IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電産サンキョー株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-駆動装置 図1
  • 特許-駆動装置 図2
  • 特許-駆動装置 図3
  • 特許-駆動装置 図4
  • 特許-駆動装置 図5
  • 特許-駆動装置 図6
  • 特許-駆動装置 図7
  • 特許-駆動装置 図8
  • 特許-駆動装置 図9
  • 特許-駆動装置 図10
  • 特許-駆動装置 図11
  • 特許-駆動装置 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】駆動装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20240410BHJP
【FI】
H05K7/20 H
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020014956
(22)【出願日】2020-01-31
(65)【公開番号】P2021122038
(43)【公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
(72)【発明者】
【氏名】森山 克也
(72)【発明者】
【氏名】齋地 正義
【審査官】鹿野 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-020824(JP,A)
【文献】特開平09-069595(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0124403(US,A1)
【文献】特開2017-118419(JP,A)
【文献】特開平05-243768(JP,A)
【文献】特開2019-134607(JP,A)
【文献】特開2011-228461(JP,A)
【文献】特開2009-117493(JP,A)
【文献】特開2002-313552(JP,A)
【文献】特開2019-080015(JP,A)
【文献】米国特許第05440450(US,A)
【文献】特開2010-106782(JP,A)
【文献】特開2018-190921(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口と排気口とを有する筐体カバーと、
発熱面を有する発熱部材と、
前記発熱面に直接気流が至る配置で前記発熱面に送風する冷却ファンと、を備え、
前記冷却ファンによる送風方向は、前記発熱面に対して傾斜しているとともに、
前記送風方向の前記発熱面に対する傾斜方向は、前記吸気口から前記排気口に向かう順流方向の気流のほうが前記排気口から前記吸気口に向かう逆流方向の気流よりも多くなる方向であり、
前記逆流方向の気流の流れを遮蔽する遮蔽板を備え、
前記遮蔽板は、平板をL字型に折り曲げて形成され、前記発熱面に向かう方向と前記順流方向に開放していることを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の駆動装置において、
前記送風方向は、前記順流方向に対して傾斜していることを特徴とする駆動装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の駆動装置において、
前記発熱面は、前記順流方向に対して傾斜していることを特徴とする駆動装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の駆動装置において、
前記冷却ファンを複数備え、
各々の前記冷却ファンは、前記順流方向と交差する並び方向に並んで配置されていることを特徴とする駆動装置。
【請求項5】
請求項4に記載の駆動装置において、
前記並び方向から見た場合に、各々の前記冷却ファンの前記順流方向に対する傾斜角度は、揃っていることを特徴とする駆動装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の駆動装置において、
複数の前記冷却ファンのうちの2つ以上が取り付けられる共通取り付け部を備えることを特徴とする駆動装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の駆動装置において、
前記冷却ファンの前記発熱面に対する傾斜角度は、10°以上20°以下であることを特徴とする駆動装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の駆動装置において、
前記排気口を介して前記筐体カバーの外部に向けて送風する排気ファンを備えることを特徴とする駆動装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の駆動装置において、
前記筐体カバーの外部から前記冷却ファンに向かう気流の流路にフィルタを備え、
前記遮蔽板は、前記フィルタの固定部と一体化していることを特徴とする駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々な駆動装置が使用されている。このような駆動装置のうち、抵抗素子などの発熱部品が形成された基板など発熱面を有する発熱部材を備え、該発熱面を冷却する冷却ファンを備える駆動装置がある。例えば、特許文献1には、冷却ファンを用いて発熱部品を冷却する冷却装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-161206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1で表されるような、冷却ファンを用いて発熱部品を冷却する従来の駆動装置においては冷却効率が低い場合がある。例えば、特許文献1の冷却装置は、装置内に冷却ファンから発熱部品に向けて送風した気流が滞留しやすく、冷却効率が低い。また、従来の駆動装置においては、発熱部材の発熱面に対する送風角度が効率的でない構成がある。発熱部材の発熱面に対する送風角度を調節するためにフィンなどを備える構成があるが、フィンなどを経由して冷却ファンからの送風を間接的に送風する構成では、冷却ファンから発熱面に直接送風する構成に比べて冷却効率が低い場合がある。そこで、本発明は、発熱面を有する発熱部材の冷却効率を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の駆動装置は、吸気口と排気口とを有する筐体カバーと、発熱面を有する発熱部材と、前記発熱面に直接気流が至る配置で前記発熱面に送風する冷却ファンと、を備え、前記冷却ファンによる送風方向は、前記発熱面に対して傾斜しているとともに、前記送風方向の前記発熱面に対する傾斜方向は、前記吸気口から前記排気口に向かう順流方向の気流のほうが前記排気口から前記吸気口に向かう逆流方向の気流よりも多くなる方向であることを特徴とする。
【0006】
本態様によれば、冷却ファンは発熱面に直接気流が至る配置で発熱面に送風し、冷却ファンによる送風方向は、発熱面に対して傾斜しているとともに、順流方向の気流のほうが逆流方向の気流よりも多くなる方向である。このため、発熱面を直接冷却できるとともに、装置内に冷却ファンから発熱部品に向けて送風した気流が滞留しにくくなり、冷却効率を向上することができる。
【0007】
本発明の駆動装置においては、送風方向は、前記順流方向に対して傾斜している構成とすることができる。すなわち、冷却ファンの配置を調整することで冷却効率を向上することができる。
【0008】
本発明の駆動装置においては、前記発熱面は、前記順流方向に対して傾斜している構成とすることができる。すなわち、発熱部材の配置を調整することで冷却効率を向上することができる。
【0009】
本発明の駆動装置においては、前記冷却ファンを複数備え、各々の前記冷却ファンは、前記順流方向と交差する並び方向に並んで配置されている構成とすることができる。複数の冷却ファンにより、冷却ファンが1つの構成よりも、効果的に冷却効率を向上することができる。
【0010】
本発明の駆動装置においては、前記並び方向から見た場合に、各々の前記冷却ファンの前記順流方向に対する傾斜角度は、揃っていることが好ましい。各々の冷却ファンの順流方向に対する傾斜角度が揃っていることで、各々の冷却ファンの取り付け部の構成を簡単にでき、冷却効率を特に向上することができるためである。
【0011】
本発明の駆動装置においては、複数の前記冷却ファンのうちの2つ以上が取り付けられる共通取り付け部を備えることが好ましい。2つ以上の冷却ファンが取り付けられる共通取り付け部を備えることで、冷却ファンの取り付け部の構成を特に簡単にできるためである。
【0012】
本発明の駆動装置においては、前記冷却ファンの前記発熱面に対する傾斜角度は、10°以上20°以下であることが好ましい。送風方向の発熱面に対する傾斜角度を10°以上20°以下とすることで、発熱面の熱で昇温した気流を効果的に排気口に向かわせることができるためである。
【0013】
本発明の駆動装置においては、前記排気口を介して前記筐体カバーの外部に向けて送風する排気ファンを備えることが好ましい。排気ファンにより、発熱面の熱で昇温した気流を効果的に排気させることができるためである。
【0014】
本発明の駆動装置においては、前記逆流方向の気流の流れを遮蔽する遮蔽板を備えることが好ましい。遮蔽板により、発熱面の熱で昇温した気流が冷却ファンの吸気エリアに逆流することを抑制できるため、冷却ファンによる気流の温度上昇を抑えることができる。
【0015】
本発明の駆動装置においては、前記筐体カバーの外部から前記冷却ファンに向かう気流の流路にフィルタを備え、前記遮蔽板は、前記フィルタの固定部と一体化していることが好ましい。フィルタにより異物の侵入を抑制できるとともに、遮蔽板をフィルタの固定部と一体化させることで装置構成を簡単にできるためである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の駆動装置は、発熱面を有する発熱部材の冷却効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施例1の駆動装置の概略斜視図である。
図2図1とは異なる角度から見た実施例1の駆動装置の概略斜視図である。
図3図1の状態から筐体カバーの一部を取り外した状態の実施例1の駆動装置の概略斜視図である。
図4図3の状態の実施例1の駆動装置の概略正面図である。
図5図3の状態の実施例1の駆動装置の概略平面図である。
図6】実施例1の駆動装置における基板と冷却フィンとの配置を表す概略図である。
図7】実施例2の駆動装置の概略斜視図である。
図8】実施例3の駆動装置の内部構成を表す概略斜視図である。
図9】実施例3の駆動装置における基板と冷却フィンと遮蔽板との配置を表す概略図である。
図10】実施例4の駆動装置における基板と冷却フィンとの配置を表す概略図である。
図11】筐体カバーの一部を取り外した状態の実施例5の駆動装置の概略斜視図である。
図12】参考例の駆動装置における基板と冷却フィンとの配置を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施例1]
以下に、本発明の駆動装置の一例として、産業用ロボットを制御する実施例1の駆動装置1について図1から図6を参照して説明する。ただし、本発明の駆動装置は、産業用ロボットを制御する駆動装置に限定されない。ここで、図中におけるX軸方向は水平方向であり、Y軸方向は鉛直方向であり、Z軸方向はX軸方向と垂直な水平方向である。
【0019】
最初に、駆動装置1の概要について説明する。図1及び図2で表されるように、駆動装置1は、筐体カバー2で外側が覆われている。筐体カバー2には、駆動装置1の内側と外側との間の空気の移動を可能にする、複数の通気口21が設けられている。
【0020】
ここで、図1及び図2は、筐体カバー2を構成するすべての筐体カバー部が取り付けられた状態で表されている。図1及び図2で表されるように、筐体カバー2を構成する筐体カバー部としては、第1上面筐体カバー部2a、第1側面筐体カバー部2b、第2側面筐体カバー部2c、第1正面筐体カバー部2d、第1背面筐体カバー部2eなどがある。一方、図3から図5は、筐体カバー2を構成する筐体カバー部のうちのいくつかが取り外された状態で表されている。具体的には、第1上面筐体カバー部2aと、第1側面筐体カバー部2bと、第2側面筐体カバー部2cと、第1正面筐体カバー部2dとが、取り外された状態で表されている。
【0021】
図3から図5で表されるように、駆動装置1の内部には、複数のファン3が設けられている。このうち、第1正面筐体カバー部2dの通気口21と対向する位置に設けられているファン3は、駆動装置1の外側から内側に空気を吸い込む吸気ファン3Aである。また、第1背面筐体カバー部2eの通気口21と対向する位置に設けられているファン3は、駆動装置1の内側から外側に空気を排出する排気ファン3Bである。また、第1側面筐体カバー部2bと対向する位置に設けられているファン3は、基板6に向けて気流を発生させる冷却ファン3Cである。また、第2側面筐体カバー部2cの通気口21と対向する位置に設けられているファン3は、コンデンサ4などが設けられた駆動装置1の内部領域に向けて駆動装置1の外側から内側に空気を吸い込む吸気ファン3Dである。
【0022】
本実施例の駆動装置1においては、駆動装置1の内側から外側に空気を排出する、第1背面筐体カバー部2eの通気口21が排気口23を構成している。そして、排気口23が形成された第1背面筐体カバー部2eと対向する第1正面筐体カバー部2dの通気口21が主要な吸気口22を構成している。なお、第2側面筐体カバー部2cの通気口21も吸気口としての役割を兼ねるが、本明細書においては、排気口23が形成された第1背面筐体カバー部2eと対向する第1正面筐体カバー部2dの通気口21を吸気口22とし、吸気口22が形成された第1正面筐体カバー部2dから排気口23が形成された第1背面筐体カバー部2eに気流が向かう方向を順流方向F1、順流方向F1とは反対方向を逆流方向F2、としている。順流方向F1及び逆流方向F2は、Z軸方向に沿う方向である。順流方向F1及び逆流方向F2は、排気口23が形成された面と垂直方向と定義できる。
【0023】
駆動装置1は、産業用ロボットのアームを移動させる制御部としての基板6を4つ備えている。該4つの基板6は、産業用ロボットのアームの移動方向に対応して設けられている。そして、4つの基板6に対応して4つの冷却ファン3Cが設けられている。冷却ファン3Cは、取り付け部5を介して駆動装置1の内部に取り付けられている。
【0024】
以下に、基板6及び冷却ファン3Cの配置について、図5及び図6、並びに、参考例の駆動装置における図6に対応する図である図12を参照して説明する。図6で表されるように、基板6には、例えば抵抗素子16のような、発熱部品が設けられている。このため、基板6の発熱部品が設けられる面は、発熱面6aとなる。なお、本実施例の基板6は、その一面に抵抗素子16が設けられていることで、その一面が発熱面6aとなっている。しかしながら、発熱面6aは、基板6の一面であることに限定されない。例えば、基板とは独立して設けられた発熱部品を筐体カバーで覆い、該筐体カバーの一面が発熱面であってもよい。なお、図6では、発熱部品としての抵抗素子16が1つ設けられた構成を表しているが、発熱部品は抵抗素子に限定されず、発熱部品を発熱面6aに複数有していてもよい。
【0025】
図5及び図6で表されるように、本実施例の駆動装置1においては、基板6は平面視で発熱面6aが順流方向F1に沿う方向となるように配置されている。そして、冷却ファン3Cは、平面視で、発熱面6aに対して、別の表現をすると順流方向F1に対して、傾斜角度Θの傾斜が設けられて配置されている。このため、図6で表されるように、冷却ファン3Cによって作り出された気流の流れる方向FAは、発熱面6aに対して傾いているとともに、発熱面6aに達した気流は発熱面6aに沿って順流方向F1に向かう。なお、冷却ファン3Cによる気流の流れる方向を発熱面6aに対して平行にすると、冷却効率は低下する。
【0026】
一方、図12で表されるように、参考例の駆動装置においては、基板6及び冷却ファン3Cは、共に、平面視で発熱面6aが順流方向F1に沿う方向となるように配置されている。基板6及び冷却ファン3Cがこのような配置となっていると、図12で表されるように、冷却ファン3Cによって作り出された気流の流れる方向FBは、発熱面6aに対して垂直になる。このような構成の場合、発熱面6aに達した気流は、一部が発熱面6aに沿って順流方向F1に向かう一方で、別の一部は発熱面6aに沿って逆流方向F2に向かってしまう。発熱面6aに達して昇温した気流が逆流方向F2に向かってしまうと、装置内部で昇温した気流が滞留し、発熱面6aの冷却効率が低下する。
【0027】
ここで、本実施例の駆動装置1は、吸気口22と排気口23とを有する筐体カバー2と、発熱面6aを有する発熱部材としての基板6と、図6で表されるように発熱面6aに直接気流が至る配置で発熱面6aに送風する冷却ファン3Cと、を備えている。そして、上記について別の表現で説明すると、図6で表されるように、冷却ファン3Cによる送風方向(方向FA)は、発熱面6aに対して傾斜しているとともに、方向FAの発熱面6aに対する傾斜方向は、順流方向F1の気流のほうが逆流方向F2の気流よりも多くなる方向である。本実施例の駆動装置1は、このような構成であるため、発熱面6aを直接冷却できるとともに、装置内に冷却ファン3Cから基板6に向けて送風した気流が滞留しにくくなり、冷却効率を向上することができる。また、発熱面6aで冷却ファン3Cによる気流が跳ね返ることで冷却ファン3Cに昇温した気流が戻ることも抑制できるので、冷却効率の低下を抑制できるとともに発熱面6aに対して冷却ファン3Cを近づけやすくなる。
【0028】
図3で表されるように、本実施例の駆動装置1においては、冷却ファン3Cを複数(4つ)備えており、各々の冷却ファン3Cは、順流方向F1と交差するY軸方向に沿う並び方向に並んで配置されている。本実施例の駆動装置1のように複数の冷却ファン3Cを設けることにより、冷却ファン3Cが1つの構成よりも、効果的に冷却効率を向上することができる。また、冷却ファン3Cから発熱面6aに至った気流はY軸方向に沿っても流れるが、Y軸方向に沿って流れた気流が隣接する基板6に向かって流れることにより、複数の基板6全体の冷却効率がさらに向上するというメリットもある。なお、本実施例の駆動装置1においては、複数の基板6の各々に対応して冷却ファン3Cを1つずつ備える構成であるが、1つの基板6ごとに複数の冷却ファンを備える構成としてもよい。
【0029】
また、本実施例の駆動装置1においては、冷却ファン3Cの並び方向(Y軸方向に沿う方向)から見た場合に、各々の冷却ファン3Cの順流方向F1に対する傾斜角度Θは、揃っている。このように、平面視で各々の冷却ファン3Cの順流方向F1に対する傾斜角度が揃っていることで、各々の冷却ファン3Cの取り付け部5の構成を共通化できるなど簡単にでき、また、冷却効率を特に向上することができる。
【0030】
本実施例の駆動装置1においては、冷却ファン3Cの発熱面6aに対する傾斜角度Θは、10°以上20°以下であることが好ましい。冷却ファン3Cの発熱面6aに対する傾斜角度Θを10°以上20°以下とすることで、発熱面6aの熱で昇温した気流を効果的に排気口23に向かわせることができるためである。なお、本実施例の駆動装置1においては、冷却ファン3Cの発熱面6aに対する傾斜角度Θは、15°となっている。
【0031】
本実施例の駆動装置1は、排気口23を介して筐体カバー2の外部に向けて送風する排気ファン3Bを備えているが、本実施例の駆動装置1のように、排気ファン3Bを備えることが好ましい。排気ファン3Bにより、発熱面6aの熱で昇温した気流を効果的に排気させることができるためである。
【0032】
また、本実施例の駆動装置1は、吸気口を介して筐体カバー2の内部に向けて送風する吸気ファン3Aを備えているが、本実施例の駆動装置1のように、吸気ファン3Aを備えることが好ましい。吸気ファン3Aにより、装置の外部から気流を効果的に取り入れることができるためである。
【0033】
なお、上記のように、本実施例の駆動装置1は、排気口23が形成された第1背面筐体カバー部2eと対向する第1正面筐体カバー部2dと対向する位置に設けられた吸気ファン3Aに加えて、第2側面筐体カバー部2cと対向する位置に設けられた吸気ファン3Dを備えている。このように、数多くの吸引ファンを設けることで、装置の外部から気流を特に効果的に取り入れることができる。
【0034】
[実施例2]
以下に、実施例2の駆動装置1について、図7を参照して説明する。なお、図7は実施例1の駆動装置1における図1に対応する図であるとともに、図7において上記実施例1と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。ここで、本実施例の駆動装置1は、上記で説明した実施例1の駆動装置1と同様の特徴を有しているとともに、下記での説明箇所以外は実施例1の駆動装置1と同様の構成をしている。具体的には、筐体カバー2における第1側面筐体カバー部2bの構成以外は、実施例1の駆動装置1と同様の構成をしている。
【0035】
図1で表されるように、実施例1の駆動装置1は、第1側面筐体カバー部2bに通気口21が設けられていなかった。一方、図7で表されるように、実施例2の駆動装置1は、第1側面筐体カバー部2bに通気口21が複数設けられている。このように、冷却ファン3Cと対向する位置の第1側面筐体カバー部2bに通気口21を設けることで、発熱面6aに効果的に、装置の外部から流入した昇温していない空気を送風させることができる。このため、発熱面6aを効果的に冷却することができる。
【0036】
[実施例3]
以下に、実施例3の駆動装置1について、図8及び図9を参照して説明する。なお、図9は実施例1の駆動装置1における図6に対応する図であるとともに、図8及び図9において上記実施例1及び実施例2と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。ここで、本実施例の駆動装置1は、上記で説明した実施例1及び実施例2の駆動装置1と同様の特徴を有しているとともに、下記での説明箇所以外は実施例1の駆動装置1と同様の構成をしている。具体的には、冷却ファン3Cからの気流が逆流方向F2へ向かうことを抑制する遮蔽板7を備えること以外は、実施例1の駆動装置1と同様の構成をしている。
【0037】
図8及び図9で表されるように、実施例3の駆動装置1は、逆流方向F2の気流の流れを遮蔽する遮蔽板7を備えている。本実施例の駆動装置1は、遮蔽板7により、発熱面6aの熱で昇温した気流が冷却ファン3Cの吸気エリアに逆流することを抑制できるため、冷却ファン3Cによる気流の温度上昇を抑えることができる。
【0038】
また、図8で表されるように、遮蔽板7には開口部7aが設けられており、開口部7aはフィルタ7bで覆われた状態で該フィルタ7bが固定されている。別の表現で説明すると、本実施例の駆動装置1は、筐体カバー2の外部から冷却ファン3Cに向かう気流の流路にフィルタ7bを備えており、遮蔽板7は、フィルタ7bの固定部と一体化している。本実施例の駆動装置1は、フィルタ7bにより異物の侵入を抑制できるとともに、遮蔽板7をフィルタ7bの固定部と一体化させることで装置構成を簡単にしている。
【0039】
[実施例4]
以下に、実施例4の駆動装置1について、図10を参照して説明する。なお、図10は実施例1の駆動装置1における図6に対応する図であるとともに、図10において上記実施例1から実施例3と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。ここで、本実施例の駆動装置1は、上記で説明した実施例1から実施例3の駆動装置1と同様の特徴を有しているとともに、下記での説明箇所以外は実施例1の駆動装置1と同様の構成をしている。具体的には、基板6及び冷却ファン3Cの配置以外は、実施例1の駆動装置1と同様の構成をしている。
【0040】
上記の通り、実施例1から実施例3の駆動装置1においては、冷却ファン3Cを順流方向F1に対して傾斜させる配置とすることで冷却ファン3Cからの送風方向が、順流方向F1に対して傾斜していた。すなわち、実施例1から実施例3の駆動装置1においては、冷却ファン3Cの配置を調整することで冷却効率を向上させる構成であった。
【0041】
一方、図10で表されるように、本実施例の駆動装置1においては、基板6の発熱面6aを順流方向F1に対して傾斜させている。すなわち、本実施例の駆動装置1においては、発熱部材である基板6の配置を調整することで、基板6の発熱面6aに対して方向FCに送風し、冷却効率を向上させる構成である。このように、本発明は、順流方向F1に対して、冷却ファン3Cの配置を調整することで冷却効率を向上させる構成であってもよいし、発熱部材の配置を調整することで冷却効率を向上させる構成であってもよい。
【0042】
[実施例5]
以下に、実施例5の駆動装置1について、図11を参照して説明する。なお、図11は実施例1の駆動装置1における図3に対応する図であるとともに、図11において上記実施例1から実施例4と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。ここで、本実施例の駆動装置1は、上記で説明した実施例1から実施例4の駆動装置1と同様の特徴を有しているとともに、下記での説明箇所以外は実施例1の駆動装置1と同様の構成をしている。具体的には、冷却ファン3Cの取り付け部5の形状以外は、実施例1の駆動装置1と同様の構成をしている。
【0043】
図3で表されるように、実施例1の駆動装置1においては、冷却ファン3Cの取り付け部5は、4つある冷却ファン3Cのそれぞれに対応して、4つ設けられていた。一方、本実施例の駆動装置1においては、図11で表されるように、1つの取り付け部5が、4つの冷却ファン3Cのすべてを取り付けている。別の表現をすると、本実施例の駆動装置1は、取り付け部5として、複数の冷却ファン3Cのうちの2つ以上が取り付けられる共通取り付け部15を備えている。本実施例の駆動装置1は、2つ以上の冷却ファン3Cが取り付けられる共通取り付け部15を備えていることで、冷却ファン3Cの取り付け部5に関する部品点数を減らし、取り付け部5の構成を特に簡単にしている。
【0044】
本発明は、上述の実施例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0045】
1…駆動装置、2…筐体カバー、2a…第1上面筐体カバー部、
2b…第1側面筐体カバー部、2c…第2側面筐体カバー部、
2d…第1正面筐体カバー部、2e…第1背面筐体カバー部、3…ファン、
3A…吸気ファン、3B…排気ファン、3C…冷却ファン、3D…吸気ファン、
4…コンデンサ、5…取り付け部、6…基板(発熱部材)、6a…発熱面、
7…遮蔽板、7a…開口部、7b…フィルタ、15…共通取り付け部、
16…抵抗素子(発熱部品)、21…通気口、22…吸気口、23…排気口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12