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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】GNSS受信機を動作させる方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 19/34 20100101AFI20240410BHJP
   G01S 19/28 20100101ALI20240410BHJP
【FI】
G01S19/34
G01S19/28
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019087539
(22)【出願日】2019-05-07
(65)【公開番号】P2019194591
(43)【公開日】2019-11-07
【審査請求日】2022-05-06
(31)【優先権主張番号】10 2018 206 789.9
(32)【優先日】2018-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アヒム ブレンク
(72)【発明者】
【氏名】ヨアヒム シュル
(72)【発明者】
【氏名】カイ ヴィップリンガー
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ハイグル
【審査官】藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/027513(WO,A1)
【文献】特開2011-053099(JP,A)
【文献】特開2016-011890(JP,A)
【文献】特開2001-159671(JP,A)
【文献】特開2014-066550(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00- 5/14
G01S 19/00-19/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
GNSS受信機を動作させる方法であって、
a)GNSS衛星の探索を開始するステップと、
b)第1の探索持続時間の後、第1の中断条件が満たされる場合に、前記探索を中断するステップと、
c)前記第1の探索持続時間よりも長い第2の探索持続時間の後、前記第1の中断条件とは異なる第2の中断条件が満たされる場合に、前記探索を中断するステップと、
d)前記第2の探索持続時間よりも長い第3の探索持続時間の後、第3の中断条件が満たされる場合に、前記探索を中断するステップと、
を含み、
前記探索持続時間の経過後、前記第3の中断条件のみが満たされる場合に、制限された位置算出としての二次元GNSS位置算出が可能であるかどうかが検査され、
前記探索持続時間の経過後、前記中断条件のうちのいずれも満たされない場合に、GNSS位置が算出されて提供され、その後、前記GNSS受信機は、省エネモードに移行させられる、方法。
【請求項2】
前記探索を開始するステップは、開始条件が満たされる場合に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の中断条件は、少なくとも第1の衛星数又は第1の信号状態を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の中断条件は、少なくとも第2の衛星数又は第2の信号状態を含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第3の中断条件は、少なくとも第3の衛星数又は第3の信号状態を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法を実施するためのコンピュータプログラム。
【請求項7】
請求項に記載のコンピュータプログラムが記憶されている機械可読記憶媒体。
【請求項8】
請求項に記載のコンピュータプログラムを実行するように構成されたGNSS受信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GNSS受信機を動作させる方法、コンピュータプログラム、機械可読記憶媒体、及び、GNSS受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
GNSS受信機は、地理的位置の衛星ベースの算出のために使用される。これらのGNSS受信機は、通常、そこからGNSS位置を決定するために、少なくとも4つの衛星からのGNSS衛星信号の伝搬時間測定を実施する。GNSSベースの位置を算出する前に、GNSS受信機は、通常、場合によっては見つけられた衛星の不足により位置算出が失敗して中断される前に、所定の固定時間の間、衛星の信号を探索する。この固定時間は、どの時点でどれくらいの衛星が識別されたかには依存しない。この所定の持続時間の後、位置を決定することができない場合には、この測位過程は、失敗して中断される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
発明の開示
ここでは、請求項1によれば、以下のステップを含む、GNSS受信機を動作させる方法が提案される。即ち、当該方法は、
a)GNSS衛星の探索を開始するステップと、
b)第1の探索持続時間の後、第1の中断条件が満たされる場合に、探索を中断するステップと、
c)第1の探索持続時間よりも長い第2の探索持続時間の後、第1の中断条件とは異なる第2の中断条件が満たされる場合に、探索を中断するステップと、を含む。
【0004】
この方法は、特に、GNSS位置を算出する際のエネルギーの節約に寄与する。ここで提案された解決手段によれば、有利には、中断条件を用いた多段階の方法によって、特に、識別された衛星の時点、数及び/又は信号状態に依存して、衛星の探索のための時間を、前述した条件に依存して短縮することができる。従って、特に有利には、特にバッテリ駆動の機器にとって、関連するエネルギーの節約が可能になる。ここで提案された解決手段は、特に、衛星の探索が、各段階に従った個々の中断条件を用いて段階的に行われる点で優れている。
【0005】
ここで提示される解決手段の特に好ましい態様は、位置算出のための機器における衛星の探索の際の、特に、識別された衛星の時間、数及び/又は信号状態(例えばSNR)のような条件に依存した、時間の動的適応化である。ここで提示される解決手段の特別な利点は、成功する位置算出のチャンスやそれに伴う探索時間の短縮、及び、例えば機器が建物内にある場合又は衛星の受信が他の方法により阻止されている場合などの不要な衛星探索に基づく結果から生じるエネルギー節約に依存した、衛星の探索の中断にあるとみなすことができる。
【0006】
ここで提案された解決手段によれば、探索は特に段階的に実施される。その際、探索は、好ましくは、各ステップに従って、当該ステップに必要な条件が満たされない限り、中断され得る。この種の条件として、特に所定のステップの後、信号が所定の最低品質を有する少なくとも所定数の衛星が見つからなければならないことが想定されてもよい。ここで提案された解決手段により、有利には、(例えば建物から出ない限り)無駄である探索は、既知の探索方法によって失敗するよりも、むしろ中断することができる方がよく、そのため、特に、バッテリ駆動のGNSS受信機において、エネルギーを節約することができる。
【0007】
ステップa)においては、GNSS衛星の探索の開始が行われる。この目的のために、例えば、GNSSアンテナを作動させることができ、このアンテナを介して航法衛星からの信号を受信し、生データとして又は前処理してGNSS受信機に転送することができる。代替的又は累積的に、GNSS受信機のGNSS入力を、探索の開始のために解除することができる。
【0008】
GNSSは、全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System)の略である。GNSSは、航法衛星からの信号(本明細書においては、衛星データとも称する)の受信によって、地球上での及び/又は空中での、測位及び/又は航法のためのシステムである。GNSSは、GPS(NAVSTRAR GPS)、GLONASS、Beidou、Galileoなどの既存の及び将来の全地球衛星システムの使用に対する総称である。従って、GNSSセンサは、航法衛星データを受信し、処理又は評価するのに適しているセンサシステムである。好ましくは、GNSSセンサは、航法衛星データ(GPS、GLONASS、Beidou、Galileo)を用いて高精度な車両位置を算出する能力がある。GNSSデータは、特に、航法衛星から受信されるデータであり、GNSSデータは、「航法衛星データ」とも称される。
【0009】
ステップb)においては、特に所定の第1の探索持続時間の後、第1の中断条件が満たされる場合に、探索の中断が行われる。好ましくは、GNSS受信機は、ステップb)における中断の後、位置算出が失敗したという応答を提供する。さらに好ましくは、GNSS受信機は、ステップb)における中断の後、省エネモード又は待機モード(スタンバイモード)に移行する。
【0010】
ステップc)においては、特に所定の第1の探索持続時間よりも長い第2の探索持続時間の後、第1の中断条件とは異なる第2の中断条件が満たされる場合に、探索の中断が行われる。第1の探索持続時間及び第2の探索持続時間は、通常は、特にステップa)に従った探索の開始と同一時点で開始される。好ましくは、GNSS受信機は、ステップc)における中断の後、位置算出が失敗したという応答を提供する。さらに好ましくは、GNSS受信機は、ステップc)における中断の後、省エネモード又は待機モード(スタンバイモード)に移行させられる。
【0011】
好ましい実施形態によれば、探索の開始は、開始条件が満たされる場合に行われることが提案される。開始条件として、例えば、加速度センサの信号、又は、GNSS受信機が内部又は上部に配置されている車両の信号を用いることができる。さらに、開始条件として、GNSS受信機が内部又は上部に配置されている車両が始動されたことを示す点火信号を用いることができる。
【0012】
好ましい実施形態によれば、第1の中断条件が少なくとも第1の衛星数又は第1の信号状態を含むことが提案される。好ましくは、第1の中断条件は、所定の第1の衛星数及び/又は所定の第1の信号状態を含む。好ましくは、第1の中断条件は、少なくとも1つの特に所定の第1の衛星最低数又は特に所定の第1の衛星最低信号状態に達しない又は得ることができない場合に、探索が中断されること含む。特に好ましくは、第1の中断条件は、第1の衛星最低数、特に(それぞれ)第1の衛星最低信号状態を提供しなかった、見つからなかった場合に、探索が中断されることを含む。例えば、第1の中断条件は、(十分な信号状態を有する)少なくとも1つの衛星が見つからなかった場合に、探索が中断されることを含み得る。衛星最低信号状態は、例えば、衛星信号の最低信号品質及び/又は最低信号強度を含み得る。
【0013】
好ましい実施形態によれば、第2の中断条件は、少なくとも第2の衛星数又は第2の信号状態を含むことが提案される。好ましくは、第2の中断条件は、所定の第2の衛星数及び/又は所定の第2の信号状態を含む。好ましくは、第2の中断条件は、少なくとも1つの特に所定の第2の衛星最低数又は特に所定の第2の衛星最低信号状態に達しない又は得ることができない場合に、探索が中断されること含む。特に好ましくは、第2の中断条件は、第2の衛星最低数、特に(それぞれ)第2の衛星最低信号状態を提供しなかった、見つからなかった場合に、探索が中断されることを含む。例えば、第2の中断条件は、(十分な信号状態を有する)少なくとも2つの衛星が見つからなかった場合に、探索が中断されることを含み得る。
【0014】
好ましい実施形態によれば、ステップd)において、特に所定の第2の探索持続時間よりも長い第3の探索持続時間の後、第3の中断条件が満たされる場合に、探索の中断が行われることが提案される。特に、第3の中断条件は、第1及び第2の中断条件とは異なる。第1の探索持続時間、第2の探索持続時間及び第3の探索持続時間は、通常は、特にステップa)に従った探索の開始と同一時点で開始される。好ましくは、GNSS受信機は、ステップd)における中断の後、位置算出が失敗したという応答を提供する。さらに好ましくは、GNSS受信機は、ステップd)における中断の後、省エネモード又は待機モード(スタンバイモード)に移行させられる。
【0015】
さらなる好ましい実施形態によれば、第3の中断条件は、少なくとも第3の衛星数又は第3の信号状態を含むことが提案される。好ましくは、第3の中断条件は、所定の第3の衛星数及び/又は所定の第3の信号状態を含む。好ましくは、第3の中断条件は、少なくとも1つの特に所定の第3の衛星最低数又は特に所定の第3の衛星最低信号状態に達しない又は得ることができない場合に、探索が中断されること含む。特に好ましくは、第3の中断条件は、衛星の第3の最低数、特に(それぞれ)第3の衛星最低信号状態を提供しなかった、見つからなかった場合に、探索が中断されることを含む。例えば、第3の中断条件は、(十分な信号状態を有する)少なくとも3つの衛星が見つからなかった場合に、探索が中断されることを含み得る。
【0016】
好ましい実施形態によれば、(提供された全ての)探索持続時間の経過後、中断条件のうちのいずれも満たされない場合に、特に地理的GNSS位置が算出されて提供され、その後、GNSS受信機は(再び)、省エネモードに移行させられることが提案される。省エネモードに対して代替的又は累積的に、GNSS受信機は待機モード(スタンバイモード)に移行させることができる。しかしながら、さらに、(提供された全ての)探索持続時間の経過後、中断条件のいずれも満たされない場合、特に地理的GNSS位置が算出されて提供される(その後GNSS受信機は省エネモードに置き変えられることはない)。
【0017】
GNSS位置は、例えば、GNSS受信機自体によって、又はGNSS受信機に接続されたGNSSセンサにおいて算出され得る。
【0018】
好ましい実施形態によれば、(提供された全ての)探索持続時間の経過後、中断条件のうちの最後のみが満たされる場合に、制限された位置算出が可能であるかどうかが検査されることが提案される。制限された位置算出は、例えば、(想定される高さを有する)二次元(長さ、幅)GNSS位置のみが決定されることを意味し得る。検査は、特に好ましくは、特に所定の衛星最低数が見つからなかったかどうかに依存して行われる。例えば、二次元GNSS位置は、既知の又は想定される高さのもとで、通常は既に3つの衛星を用いて算出又は推定することができる。
【0019】
制限された位置算出が可能である場合、これを算出することができ、好ましくは、算出された位置に対する品質示唆を提供することができる。次いでGNSS受信機は、(再び)省エネモードに移行させることができる。制限された位置算出が不可能である場合には、通常は失敗した位置算出が応答され、次いでGNSS受信機は(再び)省エネモードに移行させられる。
【0020】
さらなる態様によれば、ここに提示された方法を実施するためのコンピュータプログラムが提案される。このことは、換言すれば、特に、プログラムの実行の際に、ここに記載の方法の実施をコンピュータに委ねる命令を含むコンピュータプログラム(製品)に関する。
【0021】
さらなる態様によれば、ここに提案されたコンピュータプログラムが記憶されている機械可読記憶媒体が提案される。通常は、機械可読記憶媒体は、コンピュータ可読データ担体である。
【0022】
さらなる態様によれば、ここに提案された方法を実施するために構成されたGNSS受信機が提案される。例えば、前述した記憶媒体は、GNSS受信機の構成部品か又はそれに接続し得るものであってもよい。好ましくは、GNSS受信機は、車両の内部又は上部に配置されるか又はそのような車両の内部又は上部への取り付けを想定し構成されている。GNSS受信機又はGNSS受信機の計算ユニット(プロセッサ)は、例えば、ここに記載の方法を実行するために、ここに記載のコンピュータプログラムにアクセスすることができる。
【0023】
GNSS受信機は、好ましくはGNSSセンサである。位置の計算は、少なくとも4つの衛星からの(電磁)GNSS信号の伝搬時間測定に基づいている。その上さらに、センサ内においては、位置をさらにより正確に計算するために、いわゆる補正サービスからの補正データを使用することができる。受信したGNSSデータと共に、センサ内には、高精度の時刻(世界時など)が定期的に読み込まれ、正確な測位のために使用される。位置センサへのさらなる入力データは、(特に)ホイール回転数、操舵角、並びに、加速度及びヨーレートデータであってもよい。好ましくは、運動センサ及び位置センサは、GNSSデータに基づいて、自己位置、自己測位及び/又は自己速度を算出するために構成されている。
【0024】
方法に関連して論じられた詳細、特徴及び好ましい実施形態は、対応してここに提示されたGNSS受信機、コンピュータプログラム及び/又は記憶媒体のもとでも起こり得るし、その逆もまた同様である。その限りにおいては、特徴のより詳細な特徴付けについてはそこに記載されている実施形態が十分に参照される。
【0025】
以下においては、ここに提示された解決手段及びそれらの技術的周辺環境を、図面に基づいて、より詳細に説明する。ここでは、本発明が、図示の実施例によって限定されるべきではないことを示唆しておく。特に、他のことが明示的に示されていない限り、図面において説明される事例の態様の一部を抽出して、それらを他の構成部品と組み合わせることも、及び/又は、他の図面及び/又は本明細書からの知識と組み合わせることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】通常の動作経過においてGNSS受信機を動作させる、ここに提示された方法の経過を示した図。
図2】ここに提示された方法の例示的な経過のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、通常の動作経過においてGNSS受信機を動作させる、ここに提示された方法の経過を概略的に示している。
【0028】
ブロック110,120及び130を有する方法ステップa),b)及びc)の図示の順序は、単なる例示にすぎない。
【0029】
ブロック110においては、GNSS衛星の探索の開始が行われる。ブロック120においては、第1の探索持続時間の後、第1の中断条件が満たされる場合に、探索の中断が行われる。ブロック130においては、第1の探索持続時間よりも長い第2の探索持続時間の後、第1の中断条件とは異なる第2の中断条件が満たされる場合に、探索の中断が行われる。
【0030】
図2は、ここに提示された方法の例示的な経過のフローチャートを概略的に示している。
【0031】
このフローチャートは、第1の末端(Terminator)1によって開始される。この第1の末端1は、ここでは例示的に、加速度が識別されたことを含む。この第1の末端1には、第1の動作2が続く。この第1の動作2は、タイマ(独記;Zeitgeber)及び衛星の探索が開始されることを含む(ステップa))。換言すれば、トリガー条件、例えば加速度の識別の後、タイマ及び位置算出のための衛星の探索が開始される。
【0032】
第1の動作2の後には、第1の判定3が続く。この第1の判定3は、(予め定められた)所定の時点t又は第1の探索持続時間の経過後に行われる。
【0033】
第1の判定3は、見つけられた衛星の数が、(予め定められた)所定の第1の衛星数nより大きいかどうか、及び/又は、衛星信号状態が、(予め定められた)所定の第1の衛星信号状態Qより大きいかどうかの確認を含む。
【0034】
第1の判定3が、否定的結果を供給する場合には、第2の動作4が続く。この第2の動作4は、ここでは、位置算出が失敗したという応答の提供を含む。これはステップb)に対応する。第2の動作4には、ここでは例示的に第2の末端5が続く。この第2の末端5は、ここでは例示的に、GNSS受信機が省エネモード又はスタンバイモードに移行させられることを含む。
【0035】
時点tにおいて、十分な信号状態Qを有する少なくともn個の衛星が識別されない場合には、位置算出を成功させるための十分な信号状態を有する十分な数の衛星を見つけ出す確率が過度に低いので、探索は中断され、機器は省エネモードに移行させられる。
【0036】
第1の判定3が肯定的結果を供給する場合には、第3の動作6が続き、この第3の動作6は、衛星の探索の継続を含む。
【0037】
時点tにおいて、十分な信号状態Qを有する十分な数の衛星nが検出された場合には、時点tまで探索が続けられる。この時点tにおいては、衛星数n及びそれぞれの信号状態Qのさらなる確認が行われ、ここでも手順は時点tに類似する。
【0038】
それに応じて、第3の動作6の後には第2の判定7が続く。この第2の判定7は、(予め定められた)所定の時点tにおいて、又は第2の探索持続時間の経過後に行われる。この第2の判定7は、見つけられた衛星の数が、(予め定められた)所定の第2の衛星数nより大きいかどうか、及び/又は、衛星信号状態が、(予め定められた)所定の第2の衛星信号状態Qより大きいかどうかの確認を含む。
【0039】
第2の判定7が否定的結果を供給する場合、第4の動作8が続き、この第4の動作8は、ここでは位置算出が失敗したという応答の提供を含む。これはステップc)に対応する。第4の動作8には、ここでは例示的に第3の末端9が続く。この第3の末端9は、ここでは例示的に、GNSS受信機が省エネモード又はスタンバイモードに移行させられることを含む。
【0040】
第2の判定7が肯定的結果を供給する場合、第5の動作10が続き、この第5の動作10は、衛星の探索の継続を含む。
【0041】
時点tにおいて、十分な信号状態Qを有する十分な数の衛星nが識別される場合には、探索は、時点tまで続けられる。この時点tにおいては、衛星数n及びそれぞれの信号状態Qのさらなる確認が行われる。
【0042】
そのため、第5の動作10には第3の判定11が続く。この第3の判定11は、(予め定められた)所定の時点t又は第3の探索持続時間の経過後に行われる。この第3の判定11は、見つけられた衛星の数が、(予め定められた)所定の第3の衛星数nより大きいかどうか、及び/又は、衛星信号状態が、(予め定められた)所定の第3の衛星信号状態Qより大きいかどうかの確認を含む。
【0043】
第3の判定11が肯定的結果を供給する場合、第6の動作12が続き、この第6の動作12は、三次元又は空間GNSS位置を算出し提供することを含む。この第6の動作12には、第4の末端13が続く。この第4の末端13は、ここでは例示的に、GNSS受信機が省エネモード又はスタンバイモードに移行させられることを含む。
【0044】
時点tにおいて、3D位置算出のための十分な数の衛星が識別される場合には、位置が算出され、例示的に送信され、引き続き機器は再び省エネモードに移行させられる。
【0045】
第3の判定11が否定的結果を供給する場合には、ここには第4の判定14が続く。この第4の判定14は、制限された位置算出が可能であるかどうかの確認を含む。
【0046】
第4の判定14が肯定的結果を供給する場合には、第7の動作15が続き、この第7の動作15は、ここでは例示的に、二次元GNSS位置が算出され、品質示唆が提供されることを含む。第7の動作15には、第5の末端16が続く。この第5の末端16は、ここでは例示的に、GNSS受信機が省エネモード又はスタンバイモードに移行させられることを含む。
【0047】
第4の判定14が否定的結果を供給する場合には、第8の動作17が続き、この第8の動作17は、ここでは例示的に、位置算出が失敗したという応答の提供を含む。この第8の動作17には、第6の末端18が続く。この第6の末端18は、ここでは例示的に、GNSS受信機が省エネモード又はスタンバイモードに移行させられることを含む。
【0048】
時点tにおいて、3D位置算出のための十分な数の衛星が識別されない場合には、制限された精度の2D位置を算出可能であるかどうかが検査され、可能である場合には、当該2D位置が、算出された位置に対する品質示唆と共に送信され、それに続いて機器は、再び省エネモードに移行させられる。可能でない場合には、失敗した位置算出が応答され、それに続いて機器は、再び省エネモードに移行させられる。
【0049】
GNSS受信機が省エネモード又はスタンバイモードに移行させられていた場合には、この方法は、特に、再び加速度が識別された場合に最初から(末端1のもとで)新たに開始することができる。
【0050】
時点t、衛星数n、及び、それぞれの信号状態Qに対する要求は、必要に応じて適合化させることができる。同様に、この方法は、4つ以上の段階に移行させることも可能である。
【0051】
ここに提示された解決手段は、特に、以下の利点のうちの1つ以上を可能にする。即ち、
・ここに提案された解決手段により、GNSS衛星の無駄である探索又はおそらく無駄である探索を大幅に短縮することができる。
・ここに提案された解決手段により、特にバッテリ駆動の機器に対して、エネルギーを節約することができる。
図1
図2