(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
C08L 7/00 20060101AFI20240410BHJP
C08K 3/04 20060101ALI20240410BHJP
C08L 25/08 20060101ALI20240410BHJP
B60C 1/00 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
C08L7/00
C08K3/04
C08L25/08
B60C1/00 A
(21)【出願番号】P 2019199741
(22)【出願日】2019-11-01
【審査請求日】2022-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】広田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】土方 健介
【審査官】松元 洋
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/115954(WO,A1)
【文献】特開2016-030815(JP,A)
【文献】国際公開第2019/045061(WO,A1)
【文献】特開昭56-164312(JP,A)
【文献】特開2000-204274(JP,A)
【文献】特開2007-224073(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00 - 101/16
C08K 3/00 - 13/08
B60C 1/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然ゴム100質量部からなるジエン系ゴム100質量部に対し、
窒素吸着比表面積(N
2SA)が、90m
2/g以上のカーボンブラックを
40~60質量部、および
スチレン、インデンおよびジシクロペンタジエンを共重合した熱可塑性樹脂を0.1~20質量部配合してなる、
ことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
(ただし、前記タイヤ用ゴム組成物はシリカを含まない。)
【請求項2】
前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N
2SA)が90~150m
2/gであることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項3】
前記熱可塑性樹脂の配合量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、1~10質量部であることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物を用いた重荷重用空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、操縦安定性を損ねることなく、耐チッピング性を向上させたタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
重荷重用空気入りタイヤにおいて、チッピング現象は舗装路面、非舗装路面問わず発生し、課題となっている。耐チッピング性を向上させるには、破断伸びを高めることが有効であり、そのための手法として、例えばカーボンブラックやシリカのような充填剤や架橋剤を減らすことが挙げられる。しかしこのような手法では硬度が低下し、操縦安定性を損なうという問題点がある。
【0003】
下記特許文献1には、スチレン-ブタジエン共重合体と、カーボンブラックと、スチレン、エチレンおよびジシクロペンタジエンの各単位を含む樹脂とを含有するゴム組成物が開示されている。しかし、該ゴム組成物は、下記で説明するスチレン、インデンおよびジシクロペンタジエンを共重合した熱可塑性樹脂を使用するものではないため、実用上十分な操縦安定性を有し、破断伸びを高めて耐チッピング性を向上させたタイヤ用ゴム組成物を提供することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって本発明の目的は、操縦安定性を損ねることなく、耐チッピング性を向上させたタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、特定の比表面積を有するカーボンブラックおよびシリカの特定量、並びに、スチレン、インデンおよびジシクロペンタジエンを共重合した熱可塑性樹脂を特定量でもって配合することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下の通りである。
【0007】
1.天然ゴムおよび/または合成イソプレンゴムを50~100質量部並びにブタジエンゴムまたはスチレン-ブタジエン共重合体ゴム0~50質量部含むジエン系ゴム100質量部に対し、
窒素吸着比表面積(N2SA)が、90m2/g以上のカーボンブラックを1~60質量部、
窒素吸着比表面積(N2SA)が、130m2/g以上のシリカを0~60質量部、および
スチレン、インデンおよびジシクロペンタジエンを共重合した熱可塑性樹脂を0.1~20質量部配合してなり、
前記カーボンブラックおよび前記シリカの配合量の合計が40~70質量部である
ことを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
2.前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)が90~150m2/gであり、前記シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)が130~270m2/gであることを特徴とする前記1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
3.前記熱可塑性樹脂の配合量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、1~10質量部であることを特徴とする前記1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
4.前記1~3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物を用いた重荷重用空気入りタイヤ。
【発明の効果】
【0008】
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、天然ゴムおよび/または合成イソプレンゴムを50~100質量部並びにブタジエンゴムまたはスチレン-ブタジエン共重合体ゴム0~50質量部含むジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が、90m2/g以上のカーボンブラックを1~60質量部、窒素吸着比表面積(N2SA)が、130m2/g以上のシリカを0~60質量部、およびスチレン、インデンおよびジシクロペンタジエンを共重合した熱可塑性樹脂を0.1~20質量部配合してなり、前記カーボンブラックおよび前記シリカの配合量の合計が40~70質量部であることを特徴としているので、操縦安定性を損ねることなく、耐チッピング性を向上させたタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
とくに前記熱可塑性樹脂は、スチレン、インデンおよびジシクロペンタジエンを共重合してなるものであり、これらの3つのモノマー成分を同時に使用しない場合や、これらの3つのモノマー成分を共重合させずに単に混合した場合は、本発明の上記効果を奏することができない。
本発明の空気入りタイヤは、耐チッピング性が高められていることから、重荷重用空気入りタイヤのトレッドに好適である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0010】
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴムは、その全体を100質量部としたときに、天然ゴム(NR)および/またはイソプレンゴム(IR)が50~100質量部を占めることが必要である。なお、NR、IR以外のジエン系ゴムを併用することもでき、例えば、ブタジエンゴム(BR)またはスチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)を0~50質量部の範囲で併用することもできる。本発明で使用されるジエン系ゴムは、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
【0011】
(カーボンブラックおよびシリカ)
本発明で使用するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(N2SA)が90m2/g以上であることが必要である。カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)が90m2/g未満であると、硬度が低下し操縦安定性が悪化する。また本発明の効果向上の観点から、カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、90~150m2/gであるのが好ましく、100~150m2/gであるのがさらに好ましい。なおカーボンブラックは2種類以上をブレンドして用いてもよい。
またシリカは、タイヤ用途でゴム組成物に配合されている従来公知の任意のシリカを用いることができる。
シリカの具体例としては、湿式シリカ、乾式シリカ、ヒュームドシリカ等が挙げられる。シリカは、1種のシリカを単独で用いても、2種以上のシリカを併用してもよい。
なお、本発明で使用するシリカは、窒素吸着比表面積(N2SA)が130m2/g以上であることが必要である。シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)が130m2/g未満であると、操縦安定性および耐摩耗性が悪化する。本発明の効果を高めるという観点からシリカの窒素吸着比表面積(N2SA)はが130~250m2/gであることが好ましく、150~230m2/gであることがさらに好ましい。
なおカーボンブラックおよびシリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、JIS K 6217-2:2001「第2部:比表面積の求め方-窒素吸着法-単点法」にしたがって測定した値である。
【0012】
(B)熱可塑性樹脂
本発明で使用される(B)熱可塑性樹脂は、スチレン、インデンおよびジシクロペンタジエンの共重合物である。
本発明の効果向上の観点から、(B)熱可塑性樹脂は、次の条件の1つ以上を具備するものが好ましい。
(1)該熱可塑性樹脂は、スチレンが5~90モル%、インデンが5~90モル%、ジシクロペンタジエンが5~90モル%の範囲で構成されるのが好ましい。
(2)該熱可塑性樹脂のGPC法による重量平均分子量は、800~3000が好ましく、1000~2500がさらに好ましい。
(3)該熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、60~130℃が好ましく、70~120℃がさらに好ましい。
(4)該熱可塑性樹脂の軟化点は、100~160℃が好ましく、110~150℃がさらに好ましい。
【0013】
本発明で使用される熱可塑性樹脂は、市販されているものを利用することもでき、例えば日本ゼオン株式会社製商品名Quintone2940、JXTGエネルギー株式会社製商品名EP-140等が挙げられる。
【0014】
(配合割合)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、窒素吸着比表面積(N2SA)が、90m2/g以上のカーボンブラックを1~60質量部、窒素吸着比表面積(N2SA)が、130m2/g以上のシリカを0~60質量部、およびスチレン、インデンおよびジシクロペンタジエンを共重合した熱可塑性樹脂を0.1~20質量部配合してなり、前記カーボンブラックおよび前記シリカの配合量の合計が40~70質量部であることを特徴とする。
前記カーボンブラックの配合量が1質量部未満では、添加量が少なすぎて本発明の効果を奏することができない。逆に60質量部を超えると破断伸びが低下し、耐チッピング性が悪化する。
前記シリカの配合割合が60質量部を超えると破断伸びが低下し、耐チッピング性が悪化する。
前記熱可塑性樹脂の配合量が0.1質量部未満では配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができず、20質量部を超えると硬度が低下し、操縦安定性が悪化する。
前記カーボンブラックおよび前記シリカの配合量の合計が40質量部未満では、硬度が低下し、操縦安定性が悪化し、逆に70質量部を超えると破断伸びが低下し、耐チッピング性が悪化する。
【0015】
前記ジエン系ゴム100質量部に対し、カーボンブラックの配合量は1~60質量部が好ましく、5~55質量部がさらに好ましい。またシリカを配合する場合は、60質量部以下が好ましく、5~55質量部がさらに好ましい。
前記熱可塑性樹脂の配合量は、1~10質量部が好ましく、2~8質量部がさらに好ましい。
【0016】
(その他成分)
本発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;酸化亜鉛;シランカップリング剤;クレー、タルク、炭酸カルシウムのような各種充填剤;老化防止剤;可塑剤などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
【0017】
また本発明のタイヤ用ゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに適しており、操縦安定性を損ねることなく、耐チッピング性を向上しいることから、重荷重用空気入りタイヤ、とくに重荷重用空気入りタイヤのトレッドに適用するのがよい。
【実施例】
【0018】
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
【0019】
標準例1、実施例1~6および比較例1~9
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練し、ゴムをミキサー外に放出して室温冷却した。次いで、該ゴムを同ミキサーに再度入れ、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で加硫ゴム試験片の物性を測定した。
【0020】
破断伸びEB:JIS K 6251に従い、室温で試験した。結果は、標準例1の値を100として指数表示した。指数が大きいほど破断伸びが高く、耐チッピング性に優れることを示す。
硬度Hs:JIS K6253に準拠して20℃にて測定した。結果は、標準例1の値を100として指数表示した。指数が大きいほど硬度が高く、操縦安定性に優れることを示す。なお、指数値が95以上である場合に、実用上十分な操縦安定性を有するものと判断する。
結果を表1に併せて示す。
【0021】
【0022】
*1:NR(STR20)
*2:BR(日本ゼオン株式会社製NipolBR 1220)
*3:SBR(日本ゼオン株式会社製Nipol 1502)
*4:カーボンブラックSAF(東海カーボン株式会社製シースト600 SAF-LS、N2SA=106m2/g)
*5:カーボンブラックISAF(キャボットジャパン社製ショウブラックN220、N2SA=110m2/g)
*6:カーボンブラックHAF(キャボットジャパン社製ショウブラックN330、N2SA=70m2/g)
*7:シリカ(ソルベイシリカコリア社製商品名ZEOSIL 1165MP、N2SA=155m2/g)
*8:樹脂-1(JXTGエネルギー株式会社製ネオポリマー140S、C9樹脂(スチレンおよびインデンを含むが、ジシクロペンタジエン(DCPD)を含まない))
*9:樹脂-2(三井化学株式会社製FTR2140、C9樹脂(スチレンを含むが、インデンおよびDCPDを含まない))
*10:樹脂-3(丸善石油化学株式会社製マルカレッツM-890A、DCPD樹脂(DCPDを含むが、スチレンおよびインデンを含まない))
*11:樹脂-4(JXTGエネルギー株式会社製EP-140、C9/DCPD樹脂(スチレン、インデンおよびDCPDを共重合した熱可塑性樹脂))
*12:樹脂-5(日本ゼオン株式会社製Quintone 2940、C9/DCPD樹脂(スチレン、インデンおよびDCPDを共重合した熱可塑性樹脂))
*13:老化防止剤(フレキシス社製6PPD)
*14:ワックス(大内新興化学工業株式会社製パラフィンワックス)
*15:ステアリン酸(千葉脂肪酸株式会社製工業用ステアリン酸N)
*16:酸化亜鉛(正同化学工業株式会社製酸化亜鉛3種)
*17:加硫促進剤(大内新興化学工業株式会社製ノクセラーNS-P)
*18:硫黄(四国化成工業株式会社製ミュークロンOT-20)
【0023】
表1の結果から、実施例1~6のゴム組成物は、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、特定の比表面積を有するカーボンブラックおよびシリカの特定量、並びに、スチレン、インデンおよびジシクロペンタジエンを共重合した熱可塑性樹脂を特定量でもって配合したので、標準例1に比べて、操縦安定性を損ねることなく、耐チッピング性が向上していることが分かる。
これに対し、比較例1はC9樹脂(スチレンおよびインデンを含むが、ジシクロペンタジエン(DCPD)を含まない)を使用した例であるので、硬度が低下し、操縦安定性が悪化した。
比較例2は、C9樹脂(スチレンを含むが、インデンおよびDCPDを含まない)を使用した例であるので、硬度が低下し、操縦安定性が悪化した。
比較例3は、DCPD樹脂(DCPDを含むが、スチレンおよびインデンを含まない)を使用した例であるので、硬度が低下し、操縦安定性が悪化した。
比較例4は、熱可塑性樹脂の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、硬度が低下し、操縦安定性が悪化した。
比較例5は、NRの配合量が本発明で規定する下限未満であるので、硬度が低下し、操縦安定性が悪化し、また破断伸びが低下し、耐チッピング性が悪化した。
比較例6は、カーボンブラックのN2SAが本発明で規定する範囲外であるので、硬度が低下し、操縦安定性が悪化した。
比較例7は、カーボンブラックの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、破断伸びが低下し、耐チッピング性が悪化した。
比較例8は、カーボンブラックおよびシリカの合計の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、破断伸びが低下し、耐チッピング性が悪化した。
比較例9は、樹脂-1であるC9樹脂(スチレンおよびインデンを含むが、DCPDを含まない)と、樹脂-3であるDCPD樹脂(DCPDを含むが、スチレンおよびインデンを含まない)とを単に混合した例であるので、硬度の低下が大きく、操縦安定性が悪化した。
【0024】
標準例2、実施例7および比較例10
サンプルの調製
表2に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練し、ゴムをミキサー外に放出して室温冷却した。次いで、該ゴムを同ミキサーに再度入れ、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で加硫ゴム試験片の物性を測定した。
【0025】
破断伸びEB:JIS K 6251に従い、室温で試験した。結果は、標準例2の値を100として指数表示した。指数が大きいほど破断伸びが高く、耐チッピング性に優れることを示す。
硬度Hs:JIS K6253に準拠して20℃にて測定した。結果は、標準例2の値を100として指数表示した。指数が大きいほど硬度が高く、操縦安定性に優れることを示す。なお、指数値が95以上である場合に、実用上十分な操縦安定性を有するものと判断する。
結果を表2に併せて示す。
【0026】
【0027】
表2の結果から、実施例7のゴム組成物は、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、特定の比表面積を有するカーボンブラックおよびシリカの特定量、並びに、スチレン、インデンおよびジシクロペンタジエンを共重合した熱可塑性樹脂を特定量でもって配合したので、標準例2に比べて、操縦安定性を損ねることなく、耐チッピング性が向上していることが分かる。
これに対し、比較例10はC9樹脂(スチレンおよびインデンを含むが、ジシクロペンタジエン(DCPD)を含まない)を使用した例であるので、硬度が低下し、操縦安定性が悪化した。