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特許7469645杭頭接合構造、既設構造物の耐震補強方法、及び既設構造物の杭頭接合部の補修方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】杭頭接合構造、既設構造物の耐震補強方法、及び既設構造物の杭頭接合部の補修方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 27/34 20060101AFI20240410BHJP
   E02D 27/12 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
E02D27/34 A
E02D27/12 Z
【請求項の数】 32
(21)【出願番号】P 2020096884
(22)【出願日】2020-06-03
(65)【公開番号】P2021188443
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】小林 拓
(72)【発明者】
【氏名】石濱 吉郎
(72)【発明者】
【氏名】妙中 真治
(72)【発明者】
【氏名】柳 悦孝
(72)【発明者】
【氏名】日下 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】澤石 正道
(72)【発明者】
【氏名】内藤 彩乃
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-104883(JP,A)
【文献】特開平10-025749(JP,A)
【文献】特開2005-155201(JP,A)
【文献】特開2006-328655(JP,A)
【文献】特開2005-139731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 27/34
E02D 27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部構造物の基礎と本杭を接続するための杭頭接合構造であって、
前記基礎と前記本杭の接続部は、前記基礎の回転を一部許容する半剛接合、または前記回転を完全に許容するピン接合により接合され、
前記本杭の径方向外側に接続されたエネルギー吸収部材と、
前記基礎に定着され、前記エネルギー吸収部材を前記基礎に接続するエネルギー吸収部材受けと、
を備え
前記本杭の周囲を取り囲むように前記本杭と同軸に配置された外管杭が設けられ、
前記エネルギー吸収部材は、前記外管杭の径方向外側に接続されていることを特徴とする杭頭接合構造。
【請求項2】
前記エネルギー吸収部材は、前記基礎および前記外管杭、または前記基礎および前記本杭に対してボルト締結により接続されていることを特徴とする請求項に記載の杭頭接合構造。
【請求項3】
前記エネルギー吸収部材は、面内方向を鉛直方向に向けた平板状のプレート部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の杭頭接合構造。
【請求項4】
前記エネルギー吸収部材は、前記プレート部材と、U字状に湾曲した湾曲部を有するU型部材と、を備え、
前記U型部材は、前記湾曲部によって左右方向に湾曲するように配置されていることを特徴とする請求項に記載の杭頭接合構造。
【請求項5】
前記エネルギー吸収部材は、前記プレート部材と、U字状に湾曲した湾曲部を有するU型部材と、を備え、
前記U型部材は、前記湾曲部によって上下方向に湾曲するように配置されていることを特徴とする請求項に記載の杭頭接合構造。
【請求項6】
前記プレート部材には、バーリング孔が形成されていることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の杭頭接合構造。
【請求項7】
前記エネルギー吸収部材は、U字状に湾曲した湾曲部を有するU型部材であり、
前記U型部材は、前記湾曲部によって左右方向に湾曲するように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の杭頭接合構造。
【請求項8】
前記エネルギー吸収部材は、U字状に湾曲した湾曲部を有するU型部材であり、
前記U型部材は、前記湾曲部によって上下方向に湾曲するように配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の杭頭接合構造。
【請求項9】
前記エネルギー吸収部材が付加する前記基礎と前記本杭との回転剛性は、前記基礎と前記本杭との接続部が付加する前記基礎と前記本杭との回転剛性以上であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の杭頭接合構造。
【請求項10】
前記外管杭と前記本杭との間には、充填材が充填されていることを特徴とする請求項又はに記載の杭頭接合構造。
【請求項11】
前記外管杭の径方向内側の管内周面、前記本杭の径方向外側の杭外周面、または前記管内周面及び前記杭外周面の両者に突起が設けられていることを特徴とする請求項又はに記載の杭頭接合構造。
【請求項12】
上部構造物の基礎と本杭を接続するための杭頭接合構造であって、
前記基礎と前記本杭の接続部は、前記基礎の回転を一部許容する半剛接合、または前記回転を完全に許容するピン接合により接合され、
前記本杭の径方向外側に接続されたエネルギー吸収部材と、
前記基礎に定着され、前記エネルギー吸収部材を前記基礎に接続するエネルギー吸収部材受けと、
を備え、
前記エネルギー吸収部材は、面内方向を鉛直方向に向けた平板状のプレート部材であることを特徴とする杭頭接合構造。
【請求項13】
前記本杭の周囲を取り囲むように前記本杭と同軸に配置された外管杭が設けられ、
前記エネルギー吸収部材は、前記外管杭の径方向外側に接続されていることを特徴とする請求項12に記載の杭頭接合構造。
【請求項14】
前記エネルギー吸収部材は、前記基礎および前記外管杭、または前記基礎および前記本杭に対してボルト締結により接続されていることを特徴とする請求項13に記載の杭頭接合構造。
【請求項15】
前記エネルギー吸収部材は、前記プレート部材と、U字状に湾曲した湾曲部を有するU型部材と、を備え、
前記U型部材は、前記湾曲部によって左右方向に湾曲するように配置されていることを特徴とする請求項12に記載の杭頭接合構造。
【請求項16】
前記エネルギー吸収部材は、前記プレート部材と、U字状に湾曲した湾曲部を有するU型部材と、を備え、
前記U型部材は、前記湾曲部によって上下方向に湾曲するように配置されていることを特徴とする請求項12に記載の杭頭接合構造。
【請求項17】
前記エネルギー吸収部材は、U字状に湾曲した湾曲部を有するU型部材であり、
前記U型部材は、前記湾曲部によって左右方向に湾曲するように配置されていることを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載の杭頭接合構造。
【請求項18】
前記エネルギー吸収部材は、U字状に湾曲した湾曲部を有するU型部材であり、
前記U型部材は、前記湾曲部によって上下方向に湾曲するように配置されていることを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載の杭頭接合構造。
【請求項19】
前記外管杭と前記本杭との間には、充填材が充填されていることを特徴とする請求項13又は14に記載の杭頭接合構造。
【請求項20】
前記外管杭の径方向内側の管内周面、前記本杭の径方向外側の杭外周面、または前記管内周面及び前記杭外周面の両者に突起が設けられていることを特徴とする請求項13又は14に記載の杭頭接合構造。
【請求項21】
上部構造物の基礎と本杭を接続するための杭頭接合構造であって、
前記基礎と前記本杭の接続部は、前記基礎の回転を一部許容する半剛接合、または前記回転を完全に許容するピン接合により接合され、
前記本杭の径方向外側に接続されたエネルギー吸収部材と、
前記基礎に定着され、前記エネルギー吸収部材を前記基礎に接続するエネルギー吸収部材受けと、
を備え、
前記エネルギー吸収部材は、U字状に湾曲した湾曲部を有するU型部材であり、
前記U型部材は、前記湾曲部によって上下方向に湾曲するように配置されていることを特徴とする杭頭接合構造。
【請求項22】
前記本杭の周囲を取り囲むように前記本杭と同軸に配置された外管杭が設けられ、
前記エネルギー吸収部材は、前記外管杭の径方向外側に接続されていることを特徴とする請求項21に記載の杭頭接合構造。
【請求項23】
前記エネルギー吸収部材は、前記基礎および前記外管杭、または前記基礎および前記本杭に対してボルト締結により接続されていることを特徴とする請求項22に記載の杭頭接合構造。
【請求項24】
前記外管杭と前記本杭との間には、充填材が充填されていることを特徴とする請求項22又は23に記載の杭頭接合構造。
【請求項25】
前記外管杭の径方向内側の管内周面、前記本杭の径方向外側の杭外周面、または前記管内周面及び前記杭外周面の両者に突起が設けられていることを特徴とする請求項22又は23に記載の杭頭接合構造。
【請求項26】
上部構造物の基礎と本杭を接続するための杭頭接合構造であって、
前記基礎と前記本杭の接続部は、前記基礎の回転を一部許容する半剛接合、または前記回転を完全に許容するピン接合により接合され、
前記本杭の径方向外側に接続されたエネルギー吸収部材と、
前記基礎に定着され、前記エネルギー吸収部材を前記基礎に接続するエネルギー吸収部材受けと、
を備え、
前記エネルギー吸収部材が付加する前記基礎と前記本杭との回転剛性は、前記基礎と前記本杭との接続部が付加する前記基礎と前記本杭との回転剛性以上であることを特徴とする杭頭接合構造。
【請求項27】
前記本杭の周囲を取り囲むように前記本杭と同軸に配置された外管杭が設けられ、
前記エネルギー吸収部材は、前記外管杭の径方向外側に接続されていることを特徴とする請求項26に記載の杭頭接合構造。
【請求項28】
前記エネルギー吸収部材は、前記基礎および前記外管杭、または前記基礎および前記本杭に対してボルト締結により接続されていることを特徴とする請求項27に記載の杭頭接合構造。
【請求項29】
前記外管杭と前記本杭との間には、充填材が充填されていることを特徴とする請求項27又は28に記載の杭頭接合構造。
【請求項30】
前記外管杭の径方向内側の管内周面、前記本杭の径方向外側の杭外周面、または前記管内周面及び前記杭外周面の両者に突起が設けられていることを特徴とする請求項27又は28に記載の杭頭接合構造。
【請求項31】
請求項1乃至30のいずれか1項に記載の杭頭接合構造を用いて既設構造物を耐震補強する既設構造物の耐震補強方法であって、
前記既設構造物の基礎と前記本杭の接続部を、前記半剛接合または前記ピン接合により接合する工程と、
前記本杭の径方向外側に前記エネルギー吸収部材を接続する工程と、
前記エネルギー吸収部材を前記基礎に接続するエネルギー吸収部材受けを前記基礎に定着する工程と、
を有することを特徴とする既設構造物の耐震補強方法。
【請求項32】
請求項1乃至30のいずれか1項に記載の杭頭接合構造の前記エネルギー吸収部材を交換することを特徴とする既設構造物の杭頭接合部の補修方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、杭頭接合構造、既設構造物の耐震補強方法、及び既設構造物の杭頭接合部の補修方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、事務所ビルや集合住宅などの上部構造物と杭の接合部は、回転を許容しない剛結合、すなわち完全固定が採用されていた。このため、大地震が発生した場合においては、杭頭部や基礎梁に大きな応力が発生して損傷してしまい、結果的に杭は軸力保持機能を失い、事務所ビルや集合住宅などの上部構造物が傾斜、沈下する場合があった。これを防ぐためには、一般に、杭頭部や基礎梁を大断面化するなどして高耐力化を図ることが一般的に行われているが、高コストとなっていた。
そこで、近年は、杭頭部や基礎梁に発生する応力を低減することを目的に、上部構造物と杭の接合部に、回転を一部許容する半剛接合、あるいは回転を完全に許容するピン接合が採用されることが増えている。
【0003】
このような杭頭部のエネルギー吸収構造として、例えば特許文献1、2、3に示されるような構造が知られている。
特許文献1には、半剛接合あるいはピン接合とした杭頭部を、本杭、外管杭、本杭およびフーチングの内部に設ける棒状のエネルギー吸収部材などで構成し、地震エネルギーの大部分を外管杭およびエネルギー吸収部材の変形により吸収することで、本杭に入力されるエネルギーを低減する構造について記載されている。
【0004】
特許文献2、3には、杭頭部のフーチング内部に粘弾性体あるいは鉛と棒状の鋼材からなるエネルギー吸収部材を設け、粘弾性体あるいは鉛と棒状の鋼材との間の相対変位に伴う流動あるいはせん断変形により地震エネルギーを吸収し、本杭に入力されるエネルギーを低減する構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-218196号公報
【文献】特開2001-32295号公報
【文献】特開2004-324154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の杭頭接合構造では、以下のような問題があった。
エネルギー吸収部材は一度損傷した後には、新たな地震に対応するために取り替える必要がある。特許文献1~3で記載されるエネルギー吸収部材は本杭やフーチングの内部に設けられているため、取り替えに係る作業が困難であるという問題があり、その点で改善の余地があった。
【0007】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、エネルギー吸収部材の交換を容易に行うことができる杭頭接合構造、既設構造物の耐震補強方法、及び既設構造物の杭頭接合部の補修方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明に係る杭頭接合構造では、上部構造物の基礎と本杭を接続するための杭頭接合構造であって、前記基礎と前記本杭の接続部は、前記基礎の回転を一部許容する半剛接合、または前記回転を完全に許容するピン接合により接合され、前記本杭の径方向外側に接続されたエネルギー吸収部材と、前記基礎に定着され、前記エネルギー吸収部材を前記基礎に接続するエネルギー吸収部材受けと、を備え、前記本杭の周囲を取り囲むように前記本杭と同軸に配置された外管杭が設けられ、前記エネルギー吸収部材は、前記外管杭の径方向外側に接続されていることを特徴としている。
また、本発明に係る杭頭接合構造は、上部構造物の基礎と本杭を接続するための杭頭接合構造であって、前記基礎と前記本杭の接続部は、前記基礎の回転を一部許容する半剛接合、または前記回転を完全に許容するピン接合により接合され、前記本杭の径方向外側に接続されたエネルギー吸収部材と、前記基礎に定着され、前記エネルギー吸収部材を前記基礎に接続するエネルギー吸収部材受けと、を備え、前記エネルギー吸収部材は、面内方向を鉛直方向に向けた平板状のプレート部材であることを特徴としている。
また、本発明に係る杭頭接合構造は、上部構造物の基礎と本杭を接続するための杭頭接合構造であって、前記基礎と前記本杭の接続部は、前記基礎の回転を一部許容する半剛接合、または前記回転を完全に許容するピン接合により接合され、前記本杭の径方向外側に接続されたエネルギー吸収部材と、前記基礎に定着され、前記エネルギー吸収部材を前記基礎に接続するエネルギー吸収部材受けと、を備え、前記エネルギー吸収部材は、U字状に湾曲した湾曲部を有するU型部材であり、前記U型部材は、前記湾曲部によって上下方向に湾曲するように配置されていることを特徴としている。
また、本発明に係る杭頭接合構造は、上部構造物の基礎と本杭を接続するための杭頭接合構造であって、前記基礎と前記本杭の接続部は、前記基礎の回転を一部許容する半剛接合、または前記回転を完全に許容するピン接合により接合され、前記本杭の径方向外側に接続されたエネルギー吸収部材と、前記基礎に定着され、前記エネルギー吸収部材を前記基礎に接続するエネルギー吸収部材受けと、を備え、前記エネルギー吸収部材が付加する前記基礎と前記本杭との回転剛性は、前記基礎と前記本杭との接続部が付加する前記基礎と前記本杭との回転剛性以上であることを特徴としている。
【0009】
また、本発明に係る既設構造物の耐震補強方法は、上述した杭頭接合構造を用いて既設構造物を耐震補強する既設構造物の耐震補強方法であって、前記既設構造物の基礎と前記本杭の接続部を、前記半剛接合または前記ピン接合により接合する工程と、前記本杭の径方向外側に前記エネルギー吸収部材を接続する工程と、前記エネルギー吸収部材を前記基礎に接続するエネルギー吸収部材受けを前記基礎に定着する工程と、を有することを特徴としている。
【0010】
また、本発明に係る既設構造物の杭頭接合部の補修方法は、上述した杭頭接合構造の前記エネルギー吸収部材を交換することを特徴としている。
【0011】
本発明では、地震が発生した際には、半剛接合の場合において本杭と基礎との接続部の回転が一部許容され、あるいはピン接合の場合には本杭と基礎との接続部の回転が完全に許容される。そして、上部構造物に働く慣性力に起因して杭頭部に作用するせん断力および曲げモーメントは、エネルギー吸収部材がせん断変形することでその大部分が吸収されるため、エネルギー吸収量を大きくすることが可能となり、一部のみが本杭によって負担される。したがって、本杭は断面を小さくすることが可能となり、施工にかかるコストを低減できる。
また、本発明では、本杭は上部構造物に働く慣性力に起因して杭頭部分に作用するせん断力および曲げモーメントによる損傷をほとんど受けることがないため、軸力保持機能を担保することができる。そのため、上部構造物の傾斜や沈下を発生させず、過大な変位の発生を防ぐことができることから、大地震後においても安定的に上部構造物を支持することができる。
【0012】
また、本発明では、従来のようなエネルギー吸収部材を本杭や基礎の内部に設ける構造ではなく、本杭の外方に設けることで、一度損傷したエネルギー吸収部材の交換作業を容易に行うことができる。したがって、損傷したエネルギー吸収部材を新たなものに取り替えることで、新たな地震に備えることができる。とくに、地震時に損傷しやすい上部構造物の外周の本杭に対しては、上部構造物の外周側から地盤を掘削することにより容易に取り替えることができる。
【0013】
しかも、本発明では、杭頭部分にエネルギー吸収部材として鋼材を使用することにより、メンテナンス不要で安定した履歴を得ることができる。そのため、通常、制振ダンパーや免震ダンパーを使用する際に必要なメンテナンス用の地下空間、地下階が不要となり、上部構造物の建設コストの低減を図ることが可能となる。
【0014】
また、本発明に係る杭頭接合構造では、前記本杭の周囲を取り囲むように前記本杭と同軸に配置された外管杭が設けられ、前記エネルギー吸収部材は、前記外管杭の径方向外側に接続されていることを特徴としてもよい。
【0015】
本発明では、外管杭、エネルギー吸収部材、およびエネルギー吸収部材受けを一部またはすべて一体化した後に、本杭と同心軸上に設置することができ、施工性を高めることができる。また、地震時にエネルギー吸収部材から本杭に作用する押圧力による本杭の損傷を、外管杭によって防ぐことができる。
【0016】
また、本発明に係る杭頭接合構造では、前記エネルギー吸収部材は、前記基礎および前記外管杭、または前記基礎および前記本杭に対してボルト締結により接続されていることを特徴としてもよい。
【0017】
この場合には、外管杭とエネルギー吸収部材の接続、およびエネルギー吸収部材受けとエネルギー吸収部材の接続をボルト締結によって機械的に行うことができ、取り替え作業を効率的に行うことができる。
具体的には、杭頭接合構造を新設する際には、本杭に対してボルト締結する作業のみで施工することができる。また、既設の杭頭接合構造を補強する際には、例えば半割の鋼管を本杭の外側に配置し溶接することで外管杭を形成し、その外管杭にエネルギー吸収部材をボルトで取り付ける作業となり、容易に施工することができる。
【0018】
また、本発明に係る杭頭接合構造では、前記エネルギー吸収部材は、面内方向を鉛直方向に向けた平板状のプレート部材であることを特徴としてもよい。
【0019】
本発明によれば、エネルギー吸収部材を使用することで、プレート面方向を鉛直方向に向けた簡単な部材により杭頭接合構造を施工することができる。
また、本発明によれば、地盤の掘削範囲はプレートの幅に合わせればよいので、より小さくすることができる。
【0020】
また、本発明に係る杭頭接合構造では、前記エネルギー吸収部材は、前記プレート部材と、U字状に湾曲した湾曲部を有するU型部材と、を備え、前記U型部材は、前記湾曲部によって左右方向に湾曲するように配置されていることを特徴としてもよい。
【0021】
このような構成によれば、エネルギー吸収部材としてプレート部材に加えてU型部材を組みわせた構成となる。このようにエネルギー吸収部材の一部にU字状の湾曲面の変形を利用するU型部材を設けることで、上部構造物に働く慣性力に起因して杭頭部に作用するせん断力および曲げモーメントを効果的にU型部材で吸収することができる。
【0022】
また、本発明に係る杭頭接合構造では、前記エネルギー吸収部材は、前記プレート部材と、U字状に湾曲した湾曲部を有するU型部材と、を備え、前記U型部材は、前記湾曲部によって上下方向に湾曲するように配置されていることを特徴としてもよい。
【0023】
このような構成によれば、エネルギー吸収部材としてプレート部材に加えてU型部材を組みわせた構成となる。このようにエネルギー吸収部材の一部にU字状の湾曲面の変形を利用するU型部材を設けることで、上部構造物に働く慣性力に起因して杭頭部に作用するせん断力および曲げモーメントを効果的にU型部材で吸収することができる。
【0024】
また、本発明に係る杭頭接合構造では、前記プレート部材には、バーリング孔が形成されていることを特徴としてもよい。
【0025】
このような構成によれば、エネルギー吸収部材にバーリング加工が施されているので、大きく変形しても安定したせん断耐力を保持することが可能となるため、鋼材重量当たりのエネルギー吸収が大きくなり、効率よくせん断抵抗を発揮することができる。
【0026】
また、本発明に係る杭頭接合構造では、前記エネルギー吸収部材は、U字状に湾曲した湾曲部を有するU型部材であり、前記U型部材は、前記湾曲部によって左右方向に湾曲するように配置されていることを特徴としてもよい。
【0027】
このような構成によれば、エネルギー吸収部材をU型部材とすることで、U字状の湾曲面の変形を利用することで、上部構造物に働く慣性力に起因して杭頭部に作用するせん断力および曲げモーメントを効果的にU型部材で吸収することができる。
【0028】
また、本発明に係る杭頭接合構造では、前記エネルギー吸収部材は、U字状に湾曲した湾曲部を有するU型部材であり、前記U型部材は、前記湾曲部によって上下方向に湾曲するように配置されていることを特徴としてもよい。
【0029】
このような構成によれば、エネルギー吸収部材をU型部材とすることで、U字状の湾曲面の変形を利用することで、上部構造物に働く慣性力に起因して杭頭部に作用するせん断力および曲げモーメントを効果的にU型部材で吸収することができる。
【0030】
また、本発明に係る杭頭接合構造では、前記エネルギー吸収部材が付加する前記基礎と前記本杭との回転剛性は、前記基礎と前記本杭との接続部が付加する前記基礎と前記本杭との回転剛性以上であることを特徴としてもよい。
【0031】
このような構成によれば、地震時に基礎に作用する回転が基礎と本杭との接続部で許容されるので、その回転よる基礎の荷重がエネルギー吸収部材に流れやすくなる。これにより、力の伝達効率がより向上するので、より確実に本杭の断面を小さくすることが可能となり、施工にかかるコストを低減できる。
【0032】
また、本発明に係る杭頭接合構造では、前記外管杭と前記本杭との間には、充填材が充填されていることが好ましい。
【0033】
この場合には、本杭と外管杭の間にモルタルやコンクリート等の充填材が充填されているので、地震時においてエネルギー吸収部材から受ける押圧力によって外管杭が変形して損傷することを抑制できる。
【0034】
また、本発明に係る杭頭接合構造では、前記外管杭の径方向内側の管内周面、前記本杭の径方向外側の杭外周面、または前記管内周面及び前記杭外周面の両者に突起が設けられていることを特徴としてもよい。
【0035】
このような構成によれば、本杭と外管杭の間に充填されるモルタルやコンクリート等の充填材における外管杭あるいは本杭に対する付着強度を高めることができ、一体化することが可能となる。
【発明の効果】
【0036】
本発明の杭頭接合構造、既設構造物の耐震補強方法、及び既設構造物の杭頭接合部の補修方法によれば、杭頭部を半剛接合やピン接合とした場合に、低コストで本杭の軸力保持機能を担保し、上部構造物の傾斜や沈下および過大な変位を防ぐことができ、一度損傷した後には容易に取り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の第1実施形態による杭頭接合構造を示す縦断面図である。
図2図1に示すA-A線矢視図であって、杭頭接合構造を上方から見た平面図である。
図3】(a)、(b)は、変形例による平板エネルギー吸収部材の配置構成を示す図であって、図2に対応する図である。
図4】平板エネルギー吸収部材を示す図であって、(a)は側面図、(b)は(a)に示すB-B線断面図である。
図5】(a)~(c)は、変形例による平板エネルギー吸収部材を示す側面図である。
図6】第1実施形態による地震時における杭頭接合構造を示す縦断面図である。
図7】第2実施形態による杭頭接合構造を示す縦断面図である。
図8】第2実施形態による地震時における杭頭接合構造を示す縦断面図である。
図9】第3実施形態による杭頭接合構造を示す縦断面図である。
図10図9に示すC-C線矢視図であって、第3実施形態による杭頭接合構造を上方から見た平面図である。
図11】第3実施形態による地震時における杭頭接合構造を示す縦断面図である。
図12】第4実施形態による杭頭接合構造を示す縦断面図である。
図13】第4実施形態による地震時における杭頭接合構造を示す縦断面図である。
図14】第5実施形態による杭頭接合構造を示す縦断面図である。
図15図14に示すD-D線矢視図であって、第5実施形態による杭頭接合構造を上方から見た平面図である。
図16】第5実施形態による地震時における杭頭接合構造を示す縦断面図である。
図17】(a)、(b)は、第1変形例による杭頭接合構造の配置構成を示す平面図であって、図3に対応する図である。
図18】(a)、(b)は、第2変形例による杭頭接合構造の配置構成を示す平面図であって、図3に対応する図である。
図19】第3変形例による杭頭接合構造を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態による杭頭接合構造、既設構造物の耐震補強方法、及び既設構造物の杭頭接合部の補修方法について、図面に基づいて説明する。
【0039】
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態による杭頭接合構造1は、本杭2の杭頭部2Aを上部構造物(図示省略)の基礎3に接合するための接合構造である。本実施形態による基礎3と本杭2の接続部は、回転を一部許容する半剛接合により接合されている。
【0040】
杭頭接合構造1は、本杭2の径方向外側に本杭2と同軸に配置された円筒状の外管杭4と、外管杭4の径方向の外側に接続された複数(本実施形態では図2に示すように4枚)の平板エネルギー吸収部材5(エネルギー吸収部材)と、基礎3に定着され、平板エネルギー吸収部材5を基礎3に接続するリング状受け部材6(エネルギー吸収部材受け)と、を備えている。
【0041】
本杭2の構成材料は、例えば鋼材やコンクリートが挙げられる。具体的に本杭2としては、例えば鋼管杭、場所打ち鋼管コンクリート杭、外殻鋼管付きコンクリート杭(SC杭)、遠心プレストレスト鉄筋コンクリート杭(PRC杭)、プレテンション方式遠心力高強度プレストレスコンクリート杭(PHC杭)を採用することができる。本杭2は、全体が地中に埋設され、杭頭部2Aの内側にはコンクリートが充填されている。
【0042】
本杭2の外周面2bには、外管杭4によって囲まれる杭頭部2Aの領域に径方向の外側に凸となる本杭突起22が形成されている。本杭突起22の形状は、限定されることはなく、例えば部分的に設けられるものであってもよいし、周方向に延びる突条であってもよい。このような本杭突起22を設けることにより、本杭2と外管杭4の外鋼管41との間に充填されるコンクリート43(充填材)との付着強度を増大させることができる。
【0043】
杭頭部2Aの上端2aには、上開口を覆う杭頭キャップ21が外嵌されている。杭頭キャップ21は、鋼製で有頂筒状に形成され、杭頭部2Aの上端2aに上方から被せるようにして固定手段により装着されている。杭頭キャップ21の天面21aは、後述する杭受け盤31が接地される水平面を形成した接地面となっている。
【0044】
基礎3は、上部構造物の柱を下方から支持するコンクリート造のフーチングである。本実施形態では、下半部分が地中に埋設されている。基礎3の下面3aのうち杭頭部2Aの直上の位置には、本杭2と同軸に杭受け盤31が設けられている。杭受け盤31は、基礎3に埋設され、下面31aに杭頭部2Aに装着された杭頭キャップ21の天面21aに面接触する状態で設けられる。基礎3が受ける鉛直荷重は、杭受け盤31及び杭頭キャップ21を介して本杭2に伝達される。基礎3の下面3aには、受け部材6が埋設されている。
【0045】
リング状受け部材6は、図1及び図2に示すように、鋼製の部材からなるリング状に形成され、リング状受け部材6の下面6aを基礎3の下面3aと面一に配置して基礎3のコンクリートに埋設されて一体的に設けられている。リング状受け部材6の外径寸法及び内径寸法は、4つの平板エネルギー吸収部材5のすべての第1接続部5aが接続するように決められている。リング状受け部材6には、上方に向けて延びて基礎3のコンクリートに定着される複数の定着筋61が突合せ溶接やスタッド溶接により溶着されている。
【0046】
リング状受け部材6の下面6aには、平板エネルギー吸収部材5の一端(第1接続部5a)を接続する第1取付フランジ62が設けられている。第1取付フランジ62は、板状で長さ方向を水平方向に向けてリング状受け部材6に溶着されている。第1取付フランジ62には厚さ方向に貫通するボルト孔(図示省略)が形成されている。
【0047】
外管杭4は、本杭2より外径が大きく設定されている。外管杭4は、杭頭部2Aの周囲から取り囲む円筒形状の鋼管円筒状の外鋼管41と、外鋼管41と杭頭部2Aとの間に充填されるコンクリート43(充填材)と、を備えている。外管杭4は、例えば予め本杭2の所定位置に固着されている受け部材(図示省略)上に載置させることにより位置決めされ、杭頭部2Aの杭軸と同軸となるように杭頭部2Aに接合される。
【0048】
外鋼管41の内周面41aには、径方向の内側に凸となる外鋼管突起44が形成されている。外鋼管突起44の形状は、限定されることはなく、例えば部分的に設けられるものであってもよいし、周方向に延びる突条であってもよい。このような外鋼管突起44を設けることにより、本杭2と外管杭4の外鋼管41との間に充填されるコンクリート43との付着強度を増大させることができる。
【0049】
また、外鋼管41の外周面41bには、平板エネルギー吸収部材5の他端(第2接続部5b)を接続する第2取付フランジ45が設けられている。第2取付フランジ45は、板状で長さ方向を上下方向に向けて外鋼管41に溶着されている。第2取付フランジ45には厚さ方向に貫通するボルト孔(図示省略)が形成されている。
【0050】
外鋼管41の内側に充填される充填材は、本実施形態のようなコンクリート43に限定されず、モルタルや他の材料であってもよい。このように、本杭2と外管杭4との間にコンクリート43が充填されることで、平板エネルギー吸収部材5の押圧力により外管杭4の外鋼管41の損傷を防止できる。
【0051】
平板エネルギー吸収部材5は、面内方向で長手方向の中間部で折れた形状である。平板エネルギー吸収部材5は、普通の鋼材、あるいは低降伏点鋼のようなエネルギー吸収性能が大きな部材が採用される。平板エネルギー吸収部材5は、一端の第1接続部5aが基礎3に設けられるリング状受け部材6に第1取付フランジ62を介して接続され、他端の第2接続部5bが外管杭4に設けられる第2取付フランジ45を介して接続されている。第1接続部5aと第2接続部5bは、それぞれ第1取付フランジ62、第2取付フランジ45に対してボルト締結により固定されている。このように平板エネルギー吸収部材5がボルトで接続されるので、損傷時に取り替えやすい。
【0052】
4つの平板エネルギー吸収部材5は、図2に示すように、本杭2の周囲に周方向に一定の間隔(ここでは45度ピッチ)をあけて配置されている。平板エネルギー吸収部材5の設置数は、本杭2(外管杭4)の径寸法、基礎3から受ける回転剛性、平板エネルギー吸収部材5自体の材質、形状、厚さ寸法等の条件に応じて適宜変更することが可能である。例えば、図3(a)に示すように6つの平板エネルギー吸収部材5を周方向に所定間隔をあけて配置してもよく、あるいは図3(b)に示すように8つの平板エネルギー吸収部材5を周方向に所定間隔をあけて配置してもよい。
なお、図3(a)、(b)は、平板エネルギー吸収部材5と外管杭4との接続が溶接ではなく、外管杭4の外周面41bに設けられたスリット部材47に対して、平板エネルギー吸収部材5の第1接続部5aに設けられた断面T型の係止突片53が上下方向から差し込まれている。これにより平板エネルギー吸収部材5は横方向(左右方向)への移動が規制された状態で連結されている。
【0053】
平板エネルギー吸収部材5には、図4(a)、(b)に示すように、適宜な位置に厚さ方向に貫通する複数(ここでは2つ)のバーリング孔51が形成されている。バーリング孔51は、孔縁に板面から立ち上がるフランジ部51aを有する孔であり、大変形時においても安定したせん断耐力を保持することを可能とした形状となっている。
【0054】
なお、バーリング孔51の数量、配置、孔径等の構成は、設計により求められる平板エネルギー吸収部材5の剛性に応じて適宜設定することができる。例えば、図5(a)は1つのみのバーリング孔51が設けられケースであり、図5(b)は3つのバーリング孔51が設けられたケースであり、図5(c)はバーリング孔51が多数設けられたケースである。
【0055】
図6に示すように、平板エネルギー吸収部材5とリング状受け部材6との接続部の回転剛性は、平板エネルギー吸収部材5に荷重が流れやすいように、本杭2と基礎3との接続部が付加する基礎3と本杭2との回転剛性以上となるように設定されている。すなわち、リング状受け部材6には、ひげ筋などの定着筋61により完全固定とすることが好ましい。
【0056】
ここで、上述した構成の杭頭接合構造1の施工方法(杭頭接合方法)について、説明する。
先ず、図1に示すように、例えば回転圧入工法により地盤に本杭2を打設する。このとき杭頭部2Aは、地中になる位置とする。
次に、本杭2の径方向外側に本杭2と同軸に円筒状の外管杭4を配置する。具体的には、地盤中に打設した本杭2の杭頭部2Aの周囲の地盤を掘削して施工スペースを確保する。本杭2の上端2aには、杭頭キャップ21を外嵌させる。
【0057】
続いて、外管杭4の外鋼管41を杭頭部2Aの径方向の外側に被せるようにして配置する。なお、外鋼管41の外周面41bには予め第2取付フランジ45が溶着されている。
【0058】
次に、本杭2の上方に基礎3を設ける。基礎3は、所定領域に型枠を設け、基礎3の下面3aに杭受け盤31とリング状受け部材6を配置してから型枠内にコンクリートを打設する。このとき、杭受け盤31の下面31aは本杭2の上端2aに設けた杭頭キャップ21の天面21aに対して接地した状態となる。なお、リング状受け部材6の下面6aには予め第1取付フランジ62を溶着しておく。
【0059】
次に、外管杭4の第2取付フランジ45とリング状受け部材6の第1取付フランジ62とを平板エネルギー吸収部材5でボルト締結により接続する。なお、基礎3の型枠内のコンクリート打設は、外管杭4の第2取付フランジ45とリング状受け部材6の第1取付フランジ62とを平板エネルギー吸収部材5でボルト締結した後に実施してもよい。
また、外管杭4、平板エネルギー吸収部材5及びリング状受け部材6は予め工場で組み立て、現場に持ち込んでもよいし、杭頭部2Aに設置する前に現場で組み立ててもよい。そして、外鋼管41と杭頭部2Aとの間の隙間からコンクリート流出しないようせき止め処理を設置した後、外鋼管41と杭頭部2Aとの間にコンクリート43を充填して硬化させる。その後、杭頭部2Aの周囲で掘削した領域を土砂で埋め戻す。これにより、杭頭接合構造1の施工が完了となる。
さらに、基礎3の上方には上部構造物を施工する。
【0060】
次に、上述した杭頭接合構造、既設構造物の耐震補強方法、及び既設構造物の杭頭接合部の補修方法の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態による杭頭接合構造1では、図6に示すように、地震が発生した際には、本実施形態のように半剛接合の場合において本杭2と基礎3との接続部の回転(図6の符号F)が一部許容される。そして、上部構造物に働く慣性力に起因して杭頭部2Aに作用するせん断力および曲げモーメントは、平板エネルギー吸収部材5がせん断変形することでその大部分が吸収されるため、エネルギー吸収量を大きくすることが可能となり、一部のみが本杭2によって負担される。したがって、本杭2は断面を小さくすることが可能となり、施工にかかるコストを低減できる。
【0061】
また、本実施形態では、本杭2は上部構造物に働く慣性力に起因して杭頭部分に作用するせん断力および曲げモーメントによる損傷を受けることがないため、軸力保持機能を担保することができる。そのため、上部構造物の傾斜や沈下を発生させず、過大な変位の発生を防ぐことができることから、大地震後においても安定的に上部構造物を支持することができる。
【0062】
また、本実施形態では、従来のようなエネルギー吸収部材を本杭2や基礎3の内部に設ける構造ではなく、平板エネルギー吸収部材5を本杭2の外方に設けることで、一度損傷した平板エネルギー吸収部材5の交換作業を容易に行うことができる。
したがって、損傷した平板エネルギー吸収部材5を新たなものに取り替えることで、新たな地震に備えることができる。とくに、地震時に損傷しやすい上部構造物の外周の本杭2に対しては、上部構造物の外周側から地盤を掘削することにより容易に取り替えることができる。
【0063】
しかも、本実施形態では、杭頭部分に平板エネルギー吸収部材5として鋼材を使用することにより、メンテナンス不要で安定した履歴を得ることができる。そのため、通常、制振ダンパーや免震ダンパーを使用する際に必要なメンテナンス用の地下空間、地下階が不要となり、上部構造物の建設コストの低減を図ることが可能となる。
【0064】
また、本実施形態では、外管杭4と平板エネルギー吸収部材5の接続、およびリング状受け部材6と平板エネルギー吸収部材5の接続をボルト締結によって機械的に行うことができ、取り替え作業を効率的に行うことができる。
具体的には、杭頭接合構造1を新設する際には、本杭2の上方から外管杭4を被せた後にボルト締結する作業のみで施工することができる。また、既設の杭頭接合構造1を補強する際には、例えば半割の鋼管を本杭2の外側に配置し溶接することで外管杭4を形成し、その外管杭4に平板エネルギー吸収部材5をボルトで取り付ける作業となり、容易に施工することができる。
【0065】
また、本実施形態では、平板エネルギー吸収部材5を使用することで、プレート面方向を鉛直方向に向けた簡単な部材により杭頭接合構造1を施工することができる。
【0066】
さらに、本実施形態による杭頭接合構造1の場合には、平板エネルギー吸収部材5にバーリング加工により施されたバーリング孔51が形成されているので、鋼材重量当たりのエネルギー吸収が大きくなり、効率よくせん断抵抗を発揮することができる。
【0067】
また、本実施形態では、基礎3と平板エネルギー吸収部材5との接続部の回転剛性は、基礎3と本杭2との接続部が付加する基礎3と本杭2との回転剛性以上となるように設定されているので、地震時に基礎3に作用する回転が基礎3と本杭2との接続部で完全に許容され、その回転よる基礎3の荷重が平板エネルギー吸収部材5に流れやすくなる。これにより、力の伝達効率がより向上するので、より確実に本杭2の断面を小さくすることが可能となり、施工にかかるコストを低減できる。
【0068】
さらに、本実施形態では、本杭2と外管杭4の間にコンクリート43が充填されているので、地震時において平板エネルギー吸収部材5から受ける押圧力によって外管杭4が変形して損傷することを抑制できる。
【0069】
さらにまた、本実施形態では、外管杭4の径方向の内側の管内周面、及び本杭2の径方向外側の杭外周面の両者に突起が設けられているので、本杭2と外管杭4の間に充填されるコンクリート43における外管杭4あるいは本杭2に対する付着強度を高めることができ、一体化することが可能となる。
【0070】
上述した本実施形態による杭頭接合構造、既設構造物の耐震補強方法、及び既設構造物の杭頭接合部の補修方法では、杭頭部2Aを半剛接合とした場合において、低コストで本杭2の軸力保持機能を担保し、上部構造物の傾斜や沈下および過大な変位を防ぐことができ、一度損傷した後には容易に取り替えることができる。
【0071】
次に、本発明の杭頭接合構造、既設構造物の耐震補強方法、及び既設構造物の杭頭接合部の補修方法の他の実施形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の実施形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、実施形態と異なる構成について説明する。
【0072】
(第2実施形態)
図7に示すように、第2実施形態による杭頭接合構造1Aは、回転を完全に許容するピン接合により接合された構造となっている。第2実施形態の杭頭接合構造1Aでは、本杭2、外管杭4、平板エネルギー吸収部材5、リング状受け部材6の構成については、上述した第1実施形態と同様の構成である。
【0073】
本杭2の上端2aには、上向きに凸となる球面状の凸曲面23aが形成された第2杭頭キャップ23が外嵌されている。基礎3には、第2杭頭キャップ23の凸曲面23aに摺動可能な第2杭受け盤33が埋設されている。第2受け盤33の下面には、凸曲面23aと同等の曲面を有する凹曲面33aが形成されている。第2杭頭キャップ23と第2受け盤33とは、凸曲面23aと凹曲面33aが面接触した状態で設けられ、接触面に沿って摺動可能となっている。そのため、本杭2と基礎3とは、凸曲面23aと凹曲面33aとの接触部を中心にして円滑に回転可能で、基礎3の鉛直方向の荷重が本杭2に伝達されるピン接合による支持構造となっている。
【0074】
第2実施形態による杭頭接合構造1Aでは、図8に示すように、地震が発生した際には、ピン接合であるので、本杭2と基礎3との接続部の回転(図8の符号F)が完全に許容される。そして、上部構造物に働く慣性力に起因して杭頭部2Aに作用するせん断力および曲げモーメントは、平板エネルギー吸収部材5がせん断変形することでその大部分が吸収され、一部のみが本杭2によって負担される。したがって、本杭2は断面を小さくすることが可能となり、施工にかかるコストを低減できる。
【0075】
また、第2実施形態では、本杭2は上部構造物に働く慣性力に起因して杭頭部分に作用するせん断力および曲げモーメントによる損傷を受けることがないため、軸力保持機能を担保することができる。そのため、上部構造物の傾斜や沈下を発生させず、過大な変位の発生を防ぐことができることから、大地震後においても安定的に上部構造物を支持することができる。
【0076】
さらに、第2実施形態では、従来のようなエネルギー吸収部材を本杭2や基礎3の内部に設ける構造ではなく、平板エネルギー吸収部材5を本杭2の外方に設けることで、一度損傷した平板エネルギー吸収部材5の交換作業を容易に行うことができる。したがって、損傷した平板エネルギー吸収部材5を新たなものに取り替えることで、新たな地震に備えることができる。とくに、地震時に損傷しやすい上部構造物の外周の本杭2に対しては、上部構造物の外周側から地盤を掘削することにより容易に取り替えることができる。
【0077】
(第3実施形態)
次に、図9及び図10に示す第3実施形態による杭頭接合構造1Bは、上述した第1実施形態において平板エネルギー吸収部材5(図1参照)に代えて第1U型エネルギー吸収部材7(エネルギー吸収部材、U型部材)を設けた構成のものである。
【0078】
第1U型エネルギー吸収部材7は、中間部にU字状に湾曲する湾曲部71を有する板状部材である。第1U型エネルギー吸収部材7は、湾曲部71が両端(後述する第1板面72の端部72a、第2板面73の端部73a)よりも径方向の外側に位置するように配置されている。湾曲部71を挟んだ一方の第1板面72は、基礎3の下面3aに対向させて配置され、基礎3に埋設されているリング状受け部材6にボルト締結により固定されている。他方の第2板面73は、外管杭4の外周面41bから径方向の外側に突出する第2取付けフランジ46上に載置させた状態でボルト締結により固定されている。第2取付けフランジ46は、フランジ面が基礎3の下面3aを向くように配置されている。
第1U型エネルギー吸収部材7は、図10に示すように、周方向に一定間隔(ここでは45度ピッチの間隔)をあけて4つ配置されている。
【0079】
このような構成によれば、図11に示すように、エネルギー吸収部材を第1U型エネルギー吸収部材7とすることで、U字状の湾曲部71の変形を利用することで、上部構造物に働く慣性力に起因して杭頭部2Aに作用するせん断力および曲げモーメントを効果的に第1U型エネルギー吸収部材7で吸収することができる。
しかも、第1U型エネルギー吸収部材7の場合には、U字状の湾曲部71による変形量を大きく取れるので、第1U型エネルギー吸収部材7自体の損傷も小さく抑えることが可能となる。
【0080】
(第4実施形態)
次に、図12に示す第4実施形態による杭頭接合構造1Cは、上述した第3実施形態の杭頭接合構造1B(図9参照)において、回転を完全に許容するピン接合により接合された構造となっている。第4実施形態の杭頭接合構造1Cでは、本杭2、外管杭4、第1U型エネルギー吸収部材7、リング状受け部材6の構成については、上述した第1実施形態と同様の構成である。
【0081】
本杭2の上端2aには、上向きに凸となる球面状の凸曲面23aが形成された第2杭頭キャップ23が外嵌されている。基礎3には、第2杭頭キャップ23の凸曲面23aに摺動可能な第2杭受け盤33が埋設されている。第2受け盤33の下面には、凸曲面23aと同等の曲面を有する凹曲面33aが形成されている。第2杭頭キャップ23と第2受け盤33とは、凸曲面23aと凹曲面33aが面接触した状態で設けられ、接触面に沿って摺動可能となっている。そのため、本杭2と基礎3とは、凸曲面23aと凹曲面33aとの接触部を中心にして円滑に回転可能で、基礎3の鉛直方向の荷重が本杭2に伝達されるピン接合による支持構造となっている。
【0082】
第4実施形態による杭頭接合構造1Cでは、図13に示すように、地震が発生した際には、ピン接合であるので、本杭2と基礎3との接続部の回転Fが完全に許容される。そして、上部構造物に働く慣性力に起因して杭頭部2Aに作用するせん断力および曲げモーメントは、第1U型エネルギー吸収部材7がせん断変形することでその大部分が吸収され、一部のみが本杭2によって負担される。したがって、本杭2は断面を小さくすることが可能となり、施工にかかるコストを低減できる。
【0083】
また、第4実施形態では、本杭2は上部構造物に働く慣性力に起因して杭頭部分に作用するせん断力および曲げモーメントによる損傷を受けることがないため、軸力保持機能を担保することができる。そのため、上部構造物の傾斜や沈下を発生させず、過大な変位の発生を防ぐことができることから、大地震後においても安定的に上部構造物を支持することができる。
【0084】
さらに、第4実施形態では、従来のようになエネルギー吸収部材を本杭2や基礎3の内部に設ける構造ではなく、平板エネルギー吸収部材5を本杭2の外方に設けることで、一度損傷した第1U型エネルギー吸収部材7の交換作業を容易に行うことができる。したがって、損傷した第1U型エネルギー吸収部材7を新たなものに取り替えることで、新たな地震に備えることができる。とくに、地震時に損傷しやすい上部構造物の外周の本杭2に対しては、上部構造物の外周側から地盤を掘削することにより容易に取り替えることができる。
【0085】
(第5実施形態)
次に、図14に示す第5実施形態による杭頭接合構造1Dは、上述した第3実施形態による第1U型エネルギー吸収部材7の取り付け向きを代えた第2U型エネルギー吸収部材7A(エネルギー吸収部材)を使用した構成である。
第2U型エネルギー吸収部材7Aは、湾曲部71を上側に向け、第1板面72の端部72a及び第2板面73の端部73aを下側に向けて配置されている。湾曲部71を挟んだ一方の第1板面72と他方の第2板面73は、それぞれ径方向に直交する方向に向けて配置される。第1板面72は、基礎3に埋設されているリング状受け部材6の下面6aから下方に延びる板状の支持ブラケット63にボルト締結により固定されている。第2板面73は、外管杭4の外周面41bに対してボルト締結により固定されている。支持ブラケット63の板面63aは、第1板面72に対して面同士が平行となるように配置されている。
【0086】
第2U型エネルギー吸収部材7は、図15に示すように、周方向に一定間隔(ここでは45度ピッチの間隔)をあけて4つ配置されている。
【0087】
図16に示すように、第5実施形態では、エネルギー吸収部材を第2U型エネルギー吸収部材7Aとすることで、U字状の湾曲面の変形を利用することで、上部構造物に働く慣性力に起因して杭頭部2Aに作用するせん断力および曲げモーメントを効果的に第2U型エネルギー吸収部材7Aで吸収することができる。
しかも、第2U型エネルギー吸収部材7Aの場合には、U字状の湾曲面による変形量を大きく取れるので、第2U型エネルギー吸収部材7A自体の損傷も小さく抑えることが可能となる。
【0088】
以上、本発明による杭頭接合構造、既設構造物の耐震補強方法、及び既設構造物の杭頭接合部の補修方法の実施形態について説明したが、本発明は前記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0089】
例えば、図17(a)、(b)に示す第1変形例のように、1本の本杭2に対して、上述した実施形態で記載した平板エネルギー吸収部材5と第1U型エネルギー吸収部材7を組み合わせた構成あってもかまわない。また、平板エネルギー吸収部材5と第1U型エネルギー吸収部材7を周方向に交互に配置することに限定されることもない。
【0090】
また、上述した実施形態では、周方向に延在するリング状のリング状受け部材6をエネルギー吸収部材の接続部として基礎3に埋設した構成としているが、リング状であることに限定されることない。例えば、図18(a)、(b)に示すように、受け部材6A(エネルギー吸収部材受け)は、周方向に分割されていてもよい。つまり、エネルギー吸収部材(平板エネルギー吸収部材5)毎に個別に受け部材6Aが設けられるような構成とすることも可能である。
【0091】
また、本実施形態では、外管杭4と本杭2の杭頭部2Aとの間にコンクリート43が充填された構成としているが、溶融鉛、樹脂等の充填可能な材料としてもよく、このコンクリート43等の充填材を省略することも可能である。
【0092】
さらに、本実施形態では、平板エネルギー吸収部材5にバーリング孔51を1又は複数設けた構成としているが、バーリング孔51は省略してもよい。すなわち、バーリング孔51を有さない平板エネルギー吸収部材5であってもかまわない。
【0093】
さらにまた、本実施形態では、エネルギー吸収部材5、7、7Aがボルト締結により外管杭4やエネルギー吸収部材受けに接続した構成としているが、接続手段としてボルト締結に限定されることはなく、溶接など他の方法により接続されていてもよい。
【0094】
また、図19に示す第3変形例における杭頭接合構造1Eは、上述した実施形態の外管杭4(図1など参照)を省略して、本杭2の杭頭部2Aに対して直接、平板エネルギー吸収部材5を接続した構成となっている。すなわち、第3変形例では、平板エネルギー吸収部材5の一端の第1接続部5aがリング状受け部材6を介して基礎3に接続され、他端の第2接続部5bが本杭2の外周面2bに接続された接続プレート24を介してボルト締結により接続されている。この場合には、外管杭を設けることによるコストや作業にかかる手間を低減することができる。
このように、平板エネルギー吸収部材5を外管杭を介在させることなく直接、本杭2に接続する構成であっても、外管杭を設ける場合と同様に、杭頭部2Aを半剛接合とした場合において、低コストで本杭2の軸力保持機能を担保し、上部構造物の傾斜や沈下および過大な変位を防ぐことができ、一度損傷した後には容易に取り替えることができる利点がある。
【0095】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0096】
1、1A、1B、1C、1D、1E 杭頭接合構造
2 本杭
2A 杭頭部
3 基礎
4 外管杭
5 平板エネルギー吸収部材(エネルギー吸収部材)
6 リング状受け部材(エネルギー吸収受け部材)
6A 受け部材(エネルギー吸収受け部材)
7 第1U型エネルギー吸収部材(エネルギー吸収部材、U型部材)
7A 第2U型エネルギー吸収部材(エネルギー吸収部材、U型部材)
21、23 杭頭キャップ
22 本杭突起
31、33 杭受け盤
41 外鋼管
43 コンクリート(充填材)
44 外鋼管突起
45 第2取付フランジ
51 バーリング孔
61 定着筋
62 第1取付フランジ
図1
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