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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】印刷システム
(51)【国際特許分類】
   B41J 21/00 20060101AFI20240410BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
B41J21/00 Z
G06F3/12 303
G06F3/12 344
G06F3/12 353
G06F3/12 378
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020029870
(22)【出願日】2020-02-25
(65)【公開番号】P2021133551
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2023-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100094226
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100087066
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 隆
(72)【発明者】
【氏名】鶴岡 寿徳
(72)【発明者】
【氏名】猪爪 健一
(72)【発明者】
【氏名】前田 香奈
【審査官】牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-232866(JP,A)
【文献】特開2000-071530(JP,A)
【文献】特開平07-276708(JP,A)
【文献】特開2019-220112(JP,A)
【文献】特開2001-001602(JP,A)
【文献】特開2000-039941(JP,A)
【文献】特開2020-006510(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 21/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの商品に関する複数行からなる1つの文字情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶された1つの文字情報の内の一部の行を指定する指定手段と、
前記指定された1つの文字情報の内の一部の行を出力する出力手段と、
を備える印刷システム。
【請求項2】
前記指定手段により指定された前記一部の行を表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記複数行からなる1つの文字情報を改行の旨と共に一行で表示する表示手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷システム。
【請求項4】
1つの商品に関する複数行からなる1つの文字情報を記憶する記憶工程と、
前記記憶された1つの文字情報の内の一部の行を指定する指定工程と、
前記指定された1つの文字情報の内の一部の行を出力する出力工程と、
を有する印刷方法。
【請求項5】
印刷装置としてのコンピュータを、
1つの商品に関する複数行からなる1つの文字情報を記憶する記憶手段、
前記記憶された1つの文字情報の内の一部の行を指定する指定手段、
前記指定された1つの文字情報の内の一部の行を出力する出力手段、
して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル発行等に用いて好適な印刷システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、精肉、鮮魚、青果、各種加工食品等の商品には、商品情報を記載したラベルが貼付される。商品情報には、商品名称の他、加工者名、店舗名、保存方法、消費期限、加工日時、価格、原材料などがある。
【0003】
そして、従来よりも、よりスムーズに商品情報(文字情報)を印刷できる印刷装置が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-047917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、所望の商品情報をスムーズに印刷できる印刷システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、1つの商品に関する複数行からなる1つの文字情報を記憶する記憶手段と、前記記憶された1つの文字情報の内の一部の行を指定する指定手段と、前記指定された1つの文字情報の内の一部の行を出力する出力手段と、を備える印刷システムにある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】印刷装置(ラベル印刷装置)1の斜視図である。
図2】印刷システム(ラベル印刷システム)100の構成を示すブロック図である。
図3】商品情報テーブルT1の一例を示す図である。
図4】コメントテーブルT2-1,T2-2を示す図である。
図5】フォーマット情報テーブルT3の一例を示す図である。
図6】ラベルの印刷を行う動作例を示す動作フロー図である。
図7】ラベルR1を示す図である。
図8】ラベルR2を示す図である。
図9】ラベルR3を示す図である。
図10】一部文字情報指定用画面G1の一例を示す図である。
図11】一部文字情報指定用画面G1の他の例を示す図である。
図12】文字情報表示画面G2の一例を示す図である。
図13】コメント設定画面G3の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる印刷システム100に用いる印刷装置(以下「ラベル印刷装置」というが、計量値付機、商品データ処理装置でもある)1の斜視図である。このラベル印刷装置1は、計量値付けラベル印刷装置であり、例えば販売店のバックヤードに設置され、各種商品又は商品容器に貼付するラベル(印刷媒体)を発行する装置である。同図に示すように、ラベル印刷装置1は、基台部3の上面に、表示手段5とキー操作部7とを設置し、また基台部3の前面にラベル発行口11を設置し、さらに商品計量用のはかり部9をケーブル(無線でも良い)で接続して構成されている。
【0009】
図2は上記ラベル印刷装置1を用いた印刷システム100の1構成例を示すブロック図である。印刷システム100は、ラベル印刷装置1と、当該ラベル印刷装置1の下記する通信部31及びネットワーク70を介して接続される管理装置(サーバ)80とを具備して構成されている。ネットワーク70には、このラベル印刷装置1と同等の構成を有する他のラベル印刷装置1-2,1-3,・・を接続しても良い。ラベル印刷装置1は、制御部20と、はかり部9と、印字部40と、操作部50と、読取部60とを備えている。はかり部9はロードセル9aを備え、商品の重量を計量する。印字部40は印字機構部41を有している。印字機構部41は、ラベルの印字を行い、印字したラベルを前記図1に示すラベル発行口11から排出(発行)する。操作部50はキー操作部7と、表示手段(操作表示部)5(5a,5b)とを備える。キー操作部7はテンキーと印字キーとを備える。テンキーは数字の入力を受け付ける。印字キーは印字指示の入力を受け付ける。表示手段5は液晶表示器5aにタッチパネル5bが積層された構造となっており、同一面でデータの表示と入力とができるようになっている。液晶表示器5aは各種データの表示を行う。タッチパネル5bは操作者の指が触れると、触れた位置を検出し、検出した位置に応じた入力を受け付ける。読取部60はスキャナ61を備え、バーコード等の情報を読み取る。
【0010】
制御部20は、CPU21と、ロードセル制御部22と、印字制御部23と、操作制御部24と、表示制御部25と、ROM26と、RAM27と、読取制御部28と、通信部31とを備えている。CPU21はバスを介して制御部20が備える各部と相互に接続されている。
【0011】
CPU21は、ROM26が記憶する制御プログラムとRAM27が記憶する各種情報を読み出し、読み出した制御プログラムと各種情報とに基づいて各部の制御を行う。またCPU21は、必要な情報をRAM27に記憶させる。ROM26は、例えば、CPU21において実行される各種プログラム(このプログラムには、下記する各種制御をCPU21に実行させる印刷装置制御用のプログラムを含んでいる)等の各種情報を記憶している。ロードセル制御部22は、はかり部9が備えるロードセル9aの制御を行う。印字制御部23は印字部40の制御を行う。操作制御部24は、キー操作部7と、タッチパネル5bの制御を行う。タッチパネル5bは、液晶表示器5aに表示された下記する各種画面の所定部分をタッチすることで、所望の操作を指示する。表示制御部25は、液晶表示器5aの制御を行う。RAM27は、CPU21が用いる情報を記憶する一時記憶領域である。またRAM27は、各種ファイル(後述)を記憶する記憶手段である。読取制御部28は、読取部60が備えるスキャナ61の制御を行う。通信部31は、前記ネットワーク70などを介して管理装置80などと通信を行う場合に使用する。
【0012】
図3は、上記ラベル印刷装置1のRAM27に記憶される商品情報テーブルT1の一例を示す図である。この商品情報テーブルT1は、販売対象となる商品の商品名称や価格など、その商品に関する情報(商品情報)を固有の識別番号(この例ではPLU番号を使っているが、他の各種識別番号でもよい)と紐付けて管理する情報テーブルである。即ち、商品情報テーブルT1には、図3に示すように、商品毎に、PLU番号、商品名称、価格、コメント(PLUコメント)1、コメント(PLUコメント)2などを設定している。コメントとは、当該商品に関連して出力したい情報を予め商品毎に設定しておくものであり、具体的には商品毎に、下記するコメントテーブルT2の中から所望のコメントを選択してそのコメント番号(識別番号)を設定しておくものである。
【0013】
図4(a),(b)は、上記ラベル印刷装置1のRAM27に記憶されるコメントテーブルT2-1,T2-2の一例を示す図であり、この例ではコメントテーブルT2-1を記憶しておくものとする。このコメントテーブルT2-1は、出力したいコメント情報の具体的な内容(コメント内容)を、コメント毎に設定しておくものであり、具体的には各コメント内容にコメント番号を付し、例えばコメント番号「999992」については、「加工者A(1行目)、店舗b(2行目)、保存方法:5度以下(3行目)」、コメント番号「000001」については、「加工者A」、コメント番号「000002」については、「店舗b」、コメント番号「000003」については「保存方法:5度以下」を設定している。これによって上述のように、コメントテーブルT2-1中の何れかのコメント番号を、前記商品情報テーブルT1中のコメント1やコメント2に設定しておけば、当該商品のラベルを印刷する際に、設定しておいたコメント内容を印刷できる。
【0014】
図5は、上記商品情報をラベル印刷する際のレイアウト(配置)や文字列情報(フォントや色など)やラベルサイズなどの、各種フォーマット情報を管理するフォーマット情報テーブルT3の一例を示す図である。フォーマット情報テーブルT3には、フォーマット番号、商品名称、価格、各種コメント〔PLUコメント1、PLUコメント2〕、各種選択コメント〔選択PLUコメント1、選択PLUコメント2、選択PLUコメント3〕などの欄を設定している。なお、本発明において新たに設けられたのは、上記各種選択コメントの欄である。
【0015】
商品名称の欄には、商品名称を印刷する位置情報と、大きさ情報が設定されている。ここで位置情報は、ラベル上での印字位置をX-T座標(平面座標)で指定している(以下同様)。なおX-Y軸の原点(X=0,Y=0)は、ラベルの左下位置としている。大きさは、フォントのサイズで指定している(以下同様)。価格の欄には、商品名称の欄と同様に、価格を印刷する位置情報と大きさ情報が設定されている。
【0016】
各種コメントの欄には、印刷の要否情報と、印刷する場合の位置情報と、大きさ情報が設定されている。印刷の要否情報は、印刷しない場合は「印刷なし」となっており(以下同様)、印刷する場合は印刷用の各種情報、即ち位置情報と大きさ情報が設定されている。
【0017】
各種選択コメントの欄には、印刷の要否情報と、印刷する場合のコメント一部指定情報と、位置情報と、大きさ情報が設定されている。コメント一部指定情報は、印刷するコメントと当該コメントのどの部分を印刷するかを指定する情報である。
【0018】
以下、上記各テーブルT1,T2-1,T3を用いてラベルを印刷する具体例を説明する。図6はラベル印刷装置1を用いてラベルの印刷を行う動作例を示す動作フロー図である。当該動作に入る前に、予め操作者は、ラベルに印刷しようとする商品の商品情報と、印字フォーマットを選択し、RAM27等に記憶させておく。この例では、商品1(即ちPLU番号「000001」の商品)と、フォーマット番号「001」の印字フォーマットを選択したものとする。
【0019】
そしてラベル印刷装置1のCPU21は、前記予め設定しておいた商品1の商品情報をRAM27などから取得し(ステップ1-1)、次にフォーマット番号「001」の印字フォーマット情報をRAM27などから取得する(ステップ1-2)。この例では、商品情報テーブルT1中のPLU番号「000001」の欄の商品情報と、フォーマット情報テーブルT3中のフォーマット番号「001」の欄のフォーマット情報が取得される。商品情報には、商品名称、価格、PLUコメント1,2などがある。フォーマット情報には、商品名称、価格、各PLUコメントなどに関するフォーマット情報がある。
【0020】
次に、ラベル印刷装置1のCPU21は、上記取得した情報を用い、さらにコメントテーブルT2-1の情報を参照することで、ラベルへの印刷条件を求める(ステップ1-3)。具体的には、以下のように求める。
・商品名称である「商品1」を、その左上部分がラベルの座標(X:2,Y:9)の位置になるように、フォントの大きさ16で印刷する。
・価格「100」を、その左上部分がラベルの座標(X:6,Y:7)の位置になるように、フォントの大きさ30で印刷する。
・PLUコメント1とPLUコメント2は印刷しない。
・選択PLUコメント1と選択PLUコメント2と選択PLUコメント3は何れも印刷する。
【0021】
ここで、選択PLUコメント1の内容は、「PLUコメント2の1行目」の内容を、その左上部分が座標(X:5,Y:3)の位置になるように、フォントの大きさ12で印刷する、というものである。さらに、「PLUコメント2の1行目」の内容は、商品情報テーブルT1中のPLUコメント2のコメント番号「999992」から、コメントテーブルT2のコメント番号「999992」中の1行目の「加工者A」である。
【0022】
また、選択PLUコメント2の内容は、「PLUコメント2の2行目」の内容を、その左上部分が座標(X:2,Y:3)の位置になるように、フォントの大きさ12で印刷する、というものである。さらに、「PLUコメント2の2行目」の内容は、コメントテーブルT2のコメント番号「999992」中の2行目の「店舗b」である。
【0023】
また、選択PLUコメント3の内容は、「PLUコメント2の3行目」の内容を、その左上部分が座標(X:1,Y:1)の位置になるように、フォントの大きさ8で印刷する、というものである。さらに、「PLUコメント2の3行目」の内容は、コメントテーブルT2のコメント番号「999992」中の3行目の「保存方法:5度以下」である。
【0024】
そして、ラベル印刷装置1のCPU21は、印刷制御部23及び印字部40を用いて、前記印刷条件によって、ラベルを印刷する(ステップ1-4)。図7は、上記印刷条件によって印刷したラベルR1の例を示す図である。同図に示すように、ラベルR1は、上記ラベル印刷条件に従って印刷されている。ここで、上記選択PLUコメント1によって印刷された「加工者A」と、上記選択PLUコメント2によって印刷された「店舗b」は、Y軸上では同一高さで、X軸上では、「店舗b」が左側に位置するように印刷され、また上記選択PLUコメント3によって印刷された「保存方法:5度以下」は、前記「店舗b」よりもY軸方向下側で、X軸方向左側に印刷される。
【0025】
このように、選択PLUコメントを設定しておけば、1つのコメント全体の内の一部のコメント内容毎に、任意の位置を指定してそれぞれ印刷することができる。
【0026】
なおこの例では、3つの選択PLUコメント1~3を印刷したが、その代わりに、例えば選択PLUコメント1又は2又は3のみ、又は何れか2つの選択PLUコメントを印刷するように構成することもできる。その場合は、印刷しない選択PLUコメント1又は2又は3の何れか1つ又は2つを、「印刷なし」に設定する。
【0027】
図8図9は、それぞれ異なる印刷条件によって印刷したラベルR2,R3の例を示す図である。
【0028】
図8に示すラベルR2は、商品1(即ちPLU番号「000001」の商品)と、フォーマット番号「002」の印字フォーマットを選択した場合の例である。この場合は、コメントテーブルT2の情報を参照することで、ラベルへの印刷条件が以下のように求められる。
・商品名称である「商品1」を、その左上部分がラベルの座標(X:2,Y:9)の位置になるように、フォントの大きさ16で印刷する。
・価格「100」を、その左上部分がラベルの座標(X:6,Y:7)の位置になるように、フォントの大きさ30で印刷する。
・PLUコメント1と選択PLUコメント1と選択PLUコメント2と選択PLUコメント3は何れも印刷しない。
・PLUコメント2は印刷する。
【0029】
ここで、PLUコメント2の内容は、コメント番号「999992」であって、これはコメントテーブルT2から、「PLUコメント2」全体の内容を、その左上部分が座標(X:2,Y:5)の位置になるように、フォントの大きさ12で印刷する。というものである。さらに、「PLUコメント2」全体の内容とは、1行目に「加工者A」、2行目に「店舗b」、3行目に「保存方法:5度以下」を記載するというものである。
【0030】
そして、この印刷条件によって印刷されたラベルが図8に示すラベルR2である。このように、従来からあるPLUコメントを用いれば、1つのコメント全体の内容を、そのまま所望の位置に印刷することができる。
【0031】
次に、図9に示すラベルR3は、商品1(即ちPLU番号「000001」の商品)と、フォーマット番号「003」の印字フォーマットを選択した場合の例である。この場合は、コメントテーブルT2の情報を参照することで、ラベルへの印刷条件が以下のように求められる。
・商品名称である「商品1」を、その左上部分がラベルの座標(X:2,Y:9)の位置になるように、フォントの大きさ16で印刷する。
・価格「100」を、その左上部分がラベルの座標(X:6,Y:7)の位置になるように、フォントの大きさ30で印刷する。
・PLUコメント1は印刷する。
・PLUコメント2と選択PLUコメント1と選択PLUコメント2と選択PLUコメント3は何れも印刷しない。
【0032】
ここで、PLUコメント1の内容は、「000001」であって、これはコメントテーブルT2から、「PLUコメント1」全体の内容を、その左上部分が座標(X:2,Y:5)の位置になるように、フォントの大きさ12で印刷する、というものである。さらに、「PLUコメント1」全体の内容とは、「加工者A」のみを記載するというものである。
【0033】
そして、この印刷条件によって印刷されたラベルが図9に示すラベルR3である。このように、従来からあるPLUコメントを用いれば、1つのコメント全体の内容を、そのまま所望の位置に印刷することができる。
【0034】
なお、PLUコメントを用いる代わりに、選択PLUコメントを用いてラベルR3を印刷することもできる。例えば、図5のフォーマット情報テーブルT3のフォーマット番号「003」中の「PLUコメント1」の内容を「印刷なし」に変更し、且つ、例えば、新たに設けた選択PLUコメント4の内容を「PLUコメント2-1行目、X:2Y:5、大きさ12」に設定すれば、上記ラベルR3と同じラベルが印刷できる。
【0035】
以上説明したように、上記ラベル印刷装置1によれば、予めコメントテーブルT2-1において設定されている各コメント(文字情報)内の全ての内容(文字情報)を指定して印刷(出力)するだけでなく、コメント(文字情報)の一部を指定して、当該指定した文字情報の一部を印刷(出力)するので、印刷の多様化が図れ、場合によっては、コメントテーブルT2-1中に記憶するコメントの種類の削減化も図ることもできる。例えば、コメントテーブルT2-1中のコメント番号「000001」、「000002」、「000003」は、コメント番号「999992」中の各行を指定することのみで代用することができるので、図4(b)のコメントテーブルT2-2に示すように、コメントテーブルT2-1中からコメント番号「000001」、「000002」、「000003」を省略することができる。また上述のように、コメント中の一部を指定するとともに、その印刷位置も指定できるので、この点からも印刷の多様化を容易に図ることができる。
【0036】
なお、上記例では、コメント中の各行をもって文字情報の一部としたが、行以外の他の分け方(例えば文字列の前半、後半など)をもって文字情報の一部とし、これを指定するようにしても良い。
【0037】
図10は、1つのコメント(文字情報)中の何れの部分(一部の文字情報)を利用するかを指定する一部文字情報指定用画面G1の一例を示す図である。同図に示すように、一部文字情報指定用画面G1には、少なくとも、文字情報選択欄G11と、指定行選択欄G13と、ラベルイメージ表示欄G15とを表示している。そして例えば、ラベル印刷装置1の表示手段5やキー操作部7を操作することで、当該表示手段5に、図10に示す一部文字情報指定用画面G1を表示する。そしてその文字情報選択欄G11に、「PLUコメント2」を選択して表示し、次に指定行設定欄G13に数字の「2」を設定する。即ちこの例では、利用する文字情報として「PLUコメント2」を選択し、当該文字情報中で指定する部分として「2行目」を選択している。
【0038】
これによって、ラベルイメージ表示欄G15には、表示されているラベルイメージL1の左下位置に、上記選択した一部の文字情報の一部文字情報表示位置L11が表示される。但し、この指定は、フォーマット情報テーブルT3中の選択コメント欄の内容を設定するものなので、何れの商品とも紐付けられておらず、従って一部文字情報表示位置L11には、具体的な文字情報は表示されず、単に一部文字情報を表示する位置のみを、「選択PLUコメント(PLUコメント2-2)」と表示している。
【0039】
なお仮に何れかの商品を指定しておいて、図11に示すように、一部文字情報表示位置L11に具体的内容(この例では「店舗b」)を表示させるように構成しても良い。このように構成すれば、より具体的なラベルイメージを得ることができる。
【0040】
なお、指定行設定欄G13に設定する数字は複数(例えば「1,2」)であってもよい。この場合は、文字情報中で指定する部分として「1行目と2行目」を選択したことになる。
【0041】
図12は、ラベル印刷装置1の表示手段5に表示される文字情報表示画面G2の一例を示す図である。この文字情報表示画面G2は、コメントテーブルT2(T2-1,T2-2)において設定しているコメント(文字情報)を表示する画面である。同図では、コメントテーブルT2中のコメント番号「999992」をコメント番号入力欄G21に入力することで、コメント表示欄G23にコメント番号「999992」の内容が表示されている。この例の場合、「加工者A」と「店舗b」と「保存方法:5度以下」とを、行を変えて表示するコメント(文字情報)の内容になっていることを、操作者が容易に認識することができる。なおコメント内容の表示方法は、図12に示す横書き表示に限られず、縦書き表示にすることもできる。
【0042】
図13は、ラベル印刷装置1の表示手段5に表示されるコメント設定画面G3の一例を示す図である。このコメント設定画面G3は、上記コメントテーブルT2の各コメントを作成する際に使用する画面である。この図の場合、コメント2のコメント番号設定欄G31に、コメント番号「999992」を入力し、そのコメント番号に対するコメント(文字情報)設定欄G33に、「加工者A↓店舗b↓保存方法:5度以下」を入力して表示した状態を示している。これらの入力作業は、この表示手段5やキー操作部7を操作することによって行われる。ここでコメント設定欄G33中の記号「↓」は改行を意味する。この記号「↓」によって、複数行にわたるコメントを、1行または少ない行で表示することが可能になる。これによって、1つの画面(コメント設定画面G3)上に多数のコメント(文字情報)を表示することができ、多数のコメントの設定内容を1つの画面で見ることができる。これによって、各コメントの現在の状態確認や、コメント同士の比較や、訂正などを容易に行うことが可能になる。改行の旨が表示されるので、一行で表示しても、容易に複数の行であることを認識することができる。
【0043】
以上説明したように、ラベル印刷装置1(印刷システム100)は、商品に関するコメント(文字情報)を記憶する記憶手段(RAM27)と、前記記憶されたコメント(文字情報)の一部を指定する指定手段(一部文字情報指定用画面G1を用いて、1つのコメント(文字情報)中の何れかの部分(一部の文字情報)を指定するCPU21)と、前記指定されたコメント(文字情報)の一部を印刷または画面表示(出力)する出力手段(印字部40や表示手段5)と、を備えて構成されている。なお、上記各手段(機能)の内の何れかは、当該ラベル印刷装置1以外の例えば管理装置80などに持たせても良い。
【0044】
そして、このラベル印刷装置1によれば、選択PLUコメントを設定することで、1つのコメント全体の内の一部のコメント内容だけを、所望の位置に容易に印刷することができるので、当該一部のコメントを全部とする別のコメント、上記実施形態で言えばコメントテーブルT2-1中のコメント番号「000001」、「000002」、「000003」等を別途作成する必要がなくなってコメントテーブルT2-2のようにでき、作業性を向上することができる。これによって、所望の文字情報を効率よく且つスムーズに印刷することができる。
【0045】
また上述のように、1つのコメントと、当該1つのコメントの一部を全部とする別のコメントを複数設置しておく必要がなくなるので、例えば当該1つのコメントの一部に変更が生じたときに、複数あるコメントが有する同一のコメント内容をそれぞれ訂正する必要がなくなる。上記例で言えば、例えば、「店舗b」を「店舗a」に変更する場合、コメント番号「999992」中の「店舗b」と、コメント番号「000002」中の「店舗b」の両者を「店舗a」に変更する必要があるが、本発明を用いれば、コメント番号「000002」は作成しなくても良くなるので、その場合は、コメント番号「999992」中の「店舗b」のみを「店舗a」に変更するだけでよくなる。これによって変更作業の作業効率が向上するばかりでなく、変更ミスを防止することもできる。
【0046】
また上記ラベル印刷装置1は、コメントの一部を指定する方法として、複数行からなるコメントの内の任意の行を指定する方法を用いているので、コメントの一部の指定を容易且つスムーズに行うことができる。
【0047】
また上記ラベル印刷装置1は、前記指定手段により指定する任意の行を表示する表示手段5(一部文字情報指定用画面G1)を備えるので、指定した任意の行を容易に確認することができる。
【0048】
以上説明したように、本発明は、商品に関する文字情報を記憶する記憶手段と、前記記憶された文字情報の一部を指定する指定手段と、前記指定された文字情報の一部を出力する出力手段と、を備える印刷システムにある。
本発明によれば、記憶された文字情報の内の一部だけを指定して出力できるので、当該一部の文字情報を全部とする別の文字情報を別途作成する必要がなくなり、作業性を向上することができる。これによって、所望の文字情報を効率よく且つスムーズに印刷することができる。
【0049】
また本発明は、上記特徴に加え、前記指定手段は、複数行からなる前記文字情報の内の任意の行を指定することを特徴としている。
本発明によれば、複数行を有する文字情報を、行毎に指定できるので、当該文字情報中の一部の指定を容易且つスムーズに行うことができる。
【0050】
また本発明は、上記特徴に加え、前記指定手段により指定する任意の行を表示する表示手段を備えることを特徴としている。
本発明によれば、指定した任意の行を容易に確認することができる。
【0051】
また本発明は、上記特徴に加え、複数行からなる文字情報を改行の旨と共に一行で表示する表示手段を備えることを特徴としている。
本発明によれば、複数行の文字情報を一行で表示するので、1つの画面に多種類の文字情報をまとめて表示することができる。また改行の旨が表示されるので、一行で表示していても、複数の行のそれぞれに表示される内容を容易に認識することができる。
【0052】
また本発明は、商品に関する文字情報を記憶する記憶工程と、前記記憶された文字情報の一部を指定する指定工程と、前記指定された文字情報の一部を出力する出力工程と、を有する印刷方法にある。
【0053】
また本発明は、印刷装置としてのコンピュータを、商品に関する文字情報を記憶する記憶手段と、前記記憶された文字情報の一部を指定する指定手段と、前記指定された文字情報の一部を出力する出力手段と、して機能させるプログラムにある。
【0054】
また、上記実施形態に係るラベル印刷装置1で実行されるプログラムは、ROM26等に予め組み込まれて提供されるものとしているが、これに限られず、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良い。また、上記実施形態のラベル印刷装置1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上記実施形態のラベル印刷装置1で実行されるプログラムを、ネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。
【0055】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの構成であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、上記実施形態では、文字情報として加工者や店舗などを示したが、本発明はこれに限られず、他の各種文字情報、例えば、商品名称、産地、原材料、製造者、アレルギー情報などであっても良い。また上記例では、「PLUコメント」と呼ばれる領域を用いたが、他の各種領域を用いて文字情報を表示、訂正、編集などしても良い。また上記例では、本発明をラベル印刷装置に用いた例を示したが、他の各種印刷システムに用いても良いことは言うまでもない。
【0056】
また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0057】
1 ラベル印刷装置(印刷装置) 3 基台部
5 表示手段 5a 液晶表示器
5b タッチパネル 7 キー操作部
9 はかり部 9a ロードセル
11 ラベル発行口 20 制御部
21 CPU 22 ロードセル制御部
23 印字制御部 24 操作制御部
25 表示制御部 26 ROM
27 RAM 28 読取制御部
40 印字部 41 印字機構部
50 操作部 60 読取部
61 スキャナ 70 ネットワーク
80 管理装置 100 印刷システム
T1 商品情報テーブル T2 コメントテーブル
T3 フォーマット情報テーブル R1 ラベル
R2 ラベル R3 ラベル
G1 一部文字情報指定用画面 G11 文字情報選択欄
G13 指定行選択欄 G15 ラベルイメージ表示欄
L1 ラベルイメージ L11 一部文字情報表示位置
G2 文字情報表示画面 G21 コメント番号入力欄
G23 コメント表示欄 G3 コメント設定画面
G31 コメント番号設定欄 G33 コメント(文字情報)設定欄
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