(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】シートモジュール
(51)【国際特許分類】
B60N 2/90 20180101AFI20240409BHJP
B60N 2/02 20060101ALI20240409BHJP
B60N 2/56 20060101ALI20240409BHJP
A47C 7/74 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
B60N2/90
B60N2/02
B60N2/56
A47C7/74 A
(21)【出願番号】P 2023512133
(86)(22)【出願日】2021-07-30
(86)【国際出願番号】 US2021043886
(87)【国際公開番号】W WO2022039906
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2023-02-17
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390000996
【氏名又は名称】株式会社ハイレックスコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴレン ヘザー アン
(72)【発明者】
【氏名】コネヴァル ケヴィン リチャード
(72)【発明者】
【氏名】奥野 伊知朗
(72)【発明者】
【氏名】カウテン エレン マリサ
(72)【発明者】
【氏名】フリント デイヴィッド エドワード
(72)【発明者】
【氏名】リジャナ ジェフリー ジョン
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-112181(JP,A)
【文献】国際公開第2018/173319(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/012678(WO,A1)
【文献】特開2019-156401(JP,A)
【文献】特開2012-066364(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00-2/90
A47C 7/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機付き車両のシート操作用の少なくとも一つの装置を有するシートに取り付けられるように構成されたシートモジュールであって、
前記少なくとも一つの装置を作動させるように構成された少なくとも一本の操作ケーブルと、
前記シートのシートフレームに取り付けるための取付機構、及び前記少なくとも一本の操作ケーブルを取り付けるための保持機構が形成された少なくとも一つのモジュールプレートと、を備え、
前記操作ケーブルが前記モジュールプレートに取り付けられる仮組立状態において、前記操作ケーブルの端部は、前記モジュールプレート上に一時的に収容され、保持された前記操作ケーブルを有する前記モジュールプレートが前記シートに確実に取り付けられる組立状態において、前記操作ケーブルの前記端部は、前記シートに取り付けられた前記少なくとも一つの装置に接続され
、
前記取付機構は、前記モジュールプレートが前記シートフレームに取り付けられることを可能にするために、スナップ式又は圧入式の機械的ロックタイプとして形成され、
前
記保持機構は、前記操作ケーブルを保持するために、スナップ式又は圧入式機械的ロックタイプとして形成される、シートモジュール。
【請求項2】
前記仮組立状態において収容された前記操作ケーブルの前記端部は、前記モジュールプレートの前記取付機構が前記シートに取り付けられている間、前記モジュールプレートにおいて保持され、前記モジュールプレートの前記組立状態において、前記シートに取り付けられた前記少なくとも一つの装置に接続するために解放される、請求項1に記載のシートモジュール。
【請求項3】
前記モジュールプレートの前記保持機構は、前記組立状態において、前記シートの所定の位置に前記操作ケーブルの各々を位置決めするように構成されている、請求項1に記載のシートモジュール。
【請求項4】
前記モジュールプレートは、前記仮組立状態において、前記操作ケーブルの前記端部を一時的に保持するために、前記モジュールプレートの少なくとも一つの位置において形成された収容機構を有し、前記収容機構は、前記組立状態において、前記操作ケーブルの前記端部を前記シートに取り付けられた前記装置に接続するために開放することを可能にする、請求項1に記載のシートモジュール。
【請求項5】
前記収容機構は、前記操作ケーブルの前記端部を解放可能に保持するために機械的ロックタイプで形成される、請求項
4に記載のシートモジュール。
【請求項6】
原動機付き車両のシート操作用の少なくとも一つの装置を有するシートに取り付けられるように構成されたシートモジュールであって、
前記少なくとも一つの装置を作動させるように構成された少なくとも一本の操作ケーブルと、
取付機構、及び前記少なくとも一本の操作ケーブルを取り付けるための保持機構が形成された少なくとも一つのモジュールプレートと、を備え、
前記操作ケーブルが前記モジュールプレートに取り付けられる仮組立状態において、前記操作ケーブルの端部は、前記モジュールプレート上に一時的に収容され、保持された前記操作ケーブルを有する前記モジュールプレートが前記シートに確実に取り付けられる組立状態において、前記操作ケーブルの前記端部は、前記シートに取り付けられた前記少なくとも一つの装置に接続され、
前記操作ケーブルの前記端部は、前記仮組立状態において、前記モジュールプレートにおいて保持された前記操作ケーブルのうちの一本の下方又は上方に、タッキングによって、一時的に収容される
、シートモジュール。
【請求項7】
前記モジュールプレートは、前記モジュールプレートの側部から突出し、前記モジュールプレートの少なくとも一つの位置に配置された突出部をさらに有する、請求項1に記載のシートモジュール。
【請求項8】
前記突出部は、長尺ループ状の操作ケーブルの一部を保持するように構成されている、請求項
7に記載のシートモジュール。
【請求項9】
前記モジュールプレートは、前記シートの
シートフレームに確実に取り付けられる、請求項1に記載のシートモジュール。
【請求項10】
前記モジュールプレートは、前記シートのバックフレームに確実に取り付けられる、請求項1に記載のシートモジュール。
【請求項11】
前記操作ケーブルは、電気装置との電気通信用の少なくとも一本のワイヤーハーネス、及び/又は、機械部品作動用の少なくとも一本のメカニカルコントロールケーブルを含む、請求項1に記載のシートモジュール。
【請求項12】
前記メカニカルコントロールケーブルの各々が、レバー及び/又はラッチ機構などの機械アクチュエータをコントロールする、請求項
11に記載のシートモジュール。
【請求項13】
前記メカニカルコントロールケーブルの各々は、パッド、調整部、ばね、又は任意のコントロールケーブル部品を含む、請求項
11に記載のシートモジュール。
【請求項14】
前記ワイヤーハーネスの各々は、電動ランバーサポート、加熱装置、電動クチュエータ、電子コントロールユニット(ECU)、及び/又は送風機アセンブリと電気的に通信する、請求項
11に記載のシートモジュール。
【請求項15】
前記モジュールプレートは、樹脂材料又はガラス織プラスチック複合シートなどの複合材料から形成される、請求項1に記載のシートモジュール。
【請求項16】
前記シートモジュールは、前記シートの動力機構を作動させるために前記モジュールプレートにおいて保持された追加部品をさらに有する、請求項1に記載のシートモジュール。
【請求項17】
前記シートモジュールは、クッションサスペンションアセンブリを形成するために、前記少なくとも一つの
前記モジュールプレートに結合された複数のクッションサスペンションワイヤをさらに有する、請求項1に記載のシートモジュール。
【請求項18】
前記クッションサスペンションアセンブリの前記複数のクッションサスペンションワイヤは、前記シートの
シートフレームに確実に取り付けられる、請求項17に記載のシートモジュール。
【請求項19】
前記少なくとも一つの
前記モジュールプレートは、オーバーモールドプロセスによって前記クッションサスペンションワイヤに結合される、請求項17に記載のシートモジュール。
【請求項20】
シート操作用の少なくとも一つの装置を有する車両用シート構造を製造するための方法であって、
少なくとも一本の操作ケーブルを提供するステップと、
前記シート構造の一部に取り付けられるように構成された少なくとも一つのモジュールプレートを提供するステップと、
前記少なくとも一つのモジュールプレートにおいて、前記少なくとも一本の操作ケーブルを保持するステップと、
前記少なくとも一つのモジュールプレートにおいて、少なくとも一つの位置に前記操作ケーブルの端部を収容することにより、シートモジュールの仮組立状態として定義されるシートモジュールサブアセンブリを製造するステップと、
組立状態として定義される、前記シート構造の一部に前記シートモジュールサブアセンブリを取り付けるステップと、
前記組立状態において、前記少なくとも一つのモジュールプレートから前記操作ケーブルの前記収容された端部を解放するステップと、
前記操作ケーブルの前記端部を前記シートの前記少なくとも一つの装置に接続するステップと、
前記シートモジュールサブアセンブリにおいて、前記モジュールプレートに結合された前記操作ケーブルのうちの一本の下方又は上方に、前記操作ケーブルの前記端部を一時的にタッキングするステップと、
を含む、方法。
【請求項21】
前記少なくとも一つのモジュールプレートを提供するステップが、
複数のクッションサスペンションワイヤを提供するステップと、
前記少なくとも一つのモジュールプレートを前記複数のクッションサスペンションワイヤに結合し、クッションサスペンションアセンブリを形成するステップと、を含む、請求項
20に記載の方法。
【請求項22】
前記クッションサスペンションアセンブリの前記複数のクッションサスペンションワイヤは、
シートフレームの前方及び/又は後方クロスチューブに取り付けられる、請求項
21に記載の方法。
【請求項23】
前記モジュールプレートは、前記シートモジュールサブアセンブリにおいて、前記操作ケーブルの前記端部を一時的に収容し、保持する収容機構を有する、請求項
20に記載の方法。
【請求項24】
前記モジュールプレートは、前記操作ケーブルの少なくとも一部分を結合するために、機械的ロックタイプとして形成され、前記モジュールプレートの前記少なくとも一つの位置に配置された保持機構を有する、請求項
20に記載の方法。
【請求項25】
前記モジュールプレートは、前記シートモジュールサブアセンブリを前記シート構造に取り付けるために、前記モジュールプレートの少なくとも一つの位置に取付機構を備えて形成される、請求項
20に記載の方法。
【請求項26】
前記操作ケーブルは、電気装置との電気通信用の少なくとも一本のワイヤーハーネス、及び/又は機械部品作動用の少なくとも一本のメカニカルコントロールケーブルを含む、請求項
20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本PCT国際出願は、2021年6月29日に出願された米国特許出願第17/361,565号(2021年4月21日に出願された17/236,188の一部継続)、及び2020年8月20日に出願された米国特許出願第16/998,538号の一部継続の米国特許法第119条の下での優先権の利益を主張するものであり、該特許出願の全内容を本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。
【0002】
本開示は、装置をコントロールするために操作ケーブルを採用するシートモジュール(Seat Module)に関し、様々な用途に適している可能性が有るが、好ましい実施態様においては、自動車用シートアセンブリ(Automotive Seat Assembly)において利用される。
【背景技術】
【0003】
このセクションにおける記載は、単に本開示に関する背景情報を提供するのみであって、従来技術を構成するとは限らない。
【0004】
シート作動用のメカニカルコントロールケーブル、及び、電気装置との電気通信用のワイヤーハーネスは、自動車用シートのシートフレームに直接取り付けられる。メカニカルコントロールケーブル及びワイヤーハーネスは、自動車用シートにおいて、レバー又はラッチシステムなどの機械部品、及び、シート乗員センサなどの電気部品と接続されるときに、一本ずつ配索される。例えば、原動機付き車両(Motor Vehicle)の通常の従来のシートにおいて、各メカニカルコントロールケーブル及びワイヤーハーネスは、コントロールケーブル及び/又はワイヤーハーネスを配索された位置で保持するための結束バンド(Zip Ties)、ハーネスクリップ、又は、接着テープなど結束部材(Binder Members)によって、ブラケットに個別に固定される。したがって、各コントロールケーブル及び/又はワイヤーハーネスは、それぞれ所定の形状を有するシートフレーム内に独立して保持される。
【0005】
メカニカルコントロールケーブル及び/又はワイヤーハーネスを有する従来のシートアセンブリは、ケーブル及びワイヤーハーネスをシートフレームに保持するための多数のブラケットと結束部材、及び、多くの部品をシートフレームに取り付ける煩わしい作業を必要とし、シートアセンブリは、より大きなばらつきを伴う長く扱いにくいアセンブリプロセス(Assembly Process)となる。例えば、メカニカルコントロールケーブル導管の位置の変化は、各メカニカルコントロールケーブル内の心線(Core Wire)の長さに影響を及ぼす。メカニカルコントロールケーブルをシートフレームに取り付けられているときに心線が短すぎる、又は長すぎる場合、シート作動が実現できないことがあり、その結果、メカニカルコントロールケーブルを再配索し、再取り付けする必要がある。これは、メカニカルコントロールケーブルを用いたシートの従来のアセンブリプロセスにおける不利な点である。
【0006】
さらに、メカニカルコントロールケーブル及び/又はワイヤーハーネスを、金属ブラケット、各種機械部品、及び、既に取り付けられた機械部品及び/又は電気部品によって囲まれた限られた空間に通して、シートの下部及び/又は上部に取り付ける必要がある。そのため、メカニカルコントロールケーブルとワイヤーハーネスとを機械部品と電気部品とにそれぞれ接続するために、取り付けのためにより長い作業時間と、結束部材を含む多くの部品が必要となる。特に、メカニカルコントロールケーブル及びワイヤーハーネスのシートの下部及び/又は上部への取り付けにおいて、コントロールケーブル及びワイヤーハーネスは、貫通配置スポット(Penetrated Arranging Spots)が多く、更に、上述のように、限られた空間内に配置される必要がある。このため、配置作業性が悪く、これは、メカニカルコントロールケーブルやワイヤーハーネスの関与(Involvement)による破損等の原因となる可能性がある。
【0007】
上述のように、メカニカルコントロールケーブル及び/又はワイヤーハーネスを有する通常のシートアセンブリは、ケーブル及び/又はワイヤーハーネスをシートフレームに取り付けるためのブラケット又は結束バンド等の保持部材を含む。メカニカルコントロールケーブル及びワイヤーハーネスのための保持要素を有する通常のシートアセンブリは、より多くの製造ステップを有する。したがって、メカニカルコントロールケーブル及びワイヤーハーネスを有する通常のシートアセンブリの組み立てられた部品及びステップを簡略化することが常に望まれている。加えて、望ましい耐久性、低い保証クレーム、及び性能要件の順守を提供しながら、自動車用部品のコスト及び重量を低減することがさらに望まれている。
【発明の概要】
【0008】
本開示は、自動車用シートアセンブリにおいて使用されるメカニカルコントロールケーブル及びワイヤーハーネス等の操作ケーブルを保持するシートモジュールに関する。特に、本開示は、仮組立状態(Pre-Assembled State)において、操作ケーブルの端部を一時的に収容するシートモジュールに関し、シートモジュールがシートに確実に取り付けられた後、組立状態(Assembled State)において、操作ケーブルの収容された端部が解放され、シート操作用の機械部品及び/又は電気装置に接続される。
【0009】
シートモジュールを使用することによって、メカニカルコントロールケーブル及び/又はワイヤーハーネスは、ケーブルをシートモジュールに保持することによって配索された状態で、仮組立状態で顧客に出荷可能となる。さらに、仮組立状態において、顧客現場での絡まりを低減し、アセンブリ(Assembly)を向上するために、コントロールケーブル及び/又はワイヤーハーネスの緩い端部は、出荷前に一時的に収容されてもよい。顧客は、シートモジュールにまだ収容されている端部とともに、シートモジュールをシートフレームに取り付け可能となる。次に、顧客は、組立状態において、必要に応じて、収容された端部を解放し、端部を機械部品(例えば、レバー及びラッチ機構)及び/又は電気装置(例えば、シート乗員センサ又は電動ランバーサポート(Power Lumbar Support))に接続する。これにより、コントロールケーブル及び/又はワイヤーハーネスをシートフレームに保持するためのブラケット及び結束バンドを取り付ける必要がなくなる。さらに、配索の再現性が大幅に向上し、シート操作の保証も実現される。
【0010】
本開示の一態様によれば、原動機付き車両のシート操作用の少なくとも一つの装置を有するシートに取り付けられるように構成されたシートモジュールは、少なくとも一つの装置を作動させるように構成された少なくとも一本の操作ケーブルと、取付機構、及び少なくとも一本の操作ケーブルを取り付けるための保持機構が形成された少なくとも一つのモジュールプレートと、を備える。さらに、操作ケーブルがモジュールプレートに取り付けられる仮組立状態において、操作ケーブルの端部は、モジュールプレート上に一時的に収容され、保持された操作ケーブルを有するモジュールプレートがシートに確実に取り付けられる組立状態において、操作ケーブルの端部は、シートに取り付けられた少なくとも一つの装置に接続される。
【0011】
本開示のさらなる態様によれば、シートモジュールは、クッションサスペンションアセンブリを形成するために、少なくとも一つのモジュールプレートに結合された複数のクッションサスペンションワイヤをさらに有する。複数のクッションサスペンションワイヤは、シートのクッションフレームに確実に取り付けられる。さらに、少なくとも一つのモジュールプレートは、オーバーモールドプロセスによってクッションサスペンションワイヤに結合される。
【0012】
本開示のさらなる態様によれば、シート操作用の少なくとも一つの装置を有する車両用シート構造を製造するための方法は、少なくとも一本の操作ケーブルを提供するステップと、シート構造の一部に取り付けられるように構成された少なくとも一つのモジュールプレートを提供するステップと、少なくとも一つのモジュールプレートにおいて、少なくとも一本の操作ケーブルを保持するステップと、少なくとも一つのモジュールプレートにおいて、少なくとも一つの位置に操作ケーブルの端部を収容することにより、シートモジュールの仮組立状態として定義されるシートモジュールサブアセンブリを製造するステップと、組立状態として定義される、シート構造の一部にシートモジュールサブアセンブリを取り付けるステップと、組立状態において、少なくとも一つのモジュールプレートから操作ケーブルの収容された端部を解放するステップと、操作ケーブルの端部をシートの少なくとも一つの装置に接続するステップと、を含む。
【0013】
本開示のさらなる態様によれば、少なくとも一つのモジュールプレートを提供するステップが、複数のクッションサスペンションワイヤを提供するステップと、少なくとも一つのモジュールプレートを複数のクッションサスペンションワイヤに結合し、クッションサスペンションアセンブリを形成するステップと、を含む。
【0014】
さらなる適用可能領域は、本明細書の記載から明らかになるであろう。また、本明細書の記載及び具体例は例示のみを目的としたものであり、本開示の範囲を限定するものではない。
【0015】
本開示が十分に理解され得るように、添付の図面を参照しながら、例示として、その様々な形態がここで説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示の一実施形態に係る、自動車用シート内のクッションフレームに取り付けられたシートモジュールの平面図
【
図2】
図1のシートモジュールにおけるモジュールプレートの平面図であり、
図2Aは、
図2のモジュールプレートの収容機構の詳細図であり、
図2Bは、
図2のモジュールプレートの収容機構の詳細図
【
図3】
図2のモジュールプレートにおいて配索され、保持されたメカニカルコントロールケーブルの平面図であり、
図3Aは、
図3のモジュールプレートに取り付けるシートアクチュエータを示す図
【
図4】本開示の実施形態に係る、仮組立状態におけるシートモジュールの平面図であり、
図4Aは、
図4のモジュールプレートにおいて形成された収容機構によって収容されたメカニカルコントロールケーブルの端部の詳細図であり、
図4Bは、
図4のシートモジュールにおいてタッキングによって収容されたメカニカルコントロールケーブルの端部の詳細図であり、
図4Cは、モジュールプレートに取り付けるためのクリップの詳細図であり、
図4Dは、メカニカルコントロールケーブルに組み付けられた調整部及びばね素子の詳細図
【
図5】
図2のモジュールプレートから突出する突出部の平面図であり、
図5Aは、
図5の突出部の詳細図
【
図6】本開示の第2の実施形態に係る、自動車用シート内のクッションフレームに取り付けられたシートモジュールの平面図
【
図7】
図6のシートモジュールにおけるクッションサスペンションモジュールの斜視図
【
図8】
図7のクッションサスペンションモジュールにおいて、配索され、保持された操作ケーブルの平面図であり、
図8Aは、
図8の保持機構において保持された操作ケーブルの一部の詳細図
【
図9】
図6の仮組立状態におけるシートモジュールの平面図であり、
図9Aは、
図9のクッションサスペンションモジュールにおいて形成された収容機構の詳細図
【
図10A】シートユニット用のシートベルトバックル(Seatbelt Buckle)を示す図
【
図10B】シートユニット用の送風機アセンブリを示す図
【
図11】本開示の第3の例示的な実施形態に係る、自動車用シート内のシートバックフレームに取り付けられたシートモジュールの斜視図
【
図12】
図11のシートモジュールにおけるモジュールプレートの平面図
【
図13】
図11の仮組立状態において、配索され、保持された操作ケーブルを有するシートモジュールの平面図
【
図14】
図13の仮組立状態におけるシートモジュールの詳細図
【
図15A】シートユニット用の電動ランバーサポートを示す図
【
図15B】シートユニット用の加熱装置及び送風機アセンブリを示す図
【
図15C】シートユニット用のレバー及びラッチ機構を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
明細書に記載の図面は、例示目的のみであり、いかなる点においても、本開示の範囲を限定する意図ではない。
【0018】
以下の記載は、本質的に例示のみであり、本開示、アプリケーション又は用途を制限することは目的としない。図面全体において、対応する参照符号は、同様又は対応する部分及び特徴を示すことを理解されたい。
【0019】
図1は、原動機付き車両用のシートユニット(Seat Unit)10の下部を示している。シートユニット10は、典型的には、原動機付き車両のフロアパン(Floor Pan)(図示せず)に固定されるように構成された前進後退用の一対のレール12と、上下動用のクッションフレーム(Cushion Frame)14に取り付けられたシートクッション(図示せず)と、レール12の上方のクッションフレーム14に取り付けられたシートバック(図示せず)と、シートユニット10の可動部に結合されたレバー又はラッチシステムなどの機械部品16と、を含む。機械部品16は、一般に、シート位置を調整するためにクッションフレーム14に取り付けられ、接続されたメカニカルコントロールケーブル104によって作動される。シートユニット10は、一般に、シートクッションをフロアパンに対して後方、前方、上方、及び下方に移動し、背もたれを折り畳みフラットシートのようにリクライニングさせるように又は折り畳ませるように設計されている。シートユニット10は、クッションフレーム14に取り付けられたシートモジュール100をさらに含む。
【0020】
図1において、シートモジュール100は、モジュールプレート102と、少なくとも一つのメカニカルコントロールケーブル104を含む。一般に、二本以上のメカニカルコントロールケーブル104は、モジュールプレート102に取り付けられたケーブル束ハウジング106によって一緒に束ねられるか、又は、各メカニカルコントロールケーブル104は、ケーブル束ハウジング106なしで個別にモジュールプレート102に取り付けられる。
図1に示すように、シートモジュール100は、シートモジュール100がクッションフレーム14に取り付けられる前に既にシートユニット10に設置された機械部品16をコントロールするために、シートクッションの下でクッションフレーム14に確実に取り付けられる。取り付けられたシートモジュール100は、車両のフロアパンに取り付けられたシートユニット10のシートクッション位置及びリクライニング角度など可動部分の駆動を作動させる。シートユニット10において、例えば、メカニカルコントロールケーブル104を有するシートモジュール100と共に使用される機械部品16は、シート調整に関連付けられたレバー及びラッチ機構である。
【0021】
図2は、シートクッションの下の所定の実装スペース(Packaging Space)内に嵌合するように設計され、シートユニット10のクッションフレーム14に固定されるモジュールプレート102を示す。モジュールプレート102の構造、寸法、形状、材質、個数等は特に限定されない。また、モジュールプレート102は、一般的に、樹脂材料又は他の材料で作られている。樹脂材料は、特に限定されず、各種樹脂材料を用いることができる。本開示の例示的な実施形態によれば、シートモジュール100のモジュールプレート102は、ポリプロピレン(PP)又はポリアミド(PA)などのガラス充填樹脂で形成される。PP又はPAで形成されたモジュールプレート102は、シートモジュール100がシートユニット10に取り付けられる際に、容易なアセンブリ及び再現性のために有益である。
【0022】
本開示の他の実施形態によれば、シートモジュール100のモジュールプレート102は、ガラス織プラスチック複合シート(Glass Woven Plastic Composite Sheet)(例えば、有機シート)などの複合材料から形成される。特に、ガラス織プラスチック複合シートで形成されたシートモジュール100がシートユニット10に取り付けられるとき、モジュールプレート102は、シートユニット10を構造的に強化する金属部品の代わりに、シートユニット10において、モジュールプレート102自体が構造的に使用される。したがって、取り付けられたメカニカルコントロールケーブル104を有するモジュールプレート102は、シート作動用の整理されたメカニカルコントロールケーブル104を提供することに加えて、シートユニット10を構造的に支持する。
【0023】
図1及び
図2において、シートモジュール100のモジュールプレート102は、モジュールプレート102において複数の位置に形成された取付機構108を介してシートユニット10のクッションフレーム14に取り付けられる。本開示の例示的な実施形態によれば、取付機構108は、シートモジュール100がシートユニット10のクッションフレーム14に確実に取り付けられることを可能にするために、スナップ式又は圧入などの機械的ロックタイプとして形成される。例えば、
図1及び
図2において、取付機構108は、シートモジュール100をシートユニット10のクッションフレーム14に取り付けるための三つの位置に配置される。しかしながら、取付機構108は、本開示の他の実施形態に係るリベットなどの他のタイプで形成されてもよい。モジュールプレート102において形成された取付機構108により、メカニカルコントロールケーブル104を有するシートモジュール100は、シート作動のためにシートユニット10のクッションフレーム14に確実に取り付けられる。さらに、
図2に示すように、モジュールプレート102は、シートアクチュエータ118(
図3Aを参照)又はワイヤーハーネスなどの追加部品を取り付けるために維持機構109を含む。取り付けられたシートアクチュエータ118は、シートユニット10において設置された動力機構18を用いてシート位置を電気的にコントロール又は調整するように構成されている。
【0024】
図2において、モジュールプレート102は、保持機構110をさらに含む。保持機構110は、モジュールプレート102に配索され、取り付けられるメカニカルコントロールケーブル104を保持するために、モジュールプレート102の複数の位置に配置される。
図2及び
図3に示すように、保持機構110は、各メカニカルコントロールケーブル104がモジュールプレート102上に配索されるときに、メカニカルコントロールケーブル104の一部を保持するためのスナップ式又は圧入などの機械ロックタイプとして形成される。モジュールプレート102の保持機構110は、シートモジュール100がシートユニット10に組み付けられるときに、メカニカルコントロールケーブル104の位置決めのばらつきを低減するために、メカニカルコントロールケーブル104を正しい場所に位置決めするように構成されている。
図4を参照すると、各メカニカルコントロールケーブル104は、シートモジュール100が取り付けられる前に、シートユニット10において既に設置されたレバー又はラッチシステムなどの機械部品に接続するための端部112を含む。シートモジュール100がシートユニット10に取り付けられた後、各メカニカルコントロールケーブル104の端部112がそれぞれ機械部品16に接続され、接続されたメカニカルコントロールケーブル104がシートの動きをコントロールするためにシートユニット10の機械部品16を作動させる。
【0025】
図2、2A、2B、及び4に示すように、モジュールプレート102は、メカニカルコントロールケーブル104がモジュールプレート102に取り付けられ(保持される)仮組立状態において、各メカニカルコントロールケーブル104の端部112を一時的に保持するための収容機構114をさらに含む。シートモジュール100の仮組立状態において、
図1及び
図4に示すように、配索され、取り付けられた機械ケーブル104の端部112は、シートモジュール100がシートユニット10のクッションフレーム14に確実に取り付けられるシートモジュール100の組立状態において、ケーブル104の絡まりを低減し、アセンブリプロセスを向上させるために、出荷前に一時的に収容される。シートモジュール100の組立状態において、
図1に示すように、メカニカルコントロールケーブル104の収容された端部112は、モジュールプレート102の収容機構114から解放され(収容を解除され)、各々、必要に応じてシート作動用のレバー及びラッチシステムなどの機械部品16に接続される。
【0026】
収容機構114は、モジュールプレートの少なくとも一つの位置に形成される。例えば、
図2及び
図4に示すように、収容機構114は、モジュールプレート102の二つの位置に形成される。収容機構114は、また、各メカニカルコントロールケーブル104の端部112を解放可能に保持するためにスナップ式又は圧入などの機械的ロックタイプとして形成される。シートモジュール100において、取り付けられたメカニカルコントロールケーブル104の端部112は、シートユニット10の機械部品16に接続する前に、仮組立状態でモジュールプレート102の収容機構114において一時的に保持される。組立状態において、シートモジュール100は、モジュールプレート102の取付機構108を介してシートユニット10のクッションフレーム14に取り付けられる。メカニカルコントロールケーブル104の収容された端部112を有するシートモジュール100がシートユニット10に確実に取り付けられる間、メカニカルコントロールケーブル104の端部112は、収容機構114において保持され、シートモジュール100がシートユニット10に取り付けられた後のシートモジュール100の組立状態において、メカニカルコントロールケーブル104の収容された端部112は、収容を解除され(解放され)、シートユニット10のレバー及びラッチシステムなどの機械部品16に接続される。
【0027】
図3及び
図4は、シートモジュール100の仮組立状態における、配索され、取り付けられたメカニカルコントロールケーブル104の例を示す。メカニカルコントロールケーブル104を有するケーブル束ハウジング106がモジュールプレート102に結合されるとき、メカニカルコントロールケーブル104は、モジュールプレート102に配索され、取り付けられる。取り付けられたメカニカルコントロールケーブル104の一部のケーブル103は、時計回りに回転し、ケーブル103の端部112は、モジュールプレート102の収容機構114の一つにおいて一時的に収容される。メカニカルコントロールケーブル104がモジュールプレート102に取り付けられている間、各メカニカルコントロールケーブル104の少なくとも一部分は、モジュールプレート102上に形成された保持機構110によって保持される。取り付けられたメカニカルコントロールケーブル104の他のケーブル105は、反時計回りに回転し、ケーブル105の端部112も、モジュールプレート102において形成された収容機構114のうちの一つに一時的に収容される。さらに、上述のように、ケーブル104の少なくとも一部分は、モジュールプレート102の保持機構110によって保持される。
【0028】
したがって、
図4に示すように、仮組立状態においてモジュールプレート102に配索され取り付けられたメカニカルコントロールケーブル104を有するシートモジュール100は、組立状態においてシートモジュール100がシートユニット10に取り付けられるときに、メカニカルコントロールケーブル104が絡まることを防止し、メカニカルコントロールケーブル104が機械部品16に容易に接続されることを可能にするように構成されている。具体的には、本実施形態に係るシートモジュール100は、敷設作業を含むアセンブリ時間を短縮し、また、別個のメカニカルコントロールケーブル104の各々をシートユニット10に取り付けるための結束バンド又はブラケットなどの部品点数を低減する。
【0029】
図5及び
図5Aを参照すると、モジュールプレート102は、モジュールプレート102の側部から突出した突出部(Loom)116をさらに含む。突出部116は、モジュールプレート102の少なくとも一つの位置に配置され、メカニカルコントロールケーブル104の一部を保持するように構成されている。
図5において、取り付けられたメカニカルコントロールケーブル104のうちの一本は、非常に長く、モジュールプレート102の下側で完全な円でループ(Loop)する。モジュールプレート102の側部の突出部116は、長尺のループ状のコントロールケーブル104の一部を保持するために使用される。さらに、モジュールプレート102の上側にメカニカルコントロールケーブル104を収容する場所がない場合、ケーブル104は、仮組立状態において、ケーブル104が絡まることを防止するために、モジュールプレート102の下側にループ状に配置される(
図5の破線を参照)。本開示の他の実施形態によれば、突出部は、長尺のメカニカルコントロールケーブルの端部を、取り付けられたシートモジュール100から遠く(例えば、シートバックフレーム(Seatback frame)の上側)に位置する別の機械部品に接続するために、長尺のメカニカルコントロールケーブルを一時的に保持するように構成され、その結果、突出した突出部116は、仮組立状態において、シートユニット10に取り付けられる前に取り付けられた長尺のメカニカルコントロールケーブルが絡まることを防止し、組立状態において、ケーブルが容易に解放(収容を解除)され、シートバックフレームの機械部品16のうちの一つに容易に接続されることを可能にする。
【0030】
図4及び
図4Aに示すように、メカニカルコントロールケーブル104の端部112は、仮組立状態においてメカニカルコントロールケーブル104の絡まりを低減するために、モジュールプレート102の収容機構114において概ねスナップ留めされる(Snapped In)。本開示の別の例示的な実施形態によれば、メカニカルコントロールケーブル104の端部112を一時的に収容するための異なる方法も、
図4及び
図4Bに示されている。シートモジュール100が仮組立状態においては、
図4Bに示すように、モジュールプレート102に取り付けられたメカニカルコントロールケーブル105の内一本の端部112は、他方のケーブル103の一本の下方又は上方にタッキング(Tucking)によって一時的に収容される。シートモジュール100がシートユニット10に取り付けられた後、
図1に示すように、組立状態において、タッキングによって収容されたメカニカルコントロールケーブル104の端部は、収容を解除(解放)され、シートユニット10の所定の機械部品16に接続される。したがって、シートモジュール100の仮組立状態において、絡まりを低減し、シートユニット10とのアセンブリを向上するために、メカニカルコントロールケーブル104の端部112は、モジュールプレート102上に形成された収容機構114によって、又は、他のケーブル104の下方又は上方にタッキングによって、一時的に収容される。
【0031】
さらに、
図4は、詳細なメカニカルコントロールケーブル104を示す。各メカニカルコントロールケーブル104は、パッド120、調整部122、ばね124、クリップ126、又はシートユニット10の機械的部品16をコントロールするための任意の他の典型的なコントロールケーブル部品を含む。したがって、シートモジュール100において、パッド120、調整部122、ばね124、クリップ126などを含むコントロールケーブル部品とともに組み立てられたメカニカルコントロールケーブル104が、モジュールプレート102に配索され、取り付けられる。
【0032】
また、
図1に示すように、シートモジュール100は、シートユニット10のトリム面として適用されてもよい。
図1において、シートクッションの下方に取り付けられたシートモジュール100は、シートユニット10の下部のトリム面の一部となるように構成されている。組立状態において、シートユニット10において取り付けられたシートモジュール100は、美観目的でクッションフレーム14の基部において使用される元のトリムピース(Trim Piece)が取り付けられたシートモジュール100に置き換えられるように、クラスA表面(Class-A Surface)の一部であってもよい。これにより、クッションの下でメカニカルコントロールケーブル104を有する取り付けられたモジュールプレート102がシートユニット10のクラスA表面として使用されるので、製造コストを含む重量及びアセンブリ時間を効果的に低減する。
【0033】
図6は、本開示に係るシートモジュールの別の実施形態を示す。
図6において、シートモジュール200は、クッションサスペンションモジュール(Cushion Suspension Module)(アセンブリ)202と、少なくとも一本の操作ケーブル204を含む。クッションサスペンションモジュール202は、シートユニット10(
図1を参照)のクッションを支持するように構成され、クッションフレーム14に取り付けるための複数のクッションサスペンションワイヤ206と、操作ケーブル204を取り付けるためのクッションサスペンションワイヤ206に結合された少なくとも一つのモジュールプレート208を含む。さらに、クッションサスペンションモジュール202は、一般に、クッションフレーム14に取り付けられた前方クロスチューブ26及び後方クロスチューブ28に取り付けられている。
図6に示すように、二つ以上の操作ケーブル204が、モジュールプレート208の一つに保持されている。操作ケーブル204は、電気部品との電気通信用のワイヤーハーネス203と、機械部品16を作動させるためのメカニカルコントロールケーブル104とを含む。本開示の他の実施形態によれば、操作ケーブル204は、シートユニットに取り付けられた他の装置を電気的又は機械的に作動させるための他のタイプのケーブルを含んでもよい。
【0034】
例えば、
図7は、複数のクッションサスペンションワイヤ206と二つのモジュールプレート208とを有するクッションサスペンションモジュール202を示し、これは、シートクッションの下の所定の包装空間内に嵌合するように設計され、シートユニット10のクッションフレーム14に固定される(
図1も参照)。クッションサスペンションワイヤ206及びモジュールプレート208の構造、寸法、形状及び個数等は、特に限定されず、シートクッションの下の所定の包装空間に基づいて変更される。また、クッションサスペンションワイヤ206は、一般に、鋼材で作られている。鋼材としては、特に限定されず、各種鋼材を用いてよい。また、本開示の第2の実施形態におけるモジュールプレート208も、本開示の第1の実施形態におけるモジュールプレート102と同じ材料である樹脂材料又は複合材料から作られている。したがって、上述したように、クッションサスペンションワイヤ206及びモジュールプレート208を有するクッションサスペンションモジュール202は、整理された操作ケーブル204(
図1を参照)を提供することに加えて、シートユニット10のクッションを構造的に支持する。
【0035】
図6及び
図7の例示的な実施形態では、シートモジュール200のクッションサスペンションモジュール202は、クッションサスペンションワイヤ206を介してクッションフレーム14に取り付けられる。各クッションサスペンションワイヤ206は、クッションフレーム14の前方クロスチューブ26及び後方クロスチューブ28にそれぞれ取り付けられた前端部205及び後端部207を有する。一般に、クッションサスペンションワイヤ206の前端部205及び後端部207は、前方及び後方クロスチューブ26及び28の外周に沿って湾曲した形状で形成され、一般に、クロスチューブ26及び28にそれぞれ取り付けられる(例えば、スナップ方式(Snap-Fit Manner))。クッションサスペンションモジュール202の取り付け位置又は取り付け方法は、特に限定されず、シートユニット10のクッションフレーム構造に基づいて変更される。クッションサスペンションワイヤ206により、シートモジュール200は、シートユニット10のクッションフレーム14に確実に取り付けられる。さらに、クッションサスペンションワイヤ206の端部205及び207は、ノイズを防止するために、プラスチックに浸漬又はオーバーモールド(Overmold)される。
【0036】
モジュールプレート208は、各々、クッションサスペンションモジュール202を形成するためにクッションサスペンションワイヤ206の位置に取り付けられる。
図6及び
図7に示すように、二つのモジュールプレート208は、クッションサスペンションモジュール202がクッションフレーム14に取り付けられる前に、各種取り付け方法(例えば、オーバーモールド)によってクッションサスペンションワイヤ206の二の異なる位置に結合され、操作ケーブル204を保持する。また、本開示の第2の実施形態におけるモジュールプレート208には、本開示の第1の実施形態(
図2を参照)で説明したように、クッションフレーム14に取り付けるための取付機構が形成されていてもよい。さらに、
図6及び
図7に示すように、モジュールプレート208は、シート位置を電子的に調整するためのシートアクチュエータ118(例えば、電動格納アクチュエータ(Power Folding Actuator)(
図3Aを参照))などの追加部品用の維持機構109を含む。
【0037】
図8及び
図8Aを参照すると、各モジュールプレート208は、モジュールプレート208に配索され、取り付けられた操作ケーブル204を保持するために、モジュールプレート208の複数の位置に配置された保持機構210を含む。保持機構210は、本開示の第1の実施形態と同じ保持機構である、操作ケーブル204の一部を永久的に保持するためのスナップ式又は圧入などの機械的ロックタイプとして形成される。モジュールプレート208において形成された保持機構210は、シートモジュール200がシートユニット10と組み立てられ、操作ケーブル204が、各々、シートユニット10に予め設置された(予め取り付けられた)装置24に接続されるときに、操作ケーブル204の位置決め誤差を低減するために、操作ケーブル204を適切な(又は正しい)場所に位置決めするように構成されている。
【0038】
図8に示すように、操作ケーブル204は、メカニカルコントロールケーブル104と、ワイヤーハーネス203を含む。メカニカルコントロールケーブル104は、シートユニット10において取り付けられ、使用されるレバー又はラッチシステムなどの機械部品16(例えば、機械アクチュエータ)に接続するための端部112を含む。また、
図8に示すように、ワイヤーハーネス203は、シートユニット10において取り付けられ、又は使用される各種電力系統やセンサ(例えば、バックルセンサ(Buckle Sensor)36(
図10A)、送風機システム38(
図10B)、加熱装置40(
図10Cを参照)、シート乗員センサ、又は電動モータ等)を含む電気部品と電気的に接続するためのハーネス端部212を含む。シートモジュール200がシートユニット10に取り付けられた後、メカニカルコントロールケーブル104の端部112及びワイヤーハーネス203のハーネス端部212は、各々、機械及び電気部品に接続され、操作ケーブル204は、シートユニット10に取り付けられた装置24を機械的及び/又は電気的に作動させる。
【0039】
図6、
図9、及び
図9Aに示すように、モジュールプレート208は、シートモジュールサブアセンブリ(Seat Module Subassembly)として定義される、操作ケーブル204がクッションサスペンションモジュール202の保持機構210に取り付けられ、保持される、仮組立状態において、操作ケーブル204の端部209(メカニカルコントロールケーブル104の端部112及びワイヤーハーネス203のハーネス端部212)を一時的に保持するための収容機構214をさらに含む。シートモジュール200の仮組立状態において、
図9に示すように、配索され、取り付けられた操作ケーブル204の端部209は、出荷前に一時的に収容され、シートモジュール200が前方及び後方クロスチューブ26及び28を含むクッションフレーム14に確実に取り付けられるシートモジュール200の組立状態において、操作ケーブル204の絡まりを低減し、アセンブリプロセスを向上させる。さらに、シートモジュール200の組立状態において、
図6に示すように、操作ケーブル204の収容された端部209は、モジュールプレート208の収容機構214から解放(収容を解除)され、各々、シートユニット10において、予め設置された装置24に接続される。
【0040】
図9及び
図9Aに示すように、収容機構214は、各モジュールプレート208の少なくとも一つの位置に配置され、収容機構214は、操作ケーブル204の端部209を解放可能に保持するための機械的ロックタイプとして形成される。さらに、シートモジュール200において、取り付けられた操作ケーブル204の端部209は、シートユニット10の装置24に接続する前に、仮組立状態において、クッションサスペンションモジュール202(又はモジュールプレート208)の収容機構214において一時的に保持される。組立状態において、シートモジュール200は、クッションサスペンションモジュール202のクッションサスペンションワイヤ206を介してシートユニット10のクッションフレーム14に取り付けられる。操作ケーブル204の収容された端部209を有するシートモジュール200が収容機構214において保持されおり、シートモジュール200がシートユニット10に取り付けられた後のシートモジュール200の組立状態において、操作ケーブル204の収容された端部209は、収容を解除(解放)され、シートユニット10に取り付けられた、機械部品16及び電気部品を含む装置24に接続される。
【0041】
図9は、座席モジュール200の仮アセンブリ(Preassembly)として、配索され、取り付けられた操作ケーブル204の例を示す。メカニカルコントロールケーブル104及びワイヤーハーネス203を含む操作ケーブル204は、各々、クッションサスペンションモジュール202上で時計回り又は反時計回り方向に配索され、操作ケーブル204の端部209は、モジュールプレート208において形成された収容機構214のうちの一つに一時的に収容される。したがって、仮組立状態において、配索され、収容された操作ケーブル204を含むシートモジュール200は、組立状態において、シートモジュール200がシートユニット10に取り付けられるとき、操作ケーブル204が絡まることを防止し、操作ケーブル204が装置24に容易に接続されることを可能にするように構成されている。さらに、シートモジュール200は、敷設作業を含むアセンブリ時間を短縮し、また、各操作ケーブル204をシートユニット10に取り付けるための結束バンド又はブラケットなどの部品点数を低減する。
【0042】
また、本開示の第2実施形態におけるモジュールプレート208は、モジュールプレート208の側部から突出する突出部を含んでもよく、これは、操作ケーブル204の一部を保持するように構成される(
図5及び
図5Aを参照)。シートモジュール200の仮組立状態において、操作ケーブル204の端部209は、クッションサスペンションモジュール202(
図9を参照)に配索され、保持された操作ケーブル204の一部の下部又は上部にタッキングによって一時的に収容されるため、操作ケーブル204の絡まりを低減し、シートユニット10のアセンブリステップ及び時間を向上させる。さらに、操作ケーブル204の端部209は、クッションサスペンションワイヤ206の位置の下方又は上方にタッキングによって一時的に収容されてもよい。上述のように、クッションの下に取り付けられた、操作ケーブル204を有するクッションサスペンションモジュール202は、シートユニット10の重量、アセンブリプロセス、及び製造コストを効果的に低減するように、シートユニット10のクラスA面として使用されてもよい。
【0043】
図11は、本開示に係るシートモジュール300の別の実施形態を示す。
図11において、シートモジュール300は、モジュールプレート302と、モジュールプレート302に取り付けられた少なくとも一つの操作ケーブル304を含む。また、シートモジュール300は、シートバックフレーム50に確実に取り付けられる。
図11の例に示すように、シートモジュール300は、シートバックフレーム50の上部に取り付けられている。別の手法では、シートモジュール300は、シートバックフレーム50(図示せず)の下部に取り付けることができる。さらに、取り付けられたシートモジュール300は、シートバックフレーム50を構造的にサポートするように構成されてもよい。
図11に示すように、2つ以上の操作ケーブル304がモジュールプレート302内に保持される。操作ケーブル304は、電気装置との電気通信用のワイヤーハーネス303と、機械部品を作動させるためのメカニカルコントロールケーブル305を含む。上述のように、操作ケーブルは、特定のケーブルに限定されず、シートユニットに取り付けられた他の装置を電気的又は機械的に作動させる他のタイプのケーブルを含んでもよい。
【0044】
図12は、シートバックフレーム50において所定の包装空間内に嵌合するように設計され、また、シートユニット10のフレーム50に固定されたモジュールプレート302を示す。モジュールプレート302の構造、寸法、形状、個数等は特に限定されない。また、本開示の第3の実施形態におけるモジュールプレート302は、一般に、本開示の第1の実施形態におけるモジュールプレート102と同じ材料である樹脂材料又は複合材料から作られている。例えば、モジュールプレート302は、ポリプロピレン(PP)又はポリアミド(PA)等のガラス充填樹脂で形成される。さらに、シートモジュール300のモジュールプレート302も、ガラス織プラスチック複合シートなどの複合材料から形成されている。シートバックフレーム50に取り付けられたシートモジュール300は、シートユニット10のための整理された操作ケーブル304を提供することに加えて、シートユニット10を強化及び支持することができる。また、
図11に示すように、シールド301が形成されたシートモジュール300は、シートバックフレーム50に取り付けられた機構の可動部品を覆うように構成されている。例えば、
図11において、レバー又はばね機構56を作動させるためにストラップが上下に移動し、取り付けられたシートモジュール300が、シートの後部を覆う布地から可動部品を覆う。
【0045】
図11及び
図12において、シートモジュール300のモジュールプレート302は、モジュールプレート302において複数の位置に形成された取付機構308を介してシートユニット10のシートバックフレーム50に取り付けられている。本開示の例示的な実施形態によれば、取付機構308は、シートモジュール300がシートユニット10のシートバックフレーム50に確実に取り付けられることを可能にするために、スナップ嵌め321又は鍵嵌め(KeyedーFit)(例えば、フック機構322)などの機械的ロックタイプとして形成されている。さらに、取付機構308は、また、締結装置(図示せず)を介してシートバックフレーム50にシートモジュール300を取り付けるための孔320として形成される。
図11及び
図12において、例えば、取付機構308は、シートモジュール300をシートユニット10のシートバックフレーム50に取り付けるための数ヶ所に配置されている。しかしながら、取付機構308は、本開示の他の実施形態に係る、リベットなどの他のタイプで形成されてもよい。別のアプローチにおいて、シートモジュール300は、また、溶接などの接合方法によってシートバックフレーム50に取り付けられてもよい。モジュールプレート302において形成された取付機構308により、操作ケーブル304を有するシートモジュール300は、シートユニット10のシートバックフレーム50に確実に取り付けられる。加えて、モジュールプレート302は、シート用電動アクチュエータ118(
図3及び
図3Aを参照)などの追加部品を取り付けるための維持機構を含んでもよい。取り付けられた電動アクチュエータ118は、シートユニット10において設置された電力機構58によってシート位置を電気的にコントロール又は調整するように構成されている。
【0046】
図12において、モジュールプレート302は、モジュールプレート302に配索され取り付けられたワイヤーハーネス303及びメカニカルコントロールケーブル305を含む操作ケーブル304を保持するための複数の位置に配置された保持機構310をさらに含む。保持機構310は、各操作ケーブル304がモジュールプレート302において配索されるとき、操作ケーブル304の一部を保持するためのスナップ式又は圧入などの機械的ロックタイプとして形成される。モジュールプレート302の保持機構310は、シートモジュール300がシートユニット10と組み立てられ、操作ケーブル304が、各々、シートユニット10において予め設置された(予め取り付けられた)装置54に接続されるときに、操作ケーブル304の位置決め誤差を低減するために、操作ケーブル304を適切な(又は正しい)場所に位置決めするように構成されている。
【0047】
図13に示すように、操作ケーブル304は、メカニカルコントロールケーブル305と、ワイヤーハーネス303を含む。メカニカルコントロールケーブル305は、シートユニット10において、取り付けられて使用されるレバー又はラッチシステム66(
図15Cを参照)などの機械部品56に接続するための端部312を含む。また、
図13に示すように、ワイヤーハーネス303は、シートユニット10において、取り付けられる、又は使用される各種電力システム及びセンサ(例えば、電動ランバーサポート60(
図15A)、加熱装置62(
図15B)、送風機アセンブリ(Blower Assembly)64(
図15Bを参照)、又は電動機等)を含む電気部品に電気的に接続するためのハーネス端部313を有する。シートモジュール300がシートユニット10に取り付けられた後、メカニカルコントロールケーブル305の端部312及びワイヤーハーネス303のハーネス端部313は、各々、操作ケーブル304がシートユニット10に取り付けられた装置54を機械的及び/又は電気的に作動させるように、機械及び電気部品に接続される。さらに、モジュールプレート302は、操作ケーブル304の一部をモジュールプレート302(
図14も参照)内に配置して保持する、接続箱316を保持するための機械的ロックタイプで形成された別の保持機構311をさらに含む。
【0048】
図14を参照すると、モジュールプレート302は、ケーブル303及び305が、モジュールプレート302の保持機構310において、取り付けられ保持される、シートモジュールサブアセンブリとして定義される、仮組立状態において、ワイヤーハーネス303及びメカニカルコントロールケーブル305の端部312及び313を一時的に保持するための収容機構314をさらに備える。シートモジュール300の仮組立状態において、
図14に示すように、配索され、取り付けられた操作ケーブル304の端部312及び313は、出荷前に一時的に収容され、シートモジュール300がシートバックフレーム50に確実に取り付けられるシートモジュール300の組立状態において、操作ケーブル304の絡まりを低減し、アセンブリプロセスを向上させる。さらに、シートモジュール300の組立状態において、
図11に示すように、操作ケーブル304の収容された端部312及び313がモジュールプレート302の収容機構314から解放され(収容が解除され)、それぞれが、シートユニット10において、予め設置された装置54に接続される。
【0049】
図14に示すように、収容機構314は、各モジュールプレート302の少なくとも一つの位置に配置され、収容機構314は、操作ケーブル304の端部312及び313を解放可能に保持するために機械的ロックタイプとして形成される。さらに、シートモジュール300において、操作ケーブル304の端部312及び313は、シートユニット10の装置54に接続する前に、仮組立状態においてモジュールプレート302の収容機構314において一時的に保持される。組立状態において、シートモジュール300は、シートユニット10のシートバックフレーム50に取り付けられる。操作ケーブル304の収容された端部312及び313を有するシートモジュール300は、収容を解除され(解放され)、シートユニット10に取り付けられた、機械部品及び電気部品を含む装置54に接続される。
【0050】
図14は、シートモジュール300の仮アセンブリとして、配索され、取り付けられた操作ケーブル304の例を示す。ワイヤーハーネス303及びメカニカルコントロールケーブル305を含む操作ケーブル304は、各々、モジュールプレート302上で時計回り又は反時計回りの方向に配索され、操作ケーブル304の端部312及び313は、モジュールプレート302において形成された収容機構314のうちの一つに一時的に収容される。したがって、仮組立状態における、配索され、収容された操作ケーブル304を含むシートモジュール300は、シートモジュール300が組立状態においてシートバックフレーム50に取り付けられるときに、操作ケーブル304が絡まることを防止し、操作ケーブル304が装置54に容易に接続されることを可能にするように構成されている。さらに、シートモジュール300は、敷設作業を含むアセンブリ時間を短縮し、また、各操作ケーブル304をシートユニット10に取り付けるための結束バンド又はブラケットなどの部品点数を低減する。
【0051】
さらに、シートモジュール300の仮組立状態において、モジュールプレート302(
図14)において配索され保持された操作ケーブル304の一部の下方又は上方に、タッキング315によって、操作ケーブル304の端部312及び313が一時的に収容されるので、操作ケーブル304の絡まりを低減し、シートユニット10のアセンブリステップ及び時間を向上させる。上述のように、シートバックフレーム50に取り付けられた、操作ケーブル304を有するモジュールプレート302は、シートユニット10の重量、アセンブリプロセス、及び製造コストを効果的に低減するように、シートユニット10のクラスA面として使用されてもよい。
【0052】
上記の説明は、本発明の好ましい実施形態を構成するが、本発明は、添付の特許請求の範囲の適切な範囲及び公正な意味から逸脱することなく、修正、変形、及び変更が可能であることが理解されよう。