(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】計量ポンプ
(51)【国際特許分類】
F04B 13/00 20060101AFI20240410BHJP
F04B 53/02 20060101ALI20240410BHJP
F04B 53/14 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
F04B13/00 A
F04B53/02
F04B53/14 A
(21)【出願番号】P 2019217992
(22)【出願日】2019-12-02
【審査請求日】2022-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】519244588
【氏名又は名称】リップラップ カンパニー ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】RIPRUP Company S.A.
【住所又は居所原語表記】37, Le Pollet St. Peter Port GY1 Guernsey Channel Islands
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(72)【発明者】
【氏名】ドクター ビッセン モニーク
(72)【発明者】
【氏名】シュッカー ヨーゼフ
【審査官】田谷 宗隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-254671(JP,A)
【文献】国際公開第2013/089147(WO,A1)
【文献】特表2007-536464(JP,A)
【文献】特開昭55-040218(JP,A)
【文献】特開2007-162709(JP,A)
【文献】特開2005-054699(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 13/00
F04B 53/02
F04B 53/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位部および遠位部を有するチェンバと、
前記チェンバに収容され、前記チェンバ内で可動であるピストンと、
前記ピストンを前記チェンバ内で近位死点から遠位死点へと往復駆動する駆動部であって、前記遠位死点は、前記チェンバの前記遠位部に位置し、前記近位死点は、前記チェンバの前記近位部に位置する、駆動部と、
前記チェンバの前記遠位部に隣接して位置するアウトレットバルブであって、前記アウトレットバルブは、前記ピストンが遠位方向に移動する場合、前記チェンバからの流体流を許可し、前記ピストンが近位方向に移動する場合、前記チェンバ内への流体流を阻止する、アウトレットバルブと、
前記チェンバの前記遠位部に位置する封止材であって、前記封止材は、前記ピストンが
当該封止材に接触する封止位置に位置した場合、
当該封止位置において前記チェンバを封止する、封止材と、
インレットバルブであって、前記インレットバルブは、前記ピストンが近位方向に移動する場合、前記チェンバ内への流体流を許可し、前記ピストンが遠位方向に移動する場合、前記チェンバ外への流体流を阻止する、インレットバルブと、
を備え
、
前記チェンバにおいて、前記インレットバルブが前記封止位置よりも近位側の位置に接続され、前記アウトレットバルブが前記封止位置よりも遠位側の位置に接続されている、計量ポンプ。
【請求項2】
前記インレットバルブは、注入開口部と、
前記チェンバに接続された注出開口部とを備え、
当該注入開口部が流体源に流体連通され、
前記流体源内の圧力が前記計量ポンプの設置環境における圧力と等しく、
前記インレットバルブは、前記注出開口部における圧力が前記注入開口部における圧力未満であ
り且つ前記注入開口部における圧力が前記計量ポンプの
前記設置環境における圧力以下である場合、前記注入開口部から前記注出開口部への流体流を許可する、請求項1に記載の計量ポンプ。
【請求項3】
前記インレットバルブと前記チェンバとに接続されるインレットチャネル
をさらに備え、前記インレットチャネルは前記封止材に
並設される、請求項1または2に記載の計量ポンプ。
【請求項4】
前記駆動部は、
ステッピングモータ、
リニア駆動部、
ソレノイド、
サーボ駆動部、
リニアモータ、
のうちの少なくとも1つを備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の計量ポンプ。
【請求項5】
第1サブ制御部をさらに備え、
前記第1サブ制御部は、
分注される流体の設定量を示すコマンドを受け付け、
計量ポンプが設定量の流体を分注した場合、設定量の流体が分注され前記ピストンが前記封止材
に接触する前記封止位置に位置するように往復動行程の設定数値を算出し、
前記駆動部が前記ピストンを
前記設定数値の往復動行程だけ往復動させるように前記駆動部を制御し、
前記ピストンが
前記設定数値の往復動行程だけ往復動した場合、前記ピストンを前記封止
位置に位置決めするように構成される、請求項1~4のいずれか1項に記載の計量ポンプ。
【請求項6】
第2サブ制御部をさらに備え、
前記第2サブ制御部は、
分注される流体量を示すコマンドを受け付け、
前記計量ポンプが設定量の流体を分注した場合、設定量の流体が分注され前記ピストンが前記封止材に位置するように前記ピストンのピストン移動分を算出し、
前記駆動部が前記ピストンを近位方向と遠位方向に設定ピストン移動分だけ往復動させるように前記駆動部を制御し、
前記ピストンが
前記設定ピストン移動分および設定数値の往復動行程だけ往復動した場合、前記ピストンを前記封止材
に接触する前記封止位置に位置決めするように構成される、請求項1~5のいずれか1項に記載の計量ポンプ。
【請求項7】
前記第1サブ制御部と第2サブ制御部とを備える制御部をさらに備え、
前記制御部は、
分注される流体量を示すコマンドを受け付け、
前記計量ポンプが設定量の流体を分注した場合、設定量の流体が分注され前記ピストンが前記封止
位置に位置するように、往復動行程の設定数値および前記ピストンの設定ピストン移動分を算出し、
前記駆動部が前記ピストンを近位方向と遠位方向に
前記設定ピストン移動分および
前記設定数値の往復動行程だけ往復動させるように前記駆動部を制御し、
前記ピストンが前記設定ピストン移動分および前記設定数値の往復動行程だけ往復動した場合、
前記ピストンを前記封止材
に接触する前記封止位置に位置決めするように構成される、請求項5に記載の計量ポンプ。
【請求項8】
前記制御部は、
前記駆動
部が前記ピストンを、第1行程の間、第1ピストン移動分だけ往復動させ、
前記駆動
部が前記ピストンを、第2行程の間、第2ピストン移動分だけ往復動させ、
前記第1行程と前記第2行程とによって、前記設定量の流体が分注されるように前記駆動部を制御するように構成されるのであって、前記第2ピストン移動分は、前記第1ピストン移動分よりも短い、請求項7に記載の計量ポンプ。
【請求項9】
少なくとも1つの前記インレットバルブおよび前記アウトレットバルブはチェックバルブである、請求項1~8のいずれか1項に記載の計量ポンプ。
【請求項10】
前記チェンバの前記遠位部と、当該遠位部に隣接して位置する前記アウトレットバルブの注入開口部との間の、前記チェンバにおけるクリアランス量は、ピストン変位の5%未満である、請求項1~8のいずれか1項に記載の計量ポンプ。
【請求項11】
最大ピストン変位で単一の行程により計量される量は、
5μL~0.02mL、
4μL~0.04mL、
2μL~0.1mL、
のうちの1つの範囲内にある、請求項1~10のいずれか1項に記載の計量ポンプ。
【請求項12】
制御部は、前記ピストンの単一の行程が、
2μL~5μL、
1μL~3μL、
1μL~5μL、
のうちの1つの範囲の量を計量するように、最小ピストン移動分を制御するように構成される、請求項7~11のいずれか1項に記載の計量ポンプ。
【請求項13】
前記計量ポンプは、前記チェンバを有し且つ前記封止材を収容する本体部を備え、
前記アウトレットバルブは、前記本体部に収容されるバルブシートと、前記バルブシートに関して可動であるバルブ部材とを備え、
前記アウトレットバルブの前記バルブ部材がその閉止位置にある場合、前記ピストンは、その遠位位置で前記アウトレットバルブの前記バルブ部材に接触する、請求項1~12のいずれか1項に記載の計量ポンプ。
【請求項14】
前記計量ポンプは、前記チェンバを有し且つ前記封止材を収容する本体部を備え、
前記アウトレットバルブは、前記計量ポンプの前記本体部に収容されるバルブシートと、前記バルブシートに関して可動であるバルブ部材とを備え、
前記アウトレットバルブの前記
バルブシートと、前記チェンバの前記遠位部に位置する前記封止材は、一体的に形成される、請求項1~13のいずれか1項に記載の計量ポンプ。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の前記計量ポンプと、
前記インレットバルブの注入開口部と結合される流体容器と、を備え、
前記流体容器は、前記計量ポンプにより計量されるべき流体が充填され、
前記流体容器内の圧力は、前記計量ポンプの環境における圧力と一致する、計量システム。
【請求項16】
流体容器は、前記流体容器の環境と流体連通するベント開口部をさらに備え、
前記流体容器の環境における圧力は、前記計量ポンプの環境における圧力と一致する、
請求項15に記載の計量システム。
【請求項17】
計量すべき
前記流体は液体である、請求項15または16に記載の計量システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を供給源から汲み取ることができ、少量の流体をシンクに分注することができる計量ポンプに関する。計量ポンプは、数マイクロリットルから約100μLの範囲の所定量の流体を分注してよい。
【背景技術】
【0002】
先行技術において、ピストンポンプが当業者に知られている。ピストンポンプは、流体を供給源から汲み取り、流体をシンクに通すことができる。ピストンポンプのインレットにおいて、インレットチェックバルブは、ピストンが往復動するチェンバと接続される。チェンバのアウトレットには、アウトレットチェックバルブが設けられる。
【0003】
先行技術のピストンポンプは、アウトレットバルブにおける真空が流体を供給源から汲み取るという不利な点を有する。このため、ピストンポンプにより分注される流体量を精確に決定することができない。
【0004】
また、先行技術のピストンポンプは、大きなクリアランス量を有しており、インレットチェックバルブと供給源との間に接続される導管をブリードすることができない。
【0005】
さらに、投与システムが先行技術において知られている。これらの投与システムは、流体を分注する開口部を開口させるプッシャを備える。設定量の流体が分注されるとすぐ、開口部はプッシャにより閉止される。これらのシステムは、加圧された供給源、または流体源とプッシャとの間にポンプを必要とする。加圧された供給源または追加のポンプは計量システムの複雑さおよびボリュームを増加させるため、これらのシステムは望ましくない。
【0006】
開口部を閉止させるプッシャを備える投与システムは、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3および特許文献4において知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際特許出願公開第1988/003052A1号公報
【文献】欧州特許出願公開第1674163A2号公報
【文献】欧州特許出願公開第1721681A2号公報
【文献】欧州特許出願公開第1802191A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、供給源から汲み取られる所定量の流体を再現可能に分注可能な計量ポンプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の課題は、請求項1に記載の計量ポンプおよび請求項15に記載の計量システムにより達成される。従属請求項は、本発明の実施形態に関する。
【0010】
本発明は、近位部および遠位部を有するチェンバと、チェンバに収容され、近位部から遠位部およびその逆に可動であるピストンとを備える計量ポンプを開示する。計量ポンプは、ピストンをチェンバ内で近位死点から遠位死点へと往復駆動する、駆動部をさらに備える。遠位死点は、チェンバの遠位部に位置する。近位死点は、チェンバの近位部に位置する。アウトレットバルブは、チェンバの遠位部に隣接して位置する。アウトレットバルブは、チェンバに対向して位置してよい。アウトレットバルブは、ピストンが遠位方向に移動する場合、チェンバからの流体流を許可し、ピストンが近位方向に移動する場合、チェンバ内への流体流を阻止する。
【0011】
計量ポンプは、チェンバの遠位部に位置する封止材であって、遠位部に位置する封止材は、ピストンが遠位部に位置する場合、チェンバを封止する、封止材をさらに備える。計量ポンプは、インレットバルブであって、インレットバルブは、ピストンが近位方向に移動する場合、チェンバ内への流体流を許可し、ピストンが遠位方向に移動する場合、チェンバ外への流体流を阻止する、インレットバルブをさらに備える。ピストンは、その遠位死点位置において、遠位部に位置する封止材に接触してよい。
【0012】
ピストンは、その遠位死点において、遠位部に位置する封止材と弾性的に係合してよい。特に、ピストンは、その遠位死点において、遠位部に位置する封止材を弾性的に圧縮してよい。
【0013】
計量ポンプは、流体、例えば供給源からの液体を汲み取ることができ、供給源とインレットバルブとの間に接続される導管をそれぞれブリードおよびベントできるという有利な点を有する。さらに、アウトレットバルブと接続される導管の真空が、流体をチェンバおよび供給源から汲み取ることはない。
【0014】
インレットバルブは、注入開口部と、注出開口部とを備えてよい。インレットバルブは、注出開口部における圧力が注入開口部における圧力未満である場合および注入開口部における圧力が計量ポンプの環境における圧力以下である場合、注入開口部から注出開口部への流体流を許可する。
【0015】
計量ポンプは、加圧された供給源、または供給源とインレットバルブの注入開口部との間にポンプを必要としない。これにより、計量ポンプの複雑さを低減することができる。
【0016】
計量ポンプのインレットチャネルは、インレットバルブとチェンバとに接続されてよく、インレットチャネルはチェンバの遠位部に位置する封止材に併設される。これにより、小さなクリアランス量が達成され、ポンプは、インレット導管および供給源とインレットバルブとの間に接続される導管を、素早くそして確実に、それぞれブリードおよびベントできる。
【0017】
駆動部は、チェンバの近位部に隣接して設けられてよい。駆動部は、ステッピングモーター、リニア駆動部、ソレノイド、サーボ駆動部またはリニアモータなどを備えてよい。これにより、ピストンを任意に位置決めすることができる。さらに、ピストン移動分を任意に適合することができる。
【0018】
計量ポンプは、第1サブ制御部を備えてよい。第1サブ制御部は、計量ポンプにより分注される流体の設定量を示すコマンドを受け付けるように構成される。第1サブ制御部は、計量ポンプが設定量の流体を分注した場合、計量ポンプにより設定量の流体が分注されピストンがチェンバの遠位部に位置する封止材および/または封止材内に位置するように往復動行程の設定数値を算出するようにさらに構成される。第1サブ制御部は、駆動部がピストンを設定数値の往復動行程だけ往復動させるように駆動部を制御するようにさらに構成される。第1サブ制御部はまた、ピストンが設定数値の往復動行程だけ往復動した場合、ピストンをチェンバの遠位部に位置する封止材および/または封止材内に位置決めするように構成される。特に、第1サブ制御部はまた、ピストンが設定数値の往復動行程だけ往復動した場合、ピストンの遠位端を封止材および/または封止材内に位置決めするように構成される。この実施形態において、制御部は、ピストンが最大ピストン行程だけ往復動するように駆動部を制御してよい。
【0019】
流体の分注後にピストンがチェンバの遠位部に位置する封止材および/または封止材内に位置するため、アウトレットバルブと接続される導管の真空が、流体をチェンバおよび/または供給源から汲み取ることはない。これにより、設定量の流体を確実に分注することができる。
【0020】
計量ポンプは、第2サブ制御部をさらに備えてよい。第2サブ制御部は、分注される流体量を示すコマンドを受け付けるように構成される。第2サブ制御部は、計量ポンプが設定量の流体を分注した場合、設定量の流体が分注されピストンがチェンバの遠位部に位置する封止材および/または封止材内に位置するようにピストンのピストン移動分を算出するように構成される。第2サブ制御部は、駆動部がピストンを近位方向と遠位方向に設定ピストン移動分だけ往復動させるように駆動部を制御するようにさらに構成される。第2サブ制御部はまた、ピストンが設定ピストン移動分および設定数値の往復動行程だけ往復動した場合、ピストンをチェンバの遠位部に位置する封止材および/または封止材内に位置決めするように構成される。特に、第2サブ制御部はまた、ピストンが設定ピストン移動分および設定数値の往復動行程だけ往復動した場合、ピストンの遠位端をチェンバの遠位部に位置する封止材および/または封止材内に位置決めするように構成される。この実施形態において、制御部は、ピストンが最大ピストン行程未満だけ往復動するように駆動部を制御してよい。
【0021】
本発明の有利な点は、ピストン移動分を、ピストンの往復動後にピストンがチェンバの遠位部に位置する封止材および/または封止材内に位置するように適合できることである。これにより、所定量の流体の分注後、ピストン移動量未満の量を、計量ポンプにより、ピストンの封止されている位置を犠牲にすることなく分注できる。分注すべき流体量とは無関係に、ピストンは、チェンバの遠位部に位置する封止材および/または封止材に接触して位置決めされてよい。最大ピストン行程またはピストン移動量未満の流体量が分注される場合、ピストンは、チェンバの遠位部に位置する封止材および/または封止材内に再び位置決めされる。
【0022】
1つの実施形態において、制御部は、第1サブ制御部と第2サブ制御部とを備えてよい。制御部は、分注される流体量を示すコマンドを受け付けるように構成される。制御部は、計量ポンプが設定量の流体を分注した場合、設定量の流体が分注されピストンがチェンバの遠位部に位置する封止材および/または封止材内に位置するように往復動行程の設定数値およびピストンの設定ピストン移動分を算出するようにさらに構成される。制御部は、駆動部がピストンを近位方向と遠位方向に設定ピストン移動分および設定数値の往復動行程だけ往復動させるように駆動部を制御するように構成される。制御部は、ピストンが設定ピストン移動分および設定数値の往復動行程だけ往復動した場合、ピストンをチェンバの遠位部に位置する封止材および/または封止材に接触して位置決めするようにさらに構成される。
【0023】
この実施形態において、制御部は、複数の行程による設定量の流体の分注後、ピストンがチェンバの遠位部に位置する封止材および/もしくは封止材内に位置するか、またはチェンバの遠位部に位置する封止材に(接触して)位置することを確実にするために、ピストン移動分を適合させることができる。これにより、アウトレットバルブと接続される導管のそれぞれ真空および負圧により、流体がチェンバおよび/または供給源から汲み取られることはないことを確実にできる。
【0024】
制御部は、ピストン移動分を2つの行程の間で変更するように構成されてよい。言い換えると、制御部は、駆動がピストンを、第1行程の間、第1ピストン移動分だけ往復動させ、駆動がピストンを、第2行程の間、第2ピストン移動分だけ往復動させるように駆動部を制御するように構成されてよく、第2ピストン移動分は、第1ピストン移動分よりも短い。これにより、すべてのピストン行程が最後のピストン行程を除いて長いピストン移動分を有することで多量の流体を分注し、最後のピストン行程はより短いピストン運動分を有することで、正確な量が分注され、設定量の分注後、ピストンがチェンバの遠位部に位置する封止材に位置することを確実にするため、大流量を達成できる。
【0025】
インレットバルブおよびアウトレットバルブはチェックバルブであってよい。
【0026】
シリンダクリアランス量は、ピストン変位の5%未満、好ましくはピストン変位の2%未満、さらに好ましくはピストン変位の1%未満であってよい。クリアランス量は、チェンバの遠位部、特に遠位死点とアウトレットバルブのチェンバに向けられる開口部との間に位置する。
【0027】
最大ピストン変位で単一の行程により計量される量は、約5μL~約0.02mL、好ましくは約4μL~約0.04mL、さらに好ましくは約0μL超~約0.1mLの範囲内にある。
【0028】
制御部は、ピストンの単一の行程が約2μL~約5μL、好ましくは約1μL~約3μL、さらに好ましくは約1μL未満~約5μLの範囲の流体量を計量するように、最小ピストン移動分を制御するように構成されてよい。最小ピストン移動分は、駆動部の最小ステップ範囲または最小コマンド可能駆動範囲である。
【0029】
本発明に係るマイクロ計量ポンプにより注出される設定量は、約1μL~約125μLの範囲であってよい。マイクロ計量ポンプは、約1~15秒、好ましくは約1~10秒、さらに好ましくは約1~約5秒の期間内の設定量を注出してよい。
【0030】
アウトレットバルブは、計量ポンプの本体部に収容されるバルブシートと、バルブシート内および/またはバルブシートに関して可動であるバルブ部材とを備える。1つの実施形態において、アウトレットバルブのバルブ部材がその閉止位置にある場合、ピストンは、その遠位位置(遠位死点)でアウトレットバルブのバルブ部材に接触する。これにより、デッドスペースをさらに低減することができる。アウトレットバルブのバルブシートは、アウトレットバルブのバルブ部材よりも柔らかくてよい。アウトレットバルブのバルブ部材は、バルブプランジャ、バルブピストンまたはバルブディスクなどであってよい。
【0031】
1つの実施形態において、アウトレットバルブのシートと、チェンバの遠位部に位置する封止材は、一体的に(ワンピースとして)形成される。この実施形態において、アウトレットバルブのバルブシートは、アウトレットバルブのバルブ部材よりも柔らかい。
【0032】
本発明はまた、上記計量ポンプを備える計量システムを開示する。計量システムは、インレットバルブの注入開口部と結合される流体容器を備える。流体容器は流体源である。流体容器は、計量ポンプにより計量されるべき流体が充填される。流体容器内の圧力は、計量ポンプの環境における圧力と一致する。
【0033】
本発明は、容器内の流体は加圧される必要がないという有利な点を有する。流体容器は、流体容器の環境と流体連通するベント開口部をさらに備える。分注すべき流体が流体容器内で加圧される必要がないため、流体容器の環境における圧力は、計量ポンプの環境における圧力と一致する。
【0034】
計量すべき流体は、液体、例えば飲料水であってよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
以下、本発明の非限定的で例示的な実施形態を示す添付の図面を参照して、本発明を説明する。
【
図1】本発明に係る計量ポンプの概略断面図を示す。
【
図3】本発明に係る計量ポンプの動作方法のフロー図を示す。
【
図4】本発明に係るバルブ構成の第2実施形態を示す。
【
図5】本発明に係るバルブ構成の第3実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図は、縮尺通りに記載されておらず、本発明の原理を理解する目的に役立つに過ぎない。幾何学的関係、例えば上方および下方などは、本発明の原理を記載するために使用されるに過ぎず、限定として見なされるべきではない。
【0037】
本発明に係るマイクロ計量ポンプ100の概略断面図を示す
図1を参照する。ポンプ100は、ピストン104が設けられる、本質的に円筒状のチェンバ102を備える。ピストンは、その遠位死点位置108で示される。ピストン104は、遠位死点108と近位死点106との間を往復動してよい。ピストン104は、アーム128によりピストン104と結合される駆動部130により駆動される。アーム128は、ガイド126内でガイドされる。
【0038】
ポンプ100は、インレットバルブ114の注出開口部114bと接続されるチェンバ102におけるインレット開口部110をさらに備える。インレットバルブ114の注入開口部114aは、インレット導管118と接続される。インレットバルブ114とインレット開口部110は、遠位死点108に隣接して形成される。インレットバルブ114の注出開口部114bとインレット開口部110との間には、インレットチャネル113が形成される。
【0039】
遠位死点108において、アウトレット開口部112がチェンバ102において形成される。アウトレット開口部112は、アウトレットバルブ116の注入開口部116aに隣接して形成される。アウトレットバルブ116の注出開口部114bは、アウトレット導管120と接続される。インレットバルブ114とアウトレットバルブ116は、チェックバルブであってよい。
【0040】
遠位死点108において、第1封止材122がチェンバ102において設けられる。
図1に示される実施形態において、第1封止材122はOリングにより形成される。ピストン104は、ピストン104の遠位部が第1封止材122および/もしくは第1封止材122内に設けられるか、および/または第1封止材122に接触して設けられるか、および/または第1封止材122を弾性的に圧縮して設けられるように遠位死点108に位置する場合、アウトレット導管120のそれぞれ真空および負圧により、流体がチェンバ102、インレットバルブ114および流体源、例えばタンク、特に液体が充填されるタンクと接続されるインレット導管118から汲み取られることはない。
【0041】
図1に示される実施形態において、第1封止材122は、ピストン104の遠位死点108において円筒状チェンバ102の周囲に形成される円筒状凹部123内に設けられる。凹部123は、チェンバ102の軸方向に第1封止材122を収容するのに十分な距離にわたって延在する。第1封止材122は、チェンバ102の軸方向において凹部123内に遊びを有してはならない。好ましくは、第1封止材122は、チェンバ102の軸方向において凹部123により弾性的に圧縮される。ピストン104が第1封止材122および/もしくは第1封止材122内の遠位死点108に位置する場合、第1封止材122は、ピストン104と凹部123の径方向外面との間においてチェンバ102の径方向に圧縮される。
【0042】
図1に示されるピストン104の遠位死点108において、ピストン104は第1封止材122に接触する。ピストン104の遠位死点108において、ピストンは第1封止材122を弾性的に圧縮する。特に、ピストン104の遠位死点108において、ピストンは第1封止材122を弾性的にチェンバ102の径方向に圧縮する。
図1に示される実施形態において、ピストン104は、第1封止材122を形成するOリング内の遠位死点108に位置する。
【0043】
チェンバ102の近位死点106に第2封止材124は位置し、第2封止材124は、ピストン104に接触する。第2封止材124は、第2凹部125に収容される。第2封止材124は、ピストン104が流体をポンプ100のハウジング内へと漏らす場合または流体をポンプ100のハウジングの内部から汲み取る場合を防止する。
【0044】
第1封止材122および/または第2封止材124は、OリングまたはXリングであってよい。
【0045】
インレット開口部110は、第1封止材122および/またはチェンバ102内を往復動するピストン104の遠位死点108に可能な限り近接して設けられる。
【0046】
第1封止材122とインレット開口部110との間に、分離部材136が設けられ、第1封止材122をチェンバ102の軸方向においてチェンバ102のインレット開口部110から分離する。分離部材136は、チェンバ102の軸方向に約0.1~約2mm、好ましくは約0.1~約1mm、最も好ましくは約0.1~約0.5mm延在してよい。
【0047】
インレット開口部110は、アウトレット開口部112に可能な限り近接して位置するため、ポンプ100は、チェンバ102、インレットバルブ114および/またはインレット導管118を、素早くそして確実に、それぞれブリードおよびベントできる。
【0048】
ポンプ100は、駆動部130および位置センサ134と接続される制御部132をさらに備える。
【0049】
位置センサ134は、ピストン104の位置を決定してよい。センサ134は、例えば、光学センサであってよい。これにより、制御部132は、ピストン104の適切な移動を監視し、ピストン104の潜在的な閉塞を検出することができる。1つの実施形態において、ポンプ100は、ピストン104の実際位置を決定し、かつ/または所定の期間にピストンが移動したピストン行程を決定する移動センサまたは経路センサを備えてよい。これにより、ピストン移動分をより精確に制御でき、駆動部130とピストン104の移動を制御するフィードバックループを可能にする。
【0050】
制御部132は、制御部132に電気エネルギを供給するインタフェース138によりディスペンサ制御部と接続されてよい。
【0051】
駆動部130は、ステッピングモータ、リニア駆動部、ソレノイド、サーボ駆動部、リニアモータおよび/またはピストン104を任意に位置付けできるあらゆる駆動部を備えてよい。これにより、往復動するピストン104のピストン移動分を所定の方法で調整することができる。さらに、往復動速度を所定の方法で調整することができる。駆動部130の最小ステップ範囲または最小コマンド可能移動範囲は、1つの行程間のピストン104の最小移動分を決定する。
【0052】
ピストン104の最大変位は約5μL~約0.02mL、好ましくは約4μL~約0.04mL、さらに好ましくは約2μL~約0.1mLの範囲内にあってよい。
【0053】
制御部132は、ピストン104の単一行程が約2μL~約5μL、好ましくは約1μL~約3μL、さらに好ましくは約1μL~約5μLの範囲の量を計量するように、最小ピストン移動分を制御するように構成される。
【0054】
シリンダクリアランス量は、ピストン変位の5%未満、好ましくはピストン変位の2%未満、さらに好ましくはピストン変位の1%未満である。クリアランス量は、その遠位死点108のピストン104の遠位面およびチェンバ102の遠位面とインレットバルブ114およびアウトレットバルブ116との距離により本質的に形成される。
【0055】
本発明に係る計量システムの概略図を示す
図2を参照する。上記計量ポンプ100は、液体206が充填される流体タンク202と接続される。流体タンク202は、ベント開口部を備える。したがって、ポンプ100および液体206には、同じ環境圧がかかっている。
【0056】
動作中、シリンダ102内を往復動するピストン104は、空気をチェンバ102、インレットバルブ114、インレット導管118ならびにポンプ100および流体タンク202と接続される導管205からブリードすることができる。流体供給部内の空気のブリードが終了するとすぐ、往復動するピストン104は、流体を注出導管209に分注する。
【0057】
図2はまた、飲料ディスペンサ300における計量システム200の適用を示す。飲料ディスペンサ300は、水源310、例えば蛇口を備えてよい。フィルタ312は、水源310と接続される。フィルタ312は、水源310からの水を濾過し、水中のミネラルを低減させる。ミネラル化装置314は、フィルタ312と接続される。ミネラル化装置314は、ミネラルを濾過後の水に加える。水がミネラル化装置314を通過後、飲料は、ユーザの容器316、例えばグラスに分注される。
【0058】
飲料ディスペンサ300はまた、ディスペンサ制御部308を備える。ディスペンサ制御部308は、ポンプ100の制御部132に、ミネラル化装置314に対して計量されるべき液体206の量を伝達する。液体206は、ミネラル化装置314により注出される水が人間の飲用に好適であるように、ミネラルを、脱イオン化された水に加えるミネラル液体であってよい。その代わりに、またはそれに加えて、液体206は、微量元素を含んでよい。飲料ディスペンサ300により注出される飲料206は、水であってよい。
【0059】
本発明に係る計量ポンプおよび/または計量システムを例示的な適用において用いる例示的な実施形態を示す
図3を参照する。
【0060】
ステップ402において、ディスペンサ制御部308は、ポンプ100の制御部132に、ポンプ100により分注されるべき液体量を伝達する。
【0061】
ステップ404において、制御部132は、ディスペンサ制御部308により指示された設定量の液体を分注するのに必要なピストン行程数および必要なピストン移動分を算出する。1つの実施形態において、制御部132は、残量を分注するため、最大ピストン移動分とそれより短いピストン移動分の最終行程により往復動するようにピストン104に指示して、必要なピストン行程数を算出してよい。ピストン行程数および設定量は以下の式に基づいて算出されてよい。分注設定量=(ピストン行程数-1)×最大ピストン移動分により分注される量+最終ピストン行程により分注される量。
【0062】
他の実施形態において、制御部132は、設定量が分注されるまで、一定のピストン移動分でピストン104を往復動させるように駆動部130に指示してよい。
【0063】
ステップ406において、本方法は、一定のピストン移動分が各行程に用いられるべきか否かを検証する。一定のピストン移動分が各行程に適用されるべきである場合、本方法はステップ408に進み、設定ピストン移動分および設定行程数でピストン104を往復動させるように駆動部130に指示する。その後、本方法は終了する。
【0064】
本方法がステップ406において、ピストン104が最大ピストン移動分で可能な限り多くの回数、往復動するべきと決定する場合、本方法は、ステップ406からステップ410に進む。本方法はステップ410において、設定量が分注されたか否かを決定する。
【0065】
設定量が分注されなかった場合、本方法はステップ410からステップ412に進む。本方法はステップ412において、計量すべき設定量の差が実際の計量量よりも大きいか否かを決定する。
【0066】
本方法が、計量すべき設定量の差が実際の計量量よりも大きいと決定する場合、本方法はステップ412からステップ414に進む。ステップ414において、制御部132は、最大の利用可能なピストン移動分でピストン104を往復動させるように駆動部130に指示する。
【0067】
本方法はステップ410に戻り、設定量がポンプ100により計量されたか否かを検証する。本方法が、設定量がポンプ100により計量されたと決定する場合、本方法は終了する。設定量が計量されていなかった場合、本方法はステップ412に進み、計量すべき設定量と実際の計量量の差が最大ピストン移動分により計量可能な量よりも大きいか否かを決定する。差がそれよりも大きい場合、本方法は、上記のステップ414とステップ410、412および414により形成されるループを継続する。
【0068】
本方法がステップ412において、計量すべき設定量と実際の計量量の差が最大ピストン移動分により計量可能な量よりも小さいことを検知するとすぐ、本方法はステップ416に進む。ステップ416において、制御部132は、最大ピストン移動分よりも短いピストン移動分を有する行程でチェンバ102内においてピストン104を往復動させるように駆動部130に指示する。その後、本方法は終了する。
【0069】
往復動するピストン104の行程により計量される量は、ピストン104の断面積と実際のピストン移動分の積である。ピストン104が円筒形状を有する場合、実際の計量流体量は、実際のピストン移動分をピストン104の円筒底面に乗算した積である。これにより、制御部132は、設定量の流体を計量するのに必要な行程数および/または必要なピストン移動分を決定できる。
【0070】
なお、最大ピストン移動分よりも小さい設定量を計量すべき場合、
図3による方法を適用してもよい。この場合、ピストン104は最大ピストン移動分よりも小さいピストン移動分で単一の行程のみ往復動する必要がある。
【0071】
本発明に係るバルブの第2実施形態を詳細に示す
図4を参照する。第2実施形態は、第1実施形態に全般的に対応し、対応する特徴は対応する参照符号により同定され、400の加数が
図1の参照符号に加えられている。ピストン504は、シリンダ502に収容される。ピストンは、シリンダ502内の第1封止材522および第2封止材524により封止される。第1封止材522および第2封止材524は、OリングまたはXリングであってよい。
【0072】
インレットバルブ514は、液体源と接続される導管518と接続される。インレットバルブ514の注出部は、導管513によりチェンバ502と接続される。可動バルブ部材514fは、ばね514dにより閉止位置にバルブシート514eに対して付勢される。
【0073】
ピストン504が
図4に示される遠位位置から近位位置に移動するとすぐ、可動バルブ部材514fは、ばね514dの付勢に逆らってバルブシート516eから離され、流体は導管518、513を流れチェンバ502に流入する。ピストン504が近位方向に移動するとすぐ、流体は、可動バルブ部材514fをバルブシート514eに対して押圧する。
図4に示される実施形態において、可動バルブ部材514fは、Oリング514cが収容される円周溝を備える。
図4に示される実施形態において、Oリング514cは、バルブシート514eよりも高い弾性を有する。
【0074】
アウトレットバルブ516は、ばね514dにより閉止位置にバルブシート516eに対して付勢されるリニア可動バルブ部材516fを備える。
図4に示される閉止位置において、アウトレットバルブ516のリニア可動バルブ部材516fは、ピストンが遠位死点に移動した場合、ピストン504の遠位端に接触する。これにより、第1封止材522、バルブシート516eおよびリニア可動バルブ部材516fを通過するあらゆる流体を防止できる。
【0075】
図4に示される実施形態において、リニア可動バルブ部材516fは、Oリング516cが収容される円周溝を備える。この実施形態において、Oリング516cは、バルブシート516eと比較してより高い弾性を有する。
【0076】
本発明に係るバルブの第3実施形態を示す
図5を参照する。第3実施形態は、第1実施形態に全般的に対応し、同様の特徴は同様の参照符号により同定され、500の加数が
図1の参照符号に加えられている。インレットバルブ614は、ばね614dによりバルブシート614eに対して付勢される可動バルブ部材614fを備える。可動バルブ部材614fは、バルブシート614eと比較してより低い弾性を有する。
【0077】
ピストン604がチェンバ602内を遠位方向に移動される場合、可動バルブ部材614fはバルブシート614eから解放され、流体は導管613および開口部610を通ってチェンバ602に流入できる。ピストン604が遠位方向に移動される場合、流体は可動バルブ部材614fをバルブシート614eに対して押圧する。
【0078】
アウトレットバルブ616は、ばね616dによりシート616eに対して付勢される可動バルブ部材616fを備える。ピストン604がチェンバ602内を遠位方向に移動される場合、チェンバ602内の流体は可動バルブ部材616fに対して押圧し、ばね616dの付勢に逆らって可動バルブ部材616fをバルブシート616eから解放し、流体はチェンバ602を出て導管620に流入できる。遠位部(遠位死点)において、ピストン604の遠位端部は、ピストン604に向けられる可動バルブ部材616fの表面に接触する。これにより、チェンバ602からアウトレットバルブ616を通り導管620に入る流体流を防止できる。
【0079】
図5に示される実施形態において、ピストン604の遠位端の周囲に収容される第1封止材622’はアウトレットバルブ616のシート616eと一体的に(ワンピースとして)形成される。
【0080】
この実施形態において、バルブシート616eは、可動バルブ部材616fと比較してより高い弾性を有する。
【0081】
バルブシート616eとピストンの遠位部周囲の第1封止材622’がワンピースとして形成されるため、製造コストを低減することができ、チェンバ602からの流体の漏れを防ぐことができる。
【0082】
本発明の有利な点は、ポンプ100のアウトレットの真空により、液体206がチェンバ102、インレットバルブ114、インレット導管118および液体206から汲み取られることはないことである。さらに、本発明により、ポンプ100が少量の液体206を精確に分注するように実際に構成されているにもかかわらず、ポンプ100とポンプ100のインレット側において接続されるすべての装置を素早くそして確実にブリードできる。
【符号の説明】
【0083】
100 ポンプ
102,602 チェンバ
502 シリンダ
104,504,604 ピストン
106 近位死点
108 遠位死点
110,610 インレット開口部
112 アウトレット開口部
113 インレットチャネル
114,514,614 インレットバルブ
114a 注入開口部
114b 注出開口部
116,516,616 アウトレットバルブ
116a アウトレットバルブの注入開口部
118,518 インレット導管
120 アウトレット導管
122,522,622 第1封止材
123 第1凹部
124,524 第2封止材
125 第2凹部
126 ガイド
128 アーム
130 駆動部
132 制御部
134 位置センサ
136 分離部材
138 インタフェース
200 計量システム
202 液体タンク
206 液体
209 導管
300 飲料ディスペンサ
308 ディスペンサ制御部
310 水源
312 フィルタ
314 ミネラル化装置
316 容器
514c,516c Oリング
514d,614d,616d ばね
514e,614e,516e バルブシート
514f,516f,614f,616f 可動バルブ部材
513,613,620 導管