と、屋根部231よりも下方であってセンサの前面側または側面側に配置される側部232と、を有する。ルーフ部は、側面部よりも外側へと突出する軒部を有しており、側面部232には、センサカバー230の内部に空気を導入する複数の開口ポート234a,234b,234cが形成されている。開口ポート234a,234b,234cはスリット状の開口部を有する。
【0003】
開口ポート234a,234b,234cは、空気または気体がカバー230を通り抜けるよう流れやすくするように配置されており、これにより、気体漏れを確実に信頼性高く遅滞なく検出させる。しかしながら、空気または気体がカバー230を通り抜けるよう循環させる開口ポート234a,234b,234cを形成することによって、必然的に、センサ230が特にプリント回路基板210(PCB)が凝縮した水や空気中の湿度からの水分に曝されることになる。したがって、酸化によって、センサ200およびプリント回路基板210の耐久性が低下することになる。
【0004】
また、センサ200がセンサカバー230内に配置されているので、開口ポート234a,234b,234cを形成していても、検出効率/信頼性は低下する。さらに、周囲の空気が開口ポート234a,234b,234cを通って連続的に循環するので、時間とともに埃がポートを覆ってしまう虞があり、したがって、気体漏れの検出の信頼性が低下する。加えて、開口ポート234a,234b,234cのスリットを通る空気の流れが常にあるので、特に室内ユニットの場合に望ましくない不快なノイズが生じる可能性もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】欧州特許出願公開第3396261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の点から鑑みて、検出効率/精度および検出信頼性の向上を可能にすると同時に空気からの水分や凝縮した水との接触を回避することによってこれにより検出センサの耐久性を向上できるヒートポンプのための冷媒漏洩検出センサの提供に対する要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1に記載するヒートポンプのための冷媒漏洩検出センサおよび請求項15に記載するこのような冷媒漏洩検出センサを備える空気調和装置特にヒートポンプの室内ユニットによって、達成できる。いくつかの態様は、従属項、以下の説明および添付図面にから理解されよう。
【0008】
本開示の第一の面では、ヒートポンプのための冷媒漏洩検出センサは、センサ・ケーシングと、センサ・ケーシングによって囲まれる回路基板と、回路基板に実装される気体センサと、を備える。気体センサは、ハウジングと、気体状冷媒がハウジングに入っていくのを可能にするようハウジングの端部に配置される冷媒受入領域と、ハウジング内に配置される検出素子と、を有する。冷媒受入領域がセンサ・ケーシングの外部に配置されるとともに検出素子がセンサ・ケーシングの内部に配置されるよう、ハウジングはセンサ・ケーシングの開口部において突出する。
【0009】
気体センサの冷媒受入領域がセンサ・ケーシングの外側に配置されており、かつ検出素子がセンサ・ケーシングの内部で配置されているので、検出効率/精度および検出信頼性の向上を可能にすると同時に空気からの水分や凝縮した水との接触を回避することによって検出センサの耐久性をこれにより向上できる冷媒漏洩検出センサを提供できる。
【0010】
また、請求項にかかる配置によって気体センサのハウジングの大部分がセンサ・ケーシングによって被覆されるようになり、ハウジングの大部分が水分や水と直接接触することを確実に回避できる。さらに、気体センサの大部分がセンサ・ケーシングの内部で配置されているので、動作の際に気体センサによって生成される熱はセンサ・ケーシングの内部にほぼ完全に保持され、気体センサを特に気体センサの回路基板を覆ういわゆる「熱カプセル」すなわち「熱ポケット」が得られる。さらにまた、「熱カプセル」すなわち「熱ポケット」によって、センサの近傍の温度がより高くなる利点が得られ、したがって、センサの周囲の湿度を低減できる。加えて、冷媒受入領域がセンサ・ケーシングの外側にあることは、周囲の空気と直接接触できることを意味し、検出感度および検出信頼性を高めることができる。
【0011】
また、「気体センサ」に関する「冷媒受入領域」という語は、本開示においては、気体センサのハウジングに、特にハウジングの端部または最上部へと、冷媒を特に気体状冷媒を受け領域を通り抜けさせる、したがって、気体センサのハウジングへと入って行かせる領域または面が配置されていることをいう。こうして、冷媒受入領域によって、一方では、気体状冷媒がハウジングへと入ることができしたがってハウジング内部に配置される検出素子に達することができ、もう一方では、冷媒受入領域によって水分および水が特に結露した水がハウジングに入ってしまうことを防止する。言い換えれば、冷媒受入領域は、好ましくは膜であり、水分および水等の液体を透過させず、空気を透過させる。任意選択的に、冷媒受入領域は、シリカ・フィルタで形成される上側層と、活性炭で形成される下側層と、を有することができる。
【0012】
さらにまた、「検出素子(センサエレメント)」という語は、本開示においては、温度、圧力または湿度または抵抗のような物理パラメータを、特に気体状冷媒の存在を検出することができる任意の手段(気体センサ)をいう。
【0013】
本開示のさらなる面では、センサ・ケーシングは、センサ・ケーシングを構造要素に取り付けるための取付面を有することができる。開口部は、センサ・ケーシングの第一壁に、好ましくは底壁に、配置される。気体センサのハウジングは取付面側へと向かって突出する。
【0014】
また、センサ・ケーシングは、センサ・ケーシングを取付面に接続する脚部を有することができ、これにより、開口両端部を有する通路が第一壁の下方で脚部間に形成される。
【0015】
これにより、センサ・ケーシングの周辺空気が容易に流れることができる、特に気体センサの冷媒受入領域の傍を流れることができる通路または空間を有するセンサ・ケーシングを提供できる。したがって、気体状冷媒は、センサ・ケーシング周辺をより円滑に移動でき、気体センサとより接触しやすくなる。この結果、漏れた冷媒をより迅速にかつ効果的に検出することができる。
【0016】
また、リップを第一壁の外周の自由端に配置することができる。リップは取付面に向かって突出する。冷媒検出センサの標準的な取り付け位置において、第一壁のリップまたはセンサ・ケーシングの本体は下方へ突出する。したがって、リップは、滴ってくる水や凝縮した水がセンサ・ケーシングにおける開口部を通ってセンサ・ケーシング内へと入ってきたり冷媒受入領域に達したりすることを回避するのに役立つ。これにより、確実に、センサ・ケーシングの最上部へと落下する滴ってくる水をケーシングの側壁に沿って下方にのみに流れさせ、こうして、センサ・ケーシングの底壁に対して溜まっていくことはない。
【0017】
また、開口部を有する第一壁の第一部分を、第一壁の第二部分よりも取付面からさらに離間して配置することができる。これにより、気体センサの領域においてはセンサハウジングの全高を低減し、したがって、センサハウジング内部における気体センサを取り囲む空間を低減できる。気体センサを取り囲む空間を低減できるので、ケース内部の特にセンサエレメントの近傍の温度を高くすることができる。
【0018】
本開示のさらなる面では、第一壁の第一部分および第一壁の第二部分は、傾斜面によって接続される。傾斜面によって、通路を通る周囲の空気が底壁の下方を流れやすくなり、通路の空気循環効果を高めることができる。
【0019】
ヒートポンプのための冷媒漏洩検出センサは、さらに、センサ・ケーシングの第二壁に好ましくは側壁に形成される貫通孔を有することができる。貫通孔により、絶縁電気ケーブルが第二壁を貫通して回路基板に、特に封止状態で、接続される。
【0020】
また、第二壁の貫通孔は、センサ・ケーシングの外側に向かって漸減する。電気ケーブルは、通常、結束バンドで留められるプラスチック製の管材料によって被覆されるすなわち絶縁されているので、センサ・ケーシングの貫通孔と電気ケーブルと間の封止性を向上でき、したがって、水分および凝縮した水のセンサ・ケーシング内部への侵入を止めることができる。冷媒漏洩検出センサが急激な温度変化を受ける状況においては、追加的な封止材料/絶縁要素を配置することにより、熱ポケットの形成に対する効率を向上することができる。
【0021】
さらなる面では、絶縁電気ケーブルの端部におけるプラグまたはソケットを取り外し可能に接続するためのソケットまたはプラグを回路基板に実装することができる。回路基板上のソケットまたはプラグは、センサ・ケーシング内に好ましくは第一壁に面する回路基板の側に収容される。
【0022】
さらに、貫通孔を有する第二壁を、第一壁の第一部分よりも第一壁の第二部分の近くに配置することができる。
【0023】
また、気体センサのハウジングは、封止状態でセンサ・ケーシングの開口部において突出することができる。これにより、水分または凝縮した水のセンサ・ケーシング内への侵入を止めることができる。
【0024】
冷媒漏洩検出センサのセンサ・ケーシングは、本体と、本体に着脱可能に取り付けられる蓋部と、を有することができる。本体と蓋部との合わせ面は、蓋部を本体に固定するときのセンサ・ケーシングの固定方向に対して垂直な方向において重なり合っている。蓋部の合わせ面は本体の合わせ面を外周で囲むので、センサ・ケーシングの封止を高めることができる。また、冷媒漏洩検出センサの標準的な取り付け位置においては、蓋部の外側合わせ面は、固定方向においてさらに下側へと本体の内側合わせ面まで達するので、特にさらに下側へと達して本体と蓋部との間の境界となるので、水分および水のセンサ・ケーシング内への侵入を止めることができる。
【0025】
また、センサ・ケーシングの角部(コーナー)を丸くしておくことができる。丸めたコーナーの曲率半径は好ましくは少なくとも2mmである。これにより、センサ・ケーシング周辺を流れる空気によって生じるピューピューと鳴る不快なノイズを回避することができる。
【0026】
本開示のさらなる面では、回路基板を、センサ・ケーシング内において、好ましくは第一壁と平行に、第一壁とは反対側の第三壁よりも好ましくは最上部壁よりも第一壁から離間して配置することができる。
【0027】
また、センサ・ケーシングを、少なくとも部分的に断熱することができる。断熱を、断熱部材によって、特にセンサ・ケーシングの最上部壁および底壁に配置できる断熱部材によって達成することができる。断熱部材は、弾性材料で例えばポリエチレン・フォームで形成できる。これにより、センサ・ケーシングの断熱性を、特に気体センサの断熱性を高めることができ、したがって、センサ・ケーシング内部の温度を高くすることができる。センサ・ケーシング内部の温度を、特に気体センサの近傍の温度をさらに高くすることができるので、センサ・ケーシング内部の水分または湿った空気が露点に達する可能性を大きく低減できる。
【0028】
断熱部材が備えられている場合、断熱部材には好ましくは、気体センサのハウジングを少なくとも部分的に特に封止状態で突出させる開口部が形成される。特に断熱部材が弾性材料で形成されている場合、封止を、ハウジングを断熱部材に圧入することによって達成できる。
【0029】
さらに、本開示のさらなる面では、ケーシングは、好ましく気密状態でまたは水密状態で封止される。
【0030】
本開示は、さらに、上述した冷媒漏洩検出センサを備える空気調和装置を、特にヒートポンプの室内ユニットを提供する。
【0031】
ヒートポンプのための冷媒漏洩検出センサを、空気調和装置に特にヒートポンプの室内ユニットに用いることができる。したがって、冷媒漏洩検出センサの上記説明に関連して開示するさらなる特徴は、本開示の空気調和装置にも特にヒートポンプの室内ユニットにも当てはまる。同様に、逆のことが、空気調和装置に関する特にヒートポンプの室内ユニットに関する説明にも当てはまる。
【0032】
本開示のより完全な認識およびそれによる多くの利点は、添付図面を参照して以下の詳細な説明から容易に得られ、より十分に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、空気調和装置の従来の冷媒検出ユニットを示す概略図である。
図2図2は、本発明の一の面にかかる冷媒漏洩検出センサの立体的な概略図である。
図3図3は、図2に示す冷媒漏洩検出センサの概略断面図である。
図4図4は、図3に示す断面図の立体的な概略図である。
図5図5は、本発明の一の面にかかる冷媒漏洩検出センサの絶縁電気ケーブルの概略断面図である。
図6図6は、本発明の他の面にかかる冷媒漏洩検出センサの立体的な概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本開示のいくつかの実施形態を図面を参照して説明する。以下の本発明にかかる実施形態の説明は単なる例示であって、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示を限定するものではないことは、本開示から、空気調和装置の分野の当業者には明らかであろう。
【0035】
図1は、空気調和装置の従来の冷媒検出ユニット99を示す概略図である。図1に示す通り、冷媒検出ユニット99は、センサ200と取付板(マウント・プレート)とセンサカバー230とを有する。マウント・プレートは、センサ200の背面側に配置される。センサカバー230は、センサ200を表面側から被覆して、マウント・プレートと共にセンサ200を囲む。センサ200は、センサデバイスとボード210とを有する。ボード210は、センサデバイスをセンサの内部に収容するよう構成される。また、図1に示す通り、センサカバー230は、屋根部231と側面部232と底面部とを有する。側面部232は、表面部232aと右側面部と左側面部とを有する。また、漏れた冷媒を確実に検出するために、空気を通過させてセンサカバー230の内部へと導入するよう構成される複数の開口ポート234a,234cが、表面部と側面部と底面部とに形成される。
【0036】
図2は、本発明の一の面にかかる冷媒漏洩検出センサ1の立体的な概略図である。図2に示す通り、冷媒漏洩検出センサ1は、センサ・ケーシング2と回路基板3(図3に図示)と気体センサ4とを有する。気体センサ4は、図6にさらに詳細が分かるハウジング5と、ハウジング5の端部に例えばハウジングの最上部に配置される冷媒受入領域6と、を有する。冷媒受入領域6は、気体状冷媒がハウジング5を入って行くのを可能にするよう、構成される。これにより、気体状冷媒がハウジング5に入って行くことができ、したがって、ハウジング5の内部に配置される検出素子(図示せず)に達することができる。
【0037】
また、図2から分かる通り、気体センサ4は、特にハウジング5は、センサ・ケーシング2に形成される開口部7を通って突出しており、これにより、冷媒受入領域がセンサ・ケーシング2の外側に位置する。一方、ハウジング5の内部に配置される検出素子(図示せず)は、センサ・ケーシング2の内部に配置される。
【0038】
さらに、センサ・ケーシング2内の気体センサ4の位置をより分かりやすく示すために、図2においては、冷媒漏洩検出センサ1を、上下をひっくり返して示す。つまり、センサ・ケーシング2を外部構造要素に取り付けるために用いられる取付面8を、センサ・ケーシング2の上側に示している。なお、一般的には、取付面8は、センサ・ケーシングの下側に配置される。言い換えれば、冷媒漏洩検出センサ1の通常の取り付け状況においては、図3に示す通り、センサは180度回転している。
【0039】
図3は、図2に示す冷媒漏洩検出センサ1の概略断面図である。センサ1の断面図を見ることによって、センサ・ケーシング2における気体センサ4および関連要素の配置が理解されよう。図3に示す通り、センサ・ケーシング2は、センサの標準的な取り付け位置においてはセンサ・ケーシング2の下側部分となる本体16と、蓋部17と、を備える。蓋部17は、本体16に着脱可能に固定される。本体16と蓋部17との合わせ面は、固定方向に対して直交する方向において重なり合っている。図3においては、固定方向は上下方向であり、したがって、本体16と蓋部17との合わせ面は水平面内で重なり合っている。
【0040】
図3に示す冷媒検出センサ1においては、蓋部17の合わせ面は、本体16の合わせ面の外側に配置される。つまり、蓋部17の合わせ面は、本体16の合わせ面を、特に全外周にわたって囲んでいる。
【0041】
気体センサ4の回路基板3は、センサ・ケーシング2の内部に、かつセンサ・ケーシング2の第一壁2aと平行に配置される。図3に示すセンサ1の標準的な取り付け位置においては、第一壁2aは、センサ・ケーシング2の底壁であり、取付面8の側方に配置される。第一壁2aには開口部7が形成される。開口部を通って、気体センサ2のハウジング5が取付面8側へと向かって突出する。
【0042】
さらに、図2および図4に示す通り、センサ・ケーシング2は、センサ・ケーシング2を取付面8に接続する二つの脚部9を有する。言い換えれば、取付面8は、脚部9の端面に配置されている。両端部が開口する通路が二つの脚部9と第一壁2aとの間に形成されるよう、脚部9は配置される。
【0043】
また、図3および図4から分かる通り、センサ・ケーシング2には、特に本体16には、リップ10が、本体16の一部分である第一壁2aの外周の自由端部に配置される。リップ10は、取付面8側へと向かって突出するよう、形成されている。
【0044】
また、図3は、回路基板3が、センサ・ケーシング2内において、第一壁2aと平行に、第一壁2aとは反対側の第三壁2cよりも第一壁2aから離間して配置されている状態を示している。第三壁は、図3において示す標準的な取り付け位置においては最上部壁である。
【0045】
図4は、図3に示す断面図の立体的な概略図である。図4(また図3)から分かる通り、第一壁2aの第一部分は(図4における第一壁2aの左側部分)は、第一壁2aの第二部分(図4における第一壁2aの右側部分)よりも、取付面からよりいっそう離間して配置される。したがって、センサ・ケーシング2の全高は、気体センサ3が配置されるセンサ・ケーシング2の側では低減されている。また、図4に示す通り、第一壁2aの第一部分と第一壁2aの第二部分とは、傾斜面によって接続される。したがって、傾斜面は、第一壁2aの中央に配置されている。
【0046】
また、図2図4に示す冷媒検出センサ1のセンサ・ケーシング2には、貫通孔12が形成されている。貫通孔は、センサ・ケーシング2の第二壁2bに位置する。第二壁は、センサ・ケーシング102の側壁である。絶縁電気ケーブル13をセンサ・ケーシング2内へと通すために、貫通孔12が必要である。図2図5に示す実施形態では、絶縁電気ケーブル13は、センサ・ケーシング2の内部に位置する一方の端部に、ソケット14に挿入可能なプラグ15を有する。ソケットは回路基板3に実装されており、これにより、絶縁電気ケーブル13を回路基板3に接続できる。
【0047】
図5は、冷媒漏洩検出センサ1の絶縁電気ケーブル13を示す、拡大した概略断面図である。図5から分かる通り、センサ・ケーシング2の第二壁2bの貫通孔12は、センサ・ケーシング2の外側に向かって漸減するよう形成されている。また、絶縁電気ケーブル13が貫通孔12を封止状態で通ることは有用である。また、図5は、ソケット14が回路基板3に、第一壁/底壁2aに面する回路基板3の側に、収容される状態を示している。さらに、特に図4に示す通り、貫通孔12を有する第二壁2bは、第一壁(2a)の第一部分よりも第一壁(2a)の第二部分の近くに配置されている。
【0048】
図6は、本発明の他の面にかかる冷媒漏洩検出センサ1の立体的な概略図である。図示の冷媒漏洩検出センサ1は、図6に示すセンサ1がセンサ・ケーシング2を部分的に断熱する断熱部材20を追加的に有することを除いて、基本的に図2図5に関して記載した冷媒漏洩検出センサ1に対応する。
【0049】
断熱部材20には開口部21が形成される。開口部を通って、気体センサ4のハウジング5が部分的に突出する。図示の実施形態においては、ハウジング5を、隙間を空けて特に非封止状態で、センサ・ケーシング2の開口部7を通って突出させながら、ハウジング5は封止状態で開口部21を通って突出することが好ましい。断熱部材20と気体センサ4のハウジング5との間のこのような封止は、圧入によって達成できる。圧入による封止は、断熱部材20がポリエチレン・フォームのような弾性材料で形成される場合に特に利点があるまたは実現が容易である。
【符号の説明】
【0050】
1 冷媒漏洩検出センサ
2 センサ・ケーシング
2a 第一壁(底壁)
2b 第二壁(側壁)
2c 第三壁(最上部壁)
3 回路基板(PCB)
4 気体センサ
5 ハウジング(気体センサのハウジング)
6 冷媒受入領域
7 開口部(センサ・ケーシングにおける開口部)
8 取付面
9 脚部
10 リップ
12 貫通孔(側壁における貫通孔)
13 絶縁電気ケーブル
14 ソケットまたはプラグ
15 プラグまたはソケット
16 本体
17 蓋部
20 断熱部材
21 開口部(断熱部材における開口部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6