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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】ベンゾチアゾール類誘導体及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 277/82 20060101AFI20240409BHJP
   C07D 413/12 20060101ALI20240409BHJP
   C07D 417/12 20060101ALI20240409BHJP
   C07D 513/04 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/428 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 27/12 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 19/06 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20240409BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
C07D277/82 CSP
C07D413/12
C07D417/12
C07D513/04 301
A61K31/428
A61K31/454
A61K31/496
A61K31/5377
A61P43/00 123
A61P43/00 111
A61P29/00
A61P9/00
A61P25/00
A61P3/10
A61P43/00 105
A61P25/18
A61P25/04
A61P25/02
A61P1/04
A61P1/16
A61P13/12
A61P11/00
A61P1/18
A61P19/02
A61P19/08
A61P9/12
A61P9/10
A61P9/04
A61P9/10 101
A61P27/02
A61P27/12
A61P17/00
A61P3/06
A61P19/06
A61P3/04
A61P3/00
A61P25/28
A61P25/08
A61P25/16
A61P25/24
A61P1/02
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022576410
(86)(22)【出願日】2021-06-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-19
(86)【国際出願番号】 CN2021097571
(87)【国際公開番号】W WO2021249234
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】202010511064.3
(32)【優先日】2020-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514166469
【氏名又は名称】沈▲陽▼▲藥▼科大学
(73)【特許権者】
【識別番号】515167311
【氏名又は名称】河北科技大学
【氏名又は名称原語表記】HEBEI UNIVERSITY OF SCIENCE AND TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】No.26 Yuxiang Street, Shijiazhuang, Hebei 050018, China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ 燕芳
(72)【発明者】
【氏名】高 子彬
(72)【発明者】
【氏名】▲韓▼ 雨霏
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲碩▼
(72)【発明者】
【氏名】侯 云雷
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲恵▼▲敏▼
(72)【発明者】
【氏名】徐 思▲聡▼
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ ▲艷▼平
(72)【発明者】
【氏名】秦 ▲銘▼▲澤▼
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼ 勇▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲亞▼▲ジン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲宮▼ 平
【審査官】安田 周史
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-332266(JP,A)
【文献】特表2013-513617(JP,A)
【文献】特表2017-515901(JP,A)
【文献】特表2016-503403(JP,A)
【文献】特表2008-524282(JP,A)
【文献】特開昭49-052829(JP,A)
【文献】Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2014年,Vol.24, No.15,pp.3521-3525
【文献】Bouanane, Abdelhakim; Lochon, Pierre; Neel, Jean,"Thiocyanation of dianilines. I. Experimental results",Bulletin de la Societe Chimique de France,1974年,(3-4, Pt. 2),641-648
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Iで示される化合物又はその立体異性体、薬学的に許容可能な塩又は溶剤和物
【化1】
[式中、
Xは、CH又はNである。
Yは、CH又はNである。
Zは、CH又はNである。
Qは、O又はSである。
、-(CHNR ある。
mは、2~4間の整数である。
及びR は、同じ又は異なり、それぞれ独立にして水素、(C -C )アルキル基及び(C -C )シクロアルキル基から選ばれるか、あるいは、これらと連結する窒素原子とともに
【化2】
を形成し、
、-C(O)NH(CH 又は-C(O)(CH ある
nは、0~4間の整数である。
は、水素、(C-C)アルキル基、(C-C10)シクロアルキル基、(C-C10)アリール基又は5~10員のヘテロアリール基であり、ここで、前記ヘテロアリール基は、N、O又はSから選ばれるヘテロ原子を1~3個含有し、また、前記アリール基又はヘテロアリール基は、1~3個の同じ又は異なるRにより置換されていてもよい。
は、水素、-C(O)(CH、-(CHC(O)OR又は-C(O)NH(CHである。
は、(C-C)アルキル基、(C-C)シクロアルキル基、(C-C10)アリール基又は5~10員のヘテロアリール基であり、前記アリール基又はヘテロアリール基は、1~3個の同じ又は異なるR10により置換されていてもよい。
qは、0~4間の整数である。
、R10は、それぞれ水素;ヒドロキシ基;ハロゲン元素;ニトロ基;アミノ基;シアノ基;アジド基;メルカプト基;(C-C)アルキル基;(C-C)アルコキシ基;任意にヒドロキシ基、アミノ基又はハロゲン元素により置換されている(C-C)アルキル基又は(C-C)アルコキシ基;(C-C)アルキルメルカプト基;アリル基;モノ又はジ(C-Cアルキル基)により置換されているアミノ基;(C-C)アルキルアミド基;遊離、塩形成、エステル化及びアミド化可能なカルボキシ基;(C-C)アルキルスルフィニル基;(C-C)アルキルスルホニル基;(C-C)アルキルアシル基;カルバモイル基;モノ又はジ(C-Cアルキル基)により置換されているカルバモイル基から選ばれる1~3個の同じ又は異なる置換基である。]
【請求項2】
は、(C-C10)シクロアルキル基、フェニル基又は5~10員のヘテロアリール基であり、前記ヘテロアリール基は、N、O又はSから選ばれるヘテロ原子を1~3個含有し、これらの基は、1~3個の同じ又は異なるRにより置換されていてもよい、
請求項1に記載の化合物又はその立体異性体、薬学的に許容可能な塩又は溶剤和物
【請求項3】
Xは、CHであり、
Yは、CHであり、
Zは、CHであり、
Qは、Sであり、
は、(C -C )シクロアルキル基、フェニル基、インドリル基、キノリル基、ピリジル基、ナフチル基、ピリミジル基、フラニル基、チエニル基又はピロリル基であり、これらの基は、1~3個の同じ又は異なるR により置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物又はその立体異性体、薬学的に許容可能な塩又は溶剤和物。
【請求項4】
は、水素であり、
は、フェニル基、ピリジル基又はナフチル基であり、
これらの基は、1~3個の同じ又は異なるR により置換されていてもよい、
請求項3に記載の化合物及びその立体異性体、薬学的に許容可能な塩又は溶剤和物
【請求項5】
下記の化合物又はその立体異性体、薬学的に許容可能な塩又は溶剤和物。
-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-ニトロフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-アセチルフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-アセトアミドフェニル)尿素
N-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-2-(4-クロロフェニル)-N-[2-(4-モルホリニル)エチル]アセトアミド
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-トリフルオロメチルフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(ピリジン-2-イル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(ナフタレン-1-イル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-トリフルオロメトキシフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-エチルフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-イソプロポキシフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-イソプロピルフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル]-3-(4-トリフルオロメチルフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(ピロリジン-1-イル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[3-(4-モルホリニル)プロピル]-3-(4-クロロフェニル)尿素
1-(2-フェニルアセトアミドべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素
1-[2-(2-エトキシホルムアミド)ベンゾ[d]チアゾール-6-イル]-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素
1-{[2-(2-エトキシホルミル)エチルアミン-1-イル]ベンゾ[d]チアゾール-6-イル}-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素
1-(2-アセトアミドべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素
t-ブチル(6-{2-(4-クロロフェニル)-N-[2-(4-モルホリニル)エチル]アセトアミド}ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)ウレタン
1-(2-ベンズアミドべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素
1-(2-フェニルプロパンアミドべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素
1-(2-フェニルアセトアミドべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-トリフルオロメチルフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]オキサゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-メチルフェニル)尿素
1-(2-アセトアミドべンゾ[d]オキサゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-メチルフェニル)尿素
1-(2-フェニルアセトアミドべンゾ[d]オキサゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-メチルフェニル)尿素
1-(2-アミノチアゾロ[5,4-b]ピリジン-5-イル)-3-(4-フルオロフェニル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]尿素
1-[2-(エチルアミノ)チアゾロ[5,4-b]ピリジン-5-イル]-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-フルオロフェニル)尿素
1-{2-[3-(4-クロロフェニル)ウレア]ベンゾ[d]チアゾール-6-イル}-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素
1-(2-アミノチアゾロ[4,5-c]ピリジン-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-トリフルオロメトキシフェニル)尿素
1-(2-シクロプロパンホルムアミドチアゾロ[4,5-c]ピリジン-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-トリフルオロメトキシフェニル)尿素
1-{[2-(2-エトキシホルミル)エチルアミン-1-イル]チアゾロ[4,5-c]ピリジン-6-イル}-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-トリフルオロメトキシフェニル)尿素
1-(2-アミノチアゾロ[5,4-d]ピリミジン-5-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(ピリジン-3-イル)尿素
1-(2-アセトアミドチアゾロ[5,4-d]ピリミジン-5-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(ピリジン-3-イル)尿素
1-(2-フェニルプロパンアミドチアゾロ[5,4-d]ピリミジン-5-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(ピリジン-3-イル)尿素
1-[2-(3-ベンジルウレア)チアゾロ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-ブロモ-3-フルオロフェニル)尿素。
【請求項6】
前記薬学的に許容可能な塩は、酸と形成した塩であり、前記酸は、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、メチルベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、トリフルオロ酢酸又はアスパラギン酸から選ばれる、
請求項1に記載の化合物又はその立体異性体、薬学的に許容可能な塩又は溶剤和物
【請求項7】
請求項1~のいずれか1項に記載の化合物又はその立体異性体、薬学的に許容可能な塩又は溶剤和物と、薬学的に許容可能な担体と、を含有する医薬組成物。
【請求項8】
請求項1~のいずれか1項に記載の化合物又はその立体異性体、薬学的に許容可能な塩又は溶剤和物、又は、請求項に記載の医薬組成物の、sEH誘発疾患を治療及び/又は予防するための薬物の製造への使用。
【請求項9】
前記sEH誘発疾患は、炎症性疾患、心臓血管と脳血管疾患、糖尿病、糖尿病合併症、糖尿病関連疾患、線維性疾患、神経及び精神疾患、疼痛及び潰瘍性疾患を包含することを特徴とする請求項に記載の使用。
【請求項10】
前記の炎症性疾患は、炎症性肝臓疾患、炎症性腎臓疾患、炎症性肺疾患、炎症性脳疾患、膵炎、関節炎、軟組織炎、骨組織炎及び血管性炎症を包含し、前記の心臓血管と脳血管疾患は、高血圧、心筋梗塞、心不全、冠動脈性心疾患、心血管動脈硬化、虚血性脳卒中、出血性脳卒中を包含し、前記の糖尿病は、I型糖尿病、II型糖尿病を包含し、前記の糖尿病合併症は、糖尿病性網膜症、糖尿病関連のブドウ膜炎、糖尿病性白内障、糖尿病性腎症、糖尿病性皮膚疾患、糖尿病性末梢神経病症を包含し、前記の糖尿病関連疾患は、高脂血症、高尿酸血症及び痛風、肥満症、代謝症候群を包含し、前記の線維性疾患は、肺線維症、肝線維症、心筋線維症、腎線維症を包含し、前記の神経及び精神疾患は、アルツハイマー病、癲癇、パーキンソン病、統合失調症、精神障害、うつ病、神経衰弱を包含し、前記の疼痛疾患は、神経因性疼痛、炎症性疼痛、腫瘍疼痛及び混合性疼痛を包含し、前記の潰瘍性疾患は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、角膜潰瘍、口内炎を包含することを特徴とする請求項に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物化学分野に関し、特に一連の新規なベンゾチアゾール類誘導体及びその薬学的に許容可能な塩、溶剤和物又はプロドラック、これらの製造方法、ならびに前記化合物を含有する医薬組成物に関する。本発明は、さらにこのような化合物の、sEH誘発疾患を治療及び/又は予防するための薬物の製造への使用に関し、特に炎症性疾患、心臓血管と脳血管疾患、糖尿病、糖尿病合併症、糖尿病関連疾患、線維性疾患、神経及び精神疾患、疼痛、潰瘍性疾患等を治療する薬物の製造への使用に関する。
【背景技術】
【0002】
エポキシドヒドロラーゼ(epoxide hydrolase,EH)は、哺乳類、昆虫、植物及び微生物などの生命体内に一般的に存在し、自然界に広く分布する酵素類である。現在、酵素の活性、生化学的特徴及び現在の研究結果に応じてエポキシドヒドロラーゼが8種類に分けられている。可溶性エポキシドヒドロラーゼ(soluble epoxide hydrolase,sEH)は、現段階で鋭く研究されるエポキシドヒドロラーゼの1つであり、1973年に初めてGillなどにより類似する昆虫幼若ホルモンテルペノイド類エポキシドの代謝を研究する際に発見され、それが細胞の可溶性成分、例えば細胞質及びペルオキシソーム中に位置することで命名される。近年、大量の研究により、可溶性エポキシドヒドロラーゼは、高血圧、肺疾患、糖尿病、疼痛、炎症及びその他の免疫系疾患等、多くの疾患の潜在的な治療標的であることが明らかにされた。
【0003】
ヒトsEHはEPHX2遺伝子によりエンコードされ、当該遺伝子がヒト第8号染色体のP21-P12領域に位置し、19個の27~265bpのエクソン及び18個のイントロンから構成され、全長が約45kbであり、合計で555個のアミノ酸残基をエンコードする。sEHは、ほぼ全部の器官内で表現され、既に発見されたのは、肝臓、腎臓、肺、心臓、大脳、脾臓、副腎、腸、膀胱、血管内皮、平滑筋、白血球及び卵巣細胞等である。その活性は、肝臓内で最も高く、その次に腎臓内である。sEHは、脂質エポキシドの代謝において重要な役割を果たし、その内因性基質は、エポキシエイコサトリエン酸(epoxyeicosatrienoic acids,EETs)を含み、EETsは、内因性化学媒介物の1種であり、血管拡張、血圧低下、脂質代謝及びインスリン抵抗調節等、複数種の生理学的機能を有することが証明されている(Q. Wang,W. Pang,Z. CuI,American Journal of physiology-Renal physiology,2013,304: 168-176)。研究により、生体内のEETsは、sEHの作用により高速にジヒドロキシエイコサトリエン酸(dihydroxyeicosatrienoc acids,DHETs)に加水分解されて活性を失うことが明らかにされている。従って、どのようにsEHの活性を阻害するかは、肝心な問題となっている。近年、小分子阻害剤又は遺伝子ノックアウト技術によりsEHの活性を低下させることで、EETsの含有量を安定化又は増加できることを明らかにした研究がある。
【0004】
sEHの阻害により得られる薬理学的作用は、細胞内EETsのレベル含有量により判断することができ、sEH阻害剤の研究は、主に血管及び炎症への影響に集中している。EETsは、核内転写因子(NF-κB)を阻害するアクチベーターであり、炎症を患った動物モデル実験において、sEHを阻害すると炎症を改善及び制御することができる。なお、動物炎症モデルにおいて、タバコ煙による気道炎症及びモノクロタリンにより誘導される肺高血圧症も、sEHを阻害することで重症度を軽減することができる。sEH阻害剤も一定の鎮痛作用を有する。脳虚血の動物モデル実験において、sEHの活性を阻害することで虚血性炎症反応を阻害し、対ニューロン遺伝子発現のアポトーシスを刺激し、脳梗塞を低減する効果を有する(A. Cautaux,F. Adam,C. J. Willer,Joint Bone Spine,2005,72: 359-371)。
【0005】
研究により、sEHの触媒部位に1つの肝心なアスパラギン酸残基が存在するので、初期のsEH阻害剤の研究は主にカルボキシ基の修飾試薬に集中している。ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)をアミド結合及びペプチドの合成において常用される試薬として、カルボン酸と反応し、相応するエステルを生成することができる。そこで、DCCがsEHに対して良い阻害活性を有することが意外に発見された。しかし、その後、薬物動態分析によれば、DCCが溶液中で加水分解して相応する尿素を生成し、後者はsEHを阻害する主な活物質であるので、初期のsEH阻害剤がほとんど尿素構造を有する(C. Morisseau,B. D. Hammock,Annual Review of Pharmacology and Toxicology,2005,45: 311-333)。t-AUCBは、カリフォルニア大学及びUCD癌センターが共同で発見したsEH阻害剤であり、研究により、この化合物が複数種の哺乳類及びヒトのsEHに対しても高い阻害活性を有することが明らかにされた。
【0006】
現在、幾つかの活性が際立って治療効果が良い化合物、例えば、AR9281、GSK2256294及びEC5026等は、臨床前及び臨床研究段階にある。EC5026は、カリフォルニア大学のBruce Hammockチームにより開発された尿素類sEH阻害剤であり、この薬物は、現在、Ia期臨床試験が行われており、適応症が神経因性疼痛である。
【化1】
【0007】
本発明の発明者は、参照文献に基づき、一連のベンゾチアゾール類誘導体を設計及び合成し、インビトロsEHキナーゼ阻害活性テストを行った結果、いずれも阻害活性を有することが明らかにされた。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、一般式I化合物又はその立体異性体、薬学的に許容可能な塩、溶剤和物又はそのプロドラックに関する。
【化2】
[式中、
Xは、CH又はNである。
Yは、CH又はNである。
Zは、CH、N又は(1本又は直接)結合である。
Qは、O、S、NH又はNCHである。
は、水素、-(CHNR、-C(O)NH(CH、-C(O)(CH又は-S(O)NH(CHである。
mは、2~4間の整数(例えば、2、3、4)である。
は、水素、-C(O)NH(CH、-C(O)(CH、-S(O)NH(CH又は-(CHNRである。
かつ、R及びRは、同時に水素ではない。
nは、0~4間の整数(例えば、0、1、2、3、4)である。
及びRは、同じ又は異なり、それぞれ独立にして水素、(C-C)アルキル基、(C-C)シクロアルキル基、(C-C)アルキルアシル基、(C-C)アルコキシ基、(C-Cアルケニル基又は(C-C)アルキニル基から選ばれる。
あるいは、R及びRは、これらと連結する窒素原子とともに4~10(例えば、4、5、6、7、8、9又は10)員のヘテロ環基又は5~10(例えば、5、6、7、8、9又は10)員のヘテロアリール基を形成し、前記ヘテロ環基又はヘテロアリール基は、R及びRと連結する窒素原子以外、N、O及び/又はSから選ばれるヘテロ原子を0~4個(例えば、0、1、2、3、4個)含有してもよく、R及びRと連結する窒素原子以外、前記ヘテロ環基は、炭素-炭素二重結合又は炭素-炭素三重結合を0~2個含有してもよく、前記ヘテロ環基又はヘテロアリール基は、1~3個(例えば、1、2、3個)の同じ又は異なるRにより置換されていてもよい。
は、水素、(C-C)アルキル基、(C-C10)シクロアルキル基、(C-C10)アリール基、5~10(例えば、5、6、7、8、9又は10)員のヘテロアリール基であり、ここで、前記ヘテロアリール基は、N、O又はSから選ばれるヘテロ原子を1~3個(例えば、1、2、3個)含有し、また、前記アリール基又はヘテロアリール基は、1~3個(例えば、1、2、3個)の同じ又は異なるRにより置換されていてもよい。
は、水素、-C(O)(CH、-(CHC(O)OR、-C(O)NH(CHである。
は、(C-C)アルキル基、(C-C)シクロアルキル基、(C-C10)アリール基、5~10員(例えば、5、6、7、8、9又は10)ヘテロアリール基であり、前記アリール基又はヘテロアリール基は、1~3個(例えば、1、2、3個)の同じ又は異なるR10により置換されていてもよい。
qは、0~4間の整数(例えば、0、1、2、3、4)である。
、R、R10は、それぞれ水素;ヒドロキシ基;ハロゲン元素;ニトロ基;アミノ基;シアノ基;アジド基;メルカプト基;(C-C)アルキル基;(C-C)アルコキシ基;任意にヒドロキシ基、アミノ基又はハロゲン元素により置換されている(C-C)アルキル基又は(C-C)アルコキシ基;(C-C)アルキルメルカプト基;アリル基;モノ又はジ(C-Cアルキル基)により置換されているアミノ基;(C-C)アルキルアミド基;遊離、塩形成、エステル化及びアミド化可能なカルボキシ基;(C-C)アルキルスルフィニル基;(C-C)アルキルスルホニル基;(C-C)アルキルアシル基;カルバモイル基;モノ又はジ(C-Cアルキル基)により置換されているカルバモイル基から選ばれる1~3個(例えば、1、2、3個)の同じ又は異なる置換基である。]
【0009】
本発明は、好ましくは一般式I化合物及びその立体異性体、薬学的に許容可能な塩、溶剤和物又はそのプロドラックに関する。
上記式において、Zは、CHである。
は、水素、-(CHNRである。
は、水素、-C(O)NH(CH、-C(O)(CHである。
かつ、R及びRは、同時に水素ではない。
及びRは、同じ又は異なり、それぞれ独立にして水素、(C-C)アルキル基、(C-C)シクロアルキル基、(C-C)アルキルアシル基、(C-C)アルコキシ基、(C-C)アルケニル基、(C-C)アルキニル基から選ばれる。
あるいは、R及びRは、これらと連結する窒素原子とともに4~10員のヘテロ環基を形成し、前記ヘテロ環基は、R及びRと連結する窒素原子以外、N、O及び/又はSから選ばれるヘテロ原子を1~4個含有してもよく、1~3個の同じ又は異なるRにより置換されていてもよい。
【0010】
本発明は、より好ましくは一般式I化合物及びその立体異性体、薬学的に許容可能な塩、溶剤和物又はそのプロドラックに関する。
上記式において、
は、(C-C10)シクロアルキル基、フェニル基、5~10員のヘテロアリール基であり、前記ヘテロアリール基は、N、O又はSから選ばれるヘテロ原子を1~3個含有し、より好ましくは(C-C)シクロアルキル基、フェニル基、インドリル基、キノリル基、ピリジル基、ピリミジル基、フラニル基、チエニル基、ピロリル基であり、前記アリール基又はヘテロアリール基は、1~3個の同じ又は異なるRにより置換されていてもよい。
【0011】
本発明は、さらに好ましくは、一般式I化合物及びその立体異性体、薬学的に許容可能な塩、溶剤和物又はそのプロドラックに関する。
上記式において、Rは、水素、-(CHNRである。
及びRは、同じ又は異なり、それぞれ独立にして水素、(C-C)アルキル基、(C-C)シクロアルキル基から選ばれるか、あるいはこれらと連結する窒素原子とともに
【化3】
を形成する。
は、水素、-C(O)NH(CH、-C(O)(CHである。
【0012】
本発明は、特に好ましくは一般式I化合物及びその立体異性体、薬学的に許容可能な塩、溶剤和物又はそのプロドラックに関する。
上記式において、Rは、フェニル基であり、前記フェニル基は、1~3個の同じ又は異なるR10により置換されていてもよい。
【0013】
本発明は、特に好ましくは、以下の一般式I化合物及びその立体異性体、薬学的に許容可能な塩、溶剤和物又はそのプロドラックに関する。
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-3-(4-クロロフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-3-フェニル尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-3-[(3s,5s,7s)-アダマンタン-1-イル]尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-3-(4-クロロベンジル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-3-シクロヘキシル尿素
1,1’-(ベンゾ[d]チアゾール-2,6-ジイル)ビス[3-(4-クロロフェニル)尿素]
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-ニトロフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-アセチルフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-アセトアミドフェニル)尿素
N-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-2-(4-クロロフェニル)-N-[2-(4-モルホリニル)エチル]アセトアミド
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-トリフルオロメチルフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(ピリジン-2-イル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(ナフタレン-1-イル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-トリフルオロメトキシフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-エチルフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-イソプロポキシフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-イソプロピルフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル]-3-(4-トリフルオロメチルフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(ピロリジン-1-イル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[3-(4-モルホリニル)プロピル]-3-(4-クロロフェニル)尿素
1-(2-フェニルアセトアミドべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素
1-[2-(2-エトキシホルムアミド)ベンゾ[d]チアゾール-6-イル]-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素
1-{[2-(2-エトキシホルミル)エチルアミン-1-イル]ベンゾ[d]チアゾール-6-イル}-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素
1-(2-アセトアミドべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素
t-ブチル(6-{2-(4-クロロフェニル)-N-[2-(4-モルホリニル)エチル]アセトアミド}ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)ウレタン
1-(2-ベンズアミドべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素
1-(2-フェニルプロパンアミドべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素
1-(2-フェニルアセトアミドべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-トリフルオロメチルフェニル)尿素
1-(2-アミノべンゾ[d]オキサゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-メチルフェニル)尿素
1-(2-アセトアミドべンゾ[d]オキサゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-メチルフェニル)尿素
1-(2-フェニルアセトアミドべンゾ[d]オキサゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-メチルフェニル)尿素
1-(2-アミノチアゾロ[5,4-b]ピリジン-5-イル)-3-(4-フルオロフェニル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]尿素
1-[2-(エチルアミノ)チアゾロ[5,4-b]ピリジン-5-イル]-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-フルオロフェニル)尿素
1-{2-[3-(4-クロロフェニル)ウレア]ベンゾ[d]チアゾール-6-イル}-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素
1-(2-アミノチアゾロ[4,5-c]ピリジン-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-トリフルオロメトキシフェニル)尿素
1-(2-シクロプロパンホルムアミドチアゾロ[4,5-c]ピリジン-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-トリフルオロメトキシフェニル)尿素
1-{[2-(2-エトキシホルミル)エチルアミン-1-イル]チアゾロ[4,5-c]ピリジン-6-イル}-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-トリフルオロメトキシフェニル)尿素
1-(2-アミノチアゾロ[5,4-d]ピリミジン-5-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(ピリジン-3-イル)尿素
1-(2-アセトアミドチアゾロ[5,4-d]ピリミジン-5-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(ピリジン-3-イル)尿素
1-(2-フェニルプロパンアミドチアゾロ[5,4-d]ピリミジン-5-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(ピリジン-3-イル)尿素
1-[2-(3-ベンジルウレア)チアゾロ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-ブロモ-3-フルオロフェニル)尿素
【0014】
本発明の所属する分野の幾つかの一般的な方法によれば、本発明の一般式I化合物は、酸とその薬学的に許容可能な塩を形成することができる。好ましい酸は、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、メチルベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、トリフルオロ酢酸およびアスパラギン酸である。
【0015】
本発明は、本発明の誘導体のプロドラックをさらに含む。本発明の誘導体のプロドラックは、一般式(I)の誘導体であり、これら自体は弱い活性を有するか、ひいては活性がないが、投与後、生理条件下で(例えば、代謝、加溶剤分解又は別の方式によって)相応する生物活性形態に転化される。
【0016】
別途説明がない限り、本発明で使用される用語「ハロゲン元素」とは、フッ素化、塩素化又はブロモ化を指す。「アルキル基」とは、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基を指す。「シクロアルキル基」とは、置換もしくは無置換のシクロアルキル基を指す。「アルコキシ基」とは、直鎖もしくは分岐鎖状のアルコキシ基を指す。「アルケニル基」とは、直鎖もしくは分岐鎖状のアルケニル基を指す。「アルキニル基」とは、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキニル基を指す。「アリール基」とは、置換もしくは無置換のアリール基を指す。「ヘテロアリール基」とは、N、O、Sから選ばれるヘテロ原子を1個又は複数個含有する単環又は多環の環状系を指し、環状系は、芳香族性であリ、例えば、アリール基又はヘテロアリール基は、イミダゾリル基、ピリジル基、ピラゾリル基、フラニル基、チエニル基、ピロリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾール基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ナフチル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基等である。
【0017】
本発明は、活性成分として一般式I化合物及びこれらの薬学的に許容可能な塩及び/又は溶剤和物と、薬学的に許容可能な担体と、を含む医薬組成物をさらに含む。本発明の化合物は、アレルギー反応のような不利な作用が発生しない限り、他の活性成分と組み合わせて使用してもよい。
【0018】
本発明の医薬組成物に用いられる担体は、薬学分野において得られる通常のタイプであり、経口投与剤用に利用可能な粘着剤、滑剤、崩壊剤、共溶剤、希釈剤、安定化剤、懸濁剤、色素、矯味剤等を含み、注射製剤用に利用可能なpH調整剤、浸透圧調整剤、可溶化剤、安定化剤等を含み、局所製剤用に利用可能なマトリックス、希釈剤、滑剤、腐食防止剤等を含む。薬物製剤は、経口投与、非経口投与(例えば、静脈内、皮下、腹腔内等)又は局所投与(例えば、眼、鼻腔、舌下、皮膚等)により投与されてもよく、もし幾つかの薬物が胃内条件下で不安定であれば、それを腸溶コーティング錠に作製することができる。
【0019】
インビトロ及びインビボ阻害活性テストにより、本発明における化合物は、sEHに対して顕著な阻害活性を有し、体内EETsのレベルを安定化させることが明らかにされている。薬力学研究結果により、本発明における化合物は、カラギーナン誘発足浮腫と疼痛、及びリポ多糖誘発炎症因子の放出を阻害し、外傷性脳損傷を保護し、血糖値の定常状態を維持し、糖尿病性網膜症を改善し、組織線維症を抵抗し、うつ病を緩和することができるなどの作用を有するので、sEH誘発炎症性疾患、心臓血管と脳血管疾患、糖尿病及び合併症、線維性疾患、神経及び精神疾患、疼痛、潰瘍性疾患等を治療することができると明らかにされている。
【0020】
sEHにより誘発される病症の治療に必要な本発明の化合物の精確量は、被治療者に応じて異なり、被治療者の種類、年齢及び一般的な条件、治療される疾患の重症度、使用される特定の化合物及び投与のルート及び頻度などの投与方式などに依存する。当業者であれば、一般的な実験方法だけで適切な有効量を特定することができる。
【0021】
化合物の投与量は、約0.1~100mg/kg体重/日であってもよく、好ましくは1~50mg/kg体重/日である。用量は、患者のニーズ、治療される高血圧疾患、心血管疾患、炎症性疾患及び糖尿病関連疾患の重症度、及び使用される特定の化合物に応じて異なってもよいことが理解され得る。また、投与される最初の用量は、上限を超えるように多くしてもよく、その目的は所望の血液レベルに高速に達させることにあり、あるいは、最初の用量は、最適値より小さくし、毎日の用量を治療期間に従って徐々に増加することができ、これは具体的な情況に依存することが理解され得る。必要があれば、毎日の用量も、複数回用量として投与されてもよく、例えば、毎日2~4回である。
【0022】
哺乳類とは、ヒト又は動物を表す。
【0023】
活性成分とは、つまり、本発明の化合物の、医薬組成物及びその単位剤形における量は、互いに異なっていてもよく、これは特定の適用、特定化合物の効力及び所望の濃度に依存する。一般的に、活性成分の含有量は、組成物総重量で0.5%~90%間である。
【0024】
併用療法において、本発明の化合物及び他の化合物は、同時又は間隔で投与されてもよく、同時投与される際に、本発明の化合物及び他の化合物は、単一の医薬組成物内または別々の組成物内に結合されてもよい。
【0025】
以下に提供する実施例及び製造例は、本発明の化合物及びその製造方法をさらに明らかにし、例を挙げて説明する。本発明の範囲は、以下の実施例及び製造例の範囲により何らの方式で制限されるべきではないと理解され得る。
【0026】
以下の合成ルートにおいて、本発明の一般式Iの誘導体の製造が記載されており、全ての原料もこれらの合成ルートにおいて記載されている方法、有機化学分野の一般的な技術者によく知られている方法によって製造されるか、市販から入手できるものである。本発明の全ての最終化合物もこれらの合成ルートにおいて記載されている方法、又は類似する方法により製造され、これらの方法は有機化学分野の一般的な技術者によく知られているものである。これらの合成ルートにおいて適用される全ての可変因子は、以下の定義の通り、又は特許請求の範囲における定義の通りである。
【0027】
本発明の一般式I化合物によれば、ルート1~ルート6において、下記の化合物を例とし、置換基R、R、R、X、Y、Z等の定義が特許請求の範囲における定義と同じである。
【0028】
ルート1において、DMAPをアルカリとして、2-アミノ-6-ニトロベンゾチアゾールを出発原料としてBoc無水物とBoc保護反応させて中間体Bを得、次いで、水和ヒドラジン活性炭の条件下で還元反応させて中間体Cを得、次いで、クロロギ酸フェニルと置換反応させて中間体Dを得、次いで、Rにより置換されているアミンと求核置換反応させて中間体Eを得、次いで、トリフルオロ酢酸と脱Boc保護反応させて一般式I化合物I-iを生成する。
【化4】
【0029】
ルート2において、炭酸カリウムをアルカリとした条件下で、中間体Cを、Rにより置換されている塩化物と求核置換反応させて中間体Fを得、次いで、Rにより置換されているクロロギ酸フェニルGと求核置換反応させて中間体Hを得、次いで、トリフルオロ酢酸の条件下で脱Boc保護反応させて一般式I化合物I-iiを生成する。
【化5】
【0030】
ルート3において、トリエチルアミンを酸結合剤とした条件下で、化合物I-iiを、Rにより置換されている塩化物と反応させて、一般式I化合物I-iiiを製造するか、あるいは、DIPEAをアルカリとした条件下で、Rにより置換されているクロロギ酸フェニルと尿素形成して一般式I化合物I-ivを製造する。
【化6】
【0031】
ルート4において、2-アミノ-5-ニトロフェノール(J)を出発原料として、トリフルオロボランエチルエーテル溶液と管密封反応させて中間体Kを得、次いで、水素ガスパラジウムカーボン条件下で還元反応させて中間体Lを得、炭酸カリウムをアルカリとした条件下で、中間体Lを、Rにより置換されている塩化物と求核置換反応させて中間体Mを得、次いで、Rにより置換されているクロロギ酸フェニルGと求核置換反応させて化合物I-vを製造し、トリエチルアミンを酸結合剤とした条件下で、化合物I-vを、Rにより置換されている塩化物と反応させて、一般式I化合物I-viを製造するか、あるいは、DIPEAをアルカリとした条件下で、Rにより置換されているクロロギ酸フェニルと尿素形成して一般式I化合物I-viiを得る。
【化7】
【0032】
ルート5において、2-クロロ-5-アミノピリジン(N)を出発原料として、チオシアン酸カリウム及び臭素と反応させて中間体Oを得、水酸化ナトリウムをアルカリとして中間体Oを求核置換反応させて中間体Pを得、次いで、Rにより置換されているクロロギ酸フェニルGと求核置換反応させて化合物I-viiiを製造し、トリエチルアミンを酸結合剤とした条件下で、化合物I-viiiを、Rにより置換されている塩化物と反応させて、一般式I化合物I-ixを製造するか、あるいは、DIPEAをアルカリとした条件下で、Rにより置換されているクロロギ酸フェニルと尿素形成して一般式I化合物I-xを製造する。
【化8】
【0033】
ルート6において、4,6-ジクロロピリジン-3-アミン、2,4-ジクロロピリミジル-5-アミンまたは3,5-ジクロロピリジン-2-アミン(Q)を出発原料として、イソチオシアン酸フェニルと置換反応させて中間体Rを得、ナトリウムメトキシドをアルカリとした条件下で中間体Rを反応させて中間体Sを得、中間体Sを、70%硫酸溶液中で反応させて中間体Tを得、中間体Tを、Rにより置換されている第1級アミンとBuchward-Hartwig反応させて中間体Uを得、次いで、中間体Uを、Rにより置換されているクロロギ酸フェニルGと求核置換反応させて化合物I-xiを製造し、トリエチルアミンを酸結合剤とした条件下で、化合物I-xiを、Rにより置換されている塩化物と反応させて、一般式I化合物I-xiiを製造する。
【化9】
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、実施例16の化合物の体内のEETsレベル維持作用の結果である。 #:Sham群と比較して、p<0.05である。*:UUO群と比較して、p<0.05である。
図2図2は、実施例16の化合物の抗腎線維症作用の結果である。 #:Sham群と比較して、p<0.05である。*:UUO群と比較して、p<0.05である。
図3図3は、実施例12、18、27、40化合物の抗炎症作用の結果である。 *:モデル群と比較して、p<0.05である。
図4図4は、実施例12の化合物の血糖降下作用の結果である。 *:モデル群と比較して、p<0.05である。
図5図5は、実施例40の化合物が網膜毛細血管完全性及び透過性を改善する結果である。 *:モデル群と比較して、p<0.05である。
図6図6は、実施例12、40の化合物の鎮痛作用の結果である。 *:モデル群と比較して、p<0.05である。
図7図7は、実施例12、40の化合物の抗うつ病作用の結果である。 *:ブランク溶剤群と比較して、p<0.05である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下の実施例では、一部の前記化合物を製造する方法が記載されている。以下の方法及び当業者に知られているその他の方法はいずれも本発明に記載の全ての化合物の製造に適用可能であると理解され得る。実施例は、本発明の範囲を制限するためではなく、説明するためのものである。化合物の核磁気共鳴水素スペクトルを、Bruker ARX-400又はBruker ARX-600により測定し、質量スペクトルをAgilent 1100 LC/MSDにより測定し、使用される試薬がいずれも分析的に純粋な試薬又は化学的に純粋な試薬である。
【実施例
【0036】
[実施例1 1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-3-(4-クロロフェニル)尿素の製造]
1.1 (6-ニトロベンゾ[d]チアゾール-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(B)の合成
2-アミノ-6-ニトロベンゾチアゾール(A)(上海畢得医薬科技有限公司から購入)10g(51.2mmol)及び4-ジメチルアミノピリジン(北京偶合科技有限公司から購入)3.2g(26.2mmol)のDMF(100mL)溶液中にジ-tert-ブチルジカーボネート16.8g(上海畢得医薬科技有限公司から購入)(77.0mmol)を添加して、得られた溶液を90℃下で18h撹拌した。得られた混合物を、撹拌した氷水(500mL)に入れて、その後、黄色固体をろ過して減圧で乾燥した。粗製物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して中間体B 15.3gを得た。収率が85%であった。MS(ESI)m/z:296.3[M+H]
【0037】
1.2 (6-アミノべンゾ[d]チアゾール-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(C)の合成
中間体B 12.0g(40.5mmol)を1,4-ジオキサン(120mL)中に溶解させ、溶液中にそれぞれFeCl O(瀋陽愛科同晟化学試薬有限公司から購入)1.0g(6.2mmol)と、活性炭(瀋陽愛科同晟化学試薬有限公司から購入)0.15g(12.5mmol)と、80%ヒドラジン水和物(瀋陽愛科同晟化学試薬有限公司から購入)(35mL)とを添加した。当該混合溶液を90℃に昇温して12hで加熱した。混合溶液を珪藻土でろ過し、1,4-ジオキサン(100mL)でろ過ケーキを洗浄し、その後、ろ液を真空濃縮して中間体C 9.3gを得た。収率が73.3%であった。 MS(ESI)m/z:266.2[M+H]
【0038】
1.3 t-ブチルフェニルベンゾ[d]チアゾール-2,6-ジウレタン(D)の合成
中間体C 10g(37.7mmol)をアセトン(100mL)中に溶解させ、撹拌しながら溶液中にクロロギ酸フェニル(上海畢得医薬科技有限公司から購入)9.0g(57.7mmol)を滴下した。滴下終了後、反応液を室温条件下で2h撹拌した。反応混合液を吸引ろ過して中間体D 9.4gを得た。収率が83.6%であった。MS(ESI)m/z:386.1[M+H]
【0039】
1.4 (6-(3-(4-クロロフェニル)ウレア)ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(E)の合成
中間体D 0.5g(1.3mmol)を1,4-ジオキサン(5mL)中に溶解させ、溶液中に4-クロロベンゼンアミン(北京偶合科技有限公司から購入)0.15g(1.5mmol)及びトリエチルアミン(瀋陽愛科同晟化学試薬有限公司から購入)0.13g(1.3mmol)を添加した。混合物を60℃に昇温して3h撹拌した。反応液を吸引ろ過し、ろ過ケーキをエチルエーテルで洗浄し、乾燥して中間体E 0.3gを得た。収率が86.1%であった。
【0040】
1.5 1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-3-(4-クロロフェニル)尿素(I)の製造
中間体E (0.3g)をジクロロメタン(3mL)中に溶解させて、溶液中にトリフルオロ酢酸(瀋陽薬科大学試薬ステーションから購入)(3mL)を添加した。室温下で一晩撹拌し、混合液を減圧濃縮して水(5mL)を添加し、飽和重炭酸ナトリウム溶液でpH8となるまで調節し、吸引ろ過し、ろ過ケーキをさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して中間体I 0.15gを得た。収率が77%であった。
【0041】
[実施例2 1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)尿素]
シアン酸ナトリウム(上海畢得医薬科技有限公司から購入)を原料として、実施例1における1.4の合成方法に従って、肝心な中間体Eを合成し、さらに、実施例1における1.5の合成方法に従って1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)尿素を合成した。収率が65%であった。
【0042】
[実施例3 1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-3-フェニル尿素]
アニリン(北京偶合科技有限公司から購入)を原料として、実施例1における1.4の合成方法に従って肝心な中間体Eを合成し、さらに実施例1における1.5の合成方法に従って1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-3-フェニル尿素を合成した。収率が70%であった。
【0043】
[実施例4 1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-3-[(3s,5s,7s)-アダマンタン-1-イル]尿素]
アダマンタンアミン(上海畢得医薬科技有限公司から購入)を原料として、実施例1における1.4の合成方法に従って肝心な中間体Eを合成し、さらに実施例1における1.5の合成方法に従って1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-3-[(3s,5s,7s)-アダマンタン-1-イル]尿素を合成した。収率が68%であった。
【0044】
[実施例5 1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-3-(4-クロロベンジル)尿素]
4-クロロベンジルアミン(上海畢得医薬科技有限公司から購入)を原料として、実施例1における1.4の合成方法に従って肝心な中間体Eを合成し、さらに実施例1における1.5の合成方法に従って1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-3-(4-クロロベンジル)尿素を合成した。収率が54%であった。
【0045】
[実施例6 1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-3-シクロヘキシル尿素]
シクロヘキシルアミン(北京偶合科技有限公司から購入)を原料として、実施例1における1.4の合成方法に従って肝心な中間体Eを合成し、さらに実施例1における1.5の合成方法に従って1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-3-シクロヘキシル尿素を合成した。収率が89%であった。
【0046】
[実施例7 1,1’-(ベンゾ[d]チアゾール-2,6-ジイル)ビス[3-(4-クロロフェニル)尿素]]
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-3-(4-クロロフェニル)尿素0.2g(0.4mmol)を1,4-ジオキサン(3mL)中に溶解させ、DIPEA(上海畢得医薬科技有限公司から購入)0.1g(0.7mmol)を添加し、室温下で溶液中にフェニル(4-クロロフェニル)ウレタン0.1g(0.4mmol)を添加し、室温で一晩撹拌した。反応終了後、水(10mL)を添加し、固体を析出させ、吸引ろ過し、ろ過ケーキを洗浄、乾燥し、カラムクロマトグラフィーで精製して白色固体0.08gを得た。収率が76%であった。
【0047】
[実施例8 1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-ニトロフェニル)尿素]
8.1 (6-{[2-(4-モルホリニル)エチル]アミノ}ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(F)の合成
中間体C 2.0g(7.5mmol)を1.4-ジオキサン(20mL)中に溶解させ、溶液中に炭酸カリウム(瀋陽愛科同晟化学試薬有限公司から購入)3.1g(22.4mmol)及び4-(2-クロロエチル)モルホリン(上海畢得医薬科技有限公司から購入)1.2g(11.2mmol)を添加し、反応液を還流条件となるまで昇温して撹拌しながら8h反応した。反応を室温まで冷却した後、その中に水(80mL)を添加し、酢酸エチル(2×80mL)で抽出し、有機層を合併し、有機層を塩水で洗浄、乾燥し、減圧濃縮して乾燥して中間体F 1.5gを得た。収率が60%であった。
【0048】
8.2 N-(4-クロロフェニル)カルバミン酸フェニル(G)の合成
室温下で、4-クロロアニリン(北京偶合科技有限公司から購入)1.4g(11.2mmol)及び炭酸ナトリウム(瀋陽愛科同晟化学試薬有限公司から購入)0.7g(6.7mmol)を酢酸エチル-テトラヒドロフラン-水(3:1:1=10mL)の混合溶液中に添加し、氷浴下で、クロロギ酸フェニル(上海畢得医薬科技有限公司から購入)1.9g(12.3mmol)の酢酸エチル(3mL)溶液を滴下し、滴下終了後、室温で2h反応させた。反応終了後、反応液を減圧濃縮し、残存物中に水(10mL)を添加し、1M塩酸溶液でpH5となるまで調節し、吸引ろ過し、ろ過ケーキを水(10mL)で洗浄し、乾燥後に白色固体2.5gを得、収率が91%であった。
【0049】
8.3 (6-{3-(4-クロロフェニル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]ウレア}ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)カルバミン酸tert-ブチル(H)の合成
室温下で、中間体F 0.5g(0.6mmol)及び中間体G 0.4g(0.7mmol)を、1,4-ジオキサン(4mL)中に添加し、反応液中にDIPEA(上海畢得医薬科技有限公司から購入)0.3g(2.3mmol)を滴下し、滴下終了後、60℃に昇温して3h反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、溶剤を減圧濃縮して、残存物中に水(10mL)を添加し、2.5% NaOH溶液でpH10となるまで調節し、吸引ろ過し、乾燥して粗製物を得た。粗製物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製した後に白色固体0.35gを得、収率が62%であった。
【0050】
8.4 1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-3-(4-クロロフェニル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]尿素(I)の製造
中間体H 0.3g(0.6mmol)をジクロロメタン(3mL)中に溶解させ、溶液中にトリフルオロ酢酸(瀋陽薬科大学試薬ステーションから購入)(3mL)を添加した。室温下で一晩撹拌し、混合液を減圧濃縮して水(3mL)を添加し、その後、飽和重炭酸ナトリウム溶液でpH8となるまで調節し、吸引ろ過し、ろ過ケーキをさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して黄色固体0.15gを得た。収率が80%であった。
【0051】
[実施例9 1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-アセチルフェニル)尿素]
4-アセチルアニリン(北京偶合科技有限公司から購入)を原料として、実施例8における8.2の合成方法に従って肝心な中間体Gを合成し、さらに実施例8における8.3の合成方法に従って中間体Hを合成し、さらに実施例8における8.4の合成方法に従って1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-アセチルフェニル)尿素を合成した。収率が54%であった。
【0052】
[実施例10 1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-アセトアミドフェニル)尿素]
4-アセトアミドアニリン(北京偶合科技有限公司から購入)を原料として、実施例8における8.2の合成方法に従って肝心な中間体Gを合成し、さらに実施例8における8.3の合成方法に従って中間体Hを合成し、さらに実施例8における8.4の合成方法に従って1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-アセトアミドフェニル)尿素を合成した。収率が69%であった。
【0053】
[実施例11 N-(4-{3-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-3-[2-(4-モルホリニル)エチル]ウレア}フェニル)アセトアミド]
4-クロロフェニル酢酸(北京偶合科技有限公司から購入)を原料として、実施例8における8.2の合成方法に従って肝心な中間体Gを合成し、さらに実施例8における8.3の合成方法に従って中間体Hを合成し、さらに実施例8における8.4の合成方法に従ってN-(4-{3-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-3-[2-(4-モルホリニル)エチル]ウレア}フェニル)アセトアミドを合成した。収率が72%であった。
【0054】
[実施例12 1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素]
4-クロロアニリン(北京偶合科技有限公司から購入)を原料として、実施例8における8.2の合成方法に従って肝心な中間体Gを合成し、さらに実施例8における8.3の合成方法に従って中間体Hを合成し、さらに実施例8における8.4の合成方法に従って1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素を合成した。収率が57%であった。
【0055】
[実施例13 1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-トリフルオロメチルフェニル)尿素]
4-トリフルオロメチルアニリン(北京偶合科技有限公司から購入)を原料として、実施例8における8.2の合成方法に従って肝心な中間体Gを合成し、さらに実施例8における8.3の合成方法に従って中間体Hを合成し、さらに実施例8における8.4の合成方法に従って1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-トリフルオロメチルフェニル)尿素を合成した。収率が43%であった。
【0056】
[実施例14 1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(ピリジン-2-イル)尿素]
2-アミノピリジン(北京偶合科技有限公司から購入)を原料として、実施例8における8.2の合成方法に従って肝心な中間体Gを合成し、さらに実施例8における8.3の合成方法に従って中間体Hを合成し、さらに実施例8における8.4の合成方法に従って1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(ピリジン-2-イル)尿素を合成した。収率が38%であった。
【0057】
[実施例15 1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(ナフタレン-1-イル)尿素]
2-ナフチルアミン(北京偶合科技有限公司から購入)を原料として、実施例8における8.2の合成方法に従って肝心な中間体Gを合成し、さらに実施例8における8.3の合成方法に従って中間体Hを合成し、さらに実施例8における8.4の合成方法に従って1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(ナフタレン-1-イル)尿素を合成した。収率が59%であった。
【0058】
[実施例16 1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)尿素]
3-ブロモ-4-フルオロアニリン(北京偶合科技有限公司から購入)を原料として、実施例8における8.2の合成方法に従って肝心な中間体Gを合成し、さらに実施例8における8.3の合成方法に従って中間体Hを合成し、さらに実施例8における8.4の合成方法に従って1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(3-ブロモ-4-フルオロフェニル)尿素を合成した。収率が75%であった。
【0059】
[実施例17 1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-トリフルオロメトキシフェニル)尿素]
4-トリフルオロメトキシアニリン(北京偶合科技有限公司から購入)を原料として、実施例8における8.2の合成方法に従って肝心な中間体Gを合成し、さらに実施例8における8.3の合成方法に従って中間体Hを合成し、さらに実施例8における8.4の合成方法に従って1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-トリフルオロメトキシフェニル)尿素を合成した。収率が52%であった。
【0060】
[実施例18 1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-エチルフェニル)尿素]
p-エチルアニリン(北京偶合科技有限公司から購入)を原料として、実施例8における8.2の合成方法に従って肝心な中間体Gを合成し、さらに実施例8における8.3の合成方法に従って中間体Hを合成し、さらに実施例8における8.4の合成方法に従って1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-エチルフェニル)尿素を合成した。収率が85%であった。
【0061】
[実施例19 1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-イソプロポキシフェニル)尿素]
4-イソプロポキシアニリン(北京偶合科技有限公司から購入)を原料として、実施例8における8.2の合成方法に従って肝心な中間体Gを合成し、さらに実施例8における8.3の合成方法に従って中間体Hを合成し、さらに実施例8における8.4の合成方法に従って1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-イソプロポキシフェニル)尿素を合成した。収率が91%であった。
【0062】
[実施例20 1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-イソプロピルフェニル)尿素]
4-イソプロピルアニリン(北京偶合科技有限公司から購入)を原料として、実施例8における8.2の合成方法に従って肝心な中間体Gを合成し、さらに実施例8における8.3の合成方法に従って中間体Hを合成し、さらに実施例8における8.4の合成方法に従って1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-イソプロピルフェニル)尿素を合成した。収率が78%であった。
【0063】
[実施例21 1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素]
2-クロロ-N,N-ジメチルエチル-1-アミン(上海畢得医薬科技有限公司から購入)を原料として、実施例8における8.1の合成方法に従って肝心な中間体Fを合成し、さらに4-クロロベンゼンアミンを原料として、実施例8における8.2の合成方法に従って中間体Gを合成し、さらに実施例8における8.4の合成方法に従って1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素を合成した。収率が54%であった。
【0064】
[実施例22 1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素]
1-(2-クロロエチル)-4-メチルピペリジン(上海畢得医薬科技有限公司から購入)を原料として、実施例8における8.1の合成方法に従って肝心な中間体Fを合成し、さらに4-クロロベンゼンアミンを原料として、実施例8における8.2の合成方法に従って中間体Gを合成し、さらに実施例8における8.4の合成方法に従って1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素を合成した。収率が65%であった。
【0065】
[実施例23 1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル]-3-(4-トリフルオロメチルフェニル)尿素]
1-(2-クロロエチル)-4-メチルピペラジン(上海畢得医薬科技有限公司から購入)を原料として、実施例8における8.1の合成方法に従って肝心な中間体Fを合成し、さらに4-クロロベンゼンアミンを原料として、実施例8における8.2の合成方法に従って中間体Gを合成し、さらに実施例8における8.4の合成方法に従って1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル]-3-(4-トリフルオロメチルフェニル)尿素を合成した。収率が43%であった。
【0066】
[実施例24 1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(ピロリジン-1-イル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素]
1-(2-クロロエチル)ピロリジン(上海畢得医薬科技有限公司から購入)を原料として、実施例8における8.1の合成方法に従って肝心な中間体Fを合成し、さらに4-クロロベンゼンアミンを原料として、実施例8における8.2の合成方法に従って中間体Gを合成し、さらに実施例8における8.4の合成方法に従って1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(ピロリジン-1-イル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素を合成した。収率が51%であった。
【0067】
[実施例25 1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素]
2-クロロ-N,N-ジメチルエチル-1-アミン(上海畢得医薬科技有限公司から購入)を原料として、実施例8における8.1の合成方法に従って肝心な中間体Fを合成し、さらに4-クロロベンゼンアミンを原料として、実施例8における8.2の合成方法に従って中間体Gを合成し、さらに実施例8における8.4の合成方法に従って11-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素を合成した。収率が68%であった。
【0068】
[実施例26 1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[3-(4-モルホリニル)プロピル]-3-(4-クロロフェニル)尿素]
4-(3-クロロプロピル)モルホリン(上海畢得医薬科技有限公司から購入)を原料として、実施例8における8.1の合成方法に従って肝心な中間体Fを合成し、さらに4-クロロベンゼンアミンを原料として、実施例8における8.2の合成方法に従って中間体Gを合成し、さらに実施例8における8.4の合成方法に従って1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[3-(4-モルホリニル)プロピル]-3-(4-クロロフェニル)尿素を合成した。収率が76%であった。
【0069】
[実施例27 1-(2-フェニルアセトアミドべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素]
1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-3-(4-クロロフェニル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]尿素0.2g(0.4mmol)を酢酸エチル(3mL)中に溶解させ、炭酸カリウム(瀋陽愛科同晟化学試薬有限公司から購入)0.1g(0.7mmol)を添加し、室温下で溶液中にフェニル酢酸0.1g(0.4mmol)を滴下し、室温で一晩撹拌した。反応終了後、水(5mL)を添加し、酢酸エチル(2×10mL)で抽出し、有機層を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製して白色固体0.08gを得た。収率が76%であった。
【0070】
[実施例28 1-[2-(2-エトキシホルムアミド)ベンゾ[d]チアゾール-6-イル]-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素]
ギ酸エチル(北京偶合科技有限公司から購入)を原料として、実施例27における合成方法に従って1-[2-(2-エトキシホルムアミド)ベンゾ[d]チアゾール-6-イル]-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素を製造した。収率が45%であった。
【0071】
[実施例29 1-{[2-(2-エトキシホルミル)エチルアミン-1-イル]ベンゾ[d]チアゾール-6-イル}-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素]
ブロモ酢酸エチル(上海畢得医薬科技有限公司から購入)を原料として、実施例27における合成方法に従って1-[2-(2-エトキシホルミル)エチルアミン-1-イル]ベンゾ[d]チアゾール-6-イル]-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素を製造した。収率が32%であった。
【0072】
[実施例30 1-(2-アセトアミドべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素]
アセチルクロリド(上海畢得医薬科技有限公司から購入)を原料として、実施例27における合成方法に従って1-(2-アセトアミドべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素を製造した。収率が82%であった。
【0073】
[実施例31 t-ブチル(6-{2-(4-クロロフェニル)-N-[2-(4-モルホリニル)エチル]アセトアミド}ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)ウレタン]
t-ブトキシホルミルクロリド(上海畢得医薬科技有限公司から購入)を原料として、実施例27における合成方法に従ってt-ブチル(6-{2-(4-クロロフェニル)-N-[2-(4-モルホリニル)エチル]アセトアミド}ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)ウレタンを製造した。収率が60%であった。
【0074】
[実施例32 1-(2-ベンズアミドべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素]
ベンゾイルクロリド(上海畢得医薬科技有限公司から購入)を原料として、実施例23における合成方法に従って1-(2-ベンズアミドべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素を製造した。収率が75%であった。
【0075】
[実施例33 1-(2-フェニルプロパンアミドべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素]
ベンゼンプロパン酸クロリド(上海畢得医薬科技有限公司から購入)を原料として、実施例27における合成方法に従って1-(2-フェニルプロパンアミドべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素を製造した。収率が68%であった。
【0076】
[実施例34 1-(2-フェニルアセトアミドべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-トリフルオロメチルフェニル)尿素]
フェニルアセチルクロリド(上海畢得医薬科技有限公司から購入)を原料として、実施例27における合成方法に従って1-(2-フェニルアセトアミドべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-トリフルオロメチルフェニル)尿素を製造した。収率が73%であった。
【0077】
[実施例35 1-(2-アミノべンゾ[d]オキサゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-メチルフェニル)尿素]
35.1 6-ニトロベンゾ[d]オキサゾリル-2-アミン(K)の合成
2-アミノ-5-ニトロフェノール(J)(上海畢得医薬科技有限公司から購入)10g(64.9mmol)を1,4ジオキサン(100mL)中に溶解させ、その中にシアノグアニジン(北京偶合科技有限公司から購入)17g(202.3mmol)、BF EtO(上海畢得医薬科技有限公司から購入)28g(202.3mmol)をこの順に添加し、迅速に密封し、80℃で6h反応させた。反応液が室温まで冷却した後、溶液中に2N重炭酸ナトリウム溶液を添加し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出し、有機層を合併し、有機層を塩水(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して乾燥して8.4gの茶色固体状中間体Kを得た。収率が70%であった。
【0078】
35.2 ベンゾ[d]オキサゾリル-2,6-ジアミン(L)の合成
中間体K 8.0g(53.7mmol)をメタノール(80mL)中に溶解させ、溶液中にPd/C(上海畢得医薬科技有限公司から購入)0.8g(5.4mmol)を添加し、反応を維持しながら水素ガスを導入して室温で12h反応させた。混合溶液を珪藻土でろ過し、メタノール(40mL)でろ過ケーキを洗浄し、その後、ろ液を真空濃縮して中間体L 5.4gを得た。収率が60%であった。MS(ESI)m/z:150.2[M+H]
【0079】
35.3 N-[2-(4-モルホリニル)エチル]ベンゾ[d]オキサゾリル-2,6-ジアミン(M)の合成
中間体L 2.0g(13.4mmol)を1.4-ジオキサン(20mL)中に溶解させ、溶液中に炭酸カリウム(瀋陽愛科同晟化学試薬有限公司から購入)3.1g(22.4mmol)及び4-(2-クロロエチル)モルホリン(上海畢得医薬科技有限公司から購入)1.2g(11.2mmol)を添加し、反応液を還流条件となるまで昇温して撹拌しながら8h反応した。反応を室温まで冷却した後、その中に水(80mL)を添加し、酢酸エチル(2×80mL)で抽出し、有機層を合併し、有機層を塩水(60mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して乾燥して茶色固体状中間体M 1.5gを得た。収率が72%であった。
【0080】
35.4 1-(2-アミノべンゾ[d]オキサゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-メチルフェニル)尿素(I)の製造
室温下で、中間体M 0.50g(0.6mmol)及びp-トリルメチルアミノカルバミン酸フェニル(G)0.4g(0.7mmol)を1,4-ジオキサン(4mL)中に入れて、反応液中にDIPEA(上海畢得医薬科技有限公司から購入)0.3g(2.3mmol)を滴下し、滴下終了後、60℃に昇温して3h反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、溶剤を減圧濃縮し、残存物中に水(10mL)を添加し、2.5% NaOH溶液でpH10となるまで調節し、吸引ろ過し、乾燥して粗製物を得た。粗製物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製した後に白色固体0.35gを得、収率が62%であった。
【0081】
[実施例36 1-(2-アセトアミドべンゾ[d]オキサゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-メチルフェニル)尿素]
1-(2-アミノべンゾ[d]オキサゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-トリル)尿素0.2g(0.4mmol)を酢酸エチル(3mL)中に溶解させ、炭酸カリウム(瀋陽愛科同晟化学試薬有限公司から購入)0.1g(0.7mmol)を添加し、室温下で溶液中にアセチルクロリド(上海畢得医薬科技有限公司から購入)0.1g(0.4mmol)を滴下し、室温で一晩撹拌した。反応終了後、水(5mL)を添加し、酢酸エチル(2×10mL)で抽出し、有機層を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製して白色固体0.08gを得た。収率が76%であった。
【0082】
[実施例37 1-(2-フェニルアセトアミドべンゾ[d]オキサゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-メチルフェニル)尿素]
4-クロロフェニルアセチルクロリド(上海畢得医薬科技有限公司から購入)を原料として、実施例36における合成方法に従って1-(2-フェニルアセトアミドべンゾ[d]オキサゾール-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-メチルフェニル)尿素を製造した。収率が60%であった。
【0083】
[実施例38 1-(2-アミノチアゾロ[5,4-b]ピリジン-5-イル)-3-(4-フルオロフェニル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]尿素]
38.1 5-クロロチアゾロ[5,4-b]ピリジン-2-アミン(O)の合成
2-クロロ-5-アミノピリジン(N)10g(78.1mmol)と、チオシアン酸カリウム(上海畢得医薬科技有限公司から購入)15g(312.4mmol)とを、氷酢酸(100mL)中に溶解させ、氷浴条件下でその中に臭素(瀋陽薬科大学試薬ステーションから購入)12g(156.2mmol)を滴下し、滴下終了後、反応液を室温まで昇温して12h反応させた。溶液中にアンモニウム水溶液を添加してpH10となるまで調節し、黄色固体が析出し、吸引ろ過して茶色固体状中間体O 12.2gを得た。収率が83%であった。
【0084】
38.2 N-[2-(4-モルホリニル)エチル]チアゾロ[5,4-b]ピリジン-2,5-ジアミン(P)の合成
中間体O 2.0g(13.4mmol)を1.4-ジオキサン(20mL)中に溶解させ、溶液中に水酸化ナトリウム(瀋陽愛科同晟化学試薬有限公司から購入)2.5g(22.4mmol)及び2-モルホリノ-1-アミン(上海畢得医薬科技有限公司から購入)1.2g(11.2mmol)を添加し、反応液を還流条件となるまで昇温して撹拌しながら8h反応した。反応を室温まで冷却した後、その中に水(30mL)を添加し、酢酸エチル(2×30mL)で抽出し、有機層を合併し、有機層を塩水(60mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して乾燥して茶色固体状中間体P 1.3gを得た。収率が54%であった。
【0085】
38.3 1-(2-アミノチアゾロ[5,4-b]ピリジン-5-イル)-3-(4-フルオロフェニル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]尿素(I)の製造
室温下で、中間体P 0.5g(0.6mmol)とp-フルオロベンジルカルバミン酸フェニル(G)0.4 g(0.7mmol)とを1,4-ジオキサン(4mL)中に添加し、反応液中にDIPEA(上海畢得医薬科技有限公司から購入)0.30g(2.3mmol)を滴下し、滴下終了後、60℃に昇温して3h反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、溶剤を減圧濃縮し、残存物中に水(10mL)を添加し、2.5% NaOH溶液でpH10となるまで調節し、吸引ろ過し、乾燥して粗製物を得た。粗製物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製した後に白色固体0.3gを得、収率が51%であった。
【0086】
[実施例39 1-[2-(エチルアミノ)チアゾロ[5,4-b]ピリジン-5-イル]-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-フルオロフェニル)尿素]
1-(2-アミノチアゾロ[5,4-b]ピリジン-5-イル)-3-(4-フルオロフェニル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]尿素0.2g(0.4mmol)を酢酸エチル(3mL)中に溶解させ、溶液中に炭酸カリウム(瀋陽愛科同晟化学試薬有限公司から購入)0.1g(0.7mmol)及びヨウ化エチル(上海畢得医薬科技有限公司から購入)0.2g(0.7mmol)を添加し、室温で一晩撹拌した。反応終了後、水(10mL)を添加し、酢酸エチル(2×30mL)で抽出し、有機層を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製して白色固体0.08gを得た。収率が65%であった。
【0087】
[実施例40 1-{2-[3-(4-クロロフェニル)ウレア]ベンゾ[d]チアゾール-6-イル}-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-クロロフェニル)尿素]
室温下で、1-(2-アミノべンゾ[d]チアゾール-6-イル)-3-(4-クロロフェニル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]尿素0.5g(0.6mmol)及びフェニルメチルアンモニオカルバミン酸フェニル(上海畢得医薬科技有限公司から購入)0.4 g(0.7mmol)を1,4-ジオキサン(4mL)中に添加し、反応液中にトリエチルアミン0.3g(2.3mmol)を滴下し、滴下終了後、60℃に昇温して3h反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、溶剤を減圧濃縮し、残存物中に水(10mL)を添加し、2.5% NaOH溶液でpH10となるまで調節し、吸引ろ過し、乾燥して粗製物を得た。粗製物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製した後に白色固体0.25gを得、収率が40%であった。
【0088】
[実施例41 1-(2-アミノチアゾロ[4,5-c]ピリジン-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-トリフルオロメトキシフェニル)尿素]
41.1 N-[(4,6-ジクロロピリジン-3-イル)チオカルバモイル]ベンズアミド(R)の合成
4,6-ジクロロピリジン-3-アミン(Q)5g(30.7mmol)とイソチオシアン酸フェニル(上海畢得医薬科技有限公司から購入)4.5mL(33.7mmol)とをアセトン(75mL)中に溶解させ、60℃に加熱して4h反応させた。反応液を減圧濃縮して茶色固体8gを得、収率が80%であった。
【0089】
41.2 N-(6-クロロチアゾロ[4,5-c]ピリジン-2-イル)ベンズアミド(S)の合成
中間体R 9g(27.7mmol)をNMP(45mL)中に添加し、0℃下で溶液中にナトリウムメトキシド(上海畢得医薬科技有限公司から購入)(3.0g,55.8mmol)を添加し、添加終了後、反応液を120℃に昇温して4h反応させた。反応液中に水(100mL)を添加し、茶色固体が析出し、吸引ろ過して茶色固体7gを得、収率が87%であった。
【0090】
41.3 6-クロロチアゾロ[4,5-c]ピリジン-2-アミン(T)の合成
中間体S 5g(17.3mmol)を70% 硫酸溶液(瀋陽薬科大学試薬ステーションから購入)(15mL)中に溶解させ、110℃に昇温して4h反応させた。反応液を減圧濃縮し、重炭酸ナトリウム溶液(20mL)でpH=8となるまで調節し、吸引ろ過して灰白色固体1.8gを得、収率が56%であった。
【0091】
41.4 N-[2-(4-モルホリニル)エチル]チアゾロ[4,5-c]ピリジン-2,6-ジアミン(U)の合成
中間体T 0.8g(25.1mmol)と、炭酸ジセシウム(上海畢得医薬科技有限公司から購入)2.2g(75.3mmol)とを1,4-ジオキサン(10mL)中に溶解させ、溶液中に酢酸パラジウム(上海畢得医薬科技有限公司から購入)0.1g(2.51mmol)及びxantphos(上海畢得医薬科技有限公司から購入)0.35g(50.2mmol)を添加し、窒素ガスを導入して反応液を100℃に昇温して12h反応させた。吸引ろ過により不溶物を除去し、ろ液をカラムクロマトグラフィーで精製した後に白色固体0.5gを得、収率が66%であった。
【0092】
41.5 1-(2-アミノチアゾロ[4,5-c]ピリジン-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-トリフルオロメトキシフェニル)尿素(I)の製造
室温下で、中間体U 0.50g(0.6mmol)及びp-トリフルオロメトキシフェニルメチルアンモニオカルバミン酸フェニル(G)0.4 g(0.7mmol)を1,4-ジオキサン(4mL)中に添加し、反応液中にDIPEA(上海畢得医薬科技有限公司から購入)0.3g(2.3mmol)を滴下し、60℃に昇温して3h反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、溶剤を減圧濃縮し、残存物中に水(10mL)を添加し、2.5% NaOH溶液でpH10となるまで調節し、吸引ろ過し、乾燥して粗製物を得た。粗製物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製した後に白色固体0.35gを得、収率が60%であった。
【0093】
[実施例42 1-(2-シクロプロパンホルムアミドチアゾロ[4,5-c]ピリジン-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-トリフルオロメトキシフェニル)尿素]
1-(2-アミノチアゾロ[4,5-c]ピリジン-6-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-トリフルオロメトキシフェニル)尿素0.2g(0.4mmol)を酢酸エチル(3mL)中に溶解させ、炭酸カリウム(瀋陽愛科同晟化学試薬有限公司から購入)0.1g(0.7mmol)を添加し、室温下で溶液中にシクロプロパンカルボニルクロリド(上海畢得医薬科技有限公司から購入)0.15g(0.4mmol)を滴下し、室温で一晩撹拌した。反応終了後、水(10mL)を添加し、酢酸エチル(2×30mL)で抽出し、有機層を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製して白色固体0.06gを得た。収率が62%であった。
【0094】
[実施例43 1-{[2-(2-エトキシホルミル)エチルアミン-1-イル]チアゾロ[4,5-c]ピリジン-6-イル}-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-トリフルオロメトキシフェニル)尿素]
クロロ酢酸エチル(上海畢得医薬科技有限公司から購入)を原料として、実施例42における合成方法に従って1-{[2-(2-エトキシホルミル)エチルアミン-1-イル]チアゾロ[4,5-c]ピリジン-6-イル}-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-トリフルオロメトキシフェニル)尿素を製造した。収率が42%であった。
【0095】
[実施例44 1-(2-アミノチアゾロ[5,4-d]ピリミジン-5-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(ピリジン-3-イル)尿素]
2,4-ジクロロピリミジル-5-アミン(上海畢得医薬科技有限公司から購入)を原料として、実施例41における41.1~41.4の合成方法に従って肝心な中間体Uを合成し、さらに実施例41における41.5の合成方法に従って1-(2-アミノチアゾロ[5,4-d]ピリミジン-5-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(ピリジン-3-イル)尿素を合成した。収率が59%であった。
【0096】
[実施例45 1-(2-アセトアミドチアゾロ[5,4-d]ピリミジン-5-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(ピリジン-3-イル)尿素]
アセチルクロリド(上海畢得医薬科技有限公司から購入)を原料として、実施例42における合成方法に従って1-(2-アセトアミドチアゾロ[5,4-d]ピリミジン-5-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(ピリジン-3-イル)尿素を製造した。収率が42%であった。
【0097】
[実施例46 1-(2-フェニルプロパンアミドチアゾロ[5,4-d]ピリミジン-5-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(ピリジン-3-イル)尿素]
ベンゼンプロパン酸クロリド(上海畢得医薬科技有限公司から購入)を原料として、実施例42における合成方法に従って1-(2-フェニルプロパンアミドチアゾロ[5,4-d]ピリミジン-5-イル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(ピリジン-3-イル)尿素を製造した。収率が56%であった。
【0098】
[実施例47 1-[2-(3-ベンジルウレア)チアゾロ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]-3-(4-ブロモ-3-フルオロフェニル)尿素]
3,5-ジクロロピリジン-2-アミン(上海畢得医薬科技有限公司から購入)を原料として、実施例41における41.1~41.4の合成方法に従って肝心な中間体Uを合成し、さらに実施例41における41.5の合成方法に従って1-(2-アミノチアゾロ[4,5-b]ピリジン-6-イル)-3-(4-ブロモ-3-フルオロフェニル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]尿素を合成した。次いで、1-(2-アミノチアゾロ[4,5-b]ピリジン-6-イル)-3-(4-ブロモ-3-フルオロフェニル)-1-[2-(4-モルホリニル)エチル]尿素と、ベンジルカルバミン酸フェニル0.4g(0.7mmol)とを1,4-ジオキサン(4mL)中に添加し、反応液中にトリエチルアミン0.3g(2.3mmol)を滴下し、60℃に昇温して3h反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、溶剤を減圧濃縮し、残存物中に水(10mL)を添加し、2.5% NaOH溶液でpH10となるまで調節し、吸引ろ過し、乾燥して粗製物を得た。粗製物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製した後に白色固体0.25gを得、収率が40%であった。
【0099】
実施例化合物の構造及びH-NMR、MSデータを表1に示す。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【0100】
本発明の化合物に対してインビトロ可溶性エポキシドヒドロラーゼ(sEH)の酵素活性の研究を行い、その結果を以下に示す。
【0101】
本発明の上記式Iに従ったベンゾチアゾール骨格を有する化合物(濃度0.1μM)に対して蛍光分析法を用いてインビトロsEH酵素活性テストを行った。対照試料t-AUCBは、本研究グループが自ら製造したものである(Hwang S H,Wecksler A T,Zhang G,et al. Synthesis and biological evaluation of sorafenib-and regorafenib-like sEH inhibitors. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2013,23(13): 3732-3737.)。
【0102】
sEH酵素(human recombinant,0.5mg/mL,Cayman Chemical)12μLを緩衝液(25mM bis-Tris,pH7.0)588μLで希釈した。蛍光基質がPHOME((3-フェニル-オキシラニル)-酢酸シアノ-(6-メトキシ-ナフタレン-2-イル)-メチルエステル)のDMSO溶液(10μM,Cayman Chemical)である。測定対象化合物を100% DMSOで溶解させ、濃度が4μMであった。96ウェルプレートのウェル中に185μLの緩衝液(25mM bis-Tris,pH7.0)、5μLの化合物溶液及び5μLの希釈後のsEH酵素を添加し、最後に、5μLの基質溶液を添加して反応を開始させ、37℃で15min培養した後にマイクロプレートリーダーで蛍光信号を測定した(励起波長330nm、発光波長465nm)。同時に、バックグランド群及びフルアクティブ群を設置し、バックグランド群に化合物及び酵素を添加せず(それぞれDMSO及び緩衝液で代替)、フルアクティブ群に化合物を添加しなかった(DMSOで代替)。バックグランド群の蛍光信号を除外したフルアクティブ群(F)と化合物群(F)のデータを用いて阻害率を算出した。
阻害率(%)=(F-F)/(F)×100。
【0103】
実施例化合物のsEHのインビトロ酵素活性試験の結果を表2に示す。
【表2-1】
【表2-2】
【0104】
本発明の一部の化合物に対してインビトロ可溶性エポキシドヒドロラーゼ(sEH)の酵素IC50のテストを行い、その結果を以下に示す。
【0105】
本発明の上記式Iに従ったベンゾチアゾール骨格を有する化合物に対して蛍光分析法を用いてインビトロsEH酵素活性テストを行った。対照試料t-AUCBは、本研究グループが自ら製造したものである。
【0106】
sEH酵素(human recombinant,0.5mg/mL,Cayman Chemical)12μLを緩衝液(25mM bis-Tris,pH7.0)588μLで希釈した。蛍光基質がPHOME((3-フェニル-オキシラニル)-酢酸シアノ-(6-メトキシ-ナフタレン-2-イル)-メチルエステル)のDMSO溶液(10μM,Cayman Chemical)である。測定対象化合物を100% DMSOで溶解させ、濃度が4μMであり、順次に2μM、1μM、0.5μM、0.25μM、0.04μM、0.02μM、0.004μM及び0.0004μMの異なる濃度の溶液に希釈し、阻害率測定方法に従ってそれぞれ化合物の異なる濃度における阻害率を測定し、IC50を算出した。
【0107】
一部の実施例のsEH酵素IC50活性データを表3に示す。
【表3】
【0108】
初歩的なインビトロsEH酵素活性テスト結果により、本発明の保護を求める一般式I化合物は、良好なsEH阻害活性を有し、一部の化合物が陽性対照群t-AUCBに相当するか、又はそれより優れることが明らかにされている。
【0109】
[実施例48 抗線維症作用の測定]
オスC57BL/6Jマウス(6~8週齢)(斯貝福(北京)生物技術有限公司)を、偽手術(Sham)群と、片側尿管結紮(UUO)群と、UUO+化合物実施例16群との3つの群に分けた。マウスを麻酔した後、左側尿管を結紮して切断し、モデル構築した。Sham群は、尿管を遊離させられるのみであり、結紮しなかった。実験動物は、モデル構築前の72hから投与され、実施例16化合物の水溶液(10% PEG400,10% Tween80,濃度9mg/mL)が腹腔内注射され、用量が30mg・kg-1・d-1であった。Sham群及びUUO群は、同じ体積のブランク溶剤が腹腔内注射された。モデル構築7日後、動物を殺し、サンプリングして検出を行った。その結果、実施例16化合物は、マウスの腎組織におけるEETsレベルを維持し(Kim J,Imig JD,Yang J,et al. Inhibition of soluble epoxide hydrolase prevents renal interstitial fibrosis and inflammation. Am J Physiol Renal Physiol,2014,307(8): F971-F980.)、コラーゲン沈着を低下させ、線維性領域を低減することができる。結果を図1、2に示している。
【0110】
[実施例49 抗炎症作用の測定]
オスKMマウス(6~8週齢)(斯貝福(北京)生物技術有限公司)に、1% λ-カラギーナン生理食塩水溶液50μLを足裏の皮下内注射して炎症性腫れモデルを構築し(Posadas I,Bucci M,Roviezzo F,et al. Carrageenan-induced mouse paw oedema is biphasic,age-weight dependent and displays differential nitric oxide cyclooxygenase-2 expression. British Journal of Pharmacology,2004,142(2):331-338.)、1h早めにマウスに実施例12、18、27、40の化合物溶液(10% PEG 400,10% Tween80)又はブランク溶剤を腹腔内注射し、モデル構築前のマウス初期足厚を100%とし、マウスの足厚変化状況を測定した。その結果、化合物は、カラギーナンにより誘発されるマウス足浮腫を顕著に阻害でき、その効果がセレコキシブより優れていることがわかった。結果を図3に示している。
【0111】
[実施例50 脳損傷保護作用の測定]
オスSDラット(6~8週齢)(斯貝福(北京)生物技術有限公司)45匹を、偽手術群と、ブランク溶剤群と、投与群とに分けて、実施例12化合物又はブランク溶剤を腹腔内注射してから72h後、改良されたFeeney法を用いて外傷性脳損傷モデルを構築し(Marmarou A,Foda MA,van den Brink W,et al. A new model of diffuse brain injury in rats. Part I: Pathophysiology and biomechanics. Journal of Neurosurgry,1994,80(2):291-300.)、モデル構築してから23h後に、各群から各々3匹を取ってエバンスブルー溶液を尾静脈注射し、1h循環した後に頭部を切って脳を取ってエバンスブルー(EB)含有量を測定し、浸透性を考察した。さらに、ラット3匹を取って、脳含水量を測定し、その結果、実施例12化合物は、脳の含水量及び浸透性を低下できることがわかり、その結果を表4に示す。
【表4】
【0112】
[実施例51 血糖降下作用の測定]
オスBalb/cマウス(6~8週齢)(斯貝福(北京)生物技術有限公司)にストレプトゾトシンSTZ(40mg/kg)を、1日1回、腹腔内注射し、5日連続注射し、糖尿病モデルを構築し(Like AA,Rossini AA. Streptozotocin-induced pancreatic insulitis: new model of diabetes mellitus. Science,1976,193(4251):415-7)、モデル構築後のマウスに実施例12化合物溶液を1日1回腹腔内注射し、2週間後に投与群の血糖が明らかにモデル群より低く、ブドウ糖負荷がモデル群より高かった。結果を図4に示している。
【0113】
[実施例52 糖尿病性網膜症改善作用]
オスWistarラット(180-200g)(河北医科大学実験動物センター)に、ストレプトゾトシンSTZ(60mg/kg)を腹腔内注射して糖尿病モデルを構築し、3ヵ月飼育して網膜症モデルを誘発させ(Miyamoto K,Khosrof S,Bursell SE,et al. Prevention of leukostasis and vascular leakage in streptozotocin-induced diabetic retinopathy via intercellular adhesion molecule-1 inhibition. Proc Natl Acad Sci U S A,1999,96(19): 10836-10841.)、化合物実施例40を10% ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン溶液中に溶解させ、実施例40化合物の含有量が0.1%である点眼剤に調製し、毎日、眼内局所投与を行い、6ヵ月後、ラットに、網膜毛細血管遊離、周皮細胞増加、血管漏出増加の非増殖性糖尿病性網膜症の症状が発生し、実施例40群のこれらの症状が明らかに改善された。結果を図5に示している。
【0114】
[実施例53 鎮痛作用の測定]
オスSDラット(6~8週齢)(斯貝福(北京)生物技術有限公司)に1% λ-カラギーナン生理食塩水溶液50μLを足裏皮下内注射して炎症疼痛モデルを構築し(Rose TE,Morisseau C,Liu JY,et al. 1-Aryl-3-(1-acylpiperidin-4-yl)urea inhibitors of human and murine soluble epoxide hydrolase: structure-activity relationships,pharmacokinetics,and reduction of inflammatory pain. J Med Chem,2010,53(19): 7067-7075.)、実施例12、40化合物を0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム溶液中に添加して研磨し、濃度15mg/mLの懸濁液に調製し、モデル構築の1h前に胃内投与し、ホットプレート痛覚閾値検出器でラットが足引っ込めを時間の変化状況を測定した。結果により、実施例12、40化合物は、ラットの、ホットプレート痛覚閾値検出器における足引っ込め時間を明らかに短縮し、疼痛閾値を向上させ、疼痛を緩和することができる。結果を図6に示している。
【0115】
[実施例54抗うつ病作用の測定]
オスKMマウス(6~8週齢)(斯貝福(北京)生物技術有限公司)を、予め10min泳がせ、リポ多糖(0.5mg/kg)を注射し、23h後に実施例12、40化合物溶液又はブランク溶剤を皮下注射し、1h後に強制水泳試験6minを行い、後の4min内の各群のマウスの無動時間(s)を記録した。その結果、実施例12、40化合物は、強制水泳中のマウスの無動時間を明らかに低下することできる。結果を図7に示している。
【0116】
当業者であれば、上記実施例により本発明を具体的に説明しているが、本発明はこれらの具体的な実施例に制限されるものではないと理解され得る。本発明が教示する方法及び技術案に基づき、本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者は、適切な変更及び改進を行うことができ、これにより得られる均等実施形態はいずれも本発明の範囲内に含まれる。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7