(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】プラントの運転訓練及び保守訓練システム、並びに運転訓練及び保守訓練方法
(51)【国際特許分類】
G09B 9/00 20060101AFI20240410BHJP
G21C 17/00 20060101ALI20240410BHJP
G05B 23/02 20060101ALI20240410BHJP
【FI】
G09B9/00 A
G21C17/00 020
G05B23/02 G
(21)【出願番号】P 2019218535
(22)【出願日】2019-12-03
【審査請求日】2022-11-18
(31)【優先権主張番号】P 2018230438
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】512118347
【氏名又は名称】株式会社ジェイテック
(74)【代理人】
【識別番号】100102749
【氏名又は名称】澤木 紀一
(72)【発明者】
【氏名】紺野 准也
(72)【発明者】
【氏名】池本 俊幸
(72)【発明者】
【氏名】加賀 康文
(72)【発明者】
【氏名】中村 友哉
(72)【発明者】
【氏名】藤沢 健勇
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-174476(JP,A)
【文献】特開2000-231406(JP,A)
【文献】特開2005-308808(JP,A)
【文献】特開2015-203649(JP,A)
【文献】特開平01-258002(JP,A)
【文献】特開昭60-052717(JP,A)
【文献】特開平11-258383(JP,A)
【文献】特開平11-249729(JP,A)
【文献】特開平06-289773(JP,A)
【文献】特開平11-282335(JP,A)
【文献】特開平01-316789(JP,A)
【文献】特開2018-087746(JP,A)
【文献】特開2014-077896(JP,A)
【文献】中国実用新案第202362964(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 9/00
G21C 17/00-14
G05B 23/00-02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つのエリアを形成する訓練室と、
該訓練室内に設けられた、実プラントの運転訓練用シミュレーション装置及び、上記実プラントの
、シミュレーション用ソフトウェアによるシミュレーションではない保守訓練用模擬機とよりなり、
上記訓練室は、運転訓練員の運転訓練と保守訓練員の保守訓練とが同時に行えることを特徴とするプラントの運転訓練及び保守訓練システム。
【請求項2】
上記運転訓練用シミュレーション装置は、上記保守訓練用模擬機の保守状況に応じて運転訓練がなされるように構成され、
上記保守訓練用模擬機は、上記運転訓練用シミュレーション装置の運転状況により保守訓練がされるように構成されることを特徴とする請求項1に記載のプラントの運転訓練及び保守訓練システム。
【請求項3】
上記運転訓練用シミュレーション装置と上記保守訓練用模擬機とを接続する配線、又は、上記保守訓練用模擬機同士を接続する配線、又は、電源供給源と上記運転訓練用シミュレーション装置又は保守訓練用模擬機とを接続する配線を有することを特徴とする請求項1または2に記載のプラントの運転訓練及び保守訓練システム。
【請求項4】
上記配線、又は、運転訓練用シミュレーション装置、又は、保守訓練用模擬機、又は、電源供給源に、上記配線により接続された機器間を隔離する隔離手段を設けたことを特徴とする請求項3に記載のプラントの運転訓練及び保守訓練システム。
【請求項5】
上記保守訓練用模擬機をシミュレーションできる保守訓練用模擬機シミュレーション用ソフトウェアを設ける共に、
上記運転訓練用シミュレーション装置を、上記保守訓練用模擬機及び上記保守訓練用模擬機シミュレーション用ソフ
トウェアのいずれか一方に接続する切替スイッチ部を有する請求項1、2、3または4に記載のプラントの運転訓練及び保守訓練システム。
【請求項6】
上記運転訓練用シミュレーション装置に、プラントの建屋換気設備の運転及び、電気設備の運転及び、溶液移送・受入設備の運転のシミュレーションができる共通設備運転ソフトウェアを有することを特徴とする請求項1、2、3、
4または5に記載のプラントの運転訓練及び保守訓練システム。
【請求項7】
上記運転訓練用シミュレーション装置は、実プラントで使用される実機と同等の監視や操作ができるソフトウェアがインストールされたコンピュータ装置と、該コンピュータ装置に接続された表示装置
と、上記コンピュータ装置に接続された大型表示装置とよりなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、または6に記載のプラントの運転訓練及び保守訓練システム。
【請求項8】
上記運転訓練用シミュレーション装置に、メカ系機器類の運転操作のシミュレーション、又は/及び、該運転操作の監視のシミュレーションのソフトウェアを有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7に記載のプラントの運転訓練及び保守訓練システム。
【請求項9】
上記運転訓練用シミュレーション装置は、上記メカ系機器類の実機、または
、該実機を模擬
した機構、
または、該実機に類似した機構
、の実際の動作状態を録画装置により録画した映像
及び画像
の少なくとも一方又は両方を表示させる手段を有する
ことを特徴とする請求項8に記載のプラントの運転訓練及び保守訓練システム。
【請求項10】
上記運転訓練
用シミュレーション装置は、現場のメカ系機器類の実機と同等の模擬用の運転スイッチ、又は、模擬用の現場操作盤を有することを特徴とする請求項8または9に記載のプラントの運転訓練及び保守訓練システム。
【請求項11】
上記運転訓練用シミュレーション装置に、メカ系機器類の運転操作のシミュレーション、又は/及び、該運転操作の監視のシミュレーションのソフトウェアを有すると共に、
上記メカ系機器類の実機、または、該実機を模擬した機構、または、該実機に類似した機構、の実際の動作状態を録画装置により録画した映像及び画像の少なくとも一方又は両方を表示させる手段を有し、
更に、上記映像
及び画像
の少なくとも一方又は両方と
上記メカ系機器類の運転操作とを同期手段により同期させて、該映像
及び画像
の少なくとも一方又は両方を、
上記表示装置、又は上記大型表示装置に表示する手段を有することを特徴とする請求項
7に記載のプラントの運転訓練及び保守訓練システム。
【請求項12】
上記運転訓練用シミュレーション装置に、メカ系機器類の運転操作のシミュレーション、又は/及び、該運転操作の監視のシミュレーションのソフトウェアを有すると共に、
上記メカ系機器類の実機、または、該実機を模擬した機構、または、該実機に類似した機構、の実際の動作状態を録画装置により録画した映像及び画像の少なくとも一方又は両方を表示させる手段を有し、
更に、上記表示装置、又は
上記大型表示装置に、上記映像
及び画像
の少なくとも一方又は両方に加え、対象のメカ系機器類の運転状態の情報を示す表示する手段を有することを特徴とする請求項
7に記載のプラントの運転訓練及び保守訓練システム。
【請求項13】
上記対象
のメカ系機器類の運転状態の情報は、上記メカ系機器類の状態変化と、該機器類の状態変化の映像
及び画像
の少なくとも一方又は両方の録画時間との関係から演算された、該録画した映像
及び画像
の少なくとも一方又は両方の再生時間に応じた、上記機器類の状態の変化量であり、
該変化量を表示装置に表示する表示手段を有することを特徴とする請求項12に記載のプラントの運転訓練及び保守訓練システム。
【請求項14】
上記大型表示装置は、複数あることを特徴とする請求項7に記載のプラントの運転訓練及び保守訓練システム。
【請求項15】
上記運転訓練用シミュレーション装置に、上記保守訓練用模擬機の保守
訓練がされているか否かを検知する検知装置を設けたことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1に記載のプラントの運転訓練及び保守訓練システム。
【請求項16】
実プラントの運転訓練用シミュレーション装置と、上記実プラントの
、シミュレーション用ソフトウェアによるシミュレーションではない保守訓練用模擬機が設けられた、一つのエリアを形成する訓練室内において、
上記運転訓練用シミュレーション装置を用いて運転訓練を行う運転訓練員と、上記保守訓練
用模擬機を用いて保守訓練を行う保守訓練員とが、互いに、訓練内容を確認しあいながら、運転訓練と保守訓練を行うことを特徴とするプラントの運転訓練及び保守訓練方法。
【請求項17】
実プラントの運転訓練用シミュレーション装置と、上記実プラントの
、シミュレーション用ソフトウェアによるシミュレーションではない保守訓練用模擬機が設けられた、一つのエリアを形成する訓練室内において、
上記運転訓練用シミュレーション装置を用いて運転訓練を行う運転訓練員と、上記保守訓練
用模擬機を用いて保守訓練を行う保守訓練員とが、運転訓練と保守訓練の計画を立てる第一の工程と、
上記運転訓練員と上記保守訓練員とが、上記計画された運転訓練と上記保守訓練とから隔離の内容を決定する第二の工程と、
上記運転訓練員又は/及び上記保守訓練員が、隔離を行う第四の工程と、
上記運転訓練員が上記計画された運転訓練を行い、上記保守訓練員が上記計画された保守訓練を行う第五の工程と、
上記訓練終了後に、上記運転訓練員又は/及び上記保守訓練員が、隔離の復旧を行う第六の工程とよりなることを特徴とするプラントの運転訓練及び保守訓練方法。
【請求項18】
実プラントの運転訓練用シミュレーション装置と、上記実プラントの
、シミュレーション用ソフトウェアによるシミュレーションではない保守訓練用模擬機が設けられた、一つのエリアを形成する訓練室内において、
上記運転訓練用シミュレーション装置を用いて運転訓練を行う運転訓練員と上記保守訓練
用模擬機を用いて保守訓練を行う保守訓練員が、隔離を行う前に、隔離を行う旨を連絡し合う第一の工程と、
上記運転訓練員又は/及び保守訓練員が、隔離を行う第二の工程と、
上記運転訓練員と保守訓練員が、隔離の完了の旨を連絡し合う第三の工程と、
上記運転訓練員が運転訓練を行い、保守訓練員が保守訓練を行う第四の工程とよりなることを特徴とするプラントの運転訓練及び保守訓練方法。
【請求項19】
上記運転訓練用シミュレー
ション装置と上記保守訓練用模擬機と電源供給源との機器間に配線が設けられると共に、該配線、又は、
上記機器に隔離手段が設けられたことを特徴とする請求項
16、17または
18に記載のプラントの運転訓練及び保守訓練方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濃縮工場、再処理工場、MOX工場など原子燃料サイクル施設や、火力・水力・原子力発電所の施設や、化学プラント施設等の各種施設のプラントの運転訓練及び保守(保修)訓練を行う運転訓練及び保守(保修)訓練システム、並びに運転訓練及び保守訓練方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、原子燃料サイクル施設などの実プラント(実機)の運転訓練(運転員訓練)は、原子燃料サイクル施設などで使用される実機と同等の監視や操作ができるソフトウェアがインストールされたパソコンや運転訓練専用機等の運転訓練用シミュレータ装置を用いて、例えば、該運転訓練用シミュレータ装置のモニタなどの表示装置(運転操作監視盤)を見ながら、操作キーボードを操作し、仮想上において訓練を行っていた。
【0003】
また、保守訓練(保守員訓練)は、例えば、原子燃料サイクル施設などの実プラントで使用される、例えば、空気操作弁(AO弁)や電動駆動弁(MO弁)や熱交換調整弁などの弁装置や、ファン装置やポンプ装置やモータ装置などの補機と同等の構造をした補機模擬機などの模擬機(訓練用機器)を用いて、分解・点検作業、清掃作業、保修作業、組立作業等の訓練を行っていた。
【0004】
また、例えば、原子燃料サイクル施設などの実プラントで使用される、例えば、制御盤や電気盤に関しても、それぞれ模擬機を用いて、それぞれ分解・点検作業、清掃作業、保修作業、組立作業等の保守訓練を行っていた。
【0005】
例えば、従来の原子力プラントの運転訓練シミュレータとしては、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、運転訓練と保守訓練とは、訓練が異なるので、別教育として扱われ、従来においては、別々に専用の訓練場所で訓練が行われていた。
【0008】
また、弁装置や補機の保守訓練や、制御盤の保守訓練や、電気盤の保守訓練についても、別々に実施されていた。
【0009】
従って、従来においては、プラントの運転状況及び保守状況などを考慮されず訓練がなされ、運転作業や保守作業の実情と異なっていた。
【0010】
また、上記従来のシミュレーションによる運転訓練設備(機能)は、空気、蒸気、溶液などを処理するプロセス系のもので、メカ系機器類(設備)の運転訓練設備が無く、これらの設備の訓練は、実機を用いた訓練(実機OJT)であった。
【0011】
なお、上記メカ系機器類とは、内部、または外部からのエネルギーの供給により、当該設備の一部または全てが機構的に作動し、その位置が変化し、または対象物を移動させ、または切断等の加工をする機械装置(機器)をいい、例えば、コンベヤ装置によるドラム缶移送、クレーン装置による重量物移送、自動フォークリフトなどの無人荷役自動車による機器類の移送、アーク切断装置などの機器類の切断装置による部材の切断、グリップ装置による機器類の掴み・離し、プロセス系を構成する弁等の部分的な動作などを行う装置(機器)をいう。
【0012】
従って、メカ系設備(機器)の実機により実施されていたので、誤操作や機器を損傷させるリスクが高いものであった。
【0013】
本発明は、上記の欠点を除くようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のプラントの運転訓練及び保守訓練システムは、一つのエリアを形成する訓練室と、該訓練室内に設けられた、実プラントの運転訓練用シミュレーション装置及び、上記実プラントの保守訓練用模擬機とよりなり、上記訓練室は、運転訓練員の運転訓練と保守訓練員の保守訓練とが同時に行えることを特徴とする。
【0015】
また、上記運転訓練用シミュレーション装置は、上記保守訓練用模擬機の保守状況に応じて運転訓練がなされるように構成され、上記保守訓練用模擬機は、上記運転訓練用シミュレーション装置の運転状況により保守訓練がされるように構成されることを特徴とする。
【0016】
また、上記運転訓練用シミュレーション装置と上記保守訓練用模擬機とを接続する配線、又は、上記保守訓練用模擬機同士を接続する配線、又は、電源供給源と上記運転訓練用シミュレーション装置又は保守訓練用模擬機とを接続する配線を有することを特徴とする。
【0017】
また、上記配線、又は、運転訓練用シミュレーション装置、又は、保守訓練用模擬機、又は、電源供給源に、上記配線により接続された機器間を隔離する隔離手段を設けたことを特徴とする。
【0018】
また、上記保守訓練用模擬機をシミュレーションできる保守訓練用模擬機シミュレーション用ソフトウェアを設ける共に、上記運転訓練用シミュレーション装置を、上記保守訓練用模擬機及び上記保守訓練用模擬機シミュレーション用ソフウェアのいずれか一方に接続する切替スイッチ部を有する。
【0019】
また、上記運転訓練用シミュレーション装置は、プラントの建屋換気設備の運転及び、電気設備の運転及び、溶液移送・受入設備の運転のシミュレーションができる共通設備運転ソフトウェアを有することを特徴とする。
【0020】
また、上記運転訓練用シミュレーション装置は、実プラントで使用される実機と同等の監視や操作ができるソフトウェアがインストールされたコンピュータ装置と、該コンピュータ装置に接続された表示装置及び大型表示装置とよりなることを特徴とする。
【0021】
また、上記運転訓練用シミュレーション装置に、メカ系機器類の運転操作のシミュレーション、又は/及び、該運転操作の監視のシミュレーションのソフトウェアを有することを特徴とする。
【0022】
また、上記運転訓練用シミュレーション装置は、上記メカ系機器類の実機、または該実機を模擬、あるいは該実機に類似した機構の実際の動作状態を録画装置により録画した映像・画像を表示させる手段を有する特徴とする。
【0023】
また、上記運転訓練シミュレーション装置は、現場のメカ系機器類の実機と同等の模擬用の運転スイッチ、又は、模擬用の現場操作盤を有することを特徴とする。
【0024】
また、大型表示装置を設け、上記運転訓練シミュレーション装置には、上記映像・画像と運転操作とを同期手段により同期させて、該映像・画像を上記大型表示装置に表示する手段を有することを特徴とする。
【0025】
また、上記表示装置、又は大型表示装置に、上記映像・画像に加え、対象のメカ系機器類の運転状態の情報を示す表示する手段を有することを特徴とする。
【0026】
また、上記対象機構の運転状態の情報は、上記メカ系機器類の状態変化と、該機器類の状態変化の映像・画像の録画時間との関係から演算された、該録画した映像・画像の再生時間に応じた、上記機器類の状態の変化量であり、該変化量を表示装置に表示する表示手段を有することを特徴とする。
【0027】
また、上記大型表示装置は、複数あることを特徴とする。
【0028】
また、上記運転訓練用シミュレーション装置に、上記保守訓練用模擬機の保守の有無を検知する検知装置を設けたことを特徴とする。
【0029】
また、本発明の運転訓練及び保守訓練方法は、実プラントの運転訓練用シミュレーション装置と、上記実プラントの保守訓練用模擬機が設けられた、一つのエリアを形成する訓練室内において、上記運転訓練用シミュレーション装置を用いて運転訓練を行う運転訓練員と、上記保守訓練模擬機を用いて保守訓練を行う保守訓練員とが、運転訓練と保守訓練の計画を立てる第一の工程と、上記運転訓練員と上記保守訓練員とが、上記計画された運転訓練と上記保守訓練とから隔離の内容を決定する第二の工程と、上記運転訓練員又は/及び上記保守訓練員が、隔離を行う第四の工程と、上記運転訓練員が上記計画された運転訓練を行い、上記保守訓練員が上記計画された保守訓練を行う第五の工程と、上記訓練終了後に、上記運転訓練員又は/及び上記保守訓練員が、隔離の復旧を行う第六の工程とよりなることを特徴とする。
【0030】
また、本発明の運転訓練及び保守訓練方法は、実プラントの運転訓練用シミュレーション装置と、上記実プラントの保守訓練用模擬機が設けられた、一つのエリアを形成する訓練室内において、上記運転訓練用シミュレーション装置を用いて運転訓練を行う運転訓練員と上記保守訓練模擬機を用いて保守訓練を行う保守訓練員が、隔離を行う前に、隔離を行う旨を連絡し合う第一の工程と、上記運転訓練員又は/及び保守訓練員が、隔離を行う第二の工程と、上記運転訓練員と保守訓練員が、隔離の完了の旨を連絡し合う第三の工程と、上記運転訓練員が運転訓練を行い、保守訓練員が保守訓練を行う第四の工程とよりなることを特徴とする。
【0031】
また、上記運転訓練用シミュレータ装置と上記保守訓練用模擬機と電源供給源などの機器間に配線が設けられると共に、該配線、又は、機器に隔離手段が設けられたことを特徴とする。
【0032】
また、コンベヤ装置によるドラム缶移送、クレーン装置による重力物移送、自動フォークリフトなどの無人荷役自動車による機器類の移送、アーク切断装置による機器類の切断、グリップ装置による機器類の掴み、離しなどのメカ系の機器の運転動作を動画ソフトウェアとして上記運転訓練用シミュレーション演算記憶装置部に内蔵することを特徴とする。
【0033】
また、上記運転訓練用の演算記憶装置部による運転操作にて大型画面表示部にITVの模擬として動画が再生、停止されることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の原子燃料サイクル施設のプラントの運転訓練及び保守訓練システムの制御室内のイメージ図である。
【
図2】本発明の原子燃料サイクル施設のプラントの運転訓練及び保守訓練システムのシステム図である。
【
図3】本発明の原子燃料サイクル施設のプラントの運転訓練及び保守訓練システムの説明図である。
【
図4】本発明の原子燃料サイクル施設のプラントの運転訓練及び保守訓練システムの運転訓練用シミュレーションの一例の説明図を示す。
【
図5】本発明の大型表示盤の画面表示の説明図を示す。
【
図6】本発明の大型表示盤の画面表示の他の例の説明図を示す。
【
図7】本発明の運転訓練システムの一例を示すシステム図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下図面によって本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0036】
1.1.本システムの構成の説明
【0037】
図1~
図4は、本発明の原子燃料サイクル施設や、火力・水力・原子力発電所の施設や、化学プラント施設等の各種施設のプラントの運転訓練及び保守訓練システムの一例を示し、本発明においては、一つのエリア(部屋)を形成する訓練室1内に、例えば、原子燃料サイクル施設などで使用される実プラント(実機)と同様の監視や操作ができる運転訓練用シミュレーション装置2と、上記実プラントの保守訓練用模擬機とを設け、上記訓練室1内において、運転訓練と保守訓練とを同時に行えるようにする。
【0038】
なお、一つのエリア(部屋)とは、一つの空間を形成する部屋をいい、例えば、部屋内に完全に該部屋を仕切る壁を有しない部屋をいう。
【0039】
また、例えば、同じ訓練センター(施設)(現場ではない)内において、運転訓練用シミュレーション装置2を設けた部屋と、保守訓練用模擬機を設けた部屋などが異なる場合でも、ある部屋において、他の1又は複数の部屋の情報をモニタなどで得ることができる場合には、その部屋は、一つのエリアとしてもよい。
【0040】
上記保守訓練用模擬機には、例えば、上記原子燃料サイクル施設などで使用される制御盤を模した保守訓練用制御盤模擬機3や、上記原子燃料サイクル施設などで使用される電気盤を模した保守訓練用電気盤模擬機4や、上記原子燃料サイクル施設などで使用される圧縮空気供給装置や、ファン装置やポンプ装置やモータ装置などの電動機駆動機器類などの補機機器類を模した保守訓練用補機模擬機5や、上記原子燃料サイクル施設などで使用される遠隔作動弁装置などを模した保守訓練用弁装置模擬機6などの模擬用の機器がある。
【0041】
上記運転訓練用シミュレーション装置2は、例えば、原子燃料サイクル施設などで使用される実機と同等の監視や操作ができるソフトウェアを有するシミュレーション演算記憶装置部2aと、指導員用のインストラクター用画面表示・運転操作用の演算記憶装置部2bと、該インストラクター用の演算記憶装置部2bに接続されたモニタなどのインストラクター用の画面表示装置部2cと、運転訓練員用の運転員訓練用画面表示・運転操作用の演算記憶装置部2dと、該運転訓練用の演算記憶装置部2dに接続されたモニタなどの運転訓練員用の画面表示装置部2eと、大型画面表示装置部2fと、上記シミュレーション演算記憶装置部2aからプロセス状態を得て、上記大型画面表示装置2fに表示させる大型表示用画面表示演算記憶装置2gとよりなる。
【0042】
そして、上記シミュレーション演算記憶装置部2aと、上記インストラクター用の演算記憶装置部2bと、上記運転訓練用の演算記憶装置部2dとは、信号配線を介して、ネットワーク等により互いに連結され、信号のやり取りができるように形成されている。
【0043】
そして、例えば、指導員が上記インストラクター用の演算記憶装置部2bから、実運転模擬指令や異常模擬信号を上記シミュレーション演算記憶装置部2aに出力すれば、この指令等に基づき、上記シミュレータ演算記憶装置部2aは、実運転模擬や異常模擬などのプロセス状態を例えば、上記該運転訓練用の演算記憶装置部2dを介して、上記運転訓練用の画面表示装置部2eに表示するようになり、これに基づき、運転訓練員が、運転訓練できるようになる。
【0044】
また、上記シミュレーション演算記憶装置部2aは、上記プロセス状態を、上記大型表示用画面表示演算記憶装置2gを介して、上記大型画面表示装置部2fに表示させるようにする。
【0045】
なお、上記シミュレーション演算記憶装置部2aには、例えば、実機と同等の監視や操作ができるソフトウェアを単体で有するようにするほか、各種プラント施設に共通に採用されている、プラントの建屋換気設備の運転及び、電気設備の運転及び、溶液移送・受入設備の運転のシミュレーションができる共通設備運転ソフトウェアを有するようにしてもよい。
【0046】
また、更に、上記シミュレーション演算記憶装置部2aには、例えば、コンベヤ装置によるドラム缶の移送や、クレーン装置による重量物移送や、自動フォークリフトなどの無人荷役自動車による機器類の移送などの被移動物の移動装置や、アーク切断装置などの機器類の切断装置による部材の切断や、グリップ装置による機器類の掴み・離しや、プロセス系を構成する弁等の部分的な動作などを行う装置(機器)などのメカ系機器類の現場における運転操作や、該運転操作の監視や操作のシミュレーションができるメカ系の運転操作や監視等のソフトウェアを有するようにしてもよい。
【0047】
また、上記インストラクター用の演算記憶装置部2b、運転訓練用の演算記憶装置部2dは、実機と同等の運転操作や監視等ができる操作部を有する他、上記共通設備運転と同等の運転操作や監視等ができる操作部や、メカ系機器類の運転と同等の運転操作や監視等ができる操作部(運転スイッチ等)を有するようにし、模擬用のインストラクター盤や、模擬用の運転操作監視制御盤や、模擬用の現場操作盤を形成するようにしてもよい。なお、各操作に応じて、それぞれ対応する模擬用のインストラクター盤や、運転操作監視制御盤や、現場操作盤を1又は複数設けるようにしてもよい。
【0048】
なお、実際のメカ系などの実機の運転操作監視制御盤や現場操作盤に、それぞれ上記演算記憶処理装置部2a、2b、2d等を設けて、シミュレーションにより訓練を行う場合には、上記実機は運転しないようにする切り替え装置を設けるようにしてもよい。
【0049】
上記保守訓練用制御盤模擬機3は、例えば、ANN(アナンシエーター)などの模擬機3aや、PLC(Programmable Logic Controller)などの、上記各模擬機を制御する制御部7を有する模擬機3bなどからなる。
【0050】
また、上記各制御盤模擬機3には、例えば、実機と同様に、リレー部3cや、ランプ部3dや、ファン部3eなどが設けられると共に、制御盤模擬機3本体用のスイッチ部3fや、各制御部やファン部などにそれぞれ対応するスイッチ部3gがそれぞれ設けられている。
【0051】
そして、上記各スイッチ部のオンオフ操作により、それぞれが、電気的に切断(隔離)、接続(復旧)できるように形成される。
【0052】
なお、上記リレー部3cやランプ部3dやファン部3eやスイッチ部3f、3gは、それらを模した模擬装置(ダミー装置)であってもよい。
【0053】
上記保守訓練用電気盤模擬機4は、例えば、MCC(モータコントロールセンター)の模擬機などからなる。
【0054】
上記保守訓練用補機模擬機5は、例えば、ファン装置やポンプ装置やモータ装置などの模擬機がある。また、上記保守訓練用弁装置模擬機6は、例えば、空気操作弁(AO弁)、電動駆動弁(MO弁)、調節弁などの模擬機がある。これらの模擬機は、実際に、外部から制御されて、弁が開閉したり、ファンが駆動したりされるものであっても、ダミーのものであってもよい。
【0055】
そして、実機と同様に、例えば、上記運転訓練用シミュレーション装置2と上記各保守訓練用模擬機とを信号配線(信号ケーブル)やダミー配線(ダミーケーブル)で接続(連結)し、また、上記保守訓練用模擬機同士を信号配線やダミー配線で接続(連結)するようにする。
【0056】
そして、上記運転訓練用シミュレーション装置2は、例えば、上記信号配線を介して、上記各保守訓練用模擬機の状態を取得でき、また、上記各保守訓練用模擬機を操作できるようにする。また、上記運転訓練用シミュレーション装置に、上記保守訓練用模擬機の状態から、保守訓練用模擬機の保守訓練がされているか否かの状況を判断する判断装置を設けてもよい。
【0057】
また、上記各模擬機に、別途、保守の有無を検知(判断)する検知部(判断部)を設け、上記運転訓練用シミュレーション装置2が、該検知部からの保守の有無状況を取得するようにしてもよい。
【0058】
また、上記運転訓練用シミュレーション装置2や上記各保守訓練用模擬機と、例えば、外部に別途設けた電源供給源とを、電源配線(電源ケーブル)を介して、電源接続するようにする。なお、上記電源供給源は、上記電源盤模擬機4を介して、他の保守訓練用模擬機と、電源接続するようにしてもよい。
【0059】
即ち、実機と同様に、例えば、制御盤や電気盤や補機や弁装置などの模擬機を監視や操作できる上記運転訓練用シミュレーション装置2と、上記各制御盤模擬機3と、上記電気盤模擬機4とを、それぞれHUB(集線装置)8などを介して、信号配線で接続(連結)し、それぞれ電気信号をやり取りできるようにする。なお、上記信号配線は、ダミーの配線であってもよい。
【0060】
また、実機と同様に、上記電気盤模擬機4には、例えば、電気盤模擬機用の外部電源供給源9に電源配線10を介して接続される電源入力部11と、例えば、該電源入力部11に入力された電源を外部に出力する電源出力部12とが設けられる。
【0061】
また、ファン装置などの補機模擬機5には、例えば、電源配線(電源コード)13が設けられ、また、上記弁装置模擬機6には、例えば、電源配線(電源コード)14が設けられる。そして、例えば、コンセント状に形成された上記電源出力部12に、上記補機模擬機5や上記弁装置模擬機6の電源配線13、14の接続プラグが接続されることにより、上記電源供給源9からの電源が、上記補機模擬機5や上記弁装置模擬機6に供給されるように形成される。
【0062】
そして、上記電源出力部12から、上記接続プラグを抜くことにより、上記補機模擬機5や弁装置模擬機6と、上記電気盤模擬機4とを隔離できるようになる。
【0063】
また、例えば、上記電気盤模擬機4側の上記電源配線10と、上記電源供給源9側の上記電源配線10には、それぞれ、配線用遮断器(MCCB)(図示せず)を設け、それぞれ電源の遮断(切断)、接続(復旧)ができるように形成され、該当する機器の隔離ができるようになる。
【0064】
また、実機と同様に、上記各制御盤模擬機3には、例えば、
図3に示すように、制御盤模擬機用の外部電源供給源15に電源配線16を介して接続される電源入力部17が設けられる。
【0065】
また、上記制御盤模擬機3側の上記電源配線16と、上記電源供給源15側の上記電源配線16には、それぞれ、配線用遮断器(MCCB)18、19を設け、それぞれ電源の遮断(切断)、接続(復旧)ができるように形成される。
【0066】
なお、上記電源配線18、19は、ダミー配線であってもよい。また、任意の電源配線に、配線用遮断器を設けてもよい。
【0067】
上記弁装置模擬機6には、例えば、弁の開閉など、模擬機を操作する操作部20と、弁の開閉度などの模擬機の状態を検知する状態検知部21が設けられ、例えば、上記制御盤模擬機3の制御部7から、信号配線22を介して、上記操作部20を操作できるように形成される。
【0068】
なお、上記弁装置模擬機6の操作部20は、例えば、開閉度を、モータにより操作したり、また、空気量により操作したり、また、電流量により操作されたりする。
【0069】
また、上記制御部7は、例えば、信号配線23を介して、上記状態検知部21から、上記弁装置模擬機6の状態を検知できるように形成される。
【0070】
なお、上記弁装置模擬機6の操作部20が、上記電気盤模擬機4からの電力量(電流量)により、操作されるような場合には、上記制御部7は、信号配線24を介して、上記電気盤模擬機4から、電源配線14を介して、電力量(電流量)を制御できるようにして、上記操作部20を操作できるように形成してもよい。
【0071】
同様に、上記補機模擬機5においても、例えば、ファンの回転など、補機模擬機を操作する操作部(図示せず)と、ファンの回転数などの模擬機の状態を検知する状態検知部(図示せず)を設け、上記制御盤模擬機3の制御部7から、信号配線を介して、上記操作部を操作できるように形成してもよい。
【0072】
また、上記制御部7は、上記信号配線を介して、上記状態検知部から、上記補機模擬機5の状態を検知できるように形成してもよい。
【0073】
また、上記補機模擬機5の操作部が、上記電気盤模擬機4からの電力量(電流量)により、操作されるような場合には、上記制御部7は、上記信号配線24を介して、上記電気盤模擬機4から、上記電源配線13を介して、電力量(電流量)を制御できるようにして、上記操作部を操作できるように形成してもよい。
【0074】
また、上記電気盤模擬機4には、例えば、上記補機模擬機5又は上記弁装置模擬機6との電源接続状態を検知する電源接続検知装置25を設け、該電源接続検知装置25が検知した電源接続状態を、上記信号配線26を介して、上記制御盤模擬機3、又は、運転訓練用シミュレーション装置2に出力できるようにする。
【0075】
また、上記制御盤模擬機4の制御部7に、例えば、補機や弁装置などの模擬機の状態を仮想的にシミュレーションできるシミュレーション部27を設けると共に、上記運転訓練用シミュレーション装置2を、上記制御部7等を介して、上記模擬機からの信号配線に接続する第1の接続部と、シミュレーション部27に接続される第2の接続部とのいずれか一方に切り替えるモード切替スイッチ部28を設け、所望の模擬機が隔離された場合でも、運転訓練員が、該模擬機の運転訓練ができるようにしてもよい。
【0076】
なお、上記シミュレーション部27を上記運転訓練用シミュレーション装置2内に設けるようにしてもよい。
【0077】
また、上記運転訓練用シミュレーション装置2のバックアップ用のシミュレーション装置29を設け、該バックアップ用のシミュレーション装置29を用いて、上記運転訓練用シミュレーション装置2と同等の訓練ができるようにしてもよい。
【0078】
なお、上記信号配線や電源配線において、任意の配線をダミー配線としてよく、また、配線を省略してもよい。
【0079】
また、任意の配線の任意の位置に、オンオフスイッチ部や配線遮断装置などの隔離手段を設けてもよい。
【0080】
また、上記隔離手段としては、機器から、配線を抜き取る手段や、ケーブルリストによる手段であってもよい。
【0081】
1.2.システムの一例の説明
【0082】
なお、
図7は、本発明の運転訓練システムの一例を示すシステム図である。
【0083】
この実施例においては、メカ系機器類の実機を用いた実際の運転訓練の前に、運転訓練員は、上記シミュレーションにより訓練を行い、メカ系機器類の運転の基本操作技術習得を行うようにする。
【0084】
該運転訓練システムは、
図7に示すように、例えば、プラント集中監視エリアに設けられた運転操作や監視を行う運転操作監視制御盤と同様の操作ができる、上記メカ系機器類の運転操作や監視等のソフトウェアがインストールされたシミュレーション演算記憶装置部2aと、インストラクター用の演算記憶装置部2bと、該演算記憶装置部2bに接続されたインストラクター用の画面表示装置部2cと、運転訓練用の演算記憶装置部2dと、該演算記憶装置部2dに接続された運転訓練用の画面表示装置部2eと、大型画面表示装置部2fと、中央集中演算記憶装置部39と、これらを連結するLANケーブルなどの信号配線40とよりなり、該信号配線を介して、ネットワーク等により、信号のやり取りができるように形成されている。
【0085】
なお、さらに、上記運転訓練システムに、例えば、上記運転操作監視制御盤から切り替えられて運転操作が可能な、現場に設けられた現場操作盤と同様の操作ができる、メカ系機器類の現場の機器の運転操作をシミュ-レーションできるソフトウェアがインストールされた演算記憶装置部を有する現場操作盤を設けても良い。
【0086】
そして、上記大型画面表示装置部2fは、例えば、55インチ以上に形成され、該大型画面表示装置部2fには、例えば、メカ系機器類の現場機器(実機)の実際の運転(動作)の画像・映像(ビデオ)や、運転訓練に必要とされる現場画像・映像(ビデオ)などが表示(再生)されるように構成される。
【0087】
なお、実際の現場機器(実機)の運転の画像・映像以外に、該実機を模擬、或いは実機に類似した機構の実際の動作状態の映像・画像であってもよい。
【0088】
また、例えば、上記シミュレーション演算記憶部2aには、例えば、上記メカ系機器類の現場機器等の運転(動作)のビデオ撮影などした画像・映像が記憶されると共に、該記憶した画像・映像を上記大型画面表示装置部に表示(再生)させる表示ソフトウェアがインストールされるようにする。
【0089】
そして、該表示ソフトウェアにより、上記運転操作監視制御盤や現場操作盤により運転を開始することで、上記大型画面表示装置部2fに、現場機器のビデオが再生され、例えば、インストラクター用の演算記憶装置部(インストラクター盤)2bから、メカ系実機の停止などの異常模擬操作を指示することにより、例えば、実機と同様の制御で機器が停止するのと同じように、ビデオの再生が停止するようにする。
【0090】
また、上記シミュレーション演算記憶部2aには、例えば、メカ系機器類の運転操作の実施に応じて、該実施に対応した記憶された映像・画像が、スムーズに上記大型画面表示装置部2fに表示できるようにするために、同期装置部(同期手段)が設けられ、該同期装置部により、記憶された映像・画像の録画時間などが管理されると共に、ビデオスタート時間の管理や、処理が行われるようにする。
【0091】
また、上記表示ソフトウェアや同期装置部等により、メカ系機器類の動作の前進/後退、上昇/下降、右回転/左回転など、録画したビデオの切り替えを、インストラクター盤や、運転操作監視制御盤や、現場操作盤の操作により行えるようにする。
【0092】
また、インストラクター盤からのメカ系訓練項目の選択操作により、上記大型画面表示装置部2fに表示される再生ビデオが切り替わるようにする。
【0093】
また、上記表示装置、又は、上記大型表示装置に、上記映像・画像に加え、対象のメカ系機器類の運転状態の情報を示す表示する手段を有するようにしてもよい。
【0094】
なお、上記メカ系機器類の位置などの状態変化と、該機器類の状態変化の映像・画像の録画時間との関係から、該録画映像の、ある再生時間(再生開始時からある時間経過後までの時間)における、上記機器類の状態の変化量を、演算手段により演算し、該演算された変化量を、上記運転状態の情報として、上記表示装置又は大型表示装置に、再生時間に応じて、表示するようにしてもよい。
【0095】
例えば、コンベア装置により、ドラム缶を地点Aから地点Bへ所定の移動軌跡に沿って移動させるなど状態変化させ、その地点Aから地点Bへの移動などの状態変化の映像を録画した時、該録画時間と前記軌跡に沿った移動(状態変化)とから、該録画した映像の再生時間に応じて、上記ドラム缶の移動位置(状態)や全移動(全状態変化)に対する割合などの変化量を、演算装置により演算し、該変化量を、上記運転状態の情報として、上記表示装置に表示させるようにしてもよい。
【0096】
また、例えば、アーク切断装置により、部材を切断するなど状態変化させ、その切断開始から切断しきるまでの状態変化の映像を録画した時、該録画時間と前記切断(状態変化)とから、該録画した映像の再生時間に応じて、上記部材の切込量(状態)や全切断(全状態変化)に対する割合などの変化量を、演算装置により演算し、該変化量を、上記運転状態の情報として、上記表示装置に表示させるようにしてもよい。
【0097】
メカ系に関する運転訓練は、従来、実機により実施されていたので、誤操作や機器を損傷させるリスクが高いものであったが、本発明によれば、実際の実機の運転訓練前に、シミュレーションにより訓練を行うので、実際の実機の運転訓練の際には、誤操作や機器の損傷を防ぐことができるようになる。
【0098】
2.本システムの実施例の説明
【0099】
本発明の運転訓練及び保守訓練システムは、上記のような構成であるから、運転訓練員と保守訓練員は、単独に、運転訓練や保守訓練を行うのでなく、一つのエリアを形成する訓練室内において、運転訓練と保守訓練とを、互いに確認しあいながら行うようにする。
【0100】
まず、運転訓練員と保守訓練員とは、運転訓練の対象の機器と保守訓練の対象の機器とを決定し、それらの機器を用いた訓練の計画を立て、お互いのスケジュール調整を行う(ステップ1)。
【0101】
即ち、例えば、保守する機器が決定された場合には、運転訓練員は、その機器を用いない機器の運転訓練を決定し、また、運転訓練される機器が決定された場合には、その機器を用いない機器の保守訓練を決定し、運転訓練員及び保守訓練員は、それらの機器を用いた訓練の計画を立てるようにする。
【0102】
次に、運転訓練員及び保守訓練員は、上記決定された機器に基づき、機器の隔離部分を検討し、決定する(ステップ2)。
【0103】
なお、例えば、運転訓練員と保守訓練員とは、運転訓練員の検討した隔離内容と、保守訓練員の検討した隔離内容とを総合的に判断して、隔離の内容を決定するようにする。
【0104】
上記隔離としては、上記配線に設けられた遮断器を切る、又は、オンオフスイッチをオフにする、或いは、機器から配線を抜くなどの操作がある。
【0105】
そして、運転訓練員と保守訓練員とは、必要な隔離を実施する前に、隔離前確認を互いに口頭等により行う(ステップ3)。
【0106】
該隔離前確認には、例えば、保守の対象となる制御盤や電気盤や補機や弁装置などの機器など確認や、運転訓練の対象の機器の確認や、保守中の機器があるいか否かの確認や、運転訓練中の機器があるか否かの確認や、隔離の確認や、運転訓練が禁止される機器の確認等などがある。
【0107】
そして、上記隔離前確認の完了後、運転訓練員又は/及び保守訓練員は、実際に上記隔離を行う(ステップ4)。
【0108】
なお、上記隔離手段としては、例えば、配線に設けられた配線遮断器により、配線を遮断する、又は、コンセントから接続プラグ抜くなど、電源出力源から電源配線を抜く、又は、配線に設けられたオンオフスイッチをオフにし、信号や電源等を、一方から他方に伝わらないようにする手段のほかに、弁の開閉度を固定するなど、所望の部分を動かないようする手段も含まれる。
【0109】
そして、上記隔離の完了後、運転訓練員と保守訓練員とは、実際に運転訓練シミュレーションの実施や模擬機の保守などを行う前に、運転訓練・保守訓練前確認を互いに口頭等により行う(ステップ5)。
【0110】
該運転訓練・保守訓練前確認には、例えば、上記隔離が実際に行われたかどうかの確認や、保守訓練の対象となる模擬機の確認や、運転訓練の機器の確認や、保守中の模擬機があるいか否かの確認や、運転訓練中の機器があるか否かの確認や、運転訓練が禁止される模擬機の確認などがある。
【0111】
上記運転訓練・保守訓練確認の完了後、実際に、運転訓練員は、上記運転訓練シミュレーション装置を用いて、実機(模擬機)の運転や監視を行うようにする。また、保守訓練員は、該当する模擬機の隔離作業、分解作業、清掃作業、保修作業、組立作業等の保守訓練等を行うようにする(ステップ6)。
【0112】
そして、運転訓練員と保守訓練員とは、該運転訓練・保守訓練の後、該訓練が終了した確認や、隔離の復旧をするか否かの確認等の、訓練終了確認を互いに口頭等により行う(ステップ7)。
【0113】
該訓練終了確認の後、運転訓練員又は/及び保守訓練員は、上記系統隔離の復旧を行う(ステップ8)。
【0114】
そして、該隔離の復旧の後、運転訓練員と保守訓練員とは、隔離の復旧がされたか否かの確認を互いに口頭等により行う(ステップ9)。
【0115】
なお、該確認には、例えば、上記隔離の復旧が実際に行われたかどうかの確認や、実際に機器が動くかどうかの試験の確認や、その後の訓練内容等の確認などがある。
【0116】
そして、該隔離復旧確認の後、運転訓練員は、例えば、保守対象となった模擬機も含めた運転訓練を行うようにしてもよい。なお、この運転訓練を行う前には、上記と同様な流れで、保守訓練員に、再度、運転訓練内容や、隔離状況や、保守状況等を口頭等で確認するようにする。
【0117】
なお、上記確認作業のうち一部を省略するようにしてもよい。
【0118】
なお、上記運転訓練用シミュレーション装置2が、上記配線を介して、上記模擬機の動作状況や保守状況の状態(情報)を取得して、該運転訓練用シミュレーション装置2の表示装置等に表示させることにより、運転訓練員に分かるようにして、上記運転訓練用シミュレータ装置2が、保守訓練用模擬機の保守状況に応じて、運転訓練がなされるようにしても良い。
【0119】
また、上記模擬機の動作状況や保守状況から、上記運転訓練用シミュレーション装置2の関連する機器等の運転操作自体をできないようにすると共に、その旨を、上記表示装置等に表示させ、上記運転訓練用シミュレーション装置2が、上記保守訓練用模擬機の保守状況に応じて、運転訓練がなされるようにしても良い。
【0120】
また、上記大型画面表示装置部2fや、別途設けた表示装置などに、上記運転訓練用シミュレーション装置2の運転状況を表示させることにより、運転状況を保守訓練員に分かるようにして、上記保守訓練用模擬機が、上記運転訓練用シミュレーション装置の運転状況に応じて保守訓練がなされるようにしてもよい。
【0121】
また、上記運転訓練シミュレーション装置の運転に関連する機器等にブザー装置等の警報装置を設けて、運転中に保守がなされそうな場合にブザーを鳴らして警告するようにしてもよい。
【0122】
以上のように、運転訓練員と保守訓練員とが相互に確認し合いながら、作業を進めていくようにする。
【0123】
3.本システムの実施例の具体例の説明
【0124】
(1)制御盤模擬機3を保守する場合の例
【0125】
(a)運転訓練員と保守訓練員とは、制御盤模擬機3を保守する場合の運転訓練を行う機器の決定、例えば、運転訓練用シミュレーション装置2のみを用いた運転訓練を決定し、それらの機器を用いた訓練の計画を立て、お互いのスケジュール調整を行う。
【0126】
(b)次に、運転訓練員と保守訓練員とは、機器の隔離部分を検討し、例えば、
図3に示すように、上記電源配線16の上記制御盤模擬機3側の配線遮断器18の遮断と、上記電源供給源15側の配線遮断器19の遮断と、上記制御盤模擬機3と上記電気盤模擬機4とを接続する信号配線(信号ケーブル)24、26のオンオフスイッチ部のオフや、ケーブルリフトによる隔離を運転訓練員が行うことを決定する。
【0127】
(c)そして、運転訓練員と保守訓練員とは、上記隔離を行う前に、各隔離を行う旨を口頭等で確認し合う。
【0128】
(d)上記確認後、運転訓練員が上記機器の隔離を行う。
【0129】
(e)運転訓練員は、隔離の完了の地、保守訓練員に口頭等により、隔離が行われた旨を連絡し、これを受けた保守訓練者は、実際に機器が隔離されたか否かを確認し、その旨を運転訓練員に口頭等により連絡する。
【0130】
(f)そして、運転訓練員は、運転訓練用シミュレーション装置2のみを用いて運転訓練を行い、保守訓練員は、上記制御盤模擬機3の点検等の保守を行う。
【0131】
(g)そして、運転訓練員と保守訓練員とは、該運転訓練・保守訓練の後、該訓練が終了した確認や、隔離の復旧をするか否かの確認等を互いに口頭等により行う。
【0132】
(h)該確認後、運転訓練員は、隔離した部分を復旧する。
【0133】
(i)そして、該隔離の復旧の後、運転訓練員は、復旧した旨を保守訓練員に口頭等により連絡し、必要に応じて、保守訓練員は、復旧状態を該機器の試験等をすることにより確認し、互いに口頭等に連絡し合う。
【0134】
(j)そして、必要に応じて、運転訓練員は、上記制御盤模擬機3も含めた運転訓練を行うようにする。
【0135】
(2)電気盤模擬機4を保守する場合の例
【0136】
(a)運転訓練員と保守訓練員とは、電気盤模擬機を保守する場合において、例えば、
図3に示すように、上記電気盤模擬機4に関連する部分以外の機器を用いた運転訓練を決定し、それらの機器を用いた訓練の計画を立て、お互いのスケジュール調整を行う。
【0137】
(b)次に、運転訓練員と保守訓練員とは、機器の隔離部分を検討し、例えば、
図3に示すように、上記信号配線24、26の切断と、上記弁装置模擬機6の操作部20の電源配線14に設けられた配線遮断器30の切断による隔離を運転訓練員が行うことを決定する。
【0138】
(c)そして、以後、上記制御盤模擬機を保守する場合の例と同様に、運転訓練員と保守訓練員とは、それぞれ互いに、口頭等で確認し合いながら、訓練を進めるようにする。
【0139】
(3)弁装置模擬機6を保守する場合の例
【0140】
(a)運転訓練員と保守訓練員とは、弁装置模擬機を保守する場合において、例えば、
図3に示すように、上記電気盤模擬機4の上記弁装置模擬機6に関連する部分以外の機器を用いた運転訓練を決定し、それらの機器を用いた訓練の計画を立て、お互いのスケジュール調整を行う。
【0141】
(b)次に、運転訓練員と保守訓練員とは、機器の隔離部分を検討し、例えば、
図3に示すように、上記弁装置模擬機6の操作部の電源配線14に設けられた配線遮断器30の切断の隔離を運転訓練員が行う決定する。
【0142】
(c)そして、以後、上記制御盤模擬機を保守する場合の例と同様に、運転訓練員と保守訓練員とは、それぞれ互いに、口頭等で確認し合いながら、訓練を進めるようにする。
【0143】
なお、
図2に示すように、上記モード切替スイッチ部28を、弁装置模擬機6の配線22、24から、シミュレーション部27に切り替えて、運転訓練員は、シミュレーション上で、上記弁装置模擬機6の運転訓練をするようにしてもよい。
【0144】
(4)運転訓練用シミュレーション装置2の点検を行う場合
【0145】
(a)運転訓練員と保守訓練員とは、運転訓練用シミュレーション装置2を保守する場合の運転訓練を行う機器の決定、例えば、例えば、
図3に示すように、運転訓練用シミュレーション装置2のバックアップ用シミュレーション装置29と、制御盤模擬機3と、電気盤模擬機4と、弁装置模擬機6を用いた運転訓練を決定し、それらの機器を用いた訓練の計画を立て、お互いのスケジュール調整を行う。
【0146】
(b)次に、運転訓練員と保守訓練員とは、機器の隔離部分を検討し、例えば、
図3に示すように、運転訓練用シミュレーション装置用電源供給源31と上記運転訓練用シミュレーション装置2とに連結された電源配線32の運転訓練用シミュレーション装置側の配線遮断器33と、電源供給源側の配線遮断器34の切断を運転訓練員が行うことを決定する。
【0147】
(c)そして、以後、上記制御盤模擬機を保守する場合の例と同様に、運転訓練員と保守訓練員とは、それぞれ互いに、口頭等で確認し合いながら、訓練を進めるようにする。
【0148】
そして、本実施例においては、運転訓練用シミュレーション装置2の点検も含めて訓練を行えるようになる。
【0149】
(5)バックアップ用シミュレーション装置29の点検を行う場合
【0150】
通常時は不使用なため、運転訓練員と保守訓練員とが情報を共有できているか否かの確認等を行う。
【0151】
4.本システムの他の実施例の説明
【0152】
図4は、上記運転訓練用シミュレーション装置2の一例である。例えば、原子燃料サイクル施設の実プラント(実機)が、シミュレーション上において実機V01、V02、V03とより構成され、また、上記実機V01には移送管aの一端が接続され、また、該移送管aの他端部bから、分岐管c1と分岐管c2とが分岐して設けられ、そして、該分岐管c1の他端は上記実機V02に接続され、上記分岐管c2の他端は上記実機V03に接続されるように形成される。
【0153】
また、上記実機V01と上記移送管aの中間部dとを接続する連結管eが設けられ、該連結管eには、並列したポンプ装置P01とP02とが並列して介挿されている。
【0154】
また、上記移送管aの、上記実機V01と上記中間部dとの間に弁装置W001が介挿して設けられ、また、上記移送管aの、上記中間部dと上記他端部
bとの間に弁装置W002が介挿して設けられ、また、上記分岐管c1、c2には、それぞれ弁装置W003、W004とが介挿して設けられている。
【0155】
上記シミュレーション装置において、運転訓練員は、例えば、実機V01~V03の運転訓練をする前に、例えば、保守訓練員に口頭等で、保守中の機器や制御盤等があるかないかを確認し、運転前確認を行う。
【0156】
例えば、弁装置W001が、点検中であることが分かれば、運転訓練員は、弁装置W001に関連する部分の隔離を判断し、例えば、実機V01の撹拌運転及び実機V01からの移送運転などを禁止するようにし、隔離を行う。
【0157】
なお、隔離は、保守訓練員が行うようにしても良い。
【0158】
なお、運転訓練員は、保守訓練員に口頭により連絡する代わりに、又は、口頭による連絡に加えて、例えば、上記運転訓練用シミュレーション装置2に設けられた、模擬機の保守の有無を検知する検知装置からの情報を確認するようにしてもよい。
【0159】
そして、必要に応じて、隔離の完了を、運転訓練員又は、保守訓練員に連絡し、連絡後、運転訓練員は、実機V02、03の運転訓練をするようにする。
【0160】
また、保守訓練員は、上記機器や弁装置等の保守を行う前に、例えば、運転訓練員に口頭等で、これから保守を行う機器や弁装置等を連絡し、保守訓練前確認を行う。
【0161】
そして、例えば、弁装置W001を保守する場合には、その旨、或いは、弁装置W001に関連する実機V01の撹拌運転及び実機V01からの移送運転等の禁止を連絡するようにし、隔離を行う。
【0162】
また、保守訓練員は、必要に応じて、模擬機の隔離を行うようにする。
【0163】
また、例えば、上記大型表示装置に、運転訓練シミュレーションの運転状況を示すようにして、口頭による連絡をする代わりに、又は、口頭による連絡に加えて、上記大型表示装置を見て、運転中のものがあれば、保守をしないようにしてもよい。
【0164】
そして、隔離の完了を、運転訓練員又は、保守訓練員に連絡し、連絡後、保守訓練員は、実機V01の保守を行うようにする。
【0165】
5.本システムの大型画面表示装置部2fの他の実施例の説明
【0166】
大型画面表示装置部2fの他の実施例としては、2以上の大型画面表示装置部2f(大型表示盤)、例えば、3つの大型表示盤を用いる。なお、大型画面表示装置部2f(大型表示盤)の大きさは、特に限定はないが、見やすくなるよう、例えば、40インチ以上、100インチ以下、好ましくは、55インチ以上、80インチ以下である。
【0167】
そして、各大型表示盤には、それぞれ、例えば、電気設備や、換気空調設備や、溶液移送・受入、安全系補機などの運転状態を表示するようにする。
【0168】
なお、各大型表示盤の表示は、運転訓練員等が、任意に変更することができる。
【0169】
このように、複数の大型表示盤を用いることで、プラントの目的(例えば、発電)に必要とされる主要な系統や、プロセスを表示する際に、一つにまとめて表示できないプラント(プロセス)においても、同時に表示できるようになる。
【0170】
また、一つにまとめて表示できる場合であっても、複数の大型表示盤を用いることで、利用しやすくなる。
【0171】
そして、プラントに異常が発生した場合には、例えば、二つの大型表示盤には、異常が発生したプラントの運転監視状態の画面を一画面として拡大表示をし、他の大型表示盤には、例えば、異常発生状況や状態の文字表示するように自動に切り替えるようにする。
【0172】
このように、異常発生時には、各大型表示盤に、異なる表示方法を用いることができるので、異常状態が即時に分かるようになる。
【0173】
また、異常における各情報を、一つの大型表示盤に一画面として表示できるようになる。
【0174】
図5は、3つの大型表示盤35a、35b、35cを用いた例を示す。
【0175】
異常がない通常時には、各大型表示盤35a、35b、35cには、それぞれ、例えば、(1)電気設備画面や、(2)換気空調設備画面や、(3)溶液移送・受入、安全系補機運転画面を表示するようにする。
【0176】
また、上記各大型表示盤35a、35b、35cには、それぞれ、例えば、共通表示部36、運転状態画面表示部37、運転状態文字表示部38を設けるようにする。
【0177】
そして、上記各共通表示部36には、例えば、日時表示や、警報や、ガイダンスが表示される。
【0178】
また、上記運転状態画面表示部37は、例えば、電気設備の運転監視画面や、建屋換気設備の運転監視画面や、溶液移送・受入、安全系機器、BOシーケンスの運転監視画面や、これらの画面を同時に表示した全体画面などが表示される。
【0179】
また、例えば、上記運転状態画面表示部37に、溶液移送・受入、安全系機器、BOシーケンスの運転監視画面が表示された時には、上記運転状態文字表示部38には、例えば、「F1 ACM(MCM)」や、「F2 ACM(MCM)」や、「F1-1 撹拌運転(停止)」や、「F1-1 撹拌運転完了」や、「F1-2 移送運転(停止)」などが表示されるようになる。
【0180】
また、例えば、上記運転状態画面表示部37に、建屋換気設備の運転監視画面が表示された場合には、上記運転状態文字表示部38には、例えば、「建屋送風機 自動(手動)」や、「建屋送風機 選択 A,B,C運転/D予備(A,B,D運転/C予備、A,C,D運転/B予備、B,C,D/A予備、リセット)」や、「建屋排風機I 選択 A,B,C運転/D予備(A,B,D運転/C予備、A,C,D運転/B予備、B,C,D/A予備、リセット)」や、「建屋排風機II 選択 A,B,C運転/D予備(A,B,D運転/C予備、A,C,D運転/B予備、B,C,D/A予備、リセット)」や、「建屋排風機III 選択 A,B,C運転/D予備(A,B,D運転/C予備、A,C,D運転/B予備、B,C,D/A予備、リセット)」などが表示されるようになる。
【0181】
また、上記運転状態画面表示部37に、例えば、電気設備の運転監視画面が表示された場合には、上記運転状態文字表示部38には、例えば、「DA-M/C-C GC建屋より受電中(未受電)」や、「DA-M/C-D2 GC建屋より受電中(未受電)」や、「DA-M/C-C M/C-D2より受電中(未受電)」や、「DA-M/C-D2 M/C-Cより受電中(未受電)」などが表示されるようになる。
【0182】
そして、異常発生時には、例えば、大型表示盤35a、35bには、異常が発生した電気設備や建屋換気設備などの異常運転状態の画面表示をし、大型表示盤35cには、現状時間や異常発生時間や異常表示などの異常発生状況や状態の文字表示するように自動に切り替えるようにする。
【0183】
また、異常発生時の他の例としては、
図6に示すように、例えば、大型表示盤35aには、異常が発生した溶液移送・受入、安全系補機などの異常運転状態の画面表示をし、大型表示盤35bには、より具体的な異常個所を表示し、大型表示盤35cには、現状時間や異常発生時間や異常表示などの異常発生状況や状態の文字表示するように自動に切り替えるようにする。
【0184】
なお、上記共通表示部36や、上記運転状態画面表示部37や、上記運転状態文字表示部38は、それぞれ必要に応じて省略してもよい。
【0185】
6.本システムの効果
【0186】
本発明の運転訓練及び保守訓練システムにおいては、一つの訓練室内に、前記運転訓練用シミュレータ装置と、保守訓練用の制御盤模擬機と、保守訓練用の電気盤模擬機と、保守訓練用の補機・弁装置模擬機とを設けたので、コンパクトな運転施設を提供することができるようになる。
【0187】
また、従来の訓練に加えて、従来の訓練ではできなかった、プラント運転状況や保守作業状況の確認などの訓練も行えるようになる。
【0188】
また、運転訓練員は、従来見ることがなかった制御盤や補機や弁装置等について、運転操作により制御盤により制御され、機器が動作することを実際に見て、確認する訓練ができるようになった。
【0189】
また、保守訓練員は、運転状態に問題がないことを確認してから、保守を開始する訓練ができるようになった。
【0190】
また、保守訓練員は、上記運転訓練用シミュレーション装置2と上記保守訓練用模擬機とを連結した連結部材の隔離訓練や、上記保守訓練用模擬機同士を連結した連結部材の隔離訓練等もできるようなった。
【0191】
そして、例えば、運転訓練員が行うべき「隔離作業訓練」と、保守訓練員が行うべき「隔離状態確認訓練」と、「運転訓練員と保守訓練員との業務(スケジュール)調整訓練」などの、従来訓練できなかった訓練を行えるようになった。
【0192】
また、運転訓練員は、従来の運転訓練の他、運転訓練員が知るべき保守業務概要の知識を同時に得ることができ、また、保守訓練員も、保守訓練員が知るべき運転施設概要の知識を同時に得ることができるようになり、若手技術者、保守員の早期育成を果たすことができるようになる。
【符号の説明】
【0193】
1 訓練室
2 運転訓練用シミュレーション装置
2a シミュレーション演算記憶装置部
2b インストラクター用の演算記憶装置部
2c インストラクター用の画像表示装置部
2d 運転訓練用の演算記憶装置部
2e 運転訓練用の画面表示装置部
2f 大型画面表示装置部
2g 大型表示用画面表示演算記憶装置
3 制御盤模擬機
3a 模擬機
3b 模擬機
3c リレー部
3d ランプ部
3e ファン部
3f スイッチ部
3g スイッチ部
4 電気盤模擬機
5 補機模擬機
6 弁装置模擬機
7 制御部
8 HUB
9 電源供給源
10 電源配線
11 電源入力部
12 電源出力部
13 電源配線
14 電源配線
15 電源供給源
16 電源配線
17 電源入力部
18 配線遮断器
19 配線遮断器
20 操作部
21 状態検知部
22 信号配線
23 信号配線
24 信号配線
25 電源接続検知装置
26 信号配線
27 シミュレーション部
28 スイッチ部
29 バックアップ用シミュレーション装置
30 配線遮断器
31 電源供給源
32 電源配線
33 配線遮断器
34 配線遮断器
35a 大型表示盤
35b 大型表示盤
35c 大型表示盤
36 共通表示部
37 運転状態画面表示部
38 運転状態文字表示部
39 中央集中演算記憶装置部
40 信号配線