(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】ふろシステム、サーバ、ふろ機能装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G08B 21/02 20060101AFI20240410BHJP
G08B 21/08 20060101ALI20240410BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20240410BHJP
G08B 21/04 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
G08B21/02
G08B21/08
G08B25/04 K
G08B21/04
(21)【出願番号】P 2019215557
(22)【出願日】2019-11-28
【審査請求日】2022-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【氏名又は名称】大橋 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100203862
【氏名又は名称】西谷 香代子
(72)【発明者】
【氏名】福田 智也
(72)【発明者】
【氏名】小椋 朗広
(72)【発明者】
【氏名】辰村 俊也
(72)【発明者】
【氏名】加藤 嘉一
【審査官】吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-023836(JP,A)
【文献】特開平11-112681(JP,A)
【文献】特開2018-159488(JP,A)
【文献】特開2006-107169(JP,A)
【文献】特開2003-248880(JP,A)
【文献】特開2019-015444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H15/196
G06Q50/22
G08B19/00-31/00
G16H10/00-80/00
H03J9/00-9/06
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
H04Q9/00-9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部通信網に接続されたサーバと、
所定のふろ関連機能を実行するとともに前記サーバを介して携帯端末装置により遠隔制御が可能なふろ機能装置と、
浴槽に対する人の入浴を検知するための検知部と、
制御部と、を備え、
前記サーバは、前記検知部からの出力に基づく入浴検知が所定時間以上続いた場合に、前記ふろ機能装置に対応付けられた前記携帯端末装置に対して、長時間入浴通知を送信し、
前記制御部は、前記長時間入浴通知が送信された後、前記ふろ機能装置に対応付けられた一の前記携帯端末装置により、前記サーバおよび前記ふろ
機能装置を介して浴室内の人に対し呼び掛け動作が実行された場合に、少なくとも、前記ふろ機能装置に対応付けられた他の前記携帯端末装置に対して、前記呼び掛け動作が実行されたことを通知するための処理を実行す
る、
ことを特徴とするふろシステム。
【請求項2】
請求項
1に記載のふろシステムにおいて、
前記サーバは、前記長時間入浴通知を送信した後、所定時間内に、何れの前記携帯端末装置からも前記呼び掛け動作が実行されなかった場合、再度、前記各携帯端末装置に対して、長時間入浴通知を送信する、
ことを特徴とするふろシステム。
【請求項3】
請求項1
または2に記載のふろシステムにおいて、
前記サーバは、前記呼び掛け動作に対する前記浴室内の人からの応答を前記ふろ機能装置が取得できなかった場合に、応答がないことを示す異常通知を、前記各携帯端末装置に送信する、
ことを特徴とするふろシステム。
【請求項4】
請求項1
ないし3の何れか一項に記載のふろシステムにおいて、
前記サーバは、前記呼び掛け動作に対する前記浴室内の人からの応答を前記ふろ機能装置が受け付けた場合に、応答があったことを示す正常通知を、前記各携帯端末装置に送信する、
ことを特徴とするふろシステム。
【請求項5】
請求項1ないし
4の何れか一項に記載のふろシステムにおいて、
前記ふろ機能装置は、浴室内に設置されたリモートコントローラを備え、前記リモートコントローラを介して前記呼び掛け動作を実行する、
ことを特徴とするふろシステム。
【請求項6】
請求項1ないし
5の何れか一項に記載のふろシステムにおいて、
前記制御部は、前記サーバに備えられ、
前記サーバは、前記一の携帯端末装置から前記呼び掛け動作に関する操作指令を受信した場合に、前記操作指令に関する指令通知を前記ふろ機能装置に送信するとともに、少なくとも前記他の携帯端末装置に対して、呼び掛け動作が実行されたことを示す呼び掛け実行通知を送信する、
ことを特徴とするふろシステム。
【請求項7】
請求項1ないし
6の何れか一項に記載のふろシステムにおいて、
前記制御部は、前記ふろ機能装置に備えられ、
前記ふろ機能装置は、前記一の携帯端末装置から送信された前記呼び掛け動作に関する指令通知を前記サーバから受信した場合に、前記呼び掛け動作を実行するとともに、少なくとも前記他の携帯端末装置に呼び掛け動作が実行されたことを通知させるための要求通知を、前記サーバに送信する、
ことを特徴とするふろシステム。
【請求項8】
所定のふろ関連機能を実行するふろ機能装置を、外部通信網を介して、携帯端末装置からの操作指令により遠隔制御可能なサーバにおいて、
制御部を備え、
前記制御部は、
前記ふろ機能装置に配置された入浴を検知するための検知部からの出力に基づいて入浴が所定時間以上続いたことを検知した場合に、前記ふろ機能装置に対応付けられた前記携帯端末装置に対して、長時間入浴通知を送信し、
前記長時間入浴通知を送信した後、前記ふろ機能装置に対応付けられた一の前記携帯端末装置から、浴室内の人に対する呼び掛け動作に関する操作指令を受信した場合に、前記操作指令に関する指令通知を前記ふろ機能装置に送信するとともに、少なくとも、前記ふろ機能装置に対応付けられた他の前記携帯端末装置に対して、呼び掛け動作が実行されたことを通知す
る、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項9】
所定のふろ関連機能を実行するとともにサーバを介して携帯端末装置により遠隔制御が可能なふろ機能装置において、
浴槽に対する人の入浴を検知するための検知部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記検知部からの出力に基づく入浴検知が所定時間以上続いた場合に、前記サーバに、長時間入浴通知を送信し、
前記長時間入浴通知を送信した後、一の前記携帯端末装置から送信された浴室内の人に対する呼び掛け動作に関する指令通知を前記サーバから受信した場合に、前記呼び掛け動作を実行するとともに、前記サーバに、少なくとも他の前記携帯端末装置に呼び掛け動作が実行されたこと通知させるための要求通知を送信する、
ことを特徴とするふろ機能装置。
【請求項10】
所定のふろ関連機能を実行するふろ機能装置を、サーバを介して遠隔制御するための機能を、携帯端末装置の制御部に実行させるプログラムであって、
他の前記携帯端末装置によって浴室内の人に対する呼び掛け動作が行われたことを示す呼び掛け実行通知を前記サーバから受信した場合に、前記他の携帯端末装置により呼び掛け動作が行われたことを報知するための出力を実行させる機能
と、
前記呼び掛け実行通知を前記サーバから受信した場合に、呼び掛け動作に関する操作を受け付けない設定を実行する機能と、を含む、プログラム。
【請求項11】
所定のふろ関連機能を実行するふろ機能装置を、サーバを介して遠隔制御するための機能を、携帯端末装置の制御部に実行させるプログラムであって、
入浴が所定時間以上続いたことを示す長時間入浴通知を前記サーバから受信した場合に、長時間入浴を報知する第1の表示を表示部に表示させる機能と、
前記第1の表示を表示する状態において、他の前記携帯端末装置によって浴室内の人に対する呼び掛け動作が行われたことを示す呼び掛け実行通知を前記サーバから受信した場合に、前記他の携帯端末装置により呼び掛け動作が行われたことを報知するための第2の表示を前記表示部に表示させる機能と、を含むプログラム。
【請求項12】
請求項
11に記載のプログラムにおいて、
前記呼び掛け実行通知を前記サーバから受信した場合に、呼び掛け動作に関する操作を受け付けない設定を実行する機能をさらに含む、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置によりふろ機能装置を遠隔制御可能なふろシステム、当該ふろシステムを構成するサーバおよびふろ機能装置、並びに、携帯端末装置の制御部に遠隔制御のための所定の機能を実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給湯装置により供給される湯を浴槽に溜める方式のふろ機能装置が知られている。この他、浴槽に溜められた水を燃焼器に循環させて浴槽内の水を暖める方式のふろ機能装置も知られている。これらのふろ機能装置では、たとえば、浴室や台所に設置された複数のリモートコントローラによって、追い焚きや足し湯等のふろ関連機能が実行される。
【0003】
また、近年、スマートフォン等の携帯端末装置を用いて宅外から給湯装置を遠隔制御するシステムが開発されている。このシステムでは、携帯端末装置を用いて、宅外から、入浴者を見まもる機能を備え得る。たとえば、見まもり機能を備えた給湯システムが、以下の特許文献1に記載されている。このシステムでは、給湯装置にて入浴者の異常が検出されると、当該異常の発生が給湯装置からサーバに通知される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなシステムでは、宅内でお年寄り等の家族が入浴している場合に、適宜、携帯端末装置を用いて、宅外から入浴者に呼び掛けができると好ましい。これにより、入浴者の安全性を高めることができる。
【0006】
しかしながら、複数の使用者が、それぞれ、見まもり機能を行い得る携帯端末装置を所持している場合、各使用者は、他の使用者が呼び掛けを行ったか否かを判断できない。このため、複数の使用者から重複して呼び掛けが行われ、あるいは、他の使用者が呼び掛けを行っていると想定して自身は呼び掛けを控えることが起こり得る。
【0007】
かかる課題に鑑み、本発明は、一の携帯端末装置を用いて入浴者に呼び掛けが行われたか否かを他の携帯端末装置において把握することが可能なふろシステム、サーバ、ふろ機能装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、ふろシステムに関する。この態様に係るふろシステムは、外部通信網に接続されたサーバと、所定のふろ関連機能を実行するとともに前記サーバを介して携帯端末装置により遠隔制御が可能なふろ機能装置と、浴槽に対する人の入浴を検知するための検知部と、制御部と、を備える。前記サーバは、前記検知部からの出力に基づく入浴検知が所定時間以上続いた場合に、前記ふろ機能装置に対応付けられた前記携帯端末装置に対して、長時間入浴通知を送信し、前記制御部は、前記長時間入浴通知が送信された後、前記ふろ機能装置に対応付けられた一の前記携帯端末装置により、前記サーバおよび前記ふろ機能装置を介して浴室内の人に対し呼び掛け動作が実行された場合に、少なくとも、前記ふろ機能装置に対応付けられた他の前記携帯端末装置に対して、前記呼び掛け動作が実行されたことを通知するための処理を実行する。
【0009】
本態様に係るふろシステムによれば、たとえば、宅外にいる使用者は、宅内において入浴が長時間続いた場合に、そのことを、自身の携帯端末装置により知ることができる。そして、自身が呼び掛け操作を行う前に、他の使用者が呼び掛け動作を行っている場合は、そのことを、自身の携帯端末装置によって知ることができる。よって、当該使用者は、重ねて呼び掛け動作を行うことを避けながら、長時間入浴の発生に対し適切な対応をとることができる。
【0012】
本態様に係るふろシステムにおいて、前記サーバは、前記長時間入浴通知を送信した後、所定時間内に、何れの前記携帯端末装置からも前記呼び掛け動作が実行されなかった場合、再度、前記各携帯端末装置に対して、長時間入浴通知を送信するよう構成され得る。
【0013】
この構成によれば、何れの使用者からも呼び掛け操作がなされなかった場合に、再度、長時間入浴が生じていることが各使用者に報知される。よって、各使用者に対して、より確実に、宅内で長時間入浴が生じていることを伝えることができる。
【0014】
本態様に係るふろシステムにおいて、前記サーバは、前記呼び掛け動作に対する前記浴室内の人からの応答を前記ふろ機能装置が取得できなかった場合に、応答がないことを示す異常通知を、前記各携帯端末装置に送信するよう構成され得る。
【0015】
また、本態様に係るふろシステムにおいて、前記サーバは、前記呼び掛け動作に対する前記浴室内の人からの応答を前記ふろ機能装置が受け付けた場合に、応答があったことを示す正常通知を、前記各携帯端末装置に送信するよう構成され得る。
【0016】
これらの構成によれば、携帯端末装置の使用者は、呼び掛け操作に対して入浴者から応答が合ったか否かを、自身の携帯端末装置を介して適正に把握できる。よって、各使用者は、その後の対応を適正にとることができる。
【0017】
本態様に係るふろシステムにおいて、前記ふろ機能装置は、浴室内に設置されたリモートコントローラを備え、前記リモートコントローラを介して前記呼び掛け動作を実行するよう構成され得る。
【0018】
この構成によれば、浴室内に設置されたリモートコントローラから入浴者に対して的確に呼び掛けを行うことができる。
【0019】
本態様に係るふろシステムにおいて、前記制御部は、たとえば、前記サーバに備えられる。この場合、前記サーバは、前記一の携帯端末装置から前記呼び掛け動作に関する操作指令を受信した場合に、前記操作指令に関する指令通知を前記ふろ機能装置に送信するとともに、少なくとも前記他の携帯端末装置に対して、呼び掛け動作が実行されたことを示す呼び掛け実行通知を送信するよう構成される。
【0020】
この構成によれば、システムを管理するサーバによって、他の携帯端末装置に対する呼び掛け実行通知の送信が行われるため、当該処理を円滑に行うことができる。
【0021】
あるいは、前記制御部は、前記ふろ機能装置に備えられてもよい。この場合、前記ふろ機能装置は、前記一の携帯端末装置から送信された前記呼び掛け動作に関する指令通知を前記サーバから受信した場合に、前記呼び掛け動作を実行するとともに、少なくとも前記他の携帯端末装置に呼び掛け動作が実行されたことを通知させるための要求通知を、前記サーバに送信するよう構成され得る。
【0022】
この構成によっても、呼びかけが実行されたことが他の携帯端末装置において報知される。よって、他の使用者は、呼びかけが実行されたこと適切に把握できる。
【0023】
本発明の第2の態様は、所定のふろ関連機能を実行するふろ機能装置を、外部通信網を介して、携帯端末装置からの操作指令により遠隔制御可能なサーバに関する。この態様に係るサーバは、制御部を備え、前記制御部は、前記ふろ機能装置に配置された入浴を検知するための検知部からの出力に基づいて入浴が所定時間以上続いたことを検知した場合に、前記ふろ機能装置に対応付けられた前記携帯端末装置に対して、長時間入浴通知を送信し、前記長時間入浴通知を送信した後、前記ふろ機能装置に対応付けられた一の前記携帯端末装置から、浴室内の人に対する呼び掛け動作に関する操作指令を受信した場合に、前記操作指令に関する指令通知を前記ふろ機能装置に送信するとともに、少なくとも、前記ふろ機能装置に対応付けられた他の前記携帯端末装置に対して、呼び掛け動作が実行されたことを通知する。
【0024】
本態様に係るサーバによれば、上記第1の態様と同様、たとえば、宅外にいる使用者は、宅内において長時間の入浴が続いた場合に、そのことを、自身の携帯端末装置により知ることができる。そして、自身が呼び掛け操作を行う前に、他の使用者が呼び掛け動作を行っている場合は、そのことを、自身の携帯端末装置によって知ることができる。よって、当該使用者は、重ねて呼び掛け動作を行うことを避けながら、長時間入浴の発生に対し適切な対応をとることができる。
【0027】
本発明の第3の態様は、所定のふろ関連機能を実行するとともにサーバを介して携帯端末装置により遠隔制御が可能なふろ機能装置に関する。この態様に係るふろ機能装置は、浴槽に対する人の入浴を検知するための検知部と、制御部と、を備える。前記制御部は、前記検知部からの出力に基づく入浴検知が所定時間以上続いた場合に、前記サーバに、長時間入浴通知を送信し、前記長時間入浴通知を送信した後、一の前記携帯端末装置から送信された浴室内の人に対する呼び掛け動作に関する指令通知を前記サーバから受信した場合に、前記呼び掛け動作を実行するとともに、前記サーバに、少なくとも他の前記携帯端末装置に呼び掛け動作が実行されたこと通知させるための要求通知を送信する。
【0028】
本態様に係るふろ機能装置によれば、上記第1の態様と同様、各通知がサーバから各携帯端末装置に送信されることにより、たとえば、宅外にいる使用者は、宅内において長時間の入浴が続いた場合に、そのことを、自身の携帯端末装置により知ることができる。そして、自身が呼び掛け操作を行う前に、他の使用者が呼び掛け動作を行っている場合は、そのことを、自身の携帯端末装置によって知ることができる。よって、当該使用者は、重ねて呼び掛け動作を行うことを避けながら、長時間入浴の発生に対し適切な対応をとることができる。
【0031】
本発明の第4の態様は、所定のふろ関連機能を実行するふろ機能装置を、サーバを介して遠隔制御するための機能を、携帯端末装置の制御部に実行させるプログラムに関する。この態様に係るプログラムは、他の前記携帯端末装置によって浴室内の人に対する呼び掛け動作が行われたことを示す呼び掛け実行通知を前記サーバから受信した場合に、前記他の携帯端末装置により呼び掛け動作が行われたことを報知するための出力を実行させる機能と、前記呼び掛け実行通知を前記サーバから受信した場合に、呼び掛け動作に関する操作を受け付けない設定を実行する機能と、を含む。
【0032】
本態様に係るプログラムによれば、他の前記携帯端末装置によって呼び掛け動作が行われたことが当該携帯端末装置において報知されるため、当該携帯端末装置の使用者は、他の携帯端末装置の所有者によって呼び掛けが行われたことを的確に把握できる。また、複数の携帯端末装置から重ねて呼び掛け動作が行われることを防ぐことができる。よって、入浴者が重ねて応答するといった煩雑さを回避できる。
【0033】
本発明の第5の態様は、所定のふろ関連機能を実行するふろ機能装置を、サーバを介して遠隔制御するための機能を、携帯端末装置の制御部に実行させるプログラムに関する。この態様に係るプログラムは、入浴が所定時間以上続いたことを示す長時間入浴通知を前記サーバから受信した場合に、長時間入浴を報知する第1の表示を表示部に表示させる機能と、前記第1の表示を表示する状態において、他の前記携帯端末装置によって浴室内の人に対する呼び掛け動作が行われたことを示す呼び掛け実行通知を前記サーバから受信した場合に、前記他の携帯端末装置により呼び掛け動作が行われたことを報知するための第2の表示を前記表示部に表示させる機能と、を含む。
【0034】
本態様に係るプログラムによれば、宅内において長時間入浴が発生したこと、および、当該長時間入浴に対して、他の前記携帯端末装置から呼び掛け動作が行われたことが携帯端末装置において報知される。このため、当該携帯端末装置の使用者は、これらの事実を的確に把握できる。
【0035】
この態様のプログラムは、前記呼び掛け実行通知を前記サーバから受信した場合に、呼び掛け動作に関する操作を受け付けない設定を実行する機能をさらに含み得る。
【0036】
この構成によれば、複数の携帯端末装置から重ねて呼び掛け動作が行われることを防ぐことができる。よって、入浴者が重ねて応答するといった煩雑さを回避できる。
【発明の効果】
【0039】
以上のとおり、本発明によれば、一の携帯端末装置を用いて入浴者に呼び掛けが行われたか否かを他の携帯端末装置において把握することが可能なふろシステム、サーバ、ふろ機能装置およびプログラムを提供することができる。
【0040】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る、給湯システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る、給湯システムを構成する各機器の回路ブロックを示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係る、給湯器と浴槽との間の接続形態を模式的に示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態1に係る、ペアリング情報の構成を示す図である。
【
図5】
図5(a)は、実施形態1に係る、アプリケーションブログラムの起動時に携帯端末装置の表示部に表示されるホーム画面の構成を示す図である。
図5(b)は、実施形態1に係る、入浴タイマーの設定画面の構成を示す図である。
【
図6】
図6(a)、(b)は、それぞれ、実施形態1に係る、入浴タイマー動作時における浴室リモコンおよびサーバの制御を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態1に係る、入浴タイマーがオンに設定されている携帯端末装置における入浴タイマー動作時の制御を示すフローチャートである。
【
図8】
図8(a)~(d)は、それぞれ、実施形態1に係る、第1報知画面、第2報知画面、第3報知画面および第4報知画面を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態1に係る、呼び掛け処理のサブルーチンを示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態1に係る、呼び掛け指令を受信した場合の浴室リモコンの制御を示すフローチャートである。
【
図11】
図11(a)~(d)は、それぞれ、実施形態1に係る、浴室リモコンにおける呼び掛け動作を模式的に示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態2に係る、入浴タイマー動作時における浴室リモコンの制御部の制御を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、実施形態2に係る、呼び掛け処理のサブルーチンを示す図である。
【
図14】
図14は、実施形態3に係る、入浴タイマー動作時における携帯端末装置の制御部の制御を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、実施形態3に係る、呼び掛け処理のサブルーチンを示す図である。
【
図16】
図16(a)は、実施形態4に係る、呼び掛け動作時のサーバにおける処理を示すフローチャートである。
図16(b)は、実施形態4に係る、一の携帯端末装置により呼び掛け動作が行われた場合に他の携帯端末装置30において行われる処理を示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、実施形態4に係る、呼び掛け実行通知を受信した場合に形態端末装置において表示される入浴タイマーの設定画面の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0043】
以下の実施形態では、給湯システム1が、特許請求の範囲に記載の「ふろシステム」に対応し、給湯装置10が、特許請求の範囲に記載の「ふろ機能装置」に対応する。また、水位センサ114が、特許請求の範囲に記載の「検知部」に対応する。給湯システム1および給湯装置10は、ふろ関連機能とともに、台所の蛇口や、浴室のカラン等に対する給湯機能も実行する。
【0044】
ただし、上記記載は、あくまで、特許請求の範囲の構成と実施形態の構成とを対応付けることを目的とするものであって、上記対応付けによって特許請求の範囲に記載の発明が実施形態の構成に何ら限定されるものではない。
【0045】
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る給湯システム1の構成を示す図である。
【0046】
図1に示すように、給湯システム1は、給湯装置10と、サーバ50とを備え、ルータ20および外部通信網40を介して、携帯端末装置30により遠隔制御される。
【0047】
給湯装置10は、給湯器11と、リモートコントローラ12、13を備えている。給湯器11は、ガスを燃料として湯を供給するガス給湯器である。給湯器11により生成された湯は、給湯口11aにそれぞれ接続された配管を介して、台所の蛇口や、浴槽、カラン等に供給される。給湯器11が、床暖房機能や、浴室暖房機能およびパネルヒータによる暖房機能を備える場合、これら機能を実現する機器に対して、給湯器11から湯が供給される。
【0048】
リモートコントローラ12、13は、給湯器11に接続され、給湯装置10の各機能について種々の設定を行うために用いられる。リモートコントローラ12、13は、それぞれ、表示部121、131と、入力部122、132とを備える。操作者は、表示部121、131に表示された画面に従って入力部122、132を操作することにより、湯張りや給湯温度調節等について、任意の設定を行うことができる。リモートコントローラ12は、浴室に設置され、リモートコントローラ13は、キッチン等に設置される。リモートコントローラ12、13には、音声を入出力するための音声窓12a、13aが設けられている。
【0049】
以下、浴室に設置されるリモートコントローラ12を、「浴室リモコン12」と称し、キッチン等に設置されるリモートコントローラ13を、「台所リモコン13」と称する。
【0050】
浴室リモコン12および台所リモコン13の入力部122、132には、運転ボタン122a、132aが含まれている。運転ボタン122a、132aは、給湯器11を運転オン状態と運転オフ状態とに切り替えるためのボタンである。
【0051】
浴室リモコン12および台所リモコン13が運転オフ状態(カラン等の給湯栓が開かれて基準流量以上の通水が発生したとしても給湯器11が給湯運転を行わない状態)にあるとき、表示部121、131は消灯状態にあり、運転ボタン122a、132a以外の操作ボタンの操作は受け付けられない。運転ボタン122a、132aが操作され、運転オン状態(カラン等の給湯栓が開かれて基準流量以上の通水が発生したときに給湯器11が給湯運転を行える状態)になると、表示部121、131が点灯して設定内容が表示されるとともに、運転ボタン122a、132a以外の操作ボタンの操作が受け付け可能となる。
【0052】
さらに、入力部122、132には、給湯温度を変更するためのボタンが含まれている。操作者は、このボタンを操作することにより、給湯の設定温度を変更することができる。この他、入力部122、132には、追い焚き機能や、足し湯、足し水、ふろ自動機能等を実行するためのボタン等、給湯器11の動作を制御するためのボタンが含まれている。
【0053】
ルータ20は、建物内(ここでは、宅内H10)に存在する各機器を、外部通信網40を介してサーバ50に接続するための無線ルータである。ルータ20は、宅内H10の機器を外部通信網40に接続するための通信中継器である。
【0054】
台所リモコン13は、無線通信により、ルータ20に接続される。また、携帯端末装置30が宅内H10に存在する場合、携帯端末装置30は、無線通信によりルータ20に接続されて、サーバ50と通信可能である。携帯端末装置30は、たとえば、携帯電話機である。この他、携帯端末装置30が、携帯型のタブレット端末等の他の携帯可能な端末装置であってもよい。外部通信網40は、たとえば、インターネットである。
【0055】
外部通信網40には、給湯装置10に対する遠隔制御(遠隔操作および遠隔監視)を管理するためのサーバ50が接続されている。台所リモコン13は、ルータ20および外部通信網40を介して、サーバ50と通信を行う。携帯端末装置30が宅内H10に存在する場合、携帯端末装置30は、ルータ20および外部通信網40を介してサーバ50と通信を行う。また、携帯端末装置30が宅外にある場合、携帯端末装置30は、外部に設置されたルータ60または基地局70を介して外部通信網40に接続され、サーバ50と通信を行う。
【0056】
台所リモコン13と携帯端末装置30には、給湯システム1のアプリケーションプログラムが、サーバ50からダウンロードされ、インストールされている。このアプリケーションプログラムに、サーバ50にアクセスするためのアドレス情報(たとえば、IPアドレス)が含まれている。台所リモコン13と携帯端末装置30は、このアドレス情報に基づいて、サーバ50にアクセスし、通信を行う。
【0057】
台所リモコン13のアドレス情報は、初期設定の際に、サーバ50に送信され保持される。このとき同時に、台所リモコン13のID情報(識別情報)が、台所リモコン13からサーバ50に送信される。台所リモコン13のアドレス情報として、たとえば、台所リモコン13の無線通信部137(
図2参照)に保持されたMAC(Media Access Control)アドレスが用いられる。台所リモコン13のアドレス情報として、台所リモコン13の無線通信部137のグローバルIPアドレスが用いられてもよい。台所リモコン13のID情報として、たとえば、台所リモコン13の無線通信部137のTHINGが用いられる。台所リモコン13のID情報として、台所リモコン13の無線通信部137のMACアドレスが用いられてもよい。
【0058】
図1の構成において、操作者は、宅内H10と宅外の何れにおいても、携帯端末装置30を用いて、給湯装置10に対する遠隔制御を行うことができる。
【0059】
すなわち、携帯端末装置30が宅内H10と宅外の何れにある場合も、操作者から携帯端末装置30に入力された設定要求は、外部通信網40を介して、一旦、サーバ50に送信される。これを受けて、サーバ50は、設定要求を受信した携帯端末装置30に予め対応付けられている給湯装置10に対して、受信した設定要求を送信する。これにより、設定要求が、外部通信網40およびルータ20を介して、対応する給湯装置10の台所リモコン13に送信される。こうして、操作者が要求する内容の設定が、遠隔操作により、給湯装置10に適用される。
【0060】
また、給湯装置10の状態情報が、所定周期で随時、台所リモコン13からルータ20を介してサーバ50に送信される。状態情報は、現在の給湯装置10の設定状態および動作状態を示す情報である。状態情報には、
図2に示す人感センサ126の検出結果が含まれる。また、水位センサ114の検出結果に基づいて給湯器11、浴室リモコン12または台所リモコン13の制御部が、浴槽内に人がいることを検知する場合、この検知結果が、随時、サーバ50に送信される。この検知結果に代えて、水位センサ114の検出結果がそのままサーバ50に送信されてもよい。また、これらの情報が、状態情報に含まれてサーバ50に送信されてもよい。
【0061】
サーバ50は、台所リモコン13から受信した情報(状態情報、入浴の検知結果等)を、給湯装置10ごとに管理する。具体的には、サーバ50は、受信した情報を、送信元の給湯装置10(台所リモコン13)のID情報に対応付けて、記憶部502(
図2参照)に随時記憶させる。記憶部502に記憶される各給湯装置10の情報は、当該給湯装置10から情報を受信するごとに更新される。
【0062】
操作者から携帯端末装置30に入力された遠隔監視の閲覧要求は、外部通信網40を介して、一旦、サーバ50に送信される。これを受けて、サーバ50は、閲覧要求を受信した携帯端末装置30に予め対応付けられている給湯装置10のうち、閲覧要求により指定された給湯装置10の情報を、当該携帯端末装置30に送信する。これにより、給湯装置10の状態が、携帯端末装置30において出力される。こうして、操作者は、給湯装置10の状態を、宅内H10および宅外の両方において確認できる。
【0063】
図2は、給湯システム1を構成する各機器の回路ブロックを示す図である。
【0064】
給湯器11は、制御部111と、記憶部112と、通信部113と、水位センサ114とを備える。制御部111は、マイクロコンピュータを備え、記憶部112に記憶されたプログラムに従って、給湯器11内の各部の制御を行う。記憶部112は、メモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。通信部113は、制御部111からの制御に従って、浴室リモコン12および台所リモコン13と通信を行う。
【0065】
水位センサ114は、後述のように、給湯器11内の管路に配置され、当該管路内の水圧に基づいて浴槽内の水位を検出する。制御部111は、水位センサ114の検出結果に基づいて、浴室内の水位を検知する。また、制御部111は、この水位の検知結果の変動によって、浴槽に対する人の入退を検知できる。この場合、この検知結果は、随時、浴室リモコン12の制御部123および台所リモコン13の制御部133に送信され、これら制御部によって共有される。また、この検知結果は、随時、サーバ50に送信される。
【0066】
浴槽に対する人の入退は、水位センサ114の検知結果に基づいて、浴室リモコン12の制御部123または台所リモコン13の制御部133において検知されてもよい。この場合、水位センサ114の検出結果は、随時、浴室リモコン12の制御部123または台所リモコン13の制御部133に送信される。この場合も、浴槽に対する人の入退の検知結果が、各制御部において共有される。さらに、この検知結果は、随時、サーバ50に送信される。
【0067】
図3は、給湯器11と浴槽2との間の接続形態を模式的に示す図である。
【0068】
図3に示すように、給湯器11は、
図2に示した制御部111の他、給湯部210と、追い焚き部220と、バイパス部230とを備える。
【0069】
給湯部210は、給水管路211と、給湯熱交換器212と、給湯管路213と、給湯燃焼器214と、給気ファン215とを含む。給水管路211は、水道管と給湯熱交換器212とに繋がり、給湯管路213は、給湯熱交換器212と浴室水栓3および外部水栓4とに繋がる。給湯燃焼器214には、ガス電磁弁216により開閉される給湯ガス管路217を通じてガス(燃料ガス)が供給される。給湯燃焼器214は、ガスを燃料として燃焼する。給気ファン215は、給湯燃焼器214に燃焼用の空気を供給する。
【0070】
追い焚き部220は、
図2に示した水位センサ114の他、戻り管路221と、ふろ熱交換器222と、往き管路223と、ふろ燃焼器224と、循環ポンプ225とを含む。戻り管路221は、浴槽2の循環アダプタ2aとふろ熱交換器222とに繋がり、往き管路223は、ふろ熱交換器222と循環アダプタ2aとに繋がる。
【0071】
ふろ燃焼器224には、ガス電磁弁226により開閉されるふろガス管路227を通じてガス(燃料ガス)が供給される。ふろ燃焼器224は、ガスを燃料として燃焼する。給気ファン215が給湯部210と追い焚き部220との間で共用され、給気ファン215からふろ燃焼器224に燃焼用の空気が供給される。戻り管路221に、循環ポンプ225および水位センサ114が配置される。水位センサ114は、戻り管路221内の水圧に基づいて浴槽2内の水位を検出する。
【0072】
バイパス部230は、バイパス管路231と、給湯電磁弁232とを含む。バイパス管路231は、給湯管路213と戻り管路221とに繋がる。給湯電磁弁232は、バイパス管路231を開閉する。
【0073】
制御部111は、給湯部210の給湯燃焼器214、給気ファン215およびガス電磁弁216、追い焚き部220のふろ燃焼器224、循環ポンプ225、水位センサ114およびガス電磁弁226、バイパス部230の給湯電磁弁232などを制御する。
【0074】
浴室水栓3または外部水栓4が開かれると、給湯機能が実行される。水道管からの水が給水管路211を通じて給湯熱交換器212に導入されるとともに、給湯燃焼器214が燃焼して給湯熱交換器212が加熱される。給湯熱交換器212に導入された水が加熱されて湯となり、湯が給湯管路213を通じて浴室水栓3または外部水栓4に供給される。浴室水栓3または外部水栓4が閉じられると、水道管から給水管路211への給水が停止するとともに給湯燃焼器214の燃焼が停止する。
【0075】
また、浴室リモコン12または台所リモコン13から浴槽2への湯張りの指令を受けると、制御部111は、湯張り機能(ふろ自動機能)を実行する。この場合、給湯電磁弁232が開放されるとともに、水道管からの水が給水管路211を通じて給湯熱交換器212に導入され、給湯熱交換器212で加熱される。そして、給湯熱交換器212からの湯が給湯管路213およびバイパス管路231を通じて戻り管路221に導入される。
【0076】
戻り管路221に導入された湯の一部は、戻り管路221を循環アダプタ2a側へと流れ、循環アダプタ2aから浴槽2内に注がれる。戻り管路221に導入された湯の残りは、戻り管路221をふろ熱交換器222側へと流れ、さらにふろ熱交換器222および往き管路223を流れて循環アダプタ2aから浴槽2内に注がれる。
【0077】
給湯が行われて浴槽2内に湯が溜められると、戻り管路221、ふろ熱交換器222および往き管路223が水で満たされた状態となる。これにより、水位センサ114での浴槽2内の水位検出が可能となる。浴槽2内の水位が予め設定された水位に到達したことが水位センサ114により検出されると、給湯電磁弁232が閉じられ、水道管から給水管路211への給水が停止するとともに給湯燃焼器214の燃焼が停止する。
【0078】
なお、湯が張られた浴槽2内に人が入ると浴槽2内の水位が上昇する。また、浴槽2内から人が出ると水位が下降する。この浴槽2内への人出入りに基づく水位変動を、水位センサ114によって検出することができる。これにより、上記のように、浴槽2に対する人の入退が検知される。
【0079】
また、追い焚き機能の実行時には、循環ポンプ225が作動するとともにふろ燃焼器224が燃焼する。浴槽2内の湯が、戻り管路221、ふろ熱交換器222および往き管路223からなる循環路と浴槽2との間で循環し、その間にふろ熱交換器222で加熱される。これにより、浴槽2内の湯温が上昇する。浴槽2内の湯温が予め設定された上限温度よりも高くなると、循環ポンプ225が停止するとともにふろ燃焼器224の燃焼が停止する。
【0080】
足し湯機能では、湯張り機能(ふろ自動機能)と同様の制御により、所定量の湯が浴槽2に注入される。
【0081】
また、足し水機能の実行時には、給湯燃焼器214およびふろ燃焼器224を停止させた状態で、湯張り機能(ふろ自動機能)と同様の制御が実行され、所定量の湯が浴槽2に注入される。
【0082】
図2に戻り、浴室リモコン12は、上述の表示部121および入力部122の他、制御部123と、記憶部124と、通信部125と、人感センサ126と、スピーカ127とを備える。表示部121は、たとえば、液晶パネルにより構成される。入力部122は、温度設定ボタン等の各種操作ボタンを備える。表示部121が、タッチパネルであってもよい。
【0083】
制御部123は、マイクロコンピュータを備え、記憶部124に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部124は、メモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。通信部125は、制御部123からの制御に従って、給湯器11と通信を行う。
【0084】
人感センサ126は、浴室に人が居ることを検出する。人感センサ126は、たとえば、赤外線を用いた焦電センサである。人感センサ126の検出範囲は、浴室内の洗い場をカバーする範囲に設定される。人感センサ126の検出範囲が、さらに、浴室内の浴槽をカバーする範囲を含んでいてもよい。また、人感センサ126が、洗い場の範囲と浴槽の範囲を個別に検出可能であってもよい。
【0085】
制御部123は、人感センサ126の出力に基づいて、浴室に人が居ることを検出する。制御部123は、人感センサ126の検出結果を、随時、給湯器11および台所リモコン13に送信する。浴室に人が居るか否かの検出結果が、給湯装置10の制御部111または台所リモコン13の制御部133で行われてもよい。この場合、人感センサ126の検出結果が、随時、給湯装置10の制御部111または台所リモコン13の制御部133に送信され、共有される。これらの状態情報は、随時、台所リモコン13からサーバ50に送信され、共有される。
【0086】
スピーカ127は、制御部123により生成された音声信号に基づく音声を出力する。記憶部124には、報知音やガイダンス等の音声を出力するための音声情報が記憶されている。制御部123は、記憶部124に記憶された音声情報を随時読み出して、音声合成処理を実行し、所定の音声を出力する。スピーカ127から出力された音声は、
図1の音声窓12aから出力される。
【0087】
この他、浴室リモコン12は、マイクを備えていてもよい。また、制御部123は、マイクから入力された音声に対し音声認識処理を行ってテキストデータを生成する機能を備えていてもよい。この場合、マイクは、
図1の音声窓12aを介して、音声を集音する。
【0088】
台所リモコン13は、上述の表示部131および入力部132の他、制御部133と、記憶部134と、通信部135と、スピーカ136とを備える。表示部131は、たとえば、液晶パネルにより構成される。入力部132は、各種操作ボタンを備える。表示部131が、タッチパネルであってもよい。制御部133は、マイクロコンピュータを備え、記憶部134に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部134は、メモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。通信部135は、制御部133からの制御に従って、給湯器11と通信を行う。
【0089】
スピーカ136は、制御部133により生成された音声信号に基づく音声を出力する。記憶部134には、報知音やガイダンス等の音声を出力するための音声情報が記憶されている。制御部133は、記憶部134に記憶された音声情報を随時読み出して、音声合成処理を実行し、所定の音声を出力する。スピーカ136から出力された音声は、
図1の音声窓13aから出力される。
【0090】
この他、台所リモコン13は、マイクを備えていてもよい。また、制御部133は、マイクから入力された音声に対し音声認識処理を行ってテキストデータを生成する機能を備えていてもよい。この場合、マイクは、
図1の音声窓13aを介して、音声を集音する。
【0091】
さらに、台所リモコン13は、無線通信部137を備える。ここで、無線通信部137は、ルータ20との間で無線通信が可能な無線通信モジュールである。無線通信部137(無線通信モジュール)には、宅内H10に設定されたLAN(Local Area Network)上の機器を特定するためのIPアドレスが割り振られている。また、無線通信部137は、上述のMACアドレスを保持している。
【0092】
携帯端末装置30は、表示部301と、入力部302と、制御部303と、記憶部304と、無線通信部305とを備える。表示部301は、たとえば、液晶パネルにより構成される。入力部132は、各種操作ボタンと、表示部301に積層されたタッチパネルとを備える。
【0093】
制御部303は、CPU(Central Processing Unit)を備え、記憶部304に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部304は、メモリを備え、所定の制御プログラムを記憶する。無線通信部305は、制御部303からの制御に従って、ルータ20と通信を行う。無線通信部305は、ルータ20との間で無線通信が可能な無線通信モジュールである。無線通信部305にもIPアドレスが割り振られている。また、無線通信部305は、上述のMACアドレスを保持している。この他、携帯端末装置30は、音声を出力するためのスピーカ306を備えている。
【0094】
サーバ50は、制御部501と、記憶部502と、通信部503を備える。制御部501は、CPUを備え、記憶部502に記憶されたプログラムに従って所定の制御を行う。記憶部502は、メモリおよびハードディスクを備え、所定の制御プログラムおよびデータベースを記憶する。通信部503は、制御部501からの制御に従って、所定の制御を行う。
【0095】
本実施形態1では、予め、給湯装置10に対して遠隔制御を行うことが可能な携帯端末装置30が、給湯装置10に対応付けて、サーバ50に登録される。すなわち、予め、給湯装置10と携帯端末装置30とがペアリングされ、ペアリングを示す情報(ペアリング情報)が、サーバ50において管理される。具体的には、給湯装置10のID情報と携帯端末装置30のID情報とが互いに対応づけられて、ペアリング情報が構成される。このようなペアリングは、たとえば、給湯装置10が設置された宅内H10に設置された台所リモコン13を介して行われる。これにより、悪意の第三者によって不当に、携帯端末装置30と給湯装置10とがペアリングされる可能性が減少する。
【0096】
【0097】
ここでは、給湯装置10が台所リモコン13のID情報により特定されている。台所リモコン13のID情報に、当該給湯装置10を制御可能な携帯端末装置30のID情報とアドレス情報が対応づけられる。また、各携帯端末装置30の所有者の名前が、各携帯端末装置30のID情報に対応づけられる。各携帯端末装置30の所有者の名前は、ペアリングの際に、当該所有者により入力されて設定される。
【0098】
この他、各携帯端末装置30のID情報には、入浴タイマーの設定の有無、入浴タイマーの設定時間および入浴タイマーの優先順位が対応づけられる。ここで、入浴タイマーとは、入浴状態のまま設定時間が経過すると、そのことを携帯端末装置30に報知する機能である。
【0099】
入浴タイマーは、後述のように、設定画面において、設定の有無(オン/オフ)と設定時間が設定される。優先順位は、何れの携帯端末装置30により設定された設定時間を優先するかを示す。すなわち、優先順位が最高位の設定時間に基づいて、当該給湯装置10に対する入浴タイマーが実行され、優先順位が2位以下の設定時間は、当該給湯装置10に対する入浴タイマーには用いられない。優先順位は、別途、携帯端末装置30により、所定の設定画面において設定される。あるいは、ペアリングが行われた順序で優先順位が設定されてもよく、その後、優先順位が所定の操作により変更されてもよい。
【0100】
図5(a)は、携帯端末装置30にインストールされた給湯システム1のアプリケーションプログラムが起動された場合に、携帯端末装置30の表示部301に表示されるホーム画面600を示す図である。
【0101】
ホーム画面600は、領域610、620、630に区分されている。領域610には、名称表示部611と、給湯温度表示部612と、風呂温度表示部613と、風呂湯量表示部614と、浴槽画像615と、入浴時間表示部616と、が含まれている。
【0102】
名称表示部611には、遠隔監視が適用される給湯装置10の名称が表示される。名称表示部611の表示には、ペアリングの際に設定された給湯装置10の名称が用いられる。給湯温度表示部612、風呂温度表示部613および風呂湯量表示部614には、それぞれ、随時、サーバ50から携帯端末装置30が受信した状態情報に基づいて、現在の給湯温度、風呂温度および風呂湯量の設定状態が示される。
【0103】
浴槽画像615には、現在の風呂湯量の設定状態が浴槽に溜められる水の画像として表示される。上記のように、水位センサ114からの出力により浴槽に人が入浴中であることが検知されている場合、そのことを示す情報が、随時、サーバ50から携帯端末装置30に送信される。これにより、浴槽画像615に、人が浴槽に入浴していることを示す画像M1が付加される。また、入浴時間表示部616には、随時、サーバ50から携帯端末装置30に送信される入浴タイマーの計測時間に基づいて、浴槽に対する現在の入浴時間が表示される。
【0104】
なお、浴室に人がいることが人感センサ126により検知され、且つ、入浴中であることが水位センサ114により検知されていない場合、画像M1に代えて、浴槽の外に人がいることを示す画像が領域610に含まれる。
【0105】
領域620には、所定の設定等を行うためのボタン621~624が表示される。ボタン621~624は、それぞれ、追い焚き機能の設定、風呂自動機能の設定、風呂洗浄機能の設定および入浴タイマーの設定のためのボタンである。領域630には、遠隔操作の対象となる機能を切り替えるための4つのボタンが表示される。
【0106】
携帯端末装置30の使用者は、ホーム画面600を参照することにより、給湯装置10の状況を確認できる。すなわち、使用者は、自宅に居る人の風呂の使用状況を種々確認することができる。これにより、使用者は、宅外および宅内の何れにいる場合にも、ふろの使用状況を的確に把握できる。
【0107】
また、使用者は、ホーム画面600においてボタン624を操作することにより、入浴タイマーを設定できる。
【0108】
図5(b)は、入浴タイマーの設定画面700を示す図である。
【0109】
設定画面700は、
図5(a)のホーム画面600において、使用者がボタン624を操作することにより表示される。設定画面700は、領域710、720、730、740に区分されている。領域710には、この表示画面が入浴タイマーの設定画面であることを示す見出しが表示される。領域720には、入浴タイマーの機能の説明と、領域730の数字の意味を示す表記が含まれている。領域730には、入浴タイマーの設定時間が表示される。使用者は、領域730を上下にスワイプすることにより、所望に設定時間を選択できる。領域740には、3つのボタン741、742、743が含まれている。
【0110】
領域730の設定時間が選択された後、ボタン741が操作されると、選択された設定時間で当該携帯端末装置30に入浴タイマー機能が設定される。また、入浴タイマー機能が設定されている状態において、ボタン741が操作されると、入浴タイマー機能が解除される。ボタン743が操作されると、設定画面700が閉じられて、
図5(a)のホーム画面600に戻る。入浴タイマーが設定されると、
図4のペアリング情報に、入浴タイマーがオンであることを示す情報と、選択された設定時間が登録される。
【0111】
また、
図5(b)の設定画面700において、ボタン742が操作されると、当該携帯端末装置30に対応づけられた給湯装置10の浴室リモコン12において、呼び掛け動作が実行される。これにより、浴室リモコン12から、浴室内の人に異常がないかを問い合わせるための音声メッセージが出力される。使用者は、
図5(a)のホーム画面600を参照して、浴室内に人がいることを把握すると、任意に、ボタン742を操作して、浴室内の人に対して呼び掛けを行える。すなわち、入浴タイマーに設定された設定時間が経過しない場合であっても、使用者は、必要に応じて、ボタン742を操作して、浴室内の人に対して呼び掛けを行うことができる。
【0112】
図6(a)、(b)は、それぞれ、入浴タイマー動作時における浴室リモコン12およびサーバ50の制御を示すフローチャートである。
【0113】
ここでは、水位センサ114の出力に基づいて、給湯器11の制御部111が、浴槽に対する人の入退を検知し、随時、検知結果を、浴室リモコン12および台所リモコン13に送信する。この検知結果は、随時、サーバ50に送信され、さらに、サーバ50から携帯端末装置30に送信される。こうして、浴槽に対する人の入退が、随時、浴室リモコン12、台所リモコン13、サーバ50および携帯端末装置30において共有される。入浴の有無は、給湯器11の制御部111以外の制御部で判定されて供給されてもよい。
【0114】
図6(a)を参照して、浴室リモコン12の制御部123は、上記検知結果に基づき入浴開始を判定すると(S101:YES)、タイマーを起動し(S102)、所定の時間間隔(たとえば1分)で、タイマーの経過時間を台所リモコン13に送信する(S103)。送信された経過時間は、随時、サーバ50に送信され、さらに、サーバ50から携帯端末装置30に送信される。
【0115】
その後、制御部123は、上記検知結果に基づき入浴終了を判定するまで(S104:NO)、経過時間の送信を継続する(S103)。そして、入浴が終了すると(S104:YES)、制御部123は、タイマーを終了させて(S105)、処理を終了する。
【0116】
図6(b)を参照して、サーバ50の制御部501は、台所リモコン13から随時受信する入浴有無の検知結果に基づいて入浴開始を判定すると(S201:YES)、入浴タイマーによる見まもり機能を開始する(S202)。その後、制御部501は、上記検知結果に基づいて入浴終了を判定するまで(S203:NO)、ステップS205、S206の処理を繰り返す。
【0117】
すなわち、制御部501は、
図6(a)のステップS103において送信される経過時間を受信すると(S205:YES)、
図4に示した当該給湯装置10(台所リモコン13)に対応付けられている各携帯端末装置30の設定時間を参照し、受信した経過時間が、これら設定時間のうち優先順位が最高位の設定時間に到達したか否かを判定する(S206)。入浴開始からの経過時間が設定時間に到達するまでの間に(S206:NO)、上記検知結果に基づき入浴終了を判定すると(S203:YES)、制御部501は、見守り機能を終了して(S204)、処理を終了する。
【0118】
他方、入浴開始からの経過時間が設定時間に到達すると(S206:YES)、制御部501は、当該給湯装置10に対応付けられている携帯端末装置30に対し、入浴状態が入浴タイマーの設定時間以上継続したこと(長時間入力が生じたこと)を示す長時間入浴通知を送信し(S207)、呼び掛け処理(
図9参照)を実行する(S208)。ステップS207では、
図4に示したペアリング情報において、入浴タイマーがオンに設定されている携帯端末装置30のみに対し、長時間入浴通知が送信される。
【0119】
図7は、入浴タイマーがオンに設定されている携帯端末装置30における入浴タイマー動作時の制御を示すフローチャートである。
【0120】
携帯端末装置30の制御部303は、
図6(b)のステップS207で送信された長時間入浴通知を受信すると(S301:YES)、長時間入浴が生じたことを当該携帯端末装置30の使用者に報知するための第1報知処理を実行する(S302)。具体的には、制御部303は、
図8(a)に示す第1報知画面810を表示部301にポップアップ表示させ、さらに、スピーカ306から長時間入浴が生じたことを示す音声(チャイム音等)を出力させる。
【0121】
第1報知画面810には、入浴状態のまま入浴タイマーの設定時間が経過したことを報知するメッセージ811と、入浴者に対して呼び掛けを行うか否かを選択するためのボタン812、813とが含まれている。使用者は、入浴者に呼び掛けを行う場合にボタン812を操作し、入浴者に呼び掛けを行わない場合はボタン813を操作する。
【0122】
図7に戻り、制御部303は、
図8(a)の第1報知画面810においてボタン812が操作され、呼び掛け操作を受け付けると(S303:YES)、サーバ500に対し、呼び掛け指令を送信する(S304)。
【0123】
図9は、
図6(b)のステップS208における呼び掛け処理のサブルーチンを示す図である。
【0124】
図9を参照して、サーバ50の制御部501は、何れかの携帯端末装置30から呼び掛け指令を受信すると(S211:YES)、当該携帯端末装置30に対応付けられている台所リモコン13に呼び掛け指令を送信する(S212)。送信された呼び掛け指令は、台所リモコン13から浴室リモコン12に転送される。これにより、浴室リモコン12において、呼びかけ動作が実行される。
【0125】
さらに、制御部501は、当該台所リモコン13に対応付けられている携帯端末装置30のうち、呼び掛け指令を受信した携帯端末装置30以外の他の携帯端末装置30に対して、呼び掛けが実行されたことを示す呼び掛け実行通知を送信する(S213)。
【0126】
図7に戻り、携帯端末装置30の制御部303は、第1報知画面810を介して呼び掛け操作が行われるまでに(S303:NO)、サーバ50から呼び掛け実行通知を受信すると(S305:YES)、第2報知処理を実行し(S306)、さらに、当該携帯端末装置30を用いた呼び掛け操作を無効化する(S307)。具体的には、制御部303は、表示部301にポップアップ表示されている第1報知画面810を、
図8(b)に示す第2報知画面820に切り替える。
【0127】
第2報知画面820は、第1報知画面810のメッセージ811およびボタン812、813と同様のメッセージ821およびボタン822、823を含んでおり、さらに、他の携帯端末装置30によって呼び掛けがおこなわれたことを報知するためのメッセージ824を含んでいる。また、
図7のステップS307の処理により、ボタン822、823が操作不能に無効化される。使用者は、メッセージ824を参照することにより、既に他の携帯端末装置30の所有者により呼び掛けが行われたことを把握できる。また、ボタン822、823が無効化されるため、使用者は、当該携帯端末装置30を用いて入浴者に呼び掛けを行い得ない。
【0128】
図10は、台所リモコン13を介してサーバ50から呼び掛け指令を受信した場合の浴室リモコン12の制御を示すフローチャートである。なお、
図10の処理は、
図9のステップS212において送信された呼び掛け指令を台所リモコン13が受信した場合の他、
図5(b)のボタン742が操作されて呼び掛け指令を台所リモコン13が受信した場合も同様に行われる。
【0129】
浴室リモコン12の制御部123は、台所リモコン13を介してサーバ50から呼び掛け指令を受信すると(S111:YES)、呼び掛け動作を実行する(S112)。具体的には、制御部123は、スピーカ127から状況を問い合わせるための音声を出力させる。これにより、
図11(a)に示すように、音声窓12aから問い合わせの音声が出力される。たとえば、浴室内の人に対して「大丈夫ですか」と問いかける音声が、音声窓12aを介して、
図2のスピーカ127から出力される。
【0130】
さらに、制御部123は、入浴者からの応答を受けるために、
図11(b)に示すように、浴室リモコン12の入力部122に配置された何れかのボタンを操作することを入浴者に促すメッセージ音声を、音声窓12aを介して、スピーカ127から出力させる。このメッセージに対し、入浴者は、自身に異常が無い場合、
図11(c)に示すように、入力部122に配置された何れかのボタンを操作する。これに応じて、制御部123は、入浴者が正常であることを示す応答をサーバ50に送信する。
【0131】
他方、入浴者に異常が生じている場合、入浴者は、
図11(a)、(b)の問いかけに対して、適切に応答することができない。たとえば、入浴者が気を失っている場合、入浴者は、入力部122のボタンを操作できない。この場合、制御部123は、
図11(b)のメッセージ音声を出力した後、入力部122に対する操作がないまま所定時間(たとえば数十秒)が経過したタイミングで、入浴者に異常が生じたことを示す応答をサーバ50に送信する。このとき、制御部123は、
図11(d)に示すように、異常の連絡を携帯端末装置30に行うことのメッセージを、音声窓12aを介して、スピーカ127から出力させてもよい。
【0132】
図10に戻り、制御部123は、
図11(c)のように、呼び掛け動作に対して入浴者から応答があった場合(S113:YES)、台所リモコン13を介してサーバ50に対し、入浴者の異常がないことを示す応答(正常応答)を送信し(S114)、
図11(d)のように、呼び掛け動作に対して入浴者から応答がなかった場合(S113:NO)は、台所リモコン13を介してサーバ50に対し、入浴者に異常があることを示す応答(異常応答)を送信する(S115)。これにより、制御部123は、呼び掛け動作に係る処理を終了する。
【0133】
図9に戻り、サーバ50の制御部501は、台所リモコン13を介して浴室リモコン12から正常応答を受信すると(S214:YES)、当該台所リモコン13に対応付けられている携帯端末装置30のうち、入浴タイマーがオンに設定されている携帯端末装置30の全てに正常通知を送信する(S215)。また、制御部501は、台所リモコン13を介して浴室リモコン12から異常応答を受信すると(S214:NO)、当該台所リモコン13に対応付けられている携帯端末装置30のうち、入浴タイマーがオンに設定されている携帯端末装置30の全てに異常通知を送信する(S216)。
【0134】
なお、制御部501は、前回の長時間入浴通知の送信から何れの携帯端末装置30からも呼び掛け指令を受信しない場合(S211:NO、S217:YES)、すなわち、何れの携帯端末装置30の使用者も、
図8(a)の第1報知画面810において呼び掛け操作を行わなかった場合、再度、対応する全ての携帯端末装置30に対して、長時間入浴通知を送信する。これにより、各携帯端末装置30において、再度、処理が第1報知処理からやり直され、
図8(a)の第1報知画面810のポップアップ表示と報知音の出力が行われる。なお、この場合、長時間入浴が再度報知されたことを示すメッセージが、再報知の回数とともに、第1報知画面810に含まれてもよい。
【0135】
制御部501は、ステップS215、S216の何れかを実行することにより、
図6(b)のステップS208の処理を終了し、処理をステップS204に進める。これにより、制御部501は、長時間入浴に対する見まもりを終了し、入浴タイマーに関する処理を終了する。
【0136】
図7に戻り、携帯端末装置30の制御部303は、サーバ50から正常通知を受信した場合は(S308:YES)、第3報知処理を実行し(S309)、サーバ50から異常通知を受信した場合は(S308:NO)、第4報知処理を実行する(S310)。具体的には、制御部303は、第3報知処理の実行時には、ポップアップ画面を
図8(c)の正常報知画面830に切り替え、第4報知処理の実行時には、ポップアップ画面を
図8(d)の異常報知画面840に切り替える。
【0137】
正常報知画面830は、呼び掛けに対して入浴者から応答があったことを示すメッセージ831と、了承のためのボタン832とを含んでいる。また、異常報知画面840は、呼び掛けに対して入浴者から応答がなかったことを示すメッセージ841と、了承のためのボタン842とを含んでいる。これらの画面を参照することにより、携帯端末装置30の使用者は、入浴者の正常/異常を把握できる。そして、使用者は、入浴者の状態に応じて、適切な対応をとることができる。
【0138】
こうして、制御部303は、
図7に示した処理を終了する。
【0139】
<実施形態1の効果>
実施形態1によれば、以下の効果が奏され得る。
【0140】
一の携帯端末装置30により呼び掛け動作が実行された場合に、他の携帯端末装置30に対して、呼び掛け動作が実行されたことが通知される。これにより、他の携帯端末装置30の使用者は、自身以外の使用者によって呼び掛け動作が行われたことを把握することができる。
【0141】
サーバ50の制御部501は、水位センサ114(検知部)からの出力に基づく入浴検知が入浴タイマーの設定時間以上続いた場合に、記各携帯端末装置30に対して、長時間入浴通知を送信し、長時間入浴通知を送信した後、一の携帯端末装置30により呼び掛け動作が実行された場合に、少なくとも、他の前記携帯端末装置30に対して、呼び掛け動作が実行されたことを通知するための処理を実行する。これにより、たとえば、宅外にいる使用者は、宅内において入浴が長時間続いた場合に、そのことを、自身の携帯端末装置30により知ることができる。そして、自身が呼び掛け操作を行う前に、他の使用者が呼び掛け動作を行っている場合は、そのことを、自身の携帯端末装置30によって知ることができる。よって、当該使用者は、重ねて呼び掛け動作を行うことを避けながら、長時間入浴の発生に対し適切な対応をとることができる。
【0142】
また、サーバ50の制御部501は、
図9のステップS217、S218に示したように、長時間入浴通知を送信した後、所定時間内に、何れの携帯端末装置30からも呼び掛け動作が実行されなかった場合、再度、各携帯端末装置30に対して、長時間入浴通知を送信する。これにより、何れの使用者からも呼び掛け操作がなされなかった場合に、再度、長時間入浴が生じていることが各使用者に報知されるため、各使用者に対して、より確実に、宅内で長時間入浴が生じていることを伝えることができる。
【0143】
また、呼び掛け動作が行われた場合、
図9のステップS215、S216に示したように、入浴者の応答の有無に応じて、入浴者の正常/異常を示す通知が、サーバ50から各携帯端末装置30に送信される。これにより、各携帯端末装置30において、
図8(b)、(c)に示す画面を表示させることができ、携帯端末装置30の使用者は、これら画面を参照することにより、呼び掛け操作に対して入浴者から応答が合ったか否かを適正に把握できる。よって、各使用者は、その後の対応を適正にとることができる。
【0144】
また、
図11(a)、(b)に示したように、浴室リモコン12を介して呼び掛け動作が実行される。これにより、浴室内から入浴者に対して的確に呼び掛けを行うことができる。
【0145】
また、本実施形態では、給湯システム1を管理するサーバ50によって、他の携帯端末装置30に対する呼び掛け実行通知の送信が行われるため、当該処理を円滑に行うことができる。
【0146】
また、携帯端末装置30の制御部303は、他の前記携帯端末装置30によって入浴者に対する呼び掛け動作が行われたことを示す呼び掛け実行通知をサーバ50から受信した場合に、他の携帯端末装置30により呼び掛け動作が行われたことを報知するための第2報知画面820(
図8(b)参照)を表示部301に表示させる。これにより、宅内において長時間入浴が発生したこと、および、当該長時間入浴に対して、他の携帯端末装置30から呼び掛け動作が行われたことが当該携帯端末装置30において報知される。このため、当該携帯端末装置30の使用者は、これらの事実を的確に把握できる。
【0147】
また、
図7のステップS307に示したように、携帯端末装置30の制御部303は、呼び掛け実行通知をサーバ30から受信した場合に、呼び掛け動作に関する操作を受け付けない設定(呼び掛け操作の無効化)を実行する。これにより、複数の携帯端末装置30から重ねて呼び掛け動作が行われることを防ぐことができる。よって、入浴者が重ねて応答するといった煩雑さを回避できる。
【0148】
<実施形態2>
上記実施形態1では、サーバ50の制御部501において、入浴タイマーの設定時間が経過したか否かが判定されたが、本実施形態2では、浴室リモコン12の制御部123において、この判定が行われる。本実施形態2において、サーバ50は、
図6(b)の処理を行わず、基本的に、台所リモコン13を介して浴室リモコン12から受信した情報を対応する携帯端末装置30に送信し、また、各携帯端末装置30から受信した情報を、台所リモコン13を介して浴室リモコン12に送信する処理を実行する。
【0149】
図12は、実施形態2に係る、入浴タイマー動作時における浴室リモコン12の制御部123の制御を示すフローチャートである。
【0150】
実施形態2では、
図4のペアリング情報における設定時間が、浴室リモコン12の記憶部124にも逐次更新記憶される。
【0151】
図12においてステップS101、S102、S104、S105の処理は、上記実施形態1における
図6(a)のステップS101、S102、S104、S105の処理と同様である。本実施形態2では、タイマーが起動された後(S102)、入浴が終了するまでの間に(S104:NO)、タイマーの計測時間が入浴タイマーの設定時間に到達したか否かが監視される(S121)。
【0152】
浴室リモコン12の制御部123は、タイマー起動後(S102)、入浴が終了するまでの間に(S104:NO)、タイマーの計測時間が入浴タイマーの設定時間に到達すると(S121:YES)、台所リモコン13を介してサーバ50に、長時間入浴通知を送信する(S122)。送信された長時間入浴通知は、
図6(b)のステップS207と同様、サーバ50から対応する携帯端末装置30に送信される。長時間入浴通知を受信した場合に行われる携帯端末装置30における処理は、上記実施形態1の
図7の処理と同様である。
【0153】
浴室リモコン12の制御部123は、こうして長時間入浴通知を送信した後(S122)、タイマーを終了させ(S123)、呼び掛け処理を実行する(S124)。
【0154】
図13は、
図12のステップS124における呼び掛け処理のサブルーチンを示す図である。
【0155】
図13においてステップS111、S112、S113、S114、S115の処理は、上記実施形態1における
図10のステップS111、S112、S113、S114、S115の処理と同様である。本実施形態2において、浴室リモコン12の制御部123は、サーバ50から呼び掛け指令を受信すると(S111:YES)、呼び掛け動作の実行(S112)とともに、サーバ50に対して、少なくとも呼び掛け指令を送信した携帯端末装置30以外の他の携帯端末装置30に、呼び掛け動作が実行されたこと通知させるための要求通知を送信する(S131)。要求通知は、台所リモコン13を介してサーバ50に送信される。
【0156】
サーバ50の制御部501は、要求通知を受信すると、上記他の携帯端末装置30に対して、呼び掛け実行通知を送信する。これにより、上記実施形態1と同様、これら携帯端末装置30の表示部301にポップアップ表示されていた第1報知画面810が、
図8(b)の第2報知画面820に切り替えられる。以降の処理は、上記実施形態1と同様である。
【0157】
また、実施形態2において、制御部123は、長時間入浴通知を送信した後、所定時間内に、呼び掛け指令を受信しなかった場合(S111:NO、S132:YES)、すなわち、何れの携帯端末装置30においても、第1報知画面810から呼び掛け操作がなされなかった場合に、再度、台所リモコン13を介してサーバ50に長時間入浴通知を送信する(S133)。これにより、長時間入浴通知が、再度、サーバ50から各携帯端末装置30に送信される。これに応じて、各携帯端末装置30において、第1報知処理が再度実行され、長時間入浴が再報知される。
【0158】
<実施形態2の効果>
実施形態2においても、上記実施形態1と同様、一の携帯端末装置30により呼び掛け動作が実行された場合に、他の携帯端末装置30に対して、呼び掛け動作が実行されたことが通知される。これにより、他の携帯端末装置30の使用者は、自身以外の使用者によって呼び掛け動作が行われたことを把握することができる。この他、実施形態2においても、実施形態1のその他の効果と同様の効果が奏される。
【0159】
<実施形態3>
上記実施形態1では、サーバ50の制御部501において、入浴タイマーの設定時間が経過したか否かが判定されたが、本実施形態3では、携帯端末装置30の制御部303において、この判定が行われる。本実施形態3においても、上記実施形態2と同様、サーバ50は、
図6(b)の処理を行わず、基本的に、台所リモコン13を介して浴室リモコン12から受信した情報を対応する携帯端末装置30に送信し、また、各携帯端末装置30から受信した情報を、台所リモコン13を介して浴室リモコン12に送信する処理を実行する。
【0160】
図14は、実施形態3に係る、入浴タイマー動作時における携帯端末装置30の制御部303の制御を示すフローチャートである。
【0161】
実施形態3では、
図4のペアリング情報における設定時間が、携帯端末装置30の記憶部304にも逐次更新記憶される。また、水位センサ114からの出力に基づく入浴有無の検知結果が、随時、サーバ30から各携帯端末装置30に送信される。入浴有無の検知結果は、各携帯端末装置30から所定の時間間隔でサーバ30に問い合わせて取得してもよい。
【0162】
携帯端末装置30の制御部303は、サーバ30から随時受信する入浴有無の検知結果に基づき、入浴開始を判定すると(S311:YES)、タイマーを起動し(S312)、タイマーの計測時間が、入浴タイマーの設定時間に到達したか否かを判定する(S313)。タイマーの計測時間が入浴タイマーの設定時間に到達する前に(S313:NO)、入浴有無の検知結果に基づき入浴終了を判定すると(S314:YES)、制御部303は、タイマーを終了して(S315)、処理を終了する。
【0163】
他方、入浴終了を判定する前に(S314:NO)、タイマーの計測時間が入浴タイマーの設定時間に到達すると(S313:YES)、制御部303は、第1報知処理を実行する(S316)。ステップS316における第1報知処理の内容は、上記実施形態1における
図7のステップS302の第1報知処理と同様である。その後、制御部303は、タイマーを終了して(S317)、呼び掛け処理を実行する(S318)。
【0164】
図15は、ステップS318の呼び掛け処理のサブルーチンを示す図である。
【0165】
制御部303は、第1報知処理(
図14のステップS316)において表示した第1報知画面810に対して、使用者から呼び掛け操作がなされたか否かを判定する(S321)。サーバ50から呼び掛け実行通知を受信するまでの間に(S324:NO)、第1報知画面810に対して呼び掛け操作がなされると(S321:YES)、制御部303は、呼び掛け指令をサーバ30に送信し(S322)、さらに、呼び掛け動作が実行されたことを他の携帯端末装置30に通知させるための要求通知を、サーバ50に送信する(S323)。
【0166】
サーバ50は、受信した呼び掛け指令を、当該携帯端末装置30に対応付けられている台所リモコン13に送信する。呼び掛け指令は、台所リモコン13から浴室リモコン12に転送される。これにより、浴室リモコン12において、上記実施形態1と同様の呼び掛け動作が実行される。
【0167】
また、サーバ50は、要求通知の受信に応じて、当該携帯端末装置30と同様に台所リモコン13に対応付けられている他の携帯端末装置30のうち、入浴タイマーがオンに設定されている携帯端末装置30に対して、呼び掛け実行通知を送信する。
【0168】
他方、制御部303は、第1報知画面810に対して呼び掛け操作がなされる前に(S321:NO)、サーバ50から呼び掛け実行通知を受信した場合(S324:YES)、第2報知処理を実行し(S325)、さらに、呼び掛け操作を無効化する(S326)。ステップS325、S326の処理は、
図7のステップS306、S307の処理と同様である。
【0169】
その後、制御部303は、サーバ50から、呼び掛け動作に対する入浴者の応答の有無を示す応答通知を受信する(S327)。制御部303は、サーバ50から受信した応答通知が正常通知である場合は(S327:YES)、第3報知処理を実行し(S328)、応答通知が異常通知である場合は(S327:NO)、第4報知処理を実行する(S328)。ステップS327、S328、S329の処理は、
図7のステップS308、S309、S310の処理と同様である。
【0170】
<実施形態3の効果>
実施形態3においても、上記実施形態1と同様、一の携帯端末装置30により呼び掛け動作が実行された場合に、他の携帯端末装置30に対して、呼び掛け動作が実行されたことが通知される。これにより、他の携帯端末装置30の使用者は、自身以外の使用者によって呼び掛け動作が行われたことを把握することができる。この他、実施形態3においても、実施形態1のその他の効果と同様の効果が奏される。
【0171】
なお、実施形態3では、
図15のステップS323において要求通知が送信されたが、ステップS322において送信される呼び掛け指令が要求通知を兼ねてもよい。この場合、ステップS323が省略され、サーバ50は、指令通知を受信したことに応じて、当該指令通知を送信した携帯端末装置30以外の携帯端末装置30に対して、呼び掛け実行通知を送信する。
【0172】
<実施形態4>
上記実施形態1~3では、入浴タイマー動作時に呼び掛け操作がなされた場合の動作が示されたが、実施形態4では、
図5(b)のボタン742が操作されて呼び掛け動作が実行される場合の処理が示される。
【0173】
図16(a)は、実施形態4に係る、呼び掛け動作時のサーバ50における処理を示すフローチャートである。
図16(b)は、一の携帯端末装置30により呼び掛け動作が行われた場合に他の携帯端末装置30において行われる処理を示すフローチャートである。
【0174】
図16(a)を参照して、サーバ30の制御部303は、
図5(b)のボタン742が操作されることにより、携帯端末装置30から呼び掛け指令を受信すると(S221)、当該携帯端末装置30に対応付けられている台所リモコン13に呼び掛け指令を送信する(S222)。呼び掛け指令は、台所リモコン13から浴室リモコン12に転送される。これにより、浴室リモコン12において呼び掛け動作が行われる。
【0175】
さらに、制御部303は、呼び掛け指令を送信した携帯端末装置30と同様に台所リモコン13に対応付けられている他の携帯端末装置30に対して、呼び掛け実行通知を送信する(S223)。
【0176】
図16(b)を参照して、他の携帯端末装置30の制御部303は、サーバ50から呼び掛け実行通知を受信すると(S331:YES)、報知処理を実行し(S332)、
図5(b)の設定画面700を用いた呼び掛け操作を無効化する(S333)。具体的には、制御部303は、
図17に示すように、ボタン742を無効(操作不能)に設定し、他の携帯端末装置30の使用者により呼び掛けが行われたことを報知するメッセージ744を領域740に含める。その後、制御部303は、呼び掛けに対する応答通知がサーバ50から送信されるのを待つ(S334)。
【0177】
図16(a)に戻り、サーバ50の制御部501は、台所リモコン13を介して浴室リモコン12から呼び掛け指令に対する応答を受信すると、当該応答が、正常応答および異常応答の何れであるかを判定する(S224)。上記実施形態1と同様、正常応答は、呼び掛け動作に対して入浴者が応答した場合に台所リモコン13を介して浴室リモコン12からサーバ50に送信される応答であり、異常応答は、呼び掛け動作に対して入浴者が応答しなかった場合に台所リモコン13を介して浴室リモコン12からサーバ50に送信される応答である。
【0178】
制御部501は、呼び掛け指令に対する応答が正常応答である場合(S224:YES)、正常通知を各携帯端末装置30に送信し(S225)、呼び掛け指令に対する応答が異常応答である場合(S224:NO)、異常通知を各携帯端末装置30に送信する(S226)。
【0179】
図16(b)を参照して、携帯端末装置30の制御部303は、サーバ50から応答通知を受信すると(S334:YES)、受信した応答通知の内容に応じた報知処理を行う(S335)。具体的には、制御部303は、応答通知が正常通知である場合は、
図8(c)に示した正常報知画面830を表示部301にポップアップ表示させ、応答通知が異常通知である場合は、
図8(d)に示した異常報知画面840を表示部301にポップアップ表示させる。そして、これら画面に含まれるボタン832、842が操作されると、制御部303は、設定画面700を
図5(b)の状態に戻して、ボタン742を有効化し(S336)、処理を終了する。
【0180】
<実施形態4の効果>
実施形態4によれば、
図5(b)の設定画面700に含まれたボタン742が操作されることにより一の携帯端末装置30により呼び掛け動作が実行された場合に、他の携帯端末装置30に対して、呼び掛け動作が実行されたことが通知される。これにより、他の携帯端末装置30の使用者は、自身以外の使用者によって呼び掛け動作が行われたことを把握することができる。
【0181】
なお、実施形態4では、サーバ50の制御部501が、他の携帯端末装置30に対する呼び掛け実行通知の送信を制御したが、上記実施形態2、3と同様、給湯装置10(浴室リモコン12)または携帯端末装置30が、呼び掛け実行通知の送信を制御してもよい。
【0182】
たとえば、浴室リモコン12がこの制御を行う場合、浴室リモコン12の制御部123は、
図5(b)のボタン742が操作されたことに基づく呼び掛け指令を、台所リモコン13を介してサーバ50から受信したことに応じて、呼び掛け動作を実行するとともに、他の携帯端末装置30に対して呼び掛け実行通知をサーバ50に送信させるための要求通知をサーバ50に送信する。これに応じてサーバ50が他の携帯端末装置30に呼び掛け実行通知を送信することにより、他の携帯端末装置30において、
図16(b)の制御が実行される。
【0183】
また、携帯端末装置30が上記制御を行う場合、
図5(b)のボタン742が操作されたことに応じて、呼び掛け指令をサーバ50に送信するとともに、他の携帯端末装置30に対して呼び掛け実行通知をサーバ50に送信させるための要求通知をサーバ50に送信する。これに応じてサーバ50が他の携帯端末装置30に呼び掛け実行通知を送信することにより、他の携帯端末装置30において、
図16(b)の制御が実行される。この場合、上記実施形態3と同様、要求通知の送信が省略されて、呼び掛け指令が要求通知を兼ねてもよい。
【0184】
<変更例>
上記実施形態1~4では、水位センサ114の出力に基づいて、入浴の有無が検知されたが、入浴の有無の検知方法はこれに限られるものではない。たとえば、人感センサ126の検出範囲が浴槽の範囲をカバーする場合は、人感センサ126の出力に基づいて入浴の有無が検知されてもよい。あるいは、浴室リモコン12の入力部122に、入浴時に入浴者が操作するボタンが配置される場合、このボタンの操作に基づいて入浴の有無が検知されてもよい。この場合、たとえば、浴室リモコン12の制御部123は、このボタンが操作されたことに基づいて、浴室内の人が浴槽に入ったと判定し、再度このボタンが操作されたことに基づいて、この人が浴槽から退出したと判定する。この判定結果は、随時、浴室リモコン12から台所リモコン13に送信され、サーバ50および携帯端末装置30において共有される。このボタンによる入浴検知と水位センサ114による入浴検知との2つの検知方法がある場合、たとえば、このボタンの操作による入浴の有無の検知が優先されればよい。また、浴室リモコン12が音声認識機能を有する場合、入浴者から発せられた入退浴を示す音声を検出することにより、入浴の有無を検出してもよい。
【0185】
また、上記実施形態1~4では、呼び掛けに対する応答が入力部122の何れかのボタンへの操作によって行われたが、呼び掛けに対する応答方法はこれに限られるものではない。たとえば、浴室リモコン12が音声認識機能を備える場合、音声窓12aを介した音声入力により、呼び掛けに対する応答がなされてもよい。この場合、浴室リモコン12の制御部123は、呼び掛け動作の後、所定時間内に、入浴者が発した正常であることを示す音声(たとえば、「大丈夫」や「OK」等)を検出した場合は、入浴者が正常であると判定し、所定時間内に音声が検出されない場合や、入浴者が発した異常であることを示す音声(たとえば、「ダメ」等)を検出した場合は、入浴者が異常であると判定する。浴室リモコン12が音声認識機能を備えない場合、音声入力の有無により、入浴者の正常および異常を判定してもよい。
【0186】
また、上記実施形態1~4では、呼び掛け実行通知が、呼び掛け指令を送信した携帯端末装置30以外の他の携帯端末装置30に送信されたが、呼び掛け指令を送信した携帯端末装置30にも呼び掛け実行通知が送信されてもよい。
【0187】
また、上記実施形態1~4では、携帯端末装置30の表示部301に種々の画面を表示させることにより、各報知が行われたが、報知の方法はこれに限られるものではない。たとえば、携帯端末装置30のスピーカから、報知の内容を示す音声を出力させることにより、各報知が行われてもよい。
【0188】
また、上記実施形態1~4では、呼び掛け動作の制御が、サーバ50の制御部501、浴室リモコン12の制御部123および携帯端末装置30の制御部303において行われたが、これらの制御部以外の制御部が、この制御を行ってもよい。たとえば、サーバ50と携帯端末装置30との間に両者を中継する中継サーバが介在する場合、この中継サーバの制御部において
図6(b)と同様の制御が行われてもよい。
【0189】
また、上記実施形態1では、
図8(b)に示すように、第2報知画面820において、ボタン822、823が無効(操作不能)に設定されたが、第2報知画面820において、これらのボタン822、823が省略されてもよい。
【0190】
また、上記実施形態1~4では、呼び掛け動作に関する給湯装置10側の制御が浴室リモコン12において行われたが、この制御が、給湯器11の制御部111または台所リモコン13の制御部133において行われてもよい。
【0191】
また、上記実施形態1~4では、給湯装置10を構成する台所リモコン13に無線通信部137が設けられたが、無線通信部が給湯器11に設けられて給湯器11がルータ20に接続されてもよい。この場合、上記実施形態1~4における台所リモコン13の制御は、給湯器11の制御部111により行われる。あるいは、給湯器11、浴室リモコン12および台所リモコン13以外に無線通信部を備えた制御ユニットが給湯装置10に配置され、この制御ユニットがルータ20に接続されてもよい。この場合、上記実施形態1~3における台所リモコン13による制御は、制御ユニットによって行われる。
【0192】
また、上記実施形態1~3では、長時間入浴が生じたことの報知が携帯端末装置30において行われたが、この報知が、さらに、台所リモコン13において行われてもよい。これにより、宅内の使用者は、自身の携帯端末装置30が手元にない場合においても、台所リモコン13からのチャイム音等により、長時間入浴が生じたことに的確に気付くことができ、長時間入浴に対する対応をより迅速かつ適切に行うことができる。
【0193】
また、各種報知画面の構成は、
図8(a)~(d)に示した構成に限られるものではなく、適宜、変更可能である。長時間入浴時以外の場合に呼び掛けを行うためのボタンも、必ずしも、
図5(b)に示した設定画面700に含まれなくてもよく、たとえば、
図5(a)のホーム画面600にこのボタンが含まれてもよい。
【0194】
また、給湯器11の構成は、
図3に示した構成に限られるものではなく、他の構成であってもよい。たとえば、
図3の構成では、浴槽2内の湯をふろ熱交換器222に循環させることによって、浴槽2内の湯に対する追い焚きが行われたが、給湯器11が、高温の湯を浴槽に追加することにより追い焚き機能を実行する構成であってもよい。
【0195】
なお、給湯装置10を遠隔制御する端末装置に、携帯性がなく所定の場所に設置される据え置き型の端末装置が含まれてもよい。また、給湯装置10は、ガス燃料を用いるものに限らず、オイルを燃料とする給湯装置であってもよい。給湯装置10は、貯留タンクを用いた貯留式のものであってもよく、燃料電池等の発電ユニットをさらに備えた構成であってもよい。
【0196】
また、上記実施形態1~4では、浴槽に対する所定のふろ機能を実行するふろ機能装置として、ふろ関連機能とともに給湯機能を備えた給湯装置10が例示されたが、ふろ機能装置は、ふろ関連機能のみを実行可能な装置であってもよい。たとえば、浴槽2に溜められた水を、熱交換器に循環させて暖める機能のみを有するふろ機能装置を、ふろシステムが備える構成であってもよい。この場合、ふろ機能装置は、ふろを沸かすための構成と、ふろシステムのサーバと通信するための構成とを備えていればよい。たとえば、ふろ機能装置は、上記実施形態1~4と同様の浴室リモコンおよび台所リモコンの少なくとも一方を備え、このリモコンを介して、サーバに接続される構成であってもよい。
【0197】
この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載の範囲で適宜種々の変更可能である。
【符号の説明】
【0198】
1 給湯システム(ふろシステム)
10 給湯装置(ふろ機能装置)
114 水位センサ(検知部)
12 浴室リモコン
30 携帯端末装置
40 外部通信網
50 サーバ
123、303、501 制御部
810 第1報知画面(第1の表示)
820 第2報知画面(第2の表示)