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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】スクラッチ検出システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/11 20060101AFI20240410BHJP
【FI】
A61B5/11 230
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023530555
(86)(22)【出願日】2020-11-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 JP2020043365
(87)【国際公開番号】W WO2022107304
(87)【国際公開日】2022-05-27
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】519201259
【氏名又は名称】サイントル株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】516044358
【氏名又は名称】ナオス
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(72)【発明者】
【氏名】木暮 貴政
(72)【発明者】
【氏名】近藤 栄太郎
【審査官】冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-507434(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0129508(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06 - 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の手の動きに対応する加速度を検出して前記加速度に応じた検出値を含む第1信号を第1周期で出力可能なセンサ部と、
前記第1信号を取得して前記第1周期を複数含む第2周期で複数のパラメータに基づいて前記対象者のスクラッチ行動を検出可能な処理部と、
を備え、
前記複数のパラメータは、第1発生数、及び、第1連続数を含み、
前記第1発生数は、前記第2周期において前記検出値の絶対値が基準値を超えた回数であり、
前記第1連続数は、前記第2周期において前記検出値の前記絶対値が前記基準値を連続して超えた回数の最大値である、スクラッチ検出システム。
【請求項2】
前記処理部は、前記第2周期ごとの前記スクラッチ行動の前記検出の結果を出力可能な、請求項1記載のスクラッチ検出システム。
【請求項3】
前記複数のパラメータは、第1平均数をさらに含み、
前記第1平均数は、前記第2周期において前記基準値を超えた前記検出値の前記絶対値の平均値である、請求項1または2に記載のスクラッチ検出システム。
【請求項4】
前記検出値は、前記加速度の第1軸に沿い正及び負の一方の第1成分、前記加速度の第2軸に沿い正及び負の一方の第2成分、及び、前記加速度の第3軸に沿い正及び負の一方の第3成分を含み、
前記第2軸は、前記第1軸と交差し、
前記第3軸は、前記第1軸及び前記第2軸を含む平面と交差し、
前記処理部は、前記第1成分に基づく第1軸パラメータ、前記第2成分に基づく第2軸パラメータ、及び、前記第3成分に基づく第3軸パラメータの少なくともいずれかが定められた値を超えたときに、前記スクラッチ行動が有ると判断可能な、請求項1または2に記載のスクラッチ検出システム。
【請求項5】
前記第1軸パラメータP1は、
P1=n1×N1+c1×C1
で表され、
前記N1は、前記第2周期において前記第1成分の絶対値が前記第1成分に関する第1成分基準値の絶対値を超えた回数であり、
前記C1は、前記第2周期において前記第1成分の前記絶対値が前記第1成分基準値の前記絶対値を連続して超えた回数の最大値であり、
前記第2軸パラメータP2は、
P2=n2×N2+c2×C2
で表され、
前記N2は、前記第2周期において前記第2成分の絶対値が前記第2成分に関する第2成分基準値の絶対値を超えた回数であり、
前記C2は、前記第2周期において前記第2成分の前記絶対値が前記第2成分基準値の前記絶対値を連続して超えた回数の最大値であり、
前記第3軸パラメータP3は、
P3=n3×N3+c3×C3
で表され、
前記N3は、前記第2周期において前記第3成分の絶対値が前記第3成分に関する第3成分基準値の絶対値を超えた回数であり、
前記C3は、前記第2周期において前記第3成分の前記絶対値が前記第3成分基準値の前記絶対値を連続して超えた回数の最大値であり、
係数n1、n2及びn3は正及び負の一方であり、係数c1、c2及びc3は正及び負の他方である、請求項4記載のスクラッチ検出システム。
【請求項6】
前記第1軸パラメータP1は、
P1=n1×N1+c1×C1+m1×M1
で表され、
前記N1は、前記第2周期において前記第1成分の絶対値が前記第1成分に関する第1成分基準値の絶対値を超えた回数であり、
前記C1は、前記第2周期において前記第1成分の前記絶対値が前記第1成分基準値の前記絶対値を連続して超えた回数の最大値であり、
前記M1は、前記第2周期において前記第1成分基準値の前記絶対値を超えた前記第1成分の前記絶対値の平均値であり、
前記第2軸パラメータP2は、
P2=n2×N2+c2×C2+m2×M2
で表され、
前記N2は、前記第2周期において前記第2成分の絶対値が前記第2成分に関する第2成分基準値の絶対値を超えた回数であり、
前記C2は、前記第2周期において前記第2成分の前記絶対値が前記第2成分基準値の前記絶対値を連続して超えた回数の最大値であり、
前記M2は、前記第2周期において前記第2成分基準値の前記絶対値を超えた前記第2成分の前記絶対値の平均値であり、
前記第3軸パラメータP3は、
P3=n3×N3+c3×C3+m3×M3
で表され、
前記N3は、前記第2周期において前記第3成分の絶対値が前記第3成分に関する第3成分基準値の絶対値を超えた回数であり、
前記C3は、前記第2周期において前記第3成分の前記絶対値が前記第3成分基準値の前記絶対値を連続して超えた回数の最大値であり、
前記M3は、前記第2周期において前記第3成分基準値の前記絶対値を超えた前記第3成分の前記絶対値の平均値であり、
係数n1、n2、n3、m1、m2、及びm3は正及び負の一方であり、係数c1、c2及びc3は正及び負の他方である、請求項4記載のスクラッチ検出システム。
【請求項7】
前記検出値は、前記加速度の第1軸に沿い正及び負の一方の第1成分、前記加速度の第2軸に沿い正及び負の一方の第2成分、前記加速度の第3軸に沿い正及び負の一方の第3成分、前記加速度の第1軸に沿い正及び負の他方の第4成分、前記加速度の第2軸に沿い正及び負の他方の第5成分、及び、前記加速度の第3軸に沿い正及び負の他方の第6成分を含み、
前記第2軸は、前記第1軸と交差し、
前記第3軸は、前記第1軸及び前記第2軸を含む平面と交差し、
前記処理部は、前記第1成分及び前記第4成分に基づく第1軸パラメータ、前記第2成分及び前記第5成分に基づく第2軸パラメータ、及び、前記第3成分及び前記第6成分に基づく第3軸パラメータの少なくともいずれかが定められた値を超えたときに、前記スクラッチ行動が有ると判断することを含む、請求項1または2に記載のスクラッチ検出システム。
【請求項8】
前記第1軸パラメータP1は、
P1=n1×N1+c1×C1+n4×N4+c4×C4
で表され、
前記N1は、前記第2周期において前記第1成分の絶対値が前記第1成分に関する第1成分基準値の絶対値を超えた回数であり、
前記C1は、前記第2周期において前記第1成分の前記絶対値が前記第1成分基準値の前記絶対値を連続して超えた回数の最大値であり、
前記N4は、前記第2周期において前記第4成分の絶対値が前記第4成分に関する第4成分基準値の絶対値を超えた回数であり、
前記C4は、前記第2周期において前記第4成分の前記絶対値が前記第4成分基準値の前記絶対値を連続して超えた回数の最大値であり、
前記第2軸パラメータP2は、
P2=n2×N2+c2×C2+n5×N5+c5×C5
で表され、
前記N2は、前記第2周期において前記第2成分の絶対値が前記第2成分に関する第2成分基準値の絶対値を超えた回数であり、
前記C2は、前記第2周期において前記第2成分の前記絶対値が前記第2成分基準値の前記絶対値を連続して超えた回数の最大値であり、
前記N5は、前記第2周期において前記第5成分の絶対値が前記第5成分に関する第5成分基準値の絶対値を超えた回数であり、
前記C5は、前記第2周期において前記第5成分の前記絶対値が前記第5成分基準値の前記絶対値を連続して超えた回数の最大値であり、
前記第3軸パラメータP3は、
P3=n3×N3+c3×C3+n6×N6+c6×C6
で表され、
前記N3は、前記第2周期において前記第3成分の絶対値が前記第3成分に関する第3成分基準値の絶対値を超えた回数であり、
前記C3は、前記第2周期において前記第3成分の前記絶対値が前記第3成分基準値の前記絶対値を連続して超えた回数の最大値であり、
前記N6は、前記第2周期において前記第6成分の絶対値が前記第6成分に関する第6成分基準値の絶対値を超えた回数であり、
前記C6は、前記第2周期において前記第6成分の前記絶対値が前記第6成分基準値の前記絶対値を連続して超えた回数の最大値であり、
係数n1、n2、n3、n4、n5及びn6は正及び負の一方であり、係数c1、c2、c3、c4、c5及びc6は正及び負の他方である、請求項7記載のスクラッチ検出システム。
【請求項9】
前記第1軸パラメータP1は、
P1=n1×N1+c1×C1+m1×M1+n4×N4+c4×C4+m4×M4
で表され、
前記N1は、前記第2周期において前記第1成分の絶対値が前記第1成分に関する第1成分基準値の絶対値を超えた回数であり、
前記C1は、前記第2周期において前記第1成分の前記絶対値が前記第1成分基準値の前記絶対値を連続して超えた回数の最大値であり、
前記M1は、前記第2周期において前記第1成分基準値の前記絶対値を超えた前記第1成分の前記絶対値の平均値であり、
前記N4は、前記第2周期において前記第4成分の絶対値が前記第4成分に関する第4成分基準値の絶対値を超えた回数であり、
前記C4は、前記第2周期において前記第4成分の前記絶対値が前記第4成分基準値の前記絶対値を連続して超えた回数の最大値であり、
前記M4は、前記第2周期において前記第4成分基準値の前記絶対値を超えた前記第4成分の前記絶対値の平均値であり、
前記第2軸パラメータP2は、
P2=n2×N2+c2×C2+m2×M2+n5×N5+c5×C5+m5×M5
で表され、
前記N2は、前記第2周期において前記第2成分の絶対値が前記第2成分に関する第2成分基準値の絶対値を超えた回数であり、
前記C2は、前記第2周期において前記第2成分の前記絶対値が前記第2成分基準値の前記絶対値を連続して超えた回数の最大値であり、
前記M2は、前記第2周期において前記第2成分基準値の前記絶対値を超えた前記第2成分の前記絶対値の平均値であり、
前記N5は、前記第2周期において前記第5成分の絶対値が前記第5成分に関する第5成分基準値の絶対値を超えた回数であり、
前記C5は、前記第2周期において前記第5成分の前記絶対値が前記第5成分基準値の前記絶対値を連続して超えた回数の最大値であり、
前記M5は、前記第2周期において前記第5成分基準値の前記絶対値を超えた前記第5成分の前記絶対値の平均値であり、
前記第3軸パラメータP3は、
P3=n3×N3+c3×C3+m3×M3+n6×N6+c6×C6+m6×M6
で表され、
前記N3は、前記第2周期において前記第3成分の絶対値が前記第3成分に関する第3成分基準値の絶対値を超えた回数であり、
前記C3は、前記第2周期において前記第3成分の前記絶対値が前記第3成分基準値の前記絶対値を連続して超えた回数の最大値であり、
前記M3は、前記第2周期において前記第3成分基準値の前記絶対値を超えた前記第3成分の前記絶対値の平均値であり、
前記N6は、前記第2周期において前記第6成分の絶対値が前記第6成分に関する第6成分基準値の絶対値を超えた回数であり、
前記C6は、前記第2周期において前記第6成分の前記絶対値が前記第6成分基準値の前記絶対値を連続して超えた回数の最大値であり、
前記M6は、前記第2周期において前記第6成分基準値の前記絶対値を超えた前記第6成分の前記絶対値の平均値であり、
係数n1、n2、n3、n4、n5、n6、m1、m2、m3、m4、m5及びm6は正及び負の一方であり、係数c1、c2、c3、c4、c5及びc6は正及び負の他方である、請求項7記載のスクラッチ検出システム。
【請求項10】
前記処理部は、前記第1信号に基づいて前記手が動いたと判断したときに、前記スクラッチ行動の有無を検出可能である、請求項1または2に記載のスクラッチ検出システム。
【請求項11】
前記検出値は、前記加速度の第1軸に沿う第1加速度成分、前記加速度の第2軸に沿う第2加速度成分、及び、前記加速度の第3軸に沿う第3加速度成分を含み、
前記第2軸は、前記第1軸と交差し、
前記第3軸は、前記第1軸及び前記第2軸を含む平面と交差し、
前記処理部は、動きパラメータが動きに関して定められた値を超えたときに、前記手が動いたと判断し、
前記動きパラメータは、前記第1加速度成分、前記第2加速度成分及び前記第3加速度成分の二乗平均平方根である、請求項10記載のスクラッチ検出システム。
【請求項12】
表示部を含む出力装置をさらに備え、
前記表示部は、前記スクラッチ行動の有無、前記第1発生数、及び、前記第1連続数の少なくともいずれか1つを表示可能である、請求項1~11のいずれか1つに記載のスクラッチ検出システム。
【請求項13】
表示部を含む出力装置をさらに備え、
前記表示部は、スクラッチ回数、スクラッチ時間、及び、スクラッチ相対時間の少なくともいずれかに関する情報を表示可能であり、
前記処理部は、複数の第2周期を含む評価期間において前記複数の第2周期のそれぞれにおいて前記スクラッチ行動の有無を検出可能であり、
前記スクラッチ回数は、前記評価期間において、前記スクラッチ行動が有ると判断した前記第2周期の数であり、
前記スクラッチ時間は、前記評価期間における、前記スクラッチ行動が有ると判断した連続する前記第2周期の和であり、
前記スクラッチ相対時間は、前記評価期間に対する前記スクラッチ時間の比である、請求項1~11のいずれか1つに記載のスクラッチ検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、スクラッチ検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、患者の体の動き計測して患者の痒みを監視するシステムがある。より正確な計測が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2020-507434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、より正確にスクラッチ行動を検出できるスクラッチ検出システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、スクラッチ検出システムは、センサ部及び処理部を含む。前記センサ部は、対象者の手の動きに対応する加速度を検出して前記加速度に応じた検出値を含む第1信号を第1周期で出力可能である。前記処理部は、前記第1信号を取得して第2周期で複数のパラメータに基づいて前記対象者のスクラッチ行動を検出可能である。前記第2周期は、複数の前記第1周期を含む。前記複数のパラメータは、第1発生数、及び、第1連続数を含む。前記第1発生数は、前記第2周期において前記検出値の絶対値が基準値を超えた回数である。前記第1連続数は、前記第2周期において前記検出値の前記絶対値が前記基準値を連続して超えた回数の最大値である。
【発明の効果】
【0006】
実施形態によれば、より正確にスクラッチ行動を検出できるスクラッチ検出システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態に係るスクラッチ検出システムを例示する模式図である。
図2図2(a)~図2(c)は、第1実施形態に係るスクラッチ検出システムを例示する模式図である。
図3図3(a)~図3(c)は、第1実施形態に係るスクラッチ検出システムにおける信号を例示する模式図である。
図4図4は、第1実施形態に係るスクラッチ検出システムで得られる特性を例示するグラフ図である。
図5図5は、第1実施形態に係るスクラッチ検出システムで得られる特性を例示するグラフ図である。
図6図6は、第1実施形態に係るスクラッチ検出システムで得られる特性を例示するグラフ図である。
図7図7は、実施形態に係るスクラッチ検出システムの動作例示するフローチャート図である。
図8図8は、実施形態に係るスクラッチ検出システムの動作を例示するフローチャート図である。
図9図9は、実施形態に係るスクラッチ検出システムの出力装置を例示する模式図である。
図10図10は、実施形態に係るスクラッチ検出システムの出力装置を例示する模式図である。
図11図11は、実施形態に係る処理装置を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既に説明したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るスクラッチ検出システムを例示する模式図である。
図2(a)~図2(c)は、第1実施形態に係るスクラッチ検出システムを例示する模式図である。
【0010】
図1に示すように、実施形態に係るスクラッチ検出システム110は、計測装置10を含む。後述するように、計測装置10は、例えば、対象者が対象者の体の一部をスクラッチしているかどうかを検出可能である。対象者は、例えば、スクラッチ検出システム110の利用者である。スクラッチ検出システムは110、掻く、こする、たたく等、対象者のスクラッチ行動を検出することができる。スクラッチ検出システム110は、出力装置20をさらに含んでも良い。
【0011】
図1に示すように、計測装置10は、センサ部11及び処理部12を含む。計測装置10は、通信部13、メモリ部14、及び、電源部15などを含んでも良い。出力装置20は、表示部21を含む。出力装置20は、処理部22、通信部23、メモリ部24及び電源部25を含んでも良い。
【0012】
計測装置10と出力装置20とは、互いに通信可能である。例えば、通信部13と通信部23とが、互いに通信可能である。例えば、通信部23はネットワーク35を介してサーバ30と通信可能でも良い。サーバ30は、例えば、CPUなどの処理部を含んでも良い。
【0013】
後述するように、例えば、計測装置10において、センサ部11は対象者の動き(例えば体動)を検出可能である。処理部12は、決定動作(すなわち、第1動作)を実施可能で、センサ部11から受信したデータに基づいて対象者がスクラッチするかどうかを決定し、検出結果を生成する。結果が通信部13を介して、出力装置20に出力可能である。処理部12における処理に関するプログラムまたはソフトウェア、及び、検出結果がメモリ部14に記憶されても良い。センサ部11、処理部12、通信部13及びメモリ部14には、電源部15から電力が供給され、動作可能である。電源部15は、例えば、バッテリを含んでも良い。
【0014】
後述するように、出力装置20において、表示部21は、センサ部11による検出結果に関連する情報を表示可能である。例えば、出力装置20は、通信部23を介して、センサ部11による検出結果に基づく情報(例えば、信号)を取得する。例えば、処理部22は、検出結果から情報を計算しても良い。情報は、対象者が、例えば、一晩の間にスクラッチする期間を含む。情報の詳細は後述する。例えば、表示部21は、情報を表示する。メモリ部24は、例えば、通信部23を介して取得した検出結果、及び、処理部22により計算された情報を記憶可能である。表示部21、処理部22、通信部23及びメモリ部24には、電源部25から電力が供給され、動作可能である。電源部25は、例えば、バッテリを含んでも良い。出力装置20は、例えば、携帯型端末(例えばスマートフォンなど)でも良い。通信部13と通信部23との間の通信は、無線または有線の通信方法が適用できる。
【0015】
図2(a)に示すように、1つの例において、計測装置10は、筐体17を含んでも良い。筐体17の中に、センサ部11及び処理部12などが設けられても良い。図2(a)においては、通信部13、メモリ部14及び電源部15などは省略されている。図2(a)に示すように、電力入力端末19(例えば、USB:ユニバーサル・シリアル・バス)を、計測装置10に設ける事ができる。図2(a)に示すように、計測装置10は、付着部材18を含んでも良い。付着部材18は、例えば、筐体17の底面に設けられる。付着部材18は、例えば、シート状の付着材料を含んでも良い。
【0016】
図2(b)に示すように、計測装置10は、対象者80の手81に、着脱可能に固定可能である。例えば、付着部材18により、筐体17が手81に固定される。図2(a)に示すように、突起部19pを筐体17に設ける事ができる。対象者80は、突起部19pを操作することで容易に筐体17を手81に取り付けたり外したりできる。
【0017】
図2(c)に示すように、計測装置10にグローブ状部材16が設けられても良い。対象者80の少なくとも1つの指が、例えば、グローブ状部材16の一部を通過可能である。筐体17は、手81の甲82とグローブ状部材16との間に位置する。グローブ状部材16は、手81に対する筐体17の位置を固定することができる。グローブ状部材16により、計測装置10が手81に、着脱可能に固定されても良い。図2(c)に示した例では、付着部材18は設けなくても良い。
【0018】
例えば、計測装置10は、手81の甲82に固定される。計測装置10が甲82に固定されることで、対象者80は、手81の平、及び、指を用いたいかなる作業を違和感なく行うことができる。
センサ部11は、対象者80の手81の動きに対応する加速度を検出可能である。センサ部11は、例えば、加速度センサを含む。加速度センサは、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)装置を含む。
【0019】
図1に示すように、センサ部11は、第1周期中の加速度を検出可能で、第1信号S1を出力可能である。第1信号S1は、検出値を含む。検出値は、手81の動きに応じている。例えば、手81が動くと、第1信号S1が変化する。第1信号S1に含まれる検出値は、手81の動きに応じた加速度に応じて変化する。センサ部11は、第1信号S1を第1周期で出力可能である。第1周期は、例えば、加速度のサンプリング周期である。第1周期は、例えば、5ms以上500ms以下である。第1周期は、計測装置10の処理部12に設けられるタイマーで定義される。処理部12は、第1周期の長さを変えてもよい。
【0020】
図1に示すように、第1信号S1は、処理部12に供給される。処理部12は、第1信号S1を取得可能である。
【0021】
センサ部11で検出される加速度の方向は、任意である。任意の方向の加速度は、3つの軸に沿う成分として表される。第1信号S1に含まれる検出値は、加速度の第1軸に沿う成分と、加速度の第2軸に沿う成分と、加速度の第3軸に沿う成分と、を含む。第2軸は、第1軸と交差する。第3軸は、第1軸及び第2軸を含む平面と交差する。例えば、第1軸はX軸方向であり、第2軸はY軸方向であり、第3軸はZ軸方向である。
【0022】
従って、検出値は、3つの軸に従い3つの値を含んでも良い。加速度の向きを考慮すると、検出値は、以下の6つの成分に分けても良い:1軸に沿い正及び負の一方の第1成分、加速度の第2軸に沿い正及び負の一方の第2成分、加速度の第3軸に沿い正及び負の一方の第3成分、加速度の第1軸に沿い正及び負の他方の第4成分、加速度の第2軸に沿い正及び負の他方の第5成分、及び、加速度の第3軸に沿い正及び負の他方の第6成分を含んでも良い。これらの6つの成分の大きさ(絶対値)により、手81の動きに伴ってセンサ部11が受ける加速度を表現できる。3つの軸は、センサ部11において任意に設定されてよい。以下では、説明の便宜上、第1~第3成分が正であり、第4~第6成分が負とする。
【0023】
図3(a)~図3(c)は、第1実施形態に係るスクラッチ検出システムにおける信号を例示する模式図である。
これらの図の横軸は、時間tmである。図3(a)の縦軸は、第1軸に沿う加速度Axである。図3(b)の縦軸は、第2軸に沿う加速度Ayである。図3(c)の縦軸は、第3軸に沿う加速度Azである。
【0024】
図3(a)~図3(c)に示すように、3つの軸に関する加速度が、第1周期T1で検出される。図3(a)に示すように、第1軸に沿う第1成分A1(例えば正値)に関する第1成分基準値V1と、第1軸に沿う第4成分A4(例えば負値)に関する第4成分基準値V4と、が定められる。例えば、第1成分A1(例えば正値)が、第1成分基準値V1を超えたとき、第1軸に関する手81の動きが大きい。例えば、第4成分A4(例えば負値)の絶対値が、第4成分基準値V4を超えたとき、第1軸に関する手81の動きが大きい。
【0025】
同様に、図3(b)に示すように、第2軸に沿う第2成分A2(例えば負値)に関する第2成分基準値V2と、第2軸に沿う第5成分A5(例えば負値)に関する第5成分基準値V5と、が定められる。図3(c)に示すように、第3軸に沿う第3成分A3(例えば負値)に関する第3成分基準値V3と、第3軸に沿う第6成分A6(例えば負値)に関する第6成分基準値V6と、が定められる。
【0026】
実施形態において、処理部12は、加速度に関するこのような6つの成分の少なくとも一つに基づいて対象者80がスクラッチをしているかどうかを判断することが出来る。例えば、このような6つの成分の少なくとも一つが基準値を超えた時、対象者80がスクラッチをしていると判断される。このような決定動作は、第2周期T2(図3(a)~図3(c)参照)において行われる。
【0027】
第2周期T2は、例えば、0.5秒以上3秒以下である。1つの例において、第2周期T2は、第1周期T1の10倍以上50倍以下であり、例えば、25倍である。
【0028】
例えば、処理部12は、第1信号S1に基づいて、以下の決定動作を実施可能である。第2周期T2は、複数の第1周期を含む。決定動作は、例えば、第2周期T2ごとに行われる。決定動作は、複数のパラメータに基づいて、対象者80がスクラッチをしているかどうかを検出することを含む。
【0029】
1つの例において、複数のパラメータは、以下の第1発生数、及び、以下の第1連続数を含む。第1発生数は、第2周期T2の1つの中で、検出値(例えば、3つの軸のいずれかに関する加速度の成分)の絶対値が基準値を超えた回数である。第1連続数は、第2周期T2の1つの中で、検出値の絶対値が基準値を連続して超えた回数の最大値である。このような複数のパラメータに基づいて対象者80がスクラッチをしているかどうかを検出することで、より正確にスクラッチ行動を検出できることが分かった。
【0030】
1つの例において、検出値として正の加速度成分(第1成分A1、第2成分A2及び第3成分A3)を用いても良い。この場合、図3(a)の例において、第2周期T2の1つにおいて、正の加速度Axが第1成分基準値V1を超えた回数(第1発生数)は11である。図3(a)の例において、第2周期T2の1つの中で、検出値の絶対値が基準値を連続して超えた回数の最大値(第1連続数)は、9である。処理部12は、3つの軸の一つに関連するこのような発生数及び連続数に基づいて、対象者80がスクラッチをしているかどうかを検出する。正の加速度Axに関連する発生数及び連続数(またはそれらの関数)が基準値よりも大きいときに、対象者80はスクラッチをしていると判断される。正の加速度Axに関連する発生数及び連続数(またはそれらの関数)が、基準値以下のときに、対象者80はスクラッチをしていないと判断される。
たとえ正の加速度Axに関連する発生数及び連続数(またはそれらの関数)が、基準値以下であっても、正の加速度Ayに関連する発生数及び連続数(またはそれらの関数)が基準値よりも大きいときには、対象者80はスクラッチをしていると判断できる。
たとえ正の加速度Ay及び正の加速度Axに関連する発生数及び連続数(またはそれらの関数)が、基準値以下であっても、正の加速度Azに関連する発生数及び連続数(またはそれらの関数)が基準値よりも大きいときには、対象者80はスクラッチをしていると判断できる。
例えば、3つの軸に関してこのような処理が行われ、対象者80がスクラッチをしているかどうかが総合的に判断されても良い。例えば、3つの軸の2つ以上に関する検出値の演算(和などを含む)の結果により、スクラッチが判断されても良い。
【0031】
実施形態において、複数のパラメータは、以下の第1平均数をさらに含んでも良い。第1平均数は、第2周期T2の1つの中で、基準値を超えた検出値の絶対値の平均値である。例えば、図3(a)の例において、第2周期T2の1つにおいて、基準値(例えば第1成分基準値V1)を超えた検出値(例えば正の加速度Ax)の絶対値が平均される。図3(a)の例においては、11個の検出値(例えば正の加速度Ax)が、基準値(例えば第1成分基準値V1)を超えている。この11個の検出値(例えば正の加速度Ax)の平均値が第1平均数に対応する。第1平均数を含む複数のパラメータに基づいて対象者80がスクラッチをしているかどうかを検出することで、より正確にスクラッチを検出できる。
【0032】
実施形態において、3軸に関して、正負の加速度を考慮して、スクラッチ行動が検出されても良い。
【0033】
例えば、既に説明したように、第1信号S1中の検出値は、上記の第1~第6成分A1~A6を含んでも良い。第1成分A1は、加速度の第1軸に沿い正及び負の一方の成分である。第2成分A2は、加速度の第2軸に沿い正及び負の一方の成分である。第3成分A3は、加速度の第3軸に沿い正及び負の一方の成分である。第4成分A4は、加速度の第1軸に沿い正及び負の他方の成分である。第5成分A5は、加速度の第2軸に沿い正及び負の他方の成分である。第6成分A6は、加速度の第3軸に沿い正及び負の他方の成分である。処理部12は、第1成分A1及び第4成分A4に基づく第1軸パラメータ、第2成分A2及び第5成分A5に基づく第2軸パラメータ、及び、第3成分A3及び第6成分A6に基づく第3軸パラメータの少なくともいずれかが基準値を超えたときに、対象者80がスクラッチをしていると判断することを含む決定動作を実施可能である。
【0034】
例えば、第1軸パラメータP1は、
P1=n1×N1+c1×C1+m1×M1+n4×N4+c4×C4+m4×M4 … (1)
で表される。「N1」は、第2周期T2の1つの中で、第1成分A1の絶対値が、第1成分A1に関する第1成分基準値V1の絶対値を超えた回数である。「C1」は、第2周期T2の1つの中で、第1成分A1の絶対値が第1成分基準値V1の絶対値を連続して超えた回数の最大値である。「M1」は、第2周期T2の1つの中で、第1成分基準値V1の絶対値を超えた第1成分A1の絶対値の平均値である。「n1」は、係数である。「c1」は、係数である。「m1」は、係数である。これらの係数は、例えば正である。「N4」は、第2周期T2の1つの中で、第4成分A4の絶対値が、第4成分A4に関する第4成分基準値V4の絶対値を超えた回数である。「C4」は、第2周期T2の1つの中で、第4成分A4の絶対値が、第4成分基準値V4の絶対値を連続して超えた回数の最大値である。「M4」は、第2周期T2の1つの中で、第4成分基準値V4の絶対値を超えた第4成分A4の絶対値の平均値である。「n4」は、係数である。「c4」は、係数である。「m4」は、係数である。例えば、「n1」、「n4」、「m1」及び「m4」は、正及び負の一方であり、「c1」及び「c4」は、正及び負の他方である。例えば、「n1」、「n4」、「m1」及び「m4」は正であり、「c1」及び「c4」は負である。
【0035】
例えば、第2軸パラメータP2は、
P2=n2×N2+c2×C2+m2×M2+n5×N5+c5×C5+m5×M5 … (2)
で表される。「N2」は、第2周期T2の1つの中で、第2成分A2の絶対値が第2成分A2に関する第2成分基準値V2の絶対値を超えた回数である。「C2」は、第2周期T2の1つの中で、第2成分A2の絶対値が第2成分基準値V2の絶対値を連続して超えた回数の最大値である。「M2」は、第2周期T2の1つの中で、第2成分基準値V2の絶対値を超えた第2成分A2の絶対値の平均値である。「n2」は、係数である。「c2」は、係数である。「m2」は、係数である。「N5」は、第2周期T2の1つの中で、第5成分A5の絶対値が、第5成分A5に関する第5成分基準値V5の絶対値を超えた回数である。「C5」は、第2周期T2の1つの中で、第5成分A5の絶対値が第5成分基準値V5の絶対値を連続して超えた回数の最大値である。「M5」は、第2周期T2の1つの中で、第5成分基準値V5の絶対値を超えた第5成分A5の絶対値の平均値である。「n5」は、係数である。「c5」は、係数である。「m5」は、係数である。例えば、「n2」、「n5」、「m2」及び「m5」は、正及び負の一方であり、「c2」及び「c5」は、正及び負の他方である。例えば、「n2」、「n5」、「m2」及び「m5」は正であり、「c2」及び「c5」は負である。
【0036】
例えば、第3軸パラメータP3は、
P3=n3×N3+c3×C3+m3×M3+n6×N6+c6×C6+m6×M6 … (3)
で表される。「N3」は、第2周期T2の1つの中で、第3成分A3の絶対値が、第3成分A3に関する第3成分基準値V3の絶対値を超えた回数である。「C3」は、第2周期T2の1つの中で、第3成分A3の絶対値が、第3成分基準値V3の絶対値を連続して超えた回数の最大値である。「M3」は、第2周期T2の1つの中で、第3成分基準値V3の絶対値を超えた第3成分A3の絶対値の平均値である。「n3」は、係数である。「c3」は、係数である。「m3」は、係数である。「N6」は、第2周期T2の1つの中で、第6成分A6の絶対値が、第6成分A6に関する第6成分基準値V6の絶対値を超えた回数である。「C6」は、第2周期T2の1つの中で、第6成分A6の絶対値が第6成分基準値V6の絶対値を連続して超えた回数の最大値である。「M6」は、第2周期T2の1つの中で、第6成分基準値V6の絶対値を超えた第6成分A6の絶対値の平均値である。「n6」は、係数である。「c6」は、係数である。「m6」は、係数である。例えば、「n3」、「n6」、「m3」及び「m6」は、正及び負の一方であり、「c3」及び「c6」は、正及び負の他方である。例えば、「n3」、「n6」、「m3」及び「m6」は正であり、「c3」及び「c6」は負である。
【0037】
後述するように、上記のような第1~第3軸パラメータP1~P3を用いた検出結果が、対象者80がスクラッチをしているかどうかを示す実際の観察結果と良く一致することが分かった。例えば、「N1」は、加速度の絶対値が基準値の絶対値を超えた回数に対応する。対象者80のスクラッチ行動は、手の往復運動(動きの繰り返し)に対応する。したがって、対象者80がスクラッチをしている場合には、「N1」が比較的大きくなると考えられる。一方、「C1」は、加速度の絶対値が、基準値の絶対値を連続して超えた回数である。加速度の絶対値が基準値の絶対値を連続して超えた回数(すなわち加速度の継続時間)が長い場合、対象者80の動きは、手の往復運動には対応しないように見える。したがって、単純な回数を示す「N1」に対応する動きの中から、スクラッチ行動に対応しない「C1」の動きを除去することで、スクラッチ行動をより正確に評価できると考えられる。例えば、「n1」を正とし、「c1」を負とすることで、スクラッチに対応しない「C1」の影響を効果的に除去できる。
【0038】
例えば、「N1」だけを用いた評価の結果よりも、「N1」及び「C1」を用い、係数「n1」を正及び負の一方とし、「c1」を正及び負の他方とすることで、スクラッチ行動に対応しない「C1」の影響を効果的に除去できる。
【0039】
上記の係数の記載は、他の軸に関しても適用できる。例えば、係数n1、n2、n3、n4、n5及びn6は正及び負の一方であり、係数c1、c2、c3、c4、c5及びc6は正及び負の他方である。これにより、スクラッチ行動に対応しない加速度(動き)の影響を効果的に除去できる。
【0040】
実施形態において、「n1」の絶対値は、「c1」の絶対値の1/5以上5倍以下が好ましい。「n2」の絶対値は、「c2」の絶対値の1/5以上5倍以下が好ましい。「n3」の絶対値は、「c3」の絶対値の1/5以上5倍以下が好ましい。「n4」の絶対値は、「c4」の絶対値の1/5以上5倍以下が好ましい。「n5」の絶対値は、「c5」の絶対値の1/5以上5倍以下が好ましい。「n6」の絶対値は、「c6」の絶対値の1/5以上5倍以下が好ましい。例えば、「N1」~「N6」は、発生回数に対応する値(第2周期T2における回数)であり、「C1」~「C6」は、連続する発生回数に対応する。したがって、「N1」~「N6」の値の単位は、「C1」~「C6」の値の単位と同じである。したがって、係数n1、n2、n3、n4、n5及びn6の絶対値が、係数c1、c2、c3、c4、c5及びc6の絶対値と比較的近いことで、スクラッチに対応しない加速度(動き)の影響を効果的に除去できる。
【0041】
実施形態において、係数m1~m6の極性(正または負)が、係数n1~n6の極性(正または負)と同じである。例えば、「M1」は、加速度の大きさに対応する。「M1」が大きいことは、スクラッチしている対象者80の動きに対応する。係数m1~m6の極性(正または負)が係数n1~n6の極性(正または負)と同じであることで、スクラッチ行動をより正確に判断(そして検出)できる。
【0042】
第1~第6成分A1~A6は、例えば、重力加速度Gを用いて定義できる。重力加速度Gは、例えば、9、806m/sである。第1~第3成分A1~A3が正である場合、第1~第3成分基準値V1~V3は、例えば、0.035Gである。第4~第6成分A4~A6が負である場合、第4~第6成分基準値V4~V6は、例えば、-0.035Gである。
【0043】
このような第1~第3軸パラメータP1~P3により、対象者80のスクラッチ行動を高い精度で検出することができる。
【0044】
図4は、第1実施形態に係るスクラッチ検出システムで得られる特性を例示するグラフ図である。
図4は、1つの評価期間内における、対象者80のスクラッチ行動を評価した結果を例示している。図4の横軸は、処理部12が上記の第1~第3軸パラメータP1~P3に基づいて対象者80のスクラッチ行動を検出した結果に対応する。図4の横軸は、対象者80がスクラッチをしていると判断された推定スクラッチ時間ESである。縦軸は、対象者80を撮像した結果によりスクラッチ行動を検出した結果に対応する。縦軸は、撮像結果により対象者80がスクラッチをしていると判断された観察スクラッチ時間OSである。図4の例において、第1~第3軸パラメータP1~P3は、上記の(1)~(3)式で表される。
【0045】
図4に示すように、推定スクラッチ時間ESは、観察スクラッチ時間OSと良く一致する。両者のスピアマンの相関係数は、0.722である。
【0046】
実施形態において、第1軸パラメータP1は、
P1=n1×N1+c1×C1+n4×N4+c4×C4 … (4)
で表されても良い。
第2軸パラメータP2は、
P2=n2×N2+c2×C2+n5×N5+c5×C5 … (5)
で表されても良い。
第3軸パラメータP3は、
P3=n3×N3+c3×C3+n6×N6+c6×C6 … (6)
で表されも良い。
第1~第3軸パラメータP1~P3に基づいて決定動作が行われる場合においても、比較的高い精度でスクラッチを検出できる。加速度の検出値が連続して基準値を超えた回数が大きいときには、往復運動に対応しない可能性が高い。加速度の検出値が基準値を超えた回数から、加速度が基準値を連続して超えた回数を除外するようなパラメータを採用することで、比較的高い精度でスクラッチ行動を検出できる。
【0047】
実施形態において、正及び負の一方の加速度に基づいて、スクラッチ行動が検出されても良い。例えば、検出値は、上記の第1~第3成分A1~A3を含む。決定動作は、例えば、第1成分A1に基づく第1軸パラメータP1、第2成分A2に基づく第2軸パラメータP2、及び、第3成分A3に基づく第3軸パラメータP3の少なくともいずれかが基準値を超えたときに、対象者80がスクラッチをしていると判断することを含んでも良い。
【0048】
例えば、第1軸パラメータP1は、
P1=n1×N1+c1×C1 … (7)
で表されても良い。既に説明したように、「N1」は、第2周期T2の1つの中で、第1成分A1の絶対値が第1成分基準値V1の絶対値を超えた回数である。「C1」は、第2周期T2の1つの中で、第1成分A1の絶対値が第1成分基準値V1の絶対値を連続して超えた回数の最大値である。
第2軸パラメータP2は、
P2=n2×N2+c2×C2 … (8)
で表されても良い。既に説明したように、「N2」は、第2周期T2の1つの中で、第2成分A2の絶対値が第2成分基準値V2の絶対値を超えた回数である。「C2」は、第2周期T2の1つの中で、第2成分A2の絶対値が第2成分基準値V2の絶対値を連続して超えた回数の最大値である。
第3軸パラメータP3は、
P3=n3×N3+c3×C3 … (9)
で表されても良い。
既に説明したように、「N3」は、第2周期T2の1つの中で、第3成分A3の絶対値が第3成分基準値V3の絶対値を超えた回数である。「C3」は、第2周期T2の1つの中で第3成分A3の絶対値が第3成分基準値V3の絶対値を連続して超えた回数の最大値である。このような第1~第3軸パラメータP1~P3に基づいた決定動作が行われる場合においても、比較的高い精度でスクラッチ行動を検出できる。上記のように、スクラッチ行動は、手の動きの繰り返しに対応すると考えられる。従って、正負の一方に向けての動きに関してのパラメータにより評価することでも、比較的高い精度でスクラッチ行動を検出できると考えられる。
【0049】
図5は、第1実施形態に係るスクラッチ検出システムで得られる特性を例示するグラフ図である。
図5の例において、第1~第3軸パラメータP1~P3は、上記の(7)~(9)式で表される。図5の横軸は、処理部12がこのような第1~第3軸パラメータP1~P3に基づいて対象者80のスクラッチを検出した結果に対応する。図5の横軸は、対象者80がスクラッチをしていると判断された推定スクラッチ時間ESである。縦軸は、撮像結果により対象者80がスクラッチしていると判断された観察スクラッチ時間OSである。図5に示すように、(7)~(9)式を用いた場合も、推定スクラッチ時間ESは、観察スクラッチ時間OSと良く一致する。両者のスピアマンの相関係数は、0.730である。図4の結果と図5の結果とを比較すると、予測値(横軸)に対する実測値(縦軸)の傾きが互いに異なっている。この観点では、(1)~(3)式を採用することで、より高い精度でスクラッチを評価できると考えられる。
【0050】
実施形態において、
第1軸パラメータP1は、
P1=n1×N1+c1×C1+m1×M1 … (10)
で表されても良い。
第2軸パラメータP2は、
P2=n2×N2+c2×C2+m2×M2 … (11)
で表されも良い。
第3軸パラメータP3は、
P3=n3×N3+c3×C3+m3×M3 … (12)
で表されても良い。
【0051】
図6は、第1実施形態に係るスクラッチ検出システムで得られる特性を例示するグラフ図である。
図6の例において、第1~第3軸パラメータP1~P3は、上記の(10)~(12)式で表される。図6の横軸は、処理部12がこのような第1~第3軸パラメータP1~P3に基づいて対象者80のスクラッチを検出した結果に対応する。図6の横軸は、対象者80がスクラッチをしていると判断された推定スクラッチ時間ESである。縦軸は、撮像結果により対象者80がスクラッチをしていると判断された観察スクラッチ時間OSである。図6に示すように、(10)~(12)式を用いた場合も、推定スクラッチ時間ESは、観察スクラッチ時間OSと良く一致する。両者のスピアマンの相関係数は、0.737である。図4の結果と図6の結果とを比較すると、予測値(横軸)に対する実測値(縦軸)の傾きが僅かに異なっている。この観点では、(1)~(3)式を採用することで、より高い精度でスクラッチを評価できると考えられる。
【0052】
実施形態において、例えば、第1軸がスクラッチ行動に従った手81の動きによる加速度の方向に沿っている場合、第1軸に関する評価により、スクラッチ行動を正確に評価できる場合がある。この場合、第2軸及び第3軸に関する評価が実施されなくても良い。例えば、第1軸~第3軸の少なくとも1つに関するパラメータにより評価が行われても良い。例えば、第1~第3軸パラメータP1~P3の少なくともいずれかによりスクラッチ行動が判断されても良い。
【0053】
上記の実施形態において、処理部12は、第1~第3軸パラメータの算出結果と、それぞれに対応する基準値(例えばしきい値)と、の比較結果により、対象者80がスクラッチをしているかどうかを検出する。既に説明したように、第1~第3軸パラメータP1~P3は、例えば、第1セット(1)~(3)、第2セット(4)~(6)、第3セット(7)~(9)及び第4セット(10)~(12)の式のセットの一つで定義することができる。実施形態では、軸パラメータの1つを式のセットの1つによって定義することができ、軸パラメータの別の1つをセットの別の1つによって定義することができる。例えば、決定動作は、このような複数の処理(例えば、第1処理及び第2処理など)を行うことを含んでも良い。例えば、決定動作は、第1の式のセットに基づいた第1処理と第2の式のセットに基づいた第2処理を含んでも良い。さらに、決定動作は、第1軸パラメータに関する第1処理と、第2軸パラメータに関する第2処理と、を含んでも良い。そこで、既に説明したように、第1処理は、第1~第3軸の少なくとも1つに関する検出値と、それに対応する基準値と、の比較によりスクラッチ行動を検出(判断)すること含んでも良い。
【0054】
上記のパラメータ(係数を含む)などは、予め設定されても良い。スクラッチ検出システムにおいて、複数のモードが設けられ、複数のモードにおいて、異なるパラメータ(係数を含む)が採用されても良い。パラメータ(係数を含む)は、対象者80の状態に合わせて変更可能でも良い。パラメータの係数は、機械学習などにより修正されても良い。
【0055】
以下、処理部12で実施される決定動作(すなわち、第1動作)の例について説明する。
図7は、実施形態に係るスクラッチ検出システムの動作例示するフローチャート図である。
図7は、計測装置10の処理部12の動作を例示している。以下は、対象者80の睡眠中のスクラッチ行動を検出する例について説明する。
【0056】
図7に示すように、処理部12は、センサ部11から、検出値(加速度)を含む第1信号S1を取得する(ステップS101)。1つの例において、処理部12は、第1周期T1において検出値を取得する。
【0057】
この例では、処理部12は、検出値に基づいて対象者80が睡眠中であるかどうかを判断する(ステップS102)。睡眠中と判断された場合は、次のステップS103に進む。睡眠中ではないと判断された場合は、ステップS101及びステップS102が繰り返される。ステップS102において、例えば、検出値(加速度)がある基準値よりも小さい状態が予め定められた時間以上継続したときに睡眠であると判断される。
【0058】
ステップS103において、処理部12は、センサ部11から、検出値(加速度)を含む第1信号S1を取得する。例えば、処理部12は、第1周期T1において検出値を取得する。
【0059】
処理部12は、ステップS103(及びステップS104)で取得した検出値(加速度)に基づいて、対象者80(手81の動き)の体動を判断する。このとき、例えば、処理部12は、以下の動きパラメータに基づいて、比較的大きな体動があるか否かを判断する。
【0060】
例えば、検出値は、加速度の第1軸に沿う第1加速度成分B1、加速度の第2軸に沿う第2加速度成分B2、及び、加速度の第3軸に沿う第3加速度成分B3を含む。第2軸は、第1軸と交差する。第3軸は、第1軸及び第2軸を含む平面と交差する。処理部12は、以下の動きパラメータが動きパラメータに関する基準値を超えたときに、手81が動いたと判断する。動きパラメータは、第1加速度成分B1、第2加速度成分B2及び第3加速度成分B3の二乗平均平方根である。
【0061】
例えば、第1加速度成分B1、第2加速度成分B2及び第3加速度成分B3を用いて、動きパラメータPmは、Pm={(B1)+(B2)+(B3)1/2で表される。このような動きパラメータPmが基準値を超えたときに、処理部12は、体動(手81の動き)があると判断する。第1加速度成分B1、第2加速度成分B2及び第3加速度成分B3が、重力加速度である場合に、1つの例において、動きパラメータPmに関する基準値は、例えば、0.03G以上である。例えば、動きパラメータPmに関する基準値は、0.1G以下でも良い。このような基準値と、動きパラメータPmと、が比較され、比較的大きな手81の体動があるかどうか判断される。
【0062】
ステップS104において、処理部12が体動(手81の動き)が無いか、または比較的小さな体動と判断した場合は、ステップS103に戻る。ステップS104において、処理部12が体動(手81の動き)が有ると判断した場合は、以下のステップS110に進む。
【0063】
ステップS110においては、処理部12は、既に説明した第1処理を含む決定動作を行い、スクラッチ行動を判断する。例えば、処理部12は、上記の複数のパラメータ(第1軸~第3軸パラメータP1~P3など)の少なくとも1つに基づいて、対象者80がスクラッチをしているかどうかを判断する。対象者80がスクラッチをしているかどうかの判断は、第2周期T2において繰り返し行われる。
【0064】
この例では、睡眠が終了したかどうかが判断される(ステップS115)。睡眠が終了しない場合は、ステップS103に戻り、上記の処理が繰り返される。
【0065】
この例では、睡眠が終了して計測が終了した場合は、例えば、処理部12は、スクラッチの結果(検出結果)を外部通信機器等に出力する(ステップS120)。検出結果は、例えば、出力装置20に向けて出力される。検出結果は、例えば、ステップS103~ステップS115の間の任意のステップで行われても良い。
【0066】
例えば、決定動作において、第1処理は、第2周期T2ごとのスクラッチ行動の検出結果を出力することを含む。例えば、第1処理は、スクラッチ行動の検出結果を第2周期T2において出力することを含んでも良い。
【0067】
上記のように、処理部12は、第1信号S1に基づいて手81が動いたと判断したときに(ステップS104)、決定動作を実施可能でも良い。手81が動いたと判断したときに、対象者80がスクラッチしていると判断する第1処理を実施することで、処理量が削減できる。例えば、消費電力を低くできる。
【0068】
以下、出力装置20の動作の例について説明する。
図8は、実施形態に係るスクラッチ検出システムの動作を例示するフローチャート図である。
図8に示すように、出力装置20は、計測装置10から対象者80がスクラッチをしているかどうかに関する検出結果を取得する(ステップS210)。例えば、出力装置20の処理部22は、通信部13及び通信部23を介して、指定された評価期間(例えば、1つの睡眠期間など)において、対象者80がスクラッチをしているかどうかに関する検出結果を取得する。
【0069】
出力装置20の処理部22は、スクラッチ時間、及び、スクラッチ数などについての演算を行う(ステップS220)。例えば、処理部22は、対象者80がスクラッチをしているかどうかに関する検出結果に基づいて、スクラッチ回数、スクラッチ時間、及び、スクラッチ相対時間の少なくともいずれかに関する情報を演算により生成可能である。スクラッチ回数は、複数の第2周期T2を含む評価期間において、スクラッチ行動と判断された第2周期T2の数である。スクラッチ時間は、その評価期間における、スクラッチ行動が判断された連続する第2周期T2の和である。スクラッチ相対時間は、その評価期間(の長さ)に対するスクラッチ時間の比である。
【0070】
出力装置20の表示部21は、このような情報を表示する(ステップS230)。例えば、表示部21は、スクラッチ回数、スクラッチ時間、及び、スクラッチ相対時間の少なくともいずれかに関する情報を表示可能である。
【0071】
表示部21は、計測装置10から取得した、対象者80がスクラッチをしているかどうか、上記の第1発生数、及び、上記の第1連続数の少なくともいずれか1つを表示可能でも良い。
【0072】
実施形態においては、高い精度で検出されたスクラッチ行動を表示できる。
【0073】
出力装置20の処理部22で行われる処理の少なくとも一部は、サーバ30(図1参照)で行われても良い。出力装置20は、サーバ30で行われた処理の結果を取得し、表示部21は、その結果を表示しても良い。
【0074】
図9は、実施形態に係るスクラッチ検出システムの出力装置を例示する模式図である。 図9に示すように、出力装置20は、表示部21を含む。この例では、表示部21は、例えば、スクラッチ回数R1、及び、スクラッチ時間R2を図形により表示している。表示部21は、スクラッチ強度R3を表示可能でも良い。この例では、スクラッチ強度R3は、スクラッチ行動と判断された時刻における「M1」~「M6」の和の、第2周期T2における和に対応する。この例では、最新データRnに加えて、所定の期間の平均データRaが表示される。
【0075】
図10は、実施形態に係るスクラッチ検出システムの出力装置を例示する模式図である。図10に示すように、出力装置20の表示部21は、スクラッチ回数R1、及び、スクラッチ時間R2などの日による変化をグラフなどにより表示可能でも良い。この例では、スクラッチ回数R1が折れ線で表示される。スクラッチ時間R2が棒グラフで表示される。この例では、表示部21は、対象者80の皮膚ダメージ指数に関する情報を棒グラフの濃淡(色など)により、表示可能である。
【0076】
例えば、計測時間におけるスクラッチ回数を直接計測する参考例がある。これに対して、実施形態においては、第2周期T2ごとに、対象者80がスクラッチをしているかどうかが判断される。これにより、実施形態においては、計算量を少なくすることができる。例えば、計測装置10を小型化できる。例えば、計測装置10の消費電力を低くできる。実施形態においては、例えば、第2周期T2ごとの実質的なリアルタイムでのスクラッチの判断が可能である。
【0077】
例えば、対象者80の手81の装着可能な計測装置10が用いられる。計測装置10において、第2周期T2(例えば1秒など)ごとに対象者80がスクラッチをしているかどうかが判断される。判断の結果は、メモリ部14などに記憶されても良い。結果は、例えば、無線通信または有線通信により、出力装置20に供給可能である。出力装置20は、対象者80がスクラッチをしているかどうかに関する情報を表示可能である。出力装置20は、取得した対象者80がスクラッチをしているかどうかに関する情報を任意の無線通信及び有線通信により、クラウド(例えばネットワーク35)を経由して、サーバ30などに供給可能でも良い。出力装置20は、分析データをクラウドから受信し、出力装置20の表示部21に表示可能でも良い。
【0078】
例えば、サーバ30は、出力装置20から取得した情報(データ)を保存し、管理可能である。サーバ30は、分析結果を出力装置20に供給可能でも良い。
【0079】
例えば、計測装置10の処理部12は、第2周期T2ごとに、特徴量を計算して、対象者80がスクラッチをしているかどうかを判断する。処理部22またはサーバ30は、その結果を入手して、評価期間における、スクラッチ時間、または、スクラッチ回数など算出する。出力装置20は、それらを表示して、対象者80または対象者80のスタッフ(医療従事者など)に知らせる。
【0080】
図11は、実施形態に係る処理装置を例示する模式図である。
図11は、処理部12、処理部22及びサーバ30などの処理装置の例を示している。図11は、機能ブロック図である。図11に示すように、処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)311、I/F312、ディスプレイ313、ROM(Read Only Memory)315、RAM(Random Access Memory)316及び記憶装置317などを含む。上記の各種の動作は、例えばCPUで行われる。処理装置に含まれる複数の要素は、例えば、通信経路318などにより通信可能である。通信は、有線または無線で良い。
【0081】
実施形態によれば、より正確にスクラッチ行動を検出できるスクラッチ検出システムが提供できる。
【0082】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、スクラッチ検出システムに含まれる計測装置、センサ部、処理部、出力装置、及び、表示部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0083】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0084】
その他、本発明の実施の形態として上述したスクラッチ検出システムについて、当業者が適宜設計変更して実施し得る全てのスクラッチ検出システムも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0085】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0086】
10 計測装置
11 センサ部
12 処理部
13 通信部
14 メモリ部
15 電源部
16 グローブ状部材
17 筐体
18 付着部材
19 電力入力端末
19p 突起部
20 出力装置
21 表示部
22 処理部
23 通信部
24 メモリ部
25 電源部
30 サーバ
35 ネットワーク
80 対象者
81 手
82 甲
110 スクラッチ検出システム
313 ディスプレイ
315 ROM
316 RAM
317 記憶装置
318 通信経路
A1~A6 第1~第6成分
Ax、Ay、Az 加速度
B1~B3 第1~第3加速度成分
ES 推定スクラッチ時間
OS 観察スクラッチ時間
R1 スクラッチ回数
R2 スクラッチ時間
R3 スクラッチ強度
Ra 平均データ
Rn 最新データ
S1 第1信号
T1 第1周期
T2 第2周期
V1~V6 第1~第6成分基準値
tm 時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11