(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
F25B 5/02 20060101AFI20240410BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20240410BHJP
F25B 13/00 20060101ALI20240410BHJP
F25B 43/00 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
F25B5/02 A
F25B1/00 385Z
F25B1/00 396D
F25B13/00 104
F25B43/00 B
(21)【出願番号】P 2020062742
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2023-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】熊倉 英二
(72)【発明者】
【氏名】吉見 敦史
(72)【発明者】
【氏名】山田 拓郎
(72)【発明者】
【氏名】岩田 育弘
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 猛
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-070596(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03263374(EP,A1)
【文献】国際公開第2012/092686(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00 ~ 49/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機(21)と、熱源側熱交換器(23)と、を有する熱源側ユニット(2)と、
利用側熱交換器(31a、31b)を有する複数の利用側ユニット(3a、3b)と、
複数の前記利用側熱交換器を個別に冷媒の蒸発器または放熱器として機能させるように切り換える中間ユニット(4)と、
前記熱源側ユニットと前記中間ユニットとを接続する2本の連絡配管(5、6)と、
を備え、
前記中間ユニットは、
駆動流を用いて、前記蒸発器で蒸発した冷媒を昇圧するエジェクタ(41)と、
前記エジェクタから流出した冷媒が流入する気液分離器(42)と、
を有し、
複数の前記利用側ユニットの冷房運転負荷の合計が暖房運転負荷の合計よりも大きい冷房主体の冷暖混在運転において、前記エジェクタが機能
し、
前記利用側熱交換器と前記気液分離器とを接続する第1配管(P411、51、P31a)と、
前記第1配管から分岐して前記エジェクタの駆動流の入口に冷媒を導く第2配管(P415)と、
をさらに備え、
前記冷房主体の冷暖混在運転において、暖房運転をしている前記利用側ユニット(3a)から流出した冷媒を、前記第2配管で前記エジェクタの駆動流の入口へ導く、空気調和装置(1)。
【請求項2】
圧縮機(21)と、熱源側熱交換器(23)と、を有する熱源側ユニット(2)と、
利用側熱交換器(31a、31b)を有する複数の利用側ユニット(3a、3b)と、
複数の前記利用側熱交換器を個別に冷媒の蒸発器または放熱器として機能させるように切り換える中間ユニット(4)と、
前記熱源側ユニットと前記中間ユニットとを接続する2本の連絡配管(5、6)と、
を備え、
前記中間ユニットは、
駆動流を用いて、前記蒸発器で蒸発した冷媒を昇圧するエジェクタ(41)と、
前記エジェクタから流出した冷媒が流入する気液分離器(42)と、
を有し、
複数の前記利用側ユニットの冷房運転負荷の合計が暖房運転負荷の合計よりも大きい冷房主体の冷暖混在運転において、前記エジェクタが機能
し、
前記蒸発器で蒸発した冷媒を前記エジェクタに吸引させる第3配管(P432)をさらに備え、
前記第3配管には、開閉弁(V432)が設けられ、
前記連絡配管は、前記熱源側ユニットと前記中間ユニットとを接続する低圧側のガス連絡配管(6)を有し、
前記中間ユニットは、前記蒸発器の出口から前記ガス連絡配管、及び、前記気液分離器のガス側出口(42c)から前記ガス連絡配管、へと流れる冷媒の経路を切り換える切換機構(43)をさらに有し、
前記開閉弁及び前記切換機構を制御する制御部(70)をさらに備える、空気調和装置(1)。
【請求項3】
前記利用側熱交換器と前記気液分離器とを接続する第1配管(P411、51、P31a)と、
前記第1配管から分岐して前記エジェクタの駆動流の入口に冷媒を導く第2配管(P415)と、
をさらに備える、請求項
2に記載の空気調和装置。
【請求項4】
複数の前記利用側ユニットの全てが冷房の全冷房運転、及び、冷房運転負荷の合計と暖房運転負荷の合計とが均等である冷暖均等運転の少なくとも一方において、前記エジェクタがさらに機能する、請求項1
~3のいずれか1項に記載の空気調和装置。
【請求項5】
複数の前記利用側ユニットの全てが暖房の全暖房運転、及び、複数の前記利用側ユニットの暖房運転負荷の合計が冷房運転負荷の合計よりも大きい暖房主体の冷暖混在運転において、前記エジェクタが機能しないように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の空気調和装置。
【請求項6】
前記圧縮機は、超臨界状態の冷媒を吐出する、請求項1~5のいずれか1項に記載の空気調和装置。
【請求項7】
前記圧縮機で圧縮される冷媒は、二酸化炭素を含む、請求項6に記載の空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室内ユニットと複数の室外ユニットとが2本の連絡配管で接続された空気調和装置が知られている。このような空気調和装置として、例えば、特許文献1(特開2016-70595号公報)には、エジェクタにおいて、高圧冷媒または中間圧冷媒を駆動流とし、冷凍サイクル蒸発行程後のガス冷媒を吸引して昇圧し、昇圧後の冷媒を低圧側の連絡配管に供給することが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1の
図10に示される空気調和装置の冷媒回路では、冷房主体の冷暖混在運転時に、エジェクタを使用できないことに本発明者は着目した。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1観点に係る空気調和装置は、熱源側ユニットと、複数の利用側ユニットと、中間ユニットと、2本の連絡配管と、を備える。熱源側ユニットは、圧縮機と、熱源側熱交換器と、を有する。複数の利用側ユニットは、利用側熱交換器を有する。中間ユニットは、複数の利用側熱交換器を個別に冷媒の蒸発器または放熱器として機能させるように切り換える。2本の連絡配管は、熱源側ユニットと中間ユニットとを接続する。中間ユニットは、エジェクタと、気液分離器と、を有する。エジェクタは、駆動流を用いて、蒸発器で蒸発した冷媒を昇圧する。気液分離器は、エジェクタから流出した冷媒が流入する。複数の利用側ユニットの冷房運転負荷の合計が暖房運転負荷の合計よりも大きい冷房主体の冷暖混在運転において、エジェクタが機能する。
【0005】
第1観点に係る空気調和装置では、複数の利用側ユニットの冷房運転負荷の合計が暖房運転負荷の合計よりも大きい冷房主体の冷暖混在運転において、エジェクタが機能する。したがって、冷房主体の冷暖混在運転時に、エジェクタを使用することができる。
【0006】
第2観点に係る空気調和装置は、第1観点の空気調和装置であって、第1配管と、第2配管と、をさらに備える。第1配管は、利用側熱交換器と気液分離器とを接続する。第2配管は、第1配管から分岐してエジェクタの駆動流の入口に冷媒を導く。
【0007】
第2観点に係る空気調和装置では、第1配管から分岐する第2配管によって、エジェクタの駆動流の流量を多くすることができる。このため、中間ユニットから熱源側ユニットへ流れる冷媒の圧力の低下を効果的に抑制できる。
【0008】
第3観点に係る空気調和装置は、第1または第2観点の空気調和装置であって、複数の利用側ユニットの全てが冷房の全冷房運転、及び、冷房運転負荷の合計と暖房運転負荷の合計とが均等である冷暖均等運転の少なくとも一方において、エジェクタがさらに機能する。
【0009】
第3観点に係る空気調和装置では、全冷房運転及び冷暖均等運転の少なくとも一方において、エジェクタがさらに機能する。したがって、冷房主体の冷暖混在運転時に加えて、全冷房運転及び冷暖均等運転の少なくとも一方に、エジェクタをさらに使用することができる。
【0010】
第4観点に係る空気調和装置は、第1から第3観点の空気調和装置であって、蒸発器で蒸発した冷媒をエジェクタに吸引させる第3配管をさらに備える。第3配管には、開閉弁が設けられる。連絡配管は、熱源側ユニットと中間ユニットとを接続する低圧側のガス連絡配管を有する。中間ユニットは、蒸発器の出口からガス連絡配管、及び、気液分離器のガス側出口からガス連絡配管、へと流れる冷媒の経路を切り換える切換機構をさらに有する。空気調和装置は、開閉弁及び切換機構を制御する制御部をさらに備える。
【0011】
第4観点に係る空気調和装置では、制御部により、開閉弁を開にするとともに、気液分離器のガス側出口からガス連絡配管へ冷媒が流れるように切換機構を切り換えると、冷房主体の冷暖混在運転時にエジェクタが機能する。一方、制御部により、開閉弁を閉にするとともに、蒸発器の出口からガス連絡配管へ冷媒が流れるように切換機構を切り換えると、冷房主体の冷暖混在運転時にエジェクタは機能しない。このため、冷房主体の冷暖混在運転時に、エジェクタを機能させることと、エジェクタを機能させないこととを、選択することができる。
【0012】
第5観点に係る空気調和装置は、第1から第4観点の空気調和装置であって、複数の利用側ユニットの全てが暖房の全暖房運転、及び、複数の利用側ユニットの暖房運転負荷の合計が冷房運転負荷の合計よりも大きい暖房主体の冷暖混在運転において、エジェクタが機能しないように構成されている。
【0013】
第5観点に係る空気調和装置では、全暖房運転及び暖房主体の冷暖混在運転(暖房主体運転)ではエジェクタを使用する利点が小さいので、ここでは全暖房運転及び暖房主体運転ではエジェクタを機能させないように構成している。
【0014】
第6観点に係る空気調和装置は、第1から第5観点の空気調和装置であって、圧縮機は、超臨界状態の冷媒を吐出する。
【0015】
第6観点に係る空気調和装置では、中間ユニットの一部に超臨界状態の冷媒が流れるので、駆動流に超臨界状態の冷媒を用いることができる。このため、エジェクタを使用する効果を高めることができる。
【0016】
第7観点に係る空気調和装置は、第6観点の空気調和装置であって、圧縮機で圧縮される冷媒は、二酸化炭素を含む。
【0017】
第7観点に係る空気調和装置では、二酸化炭素を含む冷媒は、超臨界状態にすることができる。このため、エジェクタを使用する効果を高めた空気調和器を容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本開示の一実施形態に係る空気調和装置の概略構成図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る空気調和装置を概略的に示すブロック図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係る空気調和装置の概略構成図(全冷房運転時におけるエジェクタが機能する場合の冷媒の流れを図示)である。
【
図4】本開示の一実施形態に係る空気調和装置の概略構成図(全冷房運転時におけるエジェクタが機能しない場合の冷媒の流れを図示)である。
【
図5】本開示の一実施形態に係る空気調和装置の概略構成図(冷房主体運転時におけるエジェクタが機能する場合の冷媒の流れを図示)である。
【
図6】本開示の一実施形態に係る空気調和装置の概略構成図(冷房主体運転時におけるエジェクタが機能しない場合の冷媒の流れを図示)である。
【
図7】本開示の一実施形態に係る空気調和装置の概略構成図(冷暖同等運転時におけるエジェクタが機能する場合の冷媒の流れを図示)である。
【
図8】本開示の一実施形態に係る空気調和装置の概略構成図(冷暖同等運転時におけるエジェクタが機能しない場合の冷媒の流れを図示)である。
【
図9】本開示の一実施形態に係る空気調和装置の概略構成図(暖房主体運転時の冷媒の流れを図示)である。
【
図10】本開示の一実施形態に係る空気調和装置の概略構成図(全暖房運転時の冷媒の流れを図示)である。
【
図11】本開示の変形例に係る空気調和装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示の一実施形態に係る空気調和装置について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
(1)全体構成
図1に示すように、本開示の一実施形態に係る空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルによって、ビル等の室内の冷房や暖房を行う装置である。空気調和装置1は、熱源側ユニット2と、複数(ここでは4つ)の利用側ユニット3a、3b、3c、3dと、中間ユニット4と、連絡配管5、6、51、52、53、54、61、62、63、64と、
図2に示す制御部70と、を備えている。空気調和装置1の冷媒回路は、熱源側ユニット2と、利用側ユニット3a、3b、3c、3dと、中間ユニット4と、連絡配管5、6、51、52、53、54、61、62、63、64とが接続されることによって構成されている。空気調和装置1は、中間ユニット4によって、各利用側ユニット3a、3b、3c、3dが個別に冷房運転又は暖房運転を行うことが可能になるように構成されている。
【0021】
制御部70は、熱源側ユニット2、利用側ユニット3a、3b、3c、3d及び中間ユニット4の構成機器を制御する。
【0022】
(2)詳細構成
(2-1)連絡配管
熱源側ユニット2と中間ユニット4とを接続する連絡配管は、2本である。ここでは、第1連絡配管5及び第2連絡配管6は、熱源側ユニット2と中間ユニット4とを接続する。第1連絡配管5には、第2連絡配管6内の冷媒よりも圧力が高い冷媒が通る。第2連絡配管6は、低圧側のガス連絡配管である。
【0023】
第3連絡配管51、52、53、54及び第4連絡配管61、62、63、64は、利用側ユニット3a、3b、3c、3dと中間ユニット4とを接続する。ここでは、利用側ユニット3a、3b、3c、3dが4つ配置されているので、第3連絡配管51、52、53、54及び第4連絡配管61、62、63、64も4つずつ配置されている。第3連絡配管51、52、53、54のそれぞれは、中間ユニット4において第1連絡配管5と接続された配管から分岐する。第4連絡配管61、62、63、64は、中間ユニットにおいて第2連絡配管6と接続された配管から分岐する。
【0024】
このように、本実施形態の空気調和装置1は、熱源側ユニット2と中間ユニット4とを接続する連絡配管が2本の2管式である。
【0025】
(2-2)熱源側ユニット
熱源側ユニット2は、ビル等の屋上あるいはビル等の周囲に設置されている。熱源側ユニット2は、第1連絡配管5、第2連絡配管6、第3連絡配管51、52、53、54、第4連絡配管61、62、63、64及び中間ユニット4を介して利用側ユニット3a、3b、3c、3dに接続され、冷媒回路の一部を構成している。
【0026】
熱源側ユニット2は、主として、圧縮機21と、切換機構22と、熱源側熱交換器23と、を有している。
【0027】
圧縮機21は、低圧の冷媒を高圧になるまで圧縮する機器である。ここでは、圧縮機21として、ロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素(図示せず)が圧縮機用モータによって回転駆動される密閉式構造の圧縮機が使用されている。また、ここでは、圧縮機用モータは、インバータ等により回転数制御が可能になっており、これにより、圧縮機21の容量制御が可能になっている。
【0028】
本実施形態では、圧縮機21は、超臨界状態の冷媒を吐出する。このため、冷媒回路の一部を超臨界状態の冷媒が流れる。圧縮機21で圧縮される冷媒は、二酸化炭素を含む。ここでは、冷媒として、二酸化炭素を用いる。
【0029】
切換機構22は、冷媒回路における冷媒の流れ方向を切り換えることが可能な四路切換弁である。切換機構22は、熱源側熱交換器23を冷媒の放熱器として機能させる熱源側放熱状態と、熱源側熱交換器23を冷媒の蒸発器として機能させる熱源側蒸発状態とを切り換え可能な電動弁である。切換機構22は、熱源側熱交換器を冷媒の放熱器として機能させる場合には、圧縮機21の吐出側と熱源側熱交換器23のガス側とを接続し(
図1の切換機構22の実線を参照)、熱源側熱交換器23を冷媒の蒸発器として機能させる場合には圧縮機21の吸入側と熱源側熱交換器23のガス側とを接続するように(
図1の切換機構22の破線を参照)、冷媒回路内における冷媒の流れを切り換えることが可能な機器である。
【0030】
なお、切換機構22は、四路切換弁によって構成される機構に限定されるものではなく、例えば、複数の電磁弁及び冷媒管を組み合わせることによって、上記のような冷媒の流れ方向の切り換えを行えるように構成したものであってもよい。
【0031】
熱源側熱交換器23は、冷媒と室外空気との熱交換を行う。熱源側熱交換器23は、冷媒の放熱器として機能する、又は、冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。
【0032】
熱源側ユニット2は、熱源側第1配管P21と、熱源側第2配管P22と、熱源側第3配管P23と、熱源側第4配管P24と、熱源側第1逆止弁V21と、熱源側第2逆止弁V22と、熱源側第3逆止弁V23と、熱源側第4逆止弁V24と、をさらに有している。
【0033】
熱源側第1及び第2配管P21、P22は、熱源側熱交換器23を冷媒の放熱器として機能させる熱源側放熱状態のときに、冷媒が通る。熱源側第1配管P21は、第1連絡配管5と熱源側熱交換器23とを接続する。熱源側第2配管P22は、第2連絡配管6と切換機構22とを接続する。
【0034】
熱源側第3及び第4配管P23、P24は、熱源側熱交換器23を冷媒の蒸発器として機能させる熱源側蒸発状態のときに、冷媒が通る。熱源側第3配管P23は、第1連絡配管5と切換機構22とを接続する。熱源側第4配管P24は、第2連絡配管6と熱源側熱交換器23とを接続する。ここでは、熱源側第3及び熱源側第4配管P23、P24は、熱源側第2配管P22から分岐して、熱源側第1配管P21に接続される。
【0035】
熱源側第1逆止弁V21は、熱源側第1配管P21に配置される。熱源側第1逆止弁V21は、熱源側熱交換器23の出口から第1連絡配管5への冷媒の流れのみを許容する。熱源側第2逆止弁V22は、熱源側第2配管P22に配置される。熱源側第2逆止弁V22は、第2連絡配管6から圧縮機21の吸入口への冷媒の流れのみを許容する。熱源側第3逆止弁V23は、熱源側第3配管P23に配置される。熱源側第3逆止弁V23は、圧縮機21の吐出口から第1連絡配管5への冷媒の流れのみを許容する。熱源側第4逆止弁V24は、熱源側第4配管P24に配置される。熱源側第4逆止弁V24は、第2連絡配管6から熱源側熱交換器23への冷媒の流れのみを許容する。
【0036】
(2-3)利用側ユニット
利用側ユニット3a、3b、3c、3dは、ビル等の屋内の天井に、埋め込みや吊り下げ等により設置されるか、あるいは、屋内の壁面に、壁掛け等により設置される。利用側ユニット3a、3b、3c、3dは、第1連絡配管5、第2連絡配管6、第3連絡配管51、52、53、54、第4連絡配管61、62、63、64及び中間ユニット4を介して熱源側ユニット2に接続されており、冷媒回路の一部を構成している。
【0037】
次に、利用側ユニット3a、3b、3c、3dの構成について説明する。利用側ユニット3a、3b、3c、3dは、互いが並列に接続される第1利用側ユニット3aと、第2利用側ユニット3bと、第3利用側ユニット3cと、第4利用側ユニット3dと、を含む。
【0038】
第1利用側ユニット3aは、第1利用側熱交換器31aと、第1利用側膨張弁32aとを有している。第2利用側ユニット3bは、第2利用側熱交換器31bと、第2利用側膨張弁32bとを有している。第3利用側ユニット3cは、第3利用側熱交換器31cと、第3利用側膨張弁32cとを有している。第4利用側ユニット3dは、第4利用側熱交換器31dと、第4利用側膨張弁32dとを有している。各利用側熱交換器31a、31b、31c、31dと各利用側膨張弁32a、32b、32c、32dとは、直列で接続される。
【0039】
利用側熱交換器31a、31b、31c、31dは、冷媒と室内空気との熱交換を行うことで室内の空調負荷(熱負荷)を処理する熱交換器である。利用側熱交換器31a、31b、31c、31dは、冷房運転時には冷媒の蒸発器として機能して室内空気を冷却し、暖房運転時には冷媒の放熱器として機能して室内空気を加熱する。
【0040】
利用側膨張弁32a、32b、32c、32dは、開度を変更可能である。利用側膨張弁32a、32b、32c、32dの開度を調整することによって、利用側膨張弁32a、32b、32c、32dの減圧度合いを調整する。具体的には、利用側膨張弁32a、32b、32c、32dは、利用側熱交換器31a、31b、31c、31dを流れる冷媒の流量の調節等を行う開度調節が可能な電動膨張弁である。
【0041】
利用側第1配管P31a、P31b、P31c、P31dは、利用側熱交換器31a、31b、31c、31dと第3連絡配管51、52、53、54とを接続する。利用側第1配管P31a、P31b、P31c、P31dにおいて、第3連絡配管51、52、53、54と利用側熱交換器31a、31b、31c、31dとの間に利用側膨張弁32a、32b、32c、32dが配置される。利用側第2配管P32a、P32b、P32c、P32dは、利用側熱交換器31a、31b、31c、31dと第4連絡配管61、62、63、64とを接続する。
【0042】
なお、ここでは利用側ユニットが4台の空気調和装置について説明するが、それよりも多い又は少ない利用側ユニットが1台の熱源側ユニット2に接続されて1つの冷媒回路を構成している場合にも、本開示は適用できる。
【0043】
(2-4)中間ユニット
中間ユニット4は、複数の利用側熱交換器31a、31b、31c、31dを個別に冷媒の蒸発器または放熱器として機能させるように切り換える。中間ユニット4は、ビルの室内に利用側ユニット3a、3b、3c、3dとともに配置されている。中間ユニット4は、連絡配管5、6、51、52、53、54、61、62、63、64とともに、利用側ユニット3a、3b、3c、3dと熱源側ユニット2との間に介在しており、冷媒回路の一部を構成している。
【0044】
中間ユニット4は、エジェクタ41と、気液分離器42と、切換機構43と、を有している。
【0045】
エジェクタ41は、駆動流を用いて、蒸発器で蒸発した冷媒を昇圧する。詳細には、エジェクタ41は、高圧冷媒を駆動流として、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31a、31b、31c、31dで蒸発した冷媒を吸引して昇圧し、昇圧した冷媒を低圧側の第2連絡配管6へ供給するように冷媒回路に設けられた昇圧機構である。
【0046】
エジェクタ41は、冷房主体の冷暖混在運転(冷房主体運転)において、機能する。ここでは、エジェクタ41は、冷房主体運転において、機能しないことも可能である。このため、冷房主体の冷暖混在運転時に、エジェクタ41を機能させることと、エジェクタ41を機能させないこととを、選択することができる。
【0047】
また、全冷房運転及び冷暖均等運転の少なくとも一方において、エジェクタ41がさらに機能する。ここでは、全冷房運転及び冷暖均等運転時に、エジェクタ41を機能させることと、エジェクタ41を機能させないこととを、選択することができる。
【0048】
また、全暖房運転、及び、暖房主体運転において、エジェクタ41が機能しないように構成されている。
【0049】
エジェクタ41は、駆動流入口41aと、吸引流入口41bと、吐出口41cと、を含む。駆動流入口41aは、駆動流を流入する。駆動流入口41aは、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31aと連通する。吸引流入口41bは、蒸発器で蒸発した冷媒を流入する。吐出口41cは、蒸発器で蒸発した冷媒を昇圧させて吐出する。吐出口41cから吐出される冷媒は、気液二相状態である。
【0050】
気液分離器42は、エジェクタ41から流出した冷媒が流入する。気液分離器42は、冷媒入口42aと、液側出口42bと、ガス側出口42cと、を含む。冷媒入口42aは、エジェクタ41の吐出口41cと連通する。冷媒入口42aからは気液二相状態の冷媒が流入する。液側出口42bは、分離した液冷媒を流出する。ガス側出口42cは、分離したガス冷媒を流出する。
【0051】
切換機構43は、三方弁である。切換機構43は、蒸発器の出口から第2連絡配管6、及び、気液分離器42のガス側出口42cから第2連絡配管6、へと流れる冷媒の経路を切り換える。ここでは、切換機構43は、冷媒が気液分離器42の液側出口42bから第2連絡配管6へと流れるように切り換えることもできる。
【0052】
中間ユニット4は、中間第1配管P41と、中間第2配管P42と、中間第3配管P43と、第1分岐管P415、P416、P417、P418と、中間第1開閉弁V41と、中間第1逆止弁V411、V412、V413、V414、V415、V416、V417、V418と、三方弁V421、V422、V423、V424と、第3接続管P431と、第3分岐管P432と、中間第3開閉弁V432と、中間第4配管P44と、中間第4開閉弁V44と、をさらに有している。
【0053】
中間ユニット4において第1連絡配管5と接続される配管は、中間第1配管P41と中間第2配管P42とに分岐する。中間ユニット4において第2連絡配管6と接続される配管は、中間第3配管P43である。
【0054】
中間第1配管P41は、第1連絡配管5と、連絡配管51、52、53、54と、を接続する。中間第1配管P41には、高圧の冷媒が流れる。
【0055】
中間第1配管P41には、エジェクタ41、気液分離器42、及び中間第1開閉弁V41が設けられる。中間第1開閉弁V41は、第1連絡配管5とエジェクタ41との間に配置される。ここでは、中間第1開閉弁V41は、電動弁である。
【0056】
中間第1配管P41は、気液分離器42の液側出口42bと第3連絡配管51、52、53、54との間において、第3連絡配管51、52、53、54に連通する4つの第1接続管P411、P412、P413、P414に分岐する。第1接続管P411、P412、P413、P414は、利用側熱交換器31a、31b、31c、31dと接続される第3連絡配管51、52、53、54と、気液分離器42と、を接続する。
【0057】
4つの第1接続管P411、P412、P413、P414のそれぞれには、気液分離器42の液側出口42bから蒸発器の入口への冷媒の流れのみを許容する中間第1逆止弁V411、V412、V413、V414が配置される。気液分離器42の液側出口42bは、中間第1逆止弁V411、V412、V413、V414の入口に連通している。
【0058】
第1分岐管P415、P416、P417、P418は、第1接続管P411、P412、P413、P414のそれぞれから分岐してエジェクタ41の駆動流入口41aに冷媒を導く。4つの第1分岐管P415、P416、P417、P418は、第1接続管P411、P412、P413、P414と、エジェクタ41の駆動流入口41aとを連通する。
【0059】
第1分岐管P415は、第3連絡配管51を介して第1利用側ユニット3aと接続される第1接続管P411から分岐する。第1分岐管P416は、第3連絡配管52を介して第2利用側ユニット3bと接続される第1接続管P412から分岐する。第1分岐管P417は、第3連絡配管53を介して第3利用側ユニット3cと接続される第1接続管P413から分岐する。第1分岐管P418は、第3連絡配管54を介して第4利用側ユニット3dと接続される第1接続管P414から分岐する。
【0060】
第1分岐管P415、P416、P417、P418には、放熱器の出口からエジェクタ41の駆動流入口41aへの冷媒の流れのみを許容する中間第2逆止弁V415、V416、V417、V418が配置される。放熱器の出口は、中間第2逆止弁V415、V416、V417、V418の入口に連通している。
【0061】
中間第2配管P42は、第1連絡配管5と、連絡配管61、62、63、64と、を接続する。中間第2配管P42には、高圧冷媒が流れる。
【0062】
中間第2配管P42は、第4連絡配管61、62、63、64に連通する4つの第2接続管P421、P422、P423、P424に分岐する。4つの第2接続管P421、P422、P423、P424のそれぞれには、三方弁V421、V422、V423、V424が設けられる。三方弁V421、V422、V423、V424は、蒸発器の出口から中間ユニット4、及び、中間ユニット4から放熱器の入口へと流れる冷媒の経路を切り換える。
【0063】
中間第3配管P43は、第2連絡配管6と、連絡配管61、62、63、64と、を接続する。中間第3配管P43には、低圧の冷媒が流れる。中間第3配管P43には、切換機構43及び三方弁V421、V422、V423、V424が設けられる。
【0064】
第3接続管P431は、切換機構43と気液分離器42のガス側出口42cとを接続する。
【0065】
第3分岐管P432は、中間第3配管P43から分岐して、エジェクタ41の吸引流入口41bに冷媒を導く。第3分岐管P432は、第4連絡配管61、62、63、64と、エジェクタ41の吸引流入口41bとを接続する。第3分岐管P432は、蒸発器で蒸発した冷媒をエジェクタ41に吸引させる。
【0066】
第3分岐管P432には、中間第3開閉弁V432が設けられる。ここでは、中間第3開閉弁V432は、電磁弁である。
【0067】
中間第4配管P44は、中間第1配管P41における気液分離器42の液側出口42bと第1接続管P411、P412、P413、P414との間と、中間第3配管P43における三方弁V421、V422、V423、V424と切換機構43との間と、を接続する。中間第4配管P44は、気液分離器42の液側出口42b、三方弁V421、V422、V423、V424、及び切換機構43と連通している。
【0068】
中間第4配管P44には、中間第4開閉弁V44が配置される。ここでは、中間第4開閉弁V44は、電動弁である。
【0069】
(2-5)制御部
制御部70は、熱源側ユニット2、利用側ユニット3a、3b、3c、3d及び中間ユニット4の構成機器を制御する。
【0070】
制御部70は、例えば、コンピュータにより実現されるものである。コンピュータは、例えば、制御演算装置と記憶装置とを備える。制御演算装置には、プロセッサを使用できる。
図2の制御部70は、プロセッサとしてのCPU71を備えている。制御演算装置は、例えば、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理、演算処理またはシーケンス処理を行う。さらに、制御演算装置は、例えば、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。記憶装置は、データベースとして用いることができる。制御部70は、記憶装置としてのメモリ72を備えている。
【0071】
制御部70は、熱源側ユニット2の圧縮機21及び切換機構22、利用側ユニット3a、3b、3c、3dの利用側膨張弁32a、32b、32c、32d、中間ユニット4の切換機構43、中間第1開閉弁V41、三方弁V421、V422、V423、V424、中間第3開閉弁V432及び中間第4開閉弁V44を制御する。
【0072】
詳細には、制御部70は、各利用側ユニット3a、3b、3c、3dが個別に冷房運転又は暖房運転を行うために、中間ユニット4の中間第1開閉弁V41及び三方弁V421、V422、V423、V424を制御する。また制御部70は、エジェクタ41を機能させる運転と機能させない運転とを行うために、切換機構43、中間第3開閉弁V432及び中間第4開閉弁V44を制御する。また、ここでは、制御部70は、エジェクタ41における利用側ユニット3a、3b、3c、3dで放熱した冷媒の昇圧度合いを、中間第1開閉弁V41の開度で制御する。
【0073】
また、制御部70は、動力の回収量が所定量より小さい場合に、エジェクタ41を機能させず、動力の回収量が所定量より大きい場合に、エジェクタ41を機能させるように制御する。例えば、制御部70は、エジェクタ41の駆動流入口41aに設けられた温度センサの温度が所定温度未満であるとエジェクタ41を機能させない運転を行い、所定温度以上であるとエジェクタ41を機能させる運転を行うように制御する。
【0074】
(3)運転動作
本実施形態に係る空気調和装置1の運転には、全冷房運転、冷房主体運転、冷暖均等運転、暖房主体運転、及び全暖房運転がある。全冷房運転は、各利用側ユニット3a、3b、3c、3dの全てを冷房する運転である。冷房主体運転は、複数の利用側ユニット3a、3b、3c、3dの冷房運転負荷の合計が暖房運転負荷の合計よりも大きい冷房主体の冷暖混在運転である。冷暖均等運転は、複数の利用側ユニット3a、3b、3c、3dの冷房運転負荷の合計と暖房運転負荷の合計とが同等の冷暖混在運転である。暖房主体運転は、複数の利用側ユニット3a、3b、3c、3dの暖房運転負荷の合計が冷房運転負荷の合計よりも大きい暖房主体の冷暖混在運転である。全暖房運転は、各利用側ユニット3a、3b、3c、3dの全てを暖房する運転である。以下、
図3~
図10を参照して、空気調和装置1の5つの運転における動作について説明する。なお、
図3~
図10において、太線の配管は、冷媒が流れる配管を示し、細線の配管は、冷媒が流れない配管を示す。太線の配管に設けられている弁は開けられ、細線の配管に設けられている弁は閉じられている。
【0075】
ここでは、全冷房運転、冷房主体運転、及び冷暖均等運転において、エジェクタ41が機能することと、エジェクタ41が機能しないことと、の両方が可能に構成されている。一方、暖房主体運転及び全暖房運転では、エジェクタ41が機能しないように構成されている。
【0076】
(3-1)全冷房運転
(3-1-1)エジェクタが機能する場合
図3に示すように、全冷房運転において、例えば、利用側ユニット3a、3b、3c、3dの全てが冷房運転(すなわち、利用側熱交換器31a、31b、31c、31dの全てが冷媒の蒸発器として機能し、かつ、熱源側熱交換器23が冷媒の放熱器として機能する運転)を行う。
【0077】
この際には、熱源側ユニット2においては、制御部70により、切換機構22は熱源側放熱状態(
図3の切換機構22の実線で示された状態)に切り換えられる。
【0078】
中間ユニット4においては、制御部70により、中間第1開閉弁V41及び中間第3開閉弁V432を開けるとともに、中間第4開閉弁V44を閉じる。また、制御部70により、三方弁V421、V422、V423、V424は、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31a、31b、31c、31dの出口から中間ユニット4へと流れるように切り換えられる。また、制御部70により、切換機構43は、冷媒が気液分離器42のガス側出口42cから第2連絡配管6へと流れるように切り換えられる。
【0079】
利用側ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、制御部70により、利用側膨張弁32a、32b、32c、32dは、各利用側ユニット3a、3b、3c、3dの冷房負荷に応じて開度調節される。
【0080】
このように制御部70により、熱源側ユニット2、利用側ユニット3a、3b、3c、3d及び中間ユニット4の構成機器を制御すると、熱源側ユニット2では、圧縮機21から吐出された超臨界状態の冷媒は、切換機構22を経由して熱源側熱交換器23に送られる。熱源側熱交換器23に送られた冷媒は、冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器23において、室外空気と熱交換を行って冷却されることによって放熱する。この冷媒は、熱源側第1配管P21を通り、熱源側第1逆止弁V21を経由して熱源側ユニット2から流出する。
【0081】
熱源側ユニット2から流出した冷媒は、第1連絡配管5を通って中間ユニット4に送られる。中間ユニット4に送られた冷媒は、中間第1配管P41を通って、中間第1開閉弁V41を経由して、エジェクタ41の駆動流入口41aに流入する。この冷媒は、吸引流入口41bに流入する冷媒(冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31a、31b、31c、31dで蒸発した冷媒)と混合されて、吐出口41cから吐出する。エジェクタ41から流出した気液二相状態の冷媒は、気液分離器42の冷媒入口42aに流入する。そして、気液分離器42で分離されて液側出口42bから流出する冷媒は、第1接続管P411、P412、P413、P414で分岐されて、中間第1逆止弁V411、V412、V413、V414を経由して、中間ユニット4から流出する。
【0082】
中間ユニット4から流出した冷媒は、第3連絡配管51、52、53、54を通って、利用側ユニット3a、3b、3c、3dに送られる。利用側ユニット3a、3b、3c、3dに送られた冷媒は、利用側膨張弁32a、32b、32c、32dを経由して利用側熱交換器31a、31b、31c、31dに送られる。利用側熱交換器31a、31b、31c、31dに送られた冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31a、31b、31c、31dにおいて、室内から供給される室内空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発する。この冷媒は、利用側ユニット3a、3b、3c、3dから流出する。一方、利用側熱交換器31a、31b、31c、31dにおいて冷却された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の冷房が行われる。
【0083】
利用側ユニット3a、3b、3c、3dから流出した冷媒は、第4連絡配管61、62、63、64を通って中間ユニット4に送られる。中間ユニット4に送られた冷媒は、中間第2配管P42を流れ、三方弁V421、V422、V423、V424を経由して、中間第4配管P44を通って、中間第3配管P43で合流する。合流した冷媒は、第3分岐管P432に流入し、中間第3開閉弁V432を経由して、エジェクタ41の吸引流入口41bに流入する。エジェクタ41において、上述した駆動流入口41aから流入した駆動流としての冷媒と混合されて、昇圧される。昇圧されて吐出された二相状態の冷媒は、気液分離器42の冷媒入口42aに流入する。そして、気液分離器42で分離されてガス側出口42cから流出する冷媒は、第3接続管P431を流れ、切換機構43により中間第3配管P43に流入する。切換機構43を経由して中間第3配管P43に流入した冷媒は、中間ユニット4から流出する。
【0084】
中間ユニット4から流出した冷媒は、第2連絡配管6を通って熱源側ユニット2に送られる。熱源側ユニット2に送られた冷媒は、熱源側第2配管P22を通り、熱源側第2逆止弁V22及び切換機構22を経由して圧縮機21に吸入される。
【0085】
このように、上記の全冷房運転の際には、エジェクタ41を機能させて、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31a、31b、31c、31dで蒸発した冷媒を昇圧させてから第2連絡配管6を通って圧縮機21に戻している。
【0086】
(3-1-2)エジェクタが機能しない場合
中間ユニット4においてエジェクタ41を機能させないために、制御部70により、
図4に示すように、中間第1開閉弁V41を開けるとともに、中間第3開閉弁V432及び中間第4開閉弁V44を閉じる。また、制御部70により、三方弁V421、V422、V423、V424は、冷媒が蒸発器の出口から中間ユニット4へと流れるように切り換えられる。また、制御部70により、切換機構43は、冷媒が蒸発器の出口から第2連絡配管6へと流れるように切り換えられる。
【0087】
この場合、熱源側ユニット2から第1連絡配管5を通って中間ユニット4に送られた高圧の冷媒は、中間第1配管P41を通って、中間第1開閉弁V41を経由して、エジェクタ41の駆動流入口41aに流入する。この冷媒は、エジェクタ41の吐出口41cから吐出されて、気液分離器42の冷媒入口42aに流入する。そして、気液分離器42で分離されて液側出口42bから流出する冷媒は、第1接続管P411、P412、P413、P414で分岐されて、中間第1逆止弁V411、V412、V413、V414を経由して、中間ユニット4から流出する。
【0088】
中間ユニット4から流出した冷媒は、第3連絡配管51、52、53、54を通って、利用側ユニット3a、3b、3c、3dに送られる。利用側ユニット3a、3b、3c、3dに送られた冷媒は、利用側膨張弁32a、32b、32c、32dを経由して、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31a、31b、31c、31dに送られる。利用側熱交換器31a、31b、31c、31dで熱交換した冷媒は、利用側ユニット3a、3b、3c、3dから流出する。
【0089】
利用側ユニット3a、3b、3c、3dから流出した冷媒は、第4連絡配管61、62、63、64を通って中間ユニット4に送られる。中間ユニット4に送られた冷媒は、中間第2配管P42を流れ、三方弁V421、V422、V423、V424を経由して、中間第3配管P43で合流する。合流した冷媒は、中間第3開閉弁V432が閉状態なので、第3分岐管P432を流れずに(エジェクタ41の吸引流入口41bに向かわずに)、切換機構43に向かって流れる。切換機構43を経由した冷媒は、中間ユニット4から流出する。
【0090】
中間ユニット4から流出した冷媒は、第2連絡配管6を通って熱源側ユニット2に送られる。熱源側ユニット2に送られた冷媒は、熱源側第2逆止弁V22及び切換機構22を経由して圧縮機21に吸入される。
【0091】
このように、上記の全冷房運転の際には、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31a、31b、31c、31dで蒸発した冷媒を、エジェクタ41で昇圧させずに、第2連絡配管6を通って圧縮機21に戻している。
【0092】
(3-2)冷房主体運転
(3-2-1)エジェクタが機能する場合
図5に示すように、冷房主体運転において、例えば、利用側ユニット3b、3c、3dが冷房運転、かつ、利用側ユニット3aが暖房運転(すなわち、利用側熱交換器31b、31c、31dが冷媒の蒸発器として機能し、かつ、利用側熱交換器31aが冷媒の放熱器として機能する運転)を行う。
【0093】
この際には、熱源側ユニット2においては、制御部70により、切換機構22は熱源側放熱状態(
図3の切換機構22の実線で示された状態)に切り換えられる。
【0094】
中間ユニット4においては、制御部70により、中間第1開閉弁V41及び中間第3開閉弁V432を開けるとともに、中間第4開閉弁V44を閉じる。また、制御部70により、三方弁V422、V423、V424は、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31b、31c、31dの出口から中間ユニット4へと冷媒が流れるように切り換えられる。一方、制御部70により、三方弁V421は、中間ユニット4から、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器31aの入口へと冷媒が流れるように切り換えられる。また、制御部70により、切換機構43は、冷媒が気液分離器42のガス側出口42cから第2連絡配管6へと流れるように切り換えられる。
【0095】
利用側ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、制御部70により、利用側膨張弁32a、32b、32c、32dは、利用側ユニット3aの暖房負荷及び利用側ユニット3b、3c、3dの冷房負荷に応じて開度調節される。
【0096】
このように制御部70により、熱源側ユニット2、利用側ユニット3a、3b、3c、3d及び中間ユニット4の構成機器を制御すると、全冷房運転と同様に、圧縮機21から吐出された超臨界状態の冷媒は、熱源側熱交換器23を通って熱源側ユニット2から第1連絡配管5へ流出する。
【0097】
第1連絡配管5を通じて中間ユニット4に送られた冷媒は、その一部が中間第1配管P41を流れ、その残部が中間第2配管P42を流れる。中間第2配管P42を流れる冷媒は、三方弁V421を経由して、中間ユニット4から流出する。この冷媒は、第4連絡配管61を通って、利用側ユニット3aへ流入する。
【0098】
利用側ユニット3aに送られた高圧の冷媒は、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器31aにおいて、室内から供給される室内空気と熱交換を行って冷却されることによって放熱する。この冷媒は、利用側膨張弁32aを経由して利用側ユニット3aから流出する。一方、利用側熱交換器31aにおいて加熱された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の暖房が行われる。
【0099】
利用側ユニット3aから流出した冷媒は、第3連絡配管51を通って、中間ユニット4の第1接続管P411に流入する。この冷媒は、第1接続管P411から第1分岐管P415を流れ、中間第2逆止弁V415を経由して、点Aにおいて、中間第1開閉弁V41を経由して中間第1配管P41を流れる冷媒と合流する。
【0100】
合流した冷媒は、エジェクタ41の駆動流入口41aに流入する。この冷媒は、吸引流入口41bに流入する、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31b、31c、31dで蒸発した冷媒と混合されて、吐出口41cから吐出する。エジェクタ41から流出した気液二相状態の冷媒は、気液分離器42の冷媒入口42aに流入する。そして、気液分離器42で分離されて液側出口42bから流出する冷媒は、第1接続管P412、P413、P414で分岐されて、中間第1逆止弁V412、V413、V414を経由して、中間ユニット4から流出する。
【0101】
中間ユニット4から流出した冷媒は、第3連絡配管52、53、54を通って、利用側ユニット3b、3c、3dに送られる。利用側ユニット3b、3c、3dに送られた冷媒は、利用側膨張弁32b、32c、32dを経由して利用側熱交換器31b、31c、31dに送られる。利用側熱交換器31b、31c、31dに送られた冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31b、31c、31dにおいて、室内から供給される室内空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発する。この冷媒は、利用側ユニット3b、3c、3dから流出する。一方、利用側熱交換器31b、31c、31dにおいて冷却された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の冷房が行われる。
【0102】
利用側ユニット3b、3c、3dから流出した冷媒は、第4連絡配管62、63、64を通って中間ユニット4に送られる。中間ユニット4に送られた冷媒は、三方弁V422、V423、V424を経由して、中間第3配管P43で合流する。合流した冷媒は、第3分岐管P432に流入し、中間第3開閉弁V432を経由して、エジェクタ41の吸引流入口41bに流入する。エジェクタ41の吸引流入口41bに流入した低圧の冷媒は、エジェクタ41において、上述した駆動流入口41aから流入した駆動流としての冷媒と混合されて、昇圧される。昇圧されて吐出された二相状態の冷媒は、気液分離器42の冷媒入口42aに流入する。そして、気液分離器42で分離されてガス側出口42cから流出する冷媒は、第3接続管P431を流れ、切換機構43により中間第3配管P43に流入して、中間ユニット4から流出する。
【0103】
中間ユニット4から流出した冷媒は、第2連絡配管6を通って熱源側ユニット2に送られる。熱源側ユニット2に送られた冷媒は、熱源側第2逆止弁V22及び切換機構22を経由して圧縮機21に吸入される。
【0104】
このように、上記の冷房主体運転の際には、エジェクタ41を機能させて、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31b、31c、31dで蒸発した冷媒を昇圧させてから圧縮機21に戻している。
【0105】
(3-2-2)エジェクタが機能しない場合
中間ユニット4においてエジェクタ41を機能させないために、制御部70により、
図6に示すように、中間第1開閉弁V41及び中間第4開閉弁V44を開けるとともに、中間第3開閉弁V432を閉じる。また、制御部70により、三方弁V422、V423、V424は、冷媒が蒸発器の出口から中間ユニット4へと流れるように切り換えられる。一方、制御部70により、三方弁V421は、冷媒が中間ユニット4から放熱器の入口へと流れるように切り換えられる。また、制御部70により、切換機構43は、蒸発器の出口から第2連絡配管6へと流れるように切り換えられる。
【0106】
この場合、熱源側ユニット2から第1連絡配管5を通って中間ユニット4に送られた冷媒は、その一部が中間第1配管P41を流れ、その残部が中間第2配管P42を流れる。中間第2配管P42を流れる冷媒は、三方弁V421を経由して中間ユニット4から流出し、第4連絡配管61を通って、利用側ユニット3aへ流入する。
【0107】
利用側ユニット3aに送られた高圧の冷媒は、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器31aで熱交換を行った後、利用側ユニット3aから流出する。利用側ユニット3aから流出した冷媒は、第3連絡配管51を通って、中間ユニット4の第1接続管P411に流入して、第1分岐管P415を流れる。そして、中間第2逆止弁V415を経由した冷媒は、点Aにおいて、中間第1開閉弁V41を経由して中間第1配管P41を流れる冷媒と合流する。
【0108】
合流した冷媒は、エジェクタ41の駆動流入口41aに流入し、吐出口41cから吐出されて、気液分離器42の冷媒入口42aに流入する。そして、気液分離器42の液側出口42bから流出する冷媒は、その一部が中間第4配管P44に流れ、その残部が第1接続管P412、P413、P414で分岐されて、中間ユニット4から流出する。
【0109】
中間ユニット4から流出した冷媒は、第3連絡配管52、53、54を通って、利用側ユニット3b、3c、3dに送られる。利用側ユニット3b、3c、3dに送られた冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31b、31c、31dで熱交換を行った後、利用側ユニット3b、3c、3dから流出する。
【0110】
利用側ユニット3b、3c、3dから流出した冷媒は、第4連絡配管62、63、64を通って中間ユニット4に送られる。中間ユニット4において三方弁V422、V423、V424を経由する各冷媒と、中間第4配管P44を流れる冷媒と、が合流する。中間第3開閉弁V432が閉状態なので、合流した冷媒は、エジェクタ41の吸引流入口41bに向かわずに、切換機構43に向かって流れる。この冷媒は、切換機構43を経由して、中間ユニット4から流出する。
【0111】
中間ユニット4から流出した冷媒は、第2連絡配管6を通って熱源側ユニット2に送られる。熱源側ユニット2に送られた冷媒は、熱源側第2逆止弁V22及び切換機構22を経由して圧縮機21に吸入される。
【0112】
このように、上記の冷房主体運転の際には、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31b、31c、31dで蒸発した冷媒をエジェクタ41で昇圧させずに、第2連絡配管6を通って圧縮機21に戻している。
【0113】
(3-3)冷暖均等運転
(3-3-1)エジェクタが機能する場合
図7に示すように、冷暖均等運転において、例えば、利用側ユニット3c、3dが冷房運転、かつ、利用側ユニット3a、3bが暖房運転(すなわち、利用側熱交換器31c、31dが冷媒の蒸発器として機能し、かつ、利用側熱交換器31a、31bが冷媒の放熱器として機能する運転)を行う。
【0114】
この際には、熱源側ユニット2においては、制御部70により、切換機構22は熱源側放熱状態(
図7の切換機構22の実線で示された状態)に切り換えられる。
【0115】
中間ユニット4においては、制御部70により、中間第1開閉弁V41及び中間第3開閉弁V432を開けるとともに、中間第4開閉弁V44を閉じる。また、制御部70により、三方弁V423、V424は、冷媒が蒸発器の出口から中間ユニット4へと流れるように切り換えられる。一方、制御部70により、三方弁V421、V422は、冷媒が中間ユニット4から放熱器の入口へと流れるように切り換えられる。また、制御部70により、切換機構43は、冷媒が気液分離器42のガス側出口42cから第2連絡配管6へと流れるように切り換えられる。
【0116】
利用側ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、制御部70により、利用側膨張弁32a、32b、32c、32dは、利用側ユニット3a、3bの暖房負荷及び利用側ユニット3c、3dの冷房負荷に応じて開度調節される。
【0117】
このように制御部70により、熱源側ユニット2、利用側ユニット3a、3b、3c、3d及び中間ユニット4の構成機器を制御すると、全冷房運転と同様に、圧縮機21から吐出された超臨界状態の冷媒は、熱源側熱交換器23を通って熱源側ユニット2から第1連絡配管5へ流出する。
【0118】
第1連絡配管5を通じて中間ユニット4に送られた冷媒は、その一部が中間第1配管P41を流れ、その残部が中間第2配管P42を流れる。中間第2配管P42を流れる冷媒は、三方弁V421、V422を経由して、中間ユニット4から流出する。この冷媒は、第4連絡配管61、62を通って、利用側ユニット3a、3bへ流入する。
【0119】
利用側ユニット3a、3bに送られた高圧の冷媒は、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器31a、31bにおいて、室内から供給される室内空気と熱交換を行って冷却されることによって放熱する。この冷媒は、利用側膨張弁32a、32bを経由して利用側ユニット3a、3bから流出する。一方、利用側熱交換器31a、31bにおいて加熱された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の暖房が行われる。
【0120】
利用側ユニット3a、3bから流出した冷媒は、第3連絡配管51、52を通って、中間ユニット4の第1接続管P411、P412に流入する。この冷媒は、第1接続管P411、P412から第1分岐管P415、P416を流れ、中間第2逆止弁V415、V416を経由して、点Aにおいて、中間第1開閉弁V41を経由して中間第1配管P41を流れる冷媒と合流する。
【0121】
合流した冷媒は、エジェクタ41の駆動流入口41aに流入する。この冷媒は、吸引流入口41bに流入する、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31c、31dで蒸発した冷媒と混合されて、吐出口41cから吐出する。エジェクタ41から流出した気液二相状態の冷媒は、気液分離器42の冷媒入口42aに流入する。そして、気液分離器42で分離されて液側出口42bから流出する冷媒は、第1接続管P413、P414で分岐されて、中間第1逆止弁V413、V414を経由して、中間ユニット4から流出する。
【0122】
中間ユニット4から流出した冷媒は、第3連絡配管53、54を通って、利用側ユニット3c、3dに送られる。利用側ユニット3c、3dに送られた冷媒は、利用側膨張弁32c、32dを経由して利用側熱交換器31c、31dに送られる。利用側熱交換器31c、31dに送られた冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31c、31dにおいて、室内から供給される室内空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発する。この冷媒は、利用側ユニット3c、3dから流出する。一方、利用側熱交換器31c、31dにおいて冷却された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の冷房が行われる。
【0123】
利用側ユニット3c、3dから流出した冷媒は、第4連絡配管63、64を通って中間ユニット4に送られる。中間ユニット4に送られた冷媒は、三方弁V423、V424を経由して、中間第3配管P43で合流する。合流した冷媒は、第3分岐管P432に流入し、中間第3開閉弁V432を経由して、エジェクタ41の吸引流入口41bに流入する。エジェクタ41の吸引流入口41bに流入した低圧の冷媒は、エジェクタ41において、上述した駆動流入口41aから流入した駆動流としての冷媒と混合されて、昇圧される。昇圧されて吐出された二相状態の冷媒は、気液分離器42の冷媒入口42aに流入する。そして、気液分離器42で分離されてガス側出口42cから流出する冷媒は、第3接続管P431を流れ、切換機構43により中間第3配管P43に流入して、中間ユニット4から流出する。
【0124】
中間ユニット4から流出した冷媒は、第2連絡配管6を通って熱源側ユニット2に送られる。熱源側ユニット2に送られた冷媒は、熱源側第2逆止弁V22及び切換機構22を経由して圧縮機21に吸入される。
【0125】
このように、上記の冷暖均等運転の際には、エジェクタ41を機能させて、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31c、31dで蒸発した冷媒を昇圧させてから圧縮機21に戻している。
【0126】
(3-3-2)エジェクタが機能しない場合
中間ユニット4においてエジェクタ41を機能させないために、制御部70により、
図8に示すように、中間第1開閉弁V41を開けるとともに、中間第3開閉弁V432及び中間第4開閉弁V44を閉じる。また、制御部70により、三方弁V423、V424は、冷媒が蒸発器の出口から中間ユニット4へと流れるように切り換えられる。一方、制御部70により、三方弁V421、V422は、冷媒が中間ユニット4から放熱器の入口へと流れるように切り換えられる。また、制御部70により、切換機構43は、蒸発器の出口から第2連絡配管6へと流れるように切り換えられる。
【0127】
この場合、熱源側ユニット2から第1連絡配管5を通って中間ユニット4に送られた冷媒は、その一部が中間第1配管P41を流れ、その残部が中間第2配管P42を流れる。中間第2配管P42を流れる冷媒は、三方弁V421、V422を経由して中間ユニット4から流出し、第4連絡配管61、62を通って、利用側ユニット3a、3bへ流入する。
【0128】
利用側ユニット3a、3bに送られた高圧の冷媒は、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器31a、31bで熱交換を行った後、利用側ユニット3a、3bから流出する。利用側ユニット3a、3bから流出した冷媒は、第3連絡配管51、52を通って、中間ユニット4の第1接続管P411、P412に流入して、第1分岐管P415、P416を流れる。そして、点Aにおいて、中間第1開閉弁V41を経由して中間第1配管P41を流れる冷媒と合流する。
【0129】
合流した冷媒は、エジェクタ41の駆動流入口41aに流入し、吐出口41cから吐出されて、気液分離器42の冷媒入口42aに流入する。そして、気液分離器42の液側出口42bから流出する冷媒は、第1接続管P413、P414で分岐されて、中間ユニット4から流出する。
【0130】
中間ユニット4から流出した冷媒は、第3連絡配管53、54を通って、利用側ユニット3c、3dに送られる。利用側ユニット3c、3dに送られた冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31c、31dで熱交換を行った後、利用側ユニット3c、3dから流出する。
【0131】
利用側ユニット3c、3dから流出した冷媒は、第4連絡配管63、64を通って中間ユニット4に送られる。中間ユニット4に送られた冷媒は、三方弁V423、V424を経由して、中間第3配管P43で合流する。合流した冷媒は、中間第3開閉弁V432が閉状態なので、エジェクタ41の吸引流入口41bを流れずに、切換機構43に向かって流れる。この冷媒は、切換機構43を経由して、中間ユニット4から流出する。
【0132】
中間ユニット4から流出した冷媒は、第2連絡配管6を通って熱源側ユニット2に送られる。熱源側ユニット2に送られた冷媒は、熱源側第2逆止弁V22及び切換機構22を経由して圧縮機21に吸入される。
【0133】
このように、上記の冷暖均等運転の際には、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31c、31dで蒸発した冷媒をエジェクタ41で昇圧させずに、第2連絡配管6を通って圧縮機21に戻している。
【0134】
(3-4)暖房主体運転
図9に示すように、暖房主体運転において、例えば、利用側ユニット3dが冷房運転、かつ、利用側ユニット3a、3b、3cが暖房運転(すなわち、利用側熱交換器31dが冷媒の蒸発器として機能し、かつ、利用側熱交換器31a、31b、31cが冷媒の放熱器として機能する運転)を行う。
【0135】
この際には、熱源側ユニット2においては、制御部70により、切換機構22は熱源側蒸発状態(
図9の切換機構22の実線で示された状態)に切り換えられる。
【0136】
中間ユニット4においては、制御部70により、中間第1開閉弁V41及び中間第4開閉弁V44を開けるとともに、中間第3開閉弁V432を閉じる。また、制御部70により、三方弁V424は、冷媒が蒸発器の出口から中間ユニット4へと流れるように切り換えられる。一方、制御部70により、三方弁V421、V422、V423は、冷媒が中間ユニット4から放熱器の入口へと流れるように切り換えられる。また、制御部70により、切換機構43は、冷媒が蒸発器の出口から第2連絡配管6へと流れるように切り換えられる。またここでは、制御部70により、切換機構43は、冷媒が気液分離器42の液側出口42bから第2連絡配管6へと流れるように切り換えられる。
【0137】
利用側ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、制御部70により、利用側膨張弁32a、32b、32cは、利用側ユニット3a、3b、3cの暖房負荷及び利用側ユニット3dの冷房負荷に応じて開度調節される。
【0138】
このように制御部70により、熱源側ユニット2、利用側ユニット3a、3b、3c、3d及び中間ユニット4の構成機器を制御すると、圧縮機21から吐出された超臨界状態の冷媒は、切換機構22を通って、熱源側第3配管P23に流入し、熱源側第3逆止弁V23を経由して、熱源側ユニット2から第1連絡配管5へ流出する。
【0139】
第1連絡配管5を通じて中間ユニット4に送られた冷媒は、その一部が中間第1配管P41を流れ、その残部が中間第2配管P42を流れる。中間第2配管P42を流れる冷媒は、三方弁V421、V422、V423を経由して、中間ユニット4から流出する。この冷媒は、第4連絡配管61、62、63を通って、利用側ユニット3a、3b、3cへ流入する。
【0140】
利用側ユニット3a、3b、3cに送られた高圧の冷媒は、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器31a、31b、31cにおいて、室内から供給される室内空気と熱交換を行って冷却されることによって放熱する。この冷媒は、利用側膨張弁32a、32b、32cを経由して利用側ユニット3a、3b、3cから流出する。一方、利用側熱交換器31a、31b、31cにおいて加熱された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の暖房が行われる。
【0141】
利用側ユニット3a、3b、3cから流出した冷媒は、第3連絡配管51、52、53を通って、中間ユニット4の第1接続管P411、P412、P413に流入する。この冷媒は、第1接続管P411、P412、P413から第1分岐管P415、P416、P417を流れ、中間第2逆止弁V415、V416、V417を経由して、点Aにおいて、中間第1開閉弁V41を経由して中間第1配管P41を流れる冷媒と合流する。
【0142】
合流した冷媒は、エジェクタ41の駆動流入口41aに流入し、吐出口41cから吐出されて、気液分離器42の冷媒入口42aに流入する。そして、気液分離器42の液側出口42bから流出する冷媒は、その一部が中間第4配管P44に流れ、その残部が第1接続管P414を流れる。第1接続管P414を流れる冷媒は、中間第1逆止弁V414を経由して、中間ユニット4から流出する。
【0143】
中間ユニット4から流出した冷媒は、第3連絡配管54を通って、利用側ユニット3dに送られる。利用側ユニット3dに送られた冷媒は、利用側膨張弁32dを経由して利用側熱交換器31dに送られる。利用側熱交換器31dに送られた冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器31dにおいて、室内から供給される室内空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発する。この冷媒は、利用側ユニット3dから流出する。一方、利用側熱交換器31dにおいて冷却された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の冷房が行われる。
【0144】
利用側ユニット3dから流出した冷媒は、第4連絡配管64を通って中間ユニット4に送られる。中間ユニット4に送られた冷媒は、三方弁V424を経由して、中間第3配管P43において、中間第4配管P44を流れる冷媒と合流する。合流した冷媒は、中間第3開閉弁V432が閉状態なので、エジェクタ41の吸引流入口41bを流れずに、切換機構43に向かって流れる。この冷媒は、切換機構43を経由して、中間ユニット4から流出する。
【0145】
中間ユニット4から流出した冷媒は、第2連絡配管6を通って熱源側ユニット2に送られる。熱源側ユニット2に送られた冷媒は、熱源側第4配管P24に流入し、熱源側第4逆止弁V24を経由して、さらに熱源側第1配管P21に流入して、熱源側熱交換器23に送られる。熱源側熱交換器23に送られた冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器23において、室外空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発する。蒸発した冷媒は、切換機構22を経由して圧縮機21に吸入される。
【0146】
このように、上記の暖房主体運転の際には、冷媒をエジェクタ41で昇圧させずに、第2連絡配管6を通って圧縮機21に戻している。
【0147】
(3-5)全暖房運転
図10に示すように、全暖房運転において、例えば、利用側ユニット3a、3b、3c、3dの全てが暖房運転(すなわち、利用側熱交換器31a、31b、31c、31dの全てが冷媒の放熱器として機能し、かつ、熱源側熱交換器23が冷媒の蒸発として機能する運転)を行う。
【0148】
この際には、熱源側ユニット2においては、制御部70により、切換機構22は熱源側蒸発状態(
図10の切換機構22の実線で示された状態)に切り換えられる。
【0149】
中間ユニット4においては、制御部70により、中間第4開閉弁V44を開けるとともに、中間第1開閉弁V41及び中間第3開閉弁V432を閉じる。また、制御部70により、三方弁V421、V422、V423、V424は、冷媒が中間ユニット4から放熱器の入口へと流れるように切り換えられる。また、制御部70により、切換機構43は、冷媒が気液分離器42の液側出口42bから第2連絡配管6へと流れるように切り換えられる。
【0150】
利用側ユニット3a、3b、3c、3dにおいては、制御部70により、利用側膨張弁32a、32b、32c、32dは、利用側ユニット3a、3b、3c、3dの暖房負荷に応じて開度調節される。
【0151】
このように制御部70により、熱源側ユニット2、利用側ユニット3a、3b、3c、3d及び中間ユニット4の構成機器を制御すると、圧縮機21から吐出された超臨界状態の冷媒は、切換機構22を通って、熱源側第3逆止弁V23を経由して、熱源側ユニット2から第1連絡配管5へ流出する。
【0152】
第1連絡配管5を通じて中間ユニット4に送られた冷媒は、中間第2配管P42を流れ、三方弁V421、V422、V423、V424を経由して、中間ユニット4から流出する。この冷媒は、第4連絡配管61、62、63、64を通って、利用側ユニット3a、3b、3c、3dへ流入する。
【0153】
利用側ユニット3a、3b、3c、3dに送られた高圧の冷媒は、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器31a、31b、31c、31dにおいて、室内から供給される室内空気と熱交換を行って冷却されることによって放熱する。この冷媒は、利用側膨張弁32a、32b、32cを経由して利用側ユニット3a、3b、3c、3dから流出する。一方、利用側熱交換器31a、31b、31c、31dにおいて加熱された室内空気は、室内に送られ、これにより、室内の暖房が行われる。
【0154】
利用側ユニット3a、3b、3c、3dから流出した冷媒は、第3連絡配管51、52、53、54を通って、中間ユニット4の第1接続管P411、P412、P413、P414に流入する。この冷媒は、第1接続管P411、P412、P413、P414から第1分岐管P415、P416、P417、P418を流れ、中間第2逆止弁V415、V416、V417、V418を経由して、エジェクタ41の駆動流入口41aに流入する。エジェクタ41の吐出口41cから吐出される冷媒は、気液分離器42の冷媒入口42aに流入する。気液分離器42の液側出口42bから流出する冷媒は、中間第4配管P44に流れ、中間第4開閉弁V44を経由して、中間第3配管P43に流入して、切換機構43に向かって流れる。この冷媒は、切換機構43を経由して、中間ユニット4から流出する。
【0155】
中間ユニット4から流出した冷媒は、第2連絡配管6を通って熱源側ユニット2に送られる。熱源側ユニット2に送られた冷媒は、熱源側第4逆止弁V24を経由して熱源側熱交換器23に送られる。この冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器23において、室外空気と熱交換を行って加熱されることによって蒸発する。蒸発した冷媒は、切換機構22を経由して圧縮機21に吸入される。
【0156】
このように、上記の全暖房運転の際には、冷媒をエジェクタ41で昇圧させずに、第2連絡配管6を通って圧縮機21に戻している。
【0157】
(4)特徴
本実施形態の空気調和装置1は、熱源側ユニット2と、複数の利用側ユニット3a、3b、3c、3dと、中間ユニット4と、2本の連絡配管5、6と、を備える。熱源側ユニット2は、圧縮機21と、熱源側熱交換器23と、を有する。複数の利用側ユニット3a、3b、3c、3dは、利用側熱交換器31a、31b、31c、31dを有する。中間ユニット4は、複数の利用側熱交換器31a、31b、31c、31dを個別に冷媒の蒸発器または放熱器として機能させるように切り換える。2本の連絡配管5、6は、熱源側ユニット2と中間ユニット4とを接続する。中間ユニット4は、エジェクタ41と、気液分離器42と、を有する。エジェクタ41は、駆動流を用いて、蒸発器で蒸発した冷媒を昇圧する。気液分離器42は、エジェクタ41から流出した冷媒が流入する。複数の利用側ユニット3a、3b、3c、3dの冷房運転負荷の合計が暖房運転負荷の合計よりも大きい冷房主体の冷暖混在運転(冷房主体運転)において、エジェクタ41が機能する。
【0158】
これにより、
図5に示すように、複数の利用側ユニット3a、3b、3c、3dの冷房運転負荷の合計が暖房運転負荷の合計よりも大きい冷房主体の冷暖混在運転において、エジェクタ41が機能する。したがって、冷房主体運転時に、エジェクタ41を使用することができる。このため、本実施形態の空気調和装置1は、冷房主体運転時に、動力の回収ができる。
【0159】
本実施形態の空気調和装置1は、第1配管(ここでは、第1接続管P411、P412、P413、P414と、第3連絡配管51、52、53、54と、利用側第1配管P31a、P31b、P31c、P31dとで構成される)と、第2配管(ここでは、第1分岐管P415、P416、P417、P418)と、をさらに備える。第1配管は、利用側熱交換器31a、31b、31c、31dと気液分離器42とを接続する。第2配管は、第1配管から分岐してエジェクタ41の駆動流入口41aに冷媒を導く。
【0160】
第1配管から分岐する第2配管によって、エジェクタ41の駆動流の流量を多くすることができる。このため、中間ユニット4から熱源側ユニット2へ流れる冷媒の圧力の低下を効果的に抑制できる。
【0161】
本実施形態の空気調和装置1は、複数の利用側ユニット3a、3b、3c、3dの全てが冷房の全冷房運転、及び、冷房運転負荷の合計と暖房運転負荷の合計とが均等である冷暖均等運転の少なくとも一方において、エジェクタ41がさらに機能する。
【0162】
これにより、全冷房運転及び冷暖均等運転の少なくとも一方において、エジェクタ41がさらに機能する。したがって、冷房主体の冷暖混在運転(冷房主体運転)時に加えて、全冷房運転及び冷暖均等運転の少なくとも一方に、エジェクタ41をさらに使用することができる。このため、本実施形態の空気調和装置1は、冷房主体運転時に加えて、全冷房運転時及び冷暖均等運転時の少なくとも一方において、動力の回収ができる。
【0163】
本実施形態の空気調和装置1は、蒸発器で蒸発した冷媒をエジェクタ41に吸引させる第3配管(ここでは第3分岐管P432)をさらに備える。第3配管としての第3分岐管P432には、開閉弁(ここでは中間第3開閉弁V432)が設けられる。連絡配管は、熱源側ユニット2と中間ユニット4とを接続する低圧側のガス連絡配管(ここでは第2連絡配管6)を有する。中間ユニット4は、蒸発器の出口からガス連絡配管としての第2連絡配管6、及び、気液分離器42のガス側出口42cからガス連絡配管としての第2連絡配管6、へと流れる冷媒の経路を切り換える切換機構43をさらに有する。空気調和装置1は、開閉弁としての中間第3開閉弁V432及び切換機構43を制御する制御部70をさらに備える。
【0164】
図5に示すように、制御部70により、中間第3開閉弁V432を開にするとともに、気液分離器42のガス側出口42cから第2連絡配管6へ冷媒が流れるように切換機構43を切り換えると、冷房主体の冷暖混在運転時にエジェクタ41が機能する。一方、
図6に示すように、制御部70により、中間第3開閉弁V432を閉にするとともに、蒸発器の出口から第2連絡配管6へ冷媒が流れるように切換機構を切り換えると、冷房主体の冷暖混在運転時にエジェクタ41は機能しない。このため、冷房主体の冷暖混在運転時に、エジェクタ41を機能させることと、エジェクタ41を機能させないこととを、選択することができる。
【0165】
本実施形態の空気調和装置1は、複数の利用側ユニット3a、3b、3c、3dの全てが暖房の全暖房運転、及び、複数の利用側ユニット3a、3b、3c、3dの暖房運転負荷の合計が冷房運転負荷の合計よりも大きい暖房主体の冷暖混在運転(暖房主体運転)において、エジェクタが機能しないように構成されている。
【0166】
これにより、全暖房運転及び暖房主体運転ではエジェクタ41を使用する利点が小さいの。このため、ここでは、
図9及び
図10に示すように、全暖房運転及び暖房主体運転ではエジェクタ41を機能させないように構成している。
【0167】
本実施形態の圧縮機21は、超臨界状態の冷媒を吐出する。これにより、中間ユニット4の一部に超臨界状態の冷媒が流れるので、駆動流に超臨界状態の冷媒を用いることができる。このため、エジェクタ41を使用する効果を高めることができる。
【0168】
本実施形態の圧縮機21で圧縮される冷媒は、二酸化炭素を含む。これにより、二酸化炭素を含む冷媒は、超臨界状態にすることができる。このため、エジェクタ41を使用する効果を高めた空気調和器を容易に実現できる。
【0169】
(5)変形例
(5-1)変形例A
上述した実施形態では、第1分岐管P415、P416、P417、P418は、中間ユニット4に設けられているが、第1分岐管P415、P416、P417、P418の少なくとも一部は、第3連絡配管51、52、53、54を構成してもよい。本変形例では、第1分岐管P415、P416、P417、P418は、第3連絡配管51、52、53、54のそれぞれから分岐する。
【0170】
(5-2)変形例B
上述した実施形態では、暖房運転を行う利用側ユニット3a、3b、3c、3dで放熱した冷媒は、エジェクタ41の駆動流入口41aから流入し、吸引流は吸引流入口41bに流れないように構成されているが、これに限定されない。本変形例では、暖房運転を行う利用側ユニット3a、3b、3c、3dで放熱した冷媒が、エジェクタ41を通らないように構成される。
【0171】
(5-3)変形例C
上述した実施形態の空気調和装置1は、冷媒に二酸化炭素を用いる場合について説明した。空気調和装置に用いられる冷媒としては、圧縮機21から吐出される冷媒の圧力が高い二酸化炭素または二酸化炭素を含む混合冷媒が好ましいが、限定されず、二酸化炭素または二酸化炭素を含む混合冷媒以外の冷媒を用いることもできる。例えば、飽和温度が65℃に達するときに飽和圧力が4.5MPa以上となる冷媒を用いてもよい。このような冷媒として、例えば、R410Aを用いることができる。また、圧縮機21から吐出されるときに臨界状態になるフロン系の冷媒を用いてもよい。このようなフロン系の冷媒としては、例えば、R23を用いることができる。
【0172】
(5-4)変形例D
上述した実施形態では、第1接続管P411、P412、P413、P414に中間第1逆止弁V411、V412、V413、V414が設けられているが、中間第1逆止弁V411、V412、V413、V414は、電動弁であってもよく、また省略されてもよい。また上述した実施形態では、第1分岐管P415、P416、P417、P418に中間第2逆止弁V415、V416、V417、V418が設けられているが、中間第2逆止弁V415、V416、V417、V418は、電動弁であってもよく、また省略されてもよい。本変形例では、
図11に示すように、第1接続管P411、P412、P413、P414と第1分岐管P415、P416、P417、P418との接続部に、三方弁V41a、V41b、V41c、V41dが設けられている。
【0173】
(5-5)変形例E
上述した実施形態では、中間ユニット4は、1つのエジェクタ41を有するが、複数のエジェクタ41を有してもよい。また、上述した実施形態では、空気調和装置1は、1つの中間ユニット4を備えるが、複数の中間ユニット4を備えてもよい。
【0174】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0175】
1 :空気調和装置
2 :熱源側ユニット
3a,3b,3c,3d :利用側ユニット
4 :中間ユニット
5,6,51,52,53,54,61,62,63,64 :連絡配管
21 :圧縮機
23 :熱源側熱交換器
31a,31b,31c,31d :利用側熱交換器
P31a,P31b,P31c,P31d :利用側第1配管
41 :エジェクタ
41a :駆動流入口
41b :吸引流入口
41c :吐出口
42 :気液分離器
42a :冷媒入口
42b :液側出口
42c :ガス側出口
43 :切換機構
70 :制御部
P411,P412,P423,P414 :第1接続管
P415,P416,P417,P418 :第1分岐管
P432 :第3分岐管
V432 :第3開閉弁
【先行技術文献】
【特許文献】
【0176】