(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】二次元コード読取装置、設置位置調整装置、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06K 7/015 20060101AFI20240410BHJP
G06K 7/14 20060101ALI20240410BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
G06K7/015
G06K7/14 017
G06K7/14 060
G06K7/10 428
G06K7/14 056
(21)【出願番号】P 2020069759
(22)【出願日】2020-04-08
【審査請求日】2023-03-27
(31)【優先権主張番号】P 2019084900
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019140060
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】神坂 学
(72)【発明者】
【氏名】深谷 量崇
(72)【発明者】
【氏名】藤田 亨
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-213455(JP,A)
【文献】特開2016-115282(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/015
G06K 7/10
G06K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次元コード読取装置の設置位置調整装置であって、
二次元コード読取装置が撮像した画像を取得する画像取得手段と、
取得した画像を表示する画像表示手段と、
予め設定された二次元コードの左右上下方向に対して、撮像された二次元コードの角度ずれを検出する角度ずれ検出手段と、
前記角度ずれ検出手段で検出された角度ずれを補正し、前記設定された左右上下方向で二次元コードを、前記画像表示手段で表示させる角度ずれ補正手段と、を備え、
前記画像表示手段は、前記二次元コードの付けられた読み取り対象物を、前記角度ずれ補正手段で二次元コードが回転された角度に対応して回転させて表示することを特徴とする設置位置調整装置。
【請求項2】
請求項1の二次元コード読取装置の設置位置調整装置であって、
表示される前記二次元コードを所定角度回転させる所定回転手段と、
表示される前記二次元コードを入力された角度回転させる角度回転手段と、を備えることを特徴とする設置位置調整装置。
【請求項3】
請求項1又は2の二次元コード読取装置の設置位置調整装置であって、
二次元コードに対する作業者の位置を入力する位置入力手段と、
前記作業者の位置から見える二次元コードの向きと、前記画像取得手段で表示される二次元コードの向きとを合わせる向き調整手段と、を備えることを特徴とする設置位置調整装置。
【請求項4】
請求項3の二次元コード読取装置の設置位置調整装置であって、
前記位置入力手段は、撮像された二次元コードと、撮像された二次元コードに対する作業者の位置とを同時に前記画像表示手段で表示させることで位置を入力させることを特徴とする設置位置調整装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか1の二次元コード読取装置の設置位置調整装置であって、
前記角度ずれ検出手段は、撮像された二次元コードの特徴から角度ずれを検出することを特徴とする設置位置調整装置。
【請求項6】
請求項1~請求項4のいずれか1の二次元コード読取装置の設置位置調整装置であって、
取得した二次元コードの画像から二次元コードの傾きを検出する傾き検出手段と、
前記検出された二次元コードの傾きを前記画像表示手段で表示するコード傾き表示手段と、を有することを特徴とする設置位置調整装置。
【請求項7】
請求項6の二次元コード読取装置の設置位置調整装置であって、
前記二次元コード読取装置は、地面からの傾きを取得する傾き取得手段を有し、
取得した傾きから二次元コード読取装置の傾きを前記画像表示手段で表示する装置傾き表示手段を有することを特徴とする設置位置調整装置。
【請求項8】
請求項6の二次元コード読取装置の設置位置調整装置であって、
前記傾き検出手段は、取得した二次元コードの画像から、上下の辺と左右の辺の長さを比較し、差が大きいか否かを判断する長さ差判断手段と、
前記長さ差判断手段が差を大きいと判断した際に、取得した二次元コードの画像を複数のセルに分割し、各セルの大きさを比較することで傾きを判定する傾き判定手段とを備えることを特徴とする設置位置調整装置。
【請求項9】
請求項6の二次元コード読取装置の設置位置調整装置であって、
取得した二次元コードの傾きを3次元グラフとして前記画像表示手段で表示する3次元グラフ表示手段を備えることを特徴とする設置位置調整装置。
【請求項10】
請求項9の二次元コード読取装置の設置位置調整装置であって、
読み取りの焦点を合わせるオートフォーカス手段を備え、
前記3次元グラフ表示手段は、
取得した二次元コードの画像を複数のセルに分割し、
前記オートフォーカス手段を用いて分割したセルの内、焦点が最も合っているセルを検出し、そのセルを前記二次元コード読取装置との距離を焦点距離とし、
前記焦点距離のセルと、他の分割したセルとの大きさの比較から他の分割したセルまでの距離を推定し、前記3次元グラフとして前記画像表示手段で表示することを特徴とする設置位置調整装置。
【請求項11】
請求項1の二次元コード読取装置の設置位置調整装置であって、
読み取りの焦点を合わせるオートフォーカス手段と、
オートフォーカス中の各距離毎のオートフォーカス評価値をグラフ表示するグラフ表示手段と、
前記グラフ中に表示されるピークが選択された際に、当該ピークに対応する位置を、前記画像表示手段の表示画像中に表示するピーク位置表示手段と、を備えることを特徴とする設置位置調整装置。
【請求項12】
二次元コード読取装置の設置位置調整装置であって、
二次元コード読取装置が撮像した画像を取得する画像取得手段と、
取得した画像を表示する画像表示手段と、
二次元コードの左右上下方向に対して、撮像された二次元コードの角度ずれを検出する角度ずれ検出手段と、
前記角度ずれ検出手段で検出された角度ずれを、前記画像表示手段で表示させる角度ずれ表示手段と、
撮像した二次元コードに、マージンを付加して前記画像表示手段で表示させるマージン表示手段と、
を備え
、
前記角度ずれ検出手段で検出された角度ずれを補正し、設定された左右上下方向で二次元コードを、前記画像表示手段で表示させる角度ずれ補正手段を備え、
前記画像表示手段は、前記二次元コードの付けられた読み取り対象物を、前記角度ずれ補正手段で二次元コードが回転された角度に対応して回転させて表示することを特徴とする設置位置調整装置。
【請求項13】
請求項1の設置位置調整装置の二次元コード読取装置であって、
画像データを撮像する撮像手段と、
前記画像データのコード位置情報から、前記画像データのコードもしくはコード周辺の画像特徴量を算出するコード画像特徴量算出手段と、
前記画像特徴量を記憶するコード画像特徴量記憶手段と、
前記コード画像特徴量記憶手段に記憶された複数の画像特徴量から、前記画像データの撮像された環境の一致度を算出する読み取り環境一致度算出手段と、
前記環境一致度算出手段により算出された一致度が高くなる前記画像データの撮像された環境を指示する環境一致指示手段と、を備える二次元コード読取装置。
【請求項14】
二次元コードを光学的に読み取る二次元コード読取装置の位置調整を制御するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
二次元コード読取装置が撮像した画像を取得するステップと、
取得した画像をモニターに表示するステップと、
予め設定された二次元コードの左右上下方向に対して、撮像された二次元コードの角度ずれを検出するステップと、
前記角度ずれを検出するステップで検出された角度ずれを補正し、前記設定された左右上下方向で二次元コードを前記モニターで表示させる角度ずれ補正のステップと、
前記二次元コードの付けられた読み取り対象物を、前記角度ずれ補正のステップで二次元コードが回転された角度に対応して回転させて前記モニターで表示するステップと、を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項15】
請求項1の二次元コード読取装置の設置位置調整装置であって、
複数の二次元コードに対して、個々の二次元コードに識別情報を付して前記画像表示手段に表示する情報表示手段と、
前記二次元コード読取装置の位置調整対象に指定された二次元コードを特定して前記画像表示手段に表示する特定表示手段と、
前記位置調整対象に指定された以外の二次元コードの読み取り条件を個々に調整し、調整結果を保持することを特徴とする設置位置調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次元コード読取装置の設置位置の調整用の設置位置調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
固定式の二次元コード読取装置の読み取り範囲に入っている読み取り対象二次元コードの設置位置を手作業で読み取り範囲の中央へ微調整する際、一人の作業者が二次元コード読取装置の読み取り設定ツール(設定ソフトウェアがインストールされたコンピュータ)が表示する読み取り画像を見ながら、二次元コード読取装置側の作業者に設置位置を指示して読み取り対象二次元コードを相対移動させて調整している。固定式の二次元コード読取装置の配置の方向によって、実際の二次元コード設置方向と、コンピュータの表示する二次元コードの配置位置がずれてしまい、意図とは異なる方向に読み取り対象二次元コードを移動させてしまうことがあった。
【0003】
特許文献1は、テストバーコードを読ませてスキャナ自体の読み取り方向を回転させてずれを無くす構成を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、二次元コードであるQRコードを読ませる方向が、必ずしも配置する方向とは一致しないため、2名の作業者に対して方向を一致させることはできないと考えられる。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、二次元コード読取装置の位置合わせが容易な設置位置調整装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、二次元コード読取装置(110)の設置位置調整装置(10)であって、
二次元コード読取装置が撮像した画像を取得する画像取得手段(17)と、
取得した画像を表示する画像表示手段(15)と、
予め設定された二次元コードの左右上下方向に対して、撮像された二次元コードの角度ずれを検出する角度ずれ検出手段(S122)と、
前記角度ずれ検出手段で検出された角度ずれを補正し、前記設定された左右上下方向で二次元コードを、前記画像表示手段で表示させる角度ずれ補正手段(S126)と、を備える。そして、前記画像表示手段(15)は、前記二次元コードの付けられた読み取り対象物Wを、前記角度ずれ補正手段で二次元コードが回転された角度に対応して回転させて表示することを特徴とする。
【0008】
請求項12に記載の発明は二次元コード読取装置(110)の設置位置調整装置(10)であって、
二次元コード読取装置が撮像した画像を取得する画像取得手段(17)と、
取得した画像を表示する画像表示手段(15)と、
二次元コードの左右上下方向に対して、撮像された二次元コードの角度ずれを検出する角度ずれ検出手段(S401)と、
前記角度ずれ検出手段で検出された角度ずれを、前記画像表示手段で表示させる角度ずれ表示手段(S402)と、
撮像した二次元コードに、マージンを付加して前記画像表示手段で表示させるマージン表示手段(S404)と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項18に記載の発明は二次元コード読取装置(110)であって、
画像データを撮像する撮像手段(53)と、
前記画像データのコード位置情報から、前記画像データのコードもしくはコード周辺の画像特徴量を算出するコード画像特徴量算出手段(S256)と、
前記画像特徴量を記憶するコード画像特徴量記憶手段(S258)と、
前記コード画像特徴量記憶手段に記憶された複数の画像特徴量から、前記画像データの撮像された環境の一致度を算出する読み取り環境一致度算出手段(S260)と、
前記環境一致度算出手段により算出された一致度が高くなる前記画像データの撮像された環境を指示する環境一致指示手段(S262)と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明では、撮像された二次元コードの角度ずれを検出し、検出された角度ずれを補正し、設定された左右上下方向で二次元コードを画像表示手段で表示させる。同時に、二次元コードの付けられた読み取り対象物Wを、二次元コードが回転された角度に対応して回転させて表示する。このため、設置位置調整装置側の作業者と、二次元コード読取装置側の作業者との連携が取りやすくなり、二次元コード読取装置の位置合わせが容易になる。
【0012】
請求項2の発明では、所定回転手段で表示される二次元コードを所定角度回転させられる。角度回転手段で、表示される二次元コードを入力された角度回転させられる。このため、例えばモニター等の画像表示手段に表示される二次元コードの角度調整が容易である。
【0013】
請求項3の発明では、二次元コードに対する作業者の位置を入力する位置入力手段と、作業者の位置から見える二次元コードの向きと、画像取得手段で表示される二次元コードの向きとを合わせる向き調整手段と、を備える。このため、設置位置調整装置側の作業者と二次元コード読取装置側の作業者との連帯が取りやすくなり、二次元コード読取装置の位置合わせが容易になる。
【0014】
請求項4の発明では、撮像された二次元コードと、撮像された二次元コードに対する作業者の位置とを同時に画像表示手段で表示させることで、作業者の二次元コードに対する位置を入力させる。このため、二次元コード読取装置側の作業者の位置を容易に入力することができる。
【0015】
請求項5の発明では、撮像された二次元コードの特徴から角度ずれを検出するため、容易に角度ずれを検出することができる。
【0016】
請求項6の発明では、取得した二次元コードの画像から二次元コードの傾きを検出し、検出された二次元コードの傾きを画像表示手段で表示する。このため、作業者はモニター等の画像表示手段上で二次元コードの傾きを視認することができる。
【0017】
請求項7の発明では、地面からの傾きを取得し、取得した傾きから二次元コード読取装置の傾きを画像表示手段で表示する。このため、作業者はモニター等の画像表示手段上で二次元コード読取装置の傾きを視認することができる。
【0018】
請求項8の発明では、取得した二次元コードの画像から、上下の辺と左右の辺の長さを比較し、差が大きいと判断した際に、取得した二次元コードの画像を複数のセルに分割し、各セルの大きさを比較することで傾きを判定する。このため、適切に二次元コードの傾きを検出することができる。
【0019】
請求項9の発明では、取得した二次元コードの傾きを3次元グラフとしてモニター等の画像表示手段で表示する。このため、作業者に理解し易いように3次元グラフで二次元コードの傾きが表示される。
【0020】
請求項10の発明では、読み取りの焦点を合わせ、取得した二次元コードの画像を複数のセルに分割し、分割したセルの内、焦点が最も合っているセルを検出し、そのセルを二次元コード読取装置との距離を焦点距離とし、焦点距離のセルと、他の分割したセルとの大きさの比較から他の分割したセルまでの距離を推定し、3次元グラフとして画像表示手段で表示する。このため、作業者に理解し易いように3次元グラフで二次元コードの傾きが表示される。
【0021】
請求項11の発明では、読み取りの焦点を合わせ、オートフォーカス中の各距離毎のオートフォーカス評価値をグラフ表示し、グラフ中に表示されるピークが選択された際に、当該ピークに対応する位置を、画像表示手段の表示画像中に表示する。作業者は適切に距離を合わせることができたかを確認することができる。
【0027】
請求項12の発明では、撮像された二次元コードの角度ずれを検出し、検出された角度ずれを補正し、設定された左右上下方向で二次元コードを画像表示手段で表示させる。同時に、二次元コードの付けられた読み取り対象物Wを、二次元コードが回転された角度に対応して回転させて表示する。このため、設置位置調整装置側の作業者と、二次元コード読取装置側の作業者との連携が取りやすくなり、二次元コード読取装置の位置合わせが容易になる。
【0028】
請求項13の発明では、画像データを撮像し、画像データのコード位置情報から、画像データのコードもしくはコード周辺の画像特徴量を算出し、画像特徴量を記憶する。そして、記憶された複数の画像特徴量から、画像データの撮像された環境の一致度を算出し、算出された一致度が高くなる画像データの撮像された環境を指示する。このため、製造ラインの整備等で、二次元コード読取装置が取り外されても、作業者は容易に取り外し前の位置に二次元コード読取装置を付け直すことができる。
【0042】
請求項15の発明では、複数の二次元コードを読み取る際に、最重要な二次元コードを位置調整対象に指定することで、当該二次元コードを確実に読み取れるように二次元コード読取装置を調整することができる。更に、位置調整対象に指定された以外の二次元コードの読み取り条件を個々に調整し、調整結果を保持することで、当該調整位置の二次元コード読取装置で、指定された以外の二次元コードも短時間でほぼ確実に読み取れるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】実施形態に係る設置位置調整装置と二次元コード読取装置との説明図である。
【
図2】実施形態に係る設置位置調整装置の回路構成を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る二次元コード読取装置の回路構成を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態に係る設置位置調整装置の位置調整画像の説明図である。
【
図5】第1実施形態に係る設置位置調整装置の位置調整画像の説明図である。
【
図6】第1実施形態に係る設置位置調整装置の作業者の立ち位置調整画像の説明図である。
【
図7】第1実施形態に係る設置位置調整装置の傾き表示画像の説明図である。
【
図8】第1実施形態に係る設置位置調整装置の傾き表示画像の説明図である。
【
図9】
図9(A)は、第1実施形態に係る設置位置調整装置のQRコードの傾き検出処理の説明図であり、
図9(B)は、データマトリクスの傾き検出処理の説明図である。
【
図10】
図10(A)は、第1実施形態の設置位置調整装置でのメイン処理を示すフローチャートであり、
図10(B)は
図10(A)中の位置入力サブルーチン処理を示すフローチャートである。
【
図11】
図11(A)は角度ずれ補正のサブルーチン処理を示すフローチャートであり、
図11(B)は二次元コードの回転処のサブルーチン処理を示すフローチャートであり、
図11(C)は角度調整のサブルーチン処理を示すフローチャートである。
【
図12】
図12(A)は二次元コードの傾斜表示のサブルーチン処理を示すフローチャートであり、
図12(A)は二次元コード読取装置の傾斜表示のサブルーチン処理を示すフローチャートである。
【
図13】三次元グラフ表示のサブルーチン処理を示すフローチャートである。
【
図14】オートフォーカスのサブルーチン処理を示すフローチャートである。
【
図17】第1実施形態に係る設置位置調整装置のオートフォーカス表示画像の説明図である
【
図18】第1実施形態に係る設置位置調整装置のオートフォーカス評価値のグラフ作成の説明図である。
【
図19】
図19(A)は、第1実施形態に係る設置位置調整装置のマージン表示画像の説明図であり、
図19(B)は、第1実施形態に係る設置位置調整装置の角度合わせマーカ表示画像の説明図である。
【
図20】
図20(A)は、第1実施形態に係る設置位置調整装置のマージンはみ出し表示画像の説明図であり、
図20(B)は、第1実施形態に係る設置位置調整装置のコード以外のデータ存在表示画像の説明図である。
【
図21】マージン表示のサブルーチン処理を示すフローチャートである。
【
図22】
図22(A)は、第2実施形態に於ける任意タイミングでの画像特徴量取得のためのサブルーチン処理を示し、
図22(B)は、所定周期での画像特徴量自動取得のためのサブルーチン処理を示す。
【
図23】
図23(A)は、第2実施形態に於ける取り外された二次元コード読取装置を元の位置に付け直す際のサブルーチン処理を示し、
図23(B)は、輝度情報に基づき画像特徴量が算出されるためのサブルーチン処理を示し、
図23(C)はエイマー光り形状情報に基づき画像特徴量が算出されるためのサブルーチン処理を示す。
【
図24】
図24(A)は、第2実施形態に於ける特徴画像が撮像画像に重ねらる画像を作成する際のサブルーチン処理を示し、
図24(B)は、マトリクス状に分割されたブロックで一致度が高いブロックを特定する際のサブルーチン処理を示す。
【
図25】
図25(A)、
図25(B)は、特徴画像Pが、撮像画像に重ねられている画像の説明図である。
【
図26】マトリクス状に分割されたブロックで一致度が高いブロックを特定する画像の説明図である。
【
図27】第1実施形態に係る複数のQRコードの表示画像の説明図である。
【
図28】第1実施形態の改変例に係る複数のQRコードの表示画像の説明図である。
【
図29】第1実施形態に係る複数のQRコードの表示画像の説明図である。
【
図30】第1実施形態に係るQRコードの撮像設定値の表示画像の説明図である。
【
図31】第1実施形態に係る複数のQRコードの撮像サブルーチン処理を示すフローチャートである。
【
図32】第1実施形態の改変例に係る複数のQRコードの撮像サブルーチン処理を示すフローチャートである。
【
図33】二次元コード読取装置での複数のQRコードの撮像処理のフローチャートである。
【
図34】QRコードの撮像条件表示の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0050】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る設置位置調整装置について
図1~
図18を参照して説明する。
図1は、第1実施形態に係る設置位置調整装置と二次元コード読取装置との説明図である。
第1実施形態の設置位置調整は、設置位置調整装置の制御プログラムが設定されたコンピュータ10と、QRコードを読み取る固定式の二次元コード読取装置110とで行われる。QRコードは図示されない読み取り対象物に付けられている。対象物は図示されない製造ライン上に搬送され、対象物のQRコードが二次元コード読取装置110で読み取られる。
【0051】
ここでは、固定式の二次元コード読取装置110の読み取り範囲に入っている読み取り対象二次元コードの設置位置を手作業で読み取り範囲の中央へ入れるための微調整が行われる。一人の作業者が設置位置調整装置10のモニター15が表示する読み取り画像を見ながら、二次元コード読取装置110側の作業者に設置位置を上下左右等指示して読み取り対象のQRコードを相対移動させる。ここでは、二次元コード読取装置110側の設定位置が調整されるものとして以降の説明が続けられる。二次元コードの相対移動であるため、二次元コード側の位置が調整される場合も有り得る。
【0052】
コンピュータ10は、例えばパーソナルコンピュータとして構成されており、
図2に示すように、主に、CPU11、ROM12及びRAM13などのメモリ、ハードディスクドライブ(以下HDDとも称する)14を備えている。また、CPU11には、バス18を介して、モニター15、入力部16、通信部17が制御可能に接続されている。通信部17を介して二次元コード読取装置110との通信が行われる。なお、図示はしていないが、バス18に接続された各回路とCPU11との間の入出力制御を行う入出力コントローラなども設けられている。
【0053】
モニター15は、液晶表示装置等の公知の表示装置によって構成されており、CPU11からの指令に基づいて各種画像を表示するように機能する。また、入力部16は、キーボードやマウスなどの入力手段によって構成されており、ユーザの操作に応じて各種情報を入力するように機能する。
【0054】
通信部17は、アプリケーションプログラム22等によって生成されたデータを接続されたデバイス等に送信したり、或いはデバイス等からのデータを受信するように機能するものであり、通信インタフェースと、USBポートを含めた複数の通信ポートとを備えた構成をなしている。各通信ポートは、シリアルコネクタやパラレルコネクタとして構成されており、RS232CケーブルやUSBケーブルなどの通信ケーブルを介して各種通信機器(例えば、他のコンピュータ、外部記憶装置、その他の情報処理装置等)が接続される構成をなしている。また、通信インタフェースは、各通信ポートを介したデータの入出力制御を行うように構成されている。
【0055】
CPU11は、必要に応じ、上記入力部16にて入力された情報の取得、モニター15に対する表示制御、ROM12、RAM13、HDD14に対する読み取り又は書き込みの制御、或いは、通信部17の制御を行う。HDD14には、オペレーティングシステム(以下、OSともいう)21や各種のアプリケーションプログラム22等のプログラムがインストールされて格納されており、CPU11は、OS21の制御の下、アプリケーションプログラム22等のプログラムをRAM13にロードして実行することで、各種処理を行うように構成されている。
【0056】
図3は、第1実施形態に係る二次元コード読取装置の回路構成を示すブロック図である。
二次元コード読取装置110は操作部(図示されず)、液晶表示装置46などを備えている。操作部には、例えば複数のスイッチ42が設けられ、これらスイッチ42により、動作内容を指示するようになっている。二次元コード読取装置110の筐体61の前端に形成された開口部(読取口)62には後述する光学系ユニットが配置されている。
【0057】
二次元コード読取装置110は、QRコード等の二次元コードの光学情報の読み取りが可能なように構成されている。二次元コード読取装置110には、回路部112が設けられている。回路部112は、主に、発光ダイオード51、集光レンズ54、撮像器53、結像レンズ57等の光学系と、メモリ35、制御回路40、スイッチ42、液晶表示装置46等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、から構成されている。
【0058】
まず、光学系の構成概念が説明される。発光ダイオード51は、照明光Lfを照射可能な光照射器として機能するもので、拡散レンズと凸レンズとを組み合わせた集光レンズ54により集光させる。撮像器53は、読取対象物Wに照射されて反射した反射光Lrを結像レンズ57を介して受光可能に構成されるイメージセンサから成る。結像レンズ57は、外部から入射する入射光を集光して撮像器53の受光面53aに像を結像可能な結像光学系として機能する。結像レンズ57には、焦点距離を調整するための調整装置59が設けられている。ここでは、焦点距離を調整するための調整装置が設けられているが、画像データのデータ処理で、焦点距離を調整することも可能である。更に、十字状のエイマー光を照射するためのエイマー光の照射装置58が備えられている。
【0059】
次に、マイコン系の構成概要が説明される。マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示装置46、LAN通信回路48等から構成されている。このマイコン系は、その名の通り、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40およびメモリ35を中心に構成されるもので、前述した光学系によって撮像された画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。また制御回路40は、当該二次元コード読取装置110の全体システムに関する制御も行っている。
【0060】
光学系の撮像器53から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データは、メモリ35に入力されて蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、撮像器53およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0061】
制御回路40は、二次元コード読取装置110全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるもので、メモリ35とともに情報処理装置を構成し得るもので情報処理機能を有する。この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)と接続可能に構成されており、本実施形態の場合、Gセンサ41、スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示装置46、LAN通信回路48等が接続されている。制御回路40は、二次元コード及び二次元コードの付けられた対象物を撮像した画像データを、LAN通信回路48により
図1中に示されるケーブル70を介して設置位置調整装置を構成するコンピュータ10側へ送信するよう構成されている。
【0062】
図4及び
図5は、第1実施形態に係る設置位置調整装置の位置調整画像の説明図である。
設置位置調整装置10は、モニター15に、QRコードQの画像と共に、QRコードQの付けられた対象物Wの画像を表示する。モニター画像には、表示内容の回転指示アイコン122、表示内容の回転角度指示アイコン124、表示角度の自動補正アイコン126が表示される。
【0063】
図4(A)は表示角度調整前の画像を、
図4(B)表示角度調整後の画像を表している。
マウス操作等によって、表示内容の回転指示アイコン122が1回クリックされた結果、
図4(B)中に示されるように、QRコードQが1/4回転(90°)、反時計方向に回転されると共に、併せて、対象物Wの画像表示が1/4回転(90°)、反時計方向に回転される。同時に、回転角度指示アイコン124に90°回転したことが表示される。ここで、回転指示アイコン122が2回クリックされた場合、1/2(180°)、QRコードが回転して表示される。
【0064】
また、設置位置調整装置10は、QRコードの予め設定された上下左右を判断し、設定された上下左右方向に対して何度傾いているかを検出する。
図9(A)に示されるように、二次元コードとしてQRコードに対しては、2個の切り出しシンボルQSが上側にあり、1個の切り出しシンボルQSが左下側にあることが、正しい位置として設定されている場合、読み取ったQRコードの切り出しシンボルQSがどちらにあるかで、正しい位置に対して何度傾いているかが検出される。第1実施形態では、二次元コードの特徴を用いるため、容易に角度ずれを検出することができる。
【0065】
また、
図9(B)に示されるように、二次元コードとしてデータマトリクスDMに対しては、アライメントパターンAPから、上下左右の傾きが判断される。ここでは、アライメントパターンAPが、データマトリクスDMの左側と下側にあることが、正しい位置として設定されている場合、読み取ったデータマトリクスDMのアライメントパターンAPがどちら傾いているかで、正しい位置に対して何度傾いているかが検出される。
【0066】
図4(A)は表示角度調整前の画像を、
図4(B)表示角度調整後の画像を表している。
図4(A)中のQRコードは、
図9(A)に示される設定された正しい位置に対して、90°反時計方向に傾いている。このため、
図4(A)中で、表示角度の自動補正アイコン126がクリックされると、
図4(B)中に示されるように、QRコードQが90°、反時計方向に自動的に回転されると共に、併せて、対象物Wの画像表示が90°、反時計方向に回転される。
【0067】
第1実施形態の設置位置調整装置では、撮像されたQRコードの角度ずれを検出し、検出された角度ずれを補正し、設定された左右上下方向で二次元コードをモニター15で表示させる。同時に、QRコードの付けられた読み取り対象物Wを、二次元コードが回転された角度に対応して回転させて表示する。このため、設置位置調整装置側の作業者と、二次元コード読取装置側の作業者との連携が取りやすくなり、二次元コード読取装置の位置合わせが容易になる。
【0068】
図5(A)は表示角度調整前の画像を、
図5(B)表示角度調整後の画像を表している。
マウス操作等によって、表示内容の回転角度指示アイコン124に45°の回転が指示された結果、
図4(B)中に示されるように、QRコードQが45°、反時計方向に回転されると共に、併せて、対象物Wの画像表示が45°、反時計方向に回転される。第1実施形態では、モニター15に表示されるQRコードの角度調整が容易である。
【0069】
図10(A)は、設置位置調整装置10での処理のメインルーチンである。設置位置調整装置10は、二次元コード読取装置110から画像を取得し(S12)、画像表示を行う(S14)。そして、サブルーチン処理に入るかが判断され(S16)、サブルーチン処理に入らない場合(S16:No)、S12の処理に戻り、画像が取得される。
【0070】
サブルーチン処理に入る場合(S16:Yes)、後述するサブルーチン処理が実行される(S100)。サブルーチン処理が終了するまで(S18:No)、S100に戻り、サブルーチン処理が継続される。サブルーチン処理が終了すると(S18:Yes)、処理表示の終了が指示されているかが判断され(S20)、処理表示の終了が指示されるまで(S20:No)、S12の処理に戻り、処理が継続される。
【0071】
図11(A)は、
図4を参照して上述した表示角度の自動補正アイコン126での処理を実行するサブルーチン処理を示す。
設置位置調整装置10は、上述したように取得した画像中のQRコードの上下左右を判断し、設定された上下左右方向に対して何度傾いているかを検出する(S122)。そして、表示角度の自動補正アイコン126がクリックされ、ずれ補正の指示があると(S124:Yes)、補正前の
図4(A)中のQRコードのように正しい位置に対して、90°反時計方向に傾いている場合、
図4(B)中に示されるように、QRコードQが90°、反時計方向に自動的に回転されると共に、併せて、対象物Wの画像表示が90°、反時計方向に回転される(S126)。
【0072】
図11(B)は、
図4を参照して上述した表示内容の回転指示アイコン122での処理を実行するサブルーチン処理を示す。
設置位置調整装置10は、回転指示アイコン122が1回クリックされ、1/4回転が指示された場合(S132:Yes)、
図4(A)中の表示されていたQRコードを、
図4(B)中に示されるように、QRコードQを反時計方向に1/4回転されると共に、併せて、対象物Wの画像表示が、反時計方向に1/4回転される。
【0073】
図11(C)は、
図5を参照して上述した回転角度指示アイコン124での処理を実行するサブルーチン処理を示す。
設置位置調整装置10は、表示内容の回転角度指示アイコン124に45°の回転が指示され場合(S142:Yes)、
図4(B)中に示されるように、QRコードQが45°、反時計方向に回転されると共に、併せて、対象物Wの画像表示が45°、反時計方向に回転される(S144)。
【0074】
図6は、第1実施形態に係る設置位置調整装置の作業者の立ち位置調整画像の説明図である。
図6(A)は立ち位置調整前の画像を、
図6(B)は立ち位置調整後の確認画像を表している。
設置位置調整装置10は、モニター15に、QRコードに対する作業者の向きを入力する作業者角度指示アイコン128、QRコードQの画像と共に、QRコードに対する作業者の位置を示す作業者アイコンOPを表示する。そして、作業者角度指示アイコン128を介して90°が入力されると、作業者アイコンOPをQRコードに対して90°回転させ表示が成される。この後、作業者の位置が正しく入力されたことを示す、確認操作が行われると、
図4(A)に示す表示角度調整の画像に戻る。この際に、
図6(A)に示されたQRコードQは、
図6(B)に示された作業者側からの正面方向(ここでは、2個の切り出しシンボルQSが下側にあり、1個の切り出しシンボルQSが右上側)と一致するように
図4(A)に示す表示角度調整でのQRコードの画像が調整される。第1実施形態では、二次元コード読取装置側の作業者の位置を容易に入力することができる。
【0075】
図10(B)は、
図6を参照して上述した作業者の立ち位置調整での処理を実行するサブルーチン処理を示す。
設置位置調整装置10は、作業者の位置入力を開始する指示を受けると(S102)、
図6(A)に示される立ち位置調整の画像をモニター15に表示する(S104)。そして、作業者の位置の角度が入力されると(S106)、
図6(B)に示されるように入力された角度分、作業者アイコンOPをQRコードに対して回転させれ表示が成される(S108)。そして、作業者の位置が正しく入力できたことを示す確認操作(例えば、図示しない「確認」のアイコンのクリック)が成されると(S110:Yes)、作業者の位置(角度)が設定され(S112)、
図4(A)に示す表示角度調整の画像に戻る(S114)。この際に、
図6(A)に示されたQRコードQは、
図6(B)に示された作業者側からの正面方向(ここでは、2個の切り出しシンボルQSが下側にあり、1個の切り出しシンボルQSが右上側)と一致するように
図4(A)に示す表示角度調整でのQRコードの画像が調整される。第1実施形態では、設置位置調整装置側の作業者と二次元コード読取装置側の作業者との連帯が取りやすくなり、二次元コード読取装置の位置合わせが容易になる。
【0076】
図7(A)は二次元コードの傾きを表示する傾き表示画像の説明図である。
図7(A)の例では、正面に対して二次元コードが傾き、右側から見ては二次元コードが水平になっていることを示す表示画面である。
【0077】
図8(A)、
図8(B)は、同じく二次元コードの傾きを表示する傾き表示画像の説明図である。
図8(A)の例では、正面から見て(正面図)、左右方向は水平で、側面から見て(側面図)、前方向が後ろ方向よりも下がっていることを示す表示画面である。
図8(B)の例では、正面から見て(正面図)、右方向が左方向よりも下がり、側面から見て(側面図)、前後方向が水平であることを示す表示画面である。第1実施形態では、作業者がモニター15上で二次元コードの傾きを視認することができる。
【0078】
図12(A)は、
図7(A),
図8を参照して上述した二次元コードの傾き表示での処理を実行するサブルーチン処理を示す。
設置位置調整装置10は、傾斜表示の指示があると(S152:Yes)、撮像した二次元コードの外形の上下、左右の辺の長さを比較する(S154)。ここでは、
図15(A)に示される二次元コード(QRコード)の上辺UL、下辺BLと、右辺RL、左辺LLとの長さが比較され、二次元コード読取装置に対する二次元コードの傾きが推定される。そして、差が小さい場合(S156:Yes)、傾きは少ないとの判断が為され、モニター上に図示されない二次元コードに傾きが無い画像が表示される(S158)。
【0079】
差が大きい場合(S156:No)、傾きが大きいとの判断が為され、
図15(B)に示されるようにQRコードの画像が(1)~(9)のセルに分割され、各、各セルサイズから傾きの方向と、傾きが判断される(S160)。そして、
図8で例示されたように傾き画像が表示される(S162)。
【0080】
ここで、(1)、(2)、(3)のセルサイズが、(7)、(8)、(9)のセルサイズよりも大きい場合、二次元コードの上部位置が近く、正面側に倒れるように傾いていると判断され、
図8(A)に示される傾き表示が為される。
【0081】
他方、(1)、(4)、(7)のセルサイズが、(3)、(6)、(9)のセルサイズよりも大きい場合、二次元コードの左部分が近く、右面側に倒れるように傾いていると判断され、
図8(B)に示される傾き表示が為される。第1実施形態では、適切にQRコードの傾きを検出し、画像表示することができる。
【0082】
図7(B)は、二次元コード読取装置110の傾きを表示する傾き表示画像の説明図である。
図7(B)の例では、正面方向から見て二次元コード読取装置110が左側に傾き、右側から見て二次元コード読取装置110が水平になっていることを示す表示画面である。第1実施形態では、作業者がモニター15の画像上で二次元コード読取装置の傾きを視認することができる。
【0083】
図12(B)は、
図7(B)を参照して上述した二次元コード読取装置110の傾き表示での処理を実行するサブルーチン処理を示す。
設置位置調整装置10は、二次元コード読取装置の傾斜表示の指示があると(S172:Yes)、
図3中に示される二次元コード読取装置内のGセンサ41からの検出データを取得し(S174)、検出データに基づき、
図7(B)に示される二次元コード読取装置の傾き表示画像をモニター15に表示する(S176)。
【0084】
図16は、設置位置調整装置10による二次元コードの傾きの三次元表示のイメージ図である。
図13は、
図16を参照して上述した三次元データ作成の表示処理を実行するサブルーチン処理を示す。
設置位置調整装置10は、二次元コードの傾きの三次元表示の指示があると(S182:Yes)、
図15(C)に示されるように、二次元コードを縦5×横5セルに分割し、各セルサイズを獲得する(S184)。設置位置調整装置10は、二次元コードの分割した部分の内、オートフォーカス機能を用いて、焦点が最も合っている分割部分を検出し、その分割部分と二次元コード読取装置との距離を二次元コード読取装置との焦点距離と仮定する(S186)。S186の処理で求められた焦点が最も合っている分割部分のセルサイズで仮定した距離を基準に、分割した二次元コードの各分割部分と二次元コード読取装置との距離が推定される(S188)。即ち、二次元コードの特性上、セルサイズは全て同一の大きさであり、光学的に同じサイズもの物の見え方は距離と比例関係にあるため、距離を求めたい部分のセルサイズと基準となるセルサイズとの距離から、距離が算出される。そして、S188で推測した各分割部分の二次元コードの距離から三次元グラフのデータが作成され、
図16に示されるようにモニター上に表示される(S190)。
【0085】
第1実施形態では、作業者に理解し易いように3次元グラフで二次元コードの傾きが表示される。また、二次元コードは、円筒の対象物、円形の対象物等の湾曲部分に付されることもるため、三次元表示が成されることで、二次元コードがどのような状態で付けられているが容易に認識できるようにされる。
【0086】
図17は、第1実施形態に係る設置位置調整装置のオートフォーカス表示画像の説明図である
設置位置調整装置10は、読み取り画像の画像フォーカスを合わせるため、オートフォーカス中の各距離毎のオートフォーカス評価値のグラフGFを表示し、グラフGF中のピークを作業者に入力させることで、フォーカスポイントFPを画像中に表示し、どのピーク時の設定が適正であるか、作業者に目視で確認できるようにする。オートフォーカス評価値のグラフGFではX軸に距離が、Y軸にオートフォーカス評価値が取られている。
図17中では、オートフォーカス評価値のグラフGF中で二次元コード読取装置からの距離の異なるBLACKの文字LEにピークP1が、QRコードQにピークP2が現れ、グラフGF中でピークP2が選択されることで、QRコードQの画像上にフォーカスポイントFPが重なり、作業者が目視で確認できる。作業者は適切に距離を合わせることができたかを確認することができる。
【0087】
図14は、
図17を参照して上述したオートフォーカスのサブルーチン処理を示すフローチャートである。
図18は、第1実施形態に係る設置位置調整装置のオートフォーカス評価値のグラフ作成の説明図である。
設置位置調整装置10は、表示画像上のフォーカスポイントの座標(X、Y)を確認し(S302)、二次元コード読取装置に対してオートフォーカスの実施を要求し(S304)、二次元コード読取装置からオートフォーカス進捗結果を受信し(S306)、二次元コード読取装置から受信したオートフォーカス距離と評価値とその画像データを保存する(S308)。S306、S308での処理は、オートフォーカスが完了するまで繰り替えされる(S310:No)。そして、オートフォーカスが完了すると(S310:Yes)、保存したオートフォーカスの距離の評価値のデータを距離の昇順に並び替えられ、
図18(A)に示されるように並び替えたデータをX軸:距離、Y軸:評価値でグラフ表示が成される(S314)。昇順に並び替えられた距離と評価値から、距離毎に評価値の変化量が計算される(S316)。計算した距離毎に評価値の変化量から、距離毎の変化量の差分が計算され、変化量のサブルーチンの+-が反転した距離が確認され、
図18(B)中に示されるようにオートフォーカス評価値のグラフGF中で凹範囲、凸範囲が確認される(S318)。凹範囲、凸範囲の内、凸範囲に有る評価値の最大値が
図18(C)中に示されるようにピークP1、ピークP2とされる(S320)。そして、作業者がピーク部分をクリックしたかが判断され(S322)、クリックが成されるまでは(S322:No)、最もフォーカスの合った距離の画像が表示される(S326)。クリックが成されると(S322:Yes)、S308で保存した画像のうち、ピーク部分の距離の画像が表示される(S324)。
【0088】
図19及び
図20は、第1実施形態に係る設置位置調整装置のマージン表示画像の説明図である。
図19(A)はマージン表示画像の説明図であり、
図19(B)は角度合わせマーカ表示画像の説明図である。
【0089】
QRコードのマージンが表示されるモードが選択されると、設置位置調整装置10は、
図19(A)に示されるようにモニター15に、QRコードQの画像と共に撮像されたQRコードQの画像の周囲にマージンMを表示させる。マージンは、QRコードの4辺を囲む、何も表示されない領域で、上下左右、それぞれ4セル分の確保が確実な読み取りのためには必要とされる。更に、モニター15の画像に、QRコードの水平方向に対する角度ずれ(この例では30°)が表示される。この例では、3個の切り出しシンボルQSの位置に関係なく、QRコードの水平方向に対する角度ずれの修正を促す。QRコードを水平方向に合わせることで、実用上十分短時間での読み取りが可能であるからである。
【0090】
なお、
図9(A)中に示された二次元コードとしてQRコードに対しては、2個の切り出しシンボルQSが上側にあり、1個の切り出しシンボルQSが左下側にあることが、正しい位置として設定されている場合、この正しい位置からの角度ずれ(この例では-60°)を表示させることも可能である。QRコードを正しい位置に合わせることで読み取り速度を最速にすることができる。
【0091】
そして、
図19(B)に示されるようにQRコードの角度ずれが大きいとき(例えば10°以上、ここでは30°)、設置位置調整装置10は、角度ずれの修正を促す「コードの傾きが大きいです。コードの傾きをマーカに合わせてください」との指示表示COをQRコードの写し出されているモニター15に表示すると共に、モニター15に併設された図示しないスピーカから「コードの傾きが大きいです。コードの傾きをマーカに合わせてください」との音声出力を行う。更に、QRコードの傾きを修正したマーカMKがモニター15に表示される。マーカMKは、視認が容易なように赤色、青色等のQRコードQ、マージンMと異なる色で表示される。
【0092】
第1実施形態の設置位置調整装置10では、検出したQRコードの角度ずれを、モニター15に表示させるため、QRコードの角度ずれの修正が容易である。また、撮像したQRコードに、マージンMを付加してモニター15に表示させるため、撮像範囲内にマージンが納まっているかを容易に確認させ、QRコードを読み取りが確実にできる位置に位置合わせさせることができる。
【0093】
第1実施形態の設置位置調整装置10では、QRコードの角度ずれが大きいと判断された際に、角度ずれが大きいことを指示する「コードの傾きが大きいです。コードの傾きをマーカに合わせてください」との指示表示COを表示するため、QRコードの角度が大きくずれ、読み取り時間が長くなることを防ぐことができる。
【0094】
第1実施形態の設置位置調整装置10では、QRコードの角度ずれが大きいと判断された際に、角度ずれが大きいことを指示する「コードの傾きが大きいです。コードの傾きをマーカに合わせてください」との指示表示COを表示すると共に、撮像したQRコードの位置合わせ用のマーカMKをモニター15に表示する。このため、QRコードの角度ずれが大きい場合でも、マーカMKを用いてQRコードの位置を容易に調整することができる。
【0095】
図20(A)はマージンはみ出し表示画像の説明図である。
設置位置調整装置10は、モニター15に、QRコードQの画像と共に撮像されたQRコードQの画像の周囲にマージンMを表示させた際に、マージンMが撮像範囲からはみ出している場合、マージンがはみ出していることを指示する「マージンが撮像範囲からはみ出ています。」との指示表示COをQRコードQ、マージンMの写し出されているモニター15に表示すると共に、モニター15に併設された図示しないスピーカから「マージンが撮像範囲からはみ出ています。」との音声出力を行う。
【0096】
第1実施形態の設置位置調整装置10では、マージンが撮像範囲内にあるか否かを判断し、撮像範囲外であると判断した際に、マージンが撮像範囲外であることを指示する。撮像範囲内にマージンを納めさせることで、QRコードを確実に読み取ることができる。
【0097】
図20(B)はQRコード以外のデータがマージン内に存在している際の表示画像の説明図である。
設置位置調整装置10は、モニター15に、QRコードQの画像と共に撮像されたQRコードQの画像の周囲にマージンMを表示させた際に、マージン内にQRコード以外のデータ(この例では枠)がある場合、データが存在することを指示する「マージンにコード以外のデータがあります。」との指示表示COをQRコードQ、マージンMの写し出されているモニター15に表示すると共に、モニター15に併設された図示しないスピーカから「マージンにコード以外のデータがあります。」との音声出力を行う。
【0098】
第1実施形態の設置位置調整装置10では、マージン内にQRコード以外のデータがあるか否かを判断し、QRコード以外のデータがあると判断した際に、QRコード以外のデータがあることを指示する。マージン内に他のデータを存在させないことで、QRコードを確実に読み取ることができる。
【0099】
引き続き、
図19,20を参照して上述したQRコードのマージンが表示されるモードが選択された際の処理について説明が成される。
設置位置調整装置10は、
図10(A)に示されるメインルーチンで二次元コード読取装置110から画像を取得し(S12)、画像表示を行う(S14)。そして、サブルーチン処理に入るかが判断され(S16)、サブルーチン処理に入る場合(S16:Yes)、サブルーチン処理が実行される(S100)。
【0100】
図21は、設置位置調整装置10でのマージン表示のサブルーチン処理を示すフローチャートである。
QRコードのマージン表示が指示されたか判断される(S400)。マージン表示が指示されない場合(S400:No)、処理が
図10のS100に戻り、サブルーチン処理が継続される。マージン表示が指示されると(S400:Yes)、設置位置調整装置10は、
図19(A)に示されるようにQRコードQの角度ずれを検出し(S401)、
図19(A)に示されるように、検出した角度ずれに対応させQRコードを傾けてモニター15に表示すると共に、検出したずれ角度(この例では30°)をモニター15に表示する(S402)。更に、設置位置調整装置10は、QRコードQの画像の周囲にマージンMを表示させる(S404)。
【0101】
設置位置調整装置10は、QRコードの角度ずれが大きい(例えば10°以上)か判断する(S406)。
図19(B)に示されるようにQRコードの角度ずれが大きいとき(S406:Yes)、
図19(B)に示されるように、角度ずれの修正を促す「コードの傾きが大きいです。コードの傾きをマーカに合わせてください」との指示表示COをQRコードの写し出されているモニター15に表示すると共に、モニター15に併設された図示しないスピーカから「コードの傾きが大きいです。コードの傾きをマーカに合わせてください」との音声出力を行う。更に、QRコードの傾きを修正したマーカMKをモニター15に表示する(S408)。
【0102】
更に、設置位置調整装置10は、撮像されたQRコードQの画像の周囲にマージンMを表示させた際に、マージンMが撮像範囲からはみ出しているかを判断する(S410)。マージンMが撮像範囲からはみ出している場合(S410:Yes)、
図20(A)に示されるように、マージンがはみ出していることを指示する「マージンが撮像範囲からはみ出ています。」との指示表示COをQRコードQ、マージンMの写し出されているモニター15に表示すると共に、モニター15に併設された図示しないスピーカから「マージンが撮像範囲からはみ出ています。」との音声出力を行う(S412)。
【0103】
また更に、設置位置調整装置10は、モニター15に、撮像されたQRコードQの画像の周囲にマージンMを表示させた際に、マージン内にQRコード以外のデータがあるか判断する(S414)。マージン内にQRコード以外のデータがある場合(S414:Yes)、
図20(B)に示されるように、データが存在することを指示する「マージンにコード以外のデータがあります。」との指示表示COをQRコードQ、マージンMの写し出されているモニター15に表示すると共に、モニター15に併設された図示しないスピーカから「マージンにコード以外のデータがあります。」との音声出力を行う(S416)。
【0104】
上述した処理が、マージン表示指示が終了するまで繰り返され(S418:No)、マージン表示指示の終了で(S418:Yes)で、
図21に示されるマージン表示のサブルーチン処理が終了する。
【0105】
第1実施形態の設置位置調整装置10での複数のQRコードを撮像する際の処理について、
図27~
図34を参照して説明する。
図27(A)は、設置位置調整装置10で複数のQRコードが撮像されたときのモニター15での表示画像の説明図である。
実施形態の設置位置調整装置10は、モニター15に複数のQRコードを画像表示する際には、検出できた全てのQRコードに対して符番し、番号を表示することで作業者にQRコードを識別させる。QRコードC1に対しては(1)CODE1と、QRコードC2に対しては(2)CODE2と、QRコードC3に対しては(3)CODE3との識別用の表示(識別情報)を付す。
【0106】
図27(B)は、設置位置調整装置10で複数のQRコードが撮像された別例の表示画像の説明図である。
別例の表示画像では、検出できたQRコードに対して符番し、番号を表示すると共にデコードの結果を表示することで作業者にQRコードを識別させる。QRコードC1に対しては(1)9999999999と、QRコードC2に対しては(2)0123456789との識別用の表示(識別情報)を付す。更に、QRコードに対して、読み取り及び調整結果を情報画像IF1として表示を行う。この例では、デコードされたQRコードC2(0123456789)をシャッタ速度90ms、明るさ80%、フォーカス距離50cmで読み取ったことが表示される。
【0107】
図31は、設置位置調整装置10での、複数のQRコードが撮像された際のサブルーチン処理を示すフローチャートである。
図31でのサブルーチン処理は、
図10(A)を参照して前述したメインルーチンのS100でのサブルーチン処理として行われる。即ち、
図10(B)~
図14を参照し前述した位置調整等の処理に先行、または、同時に
図31でのサブルーチン処理は実行される。
【0108】
二次元コード読取装置110で撮像された画像に複数のQRコードが存在しているかが判断される(S402)。ここで、複数のQRコードが存在しない場合(S402:No)、処理が終了する。他方、複数のQRコードが存在する場合(S402:Yes)、
図27(A)を参照して上述したように、モニター15に全てのQRコードに対して番号を表示することで作業者にQRコードを識別させる(S406)。そして、二次元コード読取装置の位置調整対象に指定された二次元コード(第1順位のQRコード)を特定させる。即ち、複数の二次元コードを読み取る際に、最重要な二次元コードを位置調整対象に指定することで、当該二次元コードを確実に読み取れるように二次元コード読取装置を調整させる。ここで、例えば、
図2に示される入力部16の図示しないテンキーで「1」が入力されることで、QRコードC1が指定された場合(406:Yes)、
図29に示されるように、第1順位のコード(QRコードC1)をカーソルCUで特定する識別表示を行うと共に、QRコードに対して、読み取り及び調整結果を情報画像IF2として表示を行う(S408)。この例では、デコードされたQRコードC1(CODE1)を、設定値としてシャッタ速度90ms、明るさ80%、フォーカス距離50cmで読み取ったことが表示される。第1実施形態では、位置調整対象に指定された二次元コードの特定を二次元コードに付され表示されるカーソルで行う。このため、確実に確認できるように位置調整対象の二次元コードを特定できる。なお、この例では、入力部16のテンキーで「1」が入力された際の処理について述べたが、例えば、入力部16の図示しないマウスでカーソルCUが動かされ、マウスのクリック操作でQRコードC1が指定された場合も同様に処理が行われる。
【0109】
そして、
図10(B)~
図14を参照し前述した位置調整の処理が行われ、指定されたQRコードC1に対して、二次元コード読取装置110が位置調整される。
【0110】
位置調整が完了し、第1順位のQRコードに対する位置調整完了の入力があると(S410:Yes)、第2順位以下のQRコード(第1順位として指定されていないQRコード)、この例では、QRコードC2、QRコードC3に対して、それぞれに最適な読み取りが行えるように、撮像の際の光学系のシャッタ速度、明るさ、フォーカス距離が調整される(S412)。そして、全てのQRコードの撮像、調整が行われると(S414:Yes)、調整結果が二次元コード読取装置110に転送され(S416)、後述する調整結果表示処理(S500)が行われた後、処理が終了する。ここでは、第1順位のQRコードの指定のみの処理について説明が行われたが、重要度に応じて、QRコードを第1順位、第2順位、第3順位等、すべて順位を付けることも可能である。
【0111】
第1実施形態では、複数の二次元コードを読み取る際に、最重要な二次元コードを位置調整対象に指定することで、当該二次元コードを確実に読み取れるように二次元コード読取装置を調整することができる。更に、位置調整対象に指定された以外の二次元コードの読み取り条件を個々に調整し、調整結果を保持することで、当該調整位置の二次元コード読取装置で、指定された以外の二次元コードも短時間でほぼ確実に読み取れるようになる。また、第1実施形態では、個々の二次元コードに番号を付して表示するので、容易に位置調整対象の二次元コードを指定できる。
【0112】
図30は、上記調整結果表示処理(S500)における、第1実施形態に係るQRコードの撮像設定値の表示画像の説明図である。
第1実施形態の設置位置調整装置10は、撮像調整のされたQRコードについて設定値を表示する。例えば、カーソルCUで、QRコードC2が指示された際、情報画像IF4として表示を行う。この例では、QRコードC2のデータ(ここではCODE2)、撮像の設定値としてシャッタ速度80ms、明るさ70%、フォーカス距離60cmに調整されたことが表示される。
【0113】
図34は、上記調整結果表示処理(S500)における、QRコードの撮像条件表示を示すフローチャートである。
特定のQRコードの撮像条件を表示する指示、例えば、
図30の表示でカーソルCUが動かされ、QRコードC2が指示されたとき(S602:Yes)、情報画像IF4として撮像条件の表示を行う(S604)。この例では、QRコードC2のデータ(ここではCODE2)、撮像の設定値としてシャッタ速度80ms、明るさ70%、フォーカス距離60cmに調整されたことが表示される。そして、表示指示の終了、例えば、所定時間の経過、次処理の指示により(S606:Yes)、処理が終了する。第1実施形態では、位置調整対象に指定された二次元コードの読み取り条件を表示するため、作業者は読み取り条件の確認が行える。
【0114】
図33は、調整結果が転送された二次元コード読取装置110での複数のQRコードの撮像処理のフローチャートである。
複数のQRコードが存在する場合(S502:Yes)、まず、第1順位のQRコード1の撮像条件が設定され(S504)、第1順位のQRコードC1の撮像、デコードが行われる(S506)。そして、次順位、ここでは、QRコードC1以外のQRコードC2、又はQRコードC3の撮像条件が設定され(S508)、次順位のQRコードの撮像、デコードが行われる(S510)。ここで、例えば、QRコードC1に第1順位、QRコードC2に第2順位、QRコードC3に第3順位が付けられている場合には、QRコードC1、QRコードC2、QRコードC3の順で撮像、デコードが行われて行く。そして、全てのQRコードの撮像、デコードが終了すると(S512:Yes)、処理が終了する。
【0115】
第1実施形態では、調整結果を保持する二次元コード読取装置110は、位置調整対象に指定された以外の二次元コードの読み取りの際に、個々に保持した条件に調整する。このため、二次元コード読取装置で、指定された以外の二次元コードも短時間でほぼ確実に読み取れる。
【0116】
図28は、第1実施形態の改変例に係る複数のQRコードの表示画像の説明図である。第1実施形態の改変例では、複数のQRコードが色分けで識別表示される。例えば、QRコードC1は、枠内が白色で表示されると共に、情報画像IF3内で、白色がコード1であることが特定される。QRコードC2は、枠内が赤色で表示されると共に、情報画像IF3内で、赤色がコード2であることが特定される。QRコードC2は、枠内が青色で表示されると共に、情報画像IF3内で、青色がコード3であることが特定される。
【0117】
図32は、第1実施形態の改変例に係る設置位置調整装置10での、複数のQRコードが撮像された際のサブルーチン処理を示すフローチャートである。
図32でのサブルーチン処理は、
図10(A)を参照して前述したメインルーチンのS100でのサブルーチン処理として行われる。
【0118】
二次元コード読取装置110で撮像された画像に複数のQRコードが存在しているかが判断される(S402)。ここで、複数のQRコードが存在しない場合(S402:No)、処理が終了する。他方、複数のQRコードが存在する場合(S402:Yes)、
図28を参照して上述したように、モニター15に全てのQRコードに対して番号を表示すると共に、各QRコードを色分け表示することで作業者にQRコードを識別させる(S424)。ここで、例えば、
図2に示される入力部16の図示しないテンキーで白色に相当する「1」が入力されることで、QRコードC1が指定された場合(406:Yes)、
図29に示されるように、第1順位のコード(QRコードC1)をカーソルCUで特定する識別表示を行うと共に、QRコードに対して、読み取り及び調整結果を情報画像IF2として表示を行う(S408)。以降の処理は第1実施形態と同様である。
【0119】
第1実施形態の改変例では、個々の二次元コードを色分けして表示するので、容易に位置調整対象の二次元コードを指定できる。また、第1実施形態の改変例では、位置調整対象の二次元コードの指定を、色分けされた内の色選択により行わせる。容易に位置調整対象の二次元コードを指定できる。
【0120】
[第2実施形態]
第2実施形態の二次元コード読取装置、設置位置調整装置は、二次元コード読取装置の初期位置設定では無く、初期位置設定の成された二次元コード読取装置が製造ラインのメンテナンス等のためいったん取り外された後、再度、初期位置設定に付け直す際の位置調整を行う。第2実施形態の二次元コード読取装置、設置位置調整装置のハードウエェア構成は、
図2、
図3で参照された第1実施形態の物と同様である。
【0121】
第2実施形態では、画像中で画像特徴量が算出され、取り外し前の画像特徴量と取り外し後の一致度が高いか否かにより、二次元コードと二次元コード読取装置との相対位置が取り外し前と取り外し後で同じであるかが通知される。更に、調整中に一致方向に調整ができているかが、作業者に対してガイドが為される。
【0122】
ここで、画像特徴量とは、コード位置情報から画像データの二次元コード、二次元コード周辺の情報から得られる。例えば、
図9(A)に示されるQRコードに対して、にファインダパターン(切り出しシンボル)QSからQRコードの外形位置情報を得て、取り外し前の画像全体の中央にQRコードが入っている画像データに対して、画像全体に占めるQRコードの大きさを数値化し、画像特徴量とする。そして、取り外し後の画像全体の中央にQRコードが入っている画像データに対して、画像全体に占めるQRコードの大きさを数値化し、この一致度を算出し、一致度が高まるように作業者に対してガイドがなされる。ファインダパターン(切り出しシンボル)QSからQRコードの外形位置情報を得るため、適切に画像特徴量が得られる。
【0123】
画像特徴量としては、
図9(B)に示されるように、二次元コードとしてデータマトリクスDMに対しては、アライメントパターンAPからデータマトリクスの外形位置情報が得られる。このため、適切に外形位置情報が得られる。また、
図25中に示されるダイレクトマーキングのQRコードに対しては、QRコード内の輝度情報から得られる輝度勾配情報からQRコードの外形位置情報が得られる。このため、容易にダイレクトマーキングのQRコードから画像特徴量が得られる。
【0124】
更に、第2実施形態では、二次元コードの外形位置情報のみならず、二次元コードの取り付けられた対象物Wの外形情報も画像特徴量として用いられる。
図25(B)に示されるように、二次元コードの外形情報と、二次元コードの取り付けられた対象物Wの外形情報から、二次元コードの外形及び対象物Wの外形をなぞった枠Pが形成され、枠Pと二次元コードと対象物Wとを重ねるように二次元コード読取装置の微調整のガイドが成される。
【0125】
図22(A)は、任意タイミングでの画像特徴量を取得するたのためのサブルーチン処理を示す。
二次元コード読取装置、又は、設置位置調整装置は、画像データを撮像し(S222)、作業者が二次元コード読取装置の取り外し前の任意のタイミングで取得が指示された際に(S224:Yes)、画像データから画像特徴量を算出し(S226)、画像特徴量を記憶する(S228)。第2実施形態では、作業者は取り外し前に画像データを取得しておくことで、取り外し後に、容易に取り外し前の位置に二次元コード読取装置を付け直すことができる。
【0126】
図22(B)は、所定周期での画像特徴量を自動で取得するたのためのサブルーチン処理を示す。
二次元コード読取装置、又は、設置位置調整装置は、画像データを撮像し(S232)、設定された周期になると(S234:Yes)、画像データから画像特徴量を算出し(S236)、画像特徴量を比較し(S238)、高い特徴量の画像データを特定して、画像特徴量を記憶する(S240)。第2実施形態では、作業者は取り外し前に自動で取得された画像データに基づき、取り外し後に、容易に取り外し前の位置に二次元コード読取装置を付け直すことができる。
【0127】
図23(A)は、取り外された二次元コード読取装置を元の位置に付け直す際のサブルーチン処理を示す。
二次元コード読取装置は、作業者から取り付け作業開始の指示が成された際に(S252:Yes)、画像データを撮像し(S254)、画像データから画像特徴量を算出し(S256)、画像特徴量を記憶する(S258)。そして、二次元コード読取装置の取り外し前の複数の画像データの画像特徴量と、取り外し後の画像データの画像特徴量の一致度が算出され(S260)、一致度が高くなる読み取り環境が表示される(S262)。例えば、一致度が高くなる方向に二次元コード読取装置が調整されている際には、
図3中に示されるLED43の点滅速度が速くなり、一致度が低くなる方向の二次元コード読取装置が調整されている際には、LED43の点滅速度が遅くなるである。この代わりに、
図3中に示される液晶表示装置46による一致方向の表示も可能である。そして、一致度が所定閾値を超えたかいなか、即ち、ほぼ、取り外し前の位置に二次元コード読取装置を位置決めできた場合(S264:Yes)、一致が通知される(S266)。例えば、
図3中に示されるブザー44により一致が通知される。S254~S266の処理が、画像表示終了の指示があるまで(S268:No)、繰り替えされる。この第2実施形態では、ブザー44により一致が通知されたが、この代わりに、
図3中に示されるLED43の発光、液晶表示装置46による一致表示も可能である。第2実施形態では、製造ラインの整備等で、二次元コード読取装置が取り外されても、作業者は容易に取り外し前の位置に二次元コード読取装置を付け直すことができる。
【0128】
図23(B)は、輝度情報に基づき画像特徴量が算出されるためのサブルーチン処理を示す。
図25(A)中のダイレクトマーキングのQRコードに対しては、輝度情報が取得され(S272)、輝度情報から得られる輝度勾配情報からQRコードの画像特徴量が算出される(S274)。
【0129】
図23(C)はエイマー光り形状情報に基づき画像特徴量が算出されるためのサブルーチン処理を示す。二次元コード読取装置110は、十字状のエイマー光りの照射装置58を備え、対象物に十字状のエイマー光りを照射する。そして、エイマー光が検出され(S282)、エイマー光りの十字状の形状データから画像特徴量が算出される(S284)。第2実施形態で、画像特徴量はエイマー光形状情報であるであるため、適切に画像特徴量が得られる。
【0130】
図25(A)は、画像特徴量から作成されたQRコードの外枠画像(特徴画像)Pが、撮像画像に重ねられている画像の説明図である。
図25(B)は、画像特徴量から作成されたQRコードの外枠画像、及び、対象物Wの外形画像(特徴画像)Pが、撮像画像に重ねられている画像の説明図である。
【0131】
図24(A)は、
図25(A)、(B)を参照して上述した特徴画像が撮像画像に重ねられている画像を作成する際のサブルーチン処理を示している。
設置位置調整装置10は、特徴画像の表示指示があると(S302:Yes)、二次元コード読取装置110を介して画像データを撮像し(S304)、画像特徴量を算出(S306)し、
図25(A)に示されるQRコードの外枠画像(特徴画像)P、又は、
図25(B)に示されるQRコードの外枠画像、及び、対象物Wの外形画像(特徴画像)Pを作成し(S308)、モニター15に撮像画像上に特徴画像Pを重ねて表示する(S310)。S304~S310の処理が表示終了の指示があるまで(S312:No)、繰り返される。二次元コード読取装置に接続された設置位置調整装置の作業者は、二次元コード読取装置側の作業者に、復元位置の指示を送ることができる。
ここでは、画像表示が設置位置調整装置側のモニター15で行われたが、この画像表示を二次元コード読取装置110側の
図3中に示される液晶表示装置46で行われることも可能である。これにより、二次元コード読取装置単体で、作業者は、取り外し後に、容易に取り外し前の位置に二次元コード読取装置を付け直すことができる。
【0132】
第2実施形態では、特徴画像Pと、画像と重ねるように調整することで、作業者は、取り外し後に、容易に取り外し前の位置に二次元コード読取装置を付け直すことができる。
【0133】
図26は、第2実施形態の改変例に係るマトリクス状に分割されたブロックで一致度が高いブロックを特定する画像の説明図である。画像中でマトリクス枠PSが画像に重ねて表示され、枠中で一致度の高い枠内に透過青色四角形色PPが表示される。
【0134】
第2実施形態の改変例では、画像を局所領域に分割し、局所領域毎に予め保存してある画像特徴量に基づき、一致度が表示される。画像特徴量としては、輝度勾配情報を局所領域においてヒストグラム化するHOGが用いられる。コード領域およびコード周囲の局所領域毎のHOG情報により、予め保存してあったものと比較され、評価が成される。評価方法としてはHOGのコサイン類似度が使用される。表示方法としては、
図26では、一致度の高い枠内に透過青色四角形色PPが表示されたが、この代わりにスコア表示することも可能である。
【0135】
図24(B)は、
図26に示されたマトリクス状に分割されたブロックで一致度が高いブロックを特定する際のサブルーチン処理を示す。
設置位置調整装置10は、二次元コード読取装置110を介して取得した画像をブロックに分割し(S322)、ブロックHOG特徴量を算出し(S324)、記憶保存しているHOG特徴量とのコサイン類似度を評価する(S326)。そして、ブロック類似度が閾値以上かが判断され(S328)、閾値以上のブロックには、類似ブロックとして、
図26中で示された透過青色四角形色PPが表示される(S330)。S322~S330の処理が表示終了の指示があるまで(S332:No)、繰り返される。ここでは、画像表示が設置位置調整装置側のモニター15で行われたが、この画像表示を二次元コード読取装置110側の
図3中に示される液晶表示装置46で行われることも可能である。
【0136】
更に、第2実施形態の第2改変例として、複数の読み取り画像の差分を取ることにより、読み取り試行に不変的な画像領域を抽出し、それを自動的に特徴量算出エリアとすることも可能である。
【0137】
第2実施形態の第3改変例として、複数の対象物(ワーク)を取り替えて運用される場合に、画像の類似度を検定し、どのワークなのか自動で判別することも可能である。即ち、ワークの種類分、特徴量を自動登録する構成が備えられる。
【0138】
第2実施形態の第4改変例として、オートフォーカス機能を利用し、フォーカス位置による(深度成分の)画像特徴を使用し、一致度を出力することも可能である。作業者は、取り外し後に、容易に取り外し前の距離に二次元コード読取装置を付け直すことができる。
【0139】
第2実施形態の第5改変例として、固定式の二次元コード読取装置では無く、ハンディスキャナを固定し、表示LEDにより環境一致指示を行う。簡易な構成のハンディスキャナ単体で、作業者は、取り外し後に、取り外し前の位置にハンディスキャナを付け直すことができる。
【0140】
10…設置位置調整装置
11…CPU
13…RAM(メモリ)
15…モニター
21…OS(オペレーティングシステム)
46…液晶表示装置
53…撮像器
110…二次元コード読取装置