IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップス ルミレッズ ライティング カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニーの特許一覧

<>
  • 特許-マイクロLEDアレイの温度感知 図1
  • 特許-マイクロLEDアレイの温度感知 図2
  • 特許-マイクロLEDアレイの温度感知 図3
  • 特許-マイクロLEDアレイの温度感知 図4
  • 特許-マイクロLEDアレイの温度感知 図5
  • 特許-マイクロLEDアレイの温度感知 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】マイクロLEDアレイの温度感知
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/18 20200101AFI20240409BHJP
   H05B 45/44 20200101ALI20240409BHJP
【FI】
H05B45/18
H05B45/44
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2023521616
(86)(22)【出願日】2021-10-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-03
(86)【国際出願番号】 US2021054128
(87)【国際公開番号】W WO2022076791
(87)【国際公開日】2022-04-14
【審査請求日】2023-06-21
(31)【優先権主張番号】63/089,622
(32)【優先日】2020-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ボンヌ,ロナルド ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ジー フゥア
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0193851(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0062683(US,A1)
【文献】米国特許第10440786(US,B1)
【文献】特開2012-003156(JP,A)
【文献】国際公開第2020/039291(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード(LED)アレイの温度監視制御システムであって、
第1のスイッチによってバスに接続された第1のピクセルに結合された第1のドライバと、
第2のスイッチによってバスに接続された第2のピクセルに結合された第2のドライバと、
前記第1および第2のスイッチに結合された制御ブロックであって、前記制御ブロックは、
前記第1のスイッチをオンにし、前記第2のスイッチをオフにし、
前記第1のスイッチがオンになっており、前記第2のスイッチがオフになっている間に、前記第1のピクセルの前記バス上のバス電圧を測定し、
前記バス電圧に基づいて前記第1のピクセルのLED順電圧シフトを決定し、前記LED順電圧シフトに基づいて前記第1のピクセルについての対応する温度シフトを決定し、および
前記温度シフトに基づいて前記第1のピクセルについての駆動電流を調整するように動作可能である、制御ブロックと、を含む、システム。
【請求項2】
前記LEDアレイがマイクロLEDピクセルアレイを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記制御ブロックが、さらに、
前記第2のスイッチをオンにし、前記第1のスイッチをオフにし、
前記第2のスイッチがオンになっており、前記第1のスイッチがオフになっている間に、第2のバス電圧を測定し、
前記第2のバス電圧に基づいて前記第2のピクセルのLED順電圧シフトを決定し、前記第2のピクセルの前記決定されたLED順電圧シフトに基づいて前記第2のピクセルについての対応する温度シフトを決定し、および
前記決定された温度シフトに基づいて前記第2のピクセルについての駆動電流を調整するように動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1および第2のスイッチが、前記LEDアレイ内の前記バスに結合されたn個のスイッチのサブセットであり、
前記制御ブロックが、さらに、
前記バス上の前記n個のスイッチのうちの1個のスイッチを除くすべてのスイッチをオフにし、前記1個のスイッチをオンにし、
前記1個のスイッチに結合された第3のピクセルのバス電圧を測定し、および
前記第3のピクセルの前記測定されたバス電圧に基づいて前記第3のピクセルについての対応する温度シフトを決定するように動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記温度シフトに基づく前記第1のピクセルについての前記駆動電流の調整が、電流振幅またはパルス幅変調デューティサイクルのうちの少なくとも1つの変更を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1および第2のドライバが、それぞれ、第1および第2の電流源をさらに含み、
前記第1および第2のドライバが、それぞれ、第1および第2のパルス幅変調スイッチに直列に結合されており、および
前記第1および第2のパルス幅変調スイッチが、それぞれ、前記第1および第2のスイッチと並列に結合されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記制御ブロックが、LED設計、製造ファクタ、または供給電流のうちの少なくとも1つに基づく依存性を含む較正によって温度依存性を決定するように動作可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
マイクロ発光ダイオード(マイクロLED)ピクセルアレイシステムであって、
バスと、
前記バスに接続された複数のマイクロLEDピクセルであって、前記マイクロLEDピクセルの各々が、LEDドライバおよびLEDを含む、複数のマイクロLEDピクセルと、
前記マイクロLEDピクセルの前記LEDドライバに接続された制御ブロックであって、前記制御ブロックが、
前記バス上のLED順電圧を測定し、
前記測定されたLED順電圧に基づいてLED順電圧シフトを決定し、
前記決定されたLED順電圧シフトに基づいて、前記バスに電気的に接続された前記複数のマイクロLEDピクセルのうちのあるマイクロLEDピクセルについての対応する温度シフトを決定し、および
前記決定された温度シフトに基づいて、前記マイクロLEDピクセルの前記LEDドライバによって提供された電流を調整するように動作可能である、制御ブロックと、を含む、マイクロLEDピクセルアレイシステム。
【請求項9】
前記制御ブロックに接続された画像処理モジュールであって、前記画像処理モジュールが、前記対応するマイクロLEDピクセルの前記LEDドライバによって提供されるパルス幅変調デューティサイクルおよび電流の振幅を示す、画像処理モジュールをさらに含む、請求項8に記載のマイクロLEDピクセルアレイシステム。
【請求項10】
前記制御ブロックが、さらに、前記複数のマイクロLEDピクセルの各々において、並列に接続されたスイッチを制御するように動作可能である、請求項8に記載のマイクロLEDピクセルアレイシステム。
【請求項11】
前記スイッチがn個のスイッチを含み、前記n個のスイッチの各々がn個のバスに電気的に接続され、n>2であり、前記制御ブロックが、さらに、
前記n個のバスの各々の上で1つのスイッチを閉じたまま、他のn-1個のスイッチを開き、および
単一のクロックサイクルにおいて前記n個のバスの各々の上で順電圧を測定するように動作可能である、請求項10に記載のマイクロLEDピクセルアレイシステム。
【請求項12】
前記決定された温度シフトに基づく前記LEDドライバが提供する前記電流の調整が、ピクセルアレイが提供する電流振幅またはパルス幅変調のうちの少なくとも1つに基づく、請求項8に記載のマイクロLEDピクセルアレイシステム。
【請求項13】
前記制御ブロックが、LED設計、製造ファクタ、および供給電流のうちの少なくとも1つに基づく依存性を含む較正によって温度依存性を決定するように動作可能である、請求項8に記載のマイクロLEDピクセルアレイシステム。
【請求項14】
各ドライバが、それぞれ、電流源、およびパルス幅変調スイッチとの電気的接続をさらに含み、前記パルス幅変調スイッチが、前記電流源と直列に電気的に接続され、前記スイッチのうちのあるスイッチと並列に電気的に接続される、請求項10に記載のマイクロLEDピクセルアレイシステム。
【請求項15】
LEDアレイの制御方法であって、
バスに接続された複数のマイクロLEDピクセルを提供することであって、各ピクセルが、制御ブロックによって独立してアドレス指定可能である、提供することと、
前記複数のマイクロLEDピクセルの各々について順電圧シフトを測定することであって、前記順電圧シフトを前記測定することが、前記バスに電気的に接続された複数のスイッチのうちの1つを除くすべてをオフにして、前記スイッチに接続された前記複数のマイクロLEDピクセルのうちのあるマイクロLEDピクセルの順電圧を測定することを含む、測定することと、
前記測定された順電圧シフトを、較正中に決定された参照電圧と比較することと、
前記複数のマイクロLEDピクセルの各々について温度の結果を計算し、保存することと、を含む、LEDアレイの制御方法。
【請求項16】
前記マイクロLEDピクセルのドライバにおいて、画像処理モジュールから、画像に対応する振幅およびパルス幅変調デューティサイクルを受信することをさらに含む、請求項15に記載のLEDアレイの制御方法。
【請求項17】
前記複数のマイクロLEDピクセルの前記順電圧シフトを動作中に繰り返して測定することをさらに含む、請求項15に記載のLEDアレイの制御方法。
【請求項18】
前記温度に基づいて前記マイクロLEDピクセルの電気的制御を調整することをさらに含む、請求項15に記載のLEDアレイの制御方法。
【請求項19】
電気的制御を調整することが、前記マイクロLEDピクセルについての電流またはパルス幅変調デューティサイクルを変更することを含む、請求項18に記載のLEDアレイの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、“Temperature Sensing for a Micro-LED Array”と題され、2020年10月9日に出願された米国仮特許出願番号63/089,622に対する優先権の利益を主張しており、その全体の内容は、参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、モノリシックまたはセグメント化発光ダイオード (LED)ダイにおけるLED接合レベルの温度感知に関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロLEDディスプレイまたはプロジェクタの使用は、照明およびディスプレイ業界における新興技術である。マイクロLEDアレイは、アクティブに発光する数千から数百万の微小なLEDピクセルのアレイを含むことができる。アレイのマイクロLEDは個別に制御できる。他のディスプレイ技術と比較して、マイクロLEDアレイはより高い輝度とより良いエネルギー効率を持つことができ、テレビディスプレイやバックライト、自動車のライト、あるいは携帯電話の照明など、さまざまな用途に魅力的である。
【発明の概要】
【0004】
実施形態では、ピクセルアレイの温度監視制御システムは、第1のスイッチによってバスに接続された第1のピクセルに接続された第1のドライバを含む。第2のドライバは、第2のスイッチによってバスに接続された第2のピクセルに接続することができる。制御ブロックは、第1および第2のスイッチへの接続をサポートするように構成され、第1のスイッチをオンにし、第2のスイッチをオフにするように動作可能である。制御ブロックは、バス電圧を測定して、第1のピクセルのLED順電圧と対応する温度を決定し、その温度に基づいてピクセルアレイを調整することができる。いくつかの実施形態では、ピクセルアレイはマイクロLEDピクセルアレイを含む。
【0005】
実施形態では、制御ブロックは、第2のスイッチをオンにし、第1のスイッチをオフにするように動作可能である。制御ブロックは、バス電圧を測定して、第2のピクセルのLED順電圧と対応する温度を決定し、その温度に基づいてピクセルアレイを調整する。
【0006】
実施形態では、第1および第2のスイッチは、ピクセルアレイ内のバスに接続されたn個のスイッチのサブセットであり、制御ブロックは、バス上のn個のスイッチのうちの1個を除くすべてのスイッチを閉じるように構成可能であり、スイッチに接続された各ピクセルのスキャンと、スイッチが選択した各ピクセルのLED順電圧と対応する温度の決定を可能にする。
【0007】
実施形態では、温度に基づくピクセルアレイの調整は、ピクセルアレイが供給する電流振幅およびパルス幅変調のうちの少なくとも一つの変更に基づいている。
【0008】
実施形態では、第1および第2のドライバは、それぞれ、第1および第2の電流源ならびにパルス幅変調スイッチへの第1および第2の接続をさらに含む。
【0009】
実施形態では、温度依存性は、LED設計、製造係数、および供給電流のうちの少なくとも1つに基づく依存性を含む較正によって決定される。
【0010】
実施形態では、マイクロLEDピクセルアレイシステムは、バスに接続された複数のマイクロLEDピクセルを含み、各ピクセルは、独立してアドレス指定可能であり、オン/オフ動作を可能にする。制御ブロックは、複数のマイクロLEDピクセルに接続され、バスに接続された複数のマイクロLEDピクセルのうちの1つについて、LEDの順電圧および対応する温度を決定するバス電圧を測定するように動作可能である。動作中、制御ブロックは、温度に基づいて複数のマイクロLEDピクセルを調整することができる。
【0011】
実施形態では、LEDアレイの制御方法は、バスに接続された複数のマイクロLEDピクセルを提供することを含み、各ピクセルは独立してアドレス指定可能であり、オン/オフ動作を可能にする。順電圧シフトを決定するために複数のマイクロLEDピクセルの各々を測定することができる。測定された順電圧は、較正中に決定された基準電圧と比較することができる。温度の結果を計算して保存することができ、複数のマイクロLEDピクセルの各々についての結果が利用可能である。
【0012】
実施形態では、測定ステップはさらに、順電圧シフトを測定するために、複数のマイクロLEDピクセルのうち1つを除くすべてのスイッチをオフにするステップを含む。
【0013】
実施形態では、動作中に複数のマイクロLEDピクセルが繰り返しスキャンされる。
【0014】
実施形態では、マイクロLEDピクセルを調整するステップは温度に基づいている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】個々のピクセルの温度測定をサポートするLEDアレイを含むLEDディスプレイシステムを示す。
図2】順電圧シフト対接合温度の代表的なグラフである。
図3】2つのピクセルを駆動する温度測定能力を含む代表的な回路の実施形態を示す。
図4】ピクセルの温度を測定する手順の実施形態を示す。
図5】マイクロLED制御モジュールを有するシステムの例を示す。
図6】マイクロLED制御モジュールを有するシステムの詳細なチップレベルの実装を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
残念ながら、マイクロLEDアレイの発光色または発光強度はLED温度の関数である。マイクロLEDをサポートするダイまたは基板にわたって温度を変化させると、マイクロLEDの色または発光強度が許容できないほど変化する可能性がある。ディスプレイが均一である場合、これらの変化は、色または光強度の縞模様、明るいスポット、または暗いスポットとしてディスプレイにおいて見ることができる。より小さなLEDピクセルアレイの場合、温度変化による強度の変化を制御することは、フィードバックセンサを使用すれば可能である。しかし、このような制御システムは、一般に、より小さなLEDピクセルアレイでは経験されない追加的な動作電力とデータ管理の問題に既に直面している、より大きなマイクロLEDマトリックスピクセルアレイでは利用できない。より小さなマイクロLEDアレイの技術がより大きなマイクロLEDアレイにある場合、数千または数百万の発光ピクセルの個々の光強度を監視し、温度を補正するように調整することができる。このようなタスクは、ピクセル数のため、より高いディスプレイリフレッシュレートでは実用的ではない。
【0017】
図1は、LEDアレイ110を含むLEDディスプレイシステム100を示している。図に示すように、アレイ110の各ボックスは、温度監視制御システム122をサポートするシステムコントローラ120を使用して個別に温度を測定できるピクセル102を定義している。LEDアレイ110の温度監視制御システム122には、バス電圧の測定を可能にする回路ベースのドライバを含めることができる。バス電圧の測定は、LEDの順電圧を決定するために使用でき、これはピクセルの対応する温度にマッピングできる。システムコントローラ120を使用して、検出された温度に基づいてLEDアレイ110の調整を行うことができる。調整には、個々のピクセル102または選択されたピクセルのグループに対して、ピクセル強度、色、およびオン/オフ状態を変更することが含まれ、たとえば、1つ以上の色のパルス幅変調(PWM)デューティサイクルを調整することができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、LEDアレイ110は、マイクロLED(「μLED」または「uLED」と呼ばれることもある)のアレイから形成することができる。マイクロLEDは、横方向の寸法が100マイクロメートル(μm)×100μm未満の高密度ピクセルをサポートできる。いくつかの実施形態では、直径または幅が約50μm以下の寸法のマイクロLEDを使用することができる。このようなマイクロLEDは、例えば赤色、青色、および緑色の複数の可視波長で発光するマイクロLEDを近接して整列させることによって、カラーディスプレイの製造に使用することができる。いくつかの実施形態では、マイクロLEDは、モノリシック窒化ガリウム (GaN) または他の半導体基板上に定義することができ、セグメント化された、部分的に、または完全に分割された半導体基板上に形成されるか、または個別に形成されるか、マイクロLEDのグループとして組み立てられるパネルにすることができる。いくつかの実施形態では、LEDアレイ110は、センチメートルスケール以上の面積を持つ基板上に配置された少数のマイクロLEDを含むことができる。いくつかの実施形態では、LEDアレイ110は、センチメートルスケール以下の面積の基板上に一緒に配置された数百、数千、または数百万のLEDを持つマイクロLEDピクセルアレイをサポートすることができる。いくつかの実施形態では、マイクロLEDは30ミクロンから500ミクロンのサイズのLEDを含むことができる。いくつかの実施形態では、マイクロLEDピクセルアレイは、様々なタイプ、サイズ、レイアウトのLEDから形成することができる。いくつかの実施形態では、個別にアドレス指定可能なLEDの一次元 (1D) または二次元 (2D) マトリックスアレイを使用することができる。一般的には、NとMがそれぞれ2から1000の間であるNxMアレイを使用することができる。個々のLED構造は、正方形、長方形、六角形、多角形、円形、円弧、またはその他の表面形状を持つことができる。LEDアセンブリまたは構造のアレイは、幾何学的に直線の行と列、千鳥の行と列、曲線、または半ランダムまたはランダムなレイアウトに配置することができる。個別にアドレス指定可能なピクセルアレイとして形成された複数のLEDを含むことができるLEDアセンブリもサポートされている。いくつかの実施形態では、LEDへの伝導線の放射状または他の非長方形のグリッドアレイを使用することができる。他の実施形態では、LEDへの導電線の曲線、巻線、蛇行、および/または他の適切な非線形アレイを使用することができる。
【0019】
図2は、順電圧シフト測定を使用した温度決定を示す順電圧シフト対接合温度の代表的なグラフ200である。グラフ200に見られるように、PN接合で形成されたLEDには、LEDの順電圧シフトを誘発する電流を供給することができる。LEDの関連する順電圧シフトの測定は、摂氏度当たり数ミリボルトの負の温度係数を持ち、通常は-2mV/°Cである。図2は、ある電流値におけるLED接合温度の関数として順電圧シフトを示す曲線の例を示している。
【0020】
図3は、ピクセル温度の測定を可能にするピクセルレベルの回路300の一実施形態を示している。この回路300では、2つの代表的なピクセル330,332は、数千から数百万のピクセルをサポートするマイクロLEDアレイからのものであり得る。各ピクセル330,332は、それぞれのドライバとそれぞれのLED338,340を持つ。図示された回路300は、ドライバを形成するために組み合わされた電流源334,336とパルス幅変調(PWM)スイッチ342,344を含むが、個々のLEDピクセルを駆動するための電流を提供する代替電流および制御システムを使用することができる。別のスイッチ346はピクセル330のLED338のアノードに接続され、スイッチ348は同様にピクセル332のLED340のアノードに接続される。両方のスイッチ346,348のもう一方の端子は、共通の電力ノードバス350に接続されていることとして示されている。
【0021】
動作中、制御ブロック352は、各LED338,340に接続されたスイッチ346,348を一つずつ電気的にオンにすることによって、マイクロLEDアレイをスキャンすることができる。例えば、制御ブロック352がスイッチ346をオンにし、スイッチ348をオフにし、同時に他のピクセルに接続された他のすべてのスイッチをオフにすると、バス350上の電圧はLED338のLED順電圧に等しい。ピクセル330のLED338のバス350は、処理および/またはメモリへの格納のために制御ブロック352に送ることができる。スイッチ346およびLEDアレイの他のピクセルの他のすべてのスイッチがオフになり、スイッチ348のみがオンになると、ピクセル332のLED340の順電圧をバス350で測定し、制御ブロック352で処理することができる。このようにして、マトリックス内のピクセルのバス350上のLED電圧を一度に一つずつ測定することができる。
【0022】
制御ブロック352は、温度監視制御システム122(図1参照)またはコマンドおよび制御モジュール616(図6参照)などの上位レベルのコントローラによって制御することができる。図6のコマンドおよび制御モジュール616は、温度監視制御システム122の機能を含むか実装することができ、その逆も可能である。
【0023】
図4は、ピクセルの温度を測定するための手順400の一実施形態を示している。第1の動作402では、LED電圧から個々のLEDの接合温度を導き出すなどの較正が行われる。一実施形態では、コントローラ(例えば、システムコントローラまたは温度監視制御ブロック)のメモリに保存されたテスト結果を持つすべてのピクセルに対して、参照温度と対応する電圧測定が行われる。精度を確保するために、マイクロLEDマトリックスの製造中に、適切に制御された温度において異なる電流値で較正を行うことができる。
【0024】
製造されたマイクロLEDアレイの動作中、動作404において、バス350におけるLEDピクセル330,332の順電圧を測定することができる。動作404は、断続的に、繰り返しスケジュールで、所定の時間内で、または他の様式で実行することができる。動作406で、コントローラまたは温度監視制御ブロック352は、較正動作402で作成された保存された関連データを呼び出す。関連データは、LEDピクセルの順電圧と特定の動作電流での接合温度との関係に関するものである。次に、動作406で、コントローラまたは温度監視制御ブロック352は、バス350上の測定電圧と動作電流を保存された関連データと比較し、そのLEDの動作接合温度を導き出すことができる。制御ブロック352は、温度の結果を保存し、スイッチ346,348の状態を動作して、次のピクセルの順電圧を測定することができる。LEDピクセル330,332を一つずつスキャンして測定することで、LEDマトリックスの温度プロファイルを得ることができる。温度プロファイルには、マトリックスアレイの各LEDピクセル330,332の温度を含めることができる。これにより、測定された温度に基づいてマイクロLEDピクセルを連続的に、時々に、またはスケジュールして調整することができる。決定され、保存された温度が指定された最高温度よりも大きいか、または指定された最低温度よりも小さい場合、制御ブロック352はマイクロLEDの動作パラメータを調整することができる。
【0025】
動作408では、動作404で決定された順電圧シフトと較正402で決定された参照電圧に基づいて、ピクセルの温度を決定することができる。
【0026】
動作410では、LED
338,340の順電圧に影響を与える電流源334,336またはPWMデューティサイクルによって提供される電流の振幅を調整することができる。電流源334,336から電流またはPWMデューティサイクルを増加させることにより、平均電流の増加により順電圧がシフトする。図2によると、このような増加はLED 338,340のPN接合における温度の低下をもたらす。同様に、電流源334,336からの電流を減少させることにより、電流の減少により順電圧がシフトする。図2によると、減少によりLED 338,340のPN接合部の温度が上昇する。このようにして、制御ブロック352は、LEDアレイが過熱したり、電流を過剰に消費したりしないように、または温度の懸念とのバランスを取りながらエネルギー消費効率を維持するのに役立つ。つまり、制御ブロック352は、記載されている技術を使用して、温度の懸念と運用効率のバランスをとることができる。
【0027】
図5は、適切なランプ時間とパルス幅を設定することによって個別に制御および調整されたピクセル強度を可能にする、適切な照明ロジックおよび制御モジュールおよび/またはパルス幅変調モジュールを備えた照明マトリックス制御システム500の一例を示している。このような調整されたピクセル強度、ランプ時間、またはパルス幅は、温度の問題または潜在的な温度の問題を補正するのに役立つ。アドレス可能なLEDピクセルのアクティブ化を使用して、パターン化された照明を提供し、色または強度の変動を減らし、さまざまなピクセル診断機能を提供できる。図5に示すようなマイクロLEDアレイには、アクティブに発光し、個別に制御される数千から数百万のマイクロLEDピクセルのアレイを含めることができる。画像を表示するパターンまたはシーケンスで光を放出するには、アレイ上の異なる位置にあるマイクロLEDピクセルの現在のレベルを、特定の画像に従って個別に調整できる。これには、特定の周波数でピクセルをオンまたはオフにするパルス幅変調(PWM)が含まれる場合がある。PWM動作中、ピクセルを通る平均直流(DC)は、電流振幅とPWMデューティサイクルの積であり、後者は伝導時間と周期またはサイクル時間の間の比率である。
【0028】
システム500の効率的な使用を容易にする処理モジュールを図5に示す。システム500は、マイクロLEDアレイの振幅とデューティサイクルのピクセルまたはグループのピクセルレベル制御を実装できる制御モジュール502を含む。いくつかの実施形態では、システムはさらに、画像を生成、処理、または送信するための画像処理モジュール504と、制御データまたは命令を送信するように構成された集積回路間 (I2C) (I2Cは同期、マルチリーダ、マルチフォロワ、パケット交換、シングルエンド、シリアル通信バスである)などのデジタル制御インターフェース506を含む。デジタル制御インターフェース506および制御モジュール502には、システムマイクロコントローラと、外部デバイスからの制御入力を受信するように構成された任意のタイプの有線または無線モジュールを含めることができる。例として、無線モジュールには、bluetooth(登録商標)、Zigbee、Z-wave、メッシュ、WiFi、近距離無線通信(NFC)、および/またはピアツーピアモジュールを含めることができる。マイクロコントローラは、LED照明システムに組み込まれ、有線または無線モジュールまたはLEDシステム内の他のモジュールからの入力を受信し、それに基づいて他のモジュールに制御信号を提供するように構成された、または構成可能な、任意のタイプの特殊目的のコンピュータまたはプロセッサであることができる。マイクロコントローラまたは他の適切な制御モジュール502によって実装されるアルゴリズムは、特殊目的のプロセッサによって実行されるために、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に組み込まれたコンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアで実装されることがある。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体の例には、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、および半導体メモリデバイスが含まれる。メモリは、マイクロコントローラの一部として含まれている場合もあれば、プリント回路または電子基板の内外で別の場所に実装されている場合もある。
【0029】
ここで使用されるモジュール、ブロック、回路などという用語は、1つ以上の電子基板にはんだ付けすることができる個々の回路基板に配置された電気および/または電子部品を指す場合がある。ただし、モジュールという用語は、同様の機能を提供する電気および/または電子部品を指す場合もあるが、同じ領域または異なる領域の1つ以上の回路基板に個別にはんだ付けすることができる。電気および/または電子部品には、1つ以上のトランジスタ、抵抗、コンデンサ、ダイオード、増幅、インダクタ、電源、メモリ、アナログデジタル変換器(ADC)、デジタルアナログ変換器(DAC)、スイッチ、マルチプレクサ、論理ゲート(例えば、AND、OR、XOR、否定、バッファなど)、プロセッサデバイス(例えば、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)など)などを含めることができる。
【0030】
前述のように、制御モジュール502は、I2Cを使用して実装できるような、画像処理モジュール504およびデジタル制御インターフェース506をさらに含めることができる。いくつかの実施形態では、画像処理計算は、変調された画像を直接生成することによって、制御モジュール502によって行われる場合がある。または、標準的な画像ファイルを処理または変換して、画像に一致するように変調を提供することもできる。主にPWMデューティサイクル値を含む画像データは、画像処理モジュール504内のすべてのピクセルに対して処理できる。振幅は通常、固定値またはあまり頻繁に変更されない値であるため、振幅関連のコマンドは別のデジタルインターフェース(例えば、別のI2C、コントローラエリアネットワーク(CAN)、汎用非同期送受信器(UART)、シリアル・ペリフェラル・インタフェース(SPI)、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)など)を介して個別に与えることができる。制御モジュール502はデジタルデータを解釈し、それは、次に、制御モジュール502のPWM生成器に使用されてピクセルのPWM信号510を生成し、デジタルアナログ変換器(DAC)信号512に使用されて必要な電流源振幅を生成するための制御信号を生成する。
【0031】
いくつかの実施形態では、離散温度センサ(T1-T4)を、記載されたピクセルレベルの温度監視システムおよび方法の較正を補完または提供できる温度監視に使用できる。実施形態では、図5のピクセルマトリックス520は、ピクセルレベルの温度測定をサポートできるm個のピクセルを含むことができる。実施形態では、ピクセルは、図4に関して前述したような電流源334,336とPWMスイッチ342,344に接続される。
【0032】
制御モジュール502は、温度監視制御システム122(図1参照)またはコマンドおよび制御モジュール616(図6参照)などの上位レベルのコントローラによって制御することができる。制御モジュール502は、制御ブロック352の機能を含むことも実装することもでき、その逆も可能である。
【0033】
図6は、図1-5に関して議論されているような機能をサポートするシステム600のワンチップレベルの実装をより詳細に示している。システム600は、ピクセル回路の振幅とデューティサイクルのピクセルレベルまたはグループピクセルレベルでの制御を実装するだけでなく、温度制御の監視と制御を提供できるコマンドおよび制御モジュール616を含む。いくつかの実施形態では、システム600は、アクティブLEDマトリックス620に供給できる生成または処理された画像を保持するためのフレームバッファ610をさらに含む。他のモジュールは、必要な制御データまたは命令を送信するように構成されたI2Cシリアルバス612またはSPIインターフェース614などのデジタル制御インターフェースを含むことができる。
【0034】
動作中、システム600は、SPIインターフェース614を介して到着した車両またはその他のソースからの画像またはその他のデータを受け入れることができる。連続する画像またはビデオデータは、画像フレームバッファ610に格納することができる。画像データが利用できない場合、待機画像バッファ611に保持されている一つ以上の待機画像を画像フレームバッファ610に送ることができる。このような待機画像には、例えば、車両の法的に許可された低ビームヘッドランプの放射パターンに一致する強度と空間パターン、または建築照明やディスプレイのデフォルトの光放射パターンを含めることができる。
【0035】
動作では、画像内のピクセルを使用して、アクティブマトリックス内の対応するLEDピクセルの応答を定義し、LEDピクセルの強度と空間的または時間的な変調を画像に基づいて行う。データレートの問題を軽減するために、いくつかの実施形態では、ピクセルのグループ(例えば、KとLが1より大きい整数であるピクセルのKxLブロック)を単一のブロックとして制御できる。実施形態では、高速で高いデータレートの動作がサポートされており、連続する画像からのピクセル値を、画像シーケンス内の連続するフレームとして、30Hzから100Hzの間のレートで読み込むことができる。PWMを使用すると、各ピクセルがパターンで発光するように制御でき、その強度は画像フレームバッファ610に保持されている画像に少なくとも部分的に依存する。
【0036】
いくつかの実施形態では、システム600はVddおよびVssピンを介して論理電力を受け取ることができる。アクティブマトリックスは、複数のVLEDおよびVCathodeピンによってLEDアレイ制御のための電力を受け取る。SPIインタフェース614は、単一のマスターとのマスタースレーブアーキテクチャを使用して全二重モード通信を提供することができる。リーダデバイスは、読み書きのためのフレームを発信する。個々のフォロワ選択(SS)ラインでの選択により、複数のフォロワデバイスがサポートされる。入力ピンには、リーダ出力フォロワ入力(MOSI)、リーダ入力フォロワ出力(MISO)、チップ選択(SC)、およびクロック(CLK)を含めることができ、すべてSPIインターフェース614に接続される。SPIインターフェースは、アドレス生成器、フレームバッファ、および待機フレームバッファに接続する。ピクセルは、パラメータを設定し、コマンドおよび制御モジュールによって信号または電力を変更(例えば、フレームバッファに入力する前のパワーゲーティング、またはパルス幅変調またはパワーゲーティングを介してフレームバッファから出力した後のパワーゲーティングによる)できる。SPIインタフェース614はアドレス生成モジュール618に接続でき、このモジュールは行とアドレスの情報をアクティブマトリックス620に提供する。アドレス生成モジュール618はフレームバッファのアドレスをフレームバッファ610に提供できる。
【0037】
いくつかの実施形態では、I2Cシリアルバス612を介してコマンドおよび制御モジュール616を外部制御できる。7ビットアドレッシングのクロック(SCL)ピンとデータ(SDA)ピンをサポートできる。コマンドおよび制御モジュール616は、デジタルアナログコンバータ(DAC)と2つのアナログデジタルコンバータ(ADC)を含めることができる。これらは、それぞれ、接続されたアクティブマトリックスのVbiasの設定、最大Vfの決定の支援、およびシステム温度の決定に使用される。また、アクティブマトリックス620のパルス幅変調発振 (PWMOSC) 周波数を設定する発振器 (OSC) も接続されている。実施形態では、診断、較正、またはテストの目的で、アクティブマトリックス内の個々のピクセルまたはピクセルブロックのアドレスを可能にするためのバイパス線も存在する。アクティブマトリックス620は、データ線、バイパス線、PWMOSC線、Vbias線、およびVf線によって供給される個々のピクセルをアドレス指定するために使用される行および列の選択によってさらにサポートすることができる。
【0038】
理解されるように、いくつかの実施形態では、記述された回路とアクティブマトリックス620はパッケージ化され、任意で、半導体LEDによる光生成の電力供給と制御のために接続されたサブマウントまたはプリント基板を含むことができる。特定の実施形態では、プリント基板は、電気ビア、ヒートシンク、グランドプレーン、電気トレース、およびフリップチップまたは他のマウントシステムも含むことができる。サブマウントまたはプリント基板は、セラミック、シリコン、アルミニウムなどのような任意の適切な材料で形成することができ、サブマウント材料が導電性である場合は、基板材料の上に絶縁層が形成され、絶縁層の上に金属電極パターンが形成される。サブマウントは、LED上の電極と電源の間の電気的インターフェースを提供する機械的なサポートとして機能することができ、熱の沈み込みも提供することができる。
【0039】
より一般的には、本明細書で説明するような発光アクティブマトリックスピクセルアレイは、光分布のきめ細かい強度や、空間的および時間的制御の恩恵を受ける用途をサポートする可能性がある。これには、ピクセルブロックまたは個々のピクセルから放出された光の正確な空間パターン化が含まれるが、これに限定されない。用途に応じて、放出された光はスペクトル的に区別され、時間の経過に応じて適応し、および/または環境に応答する場合がある。発光ピクセルアレイは、さまざまな強度、空間、または時間パターンで事前にプログラムされた光の分布を提供する場合がある。放出された光は、少なくとも部分的には受信されたセンサデータに基づいていてもよく、光無線通信のために使用されてもよい。関連する光学系は、ピクセル、ピクセルブロック、またはデバイスレベルで異なる場合がある。例示的な発光ピクセルアレイは、関連する共通の光学系を持つ高輝度ピクセルの共通制御中央ブロックを持つデバイスが含まれる場合があるが、エッジピクセルは個別の光学系を持つ場合がある。発光ピクセルアレイによってサポートされる一般的な用途には、ビデオ照明、自動車のヘッドライト、建築およびエリア照明、街路照明、情報ディスプレイなどがある。
【0040】
発光マトリックスピクセルアレイは、視覚的ディスプレイを改善するために、または照明コストを削減するために、建物またはエリアを選択的かつ適応的に照明するために使用されることがある。さらに、発光ピクセルアレイは、装飾的な動きまたはビデオ効果のためにメディアファサードを投影するために使用されることがある。追跡センサおよび/またはカメラと組み合わせて、歩行者の周囲の領域の選択的な照明が可能になることがある。スペクトル的に異なるピクセルを使用して、照明の色温度を調整したり、波長固有の園芸照明をサポートしたりすることができる。
【0041】
街路照明は、発光ピクセルアレイの使用から大きな利益を得ることができる重要な用途である。単一タイプの発光アレイを使用して、さまざまな街路灯のタイプを模倣することができ、例えば、選択されたピクセルの適切な活性化または非活性化によってタイプI線形街路灯とタイプIV半円形街路灯を切り替えることができる。また、環境条件や使用時間に応じて光の強さや配光を調整することで、街路灯のコストを下げることができる。例えば、歩行者がいない場合は、光の強さや配光面積を減らすことができる。発光ピクセルアレイのピクセルがスペクトル的に異なる場合、光の色温度はそれぞれの日照、薄明、または夜間の条件に従って調整されることがある。
【0042】
発光アレイは、直接または投影ディスプレイを必要とする用途をサポートするのにも適している。たとえば、警告、緊急、または情報標識はすべて、発光アレイを使用してディスプレイまたは投影される場合がある。これにより、たとえば、色の変更や点滅する出口標識を投影できる。発光アレイが多数のピクセルで構成されている場合は、テキストまたは数値の情報がディスプレイされることがある。方向矢印または同様のインジケーターも提供されることがある。
【0043】
車両のヘッドランプは、大きなピクセル数と高いデータリフレッシュレートを必要とする発光アレイの用途である。道路の選択されたセクションのみをアクティブに照らす自動車のヘッドライトは、対向するドライバーのまぶしさや眩しさに関連する問題を軽減するために使用できる。赤外線カメラをセンサとして使用し、発光ピクセルアレイは、道路を照らすために必要なピクセルのみを活性化し、歩行者や対向車のドライバーを眩惑する可能性のあるピクセルを非活性化する。さらに、オフロードの歩行者、動物、または標識を選択的に点灯して、ドライバーの環境意識を向上させることができる。発光ピクセルアレイのピクセルがスペクトル的に異なる場合、光の色温度はそれぞれの日照、薄明、または夜間の条件に従って調整されることがある。一部のピクセルは、光無線車両間通信に使用される場合がある。
【0044】
その他の注意事項と例
【0045】
例1は、第1のスイッチによってバスに接続された第1のピクセルに結合された第1のドライバを含む発光ダイオード
(LED) アレイの温度監視制御システムを含む。第2のスイッチによってバスに接続された第2のピクセルに結合された第2のドライバ、および第1のおよび第2のスイッチに結合された制御ブロックは、第1のスイッチをオンにして第2のスイッチをオフにし、第1のスイッチがオンになって第2のスイッチがオフになっている間に第1のピクセルのバス上のバス電圧を測定し、バス電圧に基づいて、第1のピクセルのLED順電圧シフトおよびLED順電圧シフトに基づく第1のピクセルの対応する温度シフトを決定し、温度シフトに基づいて第1のピクセルの駆動電流を調整する。
【0046】
例2において、例1はさらにを含むことができ、ここでLEDアレイはマイクロLEDピクセルアレイを含む。
【0047】
例3では、例1-2の少なくとも1つはさらに、制御ブロックが第2のスイッチをオンにして第1のスイッチをオフにするようにさらに動作可能であり、第2のスイッチがオンになって第1のスイッチがオフになっている間に、第2のバス電圧を測定し、第2のバス電圧に基づいて、第2のピクセルのLED順電圧シフトと、第2のピクセルの決定されたLED順電圧シフトに基づく第2のピクセルの対応する温度シフトを決定し、決定された温度に基づいて第2のピクセルの駆動電流を調整することができる。
【0048】
例4では、例1-3の少なくとも1つは、さらにを含むことができ、ここで、第1のおよび第2のスイッチは、LEDアレイ内のバスに結合されたn個のスイッチのサブセットであり、制御ブロックは、バス上のn個のスイッチの1つを除くすべてのスイッチをオフにし、1つのスイッチをオンにするようにさらに動作可能である。1つのスイッチに結合された第3のピクセルのバス電圧を測定し、第3のピクセルの測定されたバス電圧に基づいて、第3のピクセルの対応する温度シフトを決定する。
【0049】
例5では、少なくとも1つの例1-4がさらに含まれ、温度シフトに基づく第1のピクセルの駆動電流の調整には、電流振幅またはパルス幅変調デューティサイクルの少なくとも1つへの変更が含まれる。
【0050】
例6では、少なくとも1-5の例1-5がさらに含まれ、第1のおよび第2のドライバはそれぞれ第1のおよび第2の電流源をさらに含み、第1のおよび第2のドライバはそれぞれ第1のおよび第2のパルス幅変調スイッチに直列に結合され、第1のおよび第2のパルス幅変調スイッチはそれぞれ第1のおよび第2のスイッチに並列に結合される。
【0051】
例7において、例1-6の少なくとも1つはさらにを含むことができ、ここで制御ブロックは、LED設計、製造ファクタ、または供給電流の少なくとも1つに基づく依存性を含む較正によって温度依存性を決定するように動作する。
【0052】
例8は、バスを含むマイクロ発光ダイオード(マイクロLED)ピクセルアレイシステムを含む。バスに接続された複数のマイクロLEDピクセル、LEDドライバとLEDを含む各マイクロLEDピクセル、およびマイクロLEDピクセルのドライバに接続された制御ブロック、バス上のLED順電圧を測定するために動作可能な制御ブロック、測定LED順電圧に基づいてLED順電圧シフトを決定する。決定されたLED順電圧シフトに基づいて、バスに電気的に接続された複数のマイクロLEDピクセルのマイクロLEDピクセルに対応する温度シフトを決定し、 決定された温度シフトに基づいて、マイクロLEDピクセルのLEDドライバによって提供される電流を調整する。
【0053】
例9では、例8はさらに 制御ブロックに接続された画像処理モジュール、対応するマイクロLEDピクセルのマイクロLEDドライバによって提供されるパルス幅変調デューティサイクルと電流の振幅を示す画像処理モジュール。
【0054】
例10において、例8-9の少なくとも一つはさらにを含むことができ、ここで制御ブロックは、複数のマイクロLEDピクセルのそれぞれにおいて、並列に接続されたスイッチを制御するためにさらに動作可能である。
【0055】
例11において、例10はさらに、スイッチがn個のスイッチを含み、n個のスイッチのそれぞれがn個のバスに電気的に接続され、n>2である場合、制御ブロックは、n個のバスのそれぞれのバス上に閉じられた異なるスイッチを残したまま、バスのそれぞれのバス上の異なるn-1個のスイッチを開き、単一のクロックサイクルでn個のバスのそれぞれの順電圧を測定するためにさらに動作可能であることを含むことができる。
【0056】
例12において、例8-11の少なくとも1つはさらに含むことができ、決定された温度シフトに基づいてLEDドライバによって提供される電流の調整は、供給された電流振幅またはパルス幅変調のピクセルアレイの少なくとも1つに対する変更に基づいている。
【0057】
例13において、例8-12の少なくとも1つはさらに含むことができ、制御ブロックは、LEDの設計、製造要因、および供給された電流の少なくとも1つに基づく依存性を含む較正によって、決定された温度依存性に対して動作可能である。
【0058】
例14において、例10-13の少なくとも一つは、さらに、各ドライバがそれぞれ電流源とパルス幅変調スイッチへの電気的接続をさらに含み、パルス幅変調スイッチは電流源と直列に電気的に接続され、スイッチのスイッチと並列に電気的に接続される。
【0059】
例15は、LEDアレイの制御方法を含み、その方法は、バスに接続された複数のマイクロLEDピクセルを提供し、各ピクセルは制御ブロックによって独立してアドレス指定可能であり、複数のマイクロLEDピクセルのそれぞれについて、順電圧シフト、測定された順電圧シフトを較正中に決定された参照電圧と比較し、複数のマイクロLEDピクセルのそれぞれについて温度結果を計算し保存する。
【0060】
例16において、例15はさらに、マイクロLEDピクセルのドライバおよび画像処理モジュールから、画像に対応する振幅およびパルス幅変調デューティサイクルを受信することを含むことができる。
【0061】
例17において、少なくとも1つの例15-16はさらに含むことができ、ここで、順電圧シフトの測定は、バスに電気的に接続された複数のスイッチのうちの1つを除くすべてをオフにして、スイッチに接続されたマイクロLEDピクセルの順電圧シフトを測定することを含む。
【0062】
例18において、少なくとも1つの例15-17は、動作中に複数のマイクロLEDの順電圧シフトを繰り返し測定することをさらに含むことができる。
【0063】
例20において、例19はさらにを含むことができ、電気制御の調整は、LEDピクセルの電流またはパルス幅変調デューティサイクルの変更を含む。
【0064】
本発明の多くの変更および他の実施形態は、前述の説明および関連する図面に示された教えの恩恵を受ける当業者の頭に浮かぶであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、修正及び実施形態は、添付の特許請求の範囲に含まれることを意図していると理解される。また、本発明の他の実施形態は、本明細書において特に開示されていない要素/ステップがない場合に実施されてもよいと理解される。ソフトウェア制御ハードウェアをサポートするこれらの実施形態では、本明細書に記載された方法、手順、および実装は、コンピュータまたはプロセッサによって実行されるためにコンピュータ可読媒体に組み込まれたコンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアで実現されてもよい。コンピュータ可読媒体の例には、電子信号 (有線または無線接続を介して送信される) およびコンピュータ可読記憶媒体が含まれる。コンピュータ可読記憶媒体の例には、リードオンリーメモリ (ROM) 、ランダムアクセスメモリ (RAM) 、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスクやリムーバブルディスクなどの磁気メディア、光磁気メディア、CD-ROMディスクなどの光学メディア、およびデジタル多用途ディスク (DVD) が含まれるが、これらに限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6