(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】空気入りタイヤの製造方法及び製造装置
(51)【国際特許分類】
B29C 33/02 20060101AFI20240410BHJP
B29C 35/16 20060101ALI20240410BHJP
B29L 30/00 20060101ALN20240410BHJP
【FI】
B29C33/02
B29C35/16
B29L30:00
(21)【出願番号】P 2020074716
(22)【出願日】2020-04-20
【審査請求日】2023-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 集平
【審査官】▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-205576(JP,A)
【文献】特開2020-001207(JP,A)
【文献】特開2017-140877(JP,A)
【文献】特開平04-131210(JP,A)
【文献】特開2017-094613(JP,A)
【文献】特開2007-190808(JP,A)
【文献】特開2008-273095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/00-33/76
B29C 35/00-35/18
B29L 30/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型内で加硫された空気入りタイヤに対してポストキュアインフレーションを行うにあたって、該ポストキュアインフレーション中に前記空気入りタイヤの内表面温度を測定し、その内表面温度が予め設定された閾値に到達した時点で前記ポストキュアインフレーションを終了させる
空気入りタイヤの製造方法であって、
前記空気入りタイヤの複数の位置で前記内表面温度を測定し、これら複数の位置で測定される内表面温度がいずれも前記閾値に到達した時点で前記ポストキュアインフレーションを終了させることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
【請求項2】
前記閾値が70℃~100℃の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
【請求項3】
前記空気入りタイヤの両ショルダー部に対応する2つの位置で前記内表面温度を測定し、これら2つの位置で測定される内表面温度がいずれも前記閾値に到達した時点で前記ポストキュアインフレーションを終了させることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
【請求項4】
空気入りタイヤの一対のビード部に嵌合する一対のリム板と、前記リム板を通して前記空気入りタイヤ内に加圧媒体を供給する供給路と、前記リム板を通して前記空気入りタイヤ内の加圧媒体を排出する排出路と、前記空気入りタイヤの内表面温度を測定する温度センサと、前記温度センサにより測定される内表面温度が予め設定された閾値に到達した時点でポストキュアインフレーションを終了させる制御部とを備える
空気入りタイヤの製造装置であって、
前記空気入りタイヤの複数の位置で前記内表面温度を測定する複数の温度センサを備え、前記制御部は前記複数の温度センサにより測定される内表面温度がいずれも前記閾値に到達した時点で前記ポストキュアインフレーションを終了させることを特徴とする空気入りタイヤの製造装置。
【請求項5】
前記閾値が70℃~100℃の範囲にあることを特徴とする請求項
4に記載の空気入りタイヤの製造装置。
【請求項6】
前記空気入りタイヤの両ショルダー部に対応する2つの位置で前記内表面温度を測定する2つの温度センサを備え、前記制御部は前記2つの温度センサにより測定される内表面温度がいずれも前記閾値に到達した時点で前記ポストキュアインフレーションを終了させることを特徴とする請求項
4又は
5に記載の空気入りタイヤの製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポストキュアインフレーション(PCI)を行う空気入りタイヤの製造方法及び製造装置に関し、更に詳しくは、寸法安定性及びユニフォミティを改善することを可能にした空気入りタイヤの製造方法及び製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機繊維コードからなるカーカス層を備えた空気入りタイヤの製造工程において、空気入りタイヤを加硫機の金型内で加硫した後、金型から取り外された加硫済みの空気入りタイヤに内圧を充填した状態で該空気入りタイヤを自然冷却するポストキュアインフレーションが一般的に行われている(例えば、特許文献1~3参照)。空気入りタイヤは加硫直後においても依然として高温であり、カーカスコードの熱収縮による寸法変化を生じる傾向があるため、ポストキュアインフレーションを行うことにより、空気入りタイヤの寸法安定性やユニフォミティを改善することができる。
【0003】
従来、ポストキュアインフレーションは大気中において予め決められた時間で行われている。しかしながら、加硫機中の温度の変動のみならず、周囲の設備の稼働状況や季節・時間帯による外気温の変動により、ポストキュアインフレーション中のタイヤ温度は変動する。従って、カーカスコードの熱収縮による寸法変動が問題にならなくなるまでの時間はタイヤ1本毎に異なる。そのため、ポストキュアインフレーションの時間を固定した場合、ポストキュアインフレーション終了時のタイヤ温度にばらつきが生じ、それが寸法やユニフォミティにばらつきを生じさせる要因となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-190808号公報
【文献】特開2008-273095号公報
【文献】特開2017-94613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、寸法安定性及びユニフォミティを改善することを可能にした空気入りタイヤの製造方法及び製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤの製造方法は、金型内で加硫された空気入りタイヤに対してポストキュアインフレーションを行うにあたって、該ポストキュアインフレーション中に前記空気入りタイヤの内表面温度を測定し、その内表面温度が予め設定された閾値に到達した時点で前記ポストキュアインフレーションを終了させる空気入りタイヤの製造方法であって、
前記空気入りタイヤの複数の位置で前記内表面温度を測定し、これら複数の位置で測定される内表面温度がいずれも前記閾値に到達した時点で前記ポストキュアインフレーションを終了させることことを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明の空気入りタイヤの製造装置は、空気入りタイヤの一対のビード部に嵌合する一対のリム板と、前記リム板を通して前記空気入りタイヤ内に加圧媒体を供給する供給路と、前記リム板を通して前記空気入りタイヤ内の加圧媒体を排出する排出路と、前記空気入りタイヤの内表面温度を測定する温度センサと、前記温度センサにより測定される内表面温度が予め設定された閾値に到達した時点でポストキュアインフレーションを終了させる制御部とを備える空気入りタイヤの製造装置であって、
前記空気入りタイヤの複数の位置で前記内表面温度を測定する複数の温度センサを備え、前記制御部は前記複数の温度センサにより測定される内表面温度がいずれも前記閾値に到達した時点で前記ポストキュアインフレーションを終了させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の空気入りタイヤの製造方法では、ポストキュアインフレーション中に空気入りタイヤの内表面温度を測定し、その内表面温度が予め設定された閾値に到達した時点でポストキュアインフレーションを終了させるので、加硫機中の温度の変動、周囲の設備の稼働状況や季節・時間帯による外気温の変動に拘わらず、ポストキュアインフレーション終了時のタイヤ温度を一定にし、空気入りタイヤの寸法安定性及びユニフォミティを改善することができる。特に、カーカス層は一般的にタイヤ内表面に近い位置に配置されるので、ポストキュアインフレーションを終了させるための指標として内表面温度を利用することにより、寸法安定性及びユニフォミティの改善効果を高めることができる。
【0009】
また、本発明の空気入りタイヤの製造装置では、従来のポストキュアインフレーションの装置構成に加えて、空気入りタイヤの内表面温度を測定する温度センサと、温度センサにより測定される内表面温度が予め設定された閾値に到達した時点でポストキュアインフレーションを終了させる制御部とを備えることにより、上述の空気入りタイヤの製造方法を実施することが可能となる。
【0010】
本発明において、閾値は70℃~100℃の範囲にあることが好ましい。このような温度範囲内に閾値を設定することにより、空気入りタイヤの加硫及びカーカスコードの熱収縮がポストキュアインフレーション後にそれ以上進行しなくなるので、寸法安定性及びユニフォミティを効果的に改善することができる。
【0011】
本発明の空気入りタイヤの製造方法において、空気入りタイヤの複数の位置で内表面温度を測定し、これら複数の位置で測定される内表面温度がいずれも閾値に到達した時点でポストキュアインフレーションを終了させることが好ましい。これにより、空気入りタイヤが冷却された状態にあることを確実に検出し、寸法安定性及びユニフォミティの改善効果を高めることができる。このような製造方法を実施するために、本発明の空気入りタイヤの製造装置では、空気入りタイヤの複数の位置で内表面温度を測定する複数の温度センサを備え、制御部は複数の温度センサにより測定される内表面温度がいずれも閾値に到達した時点でポストキュアインフレーションを終了させることが好ましい。
【0012】
また、本発明の空気入りタイヤの製造方法において、空気入りタイヤの両ショルダー部に対応する2つの位置で内表面温度を測定し、これら2つの位置で測定される内表面温度がいずれも閾値に到達した時点でポストキュアインフレーションを終了させることが好ましい。空気入りタイヤの両ショルダー部は加硫熱の冷却が最も遅くなる部位であるので、これら部位の内表面温度を指標とすることにより、寸法安定性及びユニフォミティの改善効果を更に高めることができる。このような製造方法を実施するために、本発明の空気入りタイヤの製造装置では、空気入りタイヤの両ショルダー部に対応する2つの位置で内表面温度を測定する2つの温度センサを備え、制御部は2つの温度センサにより測定される内表面温度がいずれも閾値に到達した時点でポストキュアインフレーションを終了させることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの製造装置(ポストキュアインフレーション装置)を示す子午線断面図である。
【
図2】本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの製造方法におけるポストキュアインフレーションの時間とタイヤ内表面温度との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの製造装置を示すものである。
【0015】
図1に示すように、この空気入りタイヤの製造装置は、タイヤ中心軸が鉛直方向になるように配置された空気入りタイヤTの一対のビード部に嵌合する一対のリム板1,2と、これらリム板1,2を鉛直方向に駆動する支持軸3,4と、下側のリム板1を通して空気入りタイヤT内に加圧媒体Mを供給する供給路5と、上側のリム板2を通して空気入りタイヤT内の加圧媒体Mを排出する排出路6とを備えている。空気入りタイヤTはその中心軸が水平方向となるように配置されていても良い。リム板1,2は空気入りタイヤTのビード部に対して嵌合することで空気入りタイヤTの空洞部を閉塞するように構成されている。供給路5及び排出路6はリム板1,2のいずれの側に形成されていても良く、共通の流路であっても良い。加圧媒体Mとしては、空気を使用することが好ましいが、他の気体又は液体を使用することも可能である。
【0016】
リム板1,2で支持された空気入りタイヤTの上方には水平方向に延長する支持梁11が配設され、該支持梁1から垂下するように複数本の支持棒12が配設されている。支持棒12にはブラケット13を介して2本の環状パイプ14が取り付けられている。各環状パイプ14は空気入りタイヤTを取り囲むように延在し、その内周側に複数のエア噴射孔15を備えている。環状パイプ14には不図示の空気供給源に接続されており、ポストキュアインフレーション中にエア噴射孔15から空気入りタイヤTの外表面に向かって冷却用の空気を噴射するようになっている。
【0017】
また、上側のリム板2には空気入りタイヤTの内表面温度を測定する2つの温度センサ21A,21Bが配設され、これら温度センサ21A,21Bにより測定される内表面温度が制御部22に入力されるようになっている。温度センサ21A,21Bとしては、非接触式の温度センサを用いることが好ましいが、接触式の温度センサを使用することも可能である。また、温度センサ21A,21Bは、空気入りタイヤTの両ショルダー部に対応する2つの位置で内表面温度を測定するように配設されているが、内表面温度の測定個所は特に限定されるものではなく、トレッド部やサイドウォール部やビード部の内表面温度を指標とすることができる。制御部22は、2つの温度センサ21A,21Bにより測定される内表面温度が予め設定された閾値T1に到達した時点でポストキュアインフレーションを終了させる。
【0018】
次に、上述した空気入りタイヤの製造装置を用いて空気入りタイヤTを製造する方法について説明する。先ず、不図示の加硫機において空気入りタイヤTを加硫した後、その加硫機の金型から取り外された加硫済みの空気入りタイヤTをポストキュアインフレーション工程に供する。つまり、
図1に示すように、一対のリム板1,2を空気入りタイヤTの一対のビード部に嵌合させ、排出路6を閉止した状態で供給路5から空気入りタイヤT内に加圧媒体Mを供給する。その一方で、環状パイプ14のエア噴射孔15から空気入りタイヤTの外表面に向かって冷却用の空気を噴射する。このようにして空気入りタイヤTに対するポストキュアインフレーションを開始する。
【0019】
ポストキュアインフレーション工程においては、空気入りタイヤTの内表面温度を温度センサ21により測定する。そして、空気入りタイヤTの内表面温度が予め設定された閾値T1に到達した時点で制御部22がポストキュアインフレーションを終了させる。即ち、空気入りタイヤT内の加圧媒体Mを排出路6から排出し、一対のリム板1,2を空気入りタイヤTのビード部から離脱させる。
【0020】
上述した空気入りタイヤの製造方法によれば、ポストキュアインフレーション中に空気入りタイヤTの内表面温度を測定し、その内表面温度が予め設定された閾値T1に到達した時点でポストキュアインフレーションを終了させるので、加硫機中の温度の変動、周囲の設備の稼働状況や季節・時間帯による外気温の変動に拘わらず、ポストキュアインフレーション終了時のタイヤ温度を一定にし、空気入りタイヤの寸法安定性及びユニフォミティを改善することができる。特に、カーカス層は一般的にタイヤ内表面に近い位置に配置されるので、ポストキュアインフレーションを終了させるための指標として内表面温度を利用することにより、寸法安定性及びユニフォミティの改善効果を高めることができる。
【0021】
図2は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの製造方法におけるポストキュアインフレーションの時間とタイヤ内表面温度との関係を示すグラフである。
図2において、A,Bはそれぞれ異なる環境でポストキュアインフレーションが行われた空気入りタイヤの試験例を示すものである。試験例Bは試験例Aに比べて温度低下が緩やかになっている。
【0022】
図2に示すように、試験例A,Bのタイヤのポストキュアインフレーションを従来のように一定の時間t1で終了させた場合、時間t1における試験例A,Bのタイヤ温度に差異が生じ、それが寸法やユニフォミティに差異を生じさせる要因となる。一方、ポストキュアインフレーション中に空気入りタイヤの内表面温度を測定し、その内表面温度が予め設定された閾値T1に到達した時点でポストキュアインフレーションを終了させた場合、ポストキュアインフレーション終了時の試験例A,Bのタイヤ温度を一定にし、空気入りタイヤの寸法安定性及びユニフォミティを改善することができる。
【0023】
上述した空気入りタイヤの製造方法において、空気入りタイヤTの内表面温度の閾値T1は70℃~100℃の範囲、より好ましくは、80℃~90℃の範囲に設定されることが好ましい。このような温度範囲内に閾値T1を設定することにより、空気入りタイヤTの加硫及びカーカスコードの熱収縮がポストキュアインフレーション後にそれ以上進行しなくなるので、寸法安定性及びユニフォミティを効果的に改善することができる。ここで、閾値T1が低過ぎるとポストキュアインフレーションが必要以上に長くなり、逆に高過ぎると寸法安定性及びユニフォミティの改善効果が低下する。
【0024】
実際に閾値T1を決定するにあたって、ポストキュアインフレーション終了時の空気入りタイヤTの内表面温度と寸法安定性又はユニフォミティとの関係性を少なくとも1本(例えば、連続加硫を行う際の1本目)の空気入りタイヤTについて検証し、その検証結果に基づいて閾値T1を決定することができる。また、2次元のタイヤモデルを用いた温度シミュレーションで内表面温度から内部温度を推定し、その内部温度に基づいて閾値T1を決定したり、或いは、内表面温度と共にカーカス温度を実測することで内部温度とカーカス温度との関係性を特定し、その関係性に基づいて閾値T1を決定したりすることができる。
【0025】
図1に示すように、空気入りタイヤTの両ショルダー部に対応する2つの位置で内表面温度を測定する場合、これら2つの位置で測定される内表面温度がいずれも閾値T1に到達した時点でポストキュアインフレーションを終了させるのが良い。このように複数の位置で測定される内表面温度がいずれも閾値Tに到達した時点でポストキュアインフレーションを終了させることにより、空気入りタイヤTが冷却された状態にあることを確実に検出し、寸法安定性及びユニフォミティの改善効果を高めることができる。特に、空気入りタイヤTの両ショルダー部は加硫熱の冷却が最も遅くなる部位であるので、これら部位の内表面温度を指標とすることにより、寸法安定性及びユニフォミティの改善効果を更に高めることができる。
【0026】
上述した実施形態では、空気入りタイヤTの両ショルダー部に対応する2つの位置で内表面温度を測定する場合について説明したが、本発明では、空気入りタイヤTの任意の1箇所(例えば、トレッドセンター部)で内表面温度を測定し、その1箇所で測定される内表面温度が予め設定された閾値T1に到達した時点でポストキュアインフレーションを終了させるようにしても良い。
【実施例】
【0027】
乗用車用空気入りタイヤ(タイヤサイズ:195/65R15)を製造するにあたって、ポストキュアインフレーションを終了させる条件だけを異ならせた従来例及び実施例のタイヤ製造方法を実施し、それぞれ120本の空気入りタイヤを製造した。
【0028】
従来例では、ポストキュアインフレーションの開始から14分経過した時点でポストキュアインフレーションを終了させた。実施例では、ポストキュアインフレーション中に空気入りタイヤの内表面温度を測定し、その内表面温度が予め設定された閾値T1(80℃)に到達した時点でポストキュアインフレーションを終了させた。
【0029】
上述した空気入りタイヤの製造方法で得られた試験タイヤについて、下記評価方法により、寸法安定性、ユニフォミティを評価し、その結果を表1に示した。
【0030】
寸法安定性:
各試験タイヤのプロファイルを測定し、従来例及び実施例の各々についてプロファイル測定値の標準偏差を求めた。評価結果は、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が小さいほど寸法安定性が良好であることを意味する。
【0031】
ユニフォミティ:
各試験タイヤのラジアルフォースバリエーション(RFV)を測定し、従来例及び実施例の各々についてRFV値の標準偏差を求めた。評価結果は、従来例を100とする指数にて示した。この指数値が小さいほどユニフォミティが良好であることを意味する。
【0032】
【0033】
表1から判るように、実施例の方法で得られたタイヤは、従来例との対比において、寸法安定性及びユニフォミティがいずれも改善されていた。
【符号の説明】
【0034】
1,2 リム板
3,4 支持軸
5 供給路
6 排出路
11 支持梁
12 支持棒
13 ブラケット
14 環状パイプ
15 エア噴射孔
21A,21B 温度センサ
22 制御部
M 加圧媒体
T 空気入りタイヤ