(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】監視カメラシステム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20240410BHJP
【FI】
H04N7/18 D
(21)【出願番号】P 2019115207
(22)【出願日】2019-06-21
【審査請求日】2022-06-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示会名:第24回 R&R 建築再生展2019、開催日:2019年6月11日~同年同月13日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594029207
【氏名又は名称】株式会社東急コミュニティー
(73)【特許権者】
【識別番号】511300145
【氏名又は名称】株式会社穴吹カレッジサービス
(74)【代理人】
【識別番号】110003801
【氏名又は名称】KEY弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】渡部 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】小野 芙沙子
(72)【発明者】
【氏名】尾本 昭宣
【審査官】益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-320512(JP,A)
【文献】特開2010-220189(JP,A)
【文献】特開2009-147900(JP,A)
【文献】特開2004-193690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04N 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象を撮影するように設置された複数のネットワークカメラと、
前記ネットワークカメラと通信可能に接続されるサーバと、
前記サーバとの認証処理を経た後、前記サーバに対してサービス利用可能に接続されるクライアント端末と、
を備え、
前記ネットワークカメラは、自身に予め登録されている特定の情報と同じ情報を提示する相手に対してのみアクセスを許容するアクセス制限手段を有し、
前記クライアント端末は、
前記複数のネットワークカメラの何れかの指定をユーザから受け付けるカメラ指定受付手段と、
指定されたネットワークカメラが撮影するリアルタイム映像を前記サーバに要求する第1の映像要求手段と、
前記第1の映像要求手段による前記リアルタイム映像の要求(以下「第1の映像要求」という。)に対して前記サーバから送られてくるリアルタイム映像を受信する映像受信手段と、
を有し、
前記サーバは、
前記クライアント端末から前記第1の映像要求を受信した場合に、当該第1の映像要求において指定されるネットワークカメラに対して、リアルタイム映像を要求する第2の映像要求手段と、
前記第2の映像要求手段による前記リアルタイム映像の要求に対して前記ネットワークカメラから送られてくるリアルタイム映像を該映像の送信を要求する前記クライアント端末に転送する映像転送手段と、
を有し、
前記クライアント端末において、複数の監視対象に関する情報の一覧を表示するとともに、その一覧に表示される監視対象に関する情報に対応付けてアイコンを表示する表示手段を備え、
前記カメラ指定受付手段は、前記アイコンを選択する操作がなされた場合に、選択されたアイコンが対応付けられた監視対象を撮影するネットワークカメラが指定されたものとして受け付け、
前記監視対象は、工事現場であり、前記監視対象に関する情報の一覧は、工事現場に関する情報の一覧であり、
前記一覧に示される各工事現場について、工事中であるか否かを所定の条件に基づいて判定する工事中判定手段と、
前記工事中判定手段が工事中であると判定した工事現場に関する情報の一部又は全部を第1の色で表示し、前記工事中判定手段が工事中ではないと判定した工事現場に関する情報の一部又は全部を第2の色で表示することにより、前記工事中判定手段が工事中であると判定した工事現場に関する情報と、前記工事中判定手段が工事中ではないと判定した工事現場に関する情報とを、前記一覧上で識別可能に表示する識別表示手段と、
をさらに備える、
ことを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項2】
監視対象を撮影するように設置された複数のネットワークカメラと、
前記ネットワークカメラと通信可能に接続されるサーバと、
前記サーバとの認証処理を経た後、前記サーバに対してサービス利用可能に接続されるクライアント端末と、
を備え、
前記ネットワークカメラは、自身に予め登録されている特定の情報と同じ情報を提示する相手に対してのみアクセスを許容するアクセス制限手段を有し、
前記クライアント端末は、
前記複数のネットワークカメラの何れかの指定をユーザから受け付けるカメラ指定受付手段と、
指定されたネットワークカメラが撮影するリアルタイム映像を前記サーバに要求する第1の映像要求手段と、
前記第1の映像要求手段による前記リアルタイム映像の要求(以下「第1の映像要求」という。)に対して前記サーバから送られてくるリアルタイム映像を受信する映像受信手段と、
を有し、
前記サーバは、
前記クライアント端末から前記第1の映像要求を受信した場合に、当該第1の映像要求において指定されるネットワークカメラに対して、リアルタイム映像を要求する第2の映像要求手段と、
前記第2の映像要求手段による前記リアルタイム映像の要求に対して前記ネットワークカメラから送られてくるリアルタイム映像を該映像の送信を要求する前記クライアント端末に転送する映像転送手段と、
を有し、
前記クライアント端末において、複数の監視対象に関する情報の一覧を表示するとともに、その一覧に表示される監視対象に関する情報に対応付けてアイコンを表示する表示手段を備え、
前記カメラ指定受付手段は、前記アイコンを選択する操作がなされた場合に、選択されたアイコンが対応付けられた監視対象を撮影するネットワークカメラが指定されたものとして受け付け、
前記監視対象は、工事現場であり、前記監視対象に関する情報の一覧は、工事現場に関する情報の一覧であり、
前記一覧に示される各工事現場について、工事中であるか否かを所定の条件に基づいて判定する工事中判定手段と、
前記工事中判定手段が工事中であると判定した工事現場に関する情報に対応付けて表示された前記アイコンと、前記工事中判定手段が工事中ではないと判定した工事現場に関する情報に対応付けて表示された前記アイコンとを識別可能に表示するアイコン識別表示手段と、
をさらに備える、
ことを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の監視カメラシステムにおいて、
前記アクセス制限手段は、前記ネットワークカメラに予め登録されている特定のIPアドレスからのアクセスのみを許容するものであって、前記特定のIPアドレスが前記サーバのIPアドレスである、ことを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項4】
請求項1
又は2に記載の監視カメラシステムにおいて、
前記アクセス制限手段は、アクセスを要求する相手に認証情報の送信を要求し、前記ネットワークカメラに登録された認証情報を提示する相手に対してのみアクセスを許容するものであり、
前記サーバは、
前記各ネットワークカメラに登録された認証情報を記憶する記憶手段と、
前記ネットワークカメラから認証情報の送信を要求された場合に、前記記憶手段に記憶している認証情報から、当該ネットワークカメラに登録された認証情報を読み出して当該ネットワークカメラに送信するカメラ向け認証手段と、
を有する、
ことを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項5】
請求項
3に記載の監視カメラシステムにおいて、
前記アクセス制限手段は、前記ネットワークカメラに予め登録されている特定のIPアドレスからアクセス要求があった場合にのみ認証情報の送信を要求し、その相手が当該ネットワークカメラに登録された認証情報を提示する場合にのみアクセスを許容するものであり、
前記サーバは、
前記各ネットワークカメラに登録された認証情報を記憶する記憶手段と、
前記ネットワークカメラから認証情報の送信を要求された場合に、前記記憶手段に記憶している認証情報から、当該ネットワークカメラに登録された認証情報を読み出して当該ネットワークカメラに送信するカメラ向け認証手段と、
を有する、
ことを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項6】
請求項
1又は
2に記載の監視カメラシステムにおいて、
前記工事現場に関する情報の一覧には、工事予定日が含まれている、ことを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項7】
請求項
1、2又は
6に記載の監視カメラシステムにおいて、
前記工事現場に関する情報の一覧には、工事予定日が含まれており、
前記工事中判定手段は、本日が工事予定日となる工事現場を工事中であると判断し、その他の工事現場は工事中ではないと判断する、
ことを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項8】
請求項
1、2、6又は
7に記載の監視カメラシステムにおいて、
前記サーバは、前記各工事現場に関する情報に関連付けて各工事現場に関する工事チェックシートを有しており、
前記クライアント端末は、ユーザが行う前記工事チェックシートの記入操作および前記工事チェックシートの記入完了操作を受け付ける手段を有し、
前記工事中判定手段は、前記クライアント端末において、前記工事チェックシートに対する最初の記入操作が行われたときから前記記入完了操作が行われるまでの間、当該工事チェックシートに係る工事現場を工事中であると判断し、その他の工事現場は工事中ではないと判断する、
ことを特徴とする監視カメラシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークカメラが撮影する映像をネットワークを介してユーザの端末で監視できるように構成された監視カメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、ネットワークカメラが撮影する映像をネットワークを介してユーザ端末で閲覧できるように構成されたカメラシステムが開示されている。同文献のカメラシステムでは、複数のネットワークカメラの映像を閲覧する場合、ユーザがネットワークカメラの各々に対して認証操作を行うのではなく、認証サーバに対してのみ認証操作を行うだけで、各ネットワークカメラの映像を閲覧することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたカメラシステムでは、セッションIDをやり取りするための特別な機能をネットワークカメラに持たせる必要があるため、市販のネットワークカメラをそのまま使用することができない。
【0005】
また、特許文献1に開示されたカメラシステムでは、ネットワークカメラに接続する度に、ユーザ端末、認証サーバおよびネットワークカメラの3者間でセッションIDを使った認証処理を行うため、認証処理に少し時間を要する場合がある。すなわち、ユーザがネットワークカメラを選択する操作をした後、ユーザ端末の画面にネットワークカメラの映像が映し出されるまで少し時間が掛かる可能性がある。
【0006】
本発明は、複数のネットワークカメラを用いて監視対象を監視することができる監視カメラシステムにおいて、サーバに対してのみ認証操作を行うだけで複数のネットワークカメラの映像を監視することができ、市販されているネットワークカメラ(セッションIDをやり取りするための機能を持たない一般的に普及しているネットワークカメラ)を用いても、その映像を第三者に盗み見られないようにセキュリティーを確保することができる監視カメラシステムを提供することを目的とする。また、本発明は、ユーザが使い易い監視カメラシステムを提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様に係る監視カメラシステムは、監視対象を撮影するように設置された複数のネットワークカメラと、前記ネットワークカメラと通信可能に接続されるサーバと、前記サーバとの認証処理を経た後、前記サーバに対してサービス利用可能に接続されるクライアント端末と、を備える。前記ネットワークカメラは、自身に予め登録されている特定の情報と同じ情報を提示する相手に対してのみアクセスを許容するアクセス制限手段を有する。前記クライアント端末は、前記複数のネットワークカメラの何れかの指定をユーザから受け付けるカメラ指定受付手段と、指定されたネットワークカメラが撮影する映像を前記サーバに要求する第1の映像要求手段と、前記第1の映像要求に対して前記サーバから送られてくる映像を受信する映像受信手段と、を有する。前記サーバは、前記クライアント端末から前記第1の映像要求を受信した場合に、当該第1の映像要求において指定されるネットワークカメラに対して、映像を要求する第2の映像要求手段と、前記第2の映像要求に対して前記ネットワークカメラから送られてくる映像を該映像の送信を要求する前記クライアント端末に転送する映像転送手段と、を有する。
【0008】
第1態様に係る監視カメラシステムによれば、サーバに対してのみ認証操作を行うだけで複数のネットワークカメラの映像を監視することができ、市販されているネットワークカメラを用いても、その映像を第三者に盗み見られないようにセキュリティーを確保することが容易に実現される。
【0009】
本発明の第2態様に係る監視カメラシステムは、第1態様に係る監視カメラシステムにおいて、前記アクセス制限手段は、前記ネットワークカメラに予め登録されている特定のIPアドレスからのアクセスのみを許容するものであって、前記特定のIPアドレスが前記サーバのIPアドレスである。
【0010】
本発明の第3態様に係る監視カメラシステムは、第1態様に係る監視カメラシステムにおいて、前記アクセス制限手段は、アクセスを要求する相手に認証情報の送信を要求し、前記ネットワークカメラに登録された認証情報を提示する相手に対してのみアクセスを許容するものであり、前記サーバは、前記各ネットワークカメラに登録された認証情報を記憶する記憶手段と、前記ネットワークカメラから認証情報の送信を要求された場合に、前記記憶手段に記憶している認証情報から、当該ネットワークカメラに登録された認証情報を読み出して当該ネットワークカメラに送信するカメラ向け認証手段と、を有する。
【0011】
本発明の第4態様に係る監視カメラシステムは、第2態様に係る監視カメラシステムにおいて、前記アクセス制限手段は、前記ネットワークカメラに予め登録されている特定のIPアドレスからアクセス要求があった場合にのみ認証情報の送信を要求し、その相手が当該ネットワークカメラに登録された認証情報を提示する場合にのみアクセスを許容するものであり、前記サーバは、前記各ネットワークカメラに登録された認証情報を記憶する記憶手段と、前記ネットワークカメラから認証情報の送信を要求された場合に、前記記憶手段に記憶している認証情報から、当該ネットワークカメラに登録された認証情報を読み出して当該ネットワークカメラに送信するカメラ向け認証手段と、を有する。
【0012】
本発明の第5態様に係る監視カメラシステムは、第1~第4態様の何れかに係る監視カメラシステムにおいて、前記サーバは、前記クライアント端末において所定操作が行われた場合に、前記ネットワークカメラが撮影した映像から写真画像を生成する写真画像生成手段を有する。
【0013】
本発明の第6態様に係る監視カメラシステムは、第1~第4態様の何れかに係る監視カメラシステムにおいて、前記サーバは、前記クライアント端末において所定操作が行われた場合に、前記ネットワークカメラに対して写真画像を要求し、当該ネットワークカメラから送られてくる写真画像を取得する写真画像取得手段を有する。
【0014】
第5態様または第6態様に係る監視カメラシステムによれば、監視対象の映像を監視中に当該監視対象に問題、事故等が発生した場合、クライアント端末において所定操作を行うことで、その証拠写真を簡単に保存することができる。
【0015】
本発明の第7態様に係る監視カメラシステムは、第5態様又は第6態様に係る監視カメラシステムにおいて、前記サーバは、前記クライアント端末において所定操作が行われた場合に、前記写真画像生成手段が生成する写真画像を文書ファイルに貼り付ける写真付文書ファイル生成手段を有する。
【0016】
第7態様に係る監視カメラシステムによれば、監視対象の映像を監視中に当該監視対象に問題、事故等が発生した場合、クライアント端末において所定操作を行うことで、その証拠写真を貼り付けた文書ファイルを簡単に作成することができる。
【0017】
本発明の第8態様に係る監視カメラシステムは、第1~第7態様の何れかに係る監視カメラシステムにおいて、前記クライアント端末において、複数の監視対象に関する情報の一覧を表示するとともに、その一覧に表示される監視対象に関する情報に対応付けてアイコンを表示する表示手段を有し、前記カメラ指定受付手段は、前記アイコンを選択する操作がなされた場合に、選択されたアイコンが対応付けられた監視対象を撮影するネットワークカメラが指定されたものとして受け付ける。
【0018】
第8態様に係る監視カメラシステムによれば、ユーザは監視したい監視対象の映像を複数表示された監視対象の中から簡単に選んで表示させることができる。
【0019】
本発明の第9態様に係る監視カメラシステムは、第8態様に係る監視カメラシステムにおいて、前記監視対象は、工事現場であり、前記監視対象に関する情報の一覧は、工事現場に関する情報の一覧である。
【0020】
本発明の第10態様に係る監視カメラシステムは、第9態様に係る監視カメラシステムにおいて、前記工事現場に関する情報の一覧には、工事予定日が含まれている。
【0021】
第10態様に係る監視カメラシステムによれば、ユーザは複数表示された監視対象の中から本日が工事予定日になっている監視対象の映像を簡単に選んで表示させることができる。
【0022】
本発明の第11態様に係る監視カメラシステムは、第9又は第10態様に係る監視カメラシステムにおいて、前記一覧に示される各工事現場について、工事中であるか否かを所定の条件に基づいて判定する工事中判定手段と、前記工事中判定手段が工事中であると判定した工事現場に関する情報と、前記工事中判定手段が工事中ではないと判定した工事現場に関する情報とを、前記一覧上で識別可能に表示する識別表示手段と、を有する。
【0023】
第11態様に係る監視カメラシステムによれば、ユーザは複数表示された監視対象の中から工事が行われている監視対象の映像を簡単に選んで表示させることができる。
【0024】
本発明の第12態様に係る監視カメラシステムは、第9又は第10態様に係る監視カメラシステムにおいて、前記一覧に示される各工事現場について、工事中であるか否かを所定の条件に基づいて判定する工事中判定手段と、前記工事中判定手段が工事中であると判定した工事現場に関する情報に対応付けて表示された前記アイコンと、前記工事中判定手段が工事中ではないと判定した工事現場に関する情報に対応付けて表示された前記アイコンとを識別可能に表示するアイコン識別表示手段と、を有する。
【0025】
第12態様に係る監視カメラシステムによれば、ユーザは複数表示された監視対象にそれぞれ対応付けられたアイコンの中から工事が行われている監視対象の映像を表示させるアイコンを簡単に選択することができる。
【0026】
本発明の第13態様に係る監視カメラシステムは、第11又は第12態様に係る監視カメラシステムにおいて、前記工事現場に関する情報の一覧には、工事予定日が含まれており、前記工事中判定手段は、本日が工事予定日となる工事現場を工事中であると判断し、その他の工事現場は工事中ではないと判断する。
【0027】
本発明の第14態様に係る監視カメラシステムは、第11又は第12態様に係る監視カメラシステムにおいて、前記サーバは、前記各工事現場に関する情報に関連付けて各工事現場に関する工事チェックシートを有しており、前記クライアント端末は、ユーザが行う前記工事チェックシートの記入操作および前記工事チェックシートの記入完了操作を受け付ける手段を有し、前記工事中判定手段は、前記クライアント端末において、前記工事チェックシートに対する最初の記入操作が行われたときから前記記入完了操作が行われるまでの間、当該工事チェックシートに係る工事現場を工事中であると判断し、その他の工事現場は工事中ではないと判断する。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、サーバに対してのみ認証操作を行うだけで複数のネットワークカメラの映像を監視することができ、市販されているネットワークカメラを用いても、その映像を第三者に盗み見られないようにセキュリティーを確保することが容易に実現される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本実施形態に係る監視カメラシステムの構成例を示す図である。
【
図2】マンションに足場を仮設して修繕・改修を行う工事現場の例を示す図である。
【
図3】サーバおよびネットワークカメラの機能ブロックを示す図である。
【
図4】物件一覧(監視対象に関する情報の一覧)の一例を示す図である。
【
図6】クライアント端末においてネットワークカメラの撮影映像を表示する画面の一例を示す図である。
【
図7】クライアント端末、サーバおよびネットワークカメラの間で実行される処理を示すフローチャートである。
【
図8】クライアント端末において複数のネットワークカメラの撮影映像を分割表示するマルチスクリーン画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態に係る監視カメラシステムについて、図面を参照しつつ説明する。
【0031】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る監視カメラシステム1は、ネットワークカメラ2、サーバ3およびクライアント端末4を含んで構成されている。ネットワークカメラ2とサーバ3、および、クライアント端末4とサーバ3は、インターネット等のネットワーク6を介して通信可能に接続される。本実施形態では、クライアント端末4はサーバ3を疑似的なネットワークカメラ2として、当該サーバ3に対して認証情報および各種の要求(リクエスト)を送信する。以下、詳細に説明する。
【0032】
ネットワークカメラ2は、監視対象を撮影するように設置される。監視対象として、例えば、工事現場を例示することができる。さらに、工事現場としては、建物の修繕・改修工事現場、建物の建設工事現場などを例示することができる。本実施形態では、監視対象として、
図2に示すように、マンション7の修繕・改修工事現場、特に工事現場に設置される足場8を監視対象としている。もちろん、足場8を使用する作業者や、足場8を組立若しくは解体する作業者も監視対象に含めることができる。この場合、作業者が適切に安全帯を使用しているかなどを監視することができる。なお、
図2に示す例では、ネットワークカメラ2は、マンション7のパラペット7aにカメラ支持具10を介して固定されている。カメラ支持具10は、パラペット7aを挟持する挟持部10aと、挟持部10aからマンション7の屋上と反対側に延出してカメラを支持するカメラ支持腕部10bとを有している。
【0033】
ネットワークカメラ2は、自身に予め登録されている特定の情報と同じ情報を提示する相手に対してのみアクセスを許容するアクセス制限手段9を有する(
図3参照)。本実施形態では、特定の情報は、ネットワークカメラ2に設定された認証情報(IDおよびパスワード)並びにアクセスを許容する通信相手のIPアドレスである。すなわち、ネットワークカメラ2は、自身に予め登録されている特定のIPアドレスからアクセス要求があった場合にのみ、アクセス要求する相手に認証情報の送信を要求し、その相手が当該ネットワークカメラ2に登録された認証情報(IDおよびパスワード)を提示した場合に限りアクセスを許容する。
【0034】
本実施形態に係るネットワークカメラ2は、撮影方向を左右方向に回動できるパン機能、撮影方向を上下方向に回動できるチルト機能、撮影画像の解像度を変更できる解像度変更機能、撮影画像を録画できる録画機能などを備えている。また、本実施形態に係るネットワークカメラ2は、ONVIF(Open Network Video Interface Forum)規格(好ましくはONVIF規格のプロファイスS)に対応している。ONVIF規格は、ネットワークカメラ2のインターフェースの標準規格である。ONVIF規格に対応したネットワークカメラ2を使用することで、ネットワークカメラ2のメーカに左右されることなく、全てのネットワークカメラ2の処理動作(上記各種機能を含む)を統一された制御方法を用いて制御することができる。
【0035】
ネットワークカメラ2をネットワーク6に接続するための通信方式は、特に限定されないが、本実施形態では、SIMカードを用いた3G、LTE等のモバイル通信を採用している。
【0036】
サーバ3は、例えば、コンピュータに所定のプログラムが組み込まれたものからなり、そのプログラムの実行により後述するサービスをクライアント端末4に提供する。また、
図3に示すように、サーバ3は、予め登録されたユーザ認証情報11およびカメラ向け認証情報12を記憶する記憶手段13を有する。ユーザ認証情報11は、ユーザIDおよびパスワードからなり、カメラ向け認証情報は、ネットワークカメラのIDおよびパスワードからなる。サーバ3は、クライアント端末4の認証処理の際にクライアント端末4から提示された認証情報と記憶手段13に記憶しているユーザ認証情報11を照合する。また、サーバ3は、カメラ向け認証情報12を使用してネットワークカメラ2との間での認証処理を経た後、ネットワークカメラ2の映像を取得する。サーバ3は、さらに、ネットワークカメラ2の上記機能(パン機能、チルト機構、解像度変更機能、録画機能等)をクライアント端末4からの指令に従って実行することができる。
【0037】
クライアント端末4は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯端末装置(携帯電話機、スマートフォン等)などで構成される。本実施形態では、クライアント端末4には、ブラウザが組み込まれており、ブラウザを通じてサーバ3が提供するサービスを受ける。なお、ブラウザの代わりに所定の専用ソフトウェアをクライアント端末4にインストールしておき、その専用ソフトウェアの実行によりサーバ3が提供するサービスを受けるクライアント端末4であってもよい。
【0038】
ユーザが、クライアント端末4のブラウザ(又は専用ソフトウェアの実行により表示される画面)において、サーバ3のURLを指定してサーバ3にアクセスするための所定操作を行うと、クライアント端末4とサーバ3との間で認証処理が行われる。認証処理ではクライアント端末4において、ユーザIDおよびパスワードの入力を求める認証画面が表示される。この画面でユーザIDとパスワードが入力され、これらを送信するための所定操作が行われると、ユーザIDおよびパスワードがクライアント端末4からサーバ3に送信される。サーバ3がクライアント端末4から受信したユーザIDとパスワードが予めサーバ3の記憶手段13に記憶されているユーザ認証情報11と一致することが確認された場合、クライアント端末4は、サーバ3とサービス利用可能に接続される(別の言い方をすれば、クライアント端末4がサーバ3にログインした状態となる)。
【0039】
次に、クライアント端末4にネットワークカメラ2の映像を表示する機能について説明する。本実施形態では、この機能は、建物の修繕・改修工事の管理を行うためのアプリケーション・ソフトウェアに組み込まれている。このソフトウェアによれば、クライアント端末4において所定操作を行うことで、工事現場に関する情報の一覧(以下「物件一覧」という。)、工事チェックシート(施工チェックシート)、管理者が管理を行うための管理シート、有資格者等が確認する検査シート等に関する情報をユーザIDに付与された権限に応じてクライアント端末4において閲覧、編集等することができる。
【0040】
例えば
図4に示すように、クライアント端末4に表示される物件一覧21には、「工事名称」「担当部署」「現場管理者」「業者」「着工予定」「着工実績」「完成予定」「完成実績」「ライブビュー」等を表示する見出し22が設けられている。「工事名称」は、工事現場の名称および工事内容を示す。「担当部署」は、「工事名称」に表示された工事現場を担当する工事元請会社の担当部署を示す。「現場管理者」は、「工事名称」に表示された工事現場の責任者等を示す。「業者」は、「工事名称」に表示された工事現場を担当する業者(下請業者)の名称を示す。「着工予定」は当初計画された着工予定日を示す。「着工実績」は、実際に着工した日を示す。「完成予定」は、当初計画された完成予定日を示す。「完成実績」は、実際に完成した日を示す。「ライブビュー」は、ネットワークカメラ2が設置されているか否かを示す。「ライブビュー」の欄にカメラアイコン24が表示されている場合には、その工事現場にネットワークカメラ2が設置されている。なお、物件一覧21において登録されている情報は、所定の権限が付与されたユーザID(例えば工事の統括責任者、システム管理者等のID)によりサーバ3にログインしたクライアント端末4において登録、変更等することができるようになっている。
【0041】
工事チェックシートは、工事現場において統一された一定の品質を確保するためのチェック項目を含んでいる。工事チェックシートへの入力は、現場責任者等がクライアント端末4を用いてサーバ3にログインすることで行うことができる。例えば、現場責任者等は、クライアント端末4を用いてサーバ3にログインした後、表示されたトップ画面から所定操作を行うことにより、担当工事に関する工事チェックシート、例えば
図5に示すような工事チェックシート26、を表示させることができる。そして、工事チェックシート26において、チェック項目に対する記入操作が行われ、全てのチェック項目の記入操作が完了した後、完了ボタン29が押下(記入完了操作)が行われる。このことで工事チェックシート26の記入操作が完了する。完了ボタン29が押下されると、当該工事チェックシート26の内容を確認・承認する立場の者に、工事チェックシート26の記入が完了した旨がサーバ3を介して知らされる。例えば、確認・承認する立場の者がクライアント端末4を用いてサーバ3にログインした際に、当該クライアント端末4に表示されるトップ画面の一部にその旨の情報が表示される。
【0042】
サーバ3は、上記物件一覧21に関して、当該物件一覧21に示される各工事現場について、工事中であるか否かを「所定の条件」に基づいて判定する工事中判定手段27(
図3参照)と、工事中であると判定された工事現場に関する情報と、工事中ではないと判定された工事現場に関する情報とを物件一覧21上で識別可能に表示する識別表示手段28とを有する。なお、本実施形態においては、サーバ3が工事中判定手段27および識別表示手段28を有するが、クライアント端末4に工事中判定手段27および識別表示手段28を持たせてもよい。
【0043】
本実施形態では、工事中判定手段27は、クライアント端末4で工事チェックシート26に対する最初の記入が行われたときから、記入完了操作が行われるまでの間、当該工事チェックシート26に係る工事現場を工事中であると判断し、その他の工事現場は工事中でないと判断する。
【0044】
なお、上記のように工事チェックシート26の記入状態に基づいて工事現場が工事中であるか否かを判定するのではなく、本日が物件一覧21に登録された工事予定日と同じ日である工事現場を工事中であると判定し、本日が物件一覧21に登録された工事予定日と異なる日である工事現場を工事中ではないと判定することも可能である。
【0045】
次に、クライアント端末4がサーバ3にログインした後、クライアント端末4にネットワークカメラ2の映像が表示されるまでの処理動作について説明する。
【0046】
先ず、クライアント端末4がサーバ3にログインすると、クライアント端末4に「トップ画面」(トップ画面は図示せず。)が表示される。「トップ画面」には複数のシートのタブが表示され、特定のタブがユーザの操作によって選択されると、各工事現場情報(物件情報)の一覧を表示する物件一覧21がクライアント端末4に表示される(
図4参照)。
【0047】
次に、ユーザの操作によって、物件一覧21に表示された何れかのカメラアイコン24が選択(押下)されると、
図6に示すように、選択されたカメラアイコン24に対応付けられた工事現場(監視対象)を撮影するネットワークカメラ2の撮影映像がクライアント端末4の表示部4aに表示される。
図6に示す例では工事現場の足場8の映像がクライアント端末4の表示部4aに表示されている。
【0048】
ここで、ユーザがカメラアイコン24を選択してからクライアント端末4にネットワークカメラ2のリアルタイム映像が表示されるまでの間に実行される通信処理を
図7のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
【0049】
先ず、ユーザの操作(例えばクリック操作)によって、物件一覧21に表示された何れかのカメラアイコン24が選択されると、クライアント端末4は、物件一覧21で選択されたカメラアイコン24が対応付けられた工事現場を撮影するネットワークカメラ2が指定されたものとして受け付ける(ST1)。そして、クライアント端末4は、指定されたネットワークカメラ2が撮影する映像をサーバ3に対して要求する(ST2)。具体的には、クライアント端末4は、指定されたネットワークカメラのIDと、そのカメラが撮影する映像を要求する旨の情報(リクエスト)をサーバ3に対して送信する。
【0050】
一方、サーバ3は、クライアント端末4からネットワークカメラ2の映像を要求されると(ST3)、サーバ3と指定されたネットワークカメラ2との間で認証処理が行われた後(ST4,ST5)、サーバ3は当該ネットワークカメラ2に対して映像を要求する(ST6)。ここで要求する映像はネットワークカメラ2が撮影しているリアルタイム映像である。
【0051】
ネットワークカメラ2は、サーバ3からの映像要求を受信すると(ST7)、撮影しているリアルタイム映像をサーバ3に送信する(ST8)。なお、ネットワークカメラ2は、サーバ3以外のIPアドレスからアクセスを受け付けないように設定されているため、万一、ネットワークカメラ2のIDおよびパスワードが第三者に漏洩しても、第三者は、サーバ3にログインすることなく、ネットワークカメラ2の撮影映像を取得することができない。なお、ネットワークカメラ2の撮影するリアルタイム映像として、Motion JPEG形式、H.264形式、MPEG形式等を例示することができる。
【0052】
サーバ3は、前記映像要求に応じてネットワークカメラ2から送られてくる映像を該映像の送信を要求するクライアント端末4へ転送する(ST9)。ここで、サーバ3が転送する映像はリアルタイム映像であり、サーバ3はリアルタイムに映像を転送する。なお、本実施形態では、サーバ3は、ネットワークカメラ2から送られてきたリアルタイム映像をリアルタイムに転送するが、サーバ3がネットワークカメラ2から送られてきたリアルタイム映像一旦キャッシュに蓄積した後クライアント端末4に転送することも可能である。
【0053】
なお、サーバ3がクライアント端末4からネットワークカメラ2のIDと映像要求情報とを受信した時点で(ST3)、既に、サーバ3が当該ネットワークカメラ2にログインし、リアルタイム映像を他のクライアント端末4へ転送している場合は、前記ST4~ST7の処理を省略して、転送中のリアルタイム映像を新たに映像要求するクライアント端末4に転送するようにしてもよい。
【0054】
クライアント端末4は、サーバ3が転送するリアルタイム映像を受信し(ST10)、表示部4aにおいて表示する(ST11)。このとき、クライアント端末4は、例えば
図6に示すような画面の表示を表示部4aにおいて行う。
【0055】
この画面31には、撮影画像表示部31a、カメラ操作部31b、カメラ一覧表示部31c、写真ボタン31d、文書用写真ボタン31eが含まれている。撮影画像表示部31aは、ネットワークカメラ2の撮影映像を表示する。
【0056】
カメラ操作部31bは、ネットワークカメラ2の各種機能(パン機能、チルト機能、解像度変更機能等)およびその他の機能(ズーム機能、明暗調整機能、更新間隔設定機能等)を利用するために操作される。パン機能およびチルト機能は、内円32aおよび外円32bからなる撮影方向操作部32を用いて利用することができる。撮影方向操作部32の内円32aはドラッグ操作により外円32b内で自由に移動させることができる。内円32aを左右に移動させると、パン機能が働き、内円32aを上下に移動させると、チルト機能が働く。すなわち、ユーザが上記ドラッグ操作を行うと、クライアント端末4は、その操作を受けて、ユーザの操作に応じた指示をサーバ3に送信し、サーバ3は、その指示をネットワークカメラ2に転送する。そして、ネットワークカメラ2は、上記指示に従って、パン機能およびチルト機能を実行する。ズーム機能、明暗調整機能、更新間隔設定機能についても同様である。すなわち、これらの機能についてもユーザの操作に応じた指示がクライアント端末4からサーバ3を介してネットワークカメラ2に送信され、ネットワークカメラ2において当該機能が実行される。
【0057】
1つの工事現場に複数のネットワークカメラ2が設置されている場合、カメラ一覧表示部31cに複数のネットワークカメラ2の名称が選択可能に表示される。そして、何れかの名称をユーザが選択する操作を行った場合、選択されたネットワークカメラ2の映像が撮影画像表示部31aに表示される。また、画面31には、「マルチスクリーン」表示31fが設けられており、この表示31fが選択されると、例えば
図8に示すようなマルチスクリーン画面33に遷移する。マルチスクリーン画面33には、「シングルスクリーン」表示33aが設けられており、この表示33aを選択すると、
図6に示した画面31に戻るようになっている。なお、
図8のマルチスクリーン画面33は、4分割画面であるが、所定操作により、2分割画面、8分割画面、16分割画面等に変更することが可能となっている。
【0058】
図6に示す写真ボタン31dは、サーバ3がネットワークカメラ2から受信してクライアント端末4に転送している映像から写真画像を切り取ってサーバ3内に保存するためのものである(写真画像生成手段)。すなわち、ユーザが写真ボタン31dを選択する操作を行った場合、その旨の情報がクライアント端末4からサーバ3に送信され、これを受けたサーバ3がネットワークカメラ2から受信してクライアント端末4に転送している映像から写真画像を切り取って(写真画像を生成して)サーバ3内に保存する。工事現場の映像を監視中に工事現場で問題、事故等が発生した場合、写真ボタン31dを選択することで、その証拠写真を簡単に保存することができる。本実施形態では、サーバ3に保存された写真画像はクライアント端末4において所定操作することで閲覧又はダウンロードすることができる。
【0059】
文書用写真ボタン31eは、サーバ3がネットワークカメラ2から受信してクライアント端末4に転送している映像から写真画像を切り取って文書ファイルに貼り付けてサーバ3内に保存するためのものである(写真付文書ファイル生成手段)。すなわち、ユーザが文書用写真ボタン31eを選択する操作を行った場合、その旨の情報がクライアント端末4からサーバ3に送信され、これを受けたサーバ3がネットワークカメラ2から受信してクライアント端末4に転送している映像から写真画像を切り取って(写真画像を生成して)、予めサーバ3内に保持している文書ファイルの所定位置に貼り付けてこれを保存する。なお、文書ファイルとして、報告書(例えば、工事現場に生じた問題を報告するための報告書や、週次報告書など)として用いられるファイルを例示することができる。
【0060】
再び
図7のフローチャートに説明を戻す。クライアント端末4の表示部4aに、サーバ3が転送する映像が表示されるようになった後は(S11)、クライアント端末4において映像の表示を止めるための所定操作がなされると(ST12)、クライアント端末4は、映像の転送停止要求をサーバ3に送信する(ST13)。サーバ3は、映像の転送停止要求を受信すると(ST14)、映像の転送を停止するとともに、ネットワークカメラ2に対して映像の送信停止要求を送信する(ST15)。
【0061】
ネットワークカメラ2は、サーバ3から映像の送信停止要求を受信すると(ST16)、サーバ3への映像の送信を停止し(ST17)、サーバ3では映像の受信が停止する(ST18)。
【0062】
なお、サーバ3がクライアント端末4から映像の転送停止要求を受信した時点で(ST14)、サーバ3が他のクライアント端末4へ当該ネットワークカメラ2からの映像を転送している場合は、前記ST15~ST18の処理は実行されずに、他のクライアント端末4への映像の転送が継続される。
【0063】
前記S17およびS18の処理の後、ユーザがクライアント端末4においてログアウトするための所定操作を行うと、クライアント端末4はサーバ3からログアウトする。
【0064】
一方、サーバ3がネットワークカメラ2からログアウトするタイミングは、特に限定されない。例えば、サーバ3は、ネットワークカメラ2が映像が送信されなくなった時点で当該ネットワークカメラ2からログアウトするようにしてもよい。あるいは、サーバ3は、全てのクライアント端末4がサーバ3からログアウトした時点で、ログイン中の全てのネットワークカメラ2からログアウトするようにしてもよい。
【0065】
次に、
図4に例示する物件一覧21の別の特徴について説明する。物件一覧21は、既述したように、複数の工事現場に関する情報20を表示するとともに、工事現場に関する情報20に対応付けてカメラアイコン24を表示する。また、各工事現場に関する情報20に工事予定日(本実施形態では、着工予定日および完成予定日)が含まれている。また、各工事現場に関する情報20に実際の工事実績日(本実施形態では、着工実績日および完成実績日)も含まれている。このため、ユーザは、実際に工事が行われている工事現場のみを簡単に識別してカメラアイコン24を選択し、当該工事現場の映像を監視することができる。
【0066】
また、サーバ3は、物件一覧21に示される各工事現場20について、工事中であるか否かを所定の条件に基づいて判定し、工事中であると判定した工事現場に関する情報に対応付けて表示するカメラアイコン24と、工事中ではないと判定した工事現場に関する情報とに対応付けて表示するカメラアイコン24とを、クライアント端末4に表示される物件一覧21上で識別可能に異なる形態(異なる色、異なる形状、異なる明度など)で表示させる。すなわち、工事中の工事現場に関する情報に対応付けて表示するカメラアイコン24aを第1の形態(例えば赤色のアイコン)で表示し、工事中ではない工事現場に関する情報に対応付けて表示するカメラアイコン24bを第2の形態(例えば黒色のアイコン)で表示する。このため、ユーザは、カメラアイコン24の形態を見て、実際に工事が行われている工事現場のみを簡単に識別してカメラアイコン24aを選択することができる。
【0067】
<以下、実施形態の変形例>
なお、上記実施形態の変更例として、サーバ3は、物件一覧21に示される各工事現場20について、工事中であるか否かを所定の条件に基づいて判定し、工事中であると判定した工事現場に関する情報20と、工事中ではないと判定した工事現場に関する情報20とを、クライアント端末4に表示される物件一覧21上で識別可能に表示させるようにしてもよい。例えば、工事中の工事現場に関する情報の一部又は全部を第1の色(例えば赤色)で表示し、工事中ではない工事現場に関する情報の一部又は全部を第2の色(例えば黒色)で表示するようにしてもよい。
【0068】
また、上記実施形態の変更例として、サーバ3は、本日が工事予定日となる工事現場を工事中であると判断し、その他の工事現場は工事中ではないと判断するようにしてもよい。
【0069】
また、上記実施形態では、前記アクセス制限手段9は、認証による制限とIPアドレスによる制限を行っているが、認証による制限又はIPアドレスによる制限の何れか一方からなるアクセス制限手段にしてもよい。
【0070】
なお、上記実施形態で説明したカメラアイコン24は、カメラを模したものであるが、ネットワークカメラ2が設置されていることを示すアイコンは、カメラアイコン24に限定されず、カメラ以外の形態をしたアイコンであってもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、ユーザが写真ボタン31dを選択する操作を行った場合、その旨の情報がクライアント端末4からサーバ3に送信され、これを受けたサーバ3がネットワークカメラ2から受信してクライアント端末4に転送している映像から写真画像を切り取るようになっていたが、この点を以下のようにすることも可能である。すなわち、ユーザが写真ボタン31dを選択する操作を行った場合、クライアント端末4がサーバに対して写真画像の要求を行い、これを受けたサーバ3がネットワークカメラ2に対して写真画像を要求し(あるいは、クライアント端末4から受けた写真画像の要求を転送し)、当該ネットワークカメラから送られてくる写真画像を取得(受信)してサーバ3内に保存するようにしてもよい(写真画像取得手段)。ネットワークカメラ2は、サーバ3から上記要求を受信した場合、写真画像(静止画像)を撮影し、或いは、撮影する動画から写真画像(静止画像)を切り出して当該写真画像をサーバ3に送信する。
【符号の説明】
【0072】
1 監視カメラシステム
2 ネットワークカメラ
3 サーバ
4 クライアント端末
6 コンピュータネットワーク
8 足場(監視対象)
9 アクセス制限手段
11 ユーザ認証情報
12 カメラ向け認証情報
13 記憶手段
21 物件一覧
24 カメラアイコン
26 工事チェックシート
27 工事中判定手段
28 識別表示手段
29 完了ボタン
31d 写真ボタン
31e 文書用写真ボタン